JP2014208876A - 高強度熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

高強度熱延鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Tiによる粒子分散強化を最大限活用した高強度熱延鋼板およびその製造方法を提供する。【解決手段】質量%でTi:0.20%超を含有する鋼板組成と、フェライト相の面積率が80%以上、前記フェライト相の平均結晶粒径が6μm以下であり、Tiを含む炭化物の析出量が質量%で0.22%以上であり、前記炭化物の平均粒子径が10nm以下である鋼板組織とすることで、引張強さが980MPa以上の高強度熱延鋼板とする。【選択図】なし

Description

本発明は、自動車用部材の使途に有用な、引張強さ(TS):980MPa以上の高強度熱延鋼板およびその製造方法に関する。
近年地球環境保全の観点から、CO2排出量削減のため自動車業界全体で自動車の燃費改善が指向されている。自動車の燃費改善には、使用部材の薄肉化による自動車車体の軽量化が最も有効である。一方で、使用部材の薄肉化は自動車車体の強度を低下させるため、耐衝撃性を低下させることとなる。したがって、自動車車体の耐衝撃性と軽量化を両立させるためには、使用部材を高強度化することが必須となる。このような観点から、自動車用部材として、引張強さが980MPa以上であるような高強度熱延鋼板が使用されるようになり、その使用量は年々増加しつつある。
高強度鋼板を製造する技術に関しては、合金元素を多量に添加し、固溶強化や転位強化等に着目してこれらの強化機構を最大限活用しようとする技術が数多く提案されている。
例えば、特許文献1には、転位強化機構を活用した技術であって、鋼板組成を質量%でC:0.12%以上0.5%以下、Si:2.0%以下、Mn:1.0%以上5.0%以下を含有する組成とし、鋼板組織を大きさ5nm以上500nm以下の鉄系炭化物(主としてFe3C)が析出したマルテンサイトとフェライトを含む複合組織とすることで、引張強さ980MPa以上の高強度鋼板とする技術が提案されている。
また、炭化物を分散させることで高強度化する粒子分散強化機構を活用した技術では、炭化物構成元素のなかでも特に炭化物形成能の高いTiが積極的に用いられている。
例えば特許文献2には、鋼板組成を質量%で、C:0.02〜0.15%、Mo:0.05〜0.7%、Ti:0.03〜0.35%を含有する組成、或いは更にNb:0.06%以下、V:0.15%以下のうちの1種以上を含む組成とし、鋼板組織を実質的にフェライト単相組織であり且つTiおよびMoを含む10nm未満の析出物、具体的にはTiとMoを含む複合炭化物が分散した組織とすることで、引張強さ780MPa以上の高強度熱延鋼板とする技術が提案されている。
一方、鋼板を素材とする自動車部材の多くは、せん断加工や打抜加工によって部品へと成形される。ここで、せん断端面や打抜端面に割れや荒れ等の異常部が生成されると、成形時の割れの原因になったり、耐疲労性が低下するなど、様々な問題を引き起こす。特に、引張強さが980MPa以上の高強度熱延鋼板にはせん断端面や、打抜端面に異常部が生成され易く、優れた打抜性を要求される場合がある。
したがって、鋼板の強度とプレス成形性(打抜性等)を共に高めようとする技術も提案されている。
例えば特許文献3には、鋼板組成を質量%で、C:0.010〜0.200%、Si:0.01〜1.50%、Mn:0.25〜3.00%、B:0.0002〜0.0030%をそれぞれ含有し、P:0.05%以下に制限し、更に、Ti:0.03〜0.20%、Nb:0.01〜0.20%、V:0.01〜0.20%、Mo:0.01〜0.20%のうちの何れか1種又は2種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成とし、且つ、フェライトの大角結晶粒界へのCの偏析量とBの偏析量との合計を4〜10atms/nm2の範囲とする技術が提案されている。なお、特許文献3で提案された技術によると、フェライト結晶粒内にTi等の炭化物が析出して強度が上昇し、且つ、フェライトの大角結晶粒界に適正な量のC及びBを偏析させることにより打ち抜き端面の損傷が減少するため、引張強さが690MPa以上であり打ち抜き加工性に優れた高強度熱延鋼板が得られるとしている。
特開2009−287102号公報 特開2007−31802号公報 特開2008−266726号公報
しかしながら、特許文献1で提案されるようにマルテンサイト等の変態組織により高強度を得ようとする技術では、鋼板強度のばらつきが非常に大きくなる。マルテンサイトを含む鋼板組織とするためにはγ域の高温状態にある鋼板を急冷する必要があるが、急冷における冷却速度の変動に対して鋼板強度のばらつきが生じ易いためである。このように鋼板強度のばらつきが大きくなると、歩留まりが著しく低下したり部材としての信頼性が低下することとなる。
一方、微細な炭化物を分散させることで高強度化を図る粒子分散強化機構を活用する技術では、γ鉄中でのTiCの溶解度が問題となる。
Tiを含有する溶鋼を連続鋳造してスラブを鋳造する場合、連続鋳造後に室温まで冷却される過程でスラブ中にTiを含む炭化物であって粗大な炭化物が析出する。そして、Tiを含む炭化物のうち鋼板の高強度化に寄与する微細な炭化物は、従来、スラブをγ域に加熱することで、スラブ中に析出したTiを含む粗大な炭化物を溶解し、熱間圧延終了後の冷却または巻取り工程(主にγ→α変態時)でTiを含む炭化物を微細に分散析出させることにより得ている。したがって、スラブのTi含有量を高め、熱間圧延前のスラブ加熱時において、スラブ中にTiを大量に溶かし込むことができれば、熱間圧延終了後の冷却または巻取り工程でTiを含む炭化物を微細かつ多量に析出し、大きな粒子分散強化量を得ることが期待できる。
しかしながら、γ鉄中でのTiCの溶解度には限界がある。それゆえ、鋼板の素材となる鋼に一定量以上のTiを添加しても、Tiを含む炭化物のうち強化に寄与しない0.5μmを超える粗大な炭化物が析出してしまい、強化に寄与する微細な炭化物の析出量が増加しないために粒子分散強化量は飽和してしまう。また、γ鉄中でのTiCの溶解度を超える多量のTiを添加すると、スラブ加熱時に溶解しなかったTiを含む炭化物が、最終的に得られる熱延鋼板中に粗大化した形で大量に残存し、鋼板強度が上昇するどころか逆に低下したり、延性が乏しくなるおそれもある。
以上の理由により、従来、炭化物構成元素としてTiのみを用いて引張強さ980MPa以上の鋼板とすることは困難とされていた。
このような問題に対し、特許文献2で提案された技術では、炭化物構成元素としてTiと共にMoを添加することを必須とし、或いは更にV等を添加し、これらの元素の複合炭化物を形成することで、分散強化効果を高めようとしている。しかし、Mo、V等はTiよりも炭化物形成能が低いため、効率的に高強度化できず、多量の合金元素が必要となる。そして、Mo、V等は高価な元素であることから、特許文献2で提案された技術によると、製品コストの高騰は免れない。
また、特許文献3で提案された技術では、BおよびCの粒界偏析量を制御する目的で巻取り温度を低くする必要があるため、フェライト中に析出する炭化物の析出量が十分でなく、引張強さ980MPa以上の高強度を兼ね備えた鋼板は得られない。
以上のように、従来技術では、たとえ引張強さが980MPa以上の鋼板が得られる場合であっても、安定した品質を保つことが困難であったり、Mo、V等の高価な合金元素を多量に必要とし、品質面やコスト面で改善の余地があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、これまでに実現されることのなかった0.2%を超えるTi添加で粒子分散強化量を最大限上昇させた、引張強さ980MPa以上の高強度熱延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明者は、最も炭化物形成能の高いTiに着目し、鋼素材にTi以外の炭化物構成元素を添加しない場合であっても、粒子分散強化機構により熱延鋼板の引張強さを980MPa以上とし得る手段について鋭意検討した。
本発明者は、先ず、熱延鋼板製造工程における熱間圧延前のTiを含む炭化物の析出挙動について詳しく調べた。
先述のとおり、Tiを含む炭化物のうち熱延鋼板の高強度化に寄与する微細な炭化物は、Tiが固溶したスラブに熱間圧延を施した後の冷却または巻取り工程(主にγ→α変態時)で鋼板中に析出する。また、熱延鋼板に析出する微細な炭化物の析出量が多いほど、粒子分散強化量が増加し、熱延鋼板強度が上昇する。したがって、Tiを含む炭化物による粒子分散強化機構を最大限活用するうえでは、スラブ中に可能な限り多くのTiが固溶した状態で熱間圧延を施し、Tiを含む炭化物を析出させずに熱間圧延の仕上げ圧延を完了することが望ましい。
一方、Tiを含有する溶鋼を連続鋳造してスラブとする場合、連続鋳造後のスラブを室温まで冷却する際にTiを含む粗大な炭化物が析出する。そのため、Tiを含む炭化物のうち高強度化に寄与する微細な炭化物を鋼板中に析出させるためには、従来、熱間圧延前の室温状態のスラブをγ域まで加熱し、スラブ中のTiを含む粗大な炭化物を溶解する工程を必要としていた。そして、その加熱温度によりTiを含む炭化物が溶解できる量が決定され、溶解された量により熱延鋼板強度が決定されてきた。
ここで、γ鉄中でのTiを含む炭化物の溶解量には限界があることから、スラブのTi含有量が過剰になると、熱間圧延前のスラブ加熱時にTiを含む粗大な炭化物を完全に溶解することができず、最終的に得られる熱延鋼板にもTiを含む炭化物が粗大な状態で大量に残存する。このように、変形時にボイド生成の起点となる粗大なTiを含む炭化物が大量に残存すると、鋼板強度が低下する等、熱延鋼板の諸特性に悪影響を及ぼす。したがって、従来、γ鉄中でのTiCの溶解度に応じて、スラブのTi含有量を抑制する必要があった。
以上のように、連続鋳造後、室温まで冷却されたスラブをγ域まで再加熱したのち熱間圧延を施して熱延鋼板とする従来の技術では、Tiを含む炭化物による粒子分散強化量が、γ鉄中でのTiCの溶解度に制限されていた。
そこで、本発明者が注目したのは、固相中(γ鉄中)におけるTiCの溶解限と、液相中(溶鉄中)におけるTiCの溶解限が、大きく異なる点である。
固相中(γ鉄中)と比べて、液相中(溶鉄中)におけるTiCの溶解限は著しく大きいため、液相中に多量のCとTiを添加しても粗大なTiを含む炭化物は生成されず、溶解する。そして、多量のCとTiを溶解した溶鉄を固相域まで冷却した場合、γ鉄中における溶解度を超えるCとTiが含まれていても、Tiを含む炭化物は直ちに析出せず、固相域における安定状態(平衡状態)に達するまでの間に徐々に析出する。
これらの現象を踏まえ、本発明者は、溶鋼を連続鋳造してγ鉄中におけるTiCの溶解度を超えるCとTiを含有するスラブとし、該スラブに熱間圧延を施して熱延鋼板を製造する場合であっても、連続鋳造から熱間圧延の仕上げ圧延を完了するまでの時間を短縮すれば、Tiを含む炭化物のうち強化に寄与しない粗大な炭化物を析出させることなく仕上げ圧延を完了でき、微細な炭化物の析出量を増加することが可能であるものと推測した。
そして、本発明者は、上記推測をもとに検討を進めた結果、溶鋼を連続鋳造してγ鉄中におけるTiCの溶解度を超えるCとTiを含有するスラブとした場合であっても、熱間圧延の仕上げ圧延を連続鋳造後5時間以内に完了すれば、熱延鋼板の強度を低下させるほどの粗大な炭化物は生成しないことを知見した。すなわち、連続鋳造後から仕上げ圧延完了までの時間を短縮化すると、従来にないほどの多量のCおよびTiの量を液相中へ添加し、Tiを含む粗大な炭化物を生成させる前に熱間圧延を完了させることで、Ti添加により粒子分散強化量を最大限上昇させた高強度熱延鋼板が得られることに想到した。
なお、連続鋳造後から熱間圧延の仕上げ圧延が完了するまでの時間が長時間化するにつれて、Tiを含む炭化物のうち粒子径が50nm以上である炭化物が析出する傾向が見られた。しかしながら、連続鋳造後から仕上げ圧延完了までの時間が5時間以内であれば、その析出量は熱延鋼板強度を著しく低下させるものではなく、依然として980MPa以上の引張強さが得られることが確認された。また、Tiを含む炭化物のうち粒子径が50nm以上の炭化物は、フェライト粒内に均一に分散してせん断加工および打抜加工でのボイド生成ならびに亀裂成長を促進するため、せん断端面および打抜端面性状を改善することが明らかになった。すなわち、Tiを含む炭化物のうち粒子径が50nm以上である炭化物が適度に析出する場合には、熱延鋼板の強度向上効果は多少鈍るものの、打抜性の向上効果が得られるという新たな知見も得た。
本発明は上記の知見に基づき完成されたものであり、その要旨は次のとおりである。
[1] 質量%で、C :0.06%以上0.6%以下、Si:1.5%以下、Mn:2.5%以下、P :0.1%以下、S :0.01%以下、Al:0.1%以下、N :0.01%以下、Ti:0.20%超を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成と、フェライト相の面積率が80%以上、前記フェライト相の平均結晶粒径が6μm以下であり、Tiを含む炭化物の析出量が質量%で0.22%以上であり、前記炭化物の平均粒子径が10nm以下である組織とを有し、引張強さが980MPa以上であることを特徴とする高強度熱延鋼板。
[2] 前記[1]において、前記炭化物のうち、粒子径が50nm以上0.5μm以下である炭化物が、前記フェライト相の結晶粒内に分散していることを特徴とする高強度熱延鋼板。
[3] 前記[1]または[2]において、前記組成に加えて更に、質量%で、V:0.01%以上3%以下、Nb:0.01%以上0.5%以下の1種または2種を含有することを特徴とする高強度熱延鋼板。
[4] 前記[1]ないし[3]のいずれかにおいて、前記組成に加えて更に、質量%で、Mo:0.01%以上0.2%以下、W:0.01%以上0.5%以下、Zr:0.01%以上1%以下、Hf:0.01%以上1%以下のいずれか1種または2種以上を含有することを特徴とする高強度熱延鋼板。
[5] 前記[1]ないし[4]のいずれかにおいて、前記組成に加えて更に、質量%で、Co、REM、B、Ni、Cr、Sb、Cu、Mg、Caのうちの1種または2種以上を合計で0.2%以下含有することを特徴とする高強度熱延鋼板。
[6] 前記[1]ないし[5]のいずれかにおいて、鋼板表面にめっき層を有することを特徴とする高強度熱延鋼板。
[7] 前記[6]において、前記めっき層が亜鉛めっき層であることを特徴とする高強度熱延鋼板。
[8] 前記[6]において、前記めっき層が合金化亜鉛めっき層であることを特徴とする高強度熱延鋼板。
[9] 溶鋼を連続鋳造してスラブとし、該スラブに熱間圧延を施し、熱間圧延終了後、冷却し、巻き取り、熱延鋼板とするにあたり、前記スラブを、質量%で、C:0.06%以上0.6%以下、Si:1.5%以下、Mn:2.5%以下、P:0.1%以下、S:0.01%以下、Al:0.1%以下、N:0.01%以下、Ti:0.20%超を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成とし、前記熱間圧延の仕上げ圧延終了温度を850℃以上とし、かつ、前記熱間圧延の仕上げ圧延を前記連続鋳造終了後5時間以内に完了させ、前記冷却を前記熱間圧延の仕上げ圧延終了後3秒以内に開始し、前記冷却の平均冷却速度を30℃/s以上とし、前記巻き取りの巻取り温度を550℃以上700℃以下とすることを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
[10] 前記[9]において、前記組成に加えて更に、質量%で、V:0.01%以上3%以下、Nb:0.01%以上0.5%以下の1種または2種を含有することを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
[11] 前記[9]または[10]において、前記組成に加えて更に、質量%で、Mo:0.01%以上0.2%以下、W:0.01%以上0.5%以下、Zr:0.01%以上1%以下、Hf:0.01%以上1%以下のいずれか1種または2種以上を含有することを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
[12] 前記[9]ないし[11]のいずれかにおいて、前記組成に加えて更に、質量%で、Co、REM、B、Ni、Cr、Sb、Cu、Mg、Caのうちの1種または2種以上を合計で0.2%以下含有することを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
[13] 前記[9]ないし[12]のいずれかにおいて、前記熱延鋼板の表面にめっき層を形成することを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
[14] 前記[13]において、前記めっき層が亜鉛めっき層であることを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
[15] 前記[13]において、前記めっき層が合金化亜鉛めっき層であることを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
本発明によると、引張強さ:980MPa以上の高強度熱延鋼板が得られ、自動車の構造部材等の使途に好適であり、かつ自動車部材の軽量化および耐衝撃性向上を可能とする等の効果を奏する。また、本発明によると、引張強さ:980MPa以上であり且つ打抜性にも優れた高強度熱延鋼板が得られ、自動車部材の成形を容易とする等の効果が著しい。そして、引張強さ:980MPa以上の高強度熱延鋼板、或いは打抜性を兼ね備えた引張強さ:980MPa以上の高強度熱延鋼板が得られることから、高強度熱延鋼板の更なる用途展開が可能となり、産業上格段の効果を奏する。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明熱延鋼板の組織の限定理由について説明する。
本発明の熱延鋼板は、フェライト相の面積率が80%以上、前記フェライト相の平均結晶粒径が6μm以下であり、Tiを含む炭化物の析出量が質量%で0.22%以上であり、前記炭化物の平均粒子径が10nm以下である組織を有する。
引張強さが980MPa以上となる鋼板は軟鋼と比べて延性に劣るため、成形性の劣化が問題となる。この問題を解決するために、母材の金属組織は成形性に優れるフェライトを主な金属組織とする必要がある。そして、フェライトは軟質であるため引張強さが980MPa以上の熱延鋼板を得ることは困難であったが、本発明は、フェライト変態の進行とともに微細な炭化物を析出分散させることで高強度化したことに特徴がある。具体的には、熱延鋼板を製造する際、CおよびTiを多量に固溶したスラブをγ域で熱間圧延し、熱間圧延終了後の冷却または巻取り工程において、γ→α変態に伴いTiを含む微細な炭化物を析出させることで、熱延鋼板の高強度化を図る。
フェライト相の面積率:80%以上
上記のとおり、Tiを含む微細な炭化物を大量に析出させるうえでは、熱間圧延終了後のフェライト変態が必須となる。すなわち、熱延鋼板の高強度化に寄与する微細な炭化物の析出量はフェライト相の面積率に依存し、熱延鋼板のフェライト相の面積率が高いほど微細な炭化物の析出量も増加する。そのため、ベイナイトやマルテンサイトの面積率が高くなると、スラブ中に含有させた炭化物構成元素の析出量が減じるため、所望の熱延鋼板強度が得られない。
更に、フェライト相と第二相組織(ベイナイト、パーライト、マルテンサイト等)とは組織間に硬度差があるため、フェライト相と第二相組織との界面は鋼板の打抜加工時に応力集中の起点となり易い。したがって、第二相組織の面積率が高くなると、熱延鋼板の打抜加工時に亀裂成長が不安定となり、打抜き端面の荒れや亀裂といった問題が生じる。以上の理由により、本発明ではフェライト相の面積率を80%以上とする必要がある。好ましくは90%以上である。
なお、本発明の熱延鋼板において、鋼板中に含有され得るフェライト相以外の組織としては、パーライト、ベイナイト、マルテンサイト、残留オーステナイト等が挙げられる。これらの組織が鋼板中に多量に存在すると、熱延鋼板特性(強度、打抜性等)が低下する。そのため、これらの組織は低減することが好ましいが、鋼板の金属組織全体に対する合計面積率が約20%以下であれば許容される。好ましくは10%以下である。
フェライト相の平均結晶粒径:6μm以下
本発明では、オーステナイト→フェライト変態の開始温度(Ar3変態点)を低温化する必要があるため、フェライト粒が微細化する。
先述のとおり、本発明では、熱間圧延終了後におけるオーステナイト→フェライト変態と同時にTiを含む炭化物を微細に析出分散させる。ここで、オーステナイト→フェライト変態を高温で進行させた場合には、炭化物構成元素の拡散速度が上昇し、析出した炭化物が粗大化し易くなるため、所望の熱延鋼板強度を得られなくなる。したがって、本発明では、熱延鋼板に含まれる炭化物の粗大化を抑制する目的で、オーステナイト→フェライト変態の開始温度(Ar3変態点)を低下させる必要がある。
一方、オーステナイト→フェライト変態に伴うオーステナイト/フェライトの界面移動は拡散現象であるので、変態後のフェライト粒の大きさもオーステナイト→フェライト変態の開始温度と密接に関係している。そして、オーステナイト→フェライト変態の開始温度が低温化するにつれてフェライト粒も微細化することから、フェライト粒の微細化は熱延鋼板の高強度化に寄与する微細な炭化物を得るための指標となる。本発明において、後述する所望の粒子径を有する微細な炭化物を得るためには、フェライト相の平均結晶粒径を6μm以下とする必要がある。好ましくは、5μm以下である。
Tiを含む炭化物
本発明において熱延鋼板に微細析出させる炭化物は、Tiを含む炭化物である。熱延鋼板が炭化物構成元素としてTiのみを含有する場合、Tiを含む炭化物はTi炭化物である。また、熱延鋼板がTi以外の炭化物構成元素も含有する場合には、Ti炭化物のほかにTiとVの複合炭化物、或いは更にNb、W、Mo、Hf、Zrを炭化物中に含むものが挙げられる。
Tiを含む炭化物の析出量:質量%で0.22%以上
粒子分散強化量は、炭化物の粒子径および析出量によって変化する。析出量((熱延鋼板中に析出したTiを含む炭化物の全質量)/(熱延鋼板の質量)×100(%))が0.22質量%を下回ると、特に炭化物構成元素としてTiのみを含有する場合、所望の熱延鋼板強度が得られなくなる。そこで、本発明では、熱延鋼板の引張強さを980MPa以上とするために、前記析出量を0.22質量%以上とする。好ましくは0.25質量%以上である。
Tiを含む炭化物の平均粒子径:10nm以下
上記のとおり、本発明の熱延鋼板では、主にTiを含む微細な炭化物による粒子分散強化によって強度を得ているが、炭化物が微細であるほど転位の運動を阻害する粒子数が増加するため、炭化物を分散することによって得られる強化量は増大する。所望の引張強さ(980MPa以上)の熱延鋼板を得るには、少なくとも平均粒子径10nm以下の炭化物を微細に分散させる必要がある。好ましくは8nm以下である。
なお、本発明において、上記平均粒子径を求める際、粒子径が50nm未満である炭化物を対象とし、粒子径が50nm以上の炭化物は対象としない。これは、熱延鋼板の強化に実質的に寄与する炭化物が通常、粒子径50nm未満のものに限定されるためである。すなわち、Tiを含む炭化物のうち粒子径が50nm以上の炭化物や、鉄系炭化物(セメンタイト)は、粒子分散強化に寄与しない。
粒子分散強化機構を最大限活用するうえでは、熱延鋼板に含まれる炭化物構成元素の全量を、粒子径50nm未満の炭化物として析出させることが望ましい。但し、熱延鋼板の強度と打抜性とのバランスを図る目的で、熱延鋼板に含まれるTiの一部を粒子径50nm以上の炭化物としてフェライト相の結晶粒内に析出させてもよい。
炭化物構成元素のうち、特にTiは炭化物が粗大化し易い傾向にある。そして、Tiを含む炭化物のうち粒子径が0.5μmを超える炭化物は、微細に析出する炭化物の析出量を大きく減少させるため、熱延鋼板の高強度化に著しく悪影響を及ぼす。したがって、Tiを含む炭化物のうち0.5μmを超える炭化物は形成させないことが望ましい。一方、熱延鋼板中に、Tiを含む炭化物のうち粒子径50nm以上0.5μm以下である炭化物が適度に存在する場合には、高強度を維持することが可能である。また、熱延鋼板中に、Tiを含む炭化物のうち粒子径50nm以上0.5μm以下である炭化物が適度に存在すると、打抜加工時にこれらの炭化物とマトリックス(フェライト相)との界面で応力集中が生じてボイドが発生し、発生したボイドが効果的に連結する。その結果、打抜加工時の亀裂成長が促進され、せん断端面および打抜端面性状が改善される。
熱延鋼板に含まれるTiを含む炭化物の一部を粒子径50nm以上0.5μm以下の炭化物としてフェライト相の結晶粒内に析出させて熱延鋼板の強度と打抜性とのバランスを図る場合には、Tiを含む炭化物のうち粒子径50nm以上0.5μm以下である炭化物をフェライト相の結晶粒内に2000個/mm2以上析出させることが好ましい。より好ましくは3000個/mm2以上である。但し、Tiを含む炭化物のうち粒子径が50nm以上0.5μm以下である炭化物が過剰に析出すると、熱延鋼板強度の低下を招来するため、15000個/mm2以下とすることが好ましい。また、Tiを含む炭化物が粗大化し過ぎると、熱延鋼板強度の著しい低下を招来するため、Tiを含む炭化物の粒子径は0.5μm以下とすることが好ましい。
次に、本発明熱延鋼板の成分組成の限定理由について説明する。なお、以下の成分組成を表す%は、特に断らない限り質量%(mass%)を意味するものとする。
C :0.06%以上0.6%以下
Cは、Ti、或いは更にV、Nb、Mo、W、Zr、Hfと結合し炭化物として鋼板中に微細分散する。すなわちCは、微細な炭化物を形成してフェライト組織を著しく強化させる元素であり、熱延鋼板を強化するうえで必須の元素である。引張強さ980MPa以上の高強度熱延鋼板を得るには、C含有量を少なくとも0.06%以上とする必要がある。好ましくは0.08%以上である。一方、C含有量が0.6%を超えると、大量のセメンタイトが析出し、フェライト相の面積率が80%以上である組織を有する熱延鋼板が得られなくなる。また、セメンタイトが多量に生成すると熱延鋼板の延性が著しく低下するため、所望の部品形状に成形することが困難となる。
したがって、C含有量は0.06%以上0.6%とする。なお、Tiを含む炭化物のうち粒子径が50nm以上である炭化物の析出量を可能な限り抑制し、熱延鋼板の強度向上効果を重視する場合には、C含有量を0.08%以上0.45%以下とすることが好ましい。一方、Tiを含む炭化物のうち粒子径が50nm以上0.5μm以下である炭化物を適度に(例えば2000個/mm2以上15000個/mm2以下)析出させて、強度と打抜性のバランスを図る場合には、C含有量を0.08%以上0.55%以下とすることが好ましい。
更に、炭化物の熱安定性の観点からは、Ti、V、Nb、Mo、W、Hf、Zrに対し、Cを原子濃度で過剰に添加することが望ましい。すなわち、以下の(1)式を満たすことで、熱延鋼板を製造する際、巻取処理時の炭化物の粒子成長を抑制することができる。なお、(1)式において、[%C]、[%Ti]、[%V]、[%Nb]、[%Mo]、[%Zr]、[%Hf]、[%W]、は、各元素の含有量(質量%)である。また、熱延鋼板がVを含有しない場合、[%V]をゼロとして(1)式を計算するものとする。Nb、Mo、Zr、Hf、Wについても同様とする。
Figure 2014208876
Si:1.5%以下
Siは、鋼板表面に濃化し易く、鋼板表面にファイヤライト(Fe2SiO4)を形成する。このファイヤライトは鋼板表面に楔形となって形成するため、鋼板に成形加工を施す際に割れの起点となり易く、成形時の割れの原因となったり耐疲労性を低下させる。したがって、Si含有量は1.5%以下とする。好ましくは1.0%以下である。なお、Si含有量は不純物レベルまで低減してもよい。
Mn:2.5%以下
Mnは、オーステナイト→フェライト変態温度(Ar3変態点)を低下させる作用があり、熱延鋼板の高強度化に寄与する元素である。
熱延鋼板の高強度化に寄与する炭化物は、熱延鋼板製造時、熱間圧延終了後の冷却、巻取り過程で析出するが、高温域で析出する炭化物は粗大化し易い一方、炭化物を低温域で析出させると微細な炭化物が得られる。また、上記炭化物は、熱間圧延終了後の冷却、巻取り過程において鋼のオーステナイト→フェライト変態とほぼ同時に析出する。以上の理由により、鋼のAr3変態点を低温化することで、炭化物が低温域で析出し、微細な炭化物が得られる。
以上のように、オーステナイト→フェライト変態温度の低温化に伴い炭化物は微細化するため、Mnは熱延鋼板の高強度化に有効である。このような効果を得るには、Mn含有量を0.1%以上とすることが望ましい。一方、Mnは、その含有量が過剰になると偏析により熱延鋼板の延性を低下させる元素でもあり、Mn含有量が2.5%を超えると延性への悪影響が顕在化する。したがって、Mn含有量は2.5%以下とする。好ましくは1.8%以下である。
また、熱延鋼板の長手方向に生じる強度のばらつきを抑制する観点からは、Mn含有量を0.7%以下とすることが好ましい。
先述のとおり、熱延鋼板に微細な炭化物を析出させるには、Mnを積極的に添加してオーステナイト→フェライト変態温度(Ar3変態点)を低下させることが好ましい。しかし、この変態温度が極端に低くなると、熱延鋼板製造時、ランアウトテーブルでオーステナイト→フェライト変態せず、巻取り以降でオーステナイト→フェライト変態が進行することになる。
ここで、オーステナイト→フェライト変態の進行に伴い変態発熱が生じるが、熱延鋼板をコイル状に巻き取った後にオーステナイト→フェライト変態が進行すると、変態発熱による鋼板温度の上昇が無視できなくなる。コイルの外周部分や内周部分は、外気に晒されており放冷され易い状態にあるため、変態発熱による温度上昇は殆ど見られない。したがって、コイルの外周部分や内周部分では、析出した炭化物が微細な状態に維持される。しかし、コイルの長手方向中央部は放冷され難い状態にあり、変態発熱により温度が上昇し易い。したがって、コイルの長手方向中央部では、変態発熱による温度上昇に伴い、析出した炭化物が粗大化するおそれがある。
以上の理由により、熱延鋼板製造時、巻取り以降でオーステナイト→フェライト変態が進行すると、熱延鋼板の長手方向で強度のばらつきが大きくなる場合がある。このような問題を回避するには、Mn含有量を0.7%以下とし、熱延鋼板製造時、ランアウトテーブルでオーステナイト→フェライト変態が生じるように変態温度(Ar3変態点)を調整することが好ましい。Mn含有量を0.7%以下とすることにより、コイル(熱延鋼板)の長手方向中央部での強度低下を抑制することができ、延いては長手方向での強度均一性に優れた熱延鋼板が得られる。なお、このような効果を得るためには、Mn含有量を0.5%未満とすることがより好ましく、Mn含有量を不純物レベルまで低減してもよい。
P :0.1%以下
Pは、粒界に偏析して熱延鋼板の耐衝撃性を著しく低下させる。また、Pは、粒界に偏析して粒界強度を著しく低下させるため、熱延鋼板の打抜加工時に粒界割れの原因となり、打抜端面性状を劣化させる。以上の理由により、Pは極力低減することが好ましく、本発明においては0.1%以下に低減する。好ましくは0.06%以下である。P含有量は不純物レベルまで低減してもよい。
S :0.01%以下
Sは、鋼中でMnSなどの介在物を形成する。この介在物は熱延鋼板の耐衝撃性を低下させる。また、MnSなどの介在物は、圧延や打抜加工により楔状に変形する。そして、楔状に変形した介在物が熱延鋼板中に存在すると、鋼板の打抜時に亀裂成長が不安定となるため、打抜端面性状が劣化する。以上の理由により、本発明ではS含有量を極力低減することが好ましく、0.01%以下とする。好ましくは0.008%以下であり、より好ましくは0.0068%以下である。S含有量は不純物レベルまで低減してもよい。
Al:0.1%以下
Alは、脱酸剤として作用する元素である。このような効果を得るためには0.02%以上含有することが望ましい。一方、Alは酸化物等を形成して鋼の熱間延性を低下させるため、その含有量が過剰になると連続鋳造時に割れの危険性が高まる。Al含有量が0.1%を超えると上記悪影響が顕在化するため、Al含有量は0.1%以下とする。好ましくは0.08%以下である。
N :0.01%以下
Nは、製鋼、連続鋳造の段階でTiと結合しTiNを形成するが、このTiNは粗大に析出するため熱延鋼板の強化に寄与しない。そして、N含有量が過度に高くなると、TiNが過剰に析出する結果、強化に寄与するTi量(微細な炭化物の形成に寄与するTiの量)が減少し、熱延鋼板強度が低下する。したがって、N含有量は極力低減することが好ましく、本発明においては0.01%以下とする。好ましくは0.008%以下である。なお、N含有量は極力低減することが好ましいため、その下限は特に定めない。
Ti:0.20%超
Tiは、Cと結合して微細な炭化物を形成し、粒子分散強化機構により熱延鋼板の高強度化に寄与する元素である。他の炭素構成元素を含有させることなく所望の熱延鋼板強度(引張強さ:980MPa以上)を確保するためには、少なくともTi含有量を0.20%超とする必要がある。好ましくは0.22%以上であり、より好ましくは0.25%以上である。
なお、安定的に強度を得ようとする場合には、Ti含有量を0.3%以上とすることが望ましい。特に、強度と打抜性のバランスを図る場合には、高強度化に寄与する微細な炭化物を析出させることに加えて、粒子径が50nm以上0.5μm以下である炭化物を適度に(例えば2000個/mm2以上15000個/mm2以下)析出させる必要があることから、Ti含有量を0.3%以上と高めにすることが好ましい。但し、Ti含有量が3%を超えると、高強度化の効果が飽和するため、Ti含有量は3%以下とすることが好ましい。
以上が、本発明における基本組成であるが、上記した基本組成に加えてさらに以下の元素を含有しても良い。
V :0.01%以上3%以下、Nb:0.01%以上0.5%以下の1種または2種
V、Nbは、Tiと同様、Cと炭化物を形成して鋼板の高強度化に寄与する元素であるため、熱延鋼板の更なる高強度化のために添加してもよい。熱延鋼板の高強度化には、V、Nbのいずれの場合においても含有量を0.01%以上とすることが好ましい。
しかしながら、V含有量が3%を超えると、熱延鋼板を製造する際、巻取処理時にフェライト変態が完了せず、所望のフェライト面積率が得られなくなり、強度および延性が低下する。また、Nb含有量が0.5%を超えると、熱延鋼板製造時の熱間圧延工程において、圧延荷重の過度な増大を招き製造が困難となるうえ、Vと同様、フェライト変態の進行を阻害する。したがって、V含有量は0.01%以上3%以下、Nb含有量は0.01%以上0.5%以下とすることが好ましい。また、V含有量は0.01%以上2%以下、Nb含有量は0.01%以上0.3%以下とすることが、より好ましい。
Mo:0.01%以上0.2%以下、W:0.01%以上0.5%以下、Zr:0.01%以上1%以下、Hf:0.01%以上1%以下の1種または2種以上
Mo、W、Zr、Hfは、炭化物を形成し、熱延鋼板の高強度化に寄与する元素である。熱延鋼板の高強度化には、Mo、W、Zr、Hfのいずれの場合においても含有量を0.01%以上とすることが好ましい。一方、これらの元素を過度に添加すると、熱延鋼板製造時、仕上げ圧延終了後の冷却過程においてフェライト変態を著しく遅延させ、所望の面積率のフェライト組織が得られなくなる。以上の理由により、Mo含有量は0.2%以下、W含有量は0.5%以下、Zr含有量は1%以下、Hf含有量は1%以下とすることが好ましい。また、これらの元素を2種以上添加する場合には、合計量で1%を超えないことが望ましい。なお、Nb、Mo、W、Zr、Hfの2種以上を添加する場合には、合計量で0.5%を超えないことがより望ましい。
Co、REM、B、Ni、Cr、Sb、Cu、Mg、Caのうちの1種または2種以上:合計で0.2%以下
これら元素は、加工性の観点から合計で0.2%までは許容できる。好ましくは合計で0.09%以下である。
上記以外の成分は、Feおよび不可避的不純物である。
本発明の熱延鋼板の表面にめっき層を形成してもよい。めっき層の種類は特に問わず、電気めっき層、無電解めっき層のいずれも適用可能である。また、めっき層の合金成分も特に問わず、亜鉛めっき層、合金化亜鉛めっき層などが好適な例として挙げられるが、勿論、これらに限定されない。表面にめっき層を形成することにより、熱延鋼板の耐食性が向上し、厳しい腐食環境下で使用される自動車部品などへの適用が可能になる。
次に、本発明の熱延鋼板の製造方法について説明する。
溶鋼を連続鋳造して前記の組成を有するスラブとし、該スラブに熱間圧延を施し、熱間圧延終了後、冷却し、巻き取り、熱延鋼板とする。この際、本発明では、前記熱間圧延の仕上げ圧延終了温度を850℃以上とし、かつ、前記熱間圧延の仕上げ圧延を前記連続鋳造終了後5時間以内に完了させ、前記冷却を前記熱間圧延の仕上げ圧延終了後3秒以内に開始し、前記冷却の平均冷却速度を30℃/s以上とし、前記巻き取りの巻取り温度を550℃以上700℃以下とすることを特徴とする。
本発明において、鋼の溶製方法は特に限定されず、転炉、電気炉等、公知の溶製方法を採用することができる。また、真空脱ガス炉にて2次精錬を行ってもよい。その後、溶鋼からスラブを鋳造するが、本発明では、従来にないほどの多量のCおよびTiの量を液相中へ添加した溶鋼からスラブを鋳造し、鋼中にTiを含む炭化物が析出する前、或いはTiを含む炭化物が過剰に析出する前に熱間圧延を完了させる。したがって、本発明では、鋳造したスラブを速やかに熱間圧延することが要求されるため、連続鋳造法(薄スラブ連鋳法を含む)によりスラブとする必要がある。なお、生産性や品質上の観点からも、連続鋳造法(薄スラブ連鋳法を含む)によりスラブとすることが好ましい。鋳造速度は、片割れ等の観点から10m/min以下とすることが好ましい。
以上のようにして得られたスラブに熱間圧延を施すが、後述のとおり本発明では、熱間圧延の仕上げ圧延を前記連続鋳造終了後5時間以内に完了させる必要がある。したがって、本発明では、連続鋳造後、スラブを室温まで冷却することなく直送圧延する。熱間圧延は通常、粗圧延と仕上げ圧延からなるが、本発明において粗圧延の条件は特に限定されない。また、特に薄スラブ鋳造法を採用した場合には、粗圧延を省略してもよい。
熱間圧延の仕上げ圧延終了温度:850℃以上
仕上げ圧延終了温度が850℃未満になると、部分的に高温でフェライト変態が開始する。これに伴い、炭化物が高温域で析出・粗大化して熱延鋼板強度が低下するばかりか、加工フェライトを含む組織となるので延性が低下する。したがって、仕上げ圧延終了温度は850℃以上とする。好ましくは870℃以上である。但し、仕上げ圧延終了温度が過剰に高くなると、スケールによる表面性状の劣化や、生産能率の低下が懸念されるため、1000℃以下とすることが好ましい。
「連続鋳造終了」から「仕上げ圧延完了」までの時間:5時間以内
本発明は、γ鉄中における溶解度を超える多量の炭化物構成元素を液相中(溶鋼)に溶解させ、凝固後に粗大な炭化物が析出しないうちに仕上げ圧延を完了し、或いは凝固後に適量の粗大な炭化物を析出させた状態で仕上げ圧延を完了し、仕上げ圧延終了後の冷却、巻取り工程で微細な炭化物を析出させることに特徴がある。
液相中(溶鋼)には平衡状態においても炭化物構成元素は多量に溶解するが、凝固後の例えばγ鉄中には液相ほど溶解しない。したがって、凝固後の平衡状態(固相における安定状態)においては溶解限以上の炭化物構成元素はγ鉄中に炭化物として析出する。本発明の鋼組成も、CおよびTiの含有量がγ鉄に対し過飽和状態となる組成であるため、このような鋼を液相から凝固した後、時間の経過とともにTiを含む粗大な炭化物がγ鉄中(固相中)に析出する。しかしながら、連続鋳造直後のスラブが平衡状態に至るまでには時間を要するため、連続鋳造後速やかに仕上げ圧延を完了させることで、粗大な炭化物として析出する炭化物構成元素の損失を抑制することができる。そこで、本発明では、連続鋳造終了後、5時間以内に仕上げ圧延を完了することとする。好ましくは4時間以内である。
粒子分散強化機構を最大限活用する場合、すなわち、最終的に得られる熱延鋼板に粒子径50nm以上の粗大なTi炭化物が析出するのを抑制するには、連続鋳造後、1時間以内に仕上げ圧延を完了することが好ましい。また、巻取り後の熱延鋼板に含まれる全Ti量に対する固溶Ti量の割合((固溶Ti量)/(全Ti量)×100)は25%以下とすることが好ましい。
一方、Tiを含む炭化物のうち粒子径が50nm以上0.5μmである炭化物を適度に(例えば2000個/mm2以上15000個/mm2以下)析出させて強度と打抜性のバランスを図る場合には、連続鋳造後から仕上げ圧延を完了するまでの時間を1時間超とすることが好ましく、1.5時間以上とすることがより好ましい。また、巻取り後の熱延鋼板に含まれる全Ti量に対する固溶Ti量の割合((固溶Ti量)/(全Ti量)×100)は20%以下とすることが好ましい。
なお、連続鋳造後から仕上げ圧延完了に至るまでの間、鋼(スラブまたは鋼板)を850℃以上の高温状態に維持することが好ましい。鋼(スラブまたは鋼板)が850℃未満になると、仕上げ圧延が完了するまでの間にオーステナイト→フェライト変態が部分的に開始してしまい、鋼板強度が低下したり、板形状が劣化するおそれがある。したがって、連続鋳造後30分以内に仕上げ圧延完了する場合には特に問題にならないが、連続鋳造後から仕上げ圧延完了までの時間が30分を超える場合には鋼の温度低下が懸念されるため、例えば連続鋳造後のスラブを1000℃以上1200℃以下の炉内に保持することが好ましい。スラブを炉内に保持する時間は、鋼を1000℃以上の高温状態に維持するとともに、仕上げ圧延終了温度が850℃以上となるように、適宜調整すればよい。
仕上げ圧延終了後、強制冷却を開始するまでの時間:3秒以内
仕上げ圧延直後の高温状態の鋼板においては、オーステナイト相に蓄積されたひずみエネルギーが大きいため、ひずみ誘起析出による炭化物が生じる。この炭化物は、高温で析出するため粗大化し易いことから、ひずみ誘起析出が生じるとTiを含む微細な炭化物が得られ難くなる。したがって、本発明では、ひずみ誘起析出を抑制する目的で熱間圧延終了後速やかに強制冷却を開始する必要があり、仕上げ圧延終了後、少なくとも3秒以内に冷却を開始する。好ましくは2秒以内である。
平均冷却速度:30℃/s以上
上記のとおり、仕上げ圧延終了後の鋼板の高温に維持される時間が長いほど、ひずみ誘起析出による炭化物の粗大化が進行し易くなる。また、冷却速度が小さいと高温でフェライト変態が開始し、これに伴いTiを含む炭化物が高温で析出するため、粗大化し易くなる。そのため、仕上げ圧延後は急冷する必要があり、上記問題を回避するには30℃/s以上の平均冷却速度で冷却する必要がある。好ましくは40℃/s以上である。但し、仕上げ圧延終了後の冷却速度が過剰に大きくなると、巻取り温度の制御が困難となり安定した強度が得られ難くなることが懸念されるため、250℃/s以下とすることが好ましい。
巻取り温度:550℃以上700℃以下
巻取り温度が550℃を下回ると、Tiを含む炭化物を十分に析出させることができず、熱延鋼板強度が低下する。一方、巻取り温度が700℃を超えると、析出した炭化物が粗大化するため熱延鋼板強度が低下する。したがって、巻取り温度の範囲は550℃以上700℃以下とする。好ましくは570℃以上670℃以下である。
以上のように、本発明によると、γ鉄における溶解度を超えるTiを含有するスラブを用いて熱延鋼板を製造する場合であっても、連続鋳造後5時間以内に仕上げ圧延を完了することで、粗大な炭化物の析出を抑制することができる。そして、熱延鋼板に含まれるTiの殆どを高強度化に寄与する微細な炭化物として析出させることができ、Ti以外の炭化物構成元素を含有させることなく、引張強さ980MPa以上の高強度熱延鋼板が得られる。特に、連続鋳造後1時間以内に仕上げ圧延を完了すると、Tiを含む炭化物のうち粒子径が0.5μmを超える炭化物を析出させることなく、50nm以上0.5μm以下の炭化物の析出量を2000個/mm2未満に制限することがでる。
一方、連続鋳造後から仕上げ圧延を完了するまでの時間が長期化するにつれて、最終的に得られる熱延鋼板中に含まれるTiを含む炭化物のうち粒子径50nm以上である炭化物の析出量が増加する。しかしながら、連続鋳造後5時間以内に仕上げ圧延を完了すれば、たとえ粒子径50nm以上のTiを含む炭化物が析出してもその析出量が適度に抑制され、熱延鋼板強度に悪影響を及ぼすことはなく、依然として980MPa以上の引張強さを確保することができる。また、例えば連続鋳造後から仕上げ圧延を完了するまでの時間が1時間超5時間以下である場合には、最終的に得られる熱延鋼板中に含まれるTiを含む炭化物のうち粒子径50nm以上0.5μm以下である炭化物が2000個/mm2以上15000個/mm2以下となり、高強度であり且つ打抜性にも優れた熱延鋼板が得られる。
なお、巻き取り後の熱延鋼板は、表面にスケールが付着した状態であっても、酸洗を行うことによりスケールを除去した状態であっても、その特性が変わることはなく、いずれの状態においても前記した優れた特性を発現する。また、本発明では、巻き取り後の熱延鋼板にめっき処理を施して、熱延鋼板表面にめっき層を形成してもよい。
本発明の熱延鋼板は、740℃までの加熱処理を短時間施しても材質変動が小さい。そのため、鋼板に耐食性を付与する目的で、本発明の熱延鋼板にめっき処理を施し、その表面にめっき層を具えることができる。めっき処理は、加熱温度が740℃以下でも処理可能であることから、本発明の熱延鋼板にめっき処理を施しても前記した本発明の効果を損なうことはない。めっき層の種類は特に問わず、電気めっき層、無電解めっき層のいずれも適用可能である。また、めっき層の合金成分も特に問わず、溶融亜鉛めっき層、合金化溶融亜鉛めっき層などが好適な例として挙げられるが、勿論、これらに限定されない。めっき処理の方法も特に問わず、例えば、焼鈍温度を740℃以下とした連続めっきラインに通板させたのち、めっき浴に鋼板を浸漬して引き上げる方法などが挙げられる。また、めっき処理後にガス炉などの炉内で鋼板表面を加熱して合金化処理を施してもよい。
<実施例1>
溶鋼を連続鋳造して表1および表2に示す組成を有する肉厚60〜250mmのスラブとし、表3および表4に示す熱延条件で直送圧延して板厚1.4〜3.2mmの熱延鋼板とした。
表3および表4に記載の仕上げ圧延完了時間(連続鋳造が終了してから仕上げ圧延が完了するまでの時間)は、連続鋳造工程のスラブカットの時点から、仕上げ圧延工程のタンデム圧延を完了する時点までに要した時間、具体的には、スラブ切断機で切断された直後のスラブの後端部が、スラブ切断機の位置からタンデム圧延機最終スタンド出側に搬送されるまでに要した時間を測定することによって求めた値である。
表3および表4に記載の平均冷却速度は、仕上げ圧延終了温度から巻取り温度までの平均冷却速度である。
なお、表3および表4に記載の鋼板のうち、仕上げ圧延完了時間(連続鋳造が終了してから仕上げ圧延が完了するまでの時間)が30min以上であるものについては、連続鋳造後、スラブを1150℃の炉内に保持したのち熱間圧延を施すことで、各々の仕上げ圧延終了温度となるように調整した。
また、得られた熱延鋼板の一部に対しては、焼鈍温度720℃の溶融亜鉛めっきラインに通板し、その後、460℃のめっき浴(めっき組成:Zn-0.13mass%Al)に浸漬し、溶融亜鉛めっき材(GI材)とした。また一部の熱延鋼板は、溶融亜鉛めっきラインに通板し、めっき浴浸漬に次いで、520℃で合金化処理を施して合金化溶融亜鉛めっき材(GA材)とした。めっき付着量はGI材、GA材ともに片面当たり45g/m2とした。
Figure 2014208876
Figure 2014208876
Figure 2014208876
Figure 2014208876
上記により得られた熱延鋼板(熱延鋼板、GI材、GA材)から試験片を採取し、組織観察、引張試験を行い、フェライト相の面積率、フェライト相以外の組織の種類および面積率、フェライト相の平均結晶粒径、炭化物の平均粒子径および析出量、降伏強度、引張強さ、伸びを求めた。また、上記により得られた熱延鋼板(熱延鋼板、GI材、GA材)のうち、粒子径が50nm以上0.5μm以下である炭化物(Tiを含有する炭化物)の析出量が2000個/mm2以上であるものについては、打抜加工試験も行い、打抜端面性状を評価した。試験方法は次のとおりである。
(i)組織観察
フェライト相の面積率は以下の手法により評価した。圧延方向に平行な断面の板厚中心部について、5%ナイタールによる腐食現出組織を走査型光学顕微鏡で400倍に拡大して10視野分撮影した。フェライト相は、粒内に腐食痕やセメンタイトが観察されない形態を有する組織である。また、ポリゴナルフェライト、ベイニティックフェライト、アシキュラーフェライトおよびグラニュラーフェライトをフェライトとして面積率や粒径を求めた。
フェライト相の面積率は、画像解析によりフェライト相とベイナイトやマルテンサイト等のフェライト相以外を分離し、観察視野に対するフェライト相の面積率によって求めた。このとき、線状の形態として観察される粒界はフェライト相の一部として計上した。
フェライト相の平均結晶粒径は、上記400倍に拡大して撮影した写真のうち代表的な写真3枚について水平線および垂直線をそれぞれ10本ずつ引きASTM E 112-10に準拠した切断法によって求め、最終的に3枚の平均値を表5、表6に記した。
熱延鋼板中に含まれる炭化物の平均粒子径は、得られた熱延鋼板の板厚中央部から薄膜法によってサンプルを作製し、透過型電子顕微鏡(倍率:135000倍)で観察を行い、100点以上のTiを含む炭化物の粒子径の平均によって求めた。この炭化物粒子径を算出する上で、セメンタイトや窒化物、50nm以上の炭化物は含まないものとした。
Tiを含む炭化物の析出量(質量%)は、上記平均粒子径を求める際に使用したサンプルと同様のサンプルを用い、以下の方法により求めた。
各サンプルについて、10%AA系電解液(10vol%アセチルアセトン-1mass%塩化テトラメチルアンモニウム-メタノール)中で、約0.2gを電流密度20mA/cm2で定電流電解し、析出物を残渣として抽出した後の電解液中に含まれるTi量を測定し、その測定値からTiの固溶量を求めた。
Tiを含む析出物には、Tiを含む炭化物の他にTiN、TiSが含まれる。また、本発明ではTi含有量が0.20%超と多いため、サンプル中のN、Sは全てTiと反応してTiN、TiSを形成する。そこで、炭化物として析出したTi量は、サンプル中の「Ti含有量」から「Tiの固溶量」、「TiNとして析出したTi量」、「TiSとして析出したTi量」のそれぞれを差し引くことにより求めた。具体的には、(サンプル中のTi含有量(質量%))−(サンプル中のTiの固溶量(質量%))−(サンプル中のN含有量(質量%)×48/14)−(サンプル中のS含有量(質量%)×48/32)により求めた。
更に、このようにして求めた炭化物として析出したTi量から、Tiを含む炭化物の析出量を求めた。具体的には、Tiを含む炭化物が全てTiCであるとして、(炭化物として析出したTi量(質量%))×60/48により求めた。
Tiを含む炭化物のうち粒子径が50nm以上0.5μmである炭化物の析出量(個/mm2)は、以下の方法により求めた。
圧延方向に平行な断面の板厚中心部について、走査型電子顕微鏡(倍率:10000倍)で50視野観察を行い、フェライト粒内に分散したTiを含む炭化物の粒径と個数を求めた。炭化物の同定には、走査型電子顕微鏡に付帯するSEM/EDXを用い、Tiが含まれていることを確認した。また、観察された炭化物の粒子径を投影面積円相当径から測定し、粒子径が50nm以上0.5μm以下である炭化物の個数を求めた。求めた個数から、50視野分の撮影面積で割り付けることで数密度(個/mm2)を算出した。個数を求めるうえで、セメンタイト(鉄炭化物)は含まないものとした。なお、本発明の方法により製造された熱延鋼板には、Tiを含む炭化物のうち粒子径が0.5μmを超える炭化物は析出していなかった。また、粒子径が50nm以上0.5μm以下である炭化物は全て、フェライト粒内に析出していた。
(ii)引張試験
得られた熱延鋼板から圧延方向と垂直方向にJIS5号引張試験片を作製し、JIS Z 2241(2011)の規定に準拠した引張試験を5回行い、平均の降伏強度(YS)、引張強さ(TS)、全伸び(El)を求め平均値を表5、表6に示した。引張試験のクロスヘッドスピードは10mm/minとした。
(iii)打抜加工試験(打抜端面性状評価)
得られた熱延鋼板の各々について鋼板長手方向に50点の打ち抜き加工を行い、その端面の欠陥の有無を目視により観察した。端面に亀裂や段差、めくれ、はがれなどの異常部が観察された場合の評価を不良“×”、これらの異常部が観察されない場合の評価を良好“○”とした。
以上により得られた結果を表5、表6に示す。
Figure 2014208876
Figure 2014208876
表5、表6に示すように、本発明例はいずれも、引張強さTS:980MPa以上の高強度の熱延鋼板が得られている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、TS:980MPa以上の高強度を得ることができていない。
<実施例2>
溶鋼を連続鋳造して表7に示す組成を有する肉厚60〜250mmのスラブとし、表8に示す熱延条件で直送圧延して板厚1.4〜2.6mmの熱延鋼板とした。
表8に記載の仕上げ圧延完了時間(連続鋳造が終了してから仕上げ圧延が完了するまでの時間)は、連続鋳造工程のスラブカットの時点から、仕上げ圧延工程のタンデム圧延を完了する時点までに要した時間、具体的には、スラブ切断機で切断された直後のスラブの後端部が、スラブ切断機の位置からタンデム圧延機最終スタンド出側に搬送されるまでに要した時間を測定することによって求めた値である。
表8に記載の平均冷却速度は、仕上げ圧延終了温度から巻取り温度までの平均冷却速度である。
なお、表8に記載の鋼板のうち、仕上げ圧延完了時間(連続鋳造が終了してから仕上げ圧延が完了するまでの時間)が30min以上であるものについては、連続鋳造後、スラブを1150℃の炉内に保持したのち熱間圧延を施すことで、各々の仕上げ圧延終了温度となるように調整した。
また、得られた熱延鋼板の一部に対しては、焼鈍温度720℃の溶融亜鉛めっきラインに通板し、その後、460℃のめっき浴(めっき組成:Zn-0.13mass%Al)に浸漬し、溶融亜鉛めっき材(GI材)とした。また一部の熱延鋼板は、溶融亜鉛めっきラインに通板し、めっき浴浸漬に次いで、520℃で合金化処理を施して合金化溶融亜鉛めっき材(GA材)とした。めっき付着量はGI材、GA材ともに片面当たり45〜55g/m2とした。
Figure 2014208876
Figure 2014208876
上記により得られた熱延鋼板(熱延鋼板、GI材、GA材)から試験片を採取し、組織観察、引張試験を行い、フェライト相の面積率、フェライト相以外の組織の種類および面積率、フェライト相の平均結晶粒径、炭化物の平均粒子径および析出量、降伏強度、引張強さ、伸びを求めた。また、上記により得られた熱延鋼板(熱延鋼板、GI材、GA材)のうち、粒子径が50nm以上0.5μm以下である炭化物(Tiを含有する炭化物)の析出量が2000個/mm2以上であるもの、および、ベイナイトを主相とするものについては、打抜加工試験も行い、打抜端面性状を評価した。
なお、組織観察、引張試験および打抜加工試験を実施するための試験片は、巻取り後のコイル外周側となる熱延鋼板尾端部から長手方向に20mの位置より採取した。組織観察は、実施例1の手法にしたがい実施した。
また、引張試験についても、実施例1の手法にしたがい実施、評価した。但し、引張試験については、熱延鋼板の長手方向中央部からも試験片を採取し、実施例1の手法にしたがい実施した。そして、熱延鋼板尾端部から長手方向に20mの位置での引張強さと、長手方向中央部での引張強さとの差を求め、熱延鋼板(長手方向)の強度ばらつきを評価した。熱延鋼板尾端部から長手方向に20mの位置での引張強さから、長手方向中央部での引張強さを差し引いた値の絶対値が50MPa以上である場合、強度ばらつきの評価を不良“×”とした。一方、熱延鋼板尾端部から長手方向に20mの位置での引張強さから、長手方向中央部での引張強さを差し引いた値の絶対値が50MPa未満である場合、強度ばらつきの評価を良好“○”とした。
更に、打抜加工試験についても、実施例1の手法にしたがい実施し、打ち抜き加工後の端面での欠陥の有無を目視により観察した。端面に亀裂や段差といった重度の異常部が観察された場合の評価を不良“×”とした。一方、端面で亀裂や段差といった重度の異常部がなく、荒れといった軽微の異常部が観察された場合の評価を合格範囲“△”とし、端面で異常部や荒れが観察されない場合の評価を良好“○”とした。
以上により得られた結果を、表9に示す。なお、表9に記載した引張強さ(TS)の結果は、熱延鋼板尾端部から長手方向に20mの位置より採取した試験片を用いて測定した引張強さの結果である。
Figure 2014208876
表9に示すように、本発明例はいずれも、引張強さTS:980MPa以上の高強度の熱延鋼板が得られている。また、本発明例のうち、Mn含有量が0.7%以下である熱延鋼板は、Mn含有量が0.7%超である熱延鋼板よりも、長手方向の強度ばらつきが小さく、強度均一性に優れている。

Claims (15)

  1. 質量%で、
    C :0.06%以上0.6%以下、 Si:1.5%以下、
    Mn:2.5%以下、 P :0.1%以下、
    S :0.01%以下、 Al:0.1%以下、
    N :0.01%以下、 Ti:0.20%超
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成と、フェライト相の面積率が80%以上、前記フェライト相の平均結晶粒径が6μm以下であり、Tiを含む炭化物の析出量が質量%で0.22%以上であり、前記炭化物の平均粒子径が10nm以下である組織とを有し、引張強さが980MPa以上であることを特徴とする高強度熱延鋼板。
  2. 前記炭化物のうち、粒子径が50nm以上0.5μm以下である炭化物が、前記フェライト相の結晶粒内に分散していることを特徴とする請求項1に記載の高強度熱延鋼板。
  3. 前記組成に加えて更に、質量%で、V:0.01%以上3%以下、Nb:0.01%以上0.5%以下の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の高強度熱延鋼板。
  4. 前記組成に加えて更に、質量%で、Mo:0.01%以上0.2%以下、W:0.01%以上0.5%以下、Zr:0.01%以上1%以下、Hf:0.01%以上1%以下のいずれか1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の高強度熱延鋼板。
  5. 前記組成に加えて更に、質量%で、Co、REM、B、Ni、Cr、Sb、Cu、Mg、Caのうちの1種または2種以上を合計で0.2%以下含有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の高強度熱延鋼板。
  6. 鋼板表面にめっき層を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の高強度熱延鋼板。
  7. 前記めっき層が亜鉛めっき層であることを特徴とする請求項6に記載の高強度熱延鋼板。
  8. 前記めっき層が合金化亜鉛めっき層であることを特徴とする請求項6に記載の高強度熱延鋼板。
  9. 溶鋼を連続鋳造してスラブとし、該スラブに熱間圧延を施し、熱間圧延終了後、冷却し、巻き取り、熱延鋼板とするにあたり、前記スラブを、質量%で、
    C :0.06%以上0.6%以下、 Si:1.5%以下、
    Mn:2.5%以下、 P :0.1%以下、
    S :0.01%以下、 Al:0.1%以下、
    N :0.01%以下、 Ti:0.20%超
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成とし、前記熱間圧延の仕上げ圧延終了温度を850℃以上とし、かつ、前記熱間圧延の仕上げ圧延を前記連続鋳造終了後5時間以内に完了させ、前記冷却を前記熱間圧延の仕上げ圧延終了後3秒以内に開始し、前記冷却の平均冷却速度を30℃/s以上とし、前記巻き取りの巻取り温度を550℃以上700℃以下とすることを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
  10. 前記組成に加えて更に、質量%で、V:0.01%以上3%以下、Nb:0.01%以上0.5%以下の1種または2種を含有することを特徴とする請求項9に記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
  11. 前記組成に加えて更に、質量%で、Mo:0.01%以上0.2%以下、W:0.01%以上0.5%以下、Zr:0.01%以上1%以下、Hf:0.01%以上1%以下のいずれか1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項9または10に記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
  12. 前記組成に加えて更に、質量%で、Co、REM、B、Ni、Cr、Sb、Cu、Mg、Caのうちの1種または2種以上を合計で0.2%以下含有することを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
  13. 前記熱延鋼板の表面にめっき層を形成することを特徴とする請求項9ないし12のいずれかに記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
  14. 前記めっき層が亜鉛めっき層であることを特徴とする請求項13に記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
  15. 前記めっき層が合金化亜鉛めっき層であることを特徴とする請求項13に記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
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