JP2014217080A - 非接触給電装置および非接触電力伝送システム - Google Patents
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Abstract
【課題】電子機器における給電装置の載置面に対向する対向面が湾曲した曲面形状に形成されている場合でも、電子機器の対向面に付着した異物を高感度に検出することができるようにする。
【解決手段】電子機器3が載置される載置面11を有し、電子機器3に非接触で電力伝送を行う給電装置2が、筐体12と、この筐体内に配置された送電コイル13と、載置面を形成する保護シート18と、第1電極および第2電極を有し、載置面に沿うように配置された電極シート17と、第1電極に印加した駆動信号に応答して第2電極から出力される応答信号に基づいて、載置面およびこれに対向する電子機器の対向面の間に存在する異物を検出する異物検出制御部と、を備え、電極シートと保護シートとを一体化したセンサシート体14が、電子機器が載置された状態で載置面が対向面に沿う形状に変形するように設けられたものとする。
【選択図】図5
【解決手段】電子機器3が載置される載置面11を有し、電子機器3に非接触で電力伝送を行う給電装置2が、筐体12と、この筐体内に配置された送電コイル13と、載置面を形成する保護シート18と、第1電極および第2電極を有し、載置面に沿うように配置された電極シート17と、第1電極に印加した駆動信号に応答して第2電極から出力される応答信号に基づいて、載置面およびこれに対向する電子機器の対向面の間に存在する異物を検出する異物検出制御部と、を備え、電極シートと保護シートとを一体化したセンサシート体14が、電子機器が載置された状態で載置面が対向面に沿う形状に変形するように設けられたものとする。
【選択図】図5
Description
本発明は、電子機器が載置される載置面を有し、この載置面に載置された電子機器に非接触で電力伝送を行う非接触給電装置、および給電装置の載置面に電子機器を載置して、給電装置から電子機器に非接触で電力伝送を行う非接触電力伝送システムに関するものである。
携帯電話などの二次電池を備えた電子機器では、二次電池の充電を行うために、電子機器と給電装置とを各々の端子を介して電気的に接続して、充電器から電子機器に電力を供給するようにしたものが一般的であるが、給電装置と電子機器とにそれぞれ送電用と受電用のコイルを設けて、電磁誘導方式により給電装置から電子機器に非接触(ワイヤレス)で電力伝送を行う技術が知られている(特許文献1〜3参照)。これによると、電気的な接続のための端子が露出しないため、防水性の確保が容易であり、また、接触不良や劣化の問題に配慮する必要がなく、また、給電装置と電子機器の着脱を容易に行うことができるなどの利点が得られる。
このように電子機器に非接触で電力伝送を行う給電装置においては、給電装置の上面に電子機器が載置される載置面を形成して、この載置面にユーザが電子機器を載置するだけで給電が可能な状態となるようにすると、ユーザにとって利便性の高いものとなるが、載置面上に電子機器以外の異物が置かれることがある。このような異物としては、例えばステープラの針や消しゴムの消しカスなど様々なものが考えられるが、例えば異物が金属などの導体であれば、送電コイルが発する磁界により異物に渦電流が発生して異物が発熱するおそれがある。また、異物が樹脂などの絶縁体であれば、発熱のおそれはないものの、異物が介在することで送電コイルと受電コイルの間隔が開き、電力伝送効率が低下する場合がある。
そこで、給電装置と電子機器との間に存在する異物を検知するようにした異物センサの技術が知られている(特許文献4参照)。この技術では、正電極と負電極との間に電圧を印加して、正電極と負電極との間におけるパラメータ(インピーダンス、電流および電圧)の変化量に基づいて、金属などの導体からなる異物を検知するようにしている。
さて、前記のように、載置面にユーザが電子機器を載置するだけで給電が可能な状態となるように構成された給電装置では、剛性の高い平板状部材で載置面を平面状に構成することが一般的であるが、このような構成のものでは、電子機器の筐体において給電装置に対向する対向面が湾曲した曲面状に形成されていると、給電装置の載置面と電子機器の対向面との間に隙間が生じる。
一方、異物センサを給電装置および電子機器の双方に設けることは製造コストの面で望ましくないため、給電装置および電子機器のいずれか一方に異物センサを設けることになるが、給電装置に異物センサを設けた場合、給電装置の載置面に付着した異物については、異物センサで問題なく検知することができるが、電子機器の対向面に付着した異物については、給電装置の載置面と電子機器の対向面との隙間により、給電装置の異物センサから離れるため、異物センサの検出感度が低下するという問題があった。特に異物が薄いシールの場合には、異物と異物センサとの距離が大きくなるため、異物センサで異物を検出することができにくくなる。この問題は電子機器異物センサを設けた場合も同様に発生する。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、電子機器における給電装置の載置面に対向する対向面が湾曲した曲面形状に形成されている場合でも、給電装置の載置面に付着した異物および電子機器の対向面に付着した異物をともに高感度に検出することができるように構成された非接触給電装置および非接触電力伝送システムを提供することにある。
本発明の非接触給電装置は、電子機器が載置される載置面を有し、前記電子機器に非接触で電力伝送を行う非接触給電装置であって、筐体と、この筐体内に配置された送電コイルと、前記載置面を形成する載置面形成部材と、前記筐体内に配置されたセンサ部と、このセンサ部の出力信号に基づいて、前記載置面と前記電子機器との間に介在する異物を検出する異物検出制御部と、を備え、前記載置面形成部材は、前記電子機器が載置された状態でその電子機器の少なくとも一部に沿う形状に前記載置面が変形するように設けられる構成とする。
本発明の非接触電力伝送システムは、給電装置の載置面に電子機器を載置して、前記給電装置から前記電子機器に非接触で電力伝送を行う非接触電力伝送システムであって、前記給電装置は、筐体と、この筐体内に配置された送電コイルと、前記載置面を形成する載置面形成部材と、前記筐体内に配置されたセンサ部と、このセンサ部の出力信号に基づいて、前記載置面と前記電子機器との間に介在する異物を検出する異物検出制御部と、を備え、前記載置面形成部材が、前記電子機器が載置された状態でその電子機器の少なくとも一部に沿う形状に前記載置面が変形するように設けられ、前記電子機器は、前記載置面に対向する対向面が非平面に形成された筐体と、この筐体内に配置された受電コイルと、を備えた構成とする。
また、本発明の非接触電力伝送システムは、給電装置の載置面に電子機器を載置して、前記給電装置から前記電子機器に非接触で電力伝送を行う非接触電力伝送システムであって、前記給電装置は、筐体と、この筐体内に配置された送電コイルと、前記載置面を形成する載置面形成部材と、を備え、前記載置面形成部材は、前記電子機器が載置された状態でその電子機器の少なくとも一部に沿う形状に前記載置面が変形するように設けられ、前記電子機器は、前記載置面に対向する対向面が非平面に形成された筐体と、この筐体内に配置された受電コイルと、前記筐体内に配置されたセンサ部と、このセンサ部の出力信号に基づいて、前記載置面と前記対向面との間に介在する異物を検出する異物検出制御部と、を備えた構成とする。
本発明によれば、載置面形成部材が電子機器の少なくとも一部に沿う形状に変形するため、電子機器が非平面、例えば湾曲した曲面形状に形成されている場合でも、給電装置の載置面に付着した異物および電子機器に付着した異物をともに高感度に検出することができる。
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、電子機器が載置される載置面を有し、前記電子機器に非接触で電力伝送を行う非接触給電装置であって、筐体と、この筐体内に配置された送電コイルと、前記載置面を形成する載置面形成部材と、前記筐体内に配置されたセンサ部と、このセンサ部の出力信号に基づいて、前記載置面と前記電子機器との間に介在する異物を検出する異物検出制御部と、を備え、前記載置面形成部材は、前記電子機器が載置された状態でその電子機器の少なくとも一部に沿う形状に前記載置面が変形するように設けられる構成とする。
これによると、載置面形成部材が電子機器の少なくとも一部に沿う形状に変形するため、電子機器が非平面、例えば湾曲した曲面形状に形成されている場合でも、電子機器に付着した異物とセンサ部との距離が短くなるため、載置面に付着した異物はもとより電子機器に付着した異物も高感度に検出することができる。
また、第2の発明は、前記センサ部は、第1電極および第2電極を有し、前記異物検出制御部は、前記第1電極に印加した駆動信号に応答して前記第2電極から出力される応答信号に基づいて、前記載置面と前記電子機器との間に介在する異物を検出する構成とする。
これによると、載置面と電子機器との間に介在する異物を高感度に検出することができる。
また、第3の発明は、前記センサ部は、前記載置面形成部材における前記載置面と相反する側に設けられ、前記載置面形成部材とともに変形するように設けられた構成とする。
これによると、センサ部が載置面に近接して配置されるため、載置面および電子機器に付着した異物を高感度に検出することができる。
また、第4の発明は、前記載置面形成部材を前記筐体に対して弾性的に支持する弾性支持体をさらに備え、前記載置面形成部材は、前記電子機器の少なくとも一部に沿う形状に変形する可撓性を有し、前記弾性支持体は、前記載置面形成部材の撓み変形を許容する弾性材料で形成された構成とする。
これによると、載置面形成部材に撓み変形を生じさせることで、載置面形成部材が電子機器に沿う形状に変形する。
また、第5の発明は、前記弾性支持体は、圧縮変形可能な弾性材料で形成されて、前記載置面形成部材を前記載置面と相反する側から支持する構成とする。
これによると、電子機器の荷重により弾性支持体が圧縮変形することで、載置面形成部材に円滑に撓み変形を生じさせて、載置面形成部材が電子機器に沿う形状に変形する。
また、第6の発明は、前記載置面形成部材は、前記弾性支持体に対して固定され、外周部の少なくとも一部は非固定である構成とする。
これによると、給電装置に電子機器を載置した際に、載置面形成部材が円滑に撓み変形を行うことができる。
また、第7の発明は、前記弾性支持体は、前記載置面の略全体に延在する板状部と、この板状部に所定間隔をおいて形成された複数の凸部と、を有し、この凸部の頂部が前記載置面形成部材または前記センサ部に当接する構成とする。
これによると、載置面形成部材やセンサ部に弾性支持体が凸部の頂部で部分的に当接するため、電子機器の荷重が凸部にのみ作用して、凸部が大きく圧縮変形することで、小さな荷重で載置面形成部材を大きく変形させることができるため、軽量な電子機器でも、それに沿う形状に載置面形成部材を変形させることができる。
また、第8の発明は、前記弾性支持体は、伸縮変形可能な弾性材料で形成されて、前記載置面形成部材を外周側から支持する構成とする。
これによると、電子機器の荷重により弾性支持体が伸び変形して、載置面形成部材を電子機器に沿う形状に変形させることができる。
また、第9の発明は、前記弾性支持体は、流動性物質を弾性を有する密閉袋に充填したものである構成とする。
これによると、電子機器の荷重により弾性支持体が変形して、載置面形成部材を電子機器に沿う形状に変形させることができる。
また、第10の発明は、前記載置面形成部材が、圧縮変形可能な弾性材料で形成された構成とする。
これによると、電子機器の荷重により載置面形成部材自体が圧縮変形することで、載置面が電子機器に沿う状態になる。
また、第11の発明は、前記異物検出制御部は、前記第2電極からの応答信号に基づいた信号を積分処理し、この積分処理による積分値が所定の閾値に達すると積分値をゼロにリセットする積分部を有する構成とする。
これによると、異物の有無に応じて変化する検出量の変化量が大きくなるため、異物の検出感度を向上させることができる。
また、第12の発明は、前記異物検出制御部は、前記第2電極からの応答信号に基づいた信号を積分処理する積分部と、この積分部の前段に設けられて、前記第2電極からの応答信号に基づいた信号を所定値以上に保持するクランプ部と、を有する構成とする。
これによると、異物の有無に応じて変化する検出量の変化量が大きくなるため、異物の検出感度を向上させることができる。
また、第13の発明は、前記第1電極は、隣り合う2本の前記第2電極の間の位置に拡幅部を有し、前記第2電極は、隣り合う2本の前記第1電極の間の位置に拡幅部を有する構成とする。
これによると、異物の有無に応じて変化する検出量の変化量が大きくなるため、異物の検出感度を向上させることができる。
また、第14の発明は、前記拡幅部は、メッシュ状に形成されている構成とする。
これによると、送電コイルと受電コイルとの間に第1電極および第2電極が存在することで電力伝送の効率が低下することを抑制することができる。
また、第15の発明は、前記センサ部は、前記載置面の温度を測定するものであり、前記異物検出制御部は、前記センサ部から出力される温度信号に基づいて、前記載置面と前記電子機器との間に介在する異物を検出する構成とする。
これによると、載置面と電子機器との間に介在する異物を高感度に検出することができる。
また、第16の発明は、給電装置の載置面に電子機器を載置して、前記給電装置から前記電子機器に非接触で電力伝送を行う非接触電力伝送システムであって、前記給電装置は、筐体と、この筐体内に配置された送電コイルと、前記載置面を形成する載置面形成部材と、前記筐体内に配置されたセンサ部と、このセンサ部の出力信号に基づいて、前記載置面と前記電子機器との間に介在する異物を検出する異物検出制御部と、を備え、前記載置面形成部材が、前記電子機器が載置された状態でその電子機器の少なくとも一部に沿う形状に前記載置面が変形するように設けられ、前記電子機器は、前記載置面に対向する対向面が非平面に形成された筐体と、この筐体内に配置された受電コイルと、を備えた構成とする。
これによると、載置面形成部材が電子機器に沿う形状に変形するため、電子機器が非平面、例えば湾曲した曲面形状に形成されている場合でも、電子機器に付着した異物と給電装置に設けられたセンサ部との距離が短くなるため、給電装置のセンサ部により給電装置の載置面に付着した異物はもとより電子機器に付着した異物も高感度に検出することができる。
また、第17の発明は、給電装置の載置面に電子機器を載置して、前記給電装置から前記電子機器に非接触で電力伝送を行う非接触電力伝送システムであって、前記給電装置は、筐体と、この筐体内に配置された送電コイルと、前記載置面を形成する載置面形成部材と、を備え、前記載置面形成部材は、前記電子機器が載置された状態でその電子機器の少なくとも一部に沿う形状に前記載置面が変形するように設けられ、前記電子機器は、前記載置面に対向する対向面が非平面に形成された筐体と、この筐体内に配置された受電コイルと、前記筐体内に配置されたセンサ部と、このセンサ部の出力信号に基づいて、前記載置面と前記対向面との間に介在する異物を検出する異物検出制御部と、を備えた構成とする。
これによると、載置面形成部材が電子機器に沿う形状に変形するため、電子機器が非平面、例えば湾曲した曲面形状に形成されている場合でも、給電装置の載置面に付着した異物と電子機器に設けられたセンサ部との距離が短くなるため、電子機器のセンサ部により電子機器に付着した異物はもとより給電装置の載置面に付着した異物も高感度に検出することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る非接触電力伝送システム1を構成する給電装置2および電子機器3の斜視図である。この非接触電力伝送システムにおいては、給電装置2に設けられた載置面11に電子機器3を載置することで、給電装置2から電子機器3に非接触(ワイヤレス)で電力伝送が行われる。
図1は、本実施形態に係る非接触電力伝送システム1を構成する給電装置2および電子機器3の斜視図である。この非接触電力伝送システムにおいては、給電装置2に設けられた載置面11に電子機器3を載置することで、給電装置2から電子機器3に非接触(ワイヤレス)で電力伝送が行われる。
ここで、電子機器3は、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット型端末、パーソナルコンピュータなどであり、図1ではスマートフォンの例を示している。電子機器3は、筐体31の表面側に、表示部6と、操作部7と、を備えている。表示部6は、液晶表示パネルなどで構成される。操作部7には、操作ボタンなどが配列されている。この電子機器3は背面側を下にして給電装置2の載置面11に載置される。
次に、図1に示した給電装置2および電子機器3の構成について説明する。図2は、給電装置2および電子機器3の断面図である。
給電装置2は、筐体12と、送電コイル13と、センサシート体14と、弾性支持部15と、を備えている。送電コイル13は、電磁誘導により電力伝送を行うものであり、センサシート体14は、載置面11側に存在する異物を検出するものである。
筐体12は、上方が開放された有底箱形状に形成されている。送電コイル13は、筐体12内に配置され、特に本実施形態では、弾性支持部15の下方に形成された収容スペース16に送電コイル13が配置され、弾性支持部15を挟んでセンサシート体14と相反する側に送電コイル13が位置する。なお、収容スペース16には、送電コイル13の他に、送電コイル13の駆動制御手段(図9に示す送電制御部52や送電回路部53など)を構成する基板などが配置される。
送電コイル13は、線状導体に絶縁層を被覆してなる絶縁電線を複数本集合させた集合電線を略円形の渦巻状に巻回して形成されたものである。送電コイル13における載置面11と相反する側には送電コイル13の全面を覆うように磁性シート23が設けられている。
電子機器3は、筐体31と、受電コイル32と、を備えている。受電コイル32は、筐体12内に配置されている。筐体31における給電装置2の載置面11に対向する対向面33は、湾曲した曲面状に形成されている。特に本実施形態では、対向面33が、略円弧状の断面をなすように形成されている。
受電コイル32は、送電コイル13と同様に、線状導体に絶縁層を被覆してなる絶縁電線を複数本集合させた集合電線を略円形の渦巻状に巻回して形成されたものである。受電コイル32における対向面33と相反する側には受電コイル32の全面を覆うように磁性シート34が設けられている。
この非接触電力伝送システムでは、給電装置2の送電コイル13に交流電力が供給されると、この送電コイル13が電子機器3の受電コイル32と磁気結合して、受電コイル32に交流電圧が誘起され、これにより交流電力が送電コイル13から受電コイル32に伝送される。
次に、図2に示した弾性支持部15について説明する。図3は、給電装置2の分解斜視図である。
弾性支持部15は、弾性支持体19と、ストッパー20と、支持パネル21と、を備えている。
弾性支持体19は、センサシート体14を弾性的に支持するものであり、スポンジ材、すなわち弾性を有する発泡材料で形成され、センサシート体14の略全体に延在する板状部25と、この板状部25に凸設された複数の凸部26と、を備えており、凸部26の頂面がセンサシート体14に当接する。複数の凸部26は、等間隔をおいて千鳥配置されている。特に本実施形態では凸部26が円錐台状に形成されている。なお、凸部26の配置構成は特に限定するものではなく、例えば、格子状に配置されてもよい。
ストッパー20は、センサシート体14の撓みを規制するものであり、弾性支持体19の凸部26が貫通する孔27が開設され、弾性支持体19の板状部25における凸部26が形成された上面側を覆うように配置される。特に本実施形態では、孔27が、円錐台状をなす凸部26と相互補完的な円形状に形成されている。このストッパー20は、硬質な合成樹脂材などで形成される。
支持パネル21は、弾性支持体19およびストッパー20を下面側から支持するものであり、硬質な合成樹脂材などで形成される。
次に、図2に示したセンサシート体14について説明する。図4は、センサシート体14の断面図である。
センサシート体14は、電極シート(センサ部)17の表面側に保護シート(載置面形成部材)18を貼り合わせて一体化したものである。保護シート18は、電子機器3から電極シート17を保護するものであり、表面側に載置面11が形成される。
電極シート17は、互いに直交する2方向に延在する送信電極(第1電極)41および受信電極(第2電極)42が格子状に交差するように配置されたものである(図10参照)。送信電極41および受信電極42はそれぞれ複数設けられ、送信電極41同士は所定の間隔を置いて互いに平行に配置され、受信電極42同士も所定の間隔を置いて互いに平行に配置される。また、送信電極41は載置面11側に配置され、受信電極42は支持シート(絶縁層)43を介して載置面11と相反する側に配置されている。
電極シート17においては、基材となる支持シート43が可撓性を有する樹脂材料(例えばPET(Polyethylene terephthalate))で形成され、送信電極41および受信電極42も、銀ペーストなどの導電性インクによる印刷成形などで薄く形成されているため、全体として可撓性を有する。一方、保護シート18も可撓性を有する樹脂材料で形成され、電極シート17と保護シートとを貼り合わせたセンサシート体14は、全体として任意の方向に撓むことができる可撓性を有し、電子機器3が載置されていない初期状態では、センサシート体14は平面状をなしている。
特に本実施形態では、電極シート17は、支持シート43の表裏各面に、送信電極41が形成された送信電極シート44と、受信電極42が形成された受信電極シート45とを貼り合わせて一体化された構成となっている。なお、電極シート17の構成としては、この他に、例えば支持シート43の両面に送信電極41と受信電極42とを直接形成し、この電極形成面を絶縁材料で被覆した構成としてもよい。
次に、給電装置2に電子機器3を載置したときの状態変化について説明する。図5は、給電装置2に電子機器3を載置したときの状態変化を示す断面図であり、図5(A)に給電装置2に電子機器3を載置していない場合を示し、図5(B)給電装置2に電子機器3を載置した場合を示し、図5(C)に比較例の場合を示す。
ここでは、図5(A)に示すように、給電装置2の載置面11に異物E1が付着し、電子機器3の対向面33に異物E2が付着した場合を例に説明する。
図5(C)に示す比較例では、給電装置28においてセンサシート体14を支持する支持パネル29が平らで硬質な部材で形成され、センサシート体14が変形しないように構成されている。この場合、電子機器3の対向面33が湾曲した曲面状に形成されていると、給電装置28に電子機器3を載置すると、電子機器3の対向面33の一部のみが載置面30に当接し、給電装置28の載置面30と電子機器3の対向面33との間に隙間が生じる。
このため、給電装置28の載置面30に付着した異物E1については、電極シート17で問題なく検知することができるが、電子機器3の対向面33に付着した異物E2については、給電装置28の載置面30と電子機器3の対向面33との隙間により、電極シート17から離れるため、異物の検出感度が低下するという問題があった。特に異物が薄いシールの場合では、異物と電極シート17との距離が大きくなるため、異物を検出することができにくくなる。
これに対して、本実施形態では、図5(B)に示すように、センサシート体14が可撓性を有し、弾性支持体19が、センサシート体14の撓み変形を許容する弾性材料で形成されているため、載置面11に電子機器3が載置されると、電子機器3の荷重で弾性支持体19が圧縮変形して、センサシート体14が、電子機器3の対向面33に沿う形状に撓み変形する。
これにより、給電装置2の載置面11と電子機器3の対向面33との隙間が小さくなり、電子機器3の対向面33に付着した異物E2とセンサシート体14との距離が短くなるため、給電装置2の載置面11に付着した異物E1はもとより電子機器3の対向面33に付着した異物E2も高感度で検出することができる。
ここで、電極シート17の形状が変化することで、受信電極42の出力信号が多少変動するが、この電極シート17の形状変化に伴う出力信号の変動分に比較して、異物による出力信号の変動分(増加分)が十分に大きいので、電極シート17の形状変化は異物検出の支障とはならない。
また、本実施形態では、電極シート17が、保護シート18に重なり合い、保護シート18とともに、電子機器3の対向面33に沿う形状に変形するように設けられており、電極シート17が載置面11に近接して配置されるため、給電装置2の載置面11および電子機器3の対向面33に付着した異物を高感度で検出することができる。
また、本実施形態では、図3に示したように、弾性支持体19が、板状部25に複数の凸部26を形成して、この凸部26の頂部でセンサシート体14に部分的に当接するようにしたため、電子機器3の荷重が凸部26にのみ作用して、凸部26が大きく圧縮変形することで、小さな荷重でセンサシート体14を大きく変形させることができるため、軽量な電子機器3でも、その対向面33に沿う形状にセンサシート体14を変形させることができる。なお、センサシート体14がストッパー20に突き当たることでセンサシート体14の撓みを規制され、この状態となるまで凸部26が圧縮変形する。
特に本実施形態では、凸部26が円形の断面をなすように形成されているため、センサシート体14が任意の方向に撓みやすくなり、より一層電子機器3の対向面33に対応した形状に載置面11を変形させることができる。
また、本実施形態では、弾性支持体19が、スポンジ材(弾性を有する発泡材料)で形成され、空気に近い誘電率を示すため、弾性支持体19がセンサシート体14に部分的に当接することによる異物検出に与える影響は小さい。
図6は、給電装置2の平面図である。センサシート体14は、下側に位置する弾性支持体19に対して固定され、外周部は固定されていない。具体的には、センサシート体14は弾性支持体19の凸部26と固着されており、センサシート体14の外周部と筐体12の側壁部36との間には隙間37が形成されている。これにより、給電装置2に電子機器3を載置した際に、センサシート体14が円滑に撓み変形を行うことができる。
次に、給電装置2の変形例について説明する。図7は、給電装置2の変形例を示す断面図である。図8は、図7に示した給電装置2の要部斜視図である。
この変形例では、図7に示すように、筐体12の側壁部36に、センサシート体14の外周部と筐体12の側壁部36との間の隙間37から筐体12の内部に侵入した異物を排出する異物排出孔38が開設されている。この異物排出孔38は、側壁部36の内面側から外面側に向けて斜め下向きに傾斜した状態に設けられている。
また、異物排出孔38は、図8に示すように、センサシート体14の外周部に沿って長く設けられている。この異物排出孔38は、筐体12の側壁部36の全周にわたって形成することが望ましいが、側壁部36における異物排出孔38を挟んで上側部分36aと下側部分36bとが分離しないようにするため、適所で上側部分36aと下側部分36bとが連結されるように異物排出孔38を開設する必要があり、図示する例では、上面視で矩形状をなす側壁部36の角部を除くように異物排出孔38が開設されている。なお、角部以外の部分でも上側部分36aと下側部分36bとが連結されるように異物排出孔38を開設するようにしてもよい。
また、図7に示したように、異物排出孔38の内側近傍には、センサシート体14の外周部と筐体12の側壁部36との間の隙間37から筐体12の内部に侵入した異物を異物排出孔38に案内するガイド部39が設けられている。このガイド部39は、側壁部36の内面側から斜め上向きに突出した状態に形成されている。また、このガイド部39は、センサシート体14に接触しないように設けられており、これによりセンサシート体14の撓み変形を阻害することを避けることができる。
さらに、筐体12の側壁部36の上端には、異物が隙間37に侵入することを抑制する覆い部40が設けられている。この覆い部40は、筐体12の側壁部36の上端から内向きに突出した状態に形成されている。また、この覆い部40は、センサシート体14に接触しないように設けられており、これによりこれによりセンサシート体14の撓み変形を阻害することを避けることができる。また、この覆い部40は、図8に示したように、センサシート体14の外周部の上面側を全周にわたって覆うように設けられている。
このように、筐体12の側壁部36に異物排出孔38を開設するとともにガイド部39を形成することで、センサシート体14の外周部と筐体12の側壁部36との間の隙間37から侵入した異物が筐体12の内部に溜まることを避けることができる。さらに、筐体12の側壁部36に覆い部40を形成することで、異物が隙間37に侵入することを抑制し、特に大きな異物が隙間37に侵入することを防止することができる。
なお、覆い部40を設けない構成も可能である。
次に、図1に示した給電装置2および電子機器3の制御について説明する。
図9は、本実施形態に係る非接触電力伝送システム1を構成する給電装置2および電子機器3の制御に係る要部の概略構成図である。この非接触電力伝送システムでは、電子機器3が、搭載された図示しない部品を動作させるための電力を供給する2次電池69を備え、給電装置2から送られる電力で2次電池69の充電が行われる。
給電装置2は、AC/DCコンバータ51と、送電制御部52と、送電回路部53と、を有している。AC/DCコンバータ51では、電源(商用電源)8から供給される交流電力を直流電力に変換する。送電制御部52は、送電回路部53の動作を制御する。送電回路部53は、AC/DCコンバータ51から送電制御部52を介して送られる直流電力を所定の周波数の交流電圧に変換して送電コイル13に供給する。
送電制御部52は、制御回路54と、電圧監視部55と、温度監視部56と、を有している。制御回路54は、送電回路部53の動作を制御する。電圧監視部55は、送電回路部53から送電コイル13に供給される交流電力の電圧を監視する。温度監視部56は、送電コイル13の温度を監視する。この電圧監視部55および温度監視部56で電圧および温度の異常が検知されると、送電コイル13への給電が停止される。
送電回路部53は、ドライバ57と、共振回路58と、を有している。ドライバ57は、AC/DCコンバータ51から送電制御部52を介して送られる直流電力を所定の周波数の交流電圧に変換する。共振回路58は、内部のコンデンサと送電コイル13とにより共振回路を構成し、ドライバ57から印加される交流電圧に応じて所定の共振周波数で送電コイル13を発振させる。
電子機器3は、受電回路部61と、受電制御部62と、充電制御回路63と、を有している。受電回路部61は、給電装置2の送電コイル13との間での電磁誘導により受電コイル32に誘起された交流電流を所定の電圧の直流電力に変換する。受電制御部62は、受電回路部61の動作を制御する。充電制御回路63は、受電回路部61から受電制御部62を介して送られる電力を2次電池69に供給して2次電池69の充電を行う。
受電回路部61は、整流回路64と、レギュレータ65と、を有している。整流回路64は、受電コイル32に誘起された交流電力を直流電力に変換する。レギュレータ65は、整流回路64から送られる直流電力を、2次電池69の充電に適合する所定の電圧に変換する。
受電制御部62は、制御回路66と、電圧監視部67と、を有している。制御回路66は、受電回路部61の動作を制御する。制御回路66は、受電回路部61の動作を制御する。電圧監視部67は、受電コイル32に誘起される交流電力の電圧を監視する。この他、受電制御部62は、電子機器3に搭載された機器の状態、例えば、受電コイル32の温度や、2次電池69の充電状態等を監視し、異常が検知されると、受電動作を停止する。
また、本実施形態では、給電装置2に、その載置面11に電子機器3が載置されたことを検知する電子機器検知部71が設けられている。この電子機器検知部71の検知結果に基づいて、給電装置2の送電動作が制御される。すなわち、載置面11に電子機器3が載置されると、送電コイル13への交流電力の供給を開始し、電子機器3が給電装置2から離れると、送電コイル13への交流電力の供給を停止する。
この電子機器検知部71では、電子機器3の受電コイル32が給電装置2の送電コイル13に近接することで負荷インピーダンスが変化することにより送電コイル13に生じる電圧値(または電流値)の変動に基づいて、電子機器3が載置面11に載置されたことを検知する。このとき、送電コイル13の電圧値(または電流値)の変動量を予め設定されたしきい値と比較して、電子機器3が載置面11に載置されたか否かの判定を行えばよい。
また、本実施形態では、電子機器3にも、自身が給電装置2の載置面11に載置されたことを検知する給電装置検知部81が設けられている。この給電装置検知部81の検知結果に基づいて、電子機器3の受電動作が制御される。
この給電装置検知部81では、電子機器3の受電コイル32が給電装置2の送電コイル13に近接することで負荷インピーダンスが変化することにより受電コイル32に生じる電圧値(または電流値)の変動に基づいて、電子機器3が載置面11に載置されたことを検知する。このとき、受電コイル32の電圧値(または電流値)の変動量を予め設定されたしきい値と比較して、電子機器3が載置面11に載置されたか否かの判定を行えばよい。
また、本実施形態では、給電装置2および電子機器3がそれぞれ情報送受信部72,82を備えており、給電装置2と電子機器3との間で送電コイル13および受電コイル32を介して所要の情報を送受信する情報伝送ができるようになっている。なお、この情報伝送は、単純なビット通信でもあってもよいし、コード化通信であってもよい。
給電装置2および電子機器3の各情報送受信部72,82はそれぞれ、情報を含む信号の変復調を行う変復調回路73,83を有している。この変復調回路73,83では、送信元の変復調回路73,83で生成した変調信号が、送電コイル13および受電コイル32を介して送信先に送られ、送信先では、送電コイル13または受電コイル32の出力から取り出された変調信号を変復調回路73,83で復調して送信情報を取得する。
ここで、給電装置2から電子機器3に情報を送信する場合、情報送受信部72から出力される変調信号を送電回路部53で電力伝送用の交流信号に重畳することで、電力伝送と同時に情報送信を行うことができる。また、電力伝送が行われていないときに情報伝送を行うようにしてもよい。なお、電子機器3の受電回路部61は、図示しない情報伝送用のドライバおよび共振回路を備えており、これらを駆動して情報送受信部82から出力される変調信号を給電装置2に向けて送信する。
ここで給電装置2と電子機器3との間でやりとりされる情報としては、給電装置2および電子機器3の各々の状態に関する状態情報である。状態情報として、例えば2次電池69の充電中に、2次電池69の充電状態に関する情報を電子機器3から給電装置2に送信し、2次電池69の充電が必要な場合は電力伝送を継続し、2次電池69の充電が完了すると電力伝送を停止する。また、状態情報として、温度や電圧などの情報を給電装置2と電子機器3との間でやりとりし、状態情報が異常を示しているときにも電力伝送を停止する制御を行う。
また、本実施形態では、給電装置2および電子機器3がそれぞれ認証部74,84を備えており、給電装置2と電子機器3との間で相互認証が行われる。給電装置2および電子機器3では、各々が備える情報送受信部72,82により、相互認証に用いられる給電装置2および電子機器3の各識別情報などの認証情報がやりとりされ、この認証情報に基づいて認証部74,84において互いに相手方の認証を行う。
この相互認証は、給電装置2から電子機器3への電力伝送を開始する際に行われる。すなわち、給電装置2および電子機器3がそれぞれ、給電装置2の載置面11に電子機器3が載置されたことを検知すると、給電装置2と電子機器3と間で識別情報をやりとりして、互いに相手方の認証を行う。この相互認証が成功すると、給電装置2から電子機器3への電力伝送が開始される。相互認証が失敗したときは電力伝送が行われない。
また、本実施形態では、給電装置2が、載置面11(図2参照)側に存在する異物を検出する異物検出部91を備えている。以下、この異物検出部91で行われる異物検出処理について詳しく説明する。
ここでいう異物には、例えばステープラの針やクリップのように主に金属(導体)で構成されるものや、消しゴムの消しカスのように主に樹脂(絶縁体)で構成されるものが含まれる。このような異物が給電装置の載置面と電子機器の対向面の間に介在すると、異物が金属などの導体からなる場合には、渦電流が発生していわゆるインダクションヒーティング(IH)によって発熱のおそれがあり、また、異物が樹脂などの絶縁体からなる場合には、発熱のおそれはないものの、電磁誘導による電力伝送は距離の依存度が大きいため、異物が介在することで伝送効率が劣化するおそれがある。
そこで、本実施形態では、金属などの導体からなる異物や樹脂などの絶縁体からなら異物が、給電装置の載置面と電子機器の対向面の間に存在することを検知するために異物検出部91が設けられている。
この異物検出部91は、電極シート17(図2参照)と、異物検出制御部92と、で構成され、電極シート17に設けられた受信電極42(図4参照)からの出力信号に基づいて異物検出制御部92で異物が存在することが検知された場合には、その旨を表示部75に表示させてユーザに報知して、異物を取り除くように催促する。なお、表示部75は文字を表示してユーザに報知する他、例えばLEDなどを点灯させるようにしてもよい。
異物検出制御部92は、電子機器検知部71において電子機器3が載置面11に載置されたことが検知されるのに応じて異物検出処理を実施し、異物検出制御部92で異物が存在することが検知されない場合に、送電制御部52において電力伝送が開始される。一方、異物検出制御部92で異物が存在することが検知されると、送電制御部52での電力伝送の実行が保留され、表示部75を用いてユーザに異物の存在を報知する。
なお、載置面11に電子機器3が載置されていない状態でも異物検出を行うようにしてもよく、この場合、電力消費を抑えるため、所定時間をおいて定期的に異物検出を行うようにするとよい。
次に、図9に示した異物検出制御部92について説明する。図10は、異物検出制御部92の概略構成図である。
異物検出制御部92は、送信部93と、受信部94と、駆動制御部95と、異物判定部96と、異物報知部97と、を備えている。
送信部93は、送信電極41に対して駆動信号を印加するものである。受信部94は、送信電極41に印加された駆動信号に応答した受信電極42の応答信号を受信して、送信電極41と受信電極42とが交差する電極交点ごとの検出値(レベル信号)を出力するものである。駆動制御部95は、送信部93及び受信部94の動作を制御するとともに、受信部94から出力される検出値に基づいて、各電極交点の静電容量に相当する検出データを生成するものである。
異物判定部96は、駆動制御部95から出力される検出データに基づいて異物の有無を判定するものである。異物報知部97は、異物判定部96による判定結果に基づいて、表示部75を用いてユーザに異物の存在を報知するものである。
異物判定部96では、各電極交点の検出データとしきい値との比較により異物が存在するか否かの判定が行われる。この検出データと比較されるしきい値は、一定値としてもよいが、電極交点の位置に応じて変更するようにしてもよい。図5に示したように、電子機器3の対向面33が円弧状に膨出した断面形状をなす場合には、対向面33の中心部分では載置面11に接触しやすく、対向面33の外側部分では載置面11から離間しやすい。そこで、外側に位置する電極交点ではしきい値を小さく設定し、中心側に位置する電極交点ではしきい値を大きく設定すると、電極交点の位置に応じて異物の検出感度が異なることを避けることができる。
送信部93は、送信電極選択部101と、送信パルス発生部102と、を備えており、送信電極選択部101では、複数の送信電極41が1つずつ選択され、ここで選択された送信電極41に対して、送信パルス発生部102で発生した駆動信号(パルス信号)が順次印加される。受信部94は、受信電極選択部103と、受信信号処理部104と、を備えており、受信電極選択部103では、複数の受信電極42が1本ずつ選択され、ここで選択された受信電極42からの応答信号が受信信号処理部104に順次入力する。
次に、図10に示した受信信号処理部104で行われる受信信号処理について説明する。図11は、受信信号処理部104の概略構成図である。
受信信号処理部104は、IV変換部111と、バンドパスフィルタ112と、絶対値検出部113と、クランプ部114と、積分部115と、サンプルホールド部116と、AD変換部117と、監視部118と、を備えている。
IV変換部111では、受信電極選択部103を介して入力される受信電極42の応答信号(充放電電流信号)が電圧信号に変換される。バンドパスフィルタ112では、IV変換部111の出力信号に対して、送信電極41に印加される駆動信号の周波数以外の周波数成分を有する信号を除去する処理が行われる。絶対値検出部(整流部)113では、バンドパスフィルタ112の出力信号に対して全波整流が行われる。クランプ部114では、絶対値検出部113の出力信号に対して出力電圧を所定の電圧以上に保持する処理が行われる。積分部115では、クランプ部114の出力信号を時間軸方向に積分する処理が行われる。サンプルホールド部116では、積分部115の出力信号を所定のタイミングでサンプリングする処理が行われる。AD変換部117では、サンプルホールド部116の出力信号をAD変換して電極交点ごとの検出量を出力する。
監視部118は、積分部115の積分値を監視し、この積分値を所定の閾値と比較して、積分値が閾値に達するとリセット信号を出力する。この監視部118は、具体的にはコンパレータで構成され、積分部115の出力電圧が所定電圧に達するとリセットパルスを発生する。
図12は、図11に示した受信信号処理部104の各部から出力される信号を示す波形図である。送信電極41に駆動信号(パルス信号)を所定回数印加すると、パルス波の立ち上がり及び立ち下がりに応じた充放電電流が受信電極42に流れ、これに応じてIV変換部111から出力される電圧信号が変化する。
IV変換部111の出力信号は、送信電極41の駆動信号の印加が終了するのに応じて収束し、このIV変換部111の出力信号が収束する所定のタイミングで、サンプルホールド部116により積分部115の出力信号のサンプリングが行われる。積分部115では、監視部118から出力されるリセット信号に応じて積分値がゼロにリセットされ、積分処理とリセットとが繰り返される。
ここで、対向面33側に異物が存在すると、電極交点の静電容量が増大するのに伴って、IV変換部111から出力される電圧信号の振幅が大きくなり、これに応じて、絶対値検出部113の出力信号の電圧が高くなる。このため、対向面33側に異物が存在する場合には、異物が存在しない場合と比較して、積分部115の積分値が閾値に到達するまでの時間が短くなり、リセットのタイミングが早くなる。
AD変換部117では、積分部115の出力信号をサンプルホールド部116で所定のタイミングでサンプリングして出力される電圧信号を所定のビット数(例えば8ビット)の出力値(AD変換値)に変換する。出力値はAD変換部117から駆動制御部95に出力される。また、監視部118からリセット信号が駆動制御部95に出力され、駆動制御部95では、監視部118からのリセット信号に基づいてリセット回数を計数する。
駆動制御部95では、受信信号処理部104の出力値とリセット回数に基づいて電極交点の静電容量に相当する検出データを求める。図10に示した異物判定部96では、駆動制御部95から出力された検出データの変化量に基づいて載置面11上に異物が存在するか否かの判定を行う。
このように、本実施形態では、異物検出制御部92が、図11に示したように、受信電極42からの応答信号に基づいた信号を積分処理し、この積分処理による積分値が所定の閾値に達すると積分値をゼロにリセットする積分部115を有する構成としたため、異物の有無に応じて変化する検出量の変化量が大きくなるため、異物の検出感度を向上させることができる。
また、本実施形態では、異物検出制御部92が、受信電極42からの応答信号に基づいた信号を積分処理する積分部115と、この積分部115の前段に設けられて、受信電極42からの応答信号に基づいた信号を所定値以上に保持するクランプ部114と、を有する構成としたため、異物の有無に応じて変化する検出量の変化量が大きくなるため、異物の検出感度を向上させることができる。
次に、図1に示した異物検出制御部92で行われる異物検出処理での異物検出の原理について説明する。図13および図14は、異物検出制御部92で行われる異物検出処理での異物検出の原理を説明する説明図であり、図13に、金属などの導体からなる異物の場合を示し、図14に、樹脂などの絶縁体からなる異物の場合を示す。
まず、図13に基づいて金属などの導体からなる異物の場合について説明する。図13(A)は、載置面11上に異物Eが存在しない場合の断面図であり、図13(B)は、載置面11上に異物Eが存在する場合の断面図であり、図13(C)は、載置面11上に異物Eが存在する場合の等価回路を示す回路図である。
図13(A)に示すように、送信電極41と受信電極42との間に支持シート(絶縁層)43が介在し、載置面11上に異物Eが存在しない場合には、送信電極41と受信電極42との間に静電容量C0が形成される。
そして、図13(B)に示すように、金属などの導体からなる異物Eが載置面11上に載置されると、送信電極41と異物Eとの間に静電容量C1が発生し、異物Eと受信電極42の間に静電容量C2が発生する。一方、送信電極41と受信電極42の間には、電気力線が異物E側に回り込むことによって、載置面11上に異物Eが存在しない場合の静電容量C0よりも小さい静電容量C3が形成される(C3<C0)。
これにより、金属などの導体からなる異物Eが載置面11上に存在する場合には、図13(C)に示すように、送信電極41と受信電極42の間には、直列接続された静電容量C1および静電容量C2に対して静電容量C3が並列接続された等価回路が形成され、ここでは、送信電極41と受信電極42との間に直接形成される静電容量がC0からC3に減少するものの、送信電極41と受信電極42との間の全体の静電容量は増加する。
次に、図14に基づいて樹脂などの絶縁体からなら異物の場合について説明する。図14(A−1),(A−2)は、載置面11上に異物Eが存在しない場合の断面図であり、図14(A−1)に電気力線を示し、図14(A−2)に静電容量を示す。図14(B−1),(B−2)は、載置面11上に異物Eが存在しない場合の断面図であり、図14(B−1)に電気力線を示し、図14(B−2)に静電容量を示す。
載置面11上に異物Eが存在しない場合には、図14(A−1)に示すように、送信電極41に駆動信号が印加されことで電気力線が発生し、図14(A−2)に示すように、送信電極41と受信電極42との間に静電容量C0が形成される。
そして、樹脂などの絶縁体からなる異物Eが載置面11上に載置されると、図14(B−1)に示すように、異物Eは空気より誘電率が大きいため、電気力線は異物Eの側にも回り込むようになり、全体としての静電容量は増加して、図14(B−2)に示すように、載置面11上に異物Eが存在しない場合の静電容量C0よりも大きい静電容量C3が形成される(C3>C0)。
このように、載置面11上に異物が置かれた場合、金属などの導体と樹脂などの絶縁体とのいずれかにかかわらず、電極交点の静電容量は増大する。従って、異物判定部96(図10参照)は、異物が置かれていない状態での電極交点の静電容量C0を初期値として記憶しておき、この初期値と異物検出が開始された後に検出された各電極交点の静電容量とを比較して、その差分が所定のしきい値を超えるか否かにより、異物が存在するか否かを判定することができる。
図15および図16は、異物検出の要領を説明する説明図であり、図15は、異物の位置に応じた違いについて説明するものであり、図16は、電子機器3に異物が付着しているか否かに応じた違いについて説明するものである。なお、図16において静電容量C11〜C13,C21〜C23,C31〜C33に対応する電極交点の位置は図15(A)に示した例と同様である。
ここでは、図15(A)に示すように、説明の便宜上、3本の送信電極41(Se1,Se2,Se3)と3本の受信電極42(Re1,Re2,Re3)とで構成される簡素な例で説明する。各電極交点には静電容量C11〜C33が形成されている。
ここで、図15(A)に示す位置P1に異物が存在している場合には、図15(B)に示すように、位置P1に対応した電極交点の静電容量C22が、異物が存在しないときの静電容量よりも大きな値を示す。この静電容量の変化により、位置P1に異物が存在することを検知することができる。
一方、図15(A)に示す位置P2(4つの電極交点の中間位置)に異物が存在している場合には、図15(C)に示すように、位置P2の周囲にある4つの電極交点の静電容量C11,C21,C21,C22が、異物が存在しないときの静電容量よりも大きな値を示す。この静電容量の変化により、4つの電極交点の中間の位置P2に異物が存在することを検知することができる。
なお、ここでは単純な例について説明したが、所要の補間法(例えば重心法)を用いる、すなわち、静電容量が大きく計測された電極交点ほど異物に近接しているという前提で重み付け補間演算を行うことで、X方向(受信電極42の配列方向)とY方向(送信電極41の配列方向)との直交座標系における異物の位置座標を、各電極交点の静電容量から高精度に求めることができる。
また、図16(A)に示すように、異物が付着していない電子機器3が載置面11に載置されると、各電極交点の静電容量は全体的に大きな値を示す。これは、電子機器3の筐体31が空気よりも誘電率εが高い樹脂(絶縁体)で構成されていることから、電極交点の静電容量が大きくなるためである。この静電容量の変化により、異物が付着していない電子機器3が載置面11に載置されたことを検知することができる。
一方、図16(B)に示すように、異物が付着した電子機器3が載置面11に載置されると、各電極交点の静電容量は全体的に大きな値を示すが、特にこの場合には、異物の位置に対応した電極交点の静電容量C22が、他の電極交点よりも大きな値を示す。この静電容量の変化により、異物が付着した電子機器3が載置面11に載置されたことを検知することができる。
このように、本実施形態では、格子状に複数配置された送信電極41と受信電極42とが交差する各電極交点の静電容量の変化に基づいて異物検出を行うため、給電装置2の載置面11と電子機器3の対向面33との間に異物が存在するか否かの異物の有無の判別の他に、異物が存在する位置の判別や、電子機器3に異物が付着しているか否かの判別も行うことができる。
図17は、送信電極41および受信電極42の変形例を示す平面図である。
図17(A)に示す例では、送信電極41および受信電極42にそれぞれ拡幅部121,122が形成され、送信電極41の拡幅部121は、隣り合う2本の受信電極42の間の位置し、受信電極42の拡幅部122は、隣り合う2本の送信電極41の間に位置する。拡幅部121,122は菱形状(矩形状)をなし、対角方向が送信電極41および受信電極42の延在方向となるように配置され、対角方向にある2つの頂点で互いに接続されている。また、送信電極41および受信電極42にそれぞれ設けられた拡幅部121,122は全体として千鳥配置された状態になる。
このように送信電極41および受信電極42を構成すると、異物の有無に応じて変化する静電容量の変化量が大きくなるため、異物の検出感度を向上させることができる。
図17(B)に示す例では、図17(A)に示す例と同様に、送信電極41および受信電極42にそれぞれ拡幅部123,124が形成されているが、図17(A)に示す例では、拡幅部121,122が密実に形成されていたのに対して、図17(B)に示す例では、拡幅部123,124がメッシュ状に形成されている。この拡幅部123,124では、複数の導体線が互いに交差するように形成されている。
このように送信電極41および受信電極42を構成すると、送電コイル13と受電コイル32との間に送信電極41および受信電極42が存在することで電力伝送の効率が低下することを抑制することができる。
(第2実施形態)
図18は、第2実施形態に係る給電装置2および電子機器3の断面図であり、図18(A)に給電装置2に電子機器3を載置していない場合を示し、図18(B)に給電装置2に電子機器3を載置した場合を示す。なお、ここで特に言及しない点は第1実施形態と同様である。
図18は、第2実施形態に係る給電装置2および電子機器3の断面図であり、図18(A)に給電装置2に電子機器3を載置していない場合を示し、図18(B)に給電装置2に電子機器3を載置した場合を示す。なお、ここで特に言及しない点は第1実施形態と同様である。
この第2実施形態では、図18(A)に示すように、センサシート体14を筐体12に対して弾性的に支持する弾性支持体131を備えており、この弾性支持体131は、空気などの気体、水などの液体、ゲル状物質、およびゾル状物質などの流動性物質を弾性を有する密閉袋に充填したものであり、この弾性支持体131の弾性変形によりセンサシート体14の撓み変形が許容される。この弾性支持体131は、センサシート体14の略全体にわたって、センサシート体14とその下面側の支持パネル21との間に配置されており、センサシート体14および弾性支持体131が筐体12に対して支持パネル21を介して支持されている。
この構成では、電子機器3が載置されていない初期状態では、センサシート体14が下面側を弾性支持体131により支持されることで、センサシート体14が平らな状態に保持され、センサシート体14の上面となる載置面11は平面状をなしており、図18(B)に示すように、載置面11に電子機器3が載置されると、電子機器3の荷重により弾性支持体131が変形して、センサシート体14が電子機器3の対向面33に沿う形状に変形する。これにより、前記の各実施形態と同様に、給電装置2の載置面11に付着した異物E1はもとより電子機器3の対向面33に付着した異物E2も高感度で検出することができる。
(第3実施形態)
図19は、第3実施形態に係る給電装置2および電子機器3の断面図であり、図19(A)に給電装置2に電子機器3を載置していない場合を示し、図19(B)に給電装置2に電子機器3を載置した場合を示す。なお、ここで特に言及しない点は第1実施形態と同様である。
図19は、第3実施形態に係る給電装置2および電子機器3の断面図であり、図19(A)に給電装置2に電子機器3を載置していない場合を示し、図19(B)に給電装置2に電子機器3を載置した場合を示す。なお、ここで特に言及しない点は第1実施形態と同様である。
この第3実施形態では、図19(A)に示すように、センサシート体14を筐体12に対して弾性的に支持する弾性支持体141を備えており、この弾性支持体141は、伸縮変形によりセンサシート体14の撓み変形を許容する弾性材料(例えばゴム板)で形成されて、センサシート体14を周囲から支持するようになっている。具体的には、弾性支持体141が、平面視でロ字形状に形成されてセンサシート体14を外囲するように配置され、弾性支持体141の内周部がセンサシート体14に固着され、弾性支持体141の外周部が筐体12の側壁部36に固着されている。
この構成では、電子機器3が載置されていない初期状態では、弾性支持体141の張力により、センサシート体14が平らな状態に保持され、センサシート体14の上面となる載置面11は平面状をなしており、図19(B)に示すように、電子機器3が載置面11に載置されると、電子機器3の荷重により弾性支持体141が伸び変形して、センサシート体14が電子機器3の対向面33に沿う形状に変形する。これにより、前記の各実施形態と同様に、給電装置2の載置面11に付着した異物E1はもとより電子機器3の対向面33に付着した異物E2も高感度で検出することができる。
(第4実施形態)
図20は、第4実施形態に係る給電装置2および電子機器3の断面図であり、図20(A)に給電装置2に電子機器3を載置していない場合を示し、図20(B)に給電装置2に電子機器3を載置した場合を示す。なお、ここで特に言及しない点は第1実施形態と同様である。
図20は、第4実施形態に係る給電装置2および電子機器3の断面図であり、図20(A)に給電装置2に電子機器3を載置していない場合を示し、図20(B)に給電装置2に電子機器3を載置した場合を示す。なお、ここで特に言及しない点は第1実施形態と同様である。
この第4実施形態では、図20(A)に示すように、電極シート17と保護シート18とが別体で構成され、保護シート18のみを弾性的に支持する弾性支持体151を備えている。電極シート17は支持パネル21上に配置され、電極シート17と保護シート18とが弾性支持体151を挟み込む状態で、電極シート17、保護シート18および弾性支持体151が筐体12に対して支持パネル21を介して支持されている。
この構成では、電子機器3が載置されていない初期状態では、保護シート18が下面側を弾性支持体151により支持されることで、保護シート18が平らな状態に保持され、保護シート18の上面となる載置面11は平面状をなしており、図20(B)に示すように、載置面11に電子機器3が載置されると、電子機器3の荷重により弾性支持体151が圧縮変形して、保護シート18が電子機器3の対向面33に沿う形状に変形する。これにより、前記の各実施形態と同様に、給電装置2の載置面11に付着した異物E1はもとより電子機器3の対向面33に付着した異物E2も高感度で検出することができる。
なお、この構成では、保護シート18のみが、電子機器3の対向面33に沿う形状に変形する可撓性を有していればよく、電極シート17は可撓性を有しないものとしてもよい。
また、弾性支持体151は、圧縮変形により保護シート18の撓み変形を許容する弾性材料で形成すればよいが、例えばスポンジ材、すなわち弾性を有する発泡材料で形成するようにしてもよい。また、弾性支持体を、図3に示したように、凸部26を備えた弾性支持体19と同様の構成のものとしてもよい。
(第5実施形態)
図21は、第5実施形態に係る給電装置2および電子機器3の断面図であり、図21(A)に給電装置2に電子機器3を載置していない場合を示し、図21(B)に給電装置2に電子機器3を載置した場合を示す。なお、ここで特に言及しない点は第1実施形態と同様である。
図21は、第5実施形態に係る給電装置2および電子機器3の断面図であり、図21(A)に給電装置2に電子機器3を載置していない場合を示し、図21(B)に給電装置2に電子機器3を載置した場合を示す。なお、ここで特に言及しない点は第1実施形態と同様である。
この第5実施形態では、図21(A)に示すように、電極シート17を保護する保護部材(載置面形成部材)161自体が、圧縮変形可能な弾性材料で形成されている。電極シート17は支持パネル21上に配置され、電極シート17および保護部材161が筐体12に対して支持パネル21を介して支持されている。
この構成では、電子機器3が載置されていない初期状態では、保護部材161の上面となる載置面11は平面状をなしており、図21(B)に示すように、載置面11に電子機器3が載置されると、電子機器3の荷重により保護部材161自体が圧縮変形することで、載置面11が電子機器3の対向面33に沿う状態になる。これにより、前記の各実施形態と同様に、給電装置2の載置面11に付着した異物E1はもとより電子機器3の対向面33に付着した異物E2も高感度で検出することができる。
なお、保護部材161は、電子機器3の荷重により圧縮変形する弾性材料で形成すればよいが、例えばスポンジ材、すなわち弾性を有する発泡材料で形成するようにしてもよい。また、保護部材を、図3に示したように、凸部26を備えた弾性支持体19と同様の構成のものとしてもよい。
(第6実施形態)
図22は、第6実施形態に係る給電装置2および電子機器3の断面図であり、図22(A)に給電装置2に電子機器3を載置していない場合を示し、図22(B)に給電装置2に電子機器3を載置した場合を示し、図22(C)に比較例の場合を示す。なお、ここで特に言及しない点は第1実施形態と同様である。
図22は、第6実施形態に係る給電装置2および電子機器3の断面図であり、図22(A)に給電装置2に電子機器3を載置していない場合を示し、図22(B)に給電装置2に電子機器3を載置した場合を示し、図22(C)に比較例の場合を示す。なお、ここで特に言及しない点は第1実施形態と同様である。
この第6実施形態では、図22(A)に示すように、第1実施形態と同様に、電子機器3の筐体31における給電装置2の載置面11に対向する対向面33が、湾曲した曲面状に形成されているが、特にここでは、第1実施形態と異なり、給電装置2は電極シートを備えておらず、その代わりに、電子機器3が電極シート171を備えている。この電極シート171は、図4などに示した電極シート17と同一のものでよい。また、図9に示した第1実施形態において給電装置2に設けられた異物検出部91および表示部75は、この第6実施形態では、電子機器3に設けられる。
給電装置2では、表面シート(載置面形成部材)172が弾性支持体19により弾性的に支持されている。表面シート172は、可撓性を有する樹脂材料で形成され、任意の方向に撓むことができる可撓性を有しており、電子機器3が載置されていない初期状態では平面状をなしている。弾性支持部15は、第1実施形態と同様である。
ここで、図22(A)に示すように、電子機器3の対向面33に異物E1が付着し、給電装置2の載置面11に異物E2が付着した場合を例に説明する。
図22(C)に示す比較例では、給電装置175において載置面176が形成された表面パネル177が平らで硬質な部材で形成され、載置面176が変形しないように構成されている。この場合、電子機器3の対向面33が湾曲した曲面状に形成されていると、給電装置175に電子機器3を載置すると、電子機器3の対向面33の一部のみが載置面176に当接し、給電装置175の載置面176と電子機器3の対向面33との間に隙間が生じる。
このため、電子機器3の対向面33に付着した異物E1については、電子機器3の電極シート171で問題なく検知することができるが、給電装置175の載置面176に付着した異物E2については、給電装置175の載置面176と電子機器3の対向面33との隙間により、電子機器3の電極シート171から離れるため、異物の検出感度が低下するという問題があった。特に異物E2が薄いシールの場合には、異物E2と電極シート171との距離が大きくなるため、電極シート171で異物を検出することができにくくなる。
これに対して、本実施形態では、図22(B)に示すように、表面シート172が可撓性を有し、弾性支持体19が、表面シート172の撓み変形を許容する弾性材料で形成されているため、載置面11に電子機器3が載置されると、電子機器3の荷重で弾性支持体19が圧縮変形して、表面シート172が、電子機器3の対向面33に沿う形状に撓み変形する。
これにより、給電装置2の載置面11と電子機器3の対向面33との隙間が小さくなり、給電装置2の載置面11に付着した異物E2と電極シート171との距離が短くなるため、電子機器3の対向面33に付着した異物E1はもとより給電装置2の載置面11に付着した異物E2も高感度に検出することができる。
(第7実施形態)
この第7実施形態は、図2に示した第1実施形態における電極シート17を温度センサシート(センサ部)に変更したものである。その他の構成は第1実施形態と同様でよい。
この第7実施形態は、図2に示した第1実施形態における電極シート17を温度センサシート(センサ部)に変更したものである。その他の構成は第1実施形態と同様でよい。
前記の各実施形態では、異物を検出するためのセンサ部を、電極が設けられた電極シートとして、これにより検出される静電容量の変化から異物の存在を判定するものとしたが、この第7実施形態では、温度センサシートにより載置面の温度を検出する。金属などの導体からなる異物の場合には発熱することから、温度を検出することで異物の存在を判定することができる。温度センサシートとしては、基材シートに熱電対を2次元配列した構成のものとすればよく、温度センサシートを載置面に沿って配置することで、載置面の温度分布を取得することができる。
なお、前記の各実施形態では、電子機器3の筐体31における給電装置2の載置面11に対向する対向面33が、湾曲した曲面状に形成された例を示したが、この対向面はこのような形状に限定されるものではなく、非平面であればよく、例えば複雑な曲面で構成される場合もあり、また、凹凸状をなす場合もある。このような場合、載置面形成部材が変形しても、給電装置の載置面と電子機器の対向面との隙間をなくすことは難しいが、異物とセンサ部(電極シート)との間の距離を短くすることは可能であり、異物の検出感度を向上させる効果を得ることができる。
また、前記の各実施形態では、送電コイル13および受電コイル32は、平面方向に巻回したスパイラルコイルとしたが、特にコイルの形状は限定されない。送電コイル13および受電コイル32は例えばヘリカルコイルのように、コイルの開口面に対して垂直方向に巻回されてもよい。また、給電装置2の送電コイル13の開口面が大きい場合、送電コイル13は筐体12の下部に位置する必要はなく、保護シート18、保護部材161、表面シート172、等の載置面形成部材は送電コイル13の中に配置されてもよい。同様に、電極シート17等のセンサ部や、弾性支持体19,131,141,151等が送電コイル13の中に配置されてもよい。また、電子機器3の受電コイル32の開口面が大きい場合、電極シート171等が受電コイル32の中に配置されてもよい。
また、前記の第1実施形態では、図6に示したように、センサシート体14の外周部を全周にわたって筐体12に固定しない構成としたが、センサシート体14の外周部の少なくとも一部が非固定であれば、センサシート体14が変形することができ、例えば平面視で矩形をなすセンサシート体14の4辺のうちの2辺を筐体12に固定するようにしてもよい。また、このようにセンサシート体14の外周部の一部を筐体12に固定する場合、図19に示した例と同様に、伸縮変形可能な弾性支持体でセンサシート体14を外周側から支持するようにしてもよい。
本発明にかかる非接触給電装置および非接触電力伝送システムは、電子機器における給電装置の載置面に対向する対向面が湾曲した曲面形状に形成されている場合でも、給電装置の載置面に付着した異物および電子機器の対向面に付着した異物をともに高感度に検出することができる効果を有し、電子機器が載置される載置面を有し、この載置面に載置された電子機器に非接触で電力伝送を行う非接触給電装置、および給電装置の載置面に電子機器を載置して、給電装置から電子機器に非接触で電力伝送を行う非接触電力伝送システムなどとして有用である。
1 非接触電力伝送システム
2 給電装置
3 電子機器
11 載置面
12 筐体
13 送電コイル
14 センサシート体
15 弾性支持部
17 電極シート(センサ部)
18 保護シート(載置面形成部材)
19 弾性支持体
20 ストッパー
25 板状部
26 凸部
27 孔
31 筐体
32 受電コイル
33 対向面
41 送信電極
42 受信電極
91 異物検出部
92 異物検出制御部
96 異物判定部
114 クランプ部
115 積分部
121,122,123,124 拡幅部
131 弾性支持体
141 弾性支持体
151 弾性支持体
161 保護部材(載置面形成部材)
171 電極シート
172 表面シート(載置面形成部材)
2 給電装置
3 電子機器
11 載置面
12 筐体
13 送電コイル
14 センサシート体
15 弾性支持部
17 電極シート(センサ部)
18 保護シート(載置面形成部材)
19 弾性支持体
20 ストッパー
25 板状部
26 凸部
27 孔
31 筐体
32 受電コイル
33 対向面
41 送信電極
42 受信電極
91 異物検出部
92 異物検出制御部
96 異物判定部
114 クランプ部
115 積分部
121,122,123,124 拡幅部
131 弾性支持体
141 弾性支持体
151 弾性支持体
161 保護部材(載置面形成部材)
171 電極シート
172 表面シート(載置面形成部材)
Claims (17)
- 電子機器が載置される載置面を有し、前記電子機器に非接触で電力伝送を行う非接触給電装置であって、
筐体と、
この筐体内に配置された送電コイルと、
前記載置面を形成する載置面形成部材と、
前記筐体内に配置されたセンサ部と、
このセンサ部の出力信号に基づいて、前記載置面と前記電子機器との間に介在する異物を検出する異物検出制御部と、を備え、
前記載置面形成部材は、前記電子機器が載置された状態でその電子機器の少なくとも一部に沿う形状に前記載置面が変形するように設けられることを特徴とする非接触給電装置。 - 前記センサ部は、第1電極および第2電極を有し、
前記異物検出制御部は、前記第1電極に印加した駆動信号に応答して前記第2電極から出力される応答信号に基づいて、前記載置面と前記電子機器との間に介在する異物を検出することを特徴とする請求項1に記載の非接触給電装置。 - 前記センサ部は、前記載置面形成部材における前記載置面と相反する側に設けられ、前記載置面形成部材とともに変形するように設けられたことを特徴とする請求項2に記載の非接触給電装置。
- 前記載置面形成部材を前記筐体に対して弾性的に支持する弾性支持体をさらに備え、
前記載置面形成部材は、前記電子機器の少なくとも一部に沿う形状に変形する可撓性を有し、
前記弾性支持体は、前記載置面形成部材の撓み変形を許容する弾性材料で形成されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の非接触給電装置。 - 前記弾性支持体は、圧縮変形可能な弾性材料で形成されて、前記載置面形成部材を前記載置面と相反する側から支持することを特徴とする請求項4に記載の非接触給電装置。
- 前記載置面形成部材は、前記弾性支持体に対して固定され、外周部の少なくとも一部は非固定であることを特徴とする請求項5に記載の非接触給電装置。
- 前記弾性支持体は、前記載置面の略全体に延在する板状部と、この板状部に所定間隔をおいて形成された複数の凸部と、を有し、この凸部の頂部が前記載置面形成部材または前記センサ部に当接することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の非接触給電装置。
- 前記弾性支持体は、伸縮変形可能な弾性材料で形成されて、前記載置面形成部材を外周側から支持することを特徴とする請求項4に記載の非接触給電装置。
- 前記弾性支持体は、流動性物質を弾性を有する密閉袋に充填したものであることを特徴とする請求項5に記載の非接触給電装置。
- 前記載置面形成部材が、圧縮変形可能な弾性材料で形成されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の非接触給電装置。
- 前記異物検出制御部は、前記第2電極からの応答信号に基づいた信号を積分処理し、この積分処理による積分値が所定の閾値に達すると積分値をゼロにリセットする積分部を有することを特徴とする請求項2に記載の非接触給電装置。
- 前記異物検出制御部は、前記第2電極からの応答信号に基づいた信号を積分処理する積分部と、この積分部の前段に設けられて、前記第2電極からの応答信号に基づいた信号を所定値以上に保持するクランプ部と、を有することを特徴とする請求項2に記載の非接触給電装置。
- 前記第1電極は、隣り合う2本の前記第2電極の間の位置に拡幅部を有し、前記第2電極は、隣り合う2本の前記第1電極の間の位置に拡幅部を有することを特徴とする請求項2に記載の非接触給電装置。
- 前記拡幅部は、メッシュ状に形成されていることを特徴とする請求項13に記載の非接触給電装置。
- 前記センサ部は、前記載置面の温度を測定するものであり、
前記異物検出制御部は、前記センサ部から出力される温度信号に基づいて、前記載置面と前記電子機器との間に介在する異物を検出することを特徴とする請求項1に記載の非接触給電装置。 - 給電装置の載置面に電子機器を載置して、前記給電装置から前記電子機器に非接触で電力伝送を行う非接触電力伝送システムであって、
前記給電装置は、
筐体と、
この筐体内に配置された送電コイルと、
前記載置面を形成する載置面形成部材と、
前記筐体内に配置されたセンサ部と、
このセンサ部の出力信号に基づいて、前記載置面と前記電子機器との間に介在する異物を検出する異物検出制御部と、を備え、
前記載置面形成部材は、前記電子機器が載置された状態でその電子機器の少なくとも一部に沿う形状に前記載置面が変形するように設けられ、
前記電子機器は、
前記載置面に対向する対向面が非平面に形成された筐体と、
この筐体内に配置された受電コイルと、を備えたことを特徴とする非接触電力伝送システム。 - 給電装置の載置面に電子機器を載置して、前記給電装置から前記電子機器に非接触で電力伝送を行う非接触電力伝送システムであって、
前記給電装置は、
筐体と、
この筐体内に配置された送電コイルと、
前記載置面を形成する載置面形成部材と、を備え、
前記載置面形成部材は、前記電子機器が載置された状態でその電子機器の少なくとも一部に沿う形状に前記載置面が変形するように設けられ、
前記電子機器は、
前記載置面に対向する対向面が非平面に形成された筐体と、
この筐体内に配置された受電コイルと、
前記筐体内に配置されたセンサ部と、
このセンサ部の出力信号に基づいて、前記載置面と前記対向面との間に介在する異物を検出する異物検出制御部と、を備えたことを特徴とする非接触電力伝送システム。
Priority Applications (1)
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Cited By (1)
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WO2020002294A1 (de) * | 2018-06-28 | 2020-01-02 | Laird Dabendorf Gmbh | Verfahren und vorrichtung zur signalübertragung zu einem endgerät |
-
2013
- 2013-04-22 JP JP2013089461A patent/JP2014217080A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
WO2020002294A1 (de) * | 2018-06-28 | 2020-01-02 | Laird Dabendorf Gmbh | Verfahren und vorrichtung zur signalübertragung zu einem endgerät |
CN112352386A (zh) * | 2018-06-28 | 2021-02-09 | 莫莱克斯Cvs达本多夫有限责任公司 | 用于向终端进行信号传输的方法和设备 |
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