JP2014220968A - 永久磁石式電動機の回転子 - Google Patents

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Abstract

【課題】組立精度及び組立作業性を損なうことなく、回転子鉄心の構造簡易化及び共通化を図ることができる永久磁石式電動機の回転子を提供する。【解決手段】永久磁石式電動機の回転子において、固定子により生成される回転磁界によって回転軸を中心として回転可能な回転子鉄心31と、磁性体からなり、前記回転子鉄心の外周面に、前記回転子鉄心の径方向に沿って着脱可能に取り付けられた複数の保持部材40と、前記複数の保持部材のそれぞれに設けられ、前記回転子鉄心とは接触しないように配置された永久磁石32と、を備える。【選択図】図2

Description

この発明は、永久磁石式電動機の回転子に関するものである。
従来における永久磁石式電動機の回転子においては、回転子鉄心の外周面に周方向に巻き付けられるとともに貫通された複数の第1の孔を有する非磁性の巻き付け板部材と、第1の孔に嵌め込まれるとともに回転子鉄心の外周面に固着された永久磁石と、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−101491号公報 特開2005−020892号公報
しかしながら、特許文献1に示された従来における永久磁石式電動機の回転子においては、巻き付け板部材は薄い板形状であるため変形しやすく、組立精度や組保作業性が悪くなってしまう。また、巻き付け板部材に設けられた磁石の位置決め用の孔(第1の孔)の深さが、磁石の厚みに対して十分ではないため、磁石の位置決めの際に位置がずれやすく、磁石を取り付けた後の固定性も不足しがちである。さらに、磁石を回転子鉄心の外周面に接着等して固定するため、磁石の交換や配置の変更は困難である。
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、組立精度及び組立作業性を損なうことなく、回転子鉄心の構造簡易化及び共通化を図ることができる永久磁石式電動機の回転子を得るものである。
この発明に係る永久磁石式電動機の回転子においては、固定子により生成される回転磁界によって回転軸を中心として回転可能な回転子鉄心と、磁性体からなり、前記回転子鉄心の外周面に、前記回転子鉄心の径方向に沿って着脱可能に取り付けられた複数の保持部材と、前記複数の保持部材のそれぞれに設けられ、前記回転子鉄心とは接触しないように配置された永久磁石と、を備えた構成とする。
この発明に係る永久磁石式電動機の回転子においては、組立精度及び組立作業性を損なうことなく、回転子鉄心の構造簡易化及び共通化を図ることができるという効果を奏する。
この発明の実施の形態1に係る永久磁石式電動機の要部断面図である。 この発明の実施の形態1に係る永久磁石式電動機の回転子の正面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転子の図2中の矢印Aの示す方向から見た矢視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転子の図3中の断面B−Bにおける部分断面図である。 この発明の実施の形態2に係る回転子の正面図である。 この発明の実施の形態2に係る回転子が備える保持部材の斜視図である。 この発明の実施の形態3に係る回転子の図3に相当する図である。 この発明の実施の形態3に係る回転子が備える保持部材の斜視図である。 この発明の実施の形態4に係る回転子の図3に相当する図である。 この発明の実施の形態4に係る回転子が備える保持部材の斜視図である。
この発明を添付の図面に従い説明する。各図を通じて同符号は同一部分又は相当部分を示しており、その重複説明は適宜に簡略化又は省略する。
実施の形態1.
図1から図4は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1は永久磁石式電動機の要部断面図、図2は永久磁石式電動機の回転子の正面図、図3は回転子の図2中の矢印Aの示す方向から見た矢視図、図4は回転子の図3中の断面Bにおける部分断面図である。
図1に示すように、永久磁石式電動機1は、フレーム10と、このフレーム10内に設けられた固定子20及び回転子30とを備えている。固定子20は、永久磁石式電動機1のフレーム10の内周面に、環状に配置されて取り付けられている。固定子20は、複数の固定子鉄心21それぞれの周囲に固定子コイル22が巻き回されることにより構成されている。
環状に配置された固定子20の内側には、回転子30が設けられている。回転子30は、略円柱状を呈する回転子鉄心31と、回転子鉄心31の外周に配置された永久磁石32とを備えている。回転子鉄心31は、回転軸33を中心として回転可能に取り付けられる。回転子鉄心31と回転軸33とはボス34を介して固定されている。
固定子20の固定子コイル22に電流が流されることにより、固定子20は電磁石となり磁界が生成される。永久磁石式電動機1の回転駆動時には、固定子コイル22に流す電流を制御することで、固定子20によりフレーム10内に回転磁界が生成される。すると、回転子30は、固定子20により生成された回転磁界の作用によって、環状の固定子20の内側において回転軸33を中心として回転する。
次に、回転子30の構成について、図2から図4を参照しながら説明する。回転子鉄心31の外周面には、複数の保持部材40が取り付けられている。これらの保持部材40は、磁性体からなる。これらの保持部材40のそれぞれは、回転子鉄心31の外周面に対して、回転子鉄心31の径方向に沿って着脱可能に取り付けられている。複数の保持部材40は、回転子鉄心31の外周面に、周方向に整列されて配置される。
回転子鉄心31の外周面に取り付けられた複数の保持部材40のそれぞれに、永久磁石32が取り付けられる。各保持部材40の外周側の面には、溝部41が設けられている。溝部41は、保持部材40の外周側の面から内周側へと凹んだ形状を呈する。この際、溝部41は、保持部材40の内周側の面にまで貫通しないように形成される。永久磁石32は、溝部41に係合されることにより、各保持部材40の外面に保持される。こうして取り付けられた永久磁石32と、回転子鉄心31の外周面との間には、必ず保持部材40が存在する。したがって、永久磁石32は、回転子鉄心31とは接触しないように配置される。
このように構成された永久磁石式電動機1の回転子30は、固定子20により生成される回転磁界によって回転軸33を中心として回転可能な回転子鉄心31と、磁性体からなり、回転子鉄心31の外周面に、回転子鉄心31の径方向に沿って着脱可能に取り付けられた複数の保持部材40と、複数の保持部材のそれぞれに設けられ、回転子鉄心31とは接触しないように配置された永久磁石32と、を備えている。
ここで、一般に、永久磁石式電動機においては、回転子の外周面に設けられる永久磁石の配置(磁石の形状、数量、配置方法(スキューの有無、スキュー角度)等)が、その負荷特性に応じて異なることが通常である。
このような事情において、この発明の実施の形態1に係る永久磁石式電動機1の回転子30は、上述したような構成を備えているため、保持部材40の形状を変えることで、回転子鉄心31自体の形状を変えることなく、様々な永久磁石32の配置に対応することができる。したがって、電動機の負荷特性毎に回転子鉄心の形状・構造を変える必要が無く、回転子鉄心31の構造簡易化及び共通化が可能となる。
また、この際、それぞれの保持部材40は、他の保持部材40に影響を与えることも、また逆に他の保持部材40から影響を受けることもなく、回転子鉄心31に対して回転子鉄心31の外周側から単独で着脱することができる。このため、回転子鉄心31に対して容易に永久磁石32の取り付け、取り外し、あるいは、永久磁石32の配置変更等を行うことが可能であって、組立作業性を良好なものとすることができる。
さらに、また、保持部材40及び永久磁石32の回転子鉄心31への取り付け工程において、保持部材40の変形を伴わないため、部材の変形による組立精度の悪化を回避できる。加えて、取付用の溝部41の深さを、永久磁石32の厚みに合わせて十分に確保することができるため、保持部材40への永久磁石32の取付作業時における位置決めが容易であり、作業性を損ねることがない。
以上のように、この発明の実施の形態1に係る永久磁石式電動機1の回転子30によれば、組立精度及び作業性を損なうことなく、回転子鉄心31の構造簡易化及び共通化を図ることが可能である。
実施の形態2.
図5及び図6は、この発明の実施の形態2に係るもので、図5は回転子の正面図、図6は回転子が備える保持部材の斜視図である。
この実施の形態2においては、図5に示すように、前述した実施の形態1と同様に、回転子鉄心31の外周面には、複数の保持部材40が周方向に整列されて取り付けられている。この実施の形態2における保持部材40の構成を、図6を参照しながら説明する。
この図6に示すように、保持部材40の外周側の面には、永久磁石32が係合されて固定される溝部41が設けられている。さらに、保持部材40における回転子鉄心31の回転軸33に沿った方向の両端部には、係止部42がそれぞれ設けられている。これらの係止部42は、保持部材40の両端部において、内周側へと突出して設けられた板状の部材からなる。
保持部材40の回転軸33に沿った方向の長さは、回転子鉄心31の回転軸33に沿った方向の長さと比較して、係止部42の厚みの分だけ大きい。このため、保持部材40を回転子鉄心31の外周面に配置すると、保持部材40の係止部42は、それぞれが回転子鉄心31の両端面にあてがわれる。
それぞれの係止部42における略中央には、第1のボルト孔43aが穿設されている。回転子30の組み立ての際には、保持部材40の係止部42が回転子鉄心31の両端面にそれぞれあてがわれた状態で、第1のボルト孔43aにはボルト44が挿通される。そして、このボルト44を締結することで、保持部材40は、係止部42において回転子鉄心31の両端面にそれぞれ係止される。
このようにして、各保持部材40は、回転軸33に沿った方向の両端部にそれぞれ設けられた係止部42において回転子鉄心31の両端面にそれぞれ係止されることにより、回転子鉄心31に取り付けられる。なお、図5中の矢印Cに示す方向からの矢視図は、実施の形態1で示した図3と全く同じものとなる。
他の構成については実施の形態1と同様であって、その詳細説明は省略する。
以上のように構成された永久磁石式電動機1の回転子30においても、前述した実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
実施の形態3.
図7及び図8は、この発明の実施の形態3に係るもので、図7は回転子の図3に相当する図、図8は回転子が備える保持部材の斜視図である。
この実施の形態3においては、図7に示すように、前述した実施の形態1と同様に、回転子鉄心31の外周面には、複数の保持部材40が周方向に整列されて取り付けられている。この実施の形態3における保持部材40の構成を、図8を参照しながら説明する。
この図8に示すように、保持部材40の外周側の面には、永久磁石32が係合されて固定される溝部41が設けられている。さらに、保持部材40における溝部41の両側部には、外周側から内周側へと貫通する第2のボルト孔43bが複数設けられている。回転子30の組み立ての際には、まず、保持部材40が回転子鉄心31の外周面に並べられて配置される。次に、この状態で、第2のボルト孔43bにはボルト44が挿通される。そして、ボルト44を締結することで、保持部材40は、回転子鉄心31の外周面に係止されて、回転子鉄心31に取り付けられる。
ここで、保持部材40は外周側から挿通されたボルト44により回転子鉄心31に取り付けられるため、保持部材40を回転子鉄心31の回転軸33に沿った方向に複数並べることができる。したがって、図7に示すように、回転軸33に沿った方向において、保持部材40を徐々に周方向にずらして配置することで、容易にスキューを付けた状態を実現することができる。
なお、図7中の矢印Dに示す方向からの矢視図は、実施の形態1で示した図2と全く同じものとなる。また、図7中の断面Eにおける断面図は、実施の形態1で示した図4と全く同じである。
他の構成については実施の形態1と同様であって、その詳細説明は省略する。
以上のように構成された永久磁石式電動機1の回転子30においても、前述した実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
実施の形態4.
図9及び図10は、この発明の実施の形態4に係るもので、図9は回転子の図3に相当する図、図10は回転子が備える保持部材の斜視図である。
この実施の形態4においては、図9に示すように、前述した実施の形態1と同様に、回転子鉄心31の外周面には、複数の保持部材40が周方向に整列されて取り付けられている。この実施の形態3における保持部材40の構成を、図10を参照しながら説明する。
この図10に示すように、保持部材40の外周側の面には、永久磁石32が係合されて固定される溝部41が設けられている。さらに、保持部材40における回転子鉄心31の回転軸33に沿った方向の一端部には、係止部42が設けられている。この係止部42は、保持部材40の一端部において、内周側へと突出して設けられた板状の部材からなる。
係止部42の略中央には、第1のボルト孔43aが穿設されている。また、保持部材40における溝部41の両側部には、外周側から内周側へと貫通する第2のボルト孔43bが設けられている。第2のボルト孔43bは、保持部材40における係止部42が設けられた側とは反対側寄りに配置されている。
回転子30の組み立ての際には、保持部材40の係止部42が回転子鉄心31の両端面の一方にあてがわれた状態で、第1のボルト孔43aにはボルト44が挿通される。また、回転子鉄心31の外周面に配置された保持部材40の第2のボルト孔43bにも、ボルト44が挿通される。そして、これらボルト44を締結することで、保持部材40は、係止部42において回転子鉄心31の両端面の一方に係止されるとともに、回転子鉄心31の外周面にも係止される。
このようにして、保持部材40は、回転軸33に沿った方向の一端部に設けられた係止部42において回転子鉄心31の両端面の一方に係止され、かつ、回転子鉄心31の外周面に係止されることにより、回転子鉄心31に取り付けられる。
この際、係止部42において回転子鉄心31の両端面の一方に係止するため、このような構成の保持部材40のみを用いた場合、保持部材40を回転子鉄心31の回転軸33に沿った方向に2つ並べることができる。
また、さらに、保持部材40を回転子鉄心31の回転軸33に沿った方向に3つ以上並べたい場合には、図10に示すように、回転軸33に沿った方向の両端に保持部材40を配置し、その中間に配置されるものについては、実施の形態3で説明した構成を備えた中間部用保持部材40’を用いるようにすればよい。すなわち、中間部用保持部材40’には、係止部42は設けられず、第2のボルト孔43bのみが設けられる。
なお、図9中の矢印Fに示す方向からの矢視図は、実施の形態2で示した図5と全く同じものとなる。また、図9中の断面Gにおける断面図は、実施の形態1で示した図4と全く同じである。
他の構成については実施の形態1と同様であって、その詳細説明は省略する。
以上のように構成された永久磁石式電動機1の回転子30においても、前述した実施の形態1と同様の効果を奏することができる。また、実施の形態3と同様、回転軸33に沿った方向に保持部材40を複数並べることができ、容易にスキューを付けた状態を実現することが可能である。
1 永久磁石式電動機、 10 フレーム、 20 固定子、 21 固定子鉄心、 22 固定子コイル、 30 回転子、 31 回転子鉄心、 32 永久磁石、 33 回転軸、 34 ボス、 40 保持部材、 40’ 中間部用保持部材、 41 溝部、 42 係止部、 43a 第1のボルト孔、 43b 第2のボルト孔、 44 ボルト

Claims (5)

  1. 固定子により生成される回転磁界によって回転軸を中心として回転可能な回転子鉄心と、
    磁性体からなり、前記回転子鉄心の外周面に、前記回転子鉄心の径方向に沿って着脱可能に取り付けられた複数の保持部材と、
    前記複数の保持部材のそれぞれに設けられ、前記回転子鉄心とは接触しないように配置された永久磁石と、を備えたことを特徴とする永久磁石式電動機の回転子。
  2. 前記保持部材は、前記回転軸に沿った方向の両端部にそれぞれ設けられた係止部において前記回転子鉄心の両端面にそれぞれ係止されることにより、前記回転子鉄心に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石式電動機の回転子。
  3. 前記保持部材は、前記回転子鉄心の外周面に係止されることにより、前記回転子鉄心に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石式電動機の回転子。
  4. 前記保持部材は、前記回転軸に沿った方向の一端部に設けられた係止部において前記回転子鉄心の両端面の一方に係止され、かつ、前記回転子鉄心の外周面に係止されることにより、前記回転子鉄心に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石式電動機の回転子。
  5. 前記永久磁石は、前記保持部材の外周側に設けられた溝部に係合されることによって当該保持部材に保持されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の永久磁石式電動機の回転子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018100728A1 (ja) * 2016-12-02 2018-06-07 三菱電機株式会社 アウターロータ型回転電機およびエレベータ用巻上機

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