JP2014219028A - リリーフ弁構造 - Google Patents
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Abstract
【目的】エンジンの低・中・高の各回転数領域でオイルの吐出圧及び流量をそれぞれ最適な状態に適切に制御・切り替えを行うことができると共に構造を極めて簡単にすることができるリリーフ弁構造とすること。
【構成】大径円筒部4と小径弁頭部5と弁内流路61と連通孔62とからなる弁体Bと、弁体通路11と、第1リリーフ排出孔2と,第2リリーフ排出孔3とからなる弁ハウジングA1と、弾性部材7とからなること。第1リリーフ排出孔2は、主排出孔21と副排出孔22とからなること。エンジンの低回転数域ではリリーフ流路12を閉じ状態とし、中回転数域の前期では弁体Bの移動にてリリーフ流路12を開き状態とし、連通孔62と弁内流路61と第1リリーフ排出孔2とを連通させ、中回転数域の後期では第1リリーフ排出孔2は主排出孔21のみが開き状態となり、高回転数域においては、大径円筒部4が第2リリーフ排出孔3を開き状態としてなること。
【選択図】 図1
【構成】大径円筒部4と小径弁頭部5と弁内流路61と連通孔62とからなる弁体Bと、弁体通路11と、第1リリーフ排出孔2と,第2リリーフ排出孔3とからなる弁ハウジングA1と、弾性部材7とからなること。第1リリーフ排出孔2は、主排出孔21と副排出孔22とからなること。エンジンの低回転数域ではリリーフ流路12を閉じ状態とし、中回転数域の前期では弁体Bの移動にてリリーフ流路12を開き状態とし、連通孔62と弁内流路61と第1リリーフ排出孔2とを連通させ、中回転数域の後期では第1リリーフ排出孔2は主排出孔21のみが開き状態となり、高回転数域においては、大径円筒部4が第2リリーフ排出孔3を開き状態としてなること。
【選択図】 図1
Description
本発明は車両用エンジン等のオイルポンプにおいて、エンジンの低・中・高の各回転数領域でオイルの吐出圧及び流量をそれぞれ最適な状態に適切に制御・切り替えを行うことができると共に構造を極めて簡単にすることができるリリーフ弁構造に関する。
自動車のエンジンに潤滑油を供給するオイルポンプには、圧力制御を行うためのリリーフ弁構造が装着されている。リリーフ弁構造は、オイルポンプ内で供給オイルが高圧となったときに、機器に悪影響を与えないためにオイルを別のルートに逃がして、オイルの圧力を一定以下に維持するものである。
近年、オイルポンプに対して、より細かい制御が要求され、エンジンの低回転数,中回転数及び高回転数の各領域で、オイルのリリーフ(排出)が状況に合わせて適正に行われたり、停止するものが多くなっている。このような要望を満たすものとして、出願人は以前、特許文献1に開示された内容のものを発明した。
特許文献1では、エンジンの低回転数,中回転数及び高回転数の各領域において、適正な量のオイルのリリーフを行い且つ、適正にオイルのリリーフを停止することによって、オイルポンプの無駄な仕事を排除することを実現したものである。
ところで、特許文献1は、従来のリリーフ動作における種々の問題点の多くを解決することができた。しかし、まだ、改善すべき点も残されており、具体的なものを挙げると、装置の構造がやや複雑であり、そのために高価なものとなっていた。
また、弁ハウジングにおける弁通路に配置されるスプリングと弁体との構造に対して、さらに小型化が要望される。そこで、本発明の目的(解決しようとする技術的課題)は、上記要望を満たすことにある。
そこで、発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、大径円筒部と小径弁頭部と後端側を排出開口とした弁内流路と該弁内流路と前記小径弁頭部の外部とを連通する連通孔とからなる弁体と、一端側にリリーフ流路が形成された弁体通路に第1リリーフ排出孔と,該第1リリーフ排出孔よりも前記リリーフ流路寄りに位置する第2リリーフ排出孔が形成された弁ハウジングと、前記弁体を前記弁体通路の前記リリーフ流路側に付勢する弾性部材とからなり、前記第1リリーフ排出孔は、主排出孔と該主排出孔よりも前記リリーフ流路寄りに位置する副排出孔とからなり、エンジンの低回転数域では前記小径弁頭部は前記リリーフ流路を閉じ状態とし、中回転数域の前期では前記弁体の移動にて前記小径弁頭部は前記リリーフ流路から離間して該リリーフ流路を開き状態にすると共に前記連通孔と前記弁内流路と前記第1リリーフ排出孔とを連通させ、中回転数域の後期では前記第1リリーフ排出孔は主排出孔のみが開き状態となり、高回転数域では前記大径円筒部が前記第2リリーフ排出孔を開き状態としてなるリリーフ弁構造としたことにより、上記課題を解決した。
請求項2の発明を、大径円筒部と小径弁頭部と後端側を排出開口とした弁内流路と該弁内流路と前記小径弁頭部の外部とを連通する連通孔とからなる弁体と、一端側にリリーフ流路が形成された弁体通路に第1リリーフ排出孔と,該第1リリーフ排出孔よりも前記リリーフ流路寄りに位置する第2リリーフ排出孔が形成された弁ハウジングと、前記弁体を前記弁体通路の前記リリーフ流路側に付勢する弾性部材とからなり、前記第1リリーフ排出孔は、主排出孔と該主排出孔よりも前記リリーフ流路寄りに位置する副排出孔とからなり、前記リリーフ流路のリリーフ開口の位置から前記第2リリーフ排出孔までの最小距離は前記小径弁頭部の軸方向全長よりも長く形成され、前記弁体の全長は、前記リリーフ開口の位置から前記副排出孔までの最大距離よりも短く形成され、前記弁体の前記大径円筒部の軸方向の長さ寸法は、前記第1リリーフ排出孔の副排出孔と第2リリーフ排出孔との最大距離よりも短く設定されてなるリリーフ弁構造としたことにより、上記課題を解決した。
請求項3の発明を、大径円筒部と小径弁頭部と後端側を排出開口とした弁内流路と該弁内流路と前記小径弁頭部の外部とを連通する連通孔とからなる弁体と、一端側にリリーフ流路が形成された弁体通路に第1リリーフ排出孔と,該第1リリーフ排出孔よりも前記リリーフ流路寄りに位置する第2リリーフ排出孔が形成された弁ハウジングと、前記弁体を前記弁体通路の前記リリーフ流路側に付勢する弾性部材とからなり、前記第1リリーフ排出孔は、主排出孔と該主排出孔よりも前記リリーフ流路寄りに位置する副排出孔とからなり、前記弁体の小径弁頭部が前記リリーフ流路のリリーフ開口の周囲に当接状態で閉じ状態とし、前記大径円筒部は第2リリーフ排出孔を閉じ状態とし、前記小径弁頭部が前記リリーフ流路から離間した状態で前記連通孔と前記弁内流路と前記第1リリーフ排出孔とが連通され、前記弁体の前記リリーフ流路からの離間距離の増加により、前記第1リリーフ排出孔は主排出孔のみが開き状態となり、前記弁体の移動にて前記大径円筒部は前記第2リリーフ排出孔を開き状態としてなるリリーフ弁構造としてなるリリーフ弁構造としたことにより、上記課題を解決した。
請求項4の発明を、請求項1,2又は3のいずれか1項の記載において、前記第1リリーフ排出孔は背圧逃し孔を兼用する構成としてなるリリーフ弁構造としたことにより、上記課題を解決した。請求項5の発明を、請求項1,2,3又は4のいずれか1項の記載において、前記弁体通路のリリーフ流路寄りの端部は円錐状の通路斜面段差部が形成され、前記小径弁頭部の先端には面取部が形成され、該面取部は前記通路斜面段差部に面接触してなるリリーフ弁構造としたことにより、上記課題を解決した。
請求項6の発明を、 請求項5において、前記リリーフ流路のリリーフ開口の直径は、前記小径弁頭部の面取部の最小直径と同一又は小さく形成されてなるリリーフ弁構造としたことにより、上記課題を解決した。請求項7の発明を、請求項1,2,3,4,5又は6のいずれか1項の記載において、前記第1リリーフ排出孔の前記主排出孔と前記副排出孔とは同等の大きさとしてなるリリーフ弁構造としたことにより、上記課題を解決した。
請求項8の発明を、請求項1,2,3,4,5又は6のいずれか1項の記載において、前記第1リリーフ排出孔の前記主排出孔と前記副排出孔とは異なる大きさとしてなるリリーフ弁構造としたことにより、上記課題を解決した。
請求項1の発明では、エンジンの低回転数域,中回転数域及び高回転数域において、リリーフの停止及び動作が的確に行われる。そして、中回転数域では、その前期において前記弁体の移動にて前記小径弁頭部は前記リリーフ流路から離間して該リリーフ流路を開き状態にすると共に、前記連通孔と前記弁内流路と前記第1リリーフ排出孔とを連通させるものである。この中回転数域の前期では、第1リリーフ排出孔の主排出孔と副排出孔の両方が開き状態で、オイルの排出開口面積が最大となりオイルの排出量を多くさせることができる。
また、中回転数域の後期では前記第1リリーフ排出孔は主排出孔のみが開き状態となり、副排出孔は閉じ状態となり、第1リリーフ排出孔におけるオイルの排出開口面積は前期から後期に亘って減少することになる。これによって、第1リリーフ排出孔からのオイルのリリーフ動作が抑制され、中回転数域の後期におけるリリーフ動作を高回転側まで延ばすことができる。つまり、中回転数域のリリーフ動作を長くすることができ、油圧の低い回転数領域を長くすることになり、燃費を向上させることができる。
また、弁体は、その軸方向の後端側を排出開口とした弁内流路が内部に設けられたものであり、前記弁体を前記リリーフ流路側に弾性付勢するためのコイルスプリング等とした弾性部材の一部を遊挿可能に収納することができる。そのために、弁体と弾性部材は、軸方向において重合する部分が存在することになり、弁体と弾性部材とのそれぞれの軸方向長さの総和よりも短くすることができ、よって、弁体通路の軸方向長さを短くコンパクトに設定することができる。
請求項2の発明では、弁体は、小径弁頭部をリリーフ流路内のオイルの圧力を受ける受圧面として使用することができるものであり、また、弁体の弁内流路は、コイルスプリングとした弾性部材の一部を収納する役目をなすものである。このように弁体側に僅かに加工を施すのみで、弁ハウジング側には、ほとんど加工を施すことはなく、2段階の油圧にできるリリーフ弁構造を極めて簡単な構造のものにできる。
さらに、前記弁体の全長は、前記リリーフ開口の位置から前記副排出孔までの最大距離よりも短く形成され、前記弁体の前記大径円筒部の軸方向の長さ寸法は、前記第1リリーフ排出孔の副排出孔と第2リリーフ排出孔との最大距離よりも短く設定される構成としたことにより、以下の動作となる。
まず、弁体が油圧によって、弁体通路の後方側に移動すると、第2リリーフ排出孔を開くことになるが、該第2リリーフ排出孔が開くときには、副排出孔は閉じた状態にすることができる。該副排出孔が閉じることにより、主排出孔のみが開き状態となり、弁体通路における弁体よりも後方側の空気,油を弁体通路から抜け難くすることになり、高い回転数となるまで、第2リリーフ排出孔は開かないようにすることができる。したがって、低い油圧を高い回転数まで維持することができ、中回転数域におけるリリーフ動作の高効率化を実現できる。
弁体は、その軸方向後端側を排出開口とした弁内流路が内部に設けられたものである。そして、該弁内流路は、オイルの流路としての役目と、弾性部材を収納する役目とを兼用するものである。前記弁体を前記リリーフ流路側に弾性付勢するためのコイルスプリング等とした弾性部材は、その一部が弁内流路内に遊挿可能な構成となる。
そのために、弁体と弾性部材は、軸方向において重合する部分が存在するので、弁体と弾性部材とのそれぞれの軸方向長さの総和よりも短くすることができ、よって、弁体通路の軸方向長さを短くコンパクトに設定することができる。請求項3の発明は、請求項1及び請求項2の発明と同等の効果を奏する。
請求項4の発明では、第1リリーフ排出孔は背圧逃し孔を兼用する構成としたことにより、第1リリーフ排出孔及び背圧逃し孔をそれぞれ別々に形成する必要がなく、共有の貫通孔を形成するのみで、極めて簡単な構成とし且つ弁ハウジングを小型化することができる。
請求項5の発明では、前記弁体通路のリリーフ流路寄りの端部は円錐状の通路斜面段差部が形成され、前記小径弁頭部の先端には面取部が形成され、該面取部は前記通路斜面段差部に面接触する構成としたことにより、小径弁頭部の面取部と、弁体通路の通路斜面段差部との接触面積が広くなり、リリーフ流路の閉じ状態をより一層確実に行うことができる。また、受圧頂部の全面と、面取部の一部がオイルの圧力を受ける役目をなし、弁体の動作性を良好にすることができる。
請求項6の発明では、前記リリーフ流路のリリーフ開口の直径は、前記小径弁頭部の面取部の最小直径と同一又は小さく形成される構成としたことにより、小径弁頭部の面取部を除いた受圧頂部が有効に使用され、確実なリリーフ動作にすることができる。請求項7の発明では、前記第1リリーフ排出孔の前記主排出孔と前記副排出孔とは同等の大きさとしたことにより、同一の刃物やピン等で加工できる。請求項8の発明では、中回転数域の前記から後期に亘って第1リリーフ排出孔の開口面積の減少の仕方を適宜に変更することができ、それぞれのエンジン等に適応した油圧にできる。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。本発明におけるリリーフ弁構造は弁ハウジングA1と弁体Bとから主に構成される〔図1(B)参照〕。リリーフ弁構造は、エンジンブロック側に組み込まれることもあるが、ポンプボディAの一部に組み込まれることが多い〔図1(A)参照〕。
以下、リリーフ弁構造は、ポンプボディAに組み込まれた実施形態として説明する。なお、本発明におけるリリーフとは、本発明のリリーフ弁構造が組み込まれたオイル回路内のオイルの圧力が設定値を超えた場合に、そのオイルの一部を回路外に排出することをいう。
弁ハウジングA1は、ポンプボディAの一部に形成されている〔図1(A)参照〕。弁ハウジングA1の内部には、弁体通路11とリリーフ流路12とが設けられ、弁体通路11とリリーフ流路12とが軸方向に連続して形成されている。具体的には、前記弁体通路11の軸方向一端が前記リリーフ流路12と連通する構造である〔図1(B),(D),図2(C),(D)参照〕。ここで、弁体通路11は、軸方向において前記リリーフ流路12と連通する側を弁体通路11の前方側とし、軸方向において該リリーフ流路12と反対側を弁体通路11の後方側とする。
前記弁ハウジングA1は、前記ポンプボディA内の所定位置に略半割り円筒形状に膨出形成されたものである。弁体通路11には、弁体Bが配置され、該弁体Bが弁体通路11の軸方向に沿って前方側と後方側とを往復移動するものである。
前記リリーフ流路12は、ポンプボディA内に設けられたオイルポンプの吐出ポート15からの吐出分岐流路15aと連通している。そして、前記吐出ポート15に吐出されるオイルが所定値を超え高圧となったときには、吐出分岐流路15aから弁ハウジングA1内に装着された弁体Bに加えられる圧力による力により、弁体Bを弁体通路11内を前方側から後方側に向かって移動させ、リリーフ流路12を介して前記弁体通路11内にオイルが送り込まれ、リリーフ動作を行うものである。
前記弁体通路11の内径D1と前記リリーフ流路12の内径D2とは異なり、リリーフ流路12は弁体通路11よりも内径が小さく形成されている〔図1(D)参照〕。弁体通路11は、リリーフ流路12と段差面を介して連通している。この段差面は、リリーフ流路12側に向かって直径が次第に小さくなる円錐状の通路斜面段差部11aとなる〔図1(D),図2(D)参照〕。
また、該通路斜面段差部11aは、その径が最も大きい部分が前記弁体通路11側に位置しており、径が最も小さい部分がリリーフ流路12側との境目となる〔図1(D)参照〕。この境目は、リリーフ流路12のリリーフ開口12aの位置となる。通路斜面段差部11aは、後述する弁体Bの面取部53が当接する部分であり、この状態で静止するときを弁体Bの初期位置状態とする〔図1(B),(C),図3(A),図4参照〕。
前記弁ハウジングA1で且つ弁体通路11の軸方向の略中間位置には、第1リリーフ排出孔2と第2リリーフ排出孔3とが形成されている。第1リリーフ排出孔2と第2リリーフ排出孔3とは、図1に示すように、弁体通路11の軸方向に沿って配置されると共にその軸方向の異なる位置に形成されている〔図1(B),図2(C),(D)参照〕。前記弁体通路11の略中間位置の範囲とは、通路方向両端付近を除いた全ての範囲とする。
前記第1リリーフ排出孔2及び第2リリーフ排出孔3は、前記弁ハウジングA1において、弁体通路11の内部と外部とを連通する部位である。第1リリーフ排出孔2と第2リリーフ排出孔3との位置関係は、第2リリーフ排出孔3が第1リリーフ排出孔2よりも前方側で且つ前記リリーフ流路12寄りに位置して形成されている〔図1(A),図2(C),図3(C),図4等参照)。
つまり、第2リリーフ排出孔3の方が、第1リリーフ排出孔2よりもリリーフ流路12に近い位置に存在する。第1リリーフ排出孔2は、前記弁ハウジングA1に前記弁体通路11の内部と外部とを連通する貫通孔として形成されたものである。さらに、前記第1リリーフ排出孔2は、主排出孔21と副排出孔22とから構成される。
主排出孔21と副排出孔22とは、弁体通路11の軸方向に沿って異なる位置に形成されており、副排出孔22は、主排出孔21よりも前記リリーフ流路12寄り、つまり弁体通路11の軸方向において前方側に位置している。そして、副排出孔22は、主排出孔21と第2リリーフ排出孔3との間に位置することになる。
主排出孔21と副排出孔22とは近接しており、該副排出孔22は、弁体Bによって開閉され、閉じ状態又は開き状態となる。また、主排出孔21は常時開き状態にある。主排出孔21と副排出孔22とは、同等の大きさであり、具体的には同一直径の円形貫通孔である。
また、主排出孔21と副排出孔22との大きさが異なるように設定することもある。具体的には、主排出孔21が副排出孔22よりも小さく形成されたり〔図8(B)参照〕、或いは主排出孔21が副排出孔22よりも大きく形成される〔図8(C)参照〕。
第1リリーフ排出孔2の主排出孔21及び副排出孔22は、背圧逃し孔として兼用される実施形態が存在する。第1リリーフ排出孔2を兼用する背圧逃し孔は、呼吸孔とも称され、弁体Bの弁体通路11における軸方向の往復移動において、弁体Bがオイルの圧力によって弁体通路11をリリーフ流路12とは反対側に移動しようとするときに、弁体通路11内の空気による抵抗圧力を弁体通路11から弁ハウジングA1の外部に排出し、弁体Bの移動を円滑に行う役目をなすものである。
第2リリーフ排出孔3は、貫通孔であり、第1リリーフ排出孔2よりも面積が大きく、円形状,長方形状,又は台形状とすることもある。また、図1(A)に示すように、弁ハウジングA1の軸方向に直交する方向,即ち幅方向に、2つの貫通孔が適宜の間隔をおいて略左右対称的に配列形成されている〔図1(A)参照〕。
ポンプボディAの内部には、ポンプを構成するロータ室13が形成されている。該ロータ室13内に外歯を設けたインナーロータ81と、内歯を設けたアウターロータ82と、が互いに歯合しつつ偏心して内装されている。
インナーロータ81とアウターロータ82とは、図1(A)において想像線(2点鎖線)にて開示されている。インナーロータ81は具体的には、トロコイドタイプのものである。そして、ロータ室13に形成された吸入ポート14からオイルの吸入を行い、吐出ポート15からオイルを吐出して機器へ循環させるものである。
次に、弁体Bは、大径円筒部4と小径弁頭部5と弁内流路61と連通孔62とから主に構成される〔図2(A),(B)参照〕。ここで、弁体Bには、軸方向において、前方側と後方側とが存在する。その前方側とは小径弁頭部5が形成されている側であり、後方側とは大径円筒部4が形成されている側のことである。小径弁頭部5は、円筒状部51と受圧頂部52とから構成される〔図2(A),(B)参照〕。
円筒状部51と受圧頂部52との間には、面取部53が形成されている。面取部53は、円錐状の斜面として形成された部位であり、該面取部53は、前記弁体通路11の通路斜面段差部11aと同等の傾斜角度として形成されている。そして、弁体Bが初期位置状態のときには、小径弁頭部5の面取部53が前記弁体通路11の通路斜面段差部11aに当接し、前記リリーフ流路12と前記弁体通路11とのオイルの流通を遮断し、リリーフ流路12を閉じ状態とする〔図3(A),図4参照〕。
前記面取部53は、前記弁体通路11の通路斜面段差部11aに面接触し、リリーフ流路12のリリーフ開口12aを閉じるものである。そして、小径弁頭部5の先端頂部における受圧頂部52の直径D5は、リリーフ流路12のリリーフ開口12aの直径D2と同一、又は小径弁頭部5の先端頂部における受圧頂部52の直径D5は、リリーフ流路12のリリーフ開口12aの直径D2よりも僅かに大きく形成される。
特に、小径弁頭部5の面取部53が、弁体通路11の通路斜面段差部11aに面接触したときに、直径D5が直径D2よりも僅かに大きく形成されることで、受圧頂部52の面積を大きくすることができる。また、小径弁頭部5は大径円筒部4よりも直径が小さく、小径弁頭部5には大径円筒部4と連続する円錐状の弁斜面段差部54が形成される。
前記大径円筒部4は、前述したように、前記弁体通路11内を軸方向の前方側と後方側とに亘って往復移動自在に摺動するものであり、大径円筒部4の直径は、弁体通路11の内径よりも僅かに小さく形成され、弁体Bの摺動が円滑に行われるようになっている。大径円筒部4の直径D4と、弁体通路11の内径D1との大小関係は具体的には、数十μm程度で略密着状態で相対的に摺動する隙間嵌めの嵌め合い構造と同一である。
円筒状部51は、軸方向に沿って、いずれの位置でも直径が同一である円筒形状である。小径弁頭部5の軸方向の長さは、軸方向全長Ltと称する。軸方向全長Ltとは、円筒状部51と面取部53と受圧頂部52と弁斜面段差部54が含まれた長さである。小径弁頭部5の受圧頂部52は、リリーフ流路12に流入するオイルの圧力を受けることによって、弁体B自体を弁体通路11内にて移動させる役目をなす(図3乃至図7参照)。
弁体Bの小径弁頭部5が、前記リリーフ流路12のリリーフ開口12a周囲に当接した状態を、前記リリーフ流路12の閉じ状態とする。具体的には、小径弁頭部5の面取部53が通路斜面段差部11aに当接した状態では、吐出分岐流路15aからリリーフ流路12に流入するオイルは、弁体通路11側に流出することはない。つまり、リリーフ流路12が閉じ状態となり、弁体通路11側へのオイルの流入が遮断されることになる。
弁体Bの内部には、軸方向に沿って弁内流路61が形成されている。弁内流路61は、前記大径円筒部4の軸方向の後方側端部に排出開口61aが形成され、軸方向の前方側の小径弁頭部5側では受圧頂部52によって閉鎖壁面となっている〔図1(C),図3(A)等参照〕。
そして、小径弁頭部5の円筒状部51には、連通孔62が形成されている。該連通孔62は、前記弁内流路61と弁体Bの内部で連通する〔図2(B)参照〕。該弁体Bは、連通孔62,弁内流路61によって、小径弁頭部5の前方側の外部と弁内流路61の排出開口61aとを連通する。
これによって、小径弁頭部5の外部から連通孔62,弁内流路61,排出開口61aを介して大径円筒部4の外部とが連通する。オイルは、小径弁頭部5の外部から連通孔62に流入して、該連通孔62から弁内流路61にオイルが流れ込み、該弁内流路61の排出開口61aからオイルが排出され、そのまま弁体通路11にオイルが流出する〔図3(C),(D)等参照〕。
連通孔62は、前記小径弁頭部5の円筒状部51に1又は複数形成される。連通孔62が複数のときは、前記円筒状部51の外周に沿って等間隔(等角度)に配置される。連通孔62の個数は、具体的には、2,3又は4程度が好ましい。
弁ハウジングA1の弁体通路11に収納された弁体Bは、小径弁頭部5をリリーフ流路12側に向けて配置される。そして、弁体通路11には弾性部材7が装着されており、該弾性部材7により弁体Bは、常時、弁体通路11の前方側つまり、リリーフ流路12側に弾性的に付勢される。弾性部材7は、具体的にはコイルスプリングが使用される〔図1(B)参照〕。弾性部材7は、弁体通路11の軸方向において後方側つまり、リリーフ流路12とは反対側となる位置に装着された支持部材16によって固定される。
弁体Bは、弁ハウジングA1内において、リリーフ圧力がかからない無負荷の状態のときの位置を弁体Bの初期位置という。そして、この初期位置では、弁体通路11内で、弁体Bの小径弁頭部5の面取部53は、通路斜面段差部11aに当接し、リリーフ流路12は、閉じられた状態となる。
本発明では、弁体Bの小径弁頭部5の軸方向全長Ltは、リリーフ流路12における弁体通路11側寄りのリリーフ開口12aと、第2リリーフ排出孔3との最小距離Laよりも短く設定される〔図2(C)参照〕。この最小距離Laとは、孔状とした第2リリーフ排出孔3の周縁でリリーフ流路12のリリーフ開口12aと最も近接した部分のことである。
また、弁体Bの大径円筒部4の軸方向の長さ寸法Lsは、第1リリーフ排出孔2と第2リリーフ排出孔3との最小距離Lbよりも短く設定される〔図2(D)参照〕。具体的には、弁体Bの大径円筒部4の軸方向長さ寸法Lsと、第1リリーフ排出孔2の主排出孔21と第2リリーフ排出孔3との最大距離Lbとの大小関係は、
である。
である。
さらに、弁体Bの大径円筒部4の軸方向の長さ寸法Lsは、第1リリーフ排出孔2の副排出孔22と第2リリーフ排出孔3との最大距離Lcよりも短く設定される〔図2(D)参照〕。大径円筒部4の軸方向の長さ寸法Lsと、第1リリーフ排出孔2の副排出孔22と第2リリーフ排出孔3との最大距離Lcとの大小関係は、
である。
である。
ただし、大径円筒部4の軸方向の長さ寸法Lsは、副排出孔22と第2リリーフ排出孔3との最大距離Lcよりも僅かに短く設定されるものである。また、長さ寸法Lsと、副最大距離Lcとは、略同等とすることもある。つまり、大径円筒部4は、副排出孔22と第2リリーフ排出孔3の両方を同時に閉じることができるほどの長さ寸法ではない。
したがって、大径円筒部4の軸方向の長さ寸法Lsと、第1リリーフ排出孔2の主排出孔21と第2リリーフ排出孔3との最小距離Lbと、第1リリーフ排出孔2の副排出孔22と第2リリーフ排出孔3との最大距離Lcとの大小関係は、
である。
である。
また、弁体Bの全長寸法Lfは、リリーフ流路12の弁体通路11寄りのリリーフ開口12aと、第2リリーフ排出孔3との最大距離La’よりも大きく設定される。つまり、リリーフ流路12の弁体通路11寄りのリリーフ開口12aと、第2リリーフ排出孔3との最大距離La’と、弁体Bの全長寸法Lfとの大小関係は、
である。
である。
以上の構成によって、弁ハウジングA1内における弁体Bの初期位置、つまり、弁体Bが弁体通路11のリリーフ流路12寄りの位置に配置された状態では、以下のようになる。すなわち、リリーフ流路12は閉じ状態で、第2リリーフ排出孔3は、大径円筒部4によって閉じられた状態となる〔図1(B),図3(A),図4参照〕。また、第1リリーフ排出孔2は、開き状態であり、主排出孔21及び副排出孔22は共に開き状態である。
次に、本発明におけるエンジンの低回転数域、中回転数域及び高回転数域におけるリリーフ動作を説明する。ここで、本発明における弾性部材7は、コイルスプリングとしたものであり、初期位置における弁体Bを弁体通路11の後方側から前方側のリリーフ開口12aに向かって弾性付勢するものである。
そして、弁体Bが受けるリリーフ時の圧力による力は、コイルスプリングとした弾性部材7が有する所定の弾性力を超えない限りコイルスプリングは縮まないものとする。すなわち、オイルの圧力による力が所定値を超えない限り、弁体Bは弾性部材7によって不動状態となる。
エンジンの始動から低回転数域(アイドリング状態も含む)の場合には、図3(A),図4に示すように、ポンプが作動しても、吐出圧は低い。したがって、弁体Bの受圧頂部52が受ける圧力による力よりも、弾性部材7による弾性力が上回っているので弁体Bは、弁体通路11内で初期位置の状態が維持される。したがって、リリーフ(オイルの排出)は行われない。
この弁体Bの初期位置では、該弁体Bの全長Lfは、前記リリーフ開口12aの位置から前記副排出孔22までの最大距離Ldよりも短く形成されているので、弁体Bによって、副排出孔22は閉じられていない。
そして、第2リリーフ排出孔3は、弁体Bの大径円筒部4によって閉じ状態であり、小径弁頭部5の面取部53は、通路斜面段差部11aに当接した状態である。また、第1リリーフ排出孔2の主排出孔21と副排出孔22とは、共に開いている。
エンジンの低回転数域での範囲内で、回転数が増加して、弁体Bの受圧頂部52が受ける圧力も増加するが、この圧力による力に対して、弾性部材7の弾性力が上回るように設定される。したがって、低回転数域では、弁体Bは初期位置で不動状態が維持される。
そのために、低回転数域では、リリーフ流路12は閉じたままの状態であり(図4参照)、低回転数域では図9のグラフに示すようにポンプによる油圧は回転数に略比例するように上昇する。
次に、エンジンが中回転数域では、前期〔図3(B),図5参照〕と後期〔図3(C),図6参照〕に分けて説明する。なお、中回転数域の前期とは、低回転数域から中回転数域に変化した直後から中回転域の中間の回転数までの範囲であり、後期とは中回転数域の中間の回転数から高回転数域に変化しようとする直前までの範囲である。
まず、中回転数域の前期では、低回転数域から中回転数域に入ったと同時に弁体Bの受圧頂部52のリリーフ流路12から受ける圧力による力は、弾性部材7の弾性力を上回りり、弁体Bを弁体通路11の軸方向の後方側(リリーフ流路12とは反対側)に向かって移動させ、小径弁頭部5の面取部53は通路斜面段差部11aとの当接状態から離間状態に移り、リリーフ流路12のリリーフ開口12aが開いて、弁体通路11と連通する〔図3(B),図5参照〕。
そして、円筒状部51がリリーフ流路12から離間した状態で、オイルがリリーフ流路12から弁体通路11内に入り込む。また、弁体通路11の途中より後方側は、弁体Bの大径円筒部4によって塞がれた状態である。
したがって、弁体通路11内に流入したオイルは、小径弁頭部5の円筒状部51に形成された連通孔62を介して弁内流路61に流入し、該弁内流路61の排出開口61aから弁体通路11の後方側にオイルが排出される〔図3(B),図5参照〕。
このようにして、中回転数域では前記弁体Bの移動にて前記小径弁頭部5が前記リリーフ流路12から離間して開き状態になり、前記連通孔62と前記弁内流路61と前記第1リリーフ排出孔2の主排出孔21と副排出孔22の両方とが連通する構成となる。これによって、オイルのリリーフ動作が開始される。
この中回転数域の前期のリリーフ動作では、小径弁頭部5がリリーフ流路12から外れて離間を始めたときであり、リリーフ流路12から弁体通路11内へのオイルの流入は、極めて僅かである。
特に、リリーフ開始直後の円筒状部51がリリーフ流路12から外れた直後では、弁体Bの面取部53,円筒状部51及び弁斜面段差部54と、弁体通路11と通路斜面段差部11aとによって構成された隙間Sは微小である〔図5(B)参照〕。したがって、この隙間Sに流れ込むオイルの量は極めて少なく、したがってリリーフ量は極めて少ない。
次に、中回転数域の後期〔図3(C),図6参照〕では、弁体Bの小径弁頭部5が受ける圧力による力は増加し、弁体Bはさらに移動を続ける。これによって、弁体通路11の前方側の空間が広がり、小径弁頭部5の連通孔62,弁内流路61、第1リリーフ排出孔2を流れるオイルの量は増加し、リリーフ量は増加する。
さらに圧力が増加すると、弁体Bの大径円筒部4は、第1リリーフ排出孔2の副排出孔22の位置に到達し、該副排出孔22を閉じ状態とする。つまり、第1リリーフ排出孔2におけるリリーフオイルの排出開口面積が減少することになる。これによって、中回転数域の後期では、第1リリーフ排出孔2は主排出孔21のみが開き状態となり、第1リリーフ排出孔2からのオイルのリリーフ動作が抑制される。
そして、第1リリーフ排出孔2の主排出孔21と副排出孔22とが同等の大きさの場合には、中回転数域の前期における第1リリーフ排出孔2は主排出孔21と副排出孔22の両方からオイルがリリーフされるが、中回転数域の後期では、主排出孔21のみからのリリーフとなり、そのリリーフ開口面積が半分になる。
また、第1リリーフ排出孔2の主排出孔21と副排出孔22とが異なる大きさの場合には、主排出孔21が副排出孔22よりも大きい場合と、小さい場合とで第1リリーフ排出孔2の開口面積の変化の仕方が異なるものである。これにより、弁体Bの軸方向の後方側への移動を遅らせることで、中回転数域の後期におけるリリーフ動作を高回転側まで延ばすことができる。
上記動作について、詳述すると、弁体Bの全長Lfは、前記リリーフ開口12aの位置から前記副排出孔22までの最大距離Lcよりも短く形成され、具体的には、僅かに短く形成されている。
これによって、弁体Bが油圧によって、弁体通路11の後方側に移動すると、第2リリーフ排出孔3を開くことになるが、該第2リリーフ排出孔3が開くときには、副排出孔22は閉じた状態にすることができる。該副排出孔22が閉じることにより、主排出孔21のみの開き状態となり、弁体通路11における弁体Bよりも後方側の空気,油を弁体通路11から抜け難くすることになる。
したがって、高い回転数となるまで、弁体Bが第2リリーフ排出孔3を開く位置まで移動し難いようにする力がかかることになる。それゆえに、低い油圧を高い回転数まで維持することができる。
つまり、中回転数域のリリーフ動作を長くすることができる。油圧の低い回転領域を長くすることになり、燃費を向上させることができ、図9の二点鎖線から実線のように油圧特性を変えることができる。
また、この中回転数域の前期から後期に亘ってのリリーフ動作において、リリーフ流路12から弁体通路11内に流入したオイルは、まず最初に弁体Bの連通孔62に流入するものである。該連通孔62は、小径弁頭部5に形成された直径数mm程度の小径の貫通孔であるため、オイルの流入量は少なく、したがってリリーフ量も前期から後期に亘って次第に増加するものであるが、総合的には少ないものである。この状態は、図9のグラフの中回転数域に開示されている。
次に、エンジンが高回転数域では、中回転数域の後期から高回転数域に遷移するときに、オイルの圧力が増加し、弁体Bが移動することによって、大径円筒部4が第2リリーフ排出孔3の位置をよりも後方側に移動して、該第2リリーフ排出孔3を開く〔図3(D),図7参照〕。
そして、オイルは、第2リリーフ排出孔3から排出される。また、同時に弁体Bの連通孔62,弁内流路61を流れ排出開口61aから排出されるオイルは第1リリーフ排出孔2の主排出孔21からも排出することになる。
つまり、第2リリーフ排出孔3及び第1リリーフ排出孔2の主排出孔21の両方からリリーフが行われるものである〔図3(D),図7参照〕。高回転数域では、ポンプのオイルの吐出量は、増加し、オイルのリリーフ量も多くなる。この状態は図9のグラフにおける高回転数域に示されている。
本発明では、前記弁体Bの全長Lfは、前記リリーフ流路12のリリーフ開口12aの位置から前記副排出孔22までの最大距離Ldよりも短く形成された、前記弁体Bの前記大径円筒部4の軸方向の長さ寸法Lsは、前記第1リリーフ排出孔2の副排出孔22と第2リリーフ排出孔3との最大距離Lcよりも短く設定される構成としたものである。
これによって、弁体Bが油圧によって、弁体通路11の後方側に移動すると、第2リリーフ排出孔3を開くことになるが、該第2リリーフ排出孔3が開くより前に、副排出孔22が閉じることができるようにしたものである。
該副排出孔22が閉じることにより、主排出孔21のみが開き状態となり、弁体通路11における弁体Bよりも後方側の空気,油を弁体通路から抜け難くすることができ、高い回転数(高回転数域)まで、第2リリーフ排出孔3は開かないようにすることができる。従って、低い油圧を高い回転数まで維持することができ、中回転数域でのリリーフ動作を極めて効率的にできる。
つまり、リリーフ動作において、弁体Bが弁体通路11を後方側に最大限移動しても、副排出孔22を閉じることが無かった場合では、図9のグラフにおいて、高回転数域に到達するのは二点鎖線の位置となる。本発明では、弁体Bが副排出孔22を閉じることによって、前述したように、油或いは空気を弁体通路11から抜け難くすることになり、図9のグラフにおいて、高回転数域に到達するのは実線の位置となる。したがって、弁体Bが第2リリーフ排出孔3を開く動作を遅らせることができ、低い油圧を高い回転数まで維持することができ、中回転数域におけるリリーフ動作の高効率化を実現できる。
本発明のリリーフ弁構造は、オイルポンプに付属して構成されるものとして説明したが、リリーフ弁として単独に種々の油圧機器に適用することもできる。
このとき、大径円筒部4の軸方向の長さ寸法Lsと、第1リリーフ排出孔2の主排出孔21と第2リリーフ排出孔3との最小距離Lbと、第1リリーフ排出孔2の副排出孔22と第2リリーフ排出孔3との最大距離Lcとの大小関係は、
となる。
となる。
これによって、弁体Bがリリーフ流路12からの油圧を受けて、弁体通路11の後方側に移動するときに、第2リリーフ排出孔3が全開状態で開いたときには、副排出孔22は全閉状態で閉じることができる。
A1…弁ハウジング、B…弁体、11…弁体通路、12…リリーフ流路、
2…第1リリーフ排出孔、21…主排出孔、22…副排出孔、
3…第2リリーフ排出孔、4…大径円筒部、5…小径弁頭部、51…円筒状部、
52…受圧頂部、53…面取部、54…弁斜面段差部、61…弁内流路、62…連通孔、
7…弾性部材。
2…第1リリーフ排出孔、21…主排出孔、22…副排出孔、
3…第2リリーフ排出孔、4…大径円筒部、5…小径弁頭部、51…円筒状部、
52…受圧頂部、53…面取部、54…弁斜面段差部、61…弁内流路、62…連通孔、
7…弾性部材。
Claims (8)
- 大径円筒部と小径弁頭部と後端側を排出開口とした弁内流路と該弁内流路と前記小径弁頭部の外部とを連通する連通孔とからなる弁体と、一端側にリリーフ流路が形成された弁体通路に第1リリーフ排出孔と,該第1リリーフ排出孔よりも前記リリーフ流路寄りに位置する第2リリーフ排出孔が形成された弁ハウジングと、前記弁体を前記弁体通路の前記リリーフ流路側に付勢する弾性部材とからなり、前記第1リリーフ排出孔は、主排出孔と該主排出孔よりも前記リリーフ流路寄りに位置する副排出孔とからなり、エンジンの低回転数域では前記小径弁頭部は前記リリーフ流路を閉じ状態とし、中回転数域の前期では前記弁体の移動にて前記小径弁頭部は前記リリーフ流路から離間して該リリーフ流路を開き状態にすると共に前記連通孔と前記弁内流路と前記第1リリーフ排出孔とを連通させ、中回転数域の後期では前記第1リリーフ排出孔は主排出孔のみが開き状態となり、高回転数域では前記大径円筒部が前記第2リリーフ排出孔を開き状態としてなることを特徴とするリリーフ弁構造。
- 大径円筒部と小径弁頭部と後端側を排出開口とした弁内流路と該弁内流路と前記小径弁頭部の外部とを連通する連通孔とからなる弁体と、一端側にリリーフ流路が形成された弁体通路に第1リリーフ排出孔と,該第1リリーフ排出孔よりも前記リリーフ流路寄りに位置する第2リリーフ排出孔が形成された弁ハウジングと、前記弁体を前記弁体通路の前記リリーフ流路側に付勢する弾性部材とからなり、前記第1リリーフ排出孔は、主排出孔と該主排出孔よりも前記リリーフ流路寄りに位置する副排出孔とからなり、前記リリーフ流路のリリーフ開口の位置から前記第2リリーフ排出孔までの最小距離は前記小径弁頭部の軸方向全長よりも長く形成され、前記弁体の全長は、前記リリーフ開口の位置から前記副排出孔までの最大距離よりも短く形成され、前記弁体の前記大径円筒部の軸方向の長さ寸法は、前記第1リリーフ排出孔の副排出孔と第2リリーフ排出孔との最大距離よりも短く設定されてなることを特徴とするリリーフ弁構造。
- 大径円筒部と小径弁頭部と後端側を排出開口とした弁内流路と該弁内流路と前記小径弁頭部の外部とを連通する連通孔とからなる弁体と、一端側にリリーフ流路が形成された弁体通路に第1リリーフ排出孔と,該第1リリーフ排出孔よりも前記リリーフ流路寄りに位置する第2リリーフ排出孔が形成された弁ハウジングと、前記弁体を前記弁体通路の前記リリーフ流路側に付勢する弾性部材とからなり、前記第1リリーフ排出孔は、主排出孔と該主排出孔よりも前記リリーフ流路寄りに位置する副排出孔とからなり、前記弁体の小径弁頭部が前記リリーフ流路のリリーフ開口の周囲に当接状態で閉じ状態とし、前記大径円筒部は第2リリーフ排出孔を閉じ状態とし、前記小径弁頭部が前記リリーフ流路から離間した状態で前記連通孔と前記弁内流路と前記第1リリーフ排出孔とが連通され、前記弁体の前記リリーフ流路からの離間距離の増加により、前記第1リリーフ排出孔は主排出孔のみが開き状態となり、前記弁体の移動にて前記大径円筒部は前記第2リリーフ排出孔を開き状態としてなることを特徴とするリリーフ弁構造。
- 請求項1,2又は3のいずれか1項の記載において、前記第1リリーフ排出孔は背圧逃し孔を兼用する構成としてなることを特徴とするリリーフ弁構造。
- 請求項1,2,3又は4のいずれか1項の記載において、前記弁体通路のリリーフ流路寄りの端部は円錐状の通路斜面段差部が形成され、前記小径弁頭部の先端には面取部が形成され、該面取部は前記通路斜面段差部に面接触してなることを特徴とするリリーフ弁構造。
- 請求項5において、前記リリーフ流路のリリーフ開口の直径は、前記小径弁頭部の面取部の最小直径と同一又は小さく形成されてなることを特徴とするリリーフ弁構造。
- 請求項1,2,3,4,5又は6のいずれか1項の記載において、前記第1リリーフ排出孔の前記主排出孔と前記副排出孔とは同等の大きさとしてなることを特徴とするリリーフ弁構造。
- 請求項1,2,3,4,5又は6のいずれか1項の記載において、前記第1リリーフ排出孔の前記主排出孔と前記副排出孔とは異なる大きさとしてなることを特徴とするリリーフ弁構造。
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WO2017103979A1 (ja) * | 2015-12-14 | 2017-06-22 | 株式会社山田製作所 | リリーフ弁構造体 |
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- 2013-05-02 JP JP2013097175A patent/JP2014219028A/ja active Pending
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