JP2014224527A5 - - Google Patents

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高濃度に硫黄成分を含有する重油等の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置
本発明は、船舶用ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれるカーボンを主体とする粒子状物質(Particulate Matter:以下「PM」と称する)や、硫黄酸化物(以下「SOx」と称す。)、窒素酸化物(以下「NOx」と称する)等の有害ガスを除去し、浄化する船舶用、発電用、産業用等の特に重油[重油(Fuel Oil)は舶用工業界において、ディーゼル油(Diesel Oil:DO)、舶用ディーゼル燃料(Marine Diesel Fuel:MDF)又は舶用ディーゼル油(Marine Diesel Oil :MDO)、舶用燃料油(Marine Fuel Oil:MFO)、重質燃料油(Heavy Fuel Oil:HFO)、残差燃料油(Residual Fuel Oil:RFO)と記されるが、本発明においてはこれらの記を総称して重油(Diesel Oil)と称する]以下の低質燃料を使用する大排気量船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス処理技術に係り、より詳しくは高い温度の排気ガスを排出する大排気量船舶用ディーゼルエンジンにおけるコロナ放電を利用した排気ガスの浄化装置に関する。
各種船舶や発電機並びに大型建機、さらには各種自動車等の動力源としてディーゼルエンジンが広範囲に採用されているが、このディーゼルエンジンから排出される排気ガスに含まれるPMやNOxは、周知の通り大気汚染をきたすのみならず、人体に極めて有害な物質であるため、その排気ガスの浄化は極めて重要である。このため、ディーゼルエンジンの燃焼方式の改善や各種排気ガスフィルタの採用、排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation:以下「EGR」と称する。)法、選択式還元触媒脱硝法(Selective Catalytic Reduction:以下「SCR」と称する。)、そしてコロナ放電を利用して電気的に処理する方法等、既に数多くの提案がなされ、その一部は実用に供されている。
ここで、ディーゼルエンジンの排気ガス中のPM(粒子状物質)の成分は、有機溶剤可溶分(SOF:Soluble Organic Fractions、以下「SOF」と称する。)と有機溶剤不溶分(ISF:Insoluble Organic Fractions、以下「ISF」と称する。)の2つに分けられるが、そのうちSOF分は、燃料や潤滑油の未燃分が主な成分で、発ガン作用のある多環芳香族等の有害物質が含まれる。一方、ISF分は、電気抵抗率の低いカーボン(すす)とサルフェート(Sulfate:硫酸塩)成分を主成分とするもので、このSOF分およびISF分は、その人体、環境に与える影響から、極力少ない排気ガスが望まれている。特に、生体におけるPMの悪影響の度合いは、その粒子径がnmサイズになる場合に特に問題であるとも言われている。
コロナ放電を利用して電気的に処理する方法としては、例えば以下に記載する方法及び装置(特許文献1〜2)が提案されている。
即ち、本出願人は特許文献1において、図27にその概略を示すように、排気ガス通路21にコロナ放電部22−1と帯電部22−2とからなる放電帯電部22を設けて、コロナ放電された電子29を排気ガスG1中のカーボンを主体とするPM28に帯電させ、同排気ガス通路21に配置した捕集板23で前記帯電したPM28を捕集する方式であって、放電帯電部22における電極針24は排気ガス流の流れ方向長さが短く、かつ捕集板23は排気ガス流の流れ方向に対し直角方向に配設された構成となしたディーゼルエンジンの排気ガス用電気式処理方法及び装置を提案している。なお図中、25はシールガス管、26は高圧電源装置、27は排気ガス誘導管である。
又、本出願人は特許文献2の第6実施例において、図28にその概略を示すように、ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、重油以下の低質燃料を燃料として用いるディーゼルエンジン31の排気マニホールド32下流の排気管に排気ガスクーラー33、静電サイクロン排気ガス浄化装置34及び通常スクラバー40を配設し、前記通常スクラバー40の下流の排気管に分岐部35を設けて、排気ガスの一部をEGRガスとして分流するEGR配管を前記分岐部35に接続し、該EGR配管に汽水分離器38を設け、EGRガスをEGRバルブ36により流量制御しながら吸気マニホールド37もしくはエアーフィルター39からの吸気管に還流させて構成される装置を提案している。
一方、非特許文献1には、第3章「すべての船舶の機関区域要件」におけるPartC「油の排出規制」の第15規則「油の排出規制」において、特別海域外及び特別海域での希釈しない場合の油性混合物の油分濃度が規定されている。
又、非特許文献2には、第2章「IMOの3次NOx規制への対応技術と残された課題」における2−2「IMOの3次NOx規制への対応するエンジン技術」の2−2−2「排気循環」のP14〜16において、ターボチャージャーのタービンへの排気管から分流したEGRガスをスクラバーにて浄化した後EGRクーラーで冷却し、更に水滴捕集機を通してからターボチャージャーのコンプレッサーから圧送される吸気のインタークーラーにEGRブロアーで還流させたディーゼルエンジンをコンテナ船に搭載する技術が示されている。なお、非特許文献2中のIMOとは、国際海事機関;International Maritime Organization の略号である。
さらに又、公知のNOx低減技術として触媒反応を利用した前記SCR方式が一般に知られている。
WO2006/064805号公報 特開2012−140928号公報
1973年の船舶による汚染の防止のための国際条約、附属書I「油による汚染の防止のための規則」 社団法人日本マリンエンジニアリング学会編:平成21年度船舶排出大気汚染物質削減技術検討調査報告書
しかしながら、上記した従来のディーゼルエンジン排ガス浄化装置には、以下に記載する問題点がある。
即ち、前記特許文献1に記載されたディーゼルエンジンの排気ガス用電気式処理方法及び装置(図27)は、放電帯電部22における電極針24は排気ガス流の流れ方向長さが短くかつ捕集板23は排気ガス流の流れ方向に対し直角方向に配設され、又、排気ガス流が捕集板23に対し直接当接するので流過抵抗(圧力損失;圧損)が大きいこと、捕集板23が薄く排気ガス流の流れ方向長さが短いのでPMの素通りが危惧され、PM捕集効率を十分に高めることができないおそれがあること、いったん捕集板23を通過したPMは再度コロナ放電により帯電させて捕集されることがなくそのまま排出されてしまうこと、といった問題を有する。
なお、コロナ放電等を利用して電気的に排気ガス中のPMを処理するディーゼルエンジンの排気ガス処理技術においては、以下に記載する課題が生じている。
即ち、船舶用ディーゼルエンジンにあっては、硫黄分の少ない軽油を使用する自動車用ディーゼルエンジンと比較して格段に大きな排気量を有しかつ重油以下の低質で硫黄分を多く含有する(重油は軽油に対し500〜3500倍程度の硫黄分を含有:JIS K2204:2007「軽油」;0.0010質量%以下、K2205−1990「重油」;0.5〜3.5質量%以下、による)燃料を使用する大排気量船舶用ディーゼルエンジンに、例えば先の特許文献1に記載の排気ガス浄化装置を用いた場合には、重油以下の低質燃料中の硫黄分が排気ガス及び又はEGRガス中にSOFとして含まれるだけでなくサルフェートとなりエンジン構成部品、特に排気関係部品を腐食するという課題を克服する必要がある。
又、前記特許文献2に記載された特に重油以下の低質燃料を使用する大排気量で高速及び/又は大流量の排気ガスが排出されるディーゼルエンジンの排気ガス用電気式処理方法及び装置(図28)は、エンジンにEGRシステムを採用して排気ガス中のNOxを低減すると共に、排気管又はEGR配管への通常スクラバー40の設置により静電サイクロン排気ガス浄化装置34で除去しきれない二酸化硫黄ガスやPM(すす、SOF、サルフェート)等の残存成分が効果的に除去されてより減少することによりクリーンな排気ガス及びEGRガスが得られ、かつEGRガスは冷却されて低温となる場合もあり高いEGR率が確保し易くなり、燃焼室での燃焼温度を低下させて窒素酸化物の発生がより抑制されると共にシリンダー壁面等からの放熱を減少させて燃費の向上がはかられ、さらにエンジン構成部品、排気関連部品をSOが腐食させたり摩耗を促進したりすることが少なくなるが、前記通常スクラバー40の処理水にはSOF分、粒子であるPMも含有されることとなる。
一方、非特許文献1の第3章「すべての船舶の機関区域要件」におけるPartC「油の排出規制」の第15規則「油の排出規制」においては、A.「特別海域での排出」条項の2「総トン数400トン以上の船舶からの油又は油性混合物の海洋への排出は禁止する。ただし、次のすべての条件を満たす場合は除く。」との規定の.3には「希釈をしない場合の油性混合物の油分濃度が100万分の15以下であること。」と規定され、B.「特別海域での排出」条項の3「総トン数400トン以上の船舶からの油又は油性混合物の海洋への排出は禁止する。ただし、次のすべての条件を満たす場合は除く。」との規定の.3には「希釈をしない場合の油性混合物の油分濃度が100万分の15以下であること。」と規定されている。
なお、ここで「油」とは、原油、重油及び潤滑油をいい、「油性」とは、この意味に従って解釈するものとし、「油性混合物」とは、油を含有する混合物をいう。
一方、非特許文献2に記載の舶用ディーゼルエンジンにおいては、排気ガスから分流したEGRガスを吸気に還流することによって、排気ガスからNOxの80%低減とEGRガスからの100%近いSOx除去が可能であるが、EGRガス中のPM、特にサルフェート成分を完全には除去できず残留するという欠点があり、又、スクラバーを通過する煤塵、PMになお含まれる硫黄分のディーゼル機関本体やシステムへの影響については、長期の実船試験が必要であるのみならず、スクラバーから船外排出される洗浄水については環境や生態系に影響を与えないようにする必要があり、特にこのスクラバーの洗浄水においては粒子であるPMの溶解、PMの浮遊、SOの溶解等に伴うこれら環境汚染成分もしくは生態系影響成分の除去やpH調整等、廃水処理が大きな問題となることが予想される。しかし、大排気量の船舶用ディーゼルエンジンの長時間に亘る航海においては、少なくともEGRガス流は、好ましくはEGRガス流を含む排気ガス流の全量の処理は、スクラバーのみでの処理では装置の大きさ(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む。)の点から全く現実的でない。又、本出願人の提案した特許文献1の技術であって、後段でのサイクロン集塵機を設置してPMを捕集し、さらにその後方に通常スクラバーを設置しても、排気ガス中の油分はその処理水に混合されることとなり、その処理装置の大きさ(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む。)も現実的な大きさではない。さらに又、本出願人の提案した特許文献2の技術であっても、排気ガス中のNOxは減少させられるが、通常スクラバーの処理水中への油分の混合は避けられず、その処理装置の大きさ(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む。)も現実的な大きさではない。なお通常スクラバーには、加圧水式としてベンチュリースクラバー、ジェットスクラバー、サイクロンスクラバー、スプレー塔などがあり、充填層式には充填塔、流動層スクラバーなど種々の形態の物があるが、いずれの通常スクラバーとも排気ガス流が処理水の表面に対し互いに交差的に激しく接触するため、排気ガス中の粒子であるPMの処理水への混合が避けられず、その排水処理には多大の工数と大規模装置(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む。)が必要であった。
又、公知のNOx低減技術として触媒反応を利用したSCR方式が一般に知られている。このSCR方式は、エンジンの排気ガスの温度が十分に高い状態で触媒が活性化されて、かつ触媒表面が煤等に覆われず確実に露出していれば触媒が正常に機能して高いNOx低減が達成できる。しかし、一般の舶用エンジンにあっては燃料消費率の向上を確保するため、自動車用エンジン等と比べるとロングストロークの低速エンジンが主流であり、シリンダー内で燃焼ガスのエネルギーを、ゆっくり時間をかけて確実に動力として取り出すことと、長時間にわたる燃焼ガスのシリンダー壁面等への接触に伴う放熱により排気ガスの温度は低温となることが多く、エンジン始動直後の暖機中のみならず定常運転中であっても触媒温度が300度を下回るとその機能を十分に発揮せず、NOx低減率が不十分なことが多い。又、重油以下の低質燃料を使用するディーゼルエンジンにあっては、排気ガス中に含有されるPMにより触媒が被覆されると共に、燃料に多量に含有される硫黄により被毒してそのNOx浄化機能が長期にわたり安定して機能しないという問題が指摘され改善が望まれている。
本発明は、上記した従来技術の問題に鑑み、特に重油以下の低質燃料を使用する大排気量で高速及び/又は大流量の排気ガスが排出される舶用ディーゼルエンジンの排気ガス中のNOxを低減し、更にPMの処理水への混合を阻止しながらSOを高効率に除去して排気ガスを浄化すると共に、スクラバー処理水へのPMの混合・エマルジョン化が阻止されていることにより、SOを中和濾過など単純な工程と少ない工数及び小型で制御が簡易な処理装置により処理して、特別海域及び特別海域外の航行中であっても海洋への排出が可能となる。即ち、スクラバー処理水の、複雑で高度な制御を伴う制御部を備えた高価かつ大型の処理装置(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む。)で設置自由度の低い設備を必要とせずに、安価で保守が容易な小型で設置自由度の高い設備でありながら処理水の管理が容易であり、又、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり、製油業界における大規模な脱硫装置の設置に伴う膨大な設備投資を必要とせず、従って燃料費を安価とすることができる、高濃度に硫黄成分を含有する重油等の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置を提供しようとするものである。
本発明に係る重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、第1の発明として、重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置において、エンジンの排気マニホールドに連なる排気管に好ましくは排気ガスクーラーを設け、該排気ガスクーラーの下流側に、前記排気ガス中に含まれる有機溶剤可溶分(SOF)、有機溶剤不溶分(ISF)を主体とするPM(粒子状物質)を除去する電気集塵手段を設置し、かつ該電気集塵手段の下流側排気管に排気ガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対し排気ガスが衝突することが無いことによりPMを除去しないスクラバー(以下、説明の便宜上「PMフリースクラバー(PM-free Scrubber)」と称することもある。)を配設した構成となしたことを特徴とするものである。
本発明に係る重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、第2の発明として、エンジンの排気マニホールドに連なる排気管に好ましくは排気ガスクーラーを設け、該排気ガスクーラーの下流側に、前記排気ガス中に含まれる有機溶剤可溶分(SOF)、有機溶剤不溶分(ISF)を主体とするPM(粒子状物質)を除去する電気集塵手段を設置し、該電気集塵手段の下流側配気管に前記排気ガスの一部をEGRガスとして分流する分岐部を設け、該分岐部に連なるEGR配管系を介して前記EGRガスをエンジンの吸気に還流させると共に、前記電気集塵手段の下流側排気管の前記分岐部の上流側もしくは下流側又はEGR配管系のいずれかに排気ガス又はEGRガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対し排気ガス又はEGRガスが衝突することが無いことによりPMを除去しない主スクラバーを配設した構成となしたことを特徴とするものである。
本発明に係る重油以下の低質燃料を使用するディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、第3の発明として、エンジンの排気マニホールドに連なる排気管に、排気ガスの一部をEGRガスとして分流する分岐部を設け、該分岐部に連なるEGR配管系に好ましくは排気ガスクーラーを設け、該排気ガスクーラーの下流側に、該排気ガス中に含まれる有機溶剤可溶分(SOF)、有機溶剤不溶分(ISF)を主体とするPM(粒子状物質)を除去する電気集塵手段を設置し、該電気集塵手段の下流側EGR配管系を介してEGRガスをエンジンの吸気に還流させると共に、前記電気集塵手段の下流側のEGR配管系にEGRガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対しEGRガスが衝突することが無いことによりPMを除去しないスクラバーを配設した構成となしたことを特徴とするものである。
本発明に係る重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、第4の発明として、エンジンの排気マニホールド下流の排気管に好ましくは排気ガスクーラーを設け、該排気ガスクーラーの下流側に、前記排気ガス中に含まれる有機溶剤可溶分(SOF)、有機溶剤不溶分(ISF)を主体とするPM(粒子状物質)を除去する電気集塵手段を設置し、かつ該電気集塵手段の下流側排気管に排気ガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対し排気ガスが衝突することが無いことによりPMを除去しない主スクラバーを配設し、さらに前記主スクラバーの下流側に前記排気ガスの一部をEGRガスとして分流する分岐部を設け、該分岐部に連なるEGR配管系にEGRガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対しEGRガスが衝突することが無いことによりPMを除去しない副スクラバーを配設した構成となしたことを特徴とするものである。
本発明に係る重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、第5の発明として、エンジンの排気マニホールド下流の排気管に2段過給システムとして排気ガスの流れ方向前段に高圧ターボチャージャーを、同後段に低圧ターボチャージャーを設け、低圧ターボチャージャー下流の排気管に好ましくは排気ガスクーラーを設置し、さらにその下流側に、該排気ガス中に含まれる有機溶剤可溶分(SOF)、有機溶剤不溶分(ISF)を主体とするPM(粒子状物質)を除去する電気集塵手段と排気ガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対し排気ガスが衝突することが無いことによりPMを除去しない主スクラバーを配設し、さらに又前記クラバーの下流側に前記排気ガスの一部をEGRガスとして分流する分岐部を設け、該分岐部に接続したEGR配管系にEGRガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対しEGRガスが衝突することが無いことによりPMを除去しない副スクラバーを配設し、該排気ガスの一部を前記低圧ターボチャージャーの上流又は下流あるいは高圧ターボチャージャーの下流のいずれかに還流させる構成となしたことを特徴とするものである。
本発明に係る重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、第6の発明として、エンジンの排気マニホールド下流の排気管に排気ガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対し排気ガスが衝突することが無いことによりPMを除去しない主スクラバーを配設し、該主スクラバーの下流側に前記排気ガスの一部をEGRガスとして分流する分岐部を設け、該分岐部に接続したEGR配管系に好ましくは排気ガスクーラー、該EGRガス中に含まれる有機溶剤可溶分(SOF)、有機溶剤不溶分(ISF)を主体とするPM(粒子状物質)を除去する電気集塵手段とEGRガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対しEGRガスが衝突することが無いことによりPMを除去しない副スクラバーを配設し、該排気ガスの一部をエンジンの吸気系に還流させる構成となしたことを特徴とするものである。
又、上記第1〜第6発明の排気ガス浄化装置において、PMを除去しないスクラバーとしては、排気管及び/又はEGR配管系に優れた吸水性を有するガラス繊維を骨格とした多孔質セラミック素材よりなる波板と平板を交互に積層した斜行ハニカム構造のコア部を垂直に配置し、コア上部にコア部表面が常時湿潤するようコアのほぼ全長に亘る給水部を設けると共に排気ガス流がハニカムコア部の前面より流入し多数のトンネル状の微小コア内を通過して背面より流出するよう配置し、コア下部に排気ガスを浄化した処理水を受領するコアのほぼ全長にわたるトレイを設ける構成とすること、又は、排気管及び/又はEGR配管系に上部タンク及び下部タンクを設け、前記両タンク間に上下方向に対し鉛直又は傾斜して平板及び/又は波板を設けること、あるいは排気管の下部にトレイの好ましくは水面下に複数の下ロールを配し、これと対応した複数の上ロールとの間にエンドレスベルトをサーペンタイン状に配し各ロールの少なくとも一つを駆動し、上ロール直下より処理水を流下して排気ガス流路に多数の濡れた可動壁面を設けた構成とすることを好ましい態様とするものである。
本発明に係る重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、以下に記載する効果を奏する。
1.排気ガス通路に好ましくは排気ガスクーラー、静電サイクロン排気ガス浄化装置、PMを殆ど溶解・除去しないPMフリースクラバーを設け、かつ該PMフリースクラバーを構成する各壁面に存在(一部流下)する処理水の薄膜層により、排気ガス中のSOxは各壁面に沿って流れる間に処理水に吸着され溶解してその濃度を激減させて排出されるが、排気ガス中の粒子であるPMは処理水の表面に沿って流れるだけでPMフリースクラバー処理水の水薄膜層表面に対し排気ガスが衝突することが殆んど無く、PMフリースクラバー処理水の水薄膜層表面に沿いながら滑らかに流れて、相互に混合・溶解して除去されることがなく、処理水には主としてSOxのみが溶解していて粒子であるPMは極僅かしか溶解・含有していないので、このPMを殆ど溶解・除去しないPMフリースクラバーの廃棄処理水の後処理では、SOxは中和・濾過など単純な工程と少ない工数及び小型で制御が簡易な処理装置で処理ができ、複雑で高度な制御を伴う制御部を備えた高価かつ大型で設置自由度の低い処理装置(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む。)による粒子であるPMの処理機能をほとんど必要とせずに、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり、特別海域及び特別海域外の航行中であっても海洋への排出が可能となる。
2.舶用燃料は硫黄の含有量が多いことから排気ガスには高い濃度のサルフェートが含有されており、そのままEGRガスとして燃焼室に供給すると排気ガス中の硫黄分が更に濃化されてピストン、ピストンリング、シリンダー、シリンダーヘッド、給排気バルブ・バルブステム等のエンジン構成部品、排気管、マフラー、エコノマイザー、レキュペレーター等の排気関連部品をSOxが腐食させたり摩耗させて、エンジン及び関連部品の耐久性を損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料が使用でき、本発明装置によれば排気ガス通路に好ましくは排気ガスクーラー、静電サイクロン排気ガス浄化装置、PMを殆ど溶解・除去しない前記PMフリースクラバー及び分岐部を設け、該分岐部より分岐させたEGRガスを吸気に還流することにより、静電サイクロン排気ガス浄化装置で除去しきれない二酸化硫黄ガスなどのSOxと、粒子であるPMの内、SOxはPMフリースクラバーで除去されて排気ガスにもEGRガスにもほとんど含有されないこととなり、排気ガスはn−ヘキサン抽出物などのSOF分は含有するもののPMも二酸化硫黄ガスなどのSOxの含有量を減少させると共に、SOxを減少させたEGRガスの還流によりエンジン構成部品の摩耗促進及び腐食の防止や、排気関係部品の腐食を防止してメンテナンス間隔の延長や長寿命化が図れて耐久性を損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料が使用でき、かつ燃焼室での燃焼温度が低下して窒素酸化物の発生が抑制されて排気ガスもクリーンになり、処理水には主としてSOxのみが溶解していて粒子であるPMは極僅かしか溶解・含有していないので、このPMを殆ど溶解・除去しないPMフリースクラバーの処理水の廃棄処理水としての後処理は、SOxは中和・濾過など単純な工程と少ない工数及び小型で制御が簡易な処理装置で処理ができ、複雑で高度な制御を伴う制御部を備えた高価かつ大型で設置自由度の低い処理装置(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む。)によるPMの処理機能をほとんど必要とせずに、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり、特別海域及び特別海域外の航行中であっても廃棄処理水海洋への排出が可能となる。
3.排気管に好ましくは排気ガスクーラー及び静電サイクロン排気ガス浄化装置、分岐部を配設し、排気ガスの一部をEGRガスとして分流しEGRガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMを殆ど溶解・除去しない前記PMフリースクラバーを配設し、EGRガスを吸気管などに還流させることにより、SOxはPMフリースクラバーで除去されてクリーンなEGRガスとなり、排気ガスはPM及び窒素酸化物の含有量は減少し、分流されたEGRガス温度がPMフリースクラバーにて処理水と接触することによりEGRガスの温度が低下して高EGR率の確保が容易となり、燃焼室での燃焼温度が低下して窒素酸化物の発生が抑制されると共にシリンダー壁面等からの放熱が減少して燃料消費率が向上し、EGRガスに含有されるSOxが減少することにより、エンジン構成部品、排気関連部品がSOxにより摩耗を促進されたり腐食されたりしてエンジン及び関連部品の耐久性を損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料が使用できる。なお、EGR配管系に設置するPMフリースクラバーはEGRガスのみを処理可能な処理能力を有すればよいので排気ガスの全量を処理する場合よりは少ない処理能力で良く小型・小容量で廉価な装置となり、かつ処理水の量も少なくなりスラッジが減少するなど、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり、特別海域及び特別海域外の航行中の海洋への廃棄処理水の排出量も減少させることができる。
4.排気管に分岐部を設けて、排気ガスの一部をEGRガスとして分流し、EGR配管系に好ましくは排気ガスクーラー、静電サイクロン排気ガス浄化装置、SOxをその処理水に溶解するがPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバーを設置し、EGRガスの流量を制御しながら吸気系に還流させることにより、分岐されたEGRガスは静電サイクロン排気ガス浄化装置でPMの含有量は減らされ、SOxをその処理水に溶解するがPMを殆ど溶解・除去しないPMフリースクラバーにより、静電サイクロン排気ガス浄化装置で除去しきれなかった二酸化硫黄ガスなどのSOxと、粒子であるPMの内、SOxはPMフリースクラバーで除去されてほとんど含有されないクリーンなEGRガスとなり、さらに分流されたEGRガス温度がPMフリースクラバーにて処理水と接触することにより冷却されてEGRガスの温度が低下して高EGR率の確保が容易となり、燃焼室での燃焼温度が低下して窒素酸化物の発生が抑制されると共にシリンダー壁面等からの放熱が減少して燃料消費率が向上すると共に、EGRガスに含有されるSOxが減少することにより、エンジン構成部品、排気関連部品がSOxにより摩耗を促進されたり腐食されたりしてエンジン及び関連部品の耐久性を損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料が使用できる。なお、EGR配管系に設置するPMフリースクラバーはEGRガスのみを処理可能な処理能力を有すればよいので排気ガスの全量を処理する装置よりは少ない処理能力で良く小型・小容量で廉価な装置となり、かつ処理水の量も少なくなって、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり、特別海域及び特別海域外の航行中の海洋への廃棄処理水の排出量も減少させることができる。又、静電サイクロン排気ガス浄化装置もEGRガスのみを処理可能な処理能力を有すればよいので排気ガスの全量を処理する排気ガス浄化装置よりも少ない処理能力で良く小型・小容量でレイアウト性が良く、かつ廉価な装置となる。
5.排気管に静電サイクロン排気ガス浄化装置と主PMフリースクラバーを設け、該主PMフリースクラバーの後流からEGRガスを分流し、EGR配管系に副PMフリースクラバーを設けることにより、さらに以下に記載する効果が得られる。
(イ).EGRガスに含有されるSOxを大幅に除去できるので、ピストン、ピストンリング、シリンダー、シリンダーヘッド、給排気バルブ・バルブステム等のエンジン構成部品の腐食や摩耗をより減少させて耐久性を損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料が使用できる。
(ロ).EGR配管、EGRバルブ、ブロアー、ターボチャージャーのコンプレッサーホイール、インタークーラー、吸気管、インテークマニホールド等の給・排気関連部品の腐食を減少させて耐久性を損ねる危惧をなくして向上をさせることができるので安価な材料が使用できる。
(ハ).副PMフリースクラバーの処理水にはSOxのみが溶解していて、粒子であるPMはごく僅かしか溶解・含有されていないため、主PMフリースクラバーと同様に排水処理は容易であり、かつ両スクラバーからの処理水を一括して処理し、時にはスクラバー・スルー運転も可能であるなど、特別海域及び特別海域外の航行中に海洋廃棄が可能である。
6.公知のNOx低減技術として知られている触媒反応を利用したSCR方式は、エンジンの排気ガスの温度が十分に高い状態では触媒が活性化され、又、触媒表面が煤等に覆われず確実に露出しておれば触媒が正常に機能して高いNOx低減が達成できるが、一般の舶用エンジンにあっては燃料消費率の向上を確保するために自動車用エンジン等と比べるとロングストロークの低速エンジンが主流であり、シリンダー内で燃焼ガスの持つエネルギーを、ゆっくり時間をかけて確実に運動エネルギーである動力として取り出すことと、長時間にわたり燃焼ガスがシリンダー壁面等へ接触することにより熱エネルギーが放熱されて排気ガスの温度は低温となることが多く、エンジン始動直後の暖機中だけではなく定常運転中であっても触媒温度が300度を下回って触媒機能を十分に発揮できず、NOx低減率が不十分なことが多く、又重油以下の低質燃料を使用するディーゼルエンジンにあっては、排気ガス中に含有されるPMにより触媒が被覆されて排気ガスとの接触が妨げられる問題や、燃料中に多量に含有される硫黄により触媒が被毒してそのNOx浄化機能が発揮できなくなって長期に亘り安定してNOxを低減できない問題が生じているが、本発明装置では各構成部品はSCR程の温度依存性が無く、排気ガス中のPMにも影響されず、又、低質燃料使用によるSOxによる劣化もほとんど無く、エンジン始動直後から長期にわたり安定して排気ガス浄化機能を発揮することができて高いNOx低減率が達成でき、環境保全に確実に寄与できる。
本発明の第1実施例装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施例装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施例装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施例装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第5実施例装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第6実施例装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第7実施例装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第8実施例装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第9実施例装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第10実施例装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第11実施例装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第12実施例装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第13実施例装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第14実施例装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の第15実施例装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明に係るPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバーの第1実施例を示す概念図である。 同じくPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバーの第2実施例を示す概念図である。 同じくPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバーの第3実施例を示す概念図である。 同じくPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバーの第4実施例を示す概念図である。 本発明の実施例において比較例として基本特性を示す装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施例におけるSOxの濃度状況を示す図である。 本発明の実施例におけるNOxの濃度状況を示す図である。 本発明の実施例におけるPMフリースクラバー処理水中のn−ヘキサン値を示す図である。 本発明の実施例における従来例の通常スクラバー処理水の透視度を示す図である。 本発明の実施例における本発明のPMフリースクラバー処理水の透視度を示す図である。 本発明の実施例における従来例1のディーゼルエンジン排気ガス浄化装置の全体構成を示すブロック図である。 従来のディーゼルエンジン排気ガス浄化装置の一例を示す概略図である。 従来の重油以下の低質燃料を使用するディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置の構成例を示すブロック図である。
図1に本発明の第1実施例装置として示す船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、重油以下の低質燃料を燃料として使用するディーゼルエンジン(E)1の排気マニホールド(E/M)2下流の排気管のターボチャージャー(T/C)12のタービン(図示せず)下流に排気ガスクーラー(G/C)3を配設し、更に該排気ガスクーラー(G/C)3の下流に静電サイクロン排気ガス浄化装置(ESP/C/DPF(Diesel Particulate Filter))4を配設し、その下流側配管に排気ガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11を配設し、エアーフィルター(A/F)9下流の吸気管にターボチャージャー(T/C)12のコンプレッサー(図示せず)及びインタークーラー(I/C)14を経由してエンジンの吸気マニホールド(I/M)7に外部の空気を吸気させる構成となしたものである。
上記図1に示す構成の排気ガス浄化装置の場合、ターボチャージャー(T/C)12のタービンホイール(図示せず)を駆動し排気ガスクーラーにより冷却された排気ガスは、静電サイクロン排気ガス浄化装置で当該排気ガス中のPM(SOF、ISF)の含有量が減らされ、その後PMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバーを通過する。この排気ガス浄化装置において、PMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11では該PMフリースクラバーを構成する各処理板の壁面に存在(一部流下)するスクラバー処理水の水薄膜層により、排気ガス中のSOxは各壁面の処理水の水薄膜層の表面付近を流れてSOxに対し吸収性の良い水流にその表面から溶解し、この溶解により水薄膜層表面付近を流れる排気ガスはSOxの濃度が一瞬低下するが拡散係数が極めて大きいSOxは排気ガス流内の隣接する濃度の高い流れから濃度の低い薄膜層表面付近に直ちに高速で拡散・移動してきて水薄膜層表面に供給されることとなり、この水薄膜層表面での溶解と排気ガス流からの水薄膜層表面への高速拡散の連続繰り返し現象により、SOxはほとんど処理水に吸収・吸着され溶解してその濃度を激減させて排出されるが、排気ガス中の粒子であるPMは粒径が大きく拡散係数が極めて小さいので水薄膜層表面での溶解と排気ガス流からの水薄膜層表面への拡散の連続繰り返し現象が発生しないので処理水の表面に沿って流れるだけとなり、ジェットスクラバー、ベンチュリースクラバー、スプレー塔等の加圧水式や、充填塔、流動層スクラバー等の従来の充填式のスクラバーとは異なり、スクラバー処理水の表面に対し排気ガスが衝突することがほとんど無く、PMフリースクラバー処理水の水薄膜層表面に沿いながら滑らかに流れるだけであるから、相互に混合することがなくそのほとんどが吸収されずにPMフリースクラバーを素通りし排出されてしまう。
従って、この排気ガス浄化装置のPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11では、処理水には主としてSOxのみが溶解していて粒子であるPMはごく僅かしか溶解・含有していないので、このPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11のスクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理は、SOxは中和・濾過など単純な工程と少ない工数及び小型な処理装置で処理ができ、複雑で高度な制御を伴う制御部を備えた高価かつ大型で設置自由度の低い処理装置(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む)による粒子であるPMの処理機能をほとんど必要とせずに、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても海洋への排出が可能となる。
図2に本発明の第2の実施例装置として示す船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、同じく重油以下の低質燃料を燃料として使用するディーゼルエンジンの排気マニホールド2下流の排気管に排気ガスクーラー3を設け、該排気ガスクーラー3の下流に静電サイクロン排気ガス浄化装置4と、排気ガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11を設け、さらにその下流にマフラー(図示せず)への排気管に分岐部5を設けてEGRガスを分流するEGR配管系を接続し、分流したEGRガスをEGRバルブ6により流量制御しながら吸気マニホールド7もしくはエアーフィルター9からの吸気管系に還流させる構成となしたものである。
上記図2に示す構成の排気ガス浄化装置の場合は、図1に示す第1の実施例装置と同様に、排気ガスがクリーンになると共に、排気管にPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11とその後流の分岐部5からEGRガスを分流し吸気に還流するEGR配管系を設置することにより、静電サイクロン排気ガス浄化装置4で除去しきれない二酸化硫黄ガスなどのSOxと、粒子であるPMの内、SOxはPMフリースクラバー11で除去されて排気ガスにもEGRガスにもほとんど含有されないこととなり、排気ガスはn−ヘキサン抽出物などのSOF分は含有するもののPMも二酸化硫黄ガスなどのSOxの含有量を減少させると共に、SOxを減少させたEGRガスの還流によりエンジン構成部品の摩耗及び腐食の防止や、排気関係部品の腐食を防止してメンテナンス間隔の延長や長寿命化が図れて耐久性を損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料を使用することができ、かつ燃焼室での燃焼温度が低下して窒素酸化物の発生が抑制されて排気ガスもクリーンになり環境保全が図られる。
さらに、この排気ガス浄化装置においてもPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11では、スクラバー処理水には主としてSOxのみが溶解していて粒子であるPMは極僅かしか溶解・含有していないので、このPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11のスクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理は、SOxは中和・濾過など単純な工程と少ない工数及び小型で制御が簡易な処理装置で処理ができ、複雑で高度な制御を伴う制御部を備えた高価かつ大型で設置自由度の低い処理装置(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む。)による粒子であるPMの処理機能をほとんど必要とせずに、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても廃棄処理水海洋へ廃棄処理水の海洋への排出が可能となる。
図3に本発明の第3の実施例装置として示す船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、同じく重油以下の低質燃料を燃料として用いるディーゼルエンジンの排気マニホールド2下流の排気管に排気ガスクーラー3、静電サイクロン排気ガス浄化装置4及びPMフリースクラバー11をこの順に配設し、更にその下流の排気管に分岐部5を設けて、排気ガスの一部をEGRガスとして分流するEGR配管系を前記分岐部5に接続し、EGR配管系に設けたEGRクーラー(E/C)10によりさらに冷却されたEGRガスをEGRバルブ6により流量制御しながら吸気マニホールド7もしくはエアーフィルター9からの吸気管系に還流させる構成となしたものである。
上記図3に示す構成の排気ガス浄化装置の場合も排気ガスがクリーンになると共に、前記図2に示す第2実施例装置と同様に、排気管にPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11と、その後流の分岐部からEGRガスを分流しEGRクーラー10にてさらに冷却した後に吸気に還流するEGR配管系を設置することにより、静電サイクロン排気ガス浄化装置4で除去しきれない二酸化硫黄ガスなどのSOxと、粒子であるPMの内、SOxはPMフリースクラバー11で除去されて排気ガスにもEGRガスにもほとんど含有されないこととなり、排気ガスはn−ヘキサン抽出物などのSOF分を僅かに含有するもののPMも二酸化硫黄ガスなどのSOxもその含有量を減少させると共に、SOxを減少されかつEGRクーラーにてさらに冷却され高EGR率の確保が容易となったEGRガスの還流により燃焼室での燃焼温度がより低下して窒素酸化物の発生がより抑制されると共にシリンダー壁面等からの放熱が減少して燃料消費率が向上し、さらにエンジン構成部品の摩耗及び腐食の防止や、排気関係部品の腐食を防止してメンテナンス間隔の延長や長寿命化が図れて耐久性を損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料を使用できることとなり、かつ燃焼室での燃焼温度が低下して窒素酸化物の発生がより抑制されてより排気ガスもクリーンになり環境保全が図られる。
さらに、この排気ガス浄化装置においてもPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11では、スクラバー処理水には主としてSOxのみが溶解していて粒子であるPMは極僅かしか溶解・含有していないので、このPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11のスクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理は、SOxは中和・濾過など単純な工程と少ない工数及び小型で制御が簡易な処理装置で処理ができ、複雑で高度な制御を伴う制御部を備えた高価かつ大型で設置自由度の低い処理装置(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む。)による粒子であるPMの処理機能をほとんど必要とせずに、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても廃棄処理水の海洋への排出が可能となる。
図4に本発明の第4の実施例装置として示す船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、同じく重油以下の低質燃料を燃料として用いるディーゼルエンジンの排気マニホールド2下流の排気管に排気ガスクーラー3及び静電サイクロン排気ガス浄化装置4を配設し、前記静電サイクロン排気ガス浄化装置4の下流の排気管に分岐部5を設けて、排気ガスの一部をEGRガスとして分流するEGR配管系を前記分岐部5に接続し、該EGR配管系にEGRガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11を配設し、更にEGRガスをEGRバルブ6により流量制御しながら吸気マニホールド7もしくはエアーフィルター9からの吸気管系に還流させる構成となしたものである。
上記図4に示す構成の排気ガス浄化装置の場合は排気ガスがクリーンになると共に、前記図3に示す第3の実施例装置と異なり、EGR配管系にEGRガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11を設置することにより、静電サイクロン排気ガス浄化装置4で除去しきれなかった二酸化硫黄ガスなどのSOxと、粒子であるPMの内、SOxはPMフリースクラバー11で除去されてEGRガスにはほとんど含有されないクリーンなEGRガスとなり、排気ガスは静電サイクロン排気ガス浄化装置4により処理されることとEGRガスの還流によりPM及び窒素酸化物の含有量は減少しているがスクラバー処理されないのでSOxを含有することにはなるが、分流されたEGRガス温度がPMフリースクラバー11にてスクラバー処理水の水薄膜層表面に沿いながら滑らかに流れることによりEGRガスの温度が低下することとなって高EGR率の確保が容易となり、又、燃焼室での燃焼温度が低下して窒素酸化物の発生が抑制されると共にシリンダー壁面等からの放熱が減少して燃料消費率が向上すると共に、EGRガスに含有されるSOxが減少することにより、エンジン構成部品、排気関連部品がSOxにより摩耗を促進されたり腐食されたりしてエンジン及び関連部品の耐久性を損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料が使用できる。なお、EGR配管系に設置するPMフリースクラバー11はEGRガスのみを処理可能な処理能力を有すればよいので排気ガスの全量を処理する前記第1〜第3実施例装置のPMフリースクラバー11よりは少ない処理能力で良く小型・小容量で廉価な装置となり、かつ処理水の量も少なくなりスラッジの減少、航行中の海洋への廃棄処理水の排出量も減少させることができる。
さらに、この排気ガス浄化装置においてもPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11では、スクラバー処理水には主としてSOxのみが溶解していて粒子であるPMは極僅かしか溶解・含有していないので、このPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11のスクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理は、SOxは中和・濾過など単純な工程と少ない工数及び小型で制御が簡易な処理装置で処理ができ、複雑で高度な制御を伴う制御部を備えた高価かつ大型で設置自由度の低い処理装置(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む。)による粒子であるPMの処理機能をほとんど必要とせずに、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても廃棄処理水の海洋への排出が可能となる。
図5に本発明の第5の実施例装置として示す船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、同じく重油以下の低質燃料を燃料として用いるディーゼルエンジン1の排気マニホールド2下流の排気管に排気ガスクーラー3及び静電サイクロン排気ガス浄化装置4を配設し、前記静電サイクロン排気ガス浄化装置4の下流の排気管に分岐部5を設けて、排気ガスの一部をEGRガスとして分流するEGR配管系を前記分岐部5に接続し、該EGR配管系にEGRガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11を配設し、更に前記PMフリースクラバー11の下流側にEGRクーラー10を配設し、該EGRクーラー10によりさらに冷却されたEGRガスをEGRバルブ6により流量制御しながら吸気マニホールド7もしくはエアーフィルターからの吸気管系に還流させる構成となしたものである。
上記図5に示す構成の排気ガス浄化装置の場合は排気ガスがクリーンになると共に、前記図4に示す第4の実施例装置と同様に、EGR配管系にEGRガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11及びEGRクーラー10を設置することにより、静電サイクロン排気ガス浄化装置4で除去しきれなかった二酸化硫黄ガスなどのSOxと、粒子であるPMの内、SOxはPMフリースクラバー11で除去されてEGRガスにはほとんど含有されないクリーンで温度の低いEGRガスとなり、排気ガスは静電サイクロン排気ガス浄化装置4により処理されることとEGRガスの還流によりPM及び窒素酸化物の含有量は減少しているがスクラバー処理されないのでSOxを含有することにはなるが、分流されたEGRガス温度がPMフリースクラバー11にて処理水と接触すること及びその後EGRクーラー10にてさらに冷却されることによりEGRガスの温度が第4実施例よりさらに低下することとなって高EGR率の確保が容易となり、又、燃焼室での燃焼温度がより低下して窒素酸化物の発生がより抑制されると共にシリンダー壁面等からの放熱が減少して燃料消費率がより向上すると共に、EGRガスに含有されるSOxが減少することにより、エンジン構成部品、排気関連部品がSOxにより摩耗を促進されたり腐食されたりしてエンジン及び関連部品の耐久性を損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料を使用できる。
なお、EGR配管系に設置するPMフリースクラバー11はEGRガスのみを処理可能な処理能力を有すればよいので、排気ガスの全量を処理する前記第1〜第3実施例装置のPMフリースクラバーよりは少ない処理能力でよく小型・小容量で廉価な装置となり、かつ処理水の量も少なくなりスラッジの減少、航行中の海洋への廃棄処理水の排出量も減少させることができる。
さらに、この排気ガス浄化装置においてもPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11では、スクラバー処理水には主としてSOxのみが溶解していて粒子であるPMは極僅かしか溶解・含有していないので、このPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバーのスクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理は、SOxは中和・濾過など単純な工程と少ない工数及び小型で制御が簡易な処理装置で処理ができ、複雑で高度な制御を伴う制御部を備えた高価かつ大型で設置自由度の低い処理装置(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む)による粒子であるPMの処理機能をほとんど必要とせずに、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても廃棄処理水の海洋への排出が可能となる。
図6に本発明の第6の実施例装置として示す船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、重油以下の低質燃料を燃料として用いるディーゼルエンジン1の排気マニホールド2下流にターボチャージャー(T/C)12が装着され、該ターボチャージャー12のタービンホイール(図示せず)下流の排気管に排気ガスクーラー3と静電サイクロン排気ガス浄化装置4を配設し、前記静電サイクロン排気ガス浄化装置4の下流の排気管に分岐部5を設けて、排気ガスの一部をEGRガスとして分流するEGR配管系を前記分岐部5に接続し、該EGR配管系にEGRガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11及び汽水分離器8を配設し、さらにその下流にEGRガスを昇圧し供給・圧送するブロアー(B/W)13を設け、EGRガスをEGRバルブ6により流量制御しながらターボチャージャー12のコンプレッサーホイール(図示せず)により昇圧されている前記吸気マニホールド7に還流させる構成となしたものである。又、本実施例装置ではEGRガスが還流される位置が吸気マニホールド7の場合を示したが、EGRガスはブロアー(B/W)13によって昇圧されているので吸気配管系のいずれの位置(インタークーラーの前後など)であっても所望の高いEGR率で還流させることができる。なお、PMフリースクラバー11の下流に汽水分離器8を設置してあるが、これはPMフリースクラバー11の処理水がEGRガス中に混ざるなどして水滴を含む場合に、この水滴がブロアー内で飛散して構成部品を腐食させという問題やエンジン燃焼室へ流入して急膨張し極めて高圧となって燃焼に悪影響を及ぼすと共にエンジンを破損することなどを防止している。
上記図6に示す構成の排気ガス浄化装置の場合は排気ガスがクリーンになると共に、前記図4に示す第4の実施例装置と同様に、EGR配管系にEGRガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11及び汽水分離器8とブロアー13を設置することにより、静電サイクロン排気ガス浄化装置4で除去しきれなかった二酸化硫黄ガスなどのSOxと、粒子であるPMの内、SOxはPMフリースクラバー11で除去されてEGRガスにはほとんど含有されないクリーンなEGRガスとなり、排気ガスは静電サイクロン排気ガス浄化装置4により処理されることとEGRガスの還流によりPM及び窒素酸化物の含有量は減少しているがスクラバー処理されないのでSOxを含有することにはなるが、分流されたEGRガス温度がPMフリースクラバー11にてスクラバー処理水と接触することによりEGRガスの温度が低下することとなりブロアー13で圧送することと相まって高EGR率の確保が容易となり、又、燃焼室での燃焼温度が低下して窒素酸化物の発生が抑制されると共にシリンダー壁面等からの放熱が減少して燃料消費率が向上すると共に、EGRガスに含有されるSOxが減少することにより、エンジン構成部品、排気関連部品がSOxにより摩耗を促進されたり腐食されたりしてエンジン及び関連部品の耐久性を損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料が使用できる。
なお、EGR配管に設置するPMフリースクラバー11はEGRガスのみを処理可能な処理能力を有すればよいので排気ガスの全量を処理する前記第1〜第3実施例装置のPMフリースクラバー11よりは少ない処理能力で良く小型・小容量で廉価な装置となり、かつ処理水の量も少なくなりスラッジの減少、航行中の海洋への廃棄処理水の排出量も減少させることができる。
さらに、この排気ガス浄化装置においてもPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11では、スクラバー処理水には主としてSOxのみが溶解していて粒子であるPMは極僅かしか溶解・含有していないので、このPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバーのスクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理は、SOxは中和・濾過など単純な工程と少ない工数及び小型で制御が簡易な処理装置で処理ができ、複雑で高度な制御を伴う制御部を備えた高価かつ大型で設置自由度の低い処理装置(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む)による粒子であるPMの処理機能をほとんど必要とせずに、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても廃棄処理水の海洋への排出が可能となる。
図7に本発明の第7の実施例装置として示すディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、重油以下の低質燃料を燃料として用いるディーゼルエンジン1の排気マニホールド2下流の排気管に分岐部5を設けて、排気ガスの一部をEGRガスとして分流するEGR配管系を前記分岐部5に接続し、該EGR配管系に排気ガスクーラー3及び静電サイクロン排気ガス浄化装置4を配設し、前記静電サイクロン排気ガス浄化装置4の下流にEGRガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMを殆ど溶解・除去しないPMフリースクラバー11を設置し、更に前記PMフリースクラバー11の下流にEGRクーラー10及びEGRバルブ6を配設し、該EGRバルブ6によりEGRガスの流量を制御しながら吸気マニホールド7もしくはエアーフィルター9からの吸気管系に還流させる構成となしたものである。
上記図7に示す構成の排気ガス浄化装置の場合、前記第1乃至第6実施例装置と異なり排気ガス中のPMは除去されないがEGRガスの還流により窒素酸化物の含有量は減少していて、分岐されたEGRガスは排気ガスクーラー3により冷却され静電サイクロン排気ガス浄化装置4で当該EGRガス中のPM(SOF、ISF)の含有量が効率よく減らされ、さらにEGRガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMを殆ど溶解・除去しないPMフリースクラバー11を設置することにより、静電サイクロン排気ガス浄化装置4で除去しきれなかった二酸化硫黄ガスなどのSOxと、粒子であるPMの内、SOxはPMフリースクラバー11で除去されてEGRガスにはほとんど含有されないクリーンなEGRガスとなり、さらに又、分流されたEGRガス温度がPMフリースクラバー11にて処理水と接触することとEGRクーラー10にてさらに冷却されることによりEGRガスの温度がより低下することとなって高EGR率の確保がより容易となり、又、燃焼室での燃焼温度がより低下して窒素酸化物の発生が抑制されると共にシリンダー壁面等からの放熱が減少して燃料消費率がより向上すると共に、EGRガスに含有されるSOxが減少することにより、エンジン構成部品、排気関連部品がSOxにより摩耗を促進されたり腐食されたりしてエンジン及び関連部品の耐久性を損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料が使用できる。なお、EGR配管系に設置するPMフリースクラバー11はEGRガスのみを処理可能な処理能力を有すればよいので排気ガスの全量を処理する前記第1〜第3実施例装置のPMフリースクラバー11よりは少ない処理能力で良く小型・小容量で廉価な装置となり、かつスクラバー処理水の量も少なくなりスラッジの減少、航行中の海洋への廃棄処理水の排出量も減少させることができる。又、静電サイクロン排気ガス浄化装置もEGRガスのみを処理可能な処理能力を有すればよいので、排気ガスの全量を処理する前記第1〜第3実施例装置の排気ガス浄化装置よりも少ない処理能力で良く小型・小容量でレイアウト性が良く、かつ廉価な装置となる。
さらに、この排気ガス浄化装置においてもPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11では、スクラバー処理水には主としてSOxのみが溶解していて粒子であるPMは極僅かしか溶解・含有していないので、このPMを殆ど溶解・除去しないPMフリースクラバーのスクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理は、SOxは中和・濾過など単純な工程と少ない工数、及び、小型で制御が簡易な処理装置で処理ができ、複雑で高度な制御を伴う制御部を備えた高価かつ大型で設置自由度の低い処理装置(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む)による粒子であるPMの処理機能をほとんど必要とせずに、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても廃棄処理水の海洋への排出が可能となる。
図8に本発明の第8の実施例装置として示すディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、同じく重油以下の低質燃料を燃料として使用するディーゼルエンジン1の排気マニホールド2下流に、2段過給システムとして排気ガスの流れ方向前段に高圧ターボチャージャー12−1が、後段に低圧ターボチャージャー12−2が装着され、低圧ターボチャージャー12−2下流の排気管に排気ガスクーラー3を設け、さらにその下流に静電サイクロン排気ガス浄化装置4とPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11を設け、さらに又、その下流にマフラー(図示せず)への排気管に設けた分岐部5にEGRガスを分流するEGR配管系を接続し、EGRガスをEGRバルブ6により流量制御しながらエアーフィルター9からの吸気と共に低圧ターボチャージャー12−2のコンプレッサーホイール(図示せず)上流の低圧位置の吸気管に、あるいは高圧ターボチャージャー12−1と低圧ターボチャージャー12−2の間の中圧力位置の吸気管にブロアー13にてより圧送して、あるいは又、高圧ターボチャージャー12−1のコンプレッサーホイール(図示せず)の後流の高圧力位置の吸気管にブロアー13にてより圧送して、還流させる構成となしたものである。
上記図8に示す構成の排気ガス浄化装置の場合は、前記図2に示す第2実施例装置と同様に排気ガスがクリーンになると共に、排気管にPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11とその後流の分岐部5からEGRガスを分流し吸気に還流するEGR配管系を設置することにより、静電サイクロン排気ガス浄化装置4で除去しきれない二酸化硫黄ガスなどのSOxと、粒子であるPMの内、SOxはPMフリースクラバー11で除去されて排気ガスにもEGRガスにもほとんど含有されないこととなり、排気ガスはn−ヘキサン抽出物などのSOF分を僅かに含有するもののPMも二酸化硫黄ガスなどのSOxの含有量をも減少させると共に、PMもSOxをも減少させたEGRガスの還流によりエンジン構成部品の摩耗促進及び腐食の防止や、排気関係部品の腐食を防止してメンテナンス間隔の延長や長寿命化が図れて耐久性を損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料が使用でき、かつ燃焼室での燃焼温度が低下して窒素酸化物の発生が抑制されて排気ガスもクリーンになる。さらに又、エンジンが2段過給されていることにより過給圧力が上昇して空気過剰率等が向上し燃焼改善され、燃費は改善し、EGR率を広い運転域にわたって上昇させることができ、排気マニホールド2に排出される段階でのPMも低減されて所望の排気ガスの浄化能力を確保・維持できるという効果が得られる。
さらに、この排気ガス浄化装置においてもPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11では、スクラバー処理水には主としてSOxのみが溶解していて粒子であるPMは極僅かしか溶解・含有していないので、このPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバーのスクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理は、SOxは中和・濾過など単純な工程と少ない工数及び小型で制御が簡易な処理装置で処理ができ、複雑で高度な制御を伴う制御部を備えた高価かつ大型で設置自由度の低い処理装置(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む)による粒子であるPMの処理機能をほとんど必要とせずに、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても廃棄処理水の海洋への排出が可能となる。
図9に本発明の第9実施例装置として示す船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、同じく重油以下の低質燃料を燃料として使用するディーゼルエンジン1の排気マニホールド下流に、2段過給システムとして排気ガスの流れ方向前段に高圧ターボチャージャー12−1が、後段に低圧ターボチャージャー12−2が装着され、低圧ターボチャージャー12−2下流の排気管に分岐部5を設けて、排気ガスの一部をEGRガスとして分流するEGR配管系を前記分岐部5に接続し、該EGR配管系に排気ガスクーラー3、静電サイクロン排気ガス浄化装置4、PMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11、EGRバルブ6をこの順に配設し、EGRガスをEGRバルブ6により流量制御しながらエアーフィルター9からの吸気と共に低圧ターボチャージャー12−2のコンプレッサーホイール(図示せず)上流の吸気管系に還流させ供給する構成となしたものである。
上記図9に示す構成の排気ガス浄化装置の場合は、前記図7に示す第7実施例装置と同様に、排気ガス中のPMは除去されないがEGRガスの還流により窒素酸化物の含有量は減少していて、分岐されたEGRガスは排気ガスクーラー3により冷却され静電サイクロン排気ガス浄化装置4で当該EGRガス中のPM(SOF、ISF)の含有量が効率良く減らされ、さらにEGRガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11を設置することにより、静電サイクロン排気ガス浄化装置4で除去しきれなかった二酸化硫黄ガスなどのSOxと、粒子であるPMの内、SOxはPMフリースクラバー11で除去されてEGRガスにはほとんど含有されないクリーンなEGRガスとなり、さらに又、分流されたEGRガス温度がPMフリースクラバー11にて処理水と接触することにより冷却されてEGRガスの温度が低下することとなって高EGR率の確保が容易となり、又、燃焼室での燃焼温度が低下して窒素酸化物の発生が抑制されると共にシリンダー壁面等からの放熱が減少して燃料消費率が向上すると共に、EGRガスに含有されるSOxが減少することにより、エンジン構成部品、排気関連部品がSOxにより摩耗を促進されたり腐食されたりしてエンジン及び関連部品の耐久性を損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料を使用できる。なお、EGR配管系に設置するPMフリースクラバー11はEGRガスのみを処理可能な処理能力を有すればよいので、排気ガスの全量を処理する前記第1〜第3実施例装置のPMフリースクラバー11よりは少ない処理能力でよく小型・小容量で廉価な装置となり、かつスクラバー処理水の量も少なくなりスラッジの減少、航行中の海洋への廃棄処理水の排出量も減少させることができる。又、静電サイクロン排気ガス浄化装置もEGRガスのみを処理可能な処理能力を有すればよいので、排気ガスの全量を処理する前記第1〜第3実施例装置の排気ガス浄化装置よりも少ない処理能力でよく小型・小容量でレイアウト性が良く、かつ廉価な装置となる。さらに又、エンジンが2段過給されていることにより過給圧力が上昇して空気過剰率等が向上し燃焼改善され、燃費は低減し、EGR率を広い運転域にわたって上昇させることができ、排気マニホールド2に排出される段階でのPMも低減されて所望の排気ガスの浄化能力を確保・維持できるという効果が得られる。
さらに、この排気ガス浄化装置においてもPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11では、スクラバー処理水には主としてSOxのみが溶解していて粒子であるPMは極僅かしか溶解・含有していないので、このPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバーのスクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理は、SOxは中和・濾過など単純な工程と少ない工数及び小型で制御が簡易な処理装置で処理ができ、複雑で高度な制御を伴う制御部を備えた高価かつ大型で設置自由度の低い処理装置(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む)による粒子であるPMの処理機能をほとんど必要とせずに、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても廃棄処理水の海洋への排出が可能となる。
図10に本発明の第10実施例装置として示すディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、同じく重油以下の低質燃料を燃料として使用するディーゼルエンジン1に、2段過給システムとして排気ガスの流れ方向前段に高圧ターボチャージャー12−1が、後段に低圧ターボチャージャー12−2が装着され、高圧ターボチャージャー12−1上流の排気管に分岐部を設けて、排気ガスの一部を高圧なEGRガスとして分流するEGR配管系を前記分岐部5に接続し、該EGR配管系に排気ガスクーラー3、静電サイクロン排気ガス浄化装置4、PMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11、EGRバルブ6をこの順に配設し、EGRガスをEGRバルブ6により流量制御しながらエアーフィルターからの吸気と共に低圧ターボチャージャー12−2のコンプレッサーホイール(図示せず)上流の吸気管の低圧力位置に還流させ供給するか、あるいは高圧ターボチャージャー12−1と低圧ターボチャージャー12−2の間の中圧力位置に還流させ供給するか、もしくは高圧ターボチャージャー12−1のコンプレッサーホイール(図示せず)後流の吸気管の高圧力位置に好ましくはブロアーにより圧送させて還流させる構成となしたものである。即ち、本実施例装置は、マニホールド直下の高圧ターボチャージャー12−1のタービンホイール(図示せず)上流位置から分岐したEGRガス配管系において当該EGRガスを予冷し、静電サイクロン処理後にPMフリースクラバーで処理し、その後EGRバルブ6により流量制御しながら所望に応じEGRクーラー10にて冷却した後に還流させる構成となしたものである。
上記図10に示す構成の排気ガス浄化装置の場合も、前記図9に示す構成の排気ガス浄化装置と同様に排気ガス中のPMは除去されないがEGRガスの還流により窒素酸化物の含有量は減少していて、分岐された高温・高圧のEGRガスは排気ガスクーラー3により冷却され静電サイクロン排気ガス浄化装置4で当該EGRガス中のPM(SOF、ISF)の含有量が効率良く減らされ、さらにEGRガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMを殆ど溶解・除去しないPMフリースクラバー11を設置することにより、静電サイクロン排気ガス浄化装置4で除去しきれなかった二酸化硫黄ガスなどのSOxと、粒子であるPMの内、SOxはPMフリースクラバー11で除去されてEGRガスにはほとんど含有されないクリーンなEGRガスとなり、さらに又、分流されたEGRガス温度がPMフリースクラバー11にてスクラバー処理水の水薄膜層表面に沿いながら滑らかに流れること及び所望により設けられたEGRクーラー10により冷却されてEGRガスの温度が低下することとなって高EGR率の確保が容易となり、又、燃焼室での燃焼温度がより低下して窒素酸化物の発生がより抑制されると共にシリンダー壁面等からの放熱がより減少して燃料消費率がより向上すると共に、EGRガスに含有されるSOxが減少することにより、エンジン構成部品、排気関連部品がSOxにより摩耗を促進されたり腐食されたりしてエンジン及び関連部品の耐久性を損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料が使用できる。なお、EGR配管系に設置するPMフリースクラバー11はEGRガスのみを処理可能な処理能力を有すればよいので、排気ガスの全量を処理する前記第1〜第3実施例装置のPMフリースクラバーよりは少ない処理能力でよく、小型・小容量で廉価な装置となり、かつスクラバー処理水の量も少なくなりスラッジの減少、航行中の海洋への廃棄処理水の排出量も減少させることができる。また、静電サイクロン排気ガス浄化装置4もEGRガスのみを処理可能な処理能力を有すればよいので、排気ガスの全量を処理する前記第1〜第3実施例装置の排気ガス浄化装置よりも少ない処理能力で良く小型・小容量でレイアウト性が良く、かつ廉価な装置となる。さらに、吸気管内の圧力がコンプレッサーにより高圧となっても高圧ターボチャージャー12−1上流の高圧な排気ガスを分岐していることにより、必要に応じてEGR配管にブロアー13を設置してEGRガスを昇圧し圧送・供給することにより正確な量のEGRガスを供給して高いEGR率の確保が可能となり、又、エンジンが2段過給されていることにより過給圧力が上昇して空気過剰率等が向上し燃焼改善され、燃費は低減し、EGR率を広い運転域にわたって上昇させることができ、排気マニホールド2に排出される段階でのPMも低減されて所望の排気ガスの浄化能力を確保・維持できるという効果が得られる。
さらに、この排気ガス浄化装置においてもPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバーでは、スクラバー処理水には主としてSOxのみが溶解していて粒子であるPMは極僅かしか溶解・含有していないので、このPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11のスクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理は、SOxは中和・濾過など単純な工程と少ない工数及び小型な処理装置で処理ができ、複雑で高度な制御を伴う制御部を備えた高価かつ大型で設置自由度の低い処理装置(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む)による粒子であるPMの処理機能をほとんど必要とせずに、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても廃棄処理水の海洋への排出が可能となる。
図11に本発明の第11実施例装置として示す船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、重油以下の低質燃料を燃料として用いるディーゼルエンジン1の排気マニホールド2下流にターボチャージャー12が装着され、該ターボチャージャー12のタービンホイール(図示せず)の下流の排気管に排気ガスクーラー3及び静電サイクロン排気ガス浄化装置4を配設し、前記静電サイクロン排気ガス浄化装置4の下流の排気管に分岐部5を設けて、排気ガスの一部をEGRガスとして分流するEGR配管系を前記分岐部5に接続し、該EGR配管系にPMを殆ど溶解・除去しないPMフリースクラバー11、汽水分離器8、EGRガスを昇圧し供給・圧送するブロアー(B/W)13、EGRバルブ6をこの順に配設し、EGRガスをEGRバルブ6により流量制御しながらインタークーラー前の吸気管に還流させる構成となしたものである。即ち、本実施例装置は、ターボチャージャー12のタービンホイール(図示せず)を加速した後の排気ガスを予冷し、静電サイクロン排気ガス浄化処理後の排気ガスから分流したEGRガスのみをPMを殆ど溶解・除去しないPMフリースクラバー11で処理し、その後汽水分離器8を経由させてブロアー(B/W)13で圧送してインタークーラー前の吸気管に正確な量のEGRガスを還流させる構成となしたものである。また、PMフリースクラバー11の下流に汽水分離器8を設置してあるが、これはPMフリースクラバー11のスクラバー処理水により冷却されて生じた結露水などがEGRガス中に混ざるなどして水滴を含む場合に、この水滴がブロアー内で飛散して構成部品を腐食させという問題やエンジン燃焼室へ流入して急膨張し極めて高圧となって燃焼に悪影響を及ぼすと共にエンジンを破損することなどを防止している。
上記図11に示す構成の排気ガス浄化装置の場合は、EGRガスをインタークーラー前のターボチャージャー12のコンプレッサーホール(図示せず)で過給されて高圧となっている吸気管に還流させている以外は第6図の第6実施例装置と同一で、EGR配管系にEGRガス中のSOxをその処理水に溶解するが、PMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11及び汽水分離器8とブロアー13を設置することにより、静電サイクロン排気ガス浄化装置4で除去しきれなかった二酸化硫黄ガスなどのSOxと、粒子であるPMの内、SOxはPMフリースクラバー11で除去されてEGRガスにはほとんど含有されないクリーンなEGRガスとなり、排気ガスは静電サイクロン排気ガス浄化装置4により処理されていることとEGRガスの還流によりPM及び窒素酸化物の含有量は減少していて、PMフリースクラバー処理されないのでSOxを含有することにはなるが、分流されたEGRガス温度がPMフリースクラバー11にて処理水と接触することによりEGRガスの温度が低下することとなりブロアーで圧送することと相まって高EGR率の確保が容易となり、又、燃焼室での燃焼温度が低下して窒素酸化物の発生が抑制されると共にシリンダー壁面等からの放熱が減少して燃料消費率が向上すると共に、EGRガスに含有されるSOxが減少することにより、エンジン構成部品、排気関連部品がSOxにより摩耗を促進されたり腐食されたりしてエンジン及び関連部品の耐久性を損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料を使用できる。
なお、EGR配管系に設置するPMフリースクラバー11はEGRガスのみを処理可能な処理能力を有すればよいので、排気ガスの全量を処理する前記第1〜第3実施例のPMフリースクラバーよりは少ない処理能力でよく小型・小容量で廉価な装置となり、かつスクラバー処理水の量も少なくなりスラッジの減少、航行中の海洋への廃棄処理水の排出量も減少させることができる。
さらに、この排気ガス浄化装置においてもPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11では、スクラバー処理水には主としてSOxのみが溶解していて粒子であるPMは極僅かしか溶解・含有していないので、このPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11のスクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理は、SOxは中和・濾過など単純な工程と少ない工数及び小型で制御が簡易な処理装置で処理ができ、複雑で高度な制御を伴う制御部を備えた高価かつ大型で設置自由度の低い処理装置(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む)による粒子であるPMの処理機能をほとんど必要とせずに、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても廃棄処理水の海洋への排出が可能となる。
図12に本発明の第12実施例装置として示す船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、重油以下の低質燃料を燃料として用いるディーゼルエンジン1の排気マニホールド2下流の排気管にターボチャージャー12が装着され、該ターボチャージャー12下流の排気管に分岐部5を設けて、排気ガスの一部をEGRガスとして分流するEGR配管系を前記分岐部5に接続し、該EGR配管に排気ガスクーラー3、静電サイクロン排気ガス浄化装置4を配設し、前記静電サイクロン排気ガス浄化装置4の下流にEGRガス中のPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11を設置し、更に前記PMフリースクラバーの下流に汽水分離器8、ブロアー(B/W)13、EGRバルブ6をこの順に配設し、EGRガスをEGRバルブ6により流量制御しながらインタークーラー前の吸気管に還流させる構成となしたものである。即ち、本実施例装置は、EGRガス配管系において当該EGRガスを予冷し、静電サイクロン処理後にPMを殆ど溶解・除去しないPMフリースクラバー11で処理し、その後汽水分離器8を経由させてブロアー13で圧送してインタークーラー前の吸気管に還流させる構成となしたものである。又、PMフリースクラバー11の下流に汽水分離器8を設置してあるが、これはPMフリースクラバー11のスクラバー処理水により冷却されて生じた結露水などがEGRガス中に混ざるなどして水滴を含む場合に、この水滴がブロアー内で飛散して構成部品を腐食させという問題やエンジン燃焼室へ流入して急膨張し極めて高圧となって燃焼に悪影響を及ぼすと共にエンジンを破損することなどを防止している。
上記図12に示す構成の排気ガス浄化装置の場合、前記第11図の第11実施例装置と異なり排気ガス中のPMはターボ過給の燃焼改善による減少のみで積極的には除去されないがEGRガスの還流により窒素酸化物の含有量は減少していて、分岐されたEGRガスは排気ガスクーラー3により冷却され静電サイクロン排気ガス浄化装置4で当該EGRガス中のPM(SOF、ISF)の含有量が減らされ、さらにEGRガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11を設置することにより、静電サイクロン排気ガス浄化装置4で除去しきれなかった二酸化硫黄ガスなどのSOxと、粒子であるPMの内、SOxはPMフリースクラバー11で除去されてEGRガスにはほとんど含有されないクリーンなEGRガスとなり、さらに又、分流されたEGRガス温度がPMフリースクラバー11にてスクラバー処理水と接触して冷却されることによりEGRガスの温度が低下することとなりブロアー13で圧送することと相まって高EGR率の確保が容易となり、又、燃焼室での燃焼温度が低下して窒素酸化物の発生が抑制されると共にシリンダー壁面等からの放熱が減少して燃料消費率が向上すると共に、EGRガスに含有されるSOxが減少することにより、エンジン構成部品、排気関連部品がSOxにより摩耗を促進されたり腐食されたりしてエンジン及び関連部品の耐久性を損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料を使用できる。なお、EGR配管系に設置するPMフリースクラバー11はEGRガスのみを処理可能な処理能力を有すればよいので、排気ガスの全量を処理する前記第1〜第3実施例装置のPMフリースクラバーよりは少ない処理能力で良く小型・小容量で廉価な装置となり、かつスクラバー処理水の量も少なくなりスラッジの減少、航行中の海洋へのスクラバー処理水としての廃棄処理水の排出量も減少させることができる。又、静電サイクロン排気ガス浄化装置4もEGRガスのみを処理可能な処理能力を有すればよいので排気ガスの全量を処理する前記第1〜第3実施例装置の排気ガス浄化装置よりも少ない処理能力で良く小型・小容量でレイアウト性が良く、かつ廉価な装置となる。
さらに、この排気ガス浄化装置においてもPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11では、スクラバー処理水には主としてSOxのみが溶解していて粒子であるPMは極僅かしか溶解・含有していないので、このPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11のスクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理は、SOxは中和・濾過など単純な工程と少ない工数及び小型で制御が簡易な処理装置で処理ができ、複雑で高度な制御を伴う制御部を備えた高価かつ大型で設置自由度の低い処理装置(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む)による粒子であるPMの処理機能をほとんど必要とせずに、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても廃棄処理水の海洋への排出が可能となる。
図13に本発明の第13実施例装置として示す船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、前記図2に示す本発明の第2実施例装置の変形例であり、PMフリースクラバーを2基採用して構成したものである。即ち、同じく重油以下の低質燃料を燃料として使用するディーゼルエンジン1の排気マニホールド2下流の排気管に排気ガスクーラー3を設け、該排気ガスクーラー3の下流に静電サイクロン排気ガス浄化装置4、さらに排気ガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMをほとんど溶解・除去しない主PMフリースクラバー11a(以下、「主PMフリースクラバー」と称する。)を設け、さらにその下流のマフラー(図示せず)への排気管に分岐部5を設けてEGRガスを分流するEGR配管系を接続し、このEGR配管系に前記と同様の副PMフリースクラバー11b(以下、「副PMフリースクラバー」と称する。)を設け、該副PMフリースクラバー11bを通過したEGRガスをEGRバルブ6により流量制御しながら吸気マニホールド7もしくはエアーフィルター9からの吸気管系に還流させる構成となしたものである。
上記図13に示す構成の排気ガス浄化装置の場合は、前記と同様に排気ガスがクリーン(静電サイクロン排気ガス浄化装置4によりPMが、EGRガスの還流により窒素酸化物が、主・副PMフリースクラバー11a、11bによりSOxなどの含有量減少)になると共に、排気管にPMをほとんど溶解・除去しない主PMフリースクラバー11aとその後流の分岐部5からEGRガスを分流し吸気に還流するEGR配管を設置することにより、静電サイクロン排気ガス浄化装置4で除去しきれない二酸化硫黄ガスなどのSOxと、粒子であるPMの内、SOxは主PMフリースクラバー11aで除去されて排気ガスにもEGRガスにもほとんど含有されないこととなり、排気ガスはn−ヘキサン抽出物などのSOF分は含有するもののPMも二酸化硫黄ガスなどのSOxの含有量を減少させると共に、そのSOxを減少させたEGRガスは、前記分岐部5から分岐されたEGR配管系に設けられた副PMフリースクラバー11bにおいてサルフェートなどのSOxがさらに除去されるので、エンジン構成部品の摩耗促進及び腐食の防止や、排気関係部品の腐食を防止してメンテナンス間隔の延長や長寿命化が図れて耐久性を損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料を使用でき、かつ燃焼室での燃焼温度が低下して窒素酸化物の発生が抑制されて排気ガスもよりいっそうクリーンになる。故に、ピストン、ピストンリング、シリンダー、シリンダーヘッド、給排気バルブ・バルブステム等のエンジン構成部品の耐久性をより損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料が使用できる。
さらに、この排気ガス浄化装置においてもPMをほとんど溶解・除去しない副PMフリースクラバー11bでは、主PMフリースクラバー11aと同様にスクラバー処理水には主としてSOxのみが溶解していて粒子であるPMは極僅かしか溶解・含有していないので、このPMをほとんど溶解・除去しない副PMフリースクラバー11bのスクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理も主PMフリースクラバー11aのスクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理と同様にSOxは中和・濾過など単純な工程と少ない工数及び小型で制御が簡易な処理装置で処理ができ、複雑で高度な制御を伴う制御部を備えた高価かつ大型で設置自由度の低い処理装置(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む)による粒子であるPMの処理機能をほとんど必要とせずに、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても廃棄処理水の海洋への排出が可能となる。
図14に本発明の第14実施例装置として示す船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、前記図8に示す本発明の第8実施例装置の変形例であり、PMフリースクラバーを2基採用して構成したものである。即ち、同じく重油以下の低質燃料を燃料として使用するディーゼルエンジン1の排気マニホールド2下流に、2段過給システムとして排気ガスの流れ方向前段に高圧ターボチャージャー12−1が、後段に低圧ターボチャージャー12−2が装着され、低圧ターボチャージャー12−2下流の排気管に排気ガスクーラー3を設け、さらにその下流に静電サイクロン排気ガス浄化装置4とPMをほとんど溶解・除去しない主PMフリースクラバー11aを設け、さらに又、その下流にマフラー(図示せず)への排気管に設けた分岐部5にEGRガスを分流するEGR配管系を接続し、このEGR配管系より分流したEGRガスからSOxをその処理水に溶解するがPMをほとんど溶解・除去しない副PMフリースクラバー11bを設け、該副PMフリースクラバー11bを通過したEGRガスをEGRバルブ6により流量制御しながらエアーフィルター9からの吸気と共に低圧ターボチャージャー12−2のコンプレッサーホイール(図示せず)上流の低圧位置の吸気管に、あるいは高圧ターボチャージャー12−1と低圧ターボチャージャー12−2の間の中圧力位置の吸気管にブロアー13にてより圧送して、あるいは又、高圧ターボチャージャー12−1のコンプレッサーホイール(図示せず)の後流の高圧力位置の吸気管にブロアー13にてより圧送して、還流させる構成となしたものである。
上記図14に示す構成の排気ガス浄化装置の場合は、前記図8に示す第8実施例装置と同様に排気ガスがクリーンになると共に、排気管にPMをほとんど溶解・除去しない主PMフリースクラバー11aと、その後流の分岐部5に接続したEGR配管系より分流したEGRガスからSOxをその処理水に溶解するがPMをほとんど溶解・除去しない副PMフリースクラバー11bを設置することにより、静電サイクロン排気ガス浄化装置4で除去しきれない二酸化硫黄ガスなどのSOxと、粒子であるPMの内、SOxは主PMフリースクラバー11aで除去されて排気ガスにもEGRガスにもほとんど含有されないこととなり、排気ガスはn−ヘキサン抽出物などのSOF分を僅かに含有するもののPMも二酸化硫黄ガスなどのSOxの含有量を減少させると共に、SOxを減少させたEGRガスの還流によりエンジン構成部品の摩耗促進及び腐食の防止や、排気関係部品の腐食を防止してメンテナンス間隔の延長や長寿命化が図れて耐久性を損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料が使用でき、かつ燃焼室での燃焼温度が低下して窒素酸化物の発生が抑制されて排気ガスもクリーンになる。さらに又、エンジンが2段過給されていることにより過給圧力が上昇して空気過剰率等が向上し、燃費は改善し、EGR率を広い運転域にわたって上昇させることができ、排気マニホールド2に排出される段階でのPMも低減されて所望の排気ガスの浄化能力を確保・維持できるという効果が得られる。
さらに、この排気ガス浄化装置においてもPMをほとんど溶解・除去しない副PMフリースクラバー11bでは、スクラバー処理水には主としてSOxのみが溶解していて粒子であるPMは極僅かしか溶解・含有していないので、このPMをほとんど溶解・除去しない副PMフリースクラバー11bのスクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理も主PMフリースクラバー11aのスクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理と同様に、SOxは中和・濾過など単純な工程と少ない工数及び小型で制御が簡易な処理装置で処理ができ、複雑で高度な制御を伴う制御部を備えた高価かつ大型で設置自由度の低い処理装置(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む)による粒子であるPMの処理機能をほとんど必要とせずに、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても廃棄処理水の海洋への排出が可能となる。
図15に本発明の第15実施例装置として示す船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置は、前記図7に示す本発明の第7実施例装置の変形例であり、PMフリースクラバーを2基採用して構成したものである。即ち、同じく重油以下の低質燃料を燃料として用いるディーゼルエンジン1の排気マニホールド2下流の排気管にPMをほとんど溶解・除去しない主PMフリースクラバー11aを設け、さらに又、その下流にマフラー(図示せず)への排気管に設けた分岐部5を設けて、排気ガスの一部をEGRガスとして分流するEGR配管系を前記分岐部5に接続し、該EGR配管系に排気ガスクーラー3及び静電サイクロン排気ガス浄化装置4を配設し、前記静電サイクロン排気ガス浄化装置4の下流にEGRガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMを殆ど溶解・除去しない副PMフリースクラバー11bを設置し、この副PMフリースクラバー11bの下流にEGRバルブ6を配設し、該EGRバルブ6によりEGRガスの流量を制御しながら吸気マニホールド7もしくはエアーフィルター9からの吸気管系に還流させる構成となしたものである。
上記図15に示す構成の排気ガス浄化装置の場合は、前記と同様に排気ガスがクリーン(EGRガスの還流により窒素酸化物が、主・副PMフリースクラバー11a、11bによりSOxなどの含有量減少)になると共に、ディーゼルエンジン1の排気マニホールド2下流の排気管に設けたPMをほとんど溶解・除去しない主PMフリースクラバー11aにより、粒子であるPMの内、SOxが除去されるので、主PMフリースクラバー11aの下流側の分岐部5に接続したEGR配管系より分流したEGRガスはクリーンなEGRガスとなり、さらにそのクリーンなEGRガスは排気ガスクーラー3により冷却され静電サイクロン排気ガス浄化装置4で当該EGRガス中のPM(SOF、ISF)の含有量が効率よく減らされ、さらに又、EGRガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMを殆ど溶解・除去しない副PMフリースクラバー11bにより冷却されて、高EGR率の確保がより容易となり、又、燃焼室での燃焼温度がより低下して窒素酸化物の発生が抑制されると共にシリンダー壁面等からの放熱が減少して燃料消費率がより向上すると共に、EGRガスに含有されるSOxが減少することにより、エンジン構成部品、排気関連部品がSOxにより摩耗を促進されたり腐食されたりしてエンジン及び関連部品の耐久性を損ねる危惧をなくして向上させることができるので安価な材料を使用できる。なお、EGR配管系に設置する副PMフリースクラバー11bはEGRガスのみを処理可能な処理能力を有すればよいので排気ガスの全量を処理する主PMフリースクラバー11aよりは少ない処理能力で良く小型・小容量で廉価な装置となり、かつスクラバー処理水の量も少なくなりスラッジの減少、航行中の海洋へのスクラバー処理水の廃棄処理水としての排出量も減少させることができる。又、静電サイクロン排気ガス浄化装置もEGRガスのみを処理可能な処理能力を有すればよいので、小型・小容量でレイアウト性も良く、かつ廉価な装置となる。
さらに、この排気ガス浄化装置においてもPMをほとんど溶解・除去しない副PMフリースクラバー11bでは、スクラバー処理水には主としてSOxのみが溶解していて粒子であるPMは極僅かしか溶解・含有していないので、このPMをほとんど溶解・除去しない副PMフリースクラバー11bのスクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理も主PMフリースクラバー11aのスクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理と同様に、SOxは中和・濾過など単純な工程と少ない工数及び小型で制御が簡易な処理装置で処理ができ、複雑で高度な制御を伴う制御部を備えた高価かつ大型で設置自由度の低い処理装置(油分を含んだ処理排水の海洋へ排出しないための貯蔵設備を含む)による粒子であるPMの処理機能をほとんど必要とせずに、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても廃棄処理水の海洋への排出が可能となる。
又、本発明で使用するPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー(主PMフリースクラバー11a、副PMフリースクラバー11bを含む)は、上記した通り排気ガス又はEGRガス通路内に設置されるものであるが、そのPMフリースクラバーとしては例えば図16〜図19に示すものを採用することができる。
図16に示すPMフリースクラバーは、優れた吸水性を有しガラス繊維やカーボン繊維、アラミド繊維などを骨格とした好ましくは多孔質のセラミック製素材よりなる波板と平板を交互に積層して、平板と波板間で構成されるトンネル状微小流路11−1−1の微小流路が斜行しているハニカム構造のハニカムコア(例えば、縦250mm×横250mm×奥行100mm(ニチアス株式会社製、商品名;ハニカムウォッシャー))を所望枚数積層してハニカムユニットコア部11−1として垂直に設け、該ハニカムユニットコア部11−1の全巾・全長さにわたって略均一に給水するよう給水ノズルもしくは給水ダクトからなる給水部11−2を該ハニカムユニットコア部11−1の上部に配置して給水し、給水されたスクラバー処理水(洗浄水)Wは前記ハニカムユニットコア部11−1の前面に略直行し且つ斜行する各微小流路11−1−1の表面を湿潤しながら水薄膜層として流下し、該ハニカムユニットコア部の下部にほぼ同じ長さ及び幅で設けられたアンダートレイ11−3に至りその後処理水タンク11−4に収容(システム水量:20l)されるが、スクラバー処理水Wはタンクから各微小流路11−1−1の表面が乾燥せずに湿潤して水薄膜層を保てるようポンプPにて給水部11−2に送られ(水流速;12L/min程度)、循環使用される構成となしている。図中、矢印Aは前記ハニカムユニットコア部11−1前面に対し直行して流入する排気ガスもしくはEGRガス、矢印BはS分が除去された排気ガスもしくはEGRガス(PMはほとんど残留)で前記ハニカムユニットコア部11−1後面より流出する、Mはモーター、Wはスクラバー処理水を示す。
このPMフリースクラバーの場合、排気ガスもしくはEGRガスはハニカムユニットコア部11−1を斜行し各微小流路11−1−1の壁面の湿潤した水薄膜層表面に沿いながら滑らかに流れるだけであるから、通常スクラバーのように処理水Wの水薄膜層表面に対し排気ガスが垂直に近い角度で激しく交差・衝突することがほとんど無く、穏やかに接触しながら流れるので相互に混合することがないので、排気ガス又はEGRガス成分の中で水との親和性が高く吸収されやすい二酸化硫黄などのSOxをその処理水に溶解するが、水との親和性の無い粒子であるPMは処理水へはほとんど溶解しないで流れ、従って排気ガス及びEGRガスはSOxが確実に除去されて、粒子であるPMはほとんど残留し含有された状態で排出されることとなる。この処理水に、SOxは含有されているが、n−ヘキサン抽出物を主成分とする油性混合物を含PM有していないことにより、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても海洋への処理水の排出が可能となって特に船中での処理水の排水処理が格段に容易となり処理装置の制御もシンプルとなり装置も小型化してレイアウト性も良くなり安価な設備ともなる。
又、上記PMフリースクラバーと同様の構成を有する別のタイプとして、SUS316Lなどのオーステナイト系ステンレス製薄板素材あるいはオーステナイト系ステンレス製細線を平織・綾織などにより網目状に編んだステンレス製網板素材よりなる平板を斜行した波板状にコルゲート加工して斜行方向が交互に斜交するように積層して、斜交した波板間で構成される斜交するトンネル状の微小流路11−1−1前面に略直行し且つ斜行しているハニカム構造のハニカムユニットコアを所望枚数積層して構成したハニカムユニットコア部を採用したものがある(図面省略)。このハニカムユニットコア部を採用したPMフリースクラバーも前記多孔質セラミック製のハニカムコア構造のものと同様に、排気ガスもしくはEGRガスは該ハニカムユニットコア部を斜行し各微小流路11−1−1の壁面の湿潤した水薄膜層表面に沿いながら滑らかに流れるだけであるから、通常スクラバーのように処理水の表面に対し排気ガスが交差・衝突することがほとんど無く、穏やかに沿いながら流れるだけであるから相互に混合することがないので、排気ガス又はEGRガス成分の中で水の親和性が高く吸収されやすい二酸化硫黄などのSOxをその処理水に溶解するが、水との親和性の無い粒子であるPMは処理水へはほとんど溶解しない。この処理水は、SOxは含有しているがn−ヘキサン抽出物を主成分とする油性混合物を含有していないことにより、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても海洋への処理水の排出が可能となって特に船中での処理水の排水処理が格段に容易となり処理装置の制御もシンプルとなり装置も小型化してレイアウト性も良くなり安価な設備ともなる。
図17に示すPMフリースクラバーは、排気ガス又はEGRガス通路に設けられたスクラバーハウジング11−5内に、SUS316Lなどのオーステナイト系ステンレス製薄板素材あるいはオーステナイト系ステンレス製細線を平織・綾織などにより網目状に編んだステンレス製網板素材よりなる平板状の処理板11−6を上下方向鉛直でかつガスの流れと略平行に狭い間隔を保持して多数枚配設したもので、各処理板11−6の上端には各処理板の両面の全表面を湿潤するよう処理水供給ノズル11−7を設け、各処理板の下端にはタンク部11−8を設け、配管(図示せず)及びモーターにて駆動される循環ポンプ(図示せず)によりスクラバー処理水Wを循環させて前記処理板11−6の表裏の全表面を流下することにより常時湿潤させている。11−10は排気ガス又はEGRガスのガス流路である。
このPMフリースクラバーで処理される排気ガス及びEGRガスは、前記常時湿潤した処理板11−6の表面に沿いながら滑らかに流れるだけであるから、通常スクラバーのように処理水の水薄膜層表面に対し排気ガスが交差・衝突することがほとんど無く、穏やかに接触しながら流れるだけであるから相互に混合することがないので、排気ガス又はEGRガス成分の中で水との親和性が高く吸収されやすい二酸化硫黄などのSOxをその処理水に溶解するが、水との親和性の無い粒子であるPMは処理水へはほとんど溶解しない。この処理水には、SOxは含有されているが、n−ヘキサン抽出物を主成分とする油性混合物を含有していないことにより、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても海洋への処理水の排出が可能となって特に船中での処理水の排水処理が格段に容易となり処理装置の制御もシンプルとなり装置も小型化してレイアウト性も良くなり安価な設備ともなる。
なお、SUS316L等のオーステナイト系ステンレス製薄板素材あるいはオーステナイト系ステンレス製細線を平織・綾織などにより網目状に編んだステンレス製網板素材よりなる前記処理板11−6の表面形状は平板状に限定されるものではなく、処理水の流下する方向に波形成形されたコルゲート板(図示せず)、排気ガス又はEGRガスの流れる方向に波形成形されたコルゲート板(図示せず)、処理水の流下方向及び排気ガス・EGRガスの流れ方向の両方向に凹凸を有したエンボス状の処理板(図示せず)のいずれかを選択して使用することができる。これらの処理板も、通常スクラバーのように処理水の水薄膜層表面に対し排気ガスが交差・衝突することがほとんど無く、穏やかに沿いながら流れるだけであるから相互に混合することがない。
図18に示すPMフリースクラバーは、前記図17に示すPMフリースクラバーの変形例で、スクラバーハウジング11´−5内に、平板状の処理板11´−6を上下方向に傾斜させかつガスの流れと略平行に狭い間隔を保持して多数枚配設したもので、各処理板11´−6の傾斜面の上面側上端には各処理板の上面の全表面を湿潤するよう処理水供給ノズル11´−7を設け、各処理板の下端にはタンク部11´−8を設け、配管(図示せず)及びモーターにて駆動される循環ポンプ(図示せず)によりスクラバー処理水Wを循環させて前記傾斜した処理板11´−6の上面の全表面を流下することにより常時湿潤させている。11´−10は排気ガス又はEGRガスのガス流路である。
このPMフリースクラバーで処理される排気ガス及びEGRガスは、前記常時湿潤した処理板11´−6の上側表面を流下する水の水薄膜層表面付近を沿いながら滑らかに流れるだけであるから、通常スクラバーのように処理水の水薄膜層表面に対し排気ガスが激しく交差・衝突することがほとんどなく、穏やかに沿いながら流れるだけであるから相互に混合することがないので、排気ガス又はEGRガス成分の中で気体であり拡散係数が大きく水との親和性が高く吸収されやすいSOをその処理水に溶解するが、粒径が大きく拡散係数が小さくて水との親和性のないPMは処理水へはほとんど溶解しない。また、処理板11´−6を上下方向に傾斜させかつ各処理板11´−6の傾斜面の上面側上端には各処理板の上面の全表面を湿潤するよう処理水供給ノズル11´−7を上面側のみに設けてあるので、たとえ船が揺れて処理水供給ノズル11´−7から流出する処理水流に多少の揺れを生じても処理水の飛散に伴う処理水へのPMの交差・衝突などが発生し難く、前記処理板11´−6の上面側全表面を確実に湿潤し易くなる。この処理水には、SOは含有されているが、PMをほとんど含有していないことにより、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても海洋への処理水の排出が可能となって特に船中での処理水の排水処理が格段に容易となり処理装置の制御もシンプルとなり装置も小型化してレイアウト性も良くなり安価な設備ともなる。 なお、前記処理板11´−6の表面形状は平板状に限定されるものではなく、処理水の流下する方向に波形成形されたコルゲート板(図示せず)、排気ガス又はEGRガスの流れる方向に波形成形されたコルゲート板(図示せず)、あるいは処理水の流下する方向と交差する方向に波形成形されたコルゲート板(図示せず)、処理水の流下方向及び排気ガス・EGRガスの流れ方向の両方向に凹凸を有したエンボス状の処理板(図示せず)のいずれかを選択して使用することができる。これらの処理板も、通常スクラバーのように処理水の水薄膜層表面に対し排気ガスが激しく交差・衝突することがほとんどなく、穏やかに沿いながら流れるだけであるから相互に混合することがない。
図19に示すPMフリースクラバーは、排気ガス又はEGRガス通路に設けられたスクラバーハウジング(図示せず)内に、繊維質吸水性のあるエンドレスベルト11−12を処理水タンク11−11内で下部に設けた駆動ロール11−13及び上下両部に設けた従動ロール11−14間にガス流路11−15を確保しながらサーペンタイン状(九十九折り状)に配設し、配管(図示せず)及びモーターにて駆動される循環ポンプ(図示せず)により前記処理タンク11−11内のスクラバー処理水Wを供給ノズル(図示せず)より、前記エンドレスベルト11−12の表裏両面の上部に設けた従動ロール11−14直下より流下させて表裏の全表面を常時湿潤させる構成となしたものである。なお、下方に設置される前記駆動ロール11−13及び下部に設けた従動ロール11−14は処理水タンク11−11内のスクラバー処理水Wの水面下に設けると上昇するエンドレスベルト11−12の両面が確実に湿潤させることが出来て好ましい。
図中、矢印Aは排気ガス又はEGRガスで、垂直に設けられたエンドレスベルト11−12の前面に対し略直交してガス流路11−15に流入し、矢印BはS分が除去されているがPMはほとんど残留した排気ガス又はEGRガスでエンドレスベルト11−12の背面から略直交して流出している。
このPMフリースクラバーの場合も、通常スクラバーのように処理水の水薄膜層表面に対し排気ガスが交差・衝突することがほとんど無く、穏やかに沿いながら流れるだけであるから相互に混合することがないので、排気ガス又はEGRガス成分の中で水との親和性が高く吸収されやすい二酸化硫黄などのSOxをその処理水に溶解するが、水との親和性の無い粒子であるPMは処理水へはほとんど溶解化しない。この処理水に、SOxは含有しているがn−ヘキサン抽出物を主成分とする油性混合物含有していないことにより、時にはスクラバー・スルー運転も可能であり特別海域及び特別海域外の航行中であっても海洋への処理水の排出が可能となって特に船中での処理水の排水処理が格段に容易となり処理装置の制御もシンプルとなり装置も小型化してレイアウト性も良くなり安価な設備ともなる。
又、上記図19に示すPMフリースクラバーと同様の構成を有する別のタイプとして、繊維質吸水性のあるエンドレスベルト11−12に替えて、SUS316Lなどのオーステナイト系ステンレス製薄板素材よりなるエンドレスベルトを採用したものがある(図面省略)。このSUS316Lなどのオーステナイト系ステンレス製薄板素材よりなるエンドレスベルトを採用したPMフリースクラバーも前記繊維質吸水性のあるエンドレスベルト11−12を採用したものと同様の作用効果が得られることはいうまでもない。
次に、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
本発明の効果を確認するため、船舶用ディーゼルエンジンを表1に示す条件で以下の試験を実施し、各実施例及び比較例の排気ガス諸特性及びスクラバー処理水の特性を以下に示す。基本特性は排気ガス浄化装置を有しない図20に示す構成の装置を、従来例は非特許文献2に基づいて構成した図26に示すディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置を、それぞれ用いた場合の結果である。又、本発明1は図1に示す第1実施例装置を、本発明2は図11に示す第11実施例装置を、本発明3は図12に示す第12実施例装置を、それぞれ用いた場合の結果である。
一方、二酸化硫黄は水や海水への溶解度が高く、スクラバーによる二酸化硫黄の吸収技術は確立されている。即ち、スクラバー処理水を苛性ソーダ(水酸化ナトリュウム)などによりpH=12程度のアルカリ性に維持管理して使用することにより、二酸化硫黄の除去率95%以上を実現できる。本実施例の主目的は、本排気ガス浄化装置のスクラバー処理水のPM起因の汚れを低減し、スクラバー処理水の排水処理工程を簡素化できることを実証することである。従って、本実施例では、スクラバー処理水として水道水を使用し、二酸化硫黄の吸収によりスクラバー処理水が酸性を呈しても、苛性ソーダ供給などのpH管理はせずに実施した。
本発明1に相当する本実施例は、前記図1に示す第1実施例装置、即ち、排気マニホールド(E/M)2下流の排気管のターボチャージャー(T/C)12のタービンホイール(図示せず)下流に排気ガスクーラー(G/C)3を配設し、更に該排気ガスクーラー(G/C)3の下流に静電サイクロン排気ガス浄化装置(ESP/C/DPF)4を配設し、その下流側配管に排気ガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対し排気ガスが衝突することが無いため排気ガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMを殆ど溶解させないことによりPMをほとんど除去しないPMフリースクラバー11を配設し、エアーフィルター(A/F)9下流の吸気管にターボチャージャー(T/C)12のコンプレッサーホイール(図示せず)及びインタークーラー(I/C)14を経由してエンジンの吸気マニホールド(I/M)7に外部の空気を吸気させる構成となした排気ガス浄化装置において、PMフリースクラバー11により浄化処理された後の排気ガス中のSOの濃度、PMフリースクラバー11処理水中のn−ヘキサン抽出値をそれぞれ測定した。
本発明2に相当する本実施例は、前記図11に示す第11実施例装置、即ち、排気マニホールド2下流の排気管にターボチャージャー12が装着され、該ターボチャージャー12のタービンホイール(図示せず)の下流の排気管に排気ガスクーラー3及び静電サイクロン排気ガス浄化装置4を配設し、前記静電サイクロン排気ガス浄化装置4の下流の排気管に分岐部5を設けて、排気ガスの一部をEGRガスとして分流するEGR配管系を前記分岐部5に接続し、該EGR配管系にEGRガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対しEGRガスが衝突することが無いためEGRガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMを殆ど溶解させないことによりPMをほとんど除去しないPMフリースクラバー11、汽水分離器8、EGRガスを昇圧し供給・圧送するブロアー(B/W)13、EGRバルブ6をこの順に配設し、EGRガスをEGRバルブ6により流量制御しながらインタークーラー前の吸気管系に還流させる構成となしたものである。
よって本発明2の装置は、ターボチャージャー12のタービンホイール(図示せず)を加速した後の排気ガスを予冷し、静電サイクロン排気ガス浄化処理後の排気ガスから分流したEGRガスのみをPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11で処理し、その後汽水分離器8を経由させブロアー(B/W)13で圧送してインタークーラー前の吸気管に正確な量のEGRガスを還流させる構成となした排気ガス浄化装置において、PMフリースクラバー11により浄化処理された後の排気ガス中のSO、NOxの各濃度をそれぞれ測定した。
本発明3に相当する本実施例は、前記図12に示す第12実施例装置、即ち、排気マニホールド2下流の排気管にターボチャージャー12が装着され、該ターボチャージャー12下流の排気管に分岐部5を設けて、排気ガスの一部をEGRガスとして分流するEGR配管系を前記分岐部5に接続し、該EGR配管系に排気ガスクーラー3、静電サイクロン排気ガス浄化装置4を配設し、前記静電サイクロン排気ガス浄化装置4の下流にEGRガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対しEGRガスが衝突することが無いためEGRガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMをほとんど溶解させないことによりPMをほとんど除去しないPMフリースクラバー11を設置し、更に前記PMフリースクラバー11の下流に汽水分離器8、ブロアー13、EGRバルブ6をこの順に配設し、EGRガスをEGRバルブ6により流量制御しながらインタークーラー前の吸気管系に還流させる構成となしたものである。
よって本発明3の装置は、EGRガス配管系において当該EGRガスを予冷し、静電サイクロン排気ガス浄化装置4で処理した後にPMをほとんど溶解・除去しないPMフリースクラバー11で処理し、その後汽水分離器8を経由させブロアー13で圧送してインタークーラー前の吸気管に還流させる構成となした排気ガス浄化装置において、前記ターボチャージャー12下流の排気管にてNOxを、PMフリースクラバー11後のEGR配管系にてSOをそれぞれ濃度測定した。
基本特性
排気ガス浄化装置を有しない図20に示す構成の装置において、ディーゼルエンジンのターボチャージャー12の下流で排気ガス中のSO、NOxの各濃度値を測定した。
従来例
本従来例は、特許文献2に基づいて構成した図26に示すディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置、即ち、ターボチャージャー12の下流に排気ガスクーラー3を設置し、該クーラーにて冷却された排気ガスを静電サイクロン排気ガス浄化装置4により処理し、その後表1記載の充填層の上部から散水する構造の充填塔タイプ(図示せず)の充填層式と称する通常スクラバー11−0にて排気ガスをスクラバー処理水と混合してスクラバー処理水の表面に対し排気ガスが衝突して洗浄処理する構成となした排気ガス浄化装置において、通常スクラバーにより処理された後の排気ガス中のSOの濃度値、及び通常スクラバーのスクラバー処理水中のn−ヘキサン抽出値をそれぞれ測定した。
Figure 2014224527
前記実施例から明らかのように、以下に記載する事項が判明した。
(1).基本特性による技術では、排気ガス浄化装置を全く装備していないので、SO、NOxは当然ながら低減されていない。なおここでは、前記SOの濃度状況を図21に、NOxの濃度状況を基本特性の濃度を基準(100%)として図22に、それぞれ示した。
(2).従来例は、排気管に排気ガスクーラーと静電サイクロン排気ガス浄化装置を装備しているので排気ガス中のPMは除去される。しかし、EGRを実施していないのでNOxは低減されず、又、水道水を使用した市販の通常のスクラバーを装備しているので、排気ガスはスクラバー処理水と混合してスクラバー処理水の表面に対し排気ガスが衝突することによりSOは図21に示すように低減されるが、スクラバーの処理水(洗浄水)にはSOxのみならずPM、が含有されることとなり環境あるいは生態系に悪影響を及ぼす成分の完全な除去は期待できない。
なお、2.5時間及び5時間運転時の前記通常スクラバー処理水中のn−ヘキサン抽出値を図23に、5時間運転時の前記通常スクラバー処理水の透視度比較を図24に示すが、粒子であるPMにより顕著に汚染されており、通常スクラバー処理水の排水処理には大掛かりな処理装置や多大な工数と高度な技術が必須となる。
(3).本発明1は、排気管に排気ガスクーラーと静電サイクロン排気ガス浄化装置を装備しているので排気ガス中のPMは図20の従来例と異なり除去され、EGRを実施していないのでNOxは低減されないが、しかし排気ガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMをほとんど溶解させないPMフリースクラバーを設置することにより排気ガス中のSOは図21に示すように大幅に低減し、かつPMフリースクラバーのスクラバー処理水がPMをほとんど含有されていないので、2.5時間及び5時間運転時の前記PMフリースクラバー処理水中のn−ヘキサン抽出値を図23に、5時間運転時の前記PMフリースクラバー処理水の透視度比較を図25に示すようにクリアーであり、スクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理の問題も解決できる。
(4).本発明2は、排気管に排気ガスクーラーと静電サイクロン排気ガス浄化装置を設置し、更にEGRを実施しているので、排気ガス中のNOxは図22に示すようにEGR率を高くしていくことにより大きく低減できて、PMと共に低減できるのみならず、EGRガスはEGRガス中のSOxをその処理水に溶解するがPMをほとんど溶解させないPMフリースクラバーを経由させているのでSOは図21に示すように大幅に低減し、エンジンの信頼性を脅かすSOxの含有量を大幅に減らし、更にEGRガス中のPMが予め低減され、かつPMフリースクラバーのスクラバー処理水がPMを殆ど含有していないので、スクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理の問題も本発明1と同様に解決できる。
(5).本発明3は、排気ガスはPMを含有するがNOxは図22に示すように本発明2と同程度に低減されていて、EGR配管系の静電サイクロン排気ガス浄化装置の前後のEGRガス中のPMは本発明1の排気ガスと同程度に低下され、又、EGRガス中のSOはSOxをその処理水に溶解するがPMをほとんど溶解させないPMフリースクラバーを備えているので本発明1の排気ガスと同程度に低下されてエンジンの信頼性を脅かすSOxの含有を無くし、更にEGRガス中のPMが予め低減され、かつPMフリースクラバーのスクラバー処理水がPMを殆ど含有していないので、スクラバー処理水の廃棄処理水としての後処理の問題も本発明1および2と同様に解決できる。
なお、本発明の重油以下の低質燃料を燃料として使用するディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置の構成は、前記第1実施例装置〜第15実施例装置のものに限定するものではなく、排気ガスクーラー、静電サイクロン排気ガス浄化装置、EGRクーラー、PMフリースクラバー、汽水分離器、過給機等の各種装置や設備の配置、組合せを種々変更して構成するもの全てを含むことはいうまでもない。又、ここでは船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置について説明したが、発電機用や大型建設機械など、船舶用以外の他の用途のディーゼルエンジンの排気ガスの浄化装置にも適用できることはいうまでもない。
1 ディーゼルエンジン
2 排気マニホールド
3 排気ガスクーラー
4 静電サイクロン排気ガス浄化装置
5 分岐部
6 EGRバルブ
7 吸気マニホールド
8 汽水分離器
9 エア−フィルター
10 EGRクーラー
11、PMフリースクラバー(PMをほとんど除去しないスクラバー処理装置)
11−1 斜行ハニカムコア
11−1−1 微小流路
11−2 給水部
11−2−1 散水タンク
11−2−2 ノズル孔
11−3 アンダートレイ
11−4、11−11 処理水タンク
11−5、11´−5 スクラバーハウジング
11−6、11´−6 処理板
11−7、11´−7 処理水供給ノズル
11−8、11´−8 タンク部
11−10、11´−10、11−15 ガス流路
11−12 エンドレスベルト
11−13 駆動ロール
11−14 従動ロール
11a 主PMフリースクラバー
11b 副PMフリースクラバー
12 ターボチャージャー
12−1 高圧ターボチャージャー
12−2 低圧ターボチャージャー
13 ブロアー
14 インタークーラー
M モーター
P ポンプ
W 処理水
矢印A 流入する排気ガス又はEGRガス
矢印B 流出するS分が除去された排気ガス又はEGRガス(PMはほとんど残留)

Claims (10)

  1. 重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置において、エンジンの排気マニホールドに連なる排気管に排気ガスクーラーを設け、該排気ガスクーラーの下流側に、該排気ガス中に含まれる有機溶剤可溶分(SOF)、有機溶剤不溶分(ISF)を主体とするPM(粒子状物質)を除去する電気集塵手段を設置し、かつ該電気集塵手段の下流側排気管に排気ガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対し排気ガスが衝突することが無いことによりPMを除去しないスクラバーを配設した構成となしたことを特徴とする重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置。
  2. 重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置において、エンジンの排気マニホールドに連なる排気管に排気ガスクーラーを設け、該排気ガスクーラーの下流側に、該排気ガス中に含まれる有機溶剤可溶分(SOF)、有機溶剤不溶分(ISF)を主体とするPM(粒子状物質)を除去する電気集塵手段を設置し、該電気集塵手段の下流側配気管に前記排気ガスの一部をEGRガスとして分流する分岐部を設け、該分岐部に連なるEGR配管系を介して前記EGRガスをエンジンの吸気に還流させると共に、前記電気集塵手段の下流側配気管の前記分岐部の上流側もしくは下流側又はEGR配管系に排気ガス又はEGRガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対し排気ガス又はEGRガスが衝突することが無いことによりPMを除去しないスクラバーを配設した構成となしたことを特徴とする重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置。
  3. 重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置において、エンジンの排気マニホールドに連なる排気管に、排気ガスの一部をEGRガスとして分流する分岐部を設け、該分岐部に連なるEGR配管系に排気ガスクーラーを設け、該排気ガスクーラーの下流側に、該排気ガス中に含まれる有機溶剤可溶分(SOF)、有機溶剤不溶分(ISF)を主体とするPM(粒子状物質)を除去する電気集塵手段を設置し、該電気集塵手段の下流側EGR配管系を介してEGRガスをエンジンの吸気に還流させると共に、前記電気集塵手段の下流側のEGR配管系にEGRガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対しEGRガスが衝突することが無いことによりPMを除去しないスクラバーを配設した構成となしたことを特徴とする重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置。
  4. 重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置において、エンジンの排気マニホールド下流の排気管に排気ガスクーラーを設け、該排気ガスクーラーの下流側に、該排気ガス中に含まれる有機溶剤可溶分(SOF)、有機溶剤不溶分(ISF)を主体とするPM(粒子状物質)を除去する電気集塵手段を設置し、かつ該電気集塵手段の下流側排気管に排気ガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対し排気ガスが衝突することが無いことによりPMを除去しない主スクラバーを配設し、さらに前記主スクラバーの下流側に前記排気ガスの一部をEGRガスとして分流する分岐部を設け、該分岐部に連なるEGR配管系にEGRガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対しEGRガスが衝突することが無いことによりPMを除去しない副スクラバーを配設した構成となしたことを特徴とする船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置。
  5. 重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置において、エンジンの排気マニホールド下流の排気管に2段過給システムとして排気ガスの流れ方向前段に高圧ターボチャージャーを、同後段に低圧ターボチャージャーを設け、低圧ターボチャージャー下流の排気管に排気ガスクーラーを設置し、さらにその下流側に、該排気ガス中に含まれる有機溶剤可溶分(SOF)、有機溶剤不溶分(ISF)を主体とするPM(粒子状物質)を除去する電気集塵手段と排気ガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対し排気ガスが衝突することが無いことによりPMを除去しない主スクラバーを配設し、さらに又前記主スクラバーの下流側に前記排気ガスの一部をEGRガスとして分流する分岐部を設け、該分岐部に接続したEGR配管系にEGRガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対しEGRガスが衝突することが無いことによりPMを除去しない副スクラバーを配設し、該排気ガスの一部を前記低圧ターボチャージャー及び高圧ターボチャージャーに還流させる構成となしたことを特徴とする船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置。
  6. 重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置において、エンジンの排気マニホールド下流の排気管に排気ガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対し排気ガスが衝突することが無いことによりPMを除去しない主スクラバーを配設し、該主スクラバーの下流側に前記排気ガスの一部をEGRガスとして分流する分岐部を設け、該分岐部に接続したEGR配管系に排気ガスクーラー、該排気ガス中に含まれる有機溶剤可溶分(SOF)、有機溶剤不溶分(ISF)を主体とするPM(粒子状物質)を除去する電気集塵手段とEGRガスとスクラバー処理水が混合してスクラバー処理水の表面に対しEGRガスが衝突することが無いことによりPMを除去しない副スクラバー、EGRクーラーを配設し、該排気ガスの一部をエンジンの吸気マニホールドに還流させる構成となしたことを特徴とする船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置。
  7. 前記PMを除去しないスクラバーは、排気管又はEGR配管系に優れた吸水性を有するガラス繊維を骨格とした多孔質セラミック素材よりなる波板と平板を交互に積層した斜行ハニカム構造のコア部を垂直に配置し、コア上部にコア部表面が常時湿潤し水薄膜層が流下するようコアのほぼ全長に亘る給水部を設けると共に排気ガス又はEGRガス流がハニカムコア部の前面より流入し多数のトンネル状の微小コア内を通過して背面より流出するよう配置し、コア下部に排気ガスを浄化した処理水を受けるコアのほぼ全長にわたるトレイを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置。
  8. 前記PMを除去しないスクラバーは、排気管又はEGR配管系に上部タンク及び下部タンクを設け、前記両タンク間に平板及び/又は波板を設けることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置。
  9. 前記PMを除去しないスクラバーは、排気管又はEGR配管系の下部にトレイの水面下に複数の下ロールを配し、これと対応した複数の上ロールとの間にエンドレスベルトをサーペンタイン状に配し各ロールの少なくとも一つを駆動して排気ガス流路に多数の濡れた可動壁面を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置。
  10. 前記PMを除去しないスクラバーは、排気管又はEGR配管系の下部にトレイの水面下に複数の下ロールを配し、これと対応した複数の上ロールとの間にエンドレスベルトをサーペンタイン状に配し、各ロールの少なくとも一つを駆動する仕組みとなし、配管及び循環ポンプにより前記トレイに供給される処理水を前記エンドレスベルトの表裏両面を流下させて排気ガス流路に多数の濡れた可動壁面を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の重油以下の低質燃料を使用する船舶用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置。
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