JP2014209231A - 反射防止物品、画像表示装置、反射防止物品の製造用金型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】反射防止物品は、微小突起が密接して配置され、隣接する前記微小突起の間隔が、反射防止を図る電磁波の波長帯域の最短波長以下であり、微小突起は、頂点が複数の多峰性微小突起と、頂点が一つの単峰性微小突起とから構成され、多峰性微小突起の各頂点を結ぶ線分の長さDの度数分布における平均値Pが30nm≦P≦40nmであり、標準偏差σが5nm≦σ≦15nmであることを特徴とする。
【選択図】図12
Description
また、このような反射防止物品には、更なる反射防止機能の向上が求められている。
このような形状による多峰性微小突起形状は、賦型処理後の樹脂の充填不良により生じる多峰性微小突起とは異なり、対応する形状を備えている賦型処理用の金型により作製されることにより、設計通りの高さの分布を設定して均一かつ高い量産性を確保することができる。またさらに、充填不良による場合に比して突起間の間隔を広く設定することにより、十分に耐擦傷性を向上することができ、さらには光学特性を向上することができる。
このような形状による多峰性微小突起形状は、賦型処理後の樹脂の充填不良により生じる多峰性微小突起とは異なり、対応する形状を備えている賦型処理用の金型により作製されることにより、設計通りの高さの分布を設定して均一かつ高い量産性を確保することができる。またさらに、充填不良による場合に比して突起間の間隔を広く設定することにより、十分に耐擦傷性を向上することができ、さらには光学特性を向上することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る反射防止物品を示す図(概念斜視図)である。この反射防止物品1は、全体形状がフィルム形状により形成された反射防止フィルムである。この実施形態に係る画像表示装置では、この反射防止物品1が画像表示パネルの表側面に貼り付けられて保持され、この反射防止物品1により日光、電燈光等の外来光の画面における反射を低減して視認性を向上する。なお反射防止物品は、その形状を平坦なフィルム形状とする場合に限らず、平坦なシート形状、平板形状(相対的に厚みの薄い順に、フィルム、シート、板と呼称する)とすることもでき、また平坦な形状に代えて、湾曲形状、立体形状を呈したフィルム形状、シート形状、板形状とすることもでき、さらには各種レンズ、各種プリズム等の立体形状のものを用途に応じて適宜採用することができる。
多峰性の微小突起の各頂点を結ぶ線分の長さDの度数分布における平均値をPとし、標準偏差をσとした場合に、以下の(a)の関係を満たす必要がある。
(a) 30nm≦P≦40nm、 5nm≦σ≦15nm
また、P−σ≦D≦P+σにおける前記線分の数Nmと、度数分布全体における前記線分の総数Ntとの比率(Nm/Nt)が、以下の(b)の関係を満たすことで、より具体的に反射防止機能を向上させることができる。
(b) 0.55≦Nm/Nt≦0.95
更に、P−2σ≦D≦P+2σにおける前記線分の数Nmと、前記度数分布全体における前記線分の総数Ntとの割合(Nm/Nt)が、以下の(c)の関係を満たすことが望ましい。
(c) 0.80≦Nm/Nt≦1.00
図9は、ロール版13の製造工程を示す図である。この製造工程は、電解溶出作用と、砥粒による擦過作用の複合による電解複合研磨法によって母材の周側面を超鏡面化する(電解研磨)。続いてこの工程は、アルミニウム層作成工程において、母材の周側面にアルミニウムをスパッタリングし、純度の高いアルミニウム層を作製する。続いてこの工程は、陽極酸化工程A1、…、AN、エッチング工程E1、…、ENを交互に繰り返して母材を処理し、ロール版13を作製する。
次に、多峰性の微小突起を形成し、また、微小突起の高さの分布が制御された微細な穴が形成される方法について説明する。上述したように、賦型用金型(ロール版)に形成される微細穴は、陽極酸化処理及びエッチング処理の交互の繰り返しによって形成されるが、この繰り返しの陽極酸化処理における印加電圧を可変することによって、微細穴の深さ(微小突起の高さ分布)を制御することができる。ここで、陽極酸化処理における印加電圧と、形成される微細穴の間隔(ピッチ)とは、比例する関係にあるため、陽極酸化処理、エッチング処理の繰り返しにおいて、陽極酸化処理の印加電圧を可変すれば、深さ方向に掘り進める時間が相違する微細穴を混在させてその比率を制御することができる。
上述したように、陽極酸化処理における印加電圧と、微細穴のピッチとの関係は比例関係であるが、実際上、処理に供するアルミニウムの粒界等により微細穴のピッチにはばらつきが生じる。しかし、図10においては、このばらつきが存在しないものとして、微細穴が規則正しい配列により作製されるものとして説明する。なお、図10(a)〜図10(e)において、左側の図は、ロール版13の表面の拡大図を示し、右側の図は、左側の図におけるa−a断面図を示す。
図10(a)に示すように、まず、賦型用金型の表面のアルミニウム層に、電圧V1を印加して陽極酸化工程A1を実行した後に、エッチング工程E1を実行し、微細穴f1を形成する。ここで、陽極酸化工程A1は、アルミニウムのフラット面に後続する陽極酸化処理のきっかけを作製するものである。なお、この場合、エッチング工程を適宜省略してもよい。
次に、電圧V1よりも高い電圧V2(V2>V1)を印加して陽極酸化工程A2を実行した後に、エッチング工程E2を実行する。これにより、陽極酸化工程A2では、図10(b)に示すように、先の陽極酸化工程A1により形成された微細穴f1のうち、陽極酸化工程A2に対応する間隔の微細穴f1を更に掘り下げる。
本実施形態では、陽極酸化工程A2によって、先の陽極酸化工程A1で形成された微細穴f1を二つ置きに掘り進める処理が行われる。従って、賦型用金型の表面には、二つ置きに広くかつ深く掘り下げられた微細穴f2が形成され、ロール版13の表面には、微細穴f1と微細穴f2とが混在する状態となる。
続いて、電圧V2よりも高い電圧V3(V3>V2)を印加して陽極酸化工程A3を実行した後に、エッチング工程E3を実行する。この工程では、ピッチの異なる微細穴を作製する。具体的には、印加する電圧を、電圧V2から電圧V3へ徐々に上昇させ、この印加電圧の上昇を離散的(段階的)に実行すると、微小突起の高さ分布(微細穴の深さ分布)を離散的に作製することができ、この印加電圧の上昇を連続的に実行すると、微小突起の高さ分布を正規分布に設定することができる。そのため、本実施形態では、陽極酸化工程A3における印加電圧の印加時間、エッチング工程の処理時間を上述の第1の工程、第2の工程よりも長く設定することにより、図10(c)に示すように、最初の陽極酸化工程A1において形成された微細穴f1が二つ、一つに纏まるように広くかつ深く掘り進められ、また、その一つに纏められた微細穴f3の底面が略平坦に形成される(平坦微細穴形成工程)。ここで、略平坦とは、微細穴の底面が平坦な状態だけでなく、その底面が大きい曲率半径で湾曲している状態をも含む状態をいう。
続いて、電圧V3よりも高い電圧V4(V4>V3)を印加して陽極酸化工程A4を実行した後に、エッチング工程E4を実行する。この工程では、目的とする突起間間隔によるピッチにより微細穴を作成する。この陽極酸化工程A4においても、印加電圧は、電圧V3から電圧V4へ徐々に上昇させる。これにより、上記第3の工程により掘り進められた微細穴f3の一部が更に掘り進められ、その結果、図10(d)に示すように、微細穴f4となり、この微細穴f4が高さの高い単峰性の微小突起を形成する。
続いて、印加電圧を上記第1の工程における電圧V1に変更して陽極酸化工程A5を実行した後に、エッチング工程E5を実行する。この工程では、陽極酸化工程A3において形成された微細穴f3であって、第4の工程の陽極酸化工程A4の影響を受けていない微細穴の底面に、図10(e)に示すように、微細穴を複数個形成し、多峰性の微小突起に対応する微細穴f5を形成する(多峰突起用微細穴形成工程)。ここで、印加する電圧V1の大きさを調整することによって、微細穴f5の底面に形成される微細穴の数を増減したり、微細穴の間隔を調整したりすることができる。
ここで、この一連の工程では、第1の工程及び第2の工程により作製された深さの異なる微細穴f1、f2を、第3の工程で掘り進めて底面の略平坦な微細穴f3を作製し、第4の工程において、この微細穴f3を掘り進めて単峰性の微小突起に係る微細穴f4を作製し、また、第5の工程において、この微細穴f3の底面を加工して多峰性の微小突起に係る微細穴f5を作製している。ここで、第1の工程から第4の工程に係る陽極酸化工程の印加時間、処理時間、エッチング工程の処理時間等を制御して、各工程で作製される微細穴の深さを制御することにより、微小突起の高さの分布や、多峰性の微小突起の高さの分布を制御することができる。なお、上述の第1の工程〜第5の工程は、必要に応じて省略したり、繰り返したり、工程を一体化したりすることができる。
ここで図11(a)に示すように、第1の工程において、先ず、賦型用金型の表面のアルミニウム層に、電圧V1を印加して陽極酸化工程A1を実行した後に、エッチング工程E1を実行し、微細な穴f1を形成する。ここで、陽極酸化工程A1は、アルミニウムのフラット面に後続する陽極酸化処理のきっかけを作製するものである。なお、この場合、エッチング工程を適宜省略してもよい。
次に、電圧V1よりも高い電圧V2(V2>V1)を印加して陽極酸化工程A2を実行した後に、エッチング工程E2を実行する。これにより、陽極酸化工程A2では、図11(b)に示すように、先の陽極酸化工程A1により形成された微細な穴f1のうち、陽極酸化工程A2に対応する間隔の微細な穴f1を更に掘り下げる。
続いて、電圧V1と電圧V2の間の電圧V3(V2>V3>V1)を印加して陽極酸化工程A3を実行した後に、エッチング工程E3を実行する。この工程では、ピッチの異なる微細な穴を作製する。具体的には、印加する電圧を、電圧V3として、縦横に面内に配列した微細な穴f2の間に存在する図示の如くの特定の微細な穴f1を一つ置きに広く且つ深く掘り下げる。ここで印加電圧V3をV3=(V1)1/2に設定すると、陽極酸化工程A3における印加電圧の印加時間、エッチング工程の処理時間を上述の第1の工程よりも長く設定することにより、図11(c)に示すように、最初の陽極酸化工程A1において形成された微細な穴f1のうち、4個の微細な穴f2で囲まれる最小の四角形の中心に位置する微細な穴f1が選択的に深く掘り下げられる。且つ同時に、第2の陽極酸化工程A2形成された微細な穴f2のうちで図11(c)で図示される位置関係に有る一部のものが更に掘り下げられ、微細な穴f3となる。
図12は、実施例1の反射防止物品の多峰性の微小突起の各頂点を結ぶ線分の長さD(多峰性の微小突起の頂点間距離)の度数分布を示す図である。
実施例1の反射防止物品を製造する賦型用金型は、上述の第2工程、第3工程、第4工程で陽極酸化処理の印加電圧を連続的に変化させたものであり、また第5工程では、第4工程の印加電圧から電圧を低下させたものである。
また、図12に示す度数分布において、P−σ=21.9nm≦D≦P+σ=43.1nmにおける多峰性の微小突起の各頂点を結ぶ線分の数Nmが29本であり、この度数分布全体における多峰性の微小突起の各頂点を結ぶ線分の総数Ntが37本であるので、両者の比率(Nm/Nt)は0.78となり、上述の(b)の関係、すなわち、0.55≦Nm/Nt=0.78≦0.95を満足する。
更に、P−2σ=11.3nm≦D≦P+2σ=53.7nmにおける多峰性の微小突起の各頂点を結ぶ線分の数Nmが36本であるので、Ntとの比率(Nm/Nt)は0.97となり、上述の(c)の関係、すなわち、0.80≦Nm/Nt=0.97≦1.00も満足する。
実施例1の反射防止物品は、2峰の微小突起の各頂点を結ぶ線分の長さDの平均値がP=33.4nmであり、その標準偏差がσ=10.7nmである。従って、上述の(a)の関係、すなわち、30nm≦P≦40nm、5nm≦σ≦15nmを満足する。
ここで、P−σ=22.8nm≦D≦P+σ=44.1nmにおける2峰の微小突起の各頂点を結ぶ線分の数Nmが17本であり、この度数分布全体における2峰の微小突起の各頂点を結ぶ線分の総数Ntが25本であるので、両者の比率(Nm/Nt)は0.68となり、上述の(b)の関係、すなわち、0.55≦Nm/Nt=0.68≦0.95を満足する。
また、P−2σ=12.1nm≦D≦P+2σ=54.8nmにおける2峰の微小突起の各頂点を結ぶ線分の数Nmが24本であるので、Ntとの比率(Nm/Nt)は0.96となり、上述の(c)の関係、すなわち、0.80≦Nm/Nt=0.96≦1.00も満足する。
実施例1の反射防止物品は、3峰の微小突起の各頂点を結ぶ線分の長さDの平均値がP=30.7nmであり、その標準偏差がσ=10.5nmである。従って、上述の(a)の関係、すなわち、30nm≦P≦40nm、5nm≦σ≦15nmを満足する。
ここで、P−σ=20.2nm≦D≦P+σ=41.2nmにおける3峰の微小突起の各頂点を結ぶ線分の数Nmが7本であり、この度数分布全体における3峰の微小突起の各頂点を結ぶ線分の総数Ntが12本であるので、両者の比率(Nm/Nt)は0.58となり、上述の(b)の関係、すなわち、0.55≦Nm/Nt=0.58≦0.95を満足する。
また、P−2σ=9.7nm≦D≦P+2σ=51.7nmにおける3峰の微小突起の各頂点を結ぶ線分の数Nmが12本であるので、Ntとの比率(Nm/Nt)は1.00となり、上述の(c)の関係、すなわち、0.80≦Nm/Nt=1.00≦1.00も満足する。
図13は、実施例2の反射防止物品の多峰性の微小突起の各頂点を結ぶ線分の長さD(多峰性の微小突起の頂点間距離)の度数分布を示す図である。
実施例2の反射防止物品を製造する賦型用金型は、徐々に印加電圧を可変して陽極酸化処理を実行し、第4工程では、図12の例による最高電圧に比して一段とより高い電圧により陽極酸化処理を実行ものである。
また、図13に示す度数分布において、P−σ=25.4nm≦D≦P+σ=47.2nmにおける多峰性の微小突起の各頂点を結ぶ線分の数Nmが19本であり、この度数分布全体における多峰性の微小突起の各頂点を結ぶ線分の総数Ntが32本であるので、両者の比率(Nm/Nt)は0.59となり、上述の(b)の関係、すなわち、0.55≦Nm/Nt=0.59≦0.95を満足する。
また、P−2σ=14.5nm≦D≦P+2σ=58.1nmにおける多峰性の微小突起の各頂点を結ぶ線分の数Nmが29本であるので、Ntとの比率(Nm/Nt)は0.91となり、上述の(c)の関係、すなわち、0.80≦Nm/Nt=0.91≦1.00も満足する。
実施例2の反射防止物品は、2峰の微小突起の各頂点を結ぶ線分の長さDの平均値がP=33.1nmであり、その標準偏差がσ=13.5nmである。従って、上述の(a)の関係、すなわち、30nm≦P≦40nm、5nm≦σ≦15nmを満足する。
ここで、P−σ=19.7nm≦D≦P+σ=46.6nmにおける2峰の微小突起の各頂点を結ぶ線分の数Nmが13本であり、この度数分布全体における2峰の微小突起の各頂点を結ぶ線分の総数Ntが21本であるので、両者の比率(Nm/Nt)は0.62となり、上述の(b)の関係、すなわち、0.55≦Nm/Nt=0.62≦0.95を満足する。
また同様に、P−2σ=6.2nm≦D≦P+2σ=60.1nmにおける2峰の微小突起の各頂点を結ぶ線分の数Nmが21本であるので、Ntとの比率(Nm/Nt)は1.00となり、上述の(c)の関係、すなわち、0.80≦Nm/Nt=1.00≦1.00も満足する。
実施例2の反射防止物品は、3峰の微小突起の各頂点を結ぶ線分の長さDの平均値がP=44.4nmであり、その標準偏差がσ=12.3nmである。従って、上述の(a)の関係、すなわち、30nm≦P≦40nm、5nm≦σ≦15nmを満足する。
ここで、P−σ=32.2nm≦D≦P+σ=56.7nmにおける3峰の微小突起の各頂点を結ぶ線分の数Nmが8本であり、この度数分布全体における3峰の微小突起の各頂点を結ぶ線分の総数Ntが9本であるので、両者の比率(Nm/Nt)は0.89となり、上述の(b)の関係、すなわち、0.55≦Nm/Nt=0.89≦0.95を満足する。
また、P−2σ=19.9nm≦D≦P+2σ=69.0nmにおける3峰の微小突起の各頂点を結ぶ線分の数Nmが9本であるので、Ntとの比率(Nm/Nt)は1.00となり、上述の(c)の関係、すなわち、0.80≦Nm/Nt=1.00≦1.00も満足する。
また、多峰性の微小突起の各頂点を結ぶ線分のP−σ≦D≦P+σにおける数Nmと、度数分布全体における総数Ntとの比率(Nm/Nt)が、上述の(b)の関係(0.55≦Nm/Nt≦0.95)を満たし、また、2峰の微小突起、3峰の微小突起の個別評価においても同様に(b)の関係を満たすので、上記効果をより具体的に実現することができる。
更に、多峰性の微小突起の各頂点を結ぶ線分のP−2σ≦D≦P+2σにおける数Nmと、度数分布全体における総数Ntとの比率(Nm/Nt)が、上述の(c)の関係(0.80≦Nm/Nt≦1.00)を満たし、また、2峰の微小突起、3峰の微小突起の個別評価においても同様に(c)の関係を満たすので、上記効果をより具体的に実現することができる。
ところでこの陽極酸化処理及びエッチング処理の交互の繰り返しにより微細穴を作製して反射防止物品を作製したところ、上述したように耐擦傷性に改善の余地が見られた。そこで反射防止物品を詳細に観察したところ、従来のこの種の反射防止物品のように、多角錘形状や回転放物面形状のような1つの頂点のみを持つ単峰性の微小突起のみからなり、各頂点の高さも一様に作製されている場合には、例えば他の物体が接触した場合に、広い範囲で微小突起の形状が一様に損なわれ、これにより反射防止機能が局所的に劣化し、また接触個所に白濁、傷等が発生して外観不良が発生することが判った。しかしながらロール版の製造条件を変更すると、このような耐擦傷性が改善されることが判った。
nef(z)=1×SA(z)/(SA(z)+SM(z))+nA×SM(z)/(SA(z)+SM(z))(式1)
で表される。これは、周辺媒質の屈折率nA及び微小突起構成材料の屈折率nMを、各々周辺媒質の合計断面積SA(z)及び微小突起の合計断面積の合計値SM(z)の比で比例配分した値となる。
|nef(z)−nA(z)|multi<|nef(z)−nA(z)|mono(式2)
となる。ここでnA(z)=1とすると、
|nef(z)−1|multi<|nef(z)−1|mono(式2A)
となる。
R=(n1−n0)2/(n1+n0)2(式3)
となる。この式より界面両側の媒質の屈折率差n1−n0が小さいほど界面での光の反射率Rは減少し、(n1−n0)が値0に近づけばRも値0に近づくことになる。
表1は、耐擦傷性の評価結果を示す図である。上述の実施例1、実施例2の反射防止物品を単峰性微小突起のみによる同様の突起高さ分布による反射防止物品と比較したものである。なお比較例1は繰り返しの陽極酸化処理の印加電圧を第2の工程以降においても第1の工程と同一の一定電圧として作製した。また比較例2は、陽極酸化処理の印加電圧を2段階で切り替えて作製した。
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に変更し、さらには従来構成と組み合わせることができる。
(1)基材の表裏両面上に微小突起群が無い場合は、8%。
(2)基材の一方の面上にのみ微小突起群を有する場合は、4.2%。
(3)基材の表裏両面上に微小突起群を有する場合は、0.4%。
となる。
また、図示は略すが、図1等に図示の如き本発明の反射防止物品1において、基材2の微小突起群形成面とは反対側の面(図1においては基材2の下側面)に各種接着剤層を形成し、更に該接着剤層表面に離型フィルム(離型紙)を剥離可能に積層してなる接着加工品の形態とすることも出来る。かかる形態においては、離型フィルムを剥離除去して接着剤層を露出せしめ、該接着剤層により所望の物品の所望の表面上に本発明の反射防止物品1を貼り合わせ、積層することが出来、簡便に所望の物品に反射防止性能を付与することが出来る。接着剤としては、粘着剤(感圧接着剤)、2液硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、熱熔融型接着剤等の公知の接着形態のものが各種使用出来る。
DMIN=DAVG―2Σ
として定義する最小隣接突起間距離を以って周期Dの代わりとして設計する。即ち、微小突起群の殘留反射光の散乱効果を十分奏し得る条件は、
DMIN>λmax
又、該凹凸の高低差に相当するJIS B0601(1994年)規定のRz値(10点平均粗さ)は、
Rz≧λmin
である。通常、D又はDMINは1〜600μm、好ましくは10〜300μmとされる。又、通常、Rzは0.4〜5μmとされる。
各微小突起の谷底を連ねた包絡面形が、D(又はDMIN)>λmax、なる凹凸面6を呈する樣な微小突起群を形成する具体的な製造方法の一例を挙げると以下の通りである。即ち、ロール版13の製造工程において、円筒(又は円柱)形状の母材の表面にサンドブラスト又はマット(つや消し)メッキによって凹凸面6の凹凸形状に対応する凹凸形状を賦形する。次いで、該凹凸形状の面上に、直接或いは必要に応じて適宜の中間層を形成した後、アルミニウ層を積層する。その後、該凹凸形状表面に対応した表面形状を賦形されたアルミニウム層に上述の実施形態と同様にして陽極酸化処理及びエッチング処理を施して微小突起5、5A、5Bを含む微小突起群を形成する。
2 基材
4 紫外線硬化性樹脂層、受容層
5、5A、5B 微小突起
6 凹凸面
10 製造工程
12 ダイ
13 ロール版
14、15 ローラ
g 溝
Claims (5)
- 微小突起が密接して配置され、隣接する前記微小突起の間隔が、反射防止を図る電磁波の波長帯域の最短波長以下である反射防止物品において、
前記微小突起は、頂点が複数の多峰性微小突起と、頂点が一つの単峰性微小突起とから構成され、
前記多峰性微小突起の各頂点を結ぶ線分の長さDの度数分布における平均値Pが30nm≦P≦40nmであり、標準偏差σが5nm≦σ≦15nmであること、
を特徴とする反射防止物品。 - P−σ≦D≦P+σにおける前記線分の数Nmと、前記度数分布全体における前記線分の総数Ntとの比率(Nm/Nt)が、以下の関係、
0.55≦Nm/Nt≦0.95を満たすこと、
を特徴とする請求項1に記載の反射防止物品。 - P−2σ≦D≦P+2σにおける前記線分の数Nmと、前記度数分布全体における前記線分の総数Ntとの割合(Nm/Nt)が、以下の関係、
0.80≦Nm/Nt≦1.00を満たすこと、
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の反射防止物品。 - 画像表示パネルの出光面上に、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の反射防止物品を配置した
画像表示装置。 - 反射防止物品の製造に供する反射防止物品の製造用金型であって、
前記反射防止物品は、
微小突起が密接して配置され、
隣接する前記微小突起の間隔が、反射防止を図る電磁波の波長帯域の最短波長以下であり、
前記微小突起は、頂点が複数の多峰性微小突起と、頂点が一つの単峰性微小突起とから構成され、
前記多峰性微小突起の各頂点を結ぶ線分の長さDの度数分布における平均値Pが30nm≦P≦40nmであり、標準偏差σが5nm≦σ≦15nmであり、
前記反射防止物品の製造用金型は、
前記微小突起に対応する微細穴が密接して作製されていること、
を特徴とする反射防止物品の製造用金型。
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