JP2014209247A - 3dコンテンツ生成システム、その方法、及び通信方法 - Google Patents

3dコンテンツ生成システム、その方法、及び通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高解像度3Dコンテンツ生成システムの提供。
【解決手段】2Dコンテンツ2304を生成し、当該コンテンツを遠隔の中間装置2301に送信するコンテンツ生成装置を備える。前記遠隔の中間装置は、後段のホログラフィック再構成を容易にするために前記コンテンツを処理し、処理された前記コンテンツを、該コンテンツの3Dホログラフィック再構成を局所的に生成するホログラフィック・ディスプレイ装置に送信する。これにより、3Dホログラフィック・コンテンツを提供するために2Dコンテンツが遠隔的に処理できる。
【選択図】図23

Description

本発明は、3Dコンテンツ生成システムに関し、特に、2Dコンテンツを生成し、当該コンテンツを遠隔の中間装置に送信するコンテンツ生成装置を備える3Dコンテンツ生成システムに関するものである。遠隔の中間装置は、後段の3Dディスプレイ装置での3D表示を容易にするために、2Dコンテンツを処理する。
コンピュータ生成ビデオ・ホログラム(CGHs)は、1以上の空間光変調器(SLM)にてエンコードされ、SLMは、電気的、または、光学的に制御可能なセルを含んでいても良い。セルは、ビデオ・ホログラムと対応するエンコードしたホログラム値によって、振幅、または位相の少なくとも一方を変調する。CGHは、例えば、コヒーレント・レイ・トレーシング、シーンによって反射した光と参照波との間の干渉をシミュレートすること、もしくはフーリエ変換やフレネル変換によって計算されても良い。理想的なSLMは、任意の複素数値を示すこと、例えば、入ってくる光波の振幅や位相を別々に制御することができるであろう。しかしながら、典型的なSLMは、振幅か位相いずれかの一つの特性のみを、もう一方の特性にも影響を及ぼす望ましくない副作用を伴って、制御する。振幅や位相において、光を変調する異なった方法がある。例えば、電気的にアドレス指定された液晶SLM、光学的にアドレス指定された液晶SLM、光磁気SLM、マイクロミラー装置、及び、音響光学変調器などである。光の変調は、空間的に連続しているか、あるいは、二値、マルチレベル、或いは連続的な一次元的、または二次元的に構成された、個別にアドレス指定可能なセルで構成される。
本書面において、用語"エンコードする(encoding)"とは、3DシーンをSLMから再構成できるようにするために、ホログラムをエンコードするための制御値を有する空間光変調器の領域を提供する方法を定義する。"ホログラムをエンコードするSLM"とは、ホログラムがSLMにおいてエンコードされることを意味する。
純粋な自動立体ディスプレイとは対照的に、ビデオ・ホログラムにより、観察者は三次元シーンの光波面の光学的再構成を見る。3Dシーンは、観察者の目と空間光変調器(SLM)との間、場合によってはSLMの後方との間に広がる空間において再構成される。SLMは、観察者がSLM正面に再構成された三次元シーンのオブジェクトや、SLM上もしくは後方の他のオブジェクトを見ることができるように、ビデオ・ホログラムでエンコードされることもできる。
空間光変調器のセルは、望ましくは、光が通過する透過可能なセルであり、その光線は、少なくとも所定位置、および、空間コヒーレンス長を数ミリメートル超えた位置で、干渉を生成することが出来る。これは、少なくとも一次元において十分な解像度を有するホログラフィック再構成を可能にする。この種の光は、"十分なコヒーレント光(sufficiently coherent light)"と呼ばれる。
十分な時間的コヒーレンスを確実にするために、光源によって放射される光のスペクトルは、十分に狭い波長帯、即ち、ほぼ単色に限定されるべきである。高輝度LEDのスペクトル帯域幅は、ホログラフィック再構成の時間的コヒーレンスを確実なものとするために、十分に狭い。SLMでの回折角は波長に比例し、このことは、単色源のみがオブジェクト点の明瞭な再構成をもたらすであろうことを意味する。スペクトルの拡張により、オブジェクト点が分散し、オブジェクト再構成にスミアが発生するであろう。レーザ光源のスペクトルは、単色とみなすことができる。LEDのスペクトル線幅は、良好な再構成を促進するのに十分に狭い。
空間コヒーレントは、光源の横方向の拡がりに関連する。LEDや冷陰極蛍光ランプ(CCFL)のような従来の光源は、もし、十分に狭いアパーチャを通して光を放射すれば、これらの要求に満たすことも出来る。レーザ光源からの光は、回折限界内の点光源からの放射としてみなすことができ、モード純度次第でオブジェクトの明瞭な再構成をもたらす。即ち、各オブジェクト点は回折限界内の点として再構成される。
空間的にインコヒーレントな光源からの光は水平方向に拡張され、再構成オブジェクトにスミアを引き起こす。スミアの量は、所定位置における再構成オブジェクト点の拡張サイズにより与えられる。ホログラム再構成に空間的にインコヒーレントな光源を用いるために、輝度とアパーチャを有する光源の横方向の拡がりの制限との間のトレードオフが見いだされるべきである。光源が小さくなるほど、空間コヒーレンスは良くなる。
線光源は、もし、縦方向の拡張に対して直角から見ると、点光源とみなすことができる。よって光波は、その方向にコヒーレントに伝搬可能であるが、他の全ての方向へはインコヒーレントに伝搬する。
一般に、ホログラムは、水平方向や垂直方向における波のコヒーレントな重ね合わせによって、シーンをホログラフ的に再構成する。そのようなビデオ・ホログラムは、全視差ホログラフと呼ばれる。再構成されたオブジェクトは、水平方向や垂直方向における運動視差を伴って、実オブジェクトのように見ることができる。しかしながら、大きな視角は、SLMの水平方向、及び垂直方向の両方において高解像度を要求する。
しばしば、SLMにおける要求は、水平視差のみ(HPO)のホログラムに対する制限によって縮小されている。ホログラフィック再構成は、水平方向でのみ起こり、その一方、垂直方向においてホログラフィック再構成は存在しない。これは、水平方向の運動視差を有する再構成されたオブジェクトに起因する。透過ビューは、垂直方向の上に変化することは無い。HPOホログラムの要求するSLMの垂直方向の解像度は、全視差ホログラムよりも少ない。垂直視差のみ(VPO)のホログラムは、可能ではあるが、まれである。ホログラフィック再構成は、垂直方向でのみ起こり、垂直運動視差を有する再構成されたオブジェクトをもたらす。水平方向において、運動視差はない。右目と左目との異なる透過ビューは、別々に生成されるべきである。
一般に、三次元画像を生成するための装置は、コンパクトさに欠ける。例えば、それらは、携帯電話のような携帯機器やハンドヘルド機器への利用を妨げるような、複雑でかさばった光学システムを必要とする。例えば、特許文献1は、大きな三次元画像を生成するための装置を述べているが、その装置は、メートルオーダの長さである。引用により本明細書に組み込まれる特許文献2は、10センチメートル超の奥行きを有するシーン三次元画像を再構成する装置について述べている。従って、そのような先行技術の装置は、携帯電話やその他の携帯可能、もしくは持ち運び可能な小さなディスプレイ装置にとっては奥行きがありすぎる。
本出願人によって出願された特許文献2は、十分なコヒーレント光の回折の方法によって三次元シーンを再構成する装置について記述している。装置は、点光源もしくは線光源と光を焦点に合わせるレンズと、空間光変調器とを有する。従来のホログラフィック・ディスプレイとは対照的に、透過モードのSLMは、少なくとも一つの"仮想観察者ウィンドウ(virtual observer window)"における3Dシーンを再構成する(この単語と関連技術についての議論は、付録i及びiiを参照)。仮想観察者ウィンドウが、単一の回折次数に位置付けることができ、SLMの表面と仮想観察者ウィンドウとの間に広がる錐台状の再構成空間において三次元シーンの完全な再構成を観察者がそれぞれ目にすることができるように、各仮想観察者ウィンドウは、観察者の目の近くに位置付けられ、その大きさは制限される。障害の無いホログラフィック再構成を可能とするため、仮想観察者ウィンドウのサイズは、再構成の一つの回折次数の周期間隔を超えるべきではない。しかしながら、少なくともウィンドウを通して観察者が3Dシーンの再構成全部を見られる程度の大きさは必要である。他の目は、同一の仮想観察者ウィンドウを通して見ることもできるし、あるいは、同様にして第2の光源により生成された第2の仮想観察者ウィンドウが割り当てられてもよい。ここで、典型的にはやや大き目であろう可視領域は、局所的に位置付けられた仮想観察者ウィンドウに限定される。既知の小型化のソリューションでは、従来のSLM表面の高解像度に起因する大領域を再構成し、仮想観察者ウィンドウの大きさにまで縮小する。このことは、幾何学的理由により小さくなった回折角と、現行のSLMの解像度とが、合理的な消費者レベルの計算装置を用いた高品位リアルタイム・ホログラフィック再構成を達成するのに十分なレベルである、という効果をもたらす。
しかしながら、既知の三次元画像生成方法は、大きなSLM表面領域に起因して、焦点合わせのために大きく、大容量で、重く、従って、高価なレンズが必要とされるという不利益をもたらす。その結果、装置の奥行きと重さは大きくなる。他の不利益として、係る大レンズを用いた場合、再構成品質が端部(例えば、エッジ)における収差に起因して、簡単に低下するという事実がある。レンチキュラ・アレイを含む光源を用いた改良が、引用により本明細書に組み込まれる特許文献3にて開示されている。しかし、開示は広域ビデオ・ホログラムの場合のためのものである。
特許文献4にて、三次元画像を生成する携帯電話が開示されている。しかしながら、開示された三次元画像は、自動立体を用いて生成されている。三次元画像を自動立体的に生成する一つの問題は、一般的に観察者は画像がディスプレイの内側にあると知覚するのに対し、観察者の目は、ディスプレイの表面に焦点を合わせる傾向があるということである。観察者の目の焦点位置と三次元画像が知覚された位置との差は、多くの場合のその後に、観察者の不快症状をもたらす。ホログラフィによって生成された三次元画像の場合は、この問題は起こらない、もしくは、簡単に低減される。
米国特許第4208086号明細書 国際公開第2004/044659号パンフレット(米国特許出願第2006/0055994号明細書) 米国特許出願公開第2006/250671号明細書 米国特許出願公開第2004/223049号明細書
第1の形態において、2Dコンテンツを生成し、当該コンテンツを遠隔の中間装置に送信するコンテンツ生成装置を備え、遠隔の中間装置は、後段のホログラフィック再構成を容易にするためにコンテンツを処理し、処理されたコンテンツを、コンテンツの3Dホログラフィック再構成を局所的に生成するホログラフィック・ディスプレイ装置に送信する3Dコンテンツ生成システムが提供される。
上記3Dコンテンツ生成システムでは、2DコンテンツがTV画像であってもよい。上記3Dコンテンツ生成システムでは、2Dコンテンツが映画(動画)又はビデオコンテンツであってもよい。上記3Dコンテンツ生成システムでは、2Dコンテンツが写真又は絵画のような画像であってもよい。
上記遠隔の中間装置は、深さマップを計算し、追加することにより、コンテンツを処理してもよい。
上記ホログラフィック・ディスプレイ装置は、遠隔の中間装置によって組み込まれた遅延を補償する同期部を備えてもよい。
上記遠隔の中間装置は、コンテンツに関連付けられた物理的環境の3Dマップを定義するデータを含んでもよい。上記物理的環境はスポーツスタジアムであってもよい。
上記ホログラフィック・ディスプレイ装置は、静的なホログラフィック再構成を生成する静止画機能を含んでもよい。上記ホログラフィック・ディスプレイ装置は、ユーザがホログラフィック再構成の一部を拡大するためのズーム機能を含んでもよい。
上記3Dコンテンツ生成システムでは、遠隔の中間装置によって処理されたコンテンツにアクセスするために、契約者が料金を支払ってもよい。
上記3Dコンテンツ生成システムでは、ホログラフィック・ディスプレイ装置によってプロバイダの広告がコンテンツに挿入され、ホログラフィック的に再構成されるように、遠隔の中間装置によってプロバイダの広告が処理されるために、プロバイダが料金を支払ってもよい。
上記3Dコンテンツ生成システムでは、ホログラフィック再構成を生成するために必要となるエンコーディングが、遠隔の中間装置とホログラフィック・ディスプレイ装置とにおける計算ユニットの間で分散されてもよい。
上記遠隔の中間装置は、当該コンテンツを処理することを容易にするために、コンテンツの要素の物理的な3Dマップを定義するデータを含んでもよい。
上記ホログラフィック・ディスプレイ装置は、ホログラフィック再構成モードから従来の2D表示モードに切替可能な表示装置であってもよい。
上記ホログラフィック・ディスプレイ装置はハンドヘルド携帯装置であってもよい。
上記ホログラフィック・ディスプレイ装置はPDAであってもよい。
上記ホログラフィック・ディスプレイ装置はゲーム・プレイング装置であってもよい。
上記ホログラフィック・ディスプレイ装置は、リード・ビーム・アレイがOASLMを照明し、OASLMがOLEDアレイによって適切に制御される場合に、OASLMがホログラムをエンコードし、ホログラフィック再構成が当該装置によって生成される装置であってもよい。上記ホログラフィック・ディスプレイ装置は、リード・ビーム・アレイがOASLMの組を照明し、OASLMの組がOLEDアレイによって適切に制御される場合に、OLEDアレイがOASLMの組にライトし、OLEDアレイとOASLMとが調整レイヤを形成し、OASLMの組がホログラムをエンコーディングし、ホログラフィック再構成が装置により生成される装置であってもよい。上記ホログラフィック・ディスプレイ装置は、第1OASLMにライトを行なう第1OLEDアレイと、第2OASLMにライトを行なう第2OLEDアレイとを備え、リード・ビーム・アレイが第1及び第2OASLMを照明し、第1及び第2OASLMが第1及び第2OLEDアレイによって適切に制御される場合に、第1OLEDアレイ及び第1OASLMが調整レイヤを形成し、第2OLEDアレイ及び第2OASLMが調整レイヤを形成し、第1及び第2OASLMがホログラムをエンコーディングし、ホログラフィック再構成が装置によって生成される装置であってもよい。上記ホログラフィック・ディスプレイ装置は、OLED/OASLMの組み合わせの第1及び第2組が制御された方法でリード・ビーム・アレイの振幅及び位相を変調する装置であってもよい。上記ホログラフィック・ディスプレイ装置は、1つのOLEDアレイとOASLMの組とがリード・ビーム・アレイの振幅及び位相の第1の組み合わせを変調し、他のOLEDアレイとOASLMの組とがリード・ビーム・アレイの振幅及び位相の第2の異なる組み合わせを変調する装置であってもよい。上記ホログラフィック・ディスプレイ装置は、単一のユーザに見せるためのホログラフィック再構成を生成し、調整レイヤを形成する第1OASLMにライトを行なう第1OLEDアレイと、調整レイヤを形成する第2OASLMにライトを行なう第2OLEDアレイと備える表示装置であってもよい。上記ホログラフィック・ディスプレイ装置は、ユーザがディスプレイから予め定義された距離に位置するときに正確に視認可能なホログラフィック再構成を生成する表示装置であってもよい。
上記ホログラフィック・ディスプレイ装置は、任意の投影レンズを必要とすることなく、装置からのスクリーンの距離から独立したスクリーン上に焦点を合わせる2D画像を生成するディプレイモードを有する表示装置であってもよい。当該表示装置では、第1OLEDが調整レイヤを形成する第1OASLMにライトを行ない、第2OLEDが調整レイヤを形成する第2OASLMにライトを行なう。
上記ホログラフィック・ディスプレイ装置は、調整レイヤを形成する振幅変調OASLMにライトを行なうOLEDアレイと、リード・ビーム・アレイがOASLMに照明し、OASLMがOLEDアレイによって適切に制御される場合に観察者の目が立体画像を見れるようにするビーム・スプリッタとを備える立体表示装置でのディスプレイモードを有してもよい。
さらに他の形態によれば、2Dコンテンツを生成し、当該コンテンツを遠隔の中間装置に送信するコンテンツ生成装置を備え、遠隔の中間装置が、後段のホログラフィック再構成を容易にするためにコンテンツを処理し、処理されたコンテンツを、コンテンツの3D表示を局所的に生成する3D表示装置に送信する3Dコンテンツ生成システムが提供される。上記遠隔の中間装置は、深さマップを計算し、追加することにより、コンテンツを処理してもよい。上記3D表示装置は、遠隔の中間装置によって組み込まれた遅延を補償する同期部を備えてもよい。上記遠隔の中間装置は、コンテンツに関連付けられた物理的環境の3Dマップを定義するデータを含んでもよい。上記物理的環境はスポーツスタジアムであってもよい。
さらに他の形態によれば、2Dコンテンツを生成し、当該コンテンツを遠隔の中間装置に送信するコンテンツ生成装置を備え、遠隔の中間装置が、後段のホログラフィック再構成を容易にするためにコンテンツを処理し、処理されたコンテンツを、コンテンツの3D表示を局所的に生成する3D表示装置に送信する3Dコンテンツ生成システムが提供される。
上記3Dコンテンツ生成システムは、観察者の目に立体画像を見せるビーム・スプリッタを含む装置であってもよい。
さらに他の形態によれば、上述した3Dコンテンツ生成システムを使用するステップを含む3Dコンテンツ生成の方法が提供されてもよい。
さらに他の形態によれば、ネットワーク・オペレータが3Dコンテンツ生成システムにおいてコンテンツ生成装置からの2Dコンテンツを遠隔の中間装置に送信し、遠隔の中間装置が後段のホログラフィック再構成を容易にするためにコンテンツを処理し、処理されたコンテンツが、ホログラムとエンコーディングされるディスプレイを用いて、コンテンツの3Dホログラフィック再構成を局所的に生成するホログラフィック・ディスプレイ装置に送信されるホログラフィック再構成のためのコンテンツを処理する方法は提供されてもよい。上記ホログラフィック再構成のためのコンテンツを処理する方法では、ホログラフィック・ディスプレイ装置が調整レイヤを形成する少なくとも1つのOASLMにライトを行なう少なくとも1つのOLEDアレイを含んでもよい。
さらに他の形態によれば、コンテンツ生成装置が遠隔の中間装置に送信される2Dコンテンツを生成し、遠隔の中間装置が後段のホログラフィック再構成を容易にするためにコンテンツを処理し、処理されたコンテンツが、コンテンツの3Dホログラフィック再構成を局所的に生成するホログラフィック・ディスプレイ装置に送信される3Dコンテンツ生成の方法が提供されてもよい。上記3Dコンテンツ生成の方法では、遠隔の中間装置が、深さマップを計算し、追加することにより、コンテンツを処理してもよい。
上記3Dコンテンツ生成の方法では、上記遠隔の中間装置は、コンテンツに関連付けられた物理的環境の3Dマップを定義するデータを含んでもよい。上記3Dコンテンツ生成の方法では、上記物理的環境はスポーツスタジアムであってもよい。
上記3Dコンテンツ生成の方法では、上記3D表示装置は、静的なホログラフィック再構成を生成する静止画機能を含んでもよい。上記3Dコンテンツ生成の方法では、上記3D表示装置は、ユーザがホログラフィック再構成の一部を拡大するためのズーム機能を含んでもよい。
上記3Dコンテンツ生成の方法では、上記遠隔の中間装置によって処理されたコンテンツにアクセスするために、契約者が料金を支払ってもよい。上記3Dコンテンツ生成の方法では、上記3D表示装置によってプロバイダの広告がコンテンツに挿入され、ホログラフィック的に再構成されるように、遠隔の中間装置によってプロバイダの広告が処理されるために、プロバイダが料金を支払ってもよい。
上記3Dコンテンツ生成の方法では、ホログラフィック再構成を生成するために必要となるエンコーディングは、遠隔の中間装置と3D表示装置とにおける計算ユニットの間で分散されてもよい。
上記3Dコンテンツ生成の方法では、遠隔の中間装置は、当該コンテンツを処理することを容易にするために、該コンテンツの要素の物理的な3Dマップを定義するデータを含んでもよい。
さらに他の形態によれば、上述した3Dコンテンツ生成システムを使用するステップを含む通信方法が提供されてもよい。
用語「SLMエンコーディング・ホログラム」は、ホログラムがSLMでエンコーディングされることを意味する。
単一のOASLMと単一のOLEDアレイを含むホログラフィック・ディスプレイ装置の図である。 単一のOASLMと単一のOLEDアレイを含む各コンポーネントのコンポーネントの組を含むホログラフィック・ディスプレイ装置の図である。 モバイル三次元ディスプレイ装置の図である。 先行技術に準ずるホログラフィック・ディスプレイの図である。 2つのOASLMを制御するOLEDの単一のアレイにおけるホログラフィック・ディスプレイの図である。 ホログラフィック・ディスプレイの図である。 装置自体の小型化を可能とするホログラフィック・ディスプレイの図である。 より高い回折次数と関連する問題を減少させるためのBraggフィルタリングを行うホログラフィック光学的要素を組み込むホログラフィック・ディスプレイのコンポーネントの図である。 OLEDアレイによって放射された光の視準を拡充するためのBraggフィルタリングを行うホログラフィック光学的要素を組み込むホログラフィック・ディスプレイのコンポーネントの図である。 ホログラフィック・ディスプレイ装置の図である。 連続して振幅と位相をエンコードするために、2つのEASLMを組み込むホログラフィック・ディスプレイ装置の図である。 単一のEASLMを含むホログラフィック・ディスプレイ装置の図である。 実装に準ずるホログラフィック・ディスプレイの特有の実施形態の図である。 連続して振幅と位相をエンコードするために、2つのEASLMを組み込むホログラフィック・ディスプレイ装置の図である。 MathCad(登録商標)を用いて得られた回折シミュレーション結果である。 MathCad(登録商標)を用いて得られた回折シミュレーション結果である。 MathCad(登録商標)を用いて得られた回折シミュレーション結果である。 実装に準ずる、間にレンズレイヤを有する2つのEASLMSの配置図である。 一つのEASLMから第2のEASLMへ光が進行する場合の回折処理を説明する図である。 2つのEASLM間に位置付けられる光ファイバ・フェースプレートにおける、2つのEASLMの構造図である。 ビーム・ステアリング・エレメントの図である。 ビーム・ステアリング・エレメントの図である。 三次元でビジュアル・コミュニケーションが可能なシステムの図である。 2D画像コンテンツを3D画像コンテンツに変換するための方法の図である。 実装に準じたホログラフィック・ディスプレイコンポーネントの実施形態の図である。 2D光源アレイにおける光源、2Dアレイにおけるレンズ、SLM、及びビーム・スプリッタを含むホログラフィック・ディスプレイの計画図である。ビーム・スプリッタは、左目に対する仮想観察者ウィンドウ(VOWL)と右目に対する仮想観察者ウィンドウ(VOWR)それぞれに照射するそれぞれの2つの光束へ、SLMを離れた光線を分割する。 光源アレイの2つの光源とレンズ・アレイの2つの光源、SLM、及びビーム・スプリッタを含むホログラフィック・ディスプレイの計画図である。ビーム・スプリッタは、左目に対する仮想観察者ウィンドウ(VOWL)と右目に対する仮想観察者ウィンドウ(VOWR)それぞれに照射するそれぞれの2つの光束へ、SLMを離れた光線を分割する。 プリズムのビーム・ステアリング・エレメントの断面図である。
以下では、様々な実施形態について説明する。
<A.赤外OLEDディスプレイとOASLMとの小型の組み合わせ>
本実施形態は、OASLMと、当該OASLMに対してパターンをライト(write)できる赤外線発光ディスプレイとの小型の組み合わせを提供する。当該組み合わせによって、適切な照明条件の下で三次元画像を生成することが可能である。
OASLMは、光検出レイヤと、複数の導電性の電極間に位置する液晶(LC)レイヤとを有する。電極へ電圧が供給された際、光検出レイヤにおける光パターンの入射は、リード(Read)・ビームを変調するために使用されるLCレイヤへ転送される。先行技術において、入射光パターンは、電気的にアドレス指定された空間光変調器(EASLM)によって変調されたライト・ビームによって供給される。EASLMは、光源によって照明され、OASLM上に画像化される。通常、ライト・ビームは、スペックルパターンを避ける為にインコヒーレントであるが、リード・ビームは、回折パターンの生成が可能なコヒーレントである。
EASLMに対してOASLMの利点は、OASLMが連続性、非画素化、又は、非パターン化の構造を有しても良いが、EASLMは画素化構造を有する。画素は、それらが発した光の空間分布において、鋭角を成し、鋭角は高空間周波数と対応する。高空間周波数は、光学遠視野において、幅広い角度の回折特性をもたらす。そのため、EASLMは、光学遠視野において、空間フィルタリングのような周知の技術を用いて取り除かなければならない、好ましくない光学回折の副作用を引き起こす。空間フィルタリングは、光学的処理手順において追加の工程を必要とし、デバイスを重くし、無駄な光を引き起こす。OASLMベースの装置の利点は、それらがOASLMにおける連続したパターン生成を許容することである。連続したパターンは、ビーム伝搬方向への任意の所定の横方向における光強度において、急変化を減らす傾向がある。したがって、より少ない急変化は、EASLM装置によって生成された画素エッジの場合よりも、より少ない光空間周波数の集合を処理する。OASLMを含む装置の場合における減少された光空間周波数の集合は、EASLMを含む装置の場合よりも光学処理をより容易にし、より効率的にすることができる。加えて、OASLM装置は、EASLMとは対照的に、双安定装置であってもよい。したがって、OASLMは、EASLM装置よりも所要電力を低くすることができ、携帯機器もしくはハンドヘルド機器におけるバッテリ寿命を伸ばすことができる。
この実施形態において、結像光学系を必要としない小型装置について説明する。OASLMは、赤外OLEDディスプレイでライトが行なわれる。OLEDディスプレイは、直接OASLDに加えられるため、結像光学系なしの小型装置を形成する。OLEDは、OLEDアレイを構成するためにタイル状に並べられても良い。OASLMは、複数の小さなタイル状に並べられたOASLMから構成されても良い。
OLEDディスプレイとOASLMとの小型の組み合わせは透明でも良い。透明なOLEDディスプレイは、以下の"OLED材料"のセクションにて述べられているようなものが知られている。一つの例では、OLEDディスプレイとOASLMとの小型の組み合わせは、観察者に向かうOLEDとOASLMとを通じて透過された可視光を伴って、三次元画像が形成される側とは反対側から照射される。好ましくは、OLEDディスプレイは、OASLMの赤外線に感応する光検出レイヤにライトする赤外線(IR)を照射する。人間の目は、赤外線に敏感でないため、観察者は赤外線ライト・ビームに起因する光を見ることはない。
他の例において、OLEDディスプレイとOASLMとの小型の組み合わせは、ライト・ビームとリード・ビームがOASLMの反対側に入射するようにしても良い。他の例において、OLEDディスプレイとOASLMとの小型の組み合わせは、反射レイヤがOLEDディスプレイの反対側にあるOASLM側で提供されても良く、三次元画像は、OLEDディスプレイが提供される側としてOASLMの同じ側から観察可能でも良いし、照明光源は、OLEDディスプレイとしてOASLMの同じ側で提供されても良い(これは反射ディスプレイの例である)。
本実施形態は、赤外OLEDのアレイと、振幅や位相の空間分布の制御を実現する赤外線発光OLEDと、OASLMにおいて生成されたホログラフのようなOASLMによって放射された可視光の振幅と位相のいくつかの組み合わせとを含む。OASLMは、引用により本明細書に組み込まれる米国特許第4941735号明細書で述べられているような、2つの導電性充填フィルムが覆われている空間透明板の組を含んでいても良い。連続の、もしくは不連続の感光フィルムは、導電性フィルムの一つにおいて覆われても良い。双安定強誘電性液晶もしくは、いくつかの他種の液晶は、導電性フィルムと感光フィルムとの間に制限されても良い。駆動電圧は、導電性フィルムへ加えても良い。OASLMにおいて、空間ライト・ビームは、空間リード・ビームの偏光を画素毎に調整しても良いし、駆動してもよい。ライト・ビームは、OASLMの駆動した個別の感光領域によってOASLMを調整しても良い。適宜調整されたOASLMの領域は、ライト・ビームによってリード・ビームの偏光を順に駆動されても良い。
図1において、実装例が述べられている。10は、平面領域の照明を提供するための照明装置であり、照明は、三次元画像の生成をもたらすのに十分なコヒーレンスを有する。照明装置の例として、特許文献3において、広域ビデオ・ホログラムの場合における、図4に図示した一例が開示されている。10のような装置は、レンチキュラ・アレイやマイクロレンズ・アレイのように、小型であろう合焦システムに入射される光を発する冷陰極蛍光ランプや白色光発光ダイオードのような白色光源のアレイの形をとってもよい。あるいは、10に対する光源は、赤、緑、および青のレーザ、もしくは十分にコヒーレンスな光を放つ赤、緑、および青の発光ダイオードを含んでもよい。しかしながら、十分な空間コヒーレンスを有する非レーザ光源(例えば、発光ダイオード、OLED、冷陰極蛍光ランプ)は、レーザ光源より望ましい。レーザ光源は、ホログラフィック光源において、レーザ・スペックルを引き起こし、相対的に高価となり、ホログラフィック・ディスプレイの観察者の目や、ホログラフィック・ディスプレイ装置を組み立てる人々の目に損傷を与える可能性に関しての安全性の問題が有りうる、といった不利益を有する。
エレメント10〜13は、全体として厚さ数センチかそれよりも小さくできる。エレメント11は、カラー光源が用いられるのであれば必要ないが、エレメント12に向かって照射される赤、緑、及び青の光のような有色光の画素とするカラーフィルタのアレイを有しても良い。エレメント12は、透明基板における赤外線発光OLEDのアレイである。赤外線発光OLEDのアレイは、各赤外線発光OLEDが平行して光を発し、エレメント13の方向において、ユニークに対応づいた有色画素からの光と一致する。エレメント13は、OASLMである。OASLMに関しては、赤外線発光OLEDのアレイがライト・ビームを供給する(エレメント11によって放射された有色ビームは、リード・ビームである)。小型ホログラム生成器15を含む装置から離れたポイント14に位置する観察者は、15の方向において観察する際に三次元画像を観察しても良い。エレメント10、11、12、及び14は、物理的(例えば、実際に機械的であり、接触し、全体が一つで単一のオブジェクトであるようにできる構造のレイヤをそれぞれの形成する)になるように配置される。物理的接触(物理的接着)は、直接であっても良い。もしくは、薄く、隣接レイヤ間のフィルムに覆われた仲介レイヤが存在するのであれば、間接的であっても良い。物理的接触は、相互のアラインメントやレジストレーションを確実にするために小さな領域に限定されても良いし、広域やレイヤの全表面に広げられても良い。物理的接触は、小型ホログラム生成器15を形成するために光透過性を有する接着剤の利用によって、もしくは他の適した処理(以下の表題"製造プロセスの概要"のセクションを参照)によって、一緒に貼り付けられたレイヤによって成されても良い。
エレメント10は、ディスプレイの輝度を増加するための、1もしくは2のプリズム光学フィルムを含んでも良く、そのようなフィルムは、他にも知られているが、例えば米国特許第5056892号明細書や米国特許第5919551号明細書によって述べられている。エレメント10は、偏光光学エレメント、もしくは偏光光学エレメントの組を含んでいても良い。一つの例は、直線偏光子シートである。更なる例は、直線偏光状態を伝達し、直交する直線偏光状態を反射する反射偏光子であり、そのようなシートは他にも知られているが、例えば、米国特許第5828488号明細書にて述べられている。更なる例は、円偏光状態を伝達し、直交する円偏光状態を反射する反射偏光子であり、そのようなシートは他にも知られているが、例えば、米国特許第6181395号明細書にて述べられている。エレメント10は、レンチキュラ・アレイやマイクロレンズ・アレイのように小型にできる合焦システムを含んでいても良い。エレメント10は、バックライト技術の領域において知られたほかの光学エレメントを含んでも良い。
図4は、引用により本明細書に組み込まれる国際公開第2006/119920号パンフレットから得た、アレイにおける水平に並べられた円筒レンズの形で垂直合焦システム1104の3つの集約エレメント1101、1102、1103を示した先行技術の側面図である。照明ユニットの合焦エレメント1102を通り、観察者平面OPに達する、水平な線光源LSにほぼ平行のビームが例示されている。図4に従って、多くの線光源LS、LS、LSは上下に配置される。それぞれの光源は、垂直方向に十分に空間的にコヒーレントであり、水平方向には空間的にインコヒーレントである光を発する。光は、光変調器SLMの透過セルを通過する。光は、ホログラムとエンコードされる光変調器SLMのセルによって垂直方向のみに回折される。合焦エレメント1102は、観察者平面OPにて、いくらかの回折次数(1のみが実用的である)で光源LSを画像化する。光源LSによって発されたビームは、合焦システム1104の合焦エレメント1102のみを通ることが例示されている。図4において、3つのビームは、1番目の回折次数1105、ゼロ番目の次数1106、そして、マイナス1番目の次数1107を示す。単一の点光源とは対照的に、線光源は、たやすくより高い光度の製品を可能とする。すでに増大した効率や、再構成されるための3Dシーンの各部分に対する線光源の割り当てを有するいくつかのホログラフィック領域を用いることは、効率的な光度を向上させる。他の利点は、レーザの代わりに、例えば、シャッターの一部でも良いスロット隔壁の後方に位置付けられた多くの標準光源が十分にコヒーレント光を生成することである。
<B.OLEDとOASLMとの組み合わせの2つの組の小型の組み合わせ>
さらに他の実施形態において、OLEDアレイとOASLMとの小型の組み合わせの2つの組の組み合わせは、連続で、かつ小型の方法で光の振幅と位相を変調するために用いられることができる。故に、振幅と位相からなる複素数は、画素毎の透過光においてエンコードされうる。
本実施形態は、IR−OLEDアレイとOASLMとの組の第1の小型の組み合わせとIR−OLEDアレイとOASLMとの組の第2の小型の組み合わせとを有する。第1の組は、透過光線の振幅を変調し、第2の組は透過光線の位相を変調する。あるいは、第1の組は、透過光線の位相を変調し、第2の組は、透過光線の振幅を変調する。IR−OLEDアレイとOASLMとの組の小型の組み合わせは、上記のセクションAにて述べられている。IR−OLEDアレイとOASLMとの組の小型の組み合わせは、可視光を透過し、赤外線を吸収する赤外線フィルタによって分けられる。
第1のステップにおいて、第1のIR−OLEDアレイは、第1のOASLMにおける振幅変調のためのパターンをライトする。第2のステップにおいて、第2のIR−OLEDアレイは、第2のOASLMにおける位相変調のためのパターンをライトする。赤外線フィルタは、IR−OLEDアレイとOASLMとの組の第1の小型の組み合わせから、IR−OLEDアレイとOASLMとの組の第2の小型の組み合わせへの赤外線の漏れを防ぐ。赤外線フィルタは、IR−OLEDアレイとOASLMとの組の第2の小型の組み合わせから、IR−OLEDアレイとOASLMとの組の第1の小型の組み合わせへの赤外線の漏れも防ぐ。しかしながら、赤外線フィルタは、IR−OLEDアレイとOASLMとの組の第2の小型の組み合わせにおけるリード・ビームとして用いるために、IR−OLEDアレイとOASLMとの組の第1の小型の組み合わせからの可視光を透過する。第2のOASLMによって透過された光は、その振幅とその位相において変調され、結果として、観察者は、装置によって照射された光を見る際に三次元画像を観測することが可能となる。
位相や振幅の変調が複素数表現を促進することが当業者によって理解されるであろう。更に、OLEDディスプレイやOASLMは、どちらも高解像度を有することが可能である。故に、本実施形態は、三次元画像が観察者によって観察可能にホログラムを生成することに向くであろう。
図2において、実施例が説明される。20は、平面領域の照明を提供するための照明装置であり、照明は三次元画像の生成をもたらすことができるために十分なコヒーレンスを有する。例は、広域ビデオ・ホログラムの場合として、特許文献3にて述べられている。20のような装置は、冷陰極蛍光ランプや白色光発光ダイオードのようなレンチキュラ・アレイやマイクロレンズ・アレイのように、小型にできる合焦システムにおいて入射される光を発する冷陰極蛍光ランプや白色光発光ダイオードのような白色光源のアレイの形をとってもよい。あるいは、20に対する光源は、赤、緑、および青のレーザ、もしくは十分にコヒーレンスな光を放つ赤、緑、および青の発光ダイオードを含んでいて良い。しかしながら、十分な空間コヒーレンスを有する非レーザ光源(例えば、発光ダイオード、OLED、冷陰極蛍光ランプ)は、レーザ光源より望ましい。レーザ光源は、ホログラフィック光源において、レーザ・スペックルを引き起こし、相対的に高価となり、ホログラフィック・ディスプレイ観察者の目や、ホログラフィック・ディスプレイ装置を組み立てる人々の目に損傷を与える可能性に関しての安全性の問題が有りうる、といった不利益を有する。
エレメント20−23、26−28は、全体として、厚さ数センチかそれよりも小さくできる。エレメント21は、カラー光源が用いられるのであれば必要ないが、エレメント22に向かって照射される赤、緑、および青の光のような有色光の画素とするカラーフィルタのアレイを有しても良い。エレメント22は、透明基板における赤外線発光OLEDのアレイである。赤外線発光OLEDのアレイは、各赤外線発光OLEDが平行して光を発し、エレメント23の方向において、ユニークに対応づいた有色画素からの光と一致する。エレメント23は、OASLMである。OASLMに関しては、赤外線発光OLEDのアレイがライト・ビームを供給する(エレメント21によって放射された有色ビームは、リード・ビームである)。エレメント28は、赤外線を遮るが、可視光を透過する赤外線フィルタであり、エレメント22からの赤外線が、エレメント27に影響を与えないようにする。エレメント27は、OASLMである。エレメント28は、透明基板における赤外線発光ダイオードのアレイである。赤外線発光OLEDのアレイは、各赤外線発光OLEDが平行して光を発し、エレメント27の方向において、ユニークに対応づいた有色画素からの光と一致する。OASLM27に関しては、赤外線発光OLED28のアレイがライト・ビームを供給する(エレメント26によって放射された有色ビームは、リード・ビームである)。透過光線に関しては、エレメント23が振幅を変調し、エレメント27が位相を変調する。あるいは、エレメント27が振幅を変調し、エレメント23が位相を変調する。透明基板28における赤外線発光ダイオードOLEDのアレイからの光は、エレメント26の方向に発せられるため、エレメント26は、エレメント28からの光をOASLM23にアドレス指定するのを妨げる赤外線を吸収しても良い。2つのOLEDアレイ22と28とが、十分に反対方向に光を放つ上記の構成は、2つのOASLM23と27とが、近接近にて設置されても良いことを保障する。OASLMを通った有色光のビームの伝搬が重ならない程度の接近によって成される近接近にOASLM23と27とがある場合に、OASLM23と27との近接近は、光学的損失や光ビームの発散から生じる画素クロストークの問題における減少を可能とする。エレメント27と28の順序は、図2とは反対でも良いが、これはOASLM23と27とを通る有色光のビーム間の高透過率や低クロストークの目的を達成するための最適形態であるというものではない。
エレメント20は、ディスプレイの輝度を増加するための、1もしくは2のプリズム光学フィルムを含んでも良く、そのようなフィルムは、他にも知られているが、例えば米国特許第5056892号明細書や米国特許第5919551号明細書によって述べられている。エレメント20は、偏光光学エレメント、もしくは偏光光学エレメントの組を含んでいても良い。一つの例は、直線偏光子シートである。更なる例は、直線偏光状態を伝達し、直交する直線偏光状態を反射する反射偏光子であり、そのようなシートは他にも知られているが、例えば、米国特許第5828488号明細書にて述べられている。更なる例は、円偏光状態を伝達し、直交する円偏光状態を反射する反射偏光子であり、そのようなシートは他にも知られているが、例えば、米国特許第6181395号明細書にて述べられている。エレメント20は、レンチキュラ・アレイやマイクロレンズのように小型にして良い合焦システムを含んでいても良い。エレメント20は、バックライト技術の領域において知られた他の光学エレメントを含んでも良い。
小型ホログラム生成器25を含む装置から離れたポイント24に位置する観察者は、25の方向において観察の際に三次元画像を観察しても良い。エレメント20、21、22、23、26、27、及び28は、隣接エレメントが物理的(例えば、実際に機械的であり、接触し、全体が一つで単一のオブジェクトであるようにできる構造のレイヤをそれぞれの形成する)になるように配置される。物理的接触は、直接であっても良い。もしくは、薄く、隣接レイヤ間のフィルムに覆われた仲介レイヤが存在するのであれば、間接的であっても良い。物理的接触は、相互のアラインメントやレジストレーションを確実にするために小さな領域に限定されても良いし、広域やレイヤの全表面に広げられても良い。物理的接触は、小型ホログラム生成器15を形成するために光透過性を有する接着剤の利用によって、もしくは他の適した処理(以下の表題"製造プロセスの概要"のセクションを参照)によって、一緒に貼り付けられたレイヤによって成されても良い。
図2において、理想的な場合には、OLED22と28とのアレイは、十分に集束されている光を放つ。しかしながら、OLEDは、均等拡散(すなわち、完全に拡散した)分布の光のような、十分に集束されていない光を放つ可能性がある。OLEDの光の照射が高度に集束していない場合には、OLEDは、それらに対応づいたOASLMと出来る限り密接するように配置されても良い。この場合、OASLM表面上の強度入射は、入射角の余弦の二乗のように、おおよそ変化するであろうことが考えられる。45度や60度の光の入射は、それぞれ通常の入射光の半分、もしくは4分の1のみの強度をもたらすであろう。故に、OLEDが十分な間隔で、可視光の画素サイズと関連する十分な小ささで、OASLMと十分近くであれば、OLEDの照射分配は、均等拡散であると限定した場合であっても、形状効果は、空間的にOASLMを横断して生成された電位差における大きな変化をもたらすであろう。入射する赤外線強度は、OLED光が通常に入射するOASLM上の地点間において、ゼロになるであろうし、装置において達成されうる対照的な減少をもたらしても良い。しかし、この対照的な減少は、もし、デバイス構成を単純化するのであれば、許容できるであろう。
図2において、理想的な場合には、OLED22及び28のアレイは、十分に集束されている光を発する。しかしながら、OLEDは、均等拡散(すなわち、完全に拡散した)分布の光のような、十分に集束されていない光が発せられる可能性がある。OLEDの光の放射が高度に集束していない場合には、OLEDの幾何学的な光分布は、引用により本明細書に組み込まれる米国特許第5153670号明細書にて述べられているようなBraggフィルタのホログラフィック光学エレメントの利用を通して、調整されても良い。Braggフィルタのホログラフィック光学エレメントは、平行にされるか、またはこのエレメントが無い場合よりも平行になった光をもたらす。Braggフィルタのホログラフィック光学エレメントの機能の例は、図8にて示している。図8において、80はOLEDアレイであり、81はBragg平面84のようなBragg平面を含むホログラフィック光学エレメント・Braggフィルタであり、82はOASLMである。OLEDアレイ80における単一のOLED83は、85のように概略的に示された分布で赤外線を発する。光線86は、OLEDアレイ80によって発せられ、ホログラフィック光学エレメント81にて散乱し、その後、おおよそ通常の入射におけるOASLM82に入射する、ことが示されている。このように、OASLM82に入射する赤外線の改善した視準が達成されても良い。
図5において、更なる実施形態を開示する。57は、平面領域の照明を提供するための照明装置であり、当該照明は、三次元画像の生成できるため、十分なコヒーレンスを有する。特許文献3では、広域ビデオ・ホログラムの場合について、一例が開示されている。当該装置は、冷陰極蛍光ランプや白色光発光ダイオードのようなレンチキュラ・アレイやマイクロレンズ・アレイ50のように、小型合焦システムに入射される光を発する冷陰極蛍光ランプや白色光発光ダイオードのような白色光源のアレイの形式であってもよい。あるいは、57に対する光源は、赤、緑及び青のレーザ、又は十分にコヒーレントな光を発光する赤、緑及び青の発光ダイオードを含んでもよい。しかしながら、十分な空間コヒーレンスを有する非レーザ光源(例えば、発光ダイオード、OLED、冷陰極蛍光ランプ)は、レーザ光源より望ましい。レーザ光源は、ホログラフィック光源において、レーザ・スペックルを引き起こし、相対的に高価となり、ホログラフィック・ディスプレイ観察者の目や、ホログラフィック・ディスプレイ装置を組み当てる人々の目に損害を与える可能性に関しての安全性の問題が有りうる、といった不利益を有する。
エレメント57は、ディスプレイの輝度を増加するための、1又は2のプリズム光学フィルムを含んでも良く、そのようなフィルムは、他にも知られているが、例えば米国特許第5056892号明細書や米国特許第5919551号明細書において開示されている。エレメント57は、偏光光学エレメント、もしくは偏光光学エレメントの組を含んでいても良い。一つの例は、線形偏光子シートである。更なる例は、線形偏光状態を透過させ、直交する線形偏光状態を反射する反射偏光子であり、そのようなシートは他にも知られているが、例えば、米国特許第5828488号明細書において開示されている。更なる例は、円偏光状態を透過させ、直交する円偏光状態を反射する反射偏光子であり、そのようなシートは他にも知られているが、例えば、米国特許第6181395号明細書において開示されている。エレメント57は、バックライト技術の領域において知られた他の光学エレメントを含んでも良い。
エレメント57、50−54は、全体として、厚さ数センチメートルかそれよりも小さくできる。エレメント51は、カラー光源が用いられるのであれば必要ないが、エレメント52に向かって発される赤、緑及び青の光のような有色光の画素とするカラーフィルタのアレイを有しても良い。エレメント52は、透明基板上の赤外線発光OLEDのアレイである。赤外線発光OLEDのアレイは、各有色画素に対し、赤外線発光OLEDの2つのタイプから成るユニークな組は、エレメント53の方向において光を平行に発し、対応する有色画素からの光と同期する。赤外線OLEDの第1のタイプは、第1の波長の赤外線を発する。赤外線OLEDの第2のタイプは、第1の波長とは異なる第2の波長の赤外線を発する。エレメント53はOASLMである。エレメント54もまたOASLMである。OASLMに関し、赤外線発光OLEDのアレイは、ライト・ビームを供給する。エレメント51によって発せられる有色ビームは、リード・ビームである。OASLM53は、OLEDアレイ52によって発された2つの赤外線波長のうちの第2の波長には無感応であり、OLEDアレイ52によって発された2つの赤外線波長のうちの第2の波長を透過させる。第1の赤外線波長に対するOASLM54の無感応が、必ずしも小型ホログラム生成器55の必要条件とはしないように、OASLM54は、OLEDアレイ52によって発された2つの赤外線波長のうちの第1の波長には無感応であり、もしくは、第1の赤外線波長の光は、OASLM53によってそれらの吸収、もしくは反射の少なくとも一方を通過し、続けて他の場所で吸収され、OASLM54に到達するのを妨げられる。もしくは、2つの異なった波長を発するOLEDの単一のタイプを用いることを可能としても良く、2つの異なる波長の相対強度は、OLEDを通過した電圧のようなパラメータに基づく。2つの異なる波長の発光は、時間的多重によって制御され得る。
透過光線に関しては、エレメント53が振幅を変調し、エレメント54が位相を変調する。あるいは、エレメント54が振幅を変調し、エレメント53が位相を変調する。異なる2つの波長の光を発するOLEDアレイ52における上記の構成によって、2つのOASLM53及び54を近接して配置することができる。OASLM53及び54を近接させることによって、光ビームの発散によって生じる光学的損失及び画素のクロストークの問題を軽減し得る。即ち、OASLM53及び54を近接させるにつれて、有色光のビームの、OASLMを介した重なり合わない伝搬に対する良好な近似を達成し得る。
小型ホログラム生成器55を含む装置から少し離れたポイント56に位置する観察者は、55の方向に観察する場合に、三次元画像を観察し得る。エレメント57、50、51、52、53及び54は、隣接エレメントが物理的(例えば、実際に機械的であり、接触し、全体が一つで単一のオブジェクトであるようにできる構造のレイヤをそれぞれの形成する)になるように配置される。物理的接触は、直接であっても良い。もしくは、薄く、隣接レイヤ間のフィルムに覆われた仲介レイヤが存在するのであれば、間接的であっても良い。物理的接触は、相互のアラインメントやレジストレーションを確実にするために小さな領域に限定されても良いし、広域やレイヤの全表面に広げられても良い。物理的接触は、小型ホログラム生成器15を形成するために光透過性を有する接着剤の利用によって、もしくは他の適した処理(以下の表題"製造プロセスの概要"のセクションを参照)によって、一緒に貼り付けられたレイヤによって成されても良い。
OASLMが、典型的な構成にて振幅変調を行う場合、入射リード光学ビームは、ビームで直線偏光シートを通ることによって、直線に偏光されるであろう。振幅変調は、加えられた電場における液晶の循環によって制御され、電場は感光レイヤによって生成され、光の偏光状態に影響する。そのような装置において、OASLMに存在する光は、直線偏光シートを更に通され、OASLMを通る際に光の偏光状態において変化をもたらし、強度減縮を可能とする。
OASLMが、典型的な構成にて位相変調を行う場合、すでに定義された直線偏光状態である場合を除いて、入射リード光学ビームは、ビームで直線偏光シートを通ることによって、直線に偏光されるであろう。位相変調は、加えられた電場の散布によって制御され、電場は感光レイヤによって生成され、光の位相状態に影響を与える。ネマチック相液晶を用いて導入された位相変調の一例において、光軸方向は、間隔を介して決められるが、複屈折は加えられた電圧の作用である。強誘電性液晶を用いて導入された位相の構成の一例において、複屈折は決められるが、光軸の方向は加えられた電圧によって制御される。他の方法を用いて導入された位相変調において、出力ビームは入力ビームに対応する位相差を有し、加えられた電圧の機能である。位相変調を実行可能な液晶セルの例は、正誘電異方性を有するネマチック液晶の非平行に配置された領域におけるフレドリックセルアレイがあり、引用により本明細書に組み込まれる米国特許第5973817号明細書にて述べられている。
<C.EASLMと小型光源との小型の組み合わせ>
この実装は、EASLMと十分なコヒーレンスの小型光源との小型の組み合わせを提供し、その組み合わせは、適切な照明条件の下、三次元画像を生成することができる。
この実装において、結像光学系を要件としないEASLMと小型光源との小型の組み合わせが、述べられている。この実装は、単一のもしくは複数の光源、焦点手段、電気的にアドレス指定された空間光変調器(EASLM)、及び空間ビーム分割エレメントの小型の組み合わせを提供し、その組み合わせは、適切な照明条件の下、三次元画像を生成することができる。
図11において、実装例が述べられている。110は、平面領域の照明を提供するための照明装置であり、照明は、三次元画像の生成をもたらすのに十分なコヒーレンスを有する。照明装置の例として、特許文献3において、広域ビデオ・ホログラムの場合における、図4に再現した一例が開示されている。110のような装置は、レンチキュラ・アレイやマイクロレンズ・アレイのように、小型にできる合焦システムにおいて入射される光を発する冷陰極蛍光ランプや白色光発光ダイオードのような白色光源のアレイの形をとってもよい。あるいは、110に対する光源は、赤、緑、および青のレーザ、もしくは十分にコヒーレンスな光を放つ赤、緑、および青の発光ダイオードを含んでいて良い。赤、緑、および青の発光ダイオードは、有機発光ダイオード(OLED)でも良い。しかしながら、十分な空間コヒーレンスを有する非レーザ光源(例えば、発光ダイオード、OLED、冷陰極蛍光ランプ)は、レーザ光源より望ましい。レーザ光源は、ホログラフィック光源において、レーザ・スペックルを引き起こし、相対的に高価となり、ホログラフィック・ディスプレイ観察者の目や、ホログラフィック・ディスプレイ装置を組み当てる人々の目に損害を与える可能性に関しての安全性の問題が有りうる、といった不利益を有する。
エレメント110は、厚さ数センチかそれよりも小さくできる。最適な実施形態において、エレメント110−113は、全体で厚さ3cmよりも小さく、十分なコヒーレンスの小型光源を提供することができる。エレメント111は、カラー光源が用いられるのであれば必要ないが、エレメント112に向かって照射される赤、緑、および青の光のような有色光の画素とするカラーフィルタのアレイを有しても良い。エレメント112は、EASLMである。エレメント113は、光学ビーム・スプリッタエレメントである。小型ホログラム生成器115を含む装置から離れたポイント114に位置する観察者は、115の方向における観察の際に三次元画像を見ても良い。
エレメント110は、ディスプレイの輝度を増加するための、1もしくは2のプリズム光学フィルムを含んでも良く、そのようなフィルムは、他にも知られているが、例えば米国特許第5056892号明細書や米国特許第5919551号明細書によって述べられている。エレメント20は、偏光光学エレメント、もしくは偏光光学エレメントの組を含んでいても良い。一つの例は、直線偏光子シートである。更なる例は、直線偏光状態を伝達し、直交する直線偏光状態を反射する反射偏光子であり、そのようなシートは他にも知られているが、例えば、米国特許第5828488号明細書にて述べられている。更なる例は、円偏光状態を伝達し、直交する円偏光状態を反射する反射偏光子であり、そのようなシートは他にも知られているが、例えば、米国特許第6181395号明細書にて述べられている。エレメント110は、バックライト技術の領域において知られた他の光学エレメントを含んでも良い。
EASLMは、セルのアレイにおいて各セルが電気的にアドレス指定されたSLMである。各セルは、透過する光の振幅を変調し、もしくは透過する光の位相を変調し、もしくは透過する光の振幅や位相の組み合わせを変調するといった、いくつかの方向において光の入射に影響を与える。EASLMの例は、引用により本明細書に組み込まれる米国特許第5973817号明細書にて与えられており、その例は、位相変調EASLMである。液晶EASLMNは、EASLMの例である。光磁気EASLMは、EASLMの他の例である。
エレメント110、111、112、及び113は、隣接エレメントが物理的(例えば、実際に機械的であり、接触し、全体が一つで単一のオブジェクトであるようにできる構造のレイヤをそれぞれの形成する)になるように配置される。物理的接触は、直接であっても良い。もしくは、薄く、隣接レイヤ間のフィルムに覆われた仲介レイヤが存在するのであれば、間接的であっても良い。物理的接触は、相互のアラインメントやレジストレーションを確実にするために小さな領域に限定されても良いし、広域やレイヤの全表面に広げられても良い。物理的接触は、小型ホログラム生成器115を形成するために光透過性を有する接着剤の利用によって、もしくは他の適した処理(以下の表題"製造プロセスの概要"のセクションを参照)によって、一緒に貼り付けられたレイヤによって成されても良い。
図4は、アレイにおける水平に並べられた円筒レンズの形で垂直合焦システム1104の3つの合焦エレメント1101、1102、1103を示した先行技術の側面図である。照明ユニットの合焦エレメント1102を通り、観察者平面OPに達する、水平な線光源LS2にほぼ平行のビームが例示されている。図4に従って、多くの線光源LS、LS、LSは上下に配置される。それぞれの光源は、垂直方向に十分にコヒーレントであり、水平方向にはインコヒーレントである光を発する。光は、光変調器SLMの透過セルを通過する。光は、ホログラムとエンコードされる光変調器SLMのセルによって垂直方向のみに回折される。合焦エレメント1102は、観察者平面OPにて、いくらかの回折次数(1のみが実用的である)で光源LSを画像化する。光源LSによって発されたビームは、合焦システム1104の合焦エレメント1102のみを通ることが例示されている。図4において、3つのビームは、1番目の回折次数1105、ゼロ番目の次数1106、そして、マイナス1番目の次数1107を示す。単一の点光源とは対照的に、線光源は、より高い光強度を生成可能とする。すでに増大した効率や、再構成されるための3Dシーンの各部分に対する線光源の割り当てを有するいくつかのホログラフィック領域を用いることは、効率的な光度を向上させる。他の利点は、レーザの代わりに、例えば、シャッターの一部でも良いスロット隔壁の後方に位置付けられた多くの標準光源が十分にコヒーレント光を生成することである。
一般に、ホログラフィック・ディスプレイは、仮想観察者ウィンドウにおいて、波面を再構成する。波面は、もし存在していれば、実オブジェクトが生成したであろうものである。観察者は、彼の目が、いくつかの有効な仮想観察者ウィンドウ(VOW)のうちの一つの仮想観察者ウィンドウに位置する際に、再構成されたオブジェクトを見る。図6Aに示されているように、ホログラフィック・ディスプレイは、光源、レンズ、SLM、及び光学ビーム・スプリッタ、といったコンポーネントを含む。
ホログラフィック画像を表示するSLMと小型光源との小型の組み合わせの創作を容易にするため、図6Aの単一の光源と単一のレンズは、図6Bに示されているように、単一の光源アレイと単一のレンズ・アレイ、もしくはレンチキュラ・アレイとにそれぞれ置き換えられても良い。図6Bにおいて、光源は、SLMを照射し、レンズは光源を観察者平面に投影する。SLMは、ホログラムをエンコードし、VOWにおいて所望の波面が再構成できるように、入射波面を変調する。光学ビーム・スプリッタ・エレメントは、例えば、一つの左目に対するVOWと一つの右目に対するVOWのように、いくつかのVOWを生成するために利用されても良い。
もし、光源アレイやレンズ・アレイ、もしくはレンチキュラ・アレイが用いられるのであれば、アレイからの光源は、光束が、VOWが一致するレンズ・アレイもしくは、レンチキュラ・アレイの全てを通るように配置されるべきである。
図6Bの装置は、小型ホログラフィック・ディスプレイに用いることができる小型設計に役立つ。上記のホログラフィック・ディスプレイは、例えば携帯電話やPDAなどの携帯装置に利用されても良い。一般に、上記ホログラフィック・ディスプレイは、1インチもしくは数インチのオーダのスクリーン対角線を有する。ホログラフィック・サブディスプレイは、1cmのスクリーン対角線を有する。適切なコンポーネントは、詳細に以下で述べられる。
1)光源/光源アレイ
単純な場合において、固定単一光源を用いることができる。もし、観察者が動けば、観察者はトラッキングされ、ディスプレイは、観察者の新しい位置において観察可能な画像を生成するために調整されるであろう。ここでは、VOWのトラッキングが無い、もしくは、トラッキングがSLMの後方のビーム・ステアリング・エレメントを用いて実行されることとなる。
構造化可能な光源アレイは、バックライトによって照射された液晶ディスプレイ(LCD)によって達成されても良い。適切な画素のみが、点、もしくは線光源のアレイを生成するために透過状態に切り替えられる。これらの光源のアパーチャは、オブジェクトのホログラフィック再構成のための十分な空間コヒーレンスを保証するために、十分に小さくなければならない。点光源のアレイは、レンズの2Dアレイを含むレンズ・アレイと組み合わせて用いられても良い。線光源のアレイは、円筒状のレンズの平行アレイを含むレンチキュラ・アレイと組み合わせて用いられても良い。
好適には、OLEDディスプレイは、光源アレイとして用いられる。自動発光装置のように、生成光のほとんどが、有色フィルタのようなエレメントによって、もしくは、完全な透過可能状態でない画素にて吸収されるLCDよりも、より小型で、よりエネルギー効率が良い。しかしながら、LCDは、OLEDディスプレイが、LCDディスプレイよりもエネルギー効率良く、光を供給する状況を許すようなときでさえ、OLEDディスプレイ以上の全体的なコスト面での利点を有する。OLEDディスプレイが、光源アレイとして用いられる際に、それらの画素のみが目の位置におけるVOWを生成するために必要となるように切り替えられる。OLEDディスプレイは、画素の2Dアレイもしくは線光源の1Dアレイを有しても良い。各点光源の照射領域、もしくは各線光源の幅は、オブジェクトのホログラフィック再構成のために十分な空間コヒーレンスを保証するために十分に小さくするべきである。さらに、点光源アレイは、好ましくは、レンズの2Dアレイを有するレンズ・アレイと組み合わせて用いられる。線光源アレイは、好ましくは、円筒状のレンズの平行アレイを有するレンチキュラ・アレイと組み合わせて用いられる。
2)合焦手段:単一レンズ、レンズ・アレイ、もしくはレンチキュラ・アレイ
合焦手段は、単一もしくは複数の光源を観察者平面へ結像させる。SLMが焦点手段に近接しているので、SLMにてエンコードされた情報のフーリエ変換は、観察者平面ないに存在する。合焦手段は、1もしくは複数の合焦エレメントを有する。SLMと合焦手段との位置は、入れ替えられても良い。
EASLMと十分なコヒーレンスを有する小型光源との小型の組み合わせに対し、薄い合焦手段を有することは不可欠である。凸面を有する標準反射レンズはとても分厚い。代わりに、回折レンズ、もしくはホログラフィックレンズが用いられても良い。この回折レンズもしくは、ホログラフィックレンズは、単一レンズ、レンズ・アレイ、もしくはレンチキュラ・アレイの機能を有しても良い。上記構成要素は、Physical Optics Corporation, Torrance, CA, USAによって提供されている表面レリーフのホログラフィック製品を利用できる。代わりに、レンズ・アレイが用いられても良い。レンズ・アレイは、レンズの2Dアレイを含み、各レンズは光源アレイのうちの一つの光源に割り当てられている。他の代替案は、レンチキュラ・アレイが用いられても良い。レンチキュラ・アレイは、円筒状のレンズの1Dアレイを有し、各レンズは、光源アレイにおける対応光源を有する。上記のように、もし光源アレイや、レンズ・アレイもしくはレンチキュラ・アレイが用いられるのであれば、アレイ中の光源は、光束が、レンズ・アレイ中の全てのレンズ、もしくはVOW中の一致するレンチキュラ・アレイを通るように位置付けられるべきである。
レンズ・アレイ、もしくはレンチキュラ・アレイのレンズを通った光は、複数の他のレンズと関連する或るレンズに対しインコヒーレントである。故に、SLMにてエンコードされたホログラムはサブホログラムから構成され、各サブホログラムは、一つのレンズと対応する。各レンズのアパーチャは、再構成されたオブジェクトの十分な解像度を保証するために、十分に大きくすべきである。例えば、米国特許出願公開第2006/0055994号明細書で述べるように、ホログラムのエンコード領域の典型的な大きさと同程度の大きさのアパーチャを有するレンズを用いても良い。これは、各レンズが1もしくは数ミリメータのオーダのアパーチャを有すべきことを意味している。
3)SLM
ホログラムはSLMでエンコードされる。通常、ホログラムのためのエンコーディングは、複素数の2Dアレイからなる。よって、理想的には、SLMは、SLMの各画素を通過するローカル・ライト・ビームの振幅と位相を変調できるであろう。しかしながら、典型的なSLMは振幅と位相とのいずれかを変調することはできるが、振幅と位相を独立に変調することはできない。
振幅変調SLMは、例えば、Burckhardtエンコーディングのような、迂回位相エンコーディングとの組み合わせで使用されてもよい。その難点は、一つの複素数をエンコードするために3画素が必要となることと、再構成されたオブジェクトが低輝度となることである。
位相変調SLMの再構成結果は、高輝度となる。例えば、一つの複素数をエンコードするために2画素を必要とする、所謂2相エンコーディングが使用されてもよい。
EASLMは、輪郭のはっきりしたエッジの特性を有し、これにより回折パターンにおいて不要な高次の回折次数を招くことになるが、ソフト・アパーチャを利用することで、この問題を軽減、或いは、排除することができる。ソフト・アパーチャは、シャープな透過カットオフのないアパーチャである。ソフト・アパーチャの透過関数の例は、ガウシアン・プロファイルを有する。ガウシアン・プロファイルは、回折システムにおいて有利があることで知られている。その理由は、ガウシアン関数のフーリエ変換は、それ自体ガウシアン関数であるという数学的結果が存在するからである。よって、透過プロファイルにおいてシャープ・カット・オフを有するアパーチャを透過する場合と比べて、ラテラル・スケーリング・パラメータを除きビーム強度プロファイル関数は回折によっては変化しない。ガウシアン透過プロファイルのシートアレイが提供されてもよい。EASLMアパーチャと一直線上にこれらが提供される場合、ビーム透過プロファイルにおいてシャープ・カット・オフを有するシステムと比較して、高次の回折次数が欠落しているか、或いは、相当に軽減されたシステムが提供される。ガウシアン・フィルタ又は、ソフト・アパーチャ・フィルタは、高空間周波数から回折の影響を抑制する。ガウシアン・フィルタ又はアパーチャフィルタは、左目と右目の仮想的な観察者用のウィンドウ間のクロストークを最小化する。
4)ビーム・スプリッタ・エレメント
VOWは、SLMにおいてエンコードされる情報のフーリエ変換の一つの周期的インターバルに限定される。現在利用可能な解像度が最大のSLMによれば、VOWのサイズは、10mmのオーダである。ある状況では、トラッキング無しのホログラフィック表示のアプリケーションでは、これは小さすぎるかも知れない。この問題に対する一つの解決策は、VOWを空間的に多重化することであり、2つ以上VOWが生成される。空間多重化を行う場合、VOWはSLMの異なる位置から同時に生成される。これは、ビーム・スプリッタにより実現されてもよい。例えば、SLMのある画素グループは、VOW1の情報によりエンコードされ、他のグループはVOW2の情報によりエンコードされる。ビーム・スプリッタは、VOW1とVOW2とが観察面において並列になるように、光をこれらの2つのグループから分離する。より大きなVOWは、VOW1とVOW2とをシームレスにタイル化することで生成されてもよい。多重化はまた、左目と右目のVOWを生成するために利用されてもよい。その場合、シームレスな並列化は必要とされず、左目用の一つまたはいくつかのVOWと、右目用の一つまたはいくつかのVOWとの間でギャップが生じてもよい。ここで、あるVOWの高次の回折次数が他のVOWの高次の回折次数とオーバラップしないように注意する必要がある。
ビーム・スプリッタ・エレメントの簡単な例は、引用により本明細書に組み込まれるところの特許文献4に記載されるように、縞の間が透明領域となっている黒い縞模様からなる視差バリアである。更なる例は、特許文献4に記載されているように、レンチキュラ・シートである。ビーム・スプリッタ・エレメントの更なる例は、レンズ・アレイとプリズム・マスクである。小型ホログラフィック・ディスプレイでは、約10cm離れた2つの目を有する典型的な観察者としては満足できないが、10mmという典型的な仮想的な観察者用のウィンドウサイズは、片目だけだと十分に大きいので、典型的にはビーム・スプリッタ・エレメントの存在が期待されるであろう。しかしながら、空間多重化の代わりに時間多重化を利用してもよい。空間多重化を行わない場合、ビーム・スプリッタ・エレメントを利用する必要はない。
空間多重化は、カラー・ホログラフィック再構成のために利用されてもよい。空間カラー多重化のために、赤、緑、青の色成分のそれぞれ独立した画素グループが存在する。これらのグループはSLM上で空間的に分離されており、赤色光、緑色光、青色光で同時に照射される。各グループは、オブジェクトの各色成分について計算されたホログラムでエンコードされる。各グループは、ホログラフィック・オブジェクト再構成の色成分を再構成する。
5)時間多重化
時間多重化を行う場合、VOWはSLMの同一位置から連続的に生成される。これは、光源の位置を変更し、それに同期して再エンコーディングをすることによって実現されてもよい。光源位置の変更は、観察面においてVOWがシームレスに並列化されるように行われなければならない。時間多重化が十分に高速な場合、すなわち全サイクルについて25Hzより大きい場合、人の目には連続的な拡張VOWが映るであろう。
多重化は、左目と右目のVOWの生成のために利用されてもよい。その場合、シームレスな並列化は必要なく、左目用の一つ又はいくつかのVOWと、右目用の一つ又はいくつかのVOWとの間にギャップがあってもよい。この多重化は空間的であっても、時間的であってもよい。
空間多重化と時間多重化とは組み合わされてもよい。例えば、片目用の拡張VOWを生成するために、3つのVOWが空間的に多重化される。この拡張VOWは、左目用の拡張VOWと右目用の拡張VOWとを生成するために時間多重化される。
あるVOWと他のVOWとの高次の回折次数はオーバラップしないように気を付ける必要がある。
VOWの拡張のための多重化は、観察者の動作に応じて、視差が連続的に変化する拡張VOWを提供するので、好ましくはSLMの再エンコーディングと共に利用される。単純化のため、再エンコーディング無しの多重化は、拡張VOWの異なる部分において反復コンテンツを提供するであろう。
時間多重化はまた、カラー・ホログラフィック再構成の生成のために利用されてもよい。時間多重化のために、3つの色成分のホログラムは連続的にSLM上でエンコードされる。3つの光源は、SLM上での再エンコーディングと同期して切り替えられる。全サイクルが十分に高速に反復される場合、すなわち25Hzより大きい場合、人の目には、連続的なカラー再構成として映るであろう。
6)不要な高次の回折次数の扱い
もし、より大きなVOWが、小さなVOWをタイル状に並べることにより生成されるとすると、あるVOWの高次の回折次数により、この問題に対処する手だてを講じない限り、やっかいなクロストークが他のVOWにもたらされるかも知れない。例えば、もし各VOWが、SLMでエンコードされる情報のフーリエ変換のゼロ次の回折次数に位置する場合、あるVOWの一次回折次数は、隣接するVOWとオーバラップするかもしれない。このオーバラップは、やっかいな背景像をもたらすかも知れない。これは、不要な画像の強度が所望の画像の強度の約5%を超えた場合に顕著になるかもしれない。その場合、高次の回折次数を相殺するか、抑制することが望ましい。
もし、SLMが照射される角度が一定の場合、固定的な角度フィルタを利用することができる。これは、もし、ホログラフィック表示がトラッキングを行わないか、或いは、ビーム・ステアリング・エレメントのようなビーム・スプリッタ・エレメントが、SLMの後に位置するような場合である。固定的な角度フィルタは、Braggフィルタや、Fabry Perot Etalonであってもよい。
SLMは、不要な回折次数を含む幾何学的な光強度分散をもたらす場合、その幾何学的光強度分散は、米国特許第5153670号明細書に記載されるようなBraggフィルタ・ホログラフィック光学エレメントの利用により修正できるかも知れない。Braggフィルタ・ホログラフィック光学エレメントは、このエレメントがない場合の光強度分散とは異なる光強度分散をもたらす。Braggフィルタ・ホログラフィック光学エレメントの一例は、図7に示す通りである。図7において、70はSLMである。71は、Bragg平面74のようなBragg平面を含むBraggフィルタ・ホログラフィック光学エレメントである。SLM70内の単一セル73は、75で図示するような回折光の強度分散に貢献する。光線76は、SLM70によって回折されるものとして示されており、ホログラフィック光学エレメント71において散乱し、その後、70と71の間での本来の伝搬方向とは異なる方向に伝搬していく。もし、70と71との間での光線76の伝搬方向が、不要な一次回折光に対応する場合、Braggフィルタ71がこの光の行く先を異なる方向へ変更することに成功するのは明らかであり、70のおよそ法線方向に通常は位置する観察者を煩わせる不要な光学的副作用を助長することはないであろう。
回折次数の抑制のための調整可能なFabry Perot Etalonは、独国特許出願公開第10 2006 030 503号明細書に開示されている。開示されているのは、部分的に反射膜によりコーティングされている、2つのコプラーナ・ガラスシートの間のLCレイヤである。当該反射膜における光線の反射において、光線は部分的に反射し、部分的に透過する。標準的なFabry Perot Etalonにあるように、透過光線は干渉し合い、光線間の位相の違いにより、干渉が建設的なものとなるか、或いは、相殺的なものとなるかが決まる。所望の波長において、干渉、即ち透過が、光線の入射角度に応じて変化する。所望の光伝搬方向について、LCの屈折率の変更により干渉を調整できる。屈折率は、LCレイヤを交差するように加えられる電場によって制御される。よって、角度透過特性を調整することができ、回折次数を透過率、或いは反射率について、Fabry Perot Etalonの全体的な制限内で必要に応じて選択することができる。例えば、もしFabry Perot Etalonがゼロ次の最適な透過率及び一次の最適な反射率を有するように構成された場合、2次或いはより高次の不要な透過が依然として残るかもしれない。この装置は、Fabry Perot Etalonの全体的な制限内で、必要に応じて、透過、或いは、反射される特定の回折次数の固定的な、或いは、連続的な選択を促進する。
空間フィルタは、回折次数を選択するために利用されてもよい。これらの空間フィルタは、SLMとVOWとの間に配置されてもよく、透明領域と不透明領域とを有する。これらの空間フィルタは、所望の回折次数を透過する一方で、不要な回折次数をブロックするために利用されてもよい。これらの空間フィルタは、固定的なものであってもよいし、設定変更が可能なものであってもよい。例えば、SLMとVOWとの間に設置されるEASLMは、設定変更が可能な空間フィルタとして動作してもよい。
7)視線追跡(Eye Tracking)
EASLMと視線追跡と十分に整合する小型の光源とのコンパクトな組み合わせでは、目位置検出器により観察者の目の位置を検出してもよい。一つ以上のVOWは、観察者が再構成されたオブジェクトをVOWを介して見ることができるようにするために、自動的に目の位置に配置される。
しかしながら、追跡は常に実用的であるわけではなく、特に携帯型装置、或いは、ハンドヘルド機器の場合にそれが当てはまる。というのも、付加的な装置の要求に基づく制約や、実行のための所要電力が存在するからである。追跡を行わなければ、観察者は手動でディスプレイの位置を調整しなければならない。好適な実施形態において、小型ディスプレイは、PDAや携帯電話に組み込まれているような手持ち型のディスプレイであるので、これは、直ちに実行される。PDAや携帯電話のユーザは、ディスプレイに直交する方向からディスプレイを見る傾向があるので、VOWを目に対して調整するための追加的な労力はそれほど必要ない。例えば、引用により本明細書に組み込まれるところの国際公開第01/96941号パンフレットに記載されるように、ハンドヘルド機器のユーザは、最適な観察条件を達成するように、装置を手で正しい方向に自動的に向ける傾向があることは知られている。よって、そのような装置ではユーザの視線追跡は必要なく、例えば、走査ミラーのような複雑で小さくもない追跡用の光学エレメントも不要である。しかし、もし、装置に対する追加要件及び電力が、過剰な負担を装置に与えるものでなければ、視線追跡がそのような装置において実施されてもよい。
追跡を行わない場合、EASLMと、十分コヒーレントな小型光源とのコンパクトな組み合わせでは、ディスプレイの調整を単純化するために、VOWは十分に大きなものであることが必要とされる。望ましくは、VOWサイズは、人間の目の大きさの数倍であるべきである。これは、ピッチの小さなSLMを利用した単一の大きなVOWか、ピッチの大きなSLMを利用した小型のVOWをいくつかタイル状に並べたもの、のいずれかにより実現できる。
VOWの位置は、光源アレイにおける光源の位置により決定される。目位置検出器は、目の位置を検出し、VOWを該目の位置に合わせるために、光源の位置を設定する。この種の追跡は、米国特許出願公開第2006/055994号明細書及び特許文献3に記述されている。
また、光源が固定位置にある場合は、VOWを移動してもよい。光源トラッキングでは、光源からの光の入射角度の変動に対して比較的鈍感なSLMが必要となる。もし、光源を移動してVOW位置を移動させようとしても、小型光源とSLMとの小型の組み合わせでは、そのような構成が示唆する当該小型の組み合わせ内での光伝搬条件からずれるために、その達成が困難となる。そのような場合、ディスプレイにおいて一定の光路を持たせることが有利である。
これらの特性を提供することができるビーム・ステアリング・エレメントは、図20及び21に示すようになる。このビーム・ステアリング・エレメントは、ディスプレイの出力において、光束の角度を変化させる。それは、xトラッキング及びyトラッキングについて制御可能なプリズムと、zトラッキングについて制御可能なレンズの光学特性を有していてもよい。例えば、図20及び図21のいずれかのビーム・ステアリング・エレメント、或いはその両方は、単一装置において使用されてもよい。ビーム・ステアリング・エレメントは、制御可能な回折エレメント、或いは、制御可能な屈折エレメントである。制御可能な屈折エレメントは、等方性の線形電気双極子磁化率テンソル(isotropic linear electric dipole susceptibility tensor)を用いたマトリックスに埋め込まれた液晶が充填されたキャビティのアレイを有していてもよい。キャビティは、プリズムやレンズの形状を有する。電場を加えることにより、液晶の実効屈折率が制御されるので、ビーム操作が促進される。電場は、エレメントを交差して変化するビーム・ステアリング特性を作り出すために、エレメントを交差して変化してもよい。電場は、図2に示す透明電極間にかけられる。液晶は一軸屈折特性を有し、光軸に直交する屈折率が、母材(host material)、或いは、"マトリックス"の屈折率と等しくなるように選択されてもよい。他の構成は、当業者には自明であろう。母材は、等方性の屈折率を有する。もし液晶の光軸が、適切な電場をかけることにより図20に示すz方向に沿っている場合、そのPoyntingベクトルに垂直な屈折率の変動もないため、z方向に沿って伝搬する平面波はビーム・ステアリング・エレメントを通過する際に屈折することがない。しかしながら、もし、液晶の光軸がz方向に対して直交するように電場がエレメントを交差してかけられる場合、システムが提供可能な、偏光方向に沿った考えられる最大の屈折率の変動を経験するために、光軸に平行に偏光されたz方向に沿って伝搬する平面波は、ビーム・ステアリング・エレメントを通過する際に最大限の屈折をするであろう。屈折度は、母材を交差する適切な電場を選択することで、これらの2つの極端なケースの間で調整可能であろう。
ビーム操作は、キャビティがレンズ形状ではなくプリズム形状を有する場合に達成されるかも知れない。ビーム操作のための適切なプリズム形状は、図21に示される。もし液晶の光軸が、適切な電場をかけることにより図21に示すz方向に沿う場合、z方向に沿って伝搬する平面波は、ビーム・ステアリング・エレメントを通過する際に屈折しない。これは、その偏光方向において屈折率の変動が生じないためである。しかしながら、液晶の光軸をz方向と直交させるために電極と交差して電場がかけられると、光軸に平行に偏光されたz方向に伝搬する平面波は、ビーム・ステアリング・エレメントを通過するときに最大限に屈折する。これは、システムが提供可能なPoyntingベクトルに垂直な考えられる最大の屈折率の変動を経験するためである。屈折度は、母材を交差する適切な電場を選択することで、これらの2つの極端なケースの間で調整可能であろう。
8)例
EASLMと十分にコヒーレントな小型光源との小型の組み合わせについて、例を説明する。当該組み合わせにより、適切な露光条件下において3次元画像を生成することが可能となり、PDAや携帯電話に搭載されてもよい。EASLMの小型の組み合わせ及び十分にコヒーレントな小型光源は、図12に示すように、光源アレイ、EASLM及びレンズ・アレイとしてOLEDディスプレイを有する。
VOW(図12ではOWで示される)の要求される位置に応じて、OLEDディスプレイの特定画素が駆動される。これらの画素は、EASLMを照射し、レンズ・アレイにより観察面で映像を構成する。OLEDディスプレイにおいて、レンズ・アレイのレンズ毎にすくなくとも一画素が駆動される。図面において与えられる寸法では、画素ピッチが20μmの場合、VOWは水平増分が400μmでトラッキングできる。このトラッキングは準連続性を有している。
OLED画素は、部分的にのみ空間コヒーレントな光源である。部分的にコヒーレントなため、オブジェクト点の再構成にはスミアが存在してしまう。図面において与えられる寸法では、ディスプレイから100mmの距離を有するオブジェクト点は、もし画素幅が20μmであれば、100μmの水平スミアを有して再構成される。これは、ヒューマン・ビジョン・システムの解像度としては十分である。
レンズ・アレイの異なるレンズを通過する光同士には、十分な相互コヒーレンスはない。コヒーレンス要求は、レンズ・アレイの各単一レンズに限定されている。よって、再構成されたオブジェクト点の解像度は、レンズ・アレイのピッチにより決定される。典型的なレンズピッチは、ヒューマン・ビジョン・システムの解像度として十分なものを保証するために、1mmのオーダとなろう。もしOLEDピッチが20μmであれば、このことは、レンズピッチとOLEDピッチとの比率が50:1であることを意味する。もし、単一OLEDのみがレンズごとに発光する場合、このことは、502=2500OLED毎に一つだけのOLEDが発光することを意味する。よって、ディスプレイは、低電力ディスプレイとなるであろう。ここでのホログラフィック・ディスプレイと、従来のOLEDとの相違は、前者が光を観察者の目に集中させる一方で、後者は光を2πステラジアンに放射することである。従来のOLEDディスプレイが1000cd/m2を達成していた一方で、発明者はこの実施形態において、照射されたOLEDは現実的なアプリケーションのために1000cd/m2の数倍の輝度を達成するべきと計算した。
VOWは、SLMにおいてエンコードされた情報のフーリエスペクトルの一つの回折次数に限定される。もしSLMの画素ピッチが10μmで、一つの複素数について2画素が必要となる、即ち位相変調EASLM上で2相エンコーディングを利用する場合、500nmの波長において、VOWは10mmの幅を有する。VOWは、空間多重化或いは時間多重化によりVOWをタイル状に配置することで拡張されてもよい。空間多重化の場合、ビーム・スプリッタのような追加の光学エレメントが必要となる。
カラー・ホログラフィック再構成を時間多重化により実現することができる。カラーOLEDディスプレイの赤、緑及び青の画素は、赤、緑、青の光波長について計算されたホログラムを有するSLMの同期再エンコーディングで連続的に駆動される。
ディスプレイは、観察者の目の位置を検出する目位置検出器を備えていてもよい。目位置検出器は、OLEDディスプレイの画素の駆動を制御する制御ユニットに接続される。
SLMでエンコードされるホログラムの計算は、高い計算能力を必要とするため、好ましくは外部エンコーディング・ユニットで実行される。ホログラフィ的に生成された3次元画像の表示を可能とするために、表示データがPDAや携帯電話に送信される。
より現実的な例として、日本の三洋(登録商標)エプソン(登録商標)イメージングデバイス株式会社製の2.6インチ画面のXGA LCD EASLMを利用してもよい。サブピクセルピッチは17μmである。EASLMから0.4mの距離において、ホログラムの振幅変調エンコーディングとともに、RGBホログラフィック・ディスプレイを構築するためにこれが利用される場合、観察ウィンドウは、直径1.3mmと計算される。モノクロ表示の場合、観察ウィンドウは直径4mmと計算される。もし、同一構成を利用しつつも、2相エンコーディングの位相変調を利用して実装する場合、観察ウィンドウは直径6mmと計算される。もし同一構成において、Kinoformエンコーディングの位相変調を利用して実装する場合、観察ウィンドウは直径12mmと計算される。
他の高解像度EASLMの例も存在する。日本のセイコー(登録商標)・エプソン(登録商標)株式会社は、画素ピッチが15μmのD4:L3D13U 1.3インチ画面サイズのパネルのようなモノクロEASLMをリリースした。同社は、0.9インチ画面サイズで、画素ピッチが10μmの同一パネル・ファミリにおけるD5:L3D09U−61G00パネルをリリースした。2006年12月12日、同社は、0.7インチ画面サイズで画素ピッチが8.5μmの同一ファミリにおけるL3D07U−81G00パネルのリリースを発表した。もし、モノクロ・ホログラフィック・ディスプレイを構成するために、ホログラムのBurckhardt振幅変調エンコーディングと共にD4:L3D13U 1.3インチパネルを利用すると、EASLMから0.4mの距離において、VOWは直径5.6mmと計算される。
<D.EASLMの組の小型の組み合わせ>
さらに他の実施形態において、2つのEASLMの組み合わせは、順々に、かつ、コンパクトな方法で光の振幅及び位相を変調するために使用されうる。このように、振幅及び位相からなる複素数は、画素単位ごとに透過光にエンコーディングされうる。
本実施形態は、2つのEASLMの小型の組み合わせを備える。第1のEASLMは透過光の振幅を変調し、第2のEASLMは透過光の位相を変調する。或いは、第1のEASLMは透過光の位相を変調し、第2のEASLMは透過光の振幅を変調する。各EASLMは、上述のセクションCに記載されたものと同様であってもよい。全体的な組み立て品としては、ここで使用される2つのEASLMを除いてセクションCで記載されたものと同様であってもよい。2つのEASLMの変調特性における他の組み合わせとしては、振幅及び位相の独立した変調を容易にする同等物でも可能である。
第1のステップにおいて、第1のEASLMは、振幅変調用のパターンでエンコーディングされる。第2のステップにおいて、第2のEASLMは、位相変調用のパターンでエンコーディングされる。第2のEASLMによって透過光は、その振幅及びその位相で変調されており、その結果として、2つのEASLMが内蔵されたデバイスによって照射される光を見るときに観察者が三次元画像を観察することができる。
位相及び振幅の変調が複素数の表現を容易にすることが当業者によって理解されるであろう。さらに、EASLMは、高解像度を有することもできる。したがって、本実施形態は、観察者によって観察される三次元画像のようなホログラムを生成することに使用される。
図13において、実施形態の一例を示す。130は平面領域の照明を提供するための照明装置である。当該照明は、三次元画像の生成に繋がるように十分なコヒーレンスを有する。照明装置の一例は、広域のビデオ・ホログラムのケースについての特許文献3に開示されている。この一例は図4に示している。130のような装置は、レンチキュラ・アレイ若しくはマイクロレンズ・アレイのような小型の合焦システムでの入射である光を照射する冷陰極蛍光ランプ又は白色発光ダイオードのような、白色光源の配列の構造をとることができる。或いは、130における光源は、十分なコヒーレンスの光を照射する赤色、緑色、青色レーザ又は赤色、緑色、青色発光ダイオードを備えてもよい。赤色、緑色、青色発光ダイオードは、有機発光ダイオードであってもよい。しかし、十分な空間コヒーレンスを有する非レーザ光源(例えば、発光ダイオード、OLED、冷陰極蛍光ランプ)はレーザ光源よりも望ましい。レーザ光源には、ホログラフィック再構成におけるレーザ・スペックルを引き起こしたり、相対的に高価であったり、ホログラフィック表示の観察者やホログラフィック・ディスプレイ装置の組立に従事している人の目に損傷を与える可能性に関する安全性の問題があったりなどの不利益がある。
エレメント130は、表示輝度を増加させるための1つ以上のプリズム光学フィルムを含んでもよい。当該光学フィルムには、他のものも知られているが、例えば、米国特許第5056892号明細書や米国特許第5919551号明細書に開示されている。エレメント130は、偏光光学エレメント、又は、複数の偏光光学エレメントの組を含んでもよい。
一例として、直線偏光シートがある。他の例として、他のものも知られているが、例えば、米国特許第5828488号明細書に開示されているシートのような1つの直線偏光状態で透過し、直交直線偏光状態を反射する反射偏光子がある。さらに他の例として、他のものも知られているが、例えば、米国特許第6181395号明細書に開示されているシートのような1つの円偏光状態で透過し、直交円偏光状態を反射する反射偏光子がある。エレメント130は、レンチキュラ・アレイ又はマイクロレンズ・アレイのような小型である合焦システムを含んでもよい。エレメント130は、バックライト技術の分野で知られている他の光学エレメントを含んでもよい。
エレメント130は、厚さが約数センチメートル又はそれ以下であってもよい。好適な実施形態において、エレメント130〜134は、十分なコヒーレンス光の小型の光源を提供するように、厚さがトータルで3cm未満となる。エレメント131は、赤色、緑色、青色光などの有色光の画素のようなカラーフィルタの配列を含んでもよい。しかしながら、光の有色光源が使用される場合には、カラーフィルタは、必要とされない。エレメント132はEASLMである。エレメント133はEASLMである。エレメント134は光学ビーム・スプリッタ素子である。透過光に関して、エレメント132は振幅を変調し、エレメント133は位相を変調する。EASLM132、133の近接性は、光学的損失、及び光ビーム発散から生じる画素クロストークの問題の減少を可能にする。EASLM132、133が近接する場合に、EASLMを通じた有色光のビームの非重複伝搬のより良い近似が実現されうる。小型のホログラム生成装置136を含む装置からの多少の距離のポイント135に位置する観察者は、136の方向で見る場合に三次元画像を見ることができる。
エレメント130、131、132、133、134は、例えば、全体が単一のユニタリーオブジェクトであるような構造レイヤをそれぞれ形成する固定機構、接点などの隣接エレメントが物理的に構成されるように配置される。物理的接触は直接的であってもよい。或いは、薄い膜、中間レイヤ、隣接レイヤ間のフィルムのコーティングがあれば間接的であってもよい。物理的接触は、相互のアライメント又はレジストレーションの補正を保証する小さい領域に制限されうるか、又は、大きな領域若しくはレイヤの全表面に拡張されうる。物理的接触は、小型のホログラム生成器136を形成するように発光粘着剤の使用を通じてなどの互いに接着されているレイヤによって、又は、任意の他の適切な処理(以下の製造プロセスの概要のセクションも参照)によって実現されてもよい。
EASLMが振幅変調を実行する場合には、通常の構成において、入射リード光ビームは、ビームが直線偏光シートを通過することによって直線的に偏光されるであろう。振幅変調は、光の偏光状態に影響を与える、加えられる電場において液晶の回転によって制御される。そのような装置において、EASLMからの光が他の直線偏光シートを通過すると、強度減縮を可能にし、結果としてEASLMを通過するように光の偏光状態に何らかの変化をもたらす。
EASLMが位相変調を実行する場合には、通常の構成において、入射リード光ビームは、それらが既に定義された直線偏光状態である場合を除き、ビームが直線偏光シートを通過することによって直線的に偏光されるであろう。位相変調は、光の偏光状態に影響を与える電場を加えるによって制御される。ネマチック位相液晶を用いて実装される位相変調の一例において、光軸の方向は空間的に固定されるが、複屈折は適用される電圧の関数となる。強誘電性液晶を用いて実装される位相変調の一例において、複屈折は固定されるが、光軸の方向は適用される電圧によって制御される。何れかの方法を用いて実装される位相変調において、出力ビームは、適用される電圧の関数となる入力ビームに関して位相差分を有する。位相変調を実行する液晶セルの一例として、米国特許第5973817号明細書に記載されているように、正極誘電異方性を有するネマチック液晶の逆行性のアライン・ドメインが使用されるFreederickszセル配列がある。
小型のホログラフィック・ディスプレイで使用される小型の組み立て品は、小さな分離部又は最小の分離部を用いて接続される2つのEASLMを備える。好適な実施形態において、両方のSLMは同じ数の画素を有する。2つのEASLMが観察者から等距離でないため、2つのEASLMの画素ピッチは、観察者に対して異なる距離にある影響を相殺するために若干の違い(しかし、現状はほぼ同一である。)が必要となる。第1のSLMの画素を通過した光は、第2のSLMの対応する画素を通過する。したがって、光は両方のSLMによって変調され、振幅及び位相の複素変調は独立して実現される。一例として、第1のSLMは振幅変調であり、第2のSLMは位相変調である。また、2つのSLMにおける変調特性の任意の他の組み合わせは、振幅及び位相の独立した変調を互いに容易にする可能性がある。
第1のSLMの画素を通過した光が第2のSLMの対応する画素のみを通過するように注意しなければならない。第1のSLM画素からの光が第2のSLMの非対応画素、近接画素を通過すれば、クロストークが発生するであろう。当該クロストークは、画像品質の低減を招く可能性がある。ここで、画素間のクロストークを最小化する問題への4つの可能なアプローチについて説明する。これらのアプローチがセクションBにおける実施形態に適用されてもよいことは当業者にとっては明らかであろう。
(1)第1の最も単純なアプローチは、アライン画素を有する、互いに2つのSLMを直接的に接続するか、又は、接着することである。光の伝搬の分岐を引き起こす第1のSLMの画素で回折が存在するであろう。SLM間の分離部は、第2のSLMの近接画素間でのクロストークを許容可能なレベルに維持するのに十分に薄くなければならない。一例として、10μmの画素ピッチに関して、2つのEASLMの分離部は、10〜100μmのオーダ以下である必要がある。これは、カバーガラスの厚さが1mmのオーダから成るような、従来の製造されたSLMではほとんど実現できない。それどころか、サンドイッチ構造は、SLM間の薄い分離レイヤのみで、1つのプロセスで製造される方がより望ましい。製造プロセスの概要のセクションで概説される製造アプローチは、短い距離又は最小距離で分離される2つのEASLMを含む装置を製造するために適用されることができる。
図14は、二次元モデルで、スリット10μm幅からの回折、スリットからの種々の距離における計算されたフレネル回折プロファイルを示す。ここで縦軸にスリット(z)を示し、横軸にスリット(x)を示す。同様の照明のスリットは、0ミクロンに等しいzで、x軸で−5μmと+5μmとの間に位置付けられる。透過媒体は1.5の屈折率を有する。これは小型の装置で使用されるであろう媒体の代表でありうる。光は、633nmの真空波長での赤色光でとられている。緑色光及び青色光の波長は、赤色光より短い波長を有し、これにより、最短回折を示す赤色光における計算は、三色のカラー、赤色、緑色及び青色に影響をもたらす。当該計算は、USA、マサチューセッツ州、ニーダムのParametric Technology(登録商標)Corp.によって販売されたMathcard(登録商標)ソフトウェアを用いて実行している。図15は、スリットからの距離関数のように、スリットの中心部を中心とした10μm幅内での強度の一部分を示す。スリットから20μmの距離で、図15に示すように、90%を超える大きさの強度がスリットの10μm幅内にまだ存在する。したがって、画素強度の約5%未満では、この二次元モデルにおいて、各隣接画素上で入射されるであろう。この計算は画素間をゼロバウンダリ幅として制限している。画素間の実質バウンダリ幅はゼロより大きい。したがって、実システムでは、クロストーク問題がここで計算された値よりも小さいであろう。図14において、スリットから50μmのようなスリットに近いフレネル回折プロファイルは、スリットでの最上位の強度関数にもやや近似する。したがって、スリットに近い広範囲の回折特性はない。広範囲の回折特性は、最上位の遠視野回折関数の特徴である。これは、当業者に知られているsinc二乗関数である。広範囲の回折特性は、図14のスリットから300μmの距離のケースで見てとれる。これは、回折効果が十分に近接した2つのEASLMを配置することによって制御されることを示す。近接した2つのEASLMを配置することの利益は、回折プロファイルの関数形式が遠視野の特徴から、スリットに垂直の軸に近い光を含んだより効果的な関数形式に変更することである。当該利益は、光がSLMの小さいアパーチャを通過するときに、当業者が強力で、有効で、かつ、不可避の回折効果を予期する傾向にあるように、ホログラフィにおける当業者の考え方に対抗する1つである。したがって、当業者が回折効果に起因して、結果として画素クロストークでの不可避のかつ深刻な問題となることを予期するように、当業者は互いに近接する2つのSLMを配置する気にはならないであろう。
図16は、スリットからの距離関数として、強度分布の等高線図を示す。等高線は、対数目盛でプロットされ、均等目盛ではない。10本の等高線が使用され、トータル100の強度因子範囲を対象とする。スリットから約50μm内の距離での10μmスリット幅への強度分布の大きな制限幅は明らかである。
さらに他の実施形態において、第2のEASLMでのクロストーク問題を低減するために、第1のEASLMにおける画素のアパーチャ領域は低減されうる。
(2)第2のアプローチは、図17に示すように、2つのSLM間でのレンズ・アレイを使用する。より好ましくは、レンズの数は、各SLMにおいて画素の数と同様である。2つのSLMの間隔と、レンズ・アレイの間隔とは、観察者からの距離の違いを相殺するために若干異なってもよい。図17の光束171によって示すように、各レンズは、第2のSLMのそれぞれの画素で第1のSLMの画素を画像化する。また、光束172によって示すように、クロストークを引き起こす可能性のある隣接レンズを通過する光が存在するであろう。これは、VOWに到達しないようなその強度が十分に低いか、又は、その方向性が十分に異なるかの何れかである場合に、無視することができる。
各レンズのアパーチャ数(NA:開口数)は、十分な解像度で画素を画像化するために十分に大きくなければならない。一例として、5μmの解像度では、NA≒0.2が必要となる。これは、幾可光学を仮定する場合を意味し、SLMとレンズ・アレイの間隔が10μmであれば、レンズ・アレイ間及び各SLM間の最大距離は約25μmとなる。
各SLMのいくつかの画素に対してレンズ・アレイの1つのレンズということも可能である。一例として、第1のSLMの4つの画素のグループがレンズ・アレイのレンズによって第2のSLMの4つの画素のグループに画像化されてもよい。そのようなレンズ・アレイのレンズの数は、各SLMにおける画素の数の4分の1になるであろう。これは、レンズのより高いNAを許容するため、画像化画素のより高い解像度を許容する。
(3)第3のアプローチは、できるだけ多くの第1のEASLMの画素のアパーチャを低減するためのものである。ビューの回折点から、第1のSLMの画素によって照明される第2のSLMの領域は、図18に示すように、第1のEASLMの画素のアパーチャ幅D、及び、回折角度によって決定される。図18において、dは2つのEASLM間の距離であり、wは、ゼロオーダ最大値の何れか一方の側を占める、2つの1次オーダ回折最小値間の距離である。これは、Fraunhofer回折、又は、Fraunhofer回折への理想的な近似を想定している。
一方で、アパーチャ幅Dが減少することは、図18の破線によって示されるように、照明領域の中心部において直接的な投影領域を減少させることになる。他方で、回折角度は、1/DのFraunhofer回折に比例するように増加する。これは、第2のEASLM上の照明領域の幅wが増加することを示す。照明領域はトータル幅wを有する。Fraunhofer回折レイジームにおいて、Dは、Fraunhofer回折において2つの1次オーダ最小値間の距離から得られる方程式w=D+2dλ/Dを用いて、所定の区間dでwを最小化するように、決定されてもよい。
例えば、λが0.5μmで、dが100μmで、wが20μmであれば、10μmのDにおけるDの最小値が得られる。本例は、Fraunhoferレイジームが本例で有効な近似でない場合において、Fraunhofer回折レイジームにおいて回折処理を制御するために、EASLM間の距離を用いることの原理について説明する。
(4)第4のアプローチは、第2のSLMの画素に第1のSLMの画素を画像化するために光ファイバ・フェースプレートを使用する。光ファイバ・フェースプレートは、2D配列の平行な光ファイバから成る。ファイバの長さ、つまり、フェースプレートの厚さは、通常、数ミリメータであり、プレートの面に渡るダイアログの長さは最大で数インチとなる。一例として、ファイバの間隔は、6μmであってもよい。そのようなファイバ間隔を有する光ファイバ・フェースプレートは、USA、ニュージャージ州、バーリントンのEdmund Optic Incによって販売されている。各ファイバは、一方の端部から他方の端部に光りを導く。したがって、フェースプレートの一方の側上の画像は、高解像度で、かつ、合焦エレメントなしで他方の側に転送される。そのようなフェースプレートは、図19に示すように、2つのSLM間で分離レイヤとして使用されうる。マルチモードファイバは、シングルモードファイバよりも望ましい。ファイバのコアの屈折率が液晶の屈折率に一致すると、フレネル後方反射損失を最小化するように、カップリング効率が最適になる。
2つのSLM間に追加のカバーガラスは必要ない。偏光レイヤ、電極レイヤ及びアライメント・レイヤは、光ファイバ・フェースプレートに直接取り付けられる。それらの各レイヤは、非常に薄く、即ち、1〜10μmのオーダとなる。したがって、液晶(LC)レイヤLC1、LC2は、フェースプレートと接近している。第1のSLMの画素を通過した光は、第2のSLMのそれぞれの画素に導かれる。これは、近接画素に対するクロストークを最小化する。フェースプレートは、第1のSLMの出力を第2のSLMの入力に配光する。平均して、画素当たり少なくとも1つのファイバが存在するべきである。平均して画素当たり1つのファイバより少なければ、SLMの解像度が損失し、ホログラフィック・ディスプレイのアプリケーションに見せる画像の品質が低減するであろう。
図19において、第1のSLMは振幅を変調し、第2のSLMは位相を変調する。2つのEASLMの組み合わせでフル複素変調を容易にする他の変調特性の可能性がある。
ホログラムにおける振幅及び位相情報をエンコーディングするための小型の配列の一例を図10に示す。104は、平面領域への照明を提供するための照明装置である。当該照明は、三次元画像の生成を導くことができるように、十分なコヒーレンスを有する。特許文献3には、広域ビデオ・ホログラムの場合の照明装置の一例が開示されている。104のような装置は、光を照射する冷陰極蛍光ランプ、又は、白色発光ダイオードのような白色光源の配列の形式をとってもよい。これらの光の照射は、レンチキュラ・アレイ又はマイクロレンズ・アレイのような小型である合焦システムでの入射となる。或いは、104における光源は、十分なコヒーレンスの光を発光する、赤色、緑色及び青色レーザ、又は、赤色、緑色及び青色発光ダイオードを含んでもよい。しかしながら、十分な空間コヒーレンスを有する非レーザ光源(例えば、OLED、冷陰極蛍光ランプ)はレーザ光源よりも望ましい。レーザ光源は、ホログラフィック再構成においてレーザ・スペックルを引き起こしたり、相対的に高価であったり、ホログラフィック表示の観察者やホログラフィック・ディスプレイ装置の組立に従事している人の目に損傷を与える可能性に関する安全性の問題があったりなどの不利益がある。
エレメント104は、表示輝度を増加させるための1つ以上のプリズム光学フィルムを含んでもよい。当該光学フィルムには、他のものも知られているが、例えば、米国特許5056892号明細書や米国特許5919551号明細書に開示されている。エレメント104は、偏光光学エレメント、又は、複数の偏光光学エレメントの組を含んでもよい。一例として、直線偏光シートがある。他の例として、他のものも知られているが、例えば、米国特許5828488号明細書に開示されているシートのような1つの直線偏光状態で透過し、直交直線偏光状態を反射する反射偏光子がある。さらに他の例として、他のものも知られているが、例えば、米国特許6181395号明細書に開示されているシートのような1つの円偏光状態で透過し、直交円偏光状態を反射する反射偏光子がある。エレメント104は、バックライト技術の分野で知られている他の光学エレメントを含んでもよい。
エレメント104、100〜103は、トータルで厚さが約数センチメートル又はそれ以下であってもよい。エレメント101は、エレメント102に向けて照射される赤色、緑色、青色光などの有色光の画素のようなカラーフィルタの配列を含んでもよい。しかしながら、光の有色光源が使用される場合には、カラーフィルタは、必要とされない。エレメント102は、Freederickszセルなどの位相情報をエンコーディングするEASLMである。エレメント103は、従来の市販の液晶ディスプレイ装置などの振幅情報をエンコーディングするEASLMである。ここで107によって示すエレメント102の各セルは、ここで108によって示すエレメント103の対応するセルと一致する。しかしながら、エレメント102、103におけるセルは、同様の側部の空間又は間隔を有するが、エレメント102のセルは、エレメント103のセルのサイズより小さいか、又は、同様のサイズである。これは、発光セル107が、通常、エレメント103のセル108に入力する前に、いくつかの回折を受けるためである。振幅及び位相がエンコーディングされるオーダは、図10に示すものから反転されてもよい。
小型のホログラム生成器105を含む装置からいくらかの距離のポイント106に位置する観察者は、105の方向を見る場合に三次元画像を見ることができる。エレメント104、100、101、102、103は、小型のホログラム生成器105を生成するように、上述するように物理的に接触して構成されてもよい。
<E.オブジェクトのホログラフィック再構成機能を有する、OLED及びOASLMの組み合わせの1つ若しくは2つの組、又は、1つ若しくは2つのEASLMの小型の組み合わせを内蔵する高倍率三次元画像ディスプレイ装置コンポーネント>
図24にオブジェクトのホログラフィック再構成機能を有する、OLED及びOASLMの組み合わせの1つ若しくは2つの組、又は、1つ若しくは2つのEASLMの小型の組み合わせを内蔵する高倍率三次元画像ディスプレイ装置コンポーネントを示す。装置コンポーネントは、SLMとコヒーレンスの小型の光源との小型の組み合わせ(上述したセクションA,B,C,Dなど)を含む。この小型の組み合わせは、適切な照明条件の下でVOW(図24のOWで示す)で見られる三次元画像を生成することができる。装置コンポーネントは、例えば、PDA又は移動電話機に内蔵されうる。SLMとコヒーレンスの小型の光源との小型の組み合わせは、図24に示すように、光源の配列、SLM、及びレンズ・アレイを備える。図24において、SLMは、OLED及びOASLMの組み合わせの1つ若しくは2つの組又は1つ若しくは2つのEASLMの小型の組み合わせ、又は、OLED及びOASLMと1つのEASLMとの1つの小型の組を内蔵する。
単純な例によれば、光源アレイは以下のように形成されうる。単色のLEDのような単一の光源は、アパーチャが照明されるようにアパーチャ・アレイに隣接して配置される。アパーチャがスリットの一次元配列であれば、スリットによって透過される光は光源の一次元配列を形成する。アパーチャがサークルの二次元配列であれば、サークルの照明セットは光源の二次元配列を形成する。通常のアパーチャ幅は約20μmとなる。そのような光源アレイは1つの目に対するVWの生成に適している。
図24において、光源アレイはレンズ・アレイから距離uに位置している。当該光源アレイは図1のエレメント10の光源アレイであってもよいし、オプションとして図1のエレメント11を内蔵してもよい。正確には、光源アレイの各光源は、レンズ・アレイの対応するレンズから距離uに位置付けられる。光源アレイの平面及びレンズ・アレイの平面は、好適な実施形態において、平行となる。SLMは、レンズ・アレイの何れか一方の側に配置されてもよい。VOWはレンズ・アレイから距離vに位置する。レンズ・アレイのレンズは、1/[1/u+1/v]によって与えられる焦点距離fでの被覆レンズである。好適な実施形態において、vは、300mmから600mmの範囲である。特に好適な実施形態では、vは約400mmである。好適な実施形態において、uは10mmから30mmの範囲である。特定の好適な実施形態では、uは約20mmとなる。拡大係数Mはv/uによって与えられる。Mは、SLMによって変調される光源がVOWにおいて拡大されるときの係数となる。好適な実施形態において、Mは10から60の範囲となる。特定の好適な実施形態では、Mは約20となる。良いホログラフィック画像品質を有するそのような拡大係数を実現することは、光源アレイとレンズ・アレイの正確なアライメントを必要とする。コンポーネントの動作寿命の間、上記正確なアライメントを維持するとともに、光源アレイとレンズ・アレイとの間で同一の距離を維持するために装置コンポーネントの有意な機械的安定性が必要とされる。
VOWはトラッキング可能であっても、トラッキング不可能であってもよい。VOWがトラッキング可能であり、VOWの要求位置に依存する場合、光源アレイの特定の光源が作動される。作動された光源は、SLMを照明し、レンズ・アレイによる観察者平面に画像化される。レンズ・アレイのレンズ当たり少なくとも1つの光源が光源アレイにおいて作動される。トラッキングは準連続である。uが20mmで、vが400mmであれば、VOWは画素ピッチが20μmである場合に400μmの側方増加でトラッキングされうる。このトラッキングは準連続となる。uが20mmで、vが400mmであれば、fは、約19mmとなる。
光源アレイの光源は、空間コヒーレンスの一部分のみを有してもよい。一部分のコヒーレンスはオブジェクト点の汚染された再構成に繋がる。uが20mmで、vが400mmであれば、光源幅が20μmである場合に、ディスプレイから100mmの距離でのオブジェクト点は100μmの側方汚染を有して再構成される。これは、人間の視覚システムの分解能において十分満足するものである。
レンズ・アレイの異なるレンズを通過する光の間では、相互に有意なコヒーレンスである必要はない。コヒーレンス要件は、レンズ・アレイの各単一のレンズに制限される。したがって、再構成されたオブジェクト点の解像度はレンズ・アレイの間隔によって決定される。通常のレンズ間隔は、人間の視覚システムに対して十分な解像度を保証するために1mmのオーダとなろう。
VOWは、SLMにおいてエンコーディングされる情報のフーリエ・スペクトラムの1つの回折オーダに制限される。500nmの波長で、SLMの画素ピッチが10μmであって2つの画素が1つの複素数をエンコーディングすることを必要とする場合、つまり、位相変調EASLMでの2位相エンコーディングが使用される場合には、VOWは10mmの幅を有する。VOWは、空間多重化又は時間多重化によるVOWのタイル化によって拡大されてもよい。空間多重化の場合にはビーム・スプリッタなどの追加の光学エレメントが必要とされる。本実施形態に実装されうる多重化のいくつかのアプローチは、上記セクションCで説明している。
カラー・ホログラフィック再構成は、時間多重化によって実現されうる。カラーOLEDディスプレイの赤色、緑色、青色画素は、赤色、緑色、青色光波長に対して計算されたホログラムでSLMの同期再エンコーディングを伴って、連続的に作動される。
装置コンポーネントが一部を形成するディスプレイは、観察者の目の位置を検知する目位置検出器を備えてもよい。目位置検出器は、光源アレイ内で光源の作動を制御する制御部に接続される。
SLMでエンコーディングされるホログラムの計算は、高い計算能力が必要であれば外部のエンコーディング部で実行されることが望ましい。表示データは、ホログラフィック的に生成された三次元画像の表示を可能とするために、その後、PDA又は移動電話機に送信される。
実際の例として、日本の画像デバイスの企業である三洋(登録商標)、エプソン(登録商標)によって製造されている2.6インチ・スクリーン・ダイアログ・XGA・LCD・EASLMが使用されてもよい。当該サブ画素の間隔は17μmである。当該装置が、ホログラムの振幅変調エンコーディングを有するRGBホログラフィック・ディスプレイで使用されれば、EASLMから0.4mの距離での観察ウィンドウは、直径1.3mmになるように計算される。カラーの場合、観察ウィンドウは直径4mmになるように計算される。同一の構成が使用され、かつ、2位相エンコーディングでの位相変調が実装される場合、観察ウィンドウは直径6mmになるように計算される。また、同一の構成が使用され、かつ、Kinoformエンコーディングでの位相変調が実装される場合、観察ウィンドウは直径12mmになるように計算される。
他の例の高解像度EASLMが存在する。日本の企業のセイコー(登録商標)、エプソン(登録商標)が、15μmの画素ピッチで、D4:L3D13U−1.3インチ・スクリーン・ダイアログ・パネルなどのモノクロEASLMをリリースしている。また、10μmの画素ピッチで、0.7インチのスクリーン・ダイアログ長を有する同様のパネル・ファミリにおいてD5:L3D09U−61G00パネルもリリースしている。また、2006年12月12日において、8.5μmの画素ピッチで、0.7インチのスクリーン・ダイアログ長を有する同様のパネル・ファミリにおいてL3D07U−81G00パネルのリリースも発表されている。D4:L3D13U−1.3インチパネルが、ホログラムのBurckhardt振幅変調エンコーディングを有するモノクロホログラフィック・ディスプレイの構成に使用されれば、EASLMから0.4mの距離で、VW(観察ウィンドウ)は直径5.6mmになるように計算される。
<F.オブジェクトのホログラフィック再構成機能を有する、OLED及びOASLMの組み合わせの1つ若しくは2つの組、又は、1つ若しくは2つのEASLMの小型の組み合わせを内蔵する三次元画像ディスプレイ装置>
オブジェクトのホログラフィック再構成機能を有する、OLED及びOASLMの組み合わせの1つ若しくは2つの組、又は、1つ若しくは2つのEASLMの小型の組み合わせは、ハンドヘルド三次元ディスプレイ装置、又は、組み合わせが非常に小型である場合のより大型の三次元ディスプレイ装置に使用されることが望ましい。当該組み合わせは、移動電話機、衛星ナビゲーション装置、自動車ディスプレイ、コンピュータゲーム装置、携帯情報端末(PDA)、ラップトップ・コンピュータ・ディスプレイ、デスクトップ・コンピュータ・モニタ、又は、薄型テレビディスプレイなどに組み込まれてもよい。そのような三次元ディスプレイは、単一のユーザのみに対してであることが望ましい。当該ユーザは、装置の発光面とほぼ垂直に位置し、かつ、装置から約500mmの距離などで実現される最適表示における装置からの距離に位置する。例えば、国際公開第01/96941号パンフレットに記載されているように、最適表示条件を実現するように、ユーザが無意識に手で装置の方向を合わせる傾向にあることが知られている。したがって、そのような装置において、ユーザの視線追跡や、例えば、走査ミラーを含む複雑で大がかりな光のトラッキングを行う必要がない。しかし、機器や電力に対する追加要件が過剰な負担を強いらなければ、視線追跡がそのようなデバイスに実装されてもよい。
オブジェクトのホログラフィック再構成機能を有する、OLED及びOASLMの組み合わせの1つ若しくは2つの組、又は、1つ若しくは2つのEASLMの小型の組み合わせを内蔵する衛星ナビゲーション三次元画像ディスプレイ装置は、以下に記載する利点を含む。ドライバが、次の交差点で行なわれるべき操縦などの、二次元画像情報よりも好ましいルート情報の三次元画像を見いだすことができる。三次元画像はドライバがドライブ中により詳細に理解することができる。メニューアイコンなどのディスプレイ上の他の情報が三次元で表示されてもよい。ディスプレイ上のいくつかの又は全ての情報が三次元で表示されてもよい。
オブジェクトのホログラフィック再構成機能を有する、OLED及びOASLMの組み合わせの1つ若しくは2つの組、又は、1つ若しくは2つのEASLMの小型の組み合わせを内蔵する自動車三次元画像ディスプレイ装置は、以下に記載する利点を含む。装置は、バック操縦中又は車よりあまり広くない幅の若しくは狭い開口部を通り抜けようとする間、壁などの車に近いオブジェクトの近くで、車のバンパ(フェンダ)の三次元画像などの三次元情報を直接表示することができる。当該開口部が車の幅よりも狭い場合には、三次元画像ディスプレイ装置は、車が開口部を通れないことをドライバに認識させることを助けることができる。三次元画像は、車内又は車上に取り付けられたセンサからの情報を用いて構成されうる。速度、温度、分当たりのエンジンの回転数又は表示される既知の他の情報などの、他の車情報がディスプレイ上に三次元で表示されてもよい。衛星ナビゲーション情報がディスプレイ上に三次元で表示されてもよい。ディスプレイ上のいくつかの又は全ての情報が三次元で表示されてもよい。
出力ウィンドウのサイズは、フーリエ平面における回折パターンの周期間隔によって制限される。OLEDディスプレイ又はEASLMの画素ピッチが約10μmであれば、波長500nmの可視光において、仮想観察者ウィンドウ(VOW)の幅は、ホログラムに対するSLMを使用したエンコーディングに依存して、500mmの距離で約10mmから25mmとなる。これは1つの目に対して十分な幅である。他の目に対する第2VOWは、空間光変調器のコンテンツの空間又は時間多重化によって作成されてもよい。トラッキングが無い場合には、最適三次元画像を見るために、観察者は、自身の目がVOWにおいて装置から最適な距離に位置するように、装置及び/又は自身の方向を合わせ、かつ、移動させなければならい。
ディスプレイ装置の位置及び方向性の調整処理は、いくつかのVOWのタイル化によってより容易になされる。2つ又は3つのVOWは、大きな領域がVOWによってカバーされるようにx方向及びy方向に並列される。タイル化は、空間多重化若しくは時間多重化、又は、それらの組み合わせによって実行されうる。
時間多重化において、光は、時系列にVOWへ投影される。複数のVOWが異なる内容であれば、空間光変調器は再エンコーディングされるべきである。空間多重化において、異なるVOWに対する内容は、同時にではあるが空間光変調器の異なる領域において、空間光変調器でエンコーディングされる。ビーム・スプリッタは、空間光変調器の異なる領域から異なるVOWへの光を分割することができる。空間及び時間多重化の組み合わせが使用されてもよい。
移動電話機又はPDAに使用されるハンドヘルド三次元画像ディスプレイの通常のスクリーン・ダイアログ・サイズは、1インチから数インチの範囲である。ホログラフィック・サブディスプレイは、1cm程の小さいスクリーン・ダイアログを有することができる。
三次元画像ディスプレイ装置は、観察者の両目のそれぞれに同一の画像を表示することによって、二次元画像の表示に切り替えられてもよい。
図3は、OLEDとOASLMとの組み合わせの1つ若しくは2つの組、又は、1つ若しくは2つのEASLM、の小型の組み合わせを内蔵する三次元画像ディスプレイ装置の実施形態を示す。図3の装置は、適当な同様の装置を有する相手方の三次元ビデオ画像がスクリーン領域31に表示されている間に、電話呼を扱うことができる移動電話機30を示す。移動電話機30は、移動通信用のアンテナ32を備える。他の実施形態において、アンテナは、移動電話機30の本体内に実装されてもよい。移動電話機30は、ユーザのそれぞれの右目及び左目のビューを記録する2つのカメラ33、34を備える。右目及び左目のビューは、立体的な画像データを含む。移動電話機30は、数字用及び"*"や"#"の記号用のキー35と、表示上のメニューにおける移動キー、バックスペースキー又は装置の電源ON/OFFキーのような他の機能用のキー36とを備える。"ON"、"OFF"、"2"のようなキー上に設けられるラベルは、装置が逆さまで使用されることを防止する。これは、三次元ビデオ電話呼における両側において、相手側が逆さまに写ることを防ぐ。使用する際には、2つの観察者の目と2つのカメラ33、34とが同一平面上に存在することが望ましく、ユーザの顔は、スクリーン領域31に対してほぼ垂直に位置することが望ましい。これは、2つのカメラ33、34が観察者の目を含む平面における視差を記録することを保証する。ディスプレイに対して観察者の頭の最適な観察位置は、2つのカメラ33、34が観察者の頭の当該位置において最適な画像品質を得るように予め定められている。三次元ビデオ電話呼においては相手側にとっても同様であり、両方の側は、最適な画像品質を有する双方向の三次元ビデオ電話呼に携わることができる。各観察者が自身の顔を正確にカメラ33、34に向けるために、それぞれの目における仮想観察者ウィンドウがそれぞれの目よりもそれほど大きくないことを保証することが望ましい。これは、各カメラ方向の位置誤りや方向誤りにおける観察者の範囲を制限することになるであろう。撮像するオブジェクトに装置を向けることによって、当該装置は、オブジェクトの三次元写真を撮ることができる。或いは、装置スクリーン上の小さなアイコンを用いて装置の最適な方向に到達するようにユーザをガイドしてもよい。装置は、また視標トラッキング部を備えてもよい。ここで説明した装置のフォーマット及び使用法は、ホログラフ的に、自動立体的に、又は、任意の他の方法によって三次元画像を生成する装置に使用されうる。
双方向の三次元ビデオ電話呼の実行中において、カメラ33、34は、ユーザの右目及び左目のビューをそれぞれ記録する。それらのビューから得られるデータは、三次元ビデオ電話呼における相手側によって保持されている対応する装置に三次元ビデオ画像を構成するために使用される。三次元画像が自動立体的に生成される場合、カメラ33、34からのビューは、自動立体ディスプレイにおいて2つの目の画像を生成するために直接使用される。また、三次元画像がホログラフ的に生成される場合は、カメラ33、34からのビューを含むデータは、例えばコンピュータ生成ホログラムを利用することによって、1つ又は2つのSLM上でホログラフィックデータの適切なエンコーディングを許可するように処理される。三次元画像がホログラフ的に生成される場合は、三次元ディスプレイはホログラフィック・ディスプレイとなる。ホログラフィック・ディスプレイは、自動立体ディスプレイと対比して、十分な深さ情報、即ち、調整(焦点調整)と視差との情報を提供する。ホログラフィック・ディスプレイは、オブジェクトのホログラフィック再構成を与える。つまり、全てのオブジェクトのホログラフィック再構成を正確な深さに向ける。
ここで説明するハンドヘルド三次元ディスプレイにおけるアプリケーションは、双方向の三次元ビデオ電話呼を扱う機能を含む。さらに他のアプリケーションは、例えば、購入に先立ってアイテムを見るために、又は、オブジェクトの損傷を調べるために、オブジェクトの三次元ビュー、又は、電話呼において相手側による映像を見せる機能を含む。さらに他のアプリケーションは、三次元ビューによって容易にされうる個体のアイデンティティを確認する機能を含む。双子や変装した人などの外見が非常に似ている個体間を区別する機能が三次元ビューによって容易に実現される。さらに他のアプリケーションは、結婚相談所内などの、三次元ビューによって決断が容易にされるように、より詳細な内容を得るためにビューで個体を見せる機能を含む。さらに他のアプリケーションは、観察者が二次元ビューより三次元ビューを好むような、三次元での大人向けのコンテンツを見せる機能を含む。
異なる個体では彼らの目の間の距離も異なる。一実施形態において、オブジェクトのホログラフィック再構成を行う三次元ディスプレイ装置は、投影された左目及び右目の各仮想観察者ウィンドウ間の距離をディスプレイのユーザが変更することを可能にするメニューオプションを有する。メニューオプションの選択中に、ユーザは仮想観察者ウィンドウ間の間隔を増加させるか、又は、減少させるために装置のキーパッド上のキーを押下する。ディスプレイを見ながら、かつ、三次元画像のビューを探しながら上記動作が行われた場合、仮想観察者ウィンドウ間の間隔は、観察者が感知可能な最上の三次元画像を見るように選択されうる。その後、選択された距離は、ユーザ選択として保存されてもよい。装置が複数の人に使用される場合には、当該装置に複数のユーザ選択が保存されてもよい。たとえ装置が観察者の目の位置を独立にトラッキングする能力を有する場合であっても、ユーザが、より好ましい仮想観察者ウィンドウ間の正確な距離を選択する際にトラッキング・ソフトウェアよりも良い選択を行うことができるように、そのようなメニューオプションが実装されてもよい。それぞれの目の間の距離が固定パラメータになった後にそのような選択が行われると、精度の低い位置決定が観察者の目に対して必要とされれば、トラッキング速度が上げられてもよい。また、2つの仮想観察者ウィンドウ間のより好ましい距離を選択できることは、左目及び右目の間の距離が装置のハードウェアによって固定される傾向にある自動立体システムを上回る利益を与える。
<G.OLED及びOASLM組み合わせの1つ若しくは2つの組の、又は、1つ若しくは2つのEASLMの、小型の組み合わせを内蔵する2D−プロジェクタ>
多数のVOWに光を投影する代わりに、上述したセクションF.のように、装置からの光は、スクリーン、壁、又は、いくつかの他の面に投影されてもよい。このように、移動電話機、PDA、又はいくつかの他の装置において三次元ディスプレイ装置は、ポケット・プロジェクタとしても利用されうる。
ホログラフィック投影の改善された品質は、入射光の振幅及び位相を変調するSLMを使用することによって得られてもよい。このように、複素値ホログラムがSLMでエンコーディングされ、結果としてスクリーンや壁に再構成される画像のより良い品質を得ることができる。
前のセクションで説明したOLED及びOASLM組み合わせの1つ若しくは2つの組の、又は、1つ若しくは2つのEASLMの、小型の組み合わせは、プロジェクタにおいてSLMとして使用されうる。上記組み合わせの小型のサイズに起因して、プロジェクタも小型になるであろう。プロジェクタは、移動電話機、PDA、又はいくつかの他の装置と同様の装置である。したがって、"三次元表示"モードと、"プロジェクタ"モードとの間で切り替えられてもよい。
従来の2Dプロジェクタと比較して、ホログラフィック2Dプロジェクタは、投影レンズを必要とせず、光学遠視野における全ての距離で投影画像の焦点が合わせられるという利益を有する。国際公開第2005/059881号パンフレットに開示されているように、先行技術のホログラフィック2Dプロジェクタは、単一のSLMを使用するため、複素変調の能力がない。一方、ここで説明したホログラフィック2Dプロジェクタは、複素変調の能力を有し、それにより優れた画像品質を得ることができる。
<H.赤外OLEDディスプレイ及びOASLMの1つ若しくは2つの小型の組み合わせを使用する自動立体ディスプレイ又はホログラフィック・ディスプレイ>
赤外OLEDディスプレイ及びOASLMの小型の組み合わせ(例えば、セクションAで説明した)自動立体ディスプレイ(ASD)にも使用され、より好ましくは移動電話機やPDAにおけるハンドヘルドASDに使用されうる。通常の観察者にとっては、ASDはホログラフィック・ディスプレイのように快適に見ることはできないが、ASDは、いくつかの状況において、ホログラフィック・ディスプレイよりも、画像データを加工したり、供給したりすることがより安価で容易に実現することができる。ASDは、いくつかの表示ゾーンを提供し、これにより、各表示ゾーンは3Dシーンの異なる透視ビューを見せる。自身のそれぞれの目が異なる表示ゾーンにある場合に、観察者は立体的な画像を見る。ASDとホログラフィとの差分について、ASDが2つの平面画像を提供する一方で、ホログラフィは3Dシーンにおいて各オブジェクト点のZ情報も提供する。
通常、ASDは、ディスプレイ上の表示ゾーンの空間多重化と、ビーム・スプリッタのエレメント、例えば、レンチキュラ、バリア・マスク又はプリズム・マスクの使用とに基づく。バリア・マスクは「視差バリア」とも称する。ASDに関する不利益な点は、各表示ゾーンにおける解像度が、通常、表示ゾーンの数に反比例して減少することである。しかし、この不利益は、上述したように、ASDが有する利益によって相殺されうる。
赤外OLEDディスプレイ及び振幅変調OASLM(例えば、セクションAで説明したような)の小型の組み合わせは、高解像度での振幅変調ディスプレイとして使用されうる。赤外OLEDディスプレイ及び振幅変調OASLMの小型の組み合わせがビーム・スプリッタ・エレメントとともに組み合わされる場合に、高解像度ASDが構成されうる。小型の組み合わせの高解像度は、空間多重化に伴って解像度の損失を相殺することができる。
1つ以上の追加のOLEDを有する、ASD用の1つ以上のOLEDアレイ及び1つ以上のOASLMの小型の組み合わせ(例えば、セクションA及びBで説明したような)を使用することの利益は、非パターン化OASLMである。ビーム・スプリッタ及びOLEDアレイを備えるASDは、例えばビーム・スプリッタの周期とOLEDの周期との間のモアレ効果のようなパターン化OLEDに起因した副作用を有する。これに対して、小型の組み合わせのOASLMにおける情報は、連続的であり、ビーム・スプリッタの周期のみであり、周期ベースの副作用は発生しない。
ASDの光源は、LED、レーザ、OLED又はCCFLなどの1つ以上の光源であってもよい。当該光源はコヒーレントである必要はない。白色光源を使用する場合は、赤色フィルタ、緑色フィルタ、及び青色フィルタのようなカラーフィルタのレイヤは、光源と、発光ディスプレイ及び振幅変調OASLの小型の組み合わせと、の間でASDがカラー画像を表示する場合に必要とされるであろう。
赤外OLEDディスプレイ及び振幅変調OASLM(例えば、セクションAで説明したような)の小型の組み合わせは、ホログラフィック・ディスプレイにも使用され、より好ましくは移動電話機やPDAにおいてハンドヘルド・ディスプレイとして使用されうる。ここで、ホログラフィック・ディスプレイは、ディスプレイ上の表示ゾーンの空間多重化と、ビーム・スプリッタのエレメント、例えば、レンチキュラ、バリア・マスク又はプリズム・マスクの使用とに基づく。バリア・マスクは「視差バリア」とも称する。赤外OLEDディスプレイ及びOASLM(例えば、セクションAで説明したような)の小型の組み合わせは、高解像度でのホログラフィック・ディスプレイとして使用されうる。赤外OLEDディスプレイ及び振幅変調OASLMの小型の組み合わせがビーム・スプリッタ・エレメントとともに組み合わされる場合に、高解像度ホログラフィック・ディスプレイが構成されうる。この小型の組み合わせの高解像度は、空間多重化に伴って解像度の損失を相殺することができる。他の実施形態において、OLEDアレイ及びOASLMの小型の組み合わせの2つの組における組み合わせは、セクションBに示したように、順々にコンパクトな方法で光の振幅及び位相を変調することに使用されうる。このように、振幅及び位相から成る複素数は、画素単位ごとに照射された光にエンコーディングされうる。OLEDアレイ及び振幅変調OASLMの小型の2つの組における組み合わせがビーム・スプリッタ・エレメントとともに組み合わされる場合に、高解像度ホログラフィック・ディスプレイが構成されうる。この小型の組み合わせの高解像度は、空間多重化に伴って解像度の損失を相殺することができる。ビーム・スプリッタ・エレメントを有するホログラフィック・ディスプレイは、いくつかの表示ゾーンを提供してもよく、これにより、各表示ゾーンは3Dシーンの異なる透視ビューを見せる。自身のそれぞれの目が異なる表示ゾーンにある場合に、観察者は立体的な画像を見る。
<I.三次元通信に必要とされるデータ処理システム>
図22は、三次元通信に必要とされるデータ処理システムの概略図を示す。図22において、パーティ220は、他のパーティ221と三次元通信を行っている。画像の構成に使用されるカメラデータは、図3に示す移動電話機30を用いて、又は、同様の機能を有するいくつかの装置によって収集される。三次元画像ディスプレイにおけるデータ処理は、移動電話機30若しくは同等の装置であるパーティ220の装置によって、又は、他のパーティ221の装置によって実行されてもよいが、2つの移動電話機の間の送信ネットワークに配置される中間システム224によって実行されることが望ましい。送信ネットワークは、第1リンク222、中間システム224、及び第2リンク223を備える。2つのリンク222、223は、無線リンクでも有線リンクでもよい。中間システム224は、コンピュータ生成ホログラムや自動立体画像のような三次元画像の表示を可能とする演算を実行するコンピュータを備える。演算を実行するために、2つの移動電話機の間の送信ネットワークにおいてコンピュータを使用することが望ましい。このように演算することにより、移動電話機のバッテリ電源を使用することなく、むしろ電力を維持することができる。送信ネットワークに配置されるコンピュータは、同時に多数の三次元ビデオ電話呼に関する画像処理を実行するために使用されてもよい。これは、未使用の計算処理電力量を低減することなどのように、より効率的にコンピュータ資源の利用を可能にする。計算処理電力に関する要件が低減する場合には、移動電話機又は同等の装置の重量も低減されるであろう。これは、より少ないコンピュータ回路及びメモリのみを必要とするからであり、コンピュータ的に処理負荷の高い演算が送信ネットワークに配置されるコンピュータによって実行されるためである。最後に、演算を実行するソフトウェアは、送信ネットワークに配置されるコンピュータにインストールされることのみが必要とされ、移動電話機や同等の装置にインストールされる必要はない。これは、移動電話機におけるメモリ要件やソフトウェアの著作権侵害を低減するとともに、ソフトウェアコードにおける任意の産業機密の保護を改善するであろう。三次元画像ディスプレイに必要とされる演算の大部分が中間システム224によって実行される一方で、いくつかの画像演算はデータ送信の前にユーザ装置によって実行される可能性がある。2つのカメラが完全に類似しているならば、2つの画像が第1画像と差分画像として送信される場合にデータ送信は容易に行われる。ここで、差分画像とは、例えばデータ送信を容易にするデータ圧縮技術により簡単に役立つような、2つの画像の差分を示す。同様に、三次元画像ディスプレイ装置は、圧縮画像データの解凍のようないくつかの画像演算を実行してもよい。
図22のシステムの一実施形態によれば、立体画像の組を形成する第1画像及び第2画像は、ユーザ220の装置によって、リンク222を介して中間装置224に送信される。送信される第2画像は、2つの立体画像の差分画像となる。この差分画像は、通常、完全な画像のデータよりも少ないデータを必要とするであろう。三次元電話による通話が進行中である場合に、第1画像は、現在の画像と、1ステップ前の画像との差分としてそれ自身で表されてもよい。同様に、第2画像は、現在の画像と、1ステップ前の画像との差分として表されてもよい。続いて、中間装置224は、既知の技術で二次元(2D)と三次元(3D)との画像の変換に関する演算手順を用いて、対応する深さマップとともに2D画像を受信したデータから演算する。カラー画像の場合には、三原色における3つのコンポーネントの2D画像が、それらに対応する深さマップとともに必要とされる。その後、2D画像に対応するデータ及び深さマップは、ユーザ221の装置にリンク223を介して送信される。ユーザ221の装置は、受信した2D画像及び深さマップに基づいて、小型の三次元ディスプレイ装置においてホログラムをエンコーディングする。伝送帯域幅の使用を効率的にするために、本システム内で送信されるデータは、受信装置によって実行される対応する解凍処理とともに、既知の圧縮手順に従ってもよい。より効果的な使用されるべきデータ圧縮量は、データ圧縮又は解凍を実行するために移動電話機のバッテリから必要となる電力と、データ圧縮の使用が少ない場合に必要とされる帯域幅の使用量とのバランスをとる。
中間装置224は、自身で計算した3Dデータに適合するか試すために既知の3D形状のセットを含むライブラリにアクセスしてもよいし、入力2D画像データに適合するか試すために既知の2Dプロファイルのセットを含むライブラリにアクセスしてもよい。既知の形状に対してよい適合が見つかれば、その後2D又は3D画像が既知の形状に関連して表現されるように、演算処理の処理速度を上げてもよい。3D形状のライブラリには、一流のテニスプレーヤやサッカープレーヤなどのスポーツ界のスターのセットの顔やボディの形状や、有名なテニスコートやサッカーグラウンドなどの一流のスポーツビーナスの全ての若しくは一部の形状のようなものが提供されてもよい。例えば、人の顔の3D画像は、中間装置224がアクセスする3D画像として表現され、例えば笑顔やしかめ面のように表情に変化を加えたり、例えば保存データを得てから髪が伸びたり、髪を切ったりするように、髪の長さに変化を加えてもよい。中間装置224がアクセスするデータは、中間装置224がアクセスするデータが古くさくなったことが明らかとなるような、存在し続ける差分のセットが現れた場合に、中間装置224によって更新されてもよい。このような場合には、例えば、人の髪の長さが大幅に変化した場合や長期間にわたってそのままである場合がある。中間装置224がアクセスするレコードによい適合が見つからない2D画像や3D画像が入力された場合には、中間装置224は、新たな形状をレコードのセットに追加してもよい。
<J.2D画像コンテンツを3D画像コンテンツに引き上げるためのシステム>
三次元表示技術が広く採用されることを確保することの困難性は、歴史的に非常に少ないコンテンツが三次元フォーマットで生成され、現在のほとんどのコンテンツが二次元フォーマットで生成し続けられているという事実にある。この理由の1つは、現在使用されているほとんどの画像記憶機器が二次元画像であって、三次元画像に使用できないデータを記憶し続けているためである。さらに、観察者にとっては、現在、3Dコンテンツを要求したり、2Dコンテンツから生成された3Dコンテンツを得たりする機会が制限されている。
二次元コンテンツからの三次元コンテンツの生成をサポートするシステムは明らかに必要である。図23に1つのシステムを示すが、当業者にとっては他のシステムも明らかとなるであろう。図23において、観察者2302の家に三次元表示機器が存在したとしても、テレビ放送会社2300は二次元TV画像2304の放送を継続する。本システムにおいて、中間システム2301は、2Dコンテンツを3Dコンテンツ2305に変換する能力を有する。この変換処理は、観察者によって料金が支払われることによりサポートされてもよいし、スポンサー2303のような他のパーティによる支払いによってサポートされてもよい。図23において、スポンサー2303の広告がTV会社2300によって放送されると、スポンサー2303は、2Dコンテンツを3Dコンテンツへ変換するための既知の処理を用いて2Dコンテンツを3Dコンテンツへ変換するために、中間システム2301に料金2306を支払う。スポンサーは、観察者2302に対して、2DTV広告よりもより人目を引く3DTV広告を見せることを通じて利益を得る。或いは、観察者2302は、自身が受信しているTV放送の一部又は全てを3Dフォーマットに変換するために中間システム2301に領域を支払ってもよい。中間システム2301は、3Dコンテンツが適切な同期化フォーマットで提供されることを保証する。例えば、2D画像が対応する深さマップとともに供給される場合には、2つのデータセットが同期化方法、つまり、3Dディスプレイ装置が対応する2D画像のための深さマップを使用し、非対応2D画像では使用しない方法で提供されることを保証する。3Dディスプレイ装置は、ホログラフィック・ディスプレイ装置、自動立体画像ディスプレイ装置、又は、任意の既知の3Dディスプレイ装置であってもよい。3Dディスプレイ装置に提供されるデータは、3Dディスプレイ装置の当該タイプに対して適切であるべきである。また、上述と同様のシステムは、フィルム(映画)や、ビデオなどを供給するようなTV放送会社以外のプロバイダによって提供されるコンテンツに提供されてもよい。
代替のシステムにおいて、観察者は、2Dコンテンツを中間システムに供給し、料金を支払って、供給した2Dコンテンツの3Dバージョンを応答として受信してもよい。供給される2Dコンテンツは、ホームムービのMP3ファイルや、例えば、写真や絵などの他のビデオコンテンツ又は画像コンテンツであってもよい。
中間システムは、コンピュータ生成ホログラムのような三次元画像、又は、自動立体画像の表示を可能とする演算を実行するためのコンピュータを備えてもよい。上記演算を実行するために、2Dコンテンツの供給側と3Dコンテンツを見ることを望む観察者との間の送信ネットワークにおけるコンピュータの使用が望ましい。これは、観察者側でそのような処理を実行するよりも、より効率的である。送信ネットワークに配置されたコンピュータは、多数の2Dコンテンツを3Dコンテンツへ同時変換するための画像処理を実行するために使用されてもよい。これは、未使用の計算処理電力量を低減することなどのように、より効率的にコンピュータ資源の利用を可能にする。このように計算処理電力の要件が低減されれば、観察者の3Dディスプレイ装置におけるコストも低減される。これは、より少ないコンピュータ回路及びメモリのみを必要とするからであり、コンピュータ的に処理負荷の高い演算が送信ネットワークに配置されるコンピュータによって実行されるためである。最後に、演算を実行するソフトウェアは、送信ネットワークに配置されるコンピュータにインストールされることのみが必要とされ、観察者の3Dディスプレイ装置にインストールされる必要はない。これは、観察者の3Dディスプレイ装置におけるメモリ要件やソフトウェアの著作権侵害を低減するとともに、ソフトウェアコードにおける任意の産業機密の保護を改善するであろう。三次元画像ディスプレイに必要とされる演算の大部分が中間システムによって実行される一方で、いくつかの画像演算は観察者の3Dディスプレイ装置によって実行される可能性がある。三次元画像ディスプレイ装置は、圧縮画像データの解凍や、2D画像及びそれに対応する深さマップから空間光変調器のホログラフィック・エンコーディングの生成などのいくつかの画像演算を実行してもよい。
一実施形態において、中間システムは、既知の技術で2D画像及び3D画像との変換に関する演算手順を用いて、受信した2D画像から所定の2D画像に対応する深さマップを演算してもよい。カラー画像の場合には、三原色における3つのコンポーネントの2D画像が、それらに対応する深さマップとともに必要とされる。その後、2D画像に対応するデータ及び深さマップは、観察者の3Dディスプレイ装置に送信される。観察者の3Dディスプレイ装置は、受信した2D画像及び深さマップに基づいて、その空間光変調器において、ホログラムをエンコーディングする。伝送帯域幅の使用を効率的にするために、本システム内で送信されるデータは、受信装置によって実行される対応する解凍処理とともに、既知の圧縮手順に従ってもよい。より効果的に使用されるデータ圧縮量は、機能的に3Dディスプレイ装置にデータ解凍処理を提供するコストと、データ圧縮の使用が少ない場合に必要とされる帯域幅の使用量とのバランスをとる。
中間システムは、自身で計算した3Dデータに適合するか試すために既知の3D形状のセットについてのデータにアクセスしてもよいし、入力2D画像データに適合するか試すために既知の2Dプロファイルのセットにアクセスしてもよい。既知の形状に対してよい適合が見つかれば、その後2D又は3D画像が既知の形状に関連して表現されるように、演算処理の処理速度を上げてもよい。3D形状のライブラリには、一流のテニスプレーヤやサッカープレーヤなどのスポーツ界のスターのセットの顔やボディの形状や、有名なテニスコートやサッカーグラウンドなどの一流のスポーツビーナスの全ての若しくは一部の形状のようなものが提供されてもよい。例えば、人の顔の3D画像は、中間システムがアクセスする3D画像として表現され、例えば笑顔やしかめ面のように表情に変化を加えたり、例えば保存データを得てから髪が伸びたり、髪を切ったりするように、髪の長さに変化を加えてもよい。中間システムがアクセスするデータは、中間システムがアクセスするデータが古くさくなったことが明らかとなるような、存在し続ける差分のセットが現れた場合に、中間システムによって更新されてもよい。このような場合には、例えば、人の髪の長さが大幅に変化した場合や長期間にわたってそのままである場合がある。中間システムがアクセスするレコードによい適合が見つからない2D画像が入力された場合には、中間システムは、新たに演算した3D形状をレコードのセットに追加してもよい。
<K.オブザーバ・ウィンドウ及び2Dエンコーディングの空間多重化>
本実施形態は、2Dエンコーディングを用いて組み合わされたホログラフィック・ディスプレイの仮想観察者ウィンドウ(VOW)の空間多重化に関する。或いは、ホログラフィック・ディスプレイは、セクションA、B、C、Dで説明したようなものか、又は、任意の既知のホログラフィック・ディスプレイであってもよい。
いくつかのVOW、例えば、左目用の1つのVOW及び右目用の1つのVOWが空間的な又は時間的な多重化よって生成されることが知られている。空間多重化において、両方のVOWは、国際公開第2006/027228号パンフレットに記載されているように、同時に生成され、ビーム・スプリッタによって分割される。時間多重化において、複数のVOWは時系列的に生成される。
しかしながら、既知のホログラフィック・ディスプレイシステムには、いくつかの不利益がある。空間多重化において、使用される照明システムは、国際公開第2006/027228号パンフレットから取り上げた例えば従来技術の図4に示すように、水平方向に空間的なインコヒーレントであり、水平ラインの光源及びレンチキュラ・アレイに基づく。これは、自動立体ディスプレイから既知の技術が使用されうるという利益がある。しかしながら、水平方向のホログラフィック再構成が不可能であるという不利益がある。その代わりに、使用される、いわゆる1Dエンコーディングは、結果として垂直方向のみのホログラフィック再構成と運動視差となる。したがって、垂直焦点は再構成されたオブジェクトの平面にあるが、水平焦点はSLMの平面にある。この非点収差は、空間視覚の品質を低減する。つまり、観察者によって感知されるホログラフィック再構成の品質を低減する。同様に、時間多重化システムは、全てのディスプレイ・サイズで今のところ利用可能でない高速SLMを必要とするという不利益があり、たとえ利用可能になったとしても非常に高価であるという不利益がある。
一方で、2Dエンコーディングは水平方向及び垂直方向において同時に行なわれるホログラフィック再構成を提供する。したがって、2Dエンコーディングは、非点収差なしで形成する。非点収差は、結果として空間視覚の品質を低減する。つまり、観察者によって感知されるホログラフィック再構成の品質を低減する。よって、本実施形態の目的は、2Dエンコーディングと組み合わせてVOWの空間多重化を実現することにある。
本実施形態において、水平及び垂直の局所空間コヒーレントを有する照明システムは、光を左目VOW用と右目VOW用との光線束に分割するビーム・スプリッタと組み合わされる。これにより、ビーム・スプリッタでの回折が考慮される。ビーム・スプリッタは、プリズム・アレイ、第2レンズ・アレイ(例えば、図20に示すような静的アレイ又は可変アレイ)又はバリア・マスクであってもよい。
図25に一実施形態を示す。図25は、2D光源アレイによる光源、2Dレンズ・アレイによるレンズ、SLM及びビーム・スプリッタを備えるホログラフィック・ディスプレイの概略図である。ビーム・スプリッタは、SLMから発する光線を、左目用の仮想観察者ウィンドウ(VOWL)と右目用の仮想観察者ウィンドウ(VOWR)とをそれぞれ照明する2つの光線束に分割する。本実施形態では、光源の数が1つ以上であり、レンズの数は光源の数と同じである。
本実施形態において、ビーム・スプリッタはSLMの後段となる。しかし、ビーム・スプリッタ及びSLMの位置は交換されてもよい。
図26は、プリズム・アレイがビーム・スプリッタとして使用される場合の一実施形態を示す平面図である。照明システムは、nエレメントの2D光源アレイ(LS、LS、・・・、LS)と、nエレメントの2Dレンズ・アレイ(L1、L2、・・・、Ln)とを備え、それらのうち、2つの光源及び2つのレンズが図26に示される。各光源は、それらの関連付けられたレンズによって観察者平面に画像化される。光源アレイの間隔と、レンズ・アレイの間隔とは、全ての光源画像が観察者平面、即ち、2つのVOWを含む平面で一致するように設けられる。図26において、左目VOW(VOWL)及び右目VOW(VOWR)は、図の右側の外部に位置するため図示していない。追加の視野レンズが追加されてもよい。このレンズ・アレイの間隔は、十分な空間コヒーレントを提供するために、サブホログラムの典型的なサイズと同様である。つまり、1乃至数ミリメートルの計算となる。照射は、光源が小さいか又は点光源であるか、2Dレンズ・アレイが使用されるように、各レンズ内で水平及び垂直の空間コヒーレントとなる。レンズ・アレイは、屈折、回折、又はホログラフィックでもよい。
本実施形態において、ビーム・スプリッタは、垂直プリズムの1Dアレイである。プリズムのある傾きでの入射光は、左目VOW(VOWL)に屈折され、プリズムの他の傾きでの入射光は、右目VOW(VOWR)に屈折される。また、同一のLS及び同一のレンズから発せられる光線は、ビーム・スプリッタを通り過ぎた後に、相互にコヒーレントとなる。したがって、垂直及水平焦点と、垂直及び水平運動視差とを有する2Dエンコーディングが可能となる。
ホログラムは2Dエンコーディングを有するSLMでエンコーディングされる。左目及び右目ホログラムは、列ごとに組み合わされる。つまり、左目及び右目ホログラムの情報でエンコーディングされた列が交互にされる。より好ましくは、各プリズムのもとで、左目ホログラムの情報を有する列と、右目ホログラムの情報を有する列とが存在することである。代替案として、プリズムの各傾きのもとで、2つ以上のホログラムの列が存在してもよい。例えば、連続して、VOWLの3つの列に続いて、VOWRの3つの列が存在する。ビーム・スプリッタの間隔は、遠近短縮(perspective shortening)に対応するために、SLMの間隔の整数(2、3などの)の倍数と同様であってもよく、SLMの間隔の整数(2、3などの)の倍数より若干小さくてもよい。
左目ホログラムを有する列からの光は、左目に対するオブジェクトを再構成し、左目VOW(VOWL)を照明する。右目ホログラムを有する列からの光は、右目に対するオブジェクトを再構成し、右目VOW(VOWR)を照射する。このように、それぞれの目は、適切な再構成を感知する。プリズム・アレイの間隔が十分に小さければ、目はプリズム構造を解決することができず、プリズム構造は再構成画像を阻害することになる。それぞれの目はフルフォーカス及びフル運動視差で再構成を見て、非点収差は存在しない。
ビーム・スプリッタがコヒーレント光で照明される場合には、ビーム・スプリッタで回折が存在するであろう。ビーム・スプリッタは、複数の回折次数を生成する回折格子として見なされる。傾いたプリズム傾斜は、ブレーズド回折格子の影響を受ける。ブリーズド回折格子において、最大強度は特定の回折次数に向けられる。プリズム・アレイにおいて、ある最大強度は1つのプリズムの傾きからVOWLの位置での回折次数に向けられ、別の最大強度はプリズムの他の傾きからVOWRの位置での他の回折次数に向けられる。具体的には、包絡sinc二乗関数の強度における最大がそれらの位置にシフトされ、これにより、回折次数が定位置となる。プリズム・アレイは、VOWLの位置での包絡sinc二乗関数のある最大強度と、VOWRの位置での包絡sinc二乗関数の他の最大強度とを生成する。他の回折次数の強度は、小さく(つまり、sinc二乗強度関数の最大が狭い。)、プリズム・アレイの充填率が大きい、例えば、100%に近い値である場合には阻害クロストークにはならない。
当業者には明らかであるように、2人以上の観察者に対してVOWを提供するために、より多くのプリズムの複素アレイ(例えば、互いに隣接して連続的に配置され、同じ頂角であるが非対称の角度を有する2種類のプリズム)を用いることによって、より多くのVOWを生成することができる。しかしながら、観察者はプリズムの静的アレイで個別にはトラッキングされない。
他の実施形態において、レンズ当たり1つの光源よりも多い光源が使用されてもよい。レンズ当たりの追加の光源は、追加の観察者に対する追加のVOWを生成するために使用されうる。これは、特許文献2に記載されており、m人の観察者に対して1つのレンズとm個の光源を有するケースが記載されている。上記他の実施形態においては、m人の観察者に対してm個の左VOW及びm個の右VOWを生成するために、レンズ当たりm個の光源と2倍の空間多重化が使用されている。レンズ当たりm個の光源は、各レンズに対して、m対1であり、ここでmは自然数である。
ここで一実施形態について説明する。パラメータとして、観察者距離:2m、画素ピッチ:垂直方向に69μmで水平方向に207μm、Burckhardtエンコーディングを使用、及び可視光:633nmで、スクリーンの対角線が20インチのものを使用する。Burckhardtエンコーディングは、69μmのサブ画素で垂直方向であり、VOWの高さ6mm(垂直間隔)である。遠近短縮を無視すると、垂直プリズム・アレイの間隔は414μmとなる。つまり、それぞれのフルプリズムのもとで、SLMの2つの列が存在する。したがって、観察者平面における水平間隔は3mmとなる。これはVOWの幅についても同じである。この幅は、最適な直径約4mmの目の瞳孔よりも小さい。さらに似たような他の実施形態において、SLMが50μmの間隔よりも小さければ、VOWは25mmの幅を有する。
大人の人間が65mm(通常通り)の目の間隔を有する場合には、プリズムは、±32.5mmで光を屈折させなければならない。これにより、光がVOWを含む平面に交差する。具体的には、複数の強度包絡sinc二乗関数の最大値が±32.5mmで屈折されなければならない。これは、2mの観察者距離で、±0.93度の角度に対応する。プリズム屈折率n=1.5に対して、適切なプリズム角度は±1.86度である。プリズム角度は、プリズムの基板側と傾斜側との間の角度として定義される。
3mmの観察者平面における水平間隔に関して、他の目は約21回折次数(即ち、3mmで65mmを除算した値)の距離となる。VOWLとVOWRとのクロストークは、他のVOWに関連して高い回折次数によって引き起こされるため、無視してよい。
トラッキングを実装するために、トラッキングの単純な方法は、光源トラッキング、即ち、光源位置を適合させる機能である。SLM及びプリズム・アレイが同じ平面になければ、視差によって引き起こされる、SLM画素とプリズムとの間の関連する水平オフセットを阻害するであろう。これは、結果として阻害クロストークになる。上述した例のスクリーンの対角線が20インチの画素は、それぞれのプリズムのピークで表される軸に対して、垂直方向に70%の充填率を有する。つまり、画素サイズは、145μmのアクティブ領域と各サイドの31μmのインアクティブマージンとになる。プリズム・アレイの構成された領域がSLMに向けられれば、プリズム・アレイとSLMとの間の距離間隔は、約1mmとなる。クロストークなしでの水平トラッキング範囲は、±31μm/1mm*2m=±62mmとなる。トラッキング範囲は、小さいクロストークが許容できれば、より大きくなる。当該トラッキング範囲は、大きくないが、行なわれるいくつかのトラッキングを許容するのに十分であれば、観察者は、自身の目の位置に関してあまり不自然さを感じないであろう。
SLMとプリズム・アレイとの視差は、なるべくプリズム・アレイ内への一体化又はSLMへの直接的な一体化(屈折、回折、又はホログラフィック・プリズム・アレイのように)によって避けることができる。これは、製品において専用部品となる。可動機構部が装置を複雑にしてしまうが、代替案としてプリズム・アレイの側方機械的動作がある。
もう1つの重要な問題は、プリズム角度によって与えられる、固定されたVOWの間隔である。これによって、標準的ではない目の間隔を有する観察者にとって、又はzトラッキングにとって、厄介な問題となる。解決手法として、図21に示すような、カプセル化された液晶領域を備える組立部品が使用され得る。この解決手法は、可変の偏光及び固定の偏光をそれぞれ連続して与えるために、プリズム・アレイとともに利用される。代替的な解決手法では、プリズム・アレイの構造化された側面は、液晶レイヤで覆われてもよい。従って、電場は、屈折率及びそれにより偏角を制御し得る。VOWが大きな幅を有するために、異なる目の間隔を有する観察者又はzトラッキングにとって、十分な耐性が存在する場合には、可変の偏光の組立部品は必要ない。
より複雑な解決手法は、(図27に示す)エレクトロウェッティング(e-wetting)・プリズム・アレイ又は(図21に示す)液晶で満たされたプリズム等の、制御可能なプリズム・アレイを使用することであろう。図27では、プリズム・エレメント159を有するレイヤは、電極1517、1518と、2つの分離した液体で満たされたキャビティ1519、1520とを含む。各液体は、プリズムの形をしたキャビティ部分を満たしている。一例として、液体は油や水でもよい。液体1519、1520の間の接触面の傾斜は、電極1517、1518に加えられる電圧によって定まる。液体が異なる屈折率を有する場合、光ビームは電極1517、1518に加えられる電圧によって偏光される。従って、プリズム・エレメント159は、制御可能なビーム・ステアリング・エレメントとして機能する。これは、観察者の目に対するVOWのトラッキングを必要とする実施のための、電気ホログラフィへの出願人のアプローチにおいて重要な特徴である。本明細書において参考として組み込まれている、本出願人が出願した独国特許出願公開102007024237.0号明細書、独国特許出願公開102007024236.2号明細書では、プリズム・エレメントを用いた観察者の目に対するVOWのトラッキングについて説明している。
以下に、小型ハンドヘルド・ディスプレイ用の実施の一例を示す。日本のセイコー(登録商標)エプソン(登録商標)株式会社は、D4:L3D13U 1.3インチ画面対角パネル等の、白黒のEASLMを発売している。SLMとして、D4:L3D13U LCDパネルの使用について、一例として説明する。当該パネルは、HDTV解像度(1920×1080画素)、15μm画素ピッチ、及び28.8mm×16.2mmのパネル領域を有する。当該パネルは、通常、2D(二次元)画像投影ディスプレイに用いられる。
本例では、波長633nm及び観察者距離50cmとして計算している。Detour位相エンコーディング(Burckhardtエンコーディング)が、この振幅変調SLMに用いられ、1つの複素数をエンコーディングするために3画素が必要とされる。これらの3つの関連する画素は、垂直に配置される。プリズム・アレイのビーム・スプリッタがSLMに組み入れられる場合、プリズム・アレイのピッチは30μmである。SLMとプリズム・アレイとの間に距離がある場合、遠近感の短縮のため、プリズム・アレイのピッチはわずかに異なる。
VOWの高さは、1つの複素数をエンコーディングするために3*15μm=45μmのピッチで規定され、7.0mmである。VOWの幅は、プリズム・アレイの30μmのピッチで規定され、10.6mmである。両方の値は、目の瞳孔よりも大きい。従って、それぞれの目は、VOWが目の位置に存在する場合に、ホログラフィック再構成を観察し得る。当該ホログラフィック再構成は、上述のように、2Dエンコーディングされたホログラムから生じ、そのために1D(一次元)エンコーディングに固有の非点収差は生じない。これは、空間視覚の高い品質と、奥行き感の高い品質とを保証する。
目の間隔は65mmであるため、プリズムは±32.5mmだけ光を屈折させなければならない。具体的には、包絡sinc二乗強度関数の強度の最大値は、±32.5mmだけ屈折されなければならない。これは、0.5mの観察者距離に対する角度±3.72°に相当する。適切なプリズム角度は、屈折率n=1.5に対して、±7.44°である。プリズム角度は、プリズムの基板側と傾斜側との間の角度として規定される。
10.6mmの観察者平面における水平周期について、他方の目はおよそ6回折次数(即ち、65mm/10.6mm)の距離に存在する。従って、より高次の回折次数によって生じるクロストークは、プリズム・アレイが高い、即ち、100%に近い充填率を有するため、無視できる。
以下に、大型ディスプレイ用の実施の一例を示す。ホログラフィック・ディスプレイは、50μmの画素ピッチ及び20インチのスクリーン対角線を有する、位相変調を行うSLMを使用するものとして設計され得る。テレビに応用するためには、対角線はむしろ約40インチとなり得る。当該設計における観察者距離は2mであり、波長は633nmである。
SLMの2つの位相変調画素が、1つの複素数をエンコーディングするために使用される。これら2つの関連する画素は、垂直に配置され、対応する垂直ピッチは2*50μm=100μmである。プリズム・アレイがSLMに組み入れられることによって、各プリズムは2つの傾斜を含み、各傾斜はSLMの1列に使用されるため、プリズム・アレイの水平ピッチも2*50μm=100μmである。結果的に、VOWの12.7mmの幅及び高さは、目の瞳孔より大きい。従って、VOWが目の位置に存在する場合、それぞれの目は、ホログラフィック再構成を観察し得る。ホログラフィック再構成は、2Dエンコーディングされたホログラムから生じ、それにより1Dエンコーディングに固有の非点収差は生じない。これは、空間視覚の高い品質と、奥行き感の高い品質とを保証する。
目の間隔は65mmであるため、プリズムは±32.5mmだけ光を屈折させなければならない。具体的には、包絡sinc二乗強度関数の強度の最大値は、±32.5mmだけ屈折されなければならない。これは、2mの観察者距離に対する角度±0.93°に相当する。適切なプリズム角度は、屈折率n=1.5に対して、±1.86°である。プリズム角度は、プリズムの基板側と傾斜側との間の角度として規定される。
上述の例は、SLMからの観察者の距離として、50cm及び2mに関するものである。より一般的には、当該実施は、20cmと4mとの間の、SLMからの観察者の距離に対して適用され得る。スクリーン対角線は、1cm(携帯電話のサブ・ディスプレイ等)と50インチ(大きいサイズのテレビ等)としてもよい。
<レーザ光源>
例えば、GaInAs又はGaInAsN材料に基づくRGB固体レーザの光源は、小ささ及び高い光の指向性を理由として、小型ホログラフィック・ディスプレイ用の光源に適している。そのような光源には、アメリカ合衆国カリフォルニア州のNovalux(登録商標)Inc.のRGB垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)が含まれる。各光源は、回折光学素子の使用を通じて複数のビームを生成するために使用され得るが、そのような光源は、単一のレーザとして、又はレーザのアレイとして提供され得る。コヒーレンスが、レーザ・スペックルパターン等の望ましくない結果を招くことなしに小型ホログラフィック・ディスプレイを使用するには高すぎる場合、当該ビームは、コヒーレンスレベルを低下させながら、マルチモード光ファイバを進む。
<OLED材料>
赤外線発光OLED材料について示す。例えば、Del Canoらは、Applied Physics Letters vol.88, 071117 (2006)の報告によれば、ペリレンジイミドをドープされたトリス(8−キノリノラト)アルミニウムに基づいて、OLED材料からのエレクトロルミネッセンスを示した。エレクトロルミネッセンスの805nmの波長が実証された。Domercqらによって、J Phys Chem B vol.108, 8647-8651 (2004)において、近赤外線発光OLED材料が報告された。
透明な基板上へのOLED材料の形成が示されている。例えば、米国特許7098591号明細書では、透明なインジウムスズ酸化物の電極の上に、OLED材料が形成される。電極は、透明な基板上に形成され、ホウケイ酸塩ガラスであってもよい。これらの要素は、透明な基板を有するOLEDデバイスに組み入れられてもよい。インジウムスズ酸化物レイヤは、無線周波数のマグネトロンをスパッタリング(sputtering)するツールを使用して、当該基板上にスパッタリングされてもよい。インジウムスズ酸化物は、インジウム酸化物及びスズ酸化物を含む目的物を使用して、スパッタリングされてもよい。インジウムスズ酸化物レイヤは、可視領域で約85%の光を透過させ得る。OLED材料の性能を低下させ得る、局所的に強化された電場の生成を回避するために、インジウムスズ酸化物は、平坦であってもよい。約2nm未満の二乗平均粗度が望ましい。機能的な1又は複数の有機レイヤは、パターン形成された電極の表面に被着してもよい。有機レイヤの厚さは、典型的には2nmと200nmとの間である。有機レイヤの各側面に陰極及び陽極を形成するために、導電レイヤは、有機レイヤ上にパターン形成されてもよい。周囲の環境から活性レイヤを保護するために、当該デバイスは、ガラス・レイヤで密閉されてもよい。
<製造プロセスの概要>
以下では、図2のデバイスを製造するためのプロセスの概要を説明するが、当該プロセスの多くの変形が当業者には明らかとなろう。
図2のデバイスを製造するプロセスにおいて、透明な基板が選択される。そのような基板は、約200μmの厚さの1枚のホウケイ酸ガラス等の、硬質パッケージ用基板でもよく、或いは、ポリカーボネート、アクリル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル又は類似の基板といった高分子基板等の、フレキシブル基板でもよい。透明電極は、前のセクションで述べたように、ガラス上に形成される。赤外線発光OLED材料は、ガラス上に被着してもよく、電気接点は、画素化されたOLED赤外線の光の発光が可能であるように、前のセクションで述べたように透明基板の反対の側面上に加工される。ガラス基板は、OLED画素材料のために凹んでいてもよい。IR−OLED材料は、基板上に、プリントされ、スプレーされ、又は溶液から作られてもよい。次に、カプセル化レイヤは、電気的遮蔽レイヤもまた、OLED画素レイヤに被着する。そのようなカプセル化レイヤは、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、又はシリコン炭素等の、無機絶縁レイヤでもよく、或いはエポキシ等の、重合可能なレイヤでもよい。被着は、スパッタリングによって、無機絶縁レイヤの場合は化学蒸着によって、実行され得るし、或いは重合可能なレイヤの場合はプリンティング又はコーティングによって実行され得る。カプセル化レイヤは、電気的遮蔽レイヤもまた、数μm又は10μm未満の厚さを有し得る。次に、カプセル化レイヤは、OASLMの感光レイヤによって覆われる。感光レイヤは、赤外線に感度がよく、可視状態において透明であり、また数μmの厚さを有し得る。そのような光学特性は、赤外線を吸収する染料によって提供される。次に、OASLMは、2つの導電レイヤの間に格納された液晶レイヤを被着することによって完成する。液晶レイヤは、振幅変調用又は位相変調用に構成されてもよく、典型的には数μmの厚さを有する。次に、赤外線フィルタ・レイヤが、デバイス上に被着する。これは、赤外線を吸収する顔料をその中に含む高分子フィルムの形式から成るものでもよく、スパッタリングされた、又は化学蒸着された、赤外線を吸収する成分をその中に含む成長二酸化ケイ素フィルム等の、無機レイヤでもよい。
2つのOASLMデバイスの間のレイヤは、一方のOASLMに存在する電場が他方のOASLMの性能に影響しないように、十分に厚いことが必要となり得る。赤外線フィルタ・レイヤは、この目的を達成するために、十分に厚くてもよい。しかし、赤外線フィルタ・レイヤの厚さが十分ではない場合、OASLMデバイスを、光学的な粘着性を利用して、十分な厚さの1枚のガラスに対してボンディング(bonding)することによって、或いは、上述の無機レイヤ又は高分子レイヤ等の、さらに光学的に透明なレイヤを被着することによって、レイヤの厚さは増加され得る。しかし、光回折効果が画素のひどいクロストークを生じさせるために、OASLMデバイスは、極端に離れていてはならない。例えば、画素の幅が10μmである場合、OASLMレイヤの距離は100μm未満であることが望ましい。一方のOASLMのLCレイヤは、振幅変調を実行し、他方のOASLMのLCレイヤは、位相変調を実行する。
デバイスの残りの部分は、OASLM及びOLEDレイヤの各々について、上述の方法によって形成される。その代わりに、デバイスの残りの部分は、例えば、各OASLMに存在する電場が他のOASLMに影響を及ぼさないOASLMレイヤの間において、十分な間隔を保証するために存在する、例えばガラス・レイヤを使用することにより、次にデバイスの第1の部分へボンディングされる単一のユニットとして形成されてもよい。これは、デバイスの残りの部分が、デバイスの第1の部分に対してさらに材料を被着することによって形成される場合に、第1のOLEDの画素に対する第2のOLEDの画素の正確なアライメントを容易にするという効果を有し得る。
OASLMに隣接した十分な厚さを有する分離レイヤを有する代わりに、インジウムスズ酸化物等の、導電性の透明電極で覆われる薄い分離レイヤを使用することも可能である。当該電極は、2つの液晶レイヤの共通の電極として機能する。さらに、導電性の電極として、それは等電位の面である。従って、電場を遮断し、一方のOASLMから他方のOASLMに対する電場の漏れを防止する。
上述の手順又は類似の手順を用いて加工され得るデバイス構造の一例が、図9において与えられる。図9のデバイス構造910は、十分にコヒーレントな可視光の放射によって、面909から照明され、これにより、使用時には、点911の観察者が、三次元画像を観察し得る。なお、点911は、当該デバイスから、当該デバイスに対して原寸に比例した距離を隔てて示されてはいない。当該デバイスにおける90から908までのレイヤは、必ずしも互いに原寸に比例しているわけではない。レイヤ90は、ガラス・レイヤ等の基板レイヤである。レイヤ91は、OLEDバックプレーン(backplane)・レイヤであり、OLEDに対して電力を提供し、全体的に又は部分的に透明である。レイヤ92は、赤外線発光OLEDのアレイである。レイヤ93は、少なくとも部分的な赤外線光の視準のための、Braggフィルタのホログラフィック・エレメントである。レイヤ93は、一部の実施において発光され得る。レイヤ94は、電気的遮蔽レイヤである。レイヤ95は、OASLMの光検出及び電極レイヤである。レイヤ96は、可視光ビームの振幅変調のための液晶レイヤである。レイヤ97は、分離レイヤであって、とりわけ薄い分離レイヤである。レイヤ98は、透明電極レイヤである。レイヤ99は、線形偏光子(linear polarizer)レイヤである。レイヤ900は、可視光を透過させるが、OLEDアレイ92及び906からの赤外線光を阻止する赤外線レイヤである。レイヤ901は、可視光ビームの位相変調のための液晶レイヤである。レイヤ902は、分離レイヤであり、とりわけ薄い分離レイヤである。レイヤ903は、OASLMの光検出センサ及び電極レイヤである。レイヤ904は、電気的遮蔽レイヤである。レイヤ905は、少なくとも部分的な赤外線光の視準のための、Braggフィルタのホログラフィック・エレメントである。レイヤ905は、一部の実施において発光され得る。レイヤ906は、赤外線発光OLEDのアレイである。レイヤ907は、OLEDバックプレーン・レイヤであり、OLEDに対して電力を提供し、全体的に又は部分的に透明でもよい。レイヤ908は、ガラス等の、材料を覆う平面である。製造において、デバイス910は、基板レイヤ90から開始し、最後のレイヤ908が加えられるまで各レイヤを順々に被着することによって、加工され得る。そのような手順は、当該構造のレイヤが、加工処理において高い正確さに揃えられ得ることを促進する効果を有する。その代わりに、それらのレイヤは、2以上の部分において加工され、十分な程度のアライメントで、ともにボンディングされ得る。
デバイスの加工のために、望ましくない圧力によって引き起こされた複屈折等の、望ましくない複屈折を最小にし続けることが非常に重要である。圧力によって引き起こされる複屈折は、光の楕円形(elliptical)の偏光状態へ変化する、光の線形状態又は円偏光状態を生じさせる。理想的には光の線形又は円偏光状態が存在するであろうデバイスにおける、楕円形の光の偏光状態の存在は、コントラスト及び色の忠実度を低減し、そのためにデバイスの性能を劣化させるだろう。
<実装>
上述の実施形態のOASLMについて、可視域において透過するが、赤外線において吸収する感光レイヤが必要とされることは、当業者によって理解されるだろう。代替的な実施において、感光レイヤは、赤、緑及び青のビーム等の可視光を透過させる透明な隙間と、OLEDからの光に対する感度がよい透明でない領域とを有するために、パターン化されてもよい。この場合、感光材料は、可視光に対して透明である必要はない。さらに、ライト(write)・ビームは、赤外線光である必要はない。一実施において、ライト・ビームは、例えば、黄色の光を発光するOLEDによって、主要ではないディスプレイ色によって生成され得る。従って、2つのOASLMの間のフィルタは、黄色の光を阻止するために、黄色において強力な光吸収作用を有することが必要だろうが、機能的な光学ディスプレイの生産を目的として、他の可視光線の波長において十分な透過率を未だ有している必要があるだろう。別の実施において、ライト・ビームは、紫外発光OLEDによって生成され得る。従って、2つのOASLMの間のフィルタは、紫外線光を阻止するために、紫外線において強力な光吸収作用を有することが必要だろうが、機能的な光学ディスプレイの生産を目的として、可視光の波長において十分な透過率を未だ有している必要があるだろう。紫外発光OLED材料は、QiuらのApplied Physics Letter 79, 2276 (2001)によって、また、WongらのOrg. Lett. 7 (23), 5131 (2005)によって報告されている。さらに、OLED材料の使用を強調してきたが、他の発光ダイオード材料、又は他の表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)技術の使用も可能である。
本明細書で開示した実施では、空間光変調器における、連続する振幅及び位相のエンコーディングを強調してきたが、振幅及び位相の非理想的な2つの組み合わせ、即ち、任意の実数の乗算ではなく、任意の複素数(実数を除く)でなければ、乗算を通じて等しい状態となることによって相関を有することはない2つの組み合わせの、連続するいかなる重み付けされたエンコーディングも、ホログラム画素をエンコーディングするために原理上は使用され得ることが、当業者によって理解されるであろう。その理由は、実行し得る画素のホログラフィック・エンコーディングのベクトル空間が、当該ベクトル空間の方向において、振幅及び位相の非理想的な任意の2つの組み合わせ、即ち、任意の実数の乗算ではなく、任意の複素数(実数を除く)でなければ、乗算を通じて等しい状態となることによって相関を有することはない任意の2つの組み合わせによって、張られることである。
本明細書の図面においては、図示された相対的なサイズは、必ずしも原寸に比例しない。
本発明の種々の変形及び代替は、本発明の範囲から逸脱することなく当業者にとって明らかとなるとともに、本発明は、実施形態及び本明細書で説明した実施に過度に限定されることはないものと理解されるべきである。
<付録i:技術的手引き>
以下のセクションは、本発明を実施するいくつかのシステムにおいて使用される、いくつかの重要な技術の手引きとして意図されている。
従来のホログラフィにおいて、観察者は、オブジェクト(変化するシーンの場合もある)のホログラフィック再構成を観察できる。ただし、ホログラムからの距離は関係ない。典型的な光学配置の1つにおいて、再構成は、ホログラムを照明する光源の像平面又はその近くに存在するため、それはホログラムのフーリエ平面である。従って、当該再構成は、再構成される実世界のオブジェクトの、同一の遠視野(far-field)の光分布を有する。
初期のシステムの1つ(特許文献2及び米国特許出願公開2006/0055994号明細書に記載)は、再構成されるオブジェクトが、ホログラムのフーリエ平面又はその近くに全く存在しない、極めて異なる配置を規定している。その代わりに、仮想観察者ウィンドウの領域が、ホログラムのフーリエ平面に存在し、当該観察者は、その目を当該位置に位置付けるとともに、それにより、正しい再構成のみ観察され得る。ホログラムは、LCD(又は他の種類の空間光変調器)に対してエンコーディングされ、仮想観察者ウィンドウがホログラム(従って、目に対して直接的に画像化されるのはフーリエ変換である。)のフーリエ変換となり得るために、照明される。従って、再構成されるオブジェクトは、レンズの焦点平面には存在しないため、ホログラムのフレネル変換である。それは、(遠視野の分布の平面的な波面とは対照的に、球面状の波面を用いてモデル化される)近視野(near-field)の光分布によって代わりに規定される。この再構成は、仮想観察者ウィンドウとLCDとの間のどこにでも、又は仮想的なオブジェクトとしてLCDの背後にでさえ現れ得る。
この手法には、いくつかの結果が存在する。まず、ホログラフィック・ビデオ・システムの設計者が直面する基本的な制限は、LCD(又は他の種類の光変調器)の画素ピッチである。目的は、適当なコストで商業的に使用可能な画素ピッチを有するLCDを使用して、大きなホログラフィック再構成を可能にすることである。しかし、これは、以下の理由によってこれまで実現されていない。λは照明光の波長、Dはホログラムからフーリエ平面までの距離、及びpはLCDの画素ピッチである場合、フーリエ平面における隣接する回折次数間の周期性間隔は、λD/pで与えられる。しかし、従来のホログラフィック・ディスプレイでは、再構成されるオブジェクトは、フーリエ平面に存在する。従って、再構成されるオブジェクトは、周期性間隔よりも小さい状態とされていなければならず、それよりも大きい場合には、その縁部が、隣接する回折次数から再構成の中へにじんでしまうだろう。このため、再構成されるオブジェクトは極めて小さくなり、高価な専用化された小さなピッチのディスプレイでさえ、典型的には直径でわずか数cmとなる。しかし、本発明の手法を用いると、(上述のように、ホログラムのフーリエ平面に位置付けられる)仮想観察者ウィンドウは、目の瞳孔の大きさだけ必要となる。その結果、適度な画素サイズを有するLCDでさえ使用され得る。また、再構成されるオブジェクトは、仮想観察者ウィンドウとホログラムとの間の錐台を完全に満たし得るため、実際に非常に大きく、即ち、周期性間隔よりも非常に大きくなり得る。さらに、周期性間隔よりも仮想観察者ウィンドウを小さい状態とし続ける制約が適用されないように、OASLMが使用される場合、画素化は存在せず、そのために周期性も存在しない。
別の効果も同様に存在し、一変形において実施される。ホログラムを算出する場合、例えば、仮にレーシングカーの3D(三次元)画像ファイルを作成する場合、再構成されるオブジェクトの知識を用いることによって開始する。当該ファイルは、当該オブジェクトが多数の異なる観察位置からどのように観察されるかを記述する。従来のホログラフィでは、レーシングカーの再構成を生成する必要があるホログラムは、コンピュータを駆使した処理で3D画像ファイルから直接的に導出される。しかし、仮想観察者ウィンドウの手法は、別の、コンピュータでより効率的な技術を可能にする。再構成されるオブジェクトの一平面から開始して、仮想観察者ウィンドウをオブジェクトのフレネル変換として算出できる。次に、累積的なフレネル変換を生成する結果を合計することによって、全てのオブジェクト平面についてこれを実現する。これは、仮想観察者ウィンドウと交差する波動場を規定する。次に、当該仮想観察者ウィンドウのフーリエ変換としてホログラムを算出する。仮想観察者ウィンドウは、オブジェクトの全ての情報を含むため、単一平面の仮想観察者ウィンドウのみがホログラムに変換されなければならず、複数平面のオブジェクトは変換されない。これは、仮想観察者ウィンドウからホログラムへの単一の変換ステップは存在せず、繰り返しフーリエ変換アルゴリズムに類似した繰り返し変換が存在する場合に、特に有益である。各繰り返しステップは、各オブジェクト平面についての変換の代わりに、仮想観察者ウィンドウの単一のフーリエ変換のみを含み、その結果、コンピュータ処理量が著しく低減される。
仮想観察者ウィンドウの別の興味深い結果は、所定のオブジェクト点を再構成することを必要とされる全ての情報は、ホログラムにおける相対的に小さな部分の中に含まれる。これは、所定のオブジェクト点を再構成するための情報が全体にわたって分散される従来のホログラムとは対照的である。それは、ホログラムにおけるより十分に小さな部分に情報をエンコーディングする必要があるため、処理及びエンコーディングする必要がある情報の量が、従来のホログラムよりも大幅に少ないことを意味する。それは、言い換えれば、従来のコンピュータによるデバイス(例えば、大量に出回っているデバイスに適した費用及び性能を有する従来のデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP))が、リアルタイムのビデオ・ホログラフィのためにでさえ使用され得ることを意味する。
しかし、望ましい結果に満たない部分もある。まず、通常のホログラムでは、観察距離は重要ではないが、ホログラムからの観察距離は重要である。ホログラムは、目がホログラムのフーリエ平面に位置する場合にのみ、最適な再構成が観察される方法でエンコーディング及び照明される。しかし、このZ感度、又はその周辺の設計を緩和する種々の技術が存在し、実際に、ホログラフィック再構成のZ感度は、通常、極端ではない。
また、ホログラムは、最適なホログラフィック再構成が、正確かつ小さな観察位置(即ち、上述のように正確に規定されたZだけでなく、X及びY座標も)からのみ観察され得るような方法でエンコーディング及び照明されるため、目のトラッキングが必要とされ得る。Z感度とともに、X,Y感度又はその周辺の設計を緩和するための種々の技術が存在する。例えば、画素ピッチが減少するにつれて(LCDの製造が進歩するにつれて)、仮想観察者ウィンドウの大きさは増加する。さらに、より効率的な(Kinoformエンコーディングのような)エンコーディング技術が、仮想観察者ウィンドウとして周期性間隔のより大部分の使用を促進し、それにより仮想観察者ウィンドウの増大を促進する。
上述の説明では、フーリエ・ホログラムを扱うことを仮定している。仮想観察者ウィンドウは、ホログラムのフーリエ平面、即ち、光源の像平面に存在する。効果の1つとして、回折されていない光が、いわゆるDCスポットに焦点を合わせられる。当該技術は、仮想観察者ウィンドウが光源の像平面に存在しない、フレネル・ホログラムにも使用され得る。しかし、回折されていない光は、妨害ノイズとして、可視状態ではないことに注意しなければならない。もう一つの注意点は、変換という用語は、光の伝搬を記述する変換と等価な又はそれに近い、数学的な又はコンピュータによる何れの技術をも含むように、解釈されるべきということである。変換は、マクスウェルの波動方程式によってより正確に定義される物理的なプロセスを、単に近似するにすぎない。フレネル及びフーリエ変換は、2次の近似であるが、それらは微分とは対照的に代数的であるため、コンピュータによる効率的な手法において取り扱われ得るとともに、光学系システムにおいて正確に実施され得るという効果を有する。
さらなる詳細は、米国特許出願公開2006/0138711号明細書、米国特許出願公開2006/0139710号明細書、及び特許文献3において得られ、それらの内容は参考のために示されている。
<付録ii:本明細書において使用される用語の用語集>
(コンピュータ生成ホログラム)
コンピュータ生成ビデオ・ホログラム(CGH)は、シーンから算出されるホログラムである。CGHは、シーンの再構成に必要とされる光波の振幅及び位相を表現する複素数値を含み得る。CGHは、例えば、コヒーレント・レイ・トレーシングによって、シーンと参照波との間の干渉によって、又はフーリエ変換若しくはフレネル変換によって、算出され得る。
(エンコーディング)
空間光変調器(例えば、構成セル、又はOASLMのような連続するSLMのための隣接する領域)にビデオ・ホログラムの制御値を供給する手順である。一般的に、ホログラムは、振幅及び位相を表現する複素数値を含む。
(エンコーディングされた領域)
エンコーディングされた領域は、典型的には、単一のシーン点のホログラム情報がエンコーディングされる、空間的に制限されたビデオ・ホログラムの領域である。空間的な制限は、急峻な打ち切りによって、又はビデオ・ホログラムに対する仮想観察者ウィンドウのフーリエ変換によって実現されるなだらかな遷移によって、実現される。
(フーリエ変換)
フーリエ変換は、空間光変調器の遠視野における光の伝搬を算出するために使用される。当該波面は、平面波によって表現される。
(フーリエ平面)
フーリエ平面は、空間光変調器における光分布のフーリエ変換を含む。合焦レンズがない場合、フーリエ平面は無限遠にある。合焦レンズが空間光変調器に近接した光路にある場合、フーリエ平面は、光源の画像を含む平面に等しい。
(フレネル変換)
フレネル変換は、空間光変調器の近視野における光の伝搬を算出するために使用される。当該波面は、球面波によって表現される。光波の位相要素は、横座標に二次的に依存する項を含む。
(錐台(Frustum))
仮想的な錐台は、観察者ウィンドウとSLMとの間に構成され、SLMの後段に広がっている。シーンは、この錐台の中に再構成される。再構成されるシーンの大きさは、この錐台によって制限され、SLMの周期性間隔によって制限されることはない。
(結像光学系)
結像光学系は、1以上の光学部品であって、例えば、1つの光源(又は複数の光源)の画像を形成するために使用されるレンズ、レンチキュラ・アレイ、又はマイクロレンズ・アレイである。本明細書において、結像光学系が欠如することは、ホログラフィック再構成を構成する際に、フーリエ平面と1つ又は2つのSLMとの間に位置付けられた平面において、本明細書で説明したとおり1つ又は2つのSLMの画像を形成するために結像光学系が使用されていないことを意味する。
(光システム)
光システムは、レーザのようなコヒーレントな光源、又はLEDのような部分的にコヒーレントな光源を含む。部分的にコヒーレントな光の時間的及び空間的なコヒーレンスは、シーンの良好な再構成を容易にするのに十分でなければならない。即ち、スペクトル線の幅及び放射面の横方向の拡張は、十分に小さくなければならない。
(仮想観察者ウィンドウ(VOW))
仮想観察者ウィンドウは、再構成された3Dオブジェクトが観察される観察者平面における仮想的なウィンドウである。VOWは、ホログラムのフーリエ変換であり、可視状態にあるオブジェクトの複数の再構成を避けるために、1つの周期性間隔内に位置付けられる。VOWの大きさは、少なくとも目の瞳孔の大きさでなければならない。観察者トラッキング・システムを用いて少なくとも1つのVOWが観察者の目に位置付けられる場合には、VOWは、観察者の横方向の移動範囲よりずっと小さくなり得る。このことは、適度な解像度と、それによる小さい周期性間隔とを有するSLMの使用を容易にする。VOWは、それぞれの目に対する1つのVOW又は両方の目に対する1つのVOWが、再構成された3Dオブジェクトが観察され得るキーホール(keyhole)と想像され得る。
(周期性間隔)
個別にアドレス指定可能な(addresable)セルから成るSLM上に表示される場合、CGHはサンプリングされる。このサンプリングは、回折パターンの周期的な繰り返しを生じさせる。周期性間隔は、λD/pであり、λは波長、Dはホログラムからフーリエ平面までの距離、及び、pはSLMセルのピッチである。しかし、OASLMは、サンプリング処理を有しないため、回折パターンの周期的な繰り返しは存在せず、繰り返しは実質的に抑圧されている。
(再構成)
ホログラムを用いてエンコーディングされた、照明された空間光変調器は、元の光分布を再構成する。この光分布は、ホログラムを算出するために使用されていた。理想的には、観察者が、再構成された光分布と元の光分布とを区別することが不可能であろう。大部分のホログラフィック・ディスプレイでは、シーンの光分布が再構成される。本発明のディスプレイでは、仮想的な観察者ウィンドウにおける光分布が再構成される。
(シーン)
再構成されるシーンは、現実の又はコンピュータにより生成される三次元の光分布である。特別な場合として、二次元の光分布の場合もある。シーンは、空間に配置された、固定された又は移動する異なるオブジェクトを構成し得る。
(空間光変調器(SLM))
SLMは、入射光の波面を変調するために使用される。理想的なSLMは、任意の複素数値を表現でき、即ち、光波の振幅及び位相を独立に制御することができよう。しかし、従来の典型的なSLMは、他の特性にも影響を及ぼす望ましくない副作用を生じた状態で、振幅及び位相の何れか1特性のみを制御する。

Claims (25)

  1. 3Dコンテンツ生成システムであって、
    2Dコンテンツを生成し、当該コンテンツを遠隔の中間装置に送信するコンテンツ生成装置を備え、
    前記遠隔の中間装置は、
    後段のホログラフィック再構成を容易にするために前記コンテンツを処理し、処理された前記コンテンツを、該コンテンツの3Dホログラフィック再構成を局所的に生成するホログラフィック・ディスプレイ装置に送信することを特徴とする3Dコンテンツ生成システム。
  2. 前記2DコンテンツはTV画像であることを特徴とする請求項1に記載の3Dコンテンツ生成システム。
  3. 前記2Dコンテンツは映画(動画)又はビデオコンテンツであることを特徴とする請求項1に記載の3Dコンテンツ生成システム。
  4. 前記2Dコンテンツは写真又は絵画のような画像であることを特徴とする請求項1に記載の3Dコンテンツ生成システム。
  5. 前記遠隔の中間装置は、深さマップを計算し、追加することにより、前記コンテンツを処理することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の3Dコンテンツ生成システム。
  6. 前記ホログラフィック・ディスプレイ装置は、前記遠隔の中間装置によって組み込まれた遅延を補償する同期部を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の3Dコンテンツ生成システム。
  7. 前記遠隔の中間装置は、前記コンテンツに関連付けられた物理的環境の3Dマップを定義するデータを含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の3Dコンテンツ生成システム。
  8. 前記物理的環境はスポーツスタジアムであることを特徴とする請求項7に記載の3Dコンテンツ生成システム。
  9. 前記ホログラフィック・ディスプレイ装置は、静的なホログラフィック再構成を生成する静止画機能を含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の3Dコンテンツ生成システム。
  10. 前記ホログラフィック・ディスプレイ装置は、ユーザが前記ホログラフィック再構成の一部を拡大するためのズーム機能を含むことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の3Dコンテンツ生成システム。
  11. 前記遠隔の中間装置によって処理されたコンテンツにアクセスするために、契約者が料金を支払うことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の3Dコンテンツ生成システム。
  12. 前記ホログラフィック・ディスプレイ装置によってプロバイダの広告が前記コンテンツに挿入され、ホログラフィック的に再構成されるように、前記遠隔の中間装置によって前記プロバイダの広告が処理されるために、前記プロバイダが料金を支払うことを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の3Dコンテンツ生成システム。
  13. ホログラフィック再構成を生成するために必要となるエンコーディングは、前記遠隔の中間装置と前記ホログラフィック・ディスプレイ装置とにおける計算ユニットの間で分散されることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の3Dコンテンツ生成システム。
  14. 前記遠隔の中間装置は、当該コンテンツを処理することを容易にするために、該コンテンツの要素の物理的な3Dマップを定義するデータを含むことを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載の3Dコンテンツ生成システム。
  15. 前記ホログラフィック・ディスプレイ装置は、ホログラフィック再構成モードから従来の2D表示モードに切替可能な表示装置であることを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載の3Dコンテンツ生成システム。
  16. 前記ホログラフィック・ディスプレイ装置はハンドヘルド携帯装置であることを特徴とする請求項1乃至15の何れか1項に記載の3Dコンテンツ生成システム。
  17. 前記ホログラフィック・ディスプレイ装置はPDAであることを特徴とする請求項1乃至16の何れか1項に記載の3Dコンテンツ生成システム。
  18. 前記ホログラフィック・ディスプレイ装置はゲーム・プレイング装置であることを特徴とする請求項1乃至17の何れか1項に記載の3Dコンテンツ生成システム。
  19. 3Dコンテンツ生成システムであって、
    2Dコンテンツを生成し、当該コンテンツを遠隔の中間装置に送信するコンテンツ生成装置を備え、
    前記遠隔の中間装置は、
    後段のホログラフィック再構成を容易にするために前記コンテンツを処理し、処理された前記コンテンツを、該コンテンツの3D表示を局所的に生成する3D表示装置に送信することを特徴とする3Dコンテンツ生成システム。
  20. 前記3D表示装置は、観察者の目が立体画像を見れるようにビーム・スプリッタを備えることを特徴とする請求項1乃至19の何れか1項に記載の3Dコンテンツ生成システム。
  21. 請求項1乃至20の何れか1項に記載の3Dコンテンツ生成システムを使用するステップを含む3Dコンテンツ生成システムの方法。
  22. ホログラフィック再構成のためのコンテンツを処理する方法であって、
    ネットワーク・オペレータが3Dコンテンツ生成システムにおいてコンテンツ生成装置からの2Dコンテンツを遠隔の中間装置に送信し、
    前記遠隔の中間装置が後段のホログラフィック再構成を容易にするためにコンテンツを処理し、
    処理されたコンテンツが、ホログラムとエンコーディングされるディスプレイを用いて、該コンテンツの3Dホログラフィック再構成を局所的に生成するホログラフィック・ディスプレイ装置に送信されることを特徴とする方法。
  23. 3Dコンテンツ生成の方法であって、
    コンテンツ生成装置が遠隔の中間装置に送信される2Dコンテンツを生成し、
    前記遠隔の中間装置が後段のホログラフィック再構成を容易にするためにコンテンツを処理し、
    処理されたコンテンツが、該コンテンツの3Dホログラフィック再構成を局所的に生成するホログラフィック・ディスプレイ装置に送信されることを特徴とする方法。
  24. 前記遠隔の中間装置は、深さマップを計算し、追加することにより、前記コンテンツを処理することを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. 請求項1乃至20の何れか1項に記載の3Dコンテンツ生成システムを使用するためのステップを含む通信方法。
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