JP2014206425A - 空間線量率検査システム、空間線量率計算装置及び空間線量率計算方法 - Google Patents

空間線量率検査システム、空間線量率計算装置及び空間線量率計算方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 放射線源が除去された場合の空間線量率の推定値を表示できる空間線量率検査システム、空間線量率計算装置及び空間線量率計算方法を提供する。
【解決手段】
基準点の空間線量率101と視野外からの空間線量率寄与102と、光学画像と放射線量が色などでわかるように示した放射線量画像を合成した合成画像105と、水平角度毎の空間線量率寄与106−1〜106-nと、ユーザからの入力により変更された変更後の空間線量率寄与106−1a〜106-naと、変更後の空間線量率寄与106−1a〜106-naの総和に視野外からの空間線量率寄与102を足し合わせて計算される変更後の推定空間線量率104を計算する手段を備える空間線量率検査システム、空間線量率計算装置及び空間線量率計算方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、屋外や屋内の空間線量率を計算する空間線量率検査システム、空間線量率計算装置及び空間線量率計算方法に関する。
ある場所の空間線量率を測定する手段として、サーベイメータが広く使用されている。サーベイメータは、シンチレーション検出器や半導体検出器などを用いて周囲から飛来する放射線を検出・計数し、検出器の検出効率を考慮することによって放射線の空間線量率を求めるものである。なお、空間線量率(単位:[μSv/h])とは、単位時間当たりに対象とする点(空間)に全方位から飛来する放射線量を意味している。この場合の放射線量とは放射線による生物学的影響(単位:[μSv])を表す。ちなみに、放射線にはガンマ線・ベータ線・中性子線などが含まれる。このようなサーベイメータによる測定を実施することで、放射線の測定地点における空間線量率の高低を把握することができる。
ところで、近年、放射線に対する関心が高まりつつあり、作業環境や生活環境を改善する目的で、ある空間の空間線量率を下げたいというニーズが存在する。なお、サーベイメータは空間線量率を測定できるものの、放射線が飛来してくる方向を知ることはできない(つまり、放射線源の位置を特定できない)という問題がある。
この問題を解決する方法として非特許文献1には、放射線が飛来してくる方向を特定できるガンマカメラの技術について記載がある。
田所孝広,"環境放射線分布測定用ガンマカメラの開発", 放射化学ニュース,日本放射化学会, 2012年10月, 第26号, p36〜p42
空間線量率を下げたい点(空間)を基準点と呼ぶことにする。基準点の空間線量率は基準点を中心とした全ての立体角(4π)から飛来する放射線による影響の総和として求められる。この立体角を複数に分割して、各小立体角から基準点に飛来する放射線による基準点の空間線量率の増加分を空間線量率寄与と呼ぶことにする。基準点の空間線量率を下げるためには、各小立体角の空間線量率寄与を知り、空間線量率寄与の大きい小立体角を特定し(つまり、放射線源の位置を特定する)、小立体角内に存在する放射線源を除去又は遮蔽することが必要である。
非特許文献1に記載のガンマカメラを用いれば、各小立体角の空間線量率寄与を知ることができる。ガンマカメラの視野角は60度程度であるので1回の測定では基準点の空間線量率のうち一部の寄与しか測定できないが(全立体角をカバーできない)、ガンマカメラを基準点を中心に水平方向に一定角度ごとに回動させて測定を行えば基準点の周りの立体角の大部分を測定でき、したがって空間線量率寄与の大部分を測定可能である。
以下、図7を用いてガンマカメラの測定範囲について説明する。ガンマカメラを基準点Dに置き、軸Gを中心に水平方向に回動させて測定を行えば、測定範囲Aのような帯状の測定が可能である。小立体角A-1-1、A-1-2、A-1-3・・・A-1-n、A-2-1、・・・A-m-nはガンマカメラの各ピクセルに対応する。例えばガンマカメラの視野が60度で縦横のピクセルが10ピクセルの場合を考えると、1回の測定でA-1-1、A-1-2、・・・、A-1-10、A-2-1、A-2-2、・・・、A-10-10の測定を行う。次にガンマカメラを水平方向に60度回動させて測定を行うことでA-11-1〜A-20-10の範囲を測定し、6回の測定でA-1-1〜A-60-10のすべての測定が完了する。この場合視野外(上方)Bと視野外(下方)Cはガンマカメラにより測定されないので視野外となる。
しかしながら、非特許文献1に記載の技術では、放射線源を除去や遮蔽した場合に、空間線量率がどのぐらい変化するかを定量的に推定できないという問題がある。
そこで、本発明は、空間線量率寄与の大きい放射線源の位置を適切に特定し、それを除去した場合の空間線量率を推定することが可能な空間線量率検査システム、空間線量率計算装置及び空間線量率計算方法を提供するものである。
本願において開示された発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば次の通りである。
(1)放射線を検出する放射線検出手段と、光学画像を取得する光学画像取得手段と、前記放射線検出手段と前記光学画像取得手段とを回動させる回動手段と、を備える放射線測定装置と、前記放射線測定装置からの出力を処理する制御装置と、前記制御装置により処理された出力を表示する表示手段と、を備える空間線量率計算装置と、を備え、前記放射線測定装置は、前記回動手段により前記放射線検出手段と前記光学画像取得手段とを回動させながら、複数の方位で放射線の検出並びに光学画像の取得を行い、前記空間線量率計算装置の前記制御装置は、前記複数の方位で放射線の検出がなされた前記放射線検出手段からの出力に基づき、放射線による基準点の空間線量率寄与を前記基準点に基づき設定される小立体角ごとに演算する空間線量率寄与演算手段と、前記空間線量率寄与演算手段により前記小立体角ごとに演算された空間線量率寄与の値を前記小立体角ごとに個別に変更可能な空間線量率寄与変更手段と、前記空間線量率寄与変更手段により個別に変更された変更後の前記小立体角ごとの空間線量率寄与を合算して出力する空間線量率演算手段と、を有することを特徴とする空間線量率検査システムである。
(2)放射線による基準点の空間線量率寄与を前記基準点に基づき設定される小立体角ごとに演算する空間線量率寄与演算手段と、前記空間線量率寄与演算手段により前記小立体角ごとに演算された空間線量率寄与の値を前記小立体角ごとに個別に変更可能な空間線量率寄与変更手段と、前記空間線量率寄与変更手段により個別に変更された変更後の前記小立体角ごとの空間線量率寄与を合算して出力する空間線量率演算手段と、を備えることを特徴とする空間線量率計算装置である。
(3)放射線による基準点の空間線量率寄与を前記基準点に基づき設定される小立体角ごとに演算し、前記小立体角ごとに演算された空間線量率寄与の値を前記小立体角ごとに個別に変更し、前記個別に変更された変更後の前記小立体角ごとの空間線量率寄与を合算して出力することを特徴とする空間線量率計算方法である。
本発明によれば、空間線量率寄与の大きい放射線源の位置を適切に特定し、それを除去した場合の空間線量率を推定することが可能な空間線量率検査システム、空間線量率計算装置及び空間線量率計算方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る空間線量率計算装置の主画面を示した図である。 主画面において指定した指定領域についての情報の一覧(副画面)を示した図である。 本発明の一実施形態に係る測定システムのブロック図であり、詳細な構成を模式的に示した図である 本発明に用いられる放射線測定器の構成物となるガンマカメラ、光学カメラ、距離計、及び回動手段をたがいに組みつけた状態の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る測定システムの構成を模式的に示した図である。 全方位撮像によって生成されたガンマ線画像と光学画像の合成画像の表示画面例である。 基準点の周りの空間を水平方向に全方位撮像した場合の視野と視野外を示した図である。 主画面の一部を指定範囲ごとの情報とする変形例を示した図である。
以下、本発明に係る空間線量率検査システム、空間線量率計算装置及び空間線量率計算方法の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図5は本発明の一実施形態に係る空間線量率計算システムの構成を模式的に示した図である。図5に示すように、空間線量率計算システム1は、空間線量率計算装置300と、ガンマカメラ410と、光学カメラ420と、距離計430と、回動手段440とを適宜用いて構成される。
<ガンマカメラ>
ガンマカメラ410は、放射線検出器411と、フロントエンド回路412と、収集回路413と、遮蔽体414と、ピンホールコリメータ415と、適宜用いて構成される。
放射線検出器411は、自身に入射してくるガンマ線を検出するものであり、複数の放射線検出素子411aが2次元的(m×nのマトリックス状)に配列された位置有感型の検出器である。
前記した複数の放射線検出素子411aとして、例えば、シリコン、ゲルマニウム、CdTe、CdZnTe、TlBr、HgI、GaAsなどの半導体素子を用いることができる。このように、放射線検出素子411aとして半導体素子を用いた放射線検出器は、半導体放射線検出器と呼ばれる。
前記した半導体素子(つまり、放射線検出素子411a)にガンマ線が入射した場合、当該半導体素子はガンマ線と相互作用を起こし、フロントエンド回路412にパルス状の電気信号を出力する。
ちなみに、複数の放射線検出素子411aとして、NaI(Tl)、CsI(Tl)、GSO(Ce)、LSO(Ce)、BGOなどの結晶シンチレータに光デバイス(光電子増倍管、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、ガイガーモードアバランシェフォトダイオードなど)を結合させたものを用いてもよく、種々変更可能である。
フロントエンド回路412は、放射線検出器411から入力される電気信号に、そのガンマ線が検出された放射線検出素子411aの素子IDを対応付け、後段の収集回路413に出力する機能を有している。すなわち、それぞれの放射線検出素子411aには、固有の素子IDが付されている。そして、ガンマ線を検出した放射線検出素子411aの素子IDを対応付けることで、前記したm×nのマトリックスのうちどの放射線検出素子411aによってガンマ線が検出されたかを特定することができる。
収集回路413は、フロントエンド回路412から入力される電気信号に対し、前置増幅処理、波形整形処理、ピークホールド処理、AD変換処理などを順次実行し、デジタルの波高値情報に変換する。そして、収集回路413は、前記変換後のデータ(素子ID、検出時刻、放射線のエネルギなどが対応付けられている)を蓄積し、制御装置301に出力する。なお、図5では、収集回路413と制御装置301との間に介在するインタフェースの図示を省略している。
遮蔽体414は、ピンホールコリメータ415の入射孔415hを通過したもの以外のガンマ線が放射線検出器411に入射することを防ぐためのものであり、鉛やタングステンなどガンマ線の遮蔽能力に優れた材料を用いて構成されている。また、図5に示すように遮蔽体414は、前端(ガンマ線の測定対象に臨む側の端部)にピンホールコリメータ415が設置された状態において、矩形状の内部空間が形成されている。
そして、この矩形状の内部空間の後端に、前記した放射線検出器411が設置されている。なお、図5では、遮蔽体414が箱型である場合を示したが、例えば、前端側が四角錐型又は円錐型で、後端側が角型の形態であってもよく、種々変更可能である。
ピンホールコリメータ415は、遮蔽体414の前端に装着され、その中央に入射孔415h(ピンホール)が空けられている。
放射線源Qから放出されたガンマ線がピンホールコリメータ415の入射孔415hを介して遮蔽体414の内部に入射すると、放射線検出素子411aがm×nのマトリックス状に配列された放射線検出素子411aの上に像を形成する(放射線検出素子411aのいずれかによりガンマ線が検出される)。そして、この像に対応する放射線検出素子411aからパルス状の電気信号が出力される。
ちなみに、図5に示すように、地面付近から放射されたガンマ線は、放射線検出器411の上方に位置する放射線検出素子411aによって検出される。また、被写体の左方から放射されたガンマ線は、放射線検出器411の右方に位置する放射線検出素子411aによって検出される。つまり、上下左右が反転して放射線検出器411で検出される。
この放射線検出器411から出力されたパルス状の電気信号は、フロントエンド回路412によって放射線検出素子411aの素子IDと対応付けられ、コンピュータの制御装置301に出力される。なお、制御装置301が実行する処理については後記する。
ピンホールコリメータ415を通過するガンマ線以外を排除するために遮蔽体414で放射線検出器411を囲っているが、透過力の強い宇宙線等が遮蔽体414を透過してバックグラウンドとなることが考えられる。これらのバックグラウンドの影響を低減し、より高精度な測定を実施するために、バックグラウンド測定を本システムにて実施しても良い。バックグラウンド測定をする場合には、例えばピンホールコリメータ415の入射孔415hを塞ぐように遮蔽体を設置することで実施することができる。
<光学カメラ>
光学カメラ420は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラであり、測定対象である被写体を撮像して光学画像を取得するものである。光学カメラ420は遮蔽体414に装着され、後記する回動手段440の回動に応じて、遮蔽体414とともに回動するようになっている。なお、光学カメラ420の設定形態はこれに限られず、ガンマカメラ410と同様に回動する限りにおいては、種々変更可能である。
また、光学カメラ420とガンマカメラ410とは、撮像範囲が一致するように設定されている。これは、制御装置301において光学カメラ420による撮像結果(光学画像)と、ガンマカメラ410による測定結果(放射線源の分布)と、を重ね合わせることでガンマ線源の位置を特定するためである。
光学カメラ420は、入射孔415hの視野内に存在する被写体を撮像し、当該被写体の光学画像を制御装置301に出力する。
<距離計>
距離計430は、ピンホール光学系の視野(つまり、入射孔415h及び光学カメラ420の視野)に対応する領域に対し、対象までの距離を測定するものである。距離計430は遮蔽体414に装着され、後記する回動手段440の回動に応じて、遮蔽体414とともに回動するようになっている。
距離計430は、ガンマカメラ410の視野内の各領域を走査することで前記視野内に存在する対象までの距離を計測し、距離情報として制御装置301に出力する。当該距離情報は、制御装置301がガンマカメラ410から入力されるガンマ線の測定データを補正して、空間線量率を演算する際に用いられる。なお、距離計430として、例えばレーザ距離計を用いればよいが、種々変更可能である。
ちなみに、光学カメラ420のピント調整を行う際にも距離を検出することが可能であるから、この場合には独立した距離計430を省略することも可能である。
<回動手段>
図1に示す回動手段440は、例えば左右方向(水平方向)に回動可能であり、その回動角度に応じて放射線の測定対象となる領域を変更するものである。
図4は、ガンマカメラ400、光学カメラ420、距離計430、及び回動手段440を互いに組み付けた状態の斜視図である。回動手段440は、軸線Gを中心に回動可能であり、後記する駆動制御手段301iからの制御信号に従って所定角度(例えば、60°)ごとに回動するようになっている。
ガンマカメラ410(遮蔽体414)が回動手段440に設置された状態において回動手段440が回動すると、これにともなって遮蔽体414も回動する。すなわち、ガンマカメラ410と、当該ガンマカメラ410に装着される光学カメラ420及び距離計430と、は回動手段440との相対位置が不変のまま回動する。
例えば、ガンマカメラ410の水平方向の視野角が60°である場合、制御装置301(駆動制御手段301i)は、回動手段440を60°(=視野角60°)ずつ回動させることによって合計6回の放射線測定を行う。つまり、回動角度として60°を1ステップとし、回動するたびに放射線の測定処理及び撮像処理を順次実行する。
この場合、入力装置(キーボード304、マウス303:図5参照)を介した入力操作に応じて、制御装置301は、設置された際の方向で1回目の放射線測定を実行する。つまり、制御装置301は、ガンマカメラ410から入力される情報に基づいて放射線の分布画像を生成し、光学カメラ420によって取得される光学画像に重ね合わせた合成画像を生成する。
次に、制御装置301は、モータ(図示せず)を駆動させて回動手段440を右向きに60°回動させ、1回目の測定領域(領域P1:図6参照)と隣り合う領域(領域P2:図6参照)がガンマカメラ410の視野に入るようにする。この状態において制御装置301は、前記と同様の方法で2回目の放射線測定を実行する。
2回目の放射線測定が終了すると、制御装置301は回動手段440をさらに右向きに60°回動させ、2回目の測定領域と隣り合う領域(領域P3:図6参照)がガンマカメラ410の視野に入るようにする。このようにして、制御装置301は、6回の放射線測定処理を順次実行する。
前記したようにガンマカメラ410の視野角は60°であり、回動手段440を水平方向に60°ずつ回動させて6回の放射線測定を実行することで、領域P1〜P6のガンマ線画像及び光学画像を取得できる。制御装置301は、1つの領域の撮像が終了するたびにガンマ線画像と光学画像とに基づく合成画像の情報を生成し、記憶手段(図示せず)に格納する。6回の放射線測定処理により図7の測定範囲(視野内)Aをカバーする測定が行える。
そして、制御装置301は、6回目の測定が終了すると、前記した記憶手段から合成画像の情報を読み出し、合成画像が水平方向(実空間での水平方向)において連続するように6枚分の合成画像を繋ぎ合わせて図6のようなパノラマ合成画像を生成する。この合成画像は後記する合成画像105として後記する主画面100に表示される (図1参照)。
図6に示すようなパノラマ合成画像(360°全方位のガンマ線画像および光学画像の重ね合わせ図)を見ることによってユーザは、測定地点を取り囲む環状領域P1〜P6(図6参照)の放射線量を正確に把握することができる。
ちなみに、屋外での測定を想定した場合、一般に空から飛来するガンマ線は少ない。つまり図7の視野外(上方)Bからの空間線量率寄与は少ない。したがって、前記した水平方向の回転だけで(上下方向にチルトさせて全ての立体角をカバーせずとも)測定地点での空間線量率を適切に算出することができる。なお、ここでは、回動角度として60°を1ステップとし回動する場合を例にとって説明したが、回動角度はこれに限られず種々変更可能であり、また、一部の撮影範囲が重複するように回動させても構わない。また、360°全方位での測定が必要無い場合には、180°方位のみにする等、種々変更可能である。
<計算制御装置>
空間線量率計算装置300は、制御装置301と、画像表示装置302と、マウス303と、キーボード304とを適宜用いて構成される。
制御装置301は、通常のパーソナルコンピュータが用いられ、入力装置(キーボード304及びマウス303)からの入力を受け付け、画像表示装置302への出力を行う。また、制御装置301は、例えばUSBインタフェースやLANインタフェース(図示せず)を介して、ガンマカメラ410、光学カメラ420、及び距離計430と接続されている。
以下では、制御装置301により生成され画像表示装置302に表示される主画面の具体的な例について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る空間線量率計算装置300の主画面を示した図である。
<主画面>
図1に示すように、主画面100には、空間線量率101と、視野外からの空間線量率寄与102と、目標空間線量率103と、変更後の推定空間線量率104と、合成画像105と、水平角度毎の空間線量率寄与106と、変更前後の空間線量率グラフ107などが適宜表示される。
空間線量率101は例えばサーベイメータ等で測定した基準点の空間線量率をユーザが入力できる。この値を低下させたいという需要が存在し、本実施例ではそのために必要な放射線除去の方法や計画を立案するための情報(対策すべき放射線源の位置、対策後の推定空間線量率等)を提供する。
視野外からの空間線量率寄与102は視野外(図7の視野外(上方)Bと視野外(下方)Cに相当する)からの空間線量率寄与の値である。例えば、放射線測定装置400を屋外で水平方向に回動させて全方位測定を行う場合、視野外となる空や測定地点の下の大地から飛来する放射線による基準点への空間線量率寄与に対応する。この値は、空間線量率101から後記する空間線量率寄与(各水平角度)106−1〜106-nの総計を引いた値を装置が計算して出力する。測定結果が全視野を覆っている場合または視野外に放射線源が全くない場合はこの値はゼロになる。逆にこの値が空間線量率101と差がないもしくは空間線量率101よりも大きい場合は測定範囲が十分でない、測定が間違っている等の可能性がある。この値が後記する目標空間線量率より大きい場合は、視野内の放射線源をゼロにしても目標を達成できないことが事前にわかる。
目標空間線量率103はユーザが放射線源を除去することで実現するべき空間線量率の目標値であり、ユーザが入力できる。目標があらかじめ決まっている場合は固定値としてもよい。また目標値を空間線量率101の30%などのように相対値で指定してもよい。
変更後の推定空間線量率104は後記する変更後の空間線量率寄与(各水平角度)106−1a〜106-naの総和に視野外からの空間線量率寄与102を足した結果を表示する。ユーザはこの値が目標空間線量率103の値と比べて小さいかどうかを確認することで、放射線除去の計画が妥当であるかを一目で確認することができる。
合成画像105は空間線量率寄与を色調別に示した空間線量率寄与画像と光学画像を合成したものである。空間線量率寄与画像とは、後記するガンマカメラ410の出力する放射線量の情報をピクセルごとに色調を変えて表示した画像である。各ピクセルの色調は各ピクセルが対応する小立体角(図7のA-1-1〜A-m-n)による基準点の空間線量率寄与の量に対応する。ここで空間線量率寄与の代わりに空間線量率寄与を空間線量率で割った相対値(寄与率)としてもよい。この画像によりユーザは空間線量率を下げるためにどの放射線源を除去することが効果的かを視覚的にとらえることができる。水平方向に回動させて複数回の測定を行った場合は、この画像は複数の画像をずらして重ね合わせたパノラマ画像となる(図6参照)。
水平角度毎の空間線量率寄与106は空間線量率寄与(各水平角度)106−1〜106-nと変更後の空間線量率寄与(各水平角度)106−1a〜106-naの棒グラフを備えて構成される。
空間線量率寄与(各水平角度)106−1〜106-nは前記合成画像105の空間線量率寄与を水平方向の一定角度毎に合計し棒グラフにしたものである。つまり、図6の105−1に囲まれる範囲内の全ピクセルの空間線量率寄与の和を106−1とし、105−2の範囲は106−2、・・・、105-nの範囲は106-n、と順に計算した結果である。本実施例では測定を水平方向に回動させて行っているため、水平角度毎に表示しているが、測定の方法に応じて垂直方向毎にグラフにしてもよい。グラフは折れ線グラフ、円グラフなど他のグラフでもよい。縦軸は空間線量率寄与の絶対値(μSv/h)や空間線量率に対する相対値(%)などにしてよい。これによりユーザはどの角度からの空間線量率寄与が大きいかを定量的に確認することができる。空間線量率寄与(各水平角度)106−1〜106-nの値は(空間線量率寄与(各水平角度)106−1〜106-nの合計)+(視野外からの空間線量率寄与102)=(空間線量率101)の関係を満たす。この関係を満足するように視野外の空間線量率寄与102の値を計算する。
一方、変更後の空間線量率寄与(各水平角度)106−1a〜106-naはユーザがマウスにより棒グラフを下げたり、キーボードにより値を入力したり、変更前からの相対値を入力したり、他の範囲の値を参照したりすることにより変更することができる。他の範囲の値を参照するとは例えばユーザが指定した別の角度の棒グラフの値を入力する方法である。例えば視野内に放射線源を除去済みの範囲があるとすればユーザはその範囲の値を指定することで、放射線源を除去後の値として定量的に妥当な値を入力可能となる。ユーザは合成画像105を見ながらどの程度放射線源を除去することができるかを考え相対値や絶対値を入力することができる。この値は(変更後の空間線量率寄与(各水平角度)106−1a〜106-naの合計)+(視野外からの空間線量率寄与102)=(変更後の推定空間線量率104)の関係を満たす。なお、空間線量率寄与(各水平角度)106−1〜106-nと変更後の空間線量率寄与(各水平角度)106−1a〜106-naは放射線除去の場合は変更後の空間線量率寄与(各水平角度)106−1a〜106-naの方が小さくなるため、例えば図1に示すように色違いの棒グラフにして重ねて表示してもよい。図1では色の濃い棒グラフが変更前の空間線量率寄与を表し、色の薄い棒グラフが変更後の空間線量率寄与を表す。図1は106−2aのみ変更後の空間線量率寄与を変更した場合である。変更後が前面になるように棒グラフを重ねているため変更がある場合のみ色の濃い棒グラフが見える。色の濃い棒グラフと色の薄い棒グラフの高さの差が放射線源を除去する量に相当する。この場合106−1a、106−3a、106−4a、・・・、106−naの値は106−1、106−3、106−4、・・・、106−nと同じであり、色の濃い棒グラフ(変更前)は色の薄い棒グラフ(変更後)に隠れて見えない状態である。
変更前後の2つのグラフの表示方法はこれに限らず、上下や左右に別のグラフとして表示してもよいし、折れ線グラフにしてもよい。方向毎に変更前後を左右の棒グラフとしてもよい。また、光学画像と空間線量率寄与画像の合成画像105の垂直方向の情報を反映させるために例えば垂直方向にグラフを分割し、例えば上中下のように別々にグラフを作成してもよい。
<目標値からの自動計算>
変更後の空間線量率寄与(各水平角度)106−1a〜106-naはユーザが入力する方法の他に、目標空間線量率103と変更後の推定空間線量率104が一致するように変更後の空間線量率寄与(各水平角度)106−1a〜106-naの値を自動で計算して入力することも可能である。
例えば、目標空間線量率103と空間線量率101の差を角度の分割数で割り(106-1〜106-nの場合はn分割)、各角度毎の空間線量率寄与から等量ずつ引いた値を変更後の空間線量率寄与(各水平角度)106−1a〜106-naとしてもよい。
また、目標空間線量率103と空間線量率101から視野外からの空間線量率寄与102をそれぞれ引いた値の比を求めこの値を各角度毎の空間線量率寄与にかけた値を変更後の空間線量率寄与(各水平角度)106−1a〜106-naとしてもよい。
また、各角度毎の空間線量率寄与の大きさに応じて変更量を重みづけて変更後の空間線量率寄与(各水平角度)106−1a〜106naを算出してもよい。
また、後記する指定範囲の平均距離202、指定範囲面の面積203、指定範囲面の角度204、指定範囲面の表面汚染密度205に応じて変更量を重みづけして変更後の空間線量率寄与(各水平角度)106−1a〜106-naを算出してもよい。
これらのように自動で変更後の空間線量率寄与(各水平角度)106−1a〜106-naを計算させた場合は、ユーザはその値に合うように放射線源を除去する計画を立てればよい。
変更適用有無のチェック106−1b〜106-nbはこの自動設定の判定有無を指定できるチェックボックスである。チェックがついていない範囲は線量の変更をしないことを意味する。前記のいずれかの自動算出方法ではチェックがついていない範囲は除いて計算を実施する。例えばすでに放射線源を除去済みであったり、放射線源を除去することが困難とあらかじめわかっている場合にはチェックをはずして、線量の変更をしないことを明示することでより妥当で現実的な値が算出できる。
変更前後の空間線量率グラフ107は空間線量率101と変更後の推定空間線量率104の関係を視覚的に示した棒グラフである。このグラフには目標空間線量103も図示されることが望ましい。また視野外からの空間線量率寄与102は放射線源の除去を行っても変化しないので、この大きさも視認できるようにすることが望ましい。このグラフは変更前の空間線量率グラフ107と変更後の空間線量率グラフ107aからなる。
また、S1で示すように、放射線が連続的に分布している領域を抽出し、マウスなどの入力装置を介して任意の形で当該領域を選択できるようにグループ化することが可能である。領域指定は任意とはせず四角形や円のように簡略化してもよい。ピクセルを複数個選択する形で指定してもよい。その場合ピクセルは連続していなくてもよい、また太さが選択可能なえんぴつ、消しゴムツールによりピクセル選択できるようにすればピクセル選択が簡単に行える。ある水平角度を覆うように選択することも垂直角度を覆うようにしてもよい。または放射線量の連続的な分布を装置が自動で抽出し囲ってもよい。さらに、距離計の情報や光学カメラの情報を用いることで対象の空間的なまとまりを装置が自動で判別して囲ってもよい。これら自動判別の場合、ユーザはマウスなどで対象点を示すだけでそれが含まれるグループを装置が囲って表示する。なお、範囲指定は一つに限る必要がなく、複数指定を可能としてもよい。
この囲った範囲についての詳細な情報を表示可能とする。この情報表示の一例として指定領域内の情報一覧(副画面)200を図2に示す。
<副画面>
図2は、主画面において指定した指定領域についての情報の一覧を示した図である。
図2に示すように、指定領域内の情報一覧(副画面)200は、指定範囲の空間線量率寄与201、指定範囲の平均距離202、指定範囲面の面積203、指定範囲面の角度204、 指定範囲面の表面汚染密度205、指定範囲の拡大図206、空間線量率寄与の変更方法入力欄207、変更後の空間線量率寄与208などを適宜表示する。
指定範囲の空間線量率寄与201は指定範囲内ピクセルの空間線量率寄与の合計を計算して出力する。指定した範囲がピクセルの境界と合わない場合は、指定範囲に含まれる面積の割合をかけて出力することもできる。
指定範囲の平均距離202は指定範囲内の距離計の測定結果を平均計算して出力する。平均に限らず最小値や最大値を出力してもよい。
指定範囲の面積203は指定範囲が囲う対象面の実面積である。この値は複数点の距離計の距離情報と基準点から各測定点への方向ベクトルの角度の差と後記する指定範囲面の角度204から計算することができる。この値の大きさが放射線源の除去にかかる時間に影響する(つまり、面積が広い範囲とそれだけ放射線源の除去に時間がかかる)ため、ユーザが放射線源を除去するのにかかる時間を見積もる上で有用な情報となる。
指定範囲面の角度204は指定範囲面と水平面との間の角度を示す。つまり、指定範囲が田んぼのような平なものを指定した場合0度になり、ビルのような垂直に立つものを指定した場合90度となり、山のように斜めなものを指定した場合45度程度になる。この値は、複数点の距離計の距離情報の差と基準点から各測定点への方向ベクトルの角度の差から算出が可能である。
指定範囲面の表面汚染密度205は指定範囲面の表面汚染密度(単位は例えばBq/cm2)を表示する。この値は、指定範囲の空間線量率寄与201と指定範囲の平均距離202と指定範囲の面積203の値から計算することができる。この値が小さい場合、放射線源が除去済みである可能性があり、更なる放射線源の除去が困難な可能性がある。これもユーザが放射線源除去の実現可能性を考える上で有用な情報となる。
空間線量率寄与の変更方法入力欄207には指定範囲の空間線量率寄与201が放射線除去後にどれぐらい低下するかをユーザが入力できる。この入力方法は後記する相対値入力欄207a、絶対値入力欄207b、他の測定点の入力欄207cのいずれかから選んでも良いし、前記した指定範囲の平均距離202、指定範囲面の面積203、指定範囲面の角度204、指定範囲面の表面汚染密度205の値に応じて自動的に計算されるようにしてもよい。ここで計算した値が後記する変更後の空間線量率寄与208に反映される。また、ここで計算した値は副画面での表示にとどまらず、主画面の対応する範囲の変更後の空間線量率寄与(各水平角度)106−1a〜106-naに反映させることも可能である。
相対値入力欄207aは指定範囲の空間線量率寄与201の値に数%といった相対値をかけることで変更後の空間線量率寄与208を計算する方法である。ユーザが空間線量率寄与の絶対値の感覚がわからないときに半分程度は除去できるなど、感覚的に変更量を入力する場合に便利である。
絶対値入力欄207bは変更後の空間線量率寄与208の値を直接指定する方法である。
他の測定点の入力欄207cは例えば前記した合成画像105のある点を指定するとその点の空間線量率寄与の値を参照した値が空間線量率寄与208に入力される。この方法は例えばユーザが同じような条件でかつすでに放射線源を除去済みの点を指定すれば、その点と同じ程度にはできるはずと考えることができるため妥当な定量性を持たせることができる。
変更後の空間線量率寄与208は前記した空間線量率寄与の変更方法入力欄207で指定した方法により計算した放射線源除去後の空間線量率寄与の値を出力する。
指定範囲の拡大図206は合成画像105のうち前記S1で示した領域周辺の画像を拡大して表示する。この画像によりユーザは指定範囲周辺の環境を視覚的にとらえることができ、放射線源周辺の様子や放射線源除去にかかる時間を考えることができる。例えば、それが木であれば伐採すればよいし、それが畑であれば表面の土を除去すればよいなど、光学画像を見ないと判断できない情報を提供することができる。
<ブロック図>
以下では、空間線量率検査システム1の機能について図3に従って詳細に説明する。
図3は本発明の一実施形態に係る測定システムのブロック図であり、詳細な構成を模式的に示した図である。
図3に示すように空間線量率検査システム1は空間線量率計算装置300と放射線測定装置400とを備えて構成される。
空間線量率計算装置300は制御装置301、画像表示装置302、マウス303、キーボード304、を備えて構成される。
制御装置301は空間線量率寄与演算手段301a、光学画像生成手段301b、距離情報演算手段301c、空間線量率寄与変更手段301d、空間線量率演算手段301e、放射線画像生成手段301f、画像合成手段301g、表示制御手段301h、駆動制御手段301iを備えて構成される。
空間線量率寄与演算手段301aは後記するガンマカメラ410からの情報を解析して各小立体角の空間線量率寄与を計算する。まず、各小立体角毎の放射線の検出数と検出したガンマ線のエネルギーの大きさ、検出器の検出効率を用いて基準点の空間線量への寄与を計算し、それを時間で割ることで空間線量率寄与を算出する。値はピクセルごと保存し、その値を水平方向の一定角度毎(図6の105−1〜105-n毎)に合計して空間線量率寄与(各水平角度)106−1〜106-nを算出する。さらに指定範囲S1に含まれるピクセルの空間線量率寄与を合計し指定範囲の空間線量率寄与201を算出する。これらの値は表示制御手段301hを介して画像表示装置302に表示される。さらに、指定範囲面の表面汚染密度205を距離情報302cの情報も用いて算出し(図3に矢印図示なし)表示制御手段301hを介して画像表示装置302に表示する。なお、空間線量率寄与の計算には距離情報演算手段301cにより出力される各ピクセルの距離情報を考慮してもよい(図3に矢印図示なし)。これにより空気による放射線の減衰などを補正することができる。なお、ガンマカメラ410が前記バックグラウンド測定を実施している場合は、バックグラウンドを差し引く処理を行うことが望ましい。
光学画像生成手段301bは後記する光学カメラ情報302bからの情報に基づいて光学画像のビットマップデータを生成し、画像合成手段301gに出力する。
距離情報演算手段301cは、距離情報302cからの情報に基づいて対象までの距離を示す距離情報を生成する。ユーザの指定した範囲に対して計算を行うことで指定範囲の平均距離202、指定範囲の面積203、指定範囲面の角度204を求めこれを表示制御手段301hを介して画像表示装置302に表示する機能も有する。
空間線量率寄与変更手段301dはマウス303やキーボード304から入力されるユーザからの入力に従い、空間線量率寄与演算手段301aから得た空間線量率寄与を変更する。また、ユーザが入力した目標空間線量率103に合うように前記した方法で自動的に変更後の空間線量率寄与を求めても良い。空間線量率寄与(各水平角度)106−1〜106-nの値を変更したものは変更後の空間線量率寄与(各水平角度)106−1a〜106-naとして表示制御手段301hを介して画像表示装置302に表示する。
さらに指定範囲の空間線量率寄与201に対して空間線量率寄与の変更方法入力欄207の変更に基づき変更後の空間線量率寄与208を算出し、これを表示制御手段301hを介して画像表示装置302に表示する。
空間線量率演算手段301eは空間線量率を計算する。空間線量率寄与(各水平角度)106−1a〜106-naの総和を計算し、その値に視野外からの空間線量率寄与102の値を足し合わせたものを変更後の推定空間線量率104として出力し、表示制御手段301hを介して画像表示装置302に表示する。さらに、空間線量率101の値から空間線量率寄与(各水平角度)106−1〜106-nの総和を引いて視野外からの空間線量率寄与102を出力し、この値を表示制御手段301hを介して画像表示装置302に表示する。
放射線画像生成手段301fはガンマ線の飛来方向毎(小立体角ごと)の空間線量率寄与を色調別にし二次元の画像(ピクセル状の画像)を作成する。この画像は図7のA-1-1〜A-m-nの空間線量率寄与に相当する。これによって、ユーザはどの方向からどのくらいのガンマ線が飛来してきているか、つまり、放射線源の位置とその放射線量を視覚的に認識できる。
画像合成手段301gは、光学画像生成手段301bから入力される光学画像の情報と、放射線画像生成手段301fから入力される放射線画像の情報と、を合成して(つまり、重ね合わせて)合成画像105を生成し、表示制御手段301hを介して画像表示装置302に表示する。
表示制御手段301hは、入力された情報を規定のフォーマットに従い画像表示装置302に出力する。放射線測定装置400を回動させながら複数回測定をした情報を測定時の角度と対応付けてずらして重ね合わせることでパノラマ画像として表示させる機能も有している。
駆動制御手段301iは、回動手段440を所定角度ずつ回動させるものである。また、駆動制御手段301iは、前記回動を行う際の回動角度情報を表示制御手段301hに出力する。この回動角度情報は、表示制御手段301hが、後記するパノラマ画像を生成する際に参照される。
以上のように、本実施形態によれば、放射線源を除去した場合に変更後の空間線量率を推定することができる。これによってユーザは実際に作業を行う前に空間線量率が目標値に達するかを見積もることができるため除去の計画が立てやすくなる。目標に達していなければ更なる放射線源除去を計画すればよいし、目標を余裕をもって達成する場合には余分な作業を削減することができる。放射線源除去量が減ることは作業時間の短縮だけでなく、除去量の減少にもつながるため除去した放射線源の保管や廃棄などを考えても有益である。
また、本実施形態によれば、目標空間線量率103を入力するだけで、その値を達成させるための空間線量率寄与(各水平角度)106−1a〜106-naを自動で出力させることもできるため、目標から逆算して必要な作業内容を知ることもできる。
放射線源の除去が困難な場合もあるが、その情報を距離情報302cなどから推定し、放射線源除去の可能性や必要となる時間を見積もることができ、この機能をさらに発展させれば、必要な情報を入力しただけで、放射線除去の計画書をワンクリックで作成することも可能である。そこには放射線除去に必要な時間や費用、除去することになる放射線源の総質量、総体積なども推定可能である。
つまり、本実施例によれば、ユーザは、最も効率的な放射線除去の計画を簡単に正確に立てることができるようになる。
≪変形例≫
以上、本発明に係る以下、本発明に係る空間線量率検査システム及び空間線量率計算装置及び空間線量率計算方法について前記実施形態により説明したが、本発明の実施態様はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、前記実施形態では視野外からの空間線量率寄与102は空間線量率101から変更前の空間線量率寄与106−1〜106-nの総計を引いた値を装置が計算して出力すると説明したが、ユーザが別の方法で測定した値を入力できるようにしてもよい。または、推定値を入力してもよい。その場合、空間線量率寄与演算手段301aは空間線量率寄与106−1〜106-nの合計が空間線量率101から視野外からの空間線量率寄与102を引いた値に一致するように空間線量率寄与106−1〜106-nの値を計算する際にしかるべき係数をかけて規格化を行えばよい。
また、前記実施形態では合成画像105は変更前の放射線量を元に作成したが、変更後の推定の放射線量を示した合成画像を表示してもよい。これにより変更前後の画像を比較することができるし、変更後の推定の放射線量を示した合成画像を保存しておき、放射線除去の作業が完了してから再度測定を行い、そこでまた合成画像を作成すれば、作業が適当であったか、見積もりが妥当であったかなどを評価することができる。
また、前記実施形態では放射線画像生成手段302fでは色調別により放射線量を2次元に表現したがこの方法に限らない。例えば立体的な棒グラフを作りX軸に水平方向、Y軸に垂直方向、Z軸に線量を表示してもよい。この棒グラフの高さをユーザが変更して変更後の空間線量率寄与を入力できるようにしてもよい。
また、前記実施形態では平面的な画像表示装置302を説明したが、立体的な画像表示装置302を用いてもよい、これに対応するように光学カメラ420も立体画像が撮影可能なものにしてもよい。
また、前記実施形態では変更適用有無のチェック106−1b〜106-nbを、ユーザが設定できること想定したが、このチェックが自動的に行われるようにしてもよい。例えば指定範囲の平均距離202、指定範囲面の面積203、指定範囲面の角度204、指定範囲面の表面汚染密度205などがあらかじめ決められた値よりも大きい(または小さい)ときに範囲外に指定するようにしてもよい。例えば、山のように指定範囲の面積203が大きすぎる場合は自動で変更範囲から除去されるようにしてもよいし、空のように指定範囲の平均距離202が大きすぎる場合に放射線除去が不可能な範囲も変更範囲から除去されるようにできる。いずれも実際に放射線除去は不可能といってよいため、こういった点が自動で除外されれば、ユーザの入力の手間を省ける。
また、前記実施形態ではユーザが指定した指定範囲に対して副画面200を作成したが、合成画像105の各ピクセルに対して、すべて副画面200を作成し、かつ、各ピクセルについて変更後の空間線量率寄与208を自動算出して、その結果を空間線量率寄与(各水平角度)106−1a〜106-naに反映させてもよい。
また、前記実施形態では水平角度毎の空間線量率寄与106は一定水平角度毎としたが、この棒グラフは複数指定した指定範囲ごとにしてもよい。具体的な一例を図8を用いて説明する。ユーザが領域S1、領域S2、領域S3、領域S4を選択した場合に、領域番号I列、名前N列、範囲A列、除去率R列、棒グラフG列を持ち、各行にそれぞれの領域の情報を持たせた表Hを表示する。領域番号Iの列にはそれぞれの領域番号と選択領域以外の行を示す。名前Nの列はユーザがそれぞれの領域ごとにキーボードなどで入力可能とする。範囲Aはそれぞれの指定領域を線で囲ったり色で示したものをそれぞれの領域ごとに表示する。これにより、どの領域番号がどの範囲を示すかを一目で認識できる。除去率Rはそれぞれの放射線源の除去率をユーザが入力する。除去率ではなく、変更後の空間線量率寄与など他の変更方法を入力可能としてもよい。棒グラフGは領域ごとに変更前の空間線量率寄与と変更後の空間線量率寄与を棒グラフで示している。この棒グラフをマウスなどで動かしたときに除去率が連動するようにしてもよい。なお、選択領域以外はユーザが選択しなくても自動的に全範囲からユーザの選択領域を引いたものが作成されることが望ましい。ここでは、領域番号I列、名前N列、範囲A列、除去率R列、棒グラフG列の5列を並べた例を示したが、必ずしもこれに限られず、このうち一部のみを適用してもよく、また他の項目を適宜追加しても構わない。
また、前記実施形態では空間線量率101は基準点での空間線量率をサーベイメータで測定すると説明したが、ガンマカメラ401の入射孔をふさいだバックグラウンド測定による測定結果から計算して入力されてもよい。バックグラウンド測定では特定の視野を持たないため空間線量率を測定可能である。これにより、サーベイメータを用いなくても測定ができる。
また、前記実施形態では基準点の空間線量率を低下させることを想定したが、空間線量率の増加を想定してもよい。
また、前記実施形態では、放射線源の除去による空間線量率寄与の低下を例に説明するが空間線量率寄与を低下させる方法はこれに限らず、放射線の遮蔽、放射性物質の減衰などでもよい。
また、前記実施形態では、放射線としてガンマ線を検出する場合について説明したが、これに限らず、その他の放射線(例えば中性子線、ベータ線、アルファ線)を対象にしてもよい。
また、前記実施形態では空間線量率計算装置300は放射線測定装置400と接続されていると説明したが(図3参照)、測定済みデータを用いて計算を行う場合放射線測定装置400の代わりに放射線測定装置400から得られた情報を蓄積する情報蓄積装置から情報を読み出せばよい。この場合は放射線測定装置400は省略可能である。
また、前記実施形態では回動手段440は水平方向の回動可能と説明したが、上下方向にチルトさせた状態で回動させてもよい。例えば測定物の背が低い場合、下方向に少しチルトさせて測定を行えば、空間線量率寄与の小さい空の割合を小さくし、空間線量率寄与の大きい地面の割合が大きくすることができる。つまり図7の視野外(上方)Bの大きさが大きくなり、視野外(下方)Cの大きさを小さくできる。または、上方向にチルトさせた全方位測定と下方向にチルトさせた全方位測定を行いより広い立体角をカバーするようにしてもよい。これらの場合、表示制御手段301hは上下方向の情報も考慮してパノラマ画像を表示するようしてもよい。
また、放射線測定装置400の変形例として水準器を備えてもよい。これにより放射線測定装置400の各測定毎の垂直方向の角度や水平度を記録することができる。その他、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)や方位磁針を備えてもよい。その場合、制御手段301は放射線測定装置400からこれらの情報を表示することが望ましい。また、水準器からの情報は上下方向にチルトさせた場合のパノラマ画像作成の際に参照すると良い。また、GPS等に基づく測定位置の位置情報を合成画像と関連付けて記録しておけば、位置情報からこの合成画像を読み出す等できるため、一旦全地域で測定処理だけ進め、実際の放射線除去の作業を後から順次行う場合や、作業後に再度同じ場所で測定したい場合などにおいて有用である。この際、この位置情報を用いてマップ上に測定位置を示し、これを選択することで合成画像等の所望のデータを簡単に読み出せる等してもよい。
また、放射線測定装置400の変形例としてその他測定時の時間や温度、湿度、測定に要した時間、測定地点の空間線量などの情報を制御装置301に与えて、制御装置はこれを表示してもよい。この情報によりユーザは測定時の状況を詳細に理解するとともに、同じ場所を再測定したい場合などに、測定地点、測定方向(垂直角度、水平角度)を再現させることができる。
また、前記実施形態ではガンマ線の飛来方向を算出する手法として、ピンホールコリメータを用いたピンホール光学系を例に記述してきたが、これ以外の光学系、例えばマルチピンホールコリメータ・符号化開口マスク・コンプトン運動学を利用した光学系等を用いて同様の機能を実現してもよい。
また、前記実施形態では合成画像105は空間線量率寄与を色調別に表示すると説明したが、相対的に空間線量率寄与が大きい放射線源の位置を視覚的に得ることを目的とするため、絶対値は必ずしも重要でなく、空間線量率寄与の代わりに計数率やカウント数のようなもっと単純な量で合成画像を作ってもよい。
また、前記実施形態では空間線量率演算手段301eは視野外の空間線量率寄与102を足し合わせて基準点の空間線量率101を求めたが、視野内の全空間線量率寄与(図示なし)を表示してもよい。変更後の空間線量率104も視野外の空間線量率寄与102を足し合わせずに、変更後の視野内の全空間線量率寄与(図示なし)として表示してもよい。これにより、サーベイメータなどがなく基準点の空間線量率101の値が求められない場合にも、放射線源の除去により基準点の空間線量率がどの程度低下するかの低下分を見積もることができる。
また、前記実施形態では水平方向の全周測定を説明したが、全周ではなくその一部でもよい。 また、前記実施形態では回動手段440により回動できると説明したが、回動しなくてもよい。つまり回動手段440を省略してもよい。いずれの場合も、視野からの空間線量率寄与を計算することは可能であり、視野内のある小立体角の空間線量率寄与の値を変更した場合の変更後の全空間線量率寄与も計算可能である。
1 空間線量率検査システム
100 主画面
101 空間線量率
102 視野外からの空間線量率寄与
103 目標空間線量率
104 変更後の推定空間線量率
105 合成画像
106 水平角度毎の空間線量率寄与
106−1〜106-n 空間線量率寄与(各水平角度)
106−1a〜106-na 変更後の空間線量率寄与(各水平角度)
106−1b〜106-nb 変更適用有無のチェック
107 変更前の空間線量率グラフ
107b 変更後の空間線量率グラフ
200 指定領域内の情報一覧(副画面)
201 指定範囲の空間線量率寄与
202 指定範囲の平均距離
203 指定範囲面の面積
204 指定範囲面の角度
205 指定範囲面の表面汚染密度
206 指定範囲の拡大図
207 空間線量率寄与の変更方法入力欄
207a 相対値入力欄
207b 絶対値入力欄
207c 他の測定点の入力欄
208 変更後の空間線量率寄与
300 空間線量率計算装置
301 制御装置
301a 空間線量率寄与演算手段
301b 光学画像生成手段
301c 距離情報演算手段
301d 空間線量率寄与変更手段
301e 空間線量率演算手段
301f 放射線画像生成手段
301g 画像合成手段
301h 表示制御手段
301i 駆動制御手段
302 画像表示装置
303 マウス
304 キーボード
400 放射線測定装置
410 ガンマカメラ
411 放射線検出器
411a 放射線検出素子
412 フロントエンド回路
413 収集回路
414 遮蔽体
415 ピンホールコリメータ
415h 入射孔
420 光学カメラ
430 距離計
440 回動手段

Claims (20)

  1. 放射線を検出する放射線検出手段と、光学画像を取得する光学画像取得手段と、前記放射線検出手段と前記光学画像取得手段とを回動させる回動手段と、を備える放射線測定装置と、
    前記放射線測定装置からの出力を処理する制御装置と、前記制御装置により処理された出力を表示する表示手段と、を備える空間線量率計算装置と、
    を備え、
    前記放射線測定装置は、前記回動手段により前記放射線検出手段と前記光学画像取得手段とを回動させながら、複数の方位で放射線の検出並びに光学画像の取得を行い、
    前記空間線量率計算装置の前記制御装置は、
    前記複数の方位で放射線の検出がなされた前記放射線検出手段からの出力に基づき、放射線による基準点の空間線量率寄与を前記基準点に基づき設定される小立体角ごとに演算する空間線量率寄与演算手段と、
    前記空間線量率寄与演算手段により前記小立体角ごとに演算された空間線量率寄与の値を前記小立体角ごとに個別に変更可能な空間線量率寄与変更手段と、
    前記空間線量率寄与変更手段により個別に変更された変更後の前記小立体角ごとの空間線量率寄与を合算して出力する空間線量率演算手段と、
    を有することを特徴とする空間線量率検査システム。
  2. 請求項1記載の空間線量率検査システムであって、
    前記空間線量率寄与変更手段は、ユーザにより入力される又はあらかじめ決められている目標空間線量率の値に連動して、自動的に小立体角ごとの空間線量率寄与を変更することを特徴とする空間線量率検査システム。
  3. 請求項1記載の空間線量率検査システムであって、
    前記空間線量率演算手段は、前記基準点の全立体角のうち空間線量率寄与の情報を持っていない立体角についての視野外空間線量率寄与の値を、前記変更後の前記小立体角ごとの空間線量率寄与の合算した値に更に足し合わせて出力することを特徴とする空間線量率検査システム。
  4. 請求項3記載の空間線量率検査システムであって、
    前記視野外空間線量率寄与の値は、前記基準点の空間線量率の値から情報を持っている分の立体角について空間線量率寄与の総和を引くことで計算されることを特徴とする空間線量率検査システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の空間線量率検査システムであって、
    前記空間線量率寄与演算手段は、いくつかの小立体角をまとめて、まとまったグループごとに空間線量率寄与を演算して出力するグルーピング機能を有し、
    前記グルーピングされた単位で空間線量率寄与の値を前記表示手段に表示する空間線量率検査システム。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の空間線量率検査システムであって、
    前記制御装置は、さらに、測定対象の各立体角に存在する対象物との距離情報を解析する距離情報演算手段を備え、
    前記表示手段は、前記距離情報を解析した結果に基づき、各小立体角の距離、面積、角度の少なくとも1つを表示することを特徴とする空間線量率検査システム。
  7. 請求項6記載の空間線量率検査システムであって、
    前記空間線量率寄与変更手段は、前記距離情報を解析した結果を反映させて前記小立体角ごとに演算された空間線量率寄与の値を変更することを特徴とする空間線量率検査システム。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の空間線量率検査システムであって、
    前記表示手段は、
    前記光学画像取得手段により複数の方位で取得された複数の光学画像と、前記放射線検出手段により複数の方位で取得した複数の放射線画像と、を合成したパノラマ合成画像と、
    前記小立体角ごとに演算された空間線量率寄与の値を、前記パノラマ合成画像に対応させて示すグラフと、
    前記グラフで示された小立体角ごとの空間線量率寄与の少なくとも一つを変更することで得られる、前記変更された小立体角ごとの空間線量率寄与の合算値と、
    を一画面に表示することを特徴とする空間線量率検査システム。
  9. 放射線による基準点の空間線量率寄与を前記基準点に基づき設定される小立体角ごとに演算する空間線量率寄与演算手段と、
    前記空間線量率寄与演算手段により前記小立体角ごとに演算された空間線量率寄与の値を前記小立体角ごとに個別に変更可能な空間線量率寄与変更手段と、
    前記空間線量率寄与変更手段により個別に変更された変更後の前記小立体角ごとの空間線量率寄与を合算して出力する空間線量率演算手段と、
    を備えることを特徴とする空間線量率計算装置。
  10. 請求項9記載の空間線量率計算装置であって、
    前記空間線量率寄与変更手段は、ユーザにより入力される又はあらかじめ決められている目標空間線量率の値に連動して、自動的に小立体角ごとの空間線量率寄与を変更することを特徴とする空間線量率計算装置。
  11. 請求項9記載の空間線量率計算装置であって、
    前記空間線量率演算手段は、前記基準点の全立体角のうち空間線量率寄与の情報を持っていない立体角についての視野外空間線量率寄与の値を、前記変更後の前記小立体角ごとの空間線量率寄与の合算した値に更に足し合わせて出力することを特徴とする空間線量率計算装置。
  12. 請求項11記載の空間線量率計算装置であって、
    前記視野外空間線量率寄与の値は、前記基準点の空間線量率の値から情報を持っている分の立体角について空間線量率寄与の総和を引くことで計算されることを特徴とする空間線量率計算装置。
  13. 請求項9乃至12のいずれかに記載の空間線量率計算装置であって、
    前記空間線量率寄与演算手段は、いくつかの小立体角をまとめて、まとまったグループごとに空間線量率寄与を演算して出力するグルーピング機能を有することを特徴とする空間線量率計算装置。
  14. 請求項9乃至13のいずれかに記載の空間線量率計算装置であって、
    さらに、測定対象の各立体角に存在する対象物との距離情報を解析する距離情報演算手段を備え、
    前記距離情報演算手段は、前記距離情報を解析した結果に基づき、各小立体角の距離、面積、角度の少なくとも1つを出力することを特徴とする空間線量率計算装置。
  15. 請求項14記載の空間線量率計算装置であって、
    前記空間線量率寄与変更手段は、前記距離情報を解析した結果を反映させて前記小立体角ごとに演算された空間線量率寄与の値を変更することを特徴とする空間線量率計算装置。
  16. 放射線による基準点の空間線量率寄与を前記基準点に基づき設定される小立体角ごとに演算し、
    前記小立体角ごとに演算された空間線量率寄与の値を前記小立体角ごとに個別に変更し、
    前記個別に変更された変更後の前記小立体角ごとの空間線量率寄与を合算して出力することを特徴とする空間線量率計算方法。
  17. 請求項16記載の空間線量率計算方法であって、
    前記小立体角ごとの空間線量率寄与の変更は、ユーザにより入力される又はあらかじめ決められている目標空間線量率の値に連動して、自動的に変更されることを特徴とする空間線量率計算方法。
  18. 請求項16記載の空間線量率計算方法であって、
    前記基準点の全立体角のうち空間線量率寄与の情報を持っていない立体角についての視野外空間線量率寄与の値を、前記変更後の前記小立体角ごとの空間線量率寄与の合算した値に更に足し合わせて出力することを特徴とする空間線量率計算方法。
  19. 請求項18記載の空間線量率計算方法であって、
    前記視野外空間線量率寄与の値は、前記基準点の空間線量率の値から情報を持っている分の立体角について空間線量率寄与の総和を引くことで計算されることを特徴とする空間線量率計算方法。
  20. 請求項16乃至19のいずれかに記載の空間線量率計算方法であって、
    さらに、測定対象の各立体角に存在する対象物との距離情報を取得し、当該距離情報を解析した結果を反映させて、前記小立体角ごとに演算された空間線量率寄与の値を変更することを特徴とする空間線量率計算装置。
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