JP2014223790A - 封止シート一体型太陽電池用保護シート及び太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】アクリル系樹脂からなる表面保護層を有し、表面保護層と封止層との接着部分の耐久性に優れている封止シート一体型太陽電池用保護シートを提供する。【解決手段】メチルメタクリレート共重合体を含む表面保護層と、前記表面保護層に積層されており、エチレン(メタ)アクリレート共重合体を主成分とする接着層と、前記接着層の前記表面保護層とは反対側の面に積層されており、熱可塑性樹脂を主成分として含む封止層とを備え、前記メチルメタクリレート共重合体のJIS K7206で測定されたビカット軟化点が100℃以下であり、前記エチレン(メタ)アクリレート共重合体が、エチレンとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体であり、アルキル(メタ)アクリレートが、共重合体中20mol%以上を占める、封止シート一体型太陽電池用保護シート。【選択図】なし
Description
本発明は、太陽電池に用いられる表面保護及び封止シートに関し、より詳細には、表面保護と封止の機能を果たす各層が一体化されている封止シート一体型太陽電池用保護シート及び該封止シート一体型太陽電池用保護シートを用いた太陽電池モジュールに関する。
太陽電池では、一般的には、表面保護材、封止材、太陽電池用発電層、封止材及び裏面側保護材がこの順序で積層されている。下記の特許文献1には、フッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂とのポリマーアロイからなる層と、透明無機化合物層と、透明樹脂層とを有する積層体からなる太陽電池用表面保護シートが開示されている。
また、下記の特許文献2では、太陽電池の表面保護層として、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂からなる保護フィルムが用いられている。
フッ化ビニリデン樹脂などを用いた表面保護材は、耐候性に優れているが、コストが比較的高い。そこで、安価なアクリル系樹脂を用いた保護層の採用が検討されている。もっとも、アクリル系樹脂フィルムに電子線照射などのコストのかかる処理が必要であった。そのためコストの低減には限界があった。
上記電子線照射処理を施していないアクリル系樹脂フィルムからなる表面保護層を封止層に接着剤を用いて貼り合わせた構成では、耐久接着性や透明性維持が充分でないという問題があった。例えば、高温高湿度下に長時間置かれると、アクリル系樹脂からなる表面保護層が、封止層から剥離するおそれがあった。このような剥離が生じると、太陽電池の発電効率が低下することとなる。また、高温高湿度下に長時間置かれた場合に、光学劣化を引き起こし、しばしば黄変色を発生することがあった。これにより、外観品質や透明性が劣化して、太陽電池の発電効率が低下することとなる。
本発明の目的は、アクリル系樹脂を含む表面保護層を有し、該表面保護層と封止層との接着部分および光学品質の耐久性に優れている太陽電池用保護シート並びに該太陽電池用保護シートを用いた太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明に係る封止シート一体型太陽電池用保護シートは、メチルメタクリレート共重合体を含む表面保護層と、前記表面保護層に積層されており、エチレン(メタ)アクリレート共重合体を主成分とする接着層と、前記接着層の前記表面保護層とは反対側の面に積層されており、熱可塑性樹脂を主成分として含む封止層とを備える。前記メチルメタクリレート共重合体のJIS K7206で測定されたビカット軟化点は100℃以下である。前記エチレン(メタ)アクリレート共重合体は、エチレンとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体であり、アルキル(メタ)アクリレートが、共重合体中20mol%以上を占める。
本発明に係る封止シート一体型太陽電池用保護シートでは、好ましくは、前記エチレン(メタ)アクリレート共重合体が、エチレンと、メチルアクリレートもしくはブチルアクリレートとの共重合体である。
本発明に係る太陽電池モジュールは、太陽電池用発電層と、前記太陽電池用発電層の片面に積層されており、かつ本発明に従って構成された封止シート一体型太陽電池用保護シートと、前記太陽電池用発電層の反対側の面に積層された裏面保護層とを備える。
本発明に係る封止シート一体型太陽電池用保護シートでは、表面保護層が、上記特定のメチルメタクリレート共重合体を含んでおり、接着層が、上記特定のエチレン(メタ)アクリレート共重合体を主成分とするため、表面保護層の封止層に対する接着部分の耐久性を効果的に高め得る。従って、該接着部分の信頼性に優れているので、発電効率の低下が生じ難い太陽電池モジュールを提供することが可能となる。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る封止シート一体型太陽電池用保護シートは、表面側から、表面保護層、接着層、封止層をこの順序で積層した構成を有する。従って、本発明では、封止層と表面保護層とが一体化されている。
(表面保護層)
本発明における表面保護層は、太陽電池モジュールにおける表面側を保護する機能を果たす。表面保護層は、メチルメタクリレート共重合体を含む。このようなメチルメタクリレート共重合体としては特に限定されない。メチルメタクリレートと、該メチルメタクリレートと共重合し得るメチルメタクリレート以外の単量体との様々な共重合体を用いることができる。メチルメタクリレートと共重合し得る上記単量体としては、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ミリスチルメタクリレート、パルミチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート等のメチルメタクリレートを除くアルキルメタクリレート;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、ミリスチルアクリレート、パルミチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート等のアルキルアクリレート;フェニルメタクリレート等のメタクリル酸とフェノール類とのエステル;ベンジルメタクリレート等のメタクリル酸と芳香族アルコールとのエステルなどのメタクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンもしくはハロゲン化スチレン等の芳香族ビニル系単量体;アクリロニトリルもしくはメタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;ブタジエンもしくはイソプレン等の共役ジエン系単量体等が挙げられる。
本発明における表面保護層は、太陽電池モジュールにおける表面側を保護する機能を果たす。表面保護層は、メチルメタクリレート共重合体を含む。このようなメチルメタクリレート共重合体としては特に限定されない。メチルメタクリレートと、該メチルメタクリレートと共重合し得るメチルメタクリレート以外の単量体との様々な共重合体を用いることができる。メチルメタクリレートと共重合し得る上記単量体としては、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、ミリスチルメタクリレート、パルミチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート等のメチルメタクリレートを除くアルキルメタクリレート;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、ミリスチルアクリレート、パルミチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート等のアルキルアクリレート;フェニルメタクリレート等のメタクリル酸とフェノール類とのエステル;ベンジルメタクリレート等のメタクリル酸と芳香族アルコールとのエステルなどのメタクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンもしくはハロゲン化スチレン等の芳香族ビニル系単量体;アクリロニトリルもしくはメタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;ブタジエンもしくはイソプレン等の共役ジエン系単量体等が挙げられる。
本発明において、上記メチルメタクリレート共重合体のビカット軟化点は、100℃以下であることが必要である。上記ビカット軟化点は、JIS K7206(B50)に準拠して50Nにて測定した値である。
上記ビカット軟化点が100℃以下であることにより、表面保護層と封止層との接着層による接着部分の接着強度が高められ、かつ耐久接着性も充分に高められる。さらに、95℃以下が特に接着性の観点から特に好ましい。なお、使用環境を考慮すると、上記ビカット軟化点は、80℃以上が好ましい。さらに、85℃以上が好ましい。また、上記メチルメタクリレート共重合体のJIS K7171に準拠して測定した曲げ弾性率が、1500MPa〜3000MPaの範囲であることが好ましい。この範囲内であれば、表面保護層が柔らかすぎず、充分な表面保護機能を果たす。また、表面保護層が硬すぎず、長期間使用した場合であっても剥離等がより一層生じ難い。
なお、表面保護層は、上記メチルメタクリレート共重合体を含んでいるものであればよく、該メチルメタクリレート共重合体以外に、ポリフッ化ビニリデンポリマーが含まれていることにより、さらに光学特性等の耐久性が向上する。
また、ポリフッ化ビニリデンポリマーは、メチルメタクリレート共重合体との相溶性がよく、透明性と接着強度を両立させることができる。
本発明において用いられるポリフッ化ビニリデンポリマーとは、ポリフッ化ビニリデンポリマーまたはポリフッ化ビニリデンポリマーコポリマーと相溶性である1つまたは複数の他のポリマーとのコポリマーのホモポリマー、コポリマー、ターポリマーまたはブレンドを意味する。本発明のポリフッ化ビニリデンコポリマーおよびターポリマーは、フッ化ビニリデン単位がポリマー中の全てのモノマー単位の全重量の60%パーセント超を占める、より好ましくは、全てのモノマー単位の全重量の75パーセント超を占めるPVDFコポリマーおよびターポリマーである。フッ化ビニリデンのコポリマー、ターポリマーおよびより高次のポリマーは、フッ化ビニリデンと、フッ化ビニル、トリフルオロエテン、テトラフルオロエテン、部分的または完全にフッ素化されたアルファ−オレフィンの1つまたは複数、例えば3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、3,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、およびヘキサフルオロプロペン、部分的にフッ素化されたオレフィンヘキサフルオロイソブチレン、過フッ素化ビニルエーテル、例えばペルフルオロメチルビニルエーテル、ペルフルオロエチルビニルエーテル、ペルフルオロ−n−プロピルビニルエーテル、およびペルフルオロ−2−プロポキシプロピルビニルエーテル、フッ素化ジオキソール、例えばペルフルオロ(1,3−ジオキソール)およびペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、アリリック、部分的にフッ素化されたアリリック、またはフッ素化アリルモノマー、例えば2−ヒドロキシエチルアリルエーテルまたは3−アリルオキシプロパンジオール、およびエテンまたはプロペンからなる群からの1つまたは複数のモノマーとを反応させることによって製造されてもよい。好ましいコポリマーまたはターポリマーは、フッ化ビニル、トリフルオロエテン、テトラフルオロエテン(TFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)およびクロロトリフルオロエチレン(CTFE)と一緒に形成される。
本発明において用いられるポリフッ化ビニリデンポリマーのMFRは、特に限定されないが、230℃におけるMFRが2〜30であることが好ましい。これより大きい場合には、押し出し成形が困難になる傾向にある。また、これ以上低くなると共押出における層比の調整が困難である。230℃におけるMFRは、10〜20がさらに好ましく、接着強度の安定性が得られやすい。
なお、表面保護層は、メチルメタクリレート共重合体が50〜95重量部、ポリフッ化ビニリデンポリマーが5〜50重量部からなることが好ましい。メチルメタクリレート共重合体が60〜100重量部、ポリフッ化ビニリデンポリマーが0〜40重量部がより好ましく、メチルメタクリレート共重合体が70〜95重量部、ポリフッ化ビニリデンポリマーが5〜30重量部が最も好ましい。
なお、表面保護層は、上記メチルメタクリレート共重合体を含むものであればよく、該メチルメタクリレート共重合体以外の成分として、ポリフッ化ビニリデンポリマー以外のものが添加されていてもよい。すなわち、本発明の目的を阻害しない範囲で他の添加剤が添加されていてもよい。このような添加剤としては、光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤、波長変換剤などを挙げることができる。
(接着層)
本発明においては、上記表面保護層が、エチレン(メタ)アクリレート共重合体を主成分とする接着層により封止層に貼り合わされている。なお、本発明における主成分とは、50質量%以上含有されている成分を指す。
本発明においては、上記表面保護層が、エチレン(メタ)アクリレート共重合体を主成分とする接着層により封止層に貼り合わされている。なお、本発明における主成分とは、50質量%以上含有されている成分を指す。
上記エチレン(メタ)アクリレート共重合体としては、エチレンと、アルキル(メタ)アクリレートの共重合体であり、アルキル(メタ)アクリレートが共重合体中20mol%以上含むものが用いられる。
ここで、上記アルキル(メタ)アクリレートとしては、特に限定されないが、好ましくは、メチルアクリレート(アクリル酸メチル)またはブチルアクリレートまたは2−エチル−ヘキシルアクリレートが用いられる。メチルメタクリレートまたはブチルアクリレートを用いた場合には、より高い接着強度及びより高い耐久接着性が得られる。
また、上記アルキル(メタ)アクリレートが、共重合体中20mol%以上を占めることにより、表面保護層との接着性が効果的に高められている。上記アルキル(メタ)アクリレートの共重合体中の含有量の上限は特に限定されない。
上記アルキル(メタ)アクリレートの共重合割合は、13C−NMR法により測定した値である。すなわち、日本電子社製NMR装置、品番:JEOL−GSX270を用い、溶媒としてオルソジクロロベンゼンを用い、濃度を300mg/2mLとして測定した値である。
上記エチレンアクリレート共重合体の例としては、例えば、エチレン/メチルアクリレート共重合体として、アルケマ社製、品番:29MA03、24MA005、18MA02が挙げられ、エチレン/ブチルアクリレート共重合体として、アルケマ社製、品番:35BA320、30BA02、17BA04が挙げられる。
上記エチレン(メタ)アクリレート共重合体以外の含有成分としては、例えば、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、タッキファイヤー、シリカ等の微粒子が挙げられる。
(封止層)
上記封止層は、接着層の表面保護層とは反対側の面に積層されており、熱可塑性樹脂を主成分として含む。封止層を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、αオレフィン共重合ポリオレフィン、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ(エチレンビニルアセテート)などの熱可塑性樹脂を用いることができる。
上記封止層は、接着層の表面保護層とは反対側の面に積層されており、熱可塑性樹脂を主成分として含む。封止層を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、αオレフィン共重合ポリオレフィン、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ(エチレンビニルアセテート)などの熱可塑性樹脂を用いることができる。
また、上記封止層には、本発明の目的を阻害しない範囲の他の成分を添加してもよい。このような成分としては、紫外線吸収剤、光安定化剤、過酸化物などを挙げることができる。
(封止シート一体型太陽電池用保護シートの製造方法)
本発明に係る封止シート一体型太陽電池用保護シートの製造方法は特に限定されない。例えば、表面保護層、接着層及び封止層を、それぞれ押し出し成膜により成膜し、次に熱ラミネート法や真空プレス法によりこれらの層を熱圧着する方法が用いられる。
本発明に係る封止シート一体型太陽電池用保護シートの製造方法は特に限定されない。例えば、表面保護層、接着層及び封止層を、それぞれ押し出し成膜により成膜し、次に熱ラミネート法や真空プレス法によりこれらの層を熱圧着する方法が用いられる。
他の方法として、メチルメタクリレート共重合体もしくはメチルメタクリレート共重合体とフッ化ビニリデンの混合物を、上記エチレン(メタ)アクリレート共重合体と、上記封止層を構成する熱可塑性樹脂とをそれぞれ共押し出しし、積層一体化することにより、封止シート一体型太陽電池用保護シートを得てもよい。共押し出し法の場合、熱圧着による熱収縮を防止でき、さらに空気の噛み込みによる泡の発生などの外観不良も防止することができる。従って、熱収縮や外観不良を防止するには、共押し出し法が好ましい。
もっとも、上記のように、各層を成膜した後、熱ラミネート法や真空プレス法により熱圧着する方法では、共押し出しできない材料の組み合わせを用いることができる。
なお、上記表面保護層の厚みは、特に限定されないが1μm〜500μmが好ましい。また、上記接着層の厚みについても特に限定されず、0.5μm〜100μm程度とされる。封止層の厚みについても特に限定されず、50μm〜1000μm程度とすればよい。
(太陽電池モジュール)
本発明に係る太陽電池モジュールは、太陽電池用発電層と、該太陽電池用発電層の片面に積層された、本発明に従って構成されている封止シート一体型太陽電池用保護シートと、反対側の面に積層された裏面保護層とを備える。
本発明に係る太陽電池モジュールは、太陽電池用発電層と、該太陽電池用発電層の片面に積層された、本発明に従って構成されている封止シート一体型太陽電池用保護シートと、反対側の面に積層された裏面保護層とを備える。
上記裏面保護層は、太陽電池用発電層を、裏面側において水、紫外線及び酸素などから保護する機能を果たす。上記裏面保護層は、上記のような所望の機能を発現する適宜の材料により構成され得る。フレキシブル太陽電池モジュールを構成する場合、可撓性を有する裏面保護層が好適に用いられる。
このような可撓性を有する裏面保護層としては、鋼またはアルミニウムなどの金属層と、ポリフッ化ビニル層とが積層されている積層体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、PVF/PET/PVF積層体、またはPVDFなどからなるフィルムが好適に用いられる。
なお、上記フィルムは、単独で用いられてもよく、複数層積層されて用いられてもよい。なお、太陽電池用発電層と裏面保護層との間の封止層については、前述した封止シート一体型太陽電池用保護シートの封止層と同様に、熱可塑性樹脂を主成分とする材料により構成することができる。もっとも、裏面保護層側に配置される封止層は、上記封止シート一体型太陽電池用保護シートの封止層と異なる材料で構成されていてもよく、同一材料で構成されていてもよい。
本発明に係る太陽電池モジュールでは、上記裏面保護層、封止層、太陽電池用発電層、本発明の封止シート一体型太陽電池用保護シートが積層されている構造を有する。上記のように可撓性を有する裏面保護層を用いた場合、フレキシブル太陽電池モジュールを容易に提供することができる。この場合、表面側の封止シート一体型太陽電池用保護シートも、可撓性を有することが望ましい。
なお、上記太陽電池用発電層は、公知の太陽電池用セルにより構成された光電変換部分と、発生した電気を取り出す電極とを備える。この太陽電池用セルの具体的構造については特に限定されない。
上記フレキシブル太陽電池モジュールを構成する場合、裏面保護層を、フレキシブルな基材で裏打ちしてもよい。すなわち、表面側の封止シート一体型太陽電池用保護シート、太陽電池用発電層及び裏面保護層がそれぞれ非常に薄い場合、可撓性を有する基材により裏打ちしてもよい。このような可撓性を有する基材としては、特に限定されず、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォンなどの耐熱性に優れた適宜の樹脂を用いて構成することができる。
上記太陽電池用セルを構成する材料についても特に限定されず、太陽光を電流に変換し得る適宜の材料を用い得る。例えば、単結晶シリコン、単結晶ゲルマニウム、多結晶シリコン、微結晶シリコン等の結晶系半導体;アモルファスシリコン等のアモルファス系半導体;GaAs、InP、AlGaAs、CdS、CdTe、Cu2S、CuInSe2、CuInS2等の化合物半導体;フタロシアニン、ポリアセチレン等の有機半導体等から形成されたものを挙げることができる。
上記太陽電池用発電層における太陽電池用セルは単層であってもよく複層であってもよい。また、太陽電池用セルの厚みは、特に限定されないが、0.5〜10μm程度とすることが望ましい。
上記太陽電池モジュールの製造方法についても特に限定されない。例えばフレキシブル太陽電池モジュールを製造する場合には、上記可撓性を有する基材上に、各層を適宜積層すればよい。また、フレキシブル太陽電池モジュールの場合、ロール状に巻回されてもよい。また、太陽電池モジュールは、矩形状などの適宜の平面形状のシート状とされてもよい。
本発明に係る太陽電池モジュールでは、表面保護層及び封止層が上記のように構成されているため、太陽電池用発電層が上記封止シート一体型太陽電池用保護シートにより確実に封止される。そして、表面保護層と封止層との接着部分の耐久性が高められているため、長期間にわたり安定に発電し得る太陽電池モジュールを提供することができる。
なお、上記フレキシブル太陽電池モジュールの製造方法についても特に限定されず、各層を適宜積層すればよい。積層に際しては一対の熱ロールを用いて各層を熱圧着する方法などを適宜用いることができる。
また、上記のように可撓性を有する基材で裏打ちする場合には、可撓性を有する基材に上記各層を熱ロールなどを用い、熱圧着法などにより適宜積層すればよい。さらに、真空ラミネータなどを用いて各層を積層してもよい。
次に、本発明の実施例及び比較例を挙げることにより、本発明をより明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
メチルメタクリレート共重合体(旭化成社製、品番:SR8350、MFR0.7g/10分、ビカット軟化点98℃、曲げ弾性率2000MPa)100重量部に対し、紫外線吸収剤(アデカスタブ社製、品番:LA−31)0.1重量部を混合してなる混合物と、エチレンアクリレート共重合体(アルケマ社製、品番:29MA03、MFR3g/10分、共重合されている単量体成分=メチルアクリレート、該単量体含有割合29mol%)と、封止層を構成する熱可塑性樹脂として無水マレイン酸変性ポリエチレン(三井化学社製、無水マレイン酸変性ポリエチレン品番:アドマーXE070、密度0.893g/cm3、MFR3g/10分)とを230℃で共押し出し成膜し、厚さ500μmの封止シート一体型太陽電池用保護シートを製造した。すなわち、メチルメタクリレート共重合体からなる表面保護層と、エチレンアクリレート共重合体からなる接着層と、上記熱可塑性樹脂としての無水マレイン酸変性ポリエチレンからなる封止層とがこの順序で積層されている封止シート一体型太陽電池用保護シートを得た。
メチルメタクリレート共重合体(旭化成社製、品番:SR8350、MFR0.7g/10分、ビカット軟化点98℃、曲げ弾性率2000MPa)100重量部に対し、紫外線吸収剤(アデカスタブ社製、品番:LA−31)0.1重量部を混合してなる混合物と、エチレンアクリレート共重合体(アルケマ社製、品番:29MA03、MFR3g/10分、共重合されている単量体成分=メチルアクリレート、該単量体含有割合29mol%)と、封止層を構成する熱可塑性樹脂として無水マレイン酸変性ポリエチレン(三井化学社製、無水マレイン酸変性ポリエチレン品番:アドマーXE070、密度0.893g/cm3、MFR3g/10分)とを230℃で共押し出し成膜し、厚さ500μmの封止シート一体型太陽電池用保護シートを製造した。すなわち、メチルメタクリレート共重合体からなる表面保護層と、エチレンアクリレート共重合体からなる接着層と、上記熱可塑性樹脂としての無水マレイン酸変性ポリエチレンからなる封止層とがこの順序で積層されている封止シート一体型太陽電池用保護シートを得た。
なお、表面保護層の厚みは75μm、接着層の厚みは25μm、封止層の厚みは400μmとした。
別工程において、紫外線吸収剤(アデカスタブ社製、品番:LA−31)0.1重量部を上記熱可塑性樹脂と同じ材料である無水マレイン酸変性ポリエチレン(三井化学社製、アドマーXE070)である熱可塑性樹脂100重量部に混合し、230℃で押し出し成膜し、厚み400μmの封止層を有する封止シートを得た。
また、別途、下記の発電層及び裏面保護層を用意した。
発電層:本発明では基板として、ポリイミドからなるフレキシブル基材もしくはステンレスシートを用いた。本実施例では、厚膜のポリイミド上に3μmのチタンが40重量%、酸素が30重量%、ケイ素が25重量%、炭素が5重量%からなる薄膜をスピンコーティングにより形成し、乾燥及び焼成を行った。本薄膜上にスパッタリングプロセスにより30nmのSiO2膜とそのSiO2膜上に500nmのTaNバインダ層を形成した。
バインダ層上に、下部電極となるモリブデン(Mo)電極をスパッタリングにより形成し、Mo電極をレーザーの照射によって分割した(第1のスクライブ)。次に、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)をスパッタリングにより付着させてプリカーサを形成した後、このプリカーサを炉内に配置し、H2Seガスの雰囲気中でアニールする気相セレン化処理により光吸収層を形成した。
この光吸収層上に、スパッタリングにより、100Åの厚さのCdS層を形成した。その後、レーザー照射や金属針により光吸収層及びバッファ層を分割した(第2のスクライブ)。その後、上部電極となるZnOAl透明電極をスパッタリングにより形成し、レーザー照射により透明電極、バインダ層及び光吸収層を分割した(第3のスクライブ)。最後に、下部電極層及び上部電極層に引き出し電極を形成することにより、発電層が完成した。
裏面保護層:Coveme社製保護材、品番:APYE。具体的には、9μmのアルミニウムをPETフィルムでラミネートした、厚み375μmの裏面保護材を用いた。
上記のようにして得た封止シート一体型太陽電池用保護シートと、上記封止シートとを所定の大きさにカットした。そして、上記封止シート一体型太陽電池用保護シート、上記発電層及び上記封止シートと、上記の裏面保護層とをこの順序で積層し、真空ラミネータにより125℃の温度で30分間加熱プレスし、太陽電池モジュールを製造した。
(実施例2〜5及び比較例1〜3)
エチレンアクリレート共重合体として、実施例2〜5及び比較例2では、アルケマ社製、品番:29MA03、MFR3g/10分の替りに、アルケマ社製、品番:35BA02、MFR2g/10分を用いた。比較例1では、実施例1と同様に、アルケマ社製、品番:29MA03、MFR3g/10分を用いた。比較例3では、アルケマ社製、品番:17BA04、MFR4g/10分を用いた。
エチレンアクリレート共重合体として、実施例2〜5及び比較例2では、アルケマ社製、品番:29MA03、MFR3g/10分の替りに、アルケマ社製、品番:35BA02、MFR2g/10分を用いた。比較例1では、実施例1と同様に、アルケマ社製、品番:29MA03、MFR3g/10分を用いた。比較例3では、アルケマ社製、品番:17BA04、MFR4g/10分を用いた。
また、表面保護及び封止シート、発電層及び裏面側の封止層を下記の表1に示すようにその材料を変更した。その他については、実施例1と同様にして太陽電池モジュールを製造した。
なお、下記の表1においては、実施例1〜5及び比較例1〜3で用いたメチルメタクリレート共重合体の曲げ弾性率及びビカット軟化点を併せて示す。上記曲げ弾性率は、JIS K7171に準拠して測定した値であり、上記ビカット軟化点は、JIS K7206(B50)に準拠して50Nで測定した値である。
さらに、上記実施例及び比較例で用いたエチレンアクリレート共重合体におけるエチレンと共重合されている単量体、すなわちコモノマーの種類と、13C−NMR法によって計測したコモノマーの含有量を表1にあわせて示した。
なお、実施例4で用いた封止層を構成する熱可塑性樹脂の詳細は以下の通りである。
三菱化学社製、品番:XLE815N、シラン変性樹脂、リンクロン(登録商標)、融点80℃、密度0.915g/cm3、MFR0.5g/10分。
また、実施例5で用いた封止層を構成する熱可塑性樹脂の詳細は以下の通りである。
ダウ社製、品番:8402、ポリオレフィンエラストマー、エンゲージ(登録商標)、融点96℃、密度0.902g/cm3、MFR30g/10分。
(実施例6〜10、比較例4)
表1に示した所定量のメチルメタクリレート共重合体(旭化成社製、品番:SR8350、MFR0.7g/10分、ビカット軟化点98℃、曲げ弾性率2000MPa)および表1に示した所定量のポリフッ化ビニリデンポリマーの混合物100重量部に対し、紫外線吸収剤(アデカスタブ社製、品番:LA−31)0.1重量部を混合してなる混合物と、エチレンアクリレート共重合体(アルケマ社製、品番:35BA02、MFR2g/10分と、封止層を構成する熱可塑性樹脂として無水マレイン酸変性ポリエチレン(三井化学社製、品番:アドマーXE070、密度0.893g/cm3、MFR3g/10分)とを230℃で共押し出し成膜し、厚さ500μmの封止シート一体型太陽電池用保護シートを製造した。すなわち、メチルメタクリレート共重合体からなる表面保護層と、エチレンアクリレート共重合体からなる接着層と、上記熱可塑性樹脂としての無水マレイン酸変性ポリエチレンからなる封止層とがこの順序で積層されている封止シート一体型太陽電池用保護シートを得た。
表1に示した所定量のメチルメタクリレート共重合体(旭化成社製、品番:SR8350、MFR0.7g/10分、ビカット軟化点98℃、曲げ弾性率2000MPa)および表1に示した所定量のポリフッ化ビニリデンポリマーの混合物100重量部に対し、紫外線吸収剤(アデカスタブ社製、品番:LA−31)0.1重量部を混合してなる混合物と、エチレンアクリレート共重合体(アルケマ社製、品番:35BA02、MFR2g/10分と、封止層を構成する熱可塑性樹脂として無水マレイン酸変性ポリエチレン(三井化学社製、品番:アドマーXE070、密度0.893g/cm3、MFR3g/10分)とを230℃で共押し出し成膜し、厚さ500μmの封止シート一体型太陽電池用保護シートを製造した。すなわち、メチルメタクリレート共重合体からなる表面保護層と、エチレンアクリレート共重合体からなる接着層と、上記熱可塑性樹脂としての無水マレイン酸変性ポリエチレンからなる封止層とがこの順序で積層されている封止シート一体型太陽電池用保護シートを得た。
なお、表面保護層の厚みは75μm、接着層の厚みは25μm、封止層の厚みは400μmとした。
別工程において、紫外線吸収剤(アデカスタブ社製、品番:LA−31)0.1重量部を上記熱可塑性樹脂と同じ材料である無水マレイン酸変性ポリエチレン(三井化学社製、アドマーXE070)である熱可塑性樹脂100重量部に混合し、230℃で押し出し成膜し、厚み400μmの封止層を有する封止シートを得た。
また、別途、下記の発電層及び裏面保護層を用意した。
発電層:ステンレス上に3μmのチタンが40重量%、酸素が30重量%、ケイ素が25重量%、炭素が5重量%からなる薄膜をスピンコーティングにより形成し、乾燥及び焼成工程を行った。本薄膜上にスパッタリングプロセスにより30nmのSiO2膜とそのSiO2膜上に500nmのTaNバインダ層を形成した。
バインダ層上に、下部電極となるモリブデン(Mo)電極をスパッタリングにより形成し、Mo電極をレーザーの照射によって分割する(第1のスクライブ)。次に、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)をスパッタリングにより付着させてプリカーサを形成した後、このプリカーサを炉内に配置し、H2Seガスの雰囲気中でアニールする気相セレン化処理により光吸収層を形成した。
この光吸収層上に、スパッタリングにより、100Åの厚さのCdS層を形成した。その後、レーザー照射や金属針により光吸収層及びバッファ層を分割した(第2のスクライブ)。その後、上部電極となるZnOAl透明電極をスパッタリングにより形成し、レーザー照射により透明電極、バインダ層及び光吸収層を分割した(第3のスクライブ)。最後に、下部電極層及び上部電極層に引き出し電極を形成することにより、発電層が完成した。
裏面保護層:保護材(Coveme社製、品番:APYE)。具体的には、9μmのアルミニウムをPETフィルムでラミネートした、厚み375μmの裏面保護材を用いた。
上記のようにして得た封止シート一体型太陽電池用保護シートと、上記封止シートとを所定の大きさにカットした。そして、上記封止シート一体型太陽電池用保護シート、上記発電層及び上記封止シートと、上記の裏面保護層とをこの順序で積層し、真空ラミネータにより125℃の温度で30分間加熱プレスし、太陽電池モジュールを製造した。
(実施例11)
エチレンアクリレート共重合体として、アルケマ社製、品番:29MA03、MFR3g/10分の替りに、アルケマ社製、品番:30BA02、MFR2g/10分を用いた。また、発電層のフレキシブル基板には、ステンレスを用いた。その他は実施例1と同様に太陽電池モジュールを製造した。
エチレンアクリレート共重合体として、アルケマ社製、品番:29MA03、MFR3g/10分の替りに、アルケマ社製、品番:30BA02、MFR2g/10分を用いた。また、発電層のフレキシブル基板には、ステンレスを用いた。その他は実施例1と同様に太陽電池モジュールを製造した。
(実施例及び比較例の評価)
以下の評価結果を下記の表1に示す。
(1)初期層間剥離強度
得られたフレキシブル太陽電池モジュール用の封止シート一体型太陽電池用保護シートにおいて、メチルメタクリレート共重合体を含む表面保護層と、エチレンアクリレート共重合体からなる封止層との層間剥離強度を、JIS K6854に準拠して測定した。50N/cm以上の力で剥離できなかった場合には、材料破壊とした。
以下の評価結果を下記の表1に示す。
(1)初期層間剥離強度
得られたフレキシブル太陽電池モジュール用の封止シート一体型太陽電池用保護シートにおいて、メチルメタクリレート共重合体を含む表面保護層と、エチレンアクリレート共重合体からなる封止層との層間剥離強度を、JIS K6854に準拠して測定した。50N/cm以上の力で剥離できなかった場合には、材料破壊とした。
(2)高温高湿後剥離強度
高温高湿下に置かれた後の剥離強度を測定した。すなわち、得られた太陽電池モジュールを、JIS C8991に記載の85℃及び相対湿度85%の環境下に放置し、各層の剥離を250時間前毎に観察した。剥離が確認された時間を測定した。
高温高湿下に置かれた後の剥離強度を測定した。すなわち、得られた太陽電池モジュールを、JIS C8991に記載の85℃及び相対湿度85%の環境下に放置し、各層の剥離を250時間前毎に観察した。剥離が確認された時間を測定した。
1000時間以上経過しても、剥離が確認されなかったものを合格品とした。太陽電池モジュールの認証条件を定めたJIS C8991では、発電効率について、1000時間以上の耐久性が求められている。従って、1000時間未満で剥離が確認された太陽電池モジュールについては高温高湿下における耐久接着性が不充分と判断した。
(3)高温高湿後発電特性
得られた太陽電池モジュールをJIS C8991に記載の85℃及び相対湿度85%の環境下に放置し、最大出力Pmaxの変化量を、ニッシントーア社製測定器1116Nを用いて測定した。なお、(2)の評価において1000時間未満で剥離が確認された太陽電池モジュールについては発電特性の耐久性の評価を行わなかった。表1における評価結果の記載は以下の内容を意味する。
得られた太陽電池モジュールをJIS C8991に記載の85℃及び相対湿度85%の環境下に放置し、最大出力Pmaxの変化量を、ニッシントーア社製測定器1116Nを用いて測定した。なお、(2)の評価において1000時間未満で剥離が確認された太陽電池モジュールについては発電特性の耐久性の評価を行わなかった。表1における評価結果の記載は以下の内容を意味する。
>3000H:3000時間経過後に出力95%維持。
2000H:2000時間経過まで出力95%維持。
1000H:1000時間経過まで出力95%維持(JIS C8991の規格)。
×:1000時間経過後に出力95%維持出来なかった。
−:1000時間経過前に剥離したため測定を行わなかった。
2000H:2000時間経過まで出力95%維持。
1000H:1000時間経過まで出力95%維持(JIS C8991の規格)。
×:1000時間経過後に出力95%維持出来なかった。
−:1000時間経過前に剥離したため測定を行わなかった。
(4)初期光学特性
得られたフレキシブル太陽電池モジュール用封止シート一体型太陽電池用保護シートの光学特性を、JIS K7136に準拠して色調を測定しb値を示した。
得られたフレキシブル太陽電池モジュール用封止シート一体型太陽電池用保護シートの光学特性を、JIS K7136に準拠して色調を測定しb値を示した。
(5)高温高湿後光学特性
高温高湿下に置かれた後のフレキシブル太陽電池モジュール用封止シート一体型太陽電池用保護シートの光学特性を、JIS K7136に準拠して色調を測定しb値を示した。すなわち、フレキシブル太陽電池モジュール用封止シート一体型太陽電池用保護シートを、JIS C8991に記載の85℃及び相対湿度85%の環境下に放置し、1000時間経過後のb値を示す。
高温高湿下に置かれた後のフレキシブル太陽電池モジュール用封止シート一体型太陽電池用保護シートの光学特性を、JIS K7136に準拠して色調を測定しb値を示した。すなわち、フレキシブル太陽電池モジュール用封止シート一体型太陽電池用保護シートを、JIS C8991に記載の85℃及び相対湿度85%の環境下に放置し、1000時間経過後のb値を示す。
表1において、接着層のコモノマーの記号MA、BAは、それぞれ、MA=メチルアクリレート、BA=ブチルアクリレートであることを示す。
表1から明らかなように、比較例2〜4では、積層間剥離強度が低く、高温高湿下における耐久接着性及び発電特性の耐久性のいずれにおいても充分でなかった。また、比較例1では、初期積層間剥離強度から高温高湿後剥離強度が大きく低下していた。
これに対して実施例1〜11では、高温高湿下における耐久接着性及び発電特性の耐久性のいずれにおいても良好な結果を示した。すなわち、高温高湿下に置かれても、封止シート一体型太陽電池用保護シートにおける剥離がほとんど見られず、発電特性の劣化が生じなかった。
Claims (3)
- メチルメタクリレート共重合体を含む表面保護層と、
前記表面保護層に積層されており、エチレン(メタ)アクリレート共重合体を主成分とする接着層と、
前記接着層の前記表面保護層とは反対側の面に積層されており、熱可塑性樹脂を主成分として含む封止層とを備え、
前記メチルメタクリレート共重合体のJIS K7206で測定されたビカット軟化点が100℃以下であり、
前記エチレン(メタ)アクリレート共重合体が、エチレンとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体であり、アルキル(メタ)アクリレートが、共重合体中20mol%以上を占める、封止シート一体型太陽電池用保護シート。 - 前記エチレン(メタ)アクリレート共重合体が、エチレンとメチルアクリレートもしくはエチレンとブチルアクリレートとの共重合体である、請求項1に記載の封止シート一体型太陽電池用保護シート。
- 太陽電池用発電層と、前記太陽電池用発電層の片面に積層されており、かつ請求項1または2に記載の封止シート一体型太陽電池用保護シートと、前記太陽電池用発電層の反対側の面に積層された裏面保護層とを備える、太陽電池モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014050490A JP2014223790A (ja) | 2013-04-15 | 2014-03-13 | 封止シート一体型太陽電池用保護シート及び太陽電池モジュール |
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