JP2014221855A - ポリマーの製造方法、及びポリマー生成物 - Google Patents

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Nobuyuki Mase
暢之 間瀬
田中 千秋
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千秋 田中
太一 根本
Taichi Nemoto
太一 根本
陽子 新井
Yoko Arai
陽子 新井
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Abstract

【課題】金属触媒を使用せず、かつ残存モノマーなどの除去工程を必要とせずに、開環重合性モノマーから、1段階の工程で、残存モノマーが少なく、色相が優れるポリマーを製造でき、更に高分子量のポリマーを高収率で製造できるポリマーの製造方法の提供。
【解決手段】圧縮性流体中で、9−アザジュロリジン及び7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンの少なくともいずれかを用いて、開環重合性モノマーを開環重合するポリマーの製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリマーの製造方法、及びポリマー生成物に関する。
石油由来のプラスチックの多くは軽く強靭で耐久性に優れ、容易に所望の形に成形できるので、量産されて我々の生活を多岐にわたって支えている。
しかし、これらのプラスチックは、環境中に廃棄された場合、容易に分解されずに蓄積する。また、焼却の際に大量の二酸化炭素を放出するため、地球温暖化に拍車を掛けている。
そのため、地球環境保護の目的から、非石油原料からなる樹脂、又は自然環境下で微生物などによって分解される生分解性樹脂が注目され、近年世界中で研究されている。現在検討されている生分解性樹脂のほとんどは、脂肪族カルボン酸エステル単位を有し、微生物により分解され易い。その反面、熱安定性に乏しく、溶融紡糸、射出成形、溶融製膜などの高温に晒される成形工程における分子量低下、又は色相悪化が深刻であるという問題がある。
ポリ乳酸は、原料である乳酸又はそのラクチド(環状ジエステル)が、天然物から製造可能である上に、耐熱性に優れ、色相、機械強度のバランスが取れたプラスチックである。
開環重合性モノマーの一例であるラクチドを出発原料としたポリ乳酸の製造においては、一般的には、L−乳酸又はD−乳酸のラクチドにオクチル酸スズなどの金属触媒を添加し、不活性ガス雰囲気中、大気圧又は減圧下、200℃付近で溶融重合を行っている。この方法によれば、比較的高分子量のポリ−L−乳酸又はポリ−D−乳酸が得られる。
しかし、この方法では、酸による洗浄や脱金属などの工程を行わないと、前記金属触媒が得られたポリ乳酸中に残存し、前記ポリ乳酸の耐熱性及び安全性に悪影響を及ぼすという問題がある。また、高温で重合を行うため多大なエネルギーを必要とするという問題がある。
また、ポリ乳酸の重合系では、ポリ乳酸とラクチドとの間に平衡関係が成立しており、200℃付近の溶融重合では得られるポリ乳酸中にラクチドが残存することは避けられない。ポリ乳酸中に含まれるラクチド、ポリ乳酸の分解物などの不純物は、成形時に異物発生の因子となる他、ポリ乳酸の物性(ガラス転移温度及び溶融粘度)を低下させ、成形加工性、熱安定性を著しく劣下させる原因となる。そのため、製造されたポリ乳酸中のラクチドを真空下で除去する操作を行ったり、再沈殿、温水中での抽出などの操作が一般的に行われている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、これらの操作も金属触媒の除去と同様に、工程の増加、エネルギーの増加、収率低下によるコストアップの要因となる。これらの問題は、ポリ乳酸の製造に限らず、ε−カプロラクトンなどの他の開環重合性を有するモノマーを出発原料としたポリマーの製造に共通するものである。
一方、実質的に金属を含まない化合物の存在下でポリ乳酸を得る試みがなされている。例えば、有機触媒を使用し、塩化メチレン溶媒中でラクチドの開環重合を行う技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この提案の技術では、高収率でポリ乳酸を得ることができるが、溶媒を除去しポリ乳酸を取り出す工程が増えるため、やはりコスト増加、及び溶媒を除去するための多大なエネルギーが必要となってしまうという問題がある。
この問題を解決するため、溶媒として超臨界二酸化炭素を活用する技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。超臨界二酸化炭素を溶媒にすると、廃液などが発生しない上、乾燥したポリマーが1段階の工程で得られる点で有利である。しかし、この提案の技術では、昨今使用規制などが叫ばれているスズ触媒を使用したラクチドの開環重合の報告例があるのみである。しかも、この提案の技術では、反応時間が24時間以上と長時間であり、かつ加えたラクチドのポリ乳酸への転化率が85%と不十分なため、そのまま成型加工などに使用することは困難である。
そこで、超臨界二酸化炭素を溶媒として使用した場合の利点を生かしつつ、金属触媒を使用せずに従来よりも低温かつ高収率でポリマーを得る技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
この提案の技術では、従来よりも低温かつ高収率でポリマーを得ることができるものの、高分子量体を高収率で得ることはできず、かつ色相が十分ではなかった。
したがって、金属触媒を使用せず、かつ残存モノマーなどの除去工程を必要とせずに、開環重合性モノマーから、1段階の工程で、残存モノマーが少なく、色相が優れるポリマーを製造でき、更に高分子量のポリマーを高収率で製造できるポリマーの製造方法の提供が求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、金属触媒を使用せず、かつ残存モノマーなどの除去工程を必要とせずに、開環重合性モノマーから、1段階の工程で、残存モノマーが少なく、色相が優れるポリマーを製造でき、更に高分子量のポリマーを高収率で製造できるポリマーの製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明のポリマーの製造方法は、圧縮性流体中で、9−アザジュロリジン及び7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンの少なくともいずれかを用いて、開環重合性モノマーを開環重合することを特徴とする。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、金属触媒を使用せず、かつ残存モノマーなどの除去工程を必要とせずに、開環重合性モノマーから、1段階の工程で、残存モノマーが少なく、色相が優れるポリマーを製造でき、更に高分子量のポリマーを高収率で製造できるポリマーの製造方法を提供することができる。
図1は、温度と圧力に対する物質の状態を示す一般的な相図である。 図2は、圧縮性流体の範囲を定義するための相図である。
(ポリマーの製造方法)
本発明のポリマーの製造方法は、重合工程を少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
<重合工程>
前記重合工程としては、圧縮性流体中で、9−アザジュロリジン(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−9−アザベンゾ[ij]キノリジン)及び7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(MTBD)の少なくともいずれかを用いて、開環重合性モノマーを開環重合する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−圧縮性流体−
前記圧縮性流体について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、温度と圧力に対する物質の状態を示す相図である。図2は、前記圧縮性流体の範囲を定義するための相図である。
前記「圧縮性流体」とは、図1で表される相図の中で、図2に示す(1)、(2)、(3)の何れかの領域に存在する状態のときの物質を意味する。
このような領域においては、物質はその密度が非常に高い状態となり、常温常圧時とは異なる挙動を示すことが知られている。なお、物質が(1)の領域に存在する場合には超臨界流体となる。超臨界流体とは、気体と液体とが共存できる限界(臨界点)を超えた温度及び圧力領域において非凝縮性高密度流体として存在し、圧縮しても凝縮しない流体のことである。また、物質が(2)の領域に存在する場合には液体となるが、本発明においては、常温(25℃)、常圧(1気圧)において気体状態である物質を圧縮して得られた液化ガスを表す。また、物質が(3)の領域に存在する場合には気体状態であるが、本発明においては、圧力が臨界圧力(Pc)の1/2(1/2Pc)以上の高圧ガスを表す。
前記圧縮性流体を構成する物質としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化二窒素、窒素、メタン、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、エチレンなどが挙げられる。これらの中でも二酸化炭素は、臨界圧力が約7.4MPa、臨界温度が約31℃であって、容易に超臨界状態を作り出せること、不燃性で取扱いが容易であることなどの点で好ましい。これらの圧縮性流体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、反応の効率化、ポリマー転化率などを考慮すると、前記圧縮性流体が二酸化炭素の場合、その温度は25℃以上であることが好ましく、圧力は5MPa以上であることが好ましい。より好ましくは超臨界流体の状態である。
開環重合時の圧力、即ち圧縮性流体の圧力は、高圧ガス、液化ガス状態でも問題ないが、特に圧縮性流体へのモノマーの溶解性を高め、均一にかつ定量的に重合反応を進めるためには、超臨界状態となる圧力が好ましい。前記圧縮性流体が二酸化炭素の場合には、3.7MPa以上が必要であり、5MPa以上であることが好ましく、臨界圧力の7.4PMa以上がより好ましい。
二酸化炭素は、塩基性及び求核性を有する物質と反応することから、従来、超臨界二酸化炭素を溶媒とする場合、リビングアニオン重合には適用できないとされていた(「超臨界流体の最新応用技術」、第173頁、2004年3月15日、株式会社エヌ・ティー・エス発行参照)。しかし、本発明者らは、従来の知見を覆した。即ち、本発明者らは、超臨界二酸化炭素中でも、塩基性及び求核性を有する触媒が安定的に開環重合性モノマーに配位し、これを開環させることで、短時間で定量的に重合反応が進行し、結果的に重合反応がリビング的に進行することを見出した。ここでいうリビング的とは、移動反応、停止反応などの副反応を伴わず、定量的に反応が進行し、得られたポリマーの分子量分布が比較的狭く単分散であることを意味する。
−開環重合性モノマー−
前記開環重合性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、エステル結合を環内に有する開環重合性モノマーが好ましい。前記エステル結合を環内に有する開環重合性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、環状エステル、環状カーボネートが好ましい。
−−環状エステル−−
前記環状エステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記一般式(1)で表される化合物のL体及びD体の少なくともいずれかを脱水縮合して得られる環状二量体が好ましい。
R−C*−H(−OH)(−COOH) 一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基を表し、「C*」は、不斉炭素を表す。
これらの環状二量体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、乳酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシブタン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシペンタン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシヘキサン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシヘプタン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシオクタン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシノナン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシデカン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシウンデカン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシドデカン酸の鏡像異性体などが挙げられる。これらの中でも、乳酸の鏡像異性体が、反応性、又は入手容易性の点から特に好ましい。
前記環状二量体としては、乳酸ラクチドが好ましい。前記乳酸ラクチドは、L−乳酸二分子からなるL−乳酸ラクチドであってもよいし、D−乳酸二分子からなるD−乳酸ラクチドであってもよいし、L−乳酸とD−乳酸とからなるメソ−乳酸ラクチドであってもよい。
また、前記環状二量体以外の前記環状エステルとしては、例えば、脂肪族のラクトンなどが挙げられる。前記脂肪族のラクトンとしては、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、γ−オクタノラクトン、δ−バレロラクトン、δ−ヘキサラノラクトン、δ−オクタノラクトン、ε−カプロラクトン、δ−ドデカノラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、グリコリッド、ラクタイドなどが挙げられる。これらの中でも、ε−カプロラクトンが、反応性及び入手性の観点から特に好ましい。
−−環状カーボネート−−
前記環状カーボネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどが挙げられる。
これらの開環重合性モノマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−有機触媒−
前記重合工程においては、有機触媒として9−アザジュロリジン(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−9−アザベンゾ[ij]キノリジン)及び7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(MTBD)の少なくともいずれかを用いる。
前記重合工程において、前記9−アザジュロリジン及び前記MTBDの少なくともいずれかを用いると、得られたポリマーの色相が優れており、イエローインデックス(YI)値が低くなる。
前記重合工程において、前記9−アザジュロリジン及び前記MTBDの少なくともいずれかを用いると、高分子量のポリマーを高収率で得ることができる。
前記重合工程における、前記9−アザジュロリジン及び前記MTBDの少なくともいずれかの使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記開環重合性モノマーに対して、0.01モル%〜15モル%が好ましく、0.1モル%〜10モル%がより好ましく、1モル%〜5モル%が特に好ましい。前記使用量が、0.01モル%未満であると、重合反応が完了する前に前記9−アザジュロリジン及び前記MTBDが失活し、目標とする分子量のポリマーが得られない場合がある。前記使用量が、15モル%を超えると、重合反応の制御が難しくなる場合がある。
前記重合工程における重合温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃〜150℃が好ましく、50℃〜120℃がより好ましく、60℃〜100℃が特に好ましい。前記重合温度が、40℃未満であると、反応速度が低下しやすく、定量的に重合反応を進めることができない場合がある。前記重合温度が、150℃を超えると、解重合反応も平衡して起き、定量的に重合反応が進みにくくなることがある。
前記重合工程における重合時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2時間〜10時間が好ましい。
前記重合工程においては、重合反応を均一かつ定量的に進めるため、前記開環重合性モノマーと得られるポリマーとの密度差によって前記ポリマーが沈降しないように、撹拌することが好ましい。
前記重合工程における圧力、即ち前記圧縮性流体の圧力としては、高圧ガス状態、液化ガス状態でも問題ないが、特に前記圧縮性流体への前記開環重合性モノマーの溶解性を高め、均一にかつ定量的に重合反応を進めるためには、超臨界状態となる圧力が好ましい。前記圧縮性流体が二酸化炭素の場合、前記圧力としては、3.7MPa以上が好ましく、7.4PMa以上がより好ましい。
前記重合工程においては、得られるポリマーの分子量を制御するために、開環重合開始剤を用いることが好ましい。
前記開環重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール系であれば、脂肪族アルコールのモノ、ジ、又は多価アルコールのいずれでもよく、また飽和、不飽和のいずれであっても構わない。
前記開環重合開始剤としては、例えば、モノアルコール、多価アルコール、乳酸エステルなどが挙げられる。前記モノアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ノナノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどが挙げられる。前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール等のジアルコール;グリセロール、ソルビトール、キシリトール、リビトール、エリスリトール、トリエタノールアミンなどが挙げられる。前記乳酸エステルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、ポリカプロラクトンジオール、ポリテトラメチレングリコールのような末端にアルコール残基を有するポリマーを開始剤に使用することもできる。これにより、ジブロック共重合体や、トリブロック共重合体などが合成される。
前記重合工程における前記開環重合開始剤の使用量としては、目標とする分子量に応じて適宜調整すればよく、前記開環重合性モノマーに対して、0.1モル%〜5モル%が好ましい。
前記重合工程の終了時には、重合停止剤(例えば、安息香酸、塩酸、燐酸、メタリン酸、酢酸、乳酸等)を用いてもよい。
前記重合工程においては、前記圧縮性流体に溶解し、かつ前記圧縮性流体と前記開環重合性モノマーとの双方に親和性を有する界面活性剤を共存させてもよい。例えば、前記圧縮性流体として二酸化炭素を用いた場合には、二酸化炭素に親和性を有する基と前記開環重合性モノマーに親和性を有する基とを分子内に持つ界面活性剤が使用できる。そのような界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤が好ましい。前記界面活性剤として、構造中にアルコールなどの活性水素含有基を有する化合物を選択することによって、開始剤としての機能も付与することが可能となるので、より好ましい。
前記重合工程においては、反応系内の水分量は、前記開環重合性モノマーに対して、4モル%以下が好ましく、1モル%以下がより好ましく、0.5モル%以下が特に好ましい。目的とする分子量にもよるが、前記水分量が、4モル%を超えると、水分自体も開始剤として寄与するため分子量の制御が困難となることがある。
前記水分量を少なくする方法としては、例えば、前処理として、前記開環重合性モノマー、その他原材料などに含まれる水分を除去する操作などが挙げられる。
前記重合工程では、前記圧縮性流体を用いることで、低い温度での重合反応が可能となるため、従来の溶融重合と比べて、大幅に解重合反応を抑制できる。これにより、前記開環重合性モノマーのポリマー転化率を、95モル%以上とすることができる。前記ポリマー転化率が95モル%未満であると、ポリマーを含有する生成物の熱特性が不十分になり、別途前記開環重合性モノマーを除去する操作が必要になる場合がある。
なお、前記ポリマー転化率は、例えば、H−MNRを用いて以下の式により求めることができる。
ポリマー転化率(モル%)=100−未反応モノマー量(モル%)
ここで、未反応モノマー量(モル%)は、例えば、得られたポリマーについて測定したH−MNRの結果における、ポリマー由来のピーク面積(PA)に対するモノマー由来のピーク面積(MA)として算出(PA/MA)し、これを100倍することで求めることができる。
具体的には、ポリ乳酸の場合、未反応モノマー量(モル%)は、重クロロホルム中、日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置JNM−AL300を使用し、ポリ乳酸由来の四重線ピーク面積比(5.10ppm〜5.20ppm)に対するラクチド由来の四重線ピーク面積比(4.98ppm〜5.05ppm)として算出し、これを100倍することで未反応モノマー量(モル%)を求めることができる。
ポリカプロラクトンの場合、未反応モノマー量(モル%)は、重クロロホルム中、日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置JNM−AL300を使用し、ポリカプロラクトン由来の三重線ピーク面積比(4.04ppm〜4.08ppm)に対するカプロラクトン由来の三重線ピーク面積比(4.22ppm〜4.25ppm)として算出し、これを100倍することで未反応モノマー量(モル%)を求めることができる。
ポリカーボネートの場合、未反応モノマー量(モル%)は、重クロロホルム中、日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置JNM−AL300を使用し、ポリカーボネート由来の四重線ピーク面積比(4.22ppm〜4.25ppm)に対するエチレンカーボネート由来の一重線ピーク面積比(4.54ppm)として算出し、これを100倍することで未反応モノマー量(モル%)を求めることができる。
<ポリマー>
前記ポリマーの製造方法により得られるポリマーは、イエローインデックス(YI)値が低い。前記ポリマーにおける前記YI値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、15以下が好ましく、10以下がより好ましい。前記YI値が、15を超えると、外観上の問題となることがあり、特に、食品包装材料として使用したときは、この問題が顕著となることがある。
前記イエローインデックス(YI)値は、例えば、厚み2mmの樹脂ペレットを作製してJIS−K7103に従い、SMカラーコンピューター(スガ試験機株式会社製)を用いて測定し求めることができる。
前記ポリマーの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、食品包装材料などの場合、数平均分子量Mnは、70,000以上が好ましく、100,000以上がより好ましい。
前記ポリマーの分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.5以下であることが、分解性の点から好ましい。
前記ポリマーは、ウレタン結合及びエーテル結合の少なくともいずれかを有していることが好ましい。
前記ポリマーに、ウレタン結合及びエーテル結合の少なくともいずれを導入する方法としては、例えば、前記開環重合性モノマーと、イソシアネート化合物及びグリシジル化合物の少なくともいずれかとを前記圧縮性流体中で重付加反応させる方法などが挙げられる。
また、前記ポリマーの分子構造を制御するためには、前記圧縮性流体を用いた前記開環重合性モノマーの重合反応終了後に、得られたポリマーと、前記イソシアネート化合物及び前記グリシジル化合物の少なくともいずれかとを反応させる方法がより好ましい。前記反応は、前記圧縮性流体中で行うことが好ましい。
前記イソシアネート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記グリシジル化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジグリシジルテレフタレートなどが挙げられる。
従来の開環重合性モノマーの溶融重合法では、150℃以上と高温での反応のため、ポリマー中にある一定量の未反応のモノマーが残存していることが一般的であり、そのため未反応のモノマーを除去する工程が必要となる場合がある。また、溶液重合法においても、得られたポリマーを固体で使用するためには溶媒を除去する工程が必要となることから、いずれの方法でも、工程の増加や、収率低下によるコストアップが避けられない。
しかし、本発明のポリマーの製造方法を用いる場合、下記の理由(1)〜(6)により、低コスト、低環境負荷、省エネルギー、省資源の点で優れ、成形加工性、熱安定性に優れたポリマーの提供が可能となる。
(1)溶融重合法と比較して、低温で反応が進む。
(2)低温で反応が進むので、副反応もほとんど起こらず、加えた開環重合性モノマーに対して高収率でポリマーが得られる(即ち未反応の開環重合性モノマーが少ない)。そのため、成形加工性、熱安定性に優れたポリマーを得るための未反応モノマーの除去等の精製工程を簡略化又は省略できる。
(3)ポリマーに金属触媒を含有しないので、その除去工程が不要である。
(4)廃液等も発生せず、乾燥したポリマーが1段階の工程で得られることから、乾燥工程も簡略化又は省略できる。
(5)高分子量のポリマーを高収率で製造できる。
(6)得られるポリマーの色相が優れる(YI値が小さい)。
ここで、高分子量とは、数平均分子量が、100,000以上のことをいう。
得られたポリマーは、食品包装材料や電子写真の現像剤、印刷用インク、建築用塗料、化粧品、医療用材料などの各種用途に用いることができる。
その際、成形性、二次加工性、分解性、引張強度、耐熱性、保存安定性、結晶性、耐候性などを向上させる目的で、各種添加剤、例えば、安定剤(エポキシ化大豆油、カルボジイミド等)、酸化防止剤(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール等)、防曇剤(グリセリン脂肪酸エステル、クエン酸モノステアリル等)、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、内部離型剤、結晶核剤効果を持つ無機添加剤(クレイ、タルク、シリカ等)、帯電防止剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、顔料(酸化チタン、カーボンブラック、群青等)、滑剤、天然物などを添加し、ポリマー組成物として使用してもよい。
前記ポリマー組成物における前記添加剤の配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリマー組成物100質量部に対して0質量部〜5質量部が好ましい。
(ポリマー生成物)
本発明のポリマー生成物は、開環重合性モノマーを開環重合して得られ、9−アザジュロリジン及び7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンの少なくともいずれかを含む。
前記ポリマー生成物は、前記ポリマーの製造方法によって得られることが好ましい。
前記開環重合性モノマーとしては、本発明の前記ポリマーの製造方法の説明において例示した前記開環重合性モノマーなどが挙げられる。好ましい態様も同様である。
前記ポリマー生成物は、ポリマーを含有する。前記ポリマーは、前記開環重合性モノマーを開環重合して得られる。前記開環重合としては、例えば、本発明の前記ポリマーの製造方法の説明において例示した前記重合工程における開環重合などが挙げられる。好ましい態様も同様である。
前記ポリマーの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、食品包装材料などの場合、数平均分子量Mnは、70,000以上が好ましく、100,000以上がより好ましい。
前記ポリマーの分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.5以下であることが、分解性の点から好ましい。
前記ポリマーは、ウレタン結合及びエーテル結合の少なくともいずれかを有していることが好ましい。
前記ポリマーに、ウレタン結合及びエーテル結合の少なくともいずれを導入する方法としては、例えば、前記開環重合性モノマーと、イソシアネート化合物及びグリシジル化合物の少なくともいずれかとを前記圧縮性流体中で重付加反応させる方法などが挙げられる。
また、前記ポリマーの分子構造を制御するためには、前記圧縮性流体を用いた前記開環重合性モノマーの重合反応終了後に、得られたポリマーと、前記イソシアネート化合物及び前記グリシジル化合物の少なくともいずれかとを反応させる方法がより好ましい。前記反応は、前記圧縮性流体中で行うことが好ましい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
なお、モノマーのポリマー転化率、並びに実施例及び比較例で得られたポリマーの分子量は次のようにして求めた。
<モノマーのポリマー転化率(モル%)>
モノマーのポリマー転化率は、以下の式により求めた。
モノマーのポリマー転化率(モル%)=100−未反応モノマー量(モル%)
ポリ乳酸の場合、未反応モノマー量(モル%)は、重クロロホルム中、日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置JNM−AL300を使用し、ポリ乳酸由来の四重線ピーク面積比(5.10ppm〜5.20ppm)に対するラクチド由来の四重線ピーク面積比(4.98ppm〜5.05ppm)として算出し、これを100倍して求めた。
ポリカプロラクトンの場合、未反応モノマー量(モル%)は、重クロロホルム中、日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置JNM−AL300を使用し、ポリカプロラクトン由来の三重線ピーク面積比(4.04ppm〜4.08ppm)に対するカプロラクトン由来の三重線ピーク面積比(4.22ppm〜4.25ppm)として算出し、これを100倍して求めた。
ポリカーボネートの場合、未反応モノマー量(モル%)は、重クロロホルム中、日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置JNM−AL300を使用し、ポリカーボネート由来の四重線ピーク面積比(4.22ppm〜4.25ppm)に対するエチレンカーボネート由来の一重線ピーク面積比(4.54ppm)として算出し、これを100倍して求めた。
<ポリマーの分子量測定>
GPC(gel permeation chromatography)により以下の条件で測定した。
・装置:GPC−8020(東ソー株式会社製)
・カラム:TSK G2000HXL及びG4000HXL(東ソー株式会社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分間
濃度0.5質量%の試料を1mL注入し、上記の条件で測定したポリマーの分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用してポリマーの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出した。分子量分布(Mw/Mn)は、前記Mwを前記Mnで除した値である。
<残存触媒量>
ポリマー生成物中の残存触媒量は、ポリマー生成物をジクロロメタンに均一に溶解し、アセトン/シクロヘキサン(1/1(質量比))混合溶液を加えてポリマー生成物を再沈させた上澄み液を、水素炎検出器(FID)付ガスクロマトグラフ(GC)に供し、残存触媒を分離し、内部標準法により定量することによりポリマー生成物中の残存触媒量を測定した。なお、ガスクロマトグラフィー(GC)測定は、以下の条件で行うことができる。各表中の「ppm」は質量分率を示す。
<<GC測定条件>>
・カラム :キャピラリーカラム
Agilent J&W GCカラム−DB−17ms(アジレント・テクノロジー株式会社製、長さ30m×内径0.25mm、厚み0.25μm)
・内部標準 :2,6−ジメチル−γピロン
・カラム流量:1.8mL/分間
・カラム温度:50℃、1分間保持。25℃/分間で定速昇温して320℃にした後、5分間保持。
・検出器 :水素炎イオン化法(FID)
<イエローインデックス(YI値)>
得られたポリマー生成物について、厚み2mm樹脂ペレットを作製してJIS−K7103に従い、SMカラーコンピューター(スガ試験機株式会社製)を用いて測定し、YI値を求めた。
(実施例1)
100mLの耐圧容器に、モノマーとして、ラクチド(L−ラクチド及びD−ラクチド混合物(質量比90/10)、製造会社名:ピューラック社)を5g、開始剤のラウリルアルコールをモノマー100モル%に対し3.00モル%、及び9−アザジュロリジン0.15g(モノマーに対して、2.5モル%)を仕込み、80℃まで昇温した。
次いで、超臨界二酸化炭素(80℃、10MPa)を充填し、80℃で12時間反応させた。
反応終了後、加圧ポンプと背圧弁を用い、背圧弁の出口側流量を5.0L/分間に調整し、30分間、超臨界二酸化炭素をフローして9−アザジュロリジンと残留モノマー(ラクチド)を除去した。
次いで、徐々に常温、及び常圧まで戻し、3時間後に、容器内部のポリマー生成物を取り出した。
このポリマー生成物について前述の方法で求めた物性値を表1に示した。
(実施例2、及び3)
実施例1において、開始剤量を表1に示す開始剤量に変えた以外は、実施例1と同様にして、ポリマー生成物を得た。
得られたポリマー生成物について実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例4)
実施例1において、開始剤量、及び反応圧力を、表1に示す開始剤量、及び反応圧力に変えた以外は、実施例1と同様にして、ポリマー生成物を得た。
得られたポリマー生成物について実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例5)
実施例1において、使用する有機触媒を7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(MTBD)に代えると共に、開始剤量、及び反応温度を、表1に示す開始剤量、及び反応圧力に変えた以外は、実施例1と同様にして、ポリマー生成物を得た。
得られたポリマー生成物について実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例6〜9)
実施例1において、開環重合性モノマー、有機触媒、開始剤量、及び反応温度を、表1に示す開環重合性モノマー、有機触媒、開始剤量、及び反応温度に変えた以外は、実施例1と同様にして、ポリマー生成物を得た。
得られたポリマー生成物について実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示した。
(実施例10)
100mLの耐圧容器に、モノマーとして、ラクチド(L−ラクチド及びD−ラクチド混合物(質量比90/10)、製造会社名:ピューラック社)を5g、開始剤のラウリルアルコールをモノマー100モル%に対し0.01モル%、及び9−アザジュロリジン0.15g(モノマーに対して、2.5モル%)を仕込み、80℃まで昇温した。
次いで、超臨界二酸化炭素(80℃、10MPa)を充填し、80℃で10時間反応させた。
続いて、開始剤に対して70モル%のイソホロンジイソシアネート(IPDI、伸長剤)をあらかじめ計量して別の容器に入れ、超臨界二酸化炭素(80℃、10MPa)を充填しておき、反応系と圧力を均等にした後に自重で滴下し、80℃で10時間反応させた。加圧ポンプと背圧弁を用い、背圧弁の出口側流量を5.0L/分間に調整し、30分間、超臨界二酸化炭素をフローして9−アザジュロリジンと残留モノマー(ラクチド)を除去した。
次いで、徐々に常温、常圧まで戻し、3時間後に、容器内部のポリマー生成物を取り出した。
得られたポリマー生成物について実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示した。
(比較例1、及び2)
実施例1において、有機触媒を表4に示す有機触媒に代えた以外は、実施例1と同様にして、ポリマー生成物を得た。
得られたポリマー生成物について実施例1と同様の評価を行った。結果を表4に示した。
(比較例3、及び4)
実施例3において、有機触媒を表4に示す有機触媒に代えた以外は、実施例3と同様にして、ポリマー生成物を得た。
得られたポリマー生成物について実施例1と同様の評価を行った。結果を表4に示した。
Figure 2014221855
Figure 2014221855
Figure 2014221855
Figure 2014221855
表1〜4において、触媒量(モル%)は、開環重合性モノマーに対する量(モル%)である。開始剤量(モル%)は、開環重合性モノマーに対する量(モル%)である。
表4中、「DMAP」は、4−ジメチルアミノピリジンを表す。「TBD」は、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンを表す。
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1> 圧縮性流体中で、9−アザジュロリジン及び7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンの少なくともいずれかを用いて、開環重合性モノマーを開環重合することを特徴とするポリマーの製造方法である。
<2> 前記開環重合性モノマーのポリマー転化率が、95モル%以上である前記<1>に記載のポリマーの製造方法である。
<3> 前記圧縮性流体が、二酸化炭素である前記<1>から<2>のいずれかに記載のポリマーの製造方法である。
<4> 前記開環重合性モノマーが、エステル結合を環内に有する開環重合性モノマーである前記<1>から<3>のいずれかに記載のポリマーの製造方法である。
<5> 前記エステル結合を環内に有する開環重合性モノマーが、環状エステル及び環状カーボネートの少なくともいずれかである前記<4>に記載のポリマーの製造方法である。
<6> 前記環状エステルが、下記一般式(1)で表される化合物のL体及びD体の少なくともいずれかを脱水縮合して得られる環状二量体である前記<5>に記載のポリマーの製造方法である。
R−C*−H(−OH)(−COOH) 一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基を表し、「C*」は、不斉炭素を表す。
<7> 前記環状二量体が、乳酸ラクチドである前記<6>に記載のポリマーの製造方法である。
<8> 製造されるポリマーの分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.5以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載のポリマーの製造方法である。
<9> 製造されるポリマーが、ウレタン結合及びエーテル結合の少なくともいずれかを有する前記<1>から<8>のいずれかに記載のポリマーの製造方法である。
<10> 開環重合性モノマーを開環重合して得られ、9−アザジュロリジン及び7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンの少なくともいずれかを含むことを特徴とするポリマー生成物である。
<11> 前記開環重合性モノマーが、エステル結合を環内に有する開環重合性モノマーである前記<10>に記載のポリマー生成物である。
<12> 前記エステル結合を環内に有する開環重合性モノマーが、環状エステル及び環状カーボネートの少なくともいずれかである前記<11>に記載のポリマー生成物である。
<13> 前記環状エステルが、下記一般式(1)で表される化合物のL体及びD体の少なくともいずれかを脱水縮合して得られる環状二量体である前記<12>に記載のポリマー生成物である。
R−C*−H(−OH)(−COOH) 一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基を表し、「C*」は、不斉炭素を表す。
<14> 前記環状二量体が、乳酸ラクチドである前記<13>に記載のポリマー生成物である。
<15> 前記開環重合性モノマーを開環重合して得られるポリマーを含有し、前記ポリマーの分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.5以下である前記<10>から<14>のいずれかに記載のポリマー生成物である。
<16> 前記開環重合性モノマーを開環重合して得られるポリマーを含有し、前記ポリマーが、ウレタン結合及びエーテル結合の少なくなくともいずれかを有する前記<10>から<15>のいずれかに記載のポリマー生成物である。
特開2008−063420号公報 特開2009−001619号公報 特開2011−208115号公報
Ganapathy,H.S.;Hwang,H.S.;Jeong,Y.T.;LEE,W−T.;Lim,K.T.Eur Polym J.2007,43(1),119−126. 「超臨界流体の最新応用技術」、第173頁、2004年3月15日、株式会社エヌ・ティー・エス発行

Claims (14)

  1. 圧縮性流体中で、9−アザジュロリジン及び7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンの少なくともいずれかを用いて、開環重合性モノマーを開環重合することを特徴とするポリマーの製造方法。
  2. 前記開環重合性モノマーのポリマー転化率が、95モル%以上である請求項1に記載のポリマーの製造方法。
  3. 前記圧縮性流体が、二酸化炭素である請求項1から2のいずれかに記載のポリマーの製造方法。
  4. 前記開環重合性モノマーが、エステル結合を環内に有する開環重合性モノマーである請求項1から3のいずれかに記載のポリマーの製造方法。
  5. 前記エステル結合を環内に有する開環重合性モノマーが、環状エステル及び環状カーボネートの少なくともいずれかである請求項4に記載のポリマーの製造方法。
  6. 前記環状エステルが、下記一般式(1)で表される化合物のL体及びD体の少なくともいずれかを脱水縮合して得られる環状二量体である請求項5に記載のポリマーの製造方法。
    R−C*−H(−OH)(−COOH) 一般式(1)
    ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基を表し、「C*」は、不斉炭素を表す。
  7. 前記環状二量体が、乳酸ラクチドである請求項6に記載のポリマーの製造方法。
  8. 製造されるポリマーの分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.5以下である請求項1から7のいずれかに記載のポリマーの製造方法。
  9. 製造されるポリマーが、ウレタン結合及びエーテル結合の少なくともいずれかを有する請求項1から8のいずれかに記載のポリマーの製造方法。
  10. 開環重合性モノマーを開環重合して得られ、9−アザジュロリジン及び7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンの少なくともいずれかを含むことを特徴とするポリマー生成物。
  11. 前記開環重合性モノマーが、エステル結合を環内に有する開環重合性モノマーである請求項10に記載のポリマー生成物。
  12. 前記エステル結合を環内に有する開環重合性モノマーが、環状エステル及び環状カーボネートの少なくともいずれかである請求項11に記載のポリマー生成物。
  13. 前記開環重合性モノマーを開環重合して得られるポリマーを含有し、前記ポリマーの分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.5以下である請求項10から12のいずれかに記載のポリマー生成物。
  14. 前記開環重合性モノマーを開環重合して得られるポリマーを含有し、前記ポリマーが、ウレタン結合及びエーテル結合の少なくなくともいずれかを有する請求項10から13のいずれかに記載のポリマー生成物。
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