JP2014221734A - ジンゲロール類を有効成分として含有する肝細胞活性化剤、並びに該肝細胞活性化剤を含有する固形製剤、液状製剤及び機能性食品 - Google Patents
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Abstract
Description
また、肝臓疾患の予防剤、改善剤、治療剤としては、生体に対する安全性が高く、飲食品の成分として使用できるものが好ましい。
<1> ジンゲロール類を有効成分として含有する肝細胞活性化剤。
<2> 前記ジンゲロール類が、6−ジンゲロールである前記<1>に記載の肝細胞活性化剤。
<3> 前記<1>または<2>に記載の肝細胞活性化剤を含有する固形製剤。
<4> 前記<1>または<2>に記載の肝細胞活性化剤を含有する液状製剤。
<5> 前記<1>または<2>に記載の肝細胞活性化剤を含有する機能性食品。
本発明の肝細胞活性化剤は、ジンゲロール類を有効成分として含有することを特徴とする。
特に肝細胞内のミトコンドリアが活性化することにより、肝臓の代謝を活性化し、脂肪を燃焼する効果があるので、本発明の肝細胞活性化剤は、脂肪肝の予防、改善、治療に効果的であると予測される。そのため、本発明の肝細胞活性化剤は、脂肪肝の予防剤、改善剤、治療剤の用途で使用できる。なお、脂肪肝はアルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪肝のどちらも対象になる。
本発明の肝細胞活性化剤の有効成分であるジンゲロール類は、下記式(1)で表される化合物である。
投与量は、通常成人一人当たり1日につきジンゲロール類換算で0.1〜1000mg程度である。1〜3回に分けて経口あるいは非経口投与される。なお、本発明における摂取量は、対象者の年齢、性別、体重、病状などの個別差により一定ではないため、上記範囲にのみ限定されるものではなく、本発明の所望の効果が得られるように、個別具体的に投与量を適宜設定すればよい。
本発明の肝細胞活性化剤は、その有効量を薬学的に許容される担体とともに配合し、固形製剤又は液状製剤として経口又は非経口的に投与することができる。剤形は通常の経口投与または非経口投与に使用されるものならどのような剤形でもよい。
経口投与または非経口投与に利用される剤形としては、具体的には、固形製剤として、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、トローチ等が挙げられる。また、液状製剤として内用液剤、外用液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、注射液、輸液等が例示され、これら剤形やその他の剤形が目的に応じて適宜選択される。
固形製剤における賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、D−マンニトール、デンプンなどが挙げられる。結合剤の好適な例としては、例えば、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。崩壊剤の好適な例としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等が挙げられる。また、必要に応じて防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いてもよい。
溶解補助剤の好適な例としては、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、安息香酸ベンジル、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。懸濁化剤の好適な例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カヒドロキシメチルセルロース等が挙げられる。緩衝剤の好適な例としては、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩等の緩衝液が挙げられる。抗酸化剤の好適な例としては、亜硫酸塩、アスコルビン酸塩などが挙げられる。
一方、日常的に飲食することで、本発明の肝細胞活性化剤を摂取したい場合には、該食品、飲料に含有させて機能性食品としてもよい。
ここでいう「機能性食品」とは、一般食品に加えて、健康食品、栄養補助食品、栄養機能食品、栄養保険食品等、健康の維持の目的で摂取する食品および/又は飲料を意味している。なお、機能性食品として製品化する場合には、食品に用いられる様々な添加剤、具体的には、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤漂白剤、防菌防黴剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料等を添加していてもよい。
本発明の肝細胞活性化剤は、このような食品、飲料に添加することにより、簡易に経口摂取することができる。
供試細胞にはヒト肝臓がん細胞である Hep G2を用いた。この細胞をペニシリン(50 units/mL)とストレプトマイシン(50μL/mL)の混合溶液1%(v/v)、並びにウシ胎仔血清(FBS) 10%(v/v)を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)にて37℃、CO2 5%の条件下で培養した。
SPRシグナルの測定は測定対象物である細胞の上部に蛍光顕微鏡、下部にSPRセンサーを有するカスタムメイドの高精度表面プラズモン共鳴装置で行った。図1に模式図を示す。SPRセンサーはkretschmann配置の光学系を用い、プリズムにBK7(屈折率1.51)、光源として半導体レーザー(波長670nm、出力3mW、ビーム径1mm)、検出器にはシリコンフォトダイオード検出器を用いた。測定は大気下で行った。
細胞を一晩CO2インキュベータ内(37℃、CO2 5%)で基板上に接着した後、HP−SPR装置のプリズム上にセットし、6−ジンゲロール(6-Gingerol,Sigma)の濃度が0、1nM、5nM及び10nM(DMSOの最終濃度0.01%)の各培養液を供与した。
各成分が細胞に作用する時間帯であるサンプル投入後45分から55分間のおける安定した直線的なシグナル部分を5分間モニター、さらにサンプル成分が細胞に代謝され作用し始める時間帯である薬剤投入後55分以降で、安定した直線的なシグナル部分を5分間モニターし、各細胞におけるコントロールの変化率を差し引き、HP−SPR角度変化率として求めた。結果を図3に示す。各バーは、測定二回の平均値を、エラーバーは二回のそれぞれの値を示す。
まず、試験の方法で45分待機してから測定に入る場合(Primary effect)と55分待機してから測定に入る場合(Secondary effect)を検討しているが、これは成分が肝臓で代謝され、変換されてから効果を示している場合も多いことから、このような二つの時間帯に設定した。こういう事象は、肝臓の代謝においては良く認められる。
図3に見られるように、サンプルの各種濃度により、HP−SPRの角度変化が認められた。HP−SPR試験法では、経時的なシグナルの変化は、上昇の場合はミトコンドリアの脱分極、下降の場合は分極を表わすことが判明している。
以上から、6−ジンゲロールは、肝細胞を活性化することが判明し、肝臓の代謝を活性化し、脂肪を燃焼する効果があることが示唆された。
Claims (5)
- ジンゲロール類を有効成分として含有することを特徴とする肝細胞活性化剤。
- 前記ジンゲロール類が、6−ジンゲロールである請求項1に記載の肝細胞活性化剤。
- 請求項1または2に記載の肝細胞活性化剤を含有することを特徴とする固形製剤。
- 請求項1または2に記載の肝細胞活性化剤を含有することを特徴とする液状製剤。
- 請求項1または2に記載の肝細胞活性化剤を含有することを特徴とする機能性食品。
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