JP2014207874A - 肌の色調改善剤のスクリーニング法 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな作用機序に基づく肌の色調改善剤として有効な成分を探索することを目的とし、そのための新たなスクリーニング法を確立することを課題とする。
【解決手段】細胞における分化関連因子及び/又は細胞内小胞輸送関連因子の活性を指標として、肌の色調改善剤をスクリーニングする方法、及びそれにより肌の色調を改善すると判定された物質を含有する組成物。
【選択図】図3

Description

本発明は、肌の色調改善剤をスクリーニングする方法に関する。
皮膚における日焼け後の色素沈着、シミ、肝斑、老人性色素斑等は、皮膚に存在するメラノサイト(色素細胞)の活性化によりメラニン生成が著しく亢進した状態である。これらの皮膚色素沈着に関連するトラブルの発生や悪化は肌の美しさを妨げるものであるため、従来これらを防止又は改善する作用を有する成分に関する研究が盛んになされており、様々な作用機序に基づく美白成分が創出されている。
例えば、アスコルビン酸類、過酸化水素、コロイド硫黄、グルタチオン、ハイドロキノン、カテコール等(非特許文献1)が、美白成分としてよく知られている。さらに近年、新たな作用機序に基づいた美白成分が種々開発されている。メラニン生成抑制を標的とするものとしては、チロシナーゼ関連蛋白阻害剤(特許文献1)、エンドセリン作用抑制剤(特許文献2)、プロトンポンプ阻害剤(特許文献3)、ステムセルファクター結合阻害剤(特許文献4)等がある。また、生成したメラニンの表皮への移動抑制を標的とするものとしては、メラノサイトのデンドライト伸張抑制剤(特許文献5)、メラニン移送又は放出抑制剤(特許文献6)等がある。また、表皮ターンオーバー促進を標的とするものとして、インテグリン産生促進剤(特許文献7)等も報告されている。
ところで、皮膚において表皮の最下部である基底層に位置するメラノサイトで合成されたメラニンは、隣接するケラチノサイト(表皮角化細胞)に受け渡される。ケラチノサイトでは受け渡されたメラニンが微小管上を移動して細胞核の上方に集まり、メラニンキャップ(核帽)と呼ばれるメラニン集合体を形成している。ここで、ケラチノサイトにおいてメラニンを細胞核周辺へ運ぶ役割は、細胞内の小胞輸送機構が担っており、この機構には種々の輸送関連因子が関与していることが知られている(非特許文献2)。
これに関連して、ケラチノサイトにおいてメラニンを輸送するタンパク質であるダイニンの発現を調節することにより、皮膚状態を改善する方法が開示されている(特許文献8)。
特開2010−195732号公報 特開2012−020950号公報 特開2011−178760号公報 特開2008−031094号公報 特開2003−113027号公報 特開2008−143796号公報 特開2006−045087号公報 国際公開第2012/091832号パンフレット
メラニン色素の制御と美白剤の開発(フレグランスジャーナル社、臨時増刊)、No.14、P.118−126(1995) The Journal of investigative dermatology, vol.121, No 4, Oct., 2003, 813-820
前述のような既知の作用機序に基づいた美白成分では、ある程度の肌色の色調改善効果は認められるものの、十分に満足のいく効果が得られているとは言い難いのが現状である。また、より高い美白効果を得るため、異なる作用機序に基づく成分をひとつの組成物に含有させることも一般的であることから、新たな作用機序に基づく美白成分も求められている。
そのため、今なおより高い効果が得られる美白用化粧料の開発を目指して、肌の色調改善に有効な新たな成分の探索や、肌の色調改善剤の標的となり得る新たな作用機序の検討がなされている。
本発明は、かかる状況に鑑み、新たな作用機序に基づく肌の色調改善剤として有効な成分を探索することを目的とし、そのための新たなスクリーニング法を確立することを課題とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、分化が進んでいる皮膚上層においては色調が薄いという既知の事実に基づいて、メラニンを取り込んだケラチノサイトの分化を促進させると細胞内にメラニンが拡散するという細胞レベルでの新たな知見を得た。さらに、ケラチノサイトにおいて細胞内小胞輸送関連因子の活性を調節すると、細胞内にメラニンが拡散するという新たな知見も得た。そして、これらの知見に基づいて、分化関連因子及び/又は細胞内小胞輸送関連因子の活性調節剤が肌の色調改善剤となり得ることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]細胞における分化関連因子及び/又は細胞内小胞輸送関連因子の活性を指標として、肌の色調改善剤をスクリーニングする方法(以下、「本発明のスクリーニング方法」とも記す)。
[2]前記分化関連因子の活性が、分化関連因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現量であり、
被験物質を添加した細胞における前記遺伝子の発現量が、被験物質を添加しなかった細胞における該遺伝子の発現量と比較して小さい又は大きい場合に、前記被験物質は肌の色調を改善する作用を有すると判定する、[1]に記載の方法。
[3]前記細胞内小胞輸送関連因子の活性が、細胞内小胞輸送関連因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現量であり、
被験物質を添加した細胞における前記遺伝子の発現量が、被験物質を添加しなかった細胞における該遺伝子の発現量と比較して小さい又は大きい場合に、前記被験物質は肌の色調を改善する作用を有すると判定する、[1]に記載の方法。
[4]前記前記分化関連因子が、involucrin、keratin 1、kera
tin 5、keratin 10、keratin 14、filaggrin、lor
icrin、desmoglein 1、desmoglein 2、desmoglein 3、desmocolin 1、transglutaminase 1、及びtra
nsglutaminase 3から選択される、[1]又は[2]に記載の方法。
[5]前記細胞内小胞輸送関連因子が、syntaxin−2、syntaxin−3、syntaxin−4、annexin−1、annexin−2、VAMP−1、VAMP−2、VAMP−3、VAMP−4、VAMP−5、VAMP−7、VAMP−8、Sec22b、Ykt6、SNAP−23、myosin V、myosin−10、m
yosin2a、uKHC、nKHC、kinectin、KIFC3、Rab7、RILP、PLEKHA7、Nezha、120catenin、α−tubulin、及びβ−tubulinから選択される、[1]又は[3]に記載の方法。
[6]前記細胞内小胞輸送関連因子がVAMP−1である、[5]に記載の方法。
[7]前記被験物質を添加した細胞における分化関連因子を構成するタンパク質をコード
する遺伝子及び/又は細胞内小胞輸送関連因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現量が、被験物質を添加しなかった細胞における該遺伝子の発現量に対して10%以上変動がある場合に、前記被験物質は肌の色調を改善する作用を有すると判定する、[2]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]前記肌の色調改善作用が、細胞内にメラニンを拡散させる作用である、[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
[9][1]〜[8]のいずれかに記載の方法により肌の色調を改善する作用を有すると判定された物質を含有する組成物(以下、「本発明の組成物」とも記す)。
[10]皮膚外用剤である、[9]に記載の組成物。
[11]化粧料(ただし、医薬部外品を含む)である、[9]又は[10]に記載の組成物。
[12]美白用である、[9]〜[11]のいずれかに記載の組成物。
[13][1]〜[8]のいずれかに記載の方法により肌の色調を改善する作用を有すると判定された物質を組成物に配合する工程を含むことを特徴とする組成物の製造方法。
本発明により、新たな作用機序に基づく肌の色調改善剤として有効な成分を探索することができる、スクリーニング法が提供される。
分化誘導の有無による、細胞におけるメラニン分布への影響を表す明視野観察像。 分化誘導の有無による、単位細胞数当たりのメラニン集合体の面積比を表すグラフ。 VAMP−1 mRNA発現の阻害の有無による、細胞におけるメラニン分布への影響を表す明視野観察像。 VAMP−1 mRNA発現の阻害の有無による、単位細胞数当たりのメラニン集合体の面積比を表すグラフ。
本発明のスクリーニング方法は、細胞における分化関連因子及び/又は細胞内小胞輸送関連因子の活性を指標として、肌の色調改善剤をスクリーニングすることを特徴とする。
本発明における分化関連因子とは、細胞の分化に伴い発現低下又は発現亢進するタンパク質をいう。また、本発明における細胞内小胞輸送関連因子とは、ケラチノサイトにおいてメラニンを細胞核周辺へ運ぶ小胞輸送に関与するタンパク質をいう。本発明者は、ケラチノサイトの分化を促進すること及び/又は細胞内小胞輸送関連因子の活性を調節することにより、メラニンキャップ構造の形成が抑制され、細胞内でメラニンが細胞内に拡散することに着目した。ここで、ケラチノサイトの分化促進は、細胞内小胞輸送関連因子の活性に何らかの影響を与えることが推測される。また、本発明者は、細胞内においては同じ量のメラニンであっても、集合体の大きさが小さく拡散している状態の方が、明るく薄い色となることをも見出した。したがって、分化促進剤及び/又は細胞内小胞輸送関連因子の活性調節剤は、肌の色調改善剤となり得る。
本発明の好ましい態様において、前記分化関連因子及び/又は細胞内小胞輸送関連因子の活性とは、分化関連因子及び/又は細胞内小胞輸送関連因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現量である。ここで、遺伝子の発現量とは、該遺伝子のmRNAの転写量と、該遺伝子がコードするタンパク質の翻訳量との何れかを指すものとする。
本発明のスクリーニング方法の好ましい態様においては、被験物質を添加した細胞における分化関連因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現量が、被験物質を添加
しなかった細胞における該遺伝子の発現量と比較して変動する場合に、前記被験物質は細胞分化を促進させ、肌の色調を改善する作用を有すると判定される。ここで、発現量の変動は、細胞の分化に伴い発現低下する遺伝子については発現量が小さくなること、及び細胞の分化に伴い発現亢進する遺伝子については発現量が大きくなることを含む。
ここで、分化関連因子は、involucrin、keratin 1、kerati
n 5、keratin 10、keratin 14、filaggrin、loric
rin、desmoglein 1、desmoglein 2、desmoglein
3、desmocolin 1、transglutaminase 1、及びtransglutaminase 3が好ましく挙げられる。これらのうち、keratin 5、keratin 14等は、被験物質を添加した時にその遺伝子の発現量が被験物質を添
加しなかった時に比較して小さい場合に、前記被験物質は肌の色調を改善する作用を有すると判定される。また、involucrin、keratin 1、keratin 10、filaggrin、loricrin、desmoglein 1、desmog
lein 2、desmoglein 3、desmocolin 1、transglu
taminase 1、及びtransglutaminase 3等は、被験物質を添加した時にその遺伝子の発現量が被験物質を添加しなかった時に比較して大きい場合に、前記被験物質は肌の色調を改善する作用を有すると判定される。
また、本発明のスクリーニング方法の別の好ましい態様においては、被験物質を添加した細胞における細胞内小胞輸送関連因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現量が、被験物質を添加しなかった細胞における該遺伝子の発現量と比較して変動する場合に、前記被験物質は肌の色調を改善する作用を有すると判定される。ここで、発現量の変動は、細胞核周辺への小胞輸送を促進する方向に関与する遺伝子については発現量が小さくなること、及び細胞核周辺への小胞輸送を抑制する方向に関与する遺伝子については発現量が大きくなることを含む。
ここで、細胞内小胞輸送関連因子は、syntaxin−2、syntaxin−3、syntaxin−4、annexin−1、annexin−2、VAMP−1、VAMP−2、VAMP−3、VAMP−4、VAMP−5、VAMP−7、VAMP−8、Sec22b、Ykt6、SNAP−23、myosin V、myosin−10、m
yosin2a、uKHC、nKHC、kinectin、KIFC3、Rab7、RILP、PLEKHA7、Nezha、120catenin、α−tubulin、及びβ−tubulinが好ましく挙げられる。これらのうち、VAMP−1、VAMP−2、VAMP−3、VAMP−4、VAMP−5、VAMP−7、VAMP−8、Sec22b、Ykt6、KIFC3、Rab7、及びRILP等は、被験物質を添加した時にその遺伝子の発現量が被験物質を添加しなかった時に比較して小さい場合に、前記被験物質は肌の色調を改善する作用を有すると判定される。また、uKHC、nKHC、及びkinectin等は、被験物質を添加した時にその遺伝子の発現量が被験物質を添加しなかった時に比較して大きい場合に、前記被験物質は肌の色調を改善する作用を有すると判定される。
上記の細胞小胞輸送関連因子のうち、小胞結合膜タンパク質であるVAMPがさらに好ましく、具体的にはVAMP−1/Synaptobrevin1、VAMP−2/Synaptobrevin2、VAMP−3/Cellubrevin、VAMP−4、VAMP−5、VAMP−7/Ti−VAMP、VAMP−8/Endobrevin、Sec22b、Ykt6等が挙げられ、特にVAMP−1が好ましい。
VAMP−1は、ヒトケラチノサイトにおける発現、およびケラチノサイトでの小胞輸送に関与することが報告されている。ヒトVAMP−1遺伝子の塩基配列及びコードされるアミノ酸配列をそれぞれ配列番号1及び2に示す。
分化関連因子及び/又は細胞内小胞輸送関連因子を構成するタンパク質をコードする遺
伝子の発現量は、任意の方法を用いて測定することができる。例えば、当該遺伝子の配列に特異的に結合する配列を有するDNA断片をプライマーとして用いてPCRを行い、定量的な検出を行う。なお、上述した種々の因子をコードする遺伝子配列はそれぞれ公開されており、当業者は適宜プライマーを設計してPCRに供することができる。とりわけ、VAMP−1の発現量を指標としてスクリーニングを行う場合は、検出のためのプライマーキットが市販されており好適に使用できる。
また、例えば、当該タンパク質の細胞内存在量を、常法で定量的に測定して、遺伝子の発現量としてもよい。
スクリーニングに用いる細胞の種類は、分化関連因子及び/又は細胞内小胞輸送関連因子を発現し得る細胞であれば特に限定されないが、ケラチノサイト又はファイブロブラストが好ましく、ケラチノサイトがより好ましく、ヒト由来ケラチノサイトがさらに好ましい。細胞の培養の条件としては、通常の培養条件、例えば市販のKG2培地を用いる他、本発明のスクリーニング方法の実行を妨げない、具体的には分化関連因子及び/又は細胞内小胞輸送関連因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現量の測定を妨げない培養条件であれば、特段の限定なく適用することができる。
本発明のスクリーニング方法が対象とする被験物質は、純物質、動植物由来の抽出物、またはそれらの混合物等のいずれであってもよい。
動植物由来の抽出物は、動物又は植物由来の抽出物自体のみならず、抽出物の画分、精製した画分、抽出物乃至は画分、精製物の溶媒除去物の総称を意味するものとし、植物由来の抽出物は、自生若しくは生育された植物、漢方生薬原料等として販売されるものを用いた抽出物、市販されている抽出物等が挙げられる。
抽出操作は、植物部位の全草を用いるほか、植物体、地上部、根茎部、木幹部、葉部、茎部、花穂、花蕾等の部位を使用することできるが、予めこれらを粉砕あるいは細切して抽出効率を向上させることが好ましい。抽出溶媒としては、水、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類、1,3−ブタンジオール、ポリプロピレングリコールなどの多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類等の極性溶媒から選択される1種乃至は2種以上が好適なものとして例示することができる。具体的な抽出方法としては、例えば、植物体等の抽出に用いる部位乃至はその乾燥物1質量に対して、溶媒を1〜30質量部加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬し、室温まで冷却し後、所望により不溶物及び/又は溶媒除去し、カラムクロマトグラフィー等で分画精製する方法が挙げられる。
本発明のスクリーニング方法における手順の一例を以下に挙げるが、本発明の趣旨を逸脱しない限り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
まず、細胞に被験物質を添加し、24時間インキュベーションする。その後、該細胞からmRNAを抽出し、指標とする分化関連因子及び/又は細胞内小胞輸送関連因子をコードする遺伝子の発現量を、該遺伝子を特異的に検出するプライマーを用いてRT−PCRを行い、定量的に測定する。コントロールとして被験物質を添加しなかった細胞においても該遺伝子の発現量を測定する。被験物質を添加した細胞における該遺伝子の発現量が、被験物質を添加しなかった細胞における該の発現量(コントロール)に対して小さく又は大きくなった場合、好ましくはコントロールに対して10%以上、より好ましくは15%以上、さらに好ましくは20%以上変動した場合に、前記被験物質は肌の色調を改善する作用を有すると判定する。該判定された物質は、肌の色調改善剤となり得る。
本発明において、「肌の色調」とは、肌の色みの濃淡や明暗の程度をいう。「色調が改善された」とは、色みが未処置の状態よりも薄く、明るくなることをいう。
色調が改善されたことは、細胞レベルでは、細胞内のメラニン集合体として測定される面積がコントロールに比して小さくなったことを、顕微鏡の明視野画像を解析することにより確認することができる。すなわち、細胞内のメラニン集合体の大きさがコントロールに比して小さくなり、微粒子化した状態で細胞内に拡散しており、見かけ上メラニン集合体が減少または消失している場合、その細胞は色調が改善された細胞であるといえる。この場合、実際の細胞内のメラニン総量の増減については問わない。
また、肌組織レベルでは、色彩色差計、分光測色計等の周知の測色計による測定や、目視評価等により色調が改善されたことを確認することができる。
本発明のスクリーニング方法により肌の色調を改善すると判定された物質(肌の色調改善剤)は、任意の調製方法により組成物に含有させることができる。
組成物としては、化粧料、医薬部外品、医薬品などが好適に例示でき、日常的に使用できることから、化粧料、医薬部外品がより好ましい。その投与経路としては、特に限定されるものではないが、肌の色調改善作用を発揮するために皮膚への貯留性、標的部位への到達効率等を考慮し、経皮投与を採用して皮膚外用剤とすることが好ましい。
本発明の肌の色調改善剤を含有する組成物は、美白用途に好適に用いることができる。
従来の美白剤や美白用皮膚外用剤は、チロシナーゼ合成成阻害などにより、メラニンの生成を抑制して肌を美白へと導くものであった。
それに対して、本発明のスクリーニングにより肌の色調を改善すると判定された物質(肌の色調改善剤)は、前述のように細胞の分化状態に起因すると推測されるメラニンキャップ構造の形成を抑制することで、メラニン集合体を微粒子化して細胞内へ拡散させる作用を有するため、新しいメカニズムによる美白剤となり得る。
本発明の組成物中における、肌の色調改善剤の含有量(配合量)は、通常、0.00001質量%以上、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上であり、通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%である。肌の色調改善剤の含有量(配合量)が少なすぎると所望の効果が得られにくい場合があり、多すぎると効果が頭打ちになるばかりか組成物の処方の自由度を損なう場合があるからである。
また、組成物に含有させる肌の色調改善剤の種類は、1種類のみでなく2種類以上であってもよい。
組成物の製造に際しては、化粧料、医薬部外品、医薬品などの製剤化で通常使用される任意成分を配合することができる。例えば、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどの炭化水素類、ホホバ油、カルナウバワックス、オレイン酸オクチルドデシルなどのエステル類、オリーブ油、牛脂、椰子油などのトリグリセライド類、ステアリン酸、オレイン酸、レチノイン酸などの脂肪酸、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、スルホコハク酸エステルやポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤類、アルキルベタイン塩等の両性界面活性剤類、ジアルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、これらのポリオキシエチレン付加物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール等の多価アルコール類、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色剤、防腐剤、粉体等を任意に配合することができる。
また、本発明の組成物には、本発明の肌の色調改善剤以外の、美白用成分も配合してもよい。例えば、アスコルビン酸類、過酸化水素、コロイド硫黄、グルタチオン、ハイドロキノン、カテコール等の美白成分、チロシナーゼ関連蛋白阻害剤、エンドセリン作用抑制
剤、プロトンポンプ阻害剤、ステムセルファクター結合阻害剤等のメラニン生成抑制剤、デンドライト伸張抑制剤、メラニン移送又は放出抑制剤、インテグリン産生促進剤などが挙げられる。
組成物の製造は、常法に従ってこれらの成分を処理・配合することにより、困難なく行うことができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<参考例1>分化促進によるメラニン分布への影響の検討
以下の手順で、高カルシウム条件で分化を促進した場合の、細胞におけるメラニンの分布を検討した。
トリプシン処理によりB16マウスメラノーマ細胞5×106 cellsを回収し、PBS 3mLで懸濁した。遠心(1000rpm、2分)し上清を除いた後、冷ホモジナ
イズバッファー(0.25M sucrose、10mM Tris、10mM KCl)
2.5mLを加え細胞を懸濁した。氷浴上で、2.5mL注射筒と25G注射針で20回
ホモジナイズした後、遠心(700g、10分、4℃)した。上清を回収し、90% p
ercollを361.3μL、上清を800μL加え懸濁した(最終濃度28% pe
rcoll)。遠心(20000g、45分、4℃)し、エッペンの底近くに見える黒い層を回収し、単離メラノソームとした。
新生児ヒト正常ケラチノサイトを、KG2培地で4穴チャンバースライドに1.0×105個/ウェルとなるように播種した。播種2時間後、最終濃度0.01%となるように
単離メラノソームを添加したKG2培地(500μL/ウェル)に交換した。その24時間後、PBSで十分にピペッティングして細胞膜に付着したメラノソームを除去し、次いで1.0mMカルシウムを含有するKG2培地(250μL/ウェル)に交換し分化を誘導した。24時間後、ケラチノサイトを4%パラホルムアルデヒドで細胞固定した後、Hoechst33342(同仁化学研究所)で細胞核を蛍光染色した。封入後、蛍光顕微鏡の蛍光観察と明視野観察で細胞核及びメラニン分布画像を取得し、画像解析ソフトImageJ(アメリカ国立衛生研究所)を用いて、二値化したメラニン分布画像の黒色領域の総面積、粒子毎の平均面積及び細胞数を測定し、これらから単位細胞数当たりのメラニン集合体の平均面積を算出した。
明視野で撮影したケラチノサイト内のメラニン分布画像を図1に、算出した単位細胞数当たりのメラニン集合体の平均面積比を図2に示す。分化を促進したことにより、メラニン集合体の平均面積はコントロールの62%に抑制された。なお、細胞を溶解し、吸光度測定により細胞内メラニン量を定量したところ、分化誘導の有無で細胞内メラニンの総量は変わらないことも確認された。
したがって、メラニンは細胞外に排出されたのではなく、メラニン集合体が微粒子化して細胞内に拡散したためメラニンが見かけ上減少・消失し、その結果細胞レベルで色調が改善したと推察された。
<実施例1>keratin 10 mRNA発現量を指標としたスクリーニング
以下の手順で、分化関連因子であるkeratin 10の活性を指標とした肌の色調
改善剤のスクリーニングを行った。なお、ヒトkeratin 10遺伝子の塩基配列及
びコードされるアミノ酸配列をそれぞれ配列番号3及び4に示す。
新生児ヒト正常ケラチノサイトを、KG2培地で24穴プレートおよび4穴チャンバースライドにそれぞれ1.0×105個/ウェルとなるように播種した。播種2時間後、最
終濃度0.01%となるように単離メラノソームを添加したKG2培地(500μL/ウ
ェル)に交換した。その24時間後、PBSで十分にピペッティングして細胞膜に付着したメラノソームを除去し、次いでKG2培地(250μL/ウェル)に交換した。さらに、被験物質として種々の植物抽出エキスを添加した(2.5μL/ウェル)。24時間後、培地を除きPBSで洗浄し、24穴プレートのケラチノサイトにRNeasyMiniKit(QIAGEN社)のRLT bufferを添加しmRNAを抽出し、Quan
tiTect Primer Assay(QIAGEN社、カタログNo.QT00017045)を用いてRT−PCRを行いkeratin 10のmRNA量を測定した。
keratin 10のmRNA発現量は、β−actinを内在性コントロールとして
比較CT法により算出し、エキス非添加の角化細胞におけるkeratin 10mRN
A発現量を「1」とした場合の相対値で示した。また、4穴チャンバースライドのケラチノサイトは、4%パラホルムアルデヒドで細胞固定した後、Hoechst33342(同仁化学研究所)で細胞核を蛍光染色した。封入後、蛍光顕微鏡の蛍光観察と明視野観察で細胞核及びメラニン分布画像を取得し、画像解析ソフトImageJを用いて、二値化したメラニン分布画像の黒色領域の総面積、粒子毎の平均面積及び細胞数を測定し、これらから単位細胞数当たりのメラニン集合体の平均面積を算出した。
結果を表1に示す。シャクヤク根エキス、水溶性プロテオグリカン、オリーブ葉エキス、ゲットウ葉エキスにkeratin 10発現亢進作用および有意な細胞内メラニン拡
散作用を見出した。
Figure 2014207874
<参考例2>細胞内小胞輸送関連因子の発現阻害によるメラニン分布への影響の検討
以下の手順でsiRNAを用いてVAMP−1の発現を阻害した場合の、細胞におけるメラニンの分布を検討した。
トリプシン処理によりB16マウスメラノーマ細胞5×106 cellsを回収し、PBS 3mLで懸濁した。遠心(1000rpm、2分)し上清を除いた後、冷ホモジナ
イズバッファー(0.25M sucrose、10mM Tris、10mM KCl)
2.5mLを加え細胞を懸濁した。氷浴上で、2.5mL注射筒と25G注射針で20回
ホモジナイズした後、遠心(700g、10分、4℃)した。上清を回収し、90% p
ercollを361.3μL、上清を800μL加え懸濁した(最終濃度28% pe
rcoll)。遠心(20000g、45分、4℃)し、エッペンの底近くに見える黒い層を回収し、単離メラノソームとした。
新生児ヒト正常ケラチノサイトを、KG2培地で24穴プレートおよび4穴チャンバー
スライドにそれぞれ1.0×105個/ウェルとなるように播種した。播種2時間後、最
終濃度0.01%となるように単離メラノソームを添加したKG2培地(500μL/ウェル)に交換した。その24時間後、PBSで十分にピペッティングして細胞膜に付着したメラノソームを除去し、次いで抗生物質無添加のKG2培地(250μL/ウェル)に交換した。別途、トランスフェクション試薬(Opti−Mem 50μL+Trans
IT-TKO(Mirus社) 1μL)を調製し、よく混和した後、10分間インキュベートした。このトランスフェクション試薬にFlexiTube VAMP−1 siRNA(QIAGEN社、カタログNo. SI03151365)を最終濃度25nMになるように添加し、よく混和した後、10分間インキュベートした。このsiRNA添加トランスフェクション試薬を、前記ケラチノサイトに添加した(50μL/ウェル)。24時間後、培地を除きPBSで洗浄し、24穴プレートのケラチノサイトにRNeasyMiniKit(QIAGEN社)のRLT bufferを添加しmRNAを抽出し、J Invest Dermatol. 2001 Feb;116(2):296-304.を参照して設計したカスタムDNAプライマー(配列番号5及び6、ライフテクノロジーズジャパン株式会社)を用いてRT−PCRを行いVAMP−1のmRNA量を測定した。また、4穴チャンバースライドのケラチノサイトは、4%パラホルムアルデヒドで細胞固定した後、Hoechst33342(同仁化学研究所)で細胞核を蛍光染色した。封入後、蛍光顕微鏡の蛍光観察と明視野観察で細胞核及びメラニン分布画像を取得し、画像解析ソフトImageJ(アメリカ国立衛生研究所)を用いて、二値化したメラニン分布画像の黒色領域の総面積、粒子毎の平均面積及び細胞数を測定し、これらから単位細胞数当たりのメラニン集合体の平均面積を算出した。
siRNAを添加したケラチノサイトにおけるVAMP−1のmRNA量はコントロールの38%であり、該細胞ではVAMP−1の活性が阻害されたことが確認された。明視野で撮影したケラチノサイト内のメラニン分布画像を図3に、算出した単位細胞数当たりのメラニン集合体の平均面積比を図4に示す。VAMP−1の発現を阻害したことにより、メラニン集合体の平均面積はコントロールの86%に抑制された。なお、細胞を溶解し、吸光度測定により細胞内メラニン量を定量したところ、VAMP−1のmRNA発現の阻害の有無で細胞内メラニンの総量は変わらないことも確認された。
したがって、メラニンは細胞外に排出されたのではなく、メラニン集合体が微粒子化して細胞内に拡散したためメラニンが見かけ上減少・消失し、その結果細胞レベルで色調が改善したと推察された。
<実施例2>VAMP−1 mRNA発現量を指標としたスクリーニング
以下の手順で、細胞内小胞輸送関連因子であるVAMP−1の活性を指標とした肌の色調改善剤のスクリーニングを行った。
新生児ヒト正常ケラチノサイトを、KG2培地で24穴プレートおよび4穴チャンバースライドにそれぞれ1.0×105個/ウェルとなるように播種した。播種2時間後、最
終濃度0.01%となるように単離メラノソームを添加したKG2培地(500μL/ウェル)に交換した。その24時間後、PBSで十分にピペッティングして細胞膜に付着したメラノソームを除去し、次いでKG2培地(250μL/ウェル)に交換した。さらに、被験物質として種々の植物抽出エキスを添加した(2.5μL/ウェル)。24時間後、培地を除きPBSで洗浄し、24穴プレートのケラチノサイトにRNeasyMiniKit(QIAGEN社)のRLT bufferを添加しmRNAを抽出し、カスタム
DNAプライマー(配列番号5及び6、ライフテクノロジーズジャパン株式会社)を用いてRT−PCRを行いVAMP−1のmRNA量を測定した。VAMP−1のmRNA発現量は、β−actinを内在性コントロールとして比較CT法により算出し、前記エキス非添加の角化細胞におけるVAMP−1 mRNA発現量を「1」とした場合の相対値
で示した。また、4穴チャンバースライドのケラチノサイトは、4%パラホルムアルデヒドで細胞固定した後、Hoechst33342(同仁化学研究所)で細胞核を蛍光染色した。封入後、蛍光顕微鏡の蛍光観察と明視野観察で細胞核及びメラニン分布画像を取得
し、画像解析ソフトImageJを用いて、二値化したメラニン分布画像の黒色領域の総面積、粒子毎の平均面積及び細胞数を測定し、これらから単位細胞数当たりのメラニン集合体の平均面積を算出した。
結果を表2に示す。ビワ葉エキス、ポリグルタミン酸、カッコンエキス、アロエベラ葉エキス、クロレラエキス、ビルベリー葉エキス、加水分解黒豆エキス、シーグラスエキスの8エキスにVAMP−1発現抑制作用および有意な細胞内メラニン拡散作用を見出した。
Figure 2014207874
本発明のスクリーニング法により、新たな作用機序に基づく肌の色調改善剤として有効な成分を探索することができるため、産業上非常に有用である。

Claims (13)

  1. 細胞における分化関連因子及び/又は細胞内小胞輸送関連因子の活性を指標として、肌の色調改善剤をスクリーニングする方法。
  2. 前記分化関連因子の活性が、分化関連因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現量であり、
    被験物質を添加した細胞における前記遺伝子の発現量が、被験物質を添加しなかった細胞における該遺伝子の発現量と比較して小さい又は大きい場合に、前記被験物質は肌の色調を改善する作用を有すると判定する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記細胞内小胞輸送関連因子の活性が、細胞内小胞輸送関連因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現量であり、
    被験物質を添加した細胞における前記遺伝子の発現量が、被験物質を添加しなかった細胞における該遺伝子の発現量と比較して小さい又は大きい場合に、前記被験物質は肌の色調を改善する作用を有すると判定する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記前記分化関連因子が、involucrin、keratin 1、kerati
    n 5、keratin 10、keratin 14、filaggrin、loric
    rin、desmoglein 1、desmoglein 2、desmoglein
    3、desmocolin 1、transglutaminase 1、及びtransglutaminase 3から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記細胞内小胞輸送関連因子が、syntaxin−2、syntaxin−3、syntaxin−4、annexin−1、annexin−2、VAMP−1、VAMP−2、VAMP−3、VAMP−4、VAMP−5、VAMP−7、VAMP−8、Sec22b、Ykt6、SNAP−23、myosin V、myosin−10、myo
    sin2a、uKHC、nKHC、kinectin、KIFC3、Rab7、RILP、PLEKHA7、Nezha、120catenin、α−tubulin、及びβ−tubulinから選択される、請求項1又は3に記載の方法。
  6. 前記細胞内小胞輸送関連因子がVAMP−1である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記被験物質を添加した細胞における分化関連因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子及び/又は細胞内小胞輸送関連因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現量が、被験物質を添加しなかった細胞における該遺伝子の発現量に対して10%以上変動がある場合に、前記被験物質は肌の色調を改善する作用を有すると判定する、請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記肌の色調改善作用が、細胞内にメラニンを拡散させる作用である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法により肌の色調を改善する作用を有すると判定された物質を含有する組成物。
  10. 皮膚外用剤である、請求項9に記載の組成物。
  11. 化粧料(ただし、医薬部外品を含む)である、請求項9又は10に記載の組成物。
  12. 美白用である、請求項9〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法により肌の色調を改善する作用を有すると判定された物質を組成物に配合する工程を含むことを特徴とする組成物の製造方法。
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