JP2014096956A - 電力伝送装置、電子機器、ならびにワイヤレス電力伝送システム - Google Patents

電力伝送装置、電子機器、ならびにワイヤレス電力伝送システム Download PDF

Info

Publication number
JP2014096956A
JP2014096956A JP2012248180A JP2012248180A JP2014096956A JP 2014096956 A JP2014096956 A JP 2014096956A JP 2012248180 A JP2012248180 A JP 2012248180A JP 2012248180 A JP2012248180 A JP 2012248180A JP 2014096956 A JP2014096956 A JP 2014096956A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power transmission
electrode
electronic device
electrodes
coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012248180A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Kitada
貴司 北田
Futoshi Deguchi
太志 出口
Kazuhiro Eguchi
和弘 江口
Tadashi Maki
直史 牧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2012248180A priority Critical patent/JP2014096956A/ja
Publication of JP2014096956A publication Critical patent/JP2014096956A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】送電コイルまたは受電コイルに対向する位置に置かれた異物のサイズが小さくとも、異物を高精度に検出することが可能な電力伝送装置、電子機器、並びにワイヤレス電力伝送システムを提供すること。
【解決手段】他の電子機器を載置する電子機器載置面を有し、前記電子機器にワイヤレス電力伝送を行う電力伝送装置において、前記電子機器載置面に載置された前記電子機器に電力を伝送する磁界を発生させる送電コイルと、前記送電コイルに対向し、互いに間隔を置いて配置される複数の第1電極と、前記複数の第1電極のうち、いずれかとコンデンサを形成する複数の第2電極と、前記複数の第1電極に順次所定の信号を印加して駆動する駆動部と、前記第1電極と前記第2電極との間の容量を計測する計測部と、を備え、前記計測部は計測された前記容量に基づいて、前記電子機器載置面上における異物を検出する。
【選択図】図4

Description

本発明は、電子機器に搭載された二次電池を充電するなどの用途で、電子機器とワイヤレスないし非接触の状態で給電を行う電力伝送装置、この電力伝送装置によって電力供給を受ける電子機器、ならびに電力伝送装置と電子機器によって構成されるワイヤレス電力伝送システムに関するものである。
携帯電話などの二次電池を備えた電子機器では、二次電池の充電を行うために、電子機器と充電器とを各々の端子を介して電気的に接続して、充電器から電子機器に電力を供給するようにしたものが一般的であるが、電力伝送装置と電子機器とにそれぞれ送電用と受電用のコイルを設けて、電磁誘導方式により電力伝送装置から電子機器にワイヤレスで電力伝送を行う技術が知られている(特許文献1〜3)。これによると、電気的な接続のための端子が露出しないため、防水性の確保が容易であり、また、接触不良や劣化の問題に配慮する必要がなく、また、電力伝送装置と電子機器の着脱を容易に行うことができるなどの利点が得られる。
ワイヤレス電力伝送は送電コイルを実装したトレイやドック状等の電力伝送装置に、受電コイルを備えた電子機器を載置、装着することで行われるが、このとき送電コイルを実装したトレイに異物が置かれたり、受電コイルを実装した電子機器に異物が付着したり、電力伝送装置と電子機器の間に異物が入り込むことがある。このような異物としては、例えばステープラの針といった金属(導体)や、欠け落ちた消しゴム片といった樹脂(絶縁体)など様々なものが考えられる。そして、このような異物が送電コイルに対向する位置に存在することにより、例えば異物が導体であれば異物が発熱するおそれがある。また、異物が絶縁体であっても、異物が電力伝送装置と電子機器の間に介在することで送電コイルと受電コイルの間隔が開き、電磁誘導の結合係数が低下することで、結果として電力伝送効率が低下する場合がある。
このようにワイヤレス電力伝送における異物の存在は、発熱や電力伝送効率の低下をもたらすことから、異物を的確に検出して、これをユーザに通知する技術が求められている。電力伝送装置の送電コイル近傍に存在する異物を検出するものとして、例えば、電力伝送装置を構成するトレイに異物が置かれた際の静電容量変化を検出して、異物の有無を判定する技術が知られている(特許文献4)。
特開2006−42519号公報 特開2010−16235号公報 特開2008−172873号公報 特開2012−90374号公報
しかしながら、特許文献4に開示された構成では、静電容量を計測する電極はトレイ全体に分散配置されているものの、これらの電極は2つの群として構成され、この2群の電極に交流を印加してトレイ全体の静電容量を検出している。このとき、例えばステープラの針のような微小な異物がトレイに置かれたとすると、これによって変化する静電容量は、トレイ全体の静電容量と比較してごく僅かであるため、実質的に異物の検出が困難になるという課題があった。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するべく案出されたものであり、その主な目的は、送電コイルまたは受電コイルに対向する位置に置かれた異物のサイズが小さくとも高精度に検出することが可能な電力伝送装置、電子機器、並びにワイヤレス電力伝送システムを提供することにある。
本発明の電力伝送装置は、他の電子機器を載置する電子機器載置面を有し、前記電子機器にワイヤレス電力伝送を行う電力伝送装置において、前記電子機器載置面に載置された前記電子機器に電力を伝送する磁界を発生させる送電コイルと、前記送電コイルに対向し、互いに間隔を置いて配置される複数の第1電極と、前記複数の第1電極のうち、いずれかとコンデンサを形成する複数の第2電極と、前記複数の第1電極に順次所定の信号を印加して駆動する駆動部と、前記第1電極と前記第2電極との間の容量を計測する計測部と、を備え、前記計測部は計測された前記容量に基づいて、前記電子機器載置面上における異物を検出する構成としたものである。
また、本発明のワイヤレス電力伝送システムは、電子機器に電力を伝送する磁界を発生する送電コイルと、前記電子機器に設けられた受電コイルと、前記送電コイルと前記受電コイルの間に、互いに間隔を置いて配置される複数の第1電極と、前記第1電極のうち、いずれかとコンデンサを形成する複数の第2電極と、前記複数の第1電極に順次所定の信号を印加して駆動する駆動部と、前記第1電極と前記第2電極との間の容量を計測する計測部と、を備え、前記計測部は計測された前記容量に基づいて前記送電コイルと前記受電コイルの間における異物を検出する構成としたものである。
また、本発明の電子機器は、他の電力伝送装置に載置される被載置面を有し、前記電力伝送装置からワイヤレス電力伝送を受ける電子機器において、前記電力伝送装置から発せられた磁界を電力に変換する受電コイルと、前記受電コイルの前記被載置面側に対向し、互いに間隔を置いて配置される複数の第1電極と、前記第1電極のうち、いずれかとコンデンサを形成する複数の第2電極と、前記複数の第1電極に順次所定の信号を印加して駆動する駆動部と、前記第1電極と前記第2電極との間の容量を計測する計測部と、を備え、前記計測部は計測された前記容量に基づいて前記受電コイルの前記被載置面上における異物を検出する構成としたものである。
本発明によれば、他の電子機器を載置する電子機器載置面を有し、前記電子機器にワイヤレス電力伝送を行う電力伝送装置において、前記電子機器載置面に載置された前記電子機器に電力を伝送する磁界を発生させる送電コイルと、前記送電コイルに対向し、互いに間隔を置いて配置される複数の第1電極と、前記複数の第1電極のうち、いずれかとコンデンサを形成する複数の第2電極と、前記複数の第1電極に順次所定の信号を印加して駆動する駆動部と、前記第1電極と前記第2電極との間の容量を計測する計測部と、を備え、前記計測部は計測された前記容量に基づいて、前記電子機器載置面上における異物を検出する構成としたため、第1電極と第2電極との間に形成される全てのコンデンサの静電容量が、個々に正確に計測されることから、異物のサイズが小さくとも異物を高精度に検出することが可能となる。
第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの全体構成図 (a),(b)は第1実施形態に係る電力伝送装置と電子機器の断面図 第1実施形態に係る異物検出部の全体構成図 第1実施形態に係る異物検出部における電極部と計測部の概略構成図 第1実施形態に係る計測部における送信電極駆動部の概略構成図 第1実施形態に係る計測部における受信部の概略構成図 第1実施形態に係る計測部における受信信号処理部の構成を示す構成図 (a)は第1実施形態において異物が存在しない場合の電極交点近傍の平面図、同(b)は異物が存在しない場合の電極交点近傍の断面図、同(c)は電力伝送装置1のハウジング上に異物(導体)が存在する場合の電極交点近傍の断面図、同(d)は異物(導体)が存在する場合の電極交点の等価回路 (a)は第1実施形態において電力伝送装置のハウジング上に異物(絶縁体)が存在する場合の電極交点近傍の断面図、同(b)は異物(絶縁体)の有無と電気力線の関係を示す説明図 (a),(b),(c)は第1実施形態において異物の有無による複数の送信,受信電極の交点の静電容量変化を示す説明図 (a),(b),(c)は第1実施形態において給電を受ける電子機器の側に異物が付着していた場合の、異物検出過程を説明する説明図 第1実施形態に係る送信電極と受信電極の構成の変形例1の説明図 第1実施形態に係る送信電極と受信電極の構成の変形例2の説明図 第1実施形態に係る送信電極と受信電極の構成の変形例3の説明図 第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの概略斜視図 第2実施形態に係る電力伝送装置機能を備えたディスプレイ装置の概略構成図 第2実施形態における送信電極の構成図 (a),(b)は第2実施形態における送信電極の他の構成図 第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送システムの断面図 第4実施形態に係る電力伝送装置における異物検出部の概略構成図
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、他の電子機器を載置する電子機器載置面を有し、前記電子機器にワイヤレス電力伝送を行う電力伝送装置において、前記電子機器載置面に載置された前記電子機器に電力を伝送する磁界を発生させる送電コイルと、前記送電コイルに対向し、互いに間隔を置いて配置される複数の第1電極と、前記複数の第1電極のうち、いずれかとコンデンサを形成する複数の第2電極と、前記複数の第1電極に順次所定の信号を印加して駆動する駆動部と、前記第1電極と前記第2電極との間の容量を計測する計測部と、を備え、前記計測部は計測された前記容量に基づいて、前記電子機器載置面上における異物を検出する構成とした電力伝送装置である。
これによって、第1電極と第2電極との間に形成される全てのコンデンサの静電容量が、個々に正確に計測されることから、異物のサイズが小さくとも異物を高精度に検出することが可能となる。
また、第2の発明は、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極とは交差するように配置され、前記計測部は、前記第1電極と前記第2電極の交点の容量に基づいて、異物の位置を特定するようにしたものである。
これによって、電極マトリクスを構成する個々の電極交点の静電容量に基づいて重み付け演算をすることで、単に異物の有無だけでなく、異物の位置をも特定できるようになり、特に電力伝送装置が大型化した際に、異物の位置をユーザに通知することが可能となる。
また、第3の発明は、前記複数の第1電極は前記複数の第2電極と交互に配置され、前記計測部は、隣り合う前記第1電極および前記第2電極間の容量に基づいて、異物の位置を特定するようにしたものである。
これによって、同一の方向に間隔を置いて第1電極と第2電極を交互に配列した構成において、隣接する第1電極と第2電極の間の静電容量を個々に計測できるため、電力伝送装置の送電コイルに対向する位置に微小な異物が置かれたり、付着した場合であっても、高精度に当該異物を検出することができる。
また、第4の発明は、前記送電コイルと、前記第1電極及び第2電極を備える電極シートとを収納するとともに、前記電子機器載置面を備えるハウジングと、を更に有し、前記ハウジング内において、前記電子機器載置面から近い順に前記電極シートと前記送電コイルを重畳して配置するようにしたものである。
これによって、電子機器載置面に電子機器が載置された場合のみならず、電子機器が載置されていない場合であっても、電子機器載置面上の異物を検出することができる。
また、第5の発明は、前記送電コイルを収納するハウジングと、前記第1電極及び第2電極を備えると共に、前記電子機器載置面を形成する電極シートと、を更に有し、前記電極シートは、前記ハウジングを介して前記送電コイルに重畳して配置するようにしたものである。
これによって、電子機器載置面に電子機器が載置された場合のみならず、電子機器が載置されていない場合であっても、電子機器載置面上の異物を検出することができる。
また、第6の発明は、前記電極シートは、前記第1または第2電極がL1wの間隔で配置される第2領域と、前記第1または第2電極が前記L1wよりも小さいL1nの間隔で配置される第1領域と、を有し、前記第1領域の少なくとも一部は、前記送電コイルと対向しないように構成したものである。
これによって、ユーザの使用頻度が高い領域の電極の配置間隔を小さくし、この領域における位置検出の分解能が高く設定することで、小さな異物も高精度で検出できる。
また、第7の発明は、前記電極シートは、前記第1または第2電極の幅がL2wで形成される第2領域と、前記第1または第2電極の幅が前記L1wよりも小さいL2nで形成される第1領域と、を有し、前記第1領域の少なくとも一部は、前記送電コイルと対向しないように構成したものである。
これによって、ユーザの使用頻度が高い領域の電極の幅を小さくし、この領域における電極交点の静電容量を小さくしたため、微小な異物が置かれた際の静電容量変化が小さくても、当初の電極交点の静電容量からの変化率は大きくなるため異物の検出精度を高めることができる。
また、第8の発明は、映像を表示するとともに、前記電子機器載置面を形成する表示面と、前記表示面の周囲に設けられ前記送電コイルを備える額縁領域と、を更に備え、前記電極シートを、前記第1および第2電極の個々の電極を導電性の細線を編んで構成したものである。
これによって、ディスプレイ装置に本発明のワイヤレス電力伝送システム又は電力伝送装置を応用した際に、第1電極及び第2電極とディスプレイ装置の画素マトリクスが干渉して発生する表示画面のモアレを抑制することができる。
また、第9の発明は、前記導電性の細線を編んで構成した電極を、前記第1電極及び第2電極の延伸方向における電気的導通を保ちつつ、部分的に切除して構成したものである。
これによって、ディスプレイ装置の表示面の額縁に送電コイルを設けて構成したワイヤレス電力伝送システム又は電力伝送装置において、第1電極及び第2電極とディスプレイ装置の画素マトリクスが干渉して発生する表示画面のモアレを抑制しつつ、電極内で発生する渦電流を抑制して高効率なワイヤレス電力伝送を実現することができる。
また、第10の発明は、映像を表示するとともに、前記電子機器載置面を形成する表示面と、前記表示面の周囲に設けられ前記送電コイルを備える額縁領域と、を更に備え、前記電極シートは、前記第1または第2電極の個々の電極を複数の導電性の細線で構成されるとともに、前記導電性の細線の少なくとも一部が、前記第1および第2電極の延伸方向に対して所定の角度を有するように構成したものである。
これによって、ディスプレイ装置に本発明のワイヤレス電力伝送システム又は電力伝送装置を応用した際に、ディスプレイ装置において、第1電極及び第2電極とディスプレイ装置の画素マトリクスが干渉して発生する表示画面のモアレを抑制することができる。
また、第11の発明は、前記計測部は、前記駆動部によって前記第1電極に印加された信号に応じて前記第2電極で発生する充放電電流を計測し、前記充放電電流値に基づいて前記第1電極と第2電極間の電極交点の容量を計測し、更に、前記計測部は、計測した前記容量の変化に基づいて異物の有無または異物の存在する位置を検出するようにしたものである。
これによって、静電容量は充放電電流と精度よく対応することから、計測した充放電電流値に基づいて送信電極、受信電極間の電極交点の静電容量を正確に計測でき、異物の有無または異物の存在する位置を高精度に特定することができる。
また、第12の発明は、前記電子機器載置面に前記電子機器が載置されたか否かを検出する電子機器検知部と、電力伝送の実行を制御する送電制御部とを更に備え、前記電子機器検知部において、前記電子機器が載置された状態を検出した場合、前記計測部は電力伝送を開始する前に異物の有無を検出し、前記計測部が異物を検出しなかった場合、前記送電制御部は電力伝送を実行し、前記計測部が異物を検出した場合、前記送電制御部は電力伝送を保留するように構成したものである。
これによって、電力伝送装置と電子機器の間に異物が存在しない場合は電力伝送を行い、一方、異物が存在して発熱や伝送効率低下をもたらすおそれがある場合は、電力伝送を保留することができる。
また、第13の発明は、前記電子機器載置面に前記電子機器が載置されたか否かを検出する電子機器検知部を更に備え、前記電子機器検知部において、前記電子機器が載置されていない状態を検出した場合、前記計測部は所定の周期で異物の有無を検出し、前記電子機器検知部で前記電子機器が載置された状態を検出した場合、前記計測部は、一度異物の有無を検出した後は、次に前記電子機器が載置されていない状態を検出するまで、異物の検出を保留するように構成したものである。
これによって、電力伝送装置と電子機器の状態に応じて異物検出を的確に実行し、無駄な電力消費を抑えることができる。
また、第14の発明は、電子機器に電力を伝送する磁界を発生する送電コイルと、前記電子機器に設けられた受電コイルと、前記送電コイルと前記受電コイルの間に、互いに間隔を置いて配置される複数の第1電極と、前記第1電極のうち、いずれかとコンデンサを形成する複数の第2電極と、前記複数の第1電極に順次所定の信号を印加して駆動する駆動部と、前記第1電極と前記第2電極との間の容量を計測する計測部と、を備え、前記計測部は計測された前記容量に基づいて前記送電コイルと前記受電コイルの間における異物を検出するように構成したワイヤレス電力伝送システムである。
これによって、第1電極と第2電極との間に形成される全てのコンデンサの静電容量が、個々に正確に計測されることから、ワイヤレス電力伝送システム、即ち電力伝送装置とこれから給電を受ける電子機器の間に微小な異物が置かれたり、逆に電子機器の側に微小な異物が付着した状態で、電力伝送装置の電力伝送用のトレイ等に電子機器を載置した場合であっても、高精度に当該異物を検出することができる。
また、第15の発明は、他の電力伝送装置に載置される被載置面を有し、前記電力伝送装置からワイヤレス電力伝送を受ける電子機器において、前記電力伝送装置から発せられた磁界を電力に変換する受電コイルと、前記受電コイルの前記被載置面側に対向し、互いに間隔を置いて配置される複数の第1電極と、前記第1電極のうち、いずれかとコンデンサを形成する複数の第2電極と、前記複数の第1電極に順次所定の信号を印加して駆動する駆動部と、前記第1電極と前記第2電極との間の容量を計測する計測部と、を備え、前記計測部は計測された前記容量に基づいて前記受電コイルの前記被載置面上における異物を検出するよう構成した電子機器である。
これによって、第1電極と第2電極との間に形成される全てのコンデンサの静電容量が、個々に正確に計測されることから、電子機器の受電コイルに対向する位置(被載置面上)に微小な異物が置かれたり、逆に電力伝送装置の側に微小な異物が付着した状態で、電力伝送装置の電力伝送用のトレイ等に電子機器を載置した場合であっても、高精度に当該異物を検出することができる。
また、第16の発明は、他の電子機器を載置する電子機器載置面を画定し、前記電子機器にワイヤレス電力伝送を行う電力伝送装置において、前記電子機器載置面に載置された前記電子機器に電力を伝送する磁界を発生させる送電コイルと、前記送電コイルの前記電子機器載置面側に対向して配置され、互いに間隔を置いて平行に延伸する複数の第1電極と、前記第1電極と絶縁して配置され、前記第1電極の間に前記第1電極と互いに間隔を置いて並進するように配置された複数の第2電極と、前記複数の第1電極に一括して所定の信号を印加して駆動する駆動部と、前記複数の第2電極を走査して、隣接する前記第1電極と前記第2電極の間の静電容量を計測する計測部と、を備え、前記計測部は計測された前記静電容量に基づいて、前記送電コイルの前記電子機器載置面上における異物の有無を判定するよう構成した電力伝送装置である。
これによって、同一の方向に間隔を置いて第1電極と第2電極を交互に配列した構成において、一括して駆動した第1電極と、各第2電極の間の静電容量を、個々に計測できるため、電力伝送装置の送電コイルに対向する位置に微小な異物が置かれたり、付着した場合であっても、高精度に当該異物を検出することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム200の全体構成図である。
このワイヤレス電力伝送システム200は、電力伝送装置1から携帯電話、タブレット型端末、パーソナルコンピュータなどの受電機器としての電子機器2にワイヤレス(無接点)で電力伝送を行うものであり、電子機器2は、搭載された図示しない部品を動作させるための電力を供給する二次電池3を備え、電力伝送装置1から送られる電力で二次電池3の充電が行われる。
このワイヤレス電力伝送システム200では、電磁誘導により電力伝送を行うために、電力伝送装置1が送電コイル5を備え、電子機器2が受電コイル6を備えている。電力伝送装置1の送電コイル5に交流電力が供給されると、この送電コイル5が電子機器2の受電コイル6と磁気結合して、受電コイル6に交流電圧が誘起され、これにより交流電力が送電コイル5から受電コイル6に伝送される。
電力伝送装置1は、AC/DCコンバータ11と、送電制御部12と、送電回路部13と、を有している。AC/DCコンバータ11では、電源(商用電源)8から供給される交流電力を直流電力に変換する。送電制御部12は、送電回路部13の動作を制御する。送電回路部13は、AC/DCコンバータ11から送電制御部12を介して送られる直流電力を所定の周波数の交流電圧に変換して送電コイル5に供給する。
送電制御部12は、制御回路14と、電圧監視部15と、温度監視部16と、を有している。制御回路14は、送電回路部13の動作を制御する。電圧監視部15は、送電回路部13から送電コイル5に供給される交流電力の電圧を監視する。温度監視部16は、送電コイル5の温度を監視する。この電圧監視部15および温度監視部16で電圧および温度の異常が検知されると、送電コイル5への給電が停止される。なお、後に詳細に説明するが、第1実施形態の電力伝送装置1は異物検出部50を備えており、異物検出部50で異物を検出したときも、送電制御部12は送電コイル5への給電を停止する。
送電回路部13は、ドライバ17と、共振回路18と、を有している。ドライバ17は、AC/DCコンバータ11から送電制御部12を介して送られる直流電力を所定の周波数の交流電圧に変換する。共振回路18は、内部のコンデンサと送電コイル5とにより共振回路を構成し、ドライバ17から印加される交流電圧に応じて110k〜205k[Hz]程度の共振周波数で送電コイル5を発振させる。これによって、送電コイル5は交流磁界を発生する。
電子機器2は、受電回路部21と、受電制御部22と、充電制御回路23と、を有している。受電回路部21は、電力伝送装置1の送電コイル5との間での電磁誘導により受電コイル6に誘起された交流電流を所定の電圧の直流電力に変換する。受電制御部22は、受電回路部21の動作を制御する。充電制御回路23は、受電回路部21から受電制御部22を介して送られる電力を二次電池3に供給して二次電池3の充電を行う。
受電回路部21は、整流回路24と、レギュレータ25と、を有している。整流回路24は、受電コイル6に誘起された交流電力を直流電力に変換する。レギュレータ25は、整流回路24から送られる直流電力を、二次電池3の充電に適合する所定の電圧に変換する。
受電制御部22は、制御回路26と、電圧監視部27と、を有している。制御回路26は、受電回路部21の動作を制御する。制御回路26は、受電回路部21の動作を制御する。電圧監視部27は、受電コイル6に誘起される交流電力の電圧を監視する。この他、受電制御部22は、電子機器2に搭載された機器の状態、例えば、受電コイル6の温度や、二次電池3の充電状態等を監視し、異常が検知されると、受電動作を停止する。
また、第1実施形態では、電力伝送装置1に、その電子機器載置面上に電子機器2が載置されたことを検知する電子機器検知部31が設けられている。この電子機器検知部31の検知結果に基づいて、電力伝送装置1の送電動作が制御される。すなわち、電子機器載置面上に電子機器2が載置されると、送電コイル5への交流電力の供給を開始し、電子機器2が電力伝送装置1から離れると、送電コイル5への交流電力の供給を停止する。
この電子機器検知部31では、電子機器2の受電コイル6が電力伝送装置1の送電コイル5に近接することで負荷インピーダンスが変化することにより送電コイル5に生じる電圧値(または電流値)の変動に基づいて、電子機器2が電子機器載置面上に載置されたことを検知する。このとき、送電コイル5の電圧値(または電流値)の変動量を予め設定されたしきい値と比較して、電子機器2が電子機器載置面上に載置されたか否かの判定を行えばよい。
また、第1実施形態では、電子機器2にも、自身が電力伝送装置1の電子機器載置面上に載置されたことを検知する電力伝送装置検知部41が設けられている。この電力伝送装置検知部41の検知結果に基づいて、電子機器2の受電動作が制御される。
この電力伝送装置検知部41では、電子機器2の受電コイル6が電力伝送装置1の送電コイル5に近接することで負荷インピーダンスが変化することにより受電コイル6に生じる電圧値(または電流値)の変動に基づいて、電子機器2が電子機器載置面上に載置されたことを検知する。このとき、受電コイル6の電圧値(または電流値)の変動量を予め設定されたしきい値と比較して、電子機器2が電子機器載置面上に載置されたか否かの判定を行えばよい。
また、第1実施形態では、電力伝送装置1および電子機器2がそれぞれ情報送受信部32,42を備えており、電力伝送装置1と電子機器2との間で送電コイル5および受電コイル6を介して所要の情報を送受信する情報伝送ができるようになっている。なお、この情報伝送は、単純なビット通信でもあってもよいし、コード化通信であってもよい。
電力伝送装置1および電子機器2の各情報送受信部32,42はそれぞれ、情報を含む信号の変復調を行う変復調回路33,43を有している。この変復調回路33,43では、送信元の変復調回路33,43で生成した変調信号が、送電コイル5および受電コイル6を介して送信先に送られ、送信先では、送電コイル5または受電コイル6の出力から取り出された変調信号を変復調回路33,43で復調して送信情報を取得する。
ここで、電力伝送装置1から電子機器2に情報を送信する場合、情報送受信部32から出力される変調信号を送電回路部13で電力伝送用の交流信号に重畳することで、電力伝送と同時に情報送信を行うことができる。また、電力伝送が行われていないときに情報伝送を行うようにしてもよい。なお、電子機器2の受電回路部21は、図示しない情報伝送用のドライバおよび共振回路を備えており、これらを駆動して情報送受信部42から出力される変調信号を電力伝送装置1に向けて送信する。
ここで電力伝送装置1と電子機器2との間でやりとりされる情報としては、電力伝送装置1および電子機器2の各々の状態に関する状態情報である。状態情報として、例えば二次電池3の充電中に、二次電池3の充電状態に関する情報を電子機器2から電力伝送装置1に送信し、二次電池3の充電が必要な場合は電力伝送を継続し、二次電池3の充電が完了すると電力伝送を停止する。また、状態情報として、温度や電圧などの情報を電力伝送装置1と電子機器2との間でやりとりし、状態情報が異常を示しているときにも電力伝送を停止する制御を行う。なお、この状態情報には、後に詳細に説明する異物検出部50による異物有無の判定結果が含まれる。これによって、電力伝送装置1の異物検出部50によって、電力伝送装置1の電子機器載置面67(図2参照)に異物が存在する旨を検出した場合は、この状態情報を電子機器2に送信し、電子機器2(例えばタブレット端末)の画面に表示することができる。
また、第1実施形態では、電力伝送装置1および電子機器2がそれぞれ認証部34,44を備えており、電力伝送装置1と電子機器2との間で相互認証が行われる。電力伝送装置1および電子機器2では、各々が備える情報送受信部32,42により、相互認証に用いられる電力伝送装置1および電子機器2の各識別情報などの認証情報がやりとりされ、この認証情報に基づいて認証部34,44において互いに相手方の認証を行う。
この相互認証は、電力伝送装置1から電子機器2への電力伝送を開始する際に行われる。すなわち、電力伝送装置1および電子機器2がそれぞれ、電力伝送装置1の電子機器載置面上に電子機器2が載置されたことを検知すると、電力伝送装置1と電子機器2と間で識別情報をやりとりして、互いに相手方の認証を行う。この相互認証が成功すると、電力伝送装置1から電子機器2への電力伝送が開始される。相互認証が失敗したときは電力伝送が行われない。
さて、第1実施形態では、ワイヤレス電力伝送が行われる空間、より具体的には電力伝送装置1において送電コイル5と対向する部位(具体的には電子機器載置面67(図2参照))に、異物が存在するか否かを検出する異物検出部50が設けられている。
ここでいう異物には、例えばステープラの針やクリップのように主に金属(導体)で構成されるものや、消しゴムの消しかすのように主に樹脂(絶縁体)で構成されるものが含まれる。このような異物が電力伝送装置1と電子機器2の間に介在すると、異物が導体であれば、渦電流が発生していわゆるインダクションヒーティング(IH)によって発熱のおそれがある。異物が絶縁体であったとしても、電磁誘導による電力伝送は距離の依存度が大きいため、異物が介在することで伝送効率が劣化するおそれがある。
異物検出部50は、電極部51と計測部52とを含み、計測部52によって異物ありと判断された場合は、その旨が表示部53に表示される。もっとも、表示部53は文字を表示する必要はなく、例えばLED等を点灯させるようにしてもよい。
さて、上述したように第1実施形態の電力伝送装置1は、電子機器検知部31を備えており、電子機器2の受電コイル6が電力伝送装置1の送電コイル5に近接すること、即ち電子機器2が電力伝送装置1の電子機器載置面67(図2参照)に載置されたか否かを検出できる。更に、第1実施形態の電力伝送装置1は、電力伝送の実行を制御する送電制御部12を備える。電子機器検知部31は、電子機器2が載置された状態を検出した場合、計測部52は電力伝送を開始する前に異物の有無を検出する。更に、計測部52が異物を検出しなかった場合、送電制御部12は電力伝送を実行し、計測部52が異物を検出した場合、送電制御部12は電力伝送の実行を保留するとともに、計測部52はユーザに異物の存在を、例えば表示部53を用いて報知するようにしてもよい。
また、電子機器検知部31は、電子機器載置面67に電子機器2が載置されていない状態を検出した(載置された状態を検出しない)場合、計測部52は所定の周期で異物の有無を検出する。その後、電子機器検知部31で電子機器2が載置された状態を検出した場合、計測部52は、一度異物の有無を検出した後は、次に電子機器2が載置されていない状態を検出するまで、異物の検出を保留するようにしてもよい。このようにすることで、電力伝送装置1と電子機器2の状態に応じて異物検出を的確に実行し、無駄な電力消費を抑えることができる。
図2(a),(b)は、第1実施形態に係る電力伝送装置1と電子機器2の断面図である。
図2(a)では、電力伝送装置1と対向する位置に電子機器2が配置され、ワイヤレス電力伝送が可能な状態が示されている。電力伝送装置1から給電を受ける電子機器2は、電力伝送装置1のハウジング63の外面に設けられた電子機器載置面(載置面)67上に載置される。電力伝送装置1のハウジング63内においては、少なくとも異物検出部50を構成する電極部51と送電コイル5が収納され、電子機器載置面67から近い順に電極部51と送電コイル5が重畳して配置されている。換言すると、電極部51は電子機器載置面67と送電コイル5との間に配置される。更に、電極部51は電子機器載置面67と対向してハウジング63の内面に接するように、表現を変えれば、送電コイル5に対して電子機器載置面67の側に対向して配置される。
また、図2(b)では、電極部51は電力伝送装置1のハウジング63の外面に接するように配置されており、結果的に電極部51によって電子機器載置面67を画定するとともに、ハウジング63を介して電極部51と送電コイル5を重畳して配置されている。後に説明するように、電極部51は3層構造を有しており(図3参照)、その表面は絶縁体で被覆されているから、図2(b)で示すようにハウジング63の外面に直接配置することができる。
なお、図2(a),(b)に開示する異物検出部50を電力伝送の実行の有無にかかわらず、単独で動作させてもよい。これにより、電子機器載置面67に電子機器2が載置された場合のみならず、電子機器2が載置されていない場合であっても、電子機器載置面67上の異物を検出することができる。なお、後に詳細に説明するように、第1実施形態の電力伝送装置1は、異物検出部50における静電容量の変化に基づき異物の有無を判定するから、異物が電子機器載置面67と接して置かれた場合に限らず、電子機器載置面67と対向する空間領域(図2によれば、電子機器載置面67の上方)に存在していても検出することが可能である。
電力伝送装置1の送電コイル5は、線状導体に絶縁層を被覆してなる絶縁電線を複数本集合させた集合電線61を略円形の渦巻状に巻回して形成された平面コイルである(図1参照)。送電コイル5の両端は送電回路部13(図1参照)に電気的に接続される。送電コイル5は、電極部51を挟んで送電装置1のハウジング63の内面に対向して配置され、送電コイル5におけるハウジング63に対向する面と相反する側には送電コイル5の全面を覆うように磁性シート64が設けられている。
電子機器2の受電コイル6は、送電コイル5と同様に、線状導体に絶縁層を被覆してなる絶縁電線を複数本集合させた集合電線61を略円形の渦巻状に巻回して形成された平面コイルである。受電コイル6の両端は受電回路部21(図1参照)に電気的に接続される。この受電コイル6は、電子機器2のハウジング65の内面に接するように配置され、受電コイル6におけるハウジング65に接する面と相反する側には受電コイル6の全面を覆うように磁性シート66が設けられている。
このような構成では、送電装置1のハウジング63に設けられた電子機器載置面67に電子機器2を載置することで、送電コイル5と受電コイル6とが異物検出部50、ハウジング63,65を介して近接するため、送電コイル5から発生する磁束が受電コイル6に鎖交し、送電コイル5と受電コイル6とが磁気結合して、交流電力が送電コイル5から受電コイル6に伝送される。
なお、図2においては送電コイル5を電子機器載置面67にほぼ平行に配置しているが、ワイヤレス電力伝送では結果的に、送電コイル5と給電を受ける電子機器2の受電コイル6との間に磁気結合が存在すれば給電が可能であり、送電コイル5と電子機器載置面67の位置関係は磁気結合の存在を前提として任意に変形しうる。例えば、送電コイル5を電子機器載置面67に対して傾斜して設けてもよく、また電子機器載置面67の表面に凹凸を設けてもよい。また、送電コイル5および受電コイル6の形状は円形でも多角形でもよく、特に限定するものではない。
図3は、第1実施形態に係る異物検出部50の全体構成図、図4は、第1実施形態に係る異物検出部50における電極部51と計測部52の概略構成図である。
図3および図4に示すように、異物検出部50は電極部51と計測部52から構成されている。以降、図3と図4を用いて、異物検出部50の電極部51について詳細に説明する。
電極部51は、所定の方向(x方向)に互いに間隔を置いて平行に延伸する複数の送信電極(第1電極)71と、送信電極71と交差する方向(y方向)に互いに間隔を置いて平行に延伸する複数の受信電極(第2電極)72を備える。送信電極71と受信電極72は、例えばPET(Polyethylene terephthalate)シート上に形成され、それぞれ送信電極シート73aと受信電極シート73bを構成する。これら送電電極シート73aと受信電極シート73bは合成樹脂材料で形成された支持シート75の表裏各面にそれぞれ接着されており、この支持シート75と送信電極シート73a及び受信電極シート73bとが一体化されて電極部(電極シート)51を構成している。なお、電極シート51の構造としては、上述した構成の他に、例えば支持シート75の両面に送信電極71と受信電極72を直接形成し、この電極形成面を絶縁材料で被覆してもよい。
送信電極71及び受信電極72は例えば0.2mmの幅(L2)で、2mm間隔(L1)で電極シート73aと受信電極シート73b上に形成される。従って2本の電極間には1.8mmの間隔が設けられている。このように送信電極71及び受信電極72を細線化することで、電極内における渦電流の発生が抑制され、ワイヤレス電力伝送の効率低下が防止される。また、送信電極71と受信電極72が構成する電極マトリクスには複数の開口部76が形成されるが、上述した電極の幅(L2)と間隔(L1)によれば、x,y方向において電極の空間占有率は0.2/2=0.1であるから、xy面では0.9×0.9=0.81の開口率を有している。送電コイル5(図2参照)によって発生される磁界は、この開口部を抜けて受電コイル6に到達する。従って、これら送信電極71及び受信電極72を細線化することは、電力伝送効率の向上に有効である。なお、図4では送信電極71、受信電極72の本数は5本ずつとして描かれているが、電力伝送装置に要求されるサイズに応じて適宜変更してよく、また、電極幅や電極の配置間隔も変更しても構わない。
さて、この送信電極71及び受信電極72は、電極形成材料を所定のパターンで送信電極シート73aと受信電極シート73bに付着させて、電極形成材料の硬化を促進するベイク処理を施すことで形成される。電極形成材料を送信電極シート73aと受信電極シート73bに付着させるには例えばスクリーン印刷法を用いるとよいが、この他に、インクジェット工法やノズルプリンティング工法も可能である。
なお、送信電極71及び受信電極72を形成する電極形成材料は、いわゆる導電性インクであり、金属パウダなどの導電性を付与する導電性フィラー、これを均一に分散させるためのバインダ樹脂、スクリーン印刷に適した流動性を得るための有機溶剤、付着状態を確認するための顔料などからなる。この電極形成材料には、導電性フィラーにAgを用いたAgペースト等を用いることができる。
ここで、支持シート75は、送信電極71と受信電極72との間に介在して両者を絶縁する絶縁層として機能し、絶縁性の高い合成樹脂材料にて形成される。この支持シート75の合成樹脂材料としてはPET(Polyethylene terephthalate)が好適である。また、支持シート75の厚さで、電極交点100に形成される容量成分の静電容量を管理することができる。支持シート75の厚さは例えば0.1〜0.2mm程度とすると良い。
以降、計測部52の構成と動作について詳細に説明する。
計測部52は、複数の送信電極71のうちから1つを選択して、個別に駆動可能にする送信電極選択部81と、選択された送信電極71に対して印加する駆動信号(パルス信号)を発生する送信パルス発生部82と、複数の受信電極72のうちから1つを選択し、選択された受信電極72から送信電極2に印加された駆動信号に応答した充放電電流信号を取り出す受信電極選択部83と、取り出された充放電電流信号を信号処理して静電容量を計測する受信信号処理部84と、送信パルス発生部82及び受信信号処理部84を制御する制御部85と、制御部85に含まれ、受信信号処理部84が計測した静電容量に基づいて、電力伝送装置1(送信コイル5)と対向する位置、あるいは電力伝送装置1と給電を受ける電子機器2の間の空間に異物が存在するか否かを判定する異物有無判定部86を備えている。なお、以降、送信電極選択部81と送信パルス発生部82を併せて送信電極駆動部(駆動部)87と、受信電極選択部83と受信信号処理部84を併せて受信部88と呼称する。
上述したように、送信電極71と受信電極72は、絶縁体である支持シート75(図3参照)を挟んでx,y方向に交差し、いわゆるマトリクス電極を構成している。この送信電極71と受信電極72とが交差する電極交点100にはコンデンサが形成され、対向する位置に異物が置かれると、これに応じて電極交点100の静電容量が増加することで、異物の有無を検出することができる。
特に第1実施形態では、相互容量方式が採用されている。相互容量方式では、送信電極71に駆動信号を印加すると、これに応答して受信電極72に充放電電流が流れる。このとき、異物の存在に応じて電極交点100の静電容量が変化すると、受信電極72の充放電電流が変化し、この充放電電流の変化量を受信信号処理部84で電極交点100ごとのレベル信号(ディジタル信号)に変換して制御部85に出力する。静電容量は充放電電流値と精度よく対応することから、送信電極駆動部87によって送信電極71に印加された信号に応じて受信電極72で発生する充放電電流を計測し、この充放電電流値に基づいて送信電極71、受信電極72間の電極交点の静電容量を計測することができる。
そして制御部85では、電極交点100ごとのレベル信号の変化に基づいて異物の存在有無が検出される。このように静電容量は個々の電極交点100単位に計測されており、電極交点100の静電容量はもともと小さいため、異物が置かれた場合の静電容量変化がたとえ小さくても、精度よく異物を検出することができる。即ち、微小な異物が置かれた場合であっても検出が可能となる。
更に制御部85は、受信信号処理部84から出力される電極交点100毎のレベル信号から所定の演算処理によって異物の位置(異物が存在する領域の中心座標)を求める。この異物の位置の演算では、x方向(送信電極71の延在方向)とy方向(受信電極72の延在方向)とでそれぞれ隣接する複数(例えば4×4)の電極交点100毎のレベル信号から所要の補間法(例えば重心法)を用いて異物の位置を求める。これにより、送信電極71及び受信電極72の配置ピッチより高い分解能で異物の位置を検出することができる。
このように、相互容量方式では、各電極交点100に対して周期的に走査が行われることから、電極交点100毎に異物の存在有無が検出可能で、しかも信号処理によって電極間隔より細かい精度で異物の位置が検出できる。即ち、結果的に異物検出部50と対向する空間の静電容量分布を精密に計測することができる。
このように複数の異物の位置を実質的に同時に計測できるため、例えば電力伝送装置1を大型化し、給電を受ける電子機器2よりも電子機器載置面67(図2参照)のサイズが大きく、電子機器載置面67の任意の領域で電力伝送が可能とした構成において、電力伝送装置1は電子機器載置面67上の異物が存在する位置(座標)を特定できる。このため、ユーザは、例えば異物を取り去るか、又は異物が付着等しておらず電力伝送効率が高い(即ち、短時間で電子機器に充電できる)領域を選んで電子機器2の充電ができることになる。なお、上述したように、電力伝送装置1は電子機器2に状態情報を送信することが可能であるから、電力伝送装置1は電子機器載置面67上において異物を検出した座標を電子機器2に送信し、電子機器2で当該座標情報を電子機器載置面67のグラフィックイメージ(予め準備しておけばよい)と重ねて表示すれば、ユーザは電子機器2の充電に際して、異物が存在する位置を確実に回避できる。
さて、計測部52は送電制御部12とも接続されており、これによって例えば異物が検出された場合、送電制御部12は電力伝送を停止する等の措置をとることができる。また、異物有無判定部86の判定結果は表示部53に出力され、判定結果に応じた表示が行われる。
図5は、第1実施形態に係る計測部52における送信電極駆動部87の概略構成図である。
送信電極駆動部87は送信パルス発生部82と送信電極選択部81とを備えている。送信パルス発生部82では、制御部85から出力されるタイミング信号に同期してパルス信号(駆動信号)を生成する。送信電極選択部71では、送信電極71ごとにスイッチング素子が接続されており、送信電極71を1本ずつ選択して、送信パルス発生部82から出力されるパルス信号を送信電極71に順次印加する。この送信電極の選択動作は、例えば全ての送信電極72の走査が200msで一巡するタイミングで連続して(サイクリックに)行われる。
送信電極選択部81によって選択された1つの送信電極71に対して、パルス信号として例えば5〜10発程度の方形波が連続して出力される。このパルス信号の周波数は3M〜5M[Hz]に設定されている。上述したように、電力伝送装置1の送信コイル5(図1参照)の駆動周波数は110k〜205k[Hz]とされているから、相互の干渉が防止される。即ち、ワイヤレス電力伝送を行うことにより、異物検出の精度が損なわれることはなく、逆に、異物検出を行うことでワイヤレス電力伝送の効率が低下しないようにされている。
図6は、第1実施形態に係る計測部52における受信部88の概略構成図である。
受信部88は、受信電極選択部83と受信信号処理部84とを備えている。受信電極選択部83では、受信電極72ごとにスイッチング素子が接続されており、送信電極71(図5参照)の1本にパルス信号を印加した後、制御部85は受信電極72を1本のみ選択して、受信電極72からの充放電電流信号を受信信号処理部84に順次入力させる。即ち、制御部85は全ての受信電極72について周期的に走査を行う。送信電極71と受信電極72の全ての組み合わせ(電極マトリクスを構成する全ての電極交点)についてこれを繰り返すことで、全ての電極交点100ごとの充放電電流信号を取り出すことができる。
受信電極72及び受信電極選択部83のスイッチング素子SWは、所定数(例えば24本)ごとにグループ化され、各グループに属するスイッチング素子SWの互いに対応するもの同士が並行してオン/オフ制御される。また、グループごとに受信信号処理部84が設けられている。各グループではスイッチング素子SWが1つずつ順にオンとなるように制御され、残りのスイッチング素子SWはオフに制御されており、スイッチング素子SWをオンとすることで選択された1本の受信電極72の充放電電流信号が受信信号処理部83に入力される。
このように、スイッチング素子SWのスイッチング動作が複数のグループ間で並行して行われるため、全ての受信電極72の充放電電流信号を受信するのに要する時間を短縮することができる。また、受信部88での充放電電流信号の処理をグループごとに分割して行うことができるため、ハードウェア構成の大型化を抑えることができる。
もっとも、電力伝送装置1のサイズが小さく、受信電極72の本数が少ない場合は、上述したような並列処理は不要であり、受信電極72のグループを1つとし、受信信号処理部84も1つとして構成すればよい。
図7は、第1実施形態に係る受信信号処理部84の概略構成図である。
受信信号処理部84は、IV変換部91と、バンドパスフィルタ92と、絶対値検出部93と、積分部94と、サンプルホールド部95と、AD変換部96とを備えている。
IV変換部91では、受信電極選択部83のスイッチング素子SWを介して入力される受信電極72の充放電電流信号(アナログ信号)が電圧信号に変換される。バンドパスフィルタ92では、IV変換部91の出力信号に対して、送信電極71に印加される連続したパルス信号の周波数以外の周波数成分を有する信号を除去する処理が行われる。絶対値検出部(整流部)33では、バンドパスフィルタ92の出力信号に対して全波整流が行われる。積分部94では、絶対値検出部93の出力信号を時間軸方向に積分する処理が行われる。サンプルホールド部95では、積分部94の出力信号を所定のタイミングでサンプリングする処理が行われる。AD変換部96では、サンプルホールド部95の出力信号をAD変換してレベル信号(ディジタル信号)を出力する。このレベル信号は実質的に電極交点100の静電容量を反映したものであり、レベル信号は制御部85の異物有無判定部86に出力され、異物有無判定部86では複数の電極交点100について得たレベル信号と所定の閾値と比較することで、電極交点100毎に異物の存在の有無を判定する。
このように第1実施形態の電力伝送装置1は、送電コイル5に対向し、互いに間隔を置いて配置される複数の送信電極71(第1電極)と、この複数の送信電極71のうち、いずれかとコンデンサ(電極交点100)を形成する複数の受信電極72(第2電極)と、複数の送信電極71に順次所定の信号を印加して駆動する送信電極駆動部87(駆動部)と、送信電極71と受信電極72との間の容量を計測する計測部52と、を備え、計測部52は計測された容量に基づいて、電子機器載置面67上における異物を検出している。
図8(a)は第1実施形態において異物が存在しない場合の電極交点100近傍の平面図、同(b)は異物が存在しない場合の電極交点100近傍の断面図、同(c)は電力伝送装置1のハウジング63(図2参照)上に異物(導体)101が存在する場合の電極交点100近傍の断面図、同(d)は異物(導体)101が存在する場合の電極交点100の等価回路を示している。
以降、図8(a)〜(d)を用いて、金属等の導体からなる異物101が電極交点100近傍に存在する場合の電極交点100の静電容量C0の変化について説明する。なお、図8では説明の便宜のため、図4に対してx,y軸を入れ替えて表示している。
まず、図8(a)に示すように、電極交点100の近傍に異物が存在しない場合、図8(b)に示すように、ハウジング63(厳密には送信電極シート73aが含まれる。図2及び図3参照)側に配置された送信電極71と、これと交差しかつ絶縁して配置された受信電極72の電極交点100には、静電容量C0を有するコンデンサが形成される(以降、交点静電容量C0と呼称する)。
一方、図8(c)に示すように、電力伝送装置1のハウジング63上に異物(導体)101が置かれると、送信電極71と異物(導体)101の間にC1、異物(導体)101と受信電極72の間にC2の寄生容量が新たに発生する。一方、送信電極71と受信電極72の間に直接的に形成される容量C3は、電気力線が異物側に回り込むことによって、もとのC0よりも小さい値となる(即ち、C3<C0となる)。
結果的に、このとき送信電極71と受信電極72の間には、図8(d)に示すように、交点静電容量C3に、直列接続されたC1+C2が並列接続されたものと等価の静電容量が発生し、交点静電容量自体はC0からC3に減少するものの、送信電極71と受信電極72間のトータルの静電容量は増加する。
図9(a)は第1実施形態において電力伝送装置1のハウジング63(図2参照)上に異物(絶縁体)102が存在する場合の電極交点100近傍の断面図、同(b)は異物(絶縁体)102の有無と電気力線の関係を示す説明図である。
以降、図9(a),(b)を用いて、樹脂等の絶縁体からなら異物102が電極交点100近傍に存在する場合の交点静電容量C0の変化について説明する。なお、ハウジング63上に異物が置かれていない状態は図8(a),(b)と同様であるため、説明を省略する。
図9(a)に示すように、電力伝送装置1のハウジング63上に異物(絶縁体)102が置かれると、図9(b)に示すように、これまで誘電率ε=1の空気であった部分に、誘電率ε>1である物質、絶縁体の樹脂等(例えば、プラスチック消しゴムの原材料である塩化ビニル樹脂では、誘電率ε=5.8〜6.4程度と非常に大きい)が置かれると、電気力線103は異物(絶縁体)102の側にも回り込むようになり、全体としての静電容量は増加してC3となる。
このように、電力伝送装置1のハウジング63上に異物が置かれた場合、金属等の導体、樹脂等の絶縁体のいずれかにかかわらず、電極交点100の静電容量は増大する。従って、異物検出部50(図1参照)における異物有無判定部86(図4,図7参照)は、異物が置かれていない状態での電極交点100の静電容量をデフォルト値として記憶しておき(予め不揮発性のメモリに記憶しておいてもよいし、追加的にキャリブレーションする機能を持たせてもよい)、これと実際の各交点静電容量C0を計測し、その差分が所定の閾値を超えるか否かにより異物の存在有無を判定することができる。
図10(a),(b),(c)は、第1実施形態において異物の位置に応じた異物検出過程を説明する説明図である。図10(a)では、3本の送信電極71(Se1,Se2,Se3)と3本の受信電極72(Re1,Re2,Re3)で構成される電極マトリクスにおいて、電極マトリクスの各電極交点にC11〜C33の静電容量が発生していることを示している。図10(a)の態様では、まず送信電極71のうちSe1が選択され、駆動信号としてのパルス信号を入力する毎にRe1,Re2,Re3の順に受信電極72が選択される(この例では、受信電極72について3回走査される)。この結果、C11,C21,C31の順に電極交点の静電容量が取得される。次に送信電極71のうちSe2が選択され、同様にRe1,Re2,Re3の順に受信電極72が選択されてC12,C22,C32の順に静電容量が取得される。同様にしてC13,C23,C33の順で静電容量が取得され、合計9つの静電容量が取得される。
ここで、図10(a)における位置P1に異物が存在している場合は、図10(b)に示すように、位置P1に対応した電極交点の静電容量C22が特に高い値を示す。このように異物が存在しないときの静電容量値よりも高い値を示す電極交点が単独で存在すれば、異物はほぼ対応する電極交点上にあると判定してよい。
一方、図10(a)における位置P2(4つの電極交点の中間位置)に異物が存在している場合は、図10(c)に示すように、C11,C21,C21,C22の4つの静電容量が高い値を示す。上述したように各電極交点に対する静電容量の計測順序は決まっているから、これを電極マトリクスの物理的位置にプロットすることで、x,y平面としての電子機器載置面67(図2参照)のどの位置に異物が存在するかを特定できる。もちろん、図10(c)のように異物が4つの電極交点の中間位置にある場合でなくとも、得られた静電容量の大きさに基づいて、静電容量が大きく計測された電極交点ほど異物に近接しているという前提で重み付演算を行うことで、異物の位置を高精度に特定することができる。
図11(a),(b),(c)は、第1実施形態において給電を受ける電子機器2の側に異物が付着していた場合の、異物検出過程を説明する説明図である。図11(a)は、電力伝送装置1のハウジング63(図2参照)上に異物が存在しない場合、同(b)は、異物が存在しない状態で電力伝送装置1のトレイ等に電子機器2を置いた場合、同(c)は異物が存在している状態で電力伝送装置1のトレイ等に電子機器2を置いた、又は電力伝送装置1に異物が付着した電子機器2を置いた場合((b),(c)はいずれも給電の有無は問わない)における静電容量の取得結果を示したものである。
図11(b)に示すように、給電の対象となる電子機器2が電力伝送装置1のトレイ等に置かれると、電子機器2が置かれた位置に対応する各電極交点の静電容量は全体的に大きく観測される。これは、ワイヤレス電力伝送を受ける電子機器2のハウジング65(図2参照)は、一般に樹脂(絶縁体)で構成されており、樹脂は空気よりも誘電率εが大きいため、既に図9を用いて説明したように電極交点の静電容量が大きくなるためである。このように各電極交点の計測値が全体的に大きくなっている場合、既に説明した異物有無判定部86(図7参照)は、単に給電対象である電子機器2が置かれたとして、異物が存在するとは判定しない。
一方、給電の対象となる電子機器2のうち、電力伝送装置1に対向する位置に異物が付着しているような場合、図11(c)に示すように、静電容量は全体的に大きく観測されるものの、異物が付着している場所に対応した電極交点は、その異物が金属等の導体であるか樹脂等の絶縁体であるかにかかわらず、更に大きな静電容量が観測される。従って、異物有無判定部86は、電力伝送装置1に電子機器2を置いたことによる静電容量の増加をオフセットとして一括して減じ、減じた後に各電極交点について計測された静電容量値を評価すればよい。また、既に図1を用いて説明したように、第1実施形態の電力伝送システムでは、電力伝送装置1に搭載された電子機器検知部31(図1参照)によって、電力伝送装置1のトレイ等に電子機器2が置かれたことを検出できるから、電子機器2が置かれたと検出された場合は、各電極交点の計測値から一律にオフセットを減ずる処理を行ってもよい。
図12は、第1実施形態に係る送信電極71と受信電極72の構成の変形例1の説明図である。
これまでの説明では、送信電極71と受信電極72の配置間隔は全て同一(L1(図4参照))としているが、図12に示す変形例1では、送電コイル5が形成するループの内側に送信電極71及び受信電極72の配置間隔を狭めた領域A1(第1領域)を設けている。一方で、この領域A1以外(領域A2(第2領域))では、送信電極71と受信電極72の配置間隔のいずれか一方、または両方が領域A1の配置間隔よりも広くなっている。つまり、変形例1においては、電極部51(図4等参照)において、送信電極71及び受信電極72はL1wの間隔で配置された領域とL1n(但しL1w>L1n)の間隔で配置された領域を有し、送電コイル5が形成するループの内側に、送信電極71および受信電極72の配置間隔をいずれもL1nとする領域を設けている。ここで、例えばL1wは2mm、L1nは0.5mmとすればよい。
一般に、送電コイル5が形成するループの内側は発生する磁気が大きく最も電力伝送効率が良好であるから、この領域では微小な異物であっても検出して、ユーザに排除するよう通知することが望ましい。このために領域A1では、送信電極71、受信電極72の配置間隔L1nに狭めて、位置検出の分解能を向上させ、微小な異物に対する検出精度を更に向上させている。一方、送電コイル5が形成するループの外側は電力伝送効率が低く、一般的には利用されない領域である。このような領域では、高精度に異物を検出する必要性はそれほど高くない。また、ここに異物(導体)が置かれたとしても、もともと出力する磁気が弱い領域なので、よほど大きな異物(導体)でなければ、発熱のおそれも少ない。従って、電極間隔をL1wのように大きくしても特に弊害は発生しない。
このように、送電コイル5が形成するループの内側に限定して、送信電極71と受信電極72の配置間隔を狭くすることで、計測部50(図4参照)のハードウェア資源はそのままで、ユーザの利用頻度が高い領域の異物検出精度を大幅に高めることができる。
なお、領域A1および領域A2において、送信電極71または受信電極72の配置間隔は必ずしも全て同一でなくてもよい。領域A1における少なくとも一部の送信電極71または受信電極72がL1nの間隔で配置され、領域A2における少なくとも一部の送信電極71または受信電極72がL1wの間隔で配置されればよい。
図13は、第1実施形態に係る送信電極71と受信電極72の構成の変形例2の説明図である。
これまでの説明では、送信電極71と受信電極72の幅は全て同一(L2(図4参照))としているが、図13に示す変形例2では、送電コイル5が形成するループの内側に送信電極71及び受信電極72の幅を狭めた領域A1(第1領域)を設けている。更に変形例2では、先に説明した変形例1と同様に、領域A1において送信電極71と受信電極72の配置間隔を狭くしている。つまり、変形例2は、電極部51(図4等参照)において、送信電極71及び受信電極72はL2wの幅で形成された領域と、L2n(但しL2w>L2n)の幅で形成された領域を有し、送電コイル5が形成するループの内側に、送信電極71及び受信電極72の幅をいずれもL2nとする領域を設けている。ここで、例えばL2wは0.2mm、L2nは0.1mmとすればよい。
一方、この領域A1以外(領域A2(第2領域))では、送信電極71と受信電極72の配置間隔のいずれか一方、または両方が領域A1の配置間隔よりも広く、かつ送信電極71と受信電極72の幅のいずれか一方、または両方が領域A1の幅よりも広くなっている。
このように、変形例1と変形例2の差異は、領域A1で電極の細線化が図られていることである。電極を細線化することで電極交点100の静電容量は小さくなるため、ここに異物が付着した際の静電容量の変化率は大きくなる。従って、変形例2の構成では、変形例1よりも更に異物の検出精度を向上することができ、微細な異物の検出が可能となる。このように、変形例2は変形例1に加えて、送電コイル5のループの内側に配線幅が狭い領域を設けたものであるが、もちろん、変形例2を独立して適用、即ち、送信電極71と受信電極72の配置間隔は等間隔にして、送電コイル5のループの内側に配線幅が狭い領域を設けるように構成してもよい。
なお、領域A1および領域A2において、送信電極71または受信電極72の幅は必ずしも全て同一でなくてもよい。領域A1における少なくとも一部の送信電極71または受信電極72の幅がL2nであり、領域A2における少なくとも一部の送信電極71または受信電極72の幅がL2wであればよい。
図14は、第1実施形態に係る送信電極71と受信電極72の構成の変形例2の説明図である。
これまでの説明では、一本の送信電極71、受信電極72については延伸する方向に同一の幅を有するものとしていたが、図14に示す変形例3では、送信電極71の幅は延伸するx方向にテーパー状に狭まっていき、x方向において送電コイル5が構成するループの中心を通過する中心線であるCxで極小となり、その後テーパー状に広がる構成としている。また受信電極72の幅は延伸するy方向にテーパー状に狭まっていき、y方向において送電コイル5が構成するループの中心を通過する中心線であるCyで極小となり、その語テーパー状に広がる構成としている。
この構成によって、電力伝送効率がよく電子機器2が置かれる頻度が高くなる領域A1(第1領域)内において、異物の検出精度を向上するとともに、電極部51の端部において電極幅を大きくすることで、電極部51と計測部52(図4参照)の電気的接続の簡素化が図られる。一般に電子回路(ここでは、計測部52)とセンサー等(ここでは、電極部51)を接続する際には、いわゆるフレキシブルケーブルが用いられるが、このケーブルの形状はシンプルであるほどコスト的に有利となる。電力伝送装置1が比較的小型である場合は電極部51も小さくなり、単純な方形形状となることも多いと考えられる。このような状況では、電極部51の端部に露出した送信電極71、受信電極72に対して、汎用のフレキシブルケーブルをACF(異方性導電膜,Anisotropic Conductive Film)で接続する方がコスト的に有利な場合があり得る。そこで、電極部51の端部で電極幅を広げて構成すると、低コストでかつACFの接合強度や接合位置ずれの影響を小さくすることができる。
また、製品の開発段階では、露出した端子を銀ペースト等で回路に接続することも多く、本構成はこれが容易となって加工性が改善される。
また、この変形例3の更なる変形例として、送信電極71と受信電極72の幅を受信部51の端部の露出領域のみ広く(例えば0.5mm)、その他の領域は狭く(例えば0.1mm)構成しても同様の効果を得ることができる。
なお、上述の変化例1〜3で説明した領域A1および領域A2(領域A1以外)について補足する。領域A1は、電極部51の一部分であり、送電コイル5が形成するループの内側(中空部)の上方、または、受電コイル6が形成するループの内側(中空部)の下方に位置する。即ち、領域A1の少なくとも一部は、送電コイル5または受電コイル6のループの内側(または磁性シート64、66)と対向(重畳)する。換言すると、領域A1の少なくとも一部は送電コイル5または受電コイル6(の導体部)と対向(重畳)しない。同様に、領域A2は、電極部51の一部分であり、送電コイルまたは送電コイル5が形成するループの外側の上方、もしくは、受電コイルまたは受電コイル6が形成するループの外側の下方に位置する。
以下、図2(a)を併用して説明を続ける。一般的に送電/受電効率は送電コイル5が形成するループ内部が最も高くなる。このため、電力伝送装置1と電子機器2の位置関係が電力伝送の高効化要件を満たすようユーザを誘導するため、電力伝送装置1のハウジング63に送電コイル5が形成するループの外延が線として描かれることがある。
ここで、通常のユーザ心理では、給電を受ける電子機器2をなるべく描かれた線の内側に置こうとするから、実際に高精度に異物を検出すべき部位は、送電コイル5の外延よりも内側となる場合が殆どである。従って、異物を高精度に検出可能な領域A1(第1領域)の少なくとも一部を送電コイル5または受電コイル6と非対向に(重畳しない、即ちクロスオーバしないように)しても実質的な検出精度は低下せず、送信電極71や受信電極72の配置ピッチや幅を狭小化することに伴う電極数の増加等を効果的に抑制することができる。または、送電コイル5が形成するループの中心近傍の異物検出精度を集中的に向上させることができる。以上、電力伝送装置1と送電コイル5との関係について説明したが、電子機器2と受電コイル6の関係についても同様にしてよい。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について図面を参照しながら説明する。
図25は、第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム200の概略斜視図である。
このワイヤレス電力伝送システム200は、例えば液晶パネルを備えた電力伝送装置としてのディスプレイ装置201の映像の表示面202上に、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の電子機器205を置くことで、電子機器205にワイヤレス(無接点)で充電ができるようにしたものである。つまり、第2実施形態では、ディスプレイ装置201の表示面202が第1実施形態で説明した電子機器載置面67として機能する。この構成では、ディスプレイ装置201は表示面202を上に向けて載置され、ユーザは情報をやり取りするテーブルとしてディスプレイ装置201を利用する。
先に第1実施形態で図2を用いて説明したように、本発明に係る電力伝送装置は、電子機器載置面67(図2参照)に電子機器2が載置された場合のみならず、電子機器2が載置されていない場合であっても、電子機器載置面上67の異物を検出することができる。即ち、第2実施形態では、電子機器載置面67を兼ねた表示面202に電子機器2が載置されていなくても、表示面202上の異物を検出できることになる。そして、ディスプレイ装置201は異物の検出結果に基づき、その表示面202に矢印等のアイコンとともに「この部分に充電を妨げる異物があります。ここでは充電しないでください」や「この部分を清掃してください」等のガイダンスを表示することが可能となり、ユーザの利便性が更に向上する。
図16は、第2実施形態に係る電力伝送装置機能を備えたディスプレイ装置201の概略構成図である。
ディスプレイ装置201は、表示面202の周辺に額縁領域207(以降、単に額縁と呼称する)を有し、この額縁207の内部に送電コイル5が表示面202を取り巻くように配置されている。この構成によって、ディスプレイ装置201では表示面202(表示面202の前面に保護ガラス等を配置している場合は、この保護ガラス等も含む)の任意の位置で電子機器205を充電することができ、また充電用の周波数に他の特定の周波数を重畳することで、ディスプレイ装置201と電子機器205の間でワイヤレスのデータ通信を行うことができる。
第2実施形態では、表示面202の裏側に送信電極71と受信電極72が設けられている。送信電極71と受信電極72を始め、異物を検出するための構成や過程は、第1実施形態で説明したものとほぼ同様であるため、詳細な説明は省略する。ただし、第2実施形態はディスプレイ装置201において画像を表示することから、電極の構成が第1実施形態とは異なっている。
図17は、第2実施形態における送信電極71の構成図である。
図17に示すように、個々の送信電極71は導電性の細線を編んで構成され、目視上はメッシュ状の形態を備える。これが方向D1に延伸して形成されるとともに、方向D1と直行する方向に均等な間隔で配列されている。なお、図17では、説明を簡単にするために3つの送信電極71のみを示している。
そして送信電極71は、方向D1に対して時計方向および反時計方向に所定角度θだけ傾いた複数の導体線が所定の間隔で配置されることで、導体線によって構成された頂角2θの菱形格子が連続する形状をなしている。
ここで、送信電極71を構成する細線の形成には導電性材料が適用され、例えば、金属材である銀、金、銅、アルミニウム、白金、パラジウム等、もしくはこれらの金属粒子が含まれる導電性インクを適用することができる。送信電極71は、第1実施形態で説明した送信電極シート73a(図3参照)上に導体線を印刷成形等によって形成することができ、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェットやフォトリソグラフィー等の手段を適用することができる。このようにな手段を適用した場合、電極は厚みが略均一なメッシュ状の導体となるが、これも上記導電性の細線を編んだ構成に含まれる。
以上、送信電極71の構成について説明してきたが、受信電極72は上述してきた送信電極71を90゜回転させたものであって、送信電極71が並進するx方向と直交するy方向に並進して設けられ、既に第1実施形態で説明したように、支持シート75(図3参照)を挟んで互いに絶縁するように構成される。このように頂角2θの菱形格子が連続する形状をなす送信電極71と、これに対して90゜回転させた受信電極72を重畳した電極部51をディスプレイ装置201の表示面202に対向して配置することで、ディスプレイ装置201の画素マトリクスのパターン(通常は格子形状)と電極パターンが干渉して発生するモアレを大幅に低減することができる。なお、モアレの発生程度は、上述した角度θに大きく依存しており、角度θは、20度以上35度未満とすることが望ましい。
図18(a),(b)は、第2実施形態における送信電極71の他の構成図である。
図18(a),(b)に示す送信電極71は、図17を用いて説明した単純なメッシュ状ではなく、図18(a)では一本の送信電極71は複数の導体線の束として構成され、各導体線は延伸方向D1と直交する方向で鋸歯状の形状を呈し、これが互いに非接触となるように構成されている。更に、図18(a)の構成では、個々の導体線の少なくとも一部が、送信電極71の延伸方向D1に対して所定の角度θ1を有するよう形成されている。この角度は図17を用いて説明した角度θと同様に設定すればよく、その目視上の効果も同様である。また、図18(b)に示す送信電極71は、導電性の細線を編んで構成した電極(メッシュ状電極)の一部を除去したものである。図18(a)と同様に送信電極71の延伸方向D1には導通が図られているが、これと直交するy方向には相互に近接と分離を繰り返すパターンとしている。
これらの構成に共通することは、メッシュ状に構成した電極が電極内部で電気的なループ(閉回路)を形成しないように、メッシュ状の電極を部分的に切除したこと(製造プロセスの観点では、メッシュ状の電極が部分的に切除された形状になるように電極を形成したこと)である。このようにすることで、モアレ防止の効果を備えたうえで、送電コイル5(図1,図2を参照)が発生する磁気によって、閉回路が存在する場合に生じる渦電流をなくして発熱を防止し、電力伝送効率を高めることができる。
なお、図18(a),(b)では送信電極71について説明したが、受信電極72も同様の構成を採用できることは言うまでもない。
(第3実施形態)
以下、本発明の第3実施形態について図面を参照しながら説明する。
図19は、第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム200の断面図である。
このワイヤレス電力伝送システム200は、第1実施形態で説明したものと同様に、電力伝送装置1から電子機器2にワイヤレスで電力伝送を行うものであり、電子機器2は、搭載された図示しない部品を動作させるための電力を供給する二次電池(図示せず)を備え、電力伝送装置1から送られる電力で二次電池の充電が行われる。
第3実施形態においては、送信電極71と受信電極72(共に図示せず)が形成された電極部51が、電力伝送装置1ではなく電子機器2の側に搭載されていることが第1実施形態と大きく異なる。即ち第1実施形態では、電力伝送装置1の側で電子機器載置面67上の異物の存在を検出したが、第3実施形態では、電子機器2の側で受電コイル6に対向する位置(電子機器2が電力伝送装置1の電子機器載置面67に載置される面、即ち、被載置面68)における異物の存在を検出する。このため、第3実施形態では、第1実施形態1で詳細に説明した計測部52(図4参照)、即ち、電極部51と計測部52で構成される異物検出部50も電子機器2の側に設けられている。
図19に即して説明すれば、第3実施形態の電子機器2は、他の電力伝送装置1に載置される被載置面68を画定し、電力伝送装置1からワイヤレス電力伝送を受ける電子機器2であり、電力伝送装置1から発せられた交流磁界を電力に変換する受電コイル6と、受電コイル6の被載置面68側に対向して配置され、互いに間隔を置いて平行に延伸する複数の送信電極71(図示せず、図4参照)と、送信電極71と絶縁して配置され、送信電極71と交差する方向に互いに間隔を置いて平行に延伸する複数の受信電極(図示せず、図4参照)と、複数の送信電極71に順次所定の信号を印加して駆動する駆動部(図示せず、図4参照)と、複数の受信電極72を走査して送信電極71と受信電極72の交点の静電容量を計測する計測部(図示せず、図4参照)とを備え、計測部はこのときに計測された静電容量に基づいて受電コイル5の被載置面68上における異物の有無を判定している。
さて、電力伝送装置1から電力を供給される電子機器2は、通常は可搬性を有する携帯端末であることが多く、これらの機器は一般に高精細な表示デバイスを備える。このような携帯端末が異物検出部50(図示せず)を備えることで、ワイヤレスで給電を受ける際に異物が検出された場合、電子機器2が備える表示デバイスや音声デバイス(共に図示せず)を用いて、異物が存在する旨をユーザに的確に伝えることができる。
このように、第3実施形態は電極部51と計測部52から構成される異物検出部50が電子機器2の側に存在することを除いて、他の構成は第1実施形態と共通であり、その他の構成の詳細な説明は省略する。
(第4実施形態)
以下、本発明の第4実施形態について図面を参照しながら説明する。
図20は、第4実施形態に係る電力伝送装置における異物検出部50の概略構成図である。以降、図20を用いて、第4実施形態の異物検出部50の構成、特に電極部51について説明する。
第4実施形態における電極部51は、y方向に互いに間隔を置いて平行に延伸する複数の送信電極(第1電極)71と、送信電極71と互いに間隔を置いて平行な方向(y方向)に並進する複数の受信電極(第2電極)72を備える。図示するように送信電極71と受信電極72はx方向に交互に配置されており、本構成では一本の送信電極71に着目すると、その両側の2本の受信電極72の間にコンデンサCdが形成される。
即ち、第1実施形態の送信電極71と受信電極72が電極マトリクスを構成していたのに対し、第4実施形態の送信電極71と受信電極は同一面に交互に間隔を置いて配置されている。また、第1実施形態では、送信電極駆動部87は送信電極選択部81を備えており、送信電極71は個々独立に駆動可能とされていたが(図5参照)、第4実施形態の送信電極駆動部87は送信パルス発生部82のみで構成される。そして、送信パルス発生部82からみたとき送信電極71は並列接続されており、送信パルス発生部82から出力された送信パルスは全ての送信電極71に伝達される。送信パルスを出力した後、受信部88では受信電極選択部83によって受信電極72が個々に選択(走査)される。送信パルス発生部82から送信パルスを送信する毎に選択される受信電極72を切り替えることで、既に第1実施形態で説明したのと同じ原理により、異物の有無が検出され、更にx方向における異物の位置が特定される。
もちろん、第1実施形態のように電極駆動部87を送信パルス発生部82と送信電極選択部82とで構成して(図4参照)、受信電極72だけでなく送信電極71側を順次走査するようにしても構わない。このように構成すると、送信電極71と受信電極72の双方が順次走査されることになる。
さて、第4実施形態の構成では、y方向には複数の電極が配列されていないため分解能が発生せず、もっぱらx方向の一次元について異物の存在と位置を検出することができる。実際のワイヤレス電力伝送システムでは、給電を受ける電子機器2の受電部分が小さく、この受電部分を電力伝送装置に置いて(形態としては、電子機器2を小さな底面により立てた状態で)充電するような態様がありえる。このような場合には、一つの軸方向について異物の存在を検出すれば十分な精度が発現でき、x,yの2次元の電極マトリクスを設けるまでもない。そして、送信電極71と受信電極72を、1次元配列する構成では、そもそも電極間の絶縁を図るために支持シート75(図3参照)を設ける必要がないため、電極部51をより簡易に製造することが可能となる。そして、そのような構成としても、異物の検出は選択された送信電極71と受信電極72間の静電容量を計測することによって行われるため、第1実施形態と同様に、微小な異物であっても高精度に検出することができる。また、送電電極71と受電電極72とを重ねるように構成しなくてもよいため、即ち、送電電極71と受電電極72とを同一平面上に配置可能であるため、電極部51の厚さを低減することができる。従って、より簡易に電極部51を電力伝送装置1または電子機器2に収納することができる。
なお、第4実施形態では、送信電極71と受信電極72の配列以外の構成は、上述した送信電極の構成と送信電極の走査過程を除き第1実施形態の説明を援用できるため、他の構成要素についての詳細な説明は省略する。第1実施形態の説明に用いた、図1、図2を援用すると、第4実施形態の電力伝送装置1は、送電コイル5に対向し、互いに間隔を置いて配置される複数の送信電極71(第1電極)と、この複数の送信電極71のうち、いずれかとコンデンサCdを形成する複数の受信電極72(第2電極)と、複数の送信電極71に所定の信号を印加して駆動する送信パルス発生部87(駆動部)と、送信電極71と受信電極72との間の容量を計測する計測部52と、を備え、計測部52は計測された容量に基づいて、電子機器載置面67上における異物を検出している。
以上、第1実施形態〜第4実施形態を詳細に説明してきたが、これらの実施形態において電極マトリクスを構成する送信電極と受信電極を入れ替えてもよく、特に第4実施形態では送信電極を共通電極として説明したが、送信電極を選択可能として、受信電極側を共通電極とする構成としてもよい。
本発明にかかる電力伝送装置、電子機器、ならびにワイヤレス電力伝送システムは、送電コイルまたは受電コイルに対向する位置に置かれた異物のサイズが小さくとも高精度に検出することが可能であることから、電力伝送装置、及び電力伝送装置からワイヤレス電力伝送を受ける携帯電話、タブレット型端末、パーソナルコンピュータなどに好適に利用することができる。
1 電力伝送装置
2 電子機器
3 二次電池
5 送電コイル
6 受電コイル
12 送電制御部
31 電子機器検知部
50 異物検出部
51 電極部(電極シート)
52 計測部
53 表示部
63 ハウジング
65 ハウジング
67 電子機器載置面
68 被載置面
71 送信電極(第1電極)
72 受信電極(第2電極)
73a 送信電極シート
73b 受信電極シート
75 支持シート
76 開口部
81 送信電極選択部
82 送信パルス発生部
83 受信電極選択部
84 受信信号処理部
85 制御部
86 異物有無判定部
87 送信電極駆動部
88 受信部
100 電極交点
101 異物(導体)
102 異物(絶縁体)
200 ワイヤレス電力伝送システム
201 ディスプレイ装置(電力伝送装置)
202 表示面
205 電子機器

Claims (16)

  1. 他の電子機器を載置する電子機器載置面を有し、前記電子機器にワイヤレス電力伝送を行う電力伝送装置において、
    前記電子機器載置面に載置された前記電子機器に電力を伝送する磁界を発生させる送電コイルと、
    前記送電コイルに対向し、互いに間隔を置いて配置される複数の第1電極と、
    前記複数の第1電極のうち、いずれかとコンデンサを形成する複数の第2電極と、
    前記複数の第1電極に順次所定の信号を印加して駆動する駆動部と、
    前記第1電極と前記第2電極との間の容量を計測する計測部と、を備え、
    前記計測部は計測された前記容量に基づいて、前記電子機器載置面上における異物を検出することを特徴とする電力伝送装置。
  2. 前記複数の第1電極と前記複数の第2電極とは交差するように配置され、
    前記計測部は、前記第1電極と前記第2電極の交点の容量に基づいて、異物の位置を特定することを特徴とする請求項1記載の電力伝送装置。
  3. 前記複数の第1電極は前記複数の第2電極と交互に配置され、
    前記計測部は、隣り合う前記第1電極および前記第2電極間の容量に基づいて、異物の位置を特定することを特徴とする請求項1記載の電力伝送装置。
  4. 前記送電コイルと、前記第1電極及び第2電極を備える電極シートとを収納するとともに、前記電子機器載置面を備えるハウジングと、を更に有し、
    前記ハウジング内において、前記電子機器載置面から近い順に前記電極シートと前記送電コイルを重畳して配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか1項記載の電力伝送装置。
  5. 前記送電コイルを収納するハウジングと、
    前記第1電極及び第2電極を備えると共に、前記電子機器載置面を形成する電極シートと、を更に有し、
    前記電極シートは、前記ハウジングを介して前記送電コイルに重畳して配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか1項記載の電力伝送装置。
  6. 前記電極シートは、前記第1または第2電極がL1wの間隔で配置される第2領域と、前記第1または第2電極が前記L1wよりも小さいL1nの間隔で配置される第1領域と、を有し、
    前記第1領域の少なくとも一部は、前記送電コイルと対向しないことを特徴とする請求項4または請求項5記載の電力伝送装置。
  7. 前記電極シートは、前記第1または第2電極の幅がL2wで形成される第2領域と、
    前記第1または第2電極の幅が前記L1wよりも小さいL2nで形成される第1領域と、を有し、
    前記第1領域の少なくとも一部は、前記送電コイルと対向しないことを特徴とする請求項4または請求項5記載の電力伝送装置。
  8. 映像を表示するとともに、前記電子機器載置面を形成する表示面と、
    前記表示面の周囲に設けられ前記送電コイルを備える額縁領域と、を更に備え、
    前記電極シートは、前記第1および第2電極の個々の電極を導電性の細線を編んで構成されることを特徴とする請求項4または請求項5記載の電力伝送装置。
  9. 前記導電性の細線を編んで構成した電極を、前記第1電極及び第2電極の延伸方向における電気的導通を保ちつつ、部分的に切除したことを特徴とする請求項8記載の電力伝送装置。
  10. 映像を表示するとともに、前記電子機器載置面を形成する表示面と、
    前記表示面の周囲に設けられ前記送電コイルを備える額縁領域と、を更に備え、
    前記電極シートは、前記第1または第2電極の個々の電極を複数の導電性の細線で構成されるとともに、前記導電性の細線の少なくとも一部が、前記第1および第2電極の延伸方向に対して所定の角度を有するように構成されることを特徴とする請求項4または請求項5記載の電力伝送装置。
  11. 前記計測部は、前記駆動部によって前記第1電極に印加された信号に応じて前記第2電極で発生する充放電電流を計測し、前記充放電電流値に基づいて前記第1電極と第2電極間の電極交点の容量を計測し、
    更に、前記計測部は、計測した前記容量の変化に基づいて異物の有無または異物の存在する位置を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか1項記載の電力伝送装置。
  12. 前記電子機器載置面に前記電子機器が載置されたか否かを検出する電子機器検知部と、
    電力伝送の実行を制御する送電制御部と、を更に備え、
    前記電子機器検知部において、前記電子機器が載置された状態を検出した場合、前記計測部は電力伝送を開始する前に異物の有無を検出し、
    前記計測部が異物を検出しなかった場合、前記送電制御部は電力伝送を実行し、
    前記計測部が異物を検出した場合、前記送電制御部は電力伝送を保留することを特徴とする請求項1記載の電力伝送装置。
  13. 前記電子機器載置面に前記電子機器が載置されたか否かを検出する電子機器検知部を更に備え、
    前記電子機器検知部において、前記電子機器が載置されていない状態を検出した場合、前記計測部は所定の周期で異物の有無を検出し、
    前記電子機器検知部で前記電子機器が載置された状態を検出した場合、前記計測部は、一度異物の有無を検出した後は、次に前記電子機器が載置されていない状態を検出するまで、異物の検出を保留することを特徴とする請求項1記載の電力伝送装置。
  14. 電子機器に電力を伝送する磁界を発生する送電コイルと、
    前記電子機器に設けられた受電コイルと、
    前記送電コイルと前記受電コイルの間に、互いに間隔を置いて配置される複数の第1電極と、
    前記第1電極のうち、いずれかとコンデンサを形成する複数の第2電極と、
    前記複数の第1電極に順次所定の信号を印加して駆動する駆動部と、
    前記第1電極と前記第2電極との間の容量を計測する計測部と、を備え、
    前記計測部は計測された前記容量に基づいて前記送電コイルと前記受電コイルの間における異物を検出することを特徴とするワイヤレス電力伝送システム。
  15. 他の電力伝送装置に載置される被載置面を有し、前記電力伝送装置からワイヤレス電力伝送を受ける電子機器において、
    前記電力伝送装置から発せられた磁界を電力に変換する受電コイルと、
    前記受電コイルの前記被載置面側に対向し、互いに間隔を置いて配置される複数の第1電極と、
    前記第1電極のうち、いずれかとコンデンサを形成する複数の第2電極と、
    前記複数の第1電極に順次所定の信号を印加して駆動する駆動部と、
    前記第1電極と前記第2電極との間の容量を計測する計測部と、を備え、
    前記計測部は計測された前記容量に基づいて前記受電コイルの前記被載置面上における異物を検出することを特徴とする電子機器。
  16. 他の電子機器を載置する電子機器載置面を画定し、前記電子機器にワイヤレス電力伝送を行う電力伝送装置において、
    前記電子機器載置面に載置された前記電子機器に電力を伝送する磁界を発生させる送電コイルと、
    前記送電コイルの前記電子機器載置面側に対向して配置され、互いに間隔を置いて平行に延伸する複数の第1電極と、
    前記第1電極と絶縁して配置され、前記第1電極の間に前記第1電極と互いに間隔を置いて並進するように配置された複数の第2電極と、
    前記複数の第1電極に一括して所定の信号を印加して駆動する駆動部と、
    前記複数の第2電極を走査して、隣接する前記第1電極と前記第2電極の間の容量を計測する計測部と、を備え、
    前記計測部は計測された前記静電容量に基づいて、前記送電コイルの前記電子機器載置面上における異物の有無を判定することを特徴とする電力伝送装置。
JP2012248180A 2012-11-12 2012-11-12 電力伝送装置、電子機器、ならびにワイヤレス電力伝送システム Pending JP2014096956A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012248180A JP2014096956A (ja) 2012-11-12 2012-11-12 電力伝送装置、電子機器、ならびにワイヤレス電力伝送システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012248180A JP2014096956A (ja) 2012-11-12 2012-11-12 電力伝送装置、電子機器、ならびにワイヤレス電力伝送システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014096956A true JP2014096956A (ja) 2014-05-22

Family

ID=50939599

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012248180A Pending JP2014096956A (ja) 2012-11-12 2012-11-12 電力伝送装置、電子機器、ならびにワイヤレス電力伝送システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014096956A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015012689A (ja) * 2013-06-28 2015-01-19 ソニー株式会社 給電装置および給電システム
KR20160123156A (ko) * 2015-04-15 2016-10-25 한국과학기술원 전기자동차 급집전장치용 fod/lod 장치
JPWO2015045088A1 (ja) * 2013-09-27 2017-03-02 日産自動車株式会社 非接触給電システムの導電体配索構造
US10608477B2 (en) 2015-01-19 2020-03-31 Ihi Corporation Power transmission system, foreign object detection device, and coil device
CN114112863A (zh) * 2020-09-01 2022-03-01 铠侠股份有限公司 粒子检测器、粒子检测装置及粒子检测方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015012689A (ja) * 2013-06-28 2015-01-19 ソニー株式会社 給電装置および給電システム
US10277281B2 (en) 2013-06-28 2019-04-30 Sony Corporation Power feeding unit and power feeding system
US11223390B2 (en) 2013-06-28 2022-01-11 Sony Group Corporation Power feeding unit and power feeding system
JPWO2015045088A1 (ja) * 2013-09-27 2017-03-02 日産自動車株式会社 非接触給電システムの導電体配索構造
US10608477B2 (en) 2015-01-19 2020-03-31 Ihi Corporation Power transmission system, foreign object detection device, and coil device
US10933759B2 (en) 2015-01-19 2021-03-02 Ihi Corporation Power transmission system, foreign object detection device, and coil device
KR20160123156A (ko) * 2015-04-15 2016-10-25 한국과학기술원 전기자동차 급집전장치용 fod/lod 장치
KR101703995B1 (ko) * 2015-04-15 2017-02-08 한국과학기술원 전기자동차 급집전장치용 fod/lod 장치
CN114112863A (zh) * 2020-09-01 2022-03-01 铠侠股份有限公司 粒子检测器、粒子检测装置及粒子检测方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101470562B (zh) 位置检测装置
JP2014096956A (ja) 電力伝送装置、電子機器、ならびにワイヤレス電力伝送システム
JP5152298B2 (ja) 送電装置、受電装置及びワイヤレス電力伝送システム
CN101038526B (zh) 位置检测装置、位置输入装置以及计算机
JP5093369B2 (ja) 送電装置、受電装置および電力伝送システム
CN201590054U (zh) 位置指示器、电路部件及输入装置
US8395598B2 (en) Position detection apparatus
TWI750162B (zh) 位置檢測裝置及位置檢測感測器之控制方法
JP5275959B2 (ja) コイル、位置指示器、位置検出装置及びコイル巻回方法
KR20190032533A (ko) 무선 충전 매트 상에서의 물체 위치 및 배향의 검출
US9001084B2 (en) Position detecting device and display device
CN103125082A (zh) 具有无线电连接的电子设备、尤其是移动电话与机动车的设施的耦合
JP2012133704A (ja) 入力装置
US10345983B2 (en) Detection apparatus, inputting apparatus, and detection method in which switch circuit is controlled to cause first and second signals to be supplied to first and second sensor electrodes, respectively
CN103699288B (zh) 电磁感应方式的位置检测传感器
EP2818987B1 (en) Tablet having flexible and transparent sensing area
EP2996229A2 (en) Step motor and system for driving step motor
KR101355940B1 (ko) 파워 코일 구조를 갖는 타블렛
KR20130052155A (ko) 개선된 안테나 패턴 구조를 갖는 타블렛
WO2022034765A1 (ja) 電子機器
WO2021131607A1 (ja) 異物検出装置、送電装置、受電装置および電力伝送システム
WO2020255605A1 (ja) 位置検出装置
JP2014217080A (ja) 非接触給電装置および非接触電力伝送システム
CN205302231U (zh) 一种触控面板和一种触控设备
JP2014217081A (ja) 電子機器および非接触給電装置