JP2014217108A - バッテリ残量表示装置およびバッテリ残量表示方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気自動車の走行状況や回生状況、車内電力の使用状況に応じて変動するバッテリ残量を直感で理解しやすくすることが可能な「バッテリ残量表示装置およびバッテリ残量表示方法」を提供する。【解決手段】電気自動車の起動時にバッテリに充電されていた蓄電量をメインエネルギー、電気自動車の起動後に回生ブレーキの作動に基づく発電により充電される蓄電量を回生エネルギーとして管理し、バッテリの残量を、メインエネルギーによる第1のバッテリ残量51と回生エネルギーによる第2のバッテリ残量52とに分けて表示することにより、第1のバッテリ残量51および第2のバッテリ残量52のそれぞれにおいては残量の表示が頻繁に増減することがなくなるようにして、電気自動車の走行状況や回生状況、車内電力の使用状況に応じて変動するバッテリ残量をユーザが直感で理解しやすくなるようにする。【選択図】図2
Description
本発明は、バッテリ残量表示装置およびバッテリ残量表示方法に関し、特に、電気自動車のバッテリの残量を表示する装置に用いて好適なものである。
一般に、電気自動車には、バッテリ残量とその残量で走行できる走行可能距離とをインストルメントパネル(以下、インパネという)の表示装置に表示する機能が備えられている。ここで、バッテリ残量は実際にバッテリに充電されている電気量であるのに対し、走行可能距離はバッテリ残量からそのときの走行状況や車内電力の使用状況に応じて予測計算されるものである。
電気自動車の走行に伴ってバッテリの電力を消費すると、当然ながらバッテリ残量は減少する。また、電気自動車には回生ブレーキが採用されており、制動時の発電によってバッテリに充電が行われると、バッテリ残量は増加する。電気自動車では、このようなバッテリ残量の増減が走行中に頻繁に起こる。そして、増減するバッテリ残量とその残量で走行できる走行可能距離とが、逐次更新してインパネの表示装置に表示されるようになっている。
従来、ハイブリッド車両において、充電器によって外部電源から補給された電力の単位量当たりの走行距離と、エンジンによって消費される燃料の単位量当たりの走行距離とを算出し、両走行距離を分けて表示するようになされた技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ハイブリッド車両において、バッテリの放電量を示すバーグラフ、車両の走行回生発電によるバッテリの充電量を示す濃色バーグラフ、およびエンジンの出力による発電によって充電されたバッテリの充電量を示す淡色バーグラフを表示器に表示するようになされた技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、車両が表示対象リンクを走行したときに予測される電気エネルギーの消費量または回生エネルギーの蓄積量を算出し、算出した電気エネルギーの消費量または回生エネルギーの蓄積量に基づく電力消費・回生マークを、表示モニタに表示した地図上での表示対象リンクの位置に重ねて表示するようにした技術も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
上述したように、電気自動車のバッテリ残量と走行可能距離は、そのときの走行状況や車内電力の使用状況に応じて逐次更新される。例えば、図8に示すように、上り坂で負荷のかかる道路を走行しているときは電力消費量が多くなるため、バッテリ残量(棒グラフで示される)は減り、走行可能距離(数字で示される)は短くなる。逆に、下り坂で負荷のかからない道路を走行しているときは電力消費量が少なくなるため、同じバッテリ残量でも走行可能距離は長くなる。また、下り坂で回生ブレーキが作動するとバッテリに充電が行われるため、バッテリ残量は増え、走行可能距離は長くなる。
また、図9に示すように、エアコンやカーオーディオ装置あるいはカーナビゲーション装置などの車載機の電源をオンにすると、その瞬間にバッテリ残量が減ることはないものの(棒グラフはそのまま)、予測計算される走行可能距離は短くなる。ヘッドライトを点灯したときも同様に、その瞬間にバッテリ残量が減ることはないものの、走行可能距離は短くなる。
このように、従来は車両の走行状況や回生状況に応じてバッテリ残量が頻繁に増減する。また、それに合わせて予測計算される走行可能距離も頻繁に変わる。そして、このように頻繁に増減するバッテリ残量や走行可能距離がそのまま表示装置に頻繁に更新されて表示される(図8参照)。また、エアコンや車載機、ヘッドライト等のオン/オフによって車内電力の使用状況が変わると、バッテリ残量は変わっていないにもかかわらず、走行可能距離の表示は大きく変動する(図9参照)。このような表示のため、実際のバッテリ残量や走行可能距離をユーザが直感で理解するのが難しいという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、電気自動車の走行状況や回生状況、車内電力の使用状況に応じて変動するバッテリ残量を直感で理解しやすくすることを目的とする。また、本発明は、電気自動車の走行状況や回生状況、車内電力の使用状況に応じて変動するバッテリ残量と走行可能距離とを直感で理解しやすくすることを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明では、電気自動車の起動時にバッテリに充電されていた蓄電量をメインエネルギー、電気自動車の起動後に回生ブレーキの作動に基づく発電により充電される蓄電量を回生エネルギーとして管理し、バッテリの残量を、メインエネルギーによる第1のバッテリ残量と回生エネルギーによる第2のバッテリ残量とに分けて表示するようにしている。
電気自動車の走行状況に応じて変動するバッテリ残量、回生状況に応じて変動するバッテリ残量、車内電力の使用状況に応じて変動するバッテリ残量を従来は1つにまとめて表示していたために、それぞれの要因で表示の増減が頻繁に発生していたのに対し、上記のように構成した本発明によれば、全体のバッテリ残量がメインエネルギーによる第1のバッテリ残量と回生エネルギーによる第2のバッテリ残量とに分けて表示されることとなる。そのため、第1のバッテリ残量および第2のバッテリ残量のそれぞれにおいては残量の表示が頻繁に増減することがなくなる。これにより、ユーザは、電気自動車の走行状況や回生状況、車内電力の使用状況に応じて変動するバッテリ残量を直感で理解しやすくなる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態によるバッテリ残量表示装置を実施した電気自動車の車両システムの概略構成例を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態による車両システムは、バッテリ残量表示装置10、バッテリ11、負荷12、発電機13、バッテリセンサ14、表示装置15およびECU(Electronic Control Unit)16を備えて構成されている。
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態によるバッテリ残量表示装置を実施した電気自動車の車両システムの概略構成例を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態による車両システムは、バッテリ残量表示装置10、バッテリ11、負荷12、発電機13、バッテリセンサ14、表示装置15およびECU(Electronic Control Unit)16を備えて構成されている。
バッテリ11は、電気自動車の負荷12を駆動するための電力を蓄積および供給するものである。負荷12は、バッテリ11から電力を得て動作する。負荷12とは、車内で電力を消費するものであり、例えば、電気自動車の走行の原動力となるモータが該当する。また、これ以外に、エアコンやヘッドライトなどの電気系統、カーオーディオ装置やカーナビゲーション装置などの車載機など、各種の電子機器類も負荷12に該当する。
負荷12が電力を消費するとき、バッテリ11からはその消費電力量に応じた放電が行われる。一方、発電機13は、回生ブレーキ(図示せず)の作動に応じて発電を行うものであり、発電した電力をバッテリ11に充電する。このバッテリ11の充放電により、バッテリ残量は常に変動している。バッテリセンサ14は、バッテリ11の充電量および放電量を検出し、バッテリ残量表示装置10に出力する。
バッテリ残量表示装置10は、例えばECUの一種として構成されるものであり、その機能構成として、エネルギー管理部1、走行可能距離算出部2および表示制御部3を備えている。エネルギー管理部1は、バッテリセンサ14により検出されるバッテリ11の充放電量に基づいて、バッテリ11に充電されている電力を使用可能なエネルギーとして管理する。具体的には、エネルギー管理部1は、電気自動車の起動時(イグニッションスイッチがオンとされたとき)にバッテリ11に充電されていた蓄電量をメインエネルギーとし、電気自動車の起動後に回生ブレーキの作動に基づく発電機13の発電によって充電される蓄電量を回生エネルギーとして管理する。
本実施形態では、バッテリ11の放電によりバッテリ残量が減少するケース(負荷12による電力の消費)をメインエネルギーで管理し、バッテリ11の充電によりバッテリ残量が増加するケース(発電機13による電力の蓄積)を回生エネルギーで管理する。すなわち、エネルギー管理部1は、電気自動車の起動後におけるバッテリ11の放電量をメインエネルギーの減少量として管理し、回生ブレーキの作動による発電に基づくバッテリ11の充電量を回生エネルギーの増加量として管理する。
表示制御部3は、バッテリ11の残量を、エネルギー管理部1により管理されるメインエネルギーによる第1のバッテリ残量と回生エネルギーによる第2のバッテリ残量とに分けて表示装置15に表示する。表示装置15は、例えばインパネに備えられた液晶ディスプレイである。
図2は、表示装置15に表示される第1のバッテリ残量および第2のバッテリ残量の表示イメージ例を示す図である。図2に示すように、バッテリ残量は棒グラフの形態で表示される。左側がメインエネルギーによる第1のバッテリ残量51、右側が回生エネルギーによる第2のバッテリ残量52である。左側の第1のバッテリ残量51は原則として減少する方向でのみ変動し、右側の第2のバッテリ残量52は原則として増加する方向でのみ変動する。
走行可能距離算出部2は、バッテリ11の残量で走行できる走行可能距離を予測計算する。本実施形態において、走行可能距離算出部2は、第1のバッテリ残量に基づいて第1の走行可能距離を算出するとともに、第2のバッテリ残量に基づいて第2の走行可能距離を算出する。ここで、走行可能距離算出部2は、エネルギー管理部1により管理されている第1のバッテリ残量および第2のバッテリ残量に関する情報と、ECU16より供給される各種情報とに基づいて、第1の走行可能距離および第2の走行可能距離を算出する。
例えば、走行可能距離算出部2は、ECU16より供給されるジャイロセンサ(図示せず)の情報に基づいて、車両が平坦な道を走行しているのか、上り坂を走行しているのか、下り坂を走行しているのかを判定する。そして、平坦/上り坂/下り坂のそれぞれに対してあらかじめ想定された単位距離当たりの消費電力と、エネルギー管理部1により管理されている第1のバッテリ残量および第2のバッテリ残量とに基づいて、各バッテリ残量で走行可能な第1の走行可能距離および第2の走行可能距離をそれぞれ算出する。
また、走行可能距離算出部2は、ECU16より供給される各種電気系統や車載機の動作情報に基づいて、エアコン、ヘッドライト、カーオーディオ装置、カーナビゲーション装置などのうちどれがオン状態となっているかを判定する。そして、各種電気系統や車載機のうち、オン状態となっているものに対してあらかじめ想定された単位距離当たりの消費電力を更に加味して、エネルギー管理部1により管理されている第1のバッテリ残量および第2のバッテリ残量で走行可能な第1の走行可能距離および第2の走行可能距離をそれぞれ算出する。
表示制御部3は、エネルギー管理部1により管理されている第1のバッテリ残量および第2のバッテリ残量を棒グラフで表示することに加えて、走行可能距離算出部2により算出された第1の走行可能距離および第2の走行可能距離を数字で表示するようにしてもよい。図3は、表示装置15に表示される各バッテリ残量および各走行可能距離の表示イメージ例を示す図である。
図3(a)は、車両が上り坂を走行しているときにおける表示の変化の様子を示している。車両が上り坂を走行しているときは負荷12(特にモータ)での電力消費によりバッテリ11が放電されていくので、メインエネルギーを示す左側の第1のバッテリ残量が減少する。これにより、第1のバッテリ残量で走行可能な第1の走行可能距離も連動して減少する。このとき、回生エネルギーを示す右側の第2バッテリ残量は変化せず、第2の走行可能距離も変化しない。
図3(b)は、車両が下り坂を走行しているときにおける表示の変化の様子を示している。車両が下り坂を走行しているときは回生によってバッテリ11は充電されていくので、回生エネルギーを示す右側の第2のバッテリ残量が増加する。これにより、第2のバッテリ残量で走行可能な第2の走行可能距離も連動して増加する。このとき、メインエネルギーを示す左側の第1バッテリ残量は変化せず、第1の走行可能距離も変化しない。
このように、メインエネルギーを示す第1のバッテリ残量は増えずに減るのみであるので、走行を続けているとやがてはメインエネルギーが無くなってしまう。しかし、実際には使用可能なエネルギーが回生エネルギーとして蓄積されている。そこで、エネルギー管理部1は、第1のバッテリ残量が所定の閾値以下となった場合、第2のバッテリ残量に対応する回生エネルギーを第1のバッテリ残量に対応するメインエネルギーに移管する。表示制御部3は、移管により増加したメインエネルギーに基づき第1のバッテリ残量を表示装置15に表示する。
図4は、表示装置15に表示される第2のバッテリ残量が第1のバッテリ残量に移管される場合の表示イメージ例を示す図である。例えば、車両が上り坂を走行することによってメインエネルギーを消費し、図4(a)→(b)に示すように第1のバッテリ残量が所定の閾値以下になったとする。この場合、図4(c)のように、そのとき蓄積されていた第2のバッテリ残量が全て第1のバッテリ残量に移管して表示される。これにより、第1のバッテリ残量は第2のバッテリ残量との合計値として表示され、第2のバッテリ残量は空となる。
図5は、上記のように構成した第1の実施形態によるバッテリ残量表示装置10の動作例を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、電気自動車の起動時(イグニッションスイッチがオンとされたとき)に開始する。まず、エネルギー管理部1は、電気自動車の起動時にバッテリ11に充電されていた蓄電量をメインエネルギーとして管理する。また、走行可能距離算出部2は、当該メインエネルギーとして管理した第1のバッテリ残量に基づいて第1の走行可能距離を算出する。そして、表示制御部3は、第1のバッテリ残量と第1の走行可能距離とを表示装置15に表示する(ステップS1)。
その後、エネルギー管理部1は、バッテリセンサ14から出力される情報に基づいて、バッテリ11の放電が行われたか否かを判定する(ステップS2)。バッテリ11の放電が行われたと判定した場合、エネルギー管理部1は、その放電量の分だけメインエネルギーによる第1のバッテリ残量を減少させる。また、走行可能距離算出部2は、減少した第1のバッテリ残量で走行可能な第1の走行可能距離を算出する。これに応じて表示制御部3は、減少した第1のバッテリ残量と減少した第1の走行可能距離とを表示装置15に表示する(ステップS3)。
さらに、エネルギー管理部1は、第1のバッテリ残量が所定の閾値以下となったか否かを判定する(ステップS4)。ここで、第1のバッテリ残量が所定の閾値以下となった場合、エネルギー管理部1は、第2のバッテリ残量を第1のバッテリ残量に移管する。また、走行可能距離算出部2は、移管により増加した第1のバッテリ残量で走行可能な第1の走行可能距離を算出する。表示制御部3は、移管により増加した第1のバッテリ残量および第1の走行可能距離を表示装置15に表示する(ステップS5)。その後、処理はステップS8に進む。なお、第1のバッテリ残量が所定の閾値以下となっていなければ、ステップS5の処理は行わずにステップS8に進む。
上記ステップS2において、バッテリ11の放電が行われていないと判定した場合、エネルギー管理部1は、バッテリ11の充電が行われているか否かを更に判定する(ステップS6)。ここで、バッテリ11の充電も行われていないと判定した場合、処理はステップS8に進む。
一方、バッテリ11の充電が行われたと判定した場合、エネルギー管理部1は、その充電量の分だけ回生エネルギーによる第2のバッテリ残量を増加させる。また、走行可能距離算出部2は、増加した第2のバッテリ残量で走行可能な第2の走行可能距離を算出する。これに応じて表示制御部3は、増加した第2のバッテリ残量と増加した第2の走行可能距離とを表示装置15に表示する(ステップS7)。その後、処理はステップS8に進む。
ステップS8では、電気自動車のイグニッションスイッチがオフとされたか否かを判定する。ここで、イグニッションスイッチがオフとされていない場合、処理はステップS2に戻る。一方、イグニッションスイッチがオフとされた場合、図5に示すフローチャートの処理は終了する。
以上詳しく説明したように、第1の実施形態では、電気自動車の起動時にバッテリ11に充電されていた蓄電量をメインエネルギー、電気自動車の起動後に回生ブレーキの作動に基づく発電により充電される蓄電量を回生エネルギーとして管理し、バッテリ11の残量を、メインエネルギーによる第1のバッテリ残量と回生エネルギーによる第2のバッテリ残量とに分けて表示装置15に表示するようにしている。そして、第1のバッテリ残量が閾値以下となった場合を除いて、第1のバッテリ残量は減少する方向でのみ管理し、第2のバッテリ残量は増加する方向でのみ管理するようにしている。
このように構成した第1の実施形態によれば、バッテリ残量が減少する分(第1のバッテリ残量)と増加する分(第2のバッテリ残量)とに分けて表示されることとなる。また、第1のバッテリ残量および第2のバッテリ残量のそれぞれにおいては残量の表示が頻繁に増減することがなくなる。これにより、電気自動車の走行状況や回生状況、車内電力の使用状況に応じて変動するバッテリ残量をユーザが直感で理解しやすくすることができる。また、走行可能距離も第1のバッテリ残量および第2のバッテリ残量のそれぞれに応じて算出されるので、変動する走行可能距離もユーザが直感で理解しやすくすることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図6は、第2の実施形態によるバッテリ残量表示装置10’を実施した電気自動車の車両システムの概略構成例を示すブロック図である。なお、この図6において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図6は、第2の実施形態によるバッテリ残量表示装置10’を実施した電気自動車の車両システムの概略構成例を示すブロック図である。なお、この図6において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
図6に示すように、第2の実施形態によるバッテリ残量表示装置10’は、その機能構成として、図1に示したエネルギー管理部1および表示制御部3の代わりにエネルギー管理部1’および表示制御部3’を備えている。エネルギー管理部1’は、ECU16より供給される各種電気系統や車載機の動作情報に基づいて、電子機器類のスイッチがオンとされたことを検出したときに、当該電子機器類の使用による予測放電量を機器類使用エネルギーとして、メインエネルギーから抜き出して管理する。
少なくとも1つの電子機器類がオンとなり機器類使用エネルギーをメインエネルギーから抜き出した後は、エネルギー管理部1’は、電子機器類以外の負荷12(モータなど)に関するバッテリ11の放電量をメインエネルギーの減少量として管理する。また、回生ブレーキによる発電に基づくバッテリ11の充電量を回生エネルギーの増加量として管理する。さらに、電子機器類の使用によるバッテリ11の放電量を機器類使用エネルギーの減少量として管理する。また、少なくとも1つの電子機器類がオンとされた後、全ての電子機器類のスイッチがオフとされたとき、エネルギー管理部1’は、機器類使用エネルギーをメインエネルギーに戻し、メインエネルギーと回生エネルギーとの2つで管理する。
ここで、電子機器類とは、エアコンやヘッドライトなどの電気系統、カーオーディオ装置やカーナビゲーション装置などの車載機などである。これら電子機器類の予測放電量は、例えば以下のようにして算出することが可能である。すなわち、エネルギー管理部1’は、エアコン、ヘッドライト、カーオーディオ装置、カーナビゲーション装置などのうちオン状態となっているものに対してあらかじめ想定された単位距離当たりの放電量と、走行可能距離算出部2により算出される第1の走行可能距離とを掛け算することによって電子機器類の予測放電量を算出する。なお、これは単なる一例であって、他の方法により電子機器類の予測放電量を算出してもよい。例えば、第1の走行可能距離および第2の走行可能距離の合計値と単位距離当たりの放電量とを掛け算するようにしてもよい。
表示制御部3’は、バッテリ11の残量を、メインエネルギーによる第1のバッテリ残量と、回生エネルギーによる第2のバッテリ残量と、機器類使用エネルギーによる第3のバッテリ残量とに分けて表示する。図7は、表示装置15に表示される第1のバッテリ残量51、第2のバッテリ残量52および第3のバッテリ残量53の表示イメージ例を示す図である。
図7に示すように、電子機器類のスイッチがオンにされると、エネルギー管理部1’により算出された予測放電量の分だけ、メインエネルギーによる第1のバッテリ残量51から機器類使用エネルギーによる第3のバッテリ残量53が抜き出される形で表示される。これは言わば、これから電子機器類の使用により減少する分のバッテリ残量を予約しておくことをイメージさせる表示である。このとき、第1のバッテリ残量51が第3のバッテリ残量53に移管した分だけ減少するので、それに応じて第1の走行可能距離も減少する。
なお、第3のバッテリ残量53は電子機器類に使用される予定の分であり、車両の走行に使用される分ではない。よって、走行可能距離算出部2は、第3のバッテリ残量53に基づいて走行可能距離を算出することはしない。また、表示制御部3’は、第3のバッテリ残量53に基づく走行可能距離を表示装置15に表示することはしない。
上述のように、電子機器類の使用によるバッテリ11の放電量が機器類使用エネルギーの減少量としてエネルギー管理部1’により管理されるので、予約した第3のバッテリ残量は時間の経過と共に徐々に減少していくように表示される。その後、全ての電子機器類がオフにされると、その時点で残っている第3のバッテリ残量が第1のバッテリ残量に組み込まれて表示される。
このように構成した第2の実施形態によれば、電子機器類をオンとしたときにメインエネルギーによる第1のバッテリ残量が急激に減る理由、つまり電子機器類の使用による予約分であることをユーザに分かりやすく提示することができる。これにより、ユーザは、電気自動車の走行状況や回生状況、車内電力の使用状況に応じて変動するバッテリ残量をより直感的に理解しやすくなる。
なお、上記第2の実施形態では、全ての電子機器類がオフとされたときに、機器類使用エネルギーをメインエネルギーに移管する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、何れかの電子機器類がオフとされたときに、そのオフとされた電子機器類の分の機器類使用エネルギーだけをメインエネルギーに移管するようにしてもよい。
また、上記第2の実施形態において、機器類使用エネルギーとして移管する予測放電量を、エアコンの風量や温度の設定、カーオーディオ装置のボリュームの設定などに応じてより高精度に計算するようにしてもよい。すなわち、電子機器類の単位距離当たりの放電量を、電子機器類の動作設定状態に応じて細かく定めておき、動作設定状態に応じた単位距離当たりの放電量を用いて予測放電量を計算するようにしてもよい。
また、上記第1および第2の実施形態では、第1のバッテリ残量と第2のバッテリ残量とを2つの棒グラフに分けて表示する例について説明したが、この表示態様は一例に過ぎない。要は、第1のバッテリ残量と第2のバッテリ残量とが区別できる表示態様であればよい。
その他、上記第1および第2の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1,1’ エネルギー管理部
2 走行可能距離算出部
3,3’ 表示制御部
10 バッテリ残量表示装置
11 バッテリ
2 走行可能距離算出部
3,3’ 表示制御部
10 バッテリ残量表示装置
11 バッテリ
Claims (8)
- 電気自動車のバッテリの残量を表示するバッテリ残量表示装置であって、
上記電気自動車の起動時に上記バッテリに充電されていた蓄電量をメインエネルギーとし、上記電気自動車の起動後に回生ブレーキの作動に基づく発電により上記バッテリに充電される蓄電量を回生エネルギーとして管理するエネルギー管理部と、
上記バッテリの残量を、上記メインエネルギーによる第1のバッテリ残量と上記回生エネルギーによる第2のバッテリ残量とに分けて表示する表示制御部とを備えたことを特徴とするバッテリ残量表示装置。 - 上記エネルギー管理部は、上記電気自動車の起動後における上記バッテリの放電量を上記メインエネルギーの減少量として管理し、上記回生ブレーキの作動による発電に基づく上記バッテリの充電量を上記回生エネルギーの増加量として管理することを特徴とする請求項1に記載のバッテリ残量表示装置。
- 上記エネルギー管理部は、上記メインエネルギーによる上記第1のバッテリ残量が所定の閾値以下となった場合、上記第2のバッテリ残量に対応する上記回生エネルギーを上記第1のバッテリ残量に対応する上記メインエネルギーに移管することを特徴とする請求項2に記載のバッテリ残量表示装置。
- 上記エネルギー管理部は、電子機器類のスイッチがオンとされたときに、当該電子機器類の使用による予測放電量を機器類使用エネルギーとして、上記メインエネルギーから抜き出して管理し、
上記表示制御部は、上記バッテリの残量を、上記メインエネルギーによる上記第1のバッテリ残量と上記回生エネルギーによる上記第2のバッテリ残量と上記機器類使用エネルギーによる第3のバッテリ残量とに分けて表示することを特徴とする請求項2に記載のバッテリ残量表示装置。 - 上記エネルギー管理部は、上記電気自動車の起動後における上記電子機器類以外に関する上記バッテリの放電量を上記メインエネルギーの減少量として管理し、上記回生ブレーキによる発電に基づく上記バッテリの充電量を上記回生エネルギーの増加量として管理し、上記電子機器類の使用による上記バッテリの放電量を上記機器類使用エネルギーの減少量として管理することを特徴とする請求項4に記載のバッテリ残量表示装置。
- 上記エネルギー管理部は、上記電子機器類のスイッチがオフとされたときに、上記機器類使用エネルギーを上記メインエネルギーに移管することを特徴とする請求項5に記載のバッテリ残量表示装置。
- 上記第1のバッテリ残量に基づいて第1の走行可能距離を算出するとともに、上記第2のバッテリ残量に基づいて第2の走行可能距離を算出する走行可能距離算出部を更に備え、
上記表示制御部は、第1のバッテリ残量および上記第2のバッテリ残量に加えて、上記第1の走行可能距離および上記第2の走行可能距離を表示することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のバッテリ残量表示装置。 - 電気自動車のバッテリの残量を表示するバッテリ残量表示方法であって、
コンピュータのエネルギー管理部が、上記電気自動車の起動時に上記バッテリに充電されていた蓄電量をメインエネルギーとし、上記電気自動車の起動後に回生ブレーキの作動に基づく発電により上記バッテリに充電される蓄電量を回生エネルギーとして管理するエネルギー管理ステップと、
上記コンピュータの表示制御部が、上記バッテリの残量を、上記メインエネルギーによる第1のバッテリ残量と上記回生エネルギーによる第2のバッテリ残量とに分けて表示する表示制御ステップとを有することを特徴とするバッテリ残量表示方法。
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2013
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