JP2014219295A - 標的粒子の検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】標的粒子を、発光プローブを用いて間接的に、かつ高感度に検出する方法の提供。【解決手段】溶液中にて分散しランダムに運動する粒子を、発光プローブを用いて間接的に検出する方法であって、標的粒子と、前記標的粒子と直接的又は間接的に結合する発光プローブと、前記発光プローブとは独立して前記標的粒子と直接的又は間接的に結合する固相担体とを含む複合体を形成させ、前記複合体を、水溶性有機溶媒又は水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を用いて洗浄した後に回収した後、当該複合体から発光プローブを解離させて、遊離の発光プローブを固相担体から分離して回収してこれを含む測定試料溶液を調製し、当該測定試料溶液中の発光プローブの分子数を走査分子計数法、蛍光相関分光法、蛍光強度分布解析法、又は蛍光偏光強度分布解析法により算出する標的粒子の検出方法。【選択図】図1
Description
本発明は、共焦点顕微鏡や多光子顕微鏡の光学系などの溶液中の微小領域からの光が検出可能な光学系を用いて、標的粒子を検出する方法に関する。
近年の光計測技術の発展により、共焦点顕微鏡や多光子顕微鏡の光学系などの溶液中の微小領域からの光が検出可能な光学系とフォトンカウンティング(1光子検出)も可能な超高感度の光検出技術とを用いて、一光子又は蛍光一分子レベルの微弱光の検出・測定が可能となっている(一分子光検出技術)。そこで、そのような一分子光検出技術を用いて、生体分子等の分子間相互作用又は結合・解離反応の検出を行う装置又は方法が種々提案されている。特に、蛍光相関分光分析(Fluorescence Correlation Spectroscopy:FCS)、蛍光強度分布分析(Fluorescence-Intensity Distribution Analysis:FIDA)等の共焦点顕微鏡の光学系とフォトンカウンティング技術とを用いた微小領域(顕微鏡のレーザ光が集光された焦点領域−コンフォーカル・ボリュームと称される。)の蛍光測定技術を用いた方法によれば、測定に必要な試料は、従前に比して極めて低濃度かつ微量でよく(一回の測定で使用される量は、たかだか数十μL程度)、測定時間も大幅に短縮される(一回の測定で秒オーダーの時間の計測が数回繰り返される。)。
最近、共焦点顕微鏡又は多光子顕微鏡の光学系等の溶液中の微小領域からの光が検出可能な光学系を用いて、試料溶液内に於いて光の検出領域である微小領域の位置を移動させながら、当該微小領域内を横切る発光粒子(光を発する粒子)を個別に検出する新規な方式の光分析技術(走査分子計数法)が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。走査分子計数法は、具体的には、共焦点顕微鏡又は多光子顕微鏡の光学系を用いて、試料溶液内において前記光学系の光検出領域の位置を移動させながら、当該光検出領域中の発光粒子から発せられる光を検出し、これにより、試料溶液中の発光粒子の一つ一つを個別に検出して、発光粒子のカウンティングや試料溶液中の発光粒子の濃度又は数密度に関する情報の取得を可能にする技術である。
走査分子計数法は、その光検出機構自体については、FIDA等の光分析技術の場合と同様に、共焦点顕微鏡又は多光子顕微鏡の光検出領域からの光を検出するよう構成されているため、FIDA等と同様に試料溶液の量は微量(例えば、数十μL程度)であってよく、また測定時間が短い。一方で、走査分子計数法においては、蛍光強度のゆらぎを算出するといった統計的処理を要するFIDA等と異なり、このような統計的処理が実行されない。このため、走査分子計数法の光分析技術は、粒子の数密度又は濃度がFIDA等の光分析技術に必要であったレベルよりも大幅に低い試料溶液に適用可能である。つまり、発光プローブによって標識された試料溶液中の標的粒子(観測対象粒子)を、走査分子計数法を利用して検出することにより、試料溶液中の標的粒子の濃度又は数密度が非常に低い場合であっても、標的粒子の状態又は特性を検出し解析することができる(例えば、特許文献4参照。)。
一方、標的粒子を検出する場合には、検出感度及び精度を高めるために、予め標的物質を精製しておく場合がある。当該精製には、標的粒子を固相担体に結合させてその他の物質から分離回収する手法が一般的に用いられている。この固相担体を用いた回収方法において、標的粒子を高純度に回収するためには、標的粒子を結合させた固相担体を、界面活性剤等を含むバッファー等により洗浄し、当該固相担体に非特異的に結合している他の物質を充分に除去した後に、当該固相担体から標的粒子を分離回収することが重要である。例えば、非特許文献1では、検出対象である核酸を固相担体に結合させた後、当該固相担体をまず水で洗浄し、その後ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含むSSCバッファーにより洗浄することで、検出対象以外の物質を除去している。
ソン(Song)、他6名、セラノスティックス(Theranostics)、2012年、第2巻、第10号、第967〜975ページ。
FCSや走査分子計数法等の一分子光検出技術においては、測定試料たる蛍光粒子を固相担体を用いて分離回収する際に、界面活性剤等を含むバッファー等により充分に洗浄したとしても、ノイズが大きくなり、検出感度を高めることが困難であった。
本発明は、発光プローブを用いて間接的に標的粒子を検出する方法において、共焦点顕微鏡や多光子顕微鏡の光学系などの溶液中の微小領域からの光が検出可能な光学系を用いた一分子光検出技術を用いて、標的粒子を高感度に検出する方法を提供することを目的としている。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、発光プローブを用いて間接的に標的粒子を検出する方法において、当該発光プローブを一分子光検出技術を利用して検出する場合に、発光プローブと結合した標的粒子を固相担体に結合させて遊離の発光プローブと分離した後、当該固相担体から発光プローブを分離回収する前に、当該固相担体を水溶性有機溶媒又は水溶性有機溶媒と水との混合溶媒で洗浄することにより、発光プローブ検出時のノイズを低減させて検出感度を向上させられることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明に係る標的粒子の検出方法は下記[1]〜[7]である。
[1] 溶液中にて分散しランダムに運動する粒子を、発光プローブを用いて間接的に検出する方法であって、
(a)検出の対象である標的粒子と、前記標的粒子と直接的又は間接的に結合する発光プローブと、前記発光プローブとは独立して前記標的粒子と直接的又は間接的に結合する固相担体とを含む複合体を形成する工程と、
(b)前記工程(a)の後、前記複合体を、水溶性有機溶媒又は水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を用いて洗浄した後に回収する工程と、
(c)前記工程(b)において回収された複合体から前記発光プローブを解離させた後、遊離の発光プローブを前記固相担体から分離して回収し、当該遊離の発光プローブを含む測定試料溶液を調製する工程と、
(d)前記工程(c)の後、前記測定試料溶液中の前記発光プローブの分子数を、走査分子計数法、蛍光相関分光法、蛍光強度分布解析法、又は蛍光偏光強度分布解析法により算出する工程と、
を有することを特徴とする標的粒子の検出方法。
[2] 前記水溶性有機溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メルカプトエタノール、アセトン、ホルムアミド、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、グリオキサール、アセトニトリル、及びテトラヒドロフランからなる群より選択される1種以上である、前記[1]の標的粒子の検出方法。
[3] 前記水溶性有機溶媒が、エタノール及びプロパノールからなる群より選択される1種以上である、前記[1]の標的粒子の検出方法。
[4] 前記工程(b)において、前記複合体を、70〜90容量%エタノール水溶液を用いて洗浄した後に回収する、前記[1]の標的粒子の検出方法。
[5] 前記工程(b)において、前記複合体を、プロパノール濃度が60容量%以上であるプロパノール水溶液、又はプロパノールを用いて洗浄した後に回収する、前記[1]の標的粒子の検出方法。
[6] 前記標的粒子が核酸分子である、前記[1]〜[5]のいずれかの標的粒子の検出方法。
[7] 前記工程(d)において、前記発光プローブの分子数を走査分子計数法により算出する、前記[1]〜[6]のいずれかの標的粒子の検出方法。
[1] 溶液中にて分散しランダムに運動する粒子を、発光プローブを用いて間接的に検出する方法であって、
(a)検出の対象である標的粒子と、前記標的粒子と直接的又は間接的に結合する発光プローブと、前記発光プローブとは独立して前記標的粒子と直接的又は間接的に結合する固相担体とを含む複合体を形成する工程と、
(b)前記工程(a)の後、前記複合体を、水溶性有機溶媒又は水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を用いて洗浄した後に回収する工程と、
(c)前記工程(b)において回収された複合体から前記発光プローブを解離させた後、遊離の発光プローブを前記固相担体から分離して回収し、当該遊離の発光プローブを含む測定試料溶液を調製する工程と、
(d)前記工程(c)の後、前記測定試料溶液中の前記発光プローブの分子数を、走査分子計数法、蛍光相関分光法、蛍光強度分布解析法、又は蛍光偏光強度分布解析法により算出する工程と、
を有することを特徴とする標的粒子の検出方法。
[2] 前記水溶性有機溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メルカプトエタノール、アセトン、ホルムアミド、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、グリオキサール、アセトニトリル、及びテトラヒドロフランからなる群より選択される1種以上である、前記[1]の標的粒子の検出方法。
[3] 前記水溶性有機溶媒が、エタノール及びプロパノールからなる群より選択される1種以上である、前記[1]の標的粒子の検出方法。
[4] 前記工程(b)において、前記複合体を、70〜90容量%エタノール水溶液を用いて洗浄した後に回収する、前記[1]の標的粒子の検出方法。
[5] 前記工程(b)において、前記複合体を、プロパノール濃度が60容量%以上であるプロパノール水溶液、又はプロパノールを用いて洗浄した後に回収する、前記[1]の標的粒子の検出方法。
[6] 前記標的粒子が核酸分子である、前記[1]〜[5]のいずれかの標的粒子の検出方法。
[7] 前記工程(d)において、前記発光プローブの分子数を走査分子計数法により算出する、前記[1]〜[6]のいずれかの標的粒子の検出方法。
本発明に係る標的粒子の検出方法は、発光プローブを用いて間接的に標的粒子を検出する方法において、発光プローブと結合した標的粒子を固相担体に結合させて遊離の発光プローブと分離した後、当該固相担体を水溶性有機溶媒又は水溶性有機溶媒と水との混合溶媒で洗浄することにより、当該固相担体から分離回収された発光プローブを一分子光検出技術を利用して検出した場合に、ノイズを低減させることができ、ひいてはS/N(シグナル対ノイズ比)を改善させることができる。このため、本発明に係る標的粒子の検出方法により、高感度に標的粒子を検出することができる。
本発明に係る標的粒子の検出方法(以下、単に「本発明に係る検出方法」ということがある。)は、溶液中にて分散しランダムに運動する粒子を、発光プローブを用いて間接的に検出する方法であって、下記工程(a)〜(d)を有することを特徴とする。
(a)検出の対象である標的粒子と、前記標的粒子と直接的又は間接的に結合する発光プローブと、前記発光プローブとは独立して前記標的粒子と直接的又は間接的に結合する固相担体とを含む複合体を形成する工程と、
(b)前記工程(a)の後、前記複合体を、水溶性有機溶媒又は水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を用いて洗浄した後に回収する工程と、
(c)前記工程(b)において回収された複合体から前記発光プローブを解離させた後、遊離の発光プローブを前記固相担体から分離して回収し、当該遊離の発光プローブを含む測定試料溶液を調製する工程と、
(d)前記工程(c)の後、前記測定試料溶液中の前記発光プローブの分子数を、走査分子計数法、蛍光相関分光法、蛍光強度分布解析法、又は蛍光偏光強度分布解析法により算出する工程。
図1に、当該工程の概要をフローチャートの形式で表した。
(a)検出の対象である標的粒子と、前記標的粒子と直接的又は間接的に結合する発光プローブと、前記発光プローブとは独立して前記標的粒子と直接的又は間接的に結合する固相担体とを含む複合体を形成する工程と、
(b)前記工程(a)の後、前記複合体を、水溶性有機溶媒又は水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を用いて洗浄した後に回収する工程と、
(c)前記工程(b)において回収された複合体から前記発光プローブを解離させた後、遊離の発光プローブを前記固相担体から分離して回収し、当該遊離の発光プローブを含む測定試料溶液を調製する工程と、
(d)前記工程(c)の後、前記測定試料溶液中の前記発光プローブの分子数を、走査分子計数法、蛍光相関分光法、蛍光強度分布解析法、又は蛍光偏光強度分布解析法により算出する工程。
図1に、当該工程の概要をフローチャートの形式で表した。
本発明及び本願明細書において、「溶液中に分散しランダムに運動する粒子」とは、溶液中に分散又は溶解した原子、分子又はそれらの凝集体などの粒子(発光するもの又は発光しないもののいずれであってもよい。)であって、基板などに固定されず、溶液中を自由にブラウン運動している粒子を意味する。
本発明に係る検出方法の検出の対象である標的粒子は、溶液中に分散しランダムに運動する粒子であれば、任意のものであってよく、特に限定されるものではない。例えば、タンパク質、ペプチド、核酸、核酸類似物質、脂質、糖鎖、アミノ酸若しくはこれらの凝集体などの生体分子、ウイルス、細胞などの粒子状の生物学的な対象物、又は非生物学的な粒子(例えば、原子、分子、ミセル、金属コロイド等など)等が挙げられる。核酸は、DNAであってもよく、RNAであってもよく、cDNAのように人工的に増幅させたものであってもよい。核酸類似物質としては、DNAやRNAのような天然型ヌクレオチド(天然に存在するヌクレオチド)の側鎖等がアミノ基等の官能基により修飾されたものや、タンパク質や低分子化合物等で標識されたもの等が挙げられる。より具体的には、例えば、Bridged nucleic acid(BNA)や、天然型ヌクレオチドの4’位酸素原子が硫黄原子に置換されているヌクレオチド、天然型リボヌクレオチドの2’位水酸基がメトキシ基に置換されているヌクレオチドやHexitol Nucleic Acid(HNA)、ペプチド核酸(PNA)等が挙げられる。
本発明に係る検出方法における標的粒子としては、核酸分子又は核酸類似物質であることが好ましい。核酸分子又は核酸類似物質としては、2本鎖核酸分子であってもよく、1本鎖核酸分子であってもよい。具体的には、例えば、動物や植物の染色体や、細菌やウイルスの遺伝子に存在する塩基配列を有する核酸分子、人工的に設計された塩基配列を有する核酸分子が挙げられる。中でも、標的粒子として、例えば、マイクロRNA、siRNA、mRNA、hnRNA、ゲノムDNA、PCR増幅等による合成DNA、RNAから逆転写酵素を用いて合成されたcDNA等が好ましい。
また、本発明において用いられる発光プローブは、標的粒子と、特異的又は非特異的に結合又は吸着する物質であって、共焦点顕微鏡や多光子顕微鏡の光学系を用いた場合に検出可能な光を発するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、標的粒子と特異的又は非特異的に結合又は吸着する物質に、発光物質を結合させたものであってもよい。発光物質としては、典型的には蛍光物質であるが、りん光、化学発光、生物発光、光散乱等により光を発する物質であってもよい。蛍光物質としては、特定の波長の光を放射することにより蛍光を放出する物質であれば特に限定されるものではなく、FCSやFIDA等で使用されている蛍光色素の中から適宜選択して用いることができる。
また、本発明において用いられる発光プローブは、標的粒子と直接結合するものであってもよく、他の物質を用いて間接的に結合するものであってもよい。例えば、標的粒子が核酸分子又は核酸類似物質である場合には、標的粒子と直接結合する発光プローブとしては、標的粒子とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド若しくはポリヌクレオチド(以下、「オリゴヌクレオチド等」ということがある。)に蛍光物質等の発光物質を結合させたもの、蛍光物質等の発光物質を結合させた核酸結合性タンパク質、核酸に結合する色素分子等が挙げられる。当該オリゴヌクレオチド等としては、DNAであってもよく、RNAであってもよく、cDNAのように、人工的に増幅させたものであってもよく、天然の核酸塩基と同様にヌクレオチド鎖や塩基対を形成することが可能な核酸類似物質を一部又は全部に含むものであってもよい。また、標的粒子がタンパク質である場合には、標的粒子と直接結合する発光プローブとしては、標的粒子に対する抗原若しくは抗体、標的粒子に対するリガンド若しくはレセプターを、蛍光物質等の発光物質で標識したものを用いることができる。なお、核酸やタンパク質等の標的粒子と特異的又は非特異的に結合又は吸着する物質への発光物質の結合は、常法により行うことができる。
本発明において用いられる発光プローブは、標的粒子と非特異的に結合等するものであってもよいが、標的粒子の検出・定量の精度の点からは、特異的に結合等するものであることが好ましい。なお、標的粒子と特異的に結合する発光プローブとしては、物理的又は化学的性質が標的粒子と類似した他の物質に対する結合よりも、標的粒子と優先的に結合するものであればよく、標的粒子以外の物質と全く結合しないものである必要はない。例えば、標的粒子が核酸分子である場合には、発光プローブとして用いる発光物質で標識したオリゴヌクレオチド等は、当該標的粒子の部分塩基配列と完全に相補的な塩基配列を有していてもよく、当該標的粒子の部分塩基配列と1〜数塩基のミスマッチを有する塩基配列を有していてもよい。
本発明において用いられる固相担体としては、標的粒子と直接又は間接的に結合する部位を備えている固体であれば、その形状、材質等は特に限定されるものではない。例えば、ビーズ等の水に懸濁可能であり、かつ一般的な固液分離処理によって液体と分離可能な粒子であってもよく、メンブレンであってもよく、容器やチップ基板等であってもよい。固相担体としては具体的には、例えば、磁気ビーズ、シリカビーズ、アガロースゲルビーズ、ポリアクリルアミド樹脂ビーズ、ラテックスビーズ、ポリスチレンビーズ等のプラスチックビーズ、セラミックスビーズ、ジルコニアビーズ、シリカメンブレン、シリカフィルター、プラスチックプレート等が挙げられる。
標的粒子と間接的に結合する固相担体とは、発光プローブとは独立して標的粒子と結合する分離用プローブを介して標的粒子と結合するものを意味する。本発明において用いられる分離用プローブとしては、固相担体と結合する部位を有しており、標的粒子と結合した状態でさらに固相担体と結合するものであって、標的粒子と、発光プローブとは独立して、特異的又は非特異的に結合又は吸着する物質であれば、特に限定されるものではない。分離用プローブとして使用可能な、標的粒子と直接、特異的又は非特異的に結合又は吸着する物質としては、発光プローブで挙げられたもののうち、発光物質が結合する前のものと同様である。例えば、標的粒子が核酸分子又は核酸類似物質である場合には、標的粒子とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド等であり、標的粒子がタンパク質である場合には、標的粒子に対する抗原若しくは抗体、標的粒子に対するリガンド若しくはレセプターである。
例えば、分離用プローブがオリゴヌクレオチドの場合、当該オリゴヌクレオチド中の標的粒子とハイブリダイズする領域以外の領域とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドが表面に結合しているビーズやフィルターを固相担体として用いることができる。また、分離用プローブが、固相担体と結合する部位として、ビオチン(biotin)を有している場合、アビジンやストレプトアビジンが表面に結合しているビーズやフィルターを固相担体として用いることができる。また、分離用プローブ中の固相担体と結合する部位が、グルタチオン(Glutathione)、DNP(dinitorophenol)、ジゴキシゲニン(digoxigenin、Dig)、ジゴキシン(digoxin)、2以上の糖からなる糖鎖、4以上のアミノ酸からなるポリペプチド、オーキシン、ジベレリン、ステロイド、タンパク質、親水性有機化合物、及び、それらの類縁体等である場合、これらの物質に対する抗体、抗原、リガンド、若しくはレセプターが表面に結合しているビーズやフィルターを固相担体として用いることができる。なお、固相担体は、分離用プローブと非特異的に結合等するものであってもよいが、標的粒子の検出・定量の精度の点からは、特異的に結合等するものであることが好ましい。
具体的には、まず、工程(a)において、標的粒子と発光プローブと固相担体とを含む複合体を形成する。当該複合体は、適当な溶媒に、標的粒子と発光プローブと固相担体とを添加して3者を含む溶液を調製し、当該溶液中でこれら3者を実質的に同時に互いに結合させて形成させてもよい。また、適当な溶媒に、まず、標的粒子と発光プローブとを添加して、両者を含む溶液を調製し、当該溶液中で標的粒子と発光プローブとを結合させた後に固相担体を添加し、標的粒子と発光プローブの2者複合体にさらに固相担体を結合させて形成させてもよい。また、適当な溶媒に、まず、標的粒子と固相担体とを添加して、両者を含む溶液を調製し、当該溶液中で標的粒子と固相担体とを結合させた後に発光プローブを添加し、標的粒子と固相担体の2者複合体にさらに発光プローブを結合させて形成させてもよい。なお、標的粒子と固相担体とが分離用プローブを介して結合する場合には、当該溶液に分離用プローブも添加する。
当該複合体を形成させる溶液を調製するための溶媒としては、標的粒子、発光プローブ、及び固相担体を損なわない溶媒であれば、特に限定されるものではない。典型的には水溶液であるが、ホルムアミド等の有機溶媒その他の任意の液体であってもよい。具体的には、当該溶媒は、当該技術分野において一般的に用いられているバッファーの中から、適宜選択して用いることができる。該バッファーとして、例えば、PBS(リン酸緩衝生理食塩水、pH7.4)等のリン酸バッファーやトリスバッファー等がある。
溶液に添加する発光プローブの濃度は特に限定されるものではないが、標的粒子の検出感度を高められるため、期待される標的粒子の濃度よりも発光プローブの濃度のほうが高くなるように、両者を含む溶液を調製することが好ましい。本発明に係る方法においては、以降の工程(b)の洗浄処理において、標的粒子と結合した発光プローブから、標的粒子と結合していない遊離の発光プローブを効率よく除去する。このため、前記複合体の形成の際に過剰量の発光プローブを添加した場合でも、精度よく標的粒子を検出することができる。
標的粒子と発光プローブ、又は標的粒子と固相担体(若しくは、標的粒子と分離用プローブと固相担体)が、同じ溶液中に共存させるだけで、互いに結合させることができる場合には、これらを含む溶液を調製した後、必要に応じて所定時間当該溶液をインキュベートするだけで、当該溶液中でこれらを含む複合体を形成することができる。
一方で、標的粒子や発光プローブが2本鎖構造の核酸分子又は核酸類似物質である場合には、溶液中の核酸分子等を変性させた後、両者を会合させることが好ましい。ここで、「核酸分子又は核酸類似物質を変性させる」とは、塩基対を解離させることを意味する。例えば、2本鎖核酸分子を1本鎖核酸分子とすることを意味する。なお、発光プローブがPNA等の核酸類似物質を含むオリゴヌクレオチド等である場合、標的粒子が2本鎖核酸分子であったとしても、特段の変性処理を行わずとも、当該発光プローブと標的粒子とを含む複合体を形成することができる場合がある。
変性処理としては、高温処理による変性(熱変性)又は低塩濃度処理による変性等が挙げられる。中でも、蛍光物質等の発光物質への影響が比較的小さく、操作が簡便であるため、熱変性を行うことが好ましい。具体的には、熱変性は、当該溶液を高温処理をすることにより、当該溶液中の核酸分子等を変性することができる。一般的には、DNAで90℃、RNAでは70℃で数秒間から2分間程度、保温することによって変性させることができるが、標的粒子の塩基の長さ等により変性する温度は千差万別であり、変性することが可能であれば、この温度に限定するものではない。一方、低塩濃度処理による変性は、例えば、精製水等により希釈することによって、当該溶液の塩濃度が十分に低くなるように調整することによって行うことができる。
必要に応じて変性させた後、前記溶液中の標的粒子と発光プローブを会合させて、両者を含む複合体を形成する。熱変性を行った場合には、高温処理後、当該溶液の温度を、標的粒子と発光プローブとが特異的にハイブリダイズできる温度(特異的会合条件)にまで低下させることにより、当該溶液中の両者を適宜会合させることができる。好ましくは、両者を含む溶液の温度を、発光プローブ中の標的粒子と相補的な塩基配列を有する領域のTm値±3℃の温度程度まで低下させる。また、低塩濃度処理による変性を行った場合には、塩溶液を添加する等により、当該溶液の塩濃度を、標的粒子と発光プローブとが特異的にハイブリダイズできる濃度にまで上昇させることによって、当該溶液中の両者を適宜会合させることができる。
なお、2本の1本鎖核酸分子が特異的にハイブリダイズできる温度は、両者からなる会合体の融解曲線から求めることができる。融解曲線は、例えば、両者のみを含有する溶液の温度を、高温から低温へと変化させ、当該溶液の吸光度や蛍光強度を測定することにより求めることができる。得られた融解曲線から、変性した2本の1本鎖核酸分子が会合体を形成し始めた温度から、ほぼ全てが会合体となった温度までの範囲の温度を、両者が特異的にハイブリダイズできる温度とすることができる。温度に代えて、溶液中の塩濃度を低濃度から高濃度への変化させることによっても、同様にして融解曲線を決定し、2本の1本鎖核酸分子が特異的にハイブリダイズできる濃度を求めることができる。
このように、特異的会合条件は、標的粒子や発光プローブの種類ごとに異なり、実験的に決定されるものであるが、一般にはTm値(融解温度)で代用することができる。例えば、汎用されているプライマー/プローブ設計ソフトウェア等を用いることにより、発光プローブの塩基配列情報から、標的粒子とハイブリダイズする領域のTm値(2本鎖DNAの50%が1本鎖DNAに解離する温度)を算出することができる。温度がTm値近傍の値である条件、例えばTm値±3℃程度である条件を、特異的会合条件とすることができる。算出されたTm値近傍において実験的に融解曲線を求めることにより、より詳細に特異的会合条件を決定することもできる。
また、非特異的なハイブリダイゼーションを抑制するために、複合体を形成させる際に、前記溶液の温度を比較的ゆっくりと低下させることが好ましい。例えば、前記溶液の温度を70℃以上にして核酸分子を変性させた後、当該溶液の液温を、0.05℃/秒以上の降温速度で低下させることができる。
また、非特異的なハイブリダイゼーションを抑制するために、予め前記溶液中に、界面活性剤、ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、又は尿素等を添加しておくことも好ましい。これらの化合物は、1種のみを添加してもよく、2種類以上を組み合わせて添加してもよい。これらの化合物を添加しておくことにより、比較的低い温度環境下において、非特異的なハイブリダイゼーションを起こりにくくすることができる。
発光プローブで標識された標的粒子を個別に検出する光分析技術を用いた本発明に係る方法においては、遊離の発光プローブをはじめとする標的粒子と結合していない発光プローブからの光が、標的粒子と結合した発光プローブからの光と区別なく検出されてしまうと、標的粒子の検出精度が悪化してしまう。そこで、工程(a)の後、工程(b)として、前記複合体を、水溶性有機溶媒又は水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を用いて洗浄した後に回収する。この洗浄処理により、当該複合体から、前記標的粒子と結合していない発光プローブを充分に分離除去できる結果、一分子光検出技術を用いて当該複合体から解離させた発光プローブを検出する際に、ノイズを低減でき、S/Nが改善し、標的粒子の検出感度が向上する。
本発明及び本願明細書において、水溶性有機溶媒とは、水に対する溶解度が高い又は水と任意の割合で混合可能な有機溶媒を意味する。固相担体の洗浄に用いる水溶性有機溶媒としては、発光プローブの発光性を損なうことなく、かつ前記複合体を解離又は分解させることのない水溶性有機溶媒であれば特に限定されるものではないが、水に対する溶解度が12質量%以上の水溶性有機溶媒であることが好ましく、水に対する溶解度が20質量%以上の水溶性有機溶媒であることがより好ましく、水に対する溶解度が90質量%以上の水溶性有機溶媒であることがさらに好ましく、水と任意の割合で混合可能である水溶性有機溶媒であることが特に好ましい。このような水溶性有機溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メルカプトエタノール、アセトン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、グリオキサール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、及びこれらの混合溶媒が挙げられる。また、固相担体の洗浄には、水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を用いることも好ましい。
本発明において用いられる水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、又はこれらのうちの2種以上の混合溶媒や、これらの水溶性有機溶媒のうちの1種又は2種以上と水との混合溶媒を用いることが好ましく、エタノール、プロパノール、エタノールとプロパノールの混合溶媒、エタノール水溶液、プロパノール水溶液、又はエタノールとプロパノールと水の混合溶媒を用いることがより好ましく、エタノール水溶液、プロパノール、又はプロパノール水溶液を用いることがさらに好ましく、エタノール水溶液又はプロパノール水溶液を用いることがよりさらに好ましい。
充分な洗浄効果を奏する濃度は、水溶性有機溶媒の種類に依存することから、用いる水溶性有機溶媒ごとに、適切な濃度を選択することが好ましい。例えば、エタノールを用いて洗浄する場合には、エタノール濃度が70〜90容量%程度であるエタノール水溶液が好ましく、エタノール濃度が70〜80容量%であるエタノール水溶液がより好ましい。また、2−プロパノールを用いて洗浄する場合には、2−プロパノール濃度が60容量%以上である2−プロパノール水溶液又は2−プロパノールが好ましく、2−プロパノール濃度が60〜90容量%である2−プロパノール水溶液がより好ましく、2−プロパノール濃度が60〜80容量%である2−プロパノール水溶液がさらに好ましい。
具体的には、例えば、前記溶液に対して固液分離処理を行うことにより、固相担体と結合した複合体を、遊離の発光プローブ等の、液相に存在する標的粒子と結合していない発光プローブと分離して回収する。次いで、回収した固相担体に、水溶性有機溶媒又は水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を添加し、必要に応じてインキュベートした後、固液分離処理を行うことにより、液性成分から固相担体を分離して回収する。その他、工程(a)において調製した溶液に、直接水溶性有機溶媒等を添加し、必要に応じてインキュベートした後、固液分離処理を行ってもよい。
水溶性有機溶媒等を用いた洗浄処理は、少なくとも1回行えばよく、2回以上繰り返してもよい。また、当該固相担体は、水溶性有機溶媒等による洗浄の前又は後に、水やバッファー等の溶媒を用いて洗浄してもよい。当該バッファーは、洗浄効果を高めるために界面活性剤を含むことが好ましい。また、標的粒子や発光プローブが2本鎖構造の核酸分子又は核酸類似物質である場合に、バッファー等による洗浄を行う場合には、標的粒子と発光プローブが解離しないように充分量の塩を含むバッファーで洗浄を行うことが好ましい。
固液分離処理としては、溶液中の固相担体を液体成分とは分離して回収可能な方法であれば、特に限定されるものではなく、固液分離処理に用いられる公知の処理の中から適宜選択して用いることができる。例えば、固相担体がビーズ等の粒子の場合、固相担体を含む懸濁液に対して静置したり、遠心分離処理を行うことにより、固相担体を沈殿させ、上清を除去してもよく、当該溶液を濾紙又は濾過フィルターを用いて濾過し、濾紙等の表面に残留した固相担体を回収してもよい。また、固相担体が磁気ビーズである場合には、当該溶液が入れられている容器に磁石を接近させ、該容器の該磁石に最も近接する面に固相担体を収束させた後、上清を除去してもよい。内壁が分離用プローブと結合する物質で被覆された容器が固相担体である場合、前記複合体を含む溶液を当該容器内に注入し、必要に応じてインキュベートした後、当該容器内の液体を排出する。なお、固相担体がメンブレンやフィルターの場合、前記複合体を含む溶液を当該固相担体に透過させることにより、固相担体と前記複合体との結合と、標的粒子と結合していない発光プローブからの前記複合体の分離回収を、一の操作で行うことができる。
洗浄後に回収された固相担体に適当な溶媒を添加することにより、固相担体と結合した複合体を含む溶液(懸濁液)が調製される。回収された固相担体は、これを含む溶液として、工程(c)に供される。当該溶媒は、後の工程において発光プローブから放出される光の検出を阻害しない溶媒であれば、特に限定されるものではなく、当該技術分野において一般的に用いられているバッファーの中から、適宜選択して用いることができる。該バッファーとして、例えば、PBS(リン酸緩衝生理食塩水、pH7.4)等のリン酸バッファーやトリスバッファー等がある。
その後、工程(c)として、工程(b)において回収された複合体から前記発光プローブを解離させた後、遊離の発光プローブを前記固相担体から分離して回収する。複合体から解離した遊離の発光プローブと固相担体の分離は、前述の固液分離処理により行うことができる。回収された遊離の発光プローブを含む測定試料溶液は、後の工程において、走査分子計数法等の一分子光検出技術を用いた測定の試料とする。
複合体中の発光プローブを解離させる方法は、当該複合体中の標的粒子と発光プローブとの結合を解消し得る方法であれば特に限定されるものではない。
例えば、標的粒子が核酸分子又は核酸類似物質からなるオリゴヌクレオチド等であり、発光プローブ中の標的粒子と結合する部位が、核酸分子又は核酸類似物質からなり標的粒子とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド等である場合、前記複合体を含む溶液の温度を、標的粒子と発光プローブの特異的会合条件よりも充分に高くしたり、前記複合体を含む溶液の塩濃度を、標的粒子と発光プローブの特異的会合条件よりも充分に低くすることにより、発光プローブと標的粒子の結合を解消させ、前記複合体から発光プローブを解離させることができる。
例えば、標的粒子が核酸分子又は核酸類似物質からなるオリゴヌクレオチド等であり、発光プローブ中の標的粒子と結合する部位が、核酸分子又は核酸類似物質からなり標的粒子とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド等である場合、前記複合体を含む溶液の温度を、標的粒子と発光プローブの特異的会合条件よりも充分に高くしたり、前記複合体を含む溶液の塩濃度を、標的粒子と発光プローブの特異的会合条件よりも充分に低くすることにより、発光プローブと標的粒子の結合を解消させ、前記複合体から発光プローブを解離させることができる。
その後、工程(d)として、得られた測定試料溶液中の前記発光プローブの分子数を、走査分子計数法、蛍光相関分光法、蛍光強度分布解析法、又は蛍光偏光強度分布解析法により算出する。つまり、本発明に係る検出方法においては、標的粒子に一旦結合させた後、所定の処理を経て解離させた発光プローブが検出されることによって、標的粒子が間接的に検出される。
測定試料溶液中の発光プローブは、その分光特性に最適な波長の光を照射し、当該発光プローブから発される光の光学的特性を検出することにより検出できる。なお、「発光プローブの光学的特性を検出する」とは、当該発光プローブから発される特定の波長の光シグナルを検出することを意味する。当該光シグナルとしては、蛍光強度や蛍光偏光等がある。
本発明においては、走査分子計数法により算出することが好ましい。走査分子計数法では、溶液中に分散又は溶解した粒子の各々を個別に検出するようになっているので、その情報を用いて、定量的に、粒子のカウンティングや測定試料溶液中の粒子の濃度又は数密度の算定又は濃度又は数密度に関する情報の取得が可能となる。すなわち、走査分子計数法によれば、光検出領域を通過する粒子と検出された光信号とを1対1に対応させて粒子を一つずつ検出するので、溶液中に分散してランダムに運動する粒子のカウンティングが可能となり、従前に比して、精度よく測定試料溶液中の粒子の濃度又は数密度を決定することが可能となる。例えば、本発明に係る検出方法における遊離した発光プローブの検出を走査分子計数法により行い、発光プローブが発する光によって測定試料溶液中の粒子を個別に検出しその数を計数して粒子濃度を決定する場合には、測定試料溶液の発光プローブの濃度が、蛍光分光光度計やプレートリーダーにより計測された蛍光強度に基づいて決定可能な濃度よりもはるかに低い濃度(例えば、フェムトモル濃度オーダーやアトモル濃度オーダー)であっても、発光プローブを検出可能である。
1分子計測等の高感度測定、特に走査分子計数法では、固相担体等のような、溶液中における拡散運動が比較的遅い発光粒子の検出精度が低くなる場合がある。本発明においては、工程の途中で固相担体を用いた場合であっても、走査分子計数法による測定時には固相担体から分離された遊離の状態の発光プローブを検出対象とすることにより、蛍光1分子測定法を用いた場合であっても、固相担体の影響を排除して高精度に発光プローブを検出することができる。
走査分子計数法では、具体的には、得られた測定試料溶液中の前記発光プローブの分子数を、共焦点顕微鏡又は多光子顕微鏡の光学系を用いて、前記測定試料溶液内において前記光学系の光検出領域の位置を移動させながら、当該光検出領域中の前記発光プローブから発される光を検出し、発光プローブの分子数を算出する。
本発明及び本願明細書において、共焦点顕微鏡又は多光子顕微鏡の光学系の「光検出領域」とは、それらの顕微鏡において光が検出される微小領域であり、対物レンズから照明光が与えられる場合には、その照明光が集光された領域に相当する。なお、かかる領域は、共焦点顕微鏡においては、特に対物レンズとピンホールとの位置関係により確定される。
工程(d)における発光プローブの分子数の算出は、その他、例えば、FIDAにより、共焦点光学系における焦点領域(光検出領域)に存在している分子の蛍光強度の揺らぎを検出した後、統計解析を行うことによって、発光プローブの分子数を算出することができる。
また、FIDA−POにより、共焦点光学系における焦点領域(光検出領域)に存在している分子の蛍光強度の偏光を検出した後、統計解析を行うことによって、発光プローブの分子数を算出することができる。
さらに、FCSにより、共焦点光学系における焦点領域(光検出領域)に存在している分子の蛍光強度の揺らぎを検出した後、統計解析を行うことによって、発光プローブの分子数を算出することができる。
これらの測定方法により、測定試料溶液の発光プローブの濃度が、ピコモル濃度オーダーのように微量であっても、発光プローブを検出可能である。
また、FIDA−POにより、共焦点光学系における焦点領域(光検出領域)に存在している分子の蛍光強度の偏光を検出した後、統計解析を行うことによって、発光プローブの分子数を算出することができる。
さらに、FCSにより、共焦点光学系における焦点領域(光検出領域)に存在している分子の蛍光強度の揺らぎを検出した後、統計解析を行うことによって、発光プローブの分子数を算出することができる。
これらの測定方法により、測定試料溶液の発光プローブの濃度が、ピコモル濃度オーダーのように微量であっても、発光プローブを検出可能である。
なお、このような分子の蛍光シグナルの時間変化の検出及び解析は、例えば、MF20(オリンパス社製)等の公知の一分子蛍光分析システム等を用いて、常法により行うことができる。
次に実施例等を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例等に限定されるものではない。
[参考例1]
標的粒子と発光プローブと固相担体とを含む複合体を形成させる際の溶液中の発光プローブの濃度が、当該複合体から解離した遊離の発光プローブの検出時のS/Nに対して与える影響を調べた。
標的粒子として、配列番号1に示す塩基配列からなるポリヌクレオチド(以下、標的核酸分子1)を用い、発光プローブとして、配列番号2に示す塩基配列からなり、5’末端に蛍光物質ATTO(登録商標) 647N(ATTO−TEC社製)が結合したポリヌクレオチド(蛍光プローブ1)を用い、分離用プローブとして、配列番号3に示す塩基配列からなり、3’末端にビオチンが結合したポリヌクレオチド(ビオチン化プローブ1)を用いた。それぞれの塩基配列を表1に示す。なお、標的核酸分子1、蛍光プローブ1及びビオチン化プローブ1は、全て天然型のヌクレオチドからなるポリヌクレオチドである。
標的粒子と発光プローブと固相担体とを含む複合体を形成させる際の溶液中の発光プローブの濃度が、当該複合体から解離した遊離の発光プローブの検出時のS/Nに対して与える影響を調べた。
標的粒子として、配列番号1に示す塩基配列からなるポリヌクレオチド(以下、標的核酸分子1)を用い、発光プローブとして、配列番号2に示す塩基配列からなり、5’末端に蛍光物質ATTO(登録商標) 647N(ATTO−TEC社製)が結合したポリヌクレオチド(蛍光プローブ1)を用い、分離用プローブとして、配列番号3に示す塩基配列からなり、3’末端にビオチンが結合したポリヌクレオチド(ビオチン化プローブ1)を用いた。それぞれの塩基配列を表1に示す。なお、標的核酸分子1、蛍光プローブ1及びビオチン化プローブ1は、全て天然型のヌクレオチドからなるポリヌクレオチドである。
トリスバッファー(10mM Tris−HCl,400mM NaCl,0.05%Triton X−100)に、標的核酸分子1が100fM、蛍光プローブ1が20pM、ビオチン化プローブ1が200pM、Poly(deoxyinosinic−deoxycytidylic)acid(Sigma−Aldrich社製)が0.1U/mL(1Uは、水中(光路長は1cm)で260nmの吸光度が1.0となる量)となるように添加して、試料溶液1(100μL)を調製した。また、蛍光プローブ1が1nM、ビオチン化プローブ1が2nMとなるように添加した以外は試料溶液1と同様に調製した試料溶液2も用意した。標的核酸分子1を添加しなかった以外は試料溶液1及び2と同様に調製した対照試料溶液1及び2も用意した。
これらの試料溶液を95℃で5分間加熱した後、平均0.1℃/分の速度で25℃にした。次に、ストレプトアビジンでコートした磁気ビーズ(Invitrogen社製、カタログ番号:650−01)10μgを添加して25℃で5分間、振とうさせながら反応させた。続いて、磁石を用いて、各溶液中の磁気ビーズを、500μLの洗浄用トリスバッファー(10mM Tris−HCl,400mM NaCl,0.05% Triton X−100)によって3回洗浄した。洗浄後の磁気ビーズに100μLの溶出バッファー(1mM Tris−HCl,0.01% Triton X−100)を加え、50℃で1分間加熱した後、磁石で磁気ビーズを集めた状態で上清を回収した。回収された上清中の蛍光プローブ1を、走査分子計数法によって計測した。
計測に於いては、光分析装置として、共焦点蛍光顕微鏡の光学系とフォトンカウンティングシステムを備えた1分子蛍光測定装置MF20(オリンパス株式会社)を用い、上記の上清について、時系列のフォトンカウントデータを取得した。その際、励起光は、642nmのレーザ光を用いて1mWで照射し、検出光波長は、バンドパスフィルターを用いて660〜710nmとした。試料溶液中に於ける光検出領域の位置の移動速度は90mm/秒とし、BIN TIMEを10μ秒とし、測定時間は600秒間とした。また、測定は各1回行った。光強度の測定後、各上清について取得された時系列のフォトンカウントデータから時系列データ中にて検出された光信号を計数した。データの移動平均法によるスムージングに於いては、一度に平均するデータ点は11個とし、移動平均処理を5回繰り返した。また、フィッティングに於いては、時系列データに対してガウス関数を最小二乗法によりフィッティングし、(ガウス関数に於ける)ピーク強度、ピーク幅(半値全幅)、相関係数を決定した。更に、ピークの判定処理では、
下記の条件:
20μ秒<ピーク幅<400μ秒
ピーク強度>1(フォトン/10μ秒)
相関係数>0.90
を満たすピーク信号のみを蛍光プローブ1に対応する光信号であると判定する一方、上記の条件を満たさないピーク信号はノイズとして無視し、蛍光プローブ1に対応する光信号であると判定された信号の数を「ピーク数」として計数した。
下記の条件:
20μ秒<ピーク幅<400μ秒
ピーク強度>1(フォトン/10μ秒)
相関係数>0.90
を満たすピーク信号のみを蛍光プローブ1に対応する光信号であると判定する一方、上記の条件を満たさないピーク信号はノイズとして無視し、蛍光プローブ1に対応する光信号であると判定された信号の数を「ピーク数」として計数した。
各試料溶液のピーク数の計数結果を図2に示す。図中、「蛍光プローブ」が「20pM」で「標的核酸分子」が「+」は試料溶液1の上清の結果を、「蛍光プローブ」が「20pM」で「標的核酸分子」が「−」は対照試料溶液1の上清の結果を、「蛍光プローブ」が「1nM」で「標的核酸分子」が「+」は試料溶液2の上清の結果を、「蛍光プローブ」が「1nM」で「標的核酸分子」が「−」は対照試料溶液2の上清の結果を、それぞれ示す。ここで、標的核酸分子1を含まない対照試料溶液1と対照試料溶液2で検出されたピークは、ノイズ(標的粒子非存在下で検出されるピーク)である。試料溶液1と試料溶液2の結果を比較したところ、両者は標的核酸分子1の含有量は等量であったが、蛍光プローブ1の濃度が20pMの試料溶液1よりも1nMの試料溶液2のほうが、ピーク数は明らかに大きくなった。しかし、対照試料溶液1よりも対照試料溶液2のほうが検出されたピーク数が明らかに大きく、ノイズが大きくなっていることも確認された。すなわち、同じ濃度の標的粒子を検出する場合には、発光プローブの反応系への添加量が多いほど走査分子計数法によって得られるピーク数が多く検出しやすくなるが、ノイズも多くなるため、極低濃度の標的粒子を検出する場合には、S/Nが低く問題となることが確認された。
[実施例1]
本発明に係る検出方法において、工程(b)における洗浄処理を各種濃度のエタノールを用いて行った。
まず、トリスバッファー(10mM Tris−HCl,400mM NaCl,0.05% Triton X−100)に標的核酸分子1が100fM、蛍光プローブ1が1nM、ビオチン化プローブ1が2nM、Poly(deoxyinosinic−deoxycytidylic)acid(Sigma−Aldrich社)が0.1U/mLとなるように試料溶液(100μL)を5つ(試料溶液1〜5)調製した。また、標的核酸分子1を含まない以外は試料溶液1〜5と同様にして、対照試料溶液も5つ(対照試料溶液1〜5)用意した。
本発明に係る検出方法において、工程(b)における洗浄処理を各種濃度のエタノールを用いて行った。
まず、トリスバッファー(10mM Tris−HCl,400mM NaCl,0.05% Triton X−100)に標的核酸分子1が100fM、蛍光プローブ1が1nM、ビオチン化プローブ1が2nM、Poly(deoxyinosinic−deoxycytidylic)acid(Sigma−Aldrich社)が0.1U/mLとなるように試料溶液(100μL)を5つ(試料溶液1〜5)調製した。また、標的核酸分子1を含まない以外は試料溶液1〜5と同様にして、対照試料溶液も5つ(対照試料溶液1〜5)用意した。
それらの試料溶液を、95℃で5分間加熱後、0.1℃/分の速度で25℃にまで液温を低下させた。ストレプトアビジンでコートした磁気ビーズ(Invitrogen社、カタログ番号:650−01)10μgを添加し、25℃で5分間、振とうさせながら反応させた。続いて、試料溶液中の磁気ビーズを、磁石を用いて500μLの洗浄用トリスバッファー(10mM Tris−HCl,400mM NaCl,0.05% Triton X−100)によって3回洗浄した後、さらに500μLの70〜100容量%のエタノール水溶液で洗浄した(試料溶液2〜5、対照試料溶液2〜5)。ここで、「100容量%のエタノール水溶液」とは、100%エタノールを意味する。また、試料溶液1及び対照試料溶液1は、エタノール水溶液による洗浄は行わなかった。洗浄後の磁気ビーズに100μLの溶出バッファー(1mM Tris−HCl,0.01% Triton X−100)を加え、50℃で1分間加熱した後、磁石で磁気ビーズを集めた状態で上清を回収した。回収された上清中の蛍光プローブ1を、走査分子計数法によって計測した。走査分子計数法による計測及び解析は、測定を各3回行いその平均と標準偏差を算出した以外は、参考例1と同様の条件で行った。
各上清のピーク数の計数結果を図3(A)及び(B)に示す。図3(B)は、図3(A)の一部を拡大したものである。図中、「エタノール濃度」は、磁気ビーズの4回目の洗浄に用いた洗浄液のエタノール濃度を示し、「−」はエタノール洗浄を行わなかったことを表す。また、「標的核酸分子」の「+」は標的核酸分子1を含む試料溶液の上清の結果を、「−」は標的核酸分子1を含まない対照試料溶液の上清の結果を、それぞれ示す。エタノール洗浄をしなかった対照試料溶液1(図中、「標的核酸分子」が「−」、「エタノール濃度」が「−」のカラム)に対して、70〜90容量%のエタノール水溶液で洗浄した対照試料溶液2〜4(図中、「標的核酸分子」が「−」、「エタノール濃度」が「70%」〜「90%」のカラム)では検出されたピーク数が明らかに低下しており、ノイズが低減していることがわかった。また、磁気ビーズをエタノール洗浄してもシグナルが小さくなることはなかった(試料溶液2〜5:図中、「標的核酸分子」が「+」、「エタノール濃度」が「70%」〜「100%」のカラム)。これらの結果から、洗浄によるノイズ低減効果は洗浄液のエタノール濃度に依存することから、適した濃度のエタノールを用いることが好ましいと考えられた。
[実施例2]
本発明に係る検出方法において、工程(b)における洗浄処理を各種濃度の2−プロパノールを用いて行った。
磁気ビーズの4回目の洗浄を、70〜100容量%のエタノール水溶液に代えて、60〜100容量%の2−プロパノール水溶液(試料溶液2〜6、対照試料溶液2〜6)で行った以外は、実施例1と同様にして、実験を行った。ここで、「100容量%の2−プロパノール水溶液」とは、100%2−プロパノールを意味する。また、試料溶液1及び対照試料溶液1は、2−プロパノール水溶液による洗浄は行わなかった。
本発明に係る検出方法において、工程(b)における洗浄処理を各種濃度の2−プロパノールを用いて行った。
磁気ビーズの4回目の洗浄を、70〜100容量%のエタノール水溶液に代えて、60〜100容量%の2−プロパノール水溶液(試料溶液2〜6、対照試料溶液2〜6)で行った以外は、実施例1と同様にして、実験を行った。ここで、「100容量%の2−プロパノール水溶液」とは、100%2−プロパノールを意味する。また、試料溶液1及び対照試料溶液1は、2−プロパノール水溶液による洗浄は行わなかった。
各上清のピーク数の計数結果を図4(A)及び(B)に示す。図4(B)は、図4(A)の一部を拡大したものである。図中、「2−プロパノール濃度」は、磁気ビーズの4回目の洗浄に用いた洗浄液の2−プロパノール濃度を示し、「−」は2−プロパノール洗浄を行わなかったことを表す。また、「標的核酸分子」の「+」は標的核酸分子1を含む試料溶液の上清の結果を、「−」は標的核酸分子1を含まない対照試料溶液1の上清の結果を、それぞれ示す。2−プロパノール洗浄をしなかった対照試料溶液1(図中、「標的核酸分子」が「−」、「2−プロパノール濃度」が「−」のカラム)に対して、60〜100容量%の2−プロパノール水溶液で洗浄した対照試料溶液2〜6(図中、「標的核酸分子」が「−」、「2−プロパノール濃度」が「60%」〜「100%」のカラム)では検出されたピーク数が明らかに低下しており、ノイズが低減していることがわかった。また、磁気ビーズを2−プロパノール洗浄してもシグナルが小さくなることはなかった(試料溶液2〜6:図中、「標的核酸分子」が「+」、「2−プロパノール濃度」が「60%」〜「100%」のカラム)。
本発明に係る検出方法により、溶液中にて分散しランダムに運動する粒子を、高感度に検出することができるため、本発明に係る検出方法は、試料中の粒子を検出又は定量解析するような生化学、分子生物学、臨床検査等の分野で利用が可能である。
Claims (7)
- 溶液中にて分散しランダムに運動する粒子を、発光プローブを用いて間接的に検出する方法であって、
(a)検出の対象である標的粒子と、前記標的粒子と直接的又は間接的に結合する発光プローブと、前記発光プローブとは独立して前記標的粒子と直接的又は間接的に結合する固相担体とを含む複合体を形成する工程と、
(b)前記工程(a)の後、前記複合体を、水溶性有機溶媒又は水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を用いて洗浄した後に回収する工程と、
(c)前記工程(b)において回収された複合体から前記発光プローブを解離させた後、遊離の発光プローブを前記固相担体から分離して回収し、当該遊離の発光プローブを含む測定試料溶液を調製する工程と、
(d)前記工程(c)の後、前記測定試料溶液中の前記発光プローブの分子数を、走査分子計数法、蛍光相関分光法、蛍光強度分布解析法、又は蛍光偏光強度分布解析法により算出する工程と、
を有することを特徴とする標的粒子の検出方法。 - 前記水溶性有機溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メルカプトエタノール、アセトン、ホルムアミド、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、グリオキサール、アセトニトリル、及びテトラヒドロフランからなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載の標的粒子の検出方法。
- 前記水溶性有機溶媒が、エタノール及びプロパノールからなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載の標的粒子の検出方法。
- 前記工程(b)において、前記複合体を、70〜90容量%エタノール水溶液を用いて洗浄した後に回収する、請求項1に記載の標的粒子の検出方法。
- 前記工程(b)において、前記複合体を、プロパノール濃度が60容量%以上であるプロパノール水溶液、又はプロパノールを用いて洗浄した後に回収する、請求項1に記載の標的粒子の検出方法。
- 前記標的粒子が核酸分子である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の標的粒子の検出方法。
- 前記工程(d)において、前記発光プローブの分子数を走査分子計数法により算出する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の標的粒子の検出方法。
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