JP2014216167A - 保護素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】矩形状の可溶導体全面上にフラックスを均一に拡散させる。【解決手段】絶縁基板11と、絶縁基板11に配置された発熱抵抗体14と、絶縁基板11に積層された第1及び第2の電極12,12と、発熱抵抗体14と絶縁された状態で重畳され、第1及び第2の電極12,12の間の電流経路上で発熱抵抗体14に電気的に接続された発熱体引出電極16と、発熱体引出電極16から第1及び第2の電極12,12にわたって積層され、熱により溶断することにより、第1及び第2の電極12,12間の電流経路を遮断する矩形状の可溶導体13と、可溶導体13上に配置された複数のフラックス17とを備え、複数のフラックス17は、発熱抵抗体14に沿って配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、過充電、過放電等の異常時に、電流経路を遮断する保護素子に関する。
充電して繰り返し利用することのできる二次電池の多くは、バッテリパックに加工されてユーザに提供される。特に重量エネルギ密度の高いリチウムイオン二次電池においては、ユーザ及び電子機器の安全を確保するために、一般的に、過充電保護、過放電保護等のいくつもの保護回路をバッテリパックに内蔵し、所定の場合にバッテリパックの出力を遮断する機能を有している。
この種の保護素子には、バッテリパックに内蔵されたFETスイッチを用いて出力のON/OFFを行うことにより、バッテリパックの過充電保護又は過放電保護動作を行うものがある。しかしながら、何らかの原因でFETスイッチが短絡破壊した場合、雷サージ等が印加されて瞬間的な大電流が流れた場合、あるいはバッテリセルの寿命によって出力電圧が異常に低下したり、逆に過大異常電圧を出力した場合であっても、バッテリパックや電子機器は、発火等の事故から保護されなければならない。そこで、このような想定し得るいかなる異常状態においても、バッテリセルの出力を安全に遮断するために、外部からの信号によって電流経路を遮断する機能を有するヒューズ素子からなる保護素子が用いられている。
図15(A)及び図15(B)に示すように、このようなリチウムイオン二次電池等向けの保護回路の保護素子80としては、電流経路上に接続された第1及び第2の電極81,82間に亘って可溶導体83を接続して電流経路の一部をなし、この電流経路上の可溶導体83を、過電流による自己発熱、あるいは保護素子80内部に設けた発熱抵抗体84によって溶断するものがある。このような保護素子80では、溶融した液体状の可溶導体83を第1及び第2の電極81,82上に集めることにより電流経路を遮断する。
また、図15に記載されているような保護素子80においては、リフローはんだ付け等により実装される際の加熱により溶融しないように、一般的に、可溶導体83として融点が300℃以上のPb入り高融点半田が用いられている。また、可溶導体83を加熱すると酸化が進み溶断を阻害するため、可溶導体83に生成された酸化膜を除去するとともに、可溶導体83の濡れ性を向上させるためにフラックス85を積層することも行われている。
特開2010−003665号公報 特開2004−185960号公報 特開2012−003878号公報
近年のリチウムイオン二次電池の高容量化、高出力化に伴い、リチウムイオン二次電池向けの保護回路の保護素子80についても、定格の向上が求められている。また、電子機器の小型化、薄型化に伴い、保護素子80としても更なる小型化、薄型化が求められている。
定格を向上させ、より多くの電流を流すためには、可溶導体83の導体抵抗を下げることが求められる。可溶導体83の抵抗を下げるためには、(1)導体の断面積を大きくすること、(2)可溶導体83が配置される第1及び第2の電極81,82間の導電距離を短くすることが有効となる。また、可溶導体83と第1及び第2の電極81,82との接続抵抗も保護素子80の定格に影響するため、(3)可溶導体83と第1及び第2の電極81,82との接続面積を大きくすることも有効となる。
そして、保護素子80として小型化、薄型化が求められていることから、(1)の導体断面積を大きくすることには限度があり、(2)導電距離の短縮化、及び(3)可溶導体83と第1及び第2の電極81,82との接続面積の増大が、保護素子の定格向上を図る上で有効となる。そのため、可溶導体83の形状は、図16に示すように、第1、第2の電極81,82間距離D1において短く、第1、第2の電極81,82との接続距離D2において長い、矩形状をなす。
ここで、可溶導体83上に配置され、酸化防止、濡れ性の向上を図るフラックス85も、可溶導体83の形状に応じて楕円形状に保持されることが望ましい。しかし、楕円形状のフラックスは、長軸の両側にいくほど張力が強くなり、少しの傾きで長軸の一方側に偏りやすく、発熱抵抗体84の中心から偏倚して保持されてしまい、可溶導体85の全体にわたって拡散せず溶断時間が延びてしまう。
そのため、可溶導体85上に配置されるフラックスは真円形状で保持されることが、発熱抵抗体84の中心上に保持する上で好ましい。しかし、定格向上を図るために矩形状をなす可溶導体83上においては、真円形状のフラックスは、可溶導体83の短辺の長さで径の大きさが決まるため、可溶導体83の全面積をカバーするには保持量が不足してしまい、酸化防止や濡れ性の向上を図ることができない。
そこで、本発明は、矩形状の可溶導体上においても、フラックスを可溶導体の全面にわたって均一に拡散させることができる保護素子を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る保護素子は、絶縁基板と、上記絶縁基板に配置された発熱抵抗体と、上記絶縁基板に積層された第1及び第2の電極と、上記発熱抵抗体と絶縁された状態で重畳され、上記第1及び第2の電極の間の電流経路上で該発熱抵抗体に電気的に接続された発熱体引出電極と、上記発熱体引出電極から上記第1及び第2の電極にわたって積層され、熱により溶断することにより、該第1の電極と該第2の電極との間の電流経路を遮断する矩形状の可溶導体と、上記可溶導体上に配置された複数のフラックスとを備え、上記複数のフラックスは、上記発熱抵抗体に沿って配置されているものである。
本発明によれば、フラックスが発熱抵抗体に沿って複数設けられているため。複数のフラックスによって矩形状の可溶導体表面を広範囲にカバーすることができるとともに、発熱抵抗体の発熱により、フラックスを可溶導体の全面にわたって均一に拡散させる。したがって、本発明に係る保護素子は、可溶導体の酸化防止や濡れ性の向上によって、第1及び第2の電極間の電流経路を速やかに溶断することができる。
本発明が適用された保護素子を示す図であり、(A)はカバー部材を透過して示す平面図、(B)は断面図である。 フラックスを発熱抵抗体の発熱中心上に配置した保護素子を、カバー部材を透過して示す平面図である。 フラックスを可溶導体の溶断部上に配置した保護素子を、カバー部材を透過して示す平面図である。 (A)(B)は、フラックスを発熱抵抗体の発熱中心上及び可溶導体の溶断部上に配置した保護素子の一例を、カバー部材を透過して示す平面図である。 発熱抵抗体の発熱中心上及び可溶導体の溶断部上に亘る大径のフラックスを配置した保護素子を、カバー部材を透過して示す平面図である。 フラックスを対象に配置した保護素子を、カバー部材を透過して示す平面図である。 フラックスを対象に配置した保護素子を、カバー部材を透過して示す平面図である。 フラックスを非対象に配置した保護素子を、カバー部材を透過して示す平面図である。 フラックスの保持機構として可溶導体に保持孔を設けた保護素子を示す断面図である。 フラックスの保持機構として可溶導体に凸部を設けた保護素子を示す断面図である。 フラックスの保持機構としてリブが形成された保持部材を設けた保護素子を示す断面図である。 フラックスの保持機構として凸部が形成された可溶導体及び保持部材を設けた保護素子を示す断面図である。 バッテリパックの回路構成を示す回路図である。 本発明が適用された保護素子の等価回路である。 従来の保護素子を示す図であり(A)は斜視図、(B)は断面図である。 矩形状の可溶導体を用いた保護素子の一部を示す斜視図である。
以下、本発明が適用された保護素子について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[保護素子の構成]
図1(A)(B)に示すように、本発明が適用された保護素子10は、絶縁基板11と、絶縁基板11に積層され、絶縁部材15に覆われた発熱抵抗体14と、絶縁基板11の両端に形成された電極12(A1),12(A2)と、絶縁部材15上に発熱抵抗体14と重畳するように積層された発熱体引出電極16と、両端が電極12(A1),12(A2)にそれぞれ接続され、中央部が発熱体引出電極16に接続された可溶導体13と、可溶導体13上に設けられ、可溶導体13に発生する酸化膜を除去するとともに可溶導体13の濡れ性を向上させる複数のフラックス17とを備える。
絶縁基板11は、たとえば、アルミナ、ガラスセラミックス、ムライト、ジルコニアなどの絶縁性を有する部材を用いて略方形状に形成されている。絶縁基板11は、その他にも、ガラスエポキシ基板、フェノール基板等のプリント配線基板に用いられる材料を用いてもよいが、ヒューズ溶断時の温度に留意する必要がある。
発熱抵抗体14は、比較的抵抗値が高く通電すると発熱する導電性を有する部材であって、たとえばW、Mo、Ru等からなる。これらの合金あるいは組成物、化合物の粉状体を樹脂バインダ等と混合して、ペースト状にしたものを絶縁基板11上にスクリーン印刷技術を用いてパターン形成して、焼成する等によって形成する。
発熱抵抗体14を覆うように絶縁部材15が配置され、この絶縁部材15を介して発熱抵抗体14に対向するように発熱体引出電極16が配置される。発熱抵抗体14の熱を効率良く可溶導体13に伝えるために、発熱抵抗体14と絶縁基板11の間に絶縁部材15を積層しても良い。絶縁部材15としては、例えばガラスを用いることができる。
発熱体引出電極16は、発熱抵抗体14の一端と連続されるとともに、一端が発熱体電極18(P1)に接続され、他端が発熱抵抗体14を介して他方の発熱体電極18(P2)に接続されている。
可溶導体13は、発熱抵抗体14の発熱により速やかに溶断される材料からなり、例えばSnを主成分とするPbフリーハンダ等の低融点金属を好適に用いることができる。また、可溶導体13は、In、Pb、Ag、Cu等の合金を用いてもよく、あるいは低融点金属と、Ag、Cu又はこれらを主成分とする合金等の高融点金属との積層体であってもよい。
なお、可溶導体13は、発熱体引出電極16及び電極12(A1),12(A2)へ、ハンダ等により接続されている。可溶導体13は、リフローはんだ付けによって容易に接続することができる。
また、保護素子10は、内部を保護するために、絶縁基板11上にカバー部材19が設けられている。
保護素子10は、可溶導体13が、絶縁部材15及び発熱体引出電極16を介して、発熱抵抗体14と重畳した位置に設けられることにより、発熱抵抗体14が発した熱を効率よく可溶導体13に伝え、速やかに溶断させることができる。
ここで、保護素子10は、定格を向上させ、より多くの電流を流すために、可溶導体13の導体抵抗を下げることが求められる。そのため、保護素子10は、電極12(A1)(A2)間の導電距離の短縮化、及び可溶導体13と電極12(A1)(A2)との接続面積の増大が図られ、図1(A)に示すように、可溶導体13の形状が、電極12(A1)(A2)間距離D1において短く、電極(A1)(A2)との接続距離D2において長い、平面視で矩形状をなす。
また、可溶導体13の矩形化に応じて、発熱抵抗体14、絶縁部材15及び発熱体引出電極16も、電極12(A1)(A2)間において短く、電極(A1)(A2)の長辺に沿って長い、矩形状をなす。
[フラックス17の配置]
可溶導体13の表面には、複数のフラックス17が設けられている。各フラックスは、略真円形状をなし、張力が全体にわたって均一に作用し左右に偏倚することなくバランスよく保持されている。
フラックス17は、発熱抵抗体14に沿って複数設けられている。これにより、保護素子10は、複数のフラックスが矩形状の可溶導体13表面を広範囲にカバーすることができ、発熱抵抗体14の発熱により、フラックス17を可溶導体13の全面にわたって均一に拡散させる。したがって、保護素子10は、可溶導体13の酸化防止や濡れ性の向上によって、電極12(A1)(A2)間の電流経路を速やかに溶断することができる。
複数のフラックス17は、例えば、図1(A)に示すように、可溶導体13表面上において、発熱抵抗体14と重畳する位置に、発熱抵抗体14に沿って設けられている。これにより、複数のフラックス17は、発熱抵抗体14の熱により可溶導体13の発熱抵抗体14との重畳位置から外縁部にかけて拡散し、可溶導体13の全面にわたって均一に拡散することで、可溶導体13を速やかに溶断することができる。
このとき、図2に示すように、少なくとも一つのフラックス17は、発熱抵抗体14の発熱中心14a上に配置されていることが好ましい。発熱抵抗体14の発熱中心14aは、絶縁基板11上に設けられた矩形状の発熱抵抗体14の中央部をいう。発熱抵抗体14は、外部と接する外縁部から熱が逃げていくことから、外縁部から離れている発熱中心14aが最も温度が高く、外縁部に向かって低くなる温度分布を有する。
保護素子10は、発熱中心14a上にフラックス17を配置することにより、当該フラックス17が発熱抵抗体14の温度分布に対応して、発熱中心14aより外縁部に向かって放射状に拡散する。すなわち、発熱中心14aにフラックス17を設けていない場合、最も温度が高い発熱中心14aに向かってはフラックス17は拡散しにくく、発熱中心14a上にフラックス17が行き渡らない恐れがある。
したがって、保護素子10は、予めフラックス17が拡散しにくい発熱抵抗体14の発熱中心14a上にフラックスを配置することにより、確実にフラックス17を可溶導体13の全面に拡散させることができる。
[溶断部]
また、複数のフラックス17は、図3に示すように、可溶導体13表面の発熱体引出電極16と電極(A1)(A2)との間の溶断部13aに、発熱抵抗体14に沿って配置してもよい。可溶導体13は、発熱体引出電極16及び電極12(A1),12(A2)間に亘って接続され、過電流による自己発熱(ジュール熱)や、発熱抵抗体14の熱により溶融し、発熱体引出電極16と、電極12(A1),12(A2)間が溶断される。これにより、保護素子13は、電流経路を遮断する。可溶導体13の溶断部13aとは、図3に示すように、発熱体引出電極16及び電極12(A1),12(A2)間に亘って接続された可溶導体13における溶断箇所をいい、具体的には、発熱体引出電極16と電極12(A1)との間、及び発熱体引出電極16と電極12(A2)との間をいう。
そして、保護素子10は、可溶導体13の溶断部13a上に、発熱抵抗体14に沿って配置することにより、発熱体引出電極16と電極12(A1),12(A2)との間における可溶導体13の酸化を防止し、速やかに溶断部13aを溶断させて電極12(A1),12(A2)間の電流経路を遮断することができる。
また、複数のフラックス17は、図4(A)(B)に示すように、発熱抵抗体14の発熱中心14a上、及び可溶導体13の溶断部13aに、それぞれ発熱抵抗体14に沿って配置してもよい。また、図5に示すように、発熱抵抗体14と重畳する位置に、可溶導体13の溶断部13aまでカバーする大きさの複数のフラックス17を、発熱抵抗体14に沿って配置してもよい。また、図4、図5に示すように、いずれの場合も、保護素子10は、発熱抵抗体14の発熱中心14a上にフラックス17を配置することが好ましい。
それぞれ、最も温度が高く拡散しにくい発熱中心14aより外縁部に向かって放射状に拡散し、確実にフラックス17を可溶導体13の全面に拡散させることができる。また、それぞれ、確実に溶断させる必要がある発熱体引出電極16と電極12(A1),12(A2)との間の可溶導体13の溶断部13aの酸化を防止し、速やかに溶断することができる。
[対称配置]
また、複数のフラックス17は、発熱抵抗体14の発熱中心14aに対して対象に配置することが好ましい。これにより、フラックス17を可溶導体13の全面にわたって均一に拡散させることができ、製品ごとに溶断特性がばらつくことなく、安定して速やかな溶断を実現できる。
複数のフラックス17は、図6に示すように、発熱抵抗体14の発熱中心14aに対して左右対称に配置してもよく、あるいは図7に示すように、点対称に配置してもよい。このとき、複数のフラックス17は、発熱抵抗体14の発熱中心14aに一つ配置するとともに、発熱中心14aに対して対称配置することから奇数個となる。
なお、複数のフラックス17は、発熱抵抗体14の発熱中心14aに対して非対称に配置してもよい。この場合、複数のフラックス17は、図8に示すように、発熱抵抗体14の発熱中心14aに一つ配置するとともに、左右で大きさの異なるフラックス17を配置し、左右のフラックス17の総体積は等しくすることが好ましい。すなわち、フラックス17の総体積を発熱中心14aに対して対称とすることにより、対称配置した場合と同様に、可溶導体13の全面にわたって均一にフラックス17を拡散させることができる。
[保持機構]
保護素子10は、複数のフラックス17を上述した可溶導体13上の所定の位置に保持する保持機構を有する。保持機構としては、例えば図1(A)(B)に示すように、カバー部材19の上面19aにリブ21を設けることにより構成することができる。リブ21は、カバー部材19の上面19aより保護素子10の内部に突出して設けられ、例えば円形の側壁からなる。複数のフラックス17は、リブ21との張力によって、当該リブ21と可溶導体13の表面との間に保持される。リブ21は、一つのフラックス17に応じて一つ設けられ、上述した複数のフラックス17の配置に応じた位置に、複数形成されている。
なお、フラックス17の径は、リブ21の径によって決まるため、リブ21は、各フラックス17の大きさに応じた径を有する。また、リブ21は、側壁の一部に高さ方向のスリットを形成してもよい。
また、保護素子10は。保持機構として、図9に示すように、可溶導体13の表面に保持孔22を形成してもよい。フラックス17は、保持孔22内に充填されることにより、可溶導体13上の所定の位置に保持される。保持孔22は、可溶導体13をプレス等により成形する際に同時に形成することができ、可溶導体13を貫通する貫通孔であってもよく、可溶導体13の表面に設けられた非貫通の凹部であってもよい。保持孔22は、一つのフラックス17に応じて一つ設けられ、上述した複数のフラックス17の配置に応じた位置に、複数形成されている。
なお、保持孔22は、フラックス17をバランスよく保持するために、可溶導体13の表面に円形に開口されていることが好ましい。また、フラックス17の径は、保持孔22の径によって決まるため、保持孔22は、各フラックス17の大きさに応じた開口径を有する。
また、保護素子10は。保持機構として、図10に示すように、可溶導体13の表面に凸部23を形成してもよい。保護素子10は、凸部23を設けることにより、凸部23とカバー部材19の上面19aとの間が狭小化され、これにより凸部23とカバー部材19の上面19aとの間にフラックス17の張力が働き(毛管現象)、保持することができる。凸部23は、可溶導体13をプレス等により成形する際に同時に形成することができ、例えば円柱状に形成される。凸部23は、一つのフラックス17に応じて一つ設けられ、上述した複数のフラックス17の配置に応じた位置に、複数形成されている。
なお、フラックス17の径は、凸部23の径によって決まるため、凸部23は、各フラックス17の大きさに応じた径を有する。
また、保護素子10は、保持機構として、図11に示すように、絶縁基板11上に設けられフラックス17を保持する保持部材24を配設してもよい。保持部材24は、上述したリブ21と同様のリブ24aが形成され、これによりフラックス17をリブ24aと可溶導体13の表面との間に保持する。保持部材24を設けることにより、カバー部材19の上面19aと可溶導体13の表面とが離間し、フラックス17をリブ21で保持できない場合にも、保持部材24を可溶導体13の上方の任意の高さに設けることができ、リブ24aによって確実にフラックス17を可溶導体13の表面の所定の位置に保持することができる。
保持部材24は、例えば側壁24bが絶縁基板11に支持されることにより、可溶導体13の上方に配設されている。なお、保持部材24は、カバー部材19の上面19aや側壁19bに支持されることにより可溶導体13の上方に配設されるようにしてもよい。
なお、この場合、可溶導体13のリブ24aと対向する位置に、上述した保持孔22(図示せず)を設けてもよい。
また、図12に示すように、保持部材24は、リブ24aを設けることなく、可溶導体13に上述した凸部23を設けることによりフラックス17を保持してもよい。凸部23を設けることにより、凸部23と保持部材24との間が狭小化され、これにより凸部23と保持部材24との間にフラックス17の張力が働き(毛管現象)、保持することができる。
保持部材24を設けることにより、カバー部材19の上面19aと可溶導体13の表面に形成した凸部23とが離間し、フラックス17を保持できない場合にも、保持部材24を可溶導体13の上方の任意の高さに設けることができ、凸部23との間に張力を働かせて確実にフラックス17を可溶導体13の表面の所定の位置に保持することができる。
[保護素子の使用方法]
このような保護素子10は、図13に示すように、例えばリチウムイオン二次電池のバッテリパック30内の回路に組み込まれて用いられる。バッテリパック30は、例えば、合計4個のリチウムイオン二次電池のバッテリセル31〜34からなるバッテリスタック35を有する。
バッテリパック30は、バッテリスタック35と、バッテリスタック35の充放電を制御する充放電制御回路40と、バッテリスタック35の異常時に充電を遮断する本発明が適用された保護素子10と、各バッテリセル31〜34の電圧を検出する検出回路36と、検出回路36の検出結果に応じて保護素子10の動作を制御する電流制御素子37とを備える。
バッテリスタック35は、過充電及び過放電状態から保護するための制御を要するバッテリセル31〜34が直列接続されたものであり、バッテリパック30の正極端子30a、負極端子30bを介して、着脱可能に充電装置45に接続され、充電装置45からの充電電圧が印加される。充電装置45により充電されたバッテリパック30の正極端子30a、負極端子30bをバッテリで動作する電子機器に接続することによって、この電子機器を動作させることができる。
充放電制御回路40は、バッテリスタック35から充電装置45に流れる電流経路に直列接続された2つの電流制御素子41、42と、これらの電流制御素子41、42の動作を制御する制御部43とを備える。電流制御素子41、42は、たとえば電界効果トランジスタ(以下、FETと呼ぶ。)により構成され、制御部43によりゲート電圧を制御することによって、バッテリスタック35の電流経路の導通と遮断とを制御する。制御部43は、充電装置45から電力供給を受けて動作し、検出回路36による検出結果に応じて、バッテリスタック35が過放電又は過充電であるとき、電流経路を遮断するように、電流制御素子41、42の動作を制御する。
保護素子10は、たとえば、バッテリスタック35と充放電制御回路40との間の充放電電流経路上に接続され、その動作が電流制御素子37によって制御される。
検出回路36は、各バッテリセル31〜34と接続され、各バッテリセル31〜34の電圧値を検出して、各電圧値を充放電制御回路40の制御部43に供給する。また、検出回路36は、いずれか1つのバッテリセル31〜34が過充電電圧又は過放電電圧になったときに電流制御素子37を制御する制御信号を出力する。
電流制御素子37は、たとえばFETにより構成され、検出回路36から出力される検出信号によって、バッテリセル31〜34の電圧値が所定の過放電又は過充電状態を超える電圧になったとき、保護素子10を動作させて、バッテリスタック35の充放電電流経路を電流制御素子41、42のスイッチ動作によらず遮断するように制御する。
以上のような構成からなるバッテリパック30において、本発明が適用された保護素子10は、図14に示すような回路構成を有する。すなわち、保護素子10は、発熱体引出電極16を介して直列接続された可溶導体13と、可溶導体13の接続点を介して通電して発熱させることによって可溶導体13を溶融する発熱抵抗体14とからなる回路構成である。また、保護素子10では、たとえば、可溶導体13が充放電電流経路上に直列接続され、発熱抵抗体14が電流制御素子37と接続される。保護素子10の2個の電極12のうち、一方は、A1に接続され、他方は、A2に接続される。また、発熱体引出電極16とこれに接続された発熱体電極18は、P1に接続され、他方の発熱体電極18は、P2に接続される。
このような回路構成からなる保護素子10は、発熱抵抗体14の発熱により可溶導体13を溶断することにより、確実に電流経路を遮断することができる。
なお、本発明の保護素子は、リチウムイオン二次電池のバッテリパックに用いる場合に限らず、電気信号による電流経路の遮断を必要とする様々な用途にももちろん応用可能である。
10 保護素子、11 絶縁基板、12 電極、13 可溶導体、13a 溶断部、14 発熱抵抗体、15 絶縁部材、16 発熱体引出電極、18 発熱体電極、19 カバー部材、21 リブ、22 保持孔、23 凸部、24 保持部材、24a リブ、24b 側壁、30 バッテリパック、31〜34 バッテリセル、36 検出回路、37 電流制御素子、40 充放電制御回路、41,42 電流制御素子、43 制御部、45 充電装置

Claims (13)

  1. 絶縁基板と、
    上記絶縁基板に配置された発熱抵抗体と、
    上記絶縁基板に積層された第1及び第2の電極と、
    上記発熱抵抗体と絶縁された状態で重畳され、上記第1及び第2の電極の間の電流経路上で該発熱抵抗体に電気的に接続された発熱体引出電極と、
    上記発熱体引出電極から上記第1及び第2の電極にわたって積層され、熱により溶断することにより、該第1の電極と該第2の電極との間の電流経路を遮断する矩形状の可溶導体と、
    上記可溶導体上に配置された複数のフラックスとを備え、
    上記複数のフラックスは、上記発熱抵抗体に沿って配置されている保護素子。
  2. 少なくとも一つの上記フラックスは、上記発熱抵抗体の発熱中心上に配置されている請求項1記載の保護素子。
  3. 上記複数のフラックスは、上記発熱抵抗体上に沿って配置されている請求項1又は2に記載の保護素子。
  4. 上記複数のフラックスは、それぞれ上記可溶導体の上記発熱抵抗体上から溶断部上にわたってカバーしている請求項3記載の保護素子。
  5. 上記複数のフラックスは、上記発熱体引出電極と上記第1及び第2の電極の間の溶断部に沿って配置されている請求項1に記載の保護素子。
  6. 上記複数のフラックスは、上記発熱抵抗体上と、上記発熱体引出電極と上記第1及び第2の電極の間の溶断部とに沿って配置されている請求項1又は2に記載の保護素子。
  7. 上記複数のフラックスは、上記発熱抵抗体の発熱中心に対して対称に配置されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の保護素子。
  8. 上記複数のフラックスのそれぞれを、上記可溶導体上の所定の位置に保持する保持機構を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の保護素子。
  9. 上記絶縁基板上を覆うカバー部材を有し、
    上記複数のフラックスは、それぞれ上記カバー部材に設けられたリブによって所定の位置に保持されている請求項8記載の保護素子。
  10. 上記可溶導体は、上記フラックスを保持する保持孔が設けられ、
    上記複数のフラックスは、それぞれ上記可溶導体に設けられた上記保持孔によって所定の位置に保持されている請求項8記載の保護素子。
  11. 上記絶縁基板上を覆うカバー部材を有し、
    上記可溶導体は、上記カバー部材との間で上記フラックスを保持する凸部が設けられ、
    上記複数のフラックスは、それぞれ上記可溶導体に設けられた上記凸部と上記カバー部材との間の所定の位置に保持されている請求項8記載の保護素子。
  12. 上記絶縁部材上に設けられたフラックス保持部材を有し、
    上記複数のフラックスは、それぞれ上記フラックス保持部材に設けられたリブによって所定の位置に保持されている請求項8記載の保護素子。
  13. 上記絶縁部材上に設けられたフラックス保持部材を有し、
    上記可溶導体は、上記フラックス保持部材との間で上記フラックスを保持する凸部が設けられ、
    上記複数のフラックスは、それぞれ上記可溶導体に設けられた上記凸部と上記フラックス保持部材との間の所定の位置に保持されている請求項8記載の保護素子。
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