JP2014214214A - 防護体用衝撃吸収材及び防護体用衝撃吸収材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シリコーン樹脂を用いて衝撃吸収性の向上を図る。【解決手段】 表面板を有した防護体の当該表面板の裏面側に付設されるもので、硬化性液状シリコーン100重量部に対して、25℃における動粘度が350〜100,000センチストークスの範囲内にある粘性液体100〜600重量部を配合するとともに、配合比率が35体積%以下となるようにフィラーを配合し、硬化してなる。例えば、離型フィルムに囲繞されて成形される。硬化性液状シリコーンとして、硬化時において副生成物を発生させずに3次元架橋骨格を成す付加硬化型液状シリコーンを用い、粘性液体として、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサンから選択されるシリコーンオイルを用いた。【選択図】 図3
Description
本発明は、銃弾等の高速飛翔体等を表面板で受けて人体,各種機器や構造物等を保護する防護体に用いられ、表面板の裏面側に付設されて衝撃を吸収する防護体用衝撃吸収材及び防護体用衝撃吸収材の製造方法に関する。
従来、この種の防護体用衝撃吸収材としては、例えば、特開2010−210217号公報(特許文献1)に掲載された技術が知られている。
この防護体用衝撃吸収材が用いられる防護体は、ジルコニア製の板状の表面部材の裏面側に、衝撃吸収材を付設している。衝撃吸収材は、炭化ホウ素、ムライト又はアルミナのいずれかの材料製の板状のシートと、高強度繊維からなる板状のシートと、金属からなる板状のシートとを積層している。また、これらの板状のシート間に、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネイト樹脂等の樹脂からなる緩衝材を挟む形態としている。このような緩衝材を挟むことにより、飛翔体の運動エネルギー吸収を、より効果的にしている。
この防護体用衝撃吸収材が用いられる防護体は、ジルコニア製の板状の表面部材の裏面側に、衝撃吸収材を付設している。衝撃吸収材は、炭化ホウ素、ムライト又はアルミナのいずれかの材料製の板状のシートと、高強度繊維からなる板状のシートと、金属からなる板状のシートとを積層している。また、これらの板状のシート間に、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネイト樹脂等の樹脂からなる緩衝材を挟む形態としている。このような緩衝材を挟むことにより、飛翔体の運動エネルギー吸収を、より効果的にしている。
ところで、防護体用衝撃吸収材においては、衝撃吸収性能の向上が望まれるところ、特に、種々の分野で広く用いられているシリコーン樹脂をこの衝撃吸収材にも採用した場合、上記従来の防護体用衝撃吸収材の技術においては、緩衝材としてシリコーン樹脂の採用の指摘はあるものの、その成分等においては開示が不十分であり、衝撃吸収性能に関して信頼性に劣るという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みて為されたもので、シリコーン樹脂を用いて衝撃吸収性の向上を図った防護体用衝撃吸収材を提供することを目的とする。
本発明は上記の点に鑑みて為されたもので、シリコーン樹脂を用いて衝撃吸収性の向上を図った防護体用衝撃吸収材を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明の防護体用衝撃吸収材は、表面板を有した防護体の当該表面板の裏面側に付設される防護体用衝撃吸収材であって、硬化性液状シリコーン100重量部に対して、25℃における動粘度が350〜100,000センチストークスの範囲内にある粘性液体100〜600重量部を配合するとともに、配合比率が35体積%以下となるようにフィラーを配合し、硬化してなる構成としている。
これにより、この防護体用衝撃吸収材を用いた防護体では、高速飛翔体が表面板に衝突すると表面板を通して伝達される衝撃波が衝撃吸収材に吸収され、人体や物体への衝撃が抑止され、保護が図られる。この場合、本発明の防護体用衝撃吸収材は、衝撃吸収性能に優れる物性を呈し、極めて有用になる。
これにより、この防護体用衝撃吸収材を用いた防護体では、高速飛翔体が表面板に衝突すると表面板を通して伝達される衝撃波が衝撃吸収材に吸収され、人体や物体への衝撃が抑止され、保護が図られる。この場合、本発明の防護体用衝撃吸収材は、衝撃吸収性能に優れる物性を呈し、極めて有用になる。
ここで、上記粘性液体は、25℃における動粘度が、350〜100,000センチストークスの範囲内である構成としている。望ましくは、500〜50,000センチストークスの範囲である。25℃における動粘度がこの範囲未満であると、硬化させたときに配合したフィラーの分散性が芳しくなく、一方、25℃における動粘度がこの範囲以上となってしまうと、配合作業性が悪く、また製造工程中に巻き込んだ気泡を取り除くのが困難となってしまう。
また、粘性液体成分の配合量は、硬化性液状シリコーン成分100重量部に対して100〜600重量部の範囲であるが、粘性液体の配合量がこの範囲未満であると成形品は柔軟性に乏しく、結果として所望するような衝撃吸収性が得られない。一方、粘性液体の配合量が600重量部を超えてしまうと、成形品が柔らかくなりすぎてしまい、製品形状を保つことが出来なくなってしまう。換言すると、粘性液体成分の配合量によって得られる成形品の硬度を調整することが可能である。良好な衝撃吸収性を得る為の粘性液体成分の配合量は、硬化性液状シリコーン成分100重量部に対して200〜500重量部であることが好ましい。より好ましくは、330〜450重量部含有することである。
更に、フィラーの総量は、全体の配合比率中において35体積%以下とすることが好ましい。フィラー量が35体積%を上回ると、成形品中における樹脂比率が低下し柔軟性が損なわれ、衝撃吸収性も低下する。フィラー量は35体積%以下の衝撃吸収性を著しく損なわない範囲内に調整し、所望するレベルの補強性、難燃性、比重を得る。
フィラーの総量は、好ましくは、5〜35体積%、より好ましくは、20〜30体積%である。
フィラーの総量は、好ましくは、5〜35体積%、より好ましくは、20〜30体積%である。
そして、必要に応じ、上記硬化性液状シリコーンは、硬化時において副生成物を発生させずに3次元架橋骨格を成す付加硬化型液状シリコーンである構成としている。付加硬化型液状シリコーンは、例えば、加熱処理により硬化し、縮合硬化型シリコーンやパーオキサイド架橋型シリコーンに比較して硬化性に優れる。また、付加硬化型液状シリコーンとしたのは、縮合硬化型シリコーンでは、硬化時の副生成物として水、アルコール、水素ガス等を発生させ、パーオキサイド架橋型シリコーンでは、過酸化物起因の副生ガスを生じるので、これらの副生成物が原因となって、発泡の問題が生じ、品質上問題があるためである。また、同様の理由からシリコーン樹脂自体が無溶剤型であることが好ましい。
また、必要に応じ、上記付加硬化型液状シリコーンは、分子中にアルケニル基を含むオルガノポリシロキサンと、分子中にヒドロシリル基を持つオルガノハイドロジェンポリシロキサンとが、硬化触媒を介してヒドロシリル化反応することにより硬化し、且つ、硬化させた場合のショアA硬度が15〜60の範囲内である構成としている。
市販材としては、いずれも無溶剤タイプの付加硬化型液状シリコーンレジン、または、付加硬化型液状シリコーンゴムを挙げることができ、上記硬化時の硬度条件を満たすものの中から適宜選択することが出来る。
市販材としては、いずれも無溶剤タイプの付加硬化型液状シリコーンレジン、または、付加硬化型液状シリコーンゴムを挙げることができ、上記硬化時の硬度条件を満たすものの中から適宜選択することが出来る。
更に、必要に応じ、上記粘性液体は、鉱物油、植物油、シリコーンオイル、パラフィン油、フッ素系オイルの中から1種もしくは2種以上選択される構成としている。粘性液体は、本発明の柔軟性及びそれに伴う衝撃吸収性に大きく関与するものであり、これらのオイルは、硬化性液状シリコーン成分が形成する3次元骨格の間隙に、粘性液体がより高い割合で含有されることにより、高度な柔軟性と衝撃吸収性の発現を可能にする。
この場合、上記粘性液体は、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサンから選択されるシリコーンオイルであることが有効である。ポリシロキサンの分子構造としては直鎖状、一部分枝している直鎖状、及び環状が挙げられるが、いずれの構造でもよい。これらのシリコーンオイルは、耐熱性や硬化性液状シリコーン成分との親和性、化学的安定性、さらには、難燃性に優れる。
更に、必要に応じ、上記フィラーは、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、苦土石灰、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、石膏、ホワイトカーボン、含水ケイ酸アルミニウム、クレー、カオリン、白土、封土、珪酸マグネシウム(滑石、タルク)、ケイソウ土、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、チタンホワイト、マイカ、雲母、カーボンブラック、セルロース粉、カゼイン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースグリコール酸、小麦粉、大豆粉、二酸化珪素(無水珪酸、シリカ)、珪酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸鉄、珪酸アルミニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、アルミナシリケート、ガラス、シラス、フェノール、カーボン、ジルコニアの中から選択される1種もしくは2種以上を成分とする構成としている。
本発明はフィラー成分を配合することにより衝撃吸収性以外の特性付与が可能となる。例えばシリカを用いることにより、成形品の補強効果と、粘性液体成分に起因するオイルブリードを抑止する効果がある。ここで用いられるシリカとしては乾式法シリカ、湿式法シリカが挙げられるが、好ましくは乾式法シリカである。また、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムを用いた場合は難燃性の付与が可能になる。
本発明はフィラー成分を配合することにより衝撃吸収性以外の特性付与が可能となる。例えばシリカを用いることにより、成形品の補強効果と、粘性液体成分に起因するオイルブリードを抑止する効果がある。ここで用いられるシリカとしては乾式法シリカ、湿式法シリカが挙げられるが、好ましくは乾式法シリカである。また、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムを用いた場合は難燃性の付与が可能になる。
更にまた、必要に応じ、上記フィラーは、合成樹脂からなる外殻を有するとともに内部に熱膨張性気体を含有した有機樹脂製中空体で構成され、該有機樹脂製中空体は、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニリデンとアクリロニトリルとの共重合体、アクリロニトリルとメタクリロニトリルとの共重合体、塩化ビニリデンとアクリロニトリルとジビニルベンゼンとの三元共重合体、スチレンとアクリルを主体とする共重合体樹脂の中から1種もしくは2種以上選択される構成としている。有機樹脂製中空体の外殻内部の熱膨張気体は、例えば、低沸点の炭化水素等で構成される。これにより、成形品の軽量化が可能になる。
中空フィラーとしては他にガラスバルーンやフライアッシュバルーンのような無機物製中空体が挙げられるが、有機樹脂製中空体と比較すると耐圧強度が低く、また比重が大きいため配合品の軽量化効果が小さい。従って本発明品による防弾チョッキ、防刃チョッキ用緩衝材としての使用を考えた場合、耐衝撃性及び装備品の重量の観点から有機樹脂性中空体を用いることは非常に有用である。
中空フィラーとしては他にガラスバルーンやフライアッシュバルーンのような無機物製中空体が挙げられるが、有機樹脂製中空体と比較すると耐圧強度が低く、また比重が大きいため配合品の軽量化効果が小さい。従って本発明品による防弾チョッキ、防刃チョッキ用緩衝材としての使用を考えた場合、耐衝撃性及び装備品の重量の観点から有機樹脂性中空体を用いることは非常に有用である。
そして、上記目的を達成するため、上記の防護体用衝撃吸収材を製造する本発明の方法は、硬化性液状シリコーン,粘性液体及びフィラーの混合物を、離型フィルムで囲繞して成形する構成としている。これらの混合物を熱硬化してなる衝撃吸収材は、衝撃吸収性に優れるものの製造工程中の熱硬化後において、金型と接着してしまい、離型性に問題があるが、離型フィルムで囲繞して成形するので、この問題が解消される。
ここでの成形方法としては、注型成形、射出成形、押出成形、カレンダー成形が挙げられるが、これらに限定されるものではない。尚、注型成形、射出成形を行う場合には金型内へ離型フィルムをラミネートする。また、押出成型の場合には、離型フィルム上に未硬化樹脂をキャストする方法、カレンダー成形の場合には2枚の離型フィルム間に未硬化樹脂を挟む方法で、所定厚のシートを得る。
ここでの成形方法としては、注型成形、射出成形、押出成形、カレンダー成形が挙げられるが、これらに限定されるものではない。尚、注型成形、射出成形を行う場合には金型内へ離型フィルムをラミネートする。また、押出成型の場合には、離型フィルム上に未硬化樹脂をキャストする方法、カレンダー成形の場合には2枚の離型フィルム間に未硬化樹脂を挟む方法で、所定厚のシートを得る。
本発明の防護体用衝撃吸収材を用いた防護体では、高速飛翔体が表面板に衝突すると表面板を通して伝達される衝撃波が衝撃吸収材に吸収され、人体や物体への衝撃が抑止され、保護が図られる。この場合、本発明の防護体用衝撃吸収材は、衝撃吸収性能に優れる物性を呈し、極めて有用になる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る防護体用衝撃吸収材について詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係る防護体用衝撃吸収材は、表面板を有した防護体に用いられ、表面板の裏面側に付設される。表面板としては、例えば、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、ジルコニア、ボロンカーバイド等の周知のセラミックで構成される。
防護体用衝撃吸収材は、硬化性液状シリコーン100重量部に対して、粘性液体100〜600重量部、及び、配合比率が35体積%以下となるようにフィラーを配合し、硬化してなる。
本発明の実施の形態に係る防護体用衝撃吸収材は、表面板を有した防護体に用いられ、表面板の裏面側に付設される。表面板としては、例えば、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、ジルコニア、ボロンカーバイド等の周知のセラミックで構成される。
防護体用衝撃吸収材は、硬化性液状シリコーン100重量部に対して、粘性液体100〜600重量部、及び、配合比率が35体積%以下となるようにフィラーを配合し、硬化してなる。
硬化性液状シリコーンとしての付加硬化型液状シリコーンは、硬化時において副生成物を発生させずに3次元架橋骨格を成すものであって、分子中にアルケニル基を含むオルガノポリシロキサンと、分子中にヒドロシリル基を持つオルガノハイドロジェンポリシロキサンとが、硬化触媒を介してヒドロシリル化反応することにより硬化するものであり、且つ、硬化させた場合のショアA硬度が15〜60の範囲内である。
市販材としては、いずれも無溶剤タイプの付加硬化型液状シリコーンレジン、または、付加硬化型液状シリコーンゴムを挙げることができ、上記硬化時の硬度条件を満たすものの中から適宜選択することが出来る。
市販材としては、いずれも無溶剤タイプの付加硬化型液状シリコーンレジン、または、付加硬化型液状シリコーンゴムを挙げることができ、上記硬化時の硬度条件を満たすものの中から適宜選択することが出来る。
粘性液体は、鉱物油、植物油、シリコーンオイル、パラフィン油、フッ素系オイルの中から1種もしくは2種以上選択される。実施の形態では、粘性液体は、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサンから選択されるシリコーンオイルである。ポリシロキサンの分子構造としては直鎖状、一部分枝している直鎖状、及び環状が挙げられるが、いずれの構造でもよい。シリコーンオイルは、衝撃吸収材の柔軟性及びそれに伴う衝撃吸収性に大きく関与するものであり、これらのオイルは、硬化性液状シリコーン成分が形成する3次元骨格の間隙に、粘性液体がより高い割合で含有されることにより、高度な柔軟性と衝撃吸収性の発現を可能にする。また、耐熱性や硬化性液状シリコーン成分との親和性、化学的安定性、さらには、難燃性に優れる。
また、シリコーンオイルは、25℃における動粘度が、350〜100,000センチストークスの範囲内である構成としている。望ましくは、500〜50,000センチストークスの範囲である。25℃における動粘度がこの範囲未満であると、硬化させたときに配合したフィラーの分散性が芳しくなく、一方、25℃における動粘度がこの範囲以上となってしまうと、配合作業性が悪く、また製造工程中に巻き込んだ気泡を取り除くのが困難となってしまう。
シリコーンオイルの配合量は、硬化性液状シリコーン成分100重量部に対して100〜600重量部の範囲であるが、粘性液体の配合量がこの範囲未満であると成形品は柔軟性に乏しく、結果として所望するような衝撃吸収性が得られない。一方、粘性液体の配合量が600重量部を超えてしまうと、成形品が柔らかくなりすぎてしまい、製品形状を保つことが出来なくなってしまう。このことを換言すると、粘性液体成分の配合量によって得られる成形品の硬度を調整することが可能である。良好な衝撃吸収性を得る為の粘性液体成分の配合量は、硬化性液状シリコーン成分100重量部に対して200〜500重量部であることが好ましい。より好ましくは、330〜450重量部含有することである。
フィラーは、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、苦土石灰、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、石膏、ホワイトカーボン、含水ケイ酸アルミニウム、クレー、カオリン、白土、封土、珪酸マグネシウム(滑石、タルク)、ケイソウ土、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、チタンホワイト、マイカ、雲母、カーボンブラック、セルロース粉、カゼイン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースグリコール酸、小麦粉、大豆粉、二酸化珪素(無水珪酸、シリカ)、珪酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸鉄、珪酸アルミニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、アルミナシリケート、ガラス、シラス、フェノール、カーボン、ジルコニアの中から選択される1種もしくは2種以上を成分とする構成としている。
本発明はフィラー成分を配合することにより衝撃吸収性以外の特性付与が可能となる。例えばシリカを用いることにより、成形品の補強効果と、粘性液体成分に起因するオイルブリードを抑止する効果がある。ここで用いられるシリカとしては乾式法シリカ、湿式法シリカが挙げられるが、好ましくは乾式法シリカである。また、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムを用いた場合は難燃性の付与が可能になる。
本発明はフィラー成分を配合することにより衝撃吸収性以外の特性付与が可能となる。例えばシリカを用いることにより、成形品の補強効果と、粘性液体成分に起因するオイルブリードを抑止する効果がある。ここで用いられるシリカとしては乾式法シリカ、湿式法シリカが挙げられるが、好ましくは乾式法シリカである。また、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムを用いた場合は難燃性の付与が可能になる。
また、フィラーとしては、合成樹脂からなる外殻を有するとともに内部に熱膨張性気体を含有した有機樹脂製中空体を用いることができる。有機樹脂製中空体は、例えば、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニリデンとアクリロニトリルとの共重合体、アクリロニトリルとメタクリロニトリルとの共重合体、塩化ビニリデンとアクリロニトリルとジビニルベンゼンとの三元共重合体、スチレンとアクリルを主体とする共重合体樹脂の中から1種もしくは2種以上選択される。有機樹脂製中空体の外殻内部の熱膨張気体は、例えば、低沸点の炭化水素等で構成される。これにより、成形品の軽量化が可能になる。具体的には日本フィライト社販売の「エクスパンセル」、松本油脂製薬製の「マツモトマイクロスフェア」、積水化学工業製の「アドバンセル」などが挙げられる。これらの有機樹脂製中空フィラーには未膨張グレードと膨張済みグレードに分けられるが、製造工程に応じていずれを使用しても良い。
フィラーの総量は、全体の配合比率中において35体積%以下とすることが好ましい。フィラー量が35体積%を上回ると、成形品中における樹脂比率が低下し柔軟性が損なわれ、衝撃吸収性も低下する。35体積%以下の衝撃吸収性を著しく損なわない範囲内に調整し、所望するレベルの補強性、難燃性、比重を得る。
詳しくは、フィラー成分の配合量(重量)は、硬化性液状シリコーン成分100重量部に対する粘性液体成分の配合量によって流動的に変化するため、以下に一例としてフィラー成分の配合量範囲を挙げる。
硬化性液状シリコーン成分100重量部に対して粘性液体成分の配合量が440.0重量部の場合、フィラーとして挙げた各成分を単独で配合したときに、フィラー成分が1〜35体積%となる配合重量は次の通りとなる。
硬化性液状シリコーン成分100重量部に対して粘性液体成分の配合量が440.0重量部の場合、フィラーとして挙げた各成分を単独で配合したときに、フィラー成分が1〜35体積%となる配合重量は次の通りとなる。
(1)比重2.42の水酸化アルミを選択した場合は、硬化性液状シリコーン成分100重量部に対して13.8〜731.1重量部(1〜35体積%)となる。
(2)比重2.36の水酸化マグネシウムを選択した場合には、硬化性液状シリコーン成分100重量部に対して13.3〜713.0重量部(1〜35体積%)となる。
(3)比重2.20のシリカを選択した場合、硬化性液状シリコーン成分100重量部に対して12.5〜664.7重量部(1〜35体積%)となる。
(4)比重0.03の膨張済み有機樹脂製中空体を選択した場合には、硬化性液状シリコーン成分100重量部に対して0.17〜9.06重量部(1〜35体積%)となる。
また、これらのうち、2種以上のフィラー成分を選択する場合には、上記の範囲内において、フィラー成分の総配合量が35体積%を超えないように配合することとなる。
(2)比重2.36の水酸化マグネシウムを選択した場合には、硬化性液状シリコーン成分100重量部に対して13.3〜713.0重量部(1〜35体積%)となる。
(3)比重2.20のシリカを選択した場合、硬化性液状シリコーン成分100重量部に対して12.5〜664.7重量部(1〜35体積%)となる。
(4)比重0.03の膨張済み有機樹脂製中空体を選択した場合には、硬化性液状シリコーン成分100重量部に対して0.17〜9.06重量部(1〜35体積%)となる。
また、これらのうち、2種以上のフィラー成分を選択する場合には、上記の範囲内において、フィラー成分の総配合量が35体積%を超えないように配合することとなる。
次に、本実施の形態に係る防護体用衝撃吸収材の製造方法について説明する。
先ず、未硬化の付加硬化型液状シリコーンレジンまたは付加硬化型液状シリコーンゴム(オルガノポリシロキサン(アルケニル基含有ポリシロキサン),オルガノハイドロジェンポリシロキサン(ヒドロシリル基含有ポリシロキサン),硬化触媒)と、粘性液体と、フィラー成分を同一容器で混合し、減圧脱泡を行う。その後、脱泡した混合物を50〜150℃にて15分〜20日間の範囲内で熱硬化成形を行う。
先ず、未硬化の付加硬化型液状シリコーンレジンまたは付加硬化型液状シリコーンゴム(オルガノポリシロキサン(アルケニル基含有ポリシロキサン),オルガノハイドロジェンポリシロキサン(ヒドロシリル基含有ポリシロキサン),硬化触媒)と、粘性液体と、フィラー成分を同一容器で混合し、減圧脱泡を行う。その後、脱泡した混合物を50〜150℃にて15分〜20日間の範囲内で熱硬化成形を行う。
ここでの成形方法としては、注型成形、射出成形、押出成形、カレンダー成形が挙げられるが、これらに限定されるものではない。尚、注型成形、射出成形を行う場合には、図1に示すように、金型内へ離型フィルムをラミネートする。また、押出成型の場合には、図2に示すように、離型フィルム状に未硬化樹脂をキャストする。カレンダー成形の場合には2枚の離型フィルム間に未硬化樹脂を挟む方法で、所定厚のシートを得る。離型フィルムは、シリコーン樹脂に対する離型性を有するものが好適に用いられる。具体例として、パナック製の〔商品名〕パナピール SG−2シリーズ、ユニチカ製の〔商品名〕ユニピール TRシリーズが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これにより、製造工程中の熱硬化後において、金型や圧延ローラ等に接着する事態を防止することができる。図3に示すように、例えば、防護体用衝撃吸収材は、離型フィルムで挟まれて成形される。尚、図3に示す各部の寸法は一例である。
このように製造される防護体用衝撃吸収材を用いた防護体では、高速飛翔体が表面板に衝突すると表面板を通して伝達される衝撃波が衝撃吸収材に吸収され、人体や物体への衝撃が抑止され、保護が図られる。この場合、本発明の防護体用衝撃吸収材は、衝撃吸収性能に優れる物性を呈し、極めて有用になる。
次に、実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1で使用した硬化性液状シリコーン,粘性液体としてのシリコーンオイル,フィラーは以下のとおりである。
(A)<付加硬化型シリコーン>
KR−2046〔付加硬化型シリコーンレジン 主剤〕及びD−2015〔付加硬化型シリコーンレジン 硬化剤〕(信越化学工業製、硬化物の硬度:ショアA25)
(B)<粘性液体>
KF96H−10,000cs〔ジメチルポリシロキサン、動粘度10,000cs/25℃〕(信越化学工業製)
(C)<フィラー>
B153〔細粒水酸化アルミニウム 平均粒径15μm〕(日本軽金属製)
[実施例1]
実施例1で使用した硬化性液状シリコーン,粘性液体としてのシリコーンオイル,フィラーは以下のとおりである。
(A)<付加硬化型シリコーン>
KR−2046〔付加硬化型シリコーンレジン 主剤〕及びD−2015〔付加硬化型シリコーンレジン 硬化剤〕(信越化学工業製、硬化物の硬度:ショアA25)
(B)<粘性液体>
KF96H−10,000cs〔ジメチルポリシロキサン、動粘度10,000cs/25℃〕(信越化学工業製)
(C)<フィラー>
B153〔細粒水酸化アルミニウム 平均粒径15μm〕(日本軽金属製)
実施例1においては、硬化性液状シリコーンである付加硬化型液状シリコーン100重量部に対して、粘性液体であるシリコーンオイルを440.0重量部、さらに、フィラーを339.7重量部配合し、混合した。その後、図1に示すように、離型フィルムを貼り付けたシート金型に混合樹脂を注いで減圧脱泡した後、100℃/15hrにて熱硬化させることにより、厚さ2mm、10mmのシートを得た。このときの配合物中におけるフィラー成分は20体積%であった。
[実施例2]
実施例2においては、フィラーの配合量を、付加硬化型液状シリコーン100重量部に対して582.3重量部に変更した以外は実施例1と同様にして所定厚のシートを得た。この時の配合物中におけるフィラー成分は30体積%であった。
実施例2においては、フィラーの配合量を、付加硬化型液状シリコーン100重量部に対して582.3重量部に変更した以外は実施例1と同様にして所定厚のシートを得た。この時の配合物中におけるフィラー成分は30体積%であった。
[実施例3]
実施例3においては、フィラーの配合量を、付加硬化型液状シリコーン100重量部に対して731.1重量部に変更した以外は実施例1と同様にして所定厚のシートを得た。この時の配合物中におけるフィラー成分は35体積%であった。
実施例3においては、フィラーの配合量を、付加硬化型液状シリコーン100重量部に対して731.1重量部に変更した以外は実施例1と同様にして所定厚のシートを得た。この時の配合物中におけるフィラー成分は35体積%であった。
次に、比較例について説明する。
[比較例1]
比較例1においては、フィラーの配合量を、付加硬化型液状シリコーン100重量部に対して905.0重量部に変更した以外は実施例1と同様にして所定厚のシートを得た。この時の配合物中におけるフィラー成分は40体積%であった。
[比較例1]
比較例1においては、フィラーの配合量を、付加硬化型液状シリコーン100重量部に対して905.0重量部に変更した以外は実施例1と同様にして所定厚のシートを得た。この時の配合物中におけるフィラー成分は40体積%であった。
[比較例2]
比較例2で使用した硬化性液状シリコーン及びフィラーは実施例1と同様のものを用いた。粘性液体としてのシリコーンオイルとして、KF96−100cs〔ジメチルポリシロキサン、動粘度100cs/25℃〕(信越化学工業製)を用いた。そして、実施例1と同様にして所定厚のシートを得た。この時の配合物中におけるフィラー成分は20体積%であった。
比較例2で使用した硬化性液状シリコーン及びフィラーは実施例1と同様のものを用いた。粘性液体としてのシリコーンオイルとして、KF96−100cs〔ジメチルポリシロキサン、動粘度100cs/25℃〕(信越化学工業製)を用いた。そして、実施例1と同様にして所定厚のシートを得た。この時の配合物中におけるフィラー成分は20体積%であった。
[比較例3]
比較例3で使用した硬化性液状シリコーン及びフィラーは実施例1と同様のものを用いた。粘性液体としてのシリコーンオイルとして、KF96H−500,000cs
〔ジメチルポリシロキサン、動粘度500,000cs/25℃〕(信越化学工業製)を用いた。そして、実施例1と同様にして所定厚のシートを得た。この時の配合物中におけるフィラー成分は20体積%であった。
比較例3で使用した硬化性液状シリコーン及びフィラーは実施例1と同様のものを用いた。粘性液体としてのシリコーンオイルとして、KF96H−500,000cs
〔ジメチルポリシロキサン、動粘度500,000cs/25℃〕(信越化学工業製)を用いた。そして、実施例1と同様にして所定厚のシートを得た。この時の配合物中におけるフィラー成分は20体積%であった。
[比較例4]
比較例4で使用した硬化性液状シリコーンは、以下のものを用いた。
<非付加硬化型シリコーン(縮合硬化型シリコーン)>
KE−3479T〔1液縮合硬化型液状シリコーン〕(信越化学工業製、硬化物の硬度 ショアA24)
これは、縮合反応型シリコーンは加熱硬化型ではなく、空気中の湿気による常温硬化型である。
また、フィラー及び粘性液体としてのシリコーンオイルとしては、実施例1と同様のものを用いた。
そして、室温で10日間の硬化時間を設けたこと以外は実施例1と同様にして所定厚のシートを得た。この時の配合物中におけるフィラー成分は20体積%であった。
比較例4で使用した硬化性液状シリコーンは、以下のものを用いた。
<非付加硬化型シリコーン(縮合硬化型シリコーン)>
KE−3479T〔1液縮合硬化型液状シリコーン〕(信越化学工業製、硬化物の硬度 ショアA24)
これは、縮合反応型シリコーンは加熱硬化型ではなく、空気中の湿気による常温硬化型である。
また、フィラー及び粘性液体としてのシリコーンオイルとしては、実施例1と同様のものを用いた。
そして、室温で10日間の硬化時間を設けたこと以外は実施例1と同様にして所定厚のシートを得た。この時の配合物中におけるフィラー成分は20体積%であった。
次に、上記の各実施例1〜3について、比較例1〜4とともに、各種試験を行った。
試験項目は下記のとおりである。
(1)硬度の測定
硬度の測定は軟質用ゴム用のアスカーC硬度計を使用した。
試験片厚み10mm、試験数はN=3である。
(2)衝撃吸収率の測定
IZOD試験機(SANYO KOGYO製)とデジタル加速度計Model−1340A(昭和測器株式会社製)を用い測定を行った。
衝撃吸収率測定においては、セラミック板(5mm)に積層板(5mm)を複合したものを表面板として衝突時の衝撃波を加速度で測定した。ハンマー重量3Kg、振り上げ角度45度にて、ハンマー面がセラミック板に当たるようにセットし加速度センサーを積層板側にセットし、衝撃加速度を測定したものに対し、積層板と加速度センサーの間に衝撃吸収体としての試験片(10mm)を加えたものの衝撃加速度〔m/s2〕を測定し、衝撃吸収体を加える事で低減した加速度を衝撃吸収率として算出した。なお、セラミック板としてアルミナ、積層板はL−6706B 5t(ニッカン工業製)を使用した。
衝撃加速度A;セラミック板(5mm)+積層板(5mm)+衝撃吸収体(10mm)
衝撃加速度B;セラミック板(5mm)+積層板(5mm)
衝撃吸収率(%);(A−B)/B×100
衝撃吸収率測定用サンプルサイズ;A;10mm(縦)×6mm (横)×15mm(厚さ)
B;10mm(縦)×6mm(横)×10mm(厚さ)
(3)引張り強度
ストログラフVES 05D(東洋精機製作所製)を用い、JIS K6251に準拠する形で引張り強度を測定した。試験片はダンベル3号(平行部分が、厚さ2mm、幅5mm、長さ20mm)とし、引張り速度;500mm/min、N=3にて引張り強度を測定した。
(4)耐燃性の測定
耐燃性はUL94V準拠の難燃試験を行い、耐燃性を評価した。試験片は厚さ2mm、幅13mm、長さ125mmの寸法とし、N=5にて試験している。試験結果は燃え難い順にV−0、V−1、V−2、NC(不適合)のいずれかにて表記している。
試験項目は下記のとおりである。
(1)硬度の測定
硬度の測定は軟質用ゴム用のアスカーC硬度計を使用した。
試験片厚み10mm、試験数はN=3である。
(2)衝撃吸収率の測定
IZOD試験機(SANYO KOGYO製)とデジタル加速度計Model−1340A(昭和測器株式会社製)を用い測定を行った。
衝撃吸収率測定においては、セラミック板(5mm)に積層板(5mm)を複合したものを表面板として衝突時の衝撃波を加速度で測定した。ハンマー重量3Kg、振り上げ角度45度にて、ハンマー面がセラミック板に当たるようにセットし加速度センサーを積層板側にセットし、衝撃加速度を測定したものに対し、積層板と加速度センサーの間に衝撃吸収体としての試験片(10mm)を加えたものの衝撃加速度〔m/s2〕を測定し、衝撃吸収体を加える事で低減した加速度を衝撃吸収率として算出した。なお、セラミック板としてアルミナ、積層板はL−6706B 5t(ニッカン工業製)を使用した。
衝撃加速度A;セラミック板(5mm)+積層板(5mm)+衝撃吸収体(10mm)
衝撃加速度B;セラミック板(5mm)+積層板(5mm)
衝撃吸収率(%);(A−B)/B×100
衝撃吸収率測定用サンプルサイズ;A;10mm(縦)×6mm (横)×15mm(厚さ)
B;10mm(縦)×6mm(横)×10mm(厚さ)
(3)引張り強度
ストログラフVES 05D(東洋精機製作所製)を用い、JIS K6251に準拠する形で引張り強度を測定した。試験片はダンベル3号(平行部分が、厚さ2mm、幅5mm、長さ20mm)とし、引張り速度;500mm/min、N=3にて引張り強度を測定した。
(4)耐燃性の測定
耐燃性はUL94V準拠の難燃試験を行い、耐燃性を評価した。試験片は厚さ2mm、幅13mm、長さ125mmの寸法とし、N=5にて試験している。試験結果は燃え難い順にV−0、V−1、V−2、NC(不適合)のいずれかにて表記している。
試験結果を図4に示す。先ず、実施例1〜3と比較例1の結果から明らかなように、配合物中のフィラー量が増えるにつれて成型品の衝撃吸収性は低下していくことがわかる。今回の水酸化アルミの場合、フィラー量を増量することによって引張り強度が増し、成型品の機械強度と耐燃性が向上していくが、一方で肝心の衝撃吸収性は低下してしまう。衝撃吸収性以外の特性付与が必要な場合、機能性フィラーの配合は非常に有効ではあるが、本発明品の性質上、フィラー配合量としては35体積%以下であることが望ましい。
また、粘性液体の粘度については、低粘度品を用いた比較例2では、樹脂粘度の低さにより注型から硬化までの間にフィラー成分が沈降してしまい、天面は樹脂リッチな層が、底面はフィラーリッチな層が生じた。従って、あまりに粘度の低い粘性液体を用いた場合、得られた成型品中のフィラー成分は極めて不均一な分散状態となる。一方、高粘度品を用いた比較例3では硬化前の配合樹脂粘度が高く脱泡が困難となり、結果、成型品には多くの内部発泡が存在し、品質上望ましくない。
本発明のゲル状樹脂組成物の骨格をなす硬化性シリコーンとして縮合硬化型シリコーンを用いた比較例4では、前述の硬化条件において樹脂の増粘こそ観察されたものの、最終的に硬化不十分であった。この結果から、本発明上は加熱の必要はあるものの硬化性に優れた付加硬化型の硬化性シリコーンを用いることが望ましい。
また、粘性液体の粘度については、低粘度品を用いた比較例2では、樹脂粘度の低さにより注型から硬化までの間にフィラー成分が沈降してしまい、天面は樹脂リッチな層が、底面はフィラーリッチな層が生じた。従って、あまりに粘度の低い粘性液体を用いた場合、得られた成型品中のフィラー成分は極めて不均一な分散状態となる。一方、高粘度品を用いた比較例3では硬化前の配合樹脂粘度が高く脱泡が困難となり、結果、成型品には多くの内部発泡が存在し、品質上望ましくない。
本発明のゲル状樹脂組成物の骨格をなす硬化性シリコーンとして縮合硬化型シリコーンを用いた比較例4では、前述の硬化条件において樹脂の増粘こそ観察されたものの、最終的に硬化不十分であった。この結果から、本発明上は加熱の必要はあるものの硬化性に優れた付加硬化型の硬化性シリコーンを用いることが望ましい。
本発明の防護体用衝撃吸収材は、軽量で高い衝撃吸収性能を呈し、例えば、銃弾や砲弾等の高速飛翔体や鋭利な刃物の貫通を抑止して人体,車両,船舶,航空機等を保護するための防護体として、あるいは、防弾チョッキ,防刃チョッキ,防刃盾,カバン,ヘルメット,防弾板等の防護体等、種々の防護体に利用することができ、極めて有用になる。
Claims (8)
- 表面板を有した防護体の当該表面板の裏面側に付設される防護体用衝撃吸収材であって、
硬化性液状シリコーン100重量部に対して、25℃における動粘度が350〜100,000センチストークスの範囲内にある粘性液体100〜600重量部を配合するとともに、配合比率が35体積%以下となるようにフィラーを配合し、硬化してなることを特徴とする防護体用衝撃吸収材。 - 上記硬化性液状シリコーンは、硬化時において副生成物を発生させずに3次元架橋骨格を成す付加硬化型液状シリコーンであることを特徴とする請求項1記載の防護体用衝撃吸収体。
- 上記付加硬化型液状シリコーンは、分子中にアルケニル基を含むオルガノポリシロキサンと、分子中にヒドロシリル基を持つオルガノハイドロジェンポリシロキサンとが、硬化触媒を介してヒドロシリル化反応することにより硬化し、且つ、硬化させた場合のショアA硬度が15〜60の範囲内であることを特徴とする請求項2記載の防護体用衝撃吸収材。
- 上記粘性液体は、鉱物油、植物油、シリコーンオイル、パラフィン油、フッ素系オイルの中から1種もしくは2種以上選択されることを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載の防護体用衝撃吸収材。
- 上記粘性液体は、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサンから選択されるシリコーンオイルであることを特徴とする請求項4記載の衝撃吸収材。
- 上記フィラーは、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、苦土石灰、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、石膏、ホワイトカーボン、含水ケイ酸アルミニウム、クレー、カオリン、白土、封土、珪酸マグネシウム(滑石、タルク)、ケイソウ土、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、チタンホワイト、マイカ、雲母、カーボンブラック、セルロース粉、カゼイン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースグリコール酸、小麦粉、大豆粉、二酸化珪素(無水珪酸、シリカ)、珪酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸鉄、珪酸アルミニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、アルミナシリケート、ガラス、シラス、フェノール、カーボン、ジルコニアの中から1種もしくは2種以上選択されることを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載の防護体用衝撃吸収材。
- 上記フィラーは、合成樹脂からなる外殻を有するとともに内部に熱膨張性気体を含有した有機樹脂製中空体で構成され、該有機樹脂製中空体は、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニリデンとアクリロニトリルとの共重合体、アクリロニトリルとメタクリロニトリルとの共重合体、塩化ビニリデンとアクリロニトリルとジビニルベンゼンとの三元共重合体、スチレンとアクリルを主体とする共重合体樹脂の中から1種もしくは2種以上選択されることを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載の防護体用衝撃吸収材。
- 上記請求項1乃至7何れかに記載の防護体用衝撃吸収材を製造する方法であって、
硬化性液状シリコーン,粘性液体及びフィラーの混合物を、離型フィルムで囲繞して成形することを特徴とする防護体用衝撃吸収材の製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018533732A (ja) * | 2015-10-29 | 2018-11-15 | シンテフ ティーティーオー エーエス | センサアッセンブリ |
-
2013
- 2013-04-25 JP JP2013092165A patent/JP2014214214A/ja active Pending
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