JP2014217010A - 撮像装置および制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】回転可能な撮像部を用いた新たな画像表現に対するニーズが高まっている。
【解決手段】本発明の第1の態様における撮像装置は、筐体と、レンズおよび撮像素子を有する撮像部と、筐体に対して撮像部を回転させる回転駆動部と、回転駆動部により撮像部を回転させながら撮像部により複数回の撮影動作を実行させる撮像制御部とを備える。本発明の第2の態様における制御プログラムは、筐体と、レンズおよび撮像素子を有する撮像部と、筐体に対して撮像部を回転させる回転駆動部とを備える撮像装置の制御プログラムであって、回転駆動部により撮像部を回転させる駆動ステップと、回転された撮像部により撮影動作を実行させる撮影ステップとをコンピュータに実行させる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の第1の態様における撮像装置は、筐体と、レンズおよび撮像素子を有する撮像部と、筐体に対して撮像部を回転させる回転駆動部と、回転駆動部により撮像部を回転させながら撮像部により複数回の撮影動作を実行させる撮像制御部とを備える。本発明の第2の態様における制御プログラムは、筐体と、レンズおよび撮像素子を有する撮像部と、筐体に対して撮像部を回転させる回転駆動部とを備える撮像装置の制御プログラムであって、回転駆動部により撮像部を回転させる駆動ステップと、回転された撮像部により撮影動作を実行させる撮影ステップとをコンピュータに実行させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、撮像装置および制御プログラムに関する。
台座に固定された支持体に取り付けられた撮像部を、当該支持体に対して上下左右に回転可能な撮像装置が知られている(特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開平10−32738号公報
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開平10−32738号公報
このような回転可能な撮像部を用いた新たな画像表現に対するニーズが高まっている。
本発明の第1の態様における撮像装置は、筐体と、レンズおよび撮像素子を有する撮像部と、筐体に対して撮像部を回転させる回転駆動部と、回転駆動部により撮像部を回転させながら撮像部により複数回の撮影動作を実行させる撮像制御部とを備える。
本発明の第2の態様における制御プログラムは、筐体と、レンズおよび撮像素子を有する撮像部と、筐体に対して撮像部を回転させる回転駆動部とを備える撮像装置の制御プログラムであって、回転駆動部により撮像部を回転させる駆動ステップと、回転された撮像部により撮影動作を実行させる撮影ステップとをコンピュータに実行させる。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、実施形態1に係る撮像装置としてのカメラ10の模式外観図である。具体的には、図1(a)は、カメラ10の上面図であり、図1(b)は、カメラ10の正面図であり、図1(c)は、カメラ10の背面図である。図示するように、カメラ10は、筐体15上面にレリーズスイッチ50を有する。筐体15正面には、ズームレンズを含むレンズおよび撮像素子を有する球状の撮像部20が配設されている。撮像部20は、一部が筐体15からはみ出した状態で配設されている。カメラ10は、撮像部20を筐体15に対してパン方向12、チルト方向13、およびロール方向14に回転させることができる。詳しくは後述するが、カメラ10は、ユーザによるレリーズスイッチ50の押下を検出すると、撮像部20を回転させながら複数回の撮影動作を実行する。そして、撮影動作によって得られた複数の画像データを互いに関連付けて処理することにより、種々の画像表現を実現する。なお、関連付けて処理するとは、例えば、複数の画像データを用いて後述する合成画像データを生成することである。また、当該合成画像データを生成せずに、当該合成画像データの生成に用いられる複数の画像データを例えばExifを利用して関連付ける処理も含む。これらの処理に限らず、ある画像表現を実現するための一群の画像データをExif等を利用して関連付ける処理を含む。例えば、後述するブラケッティング撮影により得られた一群の画像データをExifを利用して関連付ける処理、後述する回転撮影により得られた一群の画像データをExifを利用して関連付ける処理を含む。
筐体15背面には、操作部材47の一部であるズームレバー48およびMENUボタン49と、表示部40とが配設されている。ズームレバー48は、ズームレンズのズームアップおよびズームアウトの操作をユーザから受け付け、受け付けた操作に応じて、ズームレンズを広角(W)側または望遠(T)側にズームする。MENUボタン49は、カメラ10に関する各種設定に用いられる。例えば、後述する擬似広角ズームを利用するか否かの設定に用いられる。
表示部40には、スルー画としての被写体像が表示されると共に、現在設定されているズーム状態を示すズームバー51が表示されている。図1(d)は、表示部40に表示されているズームバー51を拡大した拡大図である。ズームバー51には、望遠(T)71および広角(W)72が示されている。望遠(T)71と広角(W)72の間には、光学ズームの望遠端73、光学ズームの広角端74が示されている。望遠端73と広角端74の間の領域76は、光学ズーム領域である。インジケータ75は、現在設定されているズーム位置を示す。また、望遠(T)71と望遠端73の間の領域77は、電子ズームが作動する領域である。カメラ10は、ズームアップの指示によってズームレンズの望遠端まで到達した後に、さらにズームアップの指示を受け付けた場合に、電子ズームに係る処理を実行する。
広角(W)72と広角端74の間の領域78は、擬似広角ズームが作動する領域である。本実施形態においては、ズームアウトの指示によってズームレンズの広角端まで到達した後に、さらにズームアウトの指示を受け付けた場合に、擬似広角ズームに係る処理を実行する。このように本実施形態においては、望遠端から電子ズームに切り替わるように、広角端から擬似広角ズームに切り替わる。広角端から擬似広角ズームへと切り替わる切替点においては、表示部40に表示するスルー画における単位時間当たりの画角の変化量を不連続とするとよい。すなわち、ズームレバー48のW側が押下され続けた結果、ズームレンズの広角端まで到達すると一旦停止し、再度押下されると、擬似広角ズームに切り替わる。これにより、ユーザは、広角端から擬似広角ズームへの切り替わりを把握することができる。擬似広角ズームに係る処理によって、ズームレンズの広角端は、さらに擬似的に広げられる。ズームレンズの広角端から擬似的に広げられた擬似広角端までには複数の段階が存在し、ユーザは、ズームバー51によって自由に段階を指定することができる。なお、擬似広角ズームを利用しない旨の設定がなされていれば、広角端74は表示されない。すなわち、広角(W)72と望遠端73の間の領域は、光学ズーム領域となる。
図2は、カメラ10のシステム構成図である。上述のように、カメラ10は、撮像部20を備える。撮像部20は、ズームレンズ21、フォーカスレンズ22、レンズシャッタ23、および撮像素子31を含んで構成される。被写体像は、光軸11に沿って撮像部20に入射し、撮像素子31の結像面に結像する。撮像部20は、光軸11と結像面が交わる点を中心にピボット運動することが好ましい。
撮像素子31は、被写体像である光学像を光電変換する素子である。撮像素子31として、CCDセンサ、CMOSセンサなどを用いることができる。撮像素子31で光電変換された被写体像は、A/D変換器32でアナログ信号からデジタル信号に変換される。撮像素子31の電荷読み出し制御およびA/D変換器32の変換制御は、メモリ制御部33の同期制御を受けたタイミング発生部34が供給するクロック信号により同期が計られる。
デジタル信号に変換された被写体像は、画像データとして順次処理される。画像データは、メモリ制御部33の制御に従い、一旦内部メモリ35に記憶される。内部メモリ35は、高速で読み書きのできるランダムアクセスメモリである。内部メモリ35として、DRAM、SRAMを用いることができる。内部メモリ35は、上述の複数回の撮影動作において、高速に連続して画像データが生成される場合にバッファメモリとしての役割を担う。また、画像処理部36が行う画像処理、圧縮処理において、ワークメモリとしての役割も担う。したがって、内部メモリ35は、これらの役割を担うに相当する十分なメモリ容量を備える。
画像処理部36は、設定されている撮影モード、ユーザからの指示に則して、画像データを所定の画像フォーマットに従った画像データに変換する。例えば、静止画像としてJPEGファイルを生成する場合、色変換処理、ガンマ処理、ホワイトバランス処理等の画像処理を行った後に適応離散コサイン変換等を施して圧縮処理を行う。また、動画像としてMPEGファイルを生成する場合、所定の画素数に縮小されて生成された連続する静止画としてのフレーム画像に対して、フレーム内符号化、フレーム間符号化を施して圧縮処理を行う。そして、変換された画像データは再び内部メモリ35に格納される。さらに、詳しくは後述するが、本実施形態においては、複数の画像データを繋ぎ合わせて、合成画像データを生成する。
画像処理部36によって処理された静止画像データ、動画像データ、合成画像データは、メモリ制御部33の制御により、記録媒体IF37を介して、内部メモリ35から記録媒体80に記録される。記録媒体80は、フラッシュメモリ等により構成される、カメラ10に対して着脱可能な不揮発性メモリである。また、静止画像データ、動画像データ、合成画像データは、表示制御部38の制御に従って、タイミング発生部34からのクロック信号に同期するD/A変換器39でアナログ信号に変換されて、表示部40に表示される。逐次画像データを表示部40に表示すれば、電子ファインダ機能を実現することができる。
カメラ10は、上記の画像処理における各々の要素も含めて、システム制御部41により直接的または間接的に制御される。システム制御部41は、システムメモリ42を備える。システムメモリ42は、電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROM(登録商標)等により構成される。システムメモリ42は、カメラ10の動作時に必要な定数、変数、プログラム等を、カメラ10の非動作時にも失われないように記録している。例えばプログラムとして、擬似広角ズームに係るプログラムが記録されている。システム制御部41は、定数、変数、プログラム等を適宜内部メモリ35に展開して、カメラ10の制御に利用する。システム制御部41は、擬似広角ズームに係るプログラムを実行する場合には、画像処理部36とともに撮像制御部として機能する。
システムメモリ42には、ズームレンズ21の広角端から擬似広角端までの複数の段階と、各段階が何mmの焦点距離に相当するかを示す推定焦点距離とが、予め対応付けられ、対応テーブルとして記憶されている。当該対応テーブルには、ズームレンズ21が広角端の場合に、推定焦点距離の画角を実現するために必要な画像データ数が対応付けられている。また、各画像データを撮影するために必要な、撮像部20に対するパン方向およびチルト方向への回転量が対応付けられている。さらに、撮影時の撮影条件が対応付けられている。
撮像部20は、システム制御部41の統括制御のもと、回転駆動部45によって駆動される。回転駆動部45の詳細は後述する。
ズームレンズ21、フォーカスレンズ22、レンズシャッタ23は、システム制御部41の統括制御のもとそれぞれ、ズーム制御部43、フォーカス制御部44、露光制御部46によって制御される。ズーム制御部43は、ユーザの指示に応じてズームレンズ21を駆動して、被写体像の画角を変更する。フォーカス制御部44は、連続して取得される画像データを用いたコントラストAFの情報に応じて、特定の領域の被写体像が撮像素子31の受光面上で合焦するように、フォーカスレンズ22を駆動する。露光制御部46は、画像処理部36が処理した画像データをシステム制御部41が解析して得た撮影条件としての露出値に従って、レンズシャッタ23を駆動し、入射する被写体像の絞りおよびシャッタ速度を調整する。さらに、詳しくは後述するが、本実施形態においては、擬似広角ズームに係る処理において、予め設定された露出値に従って、入射する被写体像の絞りおよびシャッタ速度を調整する。
カメラ10は、ユーザからの操作を受け付ける操作部材47を複数備えている。システム制御部41は、これら操作部材47が操作されたことを検知し、操作に応じた動作を実行する。また、カメラ10は操作部材47の類としてレリーズスイッチ50を備える。レリーズスイッチ50は、押下げ方向に2段階に検知できる押しボタンで構成されている。システム制御部41は、1段階目の押下げであるSW1の検知により撮影準備動作であるAF、AE、顔検出等を実行し、2段階目の押下げであるSW2の検知により撮像素子31による被写体像の取得動作を実行する。
図3は、撮像部20と回転駆動部45の位置関係を模式的に示す図である。図示するように、回転駆動部45は、具体的には、三つの駆動ローラからなる。三つの駆動ローラは、撮像部20に等間隔(120度間隔)に配設されている。三つの駆動ローラが協調して駆動することにより、撮像部20を筐体15に対してパン方向、チルト方向およびロール方向へ回転させることができる。
図4は、ズームレンズ21の広角端における撮影範囲を説明する説明図である。以降の説明においては、ユーザが風景70を撮影する場合を想定する。また、ズームレンズ21の焦点距離を24−100mmとして説明する。撮影範囲52は、ズームレンズ21の広角端、すなわち焦点距離が24mmの場合の撮影範囲を示す。図示するように、撮影範囲52では、風景70のごく一部しか撮影することができない。ユーザは、ズームレンズ21が広角端の場合に、ズームレバー48を介してさらにズームアウト操作を行うことにより、擬似広角ズームを利用することができる。本実施形態においては、ユーザが推定焦点距離として20mmを利用する場合について説明する。また、ズームレンズ21の焦点距離は24mmに設定されているものとする。
図5は、擬似広角ズームに係る処理の流れを説明する説明図である。本実施形態においては、ズームレンズ21が広角端の場合にさらにズームアウト操作がなされると、システム制御部41および画像処理部36が、擬似広角ズームに係る処理を実行する。具体的には、システム制御部41は、SW1およびSW2を連続して検知すると、まず広角端(焦点距離が24mm)で一度撮影動作を実行する。これにより、中心画像データが得られる。図5(a)に示すように、撮影動作の実行にあたって、画像処理部36が撮像画像の顔検出処理を行ってもよい。図5(a)は、顔検出枠81により女性の顔が捉えられている状態を示している。
次に、システム制御部41は、撮影範囲52を中心にして、その周辺を順次撮影する。具体的には、システム制御部41は、対応テーブルを参照して、撮像部20に対するパン方向およびチルト方向への回転量を決定する。そして、図5(b)に示すように、回転駆動部45を介して、決定した回転量だけ撮像部20をパン方向およびチルト方向へ回転駆動させて、新たな撮影範囲53で撮影する。図5(b)においては、撮影範囲53は、撮影範囲52に対して紙面の右上方向に設定されている。以上により、撮影範囲52からずれた周辺範囲を撮影することができる。結果として、周辺画像データが得られる。なお、撮影範囲53と撮影範囲52は、互いに重なる領域を有する。具体的には、紙面の上下方向の重なり量はd1であり、左右方向の重なり量はd2である。撮影範囲53と撮影範囲52の大部分が重なっている。撮影範囲52に対する重なり量は、後述する図5(c)、(d)、(e)でも同様である。
次に、システム制御部41は、撮影範囲53を基準にして、撮像部20に対するパン方向およびチルト方向への回転量を決定する。そして、図5(c)に示すように、決定した回転量だけ撮像部20をパン方向およびチルト方向へ回転駆動させて、新たな撮影範囲54で撮影する。図5(c)においては、撮影範囲54は、撮影範囲52に対して紙面の左上方向に設定されている。
次に、システム制御部41は、撮影範囲54を基準にして、撮像部20に対するパン方向およびチルト方向への回転量を決定する。そして、図5(d)に示すように、決定した回転量だけ撮像部20をパン方向およびチルト方向へ回転駆動させて、新たな撮影範囲55で撮影する。図5(d)においては、撮影範囲55は、撮影範囲52に対して紙面の左下方向に設定されている。
最後に、システム制御部41は、撮影範囲55を基準にして、撮像部20に対するパン方向およびチルト方向への回転量を決定する。そして、図5(e)に示すように、決定した回転量だけ撮像部20をパン方向およびチルト方向へ回転駆動させて、新たな撮影範囲56で撮影する。図5(e)においては、撮影範囲56は、撮影範囲52に対して紙面の右下方向に設定されている。
以上のように、撮影範囲52を中心に当該撮影範囲52の周辺を順次撮影することにより、複数の周辺画像データを得ることができる。本実施形態においては、中心画像データから周辺に対応する周辺画像データの順に取得される。これは、主の被写体の撮影を優先するためである。周辺になるほど主の被写体である可能性が低くなり得るので、周辺の撮影を後回しにしている。
図6は、擬似広角ズームにより得られる画像を説明する説明図である。画像処理部36は、中心画像データおよび複数の周辺画像データを繋ぎ合わせる。これにより、ズームレンズ21の広角端の画角よりも広い画角としての合成画像データを生成することができる。図6(a)に示すように、ズームレンズ21の広角端(焦点距離が24mm)の撮影範囲52に対し、あたかもより広角(推定焦点距離が20mm)の撮影範囲57が得られる。結果として、撮影範囲52に対して全体的に拡張された撮影範囲57で撮影された画像データを得ることができる。
なお、図6(a)に示すように、撮影範囲57の大きさは、撮影範囲52の大きさと異なる。したがって、擬似広角ズームに切り替わる前後で、得られる画像データの画素数が異なることになる。そこで、図6(b)に示すように、合成画像データをダウンサイズして縮小画像データを生成する。具体的には、撮影範囲52と同様の範囲58にダウンサイズする。これにより、広い画角を維持しつつ、擬似広角ズームに切り替わる前後で画素数を統一することができる。したがって、擬似広角ズームに切り替わる前後で、あたかも連続した画像データが生成されるように処理できる。縮小画像データを生成するための補間方法として、最近傍補間法、共一次補間(バイリニア補間)法、および3次補間(バイキュービック)法等を用いることができる。なお、縮小画像データを表示部40に表示する場合に、推定焦点距離を併せて表示してもよい。これにより、ユーザは、擬似広角ズームを利用する場合に、何mmの焦点距離に相当するかを把握することができる。
図7は、擬似広角ズームの処理に係る一連の処理を示すフロー図である。当該フローチャートは、擬似広角ズームへの切り替わりをシステム制御部41が検知することによって開始される。
システム制御部41は、SW1がオンされたかを判定する(ステップS101)。システム制御部41は、SW1がオンされたと判定すれば(ステップS101:Yes)、撮影準備動作を実行する(ステップS102)。このとき、画像処理部36が顔検出した場合には(ステップS103:Yes)、システム制御部41は、検出された顔が撮影範囲52の中心位置に設定されるよう、回転駆動部45を介して撮像部20を駆動する(ステップS104)。これにより、人物を中心にして撮影することができる。例えば、図5(a)では、顔が検出されているので、検出された顔が中心位置に設定される。画像処理部36が顔検出しなかった場合には(ステップS103:No)、システム制御部41は、スルー画の中心をそのまま中心位置に設定する(ステップS105)。
システム制御部41は、SW2がオンされたかを判定する(ステップS106)。システム制御部41は、SW2がオンされたと判定するまで(ステップS106:Yes)、そのままの状態を維持する(ステップS106:No、ステップS107:No)。ただし、SW1がオフされたと判定すれば(ステップS107:Yes)、ステップS101に移行する。
システム制御部41は、SW2がオンされたと判定すれば(ステップS106:Yes)、撮影処理を実行する。例えば、図5(a)に示したように、顔検出された人物にフォーカスが合った状態で撮影処理を実行する。
システム制御部41は、変数の初期化を行う(ステップS109)。具体的には、カレント周辺画像変数nに1を代入する。また、必要周辺画像数Sに必要な周辺画像数を代入する。例えば、図5に示した例においては、必要な周辺画像数は4枚であるので、4を代入する。
システム制御部41は、対応テーブルを参照しながら、周辺画像を撮影すべく、撮像部20を回転駆動する(ステップS110)。例えば、図5(b)に示したように、撮影範囲52を右上方向に移動させるべく、撮像部20を回転駆動する。
システム制御部41は、周辺画像を撮影するにあたって、撮影条件を変更するか判定する。周辺画像の撮影条件を変更することにより、種々の画像表現を実現できる。システム制御部41は、まず、フォーカス対象を変更するか判定する(ステップS111)。システム制御部41は、フォーカス対象を変更する旨の設定がなされていれば(ステップS111:Yes)、フォーカス対象を変更しフォーカス調整する(ステップS112)。ステップS108においては、顔検出された人物がフォーカス対象であった。ここで、当該人物から背景の一部(例えば、図5(b)の撮影範囲53内のヨット)にフォーカス対象を変更する。このようにすれば、人物にフォーカスが合った画像データと、背景の一部にフォーカスが合った画像データとを得ることができる。したがって、人物と背景の一部との両方にフォーカスが合った合成画像データを生成できる。システム制御部41は、フォーカス対象を変更しない旨の設定がなされていれば(ステップS111:No)、フォーカス対象を維持する。すなわち、図5の例では、人物をフォーカス対象とし続ける。
次に、システム制御部41は、絞り値およびシャッタ速度を変更するか判定する(ステップS113)。システム制御部41は、絞り値およびシャッタ速度を変更する旨の設定がなされていれば(ステップS111:Yes)、絞り値およびシャッタ速度を変更し調整する(ステップS114)。ステップS108においては、人物にフォーカスされた画像がすでに撮影されている。したがって、周辺画像を撮影する場合に、例えば絞りを開け、シャッタ速度を遅くして撮影すれば、ボケた画像を撮影することができる。したがって、ボケた背景に人物がくっきりと表れた合成画像データを生成できる。システム制御部41は、絞り値およびシャッタ速度を変更しない旨の設定がなされていれば(ステップS113:No)、絞り値およびシャッタ速度を維持する。
システム制御部41は、撮影処理を行う(ステップS115)。例えば、図5(b)に示したように、撮影範囲53を撮影する。
システム制御部41は、カレント周辺画像変数nが必要周辺画像数Sに達したか判定する(ステップS116)。カレント周辺画像変数nが必要周辺画像数Sに達していないと判定すれば(ステップS116:No)、カレント周辺画像変数nに1を計数する(ステップS117)。ここでは、カレント周辺画像変数nが必要周辺画像数Sに達していないので、カレント周辺画像変数nに1を計数する。そして、上述したステップS110からステップS115までの処理を繰り返す。
システム制御部41は、カレント周辺画像変数nが必要周辺画像数Sに達したと判定すれば(ステップS116:Yes)、合成画像データを生成する(ステップS118)。図5の例では、撮影範囲52に対して左上(図5(c))、左下(図5(d))、右下(図5(e))の撮影範囲を撮影すれば、カレント周辺画像変数nが必要周辺画像数Sに達したと判定される。
システム制御部41は、合成画像データをダウンサイズした縮小画像データを生成し(ステップS119)、当該縮小画像データを記憶するとともに(ステップS120)、表示部40に表示する(ステップS121)。そして、一連の処理を終了する。
以上のフローでは、擬似広角ズームの処理に係る一連の処理の中で合成画像データを生成したが、当該フローの中で合成画像データを生成しなくてもよい。中心画像データと周辺画像データをExifを利用して関連付けておけば、ユーザ操作に応じてその都度、合成画像データを生成できる。以上のフローでは、絞り値およびシャッタ速度の両方を変更する場合について示したが、絞り値およびシャッタ速度のいずれかを異ならせてもよい。また、システム制御部41は、撮像部20の回転速度を増加させるように回転駆動部45を制御してもよい。これにより、ボケた周辺画像を得ることができる。
図8は、擬似広角ズームに係る処理の流れを説明する説明図である。図5においては、ユーザが推定焦点距離として20mmを利用する場合について説明した。図8においては、ユーザが推定焦点距離として10mmを利用する場合について説明する。上述のように、ズームレンズ21が広角端の場合にさらにズームアウト操作がなされると、システム制御部41および画像処理部36が、擬似広角ズームに係る処理を実行する。具体的には、システム制御部41は、SW1およびSW2を連続して検知すると、図8(a)に示すように、まず広角端(焦点距離が24mm)で一度撮影動作を実行する。これにより、中心画像データが得られる。
次に、システム制御部41は、撮影範囲52を中心にして、その周辺を順次撮影する。図8に示す例においては、推定焦点距離が10mmと非常に短いので、図5に示した重ね合わせ量をより小さくし、かつ周辺画像データ数を増やすことにより、擬似的な画角を調整する。図8の例においては、八枚の周辺画像を撮影する。
システム制御部41は、対応テーブルを参照して、撮像部20に対するパン方向およびチルト方向への回転量を決定し、当該回転量だけ撮像部20を回転駆動させて、新たな撮影範囲59で撮影する。図8(b)においては、撮影範囲59は、撮影範囲52に対して紙面の右方向に大きくずれて設定されている。結果として、撮影範囲52に対して右方向に大きくずれた周辺画像データが得られる。なお、左右方向の重なり量はd3であり、図5で示した重なり量d2よりも小さくなっている。以降においても、直前の撮影範囲との左右方向の重なり量は同様である。
次に、システム制御部41は、撮影範囲59を基準にして、撮像部20に対するパン方向およびチルト方向への回転量を決定し、当該回転量だけ撮像部20を回転駆動させて、新たな撮影範囲60で撮影する。図8(c)においては、撮影範囲60は、撮影範囲52に対して紙面の右上方向に大きくずれて設定されている。結果として、撮影範囲52に対して右上方向に大きくずれた周辺画像データが得られる。なお、撮影範囲59との上下方向の重なり量はd4である。以降においても、直前の撮影範囲との上下方向の重なり量は同様である。
以降についても同様に、システム制御部41は、順次、直前の撮影範囲を基準にして、撮像部20に対するパン方向およびチルト方向への回転量を決定し、当該回転量だけ撮像部20を回転駆動させて、新たな撮影範囲で撮影する。図8(d)においては、撮影範囲61は、撮影範囲52に対して紙面の上方向に大きくずれて設定されているので、上方向に大きくずれた周辺画像データが得られる。図8(e)においては、撮影範囲62は、撮影範囲52に対して紙面の左上方向に大きくずれて設定されているので、左上方向に大きくずれた周辺画像データが得られる。図8(f)においては、撮影範囲63は、撮影範囲52に対して紙面の左方向に大きくずれて設定されているので、左方向に大きくずれた周辺画像データが得られる。
図8(g)においては、撮影範囲64は、撮影範囲52に対して紙面の左下方向に大きくずれて設定されているので、左下方向に大きくずれた周辺画像データが得られる。図8(h)においては、撮影範囲65は、撮影範囲52に対して紙面の下方向に大きくずれて設定されているので、下方向に大きくずれた周辺画像データが得られる。図8(i)においては、撮影範囲66は、撮影範囲52に対して紙面の右下方向に大きくずれて設定されているので、右下方向に大きくずれた周辺画像データが得られる。
図9は、擬似広角ズームにより得られる画像を説明する説明図である。画像処理部36は、中心画像データおよび八つの周辺画像データを繋ぎ合わせる。これにより、ズームレンズ21の広角端の画角よりも広い画角としての合成画像データを生成することができる。図9(a)に示すように、ズームレンズ21の広角端(焦点距離が24mm)の撮影範囲52に対し、あたかもより広角(推定焦点距離が10mm)の撮影範囲67を得られる。このように、重ね合わせ量および周辺画像データ数を調整することにより、図6で示した撮影範囲57よりもさらに広い撮影範囲67の画像データが得られる。さらに、図9(b)に示すように、合成画像データをダウンサイズして、縮小画像データを生成する。撮影範囲52と同様の範囲68とすることにより、広い画角を維持しつつ、擬似広角ズームに切り替わる前後で画素数を統一することができる。
以上の説明では、ユーザが設定した推定焦点距離に応じて、重ね合わせ量は可変であったが、重ね合わせ量を一定に保ったまま推定焦点距離を変更してもよい。重ね合わせ量としてある程度の幅を確保しておくことにより、合成画像データを生成する場合に収差によって重ね合わせ部分が歪んだとしても、重なり部分でのマッチング精度の低下を抑制できる。
図10は、擬似広角ズームに係る処理の流れを説明する説明図である。図5と同様に、ユーザが推定焦点距離として20mmを利用する場合について説明する。また、ズームレンズ21の焦点距離は24mmに設定されているものとする。
上述のように、ズームレンズ21が広角端の場合にさらにズームアウト操作がなされると、システム制御部41および画像処理部36が、擬似広角ズームに係る処理を実行する。具体的には、システム制御部41は、SW1およびSW2を連続して検知すると、まず広角端(焦点距離が24mm)から望遠側に戻す。どの程度望遠側に戻すかについては、推定焦点距離毎に予め設定されている。図10の例においては、例えば50mmに戻す。
図示するように、焦点距離が50mmに設定されることにより、当該焦点距離における撮影範囲69は、焦点距離が24mmの場合の撮影範囲52よりも狭くなる。結果として、推定焦点距離20mmを実現すべく、八個の周辺画像データを生成する。
まず、システム制御部41は、SW1およびSW2を連続して検知すると、図10(a)に示すように、焦点距離50mmで一度撮影動作を実行する。これにより、中心画像データが得られる。次に、システム制御部41は、撮影範囲69を中心にして、その周辺を順次撮影する。
システム制御部41は、対応テーブルを参照して、撮像部20に対するパン方向およびチルト方向への回転量を決定し、当該回転量だけ撮像部20を回転駆動させて、新たな撮影範囲82で撮影する。図10(b)においては、撮影範囲82は、撮影範囲69に対して紙面の右方向にずれて設定されている。結果として、撮影範囲69に対して右方向にずれた周辺画像データが得られる。なお、撮影範囲69との左右方向の重なり量はd5である。撮影範囲82の左右方向の幅の半分程度は、撮影範囲69に重なっている。以降においても、直前の撮影範囲との左右方向の重なり量は同様である。
次に、システム制御部41は、撮影範囲82を基準にして、撮像部20に対するパン方向およびチルト方向への回転量を決定し、当該回転量だけ撮像部20を回転駆動させて、新たな撮影範囲83で撮影する。図10(c)においては、撮影範囲83は、撮影範囲69に対して紙面の右上方向にずれて設定されている。結果として、撮影範囲69に対して右上方向にずれた周辺画像データが得られる。なお、撮影範囲82との上下方向の重なり量はd6である。撮影範囲83の上下方向の幅の半分程度は、撮影範囲82に重なっている。以降においても、直前の撮影範囲との上下方向の重なり量は同様である。
以降についても同様に、システム制御部41は、順次、直前の撮影範囲を基準にして、撮像部20に対するパン方向およびチルト方向への回転量を決定し、当該回転量だけ撮像部20を回転駆動させて、新たな撮影範囲で撮影する。図10(d)においては、撮影範囲84は、撮影範囲69に対して紙面の上方向にずれて設定されているので、上方向にずれた周辺画像データが得られる。図10(e)においては、撮影範囲85は、撮影範囲69に対して紙面の左上方向にずれて設定されているので、左上方向にずれた周辺画像データが得られる。図10(f)においては、撮影範囲86は、撮影範囲69に対して紙面の左方向にずれて設定されているので、左方向にずれた周辺画像データが得られる。
図10(g)においては、撮影範囲87は、撮影範囲69に対して紙面の左下方向にずれて設定されているので、左下方向にずれた周辺画像データが得られる。図10(h)においては、撮影範囲88は、撮影範囲69に対して紙面の下方向にずれて設定されているので、下方向にずれた周辺画像データが得られる。図10(i)においては、撮影範囲89は、撮影範囲69に対して紙面の右下方向にずれて設定されているので、右下方向にずれた周辺画像データが得られる。
図11は、擬似広角ズームにより得られる画像を説明する説明図である。画像処理部36は、中心画像データおよび八つの周辺画像データを繋ぎ合わせる。これにより、ズームレンズ21の広角端の画角よりも広い画角としての合成画像データを生成することができる。図11(a)に示すように、ズームレンズ21の広角端(焦点距離が24mm)の撮影範囲52に対し、あたかもより広角(推定焦点距離が20mm)の撮影範囲90が得られる。さらに、図11(b)に示すように、合成画像データをダウンサイズして、縮小画像データを生成する。撮影範囲52と同様の範囲91とすることにより、広い画角を維持しつつ、擬似広角ズームに切り替わる前後で画素数を統一することができる。
図12は、擬似広角ズームに係る処理の流れを説明する説明図である。図12では、説明を簡単にする目的で、擬似広角ズームに係る処理の流れの一部のみを図示している。なお、図10においては、ユーザが推定焦点距離として20mmを利用する場合について説明した。図12においては、ユーザが推定焦点距離として10mmを利用する場合について説明する。
上述のように、ズームレンズ21が広角端の場合にさらにズームアウト操作がなされると、システム制御部41および画像処理部36が、擬似広角ズームに係る処理を実行する。具体的には、システム制御部41は、SW1およびSW2を連続して検知すると、図12(a)に示すように、まず広角端(焦点距離が24mm)から望遠側に戻す。図12の例においては、例えば30mmに戻す。
まず、システム制御部41は、SW1およびSW2を連続して検知すると、図12(a)に示すように、焦点距離30mmで一度撮影動作を実行する。これにより、中心画像データが得られる。次に、システム制御部41は、撮影範囲92を中心にして、その周辺を順次撮影する。
システム制御部41は、対応テーブルを参照して、撮像部20に対するパン方向およびチルト方向への回転量を決定し、当該回転量だけ撮像部20を回転駆動させて、新たな撮影範囲93で撮影する。図12(b)においては、撮影範囲93は、撮影範囲92に対して紙面の右方向にずれて設定されている。結果として、撮影範囲92に対して右方向にずれた周辺画像データが得られる。なお、撮影範囲92との左右方向の重なり量はd7である。ここで、重なり量d7は、図10で示した重なり量d5と同一である。すなわち、左右方向の重なり量は、推定焦点距離によらず、一定に保たれている。このように、左右方向の重なり量を一定にすることにより、収差により歪んでいない部分をマッチング対象とすることができる。したがって、左右方向のマッチング精度を向上させることができる。
次に、システム制御部41は、撮影範囲93を基準にして、撮像部20に対するパン方向およびチルト方向への回転量を決定し、当該回転量だけ撮像部20を回転駆動させて、新たな撮影範囲94で撮影する。図12(c)においては、撮影範囲94は、撮影範囲92に対して紙面の右方向に大きくずれて設定されている。すなわち、撮影範囲93からさらに右方向にずれている。結果として、撮影範囲92に対して右方向に大きくずれた周辺画像データが得られる。なお、撮影範囲93との左右方向の重なり量はd7である。
次に、システム制御部41は、撮影範囲94を基準にして、撮像部20に対するパン方向およびチルト方向への回転量を決定し、当該回転量だけ撮像部20を回転駆動させて、新たな撮影範囲95で撮影する。図12(d)においては、撮影範囲95は、撮影範囲92に対して紙面の右上方向にずれて設定されている。結果として、撮影範囲92に対して右上方向にずれた周辺画像データが得られる。なお、撮影範囲94との上下方向の重なり量はd8である。ここで、重なり量d8は、図10で示した重なり量d6と同一である。すなわち、上下方向の重なり量も、推定焦点距離によらず、一定に保たれている。したがって、上下方向のマッチング精度を高めることができる。
次に、システム制御部41は、撮影範囲95を基準にして、撮像部20に対するパン方向およびチルト方向への回転量を決定し、当該回転量だけ撮像部20を回転駆動させて、新たな撮影範囲96で撮影する。図12(e)においては、撮影範囲96は、撮影範囲92に対して紙面のさらに右上方向にずれて設定されている。すなわち、撮影範囲95から上方向にずれている。撮影範囲95との上下方向の重なり量はd9である。ここで、重なり量d9は、重なり量d8より大きくなっている。重なり量をd8と同一にすると、推定焦点距離10mmの撮影範囲を超えてしまうので、当該撮影範囲を限度にしている。なお、重なり量が増えるので、結果として、さらにマッチング精度を向上させることができる。
以降についても同様に、システム制御部41は、順次、直前の撮影範囲を基準にして、撮像部20に対するパン方向およびチルト方向への回転量を決定し、当該回転量だけ撮像部20を回転駆動させて、新たな撮影範囲で撮影する。これにより、十六個の周辺画像データを得ることができる。
以上の説明では、四個、八個、十六個の周辺画像データを生成する場合について説明したが、三十二個の周辺画像データを生成してもよいし、それ以外の個数であってもよい。中心画像を撮影したが、隣接する周辺画像が互いに重なっていれば、周辺画像のみを撮影してもよい。なお、擬似広角ズームに係る処理においては、撮像部20はロール方向に回転しなくてもよい。したがって、この場合には、回転駆動部45は、撮像部20を筐体15に対してパン方向、およびチルト方向へ回転させることができればよい。
システム制御部41が擬似広角ズームに係る処理を実行する点について説明したが、システム制御部41は、他の処理を実行してもよい。例えば、回転駆動部45を介して、撮像部20をロール方向へ駆動することにより、予め定められた角度ステップごとにブラケッティング撮影を実行することもできる。
図13は、角度ブラケッティングを説明する説明図である。図13(a)に示すように、システム制御部41は、SW1およびSW2を連続して検知すると、人物97に対して一度撮影動作を実行する。次に、図13(b)に示すように、撮像部20をロール方向へ駆動し、予め定められた角度だけずらして人物97を撮影する。例えば、紙面の時計周りに1度だけずらす。なお、図13(a)においては、人物97の傾きを視認し易いように、1度より傾けた状態で図示している。続いて説明する図13(b)から(g)についても同様である。図13(c)に示すように、時計周りに1度だけずらして人物97を撮影し、図13(d)に示すように、さらに時計周りに1度だけずらして人物97を撮影する。
次に、図13(e)に示すように、図13(a)に示した状態から反時計回りに1度だけずらして人物97を撮影する。図13(f)に示すように、反時計周りに1度だけずらして人物97を撮影し、図13(g)に示すように、さらに反時計周りに1度だけずらして人物97を撮影する。以上により得られた画像は、表示部40に並べて表示される。ユーザは、複数の画像の中から好みの画像を選択することができる。このようなブラケッティング撮影は、例えば、水平画像を撮影したい場合等に効果的である。ユーザは、一度目の撮影時にある程度水平に近い状態で撮影すれば、ブラケッティング撮影により、ロール方向にずれた複数の画像を得ることができる。ユーザは、表示部40に表示された複数の画像から、最も水平に近い画像を選択することができる。なお、ユーザが角度ステップ幅を設定してもよい。
図14は、回転撮影を説明する説明図である。システム制御部41は、SW1およびSW2を連続して検知すると、人物98に対して一度撮影動作を実行する。そして、撮像部20をロール方向へ駆動することにより、予め定められた角度だけ回転させて人物98を撮影する。図14の例においては、反時計周りに45度回転させて撮影している。この処理を繰り返すことにより、人物98がロール方向に回転した画像を撮影することができる。以上、角度ブラケッティングおよび回転撮影に係る処理においては、撮像部20はパン方向およびチルト方向に回転しなくてもよい。したがって、この場合には、回転駆動部45は、撮像部20を筐体15に対してロール方向へ回転させることができればよい。
システム制御部41は、擬似広角ズームに係る処理を実行する場合でなくても、撮像部20を駆動することにより複数の画像データを生成できる。この場合に、複数の画像データのうちの第1画像データにおける部分画像を、第2画像データにおける全体画像の対象領域に重ね合わせて、重畳画像データを生成してもよい。図15は、重畳画像データの生成について説明する説明図である。図15においては、人物99と木100を撮影する場合を想定する。
図15(a)は、人物99にフォーカスが合った状態を示す図である。システム制御部41は、この状態で一度撮影処理を実行する。これにより、人物99にフォーカスが合った画像を得ることができる。次に、システム制御部41は、例えば木100にフォーカスを合わせるべく、撮像部20に対するパン方向およびチルト方向への回転量を決定する。図15(b)は、木100にフォーカスが合った状態を示す図である。システム制御部41は、木100にフォーカスが合った状態で撮影処理を実行する。そして、図15(c)に示すように、図15(a)における部分画像である人物99を、図15(b)における全体画像の対象領域101に重ね合わせる。これにより、全体的にフォーカスがあった画像を重畳画像として生成できる。なお、人物99を対象領域101に重ね合わせる場合に、境界部分をぼかしてもよい。また、人物99を拡大して撮影し、当該人物99を図15(b)における全体画像に重ね合わせてもよい。
システム制御部41は、撮影モードとして自動パン撮影モードを有してもよい。撮影モードが自動パン撮影モードに設定されていれば、システム制御部41は、SW2を検知すると、まず撮像部20を例えば左方向に回転させ、そこから撮影を開始する。具体的には、連射撮影、または動画を撮影する。システム制御部41は、撮像部20を左→正面→右と回転させながら撮影を繰り返す。これにより、ユーザは、被写体の正面にカメラ10を固定しておくだけで、自動的にパン撮影できる。なお、自動パン撮影を行う場合に、保持しているカメラ10が微妙に動く場合がある。カメラ10が加速度センサを備えていれば、当該動きを加速度センサで検知し、検知した値に応じて撮像部20の回転駆動に補正を加えてもよい。
システム制御部41は、撮影モードとして自動追尾モードを有してもよい。撮影モードが自動追尾モードに設定されていれば、システム制御部41は、SW2を検知すると、例えば撮像部20を右方向に回転させ、撮像を開始する。そして、画像処理部36が主要被写体を検出し、その移動を検知する。なお、被写体の追尾については、公知の追尾技術を用いることができる。主要被写体が動いていることが検知されたら、システム制御部41は、動きを相殺する方向に撮像部20を回転駆動させて撮影を行う。これにより、主要被写体を撮影範囲内に留めることができる。これにより、動いている被写体をとらえ続けるような連写、あるいは動画の撮影が容易になる。なお、被写体が撮像部20の回転の限界を超えて、フレームアウトした場合には、撮影を終了してもよい。
システム制御部41は、撮影モードとして自動パノラマモードを有してもよい。撮影モードが自動パノラマモードに設定されていれば、システム制御部41は、パノラマで2枚目を撮影する場合に、1枚目の画像と比較を行う。そして、重なりが少ない、もしくは重なっていないと判断した時には、重なりが適切になるように撮像部20の方向を調整する。これにより、適切な重なりが確保され、合成画像の質が向上する。また、画像処理部36がスルー画を解析することにより、いわゆる遠景の風景を撮影しようとしていると判定された場合には、システム制御部41は、自動的にパノラマ撮影を実行してもよい。
システム制御部41は、撮像部20をロール方向に90度回転させることにより、撮影方向の縦横を切り替えることができる。例えば、画像処理部36がスルー画を解析し、被写体が縦長であると判定すれば、撮像部20を90度回転させて、縦画像撮影を行う。一方、被写体が横長であると判定すれば、横画像撮影を行う。
画像処理部36がスルー画を解析することにより、カメラ10が持ち上げられたか、あるいは下げられたかを判定できる。例えば、カメラ10が持ち上げられたと判定すれば、撮像部20を鉛直方向に回転させる。撮像部20を下向きに回転させることにより、筐体15自体を下に向けなくてもよい。したがって、ハイアングルで撮影した場合であっても、表示部40が見易くなる。一方、カメラが下げられたと判定すれば、撮影方向を上にする。撮像部20を上向きに回転させることにより、筐体15自体を上に向けなくてもよい。したがって、ローアングルで撮影した場合であっても、表示部40が見易くなる。
カメラ10は、ズームを変化させた場合に、ズームの変化に連動させて仰角を制御してもよい。ズームを広角側に振った場合には、地面方向に不要な領域が増えないよう、やや上向きに撮影を行う。例えばそこから望遠方向に画角を変化させたら、今度は地面が消えないよう仰角を下げる。これにより、ズームを変化させた場合の上下方向の撮影範囲を適切に変化させることができる。
カメラ10は、通信手段を備えてもよい。この場合には、外部との通信によりリモート撮影することもできる。また、スルー画を外部に送信することもできる。例えば、外部装置のユーザが、カメラ10のスルー画を確認し、カメラ10における撮影方向を判断することもできる。外部装置により撮影方向を示す情報をカメラ10に送信することにより、カメラ10の撮影方向を制御できる。
カメラ10は、トラックボール状の入力部材を備えていてもよい。ユーザは、この入力部材により撮像部20を回転させてもよい。トラックボール状の入力部材であれば、球状の撮像部20を直感的に操作しやすい。なお、十字キーにより撮像部20を回転させてもよい。
撮像部20は、筐体15の正面から背面側に回転することにより、レンズ部分を筐体の内部に格納することができる。例えば、電源オフ時にレンズを筐体内に格納することにより、レンズカバーが不要になる。撮像部20は、レンズカバー機能も有する。
また、カメラを向けられると表情が硬くなったり、表情を作ったり、不自然になる場合がある。本実施形態においては、撮像部20が回転することにより、カメラ10の向きと異なる向きの被写体を撮影することができる。したがって、自然な表情の被写体を撮影することができる。この場合に、被写体に撮影を意識させないことを目的に、レリーズ時における電子音による報知を抑制してもよい。
撮像部20は、マイクロフォンを備えてもよい。これにより、動画撮影する場合に撮影方向の音声を取得し易くなる。撮像部20は、さらにフラッシュを備えてもよい。これにより、撮影方向の被写体を効果的に照らすことができる。カメラ10は、ビデオカメラであってもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 カメラ、11 光軸、12 パン方向、13 チルト方向、14 ロール方向、15 筐体、20 撮像部、21 ズームレンズ、22 フォーカスレンズ、23 レンズシャッタ、31 撮像素子、32 A/D変換器、33 メモリ制御部、34 タイミング発生部、35 内部メモリ、36 画像処理部、37 記録媒体IF、38 表示制御部、39 D/A変換器、40 表示部、41 システム制御部、42 システムメモリ、43 ズーム制御部、44 フォーカス制御部、45 回転駆動部、46 露光制御部、47 操作部材、48 ズームレバー、49 MENUボタン、50 レリーズスイッチ、51 ズームバー、52 撮影範囲、53 撮影範囲、54 撮影範囲、55 撮影範囲、56 撮影範囲、57 撮影範囲、58 範囲、59 撮影範囲、60 撮影範囲、61 撮影範囲、62 撮影範囲、63 撮影範囲、64 撮影範囲、65 撮影範囲、66 撮影範囲、67 撮影範囲、68 範囲、69 撮影範囲、70 風景、71 望遠(T)、72 広角(W)、73 望遠端、74 広角端 75 インジケータ、76 領域、77 領域、78 領域、80 記録媒体、81 顔検出枠、82 撮影範囲、83 撮影範囲、84 撮影範囲、85 撮影範囲、86 撮影範囲、87 撮影範囲、88 撮影範囲、89 撮影範囲、90 撮影範囲、91 範囲、92 撮影範囲、93 撮影範囲、94 撮影範囲、95 撮影範囲、96 撮影範囲、97 人物、98 人物、99 人物、100 木、101 対象領域
Claims (11)
- 筐体と、
レンズおよび撮像素子を有する撮像部と、
前記筐体に対して前記撮像部を回転させる回転駆動部と、
前記回転駆動部により前記撮像部を回転させながら前記撮像部により複数回の撮影動作を実行させる撮像制御部と
を備える撮像装置。 - 前記撮像制御部は、前記回転駆動部により前記撮像部を第1方向および第2方向へ駆動することにより取得された複数の画像データを繋ぎ合わせて、前記レンズの画角よりも広い画角としての合成画像データを生成する請求項1に記載の撮像装置。
- 前記撮像制御部は、前記合成画像データにおける中心に対応する中心画像データから周辺に対応する周辺画像データの順に取得されるように、前記回転駆動部を制御する請求項2に記載の撮像装置。
- 前記撮像制御部は、前記中心画像データを取得するための撮影動作における撮影条件と、前記周辺画像データを取得するための撮影動作における撮影条件とを異ならせる請求項3に記載の撮像装置。
- 前記撮像制御部は、前記撮影条件として、焦点を合わせる対象、絞り値およびシャッタ速度の少なくとも一つを異ならせる請求項4に記載の撮像装置。
- 前記撮像制御部は、前記撮像部の回転速度を増加させるように前記回転駆動部を制御する請求項2から5のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記撮像制御部は、前記合成画像データの画素数を前記複数の画像データのそれぞれの画素数と同じになるように前記合成画像データを生成する請求項2から6のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記レンズのズームアップおよびズームアウトを受け付ける操作部を備え、
前記撮像制御部は、前記ズームアウトの指示によって前記レンズの広角端まで到達した後にさらに前記ズームアウトの指示を受け付けたときに、前記合成画像データを生成する制御を開始する請求項2から7のいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記撮像制御部は、前記回転駆動部により前記撮像部を第3方向へ駆動することにより、予め定められた角度ステップごとにブラケッティング撮影を実行する請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記撮像制御部は、前記回転駆動部により前記撮像部を駆動することにより取得された複数の画像データのうちの第1画像データにおける部分画像を、第2画像データにおける全体画像の対象領域に重ね合わせて、重畳画像データを生成し、前記第1画像データを取得するための撮影動作における撮影条件と、前記第2画像データを取得するための撮影動作における撮影条件とを異ならせる請求項1から9のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 筐体と、レンズおよび撮像素子を有する撮像部と、前記筐体に対して前記撮像部を回転させる回転駆動部とを備える撮像装置の制御プログラムであって、
前記回転駆動部により前記撮像部を回転させる駆動ステップと、
回転された前記撮像部により撮影動作を実行させる撮影ステップと
をコンピュータに実行させる制御プログラム。
Priority Applications (1)
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JP2013095654A JP2014217010A (ja) | 2013-04-30 | 2013-04-30 | 撮像装置および制御プログラム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017152931A (ja) * | 2016-02-24 | 2017-08-31 | 株式会社Tbwa Hakuhodo | 撮影システム及びプログラム |
-
2013
- 2013-04-30 JP JP2013095654A patent/JP2014217010A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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