以下、図1〜図23を参照し、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
なお、以下の説明において、パチンコ機の前後方向は、パチンコ機に対面する遊技者側を前方とし、左右方向は、遊技者からパチンコ機を視た状態の左右方向として説明する。また、図中において、矢印FRは前方を、矢印UPは上方をそれぞれ示す。
図1,図2に示すように、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠2と、この機枠2に開き戸状に開閉自在に取り付けられた本体枠3と、当該本体枠3の内側に装着された遊技盤30と、本体枠3の前面に開き戸状に開閉自在に取り付けられ、遊技盤30を視認させるよう中央に大きくガラス窓4aが設けられたガラス扉4と、本体枠3の下側に開閉自在に設けられ、遊技球を収容する受皿6を有する前面ボード5と、本体枠3の下部に配設された図外(本体枠3の内部)の発射装置と、前面ボード5に取り付けられたハンドル7と、ガラス扉4の左右の上部にそれぞれ設けられたスピーカ8とを備える。前面ボード5には、遊技者からの押下操作を受け付ける演出ボタン60が設けられている。
図3に示すように、パチンコ機1の背面側には、支持部材等を介して、主制御装置100と、カバー部材に覆われた副制御装置を構成するサブ制御装置(演出制御装置)200と、払出制御装置300とが設けられている。主制御装置100、サブ制御装置200、払出制御装置300は何れもCPU(Central Processing Unit)と、コンピュータプログラム及び遊技処理に必要なデータを格納したROM(Read Only Memory)と、CPUがROMに格納されたコンピュータプログラムに従って処理を行うための一時記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを備えるマイクロコンピュータである。
また、図3における払出制御装置300の左隣には、各制御装置に電力を供給するための電源装置400が設けられている。
続いて、本実施形態に係るパチンコ機1の各部の構成を詳しく説明していく。
図2に示すように遊技盤30は、その盤面に遊技球が流下する遊技領域31を備える。
遊技領域31は、ガラス窓4aから観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33とによって略円形状となるように区画形成されている。
前面ボード5の受皿6に収容された遊技球は、図外の発射装置に1個ずつ供給されるようになっている。
図4に示すように、払出制御装置300は、ハンドル7の回動操作量に対応して増減する発射ボリューム(可変抵抗器)7Aからの入力に基づいて所定の強度で遊技球が発射されるように発射モータ7Bを駆動制御するようになっている。発射装置により発射されて図2に示す矢印X方向に飛んで発射口34を通過し、遊技領域31の上部に到達した遊技球は、遊技領域31内を流下することになる。
また、払出制御装置300には、ハンドル7の円周上に設けられた発射停止スイッチ7Cやハンドル7に配設され、ハンドル7の回転操作が有効となる条件とするハンドル7の表面接触検出を行うためのタッチセンサ7Dが接続されている。
遊技領域31内には、演出表示装置50と、ステージ51と、第1特別図柄表示装置40Aと、第2特別図柄表示装置40B、普通図柄表示装置41と、第1始動入賞口(第1始動口)61と、2箇所の第2始動入賞口(第2始動口)62A、62Bと、電動チューリップ63と、大入賞口64と、アタッカ装置65と、スルーチャッカ66と、複数の一般入賞口67と、アウト口68と、球振り分け装置11と、遊技領域31内の遊技球の流下方向に変化を与える複数の遊技釘58及び風車59とが設けられている。
球振り分け装置11は、遊技領域31の略中央部におけるステージ51の下方(遊技領域31の中央下部)に位置し、上部中央の流入口85から進入した遊技球の流下方向を振り分け機構12(図9参照)によって左方向と右方向とに交互に振り分ける。
第1始動入賞口61と一方の第2始動入賞口62Aとは、球振り分け装置11の内側下部に左右に並んで設けられる。振り分け機構12によって左方向に振り分けられた遊技球は第1始動入賞口61に進入可能となり、右方向に振り分けられた遊技球は第2始動口62Aに進入可能となる。他方の第2始動入賞口62Bは、遊技領域31の右側部に設けられている。
例えば、遊技者の操作により遊技球が遊技領域31の左側部を流下する場合、球振り分け装置11に進入した遊技球が第1始動入賞口61及び第2始動入賞口62Aに交互に入賞し易く、遊技者の操作により遊技球が遊技領域31の右側部を流下する場合、後述する普図高確中において第2始動入賞口62Bに入賞し易い盤面構成とされる。
第1始動入賞口61、第2始動入賞口62A,62B、大入賞口64、スルーチャッカ66、一般入賞口67のそれぞれには、遊技球の通過を検知する第1始動入賞口検知センサ91、第2始動入賞口検知センサ92、大入賞口検知センサ93、スルーチャッカ検知センサ94、一般入賞口検知センサ95が内臓されている。
これらの検知センサ91〜95は、遊技球の通過に伴い遊技球検知信号(電気信号)を出力する磁気センサであり、その遊技球検知信号は主制御装置100に入力される。
本実施形態における「入賞口」は、遊技球が入ると遊技領域31の裏側に回収される遊技球収容口とし、「スルーチャッカ」は、遊技領域31に設けた遊技球の通過部を通過した後に、再び遊技領域31を流下させる遊技球通過口としている。
また、本実施形態における「1遊技」は、特別図柄表示装置が作動することとなる始動入賞口に遊技球が入賞し、当該特別図柄表示装置上の特別図柄が変動を開始したときから、当該変動が継続している状態を経て、当該変動が終了する特別図柄の停止表示時までとしている。
第1特別図柄表示装置40Aは、第1始動入賞口61への遊技球の入賞を契機に、主制御装置100により行われる第1特別図柄に係る電子抽選(第1特別図柄抽選)の結果を表示するためのものであって、より具体的には、電子抽選の結果に基づいて特別図柄(数字や絵柄)が変動した後に、抽選結果を表示する態様で所定の特別図柄を導出表示(停止表示)させるという態様で表示されるように後述の変動表示制御手段130により制御されるものである。
第2特別図柄表示装置40Bは、第2始動入賞口62A,62Bへの遊技球の入賞を契機に、前述の電子抽選(第1特別図柄抽選)と同様に、主制御装置100により行われる第2特別図柄に係る電子抽選(第2特別図柄抽選)の結果を表示するためのものであって、より具体的には、電子抽選の結果に基づいて特別図柄(数字や絵柄)が変動した後に、抽選結果を表示する態様で所定の特別図柄を導出表示(停止表示)させるという態様で表示されるように後述の変動表示制御手段130により制御されるものである。
なお、本実施形態においては、第1始動入賞口61への入賞を契機として変動する特別図柄を第1特別図柄とし、第2始動入賞口62A,62Bへの入賞を契機として変動する特別図柄を第2特別図柄としており、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動及び導出表示(停止表示)は、特別図柄の種類に応じた予め定めた優先順位の抽選処理の順番に基づいて変動表示制御手段130により行われる。
なお、遊技性の設定条件に応じ、特別図柄の種類に関係なく予め定めた時系列の入賞順番、又は互いに個別、かつ並行(所謂、特別図柄の同時回し)にして抽選処理をさせても良い。
また、第1特別図柄表示装置40A及び第2特別図柄表示装置40Bは、7セグメント表示器からなり、特別図柄の変動表示時間と対応する同じ時間内に所定の演出表示を行う演出表示装置50を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤30の右下部分に離間して配置されている。
第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40Bを構成する7セグメントの何れかが点滅している状態は、第1特別図柄又は第2特別図柄がそれぞれ変動している状態であり、その点滅が停止して点灯が維持された状態は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が停止した状態である。
また、第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40Bを構成する7セグメントの何れかが点滅している時間は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間である。
なお、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間の決定処理については後述する。
本実施形態では、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選を予め定めた優先順位の入賞順番に行い、それぞれ対応する第1特別図及び第2特別図柄を変動させた後、各抽選結果を表示する態様で各特別図柄を第1特別図柄表示装置40A及び第2特別図柄表示装置40Bに導出表示する構成である。
また、第1始動入賞口61に基づく第1特別図柄抽選、及び、第2始動入賞口62A,62Bに基づく第2特別図柄抽選は、それぞれ遊技球の入賞順(時系列の古い入賞順)に実行され、各抽選の結果(特別図柄)が個別に導出表示されるようになっている。
演出表示装置50は、遊技盤30の略中央部に設けられている。
演出表示装置50は、本実施形態においては液晶表示装置からなり、第1始動入賞口61及び第2始動入賞口62A,62Bへの遊技球の入賞を契機に個別に実行される第1特別図柄及び第2特別図柄に係る抽選の結果に基づいて、所定の演出態様を表示するようにサブ制御装置200により制御されるものである。
演出表示装置50には、所定の演出態様の一部として第1特別図柄表示装置40Aに表示される第1特別図柄の変動と連動して変動表示される第1演出図柄(ダミー図柄)と、第2特別図柄表示装置40Bに表示される第2特別図柄の変動と連動して変動表示される第1演出図柄(ダミー図柄)とが、共通化されて液晶画像の表示領域内で表示制御される。
ここで、原則、第1演出図柄(ダミー図柄)の停止表示の態様は、第1特別図柄及び第2特別図柄の停止表示(抽選結果)の態様と同期する。
また、演出表示装置50内には、第1特別図柄抽選に対応する保留球乱数(後述)が主制御装置100のRAMに記憶された旨の第1保留表示R1を行う表示領域と、第2特別図柄抽選に対応する保留球乱数が主制御装置100のRAMに記憶された旨の第2保留表示R2を行う表示領域が設けられている。
本実施形態では、第1保留表示R1と第2保留表示R2とは、遊技球の入賞順(時系列の古い入賞順)に一列に並ぶように表示される。すなわち、演出表示装置50の表示画面の最下部に、8箇所の表示領域が予め設定され、これらの表示領域が遊技球の入賞順に従って第1保留表示R1と第2保留表示R2とに割り当てられる。本実施形態では、第1特別図柄抽選に対応する保留球乱数の最大記憶数と、第2特別図柄抽選に対応する保留乱数の最大記憶数とは、それぞれ4個ずつ(合計で最大8個の保留乱数の記憶が可能)であり、例えば、最初に記憶された保留乱数が未消化の状態で、球振り分け装置11を介して第1特別図柄抽選に対応する保留球乱数(第1始動入賞口61への入賞)と第2特別図柄抽選に対応する保留乱数(第2始動入賞口62Aへの入賞)とが交互に4つずつ記憶されると、4つの第1保留表示R1と4つの第2保留表示R2とが記憶の古い順に左から直線上に交互に並び、記憶された保留乱数が消費される毎に保留表示全体が左にシフトするように表示される。
スルーチャッカ66は、遊技球が通過可能なゲート構造をなしたものであり、本実施形態においては、遊技盤30の右側部における第2始動入賞口62Bよりも上方に配置されている。
このスルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に、主制御装置100の普通図柄用当否抽選手段150により普通図柄に係る電子抽選(普図抽選)が行われるようになっている。普通図柄表示装置41は、普通図柄に係る電子抽選の結果(普図当り、ハズレ)が表示されるよう主制御装置100に設けられた普通図柄用当否抽選手段150により制御されるものである。
この普通図柄表示装置41は第1特別図柄表示装置40Aの下方に配置されていて、本実施形態においては2つのLEDランプからなる。
普通図柄に係る電子抽選の結果が当り(普図当り)のときに2つのLEDランプのうちの一方のみが点灯し、ハズレのときに他方のみが点灯するようになっている。2つのLEDランプが交互に点滅している状態は、普通図柄が変動している状態であり、その点滅が停止して点灯が維持された状態は、普通図柄の変動が停止した状態である。
また、2つのLEDランプが交互に点滅している時間は、普通図柄の変動時間である。
電動チューリップ63は、第2始動入賞口62Bの入口に設けられ、遊技盤30の前面に直交する軸を中心に回動する片羽状の羽根部材と、この羽根部材を駆動する電動チューリップ駆動装置(ソレノイド)63Aとを備え、そのソレノイド63Aへの通電により羽根部材が第2始動入賞口62を開放する方向に回動し、第2始動入賞口62Bの入口を拡大(本実施形態では開放)するものである。
電動チューリップ63の羽根部材が閉じた状態において、第2始動入賞口62Bへの遊技球の入賞は不可能である。
電動チューリップ63は、普通図柄に係る電子抽選の結果が普図当りとなった場合に、羽根部材が開くよう主制御装置100により制御される。
本実施形態では、第2始動入賞口62A,62Bが球振り分け装置11の内側と外側とに設けられ、球振り分け装置11の外側の第2始動入賞口62Bにのみ電動チューリップ63が付設され、球振り分け装置11の内側の第2始動入賞口62Aには電動チューリップは付設されない。
ステージ51は、演出表示装置50の下方に配置されていて、遊技球を転動させながら一時的に滞在させる構造物である。
このステージ51の中央には溝51Aが形成されており、この溝51Aの真下の位置には球振り分け装置11の流入口85が配置されている。このため、溝51Aから落下した遊技球は、高い確率で球振り分け装置11の流入口85に導かれる。
なお、演出表示装置50の側方面には、溝51Aに1つずつ遊技球を誘導するための球通路に係る入口(所謂、ワープ口)57が設けられている。
大入賞口64は、遊技盤30の右側部における第2始動入賞口62Bの下方に設けられている。
アタッカ装置65は、大入賞口64の入口に設けられ、遊技盤30の前面に直交する軸を中心に回動する片羽状の羽根部材と、この羽根部材を駆動するソレノイドとを備え、そのソレノイドへの通電により羽根部材が大入賞口64を開放する方向に回動し、大入賞口64を開放するものである。
アタッカ装置65が開いた状態は大入賞口64への遊技球の入賞が可能な状態であり、アタッカ装置65が閉じた状態は大入賞口64への遊技球の入賞が不可能な状態である。
アタッカ装置65は、第1始動入賞口61への遊技球の入賞を契機に行われる第1特別図柄に係る第1特別図柄抽選の結果が当り(第1特図当り)となった場合、又は、第2始動入賞口62A,62Bへの遊技球の入賞を契機に行われる第2特別図柄に係る第2特別図柄抽選の結果が当り(第2特図当り)となった場合に、主制御装置100がアタッカ駆動装置65Aを制御することにより所定のラウンド数だけ開放され、これによって遊技者にとって有利な当り遊技が提供される。
本実施形態において、所定のラウンド数は2ラウンド、5ラウンド又は15ラウンドであり、1ラウンド当りの最大入賞個数は9個(所定入賞個数)で、かつ、アタッカ装置65の最長開放時間は30秒(所定開放時間)である。
つまり、アタッカ装置65の開放時点から30秒経過する前に大入賞口64への遊技球の入賞個数が9個に達した場合と、大入賞口64への遊技球の入賞個数が9個に達する前にアタッカ装置65の開放時点から30秒が経過した場合に、1ラウンドが終了するようになっている。
なお、当り遊技が2ラウンド、5ラウンド又は15ラウンドの何れのラウンドとなるかは、複数存在する特図当りの種類によって異なる。
また、1ラウンド当りの開放時間、長方形の蓋部材の開閉回数、又はこれらの組み合わせを特図当りの種類によって異ならせた当り遊技とすることも可能である。
なお、電動チューリップ63、又はアタッカ装置65の形態は上記形態に拘らず、2枚の羽根部材、扉状の開閉板材、又は遊技盤面と略面一の入賞口下辺部から突出する位置と埋没する位置とにスライド移動するベロ状板材、若しくはこれらを組み合わせた形態であってもよい。
本実施形態における「1ラウンド」は、アタッカ装置65を作動させる1回分のコマンド(主制御装置100からの指令)で得られる大入賞口64の開放処理としている。
そのため、1回分のコマンド(1ラウンド)に基づいて蓋部材を駆動させる回数は1回に限らず、所定の複数回とすることもできる。
従って、例えば5ラウンドの当り遊技となる場合は、アタッカ装置65を作動させる1回分のコマンドが個別に5回分連続生成されることに基づいて、当該5ラウンドの当り遊技が終了することとなる。
賞球払出装置301は、受皿6に賞球を払い出す装置である。
賞球の払出個数は、第1始動入賞口61、第2始動入賞口62A,62B、大入賞口64、一般入賞口67のそれぞれに予め対応付けられている。
主制御装置100は遊技球の入賞が検知された入賞口に基づき、その入賞口に予め対応付けられている賞球の払出個数を、払出制御装置300に指令するようになっていて、払出制御装置300は主制御装置100からの指令に従って賞球払出装置301が有する図外の払出モータを駆動して賞球払出装置301に賞球を払い出させるようになっている。
また、賞球払出装置301から払い出された賞球は、賞球払出装置301の流路内に配設された払出計数スイッチ302により計数され、払出制御装置300は払出計数スイッチ302からの入力に基づいて払出動作を停止させる。
本実施形態において、第1始動入賞口61および第2始動入賞口62A,62Bに予め対応付けられた賞球個数は3個であり、大入賞口64に予め対応付けられた賞球個数は13個であり、一般入賞口67に予め対応付けられた賞球個数は5個である。
なお、第1始動入賞口61、第2始動入賞口62A,62B、大入賞口64、一般入賞口67の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域31の最下部に位置するアウト口68から回収される。
以下、図4を参照し、主制御装置100のハードウェア上の構成について説明する。
同図に示すように、主制御装置100は、第1特別図柄用当否抽選手段110、第2特別図柄用当否抽選手段120、変動表示制御手段130、普通図柄用当否抽選手段150、当り遊技制御手段160、電動チューリップ制御手段170、遊技モード制御手段180とを備える。
これらの各手段は、遊技に係る制御を行うためにROMに格納されたコンピュータプログラムおよびデータにより設定された手段である。
第1特別図柄用当否抽選手段110は、第1始動入賞口61への遊技球の入賞を契機に、特図当り(第1特図当り)又はハズレを電子抽選(第1特別図柄抽選)により決定するものである。
具体的には図5(a)に示すように、第1特別図柄用当否抽選手段110は、周期的に入力されるハードウェア内部システムクロックの1クロックに基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜65535の整数の範囲)で1ずつ高速(例えば、1ループの処理完了時間が5ミリ秒)で更新させることによりハードウェア乱数である第1特図当否用乱数を発生させる第1特図当否用乱数発生手段111と、第1始動入賞口61への遊技球の入賞を契機に、言い換えると、第1始動入賞口検知センサ91からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき、第1特図当否用乱数発生手段111で発生した第1特図当否用乱数を取得(ラッチ)する第1特図当否用乱数取得手段112と、この第1特図当否用乱数取得手段112により取得された第1特図当否用乱数が特図当りであるかハズレであるかを、特図低確時判定テーブル113A又は特図高確時判定テーブル113Bを参照して判定する第1特図当否判定手段113と、第1特別図柄の変動中に第1始動入賞口61への遊技球の入賞に基づき第1特図当否用乱数取得手段112が第1特図当否用乱数を取得した場合に、その第1特図当否用乱数を第1特別図柄に係る保留球乱数として所定の上限個数(本実施形態では4個)まで、主制御装置100のRAMを利用して記憶する第1特図当否用乱数保留手段114とを備える。
第1特図当否用乱数保留手段114により記憶された保留球乱数は、その保留球乱数を記憶することになった入賞の順番、即ち入賞順で、1つずつ処理の許可条件が満たされる度に第1特図当否判定手段113により特図当りであるかハズレであるかを判定し、当該判定に係る記憶された保留球乱数をクリアするようになっている。
なお、本実施形態におけるループカウンタ(後述のループカウンタを含む)のスタート値は、周知の技術等を用いて所定のタイミングでランダムに毎回変更可能となっている。
特図低確時判定テーブル113A及び特図高確時判定テーブル113Bは、第1特図当否用乱数と特図当りおよびハズレとの対応関係を規定するものである。
具体的には、特図低確時判定テーブル113Aにおいては、第1特図当否用乱数0〜186に特図当りが予め対応付けられていて、特図当否用乱数187〜65535にハズレが予め対応付けられている。つまり、特図低確時判定テーブル113Aが参照された場合に特図当りとなる確率は約350分の1である。
これに対し、特図高確時判定テーブル113Bにおいては、第1特図当否用乱数0〜1860に特図当りが予め対応付けられていて、第1特図当否用乱数1861〜65535にハズレが予め対応付けられている。
つまり、特図高確時判定テーブル113Bが参照された場合に特図当りとなる確率は約35分の1である。
これらの当選確率を比較して分かるように、特図高確時判定テーブル113Bによる特図当りの当選確率の方が、特図低確時判定テーブル113Aよる特図当りに当選する確率よりも約10倍高い。
なお、第1特別図柄用当否抽選手段110において特図低確時判定テーブル113Aが参照されて特図当り又はハズレが決定される遊技状態は、本発明における特図通常遊技状態であり、特図高確時判定テーブル113Bが用いられて特図当り又はハズレが決定される遊技状態は、本発明における特図高確率遊技状態である。
以下、便宜上、「特図通常遊技状態」を「特図低確」といい、「特図高確率遊技状態」を「特図高確」という。
また、第1特別図柄用当否抽選手段110は、前述の各手段の他、第1特図当り種類決定用乱数発生手段115、第1特図当り種類決定用乱数取得手段116、第1特図当り種類判定手段117、及び、第1特図当り種類決定用乱数保留手段118を備える。
これらの各手段は、前述の特図当否判定手段113による判定(抽選)の結果が特図当りである場合に、第1特別図柄表示装置40Aに導出表示される特別図柄を複数存在する特別図柄のうちから電子抽選により決定する手段である。
具体的には、第1特図当り種類決定用乱数発生手段115は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である第1特図当り種類用乱数を発生させる。
また、第1特図当り種類決定用乱数取得手段116は、第1始動入賞口61の遊技球の入賞を契機(第1始動入賞口検知センサ91からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき)、第1特図当り種類決定用乱数発生手段115で発生した第1特図当り種類決定用乱数を取得(ラッチ)する。
また、第1特図当り種類判定手段117は、第1特別図柄用当否抽選手段110にて特図当り(第1特図当り)となる場合、第1特図当り種類決定用乱数取得手段116により取得された第1特図当り種類決定用乱数に基づき、第1特図当り種類テーブル117Aを参照して第1特別図柄の種類を決定する。
また、第1特別図柄用当否抽選手段110にてハズレとなる場合、予め定めた1つのハズレに対応する第1特別図柄を決定する。
第1特図当り種類決定用乱数保留手段118は、第1特別図柄の変動中、又は当り遊技中に第1始動入賞口61への遊技球の入賞に基づき、第1特図当り種類決定用乱数取得手段116が第1特図当り種類決定用乱数を取得した場合に、その第1特図当り種類決定用乱数を所定の上限個数(本実施形態では4個)まで主制御装置100のRAMを利用して記憶する。
第1特図当り種類決定用乱数保留手段118により記憶された第1特図当り種類決定用乱数は、変動中の第1特別図柄の停止表示、又は当り遊技の終了に基づいて、入賞順で1つずつ処理の許可条件が満たされる度に第1特図当り種類判定手段117による第1特別図柄の種類の決定に用いられるようになっている。
第1特図当り種類テーブル117Aは、第1特別図柄用当否抽選手段110にて特図当り(第1特図当り)となる場合、第1特図当り種類決定用乱数と特別図柄の種類との対応関係を規定するものである。本実施形態で用いられる特別図柄の種類は、2R特別図柄A、5R特別図柄A、5R特別図柄B、15R特別図柄Aの4種類であり、第1特図当り種類決定用乱数0〜6に2R特別図柄Aが予め対応付けられていて、第1特図当り種類決定用乱数7〜39に5R特別図柄Aが予め対応付けられていて、第1特図当り種類決定用乱数40〜89に5R特別図柄Bが予め対応付けられていて、第1特図当り種類決定用乱数90〜99に15R特別図柄Aが予め対応付けられている。
この第1特図当り種類テーブル117Aが参照され、第1特別図柄の種類が2R特別図柄Aに決定された場合、第1特別図柄表示装置40A上において導出される第1特別図柄は、例えば「4」のゾロ目として表示される。
第1特別図柄の種類が5R特別図柄Aに決定された場合、第1特別図柄表示装置40A上において導出される第1特別図柄は、例えば「2」のゾロ目として表示される。
また、第1特別図柄の種類が5R特別図柄Bに決定された場合、第1特別図柄表示装置40A上において導出される第1特別図柄は、例えば「5」のゾロ目として表示される。
また、第1特別図柄の種類が15R特別図柄Aに決定された場合、第1特別図柄表示装置40A上において導出される第1特別図柄は、例えば「7」のゾロ目として表示される。
2R特別図柄A、5R特別図柄A、5R特別図柄B、15R特別図柄Aのそれぞれの選択確率は、7%、33%、50%、10%である。
なお、選択確率は参考のために記載したものであって、第1特図当り種類テーブル117Aには含まれない。
以上のとおり、第1特別図柄用当否抽選手段110は、第1始動入賞口61に遊技球が入賞したことを契機に当否に係る第1特別図柄抽選を行うとともに、複数種類の第1特別図柄の中から当否に係る特別図柄を決定する機能を備える。
次に、前記第1特別図柄用当否抽選手段110とは個別に設けられた第2特別図柄用当否抽選手段120について説明する。
第2特別図柄用当否抽選手段120は、第2始動入賞口62A,62Bへの遊技球の入賞を契機に、特図当り(第2特図当り)又はハズレを電子抽選(第2特別図柄抽選)により決定するものである。具体的には図5(b)に示すように、第2特別図柄用当否抽選手段120は、周期的に入力されるハードウェア内部システムクロックの1クロックに基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜65535の整数の範囲)で1ずつ高速(例えば、1ループの処理完了時間が5ミリ秒)で更新させることによりハードウェア乱数である第2特図当否用乱数を発生させる第2特図当否用乱数発生手段121と、第2始動入賞口62A,62Bへの遊技球の入賞を契機に、言い換えると、第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき、第2特図当否用乱数発生手段121で発生した第2特図当否用乱数を取得(ラッチ)する第2特図当否用乱数取得手段122と、この第2特図当否用乱数取得手段122により取得された第2特図当否用乱数が特図当りであるかハズレであるかを、特図低確時判定テーブル113A又は特図高確時判定テーブル113Bを参照して判定する第2特図当否判定手段123と、第2特別図柄の変動中に第2始動入賞口62A,62Bへの遊技球の入賞に基づき第2特図当否用乱数取得手段122が第2特図当否用乱数を取得した場合に、その第2特図当否用乱数を第2特別図柄に係る保留球乱数として所定の上限個数(本実施形態では4個)まで、主制御装置100のRAMを利用して記憶する第2特図当否用乱数保留手段124とを備える。
第2特図当否用乱数保留手段124により記憶された保留球乱数は、その保留球乱数を記憶することになった入賞の順番、即ち入賞順で、1つずつ処理の許可条件が満たされる度に第2特図当否判定手段123により特図当りであるかハズレであるかを判定し、当該判定に係る記憶された保留球乱数をクリアするようになっている。
特図低確時判定テーブル113A及び特図高確時判定テーブル113Bは、前述の第1特別図柄抽選において参照されるテーブルと同様のテーブルである。
つまり、第1始動入賞口61への入賞を契機として実行される第1特別図柄抽選の結果が特図当り(第1特図当り)となる確率と、第2始動入賞口62A,62Bへの入賞を契機として実行される第2特別図柄抽選の結果が特図当り(第2特図当り)となる確率は同一である。
なお、前記同様に、第2特別図柄用当否抽選手段120において特図低確時判定テーブル113Aが参照されて特図当り又はハズレが決定される遊技状態は、本発明における特図低確の遊技状態であり、特図高確時判定テーブル113Bが用いられて特図当り又はハズレが決定される遊技状態は、本発明における特図高確の遊技状態である。
また、第2特別図柄用当否抽選手段120は、前述の各手段の他、第2特図当り種類決定用乱数発生手段125、第2特図当り種類決定用乱数取得手段126、第2特図当り種類判定手段127、及び、第2特図当り種類決定用乱数保留手段128を備える。
これらの各手段は、前述の第1特別図柄抽選と同様に、特図当否判定手段123による判定(抽選)の結果が特図当りである場合に、第2特別図柄表示装置40Bに導出表示される特別図柄を複数存在する特別図柄のうちから電子抽選により決定する手段である。
具体的には、第2特図当り種類決定用乱数発生手段125は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である第2特図当り種類用乱数を発生させる。
また、第2特図当り種類決定用乱数取得手段126は、第2始動入賞口62A,62Bへの遊技球の入賞を契機(第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき)、第2特図当り種類決定用乱数発生手段125で発生した第2特図当り種類決定用乱数を取得(ラッチ)する。
また、第2特図当り種類判定手段127は、第2特別図柄用当否抽選手段120にて特図当り(第2特図当り)となる場合、第2特図当り種類決定用乱数取得手段126により取得された第2特図当り種類決定用乱数に基づき、第2特図当り種類テーブル127Aを参照して第2特別図柄の種類を決定する。
また、第2特別図柄用当否抽選手段120にてハズレとなる場合、予め定めた1つのハズレに対応する第2特別図柄を決定する。
第2特図当り種類決定用乱数保留手段128は、第2特別図柄の変動中、又は当り遊技中に第2始動入賞口62A,62Bへの遊技球の入賞に基づき、第2特図当り種類決定用乱数取得手段126が第2特図当り種類決定用乱数を取得した場合に、その第2特図当り種類決定用乱数を所定の上限個数(本実施形態では4個)まで主制御装置100のRAMを利用して記憶する。
第2特図当り種類決定用乱数保留手段128により記憶された第2特図当り種類決定用乱数は、変動中の第2特別図柄の停止表示、又は当り遊技の終了に基づいて、入賞順で1つずつ処理の許可条件が満たされる度に第2特図当り種類判定手段127による第2特別図柄の種類の決定に用いられるようになっている。
第2特図当り種類テーブル127Aは、第2特別図柄用当否抽選手段120にて特図当り(第2特図当り)となる場合、第2特図当り種類決定用乱数と特別図柄の種類との対応関係を規定するものである。
本実施形態で用いられる特別図柄の種類は、5R特別図柄A、15R特別図柄Aの2種類であり、第2特図当り種類決定用乱数0〜19に5R特別図柄Aが予め対応付けられていて、第2特図当り種類決定用乱数20〜99に15R特別図柄Aが予め対応付けられている。
5R特別図柄A、15R特別図柄Aのそれぞれの選択確率は、20%、80%である。
この第2特図当り種類テーブル127Aが参照され、第2特別図柄の種類が5R特別図柄Aに決定された場合、第2特別図柄表示装置40B上において導出される第2特別図柄は、例えば「2」のゾロ目として表示される。
また、第2特別図柄の種類が15R特別図柄Aに決定された場合、第2特別図柄表示装置40B上において導出される第2特別図柄は、例えば「7」のゾロ目として表示される。
また、第1特図当り種類テーブル117A及び第2特図当り種類テーブル127Aを比較した場合、第2特図当り種類テーブル127Aには、2R特別図柄A及び5R特別図柄Bが存在せず、さらに15R特別図柄Aが選択される割合が全体の80%となっているため、第1特別図柄抽選によって第1特別図柄の種類が15R特別図柄Aに決定される確率よりも第2特別図柄抽選によって第2特別図柄の種類が15R特別図柄Aに決定される確率の方が飛躍的に高く設定されている。
よって、遊技者から見れば第1特別図柄抽選手段110による第1特別図柄抽選よりも、第2特別図柄抽選手段120による第2特別図柄抽選をより多く享受した方が、特図当りである場合に特図当りの種類が15R特別図柄Aに決定される確率が高いため、より有利に遊技を進めることが可能となる。
以上のとおり、第2特別図柄用当否抽選手段120は、第2始動入賞口62A,62Bに遊技球が入賞したことを契機に当否に係る第2特別図柄抽選を行うとともに、複数種類の第2特別図柄の中から当否に係る特別図柄を決定する機能を備える。
また、第1特図当り種類テーブル117A及び第2特図当り種類テーブル127Aに規定された2R特別図柄A、5特別図柄A、5R特別図柄B、15R特別図柄Aのそれぞれには、当り遊技のラウンド数の種類が予め対応付けられている。
2R特別図柄、5R特別図柄A、5R特別図柄B、15R特別図柄Aという特図当りを示す特別図柄の名称に冠された「2R」、「5R」および「15R」は、「2ラウンド」、「5ラウンド」および「15ラウンド」の略であり、その特別図柄に予め対応付けられた当り遊技のラウンド数の種類である。
つまり、第1特別図柄表示装置40A又は第2特別図柄表示装置40Bに停止して表示される特別図柄の種類が電子抽選により決定されることによって、当り遊技のラウンド数の種類が決定されるようになっている。
図4に戻り、当り遊技制御手段160について説明する。
当り遊技制御手段160は、特図当り時における特図当りの種類が2R特別図柄Aである場合にアタッカ装置65を2ラウンドだけ開閉させて遊技者に当り遊技を提供するものであり、特図当り時における特図当りの種類が5R特別図柄A又は5R特別図柄Bである場合にアタッカ装置65を5ラウンドだけ開閉させて遊技者に当り遊技を提供するものであり、特図当り時における特図当りの種類が15R特別図柄Aである場合にアタッカ装置65を15ラウンドだけ開閉させて遊技者に当り遊技を提供するものである。
図4に示す普通図柄用当否抽選手段150は、スルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に、普図当り又はハズレを電子抽選(普図抽選)により決定するものである。
この普通図柄用当否抽選手段150は、前述の第1特別図柄用当否抽選手段110、或いは、第2特別図柄用当否抽選手段120と略同様に構成されたものであり、具体的には図7に示すように、普通図柄用当否抽選手段150は、周期的に入力されるハードウェア内部システムクロックの1クロッに基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜65535の整数の範囲)で1ずつ高速(例えば、1ループの処理完了時間が5ミリ秒)で更新させることによりハードウェア乱数である普図当否用乱数を発生させる普図当否用乱数発生手段151と、スルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に、言い換えると、スルーチャッカ検知センサ94からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき、普図当否用乱数発生手段151で発生した普図当否用乱数を取得(ラッチ)する普図当否用乱数取得手段152と、この普図当否用乱数取得手段152により取得された普図当否用乱数が普図当りであるかハズレであるかを、普図低確時判定テーブル153A又は普図高確時判定テーブル153Bを参照して判定する普図当否判定手段153と、普通図柄の変動中、又は普図当りに基づく電動チューリップ63の作動中に普図当否用乱数取得手段152が普図当否用乱数を取得した場合に、その普図当否用乱数を所定の上限個数(本実施形態では4個)まで、普通図柄に係る保留球乱数として主制御装置100のRAMを利用して記憶する普図当否用乱数保留手段154とを備える。
つまり、普通図柄用当否抽選手段150は、スルーチャッカ66を遊技球が通過したことを契機に当否に係る普図抽選を行う手段である。
普図低確時判定テーブル153A及び普図高確時判定テーブル153Bは、普図当否用乱数と普図当りおよびハズレとの対応関係を規定するものであり、具体的な内容の図示は省略するが、普図高確時判定テーブル153Bによる普図当りの当選確率は例えば1/1.1に設定されていて、普図低確時判定テーブル153Aによる普図当りの当選確率は1/120に設定されている。つまり、普図高確時判定テーブル153Bの方が、普図低確時判定テーブル153Aに比べて格段に普図当りに当選する確率が高くなるように設定されているとともに、殆どの場合に普図当りに当選するようになっている。
なお、以下便宜上、普通図柄用当否抽選手段150において普図低確時判定テーブル153Aが用いられて普図当り又はハズレが決定される遊技状態を「普図低確」といい、普図高確時判定テーブル153Bが用いられて普図当り又はハズレが決定される遊技状態を「普図高確」という。
図4に示す電動チューリップ制御手段170は、普通図柄用当否抽選手段150による電子抽選(普図抽選)で普図当りに当選した場合に、電動チューリップ63のソレノイド63Aへの通電を行い、電動チューリップ63の1対の羽根部材を開閉させるものである。
この電動チューリップ制御手段170は、普図高確中において1回の普図当りに対し電動チューリップ63を例えば開放時間2.9秒で2回開放させ、普図低確中において1回の普図当りに対し電動チューリップ63を開放時間0.2秒で1回開放させるようになっている。
普図高確中においては、前述のように、普通図柄用当否抽選手段150による電子抽選で殆ど普図当りに当選し、その当選に基づき電動チューリップ63が2.9秒2回開放されるため、遊技者が遊技盤30の右側部に遊技球を打ち出せば、第2始動入賞口62Bに遊技球を容易に入賞させることができ、この結果、普図高確中は、第2始動入賞口62Bの入賞に基づいて払い出される賞球によって、遊技球を遊技領域31に発射しても殆ど発射するための遊技球を減らすことなく遊技を行うことができる。
つまり、普図高確は、スルーチャッカ66へ遊技球を通過させることができれば電動チューリップ63の開放が行われ易く、遊技者にとっては第2始動入賞口62Bへの遊技球の入賞が容易化(サポート)される状態(所謂、電サポ状態)である。
遊技モード制御手段180は、遊技モード設定用テーブル(図示省略)を参照して各遊技モードにおける特図高確及び普図高確に係る遊技回数を設定するようになっている。
遊技状態設定用テーブルは、特別図柄の種類と、遊技モードの種類及び特図高確及び普図高確に係る遊技回数の対応関係を規定するものである。
遊技モード制御手段180は、この遊技モード設定用テーブルを参照することにより、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選による抽選の結果として導出される特図当りの種類に応じて、当り遊技終了後に遊技モードを移行させる。
そして、当り遊技終了後からは移行後の遊技モードによる遊技が開始されることとなる。
次に、図4に示す変動表示制御手段130について説明する。
変動表示制御手段130は、第1特別図柄及び第2特別図柄の特図変動パターン(変動時間の概念を含む)を複数種類の変動パターンのうちから電子抽選により決定するものである。同図に示すように、変動表示制御手段130は、第1特別図柄の変動パターンを決定する第1特別図柄用変動パターン抽選手段131と、第2特別図柄の変動パターンを決定する第2特別図柄用変動パターン抽選手段141とを備えており、第1特別図柄用変動パターン抽選手段131及び第2特別図柄用変動パターン抽選手段141は、予め定めた優先順位の入賞順番に基づいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間を決定する。
具体的には、図6(a)に示すように、第1特別図柄用変動パターン抽選手段131は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である第1特図変動パターン用乱数を発生させる第1特図変動パターン用乱数発生手段132と、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口61Bへの遊技球の入賞を契機に(第1始動入賞口検知センサ91からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき)、第1特図変動パターン用乱数発生手段132で発生した第1特図変動パターン用乱数を取得(ラッチ)する第1特図変動パターン用乱数取得手段133と、この第1特図変動パターン用乱数取得手段133により取得された第1特図変動パターン用乱数に基づき、第1特図用第1変動パターンテーブル134A、第1特図用第2変動パターンテーブル134B、第1特図用第3変動パターンテーブル134C、又は、第1特図用第4変動パターンテーブル134Dの何れか1つを参照して第1特別図柄の特図変動パターンを選択する第1特図変動パターン選択手段134と、第1特別図柄の変動中に第1始動入賞口61又は第1始動入賞口61Bへの遊技球の入賞に基づき第1特図変動パターン用乱数取得手段133が第1特図変動パターン用乱数を取得した場合に、その第1特図変動パターン用乱数を所定の上限個数(本実施形態では4個)まで、主制御装置100のRAMを利用して記憶する第1特図変動パターン用乱数保留手段135とを備える。
第1特図変動パターン用乱数保留手段135により記憶された第1特図変動パターン用乱数は、変動中の第1特別図柄の停止表示、又は当り遊技の終了に基づいて、入賞順で1つずつ処理の許可条件が満たされる度に、第1特図変動パターン選択手段134による特図変動パターンの選択に用いられるようになっている。
図6(b)に示すように、第2特別図柄用変動パターン抽選手段141は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である第2特図変動パターン用乱数を発生させる第2特図変動パターン用乱数発生手段142と、第2始動入賞口62A,62Bへの遊技球の入賞を契機に(第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき)、第2特図変動パターン用乱数発生手段142で発生した第2特図変動パターン用乱数を取得(ラッチ)する第2特図変動パターン用乱数取得手段143と、この第2特図変動パターン用乱数取得手段143により取得された第2特図変動パターン用乱数に基づき、第2特図用第1変動パターンテーブル144A、第2特図用第2変動パターンテーブル144B、第2特図用第3変動パターンテーブル144Cの何れか1つを参照して第2特別図柄の特図変動パターンを選択する第2特図変動パターン選択手段144と、第2特別図柄の変動中に第2始動入賞口62A,62Bへの遊技球の入賞に基づき第2特図変動パターン用乱数取得手段143が第2特図変動パターン用乱数を取得した場合に、その第2特図変動パターン用乱数を所定の上限個数(本実施形態では4個)まで、主制御装置100のRAMを利用して記憶する第2特図変動パターン用乱数保留手段145とを備える。
第2特図変動パターン用乱数保留手段145により記憶された第2特図変動パターン用乱数は、変動中の第2特別図柄の停止表示、又は当り遊技の終了に基づいて、入賞順で1つずつ処理の許可条件が満たされる度に第2特図変動パターン選択手段144による特図変動パターンの選択に用いられるようになっている。
次に、サブ制御装置200について説明する。
図8に示すように、サブ制御装置200は、演出制御手段230と、背景決定手段210と、演出パターン選択手段220とを備える。
背景決定手段210は、主制御装置100から送信されてくる情報である第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選に係る特図当り又はハズレと、特別図柄の種類と、特図変動パターンNoと、前述の遊技モード制御手段180により設定された現在の遊技モードに基づき、演出制御手段230が演出表示装置50に表示させる背景を決定する。
この背景決定手段210は、予め設定された遊技モードの種類と背景画像の種類との対応関係を規定した背景用テーブル210Aを備え、この背景用テーブル210Aを参照して、演出表示装置50に表示させる背景画像を決定するようになっている。
背景用テーブル210Aにおいて、通常モードには通常背景画像と、チャンスモードにはチャンスモード背景画像、大チャンスモードには大チャンス背景画像が予め対応付けられていて、特大チャンスモードには特大チャンス背景画像が予め対応付けられている。これらの背景画像は区別が容易なものであり、従って遊技者は背景画像を見て現在の遊技モードを判断することができる。
また、サブ制御装置200(演出制御手段230)は、主制御装置100から送信されてくる情報である第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果が特図当りである場合の特別図柄の種類(2R特別図柄A、5R特別図柄A、5R特別図柄B、15R特別図柄A)と、第1特図変動パターン(第1特図変動パターンNo1〜No4、及び、第1特図変動パターンNo11〜No17のうちの1つ)又は、第2特図変動パターン(第2特図変動パターンNo1〜No4、及び、第2特図変動パターンNo11〜No18のうちの1つ)とに基づき、第1演出図柄と第1特別図柄、第2演出図柄と第2特別図柄がそれぞれ略同期して変動を開始して、変動時間の経過とともに停止するよう演出表示装置50を制御するものである。
サブ制御装置200は、主制御装置100から送信されてくる演出図柄の表示に係る情報に基づき、停止して表示される第1演出図柄、第2演出図柄の態様、即ち両演出図柄の停止図柄を決定するようになっている。
具体的には、サブ制御装置200は、何れの遊技モード中であっても特図当り時における第1特別図柄の種類が2R特別図柄Aに決定された場合には、「222」、「444」の何れかを電子抽選により第1演出図柄の停止図柄に決定するようになっている。
また、第1特別図柄又は第2特別図柄の種類が5R特別図柄Aに決定された場合には、「666」、「888」の何れかを電子抽選により第1演出図柄又は第2演出図柄の停止図柄に決定するようになっている。
また、第1特別図柄の種類が5R特別図柄Bに決定された場合には、「111」、「333」、「555」の何れか1つを電子抽選により第1演出図柄の停止図柄に決定するようになっている。
また、第1特別図柄又は第2特別図柄の種類が15R特別図柄Aに決定された場合には、「777」を第1演出図柄又は第2演出図柄の停止図柄に決定するようになっている。
なお、サブ制御装置200は、第1特別図柄用当否抽選手段110、第2特別図柄用当否抽選手段120による電子抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)の結果がハズレの場合であって、演出パターンがリーチの場合には3つの数字のうちの中央の数字のみが他の2つと異なるリーチ目「121」や「454」などが演出図柄の停止図柄となるように、又は、演出パターンがリーチでない場合には3つの数字が全て異なるハズレ目となるように、予め用意された複数種類のハズレ用停止図柄のうちから電子抽選により決定するようになっている。
また、演出パターン選択手段220は、前述の変動表示制御手段130により決定された第1特図変動パターン(第1特図変動パターンNo)又は第2特図変動パターン(第2特図変動パターンNo)と、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果(第1特図当り、第2特図当り又はハズレ)とに基づいて演出パターン(第1演出図柄又は第2演出図柄の変動パターン)を決定する。
演出パターン選択手段220は、第1特図変動パターンNoと演出パターンの種類との対応関係を規定する第1演出パターンテーブル221、及び、第2特図変動パターンNoと演出パターンの種類との対応関係を規定する第2演出パターンテーブル222を備え、この演出パターンテーブル221;222を参照して第1演出図柄、第2演出図柄それぞれの演出パターンを選択するものである。
第1演出図柄の演出パターンが規定された第1演出パターンテーブル221は、ハズレ用演出パターンテーブル(図示省略)と、特図当り用演出パターンテーブル(図示省略)とにより構成される。
第1演出用のハズレ用演出パターンテーブルには、第1特図変動パターンNo11にハズレ変動A(変動時間12秒)が予め対応付けられていて、第1特図変動パターンNo12にハズレ変動B(変動時間12秒)が予め対応付けられていて、第1特図変動パターンNo13にミドルリーチA(変動時間60秒)が対応付けられていて、第1特図変動パターンNo14にロングリーチA(変動時間90秒)が対応付けられていて、第1特図変動パターンNo15にハズレ変動C(変動時間30秒)が対応付けられていて、第1特図変動パターンNo16にショートリーチA(変動時間30秒)が対応付けられていて、第1特図変動パターンNo17にハズレ変動D(変動時間495秒)が対応付けられている。
特図当り(第1特図当り)用演出パターンテーブルには、第1特図変動パターンNo1にミドルリーチA(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、第1特図変動パターンNo2にミドルリーチB(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、第1特図変動パターンNo3にミドルリーチC(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、第1特図変動パターンNo4にロングリーチA(変動時間90秒)が予め対応付けられている。
第2演出図柄の演出パターンが規定された第2演出パターンテーブル222は、ハズレ用演出パターンテーブル(図示省略)と、特図当り用演出パターンテーブル(図示省略)とにより構成される。
第2演出用のハズレ用演出パターンテーブルには、第2特図変動パターンNo11にハズレ変動A(変動時間120秒)が予め対応付けられていて、第2特図変動パターンNo12にハズレ変動B(変動時間120秒)が予め対応付けられていて、第2特図変動パターンNo13にハズレ変動C(変動時間600秒)が対応付けられていて、第2特図変動パターンNo14にハズレ変動D(変動時間900秒)が対応付けられていて、第2特図変動パターンNo15にショートリーチA(変動時間45秒)が対応付けられていて、第2特図変動パターンNo16にハズレ変動E(変動時間45秒)が対応付けられていて、第2特図変動パターンNo17にハズレ変動F(変動時間45秒)が対応付けられていて、第2特図変動パターンNo18にハズレ変動G(変動時間5秒)が対応付けられている。
特図当り(第2特図当り)用演出パターンテーブルには、第2特図変動パターンNo1にミドルリーチA(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、第2特図変動パターンNo2にミドルリーチB(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、第2特図変動パターンNo3にミドルリーチC(変動時間60秒)が予め対応付けられていて、第2特図変動パターンNo4にロングリーチA(変動時間90秒)が予め対応付けられている。
演出パターン選択手段220は、演出制御装置230が第1演出図柄を演出表示装置50において変動表示させるに際し、主制御装置100から送信される第1特図変動パターンと第1特別図柄抽選の結果(第1特図当り又はハズレ)に基づいて上記第1演出パターンテーブル221を構成する何れかのテーブル(特図当り用又は外れ用)を参照し、第1特図変動パターン(第1特図変動パターンNo)と対応する演出パターンを決定する。
また、演出パターン選択手段220は、演出制御装置230が第2演出図柄を演出表示装置50において変動表示させるに際し、主制御装置100から送信される第2特図変動パターンと第2特別図柄抽選の結果(第2特図当り又はハズレ)に基づいて上記第2演出パターンテーブル222を構成する何れかのテーブル(特図当り用又は外れ用)を参照し、第2特図変動パターン(第2特図変動パターンNo)と対応する演出パターンを決定する。
サブ制御装置200によって変動が開始された第1演出図柄、第2演出図柄は、上記各演出パターンにより変動を開始するとともに、変動時間の経過とともに前述の第1特別図柄、第2特別図柄の停止時期と略同期して第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果を示す態様により停止表示される。
そして、停止表示された第1特別図柄及び第1演出図柄、又は第2特別図柄及び第2演出図柄の停止態様がそれぞれ第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の結果が第1特図当り又は第2特図当りを示す態様である場合には、前述した当り遊技が開始されるとともに、特図当りの種類によって当り遊技後の遊技モードへ移行する。
次に、球振り分け装置11の詳細について、図9〜図23を参照して説明する。
球振り分け装置11は、前飾り(前飾り板)73とベース74と裏カバー75とスイッチ押さえ板76と振り分け機構12とを有し、前飾り73とベース74と裏カバー75とスイッチ押さえ板76とは、前後方向に重ねられて一体化される。具体的には、平板状の前飾り73は、平板状のベース74の外形全体よりも一回り小さい外形を有し、1つの遊技球を流下させる程度の間隙を空けてベース74の前面に対向配置され、ビス69Aによってベース74に締結固定される。裏カバー75は、ベース74の後面に対向配置され、ビス69Bによってベース74に締結固定される。スイッチ押さえ板76は、裏カバー75の後面に対向配置され、ビス69Cによって裏カバー75に締結固定される。前飾り73の前面とベース74の後面とには、所定の意匠が施されたシール77とシート78とがそれぞれ貼着される。シート78の中央部分には、後述する軸孔部98への揺動体13の挿通を許容するための開口、並びに後述する第1始動入賞口(遊技球左通過孔部)61及び第2始動入賞口62A(遊技球右通過孔部)と左右の連通孔71,72との連通を許容するための開口がそれぞれ形成されている。
球振り分け装置11は、ベース74の前面が遊技盤30の前面と略面一となるように遊技盤30の下部(アウト口68の上方近傍)の開口部(図示省略)に挿着され、ベース74の上下左右の四隅を遊技盤30の前面にビス止めする(遊技盤30に係合する)ことによって遊技盤30に締結固定される。遊技盤30に固定された状態で、前飾り73は、遊技盤30の前面上に突出(遊技盤30の前面からの突出高さは遊技球の直径の1個分以上で2個分未満)してガラス扉4の透明板の裏面(後面)に対向し、裏カバー75及びスイッチ押さえ板76は、上記開口部を介して遊技盤30の後面側に配置される。
前飾り73とベース74とは、球通路83を形成する通路形成体84を構成する。前飾り73には、その後面から後方へ突出(後面からの突出高さは遊技球の直径の1個分以上で2個分未満)する複数の隔壁79(ビス69Aによってベース74に締結固定される締結固定部や後述する揺動体当接リブ14を含む)が一体形成されている。
なお、複数の隔壁79によって形成される前飾り73の上部外側面は、球振り分け装置11の外側を流下する遊技球を受け流して滞留させないように、流入口85から下方に向かって末広がりとなるように傾斜している。
また、後述する揺動体13の3枚の羽根部17S,17L,17Rは、前飾り73とベース74との間隙に応じた奥行き(前後方向の幅)を各々が有し、略120度の角度で3方向に放射状に延びる枚の板材によって形成されている。
通路形成体84が形成する球通路83は、図18に示すように、上方に開口して遊技球10が1球ずつ進入可能な流入口85と、流入口85から進入した遊技球10が流下する分岐領域86と、分岐領域86から左方向へ分岐して遊技球10を左下方へ流下させる左通路87と、分岐領域86から右方向へ分岐して遊技球10を右下方へ流下させる右通路88と、左通路87の左側を外部に開口する左排出口89と、右通路88の右側を外部へ開口する右排出口90と、左排出口89の下方の左通路87の底部から後方へ連通する第1始動入賞口61と、右排出口90の下方の右通路88の底部から後方へ連通する第2始動入賞口62Aとを含む。
左通路87を流下した遊技球10の多数は第1始動入賞口61へ進入(入賞)するが、その一部は左排出口89から球振り分け装置11の外部に排出されて遊技領域31へ戻される。同様に、右通路88を流下した遊技球10の多数は第2始動入賞口62Aへ進入(入賞)するが、その一部は右排出口90から球振り分け装置11の外部へ排出されて遊技領域31へ戻される。
第1始動入賞口61と第2始動入賞口62Aとは、ベース74の下部に左右に並んで形成された円形状の孔である。前飾り73とベース74との間に形成される球通路83の前後は、前飾り73の後面とベース74の前面とによって区画され、球通路83の前後以外(上下及び左右)は、前飾り73の複数の隔壁79によって区画される。前飾り73の後面には、遊技球10の流下方向と略直交する球通路83の幅方向の略中央位置で後方へ突出して遊技球10の流下をガイドする線状のガイドリブ80(図19参照)が突設されている。
前飾り73とシール77とは透過性を有する樹脂材によって形成され、遊技者は、球通路83を流下する遊技球10を前飾り73の前方から視認することができる。また、ベース74も透過性を有する樹脂材によって形成され、遊技者は、ベース74の裏面に貼着されたシート78の意匠を前飾り73の前方から視認することができる。
ベース74には、後述する揺動体13のフランジ部21を回転自在に支持する円形状のフランジ支持孔98が形成されている。また、裏カバー75の前面の周縁には、ベース74の後面との間に収容空間96を区画する枠状リブ97が裏カバー75から一体的に突出し、収容空間96には後述するカウンタウェイト15が収容される。
裏カバー75の下部には左右の連通孔71,72が形成され、裏カバー75がベース74に固定された状態で、左右の連通孔71,72は第1始動入賞口61及び第2始動入賞口62Aとそれぞれ連通する。第1始動入賞口検知センサ91と第2始動入賞口検知センサ92とは、裏カバー75とスイッチ押さえ板76との間に挟持されて固定され、この状態で、第1始動入賞口検知センサ91の球通過孔91Aは左の連通孔71と連通し、第2始動入賞口検知センサ92の球通過孔92Aは右の連通孔72と連通する。スイッチ押さえ板76には左右の球回収孔81,82が形成され、スイッチ押さえ板76が第1始動入賞口検知センサ91及び第2始動入賞口検知センサ92を挟持して裏カバー75に固定された状態で、左右の球回収孔81,82は左右の球通過孔91A,91Bとそれぞれ連通する。連通孔71と第1始動入賞口検知センサ91の球通過孔91Aと球回収孔81とは、左通路87を流下して第1始動入賞口61に進入した遊技球10を検出して回収する左側の始動入賞球通路を構成する。同様に、連通孔72と第2始動入賞口検知センサ92の球通過孔92Aと球回収孔82とは、右通路88を流下して第2始動入賞口62Aに進入した遊技球10を検出して回収する右側の始動入賞球通路を構成する。左右の始動入賞球通路は、遊技球10が転動し易いように後方へ傾斜し、この傾斜に応じて第1始動入賞口検知センサ91及び第2始動入賞口検知センサ92も後方へ傾斜した姿勢で固定される(図14参照)。
振り分け機構12は、揺動体13と揺動体当接リブ(揺動範囲規制手段)14とカウンタウェイト15とを備える。
揺動体13は、軸部16と、3枚の羽根部(中央羽根部17S、左羽根部17L及び右羽根部17R)と、揺動体側連結部20と、フランジ部21とを一体的に有する(図22参照)。
軸部16は前後方向に突出する回転軸22を有し、回転軸22の前端と後端とが前飾り73の支持孔23Fと裏カバー75の支持孔23Rとにそれぞれ軸支される(図17参照)。これにより、軸部16は、前後方向に延びる回転軸22を中心として回転自在に通路形成体84に支持される。
中央羽根部17Sと左羽根部17Lと右羽根部17Rとは、球通路83の分岐領域86に配置され、軸部16から回転軸22を中心として放射状に延びる。揺動体側連結部20は、裏カバー75の収容空間96に配置され、中央羽根部17Sが鉛直上方を向く基準位置において軸部16の後端側(3枚の羽根部17S,17L,17Rの後方)から鉛直下方へ延びる。
フランジ部21は、3枚の羽根部17S,17L,17Rと揺動体側連結部20との間で軸部16の外周面から突出する円板形状であり、フランジ部21の外周縁は回転軸22を中心とする円形状である。フランジ部21の外周縁は、ベース74のフランジ支持孔98の内周にスライド移動自在に係合し、この係合によってフランジ部21がフランジ支持孔98に回転自在に支持される。フランジ部21がフランジ支持孔98に回転自在に支持されるので、回転軸22に対する揺動体13の軸ぶれを抑制することができ、揺動体13の挙動(揺動)を安定させることができる。
揺動体当接リブ14は、他の隔壁79と同様に前飾り73の後面から一体的に突出し、揺動体13との当接によって、回転軸22を中心とした揺動体13の揺動範囲を、基準位置から右側に傾いた右傾斜位置(図18及び図19参照)と左側に傾いた左傾斜位置(図20及び図21参照)との間に規制する。揺動体13の右傾斜位置は、右羽根部17Rの先端部が揺動体当接リブ14に上方から当接することによって規定され、左傾斜位置は、左羽根部17Lの先端部が揺動体当接リブ14に上方から当接することによって規定される。
カウンタウェイト15は、支持部18とウェイト側連結部19と左右のウェイト部(左側突出片及び右側突出片)24L,24Rとを一体的に有し、揺動体13に後方から重なるように裏カバー75の収容空間96に配置される。
支持部18は、前後方向に突出する支持軸25を有し、支持軸25の前端と後端とがベース74の支持孔26Fと裏カバー75の支持孔26Rとにそれぞれ軸支される(図16参照)。これにより、支持部18は、支持軸25を中心として回転自在に通路形成体84に支持される。
ウェイト側連結部19は、支持部18から上方へ直線状に延び、揺動体13の揺動体側連結部20にスライド自在に係合して連結される。本実施形態では、揺動体側連結部20には直線状の長孔27が、ウェイト側連結部19には前方へ突出する連結ピン28がそれぞれ形成され、連結ピン28が長孔27にスライド自在に係合することによって揺動体側連結部20とウェイト側連結部19とが連結される。なお、揺動体側連結部20に連結ピンを形成し、ウェイト側連結部19に長孔を形成することによって、両者を連結してもよい。
連結ピン28が長孔27をスライド移動することによって、カウンタウェイト15は、基準位置から右方向への揺動体13の傾動に連動して鉛直方向に起立した中立位置から左方向へ傾動し、基準位置から左方向への揺動体13の傾動に連動して中立位置から右方向へ傾動する。
左右のウェイト部24L,24Rは、ウェイト側連結部19から左右対称に張り出す板状体であり、ウェイト側連結部19が略鉛直上方へ起立する中立位置のカウンタウェイト15は、左右のウェイトバランスがとれた中立状態となり、中立位置に対して左方向へ傾動したカウンタウェイト19は、揺動体13に対して基準位置から離間する右方向への荷重を付与し、中立位置に対して右方向へ傾動したカウンタウェイト15は、揺動体13に対して基準位置から離間する左方向への荷重を付与する。
このように、ウェイト側連結部19から左右対称に突出する左右のウェイト部24L,24Rは、揺動体13(3枚の羽根部17S,17L,17R)の傾動を補助するバランスウェイトとして機能する。
また、ウェイト側連結部19は、揺動体13の軸部16とカウンタウェイト15の支持部18との間の間隙領域99(図22参照)で揺動体側連結部20にスライド自在に連結され、カウンタウェイト15が中立位置にある状態において、左右のウェイト部24L,24Rは、間隙領域99に配置される。
このように、揺動体側連結部20をカウンタウェイト15の支持部19よりも下方へ突出させず、中立位置の左右のウェイト部24L,24Rを間隙領域99に配置し、裏カバー75の揺動体当接リブ14により揺動体13の揺動範囲を規定し、裏カバー75の下部に左右の連通孔71,72の配置スペース(遊技球の回収通路)を確保するようにしているので、球振り分け装置11の上下方向の高さを減少させて小型化を図ることが可能となる。
揺動体13が右傾斜位置に傾いた状態(左案内状態)では、中央羽根部17Sは、流入口85から分岐領域86へ流下した遊技球10を左通路87へ案内する位置に、左羽根部17Lは、左通路87へ流下する遊技球10の重みを受けて揺動体13をカウンタウェイト15の荷重に抗して左傾斜位置へ回転させる位置にそれぞれ配置される。
揺動体13が左傾斜位置に傾いた状態(右案内状態)では、中央羽根部17Sは、流入口85から分岐領域86へ流下した遊技球10を右通路88へ案内する位置に、右羽根部17Rは、右通路88へ流下する遊技球10の重みを受けて揺動体13をカウンタウェイト15の荷重に抗して右傾斜位置へ回転させる位置にそれぞれ配置される。
本実施形態の球振り分け装置11では、流入口85へ進入した遊技球10は分岐領域86へ流下する。このとき、揺動体13が右傾斜位置に傾いた左案内状態であれば、遊技球10は、中央羽根部17Sによって左通路87へ案内され、左通路87を流下する際に左羽根部17Lを押し下げて、揺動体13を左傾斜位置へ回転させる。また、揺動体13が左傾斜位置に傾いた右案内状態であれば、遊技球10は、中央羽根部17Sによって右通路88へ案内され、右通路88を流下する際に右羽根部17Rを押し下げて、揺動体13を左回転位置へ回転させる。従って、流入口85へ進入した遊技球10を、左通路87と右通路88とに交互に振り分けることができる。
また、中立位置に対して左方向又は右方向へ傾動したカウンタウェイト15は、揺動体13に対して基準位置から離間する右方向又は左方向への荷重を付与するとともに、左羽根部17L又は右羽根部17Rが左通路87又は右通路88を流下する遊技球10の重みを受けた場合に揺動体13の左傾斜位置又は右傾斜位置への回転を許容する。このように、カウンタウェイト15の節度機能によって、揺動体13を右傾斜位置又は左傾斜位置で安定させるとともに、両傾斜位置間での揺動体13の回転移動に節度を与えることができる。
また、揺動体13とカウンタウェイト15とを、別部材(例えば梃子部材)を介することなく直接連結しているので、球振り分け装置11の前後方向の厚さを減少させて小型化を図ることができる。
また、球振り分け装置11の外側の第2始動入賞口62Bにのみ電動チューリップ63を付設し、球振り分け装置11の内側の第2始動入賞口62Aには電動チューリップを付設していないので、電動チューリップを付設することによる球振り分け装置11の大型化を抑制することができる。
また、球通路83の前後以外の上下及び左右が前飾り73の複数の隔壁79によって区画されるので、球通路83の前後方向以外(上下及び左右)を前飾り73とベース74との双方によって区画する場合に比べて、前飾り73とベース74との組み付け誤差に起因した球通路83の寸法誤差の発生を防止することができる。このため、左排出口89や右排出口90の寸法形状を高い精度で設定することができ、これらの排出口89,90から排出される遊技球10の割合(排出の発生割合)について、実際の排出割合を設計上の排出割合に近づけることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態及びその変形例について説明したが、これらの実施形態及び変形例による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、これらの実施形態又は変形例に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
例えば、上記実施形態では、揺動体13の揺動体側連結部20が基準位置において軸部16から鉛直下方へ延び、カウンタウェイト15の支持部18が揺動体13の回転軸22の鉛直下方で回転自在に支持され、ウェイト側連結部19が支持部18から上方へ延びるように構成したが、揺動体13の揺動体側連結部20が基準位置において軸部16から鉛直上方へ延び、カウンタウェイト15の支持部18が揺動体13の回転軸22の鉛直上方で回転自在に支持され、ウェイト側連結部19が支持部18から下方へ延びるように構成してもよい。
また、ウェイト側連結部19は、揺動体13の揺動体側連結部20にスライド自在に係合して連結されていればよく、その態様は長孔27と連結ピン28とに限定されず、様々な態様が可能である。
また、第1始動入賞口61及び/又は第2始動入賞口62Aを球振り分け装置11の外部(下方)に設けてもよく、第2の始動入賞口62Aに電動チューリップを設け、他方の第2の始動入賞口62Bを省略してもよい。