JP2014217121A - 永久磁石の特性検査方法および永久磁石の特性検査装置 - Google Patents

永久磁石の特性検査方法および永久磁石の特性検査装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014217121A
JP2014217121A JP2013090826A JP2013090826A JP2014217121A JP 2014217121 A JP2014217121 A JP 2014217121A JP 2013090826 A JP2013090826 A JP 2013090826A JP 2013090826 A JP2013090826 A JP 2013090826A JP 2014217121 A JP2014217121 A JP 2014217121A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetization
magnetic field
permanent magnet
magnet
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013090826A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6091312B2 (ja
Inventor
公康 古澤
Kimiyasu Furusawa
公康 古澤
茉耶 入江
Maya Irie
茉耶 入江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2013090826A priority Critical patent/JP6091312B2/ja
Publication of JP2014217121A publication Critical patent/JP2014217121A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6091312B2 publication Critical patent/JP6091312B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/02Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K15/00Methods or apparatus specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining or repairing of dynamo-electric machines
    • H02K15/02Methods or apparatus specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining or repairing of dynamo-electric machines of stator or rotor bodies
    • H02K15/03Methods or apparatus specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining or repairing of dynamo-electric machines of stator or rotor bodies having permanent magnets

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)

Abstract

【課題】永久磁石の磁気特性を簡便に検査することができる永久磁石の特性検出方法および永久磁石の特性検出装置を提供する。【解決手段】永久磁石100を形成するための磁石1に外部から磁界を印加して磁性部材の一部を不完全着磁に磁化させ予備着磁領域を形成する予備着磁用電磁石2と、予備着磁領域が形成された磁石1の磁化容易方向と平行に外部から磁界を印加して磁石1を最大磁化まで完全着磁して永久磁石100を形成する本着磁用電磁石4と、本着磁用電磁石4の着磁中に、磁石1に外部から印加する外部磁界と、磁石1の予備着磁領域の磁化とを同時に測定し、これらの値から永久磁石100の保磁力および永久磁石100の角型比を検出する検出手段とを備える。【選択図】図1

Description

この発明は、永久磁石の磁気特性を簡便に検査することができる永久磁石の特性検査方法および永久磁石の特性検査装置に関するものである。
従来の永久磁石の特性検査方法および永久磁石の特性検査装置は、通常測定対象である永久磁石に電磁石で磁界を印加し、被測定物に巻き回したコイルに誘起された電圧を磁界(H)と磁束密度(B)とに変換し、BHカーブトレーサ上に描かせることで行っている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特公昭46−37316号公報 特開平6−289112号公報
近年、永久磁石は車載用機器などに広く使用されており、高温での使用環境に耐えるために耐熱性に優れ、高い保磁力を有することが要求されている。
しかしながら、保磁力は、永久磁石内の結晶粒径や組成、熱処理温度など、多くの製造条件に左右されるため、製造バラツキが原因で保磁力、および減磁曲線が変動し、悪化する。
したがって、モータに永久磁石を組み込むためには永久磁石の保磁力、および減磁曲線を検査、測定する必要がある。従来、モータなどの製品に組み込む際には永久磁石を試験片に切り出した後に、BHカーブトレーサで減磁曲線を取得して保磁力を検査したり、永久磁石、または永久磁石をモータに組み込んだ後に永久磁石を加熱、または着磁方向と逆方向に外部から磁界を印加することによって減磁するかどうかを確認する方法が採られている。
しかしながら、このような方法では検査後の永久磁石は切り刻まれたり、減磁したりしているために、検査後に永久磁石を製品に組み込むことができない。したがって、全数検査は不可能であり、磁石の製造ロットの中から抜き取り試験のみになるという問題点があった。また、磁石の耐熱性を知るためには、加熱前後の磁石のフラックス量の測定により減磁率を評価したり、保磁力を測定する方法があるが、測定により磁石は減磁してしまうため、再着磁が必要になる。
そして、磁石が減磁している場合には、再度着磁することにより使用することが可能であるが、一旦着磁された磁石を反対方向に着磁するには、消磁状態から着磁するよりもはるかに大きな磁界が必要になる。そのため、磁極の管理が必要になったり、一度着磁されているために磁気吸引力が働き、取り扱いが煩雑になるという問題点があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、着磁工程において、着磁と同時に磁化特性を取得することでき、永久磁石を減磁させることなく磁気特性を評価できる永久磁石の特性検査方法および永久磁石の特性検査装置を提供することを目的とする。
この発明の永久磁石の特性検出方法は、
永久磁石の特性を検出する永久磁石の特性検出方法において、
上記永久磁石を形成するための磁性部材に外部から磁界を印加して上記磁性部材の一部を不完全着磁に磁化させ予備着磁領域を形成する予備着磁工程と、
上記予備着磁領域が形成された上記磁性部材の磁化容易方向と平行に外部から磁界を印加して当該磁性部材を最大磁化まで完全着磁して上記永久磁石を形成する本着磁工程と、
上記本着磁工程中に、上記磁性部材に外部から印加する外部磁界と、上記予備着磁領域の磁化とを同時に測定し、これらの値から上記永久磁石の保磁力および上記永久磁石の角型比を検出するものである。
また、この発明の永久磁石の特性検出装置は、
永久磁石の特性を測定する永久磁石の特性検出装置において、
上記永久磁石を形成するための磁性部材に外部から磁界を印加して上記磁性部材の一部を不完全着磁に磁化させ予備着磁領域を形成する予備着磁手段と、
上記予備着磁領域が形成された上記磁性部材の磁化容易方向と平行に外部から磁界を印加して当該磁性部材を最大磁化まで完全着磁して上記永久磁石を形成する本着磁手段と、
上記本着磁手段の着磁中に、上記磁性部材に外部から印加する外部磁界と、上記磁性部材の上記予備着磁領域の磁化とを同時に測定し、これらの値から上記永久磁石の保磁力および上記永久磁石の角型比を検出する検出手段とを備えたものである。
この発明の永久磁石の特性検査方法および永久磁石の特性検査装置は、上記のように行われて構成されているため、
永久磁石の磁気特性を簡便に検査することができる。
この発明の実施の形態1の永久磁石の特性検査装置の構成を示す図である。 図1に示した永久磁石の特性検出装置における磁化曲線を示した図である。 保磁力と残留磁化との異なる磁石の磁化曲線を示した図である。 保磁力と残留磁化との異なる磁石の着磁時の磁化曲線を示した図である。 図4に示した磁化曲線を規格化して示した図である。 磁石の多磁区、単磁区の状況の変化における磁化曲線を示した図である。 保磁力の異なる磁石の磁化曲線を示した図である。 図7に示した保磁力の異なる磁石の保磁力と屈曲点との関係を示した図である。 一般的な希土類焼結磁石の減磁曲線を示した図である。 特性の異なる磁石の減磁曲線を示した図である。 図10に示した特性の異なる磁石の磁化曲線を示した図である。 製造工程の異なる磁石の減磁曲線を示した図である。 図12に示した特性の異なる磁石の磁化曲線を示した図である。 この発明の実施の形態1の永久磁石の特性検査方法を採用する回転子の構成を示した図である。 この発明の実施の形態1の永久磁石の特性検査方法を採用する他の回転子の構成を示した図である。 図14に示した回転子と予備着磁手段との構成を示した図である。 図14に示した回転子と本着磁手段との構成を示した図である。 図14に示した回転子の予備着磁領域の構成を示した図である。 図14に示した回転子と本着磁手段および検出手段との構成を示した図である。 図14に示した回転子の本着磁時の磁力線の状態を示した図である。 この発明の実施の形態2の磁石と予備着磁の磁界との関係を示した図である。 磁石の平均的な磁化容易方向と磁界との関係を説明するための図である。 磁石の見かけ上の磁化を説明するための図である。
実施の形態1.
以下、本願発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の実施の形態1における永久磁石検査装置の構成を示す図、図2は着磁前、および、着磁時に検出する永久磁石の磁化曲線を示す図である。
図において、永久磁石100の特性を測定する特性検査装置は、永久磁石100を形成するための磁性部材としての磁石1に外部から磁界を印加して磁石1の一部を不完全着磁(以下、予備着磁として称する場合もある)に磁化させ予備着磁領域を形成する予備着磁手段としての予備着磁用電磁石2と、予備着磁領域が形成された磁石1の磁化容易方向と平行に外部から磁界を印加して磁石1を最大磁化まで完全着磁(以下、本着磁として称する場合もある)して永久磁石100を形成する本着磁手段としての本着磁用電磁石4と、本着磁中に、磁石1に外部から印加する外部磁界と、磁石1の予備着磁領域の磁化とを同時に測定し、これらの値から永久磁石100の保磁力および永久磁石100の角型比を検出する検出手段20とから構成される。
そして、磁石1は例えばネオジム焼結磁石にて形成される。予備着磁用電磁石2に電流を供給する直流電源3と、本着磁用電磁石4にパルス状の大電流を流すためのコンデンサ5を有する着磁電源6とを有している。検出手段20には、本着磁用電磁石4により印加される磁界により誘起される電圧を検出する磁界検出コイル7と、本着磁用電磁石4により着磁対象である磁石1の予備着磁領域の磁化により誘起される電圧を検出する磁化検出コイル8と、磁界検出コイル7および磁化検出コイル8からの信号をそれぞれ受信して積分処理を行う信号処理回路部9と、この信号処理回路部9の積分信号を記憶する記憶部10と、規格品磁化特性データを格納するデータ格納部11と、記憶部10の信号と、データ格納部11の規格品磁化特性データとを比較して永久磁石100の保磁力および角型比を判定する判定部12とを備えている。
この検出手段20においては、着磁対象である磁石1に完全着磁用の磁界が印加されると、磁石1の磁化の値に応じた磁束の時間微分信号、すなわち誘起電圧が磁化検出コイル8に誘起し、この時間微分信号が信号処理回路部9に含まれる積分器により時間積分することにより磁束の値が算出され、記憶部10に保存される。また、磁界検出コイル7も同様に、完全着磁用の磁界の時間微分信号が磁界検出コイル7に誘起され、信号処理回路部9で時間積分することにより完全着磁時の外部磁界の値が算出され、記憶部10に保存される。
尚、ここでは、磁石1に不完全着磁を行うために予備着磁用電磁石2を用いる例を示したが、これに限られることはなく、磁石1に不完全着磁を行うことができる予備着磁用の永久磁石を用いて同様に行うことができる。また、予備着磁用電磁石2に電流を流す手段として直流電源3を用いる例を示したが、これに限られることはなく、コンデンサを有するパルス電流を発生する着磁電源を用いても同様に行うことができる。また、完全着磁を行うために本着磁用電磁石4を用いる例を示したが、これに限られることはなく、磁石1を完全着磁することができる本着磁用の永久磁石を用いても同様に行うことができる。
また、本着磁用電磁石4にパルス電流を用いる例を示したが、これに限られることはなく、直流電流によって直流の磁界印加手段を用いてもよい。また、本実施の形態1においては、予備着磁用電磁石2と本着磁用電磁石4とを別々に構成する例を示したが、これに限られることはなく、同一の電磁石にて、電流を流す方向と、電流値を制御することにより不完全着磁と完全着磁との両方を行うように構成してもよい。
次に、上記のように構成された実施の形態1の磁石の着磁と、永久磁石の保磁力の検出方法とについて説明する。消磁状態の永久磁石100すなわち磁石1の一部を、予備着磁用電磁石2に直流電源3から電流を流すことにより、完全着磁したい磁極(例えば、図1において上方向がN極)と逆の磁極(例えば、図1において下方向がN極)にわずかに磁化して予備磁化領域を作成する。ここでは、不完全着磁時の外部磁界を3kOeとする例にて説明する。但し、この外部磁界は3kOeより大きくても小さくても、完全着磁でなければ同様に行うことは可能である。
次に、本着磁用電磁石4内に磁石1を配置し、完全着磁を施し永久磁石100を形成する。そして、完全着磁中の磁石1の予備着磁領域の磁化と、磁石1に外部から印加する外部磁界との関係(磁化曲線)が保存され、磁化曲線から保磁力を推定され、これと同時に、着磁が完了する。ここで、磁界検出コイル7および磁化検出コイル8によって検出され、保磁力の検知に用いる磁化曲線は、図2に示すようにX軸を外部磁界、Y軸を磁化としたときの第1象限と第4象限のみとなる。尚、図2においては、不完全着時の磁化曲線は点線にて示している。
次に、保磁力の検知の原理と保磁力の検知方法とについて説明する。磁石1のネオジム焼結磁石は、平均粒径が5μm程度の多結晶体であり、完全に消磁された状態では粒子一つ一つの中は多数の磁区が存在し、互いの磁極が打ち消しあう多磁区構造を有している。このことにより磁石1の磁化は平均的にゼロになり、消磁状態となっている。完全に消磁された磁石1に外部から磁界を印加すると、外部磁界の方向と平行方向の磁区の体積が増加するため、磁石に磁化が生まれる。さらに大きな磁界を印加すると、粒子一つの中には外部磁界の方向と平行な方向の磁区が一つだけ存在する単磁区状態になり、磁界を取り去っても磁化を保持することになる。
ネオジム焼結磁石の保磁力の機構は核生成型であり、一度単磁区状態となった粒子は、上記磁区の磁化の方向と反対方向に外部磁界を印加し、磁界を増加させていくと、粒子の表面、すなわち粒子の界面から外部磁界の方向と平行な方向であり且つ粒子内の磁区の方向と反対方向の磁区の核が生成され、そこからわずかな磁界の増加で磁区が成長して磁石の磁化が減少する。このとき磁石の磁化がゼロになる外部磁界の値を保磁力と呼び、保磁力の値が大きいほど減磁しにくい。また、磁石の温度が高くなると、保磁力は減少する傾向があり、一般的には−0.4〜0.6%/℃で減少する。すなわち、室温での保磁力が高いものほど高温での保磁力が高い。
例えば、モータのように高温環境などで使用し、且つ、永久磁石に外部から磁界を印加することで駆動する機器に当該永久磁石を搭載する場合には、室温での保磁力が高いものほど高温で減磁がしにくいことになり、保磁力が高い永久磁石ほど、耐熱性が高いことを意味する。また、ネオジム焼結磁石の結晶であるNd2Fe14B1は結晶磁気異方性を有しているため、理想的な結晶であれば物性値である異方性磁界の大きさまで、外部磁界を増加しなければ磁化は反転しない。但し、ネオジム焼結磁石のように多数の結晶の集合体である場合、結晶の界面である表面は不完全な結晶であるため、見かけの異方性磁界は小さくなり、結晶の界面から結晶内の単一の磁区の方向と反対方向の磁区の核が生成される。
上記に示したように、消磁状態の磁石を着磁する際には、多磁区状態の磁石が徐々に単磁区構造へ変化する過程を表しており、結晶粒が単一の磁区を有しない限りは保磁力とは無関係であるため、組成や熱処理温度などを調整することでさまざまな強さの保磁力を持つ磁石であっても着磁時の磁化曲線は一致する。ここで、図3に一般的なネオジム焼結磁石の減磁曲線を示す。縦軸に磁石の磁化を、横軸に磁石に印加する外部磁界をプロットしたものであり、BHカーブトレーサによって取得されるBHカーブの第2象限を抜き出したものである。ここで、磁化がゼロになるときの外部磁界の値を保磁力(Hcj)と呼び、外部磁界がゼロになるときの磁石の磁化を残留磁化と呼ぶ。
図3に示すように保磁力と残留磁化との両方が異なる磁石については、図4に示すように着磁時の磁化曲線が異なる。しかしながら、図4において磁化を残留磁化で規格化した場合、すなわち縦軸を「磁化/残留磁化」として図5に示すように磁化曲線を比較すると、本来、各保磁力の異なるのにもかかわらず、着磁時の磁化曲線は一致してしまう。したがって、消磁状態の磁石を着磁する際の磁化特性は、保磁力や減磁曲線とは無関係であり、保磁力や減磁曲線の良し悪しを確認(検査)することができない。
そこで、予め磁石を着磁したい方向と反対方向にわずかに予備着磁(不完全着磁)する。このことで、磁石内の一部の結晶粒が単磁区状態となり、保磁力を有することとなる。一般的な永久磁石の製造方法によれば、保磁力に大きく影響を及ぼす重希土類の量や結晶界面(結晶粒界)の状態は、磁石内部でほぼ均一であるため、磁石の一部を単磁区にすることで、磁石全体の保磁力を代表することが可能である。
次に、保磁力を検知する方法を説明する。これを、多磁区状態の結晶粒を着磁したときの磁化曲線と、単磁区状態の結晶粒を磁区の方向と反対方向に着磁したときの磁化曲線の模式図、および多数の多磁区状態の結晶粒と少数の単磁区状態の結晶粒とが混在した磁石の磁化曲線の模式図をそれぞれ示した図6を用いて説明する。図に示すように、多磁区状態の結晶粒は外部磁界が小さいうちに急峻に磁化が増加し、飽和する(図6(a))。また、単磁区状態の結晶粒は外部磁界が小さいうちは磁化が変化せず一定であり、外部磁界を増加させると上記単磁区状態の結晶粒の保磁力以上の外部磁界が印加されると磁化がゼロになり、その後さらに外部磁界を増加させていくと磁化が反転して外部磁界と同じ方向の単一の磁区に変化する(図6(b))。
よって、磁石内部のほとんどが多磁区状態の結晶粒であり、一部が単磁区状態の結晶粒である場合には、一部の単磁区状態の結晶粒が磁化反転するため磁化曲線に屈曲点が生じる(図6(c))。そして、単磁区状態の結晶粒の保磁力が大きい場合には、磁化反転するときの外部磁界の値が大きくなるため、屈曲点が生じる外部磁界の値が大きい方へシフトしていき、逆に保磁力が小さい場合には、屈曲点が生じる外部磁界の値が小さい方へシフトすることになる。
図7は残留磁化が同じで保磁力が異なる3種類の磁石について、実際に予め1.5kOeの外部磁界により磁石の一部を不完全着磁した後に、この不完全着磁と反対方向の磁界を印加して完全着磁したときの磁化曲線を示す。3種類の比較例としては、比較例1として、残留磁束密度1.31T、保磁力17.7kOe、比較例2として残留磁束密度1.31T、保磁力14.1kOe、比較例3として残留磁束密度1.30T、保磁力11.7kOeの磁石である。
図7から保磁力が高いほど、外部磁界に対して磁化の立ち上がりが緩やかになり、特に保磁力が17.7kOeと高い磁石(比較例1)は屈曲点が特に明確に生じていることがわかる。図7の磁化曲線を微分し、傾き(すなわち透磁率)を算出すると、透磁率が最も高くなる外部磁界の値が屈曲点が生じる外部磁界の値である。図8に上記比較例1〜比較例3の磁石の磁化曲線において、透磁率が最も高くなる外部磁界、すなわち屈曲点が生じる外部磁界の値を横軸に、比較例1〜比較例3の磁石の保磁力を縦軸に採ると、これら両者の相関関係が得られた。
また、以上のように、予め磁石に磁界を印加して磁石の一部を単磁区状態とした後、前記磁界と反対方向の磁界を印加することにより、磁石を多磁区から単磁区状態へ変化させるとともに、予め単磁区となった磁石の一部の領域については単磁区から多磁区へさらに前記単磁区と反対方向の磁化方向に単磁区状態へ変化させることにより、生じる磁化曲線の屈曲点の位置を検出することで保磁力の違いを検知できる。このように、予め保磁力と屈曲点が生じる外部磁界の関係を取得しておくことで、屈曲点が生じる外部磁界から保磁力を推定することができる。
次に、永久磁石100の角型比について説明する。図9は一般的な希土類焼結磁石の減磁曲線である。図9において、残留磁化が90%となるときの外部磁界の値をHkと定義し、Hk/Hcjを角型比と定義した場合、角型比の小さな磁石ほど外部磁界に対して減磁しやすいことがよく知られている。例えば、保磁力(Hcj)が同じ磁石であっても、角型比に差がある場合には、角型比が小さい磁石の方がより減磁しやすい。従来のように、磁石を抜き取り検査によって磁石の熱減磁率を評価する場合には、保磁力と熱減磁率との相関が得られないことがある。
これは磁石の減磁は保磁力以上の外部磁界を磁石に与えたときに起こるのではなく、上記のように保磁力よりも低い外部磁界で磁化が減少し始めるため、実際に磁石が回転電機などに用いられた場合に減磁しやすいかどうかは、保磁力と角型比となどの情報を含んだ減磁曲線を評価する必要がある。本発明によれば、保磁力のみを推定するだけでなく、上記角型比を含む減磁曲線についても推定可能である。
ここで、実施例1として保磁力(Hcj)16.9kOe、Hk15.7kOe、角型比(Hk/Hcj)93%の磁石、実施例2として保磁力(Hcj)16.8kOe、Hk13.7kOe、角型比(Hk/Hcj)81%の磁石、実施例3として保磁力(Hcj)17.7kOe、Hk14.3kOe、角型比(Hk/Hcj)81%の磁石を用意した。このような上記実施例1〜実施例3の減磁曲線を図10に示す。また、予備着磁磁界3kOeを上記各実施例1〜実施例3の磁石に印加した後、本着磁したときの磁化特性を図11に示す。
図11から明らかなように、実施例1と実施例2は保磁力は同じであるが、角型比が異なるため、角型比の小さい実施例2の磁化曲線は外部磁界に対して磁化の増加が大きいことがわかる。これは実施例1に比較して、実施例2の方が外部磁界に対して磁化の反転(単磁区状態が多磁区に変化し、さらに反対方向の磁化へ単磁区状態に変化する)が起きやすいことを意味し、減磁曲線において角型比が小さい(すなわち実施例1に比べて、実施例2では低い外部磁界で磁化の減少が始まる)ことと一致している。
尚、ここで結晶粒径が大きい磁石の場合は、予備着磁により単磁区状態に変化できなかった粒子が、本着磁により急激に本着磁時の外部磁界と同じ方向に磁化して、単磁区状態に変化していく場合も含まれる。この場合、粒子の大きさが大きいものほど粒子内の欠陥が存在する確率が高くなるため、単磁区状態から多磁区状態へ変化しやすく、粒子の大きさが大きいものほど保磁力が小さいと言える。
また、実施例1に比べて、実施例3の方が角型比は小さいが、保磁力は高い。図11において、実施例3は外部磁界に対して磁化の増加が大きいが、ある程度外部磁界が大きくなると、実施例1の磁化曲線と交差し、実施例1に比べて、実施例3の磁化の増加が小さくなることがわかる。これは図11に示す減磁曲線において、実施例3の磁化は外部磁界が低い値で減少が始まるが、外部磁界がある程度大きくなると磁化曲線が実施例1の磁化曲線と交差し、実施例3において磁化がゼロになる外部磁界の値(つまり保磁力)が大きくなることと一致している。
このように、本着磁時に取得した磁化特性から屈曲点が生じる外部磁界の値よりも小さい外部磁界の値のときと、大きい外部磁界の値のときとの磁化を読み取ることで、磁石の減磁曲線(保磁力、角型比)を推定するができる。すなわち、完全着磁時に磁化検出コイル8と磁界検出コイル7とにより磁化特性を取得し、屈曲点が生じる外部磁界の値、および、ある外部磁界のときの磁化の強さを、基準となる正常な磁石の磁化特性と比較することにより、保磁力と減磁曲線とを推定することができ、磁石が減磁しやすいかどうかをより正確に知ることができる。
例えば、図7において、保磁力17.7kOeの磁石が正常な保磁力を有する磁石であり仕様を満たしている設定する。この場合、磁化曲線の屈曲点が生じる外部磁界の値、ここでは外部磁界の値15kOeのときの磁化が11kG以上である磁化曲線となる磁石は保磁力が低いと判断することができ、仕様を満たしていないと判断することができる。また、図11において、実施例1が正常な保磁力、角型比を有する磁石である場合、磁化曲線の屈曲点(すなわち磁化曲線の傾きが高くなる)の外部磁界の値15kOeよりも低い外部磁界の値10kOeのときの磁化−4kG以上の場合は角型比が小さい(悪い)ことを表しており、屈曲点の外部磁界より大きい外部磁界20kOeのときの磁化が20kG以上の場合は保磁力が低いことがわかり、仕様を満たしていないことがわかる。
上記に示したように、予め正常な保磁力と角型比とを持つ永久磁石の磁化曲線を測定しておき、検査対象の永久磁石の磁化曲線と比較することで永久磁石の保磁力と角型比とを推定することができる。
具体的には、正常とされる磁石の磁化曲線において屈曲点が生じる外部磁界の値と、屈曲点が生じる外部磁界の値よりも大きい外部磁界のときの磁化の値に対して、検査対象の磁石の磁化が大きい場合には、検査対象の磁石は保磁力が正常とされる磁石に比べて低い(悪い)ことが推定できる。また、正常とされる磁石の磁化曲線において、屈曲点が生じる外部磁界の値よりも小さい外部磁界のときの磁化の値に対して、検査対象の磁石の磁化が小さい場合には、検査対象の磁石は角型比が正常とされる磁石に比べて小さい(悪い)ことが推定できる。
次に、本発明における保磁力の検査方法を適用した各実施例について以下に述べる。実施例4として、各製造工程において品質管理基準を満たした磁石とする。また、実施例5として、熱処理工程において熱処理温度が管理基準の500℃に対して−50℃ずれた450℃で熱処理した磁石とする。図12は実施例4と実施例5との磁石の減磁曲線の測定結果である。実施例4は、図12の減磁曲線の測定の結果、保磁力が−16.8kOeであり、角型比が93%であった。一方、実施例5は、図12の減磁曲線の測定の結果、保磁力が−16.3kOeであり、角型比が81%であった。
実施例4と実施例5との磁石を、予備着磁用電磁石2に挿入して、磁石の磁化容易軸方向に平行であり、且つ着磁したい方向と反対方向に不完全着磁磁界3kOeを印加した。次に、本着磁用電磁石4にそれぞれを挿入し、磁化容易軸方向に平行且つ着磁方向に完全着磁磁界40kOeを印加した。このとき、完全着磁時の磁界と磁石の磁化を磁界検出コイル7および磁化検出コイル8にてそれぞれ検出し、横軸に磁界を、縦軸に磁化を採り、両者をプロットしたグラフを図13に示す。
実施例4は磁化が約−9kGから徐々に増加し、本着磁磁界が14.4kOe付近で磁化がゼロになり、さらに本着磁磁界が大きくなると本着磁磁界が14.8kOe付近で磁化が約1.1kGから約11.4kG(本着磁磁界が19.5kOeのとき)まで急激に増加し、さらに本着磁磁界が大きくなると徐々に飽和していることがわかる。また、このとき、図13において実施例4は本着磁磁界が16.2kOe付近で本着磁磁界に対する磁化の増加率(すなわち透磁率)が最も大きくなり、比透磁率は約3.4であった。
また、実施例5において、磁化が約−9kGから徐々に増加し、本着磁磁界が9.7kOe付近で磁化がゼロになり、さらに本着磁磁界が大きくなると、本着磁磁界が12.5kOe付近で磁化が約3kGから約10kG(本着磁磁界が16.6kOeのとき)まで急激に増加し、さらに本着磁磁界が大きくなると徐々に飽和していることがわかる。
また、このとき、図13において実施例5は本着磁磁界が15.4kOe付近で本着磁磁界に対する磁化の増加率(すなわち透磁率)が最も大きくなり、比透磁率は約2.1であった。ここで、実施例4が磁石を製品に搭載した際に耐熱性の仕様を満足する磁石であり、実施例5が磁石を製品に搭載した際に耐熱性の仕様を満足しない磁石である。耐熱性の使用を満足しない磁石とは、製品使用時に製品に搭載した磁石が外部から磁界を印加されたり、熱を加えられたりして磁石が大きく減磁してしまうことを表す。
また、実施例4を基準磁石として、実施例5の磁石の耐熱性が仕様を満足するかどうかを検査する場合、透磁率が最も大きくなるときの実施例4の本着磁磁界の値16.2kOeに比べて、実施例5では15.4kOeと小さいため、実施例5の保磁力は仕様を満足しないと判定することができる。また、透磁率が最も大きくなる本着磁磁界よりも小さい領域では、実施例4の磁化の大きさに比べて、実施例5の磁化の大きさは全体的に正符号の方向へ存在している。ここで、図13において、本着磁磁界10kOeのとき、透磁率が最大となる付近の本着磁磁界15kOe、磁化の増加が飽和し始める20kOeのときの磁化を読み取る。
すると、本着磁磁界10kOeのときは、実施例4では磁化−3.8kGに対して、実施例5では磁化+0.55kGと正符号の方向に存在しており、本着磁磁界15kOeのときは実施例4では磁化+2kGに対して、実施例5では磁化+7kGと正符号の方向に存在しており、本着磁磁界20kOeのときは実施例4では磁化+12kGに対して、実施例5では磁化+13kGと正符号の方向に存在していることがわかる。したがって、実施例5の磁石は角型性、保磁力が実施例4に比べて劣っており、耐熱性の仕様を満足しないと判定することができる。尚、実施例4および実施例5において、予備着磁後に本着磁する際に磁化が同じ−9kGから始まっている。これは、実施例4および実施例5がほぼ同様の結晶粒径を持つためである。
結晶粒径の異なる磁石に同じ磁界を印加すると、外部磁界と同じ方向の磁区が広がっていくが、結晶粒径が大きいものほど多磁区状態から単磁区状態になるために大きな外部磁界が必要となる。したがって、製造工程の変動により結晶粒径が異なる磁石に、同じ予備着磁を印加すると、結晶粒径が大きい磁石ほど本着磁磁界の開始点の磁化がゼロに近づくことになる。
次に、生産ラインにおいて本発明の永久磁石の特性検出方法(永久磁石の保磁力の検査方法)を適用する場合について述べる。磁石を着磁する場合、電磁石の中に磁石を一つ配置し、電磁石にパルス状の電流を流すことによりパルス状の磁界を磁石に印加することにより着磁が行われる。このとき、磁石内の結晶粒は多磁区状態から単磁区状態へ全て変化し、磁化が飽和していることが必要である。多磁区状態の結晶粒が残っていると外部磁界を取り去った後に、磁石が外部に発生する磁束が小さくなり、回転電機などに磁石を用いる場合には、トルクの低下や固定子の界磁により減磁しやすくなる。このため、完全着磁により完全に磁化させる必要がある。また、磁石を着磁する方法としては、上記のように磁石を一つ一つ着磁する方法以外に、回転子の鉄心に磁石(磁性部材)を装着した状態で、複数の磁石を一度に着磁する方法が行われる。これは、複数の磁石を一度に着磁するため、着磁に要する作業時間を短縮するためである。
図14に複数の磁石が装着された回転子の平面図を示す。回転軸33を中心に回転する回転子30は、鉄心31と、鉄心31の外周の周方向に等間隔に複数の磁石32を備えている。尚、本実施の形態1の磁石32は鉄心31の外周に配設されているが、図15に示すように、鉄心31の周方向に等間隔に複数の空孔を設けて、当該各空孔内に磁石32をそれぞれ装着して配設してもよい。このように複数の磁石32を一度に着磁する場合には、回転子30の磁極に対向するように回転子30の外周に電磁石をそれぞれ設けて、パルス磁界を磁石32に印加することで、複数の磁石32を一度に着磁する。このとき、回転子30に配設された磁石32は、周方向に交互に磁極の向きが変わるように(外周に向かってN極とS極が交互に変わるように)着磁される。
図16は本実施の形態の予備着磁時の回転子と予備着磁手段との位置関係を示す平面図、図17は本実施の形態の本着磁時の回転子と本着磁手段との位置関係を示す平面図である。まず、図16に示すように、バックヨーク200に回転子30の周方向に等間隔に配設された磁石32と対向する側に予備着磁用電磁石201をそれぞれ設置して予備着磁工程を行う。回転子30の周方向に等間隔に配設された磁石32と対向する側に磁石32の周方向の長さよりも短い領域、すなわち磁石32の一部に予備着磁領域32aを形成する。そして、図18に示すように、回転子30の外周側から磁石32を見た場合、予備着磁領域32aは磁石32の周方向よりも小さければよい。また、回転子30の軸方向に対しては、図18(a)に示すように、磁石32の全て予備着磁して予備着磁領域32aを形成してもよいし、図18(b)に示すように、磁石32の一部を予備着磁して予備着磁領域32aを形成してもよい。
次に、図17および図19に示すように、バックヨーク400に回転子30の周方向に等間隔に配設された磁石32と対向する側に本着磁用電磁石401をそれぞれ設置して回転子30の本着磁工程を行う。このとき、本着磁時に磁石32の予備着磁領域32aの磁化の変化を検出するため、予備着磁領域32aの軸方向において合わせた同サイズ(図18(b)の場合について)の磁化検出コイル80を設けている。また、本着磁時工程の着磁磁界を計測するための磁界検出コイル70を設けている。
磁界検出コイル70は磁化検出コイル80と同じ位置に設けてもよく、好ましくは図19に示すように、磁石32の磁化の変化の影響を受けにくい位置、回転子30の軸方向の下端に設けることが望ましい。そして、磁化検出コイル80は回転子30に配設された複数の磁石32の一つ一つに対応してそれぞれ設けられている。また、磁界検出コイル70は磁石32の一つ一つに対応してそれぞれ設けることも可能であるが、1つの磁石32に対してのみ設置することも可能である。尚、磁界検出コイル70は、磁石32の一つ一つに対応して設置する方が、正確に検出することができる。
そして、本着磁工程時に予備着磁領域32aの磁化を磁化検出コイル80で検出し、本着磁用電磁石401により磁石32に印加される着磁磁界を磁界検出コイル70で検出し、磁化と外部磁界との関係を取得する。そして、上記にて示したような予備着磁領域32aの磁化特性を知ることができる。この際、予備着磁工程により着磁される磁極の方向と、本着磁工程により着磁される磁極の方向は反対方向として形成する。
次に、予備着磁領域32aを、磁石32の回転子30の周方向の中心部に配置する理由について説明する。図20は、本着磁時に本着磁用電磁石401内に配置された回転子の平面図である。本着磁用電磁石40から発生する磁力線(図中において太線矢印にて示す)の模式図を併記しているが、一つの電磁石から発生した磁力線は隣接する本着磁用電磁石401に向かって流れ込むように発生する。回転電機に用いられる磁石32は、多くの場合、図20に示すように磁化容易方向Eを持っており、磁化容易方向Eと直交する方向にはほとんど着磁できない。
したがって、回転子に配設された磁石の周方向端部(図20のA部)は、磁力線の方向が磁化容易方向Dに対して角度θ分だけずれているため、Cosθの成分のみが着磁に寄与することになり、着磁磁界が磁石の周方向中心部(図20のB部)に比べて弱くなる。よって、磁石32の周方向端部は中心部に比べて着磁しにくいことになる。
通常、ネオジム焼結磁石の場合、着磁磁界は約20〜30kOe必要であることが知られており、一度着磁された磁石(単磁区状態になった磁石)を反対方向に着磁する際には、上記磁石の保磁力に加えて20〜30kOeの着磁磁界が必要になる。着磁器は導線径が数mmの導線を着磁器のヨークに数ターン巻き回し、数kA〜数十kAの大電流を流す方法が用いられるが、大電流を流すために導線の発熱や導線に電磁力がかかり、あまり大きな電流を流すと導線が引きちぎられたりして着磁器が破損してしまう。したがって、通常、回転子に配設された磁石の数が多く、小径の回転子の場合には、磁石の回転子の周方向端部の領域は20〜30kOe程度しか流すことはできない。
ここで、保磁力が20kOeの磁石を本着磁する場合の磁界解析した結果について述べる。B部の着磁磁界は50kOe、A部の着磁磁界は40kOeであるが、A部はθ=37°であった。A部の着磁磁界のおいて、磁石32の磁化容易方向Dと配向な成分は40×Cos(37°)=33kOe程度しかないため、磁石32の保磁力に加えてA部は+30kOeであるが、B部は+13kOeしかないため、B部は本着磁により完全に単磁区状態へ着磁することできない。
したがって、本発明のように予備着磁によって磁石の一部を単磁区状態にした後に本着磁する場合、上記のような着磁器により一度に複数の磁石を着磁する手段では着磁しにくい領域は最大磁化まで完全に着磁されないため、予備着磁領域を着磁器からの着磁磁界が大きい磁石の中央部に配置することが望ましい。
上記のように構成され検出された実施の形態1の永久磁石の特性検査方法および永久磁石の特性検査装置によれば、磁石の一部を予め予備着磁した後、反対方向の磁極の向きに本着磁し、本着磁時の着磁磁界を磁界検出コイルで、磁石の磁化を磁化検出コイルにより検出し、本着磁時の磁化特性を取得することできる。また、磁化特性に生じる屈曲点(磁化曲線に現れるひずみ)の位置により、磁石の保磁力を推定することができる。
また、磁石を着磁と同時に保磁力、または減磁曲線を推定することで、着磁と耐熱性の検査の工程を集約することができ、検査工程を新たに設けることがないため、工数が増加することがなく、作業時間が増えることがない。
また、本着磁と同時に保磁力、または減磁曲線を検査するため、検査した磁石は全て使用することができ、磁石を廃棄するなどのムダがない。
さらに、検査した磁石を全て使用できるため、全数検査が可能となり磁石を搭載する製品の品質をより安定化することができる。
また、回転電機などの回転子に複数の磁石を配設した状態で予備着磁後に本着磁することにより、複数の磁石を同時に検査することが可能であるため、複数の磁石を検査する工数を削減することができる。
また、着磁と同時に着磁曲線を取得することで、永久磁石を減磁させることなく保磁力を推定することできる。
実施の形態2.
図21はこの発明の実施の形態2における予備着磁時の磁石と予備着磁時の磁界との関係を示す。本実施の形態2では、予備着磁工程において、磁石1の磁化容易方向E(ここで言う、磁化容易方向Eとは磁石1全体として平均的に磁化が容易となる方向を言う)に直交する方向に磁界Fを印加する例について説明する。予備着磁工程以後の工程については、上記実施の形態1と同様であるため、その説明は適宜省略する。
ネオジム焼結磁石の結晶は、結晶構造に異方性を持っているため、外部磁界によって磁化されやすい磁化容易方向Eと、磁化されにくい磁化困難方向Fとがある。この磁化困難方向Fとは、磁化容易方向Eに対して垂直な方向である。また、磁石1を本着磁するときには、磁化容易方向Eに平行に磁界を印加する。
ネオジム焼結磁石の製造工程では、微粉砕により得られた磁石粉末に外部磁界を印加しながら圧縮成形することで、磁石粉末の磁化容易方向を一方向に揃え、その後、焼結により多結晶の磁石を作る。しかし、磁石粉末はいびつな形状をしているため、圧縮成形工程で、それぞれの磁石粉末のそれぞれの磁化容易方向が、それぞれ異なる。よって、磁石粉末毎では、外部磁界の方向に対してずれた状態で固着されることとなる。これはHDDR法によって作られた磁石においても同様に、多結晶体から構成されため、それぞれの結晶の磁化容易方向はわずかにずれている。
図22は、磁石の平均的な磁化容易方向Eと直交方向に磁界Fを印加したときの、磁石の各結晶粒の磁化の様子を示す模式図である。上述した理由により、磁石の中にはWやZの結晶粒のように、結晶の磁化容易方向が磁界Fと垂直な方向となる結晶粒と、XやYの結晶粒のように結晶の磁化容易方向X1、Y1が磁界Fに垂直な方向からずれている結晶粒とが混在している。よって、WやZの結晶粒は、磁界Fが印加されても磁化されない。また、XやYの結晶粒は磁界Fが印加されると、その磁界Fの磁化容易方向成分により磁化され、その成分がある程度大きいと単磁区状態へ変化する。
そのとき、粒子の磁化容易方向Eの磁界Fに垂直な方向に対して、どちらの方向に傾いているかで、粒子の磁化の方向が変わる。例えば、Xの結晶粒は図の上向きの方向X2に、Yの結晶粒は下向きの方向Y2に磁化された単磁区粒子になる。したがって、磁石の平均的な磁化容易方向Eに磁界Fが印加された磁石内には、着磁方向とそれと逆方向に磁化された単磁区状態が両方存在することになり、磁石全体では磁化は見かけ上ゼロとなる。
このため、磁石の平均的な磁化容易方向Eに磁界Fを印加する場合、着磁方向を考慮することなく、単磁区粒子を生成することができる。したがって、上記実施の形態1のように予備着磁時に本着磁と反対の方向に磁界を印加する方法に比べて、着磁前にN極とS極の管理をしなくてよいという利点がある。
また、本実施の形態2では着磁方向に直流の磁界を印加しているが、着磁前にN極とS極の管理をしなくてもよいため、交流磁界や交流減衰磁界を印加してもよい。また、このような着磁方向と、それと逆方向に磁化された単磁区状態を両方存在させる方法として、磁化容易軸に平行な方向の磁界を正負交互に減衰するように磁界を印加する(磁石の一方の面の磁極がN極とS極になるように交互に減衰するように磁界を印加する)方法も採用することができる。
正負交互に減衰する交流減衰磁界を印加する場合について説明する。図23は磁石の磁化容易方向に平行な方向に正負交互に減衰する交流減衰磁界を印加したときの磁化と外部磁界との関係を示す図である。交流減衰磁界を印加すると、磁石は外部磁界によって磁化を保つが、磁化された方向と逆方向に外部磁界を与えると磁化は減少する。そして、減衰する磁界によって上記を繰り返すと、図に示すように、磁化は徐々に減少し、ゼロに近づいていく。このとき、磁石の中では、本着磁の着磁方向とそれと反対方向に着磁された単磁区状態が両方存在し、平均的には磁石全体ではN極とS極に着磁された結晶の数がほぼ同数存在し、見かけ上の磁化がほぼゼロになる。このことより、着磁前にN極とS極の管理をしなくてもよいことを確認することができる。
上記のように構成され検出された実施の形態2の永久磁石の特性検査方法および永久磁石の特性検査装置によれば、上記実施の形態1と同様の効果を奏するのはもちろんのこと、予備着磁工程にて印加する磁界の方向と、上記本着磁工程にて印加する磁界の方向とは、直交位置関係と設定するため、予備着磁工程における磁極の管理を行う必要がない。また、そのことにより、予備着磁工程において、交流減衰する磁界を用いることが可能となる。
尚、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 磁石、2 予備着磁用電磁石、4 本着磁用電磁石、20 検出手段、
30 回転子、32 磁石、32a 予備着磁領域、100 永久磁石、
201 予備着磁用電磁石、401 本着磁用電磁石。

Claims (12)

  1. 永久磁石の特性を検出する永久磁石の特性検出方法において、
    上記永久磁石を形成するための磁性部材に外部から磁界を印加して上記磁性部材の一部を不完全着磁に磁化させ予備着磁領域を形成する予備着磁工程と、
    上記予備着磁領域が形成された上記磁性部材の磁化容易方向と平行に外部から磁界を印加して当該磁性部材を最大磁化まで完全着磁して上記永久磁石を形成する本着磁工程と、
    上記本着磁工程中に、上記磁性部材に外部から印加する外部磁界と、上記予備着磁領域の磁化とを同時に測定し、これらの値から上記永久磁石の保磁力および上記永久磁石の角型比を検出する永久磁石の特性検出方法。
  2. 上記本着磁工程中の上記外部磁界と上記磁化との磁化曲線において、屈曲点が生じる時点の当該外部磁界の値、または、上記屈曲点が生じる時点の当該磁化の値から上記永久磁石の保磁力を検出する請求項1に記載の永久磁石の特性検出方法。
  3. 上記本着磁工程における上記外部磁界と上記磁化との関係から、上記外部磁界の透磁率を算出し、上記透磁率のピーク値から上記永久磁石の保磁力を検出する請求項1または請求項2に記載の永久磁石の特性検出方法。
  4. 上記本着磁工程において、上記磁性部材に印加する磁界の方向は、上記予備着磁工程で印加する磁界の方向と反対方向である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の永久磁石の特性検出方法。
  5. 上記予備着磁工程にて印加する磁界の方向と、上記本着磁工程にて印加する磁界の方向とは、直交位置関係である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の永久磁石の特性検出方法。
  6. 上記予備着磁工程において印加する磁界は、交流減衰する磁界を用いる請求項5に記載の永久磁石の特性検出方法。
  7. 回転電機の回転子の周囲に複数配設された永久磁石の特性を測定する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の永久磁石の特性検出方法において、
    各上記永久磁石を形成するための上記磁性部材は、上記回転子の周囲に複数配設され、
    上記予備着磁工程および上記本着磁工程を、各上記永久磁石を形成するための各上記磁性部材の全てに対して同時に実施し、
    上記本着磁工程中に、上記磁性部材に外部から印加する外部磁界と、各上記磁性部材の各上記予備着磁領域の全ての磁化とを同時に測定し、これらの値から各上記永久磁石の保磁力および各上記永久磁石の角型比の全てを検出する永久磁石の特性検出方法。
  8. 請求項7に記載の永久磁石の特性検出方法において、
    上記予備着磁工程において、各上記磁性部材の上記回転子の周囲方向において中央部のみに各上記予備着磁領域をそれぞれ形成する永久磁石の特性検出方法。
  9. 請求項7または請求項8に記載の永久磁石の特性検出方法において、
    上記本着磁工程中に、各上記磁性部材の外部磁界の全てをそれぞれ検出する永久磁石の特性検出方法。
  10. 永久磁石の特性を測定する永久磁石の特性検出装置において、
    上記永久磁石を形成するための磁性部材に外部から磁界を印加して上記磁性部材の一部を不完全着磁に磁化させ予備着磁領域を形成する予備着磁手段と、
    上記予備着磁領域が形成された上記磁性部材の磁化容易方向と平行に外部から磁界を印加して当該磁性部材を最大磁化まで完全着磁して上記永久磁石を形成する本着磁手段と、
    上記本着磁手段の着磁中に、上記磁性部材に外部から印加する外部磁界と、上記磁性部材の上記予備着磁領域の磁化とを同時に測定し、これらの値から上記永久磁石の保磁力および上記永久磁石の角型比を検出する検出手段とを備えた永久磁石の特性検出装置。
  11. 回転電機の回転子の周囲に複数配設された永久磁石の特性を測定する請求項10に記載の永久磁石の特性検出装置において、
    各上記永久磁石を形成するための上記磁性部材は、上記回転子の周囲に複数配設され、
    上記予備着磁手段および上記本着磁手段は、各上記磁性部材に対応する位置の全てに配設され、
    上記検出手段は、各上記磁性部材の各上記予備着磁領域の磁化の全てをそれぞれ検出する永久磁石の特性検出装置。
  12. 上記検出手段は、各上記磁性部材の外部磁界の全てをそれぞれ検出する請求項11に記載の永久磁石の特性検出装置。
JP2013090826A 2013-04-24 2013-04-24 永久磁石の特性検査方法および永久磁石の特性検査装置 Active JP6091312B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013090826A JP6091312B2 (ja) 2013-04-24 2013-04-24 永久磁石の特性検査方法および永久磁石の特性検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013090826A JP6091312B2 (ja) 2013-04-24 2013-04-24 永久磁石の特性検査方法および永久磁石の特性検査装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014217121A true JP2014217121A (ja) 2014-11-17
JP6091312B2 JP6091312B2 (ja) 2017-03-08

Family

ID=51942366

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013090826A Active JP6091312B2 (ja) 2013-04-24 2013-04-24 永久磁石の特性検査方法および永久磁石の特性検査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6091312B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015208196A (ja) * 2014-04-23 2015-11-19 株式会社日立産機システム 永久磁石モータ及びその製造方法、また、それに用いられる永久磁石の磁石素材の選別方法、選別装置、磁気特性予測方法
CN109120114A (zh) * 2016-11-22 2019-01-01 东莞理工学院 一种能够进行充磁检测的磁瓦定子组装机
CN112530835A (zh) * 2019-09-18 2021-03-19 东京毅力科创株式会社 成膜系统、磁化特性测量装置和成膜方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012145533A (ja) * 2011-01-14 2012-08-02 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 強磁性材料の磁気特性測定方法および磁気特性測定装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012145533A (ja) * 2011-01-14 2012-08-02 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 強磁性材料の磁気特性測定方法および磁気特性測定装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015208196A (ja) * 2014-04-23 2015-11-19 株式会社日立産機システム 永久磁石モータ及びその製造方法、また、それに用いられる永久磁石の磁石素材の選別方法、選別装置、磁気特性予測方法
CN109120114A (zh) * 2016-11-22 2019-01-01 东莞理工学院 一种能够进行充磁检测的磁瓦定子组装机
CN109120114B (zh) * 2016-11-22 2019-10-01 东莞理工学院 一种能够进行充磁检测的磁瓦定子组装机
CN112530835A (zh) * 2019-09-18 2021-03-19 东京毅力科创株式会社 成膜系统、磁化特性测量装置和成膜方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6091312B2 (ja) 2017-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Calin et al. Temperature influence on magnetic characteristics of NdFeB permanent magnets
JP4697736B2 (ja) 永久磁石の着磁方法
Ruoho et al. Partial demagnetization of permanent magnets in electrical machines caused by an inclined field
CN103605089B (zh) 永磁材料室温和高温不合格产品的快速无损检测方法
JP6186363B2 (ja) NdFeB系焼結磁石
JP6091312B2 (ja) 永久磁石の特性検査方法および永久磁石の特性検査装置
JP6053644B2 (ja) 永久磁石の検査方法および検査装置
Fukada et al. Evaluation of the microstructural contribution to the coercivity of fine-grained Nd–Fe–B sintered magnets
Nishio et al. More accurate hysteresis curve for large Nd–Fe–B sintered magnets employing a superconducting magnet-based vibrating sample magnetometer
JP2008039736A (ja) 永久磁石の磁気特性評価方法
JP2011007512A (ja) 保磁力分布磁石の保磁力特定方法
Liu Discussion on several principal problems aroused from measuring high performance permanent magnetic materials
Nishio et al. Desirable measurement on accurate hysteresis curve for large Nd–Fe–B sintered magnets at elevated temperatures
Gao et al. Determining the maximum operating temperature of permanent magnets via in-situ measurement of the magnetic flux
Haavisto Studies on the time-dependent demagnetization of sintered NdFeB permanent magnets
Nishio Accurate measurement of magnetic properties of Nd-Fe-B sintered magnets with high coercivity
Łebkowski A way of neodymium-iron-boron magnets regeneration in surface-mounted PMSM used in electric vehicles
US8547086B2 (en) Coercivity performance determination device for coercivity distribution magnet
Alliance Magnet guide & tutorial
Fukunaga et al. A method for predicting flux loss of multipole magnet and its evaluation
TWI684747B (zh) 利用磁通量計、天平及退磁線圈對燒結釹鐵硼磁石產品磁性量測方法
JP7271402B2 (ja) 永久磁石回転子の製造方法
Yanai et al. Reduction in flux loss of an Nd-Fe-B bonded ring magnet for an SPM motor
Chen et al. Intrinsic Coercivity of Very Hard Nd–Fe–B Magnets Enlarged by Electromagnet Measurements
Hadjipanayis et al. Microstructure and magnetic properties of iron-based rare-earth magnets

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160628

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160630

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160729

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6091312

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250