以下、図面に基づいて実施形態を説明する。
図1は、検出システムおよび検出装置の一実施形態を示す。
図1に示す検出システム100は、センサ1、反射部2(2a,2b)および検出装置3を有する。矩形で示す所定の領域4は、例えば、列車の軌道と道路とが交差する踏切道等であり、軌道は、図1の横方向に敷設され、踏切道は、図1の縦方向に敷設される。なお、実際の検出システム100は、センサ1、反射部2および検出装置3は、軌道の外側に配置される。検出システム100は、例えば、所定の領域4内を図1の縦方向に通過する人や自動車等の物体5を検出する。なお、図1に示す所定の領域4は、矩形の形状を有したが、任意の形状を有してもよい。また、反射体6は、看板や放置された自転車等の移動しない物体であり、センサ1が照射した電磁波を反射部2と同程度の反射率で反射する。
センサ1は、例えば、所定の領域4を含む範囲7に電磁波を照射する送信部1aと、照射した電磁波の各反射部2からの反射波を受信する受信部1bとを含む。センサ1は、例えば、受信部1bが受信した各反射部2からの反射波の情報を時系列に示す反射情報として、検出装置3に出力する。なお、検出装置3に出力される反射情報は、各反射部2からの反射波が遮られた順序を示す時系列情報を含む。
反射部2a,2bは、例えば、反射板を有しており、所定の領域4を縦方向に通過する物体5を検出するために、所定の領域4を挟んでセンサ1と反対側に配置される。センサ1と反射部2a,2bとを結ぶ反射波の光路8(8a,8b)は、物体5が所定の領域4を通過する方向と交差する。このため、物体5は、所定の領域4を通過する際、光路8a,8bの順序で反射波を遮り、または光路8b,8aの順序で反射波を遮る。
なお、図1に示す検出システム100は、反射部2a,2bの2つを有するが、3つ以上の反射部2を有してもよい。
検出装置3は、センサ1から出力された反射情報を受け付ける受付部3aと、受け付けた反射情報に基づき、物体5が所定の領域4を通過したか否かを判定する判定部3bとを有する。判定部3bは、例えば、コンピュータ等に含まれるプロセッサが検出プログラムを実行し、コンピュータ等が検出装置3として動作することで実現される。なお、受付部3aが、センサ1から出力された反射情報を受け付けたが、判定部3bが、センサ1から出力された反射情報を受け付けてもよい。
ところで、例えば、センサ1が角度分解能を有しない場合、センサ1は、センサ1から同等の距離に位置し、互いに離れている複数の物体を1つの物体として認識する。すなわち、センサ1と反射部2bとの距離と、センサ1と反射体6との距離とが同等の場合、物体5が光路8bを横切り反射部2bからの反射波を遮ったとしても、受信部1bは、反射体6からの反射波を反射部2bの反射波の代わりに受信する場合がある。その結果、判定部3bは、物体5が反射部2bからの反射波の遮断に基づいて、所定の領域4に侵入したことの検知が困難になり、物体5が所定の領域4を通過したか否かの判定が困難となる。そこで、判定部3bは、受け付けた反射情報から各反射部2の反射波が遮られた順序を特定し、特定した順序と、所定の領域4を通過する物体5の動きから推定される順序との比較から、物体5の検出を妨げる反射体6の存在を判定する。
図2は、図1に示した検出システム100における反射体6の検出処理の例を示す。ステップS10とステップS11とは、判定部3bの動作を示し、ステップS20,S21,S22は、センサ1の動作を示す。図2のステップS10およびステップS11は、検出プログラムおよび検出方法の例を示す。
ステップS20において、センサ1の送信部1aは、範囲7に電磁波を照射する。
ステップS21において、センサ1の受信部1bは、反射部2a,2bおよび反射体6等からの反射波を受信する。
ステップS22において、センサ1は、受信した各反射部2からの反射波の情報である反射情報を検出装置3に出力する。
ステップS10において、受付部3aは、センサ1からの反射情報を受け付ける。
ステップS11において、判定部3bは、反射情報に基づいて、各反射部2の反射波が遮られた順序を特定し、所定の領域4を通過する物体5の動きから推定される、反射部2a,2bまたは反射部2b,2aの反射波が遮られる順序と比較する。例えば、センサ1の受信部1bが、反射体6からの反射波を反射部2bの反射波として受信した場合、センサ1から得られる反射波の情報には、反射部2bの反射波に対する反射波の情報が継続して含まれる。したがって、センサ1から取得した反射波の情報に基づいて特定した各反射部2の反射波が遮られた順序には、反射部2bからの反射波の遮断は含まれない。すなわち、センサ1から得た反射波の情報に基づいて特定した各反射部2の反射波が遮られた順序では、推定される順序に含まれる反射部2bについての反射波の遮断が欠落していることが分かる。したがって、判定部3bは、反射波の遮断が欠落している反射部2bを検出した場合に、物体の検出を妨げる反射体6の存在を判定する。
以上、この実施形態では、所定の領域4を物体が往来している時に、センサ1が電磁波を照射して各反射部2からの反射波を受信し、判定部3bが、各反射部2の反射波が遮られた順序と、物体の動きから推定される順序との比較から、反射体6の存在を判定する。これにより、検出システム100は、従来と比べて物体の検出を妨げる要因である反射体6を確度高く除去することができる。
なお、この実施形態では、センサ1は、角度分解能を有しないとしたが、これに限定されない。例えば、センサ1は、角度分解能を有してもよい。反射体6からの反射波の光路と、反射部2aからの反射波の光路8aとのなす角度が、センサ1が有する角度分解能以下の場合、センサ1は、反射部2aと反射体6と識別することが困難になる。その結果、センサ1の受信部1bは、物体5が光路8aを横切り反射部2aの反射波を遮ったとしても、反射体6からの反射波を反射部2aの反射波の代わりに受信する場合がある。したがって、センサ1が角度分解能を有する場合でも、判定部3bによる反射体6の存在の判定処理は適用可能である。
図3は、検出システムおよび検出装置の別実施形態の例を示す。
図3に示す検出システム200は、センサ10、反射板20(20a,20b)および検出装置30を有する。頂点A,B,C,Dを有する矩形の領域40は、検出システム200が物体の検出処理を行う検出対象の領域である。領域40は、例えば、列車の軌道と道路とが交差する踏切道等であり、軌道は、図3の横方向に敷設され、踏切道は、図3の縦方向に敷設される。なお、実際の検出システム200は、センサ10および検出装置30は、軌道の外側に配置される。検出システム200は、領域40内を図3の縦方向に通過する人や自動車等の物体50を検出する。なお、領域40は、所定の領域の一例である。また、反射体60は、例えば、領域40の外側に配置された看板や放置された自転車等であり、センサ10が照射したミリ波を反射して、反射板20のように振る舞い、領域40における物体50の検出を妨げる。
センサ10は、例えば、領域40を含むワイドビーム型のビームパターンの照射範囲25にミリ波帯の電磁波を照射し、照射した電磁波を反射する反射板20a,20bおよび物体50からの反射波を受信するレーダである。なお、反射板20は、反射部の一例である。
また、センサ10は、センサ10から同等の距離に位置する複数の物体を識別する角度分解能を有していない。このため、センサ10は、センサ10から同等の距離に位置し、互いに離れている複数の物体を1つの物体として認識する。そこで、センサ10と反射板20a,20b,20cとは、センサ10と反射板20a,20b,20cとの各距離が互いに異なるように、領域40を挟んで対向して配置される。例えば、センサ10が領域40の外側における頂点Aの近傍に配置された場合、反射板20a,20bは、領域40の外側における頂点B,Cの近傍にそれぞれ配置される。センサ10と反射板20a,20bとを結ぶ反射波の光路21a,21bは、物体50が領域40を横切る方向と交差する。このため、領域40を横切る物体50は、反射板20a,20bまたは反射板20b,20aの順に反射波を遮る。センサ10は、各反射板20の反射波が物体50により遮られたことを検出する。検出装置30は、センサ10による検出に基づいて、物体50が領域40内にいるか否かを判定するとともに、物体50の動き検出する。なお、以降の説明では、ミリ波帯の電磁波は、単にミリ波と称される。
センサ10は、制御部11、送信部12、受信部13および記憶部15を有する。
例えば、制御部11は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の記憶部15に記憶されたプログラムを実行するプロセッサ等を含み、センサ10の各部を制御する。また、制御部11は、例えば、反射板20および物体50からの反射波に、FM−CM(Frequency Modulated Continuous Wave)方式等の処理を施す。制御部11は、反射板20や物体50までの距離および反射波の強度を算出する。制御部11は、送信部12に対し、例えば、所定の範囲で周波数を1秒よりも短い時間間隔で掃引したミリ波を照射範囲25に照射させる。制御部11は、照射したミリ波に対する各反射板20や物体50からの反射波を、受信部13に受信信号として受信させる。制御部11は、照射したミリ波の送信信号と、各反射板20や物体50からの反射波の受信信号との周波数の差分を求め、ビート信号を得る。制御部11は、例えば、得られたビート信号に対しフーリエ演算等のスペクトル解析を行い、ビート信号のスペクトルデータから、センサ10と反射板20や物体50との距離、および反射板20や物体50とからの反射波の強度を算出する。
制御部11は、例えば、算出したセンサ10と各反射板20および物体50との距離、および各反射板20および物体50の反射波の強度を、測定した日時の情報とともに、ログデータ17として記憶部15に記憶する。制御部11は、記憶したログデータ17を検出装置30に出力する。出力されたログデータ17は、各反射板20の反射波の強度の時間変化を示す情報を有する。なお、ログデータ17については、図5において説明する。
また、制御部11および記憶部15は、センサ10の外部に配置されてもよい。例えば、センサ10の送信部12は、検出装置30の制御に基づいて、ミリ波を照射し、受信部13は、反射板20および物体50からの反射波を受信し、送信信号と受信信号とを検出装置30に出力してもよい。また、検出装置30は、受け付けた送信信号および受信信号にFM−CW方式等の処理を施し、反射板20および物体50の距離および反射波の強度を算出し、内蔵するEEPROM等の記憶部にログデータ17として記憶してもよい。
また、図3に示す検出システム200は、反射板20a,20bの2つを有するが、3つ以上の反射板20を有してもよい。この場合、各反射板20は、センサ10が有する距離の分解能より大きな間隔で配置されることが好ましい。
検出装置30は、例えば、コンピュータ等である。検出装置30は、通信部31、制御部32および出力部36を含み、有線または無線で接続されたセンサ10からログデータ17を受け付ける。検出装置30は、受け付けたログデータ17に含まれる各反射板20の反射波の強度の時間変化を示す情報に基づいて、各反射板20の反射波が遮られた順序を取得する。検出装置30は、センサ10が角度分解能を有しない場合でも、反射板20の反射波が遮られた順序から、通過物50が領域40にいるか否かの判定、および領域40における物体50の動きを検出する。
通信部31は、センサ10からログデータ17のデータを受け付け、受け付けたログデータ17を制御部32に出力する。また、通信部31は、制御部32からの制御指示を、センサ10に出力する。なお、通信部31は、受付部の一例である。
制御部32は、例えば、検出装置30が内蔵するEEPROM等の記憶部に記憶されたプログラムを実行し、検出装置30の各部を制御するプロセッサ等を含む。また、制御部32は、検出装置30が内蔵するEEPROM等の記憶部に記憶された検出プログラムを実行することで、判定部33として機能する。
判定部33は、受け付けたログデータ17に基づいて、領域40内に物体50がいるか否かを判定する。また、判定部33は、図5で説明するように、受け付けたログデータ17に基づいて、領域40における物体50の検出を妨げる反射体60の存在を判定する。
出力部36は、判定部33による判定結果を、例えば、外部のコンピュータ等に出力する。例えば、外部のコンピュータ等は、判定結果を液晶モニタ等に表示して、管理者等に通知する。管理者等は、表示された判定結果に基づいて、領域40における物体50の検出を妨げる反射体60を照射範囲25から取り除くことが好ましい。
図4は、図3に示すセンサ10が算出する反射波の強度分布の例を示す。図4(a)、(b)、(c)において、横軸は、センサ10からの距離を示し、縦軸は、反射波の強度分布を示す。また、例えば、センサ10と反射板20aとの距離は10メートルであり、センサ10と反射板20bとの距離は、12メートルである。例えば、センサ10と反射体60との距離は、センサ10と反射板20bと距離と同様に、12メートルである。
図4(a)は、領域40内に物体がない場合の反射波の強度分布を示す。図4(a)では、強度分布は、例えば、反射板20a,20bが配置された10メートルと12メートルとで、閾値αを越えるピークを有する。
図4(b)は、例えば、物体50が、領域40内で、センサ10から11メートルの位置で図3に示した光路21bを横切り、反射板20bからの反射波を遮る場合の強度分布を示す。図4(b)では、強度分布は、反射板20aと物体50とがいる10メートルと11メートルとの距離で、閾値αを越えるピークを有する。一方、強度分布は、反射板20bが配置された12メートルの距離では、物体50により反射波が遮られたことで、閾値αより小さなピークを有する。
図4(c)は、図3に示す反射体60がある場合の強度分布を示す。反射体60は、センサ10から12メートルの距離に置かれている。また、図4(c)では、図4(b)と同様に、物体50が、センサ10から11メートルの位置で光路21bを横切り、反射板20bからの反射波を遮る。図4(c)では、強度分布は、反射板20aがある10メートルと、物体50がいる11メートルとで、閾値αを越えるピークを有する。さらに、センサ10が反射体60からの反射波を受信するため、反射板20bからの反射波が遮られたにもかかわらず、反射板20bが配置された12メートルでの反射波の強度は、図4(a)に示す12メートルでの強度と同等の閾値αを越えるピークを示す。
ここで、閾値αは、制御部11が反射波の有無を判定する基準値である。すなわち、制御部11は、反射波の強度が閾値α以上の場合、反射板20や物体50からの反射波が有ると判定し、反射波の強度が閾値αより小さい場合、反射板20や物体50からの反射波がないと判定する。図4(a)では、制御部11は、反射板20a,20bからの反射波が有ると判定する。図4(b)では、制御部11は、反射板20aと物体50とからの反射波が有ると判定し、反射板20bからの反射波がないと判定する。図4(c)では、制御部11は、反射板20a,20bおよび物体50からの反射波が有ると判定する。
図5は、図3に示したログデータ17の例を示す。ログデータ17は、例えば、反射波の測定日時と、0.5メートルごとの各距離における反射波の強度とを格納する格納領域を有する。例えば、ログデータ17の各距離の格納領域には、反射波の強度が閾値αより小さく、制御部11により反射波がないと判定された場合、値「0」が格納され、反射波の強度が閾値α以上で、制御部11により反射波が有ると判定された場合、値「1」が格納される。ただし、ログデータ17の各距離の格納領域には、反射波の有無を「0」または「1」の値が格納される代わりに、反射波の強度値が格納されてもよい。図5(a)、(b)の10メートルおよび12メートルの格納領域に格納された値「1」は、反射板20a,20bによる反射波を示している。
図5(a)は、2013年3月5日12時0分1秒から12時0分6秒の1秒ごとの測定結果を示している。図5(a)では、2013年3月5日12時0分2秒における9メートルの反射波の検出により、12時0分2秒に、物体50が、センサ10から9メートルの位置に現れたことを示す。このとき、10メートルでの強度が低下するため、物体50は、光路21aを横切り、領域40に入ったことが分かる。そして、12時0分2秒から12時0分6秒の間に、距離9メートルから距離11メートルの格納領域に順次に格納された、値「1」は、物体50が、センサ10から9メートルから11メートルの位置を通過したことを示す。12時0分4秒において、12メートルでの強度が低下するため、物体50は、光路21bを横切ったことが分かる。つまり、図5(a)は、物体50が、12時0分2秒にセンサ10から9メートルの位置で光路21aを横切り、12時0分4秒にセンサ10から11メートルの位置で光路21bを横切ったことを示す。
図5(b)は、図3に示す反射体60がある場合のログデータ17の例を示す。図5(b)は、図5(a)と同様に、2013年3月5日12時0分1秒から12時0分6秒の間の1秒ごとの測定結果において、物体50が、12時0分2秒に、センサ10から9メートルの位置で光路21aを横切り、領域40に入った場合を示す。図5(b)では、物体50が、12時0分4秒に、センサ10から11メートルの位置で光路21bを横切り、反射板20bの反射波を遮ったにもかかわらず、ログデータ17における網掛けで示す距離12メートルの格納領域は、値「1」に設定される。これは、センサ10が、反射体60からの反射波を受信したことで、例えば、図4(c)に示すように、距離12メートルでの反射波の強度が閾値α以上となり、制御部11は、反射板20bからの反射波を受信したと判定したことによる。
図4および図5に示すように、反射体60がある場合、物体50が反射板20bの反射波を遮った場合でも、角度分解能を有しないセンサ10は、擬似反射体60からの反射波を反射板20bの反射波として受信する。そして、制御部11は、図5(b)に示すように、ログデータ17の距離12メートルの格納領域に反射波が有ること示す値「1」を格納する。図5(b)に示すログデータ17では、12時0分2秒に反射板20aの反射波が遮られた後(10メートルの値「0」)、反射板20a,20bの反射波が遮られないことから、検出装置30は、物体50が領域40内にいるのか否かを判定することが困難となる。
図6は、図3に示した検出システム200における反射体60の検出処理の例を示す。ステップS30からステップS37の処理は、検出装置30の制御部32が、内蔵するEEPROM等の記憶部に記憶された検出プログラムを実行することで実現される。ステップS40からステップS44の処理は、センサ10の制御部11が、記憶部15に記憶されたプログラムを実行することで実現される。すなわち、図6のステップS30からステップS37は、検出プログラムおよび検出方法の例を示す。
ステップS30において、検出装置30の制御部32は、センサ10に対して、所定の期間、ミリ波を照射させる照射指示を出力する。なお、所定の期間とは、例えば、領域40が踏切道の場合、遮断機の遮断棹が上がり踏切が開いている間の時間で、人や自動車等の物体50が自由に往来できる期間である。
ステップS40において、センサ10の制御部11は、検出装置30から照射指示を受け付けると、例えば、所定の範囲で周波数を1秒よりも短い時間間隔で掃引したミリ波の照射を、送信部12に開始させる。
ステップS41において、センサ10の受信部13は、反射板20a,20b、領域40を通る物体50および反射体60等からの反射波をそれぞれ受信する。
ステップS42において、制御部11は、例えば、照射したミリ波の送信信号と、各反射板20や物体50からの反射波の受信信号と対してFM−CM方式等の処理を施す。制御部11は、センサ10から各反射板20および物体50までの距離および反射波の強度を算出する。制御部11は、例えば、図5に示すように、算出した距離および反射波の強度を、反射波がないことを示す値「0」または反射波が有ることを示す値「1」で、ログデータ17における測定日時に対応する0.5メートルごとの各距離の格納領域に格納する。
ステップS43において、制御部11は、人や自動車等の物体50が自由に往来できる期間である所定の期間を経過したか否かを判定する。制御部11は、所定の期間を経過した場合、ミリ波の照射を停止し、ステップS44の処理に移行する(YES側)。一方、センサ10は、所定の期間を経過していない場合、ステップS41の処理(NO側)に移行する。
ステップS44において、センサ10は、例えば、図5に示すログデータ17を制御装置30に出力する。
一方、ステップS31において、通信部31は、センサ10よりログデータ17を受け付け、判定部33に出力する。
ステップS32において、判定部33は、光路21aを横切って、領域40に入った物体50があるか否かを判定する。例えば、判定部33は、受け付けたログデータ17に基づいて、距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、物体50が光路21aを横切り領域40に入ったと判定する。そして、判定部33は、ステップS33の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS34の処理(NO側)に移行する。
ステップS33において、判定部33は、ステップS32で反射板20aの反射波を遮り領域40に入った物体50が、反射板20bの反射波を遮ったか否かを判定する。例えば、判定部33は、物体50が領域40の辺CDに向かって通過していると推定し、受け付けたログデータ17において、ステップS32で反射板20aの反射波が遮られた後、距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、反射板20aの反射波が遮られた後、距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、物体50が、光路21aを横切った後、光路21bを横切り、辺ABから辺CDに領域40を通過したと判定する。そして、判定部33は、ステップS37の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、反射板20aの反射波が遮られた後、距離12メートルの格納領域に値「1」が格納された測定日時がない場合、ステップS35の処理(NO側)に移行する。
ステップS34において、判定部33は、例えば、ステップS32で反射板20aの反射波が遮られなかったにもかかわらず、光路21bを横切った物体50が有るか否かを判定する。例えば、判定部33は、受け付けたログデータ17において、距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、光路21bを横切った物体50があると判定する。判定部33は、ステップS32で反射板20aの反射波の遮断が欠落した原因が、センサ10から反射板20aまでの距離10メートルと同等の距離に反射体60が存在するためと判定する。そして、判定部33は、ステップS36の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合(NO側)、領域40に入った物体はないと判定し、一連の処理を終了する。
ステップS35において、判定部33は、ステップS32で反射板20aの反射波を遮った物体50が、反射板20aの反射波を遮る前に、反射板20bの反射波を遮ったか否かを判定する。例えば、判定部33は、物体50が光路21b,21aの順に領域40を通過したと推定し、受け付けたログデータ17において、ステップS32で反射板20aの反射波が遮られる前に、距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、ステップS32で反射板20aの反射波が遮られる前に、距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、物体50が、光路21b,21aの順に横切り、領域40を通過したと判定する。そして、判定部33は、ステップS37の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、反射板20bの反射波の遮断が欠落し、センサ10から反射板20bまでの距離12メートルと同等の距離に反射体60が存在すると判定する。そして、判定部33は、ステップS36の処理(NO側)に移行する。
ステップS36において、制御部32は、ステップS34またはステップS35で反射体60が存在すると判定した反射板20の距離および測定日時を含む判定結果を、出力部36を介して、外部のコンピュータ等に出力する。例えば、出力先のコンピュータ等の管理者は、受け付けた判定結果の内容に従い、反射体60をセンサ10のミリ波の照射範囲25から取り除く。
ステップS37において、判定部33は、次の物体が領域40に入ったか否かを判定する。例えば、判定部33は、反射板20aの反射波が遮られ、距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された次の測定日時を検索する。判定部33は、距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された次の測定日時が検出された場合、次の物体が領域40に入ったと判定し、ステップS32の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合(NO側)、一連の処理を終了する。
以上、この実施形態では、領域40を物体が往来する所定の期間に、センサ10が各反射板20からの反射波を測定し、判定部33が、各反射板20による反射波が遮られた順序と、物体の動きから推定される順序との比較から、反射体60の存在を判定する。これにより、検出システム200は、たとえ角度分解能を有しないセンサ10を用いたとしても、従来と比べて物体の検出を妨げる要因である反射体60を確度高く除去することができる。
図7および図8は、検出システムおよび検出装置の別実施形態を示す。図7および図8は、遮断機70(70a,70b)を有した単線の軌道80の踏切に、検出システム300が配置された場合を示す。図7は、踏切の俯瞰図である。図8は、図7の平面図である。図7および図8は、遮断機70の遮断棹71(71a,71b)が上がり、踏切が開いている状態の例を示す。
検出システム300は、センサ10(10a,10b)、反射板20(20a,20b,20c,20d)および検出装置30aを含む。なお、検出システム300は、図3に示す検出システム200を2つ含むのと同等であり、踏切が閉じている時に、軌道80と道路90とが交差する踏切道40a内に侵入した人や自動車等の物体を検出する。また、反射体60は、例えば、踏切道40aの外側に配置された看板や放置された自転車等であり、センサ10が照射したミリ波を反射して、反射板20のように振る舞い、踏切道40a内に侵入した人や自動車等の物体の検出を妨げる。
センサ10a,10bは、例えば、ワイドビーム型のビームパターンの照射範囲25aと照射範囲25bとの一部が互いに重なるように、踏切道40aの外側で対向する頂点Aと頂点Cとの近傍にそれぞれ配置される。これにより、センサ10a,10bは、踏切道40a全体にミリ波を照射することができる。また、各センサ10は、踏切に侵入する人や自動車等の物体を検出するために、例えば、地上から60センチ〜65センチ程度の高さの位置に設置される。
反射板20a,20bは、踏切道40aを通過する自動車110等の物体を検出するために、踏切道40aを挟んでセンサ10aと対向するように配置される。例えば、センサ10aが踏切道40aの外側における頂点Aの近傍に配置されたことから、反射板20a,20bは、踏切道40aの外側における頂点B,Cの近傍にそれぞれ配置される。センサ10aと反射板20a,20bとを結ぶ反射波の光路21a,21bは、踏切道40aを通過する物体と交差する。
一方、反射板20c,20dは、踏切道40aを通過する物体を検出するために、踏切道40aを挟んでセンサ10bと対向するように配置される。例えば、センサ10bが踏切道40aの外側における頂点Cの近傍に配置されたことから、反射板20c,20dは、踏切道40aの外側における頂点A,Dの近傍にそれぞれ配置される。センサ10bと反射板20c,20dとを結ぶ反射波の光路21c,21dは、踏切道40aを通過する物体と交差する。なお、各反射板20は、センサ10と同様に、地上から60センチ〜65センチ程度の高さの位置に設置される。また、図7に示す反射板20は、三角錐の形状を有するが、これに限定されず、照射されたミリ波をセンサ10に向けて反射する形状であれば、任意の形状を有してもよい。
検出装置30aは、遮断棹71が下がり踏切が閉じている時、センサ10a,10bにミリ波を照射させて、踏切道40a内に侵入する物体を検出する。また、検出装置30aは、遮断棹71が上がり踏切が開いている時、センサ10a,10bにミリ波を照射させ、踏切道40a内に侵入する物体の検出を妨げる反射体60を検出する。
図9は、図7および図8に示すセンサ10の例を示す。なお、図9に示す各要素のうち、図3に示す要素と同一または同等の機能を有するものについては、同一の符号を付し説明を省略する。
送信部12は、制御部11の制御指示に基づいて、例えば、所定の範囲で周波数を1秒よりも短い時間間隔で掃引したミリ波の送信信号を、アンテナ部16を介して、照射範囲25(25a,25b)に照射する。また、送信部12は、ミリ波の送信信号を制御部11にも出力する。
受信部13は、照射されたミリ波に対する各反射板20からの反射波とともに、踏切道40aを通過する物体および反射体60からの反射波の信号を、アンテナ部16を介して受信する。受信部13は、受信した反射波の受信信号を制御部11に出力する。
通信部14は、記憶部15に記憶されたログデータ17を検出装置30aに出力するとともに、検出装置30aからの制御指示を受け付け、受け付けた制御指示を制御部11に出力する。
図10は、図7および図8に示す検出装置30aの例を示す。なお、図10に示す各要素のうち、図3に示す要素と同一または同等の機能を有するものについては、同一の符号を付し説明を省略する。
通信部31aは、センサ10a,10bからログデータ17等のデータを受け付ける。また、通信部31aは、例えば、軌道80に設置された検出器から踏切に接近する列車を検出した信号や遮断機70から遮断棹71の開閉状態を示す信号を受け付ける機能を有する。通信部31aは、受け付けたログデータ17等のデータ、検出器からの検出信号および遮断機70からの信号を制御部32aにそれぞれ出力する。さらに、通信部31aは、制御部32aから受け付けたセンサ10a,10bに対する制御指示を、センサ10a,10bにそれぞれ出力する。なお、通信部31aは、受付部の一例である。
例えば、制御部32aは、EEPROM等の記憶部35に記憶されるプログラムを実行することにより、検出装置30aの各部を制御するプロセッサ等を含む。また、制御部32aは、EEPROM等の記憶部35に記憶された検出プログラムを実行することで、判定部33および抽出部34として機能する。
抽出部34は、踏切の開閉状態に応じて、センサ10a,10bから受け付けたログデータ17からデータを抽出し、抽出したデータを判定部33に出力する。抽出部34は、例えば、踏切が閉じている時、受け付けたログデータ17をそのまま判定部33に出力する。一方、抽出部34は、踏切が開いている時、記憶部35に記憶されるセンサ10と反射板20との距離の情報に基づいて、ログデータ17のうち各反射板20の反射波の強度および測定日時のデータを抽出する。抽出部34は、抽出したデータを判定部33に出力する。
記憶部35は、制御部32が実行する検出プログラム等を記憶する。また、記憶部35は、センサ10と各反射板20との距離の情報を記憶する。なお、例えば、センサ10aと反射板20aとの距離は10メートルであり、センサ10aと反射板20bとの距離は、12メートルである。また、例えば、センサ10bと反射板20dとの距離は10メートルであり、センサ10bと反射板20cとの距離は、12メートルである。さらに、例えば、センサ10bと反射体60との距離は、センサ10bと反射板20cと距離と同様に、12メートルである。
図11は、図10に示したログデータ17(17a,17b)の例を示す。図11(a)、(b)は、踏切は開いている時に、例えば、自動車110が、光路21a,21b,21c,21dの順序で横切り、踏切道40aを通過した場合に、センサ10a,10bにより取得されたログデータ17a,17bを示す。
図11(a)は、2013年3月5日12時0分1秒から12時0分10秒の1秒ごとの測定結果を示している。図11(a)では、2013年3月5日12時0分2秒における距離9メートルおよび距離9.5メートルの反射波の検出により、自動車110が、センサ10aから9メートルおよび9.5メートルの位置に現れたことを示す。このとき、10メートルでの強度が低下するため、自動車110は、光路21aを横切り、踏切道40aに入ったことが分かる。そして、12時0分2秒から12時0分6秒の間に、距離9メートルから距離13メートルの格納領域に順次に格納された、値「1」は、自動車110が、センサ10aから9メートルから13メートルの位置を通過したことを示す。12時0分4秒において、12メートルでの強度が低下するため、自動車110は、光路21bを横切ったことが分かる。
図11(b)は、2013年3月5日12時0分1秒から12時0分10秒の間の1秒ごとの測定結果において、自動車110が、12時0分5秒に、センサ10bから2メートルおよび2.5メートルの位置で光路21aを横切り、照射範囲25bに入った場合を示す。そして、12時0分5秒から12時0分7秒の間に、距離2.5メートルから距離0.5メートルの格納領域に順次に格納された、値「1」は、自動車110が、センサ10bから2.5メートルから0.5メートルの位置を通過したことを示す。12時0分6秒および12時0分7秒において、10メートルでの強度が低下するため、自動車110は、光路21dを横切ったことが分かる。しかしながら、図11(b)では、自動車110が、12時0分5秒および12時0分6秒に、光路21cを横切り、反射板20cの反射波を遮ったにもかかわらず、ログデータ17bにおける網掛けで示す距離12メートルの格納領域は、値「1」に設定される。これは、センサ10bが、反射体60からの反射波を受信したことで、例えば、距離12メートルでの反射波の強度が閾値α以上となり、制御部11は、反射板20cからの反射波を受信したと判定したことによる。
なお、物体が、光路21a,21b,21c,21dの順序で横切り、踏切道40aを通過する場合を「順方向」と称する。また、物体が、光路21d,21c,21b,21aの順序で横切るように踏切道40aを通過する場合を「逆方向」と称する。なお、順方向は、第1の方向の一例であり、逆方向は、第2の方向の一例である。
図12は、抽出データの一例を示す。抽出データ18は、例えば、図12に示すログデータ17a,17bのうち、記憶部35に記憶された各反射板20の距離の情報に基づいて、抽出部34により抽出された測定日時および各反射板20が配置された距離における反射波の強度の情報を有する。抽出部34は、抽出データ18を判定部33に出力する。
図13は、判定ログの一例を示す。判定ログ19は、測定日時、距離10メートル(反射板20a),距離12メートル(反射板20b),距離12メートル(反射板20c),距離10メートル(反射板20d)それぞれの格納領域を有する。判定ログ19は、図15から図19で説明する検出システム300における反射体60の検出処理による検出結果を格納する。判定ログ19の測定日時の格納領域には、例えば、最初に反射板20aまたは反射板20dの反射波が遮られた測定日時が格納される。また、判定ログ19の各反射板20の格納領域には、反射体が存在しないことを示す値「0」または反射体が存在することを示す値「1」がそれぞれ格納される。例えば、図13では、2013年3月5日12時0分2秒および12時0分41秒の距離12メートル(反射板20c)の領域には、反射板20cの距離12メートルと同等の距離に反射体60が存在することを示す値「1」が格納される。また、2013年3月5日12時0分27秒の距離12メートル(反射板20b)および距離12メートル(反射板20c)の領域には、反射板20bまたは反射板20cの距離12メートルと同等の距離に反射体60が存在することを示す値「1」が格納される。一方、2013年3月5日12時0分15秒の各反射板20の格納領域には、反射体60が存在しないことを示す値「0」が格納され、全ての反射板20の反射波が遮られたことを示す。
図14は、図7および図8に示した検出システム300における物体の検出処理の例を示す。ステップS100からステップS106の処理は、検出装置30aの制御部32aが、EEPROM等の記憶部35に記憶された検出プログラムを実行することで実現される。ステップS200からステップS204の処理は、センサ10a,10bの制御部11が、記憶部15に記憶されたプログラムを実行することで実現される。
ステップS100において、制御部32aは、通信部31aを介して、軌道80に設置された検出器により踏切に接近する列車を検出した検出信号を受け付けたか否かを判定する。制御部32aは、検出信号を受け付けた場合、ステップS101の処理(YES側)に移行する。一方、制御部32aは、検出信号を受け付けていない場合(NO側)、検出信号を受け付けるまで待機する。
ステップS101において、制御部32aは、センサ10a,10bに対して、ミリ波を照射させる照射指示を出力する。
ステップS200において、センサ10a,10bの制御部11は、検出装置30aから照射指示を受け付けると、例えば、所定の範囲で周波数を1秒よりも短い時間間隔で掃引したミリ波の照射を、送信部12に開始させる。
ステップS201において、センサ10a,10bの受信部13は、各反射板20等からの反射波をそれぞれ受信する。受信部13は、受信した反射波を受信信号として制御部11に出力する。
ステップS202において、センサ10a,10bの制御部11は、受け付けた送信部12からの送信信号と受信部13からの反射波の信号とに対して、FM−CM方式等の処理を施し、センサ10から各反射板20等までの距離および反射波の強度を算出する。センサ10aの制御部11は、算出した距離および反射波の強度を、反射波がないことを示す値「0」または反射波が有ることを示す値「1」で、ログデータ17aにおける測定日時に対応する0.5メートルごとの各距離の格納領域に格納する。また、センサ10bの制御部11は、算出した距離および反射波の強度を、反射波がないことを示す値「0」または反射波が有ることを示す値「1」で、ログデータ17bにおける測定日時に対応する0.5メートルごとの各距離の格納領域に格納する。
ステップS203において、センサ10a,10bの制御部11は、測定日時とともに、0.5メートルごとの各距離の格納領域に格納された値「0」または値「1」を含むデータを制御装置30aにそれぞれ出力する。
ステップS204において、センサ10a,10bの制御部11は、例えば、列車が踏切を通過し踏切が開かれたことにより、検出装置30aからミリ波の照射の停止指示を受け付けたか否かを判定する。センサ10a,10bの制御部11は、停止指示を受け付けた場合(YES側)、ミリ波の照射を停止する。一方、センサ10a,10bの制御部11は、停止指示を受け付けていない場合、ステップS204の偽判定(NO)として、ステップS201の処理に移行する。
一方、ステップS102において、検出装置30aの通信部31aは、測定日時と、0.5メートルごとの各距離の格納領域に格納された値「0」または値「1」とを含むデータを、センサ10a,10bからそれぞれ受け付ける。通信部31aは、受け付けたデータを抽出部34に出力する。抽出部34は、踏切が閉じていることから、各センサ10から受け付けたデータをそのまま判定部33に出力する。また、制御部32aは、受け付けたデータを記憶部35に記憶する。
ステップS103において、判定部33は、受け付けたデータに基づいて、踏切内に人や自動車等の物体が侵入したか否かを判定する。例えば、判定部33は、受け付けたデータにおいて、距離10メートルまたは距離12メートルの格納領域に値「0」が格納され、且つ距離10メートルまたは距離12メートルより短い距離の格納領域に値「1」が格納されているか否か判定する。判定部33は、距離10メートルまたは距離12メートルの格納領域に値「0」が格納され、且つ距離10メートルまたは距離12メートルより短い距離の格納領域に値「1」が格納されている場合、人や自動車等の物体が踏切内に侵入したと判定する。そして、判定部33は、ステップS104の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、距離10メートルおよび距離12メートルの格納領域に値「1」が格納されている場合、踏切内に侵入した物体はないと判定し、ステップS103の偽判定(NO)として、ステップS105の処理に移行する。
ステップS104において、制御部32aは、出力部36を介して、ステップS103で踏切内に物体が侵入したとする旨の警報を、例えば、列車の運行を管理する管理センタ等のコンピュータに出力する。管理センタ等のコンピュータは、例えば、受け付けた警報に基づいて、踏切に接近する列車に、踏切内に侵入した物体が有ることを示す警報を出力し、列車を停車させる。あるいは、管理センタ等のコンピュータは、例えば、最寄りの駅のコンピュータに対して同様の警報を出力する。最寄りの駅の駅員等は、受け付けた警報に基づいて、踏切内に侵入した物体を取り除く。
ステップS105において、制御部32aは、通信部31aを介して、列車が踏切を通過し遮断棹71が上がったことを示す信号を遮断機70から受け付けたか否かを判定する。制御部32aは、遮断機70から遮断棹71が上がったことを示す信号を受け付けた場合、ステップS106の処理(YES側)に移行する。一方、判定部32は、遮断機70から遮断棹71が上がったことを示す信号を受け付けていない場合、ステップS105の偽判定(NO)として、ステップS102の処理に移行する。
ステップS106において、制御部32aは、センサ10a,10bにミリ波の照射を停止させる停止指示を出力する。検出装置30aは、一連の処理を終了する。
図15から図19は、図7および図8に示した検出システム300における反射体60の検出処理の例を示す。図16は、図15に示したステップS302の処理の例を示す。図17は、図16に示したステップS302の処理の続きを示す。図18は、図15に示したステップS303の処理の例を示す。図19は、図18に示したステップS303の処理の続きを示す。ステップS300からステップS304、ステップS500からステップS517およびステップS600からステップS617の処理は、検出装置30aの制御部32aが、記憶部35に記憶する検出プログラムを実行することで実現される。ステップS400からステップS403の処理は、センサ10a,10bの制御部11が、記憶部15に記憶されたプログラムを実行することで実現される。すなわち、図15から図19に示すステップS300からステップS304、ステップS500からステップS517およびステップS600からステップS617は、検出プログラムおよび検出方法の例を示す。
ステップS300において、制御部32aは、踏切が閉じた時に踏切内に侵入する物体の検出を妨げる反射体60を検出するために、例えば、踏切が開いている2分間等の所定期間、ミリ波を照射させる照射指示をセンサ10a,10bに出力する。なお、制御部32aは、図14に示したステップS106において、ミリ波の照射の停止指示の代わりに、反射体60の検出のためのミリ波の照射指示を、各センサ10に出力してもよい。
ステップS400において、センサ10a,10bの制御部11は、検出装置30aから照射指示を受け付けると、例えば、所定の範囲で周波数を1秒よりも短い時間間隔で掃引したミリ波の照射を、送信部12に開始させる。
ステップS401において、センサ10a,10bの受信部13は、各反射板20および踏切道40aを通過する自動車110等の物体および反射体60等からの反射波を受信する。受信部13は、受信した反射波を受信信号として制御部11に出力する。
ステップS402において、センサ10a,10bの制御部11は、送信部12からの送信信号と受信部13からの反射波の信号とに対して、例えば、FM−CM方式等の処理を施し、センサ10と各反射板20や物体等との距離および反射波の強度を算出する。センサ10aの制御部11は、算出した距離および反射波の強度を、反射波がないことを示す値「0」または反射波が有ることを示す値「1」で、ログデータ17aにおける測定日時に対応する0.5メートルごとの各距離の格納領域に格納する。また、センサ10bの制御部11は、算出した距離および反射波の強度を、反射波がないことを示す値「0」または反射波が有ることを示す値「1」で、ログデータ17bにおける測定日時に対応する0.5メートルごとの各距離の格納領域に格納する。
ステップS403において、センサ10a,10bの制御部11は、所定の期間を経過したか否かを判定する。センサ10a,10bの制御部11は、所定の期間を経過した場合、ミリ波の照射を停止して、ステップS404の処理(YES側)に移行する。一方、各センサ10の制御部11は、所定時間を経過していない場合、ステップS401の処理(NO側)に移行する。
ステップS404において、センサ10a,10bの制御部11は、所定の期間に取得したログデータ17a,17bを検出装置30aに出力する。
ステップS301において、通信部31aは、センサ10a,10bよりそれぞれ出力されたログデータ17a,17bを受け付け、抽出部34に出力する。抽出部34は、記憶部35に記憶される各反射板20の距離の情報に基づいて、受け付けたログデータ17a,17bのうち、測定日時と各反射板20が配置された距離10メートルおよび距離12メートルにおける反射波の強度とのデータを抽出する。抽出部34は、抽出したデータを、例えば、図12に示す抽出データ18として判定部33に出力する。
ステップS302において、判定部33は、抽出データ18と、順方向に踏切道40aを通過する自動車110等の物体の動きとに基づいて、踏切が閉じた時に踏切内に侵入した物体の検出を妨げる看板や放置された自転車等の反射体60の存在を判定する。判定部33は、判定結果を、例えば、記憶部35に記憶された判定ログ19における測定日時に対応する各反射板20の格納領域に格納する。
ステップS303において、判定部33は、抽出データ18と、逆方向に踏切道40aを通過する物体の動きとに基づいて、踏切が閉じた時に踏切内に侵入した物体の検出を妨げる反射体60の存在を判定する。判定部33は、判定結果を、例えば、記憶部35に記憶された判定ログ19における測定日時に対応する各反射板20の格納領域に格納する。
ステップS304において、制御部32aは、判定ログ19を記憶部35から読み込み、出力部36を介して、読み込んだ判定ログ19を管理センタ等のコンピュータ等に出力する。管理センタ等のコンピュータは、例えば、最寄りの駅のコンピュータに受け付けた判定ログ19を送信する。最寄りの駅のコンピュータは、例えば、液晶モニタ等に受け付けた判定ログ19を表示する。最寄りの駅の駅員は、表示された判定ログ19の内容に従い、看板や放置された自転車等の反射体60を取り除く。例えば、図13に示す判定ログ19では、距離12メートル(反射板20c)の格納領域に、反射体が有ることを示す値「1」が他の反射板20の格納領域より多く格納される。そこで、最寄りの駅の駅員は、センサ10bから反射板20cまでの距離12メートルと同等の距離を確認することで、看板や放置された自転車等の反射体60を取り除くことが好ましい。
次に、ステップS302における判定部33の処理について説明する。
図16に示すステップS500において、判定部33は、順方向に踏切道40aを通過する自動車110等の物体により、踏切道40aの一端である反射板20aの反射波が遮られたか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された、例えば、2013年3月5日12時0分2秒等の測定日時が検出された場合、ステップS501の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS500の偽判定(NO)として、ステップS302の処理を終了しステップS303の処理に移行する。
ステップS501において、判定部33は、ステップS500で反射板20aの反射波を遮った物体が、反射板20bの反射波を遮ったか否かを判定する。例えば、判定部33は、物体が順方向に踏切道40aを通過していると推定し、抽出データ18において、ステップS500で反射板20aの反射波が遮られた後、反射板20bの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、ステップS500で反射板20aが遮られた後、反射板20bの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された、例えば、2013年12時0分4秒等の測定日時が検出された場合、ステップS502の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、反射板20aの反射波が遮られた後、反射板20bの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS505の処理(NO側)に移行する。
ステップS502において、判定部33は、ステップS501で反射板20bの反射波が遮られた後、順方向に通過する物体により、反射板20cの反射波が遮られたか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、ステップS501で反射板20bの反射波が遮られた後、反射板20cの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、ステップS501で反射板20bの反射波が遮られた後、反射板20cの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、ステップS503の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、ステップS501で反射板20bの反射波が遮られた後、反射板20cの距離12メートルの領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS512の処理(NO側)に移行する。
ステップS503において、判定部33は、ステップS502で反射板20cの反射波が遮られた後、順方向に通過する物体により、反射板20dの反射波が遮られたか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、ステップS502で反射板20cの反射波が遮られた後、反射板20dの距離10メートルの領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、ステップS502で反射板20cの反射波が遮られた後、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、ステップS504の処理(YES側)に移行する。なお、判定部33は、反射板20aの反射波が遮られた測定日時とともに、反射体がないことを示す値「0」を、判定ログ19における測定日時に対応した各反射板20の格納領域に格納するのが好ましい。一方、判定部33は、ステップS502で反射板20cの反射波が遮られた後、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS517の処理(NO側)に移行する。
ステップS504において、判定部33は、順方向に通過する次の物体が踏切道40aに入ったか否かを判定する。例えば、判定部33は、反射板20aの反射波が遮られ、抽出データ18において、距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された次の測定日時を検索する。判定部33は、抽出データ18において、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された、次の測定日時が検出された場合、順方向に通過する次の物体が踏切道40aに入ったと判定し、ステップS501の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS302の処理(NO側)を終了し、ステップS303の処理に移行する。
ステップS505において、判定部33は、ステップS500で反射板20aの反射波を遮った物体が、反射板20cの反射波を遮ったか否かを判定する。例えば、判定部33は、物体が順方向に踏切道40aを通過していると推定し、抽出データ18において、ステップS500で反射板20aの反射波が遮られた後、反射板20cの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、ステップS500で反射板20aの反射波が遮られた後、反射板20cの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、ステップS506の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、ステップS500で反射板20aの反射波が遮られた後、反射板20cの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS510の処理(NO側)に移行する。
ステップS506において、判定部33は、ステップS505で反射板20cの反射波を遮った物体が、逆方向に踏切道40aを通過しているか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、ステップS505で反射板20cの反射波が遮られる前に、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、ステップS505で反射板20cの反射波が遮られる前に、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、逆方向に通過する物体が踏切道40aにいると判定する。判定部33は、順方向と逆方向とに通過する物体が踏切道40aにいることから、反射体60の検出は困難と判定し中断する。そして、判定部33は、ステップS504の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、ステップS505で反射板20cの反射波が遮られる前に、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、逆方向に踏切道40aを通過する物体はないと判定する。そして、判定部33は、ステップS507の処理(NO側)に移行する。
ステップS507において、判定部33は、ステップS505で反射板20cの反射波が遮られた後、順方向に通過する物体により、反射板20dの反射波が遮られたか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、ステップS505で反射板20cの反射波が遮られた後、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、ステップS505で反射板20cの反射波が遮られた後、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、順方向に通過する物体により、反射板20c,20dの順に反射波が遮られたと判定する。そして、判定部33は、ステップS508の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、ステップS505で反射板20cの反射波が遮られた後、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS509の処理(NO側)に移行する。
ステップS508において、判定部33は、反射板20bの反射波の遮断が欠落していることから、センサ10aから反射板20bまでの距離と同等の距離に、踏切が閉じた時に踏切内の物体の検出を妨げる反射体60が存在すると判定する。判定部33は、判定ログ19において、反射板20aの反射波が遮られた測定日時に対応する、反射板20a,20c,20dの格納領域に、反射体がないことを示す値「0」を格納し、反射板20bの格納領域に、反射体が有ることを示す値「1」を格納する。そして、判定部33は、ステップS504の処理に移行する。
ステップS509において、判定部33は、反射板20bおよび反射板20dの反射波の遮断が欠落していることから、センサ10aから反射板20bおよびセンサ10bから反射板20dまでの距離と同等の距離に、反射体60が存在すると判定する。判定部33は、判定ログ19において、反射板20aの反射波が遮られた測定日時に対応する、反射板20a,20cの格納領域に、反射体がないことを示す値「0」を格納し、反射板20b,20dの格納領域に、反射体が有ることを示す値「1」を格納する。そして、判定部33は、ステップS504の処理に移行する。
ステップS510において、判定部33は、ステップS500で反射板20aの反射波を遮った物体が、逆方向に踏切道40aを通過しているか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、ステップS500で反射板20aの反射波が遮られる前に、反射板20bの反射波が遮られ、反射板20bの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、ステップS500で反射板20aの反射波が遮られる前に、反射板20bの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、反射板20aの反射波を遮った物体は、逆方向に踏切道40aを通過していると判定する。判定部33は、逆方向に通過する物体に対する処理をステップS303で行うことから、ステップS504の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、ステップS500で反射板20aの反射波が遮られる前に、反射板20bの距離12メートルの領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS511の処理(NO側)に移行する。
ステップS511において、判定部33は、反射板20bおよび反射板20cの反射波の遮断が欠落していることから、センサ10aから反射板20bおよびセンサ10bから反射板20cまでの距離と同等の距離に、反射体60が存在すると判定する。判定部33は、判定ログ19において、反射板20aの反射波が遮られた測定日時に対応する、反射板20a,20dの格納領域に、反射体がないことを示す値「0」を格納し、反射板20b,20cの格納領域に、反射体が有ることを示す値「1」を格納する。そして、判定部33は、ステップS504の処理に移行する。
ステップS512において、判定部33は、ステップS501で反射板20bの反射波を遮った物体が、反射板20dの反射波を遮ったか否かを判定する。例えば、判定部33は、物体が順方向に踏切道40aに通過していると推定し、抽出データ18において、ステップS501で反射板20bの反射波が遮られた後、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、ステップS501で反射板20bの反射波が遮られた後、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された、2013年3月5日12時0分6秒等の測定日時が検出された場合、ステップS513の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、ステップS501で反射板20bの反射波が遮られた後、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS515の処理(NO側)に移行する。
ステップS513において、判定部33は、ステップS512で反射板20dの反射波を遮った物体が、逆方向に踏切道40aを通過しているか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、ステップS512で反射板20dの反射波が遮られた後、反射板20cの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、ステップS512で反射板20dの反射波が遮られた後、反射板20cの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、逆方向に通過する物体が踏切道40aにいると判定する。判定部33は、順方向と逆方向とに通過する物体が踏切道40aにいることから、反射体60の検出は困難と判定し中断する。そして、判定部33は、ステップS504の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、ステップS512で反射板20dの反射波が遮られた後、反射板20cの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、逆方向に踏切道40aを通過する物体はないと判定する。そして、判定部33は、ステップS513の偽判定(NO)として、ステップS514の処理に移行する。
ステップS514において、判定部33は、反射板20cの反射波の遮断が欠落していることから、センサ10bから反射板20cまでの距離と同等の距離に、踏切が閉じた時に踏切内の物体の検出を妨げる反射体60が存在すると判定する。判定部33は、判定ログ19において、反射板20aの反射波が遮られた測定日時に対応する、反射板20a,20b,20dの格納領域に、反射体がないことを示す値「0」を格納し、反射板20cの格納領域に、反射体が有ることを示す値「1」を格納する。そして、判定部33は、ステップS504の処理に移行する。
ステップS515において、判定部33は、ステップS501で反射板20bの反射波が遮られた後、逆方向に通過する物体により、反射板20d,20cの順に反射波が遮られたか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、ステップS501で反射板20bの反射波が遮られた後、反射板20dの距離10メートルの格納領域および反射板20cの距離12メートルの格納領域に値「0」が順次に格納された測定日時を検索する。判定部33は、反射板20bの反射波が遮られた後、反射板20dの距離10メートルの格納領域および反射板20cの距離12メートルの格納領域に値「0」が順次に格納された測定日時が検出された場合、逆方向に通過する物体が踏切道40aにいると判定する。判定部33は、順方向と逆方向とに通過する物体が踏切道40aにいることから、反射体60の検出は困難と判定し中断する。そして、判定部33は、ステップS504の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、反射板20bの反射波が遮られた後、反射板20dの距離10メートルの格納領域および反射板20cの距離12メートルの格納領域に値「0」が順次に格納された測定日時がない場合、ステップS516の処理(NO側)に移行する。
ステップS516において、判定部33は、反射板20cおよび反射板20dの反射波の遮断が欠落していることから、センサ10bから反射板20cおよび反射板20dまでの距離と同等の距離に、反射体60が存在すると判定する。判定部33は、判定ログ19において、反射板20aの反射波が遮られた測定日時に対応する、反射板20a,20bの格納領域に、反射体がないことを示す値「0」を格納し、反射板20c,20dの格納領域に、反射体が有ることを示す値「1」を格納する。そして、判定部33は、ステップS504の処理に移行する。
ステップS517において、判定部33は、反射板20dの反射波の遮断が欠落していることから、センサ10bから反射板20dまでの距離と同等の距離に、踏切が閉じた時に踏切内の物体の検出を妨げる反射体60が存在すると判定する。判定部33は、判定ログ19において、反射板20aの反射波が遮られた測定日時に対応する、反射板20a,20b,20cの格納領域に、反射体がないことを示す値「0」を格納し、反射板20dの格納領域に、反射体が有ることを示す値「1」を格納する。そして、判定部33は、ステップS504の処理に移行する。
次に、ステップS303における判定部33の処理について説明する。
図18に示すステップS600において、判定部33は、逆方向に踏切道40aを通過する物体により、踏切道40aの他端である反射板20dの反射波が遮られたか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、ステップS601の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS303の処理(NO側)を終了しステップS304の処理に移行する。
ステップS601において、判定部33は、ステップS600で反射板20dの反射波を遮った物体が、反射板20cの反射波を遮ったか否かを判定する。例えば、判定部33は、物体が順方向に踏切道40aを通過していると推定し、抽出データ18において、ステップS600で反射板20dの反射波が遮られた後、反射板20cの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、ステップS600で反射板20dの反射波が遮られた後、反射板20cの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、ステップS602の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、ステップS600で反射板20dの反射波が遮られた後、反射板20cの距離12メートルの領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS605の処理(NO側)に移行する。
ステップS602において、判定部33は、ステップS601で反射板20cの反射波が遮られた後、逆方向に通過する物体により、反射板20bの反射波が遮られたか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、ステップS601で反射板20cの反射波が遮られた後、反射板20bの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、ステップS601で反射板20cの反射波が遮られた後、反射板20bの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、ステップS603の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、ステップS601で反射板20cの反射波が遮られた後、反射板20bの距離12メートルの領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS612の処理(NO側)に移行する。
ステップS603において、判定部33は、ステップS602で反射板20bの反射波が遮られた後、逆方向に通過する物体により、反射板20aの反射波が遮られたか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、ステップS602で反射板20bの反射波が遮られた後、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、ステップS602で反射板20bの反射波が遮られた後、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、ステップS604の処理(YES側)に移行する。なお、判定部33は、反射板20dの反射波が遮られた測定日時とともに、反射体がないことを示す値「0」を、判定ログ19における測定日時に対応した各反射板20の格納領域に格納するのが好ましい。一方、判定部33は、ステップS602で反射板20bの反射波が遮られた後、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS617の処理(NO側)に移行する。
ステップS604において、判定部33は、逆方向に通過する次の物体が踏切道40aに入ったか否かを判定する。例えば、判定部33は、反射板20dの反射波が遮られ、距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された次の測定日時を検索する。判定部33は、抽出データ18において、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された、次の測定日時が検出された場合、逆方向に通過する次の物体が踏切道40aに入ったと判定し、ステップS601の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS604の偽判定(NO)として、ステップS303の処理を終了し、ステップS304の処理に移行する。
ステップS605において、判定部33は、ステップS600で反射板20dの反射波が遮った物体が、逆方向に踏切道40aを通過していると推定し、反射板20bの反射波が遮られたか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、ステップS600で反射板20dの反射波が遮られた後、反射板20bの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、ステップS600で反射板20dの反射波が遮られた後、反射板20bの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、ステップS606の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、ステップS600で反射板20dの反射波が遮られた後、反射板20bの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS610の処理(NO側)に移行する。
ステップS606において、判定部33は、ステップS605で反射板20bの反射波を遮った物体が、順方向に踏切道40aを通過しているか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、ステップS605で反射板20bの反射波が遮られる前に、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、ステップS605で反射板20bの反射波が遮られる前に、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、順方向に通過する物体が踏切道40aにいると判定する。判定部33は、順方向と逆方向とに通過する物体が踏切道40aにいることから、反射体60の検出は困難と判定し中断する。そして、判定部33は、ステップS604の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、ステップS605で反射板20bの反射波が遮られる前に、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、順方向に踏切道40aを通過する物体はないと判定する。そして、判定部33は、ステップS607の処理(NO側)に移行する。
ステップS607において、判定部33は、ステップS605で反射板20bの反射波が遮られた後、逆方向に通過する物体により、反射板20aの反射波が遮られたか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、ステップS605で反射板20bの反射波が遮られた後、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、ステップS605で反射板20bの反射波が遮られた後、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、逆方向に通過する物体により、反射板20b,20aの順に反射波が遮られたと判定する。そして、判定部33は、ステップS608の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、ステップS605で反射板20bの反射波が遮られた後、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS609の処理(NO側)に移行する。
ステップS608において、判定部33は、反射板20cの反射波の遮断が欠落していることから、センサ10bから反射板20cまでの距離と同等の距離に、踏切が閉じた時に踏切内の物体の検出を妨げる反射体60が存在すると判定する。判定部33は、判定ログ19において、反射板20dの反射波が遮られた測定日時に対応する、反射板20a,20b,20dの格納領域に、反射体がないことを示す値「0」を格納し、反射板20cの格納領域に、反射体が有ることを示す値「1」を格納する。そして、判定部33は、ステップS604の処理に移行する。
ステップS609において、判定部33は、反射板20aおよび反射板20cの反射波の遮断が欠落していることから、センサ10aから反射板20aまたはセンサ10bから反射板20cまでの距離と同等の距離に、反射体60が存在すると判定する。判定部33は、判定ログ19において、反射板20dの反射波が遮られた測定日時に対応する、反射板20b,20dの格納領域に、反射体がないことを示す値「0」を格納し、反射板20a,20cの格納領域に、反射体が有ることを示す値「1」を格納する。そして、判定部33は、ステップS604の処理に移行する。
ステップS610において、判定部33は、ステップS600で反射板20dの反射波を遮った物体が、逆方向に踏切道40aを通過しているか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、ステップS600で反射板20dの反射波が遮られる前に、反射板20cの反射波が遮られ、反射板20cの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、ステップS600で反射板20dの反射波が遮られる前に、反射板20cの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、反射板20dの反射波を遮った物体は、順方向に踏切道40aを通過していると判定する。判定部33は、順方向に通過する物体に対する処理がステップS302で行われたことから、ステップS604の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、ステップS600で反射板20dの反射波が遮られる前に、反射板20cの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS611の処理(NO側)に移行する。
ステップS611において、判定部33は、反射板20bおよび反射板20cの反射波の遮断が欠落していることから、センサ10aから反射板20bおよびセンサ10bから反射板20cまでの距離と同等の距離に、反射体60が存在すると判定する。判定部33は、判定ログ19において、反射板20dの反射波が遮られた測定日時に対応する、反射板20a,20dの格納領域に、反射体がないことを示す値「0」を格納し、反射板20b,20cの格納領域に、反射体が有ることを示す値「1」を格納する。そして、判定部33は、ステップS604の処理に移行する。
ステップS612において、判定部33は、ステップS601で反射板20cの反射波を遮った物体が、逆方向に踏切道40aを通過していると推定し、反射板20aの反射波が遮られたか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、ステップS601で反射板20cの反射波が遮られた後、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、ステップS601で反射板20cの反射波が遮られた後、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、ステップS613の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、ステップS601で反射板20cの反射波が遮られた後、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS615の処理(NO側)に移行する。
ステップS613において、判定部33は、ステップS612で反射板20aの反射波を遮った物体が、順方向に踏切道40aを通過しているか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、ステップS612で反射板20aの反射波が遮られた後、反射板20bの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、ステップS612で反射板20aの反射波が遮られた後、反射板20bの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、順方向に通過する物体が踏切道40aにいると判定する。判定部33は、順方向と逆方向とに通過する物体が踏切道40aにいることから、反射体60の検出は困難と判定し中断する。そして、判定部33は、ステップS604の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、ステップS612で反射板20aの反射波が遮られた後、反射板20bの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、順方向に踏切道40aを通る物体はないと判定し、ステップS614の処理(NO側)に移行する。
ステップS614において、判定部33は、反射板20bの反射波の遮断が欠落していることから、センサ10aから反射板20bまでの距離と同等の距離に、踏切が閉じた時に踏切内の物体の検出を妨げる反射体60が存在すると判定する。判定部33は、判定ログ19において、反射板20dの反射波が遮られた測定日時に対応する、反射板20a,20c,20dの格納領域に、反射体がないことを示す値「0」を格納し、反射板20bの格納領域に、反射体が有ることを示す値「1」を格納する。そして、判定部33は、ステップS604の処理に移行する。
ステップS615において、判定部33は、ステップS601で反射板20cの反射波が遮られた後、順方向に通過する物体により、反射板20a,20bの順に反射波が遮られたか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、ステップS601で反射板20cの反射波が遮られた後、反射板20aの距離10メートルの格納領域および反射板20bの距離12メートルの格納領域に値「0」が順次に格納された測定日時を検索する。判定部33は、反射板20cの反射波が遮られた後、反射板20aの距離10メートルの格納領域および反射板20bの距離12メートルの格納領域に値「0」が順次に格納された測定日時が検出された場合、順方向に通過する物体が踏切道40aにいると判定する。判定部33は、順方向と逆方向とに通過する物体が踏切道40aにいることから、反射体60の検出は困難と判定し中断する。そして、判定部33は、ステップS604の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、反射板20cの反射波が遮られた後、反射板20aの距離10メートルの格納領域および反射板20bの距離12メートルの格納領域に値「0」が順次に格納された測定日時がない場合、ステップS616の処理(NO側)に移行する。
ステップS616において、判定部33は、反射板20aおよび反射板20bの反射波の遮断が欠落していることから、センサ10aから反射板20aおよび反射板20bまでの距離と同等の距離に、反射体60が存在すると判定する。0cおよび反射板20dまでの距離と同等の距離に、反射体60が存在すると判定する。判定部33は、判定ログ19において、反射板20dの反射波が遮られた測定日時に対応する、反射板20c,20dの格納領域に、反射体がないことを示す値「0」を格納し、反射板20a,20bの格納領域に、反射体が有ることを示す値「1」を格納する。そして、判定部33は、ステップS604の処理に移行する。
ステップS617において、判定部33は、反射板20aの反射波の遮断が欠落していることから、センサ10aから反射板20aまでの距離と同等の距離に、踏切が閉じた時に踏切内の物体の検出を妨げる反射体60が存在すると判定する。判定部33は、判定ログ19において、反射板20dの反射波が遮られた測定日時に対応する、反射板20b,20c,20dの格納領域に、反射体がないことを示す値「0」を格納し、反射板20aの格納領域に、反射体が有ることを示す値「1」を格納する。そして、判定部33は、ステップS604の処理に移行する。
以上、この実施形態では、踏切道40aを物体が往来する所定の期間に、センサ10が各反射板20からの反射波を測定し、判定部33が、各反射板20による反射波が遮られた順序と、物体の動きから推定される順序との比較から、反射体60の存在を判定する。これにより、検出システム300は、たとえ角度分解能を有しないセンサ10を用いたとしても、従来と比べて物体の検出を妨げる要因である反射体60を確度高く除去することができる。
なお、この実施形態では、検出システム300が、軌道80が1つの単線の踏切に配置されたが、これに限定されない。例えば、検出システム300は、複数の軌道80を有する踏切に配置されてもよい。複数の軌道80を有する踏切の場合、1つの検出システム300が配置されてもよいし、複数の検出システム300が、各軌道80にそれぞれ配置されてもよい。さらに、複数の検出システム300が、各軌道80にそれぞれ配置される場合、1つの検出装置30aが、複数の検出システム300の検出処理を行ってもよい。
なお、この実施形態では、判定部33が、順方向または逆方向の順に各反射板20の反射波の強度の変化を調べたが、これに限定されない。判定部33は、例えば、反射板20aの反射波が遮られた測定日時と反射板20bの反射波が遮られた測定日時とが、所定の時間以上離れている場合、反射板20aと反射板20bとの反射波を遮った物体は異なると判定してもよい。そして、判定部33は、次に反射板20aが遮られた測定日時を検索することが好ましい。
なお、この実施形態では、ステップS503またはステップS603において、判定部33が、反射体60が存在しないと判定した場合、ステップS501またはステップS601の処理に移行したが、これに限定されない。例えば、判定部33が、一度でも反射体60が存在しないと判定した場合、ステップS302およびステップS303の処理を終了してもよい。
なお、この実施形態では、判定部33が、ステップS302の順方向の処理を行った後、ステップS303の逆方向の処理を行ったが、これに限定されない。例えば、判定部33は、ステップS302の処理とステップS303の処理とを並列に行ってもよい。
なお、この実施形態では、抽出部34が、踏切が開いている時、受け付けたログデータ17a,17bから各反射板20の反射波の強度のデータを、測定日時とともに抽出したが、これに限定されず、抽出部34の処理は省略されてもよい。
さらに別の実施形態の検出システムは、図7および図8に示す踏切に配置された検出システム300と同一または同様であり、図7および図8に示す各要素の動作の説明は省略する。
センサ10a,10bは、図9に示すセンサ10a,10bと同一または同様であり、説明は省略する。
また、検出装置30aは、図10に示す検出装置30aと同一または同様であり、説明は省略する。なお、記憶部35は、各反射板20の距離の情報とともに、例えば、順方向および逆方向に物体が踏切道40aを通過した時に各反射板20の反射波が遮られる順序を示す順序テーブルを記憶する。
図20は、順序テーブルの例を示す。順序テーブル22(22a,22b)は、反射板20ごとに、測定日時T1,T2,T3,T4の時間経過において、反射波がないことを示す値「0」、反射波が有ることを示す値「1」を格納する格納領域を有する。なお、順序テーブル22に格納された「−」は、値「0」または値「1」の何れかであることを示す。
図20(a)は、例えば、物体が踏切道40aを順方向に通過する場合に各反射板20の反射波が遮られる順序を示す。順序テーブル22aでは、測定日時T1から測定日時T4に時間が経過するに従い、反射板20aから反射板20dの反射波が順次に遮られ、各反射板20の格納領域に値「0」が格納される。
図20(b)は、例えば、物体が踏切道40aを逆方向に通過する場合に各反射板20の反射波が遮られる順序を示す。順序テーブル22bでは、測定日時T1から測定日時T4と時間が経過するに従い、反射板20dから反射板20aの反射波が順次に遮られ、各反射板20の格納領域に値「0」が格納される。
図21から図23は、図7および図8に示した検出システム300における反射体60の検出処理の別例を示す。なお、図21において、図15に示す処理と同一または同様の処理を行うステップは、同一のステップ番号を付し詳細な説明は省略する。図22は、図21に示したステップS302aの処理の例を示す。図23は、図21に示したステップS303aの処理の例を示す。ステップS300からステップS304、ステップS700からステップS708およびステップS800からステップS808の処理は、検出装置30aの制御部32aが、記憶部35に記憶する検出プログラムを実行することで実現される。すなわち、図15から図19に示すステップS300からステップS304、ステップS700からステップS708およびステップS800からステップS808は、検出プログラムおよび検出方法の例を示す。
検出システム300は、ステップS301の処理を行った後、図21に示すステップS302aの処理を行う。
ステップS700において、判定部33は、順方向に踏切道40aを通過する自動車110等の物体により、踏切道40aの一端である反射板20aの反射波が遮られたか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された、例えば、2013年3月5日12時0分2秒等の測定日時が検出された場合、ステップS701の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS700の偽判定(NO)として、ステップS302aの処理を終了しステップS303aの処理に移行する。
ステップS701において、判定部33は、抽出データ18および記憶部35に記憶された順序テーブル22aに基づいて、反射板20aの反射波が遮られた測定日時を基準にして、順方向に反射波が遮られた反射板20の組み合わせを抽出する。判定部33は、例えば、反射板20aの反射波が遮られた後、反射板20b,20c,20dの順序で、各距離の格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、反射板20b,20c,20dの順序で、各距離の格納領域に値「0」が格納された測定日時を検出された場合、順方向に通過する同じ物体が、反射板20a,20b,20c,20dの順序で反射波を遮ったと判定する。判定部33は、判定された反射板20a,20b,20c,20dを1つの組み合わせとして抽出する。また、図12に示す抽出データ18において、例えば、反射板20aの反射波が2013年3月5日12時0分2秒に遮られた後、12時0分4秒の反射板20bの距離12メートルの格納領域に値「0」が格納される。さらに、12時0分6秒および12時0分7秒の反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納される。したがって、判定部33は、順方向に通過する同じ物体が、反射板20a,20b,20dの順序で反射波を遮ったと判定し、反射板20a,20b,20dを1つの組み合わせとして抽出する。
ステップS702において、判定部33は、ステップS701で抽出した組み合わせに、反射板20bが含まれるか否かを判定する。判定部33は、反射板20bが含まれる場合、センサ10aから反射板20bまでの距離に反射体60は存在しないと判定し、ステップS702の処理(YES側)に移行する。なお、判定部33は、判定ログ19において、反射板20aの反射波が遮られた測定日時に対応する反射板20bの格納領域に、反射体がないことを示す値「0」を格納するのが好ましい。一方、判定部33は、反射板20bが含まれない場合、ステップS706の処理(NO側)に移行する。
ステップS703において、判定部33は、ステップS701で抽出した組み合わせに、反射板20cが含まれるか否かを判定する。判定部33は、反射板20cが含まれる場合、センサ10aから反射板20bまでの距離に反射体60は存在しないと判定し、ステップS704の処理(YES側)に移行する。なお、判定部33は、判定ログ19において、反射板20aの反射波が遮られた測定日時に対応する反射板20cの格納領域に、反射体がないことを示す値「0」を格納するのが好ましい。一方、判定部33は、反射板20cが含まれない場合、ステップS707の処理(NO側)に移行する。
ステップS704において、判定部33は、ステップS701で抽出した組み合わせに、反射板20dが含まれるか否かを判定する。判定部33は、反射板20dが含まれる場合、センサ10aから反射板20dまでの距離に反射体60は存在しないと判定し、ステップS705の処理(YES側)に移行する。なお、判定部33は、判定ログ19において、反射板20aの反射波が遮られた測定日時に対応する反射板20dの格納領域に、反射体がないことを示す値「0」を格納するのが好ましい。一方、判定部33は、反射板20dが含まれない場合、ステップS708の処理(NO側)に移行する。
ステップS705において、順方向に通過する次の物体が踏切道40aに入ったか否かを判定する。例えば、判定部33は、反射板20aの反射波が遮られ、抽出データ18において、距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された次の測定日時を検索する。判定部33は、抽出データ18において、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された、次の測定日時が検出された場合、順方向に通過する次の物体が踏切道40aに入ったと判定し、ステップS701の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、反射板20aの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS705の偽判定(NO)として、ステップS302aの処理を終了し、ステップS303aの処理に移行する。
ステップS706において、判定部33は、反射板20bの反射波の遮断が欠落していることから、センサ10aから反射板20bまでの距離と同等の距離に、踏切が閉じた時に踏切内の物体の検出を妨げる反射体60があると判定する。判定部33は、判定ログ19において、反射板20aの反射波が遮られた測定日時に対応する、反射板20bの格納領域に、反射体が有ることを示す値「1」を格納する。そして、判定部33は、ステップS703の処理に移行する。
ステップS707において、判定部33は、反射板20cの反射波の遮断が欠落していることから、センサ10bから反射板20cまでの距離と同等の距離に、踏切が閉じた時に踏切内の物体の検出を妨げる反射体60があると判定する。判定部33は、判定ログ19において、反射板20aの反射波が遮られた測定日時に対応する、反射板20cの格納領域に、反射体が有ることを示す値「1」を格納する。そして、判定部33は、ステップS704の処理に移行する。
ステップS708において、判定部33は、反射板20dの反射波の遮断が欠落していることから、センサ10bから反射板20dまでの距離と同等の距離に、踏切が閉じた時に踏切内の物体の検出を妨げる反射体60があると判定する。判定部33は、判定ログ19において、反射板20aの反射波が遮られた測定日時に対応する、反射板20dの格納領域に、反射体が有ることを示す値「1」を格納する。そして、判定部33は、ステップS705の処理に移行する。
次に、ステップS303aにおける判定部33の処理について説明する。
ステップS800において、判定部33は、逆方向に踏切道40aを通過する物体により、踏切道40aの他端である反射板20dの反射波が遮られたか否かを判定する。例えば、判定部33は、抽出データ18において、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時が検出された場合、ステップS801の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS800の偽判定(NO)として、ステップS303aの処理を終了しステップS304の処理に移行する。
ステップS801において、判定部33は、抽出データ18および記憶部35に記憶された順序テーブル22bに基づいて、反射板20dの反射波が遮られた測定日時を基準にして、逆方向に反射波が遮られた反射板20の組み合わせを抽出する。判定部33は、例えば、反射板20dの反射波が遮られた後、反射板20c,20b,20aの順序で、各距離の格納領域に値「0」が格納された測定日時を検索する。判定部33は、反射板20b,20aの各距離の格納領域に値「0」が格納された測定日時を検出された場合、逆方向に通過する同じ物体が、反射板20d,20b,20aの順序で反射波を遮ったと判定する。判定部33は、判定された反射板20d,20b,20aを1つの組み合わせとして抽出する。
ステップS802において、判定部33は、ステップS801で抽出した組み合わせに、反射板20cが含まれるか否かを判定する。判定部33は、反射板20cが含まれる場合、センサ10bから反射板20cまでの距離に反射体60は存在しないと判定し、ステップS803の処理(YES側)に移行する。なお、判定部33は、判定ログ19において、反射板20dの反射波が遮られた測定日時に対応する反射板20cの格納領域に、反射体がないことを示す値「0」を格納するのが好ましい。一方、判定部33は、反射板20cが含まれない場合、ステップS806の処理(NO側)に移行する。
ステップS803において、判定部33は、ステップS801で抽出した組み合わせに、反射板20bが含まれるか否かを判定する。判定部33は、反射板20bが含まれる場合、センサ10aから反射板20bまでの距離に反射体60は存在しないと判定し、ステップS804の処理(YES側)に移行する。なお、判定部33は、判定ログ19において、反射板20dの反射波が遮られた測定日時に対応する反射板20bの格納領域に、反射体がないことを示す値「0」を格納するのが好ましい。一方、判定部33は、反射板20bが含まれない場合、ステップS807の処理(NO側)に移行する。
ステップS804において、判定部33は、ステップS801で抽出した組み合わせに、反射板20aが含まれるか否かを判定する。判定部33は、反射板20aが含まれる場合、センサ10aから反射板20aまでの距離に反射体60は存在しないと判定し、ステップS805の処理(YES側)に移行する。なお、判定部33は、判定ログ19において、反射板20dの反射波が遮られた測定日時に対応する反射板20aの格納領域に、反射体がないことを示す値「0」を格納するのが好ましい。一方、判定部33は、反射板20aが含まれない場合、ステップS808の処理(NO側)に移行する。
ステップS805において、判定部33は、抽出データ18において、逆方向に通過する次の物体が踏切道40aに入ったか否かを判定する。例えば、判定部33は、反射板20dの反射波が遮られ、距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された次の測定日時を検索する。判定部33は、抽出データ18において、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された、次の測定日時が検出された場合、逆方向に通過する次の物体が踏切道40aに入ったと判定し、ステップS801の処理(YES側)に移行する。一方、判定部33は、反射板20dの距離10メートルの格納領域に値「0」が格納された測定日時がない場合、ステップS805の偽判定(NO)として、ステップS303aの処理を終了し、ステップS304の処理に移行する。
ステップS806において、判定部33は、反射板20cの反射波の遮断が欠落していることから、センサ10bから反射板20cまでの距離と同等の距離に、踏切が閉じた時に踏切内の物体の検出を妨げる反射体60があると判定する。判定部33は、判定ログ19において、反射板20dの反射波が遮られた測定日時に対応する、反射板20cの格納領域に、反射体が有ることを示す値「1」を格納する。そして、判定部33は、ステップS803の処理に移行する。
ステップS807において、判定部33は、反射板20bの反射波の遮断が欠落していることから、センサ10aから反射板20bまでの距離と同等の距離に、踏切が閉じた時に踏切内の物体の検出を妨げる反射体60があると判定する。判定部33は、判定ログ19において、反射板20dの反射波が遮られた測定日時に対応する、反射板20bの格納領域に、反射体が有ることを示す値「1」を格納する。そして、判定部33は、ステップS804の処理に移行する。
ステップS808において、判定部33は、反射板20aの反射波の遮断が欠落していることから、センサ10aから反射板20aまでの距離と同等の距離に、踏切が閉じた時に踏切内の物体の検出を妨げる反射体60があると判定する。判定部33は、判定ログ19において、反射板20dの反射波が遮られた測定日時に対応する、反射板20bの格納領域に、反射体が有ることを示す値「1」を格納する。そして、判定部33は、ステップS805の処理に移行する。
以上、この実施形態では、踏切道40aを物体が往来する所定の期間に、センサ10が各反射板20からの反射波を測定し、判定部33が、各反射板20による反射波が遮られた順序と、物体の動きから推定される順序との比較から、反射体60の存在を判定する。これにより、検出システム300は、たとえ角度分解能を有しないセンサ10を用いたとしても、従来と比べて物体の検出を妨げる要因である反射体60を確度高く除去することができる。
なお、この実施形態では、検出システム300が、軌道80が1つの単線の踏切に配置されたが、これに限定されない。例えば、検出システム300は、複数の軌道80を有する踏切に配置されてもよい。複数の軌道80を有する踏切の場合、1つの検出システム300が配置されてもよいし、複数の検出システム300が、各軌道80にそれぞれ配置されてもよい。さらに、複数の検出システム300が、各軌道80にそれぞれ配置される場合、1つの検出装置30aが、複数の検出システム300の検出処理を行ってもよい。
なお、本実施形態では、判定部33が、順方向または逆方向に各反射板20の反射波が順次に遮られた組み合わせを取得したが、これに限定されない。判定部33は、例えば、反射板20aの反射波が遮られた測定日時と反射板20bの反射波が遮られた測定日時とが、所定の時間以上離れている場合、反射板20aと反射板20bとの反射波を遮った物体は異なると判定してもよい。そして、判定部33は、次に反射板20aが遮られた測定日時に検索することが好ましい。
なお、この実施形態では、判定部33が、ステップS302aの順方向の処理を行った後、ステップS303aの逆方向の処理を行ったが、これに限定されない。例えば、判定部33は、ステップS302aの処理とステップS303aの処理とを並列に行ってもよい。
なお、この実施形態では、抽出部34が、踏切が開いている時、受け付けたログデータ17a,17bから各反射板20の反射波の強度のデータを、測定日時とともに抽出したが、これに限定されず、抽出部34の処理は省略されてもよい。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
所定の領域を含む範囲に電磁波を照射する送信部と、前記所定の領域を挟んで前記送信部の反対側に配置された、前記電磁波を反射する複数の反射部からの反射波を受信する受信部とを含む少なくとも1つのセンサと、
前記受信部が受信した前記各反射部からの反射波の情報を時系列に示す反射情報を受け付け、受け付けた前記反射情報に基づき、前記各反射部による反射波が遮られた順序を特定し、特定した順序と、前記所定の領域を通過する物体の動きから推定される前記各反射部の反射波が遮られる順序との比較から、前記反射波の遮断が欠落した反射部を検出した場合に、前記物体の検出を妨げる反射体の存在を判定する判定部と、
を備えることを特徴とする検出システム。
(付記2)
付記1に記載の検出システムにおいて、
前記反射情報は、前記センサから前記各反射部までの距離の情報を含み、
前記判定部は、前記反射波の遮断が欠落したことを検出した反射部と前記センサとの距離だけ前記センサから離れた位置に前記反射体が存在すると判定する
ことを特徴とする検出システム。
(付記3)
付記1または付記2に記載の検出システムにおいて、
前記判定部は、前記反射情報から、前記所定の領域を第1の方向で通過する物体による前記反射波の遮断とともに前記領域を第2の方向で通過する別の物体による前記反射波の遮断を検出した場合に、前記反射体の存在の判定を中断することを特徴とする検出システム。
(付記4)
所定の領域を含む範囲に電磁波を照射する送信部と、前記所定の領域を挟んで前記送信部の反対側に配置された、前記電磁波を反射する複数の反射部からの反射波を受信する受信部とを含む少なくとも1つのセンサから、前記受信部が受信した前記各反射部からの反射波の情報を時系列に示す反射情報を受け付ける受付部と、
受け付けた前記反射情報に基づき、前記各反射部による反射波が遮られた順序を特定し、特定した順序と、前記所定の領域を通過する物体の動きから推定される前記各反射部の反射波が遮られる順序との比較から、前記反射波の遮断が欠落した反射部を検出した場合に、前記物体の検出を妨げる反射体の存在を判定する判定部と、
を備えることを特徴とする検出装置。
(付記5)
付記4に記載の検出装置において、
前記反射情報は、前記センサから前記各反射部までの距離の情報を含み、
前記判定部は、前記反射波の遮断が欠落したことを検出した反射部と前記センサとの距離だけ前記センサから離れた位置に前記反射体が存在すると判定する
ことを特徴とする検出装置。
(付記6)
付記4または付記5に記載の検出装置において、
前記判定部は、前記反射情報から、前記所定の領域を第1の方向で通過する物体による前記反射波の遮断とともに前記領域を第2の方向で通過する別の物体による前記反射波の遮断を検出した場合に、前記反射体の存在の判定を中断することを特徴とする検出装置。
(付記7)
所定の領域を含む範囲に電磁波を照射する送信部と、前記所定の領域を挟んで前記送信部の反対側に配置された、前記電磁波を反射する複数の反射部からの反射波を受信する受信部とを含む少なくとも1つのセンサから、前記受信部が受信した前記各反射部からの反射波の情報を時系列に示す反射情報を受け付け、
受け付けた前記反射情報に基づき、前記各反射部による反射波が遮られた順序を特定し、特定した順序と、前記所定の領域を通過する物体の動きから推定される前記各反射部の反射波が遮られる順序との比較から、前記反射波の遮断が欠落した反射部を検出した場合に、前記物体の検出を妨げる反射体の存在を判定する、
処理をコンピュータに実行させる検出プログラム。
(付記8)
付記7に記載の検出プログラムにおいて、
前記反射情報は、前記センサから前記各反射部までの距離の情報を含み、
前記判定の処理は、前記反射波の遮断が欠落したことを検出した反射部と前記センサとの距離だけ前記センサから離れた位置に前記反射体が存在すると判定する
ことを特徴とする検出プログラム。
(付記9)
付記7または付記8に記載の検出プログラムにおいて、
前記判定の処理は、前記反射情報から、前記所定の領域を第1の方向で通過する物体による前記反射波の遮断とともに前記領域を第2の方向で通過する別の物体による前記反射波の遮断を検出した場合に、前記反射体の存在の判定を中断することを特徴とする検出プログラム。
(付記10)
所定の領域を含む範囲に電磁波を照射する送信部と、前記所定の領域を挟んで前記送信部の反対側に配置された、前記電磁波を反射する複数の反射部からの反射波を受信する受信部とを含む少なくとも1つのセンサから、前記受信部が受信した前記各反射部からの反射波の情報を時系列に示す反射情報を受け付け、
受け付けた前記反射情報に基づき、前記各反射部による反射波が遮られた順序を特定し、特定した順序と、前記所定の領域を通過する物体の動きから推定される前記各反射部の反射波が遮られる順序との比較から、前記反射波の遮断が欠落した反射部を検出した場合に、前記物体の検出を妨げる反射体の存在を判定する、
ことを特徴とする検出方法。
(付記11)
付記10に記載の検出方法において、
前記反射情報は、前記センサから前記各反射部までの距離の情報を含み、
前記判定の処理は、前記反射波の遮断が欠落したことを検出した反射部と前記センサとの距離だけ前記センサから離れた位置に前記反射体が存在すると判定する
ことを特徴とする検出方法。
(付記12)
付記10または付記11に記載の検出方法において、
前記判定の処理は、前記反射情報から、前記所定の領域を第1の方向で通過する物体による前記反射波の遮断とともに前記領域を第2の方向で通過する別の物体による前記反射波の遮断を検出した場合に、前記反射体の存在の判定を中断することを特徴とする検出方法。