JP2014222289A - 画像表示装置及び画像表示方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】眼球に対する負担を低減できる画像表示装置等を提供する。
【解決手段】画像表示装置は、出力部からレーザ光を出力し、出力部によりレーザ光が出力部の出力端から出力されて眼球に入射するまでの光路上に、レーザ光の焦点を位置させる。また、画像表示装置は、レーザ光の光路を変化させて画像を走査し、走査されたレーザ光を眼球に集光させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、画像表示装置及び画像表示方法に関する。
従来、画像表示装置の一つとしてHMD(Head Mounted Display)が知られている。HMDは、使用者が装着して、単眼又は両眼で表示画面を見ることができる。使用者は、HMDに表示された各種情報を見ながら両手を自由に使用することができる。HMD用の画像表示装置の投影方式としては、例えば、ハーフミラー等を用いて虚像を形成する虚像投影方式と、網膜上に直接映像を投影する網膜投影方式とが提案されている。網膜投影方式では、眼の網膜上にレーザ光を走査することで、使用者に画像を認識させる画像表示装置が提案されている。レーザ光を用いる網膜投影方式は、走査したレーザ光を、一旦、瞳孔に集光させて網膜に投射するマックスウェル視を用いることで、使用者に大きな映像を視認させることができる。また、レーザ光を用いる網膜投影方式は、近視、遠視及び老眼等の水晶体で焦点を合わせることができない人に対しても、鮮明な映像を提供できる。
特開2005−292255号公報 国際公開第2006/038662号
しかしながら、画像表示装置に用いるレーザ光は、例えば、レーザダイオード(以下、LD(Laser Diode)ともいう)から出射されるため、完全なコリメート光とすることが難しく、レーザ光は光路上のいずれかで焦点を結ぶことがある。レーザ光は、高エネルギーであり、焦点では照射面積が極小となって単位面積あたりのエネルギーが増大するため、繊細な器官である眼球に照射すると眼球に負担がかかる。従来、低出力なレーザ光を利用することも提案されているが、低出力なレーザ光が同一点で長時間にわたり焦点を結び続けることは考慮されていない。このため、低出力なレーザ光が同一点で長時間にわたり焦点を結び続けることによって、眼球に対して負担がかかる。
1つの側面では、本発明は、眼球に対する負担を低減できる画像表示装置及び画像表示方法を提供することにある。
1つの実施態様では、画像表示装置は、レーザ光を出力する出力部と、前記出力部により前記レーザ光が前記出力部の出力端から出力されて眼球に入射するまでの光路上に、前記レーザ光の焦点を位置させる調整部とを有する。また、前記レーザ光の光路を変化させて画像を走査する走査部と、前記走査部により走査された前記レーザ光を前記眼球に集光させる集光部とを有する。
眼球に対する負担を低減できる。
図1は、レーザ光の焦点が網膜上に位置する場合を示す説明図である。 図2は、レーザ光の断面の一例を示す説明図である。 図3は、実施例1の画像表示装置の構成の一例を示すブロック図である。 図4は、実施例1の画像表示装置の外観の一例を示す説明図である。 図5は、光路長の一例を示す説明図である。 図6は、光路長の詳細な一例を示す説明図である。 図7は、ストッパ部の一例を示す説明図である。 図8は、ストッパ部の詳細な一例を示す説明図である。 図9は、実施例2の画像表示装置の構成の一例を示すブロック図である。 図10は、実施例3の画像表示装置の構成の一例を示すブロック図である。 図11は、実施例3の光路長の詳細な一例を示す説明図である。
以下、図面に基づいて、本願の開示する画像表示装置及び画像表示方法の実施例を詳細に説明する。なお、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下の実施例は、矛盾しない範囲で適宜組みあわせてもよい。
まず、レーザ光の焦点について説明する。図1は、レーザ光の焦点が網膜上に位置する場合を示す説明図である。図1の例では、レーザ光は、光源部101から出射され走査部102で走査される。また、走査されたレーザ光は、集光部103の凸レンズ104で集光されて眼球に投射される。ここで、光源部101は、レーザ光の光源としてレーザダイオードを用いることができる。レーザダイオードから出射するレーザ光は、コリメートレンズを用いることでコリメート光としている。
しかしながら、レーザダイオードから出射するレーザ光は、コリメートレンズを用いても完全なコリメート光とすることは難しい。すなわち、レーザ光は、焦点距離を無限遠とすることは難しく、ある程度の距離で焦点を結ぶ光線となることがある。図1の例では、眼球内の網膜上に焦点を結んだ状態であり、レーザ光の焦点距離が光源部101から網膜までの光路長と同一の距離となる場合である。
ここで、レーザ光の照射範囲の直径、つまり、レーザ径の一例について図2に示す。図2は、レーザ光の断面の一例を示す説明図である。図2の例では、光源部101から出射したレーザ光のレーザ径は楕円形状であり、例えば、長軸(θ//)の半値全幅は1.4μm、短軸(θ)の半値全幅は0.5μmである。光源部101から出射したレーザ光は、焦点に近づくにつれてレーザ径が小さくなってゆき、焦点ではレーザ径が極小となって単位面積あたりのエネルギーが増大する。このため、レーザ光が眼球内で焦点を結ばない状態とすることが、眼への負担を軽減することになる。
続いて、実施例1の画像表示装置の構成について説明する。図3は、実施例1の画像表示装置の構成の一例を示すブロック図である。図3に示す画像表示装置10は、網膜走査型の画像表示装置である。画像表示装置10は、制御部11と、光源部12と、走査部13と、集光部14とを有する。また、光源部12は、発光制御部15と、発光部16とを有する。
画像表示装置10は、例えば、メガネに取り付け可能な画像表示装置である。図4は、実施例1の画像表示装置の外観の一例を示す説明図である。図4の(a)は、メガネ50に画像表示装置10を取り付けた状態の上面図である。図4の(b)は、メガネ50に画像表示装置10を取り付けた状態の正面図である。図4の(c)は、メガネ50に画像表示装置10を取り付けた状態の右側面図である。図4の(a)〜(c)に示す画像表示装置10は、メガネ50の左目側に取り付けられ、メガネ50を装着した使用者がハーフミラー30を介して、左目で映像を見ることができるシースルー型の画像表示装置である。
図3の説明に戻って、制御部11は、画像表示装置10全体を制御する。また、制御部11は、外部から入力された映像信号を、光源部12を駆動可能な映像信号に変換する。制御部11は、光源部12に対して変換した映像信号を出力する。また、制御部11は、例えば、走査部13が映像信号に応じて走査範囲を変更可能であれば、走査部13に対して走査範囲を指示する。
光源部12は、発光制御部15と、発光部16とを有する。発光制御部15は、制御部11から入力された映像信号に基づいて、発光部16の各レーザダイオードを駆動する。発光制御部15は、例えば、映像信号のRGBの各輝度信号に応じて、対応する色のレーザダイオードの輝度を変更する。発光制御部15は、発光部16に対して各レーザダイオードを駆動する駆動信号を出力する。
発光部16は、発光制御部15から駆動信号が入力される。発光部16は、レーザダイオード(LD)17と、コリメートレンズ18と、ミラー19と、ハーフミラー20とを有する。LD17は、出力部を構成し、RGB(赤、緑、青)にそれぞれ対応した、LD17Rと、LD17Gと、LD17Bとを有する。各LD17は、出射端にコリメートレンズ18が接続される。各LD17は、駆動信号に基づいてレーザ光を出射する。
コリメートレンズ18は、各LD17から出射されたレーザ光を、コリメート光に近い光線にする。また、コリメートレンズ18は、調整部を構成し、各LD17から出射されたレーザ光の焦点距離を調整する。コリメートレンズ18は、各LD17に対する距離を変化させることで焦点距離を調整したレーザ光を出力端から出射する。また、コリメートレンズ18は、レーザ光の焦点距離を調整した後に、各LD17に対する距離を固定する。なお、レーザ光の焦点距離を可変とする場合には、各LD17に対するコリメートレンズ18の距離を固定せずに焦点距離を可変可能とする。
ミラー19は、LD17Rから出射しコリメートレンズ18を透過した赤色レーザ光を反射して導光する。LD17Gに対応するハーフミラー20は、LD17Gから出射しコリメートレンズ18を透過した緑色レーザ光を反射して導光する。また、LD17Gに対応するハーフミラー20は、ミラー19で反射した赤色レーザ光を透過させる。LD17Bに対応するハーフミラー20は、LD17Bから出射しコリメートレンズ18を透過した青色レーザ光を透過させる。また、LD17Bに対応するハーフミラー20は、ミラー19によって導光された赤色レーザ光、及び、LD17Gに対応するハーフミラー20によって導光された緑色レーザ光を反射して導光する。すなわち、光源部12は、LD17Bに対応するハーフミラー20による透過及び導光により、赤色レーザ光、緑色レーザ光、及び、青色レーザ光を走査部13へ出力する。
走査部13は、光源部12から出力されたレーザ光を受光し、レーザ光を集光部14に向けて反射する。走査部13は、反射面の角度を変化させることで、反射するレーザ光を2次元に走査させる。走査部13は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーを用いることができる。走査部13は、例えば、レーザ光を水平走査周波数45kHz、垂直走査周波数60Hzで走査して、1280×720ドットの画像を、集光部14を介して網膜上に投射することができる。
集光部14は、走査部13で反射されたレーザ光が入射される。集光部14は、レーザ光が屈折し、眼球内で集光して網膜上に結像するようにレーザ光を出射する。集光部14は、使用者の眼球内でレーザ光を集光できればよく、例えば、凸レンズ又はメニスカスレンズを用いることができる。または、集光部14は、凸レンズ、凹レンズ、および、メニスカスレンズを、それぞれ組み合わせてもよい。また、集光部14は、色収差の影響を少なくするために、アクロマートレンズを用いてもよい。
次に、実施例1の画像表示装置10の動作について説明する。図5は、光路長の一例を示す説明図である。レーザ光の光路は、発光部16の各コリメートレンズ18の出力端から、走査部13及び集光部14を経由して眼球の瞳孔までとなる。画像表示装置10は、レーザ光の焦点位置Flを、コリメートレンズ18の出力端から眼球までの光路上に設定することで、レーザ光が眼球内で焦点を結ぶことを防止する。つまり、画像表示装置10は、レーザ光の焦点距離を、光路上の眼球の瞳孔までの距離よりも短くすることで、レーザ光が眼球内で焦点を結ぶことを防止する。
レーザ光の焦点距離は、レーザ光の光路のうち、最短の光路よりも短く設定する。図5の例で説明すると、発光部16と走査部13との最短光路長は、LD17Bに対応するコリメートレンズ18Bの出力端から走査部13内のミラーとの距離L1となる。また、走査部13と眼球との最短光路長は、走査部13内のミラーと眼球の瞳孔とを直線で結んだ光路の距離L2となる。ここで、距離L2は、集光部14内のレンズの中心を通る光路となる。従って、各LD17に対応するコリメートレンズ18で設定する焦点距離は、L1+L2未満の焦点距離とする。これにより、各LD17から出射されるレーザ光は、眼球の手前の光路上で焦点を結び、その後は発散するので、眼球内でレーザ光が焦点を結ぶことを防止することができる。
ここで、具体例として、集光部14を凸レンズ2枚で構成した場合におけるレーザ径と光路長を、図6を用いて説明する。図6は、光路長の詳細な一例を示す説明図である。図6では、3色のレーザ光のうち、レーザ光としてLD17Bから出射される青色レーザ光について説明する。なお、本実施例1では、赤色及び緑色レーザ光は、発光部16内の光路長が青色レーザ光よりも長くなる。青色レーザ光は、LD17Bからコリメートレンズ18Bを透過し、例えば、レーザ径φ2.2mm、絞り角θ=0.1deg、焦点距離149.3mmで出射される。なお、説明のために、レーザ径は大きく設定している。また、集光部14の2枚の凸レンズの焦点距離をf、2枚の凸レンズ間の距離をdとする。ここで、焦点距離fは、例えば、50mmとし、2枚の凸レンズ間の距離dは、例えば、10mmとする。
LD17B、コリメートレンズ18B、走査部13、集光部14及び眼球は、図6に示すように、それぞれ配置される。コリメートレンズ18Bと走査部13との距離は、コリメートレンズ18Bの出力端から走査部13のミラーの中心線までの距離とし、距離L1とする。距離L1は、例えば、L1=53.7mmとする。
走査部13と集光部14との距離は、走査部13のミラーの中心線から集光部14の走査部13側の凸レンズの中心までの距離とし、距離l1とする。距離l1は、例えば、走査部13側の凸レンズの焦点距離と同じ50mmとする。
集光部14と眼球との距離は、集光部14の眼球側の凸レンズの中心から眼球の表面(瞳孔の表面)までの距離とし、距離l2とする。距離l2は、例えば、眼球側の凸レンズの焦点距離と同じ50mmとする。
このとき、走査部13から眼球までの距離L2は、式(1)により算出でき、前述の具体的な数値を当てはめると式(2)となる。また、コリメートレンズ18Bと眼球との間の最短光路長Lsは、式(3)により算出でき、前述の具体的な数値を当てはめると式(4)となる。
Figure 2014222289
Figure 2014222289
Figure 2014222289
Figure 2014222289
最短光路長Lsとレーザ光の焦点距離とを比較すると、163.7mm>149.3mmとなる。従って、レーザ光の焦点位置Flは、集光部14の眼球側の凸レンズの中心から眼球の表面までの間に位置する。また、レーザ光の焦点位置Flは、集光部14の眼球側の凸レンズの焦点距離内に位置する。これにより、レーザ光を網膜上に走査したときに、各ピクセルを表すレーザ光の照射範囲が重なることによって画像のピクセルが重なって画像が不鮮明になることを防止することができる。なお、レーザ径は、集光部14の凸レンズによって小さくなる。このため、実際のレーザ光の焦点距離は、集光部14の凸レンズによる影響を考慮して設定する。
また、上記具体例から判るように、レーザ光の焦点距離は、最短光路長Lsに基づいて決定することができる。すなわち、各LD17から出射されるレーザ光の焦点距離は、最短光路長Ls未満となるように、各LD17に対応する各コリメートレンズ18を調整して決定できる。
このように、画像表示装置10は、出力部からレーザ光を出力し、出力部によりレーザ光が出力部の出力端から出力されて眼球に入射するまでの光路上に、レーザ光の焦点を位置させる。また、画像表示装置10は、レーザ光の光路を変化させて画像を走査し、走査されたレーザ光を眼球に集光させる。その結果、眼球に対する負担を低減できる。
また、画像表示装置10は、調整部であるコリメートレンズ18は、光路上において、集光部の出力端側に焦点を位置させる。その結果、レーザ光の焦点距離をコリメートレンズ18の出力端から眼球までの光路長未満とすることができる。
また、画像表示装置10は、調整部であるコリメートレンズ18は、光路上の集光部14の焦点距離内に、焦点を位置させる。その結果、画像が不鮮明になることを防止することができる。
ところで、レーザ光の焦点距離を、集光部14の眼球側の凸レンズの中心から眼球の表面までの間に位置するように決定すると、眼球が集光部14に近付いた場合に、レーザ光の焦点が眼球内に位置する可能性がある。そこで、画像表示装置10と使用者の眼球との間の距離を確保するために、画像表示装置10にストッパ部31を設けることができる。
図7は、ストッパ部31の一例を示す説明図である。図7は、画像表示装置10と使用者とを側面から見た様子を示す。画像表示装置10は、使用者に接する側にストッパ部31を設ける。ストッパ部31は、使用者の眼の上部及び下部の皮膚に接触可能に設けられ、使用者の顔面及び眼球が必要以上に画像表示装置10の集光部14に接近することを防止する。
図8は、ストッパ部の詳細な一例を示す説明図である。人の片目の視野は、上側約60deg、下側約70deg、鼻側約60deg、及び、耳側約100degとされている。ストッパ部31は、視野にかからない形状とする。また、ストッパ部31は、容易に変形せず、顔面に接触して不快でない材質とするのが好ましい。ストッパ部31は、例えば、ポリウレタン等の合成樹脂又はゴム等で作製することができる。また、ストッパ部31は、メガネと同様に、耳と鼻で固定するようにしてもよい。
このように、画像表示装置10は、集光部14の出力端に、集光部14と眼球との距離を保持するストッパ部31を有する。その結果、レーザ光の焦点を集光部14と眼球との間に設定したときに、焦点が眼球内に位置することを防止することができる。
また、上記実施例1では、レーザ光の焦点距離を固定としたが、走査部13で走査する位置ごとにレーザ光の焦点距離を算出し、コリメートレンズ18は、算出した焦点距離に応じて、レーザ光の焦点距離を調整するようにしてもよい。
そこで、このようにレーザ光の焦点距離を調整する実施の形態につき、実施例2として以下に説明する。なお、上記実施例1の画像表示装置10と同一の構成には、同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。実施例2の画像表示装置70が実施例1の画像表示装置10と異なるところは、走査部13で走査する位置ごとにレーザ光の焦点距離を算出し、算出した焦点距離に応じて、レーザ光の焦点距離を調整する点にある。
図9は、実施例2の画像表示装置の構成の一例を示すブロック図である。実施例2の画像表示装置70は、実施例1の画像表示装置10と比べ、制御部11に焦点制御部22を有し、コリメートレンズ18の焦点距離を変化させるアクチュエータ21を有する。
アクチュエータ21は、コリメートレンズ18ごとに設けられ、各コリメートレンズ18に接続される。アクチュエータ21は、焦点制御部22から入力された焦点制御信号に応じて、接続されたコリメートレンズ18の焦点距離を変化させる。アクチュエータ21は、ネジにより螺合した2分割可能なコリメートレンズ18の鏡筒の片側を回転させて、鏡筒を伸縮することでレーザ光の焦点距離を変化させる。また、アクチュエータ21は、コリメートレンズ18を当該レンズの光軸方向に変位させることで、レーザ光の焦点距離を調整するようにしてもよい。
焦点制御部22は、算出部を構成し、入力された映像信号に応じて各アクチュエータ21を制御する。焦点制御部22は、入力された映像信号に応じて、走査部13で走査する位置ごとのレーザ光の光路長を算出する。焦点制御部22は、走査する全ての位置におけるレーザ光の焦点位置Flから眼球までの光路長が同一となるように、走査する位置ごとのレーザ光の光路長に基づいて、レーザ光の焦点距離を算出する。焦点制御部22は、算出したレーザ光の焦点距離に基づいて、各アクチュエータ21に対して焦点制御信号を出力する。
次に、実施例2の画像表示装置70の動作について説明する。画像表示装置70の焦点制御部22は、入力された映像信号に応じて、走査部13で走査する位置ごとのレーザ光の光路長を算出する。レーザ光の光路長は、例えば、レーザ光が、集光部14の凸レンズの端部を通る場合と、凸レンズの中央部を通る場合とで異なる。つまり、レーザ光の焦点位置Flは、レーザ光の焦点距離が固定されていると、走査部13のミラーの出射角度によって変化する。すると、レーザ光の照射範囲、すなわち、網膜上のレーザ径は、レーザ光の光路長が長くなる画像の端部では中央部分に比べて広くなる。従って、使用者が見る画像は、端部が中央部に比べて不鮮明になる可能性がある。これに対し、走査する全ての位置におけるレーザ光の焦点位置Flから眼球までの光路長が同一となるようにすれば、画像のいずれの場所でも網膜上のレーザ径が同一となる。
ここで、走査部13のミラーの出射角度と光路長の関係について説明する。走査部13から集光部14までの光路長L’は、式(5)により算出できる。ここで、走査部13から集光部14までの距離は、走査部13のミラーの中心線から集光部14の走査部13側の凸レンズの中心までの距離とし、距離l1とする。また、走査部13による縦方向の出射角度をθh、横方向の出射角度をθwとする。
Figure 2014222289
集光部14から眼球までの光路長L”は、式(6)により算出できる。ここで、集光部14と眼球との距離は、集光部14の眼球側の凸レンズの中心から眼球の表面までの距離とし、距離l2とする。
Figure 2014222289
走査部13から眼球までの距離L2’は、集光部14が2枚の凸レンズで構成され、凸レンズ間の距離をdとすると、式(7)により算出できる。
Figure 2014222289
コリメートレンズ18の出力端と眼球との間の光路長Lは、コリメートレンズ18の出力端と走査部13との距離を、距離L1とすると、式(8)により算出できる。ここで、距離L1は、コリメートレンズ18の出力端から走査部13のミラーの中心線までの距離である。
Figure 2014222289
焦点制御部22は、走査する全ての位置におけるレーザ光の焦点位置Flから眼球までの光路長が同一となるレーザ光の焦点距離を算出する。算出するレーザ光の焦点距離を、第1の焦点距離とする。焦点制御部22は、例えば、出射角度θh及びθwが0、つまり、集光部14のレンズの中心を通る最短の光路長Lsにおけるレーザ光の焦点位置Flとなる、レーザ光の焦点距離を初期値とする。初期値のレーザ光の焦点距離を、第2の焦点距離とする。レーザ光を走査する位置ごとに、前回の第1の焦点距離を、今回の第2の焦点距離とする。なお、レーザ光の焦点位置Flは、集光部14の眼球側の凸レンズにおける眼球側の焦点距離内とするのが好ましい。これは、レーザ光の焦点位置Flを、当該凸レンズにおける眼球側の焦点距離よりもコリメートレンズ18側の光路上に設定すると、凸レンズによって新たな焦点が生ずる可能性があるからである。
焦点制御部22は、レーザ光を走査する位置ごとの光路長Lと、最短の光路長Lsとの差分を算出する。焦点制御部22は、初期値として設定したレーザ光の第2の焦点距離に、算出した光路長Lと光路長Lsとの差分を足すことで、レーザ光を走査する位置ごとのレーザ光の第1の焦点距離を算出する。なお、第2の焦点距離は、走査に応じて、前回の第1の焦点距離となり、光路長の差分は、走査に応じて、今回の光路長Lと前回の光路長Lとの差分となる。つまり、走査する位置ごとのレーザ光の第1の焦点距離は、前回の第1の焦点距離に、今回の光路長Lと前回の光路長Lとの差分を足したものとなる。焦点制御部22は、算出した走査する位置ごとのレーザ光の第1の焦点距離に基づいて、各アクチュエータ21に対して焦点制御信号を出力する。
各アクチュエータ21は、焦点制御部22から入力された焦点制御信号に応じて、接続されたコリメートレンズ18の焦点距離を、第2の焦点距離から第1の焦点距離に調整する。これにより、走査する全ての位置におけるレーザ光の焦点位置Flから眼球までの光路長が同一となるので、画像のいずれの場所でも網膜上のレーザ径が同一となる。その結果、画像の端部でも中央部と同等の鮮明さとすることができる。
このように、画像表示装置70は、走査部13によるレーザ光の走査位置ごとに、レーザ光の第1の焦点距離を算出し、調整部であるコリメートレンズ18は、算出された第1の焦点距離を調整する。その結果、画像の端部でも中央部と同等の鮮明さとすることができる。
また、上記各実施例では、レーザ光の焦点位置Flは、集光部14の眼球側の凸レンズにおける眼球側の焦点距離内としたが、これに限定されない。例えば、集光部14の眼球側の凸レンズに使用者の眼球が接触したとしても、レーザ光の焦点位置Flが眼球内とならないようにすることもできる。ただし、この場合には、集光部14の凸レンズによって新たな焦点が生じないように、光学系を設計する必要がある。なお、レーザ光の焦点位置Flは、眼球よりも遠方に設定すると、使用者が画像表示装置を外すとき等に、レーザ光の焦点が眼球内になる可能性がある。
そこで、このようにレーザ光の焦点距離を設定する実施の形態につき、実施例3として以下に説明する。なお、上記実施例1の画像表示装置10と同一の構成には、同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。実施例3の画像表示装置80が実施例1の画像表示装置10と異なるところは、集光部14内の2枚の凸レンズの間隔を広げ、当該凸レンズ間の光路上にレーザ光の焦点位置Flを設定した点にある。
図10は、実施例3の画像表示装置の構成の一例を示すブロック図である。実施例3の画像表示装置80は、集光部14の代わりに、集光部14内の2枚の凸レンズの間隔を広げた集光部24を有する点を除き、画像表示装置10と同一の構成である。
次に、実施例3の画像表示装置80の動作について、具体例として図11を用いて説明する。図11は、実施例3の光路長の詳細な一例を示す説明図である。図11では、3色のレーザ光のうち、レーザ光としてLD17Bから出射される青色レーザ光について説明する。青色レーザ光は、LD17Bからコリメートレンズ18Bを透過し、例えば、レーザ径φ2.2mm、絞り角θ=0.1deg、焦点距離149.3mmで出射される。なお、説明のために、レーザ径は大きく設定している。また、集光部24の2枚の凸レンズの焦点距離をf、2枚の凸レンズ間の距離をd2とする。ここで、焦点距離fは、例えば、50mmとし、2枚の凸レンズ間の距離d2は、例えば、67.5mmとする。
LD17B、コリメートレンズ18B、走査部13、集光部24及び眼球は、図11に示すように、それぞれ配置される。コリメートレンズ18Bと走査部13との距離は、コリメートレンズ18Bの出力端から走査部13のミラーの中心線までの距離とし、距離L1とする。距離L1は、例えば、L1=53.7mmとする。
走査部13と集光部24との距離は、走査部13のミラーの中心線から集光部24の走査部13側の凸レンズの中心までの距離とし、距離l1とする。距離l1は、例えば、走査部13側の凸レンズの焦点距離と同じ50mmとする。
集光部24と眼球との距離は、集光部24の眼球側の凸レンズの中心から眼球の表面までの距離とし、距離l2とする。距離l2は、例えば、眼球側の凸レンズの焦点距離と同じ50mmとする。
走査部13から眼球までの距離L2は、式(1)のdに代えてd2を代入し、167.5mmとなる。また、コリメートレンズ18Bと眼球との間の最短光路長Lsは、式(3)より、221.2mmとなる。最短光路長Lsとレーザ光の焦点距離とを比較すると、221.2mm>149.3mmとなる。ここで、集光部24の走査部13側の凸レンズの焦点位置Fiは、コリメートレンズ18Bの出力端を基準として、式(9)で算出でき、前述の具体的な数値を当てはめると式(10)となる。
Figure 2014222289
Figure 2014222289
また、コリメートレンズ18Bの出力端から、集光部24の走査部13側の凸レンズの中心までは、式(9)の「−l2」の項を除くと算出でき、171.2mmである。従って、レーザ光の焦点位置Flは、171.2mm>149.3mm>121.2mmという関係が成り立ち、集光部24の走査部13側の凸レンズの焦点距離内に位置する。これにより、集光部24の眼球側の凸レンズに、使用者の眼球が接触したとしても、レーザ光の焦点が眼球内に位置することを防止することができる。
このように、画像表示装置80は、調整部であるコリメートレンズ18が、光路上の集光部24の走査部13側の焦点距離内に、レーザ光の焦点を位置させる。その結果、集光部24の眼球側の凸レンズに、使用者の眼球が接触したとしても、レーザ光の焦点が眼球内に位置することを防止することができる。
また、上記各実施例では、レーザ光の焦点距離を、コリメートレンズ18で調整したが、これに限定されない。レーザ光の焦点距離は、例えば、ミラーを組み合わせて光路長を長くすることで、レーザ光の焦点距離を調節してもよい。
また、上記各実施例では、各LD17のレーザ光の焦点距離を同一としたが、これに限定されない。レーザ光の焦点距離は、例えば、各LD17の配置の違いによる光路長の差に応じて、コリメートレンズ18を調整することで変化させることができる。具体例を上げると、例えば、LD17RはLD17Bよりも光路長が4mm長く、LD17GはLD17Bよりも光路長が2mm長いとする。このとき、LD17Rのレーザ光の焦点距離は、LD17Bのレーザ光の焦点距離よりも4mm長くし、LD17Gのレーザ光の焦点距離は、LD17Bのレーザ光の焦点距離よりも2mm長くする。これにより、各LD17の焦点位置Flを同一とすることができ、使用者に、より鮮明な画像を視認させることができる。
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、上記各実施例では、発光制御部15は、光源部12内に有するが制御部11内に有する構成としてもよい。
さらに、制御部で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良い。また、各種処理機能は、CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行されるプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。
10、70、80 画像表示装置
11 制御部
12 光源部
13 走査部
14、24 集光部
15 発光制御部
16 発光部
17 LD
18 コリメートレンズ
19 ミラー
20 ハーフミラー
30 ハーフミラー
31 ストッパ部
50 メガネ

Claims (6)

  1. レーザ光を出力する出力部と、
    前記出力部により前記レーザ光が前記出力部の出力端から出力されて眼球に入射するまでの光路上に、前記レーザ光の焦点を位置させる調整部と、
    前記レーザ光の光路を変化させて画像を走査する走査部と、
    前記走査部により走査された前記レーザ光を前記眼球に集光させる集光部と
    を有することを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記調整部は、前記光路上において、前記集光部の出力端側に前記焦点を位置させることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記調整部は、前記光路上の前記集光部の焦点距離内に、前記焦点を位置させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
  4. さらに、前記集光部の出力端に、前記集光部と前記眼球との距離を保持するストッパ部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の画像表示装置。
  5. さらに、前記走査部による前記レーザ光の走査位置ごとに、前記レーザ光の第1の焦点距離を算出する算出部を有し、
    前記調整部は、前記算出部により算出された前記第1の焦点距離を調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像表示装置。
  6. 画像表示装置は、
    出力部からレーザ光を出力し、
    前記出力部により前記レーザ光が前記出力部の出力端から出力されて眼球に入射するまでの光路上に、前記レーザ光の焦点を位置させ、
    前記レーザ光の光路を変化させて画像を走査し、
    前記走査された前記レーザ光を前記眼球に集光させる
    処理を実行することを特徴とする画像表示方法。
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