JP2014208599A - モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶を製造する方法 - Google Patents

モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶を製造する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸の粗体に、ジプロピルアミンを作用させ、1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ジプロピルアミン塩を効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】 1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ジプロピルアミン塩の合成において、溶媒として、酢酸ブチルと炭素数5〜7の炭化水素の混合溶媒を使用し、溶液から結晶を析出させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、抗アレルギー薬として有用なモンテルカストナトリウム(化学名称:1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ナトリウム)の合成中間体である1−(((1(R)−(3−(2−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ジプロピルアミン塩の新規な製造方法に関する。
化学式(1)
Figure 2014208599
で示されるモンテルカストナトリウム(化学名称:1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ナトリウム)は、気管支平滑筋などの標的細胞上のCysLT1受容体にアンタゴニストとして結合し、システイニルロイコトリエンが受容体と結合することを妨げ、気管支喘息の症状を改善する治療薬として知られている。
このような治療薬として有用なモンテルカストナトリウムは、非常に高純度であることが望まれている。高純度のモンテルカストナトリウムを製造する方法としては、公知の製造方法によって得られた化学式(2)
Figure 2014208599
で示される1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸(以下、モンテルカスト遊離酸とも言う。)の粗体を種々の有機アミンと反応させてモンテルカストアミン塩とし、当該アミン塩を再結晶などによって精製してから、再度モンテルカスト遊離酸とし、ナトリウム塩化して、モンテルカストナトリウムを得る方法が知られている。
例えば、特許文献1および2には、モンテルカスト遊離酸にジプロピルアミンを作用させることによって得られる化学式(3)
Figure 2014208599
で示される1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ジプロピルアミン塩(以下、モンテルカストジプロピルアミン塩とも言う。)を、溶媒としてトルエンを用いて再結晶させる方法が示されている。
さらに、特許文献3および4には、上記モンテルカストジプロピルアミン塩を、溶媒として酢酸エチルまたは酢酸エチルとヘキサンの混合物を用いて再結晶させる方法が示されている。
しかしながら、本発明者が上記方法を検討したところ、溶媒としてトルエンを用いた場合は精製効果が低く、特に化学式(4)
Figure 2014208599
で示される1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−プロペニル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸(以下、モンテルカストメチルスチレン体とも言う。)が多く残存し、高純度のモンテルカストジプロピルアミン塩を得ることができなかった。また、溶媒として酢酸エチルを用いた場合は、高純度のモンテルカストジプロピルアミン塩が得られるものの、収率が低く、工業的に実施するには問題があった。
国際公開第2007/005965号 特表2008−510840号公報 国際公開第2006/005965号 国際公開第2006/008751号 国際公開第2011/076237号 特表2007−053286号公報
したがって、本発明の目的は、高純度の1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ジプロピルアミン塩(モンテルカストジプロピルアミン塩)を高収率で製造する方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った。具体的には、モンテルカストジプロピルアミン塩を再結晶させる際に用いる溶媒について検討した。その結果、再結晶させる際の溶媒として、酢酸ブチルまたは酢酸ブチルと炭素数5〜8の炭化水素の混合物を用いることによって、特に前記モンテルカストメチルスチレン体が効果的に除去されたモンテルカストジプロピルアミン塩を高収率で取得することができることを見出した。酢酸ブチルに対するモンテルカストジプロピルアミン塩の溶解性は、酢酸エチルなどよりも低いことから、収率が向上しても精製効果は低下することが予想されたが、特定の不純物に対して特異的な除去効果を発揮したということは、驚くべき結果である。この理由は明らかではないが、酢酸ブチル溶媒中では、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶化速度が遅く、不純物、特に前記モンテルカストメチルスチレン体を結晶中に取り込みにくいために、高純度のモンテルカストジプロピルアミン塩が得られたものと考えられる。
また、本発明者がさらに検討したところ、上記酢酸ブチルと炭素数5〜8の炭化水素の混合物において、酢酸ブチルと炭素数5〜8の炭化水素の容積の合計を100としたときの酢酸ブチルの容積比率を40以上とすることによって、特に前記モンテルカストメチルスチレン体の含有量が低く、高純度のモンテルカストジプロピルアミン塩を高収率で得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、粗モンテルカストジプロピルアミン塩の溶液を得る溶液調製工程、当該溶液からモンテルカストジプロピルアミン塩の結晶を得る結晶化工程を含むモンテルカストジプロピルアミン塩の結晶の製造方法において、前記溶液をなす溶媒が、酢酸ブチル、または、酢酸ブチルと炭素数5〜8の炭化水素の混合物であって、酢酸ブチルと炭素数5〜8の炭化水素の容積の合計を100としたときの酢酸ブチルの容積比率が40以上である混合物であることを特徴とする方法である。
また、前記モンテルカストジプロピルアミン塩は、不純物として、モンテルカストメチルスチレン体を含むものであることが好ましく、さらに、前記溶液調製工程において、モンテルカスト遊離酸とジプロピルアミンとを前記混合物中で反応させて粗モンテルカストジプロピルアミン塩の溶液を得ることが好ましい。
さらに、本発明では、溶液調製工程において、粗モンテルカストジプロピルアミン塩の溶液をなす溶媒として酢酸ブチルを用い、結晶化工程において、当該粗モンテルカストジプロピルアミン塩の酢酸ブチル溶液に、炭素数5〜8の炭化水素を加え、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶を析出させてもよい。
本発明によれば、粗モンテルカストジプロピルアミン塩を結晶化させる際の溶媒として、酢酸ブチル、または、酢酸ブチルと炭素数5〜8の炭化水素の混合物であって、酢酸ブチルと炭素数5〜8の炭化水素の容積の合計を100としたときの酢酸ブチルの容積比率が40以上である混合物を使用することによって、不純物、特に、モンテルカストメチルスチレン体の含有量の低減された、高純度のモンテルカストジプロピルアミン塩を、収率を低下させることなく取得することができる。
本発明は、粗モンテルカストジプロピルアミン塩の溶液を得る溶液調製工程、及び当該溶液からモンテルカストジプロピルアミン塩の結晶を得る結晶化工程を含むモンテルカストジプロピルアミン塩の製造方法において、前記溶液をなす溶媒が、酢酸ブチル、または、酢酸ブチルと炭素数5〜8の炭化水素の混合物であって、酢酸ブチルと炭素数5〜8の炭化水素の容積の合計を100としたときの酢酸ブチルの容積比率が40以上である混合物(以下、酢酸ブチルのみである場合を含めて、単に酢酸ブチル/炭化水素の混合物とも言う。)であることを特徴とする方法である。
まず、本発明で使用する、粗モンテルカストジプロピルアミン塩及び酢酸ブチル/炭化水素の混合物について説明する。
(粗モンテルカストジプロピルアミン塩)
本発明に使用される粗モンテルカストジプロピルアミン塩は、特に制限されず、公知の方法で製造されたものを使用することができ、具体的には、例えば、特許文献1および2に記載された方法、すなわち、モンテルカスト遊離酸にジプロピルアミンを作用させる方法によって製造することができる。
当該粗モンテルカストジプロピルアミン塩は、前記モンテルカストジプロピルアミン塩を70%以上含むものであればよく、最終的に得られるモンテルカストジプロピルアミン塩の結晶の純度や収率を考慮すると、モンテルカストジプロピルアミン塩を80%以上含むものであることが好ましく、さらにはモンテルカストジプロピルアミン塩を90%以上含むものであることが好ましい。また、当該粗モンテルカストジプロピルアミンの形態は特に制限されず、前記酢酸ブチル/炭化水素の混合物に溶解すればよく、結晶、アモルファス、またはこれらが混合した形態であってもよく、粉末、塊状物、またはこれらが混合した形状であってもよく、無水物、水和物、溶媒和物またはこれらが混合した形態であってもよく、水和物または溶媒和物であるときの水または溶媒の分子数は特に制限されない。下記溶液調製工程において、モンテルカストジプロピルアミン塩の前記酢酸ブチル/炭化水素の混合物の溶液を得ることから、酢酸ブチルおよび/または炭素数5〜8の炭化水素を含む湿体であってもよく、さらには、酢酸ブチルおよび/または炭素数5〜8の炭化水素の溶液であってもよく、結晶化に影響を及ぼさない範囲でその他の溶媒を含んでいてもよい。なお、酢酸ブチルおよび/または炭素数5〜8の炭化水素の溶液である場合には、その容積比率に応じて、下記溶液調製工程において使用する酢酸ブチル/炭化水素の混合物の容積比率を調節する必要がある。
さらに、当該粗モンテルカストジプロピルアミン塩は、不純物として、前記モンテルカストメチルスチレン体を含むものであることが好ましい。すなわち、本発明によれば、粗モンテルカストジプロピルアミン塩に含まれる、複数種類の不純物の量を低減させることができるが、本発明は、特に前記モンテルカストメチルスチレン体の量の低減に効果を発揮するものであり、より高純度のモンテルカストジプロピルアミン塩の結晶を得ることができる。
(酢酸ブチル/炭化水素の混合物)
本発明に使用される酢酸ブチル、または、酢酸ブチルと炭素数5〜8の炭化水素の混合物であって、酢酸ブチルと炭素数5〜8の炭化水素の容積の合計を100としたときの酢酸ブチルの容積比率が40以上である混合物(酢酸ブチル/炭化水素の混合物)において、酢酸ブチルおよび炭素数5〜8の炭化水素は特に制限されず、市販の試薬や工業品を用いることができ、当該炭素数5〜8の炭化水素としては、具体的には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等が挙げられ、ヘキサン、ヘプタンを用いることが好ましい。これらの溶媒は、一種類だけを用いてもよく、複数種類を適宜混合してもよい。当該混合物において、酢酸ブチルの容積比率は40以上であり、得られる結晶の純度を考慮すると50以上であることが好ましく、65以上であることが特に好ましい。酢酸ブチルの容積比率が40より小さくなると、前記モンテルカストジプロピルアミン塩がきれいに結晶化せず、反応容器や撹拌翼にモンテルカストジプロピルアミン塩の固体が付着して、回収が困難になるため、純度や収率が低下するおそれがある。また、本発明において、酢酸ブチルと炭化水素を混合する順序や方法は特に制限されず、酢酸ブチルと炭化水素とを予め混合したものを使用してもよいし、本発明の各工程において、酢酸ブチルと炭化水素を順次添加して混合してもよく、この際の混合順序も特に制限されるものではない。
本発明において、当該混合物の使用量は前記モンテルカストジプロピルアミン塩が溶解する量であれば特に制限されるものではないが、操作性および回収率を考慮すると、前記モンテルカストジプロピルアミン塩1gに対して、反応溶媒を0.5mL以上200mL以下とすることが好ましく、さらには1.0mL以上100mL以下とすることが好ましく、特に2.0mL以上50mL以下とすることが好ましい。
次に、本発明における各工程の詳細について説明する。本発明は、粗モンテルカストジプロピルアミン塩の溶液を得る溶液調製工程、及び当該粗モンテルカストジプロピルアミン塩の溶液からモンテルカストジプロピルアミン塩の結晶を得る結晶化工程を含む、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶の製造方法である。
(溶液調製工程)
本発明の溶液調製工程は、粗モンテルカストジプロピルアミン塩が前記酢酸ブチル/炭化水素の混合物に溶解した溶液を得る工程である。
当該溶液調製工程は、特に制限されるものではなく、粗モンテルカストジプロピルアミン塩の前記酢酸ブチル/炭化水素の混合物による溶液が得られれば良い。具体的には、粗モンテルカストジプロピルアミン塩と前記酢酸ブチル/炭化水素の混合物とを混合する方法が挙げられ、この際、粗モンテルカストジプロピルアミン塩、酢酸ブチルおよび炭化水素を混合する順序や方法は特に制限されるものではないが、モンテルカストジプロピルアミン塩の溶解性を考慮すると、粗モンテルカストジプロピルアミンと酢酸ブチルを予め混合し、得られた混合液に炭化水素を加えることが好ましい。
また、本発明では、当該溶液調製工程において、モンテルカスト遊離酸とジプロピルアミンとを前記酢酸ブチル/炭化水素の混合物中で反応させてモンテルカストジプロピルアミン塩の溶液を得ることが好ましい。
当該モンテルカスト遊離酸は、特に制限されるものではなく、公知の方法で製造することができる。具体的には、特許文献5に記載の方法、すなわち、化学式(5)
Figure 2014208599
で示される1−(((1(S)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)−1−プロパノールにメタンスルホン酸クロリドを作用させ、続いて化学式(6)
Figure 2014208599
で示される1−(メルカプトメチル)シクロプロパン酢酸を加え、強塩基を添加し縮合することによって、モンテルカスト遊離酸の粗体を取得する方法や、特許文献6に記載の方法、すなわち、化学式(7)
Figure 2014208599
1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸メチルエステルに水酸化ナトリウム水溶液を作用させ、加水分解によってモンテルカスト遊離酸を得る方法が挙げられる。
上記方法によって得られたモンテルカスト遊離酸は、不純物としてモンテルカストメチルスチレン体を含むものであり、そのまま本発明に使用することができる。また、一般的な精製方法、例えば再結晶やリスラリーなどの方法によって所望の純度になるまで精製したものを使用することもできる。本発明に使用するモンテルカスト遊離酸の純度は制限されないが、純度が70%以上のモンテルカスト遊離酸を用いて反応を行なうことによって、純度が70%以上の粗モンテルカストジプロピルアミン塩を得ることができ、より高純度のモンテルカスト遊離酸を用いることによって、より高純度の粗モンテルカストジプロピルアミン塩が得られるため好ましい。
さらに、当該モンテルカスト遊離酸についても、その形態は特に制限されず、粉末、塊状物、またはこれらが混合した形状であってもよく、結晶、アモルファス、またはこれらが混合した形態であってもよく、無水物、水和物、溶媒和物またはこれらが混合した形態であってもよく、水和物または溶媒和物であるときの水または溶媒の分子数は特に制限されない。また、当該溶液調製工程において、モンテルカストジプロピルアミン塩の前記酢酸ブチル/炭化水素の混合物の溶液を得ることから、酢酸ブチルおよび/または炭素数5〜8の炭化水素を含む湿体であってもよく、結晶化に影響を及ぼさない範囲でその他の溶媒を含んでいてもよい。
当該溶液調製工程において、モンテルカスト遊離酸とジプロピルアミンとを前記酢酸ブチル/炭化水素の混合物中で反応させてモンテルカストジプロピルアミン塩の溶液を得る場合においても、モンテルカスト遊離酸、ジプロピルアミン、酢酸ブチルおよび炭化水素を混合する順序は特に制限されるものではなく、具体的には、例えば、モンテルカスト遊離酸と前記酢酸ブチル/炭化水素の混合物とを混合した後で、ジプロピルアミンを加えても良いし、ジプロピルアミンと前記酢酸ブチル/炭化水素の混合物とを混合した後で、モンテルカスト遊離酸を加えても良い。モンテルカスト遊離酸およびモンテルカストジプロピルアミン塩の溶解度を考慮すると、モンテルカスト遊離酸と酢酸ブチルを予め混合し、得られた混合液にジプロピルアミンを加えて溶解させた後、炭化水素を加えることが好ましい。
また、当該溶液調製工程における温度は、モンテルカストジプロピルアミン塩が溶解すればよく、特に制限されないが、モンテルカストジプロピルアミン塩の溶解性及び操作性を考慮すると、反応液の温度が0℃以上80℃以下であることが好ましく、10℃以上60℃以下であることがより好ましく、20℃以上50℃以下であることが好ましい。溶解させる温度が80℃を越えると、モンテルカストジプロピルアミン塩が分解し純度が低下するおそれがあり、0℃より低くなると、溶解に要する溶媒量が増えて、モンテルカストジプロピルアミン塩の回収率が低下するおそれがあり好ましくない。
(結晶化工程)
本発明の結晶化工程は、前記溶液調製工程で得られた溶液から、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶を析出させる工程である。
当該結晶化工程では、操作性、回収率、得られる結晶の物性を考慮すると、前記溶液調整工程で得られた溶液の温度を−20℃以上40℃以下とすることが好ましく、−15℃以上30℃以下とすることがより好ましく、−10℃以上10℃以下とすることが特に好ましい。反応液の温度が40℃を越えると、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶が析出しないおそれがあり、−20℃より低くしても、それ以上回収率が高くならないので、合理的ではない。さらに、回収率や反応の効率を考慮すると、当該温度にて、1時間以上20時間以下保持することが好ましい。特に好ましいのは、−10℃以上10℃以下で1時間以上保持する態様であり、収率良く、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶を得ることができる。
また、当該結晶化工程において、前記溶液調製工程で得られた溶液に、モンテルカストジプロピルアミン塩の種結晶を加えることもできる。当該種結晶を使用する場合は、前記溶液調製工程の後、得られた溶液に、40℃以下にて当該種結晶を混合することが好ましい。当該種結晶は特に制限されるものではなく、公知の方法によって得られたものを使用することができる。また、当該種結晶の使用量は、特に制限されるものではないが、モンテルカスト遊離酸の粗体1gに対して、0.0001g以上0.1g以下であることが好ましく、0.001g以上0.05g以下であることがより好ましい。
当該結晶化工程で析出したモンテルカストジプロピルアミン塩の結晶は、濾過性が良く、濾過や遠心分離などによって容易に固液分離され、得られた固体を、自然乾燥、送風乾燥、真空乾燥などにより乾燥することによって、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶を得ることができる。
また、本発明では、前記溶液調製工程において、粗モンテルカストジプロピルアミン塩の溶液をなす溶媒として酢酸ブチルを用い、当該結晶化工程において、当該粗モンテルカストジプロピルアミン塩の酢酸ブチル溶液に、貧溶媒として炭素数5〜8の炭化水素(以下、単に炭化水素とも言う。)を加え、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶を析出させてもよい。ここで、粗モンテルカストジプロピルアミン塩の酢酸ブチル溶液に、炭素数5〜8の炭化水素を加える方法は特に限定されないが、特定量の炭化水素を特定の添加速度で加えることによって、固液分離して得られる固体の含液率が低下し、より効率的にモンテルカストジプロピルアミン塩の結晶が得られて好ましい。具体的には、当該溶液100mLに対して20mL以上150mL以下の炭化水素を、1時間あたりの平均添加量及び実添加量が当該炭化水素の量の2分の1以下となるように加えればよい。なお、本発明において、1時間あたりの平均添加量は、炭化水素を加え始めてから加え終えるまでの時間を基準とする。ここで、加える炭化水素の量は、粗モンテルカストジプロピルアミン塩の溶液100mLに対して20mL以上150mL以下であればよく、結晶化の効率性や収率を考慮すると、30mL以上120mL以下であることが好ましく、40mL以上100mL以下であることが特に好ましい。20mLより少ない場合は当該添加速度で加えても、予め溶液調製工程で炭化水素を用いた場合と固体の含液率に差が無いため効率的ではない。150mLより多い場合は、炭化水素を加え終えた際の酢酸ブチルと炭化水素の容積の合計を100としたときの酢酸ブチルの容積比率が40より小さくなるため、純度や収率が低下するおそれがあるため好ましくない。さらに、1時間あたりの平均添加量及び実添加量は、加える炭化水素の量の2分の1以下であればよく、得られる結晶の含液率や操作性を考慮すると、20分の1以上2分の1以下であることが好ましく、10分の1以上2分の1以下であることが特に好ましい。また、上記量の炭化水素をすべて加えるのにかける時間は、1時間あたりの平均添加量及び実添加量が上記の範囲内であれば特に制限されないが、2時間以上であればよく、得られる結晶の含液性等を考慮すると、3時間以上であることが好ましく、5時間以上であることがより好ましく、効率性を考慮すると、10時間以下とすることが適当である。
当該結晶化工程において、上記のように平均添加量及び実添加量を調整して炭化水素を加える方法は制限されるものでなく、具体的には、所要量の炭化水素をいくつかに分割し、時間の間隔を空けて複数回に分けて加える方法や、滴下などにより、一定量を断続的に加える方法などが挙げられるが、操作性を考慮すると、複数回に分けて炭化水素を加える方法がより制御し易く、効率的で好ましい。複数回に分けて炭化水素を加える方法の場合は、炭化水素を加える回数は、2回以上であればよく、得られる結晶の含液率等を考慮すると、3回以上であることが好ましく、効率性を考慮すると、20回以下とすることが適当である。1回あたりに加える炭化水素の量は、加える炭化水素の量の2分の1以下の量であれば、毎回同じであっても良いし、異なっていても良い。炭化水素を加える時間の間隔についても、毎回同じであっても良いし、異なっていても良いが、それぞれ30分間以上空けることが好ましい。
当該結晶化工程において、上記のように炭化水素を加える場合、溶液の温度は、得られる結晶の含液率を考慮すると、−20℃以上40℃以下とすることが好ましく、−15℃以上30℃以下とすることがより好ましい。また、炭化水素を加え終わった後に、当該好ましい温度にて、1時間以上20時間以下保持することによって、より含液率の低下した固体を収率良く取得できて好ましい。さらに、上記のように、モンテルカストジプロピルアミン塩の種結晶を使用することができ、炭化水素を加える前、あるいは、炭化水素を加えている間に種結晶を加えることができる。
このように、当該結晶化工程において、粗モンテルカストジプロピルアミン塩の酢酸ブチル溶液に、特定量の炭素数5〜8の炭化水素を、添加速度を調整して加えることによって、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶が析出する速度が緩やかになり、固液分離して得られる固体の含液率が低下する。そのため、得られる固体は、操作性がより良いものであり、より穏やかな条件で且つ短時間で乾燥することができることから、より効率的にモンテルカストジプロピルアミンの結晶を得ることができる。
本発明は、モンテルカストジプロピルアミン塩を結晶化させる際の溶媒として、酢酸ブチル、または、酢酸ブチルと炭素数5〜8の炭化水素の混合物であって、酢酸ブチルと炭素数5〜8の炭化水素の容積の合計を100としたときの酢酸ブチルの容積比率が40以上である混合物(酢酸ブチル/炭化水素の混合物)を使用することによって、不純物、特に、モンテルカストメチルスチレン体の含有量が低減された、高純度のモンテルカストジプロピルアミン塩を高収率で取得することができるものである。
このようにして精製されたモンテルカストジプロピルアミン塩の結晶は、公知の方法、例えば、モンテルカスト遊離酸としてからナトリウム塩化することによって、モンテルカストナトリウムとすることができるが、この際、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶は、必ずしも乾燥体である必要はなく、本発明で使用した溶媒を含む湿体であってもよい。本発明によって得られるモンテルカストジプロピルアミン塩の結晶は非常に高純度であるため、当該結晶を用いることによって、非常に高純度のモンテルカストナトリウムを得ることができる。そのため、過度の精製操作を行なうことなく、効率的に、医薬品用途とし得る高純度のモンテルカストナトリウムを製造することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
また、本実施例において、モンテルカストジプロピルアミン塩の純度および不純物量は、下記に従って測定した。モンテルカストジプロピルアミン塩の含液率は、下記に従って算出した。
<純度および不純物量の測定方法>
装置:高速液体クロマトグラフ装置(Waters Corporation製)
検出器:紫外吸光光度検出器(Waters Corporation製)
測定波長:238nm
カラム:ZORBAX SB−PHENYL、内径4.6mm、長さ50mm(Agilent Technologies, Inc.製)
カラム温度:30℃ 一定温度
サンプル温度:25℃ 一定温度
移動相A:蒸留水/トリフルオロ酢酸=1000/1.5
移動相B:アセトニトリル/トリフルオロ酢酸=1000/1.5
移動相の送液:移動相Aおよび移動相Bの混合比を表1のように変えて濃度勾配制御する。
流速:1.2ml/分
測定時間:45分
上記条件において、モンテルカストジプロピルアミン塩は約7.7分、モンテルカストメチルスチレン体は約13.9分にピークが確認される。以下の実施例、比較例において、モンテルカストジプロピルアミン塩の純度およびモンテルカストメチルスチレン体の含有率は、上記条件で測定される全ピークの面積値の合計に対する各化合物のピークの面積値の割合である。
Figure 2014208599
<含液率の計算方法>
モンテルカストジプロピルアミン塩の含液率は、モンテルカストジプロピルアミン塩の乾燥前の湿体の重量と、乾燥後の乾燥体の重量から、下記の計算式により算出した。
Figure 2014208599
製造例1
1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸メチルエステル6.6gにテトラヒドロフラン15ml及びメタノール50mlを加えて撹拌混合した液に、10%水酸化ナトリウム水溶液10.3gを加え、5時間撹拌した。得られた反応液に、トルエン30mlを加えて有機層を分離し、分離した有機層に0.5M酒石酸10.3gを加えてpHを4に調製し、溶媒を留去して有機層の液量を15mlとしてから、5℃で一晩撹拌した。析出した固体を濾取し、トルエン5mlで2回洗浄し、減圧乾燥することによって、モンテルカスト遊離酸の粗体4.2gを得た(収率66%)。
実施例1
窒素雰囲気下で、モンテルカスト遊離酸の粗体5.0g(純度92.7%、モンテルカストメチルスチレン体含有量3.69%)に酢酸ブチル45mlを加えて撹拌混合した液に、ジプロピルアミン0.86gを酢酸ブチル5mlに溶解させた溶液を滴下した。固体が全て溶解したことを確認した後、モンテルカストジプロピルアミン塩の種結晶5.0mgを加え、3時間撹拌し、4℃に冷却し、同温で16時間撹拌し、−10℃に冷却し、同温で2時間撹拌した。析出した結晶を加圧濾過によって濾取し、酢酸ブチル5ml及びヘプタン10mlで洗浄し、減圧乾燥して、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶3.0g(純度99.7%、モンテルカストメチルスチレン体含有率0.19%、含液率35%)を得た(収率71%)。
実施例2
窒素雰囲気下で、モンテルカスト遊離酸の粗体15.0g(純度95.4%、モンテルカストメチルスチレン体含有量0.91%)に、酢酸ブチル135mlを加えて撹拌混合した液に、ジプロピルアミン2.6gを酢酸ブチル15mlに溶解させた溶液を滴下した。固体が全て溶解したことを確認した後、モンテルカストジプロピルアミン塩の種結晶15.0mgを加え、3時間撹拌し、4℃に冷却し、同温で16時間撹拌し、−10℃に冷却し、同温で2時間撹拌した。析出した結晶を加圧濾過によって濾取し、酢酸ブチル15ml及びヘプタン30mlで洗浄し、減圧乾燥して、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶13.1g(純度99.6%、モンテルカストメチルスチレン体含有率0.07%、含液率33%)を得た(収率74%)。
実施例3
窒素雰囲気下で、モンテルカスト遊離酸の粗体15.0g(純度95.4%、モンテルカストメチルスチレン体含有量0.91%)に、酢酸ブチル135mlを加えて撹拌混合した液に、ジプロピルアミン2.6gを酢酸ブチル15mlに溶解させた溶液を滴下した。固体が全て溶解したことを確認した後、ヘプタン75mlを滴下し、続いてモンテルカストジプロピルアミン塩の種結晶15.0mgを加え、3時間撹拌した。この反応液を4℃に冷却し、同温で16時間撹拌し、−10℃に冷却し、同温で2時間撹拌した。析出した結晶を加圧濾過によって濾取し、酢酸ブチル15ml及びヘプタン30mlで洗浄し、減圧乾燥して、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶14.6g(純度99.5%、モンテルカストメチルスチレン体含有率0.08%、含液率37%)を得た(収率83%)。
実施例4
実施例3において、ヘプタンの使用量を75mlから150mlに変更した以外は同様の操作を行い、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶15.4g(純度99.0%、モンテルカストメチルスチレン体含有率0.16%、含液率40%)を得た(収率87%)。
実施例5
窒素雰囲気下で、モンテルカスト遊離酸の粗体15.0g(純度95.4%、モンテルカストメチルスチレン体含有量0.91%)に、酢酸ブチル135mlを加えて撹拌混合した液に、ジプロピルアミン2.6gを酢酸ブチル15mlに溶解させた溶液を滴下した。固体が全て溶解したことを確認した後、ヘプタン18.75mlを加え、次いでモンテルカストジプロピルアミン塩の種結晶75.0mgを加え、2時間撹拌した。この反応液にヘプタン18.75mlを加えて2時間攪拌した後、さらにヘプタン18.75mlを加えて2時間攪拌し、次いでさらにヘプタン18.75mlを加えて2時間攪拌した(添加したヘプタンの合計量75ml)。得られた反応液を4℃に冷却し、同温で20時間撹拌し、−10℃に冷却し、同温で4時間撹拌した。析出した結晶を加圧濾過によって濾取し、酢酸ブチル15ml及びヘプタン30mlで洗浄し、減圧乾燥して、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶15.3g(純度99.6%、モンテルカストメチルスチレン体含有率0.07%、含液率17%)を得た(収率87%)。
実施例6
窒素雰囲気下で、モンテルカスト遊離酸の粗体15.0g(純度95.4%、モンテルカストメチルスチレン体含有量0.91%)に、酢酸ブチル135mlを加えて撹拌混合した液に、ジプロピルアミン2.6gを酢酸ブチル15mlに溶解させた溶液を滴下した。固体が全て溶解したことを確認した後、ヘプタン30mlを加え、次いでモンテルカストジプロピルアミン塩の種結晶75.0mgを加え、2時間撹拌した。この反応液にヘプタン30mlを加えて2時間攪拌した後、さらにヘプタン30mlを加えて2時間攪拌し、さらにヘプタン30mlを加えて2時間攪拌し、次いでさらにヘプタン30mlを加えて2時間攪拌した(添加したヘプタンの合計量150ml)。得られた反応液を4℃に冷却し、同温で16時間撹拌し、−10℃に冷却し、同温で2時間撹拌した。析出した結晶を加圧濾過によって濾取し、酢酸ブチル15ml及びヘプタン30mlで洗浄し、減圧乾燥して、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶15.4g(純度99.5%、モンテルカストメチルスチレン体含有率0.09%、含液率12%)を得た(収率87%)。
比較例1
窒素雰囲気下で、モンテルカスト遊離酸の粗体5.0g(純度95.4%、モンテルカストメチルスチレン体含有量0.91%)に、酢酸エチル45mlを加えて撹拌混合した液に、ジプロピルアミン0.86gを酢酸エチル5mlに溶解させた溶液を滴下した。固体が全て溶解したことを確認した後、モンテルカストジプロピルアミン塩の種結晶5.0mgを加え、3時間撹拌し、4℃に冷却し、同温で16時間撹拌し、−10℃に冷却し、同温で2時間撹拌した。析出した結晶を加圧濾過によって濾取し、酢酸エチル5ml及びヘプタン10mlで洗浄し、減圧乾燥して、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶2.5g(純度99.7%、モンテルカストメチルスチレン体含有率0.03%)を得た(収率42%)。
比較例2
窒素雰囲気下で、モンテルカスト遊離酸の粗体5.0g(純度95.4%、モンテルカストメチルスチレン体含有量0.91%)に、酢酸エチル45mlを加えて撹拌混合した液に、ジプロピルアミン0.86gを酢酸エチル5mlに溶解させた溶液を滴下した。固体が全て溶解したことを確認した後、ヘキサン25mlを滴下し、続いてモンテルカストジプロピルアミン塩の種結晶5.0mgを加え3時間撹拌した。この反応液を4℃に冷却し、同温で16時間撹拌し、−10℃に冷却し、同温で2時間撹拌した。析出した結晶を加圧濾過によって濾取し、酢酸エチル5ml及びヘキサン10mlで洗浄し、減圧乾燥して、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶2.9g(純度99.3%、モンテルカストメチルスチレン体含有率0.04%)を得た(収率50%)。
比較例3
実施例1の操作において、酢酸ブチルを酢酸イソプロピルに変更した以外は同様の操作を行い、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶4.8g(純度97.6%、モンテルカストメチルスチレン体含有率0.75%)を得た(収率82%)。
比較例4
実施例1の操作において、酢酸ブチルをトルエンに変更した以外は同様の操作を行い、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶5.0g(純度95.5%、モンテルカストメチルスチレン体含有率2.51%)を得た(収率85%)。
比較例5
窒素雰囲気下で、モンテルカスト遊離酸の粗体5.0g(純度95.4%、モンテルカストメチルスチレン体含有量0.91%)に、酢酸ブチル45mlを加えて撹拌混合した液に、ジプロピルアミン0.86gを酢酸ブチル5mlに溶解させた溶液を滴下した。固体が全て溶解したことを確認した後、ヘプタン100mlを滴下し、3時間撹拌した。この反応液を4℃に冷却し、同温で16時間撹拌し、−10℃に冷却し、同温で2時間撹拌した。析出した結晶を加圧濾過によって濾取し、酢酸ブチル5ml及びヘプタン10mlで洗浄し、減圧乾燥して、モンテルカストジプロピルアミン塩の結晶1.2g(純度98.1%、モンテルカストメチルスチレン体含有率0.91%)を得た(収率20%)。
参考例1
実施例1で得られたモンテルカストジプロピルアミン塩の結晶1.0gにトルエン10ml及び水5mlを加えて撹拌混合した液に、酢酸0.10gを加え、30分間撹拌した後、水層を除去して得られた有機層を4℃に冷却し、析出した結晶を加圧濾過によって濾取し、減圧乾燥して、モンテルカスト遊離酸の結晶を得た。得られたモンテルカスト遊離酸の結晶にメタノール10mlを加えて撹拌混合した液に、水酸化ナトリウム0.05gを加え、1時間撹拌した後、溶媒を留去し、析出した結晶を加圧濾過によって濾取し、減圧乾燥して、モンテルカストナトリウム0.7g(純度99.9%、モンテルカストメチルスチレン体含有率0.02%)を得た(収率80%)。
参考例2
比較例3で得られたモンテルカストジプロピルアミン塩の結晶について、参考例1と同様の操作を行い、モンテルカストナトリウム(純度99.7%、モンテルカストメチルスチレン体含有率0.13%)を得た。
実施例1〜6では、溶液調製工程において、本発明の酢酸ブチル/炭化水素の混合物を用い、純度が99%以上でモンテルカストメチルスチレン体の含有量が0.2%以下である高純度のモンテルカストジプロピルアミン塩が、70〜90%という高い収率で得られた。中でも、実施例5及び6では、結晶化工程において炭化水素を添加する速度を調整して加えることによって、特に含液率の低下したモンテルカストジプロピルアミン塩が得られた。さらに、本発明で得られたモンテルカストジプロピルアミン塩の結晶を用いてモンテルカストナトリウムを製造したところ、高純度でモンテルカストメチルスチレン体含有量の低いモンテルカストナトリウムが得られた。一方、比較例1〜4では、溶媒として、上記酢酸ブチル/炭化水素の混合物以外の溶媒を用いたところ、酢酸エチルを用いた比較例1及び2では、高純度のモンテルカストジプロピルアミン塩が得られたものの、収率が50%と低く、それ以外の溶媒を用いた比較例3及び4では、高純度のモンテルカストプロピルアミンが得られなかった。また、比較例5では、溶媒として酢酸ブチルの容積比率が40未満の溶媒を用いたところ、高純度のモンテルカストジプロピルアミンが得られなかった。

Claims (4)

  1. 粗1−(((1(R)−(3−(2−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ジプロピルアミン塩の溶液を得る溶液調製工程、当該粗1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ジプロピルアミン塩の溶液から1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ジプロピルアミン塩の結晶を得る結晶化工程を含む、1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ジプロピルアミン塩の結晶の製造方法において、
    前記粗1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ジプロピルアミン塩の溶液をなす溶媒が、酢酸ブチルまたは酢酸ブチルと炭素数5〜8の炭化水素の混合物であって、酢酸ブチルと炭素数5〜8の炭化水素の容積の合計を100としたときの酢酸ブチルの容積比率が40以上である混合物であることを特徴とする方法。
  2. 前記粗1−(((1(R)−(3−(2−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ジプロピルアミン塩が、不純物として、1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−プロペニル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸を含むものである請求項1に記載の方法。
  3. 前記溶液調製工程において、1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸とジプロピルアミンとを、前記酢酸ブチルまたは酢酸ブチルと炭素数5〜8の炭化水素の混合物であって、酢酸ブチルと炭素数5〜8の炭化水素の容積の合計を100としたときの酢酸ブチルの容積比率が40以上である混合物中で反応させて、粗1−(((1(R)−(3−(2−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ジプロピルアミン塩の溶液を得る請求項1または2に記載の方法
  4. 前記溶液調製工程において、前記粗1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ジプロピルアミン塩の溶液をなす溶媒が酢酸ブチルであり、前記結晶化工程において、前記粗1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ジプロピルアミン塩の溶液に、当該溶液100mlに対して20ml以上150ml以下の量の炭素数5〜8の炭化水素を、1時間あたりの平均添加量及び実添加量が当該炭化水素の量の2分の1以下となるように加えて、1−(((1(R)−(3−(2(E)−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ジプロピルアミン塩の結晶を得る請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
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