JP2014223923A - 液体用紙容器及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の解決しようとする課題は、従来の剥離剤層を用いる方法の欠点を克服し、シーラント層の層構成や製造方法を工夫する事により、使用後の解体が容易な口栓付液体用紙容器及びこの製造方法を提供しようとするものである。
【解決手段】紙23を基材とし、該基材の一方の面に表面樹脂層22を有し、他方の面に少なくともガスバリア層25とシーラント層27を有する積層体20を、表面樹脂層が形成されている面が容器の外側になるように成形してなる液体用紙容器1であって、前記シーラント層は、容器の最内層となる熱接着性樹脂層29と、該熱接着性樹脂層に接する熱可塑性樹脂層28とを有し、この2層の界面は剥離可能であり、この界面30における層間剥離強度は、0.3N/15mm以上15N/15mm以下であることを特徴とする液体用紙容器である。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体用紙容器とその製造方法に関し、特に長期保存が可能な口栓付き液体用紙容器において、使用後の解体操作が容易な液体用紙容器及びその製造方法に関する。
従来、液体用紙容器としては、牛乳パックのように紙の表裏面に熱可塑性樹脂層を設けただけの簡単な構造の紙容器から、内面にガスバリア層を設けてさらに内部を滅菌し、常温長期保存性を確保した口栓付き紙容器まで、さまざまな液体用紙容器が実用化されている。
一般的に液体用紙容器は、紙を主体とする積層体を罫線に沿って折り曲げ、熱融着して成形するものであるため、積層体の最外面と最内面には、熱融着可能な熱可塑性樹脂層を必要とする。これらの熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂(PE)が最も一般的に用いられ、中でも低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)が広く用いられている。
しかしポリエチレン系樹脂を最内面のシーラント層に使用した場合、ポリエチレン系樹脂は、熱シール性が良いため、シール部位が強固に接着され、しばしば開封操作や使用後の解体に当って、困難性が伴うことがあった。特に容量が2リットルもの口栓付きの大型紙容器にあっては、容器を構成する積層体の厚さも厚い上に、牛乳パックのように容器の上部を広げて開封することを前提としていないため、使用後の解体に当っては、力の弱い人の手では容易に解体することができないという問題があった。
そこで従来から、紙容器の開封や解体を容易にする方法がいくつか提案されている。
特許文献1〜4には、ゲーブルトップ型紙容器の開封性や解体性を容易にするため、トップシール部のシーラント層の特定の部位に剥離剤を塗布して、トップシール部のシール強度を弱め、開封性や解体性を容易とする方法が記載されている。
しかしながら、易開封性や易解体性を剥離剤のみに頼る方法は、以下に挙げるような問題点がある。すなわち、この方法によると、剥離剤の存在する極めて密着性の弱い部分と剥離剤の存在しない極めて密着性の強い部分とが混在することになる結果、適度かつ円滑な剥離性と容器として必要な密封性とを安定して両立することが実際上困難であるという問題である。剥離剤は開封(あるいは解体)のきっかけとなるように、小面積に用いる事は、非常に有効であるが、シール部位全体に亘って、この方法を採用することは適当でない。
その理由の一つとしては、一般的に剥離剤は透明であるが、積層体の裏面側であるシーラント層面に剥離剤を部分的に形成するためには、表面側に絵柄を印刷するのに合わせて両面印刷機を用いて印刷する位しか方法がない。しかしながら透明な剥離剤をシートの裏面にしかも表面側と位置合わせをしながら印刷することは、容易なことではなく、万一位置ずれを生じると、シール不良につながり、液漏れなどの重大な欠陥に発展する怖れがある。
また、剥離剤層を設けるためには、工程の増加が避けられず、コストアップの要因ともなっていた。
実開平5−58621号公報 実開平9−191号公報 特開2008−87771号公報 特開2000−85756号公報
本発明の解決しようとする課題は、従来の剥離剤層を用いる方法の欠点を克服し、シーラント層の層構成や製造方法を工夫する事により、使用後の解体が容易な口栓付液体用紙容器及びこの製造方法を提供しようとするものである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、紙を基材とし、該基材の一方の面に表面樹脂層を有し、他方の面に少なくともガスバリア層とシーラント層を有する積層体を、表面樹脂層が形成されている面が容器の外側になるように成形してなる液体用紙容器であって、前記シーラント層は、容器の最内層となる熱接着性樹脂層と、該熱接着性樹脂層に接する熱可塑性樹脂層とを有し、この2層の界面は剥離可能であり、この界面における層間剥離強度が、0.3N/15mm以上15N/15mm以下であることを特徴とする液体用紙容器である。
本発明に係る液体用紙容器は、シーラント層内に剥離可能な界面を設けたので、紙容器を廃棄する際に、解体が容易であり、手で簡単に解体することができる。
また、請求項2に記載の発明は、前記熱接着性樹脂層がポリエチレン樹脂であり、前記熱接着性樹脂層の樹脂の融点をT℃とした時、(T+120)℃以上(T+180)℃以下の押出し温度で、押出しラミネート法によって前記熱接着性樹脂層を形成することを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器の製造方法である。
また、請求項3に記載の発明は、前記熱接着性樹脂層と、前記熱可塑性樹脂層がいずれもポリエチレン樹脂であり、前記熱接着性樹脂層を押出しラミネート法によって形成するに当って、前記熱可塑性樹脂層との界面にコロナ処理またはオゾン処理による酸化被膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器の製造方法である。
また、請求項4に記載の発明は、前記熱接着性樹脂層と、前記熱可塑性樹脂層が異なる種類の樹脂からなり、フィルム状の前記熱接着性樹脂層と、前記ガスバリア層とを、溶融した前記熱可塑性樹脂層によって、押出しラミネート法によって貼り合わせることを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器の製造方法である。
また、請求項5に記載の発明は、前記熱接着性樹脂層と前記熱可塑性樹脂層が異なる種類の樹脂からなり、この2層を共押出法によって形成することを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器の製造方法である。
本発明に係る液体用紙容器は、シーラント層内に剥離可能な界面を設け、この界面における層間剥離強度を、0.3N/15mm以上15N/15mm以下としたので、使用後に手で容易に解体することが可能であり、かつ、使用中にシール不良による液漏れ等の問題が生じない。
また、請求項2に記載の発明のように、熱接着性樹脂層とこれに接する熱可塑性樹脂層
が、いずれもポリエチレン樹脂であり、熱接着性樹脂層の樹脂の融点をT℃とした時、(T+120)℃以上(T+180)℃以下の押出し温度で、押出しラミネート法によって熱接着性樹脂層を形成することを特徴とする液体用紙容器の製造方法によれば、押出し温度の調節のみで、剥離可能な界面を作ることができるため、特別なコストアップ要因なしに易解体性の液体用紙容器を安定して製造することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、熱接着性樹脂層とこれに接する熱可塑性樹脂層が、いずれもポリエチレン樹脂であり、熱接着性樹脂層を押出しラミネート法によって形成するに当って、熱可塑性樹脂層との界面にコロナ処理またはオゾン処理による酸化被膜を形成することを特徴とする液体用紙容器の製造方法によれば、同様にして、押出し条件の設定のみで、剥離可能な界面を作ることができるため、特別なコストアップ要因なしに易解体性の液体用紙容器を安定して製造することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、熱接着性樹脂層とこれに直接接する熱可塑性樹脂層が、異なる種類の樹脂からなり、フィルム状の熱接着性樹脂層と、ガスバリア層とを、溶融した熱可塑性樹脂層によって、押出しラミネート法によって貼り合わせることを特徴とする液体用紙容器の製造方法によれば、使用する樹脂材料の選択によって界面の剥離強度はほぼ決定されるので、さらに安定した剥離強度が得られる。この点については、請求項5に記載の発明についても同様である。
図1は、本発明に係る液体用紙容器の一例を示した斜視図である。 図2は、図1に示した液体用紙容器のブランクを示した平面模式図である。 図3は、本発明に係る液体用紙容器に用いる積層体の基本的な構成を示した断面模式図である。 図4は、実施例1の液体用紙容器に用いた積層体の構成を示した断面模式図である。 図5は、実施例2の液体用紙容器に用いた積層体の構成を示した断面模式図である。 図6は、実施例3の液体用紙容器に用いた積層体の構成を示した断面模式図である。 図7は、実施例4の液体用紙容器に用いた積層体の構成を示した断面模式図である。 図8は、実施例5の液体用紙容器に用いた積層体の構成を示した断面模式図である。 図9は、実施例6の液体用紙容器に用いた積層体の構成を示した断面模式図である。
以下図面を参照しながら、本発明に係る液体用紙容器及びその製造方法について、説明する。図1は、本発明に係る液体用紙容器(1)の一例を示した斜視図である。図2は、図1に示した液体用紙容器(1)のブランク(10)を示した平面模式図である。また、図3は、本発明に係る液体用紙容器(1)に用いる積層体(20)の基本的な構成を示した断面模式図である。
本発明に係る液体用紙容器(1)は、紙(23)を基材とし、基材(23)の一方の面に表面樹脂層(22)を有し、他方の面に少なくともガスバリア層(25)とシーラント
層(27)を有する積層体(20)を、表面樹脂層(22)が形成されている面が容器の外側になるように成形してなる液体用紙容器である。
図1に示した例は、容器本体(2)が切妻屋根型の頂部を有し、口栓(3)を備えたゲーブルトップ型液体用紙容器である。図2のブランク(10)を組み立てるには、4枚の側板(13)を間の罫線(11)を山折りして、糊代部を熱シールすることにより四角筒状に成形し、次いで底部と頂部を成形する。頂部を成形するに当たっては、切妻屋根の妻部を構成する2組の三角トップ板(15)と折込三角板(16)の上部に連設した折込トップシール部(18)を、屋根部を構成する2枚の矩形トップ板(14)の上部に連設したトップシール部(17)で挟んで熱シールする。口栓(3)は、底部を成形後に、予め口栓取付孔(12)に熱シールして取り付けておく。頂部の成形は、内容物を充填した後に行う。
本発明に係る液体用紙容器(1)は、シーラント層(27)が、容器の最内層となる熱接着性樹脂層(29)と、熱接着性樹脂層(29)に接する熱可塑性樹脂層(28)とを有し、この2層の界面(30)が剥離可能であり、この界面における層間剥離強度が、0.3N/15mm以上15N/15mm以下であることを特徴とする。
図3に示した構成においては、表面樹脂層(22)の表面に印刷絵柄を構成するインキ層(21)が設けられている。また、紙(23)とガスバリア層(25)とを貼り合わせるための接着樹脂層(24)が設けられ、ガスバリア層(25)とシーラント層(27)の接着性を高めるためのアンカーコート層(26)が設けられている。
積層体(20)に用いる材料について説明する。紙(23)としては、紙容器のサイズに応じて坪量が200〜500g/m、密度0.6〜1.1g/cmの範囲内のものを選択して使用することが好ましい。坪量が200g/m未満の場合は、容器として十分な腰や強度が得られないおそれがある。また500g/mを超える場合は、容器に成形する際の加工適性が劣り、また経済的にも好ましいものではない。
次にガスバリア層(25)としては、ガスバリア性樹脂フィルムや、基材フィルムにガスバリア層を形成したガスバリア性積層フィルム、あるいはアルミニウム箔などの金属箔を使用することができる。
ガスバリア性樹脂フィルムとしては、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(EVOH)、ポリビニルアルコールフィルム(PVA)、二軸延伸PETや二軸延伸ナイロンフィルムとEVOHの積層フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)ケン化物、ポリ塩化ビニリデンフィルム等がある。
ガスバリア性積層フィルムとしては、前記ガスバリア性フィルムの2種以上を組み合わせた積層フィルムや、基材フィルムに酸化アルミニウム、酸化珪素などの無機酸化物を蒸着した無機酸化物蒸着フィルムや、アルミニウム蒸着フィルム、あるいは基材フィルムにポリ塩化ビニリデンを塗工した塗工フィルム、アルミニウム箔をラミネートしたアルミ箔ラミネートフィルムなどがある。
ガスバリア性積層フィルムの基材フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル系フィルム、PP、ナイロン−6、ナイロン−66などのポリアミド系フィルム(Ny)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)などの無延伸あるいは延伸フィルムが用いられる。
紙(23)とガスバリア層(25)とを貼り合わせるために使用する接着樹脂層(24)としては、一般的なポリエチレン樹脂の他、エポキシ化植物油含有ポリエチレン樹脂等の所謂ノーアンカーコート仕様のポリエチレン樹脂や、エチレン・アクリル酸共重合体樹脂(EAA)、エチレン・メタクリル酸共重合体樹脂(EMAA)等の酸コポリマー、酸無水物グラフト変性ポリエチレン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体樹脂、、エチレン・メタクリル酸・メタクリル酸エステル三元共重合体樹脂、アイオノマー樹脂などの単体樹脂か、これらの樹脂とポリエチレン樹脂の共押出が使用できる。これらの樹脂を溶融させ、押出ラミネーション法によって紙(23)とガスバリア層(25)を貼り合わせる。樹脂層の厚さとしては10〜50μmの範囲が適当である。
表面樹脂層(22)として用いられる一般的な材料としては、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体などのオレフィン系樹脂や、これらオレフィン系樹脂をグラフト重合などにより酸変性した変性ポリオレフィン樹脂が使用可能である。厚さは10〜30μmの範囲が適当である。
シーラント層(27)は、紙容器の最内層となる熱接着性樹脂層(29)とこれに接する熱可塑性樹脂層(28)を有するが、シーラント層全体としての厚さは、20〜80μmが適当であり、30〜70μmが望ましい。
熱接着性樹脂層(29)としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE) 、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−メタアクリル酸樹脂共重合体(EMAA)などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等が使用される。
熱接着性樹脂層(29)としては、上記以外に、ヒートシーラブルPETフィルム、ポリアミドフィルム(Ny)などヒートシール可能な各種熱接着性樹脂が使用できる。
熱可塑性樹脂層(28)は、熱接着性樹脂層(29)との間に剥離可能な界面を形成するものであるため、熱接着性樹脂層(29)の材質に応じて、適宜選択される。例えば、熱接着性樹脂層(29)がポリエチレン樹脂であれば、熱可塑性樹脂層(28)としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、PET樹脂などが用いられる。また熱接着性樹脂層(29)が、無延伸ポリプロピレン樹脂(CPP)であれば、熱可塑性樹脂層(28)としてポリエチレン樹脂が、使用できる。
図3に示した積層体(20)を作製するには、いろいろな方法、手順があるが、その一例を示す。例えばまずガスバリア層(25)としてのアルミナ蒸着PETフィルムのPET面側に、アンカーコート層(26)を設けた後、シーラント層(27)を接着形成する。
シーラント層(27)を形成する方法としては、例えば、まず熱可塑性樹脂層(28)を押出しラミネート法によって形成し、この上に、熱接着性樹脂層(29)を同様に押出
しラミネートする方法がある。実施例1(図4)、実施例2(図5)などがこれに相当する。
また別の方法として、予めフィルム状に形成した熱接着性樹脂層(29)を用意しておき、溶融した状態で熱可塑性樹脂層(28)を押し出して押出しラミネート法によって形成する方法がある。実施例3(図6)、実施例4(図7)、実施例6(図9)などがこれに相当する。
また、さらに別の方法としては、熱可塑性樹脂層(28)と熱接着性樹脂層(29)を共押出法によって、同時に押し出して形成する方法がある。実施例5(図8)がこれに相当する。
また、特に図示はしないが、例えば予めフィルム状に形成した熱可塑性樹脂層(28)とガスバリア層(25)とをドライラミネート法によって接着しておき、熱可塑性樹脂層(28)の面に熱接着性樹脂層(29)を押出して形成する方法もある。
以上のようにして、貼合せが完了したガスバリア層(25)とシーラント層(27)の積層フィルムを接着樹脂層(24)を介して紙(23)と貼り合わせる。貼合せは、溶融した接着樹脂を押し出して貼り合わせる押出しラミネート法によるのが、一般的である。
次に、紙のもう一方の面に表面樹脂層(22)を同様に押出しラミネートし、通常はこの表面にコロナ処理等の表面処理を施した上で、印刷を施す。
請求項1に記載の液体用紙容器に用いる積層体の製造方法や、これに用いる材料については、特に限定されるものではなく、さまざまな材料、方法が可能であるが、これらの中で、特に好ましいいくつかの実施態様について実施例に基いて説明する。
ガスバリア層(25)として、厚さ12μmのPETフィルムに酸化アルミニウムを蒸着したアルミナ蒸着PETを使用した。アルミナ蒸着PETフィルムのPET面にウレタン樹脂系のアンカーコート剤を塗布し、この面に熱可塑性樹脂層(28)として、Tダイから溶融したLLDPEをダイ下温度300℃で40μmの厚さに押出して、貼り合わせた。次にこのLLDPE面に、熱接着性樹脂層(29)として、同様にしてTダイから溶融したLDPEをダイ下温度250℃で20μmの厚さに押出して、貼り合わせた。なお、このLDPの融点は、108℃である。
こうして得られた積層体のガスバリア層面と、坪量320g/mのカートン原紙(23)とを、EMAA20μmで押出しラミネートし、紙のもう一方の面にLDPE15μmを押出しラミネートし、表面に印刷を施して、図4に示した積層体(20)を得た。
積層体(20)を図2に示したようなブランク(10)に打抜き、成型して口栓(3)を取付け、図1に示したようなゲーブルトップ型の実施例1の液体用紙容器(1)を作製した。
実施例1に用いたものと同じアルミナ蒸着PETを使用し、アルミナ蒸着PETフィルムのPET面に、実施例1と同様にアンカーコート剤を塗布し、この面に熱可塑性樹脂層(28)として、Tダイから溶融したLLDPEをダイ下温度320℃で40μmの厚さに押出して、貼り合わせた。次にこのLLDPE面に、コロナ処理を施して酸化被膜を形成した後、熱接着性樹脂層(29)として、同様にしてTダイから溶融したLDPEをダ
イ下温度250℃で20μmの厚さに押出して、貼り合わせた。なお、LLDPE、LDPEとも実施例1に用いた樹脂と同じ樹脂である。以下実施例1と同様にして、図5に示した積層体(20)を得た。この積層体を用いて、実施例1と同様にして実施例2の液体用紙容器を作製した。
実施例1に用いたものと同じアルミナ蒸着PETを使用し、アルミナ蒸着PETフィルムのPET面に、実施例1と同様にアンカーコート剤を塗布し、この面に熱可塑性樹脂層(28)として、Tダイから溶融したLDPEをダイ下温度280℃で40μmの厚さに押出して、予め熱接着樹脂層(29)として準備しておいた厚さ20μmのCPPフィルムを貼り合わせた。以下実施例1と同様にして、図6に示した積層体(20)を得た。この積層体を用いて、実施例1と同様にして実施例3の液体用紙容器を作製した。
実施例1に用いたものと同じアルミナ蒸着PETを使用し、アルミナ蒸着PETフィルムのPET面に、実施例1と同様にアンカーコート剤を塗布し、この面に熱可塑性樹脂層(28)として、Tダイから溶融したLDPEをダイ下温度280℃で40μmの厚さに押出して、予め熱接着樹脂層(29)として準備しておいた厚さ20μmのヒートシーラブルPETフィルムを貼り合わせた。以下実施例1と同様にして、図7に示した積層体(20)を得た。この積層体を用いて、実施例1と同様にして実施例4の液体用紙容器を作製した。
実施例1に用いたものと同じアルミナ蒸着PETを使用し、アルミナ蒸着PETフィルムのPET面に、実施例1と同様にアンカーコート剤を塗布し、この面に以下の3層からなるシーラント層(27)を共押出法によって形成した。
第1層:LDPE 20μm
第2層:CPP 20μm
第3層:LDPE 20μm
第2層が熱可塑性樹脂層(28)に相当し、第3層が熱接着性樹脂層(29)に相当する。なお、この例では、剥離可能な界面(30)は、第2層と第3層の界面だけでなく、第1層と第2層の界面も同様に剥離可能な界面である。
以下実施例1と同様にして、図8に示した積層体(20)を得た。この積層体を用いて、実施例1と同様にして実施例5の液体用紙容器を作製した。
実施例1に用いたものと同じアルミナ蒸着PETを使用し、アルミナ蒸着PETフィルムのPET面に、実施例1と同様にアンカーコート剤を塗布し、この面に以下の3層からなる層を共押出法によって押し出して、予め熱接着性樹脂層(29)として用意した厚さ20μmのPEフィルムを貼り合わせた。
第1層:LDPE 15μm
第2層:変性ポリオレフィン系接着性樹脂 5μm
第3層:Ny 20μm
以下実施例1と同様にして、図9に示した積層体(20)を得た。この積層体を用いて、実施例1と同様にして実施例6の液体用紙容器を作製した。
<比較例1>
実施例1において、LLDPEの押出し温度を320℃とし、LDPEの押出し温度を320℃とした以外は、実施例1と同様にして比較例1の液体用紙容器を作製した。なお比較例1の液体用紙容器は、従来の標準的な液体用紙容器と考えて良い。
<比較例2>
実施例1に用いたものと同じアルミナ蒸着PETを使用し、アルミナ蒸着PETフィルムのPET面に、実施例1と同様にアンカーコート剤を塗布し、この面に熱可塑性樹脂層(28)として、Tダイから溶融したLDPEをダイ下温度280℃で40μmの厚さに押出して、予め熱接着樹脂層(29)として準備しておいた厚さ20μmのLDPEフィルムを貼り合わせた。以下実施例1と同様にして、積層体(20)を得た。この積層体を用いて、実施例1と同様にして比較例2の液体用紙容器を作製した。
以上得られた実施例1〜6、比較例1、2の各積層体及び液体用紙容器について、剥離可能な界面の層間剥離強度(N/15mm)、成型性、開封強度(解体強度)(N)、水蒸気透過度(g/pak/day)を評価した。なお開封強度は、引張試験機に紙容器の頂部を対角線状にチャックし、引っ張って開封する時の引張強度を測定した。
結果を表1に示す。
Figure 2014223923
表1の結果から分かるように、各サンプルとも成型性、水蒸気透過性においては差が見られず、いずれも良い結果であったが、層間剥離強度と開封強度においては、差が見られた。剥離可能な界面における層間剥離強度については、実施例1〜6のサンプルはいずれも剥離性を示し、層間剥離強度が2.5N/15mm以下であったが、比較例のサンプルは、剥離不可能であった。
また、開封強度については、実施例1〜6のサンプルは、いずれも30N以下であったが、比較例のサンプルは50N以上であった。なお、開封強度が30N以下であれば、手で解体が可能であることが分かっている。
以上のように、本発明に係る液体用紙容器は、手で解体が可能であり、使用後のリサイクルが容易であるため、リサイクル率の向上に寄与するものである。
1・・・液体用紙容器
2・・・容器本体
3・・・口栓
10・・・ブランク
11・・・罫線
12・・・口栓取付孔
13・・・側板
14・・・矩形トップ板
15・・・三角トップ板
16・・・折込三角板
17・・・トップシール部
18・・・折込トップシール部
20・・・積層体
21・・・インキ層
22・・・表面樹脂層
23・・・紙
24・・・接着樹脂層
25・・・ガスバリア層
26・・・アンカーコート層
27・・・シーラント層
28・・・熱可塑性樹脂層
29・・・熱接着性樹脂層
30・・・剥離可能な界面
31・・・酸化被膜
32・・・接着性樹脂層

Claims (5)

  1. 紙を基材とし、該基材の一方の面に表面樹脂層を有し、他方の面に少なくともガスバリア層とシーラント層を有する積層体を、表面樹脂層が形成されている面が容器の外側になるように成形してなる液体用紙容器であって、前記シーラント層は、容器の最内層となる熱接着性樹脂層と、該熱接着性樹脂層に接する熱可塑性樹脂層とを有し、この2層の界面は剥離可能であり、この界面における層間剥離強度は、0.3N/15mm以上15N/15mm以下であることを特徴とする液体用紙容器。
  2. 前記熱接着性樹脂層はポリエチレン樹脂であり、前記熱接着性樹脂層の樹脂の融点をT℃とした時、(T+120)℃以上(T+180)℃以下の押出し温度で、押出しラミネート法によって前記熱接着性樹脂層を形成することを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器の製造方法。
  3. 前記熱接着性樹脂層と、前記熱可塑性樹脂層はいずれもポリエチレン樹脂であり、前記熱接着性樹脂層を押出しラミネート法によって形成するに当って、前記熱可塑性樹脂層との界面にコロナ処理またはオゾン処理による酸化被膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器の製造方法。
  4. 前記熱接着性樹脂層と、前記熱可塑性樹脂層は異なる種類の樹脂からなり、フィルム状の前記熱接着性樹脂層と、前記ガスバリア層とを、溶融した前記熱可塑性樹脂層によって、押出しラミネート法によって貼り合わせることを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器の製造方法。
  5. 前記熱接着性樹脂層と前記熱可塑性樹脂層は異なる種類の樹脂からなり、この2層を共押出法によって形成することを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器の製造方法。
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