JP6747659B2 - 放射能検出装置、放射能測定装置および放射能測定方法 - Google Patents

放射能検出装置、放射能測定装置および放射能測定方法 Download PDF

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Description

この発明は、放射能検出装置,放射能測定装置及び放射能測定方法に関し、特に例えば球殻状の形状をしたマルチコリメータとマルチコリメータに含まれる複数個のコリメータに対応して配置される複数のガンマ(γ)線検出器から成る放射能検出装置、当該放射能検出装置を用いて放射能分布を測定する放射能測定装置および放射能測定方法に関する。
東日本大震災による原子力発電所の事故を契機として、土壌や廃材や建造物等に放射性物質で汚染されている領域が発生した。これらの領域においては、放射性物質の汚染を除去するために、除染作業が行われている。除染作業を効率的に行うためには、放射性物質で汚染されている領域を高精度で迅速に検出できる機器が求められている。
また、除染作業に際しては、放射性物質で汚染されている領域の放射能を検出し測定して、ホットスポットを探索する必要がある。このための簡便な方法として、放射能を可視化する装置(ガンマカメラ)がある。
ホットスポット等の探索用に用いられる放射能検出又は放射能可視化法には、従来、ピンホールカメラ方式,コンプトン散乱方式及び符号化マスク方式(コーディットマスク方式;符号化開口方式ともいう)が広く知られている。
従来のピンホールカメラ方式の放射能検出器は特許文献1、コンプトン散乱方式の放射能検出器は特許文献2、符号化マスク方式は特許文献3が知られている。
その他の方式として、コリメータを用いた放射能検出器があり、特許文献4が知られている。
特表2008−523405号 特開平09 −101371号 特開2015− 87386号 特開2004− 85250号
特許文献1のようなピンホールカメラ方式は、開口のサイズ制限のため感度が低く、ホットスポットの特定に30分程度の時間を要し、除染作業の効率が極めて悪い。また、環境放射線の影響に弱いために、検出器全体を鉛等で遮蔽する必要があるので、装置重量が重くなり、取扱いが不便である。
特許文献2のようなコンプトン散乱方式は、入射γ線と、それによる散乱線を別の検出器で同時検出する信号を利用するため、感度が低く、しかも原理上円錐状の重なり点が位置となるために、1散乱だけでは位置を特定することが出来ないという問題点がある。
特許文献3のような符号化マスク方式は、本来、無限遠の天体からの平行光線のX線を検出するための手法のため、有限距離であって発散光線を対象とする放射能汚染源であるホットスポットの検出・可視化にはそのまま適用できない。
特に、符号化マスク方式では、単なる開口、すなわち薄い板に開けた孔であるため、放射線を通過させる確率を低くすることが困難であり、本来放射線源のあるべき方向でない方向にも寄与(又は影響)が生じやすい。しかも、符号化マスク方式は、複雑な計算を行う必要があり、測定誤差や統計的変動により、疑似的なピーク(アーティファクト)を生じ易い。
特許文献4のコリメータを用いた方式は、コリメータを通過したガンマ線を可視光に変換する蛍光板を設け、蛍光板がガンマ線の照射を受けて光ると、当該光を導波路(光ファイバー等)を介して搬送するタイプである。そのため、ガンマ線の飛来した位置を特定できるが、ガンマ線のエネルギーを検出することが不可能である。
また、特許文献4の検出部は、ガンマ線だけでなく、アルファ線やベータ線やX線でも蛍光板を発光させることに加えて、ガンマ線に限っても別の核種によるガンマ線、例えばカリウム40とセシウム137および134のガンマ線の寄与を分離することが不可能である。
従って、放射能汚染起源の放射線源(セシウム137および134)とその他の放射線源(例えば、自然起源のカリウム40)の寄与を分けることが不可能であり、除染等の目的でのホットスポットの可視化のためには全く役に立たない。
それゆえに、この発明の主たる目的は、検出効率が高く、例えば1分程度の短時間でホットスポットを特定することのできる、放射能検出装置を提供することである。
この発明の他の目的は、エネルギー分別することによりガンマ線強度のエネルギー分布を取得可能な、放射能検出装置を提供することである。
この発明の他の目的は、装置を軽量化でき、取扱いが容易で、アーティファクトを解消可能な、放射能検出装置を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、検出効率が高く、短時間でホットスポットを特定することに有益な、放射能測定装置および放射能測定方法を提供することである。
第1の発明の放射能検出装置は、放射性物質で汚染されている領域におけるホットスポットを見つけるために、地表面より離れた位置から放射能を検出する放射能検出装置であって、マルチコリメータと、複数のガンマ(γ)線検出器とを備える。
マルチコリメータは、
その測定面となる表面側から見た平面形状が四辺形であり、その側面形状が円弧状の板状で厚肉の球殻状に選ばれた遮蔽体を含み、
球殻状の遮蔽体の表面側が第1の方向と第2の方向に沿って二重の凸状の湾曲面に形成され、かつその裏面側が中心点を表面側と同一とする二重の凹状の湾曲面に形成され、
射線の入射方向を制限するために、球殻状部分に複数の筒状の透孔を第1の方向と第2の方向のマトリクス状に分散配置しかつ中心点から放射状に形成することによって複数のコリメータを配置して構成される。
複数のガンマ線検出器は、
ルチコリメータの球殻状部分の裏面側と中心点との間であって、当該マルチコリメータに含まれる複数のコリメータの夫々に対応して放射状に配置され、
応するコリメータによって制限された特定の視野別の放射線のエネルギーと強度を同時に検出することを特徴とする。
第1の発明によれば、検出効率が高く、1分程度の短時間でホットスポットを特定することのできる放射能検出装置が得られる。
また、エネルギー分別することにより、ガンマ線強度のエネルギー分布を取得可能な放射能検出装置が得られる。さらに、装置を軽量化でき、取扱いが容易で、アーティファクトを解消できる。
第2の発明の放射能検出装置は、第1の発明において、複数のγ線検出器は、マルチコリメータが測定対象面に向けられた反対側の面における平面上に配置される。
第3の発明の放射能検出装置は、第1の発明において、複数のγ線検出器は、マルチコリメータが測定対象に向けられた反対側の面であり、かつマルチコリメータの裏面側の湾曲面とは異なる球殻面であって、各コリメータの放射方向と各湾曲面の中心点との線上に配置される。
第4の発明の放射能検出装置は、放射性物質で汚染されている領域におけるホットスポットを見つけるために、地表面より離れた位置から放射能を検出する放射能検出装置であって、マルチコリメータと、複数のγ線検出器とを備える。
マルチコリメータは、
の平面形状が四辺形であり、その側面形状が円弧状の板状で厚肉の球殻状に選ばれた遮蔽体を含み、
球殻状の遮蔽体の表面側が第1の方向と第2の方向に沿って二重の凸状の湾曲面に形成され、かつその裏面側が中心点を表面側と同一とする二重の凹の湾曲面に形成され、
射線の入射方向を制限するために、球殻状部分に複数の筒状の透孔を第1の方向と第2の方向のマトリクス状に分散配置し、かつ中心点から放射状に形成することによって複数のコリメータを配置して構成される。
数のγ線検出器は、
ルチコリメータが測定対象に向けられた反対側の面であって、当該マルチコリメータに含まれる複数のコリメータの夫々に対応して、マルチコリメータの裏面側の湾曲面とは異なる球殻面上であって、各コリメータの放射方向と当該湾曲面の中心点との線上に放射状に配置され、
応するコリメータによって制限された特定の視野別の放射線のエネルギーと強度を同時に検出する。
第5の発明の放射能測定装置は、第1ないし第4の発明の放射能検出装置を用いて放射能分布を測定する放射能測定装置であって、処理手段をさらに備える。
処理手段は、各γ線検出器の夫々の取得信号を基にして、平滑化処理した後、補間処理することにより、1個のγ線検出器の検出視野よりも微細な仮想検出器メッシュに細分化することにより、細分化された信号強度分布を算出する。
それによって、放射能検出領域の空間分解能を向上させたことを特徴とする。
第5の発明によれば、検出効率が高く、短時間でホットスポットを特定することに有益な、放射能測定装置が得られる。
第6の発明の放射能測定装置は、第5の発明において、処理手段は、細分化された信号強度分布を基にして、装置関数でデコンボリューションすることにより、ホットスポットの位置を特定することを特徴とする。
第7の発明の放射能測定装置は、第1ないし第4の発明の放射能検出装置を用いて放射能分布を測定する、放射能測定装置であって、撮影手段と、表示手段と、処理手段をさらに備える。
撮影手段は、放射能検出装置の向けられた放射能検出領域を写真撮影する。表示手段は、撮影手段によって撮影された写真を表示する。
処理手段は、各γ線検出器の夫々の取得信号を基にして、平滑化処理した後、補間処理するとともに、1個のγ線検出器の検出視野よりも微細な仮想検出器メッシュに細分化して、細分化された信号強度分布を算出することによって、前記各コリメータと対応する前記各γ線検出器との組合せにより、放射能分布を測定する。さらに、処理手段は、細分化された信号強度分布を基にして、装置関数でデコンボリューションすることにより、ホットスポットの位置を特定し、撮影手段によって撮影された放射能検出領域の写真を表示手段に表示させるとともに、特定したホットスポットの位置を放射能検出領域の映像に重ね合せて表示させる。
第7の発明によれば、検出効率が高く、短時間でホットスポットを特定でき、エネルギー分別することによりガンマ線強度のエネルギー分布を可視的に表示できる。
第8の発明の放射能測定方法は、第1の発明ないし第4の発明の放射能検出装置を用いて放射能分布を測定する放射能測定方法であって、各コリメータと対応するγ線検出器との組合せにより、放射能分布を測定するステップを含む。
第8の発明によれば、検出効率が高く、短時間でホットスポットを特定することに有益な、放射能測定方法が得られる。
第9の発明の放射能測定方法は、第1の発明ないし第4の発明の放射能検出装置を用いて放射能分布を測定する放射能測定方法であって、各γ線検出器の夫々の取得信号を基にして、平滑化処理するステップと、補間処理するステップと、1個のγ線検出器の検出視野よりも微細な仮想検出器メッシュに細分化するステップとを含み、それによって、放射能検出領域の空間分解能を向上させるようにしたことを特徴とする。
第10の発明の放射能測定方法は、第9の発明において、細分化された信号強度分布を基にして、装置関数でデコンボリューションするステップと、ホットスポットの位置を特定するステップとをさらに含む。
この発明によれば、検出効率が高く、例えば1分程度の短時間でホットスポットを特定することのできる、放射能検出装置が得られる。
また、この発明によれば、エネルギー分別することによりガンマ線強度のエネルギー分布を取得することができる。装置を軽量化でき、取扱いが容易で、アーティファクトを解消することもできる。
さらに、この発明によれば、検出効率が高く、短時間でホットスポットを特定することに有益な、放射能測定装置および放射能測定方法を実現できるという、特有の効果が奏される。
この発明の一実施例の放射能検出装置の外観図である。 この発明の一実施例の放射能検出装置におけるマルチコリメータの斜視図である。 この発明の一実施例の放射能検出装置の拡大断面図である。 この発明の一実施例の放射能検出装置の内部構造を示す斜視図である。 この発明の他の実施例の放射能検出装置の断面図である。 この発明の放射能検出装置を用いた、この発明の他の実施例の放射能測定装置の外観図である。 この発明の他の実施例の放射能測定装置のブロック図である。 この発明の放射能測定装置で放射能汚染領域を測定する場合の画面表示例を示す図である。 この発明の他の実施例の放射能測定装置の動作を説明するためのフローチャートである。
(実施例1)
図1はこの発明の一実施例の放射能検出装置10の外観図であり、図2は放射能検出装置におけるマルチコリメータの斜視図である。図3は放射能検出装置の拡大断面図である。図4は放射能検出装置の内部構造を示す斜視図である。
次に、図1ないし図4を参照して、この発明の一実施例の放射能検出装置10の構成を説明する。
放射能検出装置10は、球殻状の遮蔽体を含むマルチコリメータ11と、複数のガンマ線(以下「γ線」という)検出器を含む位置敏感検出器、すなわちポジション・センシティブ・ディテクタ(Position Sensitive Detector、以下「PSD」と略称する)15とから構成される。
そして、マルチコリメータ11及びPSD15が四角枠状の支持枠13内で固定的に保持される。
マルチコリメータ11は、中空球体の一部を切り出した球殻状の形状に選ばれた遮蔽体であって、放射線の入射方向を制限するために、球殻上に複数の筒状の透孔(又は開口)を形成することによって、縦横に複数のコリメータ12をマトリクス状に配置して構成される。
具体的には、球殻状部分の形状は、中空球体の一部を切り出して、平面から見て略正方形の形状であって、表面側が球体の球面に沿った縦方向と横方向に二重の湾曲面に形成され、裏面側が中心を同一とする球面、すなわち同心球の球面の湾曲面からなる。
球殻状部分の厚みは、球殻の厚み方向に形成される複数の透孔(筒状の開口)が放射線の飛来方向を放射状に特定し、かつ周囲からのバックグラウンドとしての放射線を一定レベルに低減させ得る長さ(厚み)となるように、適度の厚みに選ばれる。例えば、肉厚の厚い鉛板の表面(図1の右向き面、図2の上面)が半径R1からなる球面の一部面となるように、表面を凸状の球面となるように削り加工した後、裏面(図1の左向き面、図2の下面)が半径R2の球面の一部面となるように、裏面を凹状の球面となるように削り加工する。このとき、半径R1−R2の値が球殻部分の肉厚となる。
さらに、球殻部には、簡便に形成するために、表面の縦横に等間隔もしくは等角度間隔に、筒状の透孔を形成することにより、複数のコリメータ12が形成される。すなわち、筒状の透孔がコリメータ12となる。ただし、コリメータの配置は、等間隔もしくは等角度間隔配置に限定しなくとも実施可能である。図1ないし図4に示す実施例では、球殻状の遮蔽体に縦8個と横8個の合計64個のコリメータ12を形成した場合を示すが、これに限るものではない。
複数のコリメータの形成に際しては、表面の球面と裏面の球面のぞれぞれの半径R1,R2の中心が一致し、複数の透孔の放射線入射方向が球体の中心点となるように、複数のコリメータの孔開け方向を選ぶと、複数のコリメータ12がマルチコリメータ11全体から見て放射状に形成されることになる。このように構成すれば、筒状の透孔の孔開け位置の計算や角度の決定が容易となるので、設計及び製造が容易となる利点がある。
なお、実施例では複数のコリメータ(透孔)12の形成方向を放射状に形成した例を示すが、この発明の技術思想はこれに限らず、各種変形したもの、例えば球殻部分の平面上の中心から外側へ遠ざかるコリメータ程少し外側(四辺)へ向くように形成したものでもよい。
また、複数のコリメータ12となる透孔は、円筒状に形成する場合であれば、ドリルで孔開けすれば良いので、製造が容易となるが、これを四角柱や他の形状に形成する、またはテーパーを付けるように形成したもの等、各種変形した形状でもよいことは勿論である。
また、球殻部は、縦横とも対象であることが設計および製造の容易化の点で好ましいが、これに限定されるものではなく、楕円状の球殻面でも差支えない。
PSD(ポジション・センシティブ・ディテクタ)15は、マルチコリメータ11に含まれる複数のコリメータ12の夫々に対応して複数のガンマ線検出器16を配置し、各ガンマ線検出器16の検出信号を導出するためのリード線18を接続して構成される。これら複数のガンマ線検出器16は、対応するコリメータ12によって制限された特定の視野の放射線の強度とエネルギーを同時に検出するものである。
具体的には、複数のガンマ線検出器16は、図3に示すように、マルチコリメータ11の内側の球面の半径R2と同等かそれより小さな半径の球殻状の取付部(又は基台部)17に、複数のコリメータ12の夫々に対応するように孔開けし、各孔に放射線を検出可能な素子(例えばCsIの結晶、すなわちタリウム活性化ヨウ化セシウム単結晶シンチレータ)を埋設し、各素子に検出信号を導出するリード線18を接続して構成される。取付部17は樹脂等で一体成型すればよい。
なお、PSD15の取付部17の構造は、1つの部材ではなく、図4に示すように、各ガンマ線検出器16を個別に収納可能な小さな筒状部材17aとし、各筒状部材17aをマルチコリメータ11の裏面側で隣接するものどうしを接着材で接着して構成してもよい。
なお、上述の構造説明では、複数のガンマ線検出器に共通の符号(16)を付して示すが、各ガンマ線検出器を配置位置との関係で区別して説明する必要のある図6では、D1〜D64で示すものとする。
図5は放射能検出装置の他の実施例を示す断面図である。
図1〜図3に示す放射能検出装置10では、マルチコリメータ11の裏面側に配置されるPSD15がマルチコリメータ11の裏面側に沿う球殻状の取付部17の場合、すなわちガンマ線検出器16を球面状に配置する場合を説明したが、これに限らず、図5(a)又は図5(b)に示すように平面状にガンマ線検出器16を配置してもよい。
図5(a)の実施例の放射能検出装置10Aは、マルチコリメータ11が図1〜図3のものと同様に構成され、当該マルチコリメータ11の裏面側に配置されるPSD15の取付部17を次のように構成したものである。すなわち、放射能検出装置10Aは、マルチコリメータ11の平面形状に近似する板厚の厚い平板を準備し、この平板状の取付部17bに複数のコリメータ12に対応して飛来する放射線を受ける角度となるように位置決めした複数の孔(又は穴)を形成しておき、これらの複数の孔に複数のガンマ線検出器16を埋め込んで固定する。
そして、放射能検出装置10Aは、複数のガンマ線検出器16のガンマ線受光面とは反対側の面から検出信号を取り出すリード線18を引き出している。
また、角度による各ガンマ線検出器16の検出感度の補正計算をおこなうのであれば、図5(b)に示すように、2次元に等間隔かつ垂直にガンマ線検出器を配列した、複数のガンマ線検出器16からなる一般的な形状のPSDを用いてもかまわない。この場合の放射能検出装置10Bでは、平板状の取付部17cが平板に対して直交する方向(図示の上下方向)に複数のガンマ線検出器16を等間隔で配列した状態で保持又は固定する。
(実施例2)
図6は、この発明の放射能検出装置10を用いた、この発明の他の実施例の放射能測定装置20の外観図である。特に、図6(a)は放射能測定装置20を正面から見た斜視図、図6(b)は背面から見た斜視図を示す。
放射能測定装置20は、6面のうちの1面だけを開口部とした箱状の筐体21に、マルチコリメータ11が開口部から外(図6(a)の正面)を向くように放射能検出装置10を収納し、開口部に蓋部材22を装着して構成される。また、筐体21の上面には、持ち運び用の把持部(取っ手)23が装着される。
蓋部材22には、放射線を測定する周囲環境(又は景色)を写真撮影するときに周囲環境の画像を筐体21内部に取り込むための透視孔24が形成される。
また、筐体21の内部には、PSD15によって検出された放射線の飛来する方向別のエネルギーと強度を測定処理するための回路基板(図示せず)が放射能検出装置10の裏側に収納されるとともに、蓋部材22の透視孔24の近傍に撮像カメラ(例えば、CCDセンサとレンズ)が内蔵される。ここで、検出対象の放射線は、素材が鉛の遮蔽体を通さないが、CCDセンサのような鉛以外の物質を通す性質を有するので、マルチコリメータ11の前面にCCDセンサを配置したり、アルミニュームや鉄板等からなる蓋部材22で開口部の蓋をしても、飛来する放射線のエネルギー及び強度を検出する上で何ら支障がない。
さらに、放射能測定装置20は、筐体21の背面(開口部に対向する面)に、測定結果を表示するための液晶表示器25を装着している。液晶表示器25は、後述の図9に示すフローチャートの処理結果の画像(図8参照)を表示するものである。
必要に応じて、放射能測定装置20は、筐体21内にGPS情報検出部(図7の31)および距離計35を収納して構成される。
図7は放射能測定装置20のブロック図である。
放射能測定装置20は、複数のγ線検出器16(D1〜D64)と、A/D変換回路AD1〜AD64と、GPS情報検出部31と、撮像カメラ(CCDセンサ)32と、計測処理のための中央処理ユニット(CPU;又はコンピュータ)33と、記憶装置34と、距離計35と、送受信回路36を含む。
A/D変換回路AD1〜AD64は、対応するγ線検出器D1〜D64の検出出力(アナログ信号)をディジタル信号に変換する。GPS情報検出部31は、放射測定装置20を用いて放射能汚染している懸念のある地域の放射能を測定する際に、当該地域の高精度の位置情報を取得するために、衛星からのGPS情報を検出する。
CPU33は、例えば図9のフローチャートに示す処理プログラム又はその他のプログラムを実行して、放射能汚染の状況を測定する。CPU33は、機能的には位置・エネルギー及び強度を測定し表示処理する位置・エネルギー・強度測定回路33aと、撮像カメラ32によって撮影された放射能汚染地域の環境に関連する写真を画像処理する画像処理回路33bとしての機能を有する。
記憶装置34は、半導体メモリ(RAM)及び/又はハードディスクから構成され、メモリ空間としては処理プログラムを記憶するプログラム記憶用メモリ34a,測定処理用のデータを記憶する処理用メモリ(又はワーキングRAM)34bおよび表示用メモリ34cを含む。
処理用メモリ34bは、測定地点毎(別)でありかつ各γ線検出器D1〜D64に対応して、所定範囲の複数種類のエネルギー(例えばエネルギー1〜930)別の強度を記憶する領域を含み、測定地点毎の名称(住所又は地域)とGPS情報に基づく位置情報(例えば、緯度情報と経度情報)を記憶する記憶領域を含む。
表示用メモリ34cは、液晶表示器25に表示すべき画像データをビットマップ形式で記憶するメモリである。放射能測定装置20が、例えば、後述の図8に示すような測定結果を表示するものとすれば、その表示を実現するための各種表示データを記憶する。
送受信回路36は、遠隔場所又は遠隔地のパーソナルコンピュータ(PC;以下「パソコン」という)40にケーブル(又は無線回線)を介して測定データを送信し又はパソコン40からの制御データを受信するものである。
さらに、放射能測定装置20は、必要に応じて、USB端子37が設けられる。USB端子37には、各種データ入力のためのキーボード38が外付け接続される。
図8は、放射能測定装置20を用いて放射能汚染領域を測定する場合の画面表示例を示す図である。
放射能測定装置20の測定結果は、液晶表示器25に表示される。例えば、液晶表示器25に表示される画面は、図8に示すように、複数の表示領域25a〜25dに分割される。
表示領域25aは、画面左上から大きな領域(例えば縦・横3/4程度の領域)を有する主表示領域であって、複数の測定地点毎の放射の濃度分布を表示する。この表示領域25aは、縦横の桝目の描かれた測定地点別の濃度分布表示領域を含むとともに、その上部に測定地点の名称(住所又は地域名)と、測定日時と、位置情報(緯度,経度)を表示する欄を含む。
表示領域25aの濃度分布表示領域には、撮像カメラ32によって撮影された放射能検出装置10の周辺の測定地域の景色等の画像が最下層に表示され、景色画像の上に測定地点別の桝目が重ねて表示され、さらにその上に測定地点別の濃度分布の図柄(図示では右上角の桝目に示すような濃度を色調で諧調化した図柄または模様)が重ねて表示される。
また、濃度分布表示領域の1つの桝目が、放射能検出装置10による1回の検出範囲(すなわち、放射能測定装置20によって測定される1地点)に相当する。そして、濃度分布表示領域の縦横の桝目の数だけ放射能測定装置20の位置を縦又は横にずらせながら各桝目に対応する地点を測定することにより、その測定結果が1枚のマップ上に濃度分布として表示されることになる。
さらに、濃度分布表示領域の右横には、濃度別の色見本表示部が縦長の帯状に表示される。
表示領域25aの右横の縦長の表示領域25bは、放射能測定に際して操作される操作アイコンを表示する領域であり、例えば「測定開始」,「CCD(撮影)開始」,「自動・手動切換」,「終了」等のアイコンを表示する。その場合、液晶表示器25の表面にタッチパネル(図示せず)が装着され、使用者がタッチ操作した座標位置を検出することにより、操作されたアイコン(スイッチ)が特定される。
表示領域25aの下方の横長の表示領域25cは、現在測定中の1つ桝目に相当する1地点におけるエネルギーと強度を表示する領域である。すなわち、表示領域25cは、横軸にエネルギー、縦軸に強度を表示するものであり、横軸のエネルギー値が汚染源として測定すべき放射線の種類であるセシウム134およびセシウム137のスペクトル別に、縦軸で強度を知らせるための領域である。
表示領域25bと表示領域25cの間の小さな表示領域25dは、プロファイル選択領域であり、「累計」か「個別」を選択するとともに、「較正」,「保存」等のアイコンを表示する。
図9は放射能測定装置20の動作を説明するためのフローチャートである。
次に、図1〜図9を参照して、図9に示すフローチャートに沿って放射能測定装置20の動作を説明する。
放射能測定装置20による放射能汚染地域の測定に先立って、放射能測定装置20を三脚(又はクレーン等)に固定した状態で、マルチコリメータ11を測定対象地点に向けた後、アイコン「CCD開始」と「測定開始」を操作する。なお、三脚等による固定及び距離の設定に代えて、放射能測定装置20を無人飛行機(例えばドローン等)に搭載し、無人飛行機の位置(緯度と経度)を変化するように操作することによって、表示領域25aの桝目に対応する位置を選択するようにしてもよい。
このとき、放射能測定装置20から測定対象地点までの距離Lは、1メートルオーダーの範囲(例えば1mから10mの範囲)の任意の距離に選ばれ、その距離が距離計38によって測定されてCPU33へ出力される。
ここで、距離Lと測定範囲との関係は、マルチコリメータ11(放射能測定装置20の蓋部材22の面)を真下に向けて視野角度を60度とすれば、2L/√3となる。例えば、距離L=3mの場合は、1地点における1回の測定によって、2×3/√3m=3.4mの範囲を測定できる。この1地点測定範囲が表示領域25aの1つの枡目分となる。
なお、放射能測定装置20を用いた放射能測定において、マルチコリメータ11を真下に向ける使用方法に代えて、斜め下向きとし、斜め下向きの角度情報に基づいて補正をかけて、1つ桝目の測定範囲(長さ)を決めてもよい。
アイコン「CCD開始」及び「測定開始」の操作に応じて、CPU33は放射分布可視化の処理をスタートする。
すなわち、複数のガンマ線検出器D1〜D64は、測定対象範囲の各位置から飛来する放射線を検出する。ガンマ線検出器D1〜D64のそれぞれの検出値(アナログ値)は、対応するA/D変換回路AD1〜AD64によってアナログ−ディジタル変換されて、CPU33へ入力される。
そして、ステップ1において、CPU33は、検出位置(すなわちガンマ線検出器D1〜D64)毎のエネルギーと強度データを取得して、メモリ34bの対応する記憶領域へ書き込む。この検出位置(ガンマ線検出器D1〜D64)毎のエネルギーと強度データは、或る1つの桝目(例えば、始めは濃度分布表示領域の1段目右端)に対応するメモリ34bの記憶領域の各ガンマ線検出器別に書き込まれ、刻々検出されるデータを累計しながら、結果として各ガンマ線検出器別の積算値が記憶されることになる。
一方、撮像カメラ32に含まれるCCDセンサは、測定地点周辺の風景を撮影して、写真画像をCPU33へ出力する。ステップ2において、CPU33は写真画像をメモリ34bの写真画像記憶領域(図示せず)に記憶させる。そして、CPU33は当該写真画像を表示領域25aの濃度分布表示領域(8×8の桝目)に対応する表示用メモリ34cの領域に記憶させる。その上に、濃度分布表示領域の桝目の罫線を上書きすることにより、写真画像が濃度分布表示情報の下層となるように記憶保持する。
ステップ1に続くステップ3において、ガンマ線検出器D1〜D64のエネルギー及び強度データに基づいて、ガンマ線検出器D1〜D64毎のスペクトル化が行われる。すなわち、ガンマ線検出器D1〜D64を1個の放射線検出器と見立てたときの放射強度のエネルギー分布図が作成される。
このエネルギー分布図の作成では、データ的には64個のガンマ線検出器D1〜D64のエネルギー・強度分布(スペクトル)を有しているが、代表的な1個分のみのエネルギー・強度分布(スペクトル)を、図8の表示領域25cに表示することになる。但し、スペクトル表示するガンマ線検出器を選択できるようにプログラムしてもよい。
ステップ4において、ガンマ線検出器D1〜D64毎の対象核種からの放射能強度の算出処理(演算)が行われる。
ここで、放射強度は、測定核種のエネルギー領域のガンマ線強度のことであり、ガンマ線検出器D1〜D64によって検出される地点に対応するピクセルの階調として表示される。
ステップ5において、ステップ4で行われた対象核種からの放射能強度を空間分布としてとらえるための処理が行われる。ガンマ線検出器D1〜D64毎の対象放射強度の分布図の作成処理が行われる。具体的には、ガンマ線検出器D1〜D64の検出値を、各検出器の配置位置に対応する8×8個のマトリクス状の放射能強度の分布図に置き換える処理を行う。
ステップ6において、ガンマ線検出器D1〜D64の位置分解能の細分化処理を行うことが選択されているか否かが判断される。位置分解能の細分化処理が選択されている場合は次のステップ7へ進み、細分化処理が選択されていない場合は後述のステップ10へ進む。細分化処理は、検出器1個相当の空間分解能、例えば5mの距離の対象で70cmでも十分か、より詳しいホットスポット位置を、例えば10〜20cmの空間分解能で知りたいかによって、処理を行わないか行うかを判断する。
ステップ7において、ガンマ線検出器D1〜D64のうちの近傍の検出器の検出値に基づいて、三次元関数による平滑化及び補間処理によるメッシュの細分化処理が行われる。
ここでの三次元関数は、検出における測定誤差や統計的変動によるバラツキの影響を除く目的で、2次元の3次曲面を用いて、検出値の強度分布を近似するための関数のことを指す。また、平滑化とは、複数のガンマ線検出器D1〜D64のうちのバラツキが大きい検出器による強度の検出値を誤差として無視することにより、2次元の3次曲面を用いて、検出値の強度分布が滑らかな変化をする曲面になるように処理することである。補間処理とは、各ガンマ線検出器の検出値がその検出器の中心位置での検出値を表すとして、ある検出器の中心とその検出器の近傍の別の3つの検出器の中心が作るメッシュの内部の任意の点に対して、その位置に対応した検出値の強度を得る処理である。したがって、PSD15(64個のガンマ線検出器D1〜D64)が作るメッシュ、すなわち何も処理しない場合の位置分解能よりも、さらに小さな細分化したメッシュであって、より良い位置分解能を与えうるために、細分化処理を行う。
メッシュの細分化処理は、平滑化及び補間処理によって、複数(64個)のガンマ線検出器D1〜D64によって検出できる最小単位の範囲(広さ)をさらにメッシュ状に細分化して、ガンマ線検出器の個数を何倍かに増やしたのと同等の検出精度を高める処理である。
ステップ8において、近接ホットスポットの分離処理および/またはスポット位置の局在化処理をすべきか否かが判断される。ホットスポットの分離処理および/またはスポット位置の局在化処理が必要な場合は次のステップ9へ進み、不要な場合は後述のステップ10へ進む。
ステップ9において、装置関数に基づくデコンボリューション(Deconvolution;逆畳み込み)処理が行われる。
このデコンボリューション処理としては、一般的な機器分析・計測手法等で用いられる一般的なスキームで実施すればよい。
具体的には、各検出素子で作るメッシュ、もしくはそれを細分化した細分化メッシュのあるメッシュ位置を(i,j)(但し、i,jは整数)で表すと、あるメッシュ(k,l;「l」は小文字エルを表す)で測定もしくは算出された放射能強度I(k,l)は、本来の放射能強度分布F(i,j)とその分布を鈍らせる原因となる装置関数をG(i,j)とすれば、第(1)式の積算和の畳み込みの形で表せる。
この場合、装置関数G(k−i,l−j)は、i,k方向のメッシュ間隔をΔx、j,l方向のメッシュ間隔をΔyとすると、この放射能測定装置20では両方向とも等方的なために、装置関数の寄与はある測定メッシュと、本来の放射能強度のある、例えばピークに相当するメッシュ位置との距離と、測定メッシュにおける感度係数関数A(x,y)の2つに依存して、第(2)式で表せる。
理想的な球殻上のマルチコリメータ11と球殻上のガンマ線検出器D1〜D64の系では、等角度間隔のためにΔx=Δyとなり、a=(Δx)2と置くことができる。
さらに、この場合には装置関数が距離にのみ依存するので、例えば一般的なガウス分布の形で1次近似できる。
同時にそのガウス分布の寄与に比べて、感度係数の位置依存性は無視しても良い大きさであると仮定できる。
従って、この3つの条件により、第(2)式はより単純な数式の第(3)式となる。
すなわち、メッシュ位置k,l,i,jと定数A,aだけのガウス分布で近似できる。
この第(3)式を第(1)式に代入すれば、i方向すなわちx方向が全nメッシュ、j方向すなわちy方向が全mメッシュあるとすると、i=1〜n, j=1〜mに対して第(4)式となる。
これは、F(i,j)に対してのn×m元の連立1次方程式に他ならない。
従って、各F(i,j)の係数Aexp{−a[(k−i)2+(j−l)2 ]}を要素とする行列Bの逆行列B−1を測定もしくは算出強度が作るベクトルI(k,l)に作用させれば、本来の強度分布F(i,j)を容易に導くことができる。
なお、装置関数の寄与がガウス分布近似から外れるような場合にも、関数Aにその寄与を入れ込み、各メッシュ位置での係数Aを変えることによって、同様のデコンボリューション処理が可能となる。
ステップ10において、放射能強度分布像と可視画像との統合(又は合成)および放射能強度の算出処理が行われる。この放射能強度分布像と可視画像を合成した画像が表示領域25aに表示される。
なお、ステップ4ではガンマ線検出器の1個の位置分解能に対応した位置分解能でしか位置を特定していないので、可視画像と結びついていないが、ステップ10ではホットスポットの位置の角度を計算して、見ている位置を決めることにより、ホットスポットの位置を特定している。
上述の一連の処理によって、或る1地点(すなわち表示領域25aの或る1つの桝目に対応する1地点)での放射能分布の可視化処理が終了する。
その後、放射能測定装置20の配置位置を横及び/又は縦に1枡分ずつずらせて、上述の測定処理を縦横所定数の桝目分(例えば8×8回)の測定処理を行うことにより、濃度分布表示領域の範囲の全域(1の名称で特定される地域)の測定処理を行う。
以上の処理を繰り返すことにより、広範囲における放射能汚染状況の測定結果がメモリ34bに累積的に記憶される。そして、適宜のタイミングにおいて、メモリ34bに累積的に記憶されている広範囲における放射能汚染状況の測定結果のデータが送受信回路36によってパソコン40へ送信され、パソコン40側でも累積的に記憶される。パソコン40側では、これらの測定データに基づいて、除染作業すべき地点又は範囲の選定(割り出し)が行われる。
この実施例の放射能測定装置によれば、球殻状のマルチコリメータを含む放射能検出装置を用いて放射線源から飛来する放射線をコリメータで広角的に検出しているので、検出効率が高く、1分程度の短時間でホットスポットを特定できるという、特有の効果が奏される。
また、エネルギー分別することによりガンマ線強度のエネルギー分布を取得しているので、放射能汚染された地点又は地域を迅速に作業効率よく特定でき、除染作業の効率を大幅に高めることができる。
この発明は、放射能汚染された地域の除染作業に際して、エネルギー分別することによりガンマ線強度のエネルギー分布を取得できるので、放射能検出装置、当該放射能検出装置を用いた放射能測定装置又は測定方法としての産業上の利用性が高い。
10 放射能検出装置
11 球殻状のマルチコリメータ
12 コリメータ
15 PSD(ポジション・センシティブ・ディテクタ)
16(D1〜D64),16a ガンマ線検出器
17,17b,17c 取付部
20 放射能測定装置
21 筐体
22 蓋部材
25 液晶表示器
25a〜25d 表示領域
31 GPS情報検出部
32 撮像カメラ
33 中央処理ユニット(CPU)
34 記憶装置
34a プログラム記憶用メモリ
34b 処理用メモリ
34c 表示用メモリ
35 距離計
36 送受信回路
37 USB端子
38 キーボード
40 パソコン(PC)

Claims (10)

  1. 放射性物質で汚染されている領域におけるホットスポットを見つけるために、地表面より離れた位置から放射能を検出する放射能検出装置であって、
    マルチコリメータ、および
    複数のガンマ線検出器を備え、
    前記マルチコリメータは、
    その測定面となる表面側から見た平面形状が四辺形であり、その断面形状が円弧状の板状で厚肉の球殻状に選ばれた遮蔽体を含み、
    前記球殻状の遮蔽体の表面側が第1の方向と第2の方向に沿って二重の凸状の湾曲面に形成され、かつその裏面側が中心点を表面側と同一とする二重の凹状の湾曲面に形成され、
    射線の入射方向を制限するために、球殻状部分に複数の筒状の透孔を第1の方向と第2の方向のマトリクス状に分散配置しかつ中心点から放射状に形成することによって複数のコリメータを配置して構成され、
    前記複数のガンマ線検出器は、
    記マルチコリメータの球殻状部分の裏面側と中心点との間であって、当該マルチコリメータに含まれる前記複数のコリメータの夫々に対応して放射状に配置され、
    応する前記コリメータによって制限された特定の視野別の放射線のエネルギーと強度を同時に検出することを特徴とする、放射能検出装置。
  2. 前記複数のガンマ線検出器は、前記マルチコリメータが測定対象面に向けられた反対側の面における平面上に配置される、請求項1に記載の放射能検出装置。
  3. 前記複数のガンマ線検出器は、前記マルチコリメータが測定対象に向けられた反対側の面であり、かつマルチコリメータの裏面側の湾曲面とは異なる球殻面上であって、各コリメータの放射方向と前記各湾曲面の中心点との線上に配置される、請求項1に記載の放射能検出装置。
  4. 放射性物質で汚染されている領域におけるホットスポットを見つけるために、地表面より離れた位置から放射能を検出する放射能検出装置であって、
    マルチコリメータ、および
    複数のガンマ線検出器を備え、
    前記マルチコリメータは、
    その測定面となる表面側から見た平面形状が四辺形であり、その側面形状が円弧状の板状で厚肉の球殻状に選ばれた遮蔽体を含み、
    前記球殻状の遮蔽体の表面側が第1の方向と第2の方向に沿って二重の凸状の湾曲面に形成され、かつその裏面側が中心点を表面側と同一とする二重の凹状の湾曲面に形成され、
    射線の入射方向を制限するために、球殻状部分に複数の筒状の透孔を第1の方向と第2の方向のマトリクス状に分散配置し、かつ中心点から放射状に形成することによって複数のコリメータを配置して構成され、
    前記複数のガンマ線検出器は、
    記マルチコリメータが測定対象に向けられた反対側の面であって、当該マルチコリメータに含まれる前記複数のコリメータの夫々に対応して、マルチコリメータの裏面側の湾曲面とは異なる球殻面上であって、各コリメータの放射方向と当該湾曲面の中心点との線上に放射状に配置され、
    応するコリメータによって制限された特定の視野別の放射線のエネルギーと強度を同時に検出することを特徴とする、放射能検出装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の放射能検出装置を用いて放射能分布を測定する放射能測定装置であって、
    処理手段をさらに備え、
    前記処理手段は、前記各ガンマ線検出器の夫々の取得信号を基にして、平滑化処理した後、補間処理することにより、1個のガンマ線検出器の検出視野よりも微細な仮想検出器メッシュに細分化することにより、細分化された信号強度分布を算出し、
    それによって、放射能検出領域の空間分解能を向上させたことを特徴とする、放射能測定装置。
  6. 前記処理手段は、細分化された信号強度分布を基にして、装置関数でデコンボリューションすることにより、ホットスポットの位置を特定することを特徴とする、請求項5に記載の放射能測定装置。
  7. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の放射能検出装置を用いて放射能分布を測定する、放射能測定装置であって、
    前記放射能検出装置の向けられた放射能検出領域を写真撮影する撮影手段と、撮影手段によって撮影された写真を表示する表示手段と、処理手段とをさらに備え、
    前記処理手段は、
    前記各ガンマ線検出器の夫々の取得信号を基にして、平滑化処理した後、補間処理し、
    1個のガンマ線検出器の検出視野よりも微細な仮想検出器メッシュに細分化して、細分化された信号強度分布を算出することによって、前記各コリメータと対応する前記各ガンマ線検出器との組合せにより、放射能分布を測定し、さらに
    細分化された信号強度分布を基にして、装置関数でデコンボリューションすることにより、ホットスポットの位置を特定し、
    前記撮影手段によって撮影された放射能検出領域の写真を前記表示手段に表示させるとともに、前記特定したホットスポットの位置を放射能検出領域の映像に重ね合せて表示させる、放射能測定装置。
  8. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の放射能検出装置を用いて放射能分布を測定する放射能測定方法であって、
    前記各コリメータと対応するガンマ線検出器との組合せにより、放射能分布を測定するステップを含む、放射能測定方法。
  9. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の放射能検出装置を用いて放射能分布を測定する放射能測定方法であって、
    前記各ガンマ線検出器の夫々の取得信号を基にして、平滑化処理するステップと、補間処理するステップと、1個のガンマ線検出器の検出視野よりも微細な仮想検出器メッシュに細分化するステップとを含み、
    それによって、放射能検出領域の空間分解能を向上させるようにしたことを特徴とする、放射能測定方法。
  10. 細分化された信号強度分布を基にして、装置関数でデコンボリューションするステップと、ホットスポットの位置を特定するステップとをさらに含む、請求項9に記載の放射能測定方法。
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