JP2014218192A - 車両用操舵制御装置及び車両用操舵制御方法 - Google Patents

車両用操舵制御装置及び車両用操舵制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】個々のドライバに適応した操舵制御を行うのに好適な車両用操舵制御装置及び車両用操舵制御方法を提供する。【解決手段】目標転舵角演算部25は、操舵角センサ3が検出した操舵角θsと、走行状態検出装置17が検出した車速Vs及びヨーレートφとに基づき、ドライバの運転技量を判定し、該運転技量に基づき「θr*=K0θs+K1ωs」で表される目標転舵角θr*の演算に用いる操舵角速度係数K1を設定し、該設定したK1を用いて、目標転舵角θr*を演算することで、ステアリングホイール1が指示する操舵角θsに対する転舵輪11L,11Rの転舵角θrの過渡応答特性である操舵過渡特性を制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、車両走行時の操舵を制御する車両用操舵制御装置及び車両用操舵制御方法に関する。
従来、車両の操舵を制御する技術として、例えば、特許文献1に開示された技術がある。特許文献1の操舵制御装置は、ステアリングの操舵角度を検出し、ステアリングの操舵角速度を算出し、車速を検出する。そして、これら操舵角度、操舵角速度、及び車速に基づき、操舵角度に比例した比例項を設定すると共に、操舵角速度に比例した微分項を設定し、これら比例項と微分項との和に基づいて目標舵角を設定する。
特開2008−189200号公報
しかしながら、上記従来技術では、一般的なドライバに合わせた操舵制御を行っているため、個々のドライバの運転技量や個々のドライバが望む操舵特性などは考慮されない。そのため、個々のドライバに適応した制御を行えない場合がある。
本発明は、上記のような点に着目したもので、ドライバの運転技量に応じた操舵制御を行うのに好適な車両用操舵制御装置及び車両用操舵制御方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態は、ドライバが操舵を指示するために操作する操舵操作子の操舵角情報に基づき転舵輪の目標転舵角を演算し、該目標転舵角に基づき転舵輪に転舵力を付与する転舵アクチュエータを制御し、操舵操作子の前記操舵角情報と車両の走行状態情報とに基づき、ドライバの運転技量を判定し、該運転技量に基づき、操舵操作子が指示する操舵角に対する転舵輪の転舵角の過渡応答特性である操舵過渡特性を制御する。
本発明によれば、車両走行時のドライバの運転技量に基づき操舵過渡特性を制御するようにした。これにより、ドライバの運転技量に応じた操舵制御を行うことが可能となる。
第1実施形態に係る車両用操舵制御装置を適用した自動車Vのモデルを示す概念図である。 SBWコントローラ20の構成を示すブロック図である。 目標転舵角演算部25の構成例を示すブロック図である。 αを変曲点に設定したシグモイド関数S(I)に対応するシグモイド曲線Sの一例を示す図である。 操舵種が第一操舵の場合の各種技量レベル及び各種運転モードに対応する分割領域を設定するまでの過程を説明するための図である。 操舵種が第一操舵のときの各分割領域のローカライズしたシグモイド関数に対応するシグモイド曲線の一例を示す図である。 βを変曲点に設定したシグモイド関数S’(I)に対応するシグモイド曲線S’の一例を示す図である。 操舵種が修正操舵の場合の各種技量レベル及び各種運転モードに対応する分割領域を設定するまでの過程を説明するための図である。 操舵種が修正操舵のときの各分割領域のローカライズしたシグモイド関数に対応するシグモイド曲線の一例を示す図である。 転舵モータ制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 操舵種判定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 目標転舵角演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1のローカライズ処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第2のローカライズ処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態の目標転舵角演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1ステップ関数設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第2ステップ関数設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 操舵種が第一操舵のときのステップ関数ST(I)のグラフの一例を示す図である。 操舵種が修正操舵のときのステップ関数ST’(I)の一例を示すグラフである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づき説明する。図1〜図14は、本発明の第1実施形態に係る車両用操舵制御装置及び車両用操舵制御方法の実施形態を示す図である。
(構成)
図1は、本実施形態に係る車両用操舵制御装置を適用した自動車Vのモデルを示す概念図である。
本実施形態の自動車Vは、SBW(ステアバイワイヤ)システムを搭載している。この自動車Vは、図1に示すように、ドライバが操舵操作可能なステアリングホイール1と、左右前輪(転舵輪)11R,11Lと、ステアリングシャフト2と、を備える。
ステアリングホイール1は、左右前輪11R,11Lとは機械的に切り離し可能に設けている。ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト2に連結している。
自動車Vは、更に、操舵角センサ3と、反力モータ4と、操舵トルクセンサ5と、を備える。操舵角センサ3と、反力モータ4と、操舵トルクセンサ5とは、ステアリングシャフト2に設けている。
操舵角センサ3は、ステアリングホイール1の操舵角θsを検出するものであり、エンコーダ等で構成する。更に、操舵角センサ3は、検出した操舵角θsを微分することで、操舵角速度ωsを検出する。操舵角センサ3は、検出したステアリングホイール1の操舵角θs及び操舵角速度ωsを、後述するSBWコントローラ20に入力する。
反力モータ4は、ステアリングシャフト2にトルクを付加することにより、ステアリングホイール1に操舵反力を与えるためのものである。ここで、上記操舵反力は、ドライバがステアリングホイール1を操舵する操作方向とは反対方向へ作用する反力である。この反力モータ4は、ブラシレスモータ等で構成し、後述するSBWコントローラ20が出力する反力モータ駆動電流に応じて駆動する。
操舵トルクセンサ5は、ステアリングホイール1からステアリングシャフト2に伝達する操舵トルクTを検出する。この操舵トルクセンサ5は、トーションバーの捩れ角変位をポテンショメータで検出することで、操舵トルクTを検出する構成となっている。操舵トルクセンサ5は、検出した操舵トルクTを、後述するSBWコントローラ20に入力する。
自動車Vは、更に、クラッチ6と、ピニオンシャフト7と、転舵モータ8と、転舵モータ角センサ9と、ピニオンギア12と、ラック軸13と、タイロッド14と、ナックルアーム15と、を備える。
自動車Vは、更に、通信装置16と、車両走行状態検出装置17と、運転モード切替スイッチ18と、第1記憶装置19Aと、第2記憶装置19Bと、SBWコントローラ20と、を備える。
クラッチ6は、ステアリングホイール1と転舵輪11R,11Lとの間に介装し、SBWコントローラ20からのクラッチ指令(クラッチ指令電流)に従って、解放状態または締結状態に切り換わる。
このクラッチ6は、通常状態では、解放状態となっており、SBWシステムに何らかの異常(例えば操舵反力系の異常)が発生したときに締結状態となる。当該異常が発生してクラッチ6を締結した状態では、操舵系にドライバの操舵負担を軽減するための操舵補助力を付与する操舵補助制御(以下、EPS制御という)を行う。
クラッチ6の解放状態では、ステアリングホイール1と転舵輪11R,11Lとの間のトルク伝達経路が機械的に分離するため、ステアリングホイール1の操舵操作が転舵輪11R,11Lへ伝達しない状態となる。一方、クラッチ6の締結状態では、ステアリングホイール1と転舵輪11R,11Lとの間のトルク伝達経路が機械的に結合するため、ステアリングホイール1の操舵操作が転舵輪11R,11Lへ伝達する状態となる。
ピニオンシャフト7は、その一端をクラッチ6に連結し、その他端には、ピニオンギア12を設けている。ピニオンギア12は、ラック軸13の両端部間に設けたラックギアと噛合する。
ラック軸13の両端は、それぞれタイロッド14及びナックルアーム15を介して、転舵輪11R,11Lに連結している。すなわち、転舵輪11R,11Lは、ピニオンギア12の回転に応じてラック軸13が車幅方向へ変位することで、タイロッド14及びナックルアーム15を介して転舵し、自動車Vの進行方向を変化可能となっている。
また、転舵モータ8は、反力モータ4と同様にブラシレスモータ等で構成し、SBWコントローラ20が出力する転舵モータ駆動電流に応じて駆動する。この転舵モータ8は、転舵モータ駆動電流に応じて駆動することにより、転舵輪11R,11Lを転舵するための転舵トルクを出力する。
転舵モータ8の出力軸先端側には、ピニオンギア12を用いて形成した転舵出力歯車8aを設けている。そして、転舵出力歯車8aは、ラック軸13の両端部間に設けたラックギアと噛合する。すなわち、転舵輪11R,11Lは、転舵出力歯車8aの回転に応じて転舵可能となっている。
更に、転舵モータ8には、転舵モータ角センサ9を設けている。転舵モータ角センサ9は、転舵モータ8の回転角を検出する。転舵輪11R,11Lの転舵角θrは、転舵出力歯車8aの回転角度と、ラック軸13のラックギアと転舵出力歯車8aとのギア比とによって一意に決定する。そのため、本実施形態では、転舵モータ8の回転角から転舵輪11R,11Lの転舵角θrを求める。転舵モータ角センサ9は、求めた転舵角θrを、SBWコントローラ20に入力する。
通信装置16は、プローブデータを収集する外部サーバ(不図示)と通信ネットワークを介してデータ通信を行う装置である。本実施形態において、通信装置16は、自動車Vが移動体であるため、無線通信を利用して、周辺の無線アクセスポイント(例えば、携帯電話の基地局等)に接続する。そして、無線アクセスポイントを介して通信ネットワーク(例えば、インターネット等)に接続し、通信ネットワークを介して、外部サーバとデータ通信を行う。
走行状態検出装置17は、車速センサ及びヨーレートセンサ等の自動車Vの走行状態を示す情報を検出するセンサを含み、自動車Vの車速Vs、ヨーレートφ等を検出する。走行状態検出装置17は、検出した車速Vs、ヨーレートφ等のセンサ検出値を、車載ネットワークを介してSBWコントローラ20に入力する。
なお、車載ネットワークは、本実施形態において、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルを採用したネットワークから構成される。また、CAN通信プロトコルに限らず、例えば、LIN(local interconnect network)、FlexRay(フレックスレイ)などの他の通信プロトコルを採用した構成としてもよい。また、本実施形態において、SBWシステムでは、FlexRay通信プロトコルを採用している。
運転モード切り替えスイッチ18は、自動車Vの備える複数種類の運転モードのうちから、現在設定されている運転モードを他の運転モードへと切り替えるためのスイッチである。
本実施形態では、ステアリングホイール1の操舵角θsに対する転舵輪11R,11Lの転舵角θrの過渡応答特性(以下、操舵過渡特性という)が異なる複数種類の運転モードを備えている。
具体的に、運転モードとして、予め設定した通常の応答速度の過渡応答特性を有する運転モード(以下、通常運転モードという)と、通常運転モードと比較して応答速度が速い操舵過渡特性を有する運転モード(以下、活発運転モードという)とを備える。更に、通常運転モードと比較して応答速度が遅い操舵過渡特性を有する運転モード(以下、緩慢運転モードという)を備える。
自動車Vのドライバは、運転モード切り替えスイッチ18を操作することで、これら運転モードのうちから自分の要求に合った運転モードを選択することが可能である。
運転モード切り替えスイッチ18は、選択された運転モードに対応するモード選択信号Mdを、SBWコントローラ20に入力する。
なお、運転モード切り替えスイッチ18は、例えば、機械式のスイッチとして構成してもよいし、GUI(Graphical User Interface)によるソフトウェア的なスイッチとして構成してもよい。後者の場合、ドライバは、ディスプレイに表示された運転モードから、タッチパネルやリモコンを介して任意の運転モードを選択する。
SBWコントローラ20は、入力された、操舵角θs、操舵角速度ωs、操舵トルクT、転舵角θr、車速Vs、ヨーレートφ等の車両信号データを、時系列に順次バッファメモリ(不図示)に記憶する。
そして、クラッチ6の解放状態では、SBWコントローラ20は、ステアリングホイール1の操舵状態に応じて転舵モータ8を駆動制御し、転舵輪11R,11Lを転舵する。これにより、転舵輪11R,11Lの転舵角θrは、操舵状態に応じた目標転舵角に一致する。また同時に、SBWコントローラ20は、転舵輪11R,11Lの転舵状態に応じて反力モータ4を駆動制御し、ステアリングホイール1に操舵反力を付与する。これにより、ステアリングホイール1に路面反力を模擬した操舵反力を与える。このようにして、SBWコントローラ20は、ステアバイワイヤ制御(以下、SBW制御という)を行う。
第1記憶装置19Aは、目標転舵角θr*の演算に用いる操舵角係数K0のマップデータと、不特定多数の一般ドライバの操舵角速度係数K1の平均値K1aveを演算する際に用いる操舵角速度係数K1のマップデータとを記憶する。なお、操舵角係数K0、操舵角速度係数K1及び平均値K1aveについての詳細は後述する。
第2記憶装置19Bは、通信装置16を介して外部サーバから取得した、不特定多数の一般ドライバの運転データと、該運転データに基づき生成された技量レベル情報とを含む運転技量情報Dtを記憶する。
不特定多数の一般ドライバに対応する運転データは、不特定多数の一般ドライバの運転する車両が、個々の道路線形の道路を走行時のデータ(プローブデータ)である。運転データは、車速Vs、操舵角θs、ヨーレートφ等を含む不特定多数の一般ドライバの運転する車両の走行状態を示すデータである。かかる運転データは、外部サーバにおいて、予め道路線形毎に分類して収集される。なお、本実施形態において、運転データは、通常運転モードを設定時のデータを収集することとする。
技量レベル情報は、具体的に、初心者と熟練者の運転する車両が同じ道路線形の道路を走行した場合に、初心者と熟練者では車両の走行状態が異なることを利用して生成した情報である。例えば、運転データの収集対象である不特定多数の一般ドライバを、運転経歴などに基づき初心ドライバ、中級ドライバ、熟練ドライバなどに分ける。そして、初心ドライバ、中級ドライバ及び熟練ドライバそれぞれの、各道路線形に対応する運転データに基づき、道路線形毎に、運転技量の判断の指標となる技量値Iを求める。この技量値Iを求める式は、初心ドライバ、中級ドライバ、熟練ドライバでそれぞれ値が分かれるようにパラメータを予め設定した式となる。なお、技量値Iを求める式の詳細については後述する。
そして、本実施形態では、初心ドライバ、中級ドライバ及び熟練ドライバの技量値Iの範囲を、N段階(Nは3以上の自然数)にレベル分けすることで、技量レベル情報を生成する。
技量レベル情報は、例えば、初心ドライバの技量値I群の少なくとも一部を低(Low)レベルに設定し、熟練ドライバの技量値I群の少なくとも一部を高(High)レベルに設定し、Lowレベル及びHighレベルの間の技量値I群を1〜複数段階のレベルに設定した情報となる。
例えば、技量レベルをLow、Middle、Highのように3段階にレベル分けする場合に、技量値I群の95%が入るようにMiddleの範囲を設定し、この範囲未満の数値範囲をLowの範囲に設定し、この範囲よりも大きい数値範囲をHighの範囲に設定する。
また、例えば、Low、Middle、Highのそれぞれの技量値I群の平均値を求め、それぞれの平均値の中間点を境界として、Low、Middle、Highの範囲を設定する。
なお、技量レベル情報は、不特定多数の一般ドライバの道路線形毎の技量値Iと、各技量値Iがどの技量レベルに属するのかを示す情報とを含む情報である。
また、技量レベル情報は、工場出荷前等に外部装置において予め生成される。
また、自動車Vが運転技量情報Dtを外部サーバから通信装置16を介して取得する構成としたが、この構成に限らない。例えば、自動車Vが外部サーバ等において予め用意された運転技量情報Dtを、工場出荷前等に第2の記憶装置19Bに予め記憶する構成など他の構成としてもよい。
(SBWコントローラ20)
次に、図2に基づき、SBWコントローラ20の構成について説明する。
図2は、SBWコントローラ20の構成を示すブロック図である。
この図2に示すように、SBWコントローラ20は、反力演算部23と、反力制御部24と、目標転舵角演算部25と、角度サーボ制御部26と、を含む構成となっている。
反力演算部23は、操舵角θsと車速Vsと転舵角θrとに基づいて、目標の反力指令(転舵状態に応じた反力トルク)を演算する。そして、演算した反力指令Ts*を反力制御部24に出力する。
反力制御部24は、実反力トルクを反力指令Ts*に一致するための反力モータ4への電流指令値(反力モータ駆動電流)を演算し、その電流司令値をもとに反力モータ4を駆動制御する。ここでは、フィードフォワード制御+フィードバック制御+ロバスト補償による反力サーボ制御により、反力モータ駆動電流を演算する。
目標転舵角演算部25は、転舵輪11R,11Lを、ドライバの指示した操舵角θs、ドライバの要求する運転モード、ドライバの運転技量及び操舵種(後述)に応じた転舵角とするための目標転舵角θr*を演算する。そして、演算した目標転舵角θr*を角度サーボ制御部26に出力する。本実施形態において、目標転舵角演算部25は、下式(1)に従って、目標転舵角θr*を演算する。
θr*=K0×θs+K1×ωs ・・・(1)
上式(1)において、K0は車速Vsに応じて設定した操舵角係数であり、K1はドライバの要求する運転モード及びドライバの運転技量に基づき設定した操舵角速度係数である。
本実施形態では、車速Vsの大きさに応じて異なる操舵角係数K0のマップデータを第1記憶装置19Aに予め記憶しており、目標転舵角演算部25は、このマップデータに基づき、入力された車速Vsに対応する操舵角係数K0を算出する。
また、目標転舵角演算部25は、外部サーバから、通信装置16を介して運転技量情報Dtを取得し、取得した運転技量情報Dtを第2記憶装置19Bに記憶する。
なお、運転技量情報Dtは、最初に外部サーバの備える全ての道路線形に対応するデータを取得して第2記憶装置19Bに記憶する構成としてもよいし、必要なデータをその都度取得して第2記憶装置19Bに記憶(蓄積)する構成としてもよい。
目標転舵角演算部25は、第1記憶装置19Aに記憶された操舵角速度係数K1のマップデータと、第2記憶装置19Bに記憶された運転技量情報Dtと、入力された運転モード、技量レベルSLm(後述)、技量値Im(後述)及び操舵種とに基づき、目標転舵角θr*の演算に用いる操舵角速度係数K1を決定する。なお、操舵角速度係数K1の決定方法の詳細については後述する。
角度サーボ制御部26は、実転舵角θrが目標転舵角θr*と一致するように、転舵モータ8の電流指令値(転舵モータ駆動電流)を演算し、舵角サーボ制御により、転舵モータ8の電流指令値を演算する。舵角サーボ制御では、フィードフォワード制御+フィードバック制御+ロバスト補償により、転舵モータ駆動電流を演算する。
(目標転舵角演算部25)
次に、図3に基づき、目標転舵角演算部25の構成について説明する。
図3は、目標転舵角演算部25の構成例を示すブロック図である。
この図3に示すように、目標転舵角演算部25は、運転モード判定部25aと、運転技量判定部25bと、操舵種判定部25cと、操舵過渡特性制御部25dと、転舵角演算部25eとを含む構成となっている。
運転モード判定部25aは、入力されたモード選択信号Mdに基づき、現在設定されている運転モードを判定する。そして、この判定結果を操舵過渡特性制御部25dに入力する。
運転技量判定部25bは、第2記憶装置19Bに運転技量情報Dtが記憶されていないと判定すると、外部サーバから、通信装置16を介して運転技量情報Dtを取得し、取得した運転技量情報Dtを第2記憶装置19Bに記憶する。
運転技量判定部25bは、第2記憶装置19Bに記憶された技量レベル情報と、バッファメモリに記憶された操舵角θs、車速Vs及びヨーレートφとに基づき、自動車Vのドライバの運転技量を判定する。
運転技量判定部25bは、まず、自動車Vが走行を開始してから予め設定した設定時間が経過したと判定すると、その期間にバッファメモリに記憶された操舵角θs、車速Vs及びヨーレートφに基づき、自動車Vの走行した道路の道路線形を判定する。この判定は、不図示のカメラで撮像した通行区分線(例えば、道路白線)の画像情報に基づき行ってもよいし、不図示のカーナビゲーションシステムに搭載された測位機能及び地図データに基づき行ってもよい。
運転技量判定部25bは、判定した道路線形に対応する操舵角θs、車速Vs及びヨーレートφに基づき、運転技量の判断の指標となる技量値Iを算出する。
本実施形態において、運転技量判定部25bは、下式(2)に基づき、技量値Iを算出する。
I=c1×Vs+c2×θs+c3×φ ・・・(2)
上式(2)において、c1,c2,c3は重み係数であり、技量値Iの値が、初心ドライバ、中級ドライバ及び熟練ドライバで分かれるように、最小二乗法などによって予め値が設定されている。なお、上式(2)は、不特定多数の一般ドライバの技量値Iを算出するときに用いる式と同様の式であり、かつ同様の重み係数を有した式となる。
更に、運転技量判定部25bは、算出した自動車Vのドライバの技量値I(以下、技量値Imという)と、第2記憶装置19Bに記憶された運転技量情報Dtに含まれる、判定した道路線形に対応する技量レベル情報とに基づき、自動車Vのドライバの技量レベルを判定する。
本実施形態では、説明の便宜上、技量値Iの範囲は、例えば、Low、Middle及びHighの3段階の技量レベルに分類されていることとする。
具体的に、運転技量判定部25bは、自動車Vのドライバの技量値Imが、Low、Middle及びHighの各技量値の範囲のうちいずれの範囲に属するかを判定することで、該ドライバの技量レベルを判定する。
なお、運転技量の判定方法は、この方法に限らない。例えば、操舵のふらつきを公知のステアリングエントロピー法などから求め、これを技量値Iとして運転技量を判定する方法を用いてもよい。また、運転技量の判定方法として、例えば、特開2001−354047号公報、特開2003−99897号公報、特開2006−111226号公報、特開2009−144496号公報に記載された方法など他の方法を用いてもよい。
運転技量判定部25bは、判定した技量レベル(以下、技量レベルSLmという)の情報及び判定に用いた技量値Imを、操舵過渡特性制御部25dに入力する。ここで、技量レベルSLmの情報には、判定した道路線形の種別を示す情報が含まれる。
なお、技量値Im及び技量レベルSLmの情報は、例えば、自動車Vのエンジン始動後からエンジン停止まで、あるいは予め設定した時間が経過するまでRAM等のメモリ(不図示)に記憶保持しておく。そして、運転技量判定部25bは、エンジン始動後に一度技量値Im及び技量レベルSLmの情報を求めた後は、上記判定処理を行わずに、メモリに記憶保持した技量値Im及び技量レベルSLmの情報を、操舵過渡特性制御部25dに入力する。
一方、操舵種判定部25cは、入力された現在の操舵角θs及びヨーレートφに基づき、ドライバの操舵の種類(操舵種)を判定する。
具体的に、操舵種判定部25cは、入力されたヨーレートφと、操舵角θsとに基づき、第一操舵が行われたか否か及び修正操舵が行われたか否かを判定する。操舵種判定部25cは、この判定結果を、操舵過渡特性制御部25dに入力する。
なお、操舵種判定部25cは、第一操舵及び修正操舵が共に行われていないと判定した場合に、自動車Vは直進走行中であると判定し、この判定結果を、操舵過渡特性制御部25dに入力する。この場合、本実施形態では、操舵過渡特性の制御を含む操舵制御を実施しない。
ここで、上記第一操舵とは、ステアリングホイール1が中立位置にある状態から行われる操舵である。本実施形態では、第一操舵を、ヨーレートφ及び操舵角速度ωsが、予め設定した条件を満たす操舵として定義する。
具体的に、第一操舵を、ヨーレートφが予め設定したヨー閾値以上であり、かつ、操舵角速度ωsが予め設定した舵角速度閾値以上であり、更に、ヨーレートφ及び操舵角速度ωsの方向(回転方向)が同方向となる操舵として定義している。
ここで、中立位置は、操舵角θsが「0」となる位置である。なお、中立位置を、例えば、操舵角θs又はその絶対値が予め設定した舵角閾値未満となる位置としてもよい。
また、上記修正操舵とは、第一操舵を行った後に行われる操舵である。本実施形態では、ヨーレートφ及び操舵角速度ωsが、予め設定した条件を満たす操舵として定義する。
具体的に、修正操舵を、ヨーレートφが予め設定したヨー閾値以上であり、かつ、操舵角速度ωsが予め設定した舵角速度閾値以上であり、更に、ヨーレートφ及び操舵角速度ωsの方向(回転方向)が互いに逆方向となる操舵として定義している。
操舵過渡特性制御部25dは、入力された操舵種に基づき、操舵種が第一操舵又は修正操舵であると判定すると、操舵角速度係数K1の決定処理を実行する。
具体的に、操舵過渡特性制御部25dは、操舵種が第一操舵又は修正操舵であると判定すると、第2記憶装置19Bに記憶された運転技量情報Dtと、入力された、運転モードの判定結果と、技量レベルSLmの情報と、技量値Imと、操舵種とに基づき、目標転舵角θr*の演算に用いる操舵角速度係数K1を決定する。以下、技量レベルSLmの情報を、単に技量レベルSLmという。
操舵過渡特性制御部25dは、決定した操舵角速度係数K1を、転舵角演算部25eに入力する。
一方、操舵過渡特性制御部25dは、操舵種が直進走行であると判定すると、直進走行であることを示す情報を、転舵角演算部25eに入力する。
転舵角演算部25eは、操舵角速度係数K1が入力されたと判定すると、入力された、操舵角速度係数K1、操舵角θs及び車速Vsに基づき、上式(1)に従って、目標転舵角θr*を演算する。そして、転舵角演算部25eは、演算した目標転舵角θr*を、角度サーボ制御部26に入力する。
また、転舵角演算部25eは、操舵種が直進走行であることを示す情報が入力されたと判定すると、ドライバの運転技量及びドライバの指示した運転モードに応じた転舵モータの制御処理を実施しない。
(操舵角速度係数K1の決定処理について)
(第一操舵)
まず、図4〜図6に基づき、操舵種が第一操舵である場合の操舵角速度係数K1の決定処理について説明する。
ここで、図4は、αを変曲点に設定したシグモイド関数S(I)に対応するシグモイド曲線Sの一例を示す図である。図5は、操舵種が第一操舵の場合の各種技量レベル及び各種運転モードに対応する分割領域を設定するまでの過程を説明するための図である。図6は、操舵種が第一操舵のときの各分割領域のローカライズしたシグモイド関数に対応するシグモイド曲線の一例を示す図である。
本実施形態において、ドライバの運転技量は技術の獲得と消失とを繰り返す関係にあることから、ドライバの運転技量と操舵角速度係数K1との関係を、下式(3)に示すシグモイド関数S(I)として設定する。
S(I)=1/(1+δn×I) ・・・(3)
上式(3)において、δは変曲点に基づき決定される定数であり、Iは単位運転技量であり、nは個数である。
具体的に、操舵過渡特性制御部25dは、第2記憶装置19Bから、入力された技量レベルSLmの道路線形に対応する全ての一般ドライバの運転データに含まれる車速Vsを読み込む。そして、読み込んだ車速Vsと、記憶装置19Aに記憶された操舵角速度係数K1のマップデータとに基づき、全ての一般ドライバの、技量レベルSLmの道路線形に対応する操舵角速度係数K1の平均値K1ave(=α)を算出する。
ここで、操舵角速度係数K1のマップデータは、車速に応じて大きさの異なる操舵角速度係数K1のマップデータとなっている。
なお、本実施形態では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、不特定多数の一般ドライバの操舵角速度係数K1及び平均値αを算出する構成としたが、この構成に限らない。例えば、外部サーバにおいて、操舵角速度係数K1のマップデータに基づき予め算出した平均値αを、通信装置16を介して取得する構成、または、工場出荷前等において第2記憶装置19Bに予め記憶しておく構成など他の構成としてもよい。
操舵過渡特性制御部25dは、算出した平均値αが変曲点となるように上式(3)の定数δを設定する。
これにより、上式(3)は、図4に示すように、平均値αを変曲点としたシグモイド曲線Sの関数として設定される。
図4に示すシグモイド曲線Sの上限及び下限は、車両の設定限界性能としての操舵過渡特性の最大値及び最小値に基づき設定する。シグモイド曲線Sは、上限、下限、変曲点の位置で形状が決まり、変曲点を中心に点対称となる。
なお、入力された技量レベルSLmの道路線形に対応する不特定多数の一般ドライバの全技量レベルに対応する技量値Iの平均値Iaveのシグモイド関数値は、S(Iave)=αとなっている。
次に、操舵過渡特性制御部25dは、シグモイド曲線Sの横軸を技量レベルの段階数N個のセグメントに分割する。
本実施形態において、技量レベルは、Low、Middle及びHighの3段階(N=3)となっている。そのため、操舵過渡特性制御部25dは、図5に示すように、各技量レベルの技量値Iの範囲に基づき、左からLow、Middle、Highの順で、シグモイド曲線Sの横軸を3個のセグメントに分割する。
続いて、操舵過渡特性制御部25dは、各セグメントの中点の技量値ICをシグモイド関数S(I)に代入して、技量値ICに対応するシグモイド関数の値S(IC)を求める。
ここで、図5に示すように、技量レベルLowに対応する中点の技量値をILC、技量レベルMiddleに対応する中点の技量値をIMC、技量レベルHighに対応する中点の技量値をIHCとする。
即ち、操舵過渡特性制御部25dは、これら中点の技量値ILC、IMC及びIHCを、それぞれシグモイド関数S(I)に代入する。
これにより、技量レベルLowに対応するシグモイド関数値S(ILC)、技量レベルMiddleに対応するシグモイド関数値S(IMC)及び技量レベルHighに対応するシグモイド関数値S(IHC)が求まる。
以下、シグモイド関数値S(ILC)、S(IMC)及びS(IHC)を、区別する必要が無い場合は、単にS(IC)という。
次に、操舵過渡特性制御部25dは、シグモイド曲線Sの下限値からS(IC)までの縦軸の範囲を、運転モードの種類数M(Mは2以上の自然数)に分割する。
本実施形態において、運転モードは3種類(M=3)となっている。そのため、操舵過渡特性制御部25dは、下限値から図5中の星印で示すS(ILC)、S(IMC)及びS(IHC)までの縦軸の範囲をそれぞれ3分割(例えば3等分)する。これにより、各技量レベルに対応するシグモイド曲線Sの横軸及び縦軸の数値範囲(領域)を3分割する分割点を設定する。
更に、操舵過渡特性制御部25dは、図5に示すように、シグモイド曲線Sにおける、各技量レベルに対応する横軸及び縦軸の領域を、各分割点を通ってその延長線が縦軸と直交する直線で縦に3分割する。そして、分割した各領域を上から順に、活発運転モード、通常運転モード、緩慢運転モードに対応付ける。
引き続き、操舵過渡特性制御部25dは、3分割した各領域内の中間点を変曲点に設定する。そして、該各領域内に、ローカライズしたシグモイド関数LS(I)を設定する。
具体的に、操舵過渡特性制御部25dは、技量レベルLowに対応する各分割領域に対して、ローカライズしたシグモイド関数として、活発運転モードに対応するLSLA(I)、通常運転モードに対応するLSLR(I)、緩慢運転モードに対応するLSLS(I)を設定する。これらローカライズしたシグモイド関数LSLA(I)、LSLR(I)及びLSLS(I)に対応するシグモイド曲線は、図6に示す、シグモイド曲線LSLA、LSLR及びLSLSとなる。
更に、操舵過渡特性制御部25dは、技量レベルMiddleに対応する各分割領域に対して、ローカライズしたシグモイド関数として、活発運転モードに対応するLSMA(I)、通常運転モードに対応するLSMR(I)、緩慢運転モードに対応するLSMS(I)を設定する。これらローカライズしたシグモイド関数LSMA(I)、LSMR(I)及びLSMS(I)に対応するシグモイド曲線は、図6に示す、シグモイド曲線LSMA、LSMR及びLSMSとなる。
なお更に、操舵過渡特性制御部25dは、技量レベルHighに対応する各分割領域に対して、ローカライズしたシグモイド関数として、活発運転モードに対応するLSHA(I)、通常運転モードに対応するLSHR(I)、緩慢運転モードに対応するLSHS(I)を設定する。これらローカライズしたシグモイド関数LSHA(I)、LSHR(I)及びLSHS(I)に対応するシグモイド曲線は、図6に示す、シグモイド曲線LSHA、LSHR及びLSHSとなる。
以下、シグモイド関数LSLA(I)、LSLR(I)、LSLS(I)、LSMA(I)、LSMR(I)、LSMS(I)、LSHA(I)、LSHR(I)、及びLSHS(I)を、区別する必要が無い場合は、単にLS(I)という。
本実施形態において、操舵過渡特性制御部25dは、上記生成したローカライズされたシグモイド関数LS(I)の情報をメモリに記憶保持する。そして、予め設定した期間(例えば、エンジンが停止するまでの期間、運転日数が30日以上など)が経過するまでは、メモリに記憶保持したシグモイド関数LS(I)の情報を繰り返し使用する。
操舵過渡特性制御部25dは、各種技量レベル及び各種運転モードに対応するローカライズしたシグモイド関数LS_(I)のうち、入力された技量レベルSLm及び運転モードに対応するシグモイド関数を選択する。そして、選択したシグモイド関数に、入力された技量値Imを代入することで、目標転舵角θr*の演算に用いる操舵角速度係数K1を算出する。
例えば、技量レベルがMiddleでかつ運転モードが活発運転モードである場合、操舵過渡特性制御部25dは、ローカライズしたシグモイド関数LS(I)のうちから、シグモイド関数LSMA(I)を選択する。そして、選択したLSMA(I)に技量値Imを代入して、K1=LSMA(Im)を算出する。
このようにして、操舵種が第一操舵であるときのドライバの運転技量及びドライバの要求する運転モードに対応する操舵角速度係数K1を決定する。
操舵過渡特性制御部25dは、決定した操舵角速度係数K1を、転舵角演算部25eに入力する。
(修正操舵)
次に、図7〜図9に基づき、操舵種が修正操舵である場合のK1の決定処理について説明する。
ここで、図7は、βを変曲点に設定したシグモイド関数S’(I)に対応するシグモイド曲線S’の一例を示す図である。図8は、操舵種が修正操舵の場合の各種技量レベル及び各種運転モードに対応する分割領域を設定するまでの過程を説明するための図である。また、図9は、操舵種が修正操舵のときの各分割領域のローカライズしたシグモイド関数に対応するシグモイド曲線の一例を示す図である。
操舵過渡特性制御部25dは、操舵種が修正操舵の場合、まず、第2記憶装置19Bから、入力された技量レベルSLmの道路線形に対応する一般ドライバのうち技量レベルHighに属するドライバの運転データに含まれる車速Vsを読み込む。そして、読み込んだ車速Vsと、記憶装置19Aに記憶された操舵角速度係数K1のマップデータとに基づき、技量レベルHighの一般ドライバの、技量レベルSLmの道路線形に対応する操舵角速度係数K1の平均値K1ave(=β)を算出する。
なお、本実施形態では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、技量レベルHighの一般ドライバの操舵角速度係数K1の平均値βを算出する構成としたが、この構成に限らない。例えば、外部サーバにおいて、操舵角速度係数K1のマップデータに基づき予め算出した平均値βを、通信装置16を介して取得する構成、または、工場出荷前等において第2記憶装置19Bに予め記憶しておく構成など他の構成としてもよい。
次に、操舵過渡特性制御部25dは、算出した平均値βを変曲点としたシグモイド関数S’(I)を設定する。これにより、シグモイド関数S’(I)は、図7に示すように、平均値βを変曲点としたシグモイド曲線S’の関数として設定される。
更に、操舵過渡特性制御部25dは、このシグモイド関数S’(I)の示すシグモイド曲線S’の変曲点以下(左半分)の範囲に、各技量レベルに属する技量値Iの範囲と操舵角速度係数K1の範囲とを当てはめる。
なお、シグモイド関数S’(I)の式の内容は、定数δの値が異なるのみで、上式(3)と同様となる。
操舵過渡特性制御部25dは、シグモイド関数S’(I)の横軸を、各技量レベルの技量値Iの範囲に基づきN個のセグメントに分割する。ここでは、技量レベルの段階数Nは3となっている。そのため、操舵過渡特性制御部25dは、図8に示すように、左からLow、Middle、Highの順で、シグモイド曲線S’の横軸を3個のセグメントに分割する。
次に、操舵過渡特性制御部25dは、入力された技量レベルに対応するセグメントの最大技量値である技量値Imaxをシグモイド関数S’(I)に代入して、技量値Imaxに対応するシグモイド関数の値S’(Imax)を求める。
ここで、図8に示すように、技量レベルLowに対応する最大技量値をILmax、技量レベルMiddleに対応する最大技量値をIMmax、技量レベルHighに対応する最大技量値をIHmaxとする。
即ち、操舵過渡特性制御部25dは、これら最大技量値ILmax、IMmax及びIHmaxを、それぞれシグモイド関数S’(I)に代入する。
これにより、技量レベルLowに対応するシグモイド関数値S’(ILmax)、技量レベルMiddleに対応するシグモイド関数値S’(IMmax)及び技量レベルHighに対応するシグモイド関数値S’(IHmax)が求まる。
以下、シグモイド関数値S’(ILmax)、S’(IMmax)及びS’(IHmax)を、区別する必要が無い場合は、単にS’(Imax)という。
操舵過渡特性制御部25dは、シグモイド曲線S’の下限値からS’(Imax)までの縦軸の範囲を、運転モードの種類数Mに分割する。ここでは、運転モードの種類数Mは3となる。そのため、操舵過渡特性制御部25dは、図8に示すように、下限値から図中の星印で示すS(ILmax)、S(IMmax)及びS(IHmax)までの縦軸の範囲をそれぞれ3分割(例えば3等分)する。これにより、各技量レベルに対応するシグモイド曲線S’の横軸及び縦軸の数値範囲(領域)を3分割する分割点を設定する。
更に、操舵過渡特性制御部25dは、シグモイド曲線S’における、各技量レベルに対応する横軸及び縦軸の領域を、各分割位置を通ってその延長線が縦軸と直交する直線で縦に3分割する。そして、分割した各領域を上から順に、活発運転モード、通常運転モード、緩慢運転モードに対応付ける。
引き続き、操舵過渡特性制御部25dは、3分割した各領域内の最大技量値Imaxを変曲点に設定する。そして、各領域内に、ローカライズしたシグモイド関数LS’(I)を設定する。
具体的に、操舵過渡特性制御部25dは、技量レベルLowに対応する各分割領域に対して、ローカライズしたシグモイド関数として、活発運転モードに対応するLS’LA(I)、通常運転モードに対応するLS’LR(I)、緩慢運転モードに対応するLS’LS(I)を設定する。これらローカライズしたシグモイド関数LS’LA(I)、LS’LR(I)及びLS’LS(I)に対応するシグモイド曲線は、図9に示す、シグモイド曲線LS’LA、LS’LR及びLS’LSとなる。
更に、操舵過渡特性制御部25dは、技量レベルMiddleに対応する各分割領域に対して、ローカライズしたシグモイド関数として、活発運転モードに対応するLS’MA(I)、通常運転モードに対応するLS’MR(I)、緩慢運転モードに対応するLS’MS(I)を設定する。これらローカライズしたシグモイド関数LS’MA(I)、LS’MR(I)及びLS’MS(I)に対応するシグモイド曲線は、図9に示す、シグモイド曲線LS’MA、LS’MR及びLS’MSとなる。
なお更に、操舵過渡特性制御部25dは、技量レベルHighに対応する各分割領域に対して、ローカライズしたシグモイド関数として、活発運転モードに対応するLS’HA(I)、通常運転モードに対応するLS’HR(I)、緩慢運転モードに対応するLS’HS(I)を設定する。これらローカライズしたシグモイド関数LS’HA(I)、LS’HR(I)及びLS’HS(I)に対応するシグモイド曲線は、図9に示す、シグモイド曲線LS’HA、LS’HR及びLS’HSとなる。
以下、シグモイド関数LS’LA(I)、LS’LR(I)、LS’LS(I)、LS’MA(I)、LS’MR(I)、LS’MS(I)、LS’HA(I)、LS’HR(I)、及びLS’HS(I)を、区別する必要が無い場合は、単にLS’(I)という。
本実施形態において、操舵過渡特性制御部25dは、上記シグモイド関数LS(I)と同様に、上記生成したローカライズされたシグモイド関数LS’(I)の情報をメモリに記憶保持する。そして、予め設定した期間(例えば、エンジンが停止するまでの期間、運転日数が30日以上など)が経過するまでは、メモリに記憶保持したシグモイド関数LS’(I)の情報を繰り返し使用する。
操舵過渡特性制御部25dは、各技量レベル及び各種運転モードに対応するローカライズしたシグモイド関数LS’_(I)のうち、入力された技量レベルSLm及び運転モードに対応するシグモイド関数を選択する。そして、選択したシグモイド関数に、技量値Imを代入することで、目標転舵角θr*の演算に用いる操舵角速度係数K1を算出する。
例えば、技量レベルがMiddleでかつ運転モードが活発運転モードである場合、操舵過渡特性制御部25dは、ローカライズしたシグモイド関数LS’(I)のうちから、シグモイド関数LS’MA(I)を選択する。そして、選択したLS’MA(I)に技量値Imを代入して、K1=LS’MA(Im)を算出する。
このようにして、操舵種が修正操舵であるときのドライバの運転技量及びドライバの要求する運転モードに対応する操舵角速度係数K1を決定する。
操舵過渡特性制御部25dは、決定した操舵角速度係数K1を、転舵角演算部25eに入力する。
(直進走行)
一方、操舵過渡特性制御部25dは、操舵種が直進走行であると判定すると、制御を実施せずに、直進走行であることを示す情報を転舵角演算部25eに入力する。
(転舵モータ制御処理)
次に、図10に基づき、SBWコントローラ20における転舵モータ制御処理の処理手順を説明する。図10は、転舵モータ制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図10の処理は、予め設定した周期で繰り返し実行される。
転舵モータ制御処理が開始されると、図10に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、SBWコントローラ20において、操舵角センサ3、操舵トルクセンサ5、転舵モータ角センサ9、走行状態検出装置17、運転モード切り替えスイッチ18などから供給される各種車両信号を取得する。そして、取得した各種車両信号を、バッファメモリに記憶すると共に各種車両信号をその入力先の構成部に入力する。その後、ステップS102に移行する。
ステップS102では、目標転舵角演算部25の運転モード判定部25aにおいて、入力された運転モード信号Mdに基づき、現在設定されている運転モードを判定する。そして、判定した運転モードの情報を、操舵過渡特性制御部25dに入力して、ステップS104に移行する。
ステップS104では、目標転舵角演算部25の運転技量判定部25bにおいて、バッファメモリに記憶された車速Vs、操舵角θs及びヨーレートφと、第2記憶装置19Bに記憶された運転技量情報Dtとに基づき、自動車Vのドライバの技量値Imを算出する。更に、算出した技量値Imと運転技量情報Dtとに基づき、技量レベルSLmを判定する。運転技量判定部25bは、技量値Im及び技量レベルSLmの情報を、操舵過渡特性制御部25dに入力する一方、技量値Im及び技量レベルSLmの情報をRAM等のメモリに記憶して、ステップS106に移行する。
ここで、運転技量判定部25bは、技量値Im及び技量レベルSLmの情報をメモリに記憶後は、メモリから技量値Im及び技量レベルSLmの情報を読み出し、読み出した技量値Im及び技量レベルSLmの情報を操舵過渡特性制御部25dに入力する。
ステップS106では、操舵種判定部25bにおいて、入力された操舵角速度ωs及びヨーレートφに基づき、操舵種を判定する。そして、判定結果を、操舵過渡特性制御部25dに入力して、ステップS108に移行する。
ステップS108では、目標転舵角演算部25の操舵過渡特性制御部25dにおいて、入力された操舵種の判定結果に基づき、転舵モータの制御を実施するか否かを判定する。そして、制御を実施すると判定した場合(Yes)は、ステップS110に移行し、制御を実施しないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了する。
ステップS110に移行した場合は、目標転舵角演算部25の操舵過渡特性制御部25d及び転舵角演算部25eにおいて、入力された運転モード、技量レベルSLm、技量値Im、運転技量情報Dt、操舵種等の情報に基づき、目標転舵角θr*を演算する。そして、演算した目標転舵角θr*を、角度サーボ制御部26に入力して、ステップS112に移行する。
ステップS112では、角度サーボ制御部26において、入力された目標転舵角θr*及び転舵角θrに基づき、転舵モータ8を駆動する。その後、一連の処理を終了する。
(操舵種判定処理)
次に、図11に基づき、ステップS104の操舵種判定処理の処理手順を説明する。図11は、操舵種判定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS104において、操舵種判定処理が実行されると、図11に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、操舵種判定部25bにおいて、走行状態検出装置16から入力される操舵角速度ωs及びヨーレートφを取得して、ステップS202に移行する。
ステップS202では、操舵種判定部25bにおいて、ステップS200で取得したヨーレートφがヨー閾値以上、かつ、ステップS200で取得した操舵角速度ωsが舵角速度閾値以上か否かを判定する。そして、ヨーレートφ及び操舵角速度ωsが共に閾値以上であると判定した場合(Yes)は、ステップS204に移行する。一方、ヨーレートφ及び操舵角速度ωsの少なくとも一方が閾値未満であると判定した場合(No)は、ステップS210に移行する。
ステップS204に移行した場合は、操舵種判定部25bにおいて、ヨーレートφの方向と操舵角速度ωsの方向が同方向か否かを判定する。そして、同方向であると判定した場合(Yes)は、ステップS206に移行し、同方向では無いと判定した場合(No)は、ステップS208に移行する。
ステップS206に移行した場合は、操舵種判定部25bにおいて、操舵種を第一操舵と判定する。そして、この判定結果を操舵過渡特性制御部25dに入力して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
一方、ステップS208に移行した場合は、操舵種判定部25bにおいて、操舵種を修正操舵と判定する。そして、この判定結果を、操舵過渡特性制御部25dに入力して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
また、ステップS202において、ヨーレートφ及び操舵角速度ωsの少なくとも一方が閾値未満であると判定してステップS210に移行した場合は、操舵種判定部25bにおいて、操舵種を直進走行と判定する。そして、この判定結果を、操舵過渡特性制御部25dに入力して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
(目標転舵角演算処理)
次に、図12に基づき、ステップS110の目標転舵角演算処理の処理手順を説明する。図12は、目標転舵角演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS112において、目標転舵角演算処理が実行されると、図12に示すように、まず、ステップS300に移行する。
ステップS300では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、入力された操舵種の判定結果に基づき、操舵種が第一操舵か否かを判定する。そして、操舵種が第一操舵であると判定した場合(Yes)は、ステップS302に移行し、操舵種が第一操舵では無いと判定した場合(No)は、ステップS308に移行する。
ステップS302に移行した場合は、操舵過渡特性制御部25dにおいて、入力された技量レベルSLmの道路線形に対応した一般ドライバの操舵角速度係数K1の平均値αを変曲点としたシグモイド関数S(I)を設定する。その後、ステップS304に移行する。
具体的に、操舵過渡特性制御部25dは、第2記憶装置19Bから、入力された技量レベルSLmの道路線形に対応した各技量レベルに属する一般ドライバの運転データ(車速Vs)を読み出す。そして、読み出した車速Vsと第1記憶装置19Aに記憶された操舵角速度係数K1のマップデータとに基づき、該一般ドライバの操舵角速度係数K1を算出すると共に、ドライバの操舵角速度係数K1の平均値αを算出する。操舵過渡特性制御部25dは、算出した平均値αを変曲点に設定し、車両の設定限界性能としての操舵過渡特性の最大値及び最小値に基づき上限及び下限を設定し、これら設定情報に基づき、シグモイド関数S(I)を設定する。
ステップS304では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、ステップS302で設定したシグモイド関数S(I)及び入力された運転技量情報Dtに基づき、各種技量レベル及び各種運転モードに対応するローカライズされたシグモイド関数LS(I)を設定する。その後、ステップS306に移行する。
ステップS306では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、ステップS304で設定したシグモイド関数LS(I)のうち、入力された技量レベルSLm及び運転モードに対応するシグモイド関数LS(I)を選択する。そして、選択したシグモイド関数LS(I)に、入力された技量値Imを代入して、操舵種が第一操舵である場合の入力された技量レベルSLm及び運転モードに応じた操舵角速度係数K1を算出する。これにより、目標転舵角θr*の演算に用いる操舵角速度係数K1を決定する。その後、決定した操舵角速度係数K1を、転舵角演算部25eに入力して、ステップS316に移行する。
一方、ステップS300において、操舵種が第一操舵では無いと判定してステップS308に移行した場合は、操舵過渡特性制御部25dにおいて、操舵種が修正操舵か否かを判定する。そして、操舵種が修正操舵であると判定した場合(Yes)は、ステップS310に移行し、操舵種が修正操舵では無いと判定した場合(No)は、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
ステップS310に移行した場合は、操舵過渡特性制御部25dにおいて、入力された技量レベルSLmの道路線形に対応した技量レベルHighに属する一般ドライバの操舵角速度係数K1の平均値βを変曲点としたシグモイド関数S’(I)を設定する。その後、ステップS312に移行する。
具体的に、操舵過渡特性制御部25dは、第2記憶装置19Bから、入力された技量レベルSLmの道路線形に対応した技量レベルHighに属する一般ドライバの運転データ(車速Vs)を読み出す。そして、読み出した車速Vsと第1記憶装置19Aに記憶された操舵角速度係数K1のマップデータとに基づき、該一般ドライバの操舵角速度係数K1を算出すると共に、ドライバの操舵角速度係数K1の平均値βを算出する。操舵過渡特性制御部25dは、算出した平均値βを変曲点として有するシグモイド関数S’(I)を設定する。更に、操舵過渡特性制御部25dは、シグモイド関数S’(I)の変曲点(β)以下の範囲(シグモイド曲線S’の左半分)に対して、各種技量レベルに対応する技量値Iの範囲を割り当てる。
ステップS312では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、ステップS310で設定したシグモイド関数S’(I)及び入力された運転技量情報Dtに基づき、各種技量レベル及び各種運転モードに対応するローカライズされたシグモイド関数LS’(I)を設定する。その後、ステップS314に移行する。
ステップS314では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、ステップS312で設定したローカライズされたシグモイド関数LS’(I)のうち、入力された技量レベルSLm及び運転モードに対応するシグモイド関数LS’(I)を選択する。そして、選択したシグモイド関数LS’(I)に、入力された技量値Imを代入して、操舵種が修正操舵である場合の入力された技量レベルSLm及び運転モードに応じた操舵角速度係数K1を算出する。これにより、目標転舵角θr*の演算に用いる操舵角速度係数K1を決定する。その後、決定した操舵角速度係数K1を、転舵角演算部25eに入力して、ステップS316に移行する。
ステップS316では、転舵角演算部25eにおいて、入力された操舵角速度係数K1、操舵角θs、車速Vsに基づき目標転舵角θr*を演算する。そして、演算した目標転舵角θr*を、角度サーボ制御部26に入力して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
(第1のローカライズ処理)
次に、図13に基づき、ステップS304で実行される操舵種が第一操舵である場合のローカライズされたシグモイド関数LS(I)を設定する第1のローカライズ処理の処理手順を説明する。図13は、第1のローカライズ処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS304において、第1のローカライズ処理が開始されると、図13に示すように、まず、ステップS400に移行する。
ステップS400では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、技量レベルの段階数Nに基づき、シグモイド関数S(I)に対応するシグモイド曲線Sの横軸をN個のセグメントに分割して、ステップS402に移行する。
ステップS402では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、各セグメントの中点の技量値Icに基づき、運転モードのモード数M個の分割点を設定して、ステップS404に移行する。
具体的に、操舵過渡特性制御部25dは、各セグメント(技量レベル)の技量値Icをシグモイド関数S(I)に代入した関数値S(Ic)を算出する。そして、算出した各セグメントのS(Ic)と下限値との間の縦軸の範囲をそれぞれM個に分割(例えば等分割)して、各セグメントに対応するM個の分割点を設定する。
ステップS404では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、ステップS402で設定した分割点に基づき、各セグメントに対応する横軸及び縦軸の領域をM個の領域に分割する。その後、ステップS406に移行する。
具体的に、操舵過渡特性制御部25dは、各セグメントに対応する各分割点を通ってその延長線が縦軸と直交する直線で横軸及び縦軸の領域をM分割する。
ステップS406では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、ステップS404で分割した各分割領域の中間点を変曲点に設定して、各領域内にローカライズしたシグモイド関数SL(I)を設定する。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
(第2のローカライズ処理)
次に、図14に基づき、ステップS312で実行される操舵種が修正操舵である場合のローカライズされたシグモイド関数LS’(I)を設定する第2のローカライズ処理の処理手順を説明する。図14は、第2のローカライズ処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS312において、第2のローカライズ処理が開始されると、図14に示すように、まず、ステップS500に移行する。
ステップS500では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、技量レベルの段階数Nに基づき、シグモイド関数S’(I)に対応するシグモイド曲線S’の左半分に対応する横軸をN個のセグメントに分割して、ステップS502に移行する。
ステップS502では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、各セグメントの最大技量値Imaxに基づき、運転モードのモード数M個の分割点を設定して、ステップS504に移行する。
具体的に、操舵過渡特性制御部25dは、各セグメント(技量レベル)の最大技量値Imaxをシグモイド関数S’(I)に代入した関数値S’(Imax)を算出する。そして、算出した各セグメントのS(Imax)と下限値との間の縦軸の範囲をそれぞれM個に分割(例えば等分割)して、各セグメントに対応するM個の分割点を設定する。
ステップS504では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、ステップS502で設定した分割点に基づき、各セグメントに対応する横軸及び縦軸の領域をM個の領域に分割する。その後、ステップS506に移行する。
具体的に、操舵過渡特性制御部25dは、各セグメントに対応する各分割点を通ってその延長線が縦軸と直交する直線で横軸及び縦軸の領域をM分割する。
ステップS506では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、ステップS504で分割した各分割領域の中間点を変曲点に設定して、各領域内にローカライズしたシグモイド関数LS’(I)を設定する。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
(動作)
次に、本実施形態の動作を説明する。
なお、メモリには、既にローカライズされたシグモイド関数LS(I)及びLS’(I)の情報が記憶されていることとする。
自動車Vを構成する各種センサや各種コントローラ等に電源が供給されると、操舵角センサ3、操舵トルクセンサ5、転舵モータ角センサ9、走行状態検出装置17、運転モード切り替えスイッチ18等の各種センサ及び装置が駆動する。
これにより、操舵角センサ3からの操舵角θs及び操舵角速度ωsの検出信号、操舵トルクセンサ5からの操舵トルクTの検出信号、転舵モータ角センサ9からの転舵角θrの検出信号等の車両信号が車載ネットワークを介してSBWコントローラ20に供給される。更に、走行状態検出装置17からの車速Vs、ヨーレートφ等の検出信号、運転モード切り替えスイッチ18からのモード選択信号Md等の車両信号がSBWコントローラ20に供給される。
これにより、SBWコントローラ20は、供給された車両信号を順次バッファメモリに記憶すると共に、各車両信号をその入力先の各構成部に入力する(ステップS100)。
具体的に、操舵角θs、車速Vs、転舵角θrを反力演算部23に入力し、操舵角θs、車速Vs、ヨーレートφ、モード選択信号Mdを目標転舵角演算部25に入力する。
目標転舵角演算部25は、運転モード判定部25aにおいて、入力されたモード選択信号Mdに基づき、現在設定されている運転モードを判定する。そして、この判定結果を操舵過渡特性制御部25dに入力する(ステップS102)。
次に、目標転舵角演算部25は、運転技量判定部25bにおいて、予め設定した設定時間が経過したと判定すると、その期間にバッファメモリに記憶された操舵角θs、車速Vs及びヨーレートφに基づき、自動車Vの走行した道路の道路線形を判定する。そして、バッファメモリに記憶された操舵角θs、車速Vs及びヨーレートφのうち、判定した道路線形に対応する操舵角θs、車速Vs及びヨーレートφに基づき、上式(2)に従って、自動車Vのドライバの技量値Imを算出する。
更に、運転技量判定部25bは、算出した技量値Imと、第2記憶装置19Bに記憶された、上記判定した道路線形に対応する技量レベル情報とに基づき、自動車Vのドライバの技量レベルを判定する。具体的に、算出した技量値Imが、Low,Middle,Highに分類された技量値Iの数値範囲のうち、いずれの範囲に属するのかを判定する。そして、技量値Imが属する数値範囲に対応する技量レベルを、自動車Vのドライバの技量レベルと判定する。運転技量判定部25bは、算出した技量値Imと、判定した技量レベルの情報SLmとを、メモリに記憶すると共に操舵過渡特性制御部25dに入力する(ステップS104)。
次に、目標転舵角演算部25は、操舵種判定部25cにおいて、まず、入力される現在の操舵角速度ωs及びヨーレートφを取得する(ステップS200)。次に、取得した現在のヨーレートφがヨー閾値以上で、かつ、現在の操舵角速度ωsが舵角速度閾値以上か否かを判定する(ステップS202)。
操舵種判定部25cは、この判定により、現在のヨーレートφがヨー閾値以上で、かつ、現在の操舵角速度ωsが舵角速度閾値以上であると判定すると(ステップS202のYes)、更に、ヨーレートφと操舵角速度ωsの回転方向が同方向か否かを判定する(ステップS204)。操舵種判定部25cは、この判定により、同方向であると判定すると(ステップS204のYes)、操舵種が第一操舵であると判定する(ステップS206)。一方、操舵種判定部25cは、同方向では無いと判定すると(ステップS204のNo)、操舵種が修正操舵であると判定する(ステップS208)。
なお、操舵種判定部25cは、現在のヨーレートφがヨー閾値以上で、かつ、現在の操舵角速度ωsが舵角速度閾値以上では無いと判定すると(ステップS202のNo)、操舵種が直進走行であると判定する(ステップS210)。
操舵種判定部25cは、上記いずれかの判定結果を、操舵過渡特性制御部25dに入力する。
ここでは、操舵種判定部25cが、操舵種を第一操舵と判定した場合の判定結果を操舵過渡特性制御部25dに入力したとする。
操舵過渡特性制御部25dは、操舵種判定部25cから第一操舵であることを示す判定結果が入力されると、この判定結果に基づき、制御を実施すると判定する(ステップS108のYes)。
これにより、操舵過渡特性制御部25dは、第一操舵、ドライバの運転技量及びドライバの指示した運転モードに応じた目標転舵角θr*の演算処理を実行する(ステップS110)。
具体的に、操舵過渡特性制御部25dは、操舵種が第一操舵であると判定すると(ステップS300のYes)、ローカライズされたシグモイド関数LS(I)の情報が、既にメモリに記憶されていることから、操舵過渡特性制御部25dは、既にシグモイド関数LS(I)の情報があると判定する(ステップS302)。
従って、操舵過渡特性制御部25dは、シグモイド関数S(I)及びシグモイド関数LS(I)の設定処理を行わずに、メモリに記憶されたシグモイド関数LS(I)のうち、入力された技量レベルSLm及び入力された運転モードに対応するシグモイド関数を読み出す。ここでは、技量レベルSLmがHighであり、運転モードが活発運転モードであるとする。
従って、操舵過渡特性制御部25dは、メモリから、図6に示すシグモイド曲線LSHAに対応するシグモイド関数SLHA(I)の情報を読み出す(ステップS304)。
更に、操舵過渡特性制御部25dは、読み出したSLHA(I)に、自動車Vのドライバの技量値Imを代入して、操舵角速度係数「K1=SLHA(Im)」を算出する。そして、この操舵角速度係数K1(=SLHA(Im))を、転舵角演算部25eに入力する(ステップS306)。
転舵角演算部25eは、操舵角速度係数K1が入力されると、第2記憶装置19Bに記憶された操舵角係数K0のマップから、入力された車速Vsに応じた操舵角係数K0を読み出す。そして、読み出した操舵角係数K0、入力された操舵角速度係数K1(=SLHA(Im))、入力された操舵角θs及び入力された操舵角速度ωsを、上式(1)に代入して、目標転舵角θr*を演算する。転舵角演算部25eは、演算した目標転舵角θr*を、角度サーボ制御部26に入力する(ステップS308)。
角度サーボ制御部26は、入力された目標転舵角θrに基づき、実転舵角θrが目標転舵角θr*と一致するように転舵モータ駆動電流を演算し、演算した転舵モータ駆動電流で転舵モータ8を駆動制御する(ステップS112)。
これにより、転舵輪11R,11Lが、第一操舵、ドライバの運転技量及びドライバの指示した運転モードに応じた操舵過渡特性で転舵する。
その後、第一操舵に引き続き修正操舵が行われると、操舵種を修正操舵と判定した場合の判定結果が操舵過渡特性制御部25dに入力される。
操舵過渡特性制御部25dは、操舵種判定部25cから修正操舵であることを示す判定結果が入力されると、この判定結果に基づき、制御を実施すると判定する(ステップS108のYes)。
これにより、操舵過渡特性制御部25dは、修正操舵、ドライバの運転技量(技量値Im及び技量レベルHigh)及びドライバの指示した活発運転モードに応じた目標転舵角θr*の演算処理を実行する(ステップS110)。
具体的に、操舵過渡特性制御部25dは、操舵種が修正操舵であると判定すると(ステップS300のNo)、ローカライズされたシグモイド関数LS’(I)の情報が、既にメモリに記憶されていることから、操舵過渡特性制御部25dは、既にシグモイド関数LS’(I)の情報があると判定する(ステップS312)。
従って、操舵過渡特性制御部25dは、シグモイド関数S’(I)及びシグモイド関数LS’(I)の設定処理を行わずに、メモリに記憶されたシグモイド関数LS’(I)のうち、入力された技量レベルHigh及び入力された活発運転モードに対応するシグモイド関数を読み出す。
即ち、操舵過渡特性制御部25dは、メモリから、図9に示すシグモイド曲線LS’HAに対応するシグモイド関数LS’HA(I)の情報を読み出す(ステップS314)。
更に、操舵過渡特性制御部25dは、読み出したLS’HA(I)に、自動車Vのドライバの技量値Imを代入して、操舵角速度係数「K1=LS’HA(Im)」を算出する。そして、この操舵角速度係数K1(=LS’HA(Im))を、転舵角演算部25eに入力する(ステップS314)。
転舵角演算部25eは、操舵角速度係数K1が入力されると、第2記憶装置19Bに記憶された操舵角係数K0のマップから、入力された車速Vsに応じた操舵角係数K0を読み出す。そして、読み出した操舵角係数K0、入力された操舵角速度係数K1(=LS’HA(Im))、入力された操舵角θs及び入力された操舵角速度ωsを、上式(1)に代入して、目標転舵角θr*を演算する。転舵角演算部25eは、演算した目標転舵角θr*を、角度サーボ制御部26に入力する(ステップS308)。
角度サーボ制御部26は、入力された目標転舵角θrに基づき、実転舵角θrが目標転舵角θr*と一致するように転舵モータ駆動電流を演算し、演算した転舵モータ駆動電流で転舵モータ8を駆動制御する(ステップS112)。
これにより、転舵輪11R,11Lが、修正操舵、ドライバの運転技量及びドライバの指示した運転モードに応じた操舵過渡特性で転舵する。
ここで、本実施形態において、操舵角センサ3が、操舵角情報検出部に対応する。走行状態検出装置17が、走行状態情報検出部に対応する。転舵角演算部25eが、目標転舵角演算部に対応する。角度サーボ制御部26が、転舵制御部に対応する。運転技量判定部25bが、運転技量判定部に対応する。操舵過渡特性制御部25dが、操舵過渡特性制御部に対応する。
(第1実施形態の効果)
本実施形態であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)操舵角センサ3が、ドライバが操舵角θsを指示するために操作するステアリングホイール1の操舵角情報(操舵角θs及び操舵角速度ωs)を検出する。走行状態検出装置17が、自動車Vの走行状態情報(車速Vs、ヨーレートφ等)を検出する。転舵角演算部25eが、操舵角センサ3が検出した操舵角θs及び操舵角速度ωsに基づき転舵輪11R,11Lの目標転舵角θr*を演算する。角度サーボ制御部26が、転舵角演算部25eが演算した目標転舵角θr*に基づき転舵輪11R,11Lに転舵力を付与する転舵モータ8を制御する。運転技量判定部25bが、操舵角センサ3が検出した操舵角θs及び操舵角速度ωsと走行状態検出装置17が検出した走行状態情報(車速Vs、ヨーレートφ等)とに基づき、ドライバの運転技量を判定する。操舵過渡特性制御部25dが、運転技量判定部25bが判定した運転技量に基づき、転舵角演算部25dの演算処理を制御することで、ステアリングホイール1が指示する操舵角θsに対する転舵輪11R,11Lの転舵角θrの過渡応答特性である操舵過渡特性を制御する。
つまり、ドライバの運転技量に基づき、ドライバのステアリングホイール1の操作に応じて指示された操舵角θsに対する転舵輪11R,11Lの転舵角θrの過渡応答特性を制御するようにした。
これにより、ドライバの運転技量に応じた適切な操舵過渡特性で転舵モータ8を制御することが可能となる。
ここで、ドライバの運転技量が高ければ高いいほど、操舵角θsに対する転舵角θrの過渡応答速度が速くても技術的に対応することができる。従って、運転技量の高いドライバに対しては、例えば、応答速度が速めになるように操舵過渡特性を設定する。
(2)操舵過渡特性制御部25dが、運転技量判定部25bが判定した運転技量(技量レベル)が高いほど操舵角θsに対する転舵角θrの過渡応答速度が速くなるように操舵過渡特性を制御し、運転技量判定部25bが判定した運転技量(技量レベル)が低いほど操舵角θsに対する転舵角θrの過渡応答速度が遅くなるように操舵過渡特性を制御する。
つまり、運転技量の高いドライバほど、過渡応答速度を速くし、運転技量の低いドライバほど、過渡応答速度を遅くするようにした。
これにより、ドライバの運転技量に応じた適切な過渡応答速度となる操舵過渡特性で転舵モータ8を制御することが可能となる。
(3)運転モード切り替えスイッチ18が、予め設定した、操舵過渡特性がそれぞれ異なる複数種類の運転モード(活発運転モード、通常運転モード、緩慢運転モード)のうち、ドライバの操作に応じた運転モードを指示する。操舵過渡特性制御部25dが、運転技量判定部25bが判定した運転技量と、運転モード切り替えスイッチ18を介してドライバが指示した運転モードとに基づき操舵過渡特性を制御する。
つまり、ドライバの運転技量に加えて、ドライバの指示した運転モード(操舵過渡特性)に基づき、ドライバのステアリングホイール1の操作に応じて指示される操舵角θsに対する転舵輪11R,11Lの転舵角θrの過渡応答特性を制御するようにした。
これにより、ドライバの運転技量及びドライバの指示した(要求する)運転モードに応じた適切な操舵過渡特性で転舵モータ8を制御することが可能となる。
例えば、運転技量の高いドライバが、常に、操舵角θsに対する転舵角θrの過渡応答速度が速くなるように望んでいるとは限らない。また逆に、運転技量の低いドライバが、常に、過渡応答速度が遅くなるように望んでいるとは限らない。従って、ドライバが指示した運転モードにも基づき、操舵過渡特性を制御することで、ドライバの技量及びドライバの要求に応じた、より適切な操舵過渡特性を実現することが可能となる。
(4)操舵過渡特性制御部25dが、運転技量判定部25bが判定した運転技量及び運転モード切り替えスイッチ18を介してドライバが指示した運転モードに基づき、該運転モードの示す操舵過渡特性が予め設定した通常の過渡応答速度よりも速い速度を要求する特性であると判定すると、過渡応答速度が、通常の過渡応答速度よりも該運転技量の高さに応じた速度へと増加するように操舵過渡特性を制御し、該運転モードの示す操舵過渡特性が通常の過渡応答速度よりも遅い速度を要求する特性であると判定すると、過渡応答速度が、通常の過渡応答速度よりも該運転技量の高さに応じた速度へと減少するように操舵過渡特性を制御する。
つまり、ドライバの指示した運転モードが通常よりも速い過渡応答速度を要求するモードである場合に、過渡応答速度が、通常の過渡応答速度よりも運転技量の高さに応じた速度へと増加するように操舵過渡特性を制御する。一方、ドライバの指示した運転モードが通常よりも遅い過渡応答速度を要求するモードである場合に、過渡応答速度が、通常の過渡応答速度よりも運転技量の高さに応じた速度へと減少するように操舵過渡特性を制御する。
これにより、ドライバの運転技量及びドライバの指示した運転モードに応じた適切な操舵過渡特性で、転舵モータ8を制御することが可能となる。
(5)操舵過渡特性制御部25dが、ステアリングホイール1が中立位置にあるときに行われる操舵である第一操舵と、該第一操舵の後に続けて行われる該第一操舵時のヨー方向とは逆方向の操舵である修正操舵とにおいて、それぞれ異なる過渡応答速度となるように、操舵過渡特性を制御する。
つまり、カーブ進入時等に最初に行われる曲がるための操舵と、カーブ走行中の道路線形に合わせて微調整するための操舵とにおいて、過渡応答速度を異なるようにした。
これにより、ドライバの運転技量及びドライバの指示した運転モードに加えて、ドライバの行った操舵種類に応じた適切な操舵過渡特性で、転舵モータ8を制御することが可能となる。
(6)操舵過渡特性制御部25dが、第一操舵が行われたと判定時の過渡応答速度が、修正操舵が行われたと判定時の過渡応答速度よりも遅くなるように、操舵過渡特性を制御する。
つまり、修正操舵時の方が、第一操舵時よりも遅い過渡応答速度となるように操舵過渡特性を制御するようにした。
これにより、修正操舵時に応答速度がゆっくりとなるので、修正操舵による微調整を行い易くすることが可能となる。
(7)ステアリングホイール1の操舵角情報は、ステアリングホイール1の操舵角θs及び操舵角速度ωsを含む。転舵角演算部25eが、操舵角θsに比例した操舵角比例成分に、操舵角速度ωsに比例した操舵角速度比例成分を加算することで目標転舵角θr*を演算する。操舵過渡特性制御部25dが、目標転舵角θr*の演算処理を制御することで操舵過渡特性を制御する。
つまり、ドライバの運転技量及びドライバの指示した運転モードに基づき、操舵角比例成分及び操舵角速度比例成分の少なくとも一方を制御することで、操舵過渡特性を制御するようにした。
これにより、例えば、操舵角θsの比例係数や操舵角速度ωsの比例係数などを制御することによって、操舵過渡特性を制御することが可能となる。
(8)操舵過渡特性制御部25dが、運転技量判定部25bが判定した運転技量及び運転モード切替スイッチ18を介して指示された運転モードに基づき、操舵角速度比例成分を変化させることで操舵過渡特性を制御する。
つまり、ドライバの運転技量及びドライバの指示した運転モードに基づき操舵角速度比例成分を変化させることで、操舵過渡特性を制御するようにした。
これにより、ドライバの運転技量及びドライバの指示した運転モードに応じた適切な操舵過渡特性で、転舵モータ8を制御することが可能となる。
(9)運転技量判定部25bが、運転技量として、ステアリングホイール1の操舵角情報及び自動車Vの走行状態情報に基づき自動車Vのドライバの運転技量の判断の指標となる第1の技量値(技量値Im)を求めると共に、該第1の技量値と予め収集した不特定多数の一般ドライバの運転技量の判断の指標となる第2の技量値群とに基づき自動車Vのドライバの技量レベルを判定する。
転舵角演算部25eが、操舵角速度比例成分を、操舵角センサ3が検出した操舵角速度ωsに予め設定した操舵角速度係数K1を乗算して求める。
操舵過渡特性制御部25dが、第1の技量値と自動車Vのドライバの技量レベルと自動車Vのドライバの指示した運転モードとに基づき、目標転舵角θr*の演算に用いる操舵角速度係数K1を設定する。
つまり、自動車Vのドライバの技量値Im及び技量レベルと該ドライバの指示した運転モードとに基づき、操舵角速度係数K1を設定することで、操舵過渡特性を制御するようにした。
これにより、ドライバの運転技量及びドライバの指示した運転モードに応じた適切な操舵過渡特性で、転舵モータ8を制御することが可能となる。
(10)操舵過渡特性制御部25dが、予め収集した不特定多数のドライバの第2の技量値群の算出に用いたステアリングホイール1の操舵角情報及び自動車Vの走行状態情報と、第2の技量値群とに基づき、技量値の範囲に対する操舵角速度係数K1の最大値の範囲を、横軸を技量値I及び縦軸を操舵角速度係数K1の最大値としたシグモイド関数S(I)を用いて設定し、該シグモイド関数S(I)に基づき、目標転舵角θr*の演算に用いる操舵角速度係数K1として、自動車Vのドライバの運転技量及び自動車Vのドライバの指示した運転モードに対応する操舵角速度係数K1を設定する。
人間が何らかの技術を習得する際にその技術の成長量は、技量が低いうちは小さく、技量がある段階を超えると急速に大きくなり、更に技量が上がると再び小さくなるといった特性を有することが解っている。即ち、ドライバの運転技量は技術の獲得と消失とを繰り返す関係にあるといえる。このことに基づき、ドライバの運転技量と操舵角速度係数K1との関係を、シグモイド関数を用いて設定し、このシグモイド関数に基づき、操舵角速度係数K1を設定するようにした。
これにより、ドライバの運転技量に応じた適切な操舵角速度係数K1を設定することが可能となる。
(11)操舵過渡特性制御部25dが、シグモイド関数S(I)の示すシグモイド曲線Sの横軸の範囲を技量レベルの段階数N(Nは2以上の自然数)個の範囲に分割する。更に、分割したN個の範囲それぞれに対応するシグモイド曲線Sの縦軸の範囲を、運転モードの種類数M(Mは2以上の自然数)個の範囲に分割する。なお更に、N個の範囲それぞれに対してN段階の技量レベルのうちそれぞれ異なる技量レベルを対応付けると共に、N個の範囲それぞれに対応するM個の範囲それぞれに対してM種類の運転モードのうちそれぞれ異なる種類の運転モードを対応付ける。
操舵過渡特性制御部25dが、N個の範囲のうちから自動車Vのドライバの技量レベルの属する範囲を選択すると共に、該選択した範囲に対応するM個の範囲のうちから自動車Vのドライバの指示した運転モードに対応する範囲を選択する。そして、該選択した範囲から技量値Imに対応する操舵角速度係数K1を決定し、該決定した操舵角速度係数K1を、目標転舵角θr*の演算に用いる操舵角速度係数K1として設定する。
つまり、シグモイド曲線Sの横軸の範囲をN個に分割して、技量レベルの各段階数を対応付けると共に、分割したN個の範囲それぞれの縦軸の範囲をM個の範囲に分割して、運転モードの各種類を対応付けるようにした。加えて、自動車Vのドライバの技量レベル及び該ドライバの指示した運転モードの属する範囲から、技量値Imに対応する操舵角速度係数K1を決定するようにした。
これにより、ドライバの技量レベル及び該ドライバの指示した運転モードに応じた、より適切な操舵過渡特性で、転舵モータ8を制御することが可能となる。
(12)操舵過渡特性制御部25dが、N個の範囲それぞれに対応するM個の範囲それぞれに対して、ローカライズしたシグモイド関数LS(I)を設定する。更に、操舵過渡特性制御部25dが、シグモイド関数LS(I)に基づき、N個の範囲のうちから自動車Vのドライバの技量レベルSLmの属する範囲を選択する。更に、該選択した範囲に対応するM個の範囲のうちから自動車Vのドライバの指示した運転モードに対応する範囲を選択する。そして、該選択した範囲に設定したシグモイド関数LS(I)に技量値Imを代入して算出した操舵角速度係数K1を、目標転舵角θr*の演算に用いる操舵角速度係数として設定する。
つまり、技量レベルの段階毎に分割したM個の領域毎に、その領域の数値範囲に基づきローカライズしたシグモイド関数LS(I)を設定する。更に、これらローカライズしたシグモイド関数LS(I)から、自動車Vのドライバの技量レベル及び該ドライバの指示した運転モードに対応するシグモイド関数LS(I)を選択する。そして、選択したシグモイド関数LS(I)に技量値Imを代入して、目標転舵角θr*の演算に用いる操舵角速度係数K1を設定するようにした。
これにより、ドライバの技量レベル及び該ドライバの指示した運転モードに基づき絞り込んだ範囲(領域)において再設定したシグモイド関数を用いて、操舵角速度係数K1を演算することが可能となる。従って、ドライバの運転技量及びドライバ指示した運転モードに対して、より適切な操舵過渡特性で、転舵モータ8を制御することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づき説明する。図15〜図19は、本発明の第2実施形態に係る車両用操舵制御装置及び車両用操舵制御方法の実施形態を示す図である。
(構成)
上記第1実施形態では、第一操舵及び修正操舵に対応するシグモイド関数S(I)及びS’(I)に対して、各シグモイド関数の横軸をN分割すると共に、分割したN個の領域それぞれの縦軸の範囲をM個の領域に分割する。そして分割したM個の領域それぞれに対して、各技量レベル及び各運転モードに対応するローカライズしたシグモイド関数LS(I)及びLS’(I)を設定する。そして、設定したシグモイド関数LS(I)及びLS’(I)に、技量値Imを代入することで操舵角速度係数K1を決定するようにした。
これに対して、本実施形態では、分割したN個の領域それぞれの縦軸の範囲をM個の領域に分割後に、分割したM個の領域それぞれの最大値が操舵角速度係数K1となるようなステップ関数ST(I)及びST’(I)を設定する。そして、設定したステップ関数ST(I)及びST’(I)に、技量値Imを代入することで操舵角速度係数K1を決定する点が異なる。
なお、上記第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、その重複する説明は省略する。
(目標転舵角演算処理)
まず、図15に基づき、本実施形態におけるステップS110の目標転舵角演算処理の処理手順を説明する。図15は、本実施形態の目標転舵角演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS112において、目標転舵角演算処理が実行されると、図15に示すように、まず、ステップS600に移行する。
ステップS600では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、入力された操舵種の判定結果に基づき、操舵種が第一操舵か否かを判定する。そして、操舵種が第一操舵であると判定した場合(Yes)は、ステップS602に移行し、操舵種が第一操舵では無いと判定した場合(No)は、ステップS608に移行する。
ステップS602に移行した場合は、操舵過渡特性制御部25dにおいて、入力された技量レベルSLmの道路線形に対応した一般ドライバの操舵角速度係数K1の平均値αを変曲点としたシグモイド関数S(I)を設定する。その後、ステップS604に移行する。
ステップS604では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、ステップS602で設定したシグモイド関数S(I)及び入力された運転技量情報Dtに基づき、各種技量レベル及び各種運転モードに対応するステップ関数ST(I)を設定する。その後、ステップS606に移行する。
ステップS606では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、ステップS604で設定したステップ関数ST(I)A、ST(I)R及びST(I)Sのうち、入力された運転モードに対応するステップ関数を選択する。そして、選択したステップ関数に、入力された技量値Imを代入して、操舵種が第一操舵である場合の入力された技量レベルSLm及び運転モードに応じた操舵角速度係数K1を算出する。これにより、目標転舵角θr*の演算に用いる操舵角速度係数K1を決定する。その後、決定した操舵角速度係数K1を、転舵角演算部25eに入力して、ステップS616に移行する。
具体的に、操舵過渡特性制御部25dは、入力された運転モードが、活発運転モードであると判定するとステップ関数ST(I)Aを選択し、通常運転モードであると判定するとステップ関数ST(I)Rを選択する。更に、入力された運転モードが緩慢運転モードであると判定するとステップ関数ST(I)Sを選択する。
一方、ステップS600において、操舵種が第一操舵では無いと判定してステップS608に移行した場合は、操舵過渡特性制御部25dにおいて、操舵種が修正操舵か否かを判定する。そして、操舵種が修正操舵であると判定した場合(Yes)は、ステップS610に移行し、操舵種が修正操舵では無いと判定した場合(No)は、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
ステップS610に移行した場合は、操舵過渡特性制御部25dにおいて、入力された技量レベルSLmの道路線形に対応した技量レベルHighに属する一般ドライバの操舵角速度係数K1の平均値βを変曲点としたシグモイド関数S’(I)を設定する。その後、ステップS612に移行する。
ステップS612では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、ステップS610で設定したシグモイド関数S’(I)及び入力された運転技量情報Dtに基づき、各種技量レベル及び各種運転モードに対応するステップ関数ST’(I)を設定する。その後、ステップS614に移行する。
ステップS614では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、ステップS612で設定したステップ関数ST’(I)A、ST’(I)R及びST’(I)Sのうち、入力された運転モードに対応するステップ関数を選択する。そして、選択したステップ関数ST’(I)に、入力された技量値Imを代入して、操舵種が修正操舵である場合の入力された技量レベルSLm及び運転モードに応じた操舵角速度係数K1を算出する。これにより、目標転舵角θr*の演算に用いる操舵角速度係数K1を決定する。その後、決定した操舵角速度係数K1を、転舵角演算部25eに入力して、ステップS616に移行する。
具体的に、操舵過渡特性制御部25dは、入力された運転モードが、活発運転モードであると判定するとステップ関数ST’(I)Aを選択し、通常運転モードであると判定するとステップ関数ST’(I)Rを選択する。更に、入力された運転モードが緩慢運転モードであると判定するとステップ関数ST’(I)Sを選択する。
ステップS616では、転舵角演算部25eにおいて、入力された操舵角速度係数K1、操舵角θs、車速Vsに基づき目標転舵角θr*を演算する。そして、演算した目標転舵角θr*を、角度サーボ制御部26に入力して、一連の処理を終了し元の処理に復帰する。
(第1ステップ関数設定処理)
次に、図16に基づき、本実施形態におけるステップS604で実行される操舵種が第一操舵である場合のステップ関数ST(I)を設定する第1ステップ関数設定処理の処理手順を説明する。図16は、第1ステップ関数設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS604において、第1ステップ関数設定処理が開始されると、図16に示すように、まず、ステップS700に移行する。
なお、ステップS700〜S704の処理は、上記第1実施形態の第1ローカライズ処理におけるステップS300〜S304の処理と同様となる。従って、説明を省略する。
ステップS706では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、ステップS704で分割した各技量レベルの各運転モードに対応する分割領域の分割点の値をステップ関数値とした、ステップ関数ST(I)を設定する。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
具体的に、操舵過渡特性制御部25dは、例えば、活発運転モードであれば、技量レベルLow,Middle,Highに対応する活発運転モードの各分割点αLA,αMA,αHAを各技量レベルの技量値Iの範囲に対応する関数値としたステップ関数ST(I)Aを設定する。
つまり、ステップ関数ST(I)Aは、技量レベルLowに対応する横軸の範囲のいかなる技量値I(以下、技量値ILという)の代入に対して、「ST(ILA=αLA」を出力する。同様に、技量レベルMiddleに対応する横軸の範囲のいかなる技量値I(以下、技量値IMという)の代入に対して、「ST(IMA=αMA」を出力する。同様に、技量レベルHighに対応する横軸の範囲のいかなる技量値I(以下、技量値IHという)の代入に対して、「ST(IHA=αHA」を出力する。
このステップ関数ST(I)Aのグラフは、図18のSTAに示すように、各技量レベルに対応する範囲の最大技量値を境に階段状に変化するグラフとなる。
ここで、図18は、操舵種が第一操舵のときのステップ関数ST(I)のグラフの一例を示す図である。
更に、操舵過渡特性制御部25dは、技量レベルLow,Middle,Highに対応する通常運転モードの各分割点αLR,αMR,αHRを各技量レベルの技量値Iの範囲に対応する関数値としたステップ関数ST(I)Rを設定する。
かかる、ステップ関数ST(I)Rは、技量値ILの入力に対して「ST(ILR=αLR」を出力し、技量値IMの入力に対して「ST(IMR=αMR」を出力し、技量値IHの入力に対して「ST(IHR=αHR」を出力する。なお、「αLR<αLA,αMR<αMA,αHR<αHA」の関係となっている。
このステップ関数ST(I)Rのグラフは、図18のSTRに示すように、全体的にSTAよりも低い位置で階段状に変化するグラフとなる。
更にまた、操舵過渡特性制御部25dは、技量レベルLow,Middle,Highに対応する通常運転モードの各分割点αLS,αMS,αHSを各技量レベルの技量値Iの範囲に対応する関数値としたステップ関数ST(I)Sを設定する。
かかる、ステップ関数ST(I)Sは、技量値ILの入力に対して「ST(ILS=αLS」を出力し、技量値IMの入力に対して「ST(IMS=αMS」を出力し、技量値IHの入力に対して「ST(IHS=αHS」を出力する。なお、「αLS<αLR,αMS<αMR,αHS<αHR」の関係となっている。
このステップ関数ST(I)Sのグラフは、図18のSTSに示すように、全体的にSTRよりも低い位置で階段状に変化するグラフとなる。
(第2ステップ関数設定処理)
次に、図17に基づき、本実施形態におけるステップS612で実行される操舵種が第一操舵である場合のステップ関数ST(I)を設定する第2ステップ関数設定処理の処理手順を説明する。図17は、第2ステップ関数設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS612において、第2ステップ関数設定処理が開始されると、図17に示すように、まず、ステップS800に移行する。
なお、ステップS800〜S804の処理は、上記第1実施形態の第2ローカライズ処理におけるステップS400〜S404の処理と同様となる。従って、説明を省略する。
ステップS806では、操舵過渡特性制御部25dにおいて、ステップS804で分割した各技量レベルの各運転モードに対応する分割領域の最大値をステップ関数値とした、ステップ関数ST’(I)を設定する。その後、一連の処理を終了して元の処理に復帰する。
具体的に、操舵過渡特性制御部25dは、例えば、活発運転モードであれば、技量レベルLow,Middle,Highに対応する活発運転モードの各分割点βLA,βMA,βHAを各技量レベルの技量値Iの範囲に対応する関数値としたステップ関数ST’(I)Aを設定する。
つまり、ステップ関数ST’(I)Aは、技量値ILの代入に対して、「ST’(ILA=βLA」を出力する。同様に、技量値IMの代入に対して、「ST’(IMA=βMA」を出力し、技量値IHの代入に対して、「ST’(IHA=βHA」を出力する。
このステップ関数ST’(I)Aのグラフは、図19のST’Aに示すように、各技量レベルの範囲の最大技量値を境に階段状に変化するグラフとなる。
ここで、図19は、操舵種が修正操舵のときのステップ関数ST’(I)の一例を示すグラフである。
更に、操舵過渡特性制御部25dは、技量レベルLow,Middle,Highに対応する通常運転モードの各領域の最大値βLR,βMR,βHRを各技量レベルの技量値Iの範囲に対応する関数値としたステップ関数ST’(I)Rを設定する。
かかる、ステップ関数ST’(I)Rは、技量値ILの入力に対して「ST’(ILR=βLR」を出力し、技量値IMの入力に対して「ST’(IMR=βMR」を出力し、技量値IHの入力に対して「ST’(IHR=βHR」を出力する。なお、「βLR<βLA,βMR<βMA,βHR<βHA」の関係となっている。
このステップ関数ST’(I)Rのグラフは、図19のST’Rに示すように、全体的にST’Aよりも低い位置で階段状に変化するグラフとなる。
更にまた、操舵過渡特性制御部25dは、技量レベルLow,Middle,Highに対応する通常運転モードの各領域の最大値βLS,βMS,βHSを各技量レベルの技量値Iの範囲に対応する関数値としたステップ関数ST’(I)Sを設定する。
かかる、ステップ関数ST’(I)Sは、技量値ILの入力に対して「ST’(ILS=βLS」を出力し、技量値IMの入力に対して「ST’(IMS=βMS」を出力し、技量値IHの入力に対して「ST’(IHS=βHS」を出力する。なお、「βLS<βLR,βMS<βMR,βHS<βHR」の関係となっている。
このステップ関数ST’(I)Sのグラフは、図19のST’Sに示すように、全体的にST’Rよりも低い位置で階段状に変化するグラフとなる。
(動作)
次に、本実施形態の動作を説明する。
なお、メモリには、既にステップ関数ST(I)及びST’(I)の情報が記憶されていることとする。
以下、上記第1実施形態と同様の動作については、適宜説明を省略する。
(第1操舵時の動作)
まず、操舵種判定部25cが、操舵種を第一操舵と判定した場合の動作を説明する。
操舵過渡特性制御部25dは、操舵種判定部25cから第一操舵であることを示す判定結果が入力されると、この判定結果に基づき、制御を実施すると判定する(ステップS108のYes)。
これにより、操舵過渡特性制御部25dは、第一操舵、ドライバの運転技量及びドライバの指示した運転モードに応じた目標転舵角θr*の演算処理を実行する(ステップS110)。
具体的に、操舵過渡特性制御部25dは、操舵種が第一操舵であると判定すると(ステップS600のYes)、ステップ関数ST(I)の情報が、既にメモリに記憶されていることから、操舵過渡特性制御部25dは、既にステップ関数ST(I)の情報があると判定する(ステップS602)。
従って、操舵過渡特性制御部25dは、シグモイド関数S(I)及びステップ関数ST(I)の設定処理を行わずに、メモリに記憶されたステップ関数ST(I)のうち、入力された運転モードに対応するステップ関数を読み出す。ここでは、技量レベルSLmがMiddleであり、運転モードが緩慢運転モードであるとする。
従って、操舵過渡特性制御部25dは、メモリから、図18に示すSTSに対応するステップ関数STS(I)の情報を読み出す(ステップS604)。
更に、操舵過渡特性制御部25dは、読み出したSTS(I)に、自動車Vのドライバの技量値Imを代入して、操舵角速度係数「K1=STS(Im)=αLS」を算出する。そして、この操舵角速度係数K1(=αLS)を、転舵角演算部25eに入力する(ステップS606)。
転舵角演算部25eは、操舵角速度係数K1が入力されると、第2記憶装置19Bに記憶された操舵角係数K0のマップから、入力された車速Vsに応じた操舵角係数K0を読み出す。そして、読み出した操舵角係数K0、入力された操舵角速度係数K1(=αLS)、入力された操舵角θs及び入力された操舵角速度ωsを、上式(1)に代入して、目標転舵角θr*を演算する。転舵角演算部25eは、演算した目標転舵角θr*を、角度サーボ制御部26に入力する(ステップS608)。
角度サーボ制御部26は、入力された目標転舵角θr*に基づき、実転舵角θrが目標転舵角θr*と一致するように転舵モータ駆動電流を演算し、演算した転舵モータ駆動電流で転舵モータ8を駆動制御する(ステップS112)。
これにより、転舵輪11R,11Lが、第一操舵、ドライバの運転技量及びドライバの指示した運転モードに応じた操舵過渡特性で転舵する。
(修正操舵時の動作)
次に、第一操舵に引き続き修正操舵が行われた場合の動作を説明する。
操舵過渡特性制御部25dは、操舵種判定部25cから修正操舵であることを示す判定結果が入力されると、この判定結果に基づき、制御を実施すると判定する(ステップS108のYes)。
これにより、操舵過渡特性制御部25dは、修正操舵、ドライバの運転技量(技量値Im及び技量レベルHigh)及びドライバの指示した活発運転モードに応じた目標転舵角θr*の演算処理を実行する(ステップS110)。
具体的に、操舵過渡特性制御部25dは、操舵種が修正操舵であると判定すると(ステップS600のNo)、ステップ関数ST’(I)の情報が、既にメモリに記憶されていることから、操舵過渡特性制御部25dは、既にステップ関数ST’(I)の情報があると判定する(ステップS612)。
従って、操舵過渡特性制御部25dは、シグモイド関数S’(I)及びステップ関数ST’(I)の設定処理を行わずに、メモリに記憶されたステップST’(I)のうち、入力された技量レベルMiddle及び入力された緩慢運転モードに対応するステップ関数を読み出す。
即ち、操舵過渡特性制御部25dは、メモリから、図19に示すST’Sに対応するステップ関数ST’S(I)の情報を読み出す(ステップS614)。
更に、操舵過渡特性制御部25dは、読み出したST’S(I)に、自動車Vのドライバの技量値Imを代入して、操舵角速度係数「K1=ST’S(Im)=βMS」を算出する。そして、この操舵角速度係数K1(=LS’HA(Im))を、転舵角演算部25eに入力する(ステップS314)。
転舵角演算部25eは、操舵角速度係数K1が入力されると、第2記憶装置19Bに記憶された操舵角係数K0のマップから、入力された車速Vsに応じた操舵角係数K0を読み出す。そして、読み出した操舵角係数K0、入力された操舵角速度係数K1(=LS’HA(Im))、入力された操舵角θs及び入力された操舵角速度ωsを、上式(1)に代入して、目標転舵角θr*を演算する。転舵角演算部25eは、演算した目標転舵角θr*を、角度サーボ制御部26に入力する(ステップS308)。
角度サーボ制御部26は、入力された目標転舵角θrに基づき、実転舵角θrが目標転舵角θr*と一致するように転舵モータ駆動電流を演算し、演算した転舵モータ駆動電流で転舵モータ8を駆動制御する(ステップS112)。
これにより、転舵輪11R,11Lが、修正操舵、ドライバの運転技量及びドライバの指示した運転モードに応じた操舵過渡特性で転舵する。
ここで、本実施形態において、操舵角センサ3が、操舵角情報検出部に対応する。走行状態検出装置17が、走行状態情報検出部に対応する。転舵角演算部25eが、目標転舵角演算部に対応する。角度サーボ制御部26が、転舵制御部に対応する。運転技量判定部25bが、運転技量判定部に対応する。操舵過渡特性制御部25dが、操舵過渡特性制御部に対応する。
(第2実施形態の効果)
本実施形態であれば、上記第1実施形態の効果に加え、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)操舵過渡特性制御部25dが、シグモイド関数の示すシグモイド曲線の横軸を技量レベルの段階数Nで分割してなる、該N個の範囲のうちから自動車Vのドライバの技量レベルの属する範囲を選択する。更に、該選択した範囲に対応するM個の範囲のうちから自動車Vのドライバの指示した運転モードに対応する範囲を選択する。そして、該選択した範囲の分割位置の縦軸の値に基づき、目標転舵角θr*の演算に用いる操舵角速度係数K1を設定する。
つまり、技量レベルの段階毎に分割したM個の領域における、自動車Vのドライバの技量レベル及び該ドライバの指示した運転モードに対応する領域を選択する。そして、該選択した領域のM個に分割した際の分割位置の縦軸の値に基づき、目標転舵角θr*の演算に用いる操舵角速度係数K1を設定するようにした。
これにより、ドライバの技量レベル及び該ドライバの指示した運転モードに基づき選択した範囲(領域)における、該領域の分割位置の縦軸の値を用いて、操舵角速度係数K1を演算することが可能となる。従って、ドライバの運転技量及びドライバの指示した運転モードに対して、より適切な操舵過渡特性で、転舵モータ8を制御することが可能となる。
(変形例)
(1)上記各実施形態では、シグモイド関数S(I)及びS’(I)を設定し、このシグモイド関数S(I)及びS’(I)に基づき、ローカライズしたシグモイド関数LS(I)及びLS’(I)又はステップ関数ST(I)及びST’(I)を設定して、操舵角速度係数K1を求める構成とした。この構成に限らず、例えば、ドライバの運転技量及びドライバの指示した運転モードに応じた操舵過渡特性を実現することができれば、他の構成としてもよい。
(2)上記各実施形態では、ドライバの運転技量及びドライバの指示した運転モードの双方に基づき、操舵過渡特性を制御する構成としたが、この構成に限らない。例えば、運転技量のみに基づき、操舵過渡特性を制御する構成としてもよい。この構成とした場合、例えば、シグモイド関数S(I)及びS’(I)のみを設定し、このシグモイド関数S(I)及びS’(I)にドライバの技量値Imを代入した値を、そのまま操舵角速度係数K1として設定する。
(3)上記各実施形態では、N個に分割した各セグメントの中点の技量値Icに基づき、運転モードのモード数M個の分割点を設定し、算出した各セグメントのS(Ic)と下限値との間の縦軸の範囲をそれぞれM個に分割する構成としたが、この構成に限らない。例えば、各セグメントの技量値の平均値など他の値に基づき分割する構成としてもよい。
また、上記各実施形態は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、上記の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。また、上記の説明で用いる図面は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、均等物等は本発明に含まれるものである。
V:自動車
1:ステアリングホイール
3:操舵角センサ
16:通信装置
17:走行状態検出装置
18:運転モード切り替えスイッチ
19A:第1記憶装置
19B:第2記憶装置
20:SBWコントローラ
23:反力演算部
24:反力制御部
25:目標転舵角演算部
25a:運転モード判定部
25b:運転技量判定部
25c:操舵種判定部
25d:操舵過渡特性制御部
25e:転舵角演算部
26:角度サーボ制御部

Claims (14)

  1. ドライバが操舵を指示するために操作する操舵操作子の操舵角情報を検出する操舵角情報検出部と、
    車両の走行状態情報を検出する走行状態情報検出部と、
    前記操舵角情報検出部が検出した前記操舵操作子の操舵角情報に基づき転舵輪の目標転舵角を演算する目標転舵角演算部と、
    前記目標転舵角演算部が演算した前記目標転舵角に基づき前記転舵輪に転舵力を付与する転舵アクチュエータを制御する転舵制御部と、
    前記操舵角情報検出部が検出した前記操舵角情報と前記走行状態情報検出部が検出した前記走行状態情報とに基づき、ドライバの運転技量を判定する運転技量判定部と、
    前記運転技量判定部が判定した前記運転技量に基づき、前記操舵操作子が指示する操舵角に対する前記転舵輪の転舵角の過渡応答特性である操舵過渡特性を制御する操舵過渡特性制御部と、を備えることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  2. 前記操舵過渡特性制御部は、前記運転技量判定部が判定した前記運転技量が高いほど前記操舵角に対する前記転舵角の過渡応答速度が速くなるように前記操舵過渡特性を制御し、前記運転技量判定部が判定した前記運転技量が低いほど前記操舵角に対する前記転舵角の過渡応答速度が遅くなるように前記操舵過渡特性を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵制御装置。
  3. 予め設定した、前記操舵過渡特性がそれぞれ異なる複数種類の運転モードのうち、ドライバが任意の運転モードを指示するための運転モード指示部を備え、
    前記操舵過渡特性制御部は、前記運転技量判定部が判定した前記運転技量と前記運転モード指示部を介して前記ドライバが指示した前記運転モードとに基づき、前記操舵過渡特性を制御することを特徴とする請求項2に記載の車両用操舵制御装置。
  4. 前記操舵過渡特性制御部は、
    前記運転技量判定部が判定した前記運転技量及び前記運転モード指示部を介して前記ドライバが指示した前記運転モードに基づき、
    該運転モードの示す前記操舵過渡特性が予め設定した通常の過渡応答速度よりも速い速度を要求する特性であると判定すると、前記過渡応答速度が、前記通常の過渡応答速度よりも前記運転技量の高さに応じた速度へと増加するように前記操舵過渡特性を制御し、
    該運転モードの示す前記操舵過渡特性が前記通常の過渡応答速度よりも遅い速度を要求する特性であると判定すると、前記過渡応答速度が、前記通常の過渡応答速度よりも前記運転技量の高さに応じた速度へと減少するように前記操舵過渡特性を制御することを特徴とする請求項3に記載の車両用操舵制御装置。
  5. 前記操舵過渡特性制御部は、前記操舵操作子が中立位置にあるときに行われる操舵である第一操舵と、該第一操舵の後に続けて行われる該第一操舵時のヨー方向とは逆方向の操舵である修正操舵とにおいて、それぞれ異なる過渡応答速度となるように、前記操舵過渡特性を制御することを特徴とする請求項4に記載の車両用操舵制御装置。
  6. 前記操舵過渡特性制御部は、前記第一操舵が行われたと判定時の前記過渡応答速度が、前記修正操舵が行われたと判定時の前記過渡応答速度よりも遅くなるように、前記操舵過渡特性を制御することを特徴とする請求項5に記載の車両用操舵制御装置。
  7. 前記操舵角情報は、前記操舵操作子の操舵角及び操舵角速度を含み、
    前記目標転舵角演算部は、前記操舵角に比例した操舵角比例成分に、前記操舵角速度に比例した操舵角速度比例成分を加算することで前記目標転舵角を演算し、
    前記操舵過渡特性制御部は、前記目標転舵角の演算処理を制御することで前記操舵過渡特性を制御することを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の車両用操舵制御装置。
  8. 前記操舵過渡特性制御部は、前記運転技量判定部が判定した前記運転技量及び前記運転モード指示部を介して指示された前記運転モードに基づき、前記操舵角速度比例成分を変化させることで前記操舵過渡特性を制御することを特徴とする請求項7に記載の車両用操舵制御装置。
  9. 前記運転技量判定部は、前記運転技量として、前記操舵角情報及び前記走行状態情報に基づき自車両のドライバの運転技量の判断の指標となる第1の技量値を求めると共に、該第1の技量値と予め収集した不特定多数の一般ドライバの運転技量の判断の指標となる第2の技量値群とに基づき自車両のドライバの技量レベルを判定し、
    前記目標転舵角演算部は、前記操舵角速度比例成分を、前記操舵角情報検出部が検出した前記操舵角速度に予め設定した操舵角速度係数を乗算して求めるようになっており、
    前記操舵過渡特性制御部は、前記第1の技量値と前記自車両のドライバの技量レベルと前記自車両のドライバの指示した前記運転モードとに基づき、前記目標転舵角の演算に用いる前記操舵角速度係数を設定することを特徴とする請求項8に記載の車両用操舵制御装置。
  10. 前記操舵過渡特性制御部は、予め収集した前記不特定多数のドライバの前記第2の技量値群の算出に用いた前記操舵角情報及び前記走行状態情報と、前記第2の技量値群とに基づき、前記技量値の範囲に対する前記操舵角速度係数の最大値の範囲を、横軸を前記技量値及び縦軸を前記操舵角速度係数の最大値としたシグモイド関数を用いて設定し、該シグモイド関数に基づき、前記目標転舵角の演算に用いる前記操舵角速度係数として、前記自車両のドライバの運転技量及び前記自車両のドライバの指示した運転モードに対応する前記操舵角速度係数を設定することを特徴とする請求項9に記載の車両用操舵制御装置。
  11. 前記操舵過渡特性制御部は、
    前記シグモイド関数の示すシグモイド曲線の横軸の範囲を前記技量レベルの段階数N(Nは2以上の自然数)個の範囲に分割すると共に、分割したN個の範囲それぞれに対応する前記シグモイド曲線の縦軸の範囲を、前記運転モードの種類数M(Mは2以上の自然数)個の範囲に分割し、前記N個の範囲それぞれに対して前記N段階の技量レベルのうちそれぞれ異なる技量レベルを対応付けると共に、前記N個の範囲それぞれに対応する前記M個の範囲それぞれに対して前記M種類の運転モードのうちそれぞれ異なる種類の運転モードを対応付け、
    前記N個の範囲のうちから前記自車両のドライバの技量レベルの属する範囲を選択すると共に、該選択した範囲に対応する前記M個の範囲のうちから前記自車両のドライバの指示した運転モードに対応する範囲を選択し、該選択した範囲から前記第1の技量値に対応する前記操舵角速度係数を決定し、該決定した操舵角速度係数を、前記目標転舵角の演算に用いる操舵角速度係数として設定することを特徴とする請求項10に記載の車両用操舵制御装置。
  12. 前記操舵過渡特性制御部は、
    前記N個の範囲それぞれに対応する前記M個の範囲それぞれに対して、ローカライズしたシグモイド関数を設定し、
    前記ローカライズしたシグモイド関数に基づき、前記N個の範囲のうちから前記自車両のドライバの技量レベルの属する範囲を選択すると共に、該選択した範囲に対応する前記M個の範囲のうちから前記自車両のドライバの指示した運転モードに対応する範囲を選択し、該選択した範囲に設定した前記ローカライズされたシグモイド関数に前記第1の技量値を代入して算出した操舵角速度係数を、前記目標転舵角の演算に用いる操舵角速度係数として設定することを特徴とする請求項11に記載の車両用操舵制御装置。
  13. 前記操舵過渡特性制御部は、
    前記N個の範囲のうちから前記自車両のドライバの技量レベルの属する範囲を選択すると共に、該選択した範囲に対応する前記M個の範囲のうちから前記自車両のドライバの指示した運転モードに対応する範囲を選択し、該選択した範囲の分割位置の縦軸の値に基づき、前記目標転舵角の演算に用いる操舵角速度係数を設定することを特徴とする請求項11に記載の車両用操舵制御装置。
  14. ドライバが操舵を指示するために操作する操舵操作子の操舵角情報に基づき転舵輪の目標転舵角を演算し、
    前記目標転舵角に基づき前記転舵輪に転舵力を付与する転舵アクチュエータを制御し、
    前記操舵操作子の前記操舵角情報と車両の走行状態情報とに基づき、ドライバの運転技量を判定し、
    前記運転技量に基づき、前記操舵操作子が指示する操舵角に対する前記転舵輪の転舵角の過渡応答特性である操舵過渡特性を制御することを特徴とする車両用操舵制御方法。
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JP2017087856A (ja) * 2015-11-05 2017-05-25 マツダ株式会社 車両の制御装置
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JP2017124772A (ja) * 2016-01-15 2017-07-20 マツダ株式会社 運転支援装置

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