JP2020101430A - 放射能可視化カメラ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価でダイナミックレンジを拡大可能な放射能可視化カメラ装置を提供する。【解決手段】放射能可視化カメラ装置は、マルチコリメータと、複数のシンチレータと、複数の光検出素子を含む半導体光検出器と、ダイナミックレンジ拡大手段と、筐体とを備える。マルチコリメータは、平板状の遮蔽体であって、放射線の入射方向を制限するために、複数の透孔を形成してなるコリメータを配置する。複数のシンチレータは、複数のコリメータの夫々に対応して配置され、対応のコリメータによって制限された特定の視野の放射線量に比例して発光する。複数の光検出素子は、対応するシンチレータの背面に配置されて放射線量に比例した電気信号を個別に検出する。筐体は、複数のシンチレータと半導体光検出器を固定的に収納するとともに、複数のシンチレータの前面に、マルチコリメータとダイナミックレンジ拡大手段を位置決めして収納する。【選択図】図3
Description
この発明は、放射能可視化カメラ装置に関し、特に例えば平板状の形状をしたマルチコリメータを用いて空間線量率及び計測対象放射線源(ホットスポット)のダイナミックレンジを拡大できるようにした放射能可視化カメラ装置に関する。
東日本大震災による原子力発電所の事故を契機として、土壌や廃材や建造物等に放射性物質で汚染されている領域が発生した。これらの領域においては、放射性物質の汚染を除去するために、除染作業が行われている。除染作業を効率的に行うためには、放射性物質で汚染されている領域の放射線の強度(分布放射能濃度分布)を高精度で迅速に検出できる機器が求められている。
一方、福島第一原発事故での原子炉の廃炉に向けた作業では、非常に高い空間線量率の下で、高濃度放射線源(ホットスポット)の特定が求められている。そのための簡便な方法として、放射能を可視化する装置(ガンマーカメラ)がある。
一方、福島第一原発事故での原子炉の廃炉に向けた作業では、非常に高い空間線量率の下で、高濃度放射線源(ホットスポット)の特定が求められている。そのための簡便な方法として、放射能を可視化する装置(ガンマーカメラ)がある。
ホットスポット等の探索用に用いられる放射能検出又は放射能可視化法には、従来、ピンホールカメラ方式,コンプトン散乱方式及び符号化マスク方式(コーディットマスク方式;符号化開口方式ともいう)が広く知られている。
従来のピンホールカメラ方式の放射能検出器は特許文献1、コンプトン散乱方式の放射能検出器は特許文献2、符号化マスク方式は特許文献3が知られている。
その他の方式として、コリメータを用いた放射能検出器があり、特許文献4又は特許文献5が知られている。
従来のピンホールカメラ方式の放射能検出器は特許文献1、コンプトン散乱方式の放射能検出器は特許文献2、符号化マスク方式は特許文献3が知られている。
その他の方式として、コリメータを用いた放射能検出器があり、特許文献4又は特許文献5が知られている。
特許文献1のピンホールカメラ方式および特許文献2のコンプトン散乱方式は、特許文献5の段落番号[0005]に記載のような問題点がある。
特許文献3の符号化マスク方式は、特許文献5の段落番号[0006]に記載のような問題点がある。
特許文献4のコリメータを用いた方式は、特許文献5の段落番号[0007]に記載のような問題点がある。
特許文献5の放射能検出装置(いわゆるガンマーカメラ)は、球殻状の遮蔽体からなるマルチコリメータを用いているので、分厚い鉛板(例えば5cm〜10cm)を削り加工して球殻状の遮蔽体を形成した後で複数の透孔を形成しているため、球殻状の遮蔽体の製造が容易でなく、高精度の孔開けが困難であり、製造コストが高価となる問題点がある。特に、球殻状のマルチコリメータは、肉厚の厚い板状の鉛板の表面と裏面を徐々に削って球殻状の形状に一品ずつ手作りで製作しなければならず、量産化に適さず、極めて高価となる問題がある。
また、特許文献5の球殻状のマルチコリメータは、空間線量率のダイナミックレンジが2桁〜2.5桁しかないので、広範囲(例えば5〜6桁)のダイナミックレンジを必要とする測定地域では使用できなかった。同様に、特許文献1〜4もダイナミックレンジが狭いという問題点があった。
例えば、原発事故地域以外の一般的な地域では、空間線量率(又は環境放射能)が0.1μSv/hの周辺に対して、計測位置における放射線量が10μSv/hの空間線量を与えるホットスポットを検出できるように、ダイナミックレンジが2桁〜2.5桁の放射能可視化カメラ装置を用いて検出している。しかし、原発事故のあった地域では、空間線量率が10mSv/hに対して、放射能汚染している地域において検出したいホットスポットの計測位置における放射線量(又は計測対象放射線源の強度)が100mSv/h〜1Sv/h(又は1Bq/kg)であるので、より広範囲の5桁以上のダイナミックレンジを有する放射能可視化カメラ装置が望まれる。
ダイナミックレンジが小さければ、測定に供される条件に制限が加わり、多様な目的に対応するためにはダイナミックレンジの拡大の要求が強い。
さらに、放射能可視化カメラ装置(又はガンマーカメラ)は、画像の中での放射線量の低い部分と高い部分を鮮明に分離することが要求される。すなわち、放射線量の低い部分を信号のノイズNとし、高い部分をホットスポットの信号Sとすれば、SN比の大きなものを設計する必要がある。信号Sを大きくするためには、ガンマー線の飛来方向のコリメータの開口径を大きくすることが求められるが、開口径を大きくするとコリメータからの浸み込みが大きくなり、ノイズNを増大させることになる。一方、ノイズNを小さくするには、遮蔽体の厚みを厚くすれば良いが、ガンマーカメラの重量が重くなり、持ち運びに適さず、遮蔽体の素材である鉛板が重量に比例して高額となる。そのため、相反する特性を最大限に活用してガンマーカメラを設計する必要があった。
また、特許文献5の球殻状のマルチコリメータは、空間線量率のダイナミックレンジが2桁〜2.5桁しかないので、広範囲(例えば5〜6桁)のダイナミックレンジを必要とする測定地域では使用できなかった。同様に、特許文献1〜4もダイナミックレンジが狭いという問題点があった。
例えば、原発事故地域以外の一般的な地域では、空間線量率(又は環境放射能)が0.1μSv/hの周辺に対して、計測位置における放射線量が10μSv/hの空間線量を与えるホットスポットを検出できるように、ダイナミックレンジが2桁〜2.5桁の放射能可視化カメラ装置を用いて検出している。しかし、原発事故のあった地域では、空間線量率が10mSv/hに対して、放射能汚染している地域において検出したいホットスポットの計測位置における放射線量(又は計測対象放射線源の強度)が100mSv/h〜1Sv/h(又は1Bq/kg)であるので、より広範囲の5桁以上のダイナミックレンジを有する放射能可視化カメラ装置が望まれる。
ダイナミックレンジが小さければ、測定に供される条件に制限が加わり、多様な目的に対応するためにはダイナミックレンジの拡大の要求が強い。
さらに、放射能可視化カメラ装置(又はガンマーカメラ)は、画像の中での放射線量の低い部分と高い部分を鮮明に分離することが要求される。すなわち、放射線量の低い部分を信号のノイズNとし、高い部分をホットスポットの信号Sとすれば、SN比の大きなものを設計する必要がある。信号Sを大きくするためには、ガンマー線の飛来方向のコリメータの開口径を大きくすることが求められるが、開口径を大きくするとコリメータからの浸み込みが大きくなり、ノイズNを増大させることになる。一方、ノイズNを小さくするには、遮蔽体の厚みを厚くすれば良いが、ガンマーカメラの重量が重くなり、持ち運びに適さず、遮蔽体の素材である鉛板が重量に比例して高額となる。そのため、相反する特性を最大限に活用してガンマーカメラを設計する必要があった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、安価に製造でき、空間線量率やホットスポットの放射線量等の検出可能なダイナミックレンジを広範囲に変えることができる、放射能可視化カメラ装置を提供することである。
この発明の他の目的は、検出効率が高く、短時間でホットスポットを特定可能であって、空間線量率のダイナミックレンジが広範囲の測定地域でも有効に使用可能な、放射能可視化カメラ装置を提供することである。
第1の発明の放射能可視化カメラ装置は、平板状の形状に選ばれた遮蔽体からなるマルチコリメータと、複数のシンチレータと、半導体光検出器と、ダイナミックレンジ拡大手段と、筐体とを備える。
マルチコリメータは、放射線の入射方向を制限するために、遮蔽体の一方主面(背面又は表面)において所定の間隔を空けて、かつ遮蔽体の背面(又は裏面)より離れた中心点から放射線の飛来(又は到来)する測定面に向けて放射する方向に複数の筒状の透孔を形成することによって、複数のコリメータを配置して構成される。
複数のシンチレータは、飛来する放射線を可視光に変換するもので、平板状の遮蔽体の背面に各コリメータの透孔に対応して配置され、それぞれが対応するコリメータを通して入射する放射線の放射線量に比例して発光する。
半導体光検出器は、格子状に配置された複数の光検出素子(又は半導体光検出素子)を含み、各光検出素子が各シンチレータの背面におけるコリメータの夫々に対応する位置に位置決めされて配置されることにより、対応するコリメータによって制限された特定の視野の放射線量を各光検出素子によって個別に検出する。
ダイナミックレンジ拡大手段は、マルチコリメータに関連し、マルチコリメータによって測定可能な空間線量率と計測対象放射線源の強度の測定可能範囲のダイナミックレンジを拡大する。
筐体は、測定面を含む6面を囲み、半導体光検出器と複数のシンチレータを固定的に収納するとともに、複数のシンチレータの前面にマルチコリメータとダイナミックレンジ拡大手段を位置決めして収納する。
マルチコリメータは、放射線の入射方向を制限するために、遮蔽体の一方主面(背面又は表面)において所定の間隔を空けて、かつ遮蔽体の背面(又は裏面)より離れた中心点から放射線の飛来(又は到来)する測定面に向けて放射する方向に複数の筒状の透孔を形成することによって、複数のコリメータを配置して構成される。
複数のシンチレータは、飛来する放射線を可視光に変換するもので、平板状の遮蔽体の背面に各コリメータの透孔に対応して配置され、それぞれが対応するコリメータを通して入射する放射線の放射線量に比例して発光する。
半導体光検出器は、格子状に配置された複数の光検出素子(又は半導体光検出素子)を含み、各光検出素子が各シンチレータの背面におけるコリメータの夫々に対応する位置に位置決めされて配置されることにより、対応するコリメータによって制限された特定の視野の放射線量を各光検出素子によって個別に検出する。
ダイナミックレンジ拡大手段は、マルチコリメータに関連し、マルチコリメータによって測定可能な空間線量率と計測対象放射線源の強度の測定可能範囲のダイナミックレンジを拡大する。
筐体は、測定面を含む6面を囲み、半導体光検出器と複数のシンチレータを固定的に収納するとともに、複数のシンチレータの前面にマルチコリメータとダイナミックレンジ拡大手段を位置決めして収納する。
第1の発明によれば、安価に製造でき、空間線量率やホットスポットの放射線量等の検出可能なダイナミックレンジを広範囲で変えることができる、放射能可視化カメラ装置が得られる。
また、この発明の放射能可視化カメラ装置は、検出効率および検出精度が高く、1分程度の短時間でホットスポットを特定可能であって、安価に製作でき、コストパフォーマンスに優れた効果もある。
また、この発明の放射能可視化カメラ装置は、検出効率および検出精度が高く、1分程度の短時間でホットスポットを特定可能であって、安価に製作でき、コストパフォーマンスに優れた効果もある。
第2の発明の放射能可視化カメラ装置は、第1の発明において、ダイナミックレンジ拡大手段が放射能を透過し難い材質(種類は問わないが、例えば鉛等)からなる平板状の遮蔽板である。筐体は、マルチコリメータと複数のシンチレータの間に、平板状の遮蔽板を位置決めして着脱自在に収納する。
第2の発明によれば、空間線量率及びホットスポットの放射線量が比較的小さいときにはマルチコリメータのみで使用し、空間線量率及び放射線量が比較的大きいときにはマルチコリメータと複数のシンチレータの間に平板状の遮蔽板を挿入して筐体内に収納することにより、マルチコリメータ単独で測定するよりもダイナミックレンジを拡大して、広範囲のダイナミックレンジで放射能を測定することができる。
第3の発明の放射能可視化カメラ装置は、第2の発明において、筐体がマルチコリメータと複数のシンチレータの間に、その側面から平板状の遮蔽板を出し入れ自在なように遮蔽板を挿入可能な空間部を有し、当該遮蔽板を着脱自在に支持する支持部を含む。
ダイナミックレンジ拡大手段は、平板状の遮蔽板を筐体の側面から支持部に沿って空間部へ挿入することにより、空間線量率と計測対象放射線源の強度の測定可能範囲のダイナミックレンジを拡大するように働く。そのとき、平板状の遮蔽板が支持部によって筐体内で固定的に支持される。
ダイナミックレンジ拡大手段は、平板状の遮蔽板を筐体の側面から支持部に沿って空間部へ挿入することにより、空間線量率と計測対象放射線源の強度の測定可能範囲のダイナミックレンジを拡大するように働く。そのとき、平板状の遮蔽板が支持部によって筐体内で固定的に支持される。
第3の発明によれば、空間線量率及びホットスポットの放射線量が比較的小さいときにはダイナミックレンジ拡大手段の一例の遮蔽板を用いることなくマルチコリメータのみで測定し、空間線量率及びホットスポットの放射線量が比較的に大きいときにはマルチコリメータと複数のシンチレータの間に平板状の遮蔽板を挿入して、マルチコリメータの厚みを実質的に厚くした状態で測定することができ、マルチコリメータ単独で測定するよりもダイナミックレンジを拡大して、広範囲のダイナミックレンジで放射能を測定することができる。
第4の発明の放射能可視化カメラ装置は、第1の発明において、マルチコリメータは複数のコリメータの透孔の形成位置が共通しかつ厚みの異なる遮蔽体を複数個準備される。
ダイナミックレンジ拡大手段は、複数のマルチコリメータのうち、測定地点における空間線量率と計測対象放射線源の強度の測定可能範囲に応じて、適当な厚みの1つのマルチコリメータを選択して筐体に装着することによって、空間線量率のダイナミックレンジを変化させる。筐体は、複数のシンチレータの前面に、適当な厚みのマルチコリメータを位置決めして収納する。
ダイナミックレンジ拡大手段は、複数のマルチコリメータのうち、測定地点における空間線量率と計測対象放射線源の強度の測定可能範囲に応じて、適当な厚みの1つのマルチコリメータを選択して筐体に装着することによって、空間線量率のダイナミックレンジを変化させる。筐体は、複数のシンチレータの前面に、適当な厚みのマルチコリメータを位置決めして収納する。
第4の発明によれば、空間線量率及びホットスポットの放射線量が比較的大きいときには厚みの厚いマルチコリメータを筐体内に収納し、空間線量率及びホットスポットの放射線量が比較的小さいときには厚みの薄いマルチコリメータを筐体内に収納して放射能を測定しているので、1種類のマルチコリメータ単独で測定するよりもダイナミックレンジを拡大して、広範囲のダイナミックレンジで放射能を測定することができる。
第5の発明の放射能可視化カメラ装置は、第1の発明において、マルチコリメータは、少なくとも、遮蔽体が第1の厚みを有する第1のマルチコリメータと、第2の厚みを有する第2のマルチコリメータとを含む。第1のマルチコリメータおよび第2のマルチコリメータには、透孔の配置位置と開口径が共通するように複数のコリメータが形成される。
ダイナミックレンジ拡大手段は、第1のマルチコリメータの一辺に第2のマルチコリメータの一辺を隣接させて、第1のマルチコリメータと第2のマルチコリメータを一体化して構成される。
筐体は、半導体光検出器と複数のシンチレータとを固定的に収納し、複数のシンチレータの前面にダイナミックレンジ拡大手段の遮蔽体を摺動(又はスライド)自在に支持する。
それによって、測定地点における空間線量率及びホットスポットの放射線量に応じて適切な厚みのマルチコリメータを選択して、筐体内の複数のシンチレータの前面に位置決めして使用される。
ダイナミックレンジ拡大手段は、第1のマルチコリメータの一辺に第2のマルチコリメータの一辺を隣接させて、第1のマルチコリメータと第2のマルチコリメータを一体化して構成される。
筐体は、半導体光検出器と複数のシンチレータとを固定的に収納し、複数のシンチレータの前面にダイナミックレンジ拡大手段の遮蔽体を摺動(又はスライド)自在に支持する。
それによって、測定地点における空間線量率及びホットスポットの放射線量に応じて適切な厚みのマルチコリメータを選択して、筐体内の複数のシンチレータの前面に位置決めして使用される。
第5の発明によれば、ダイナミックレンジ拡大手段を摺動させて、第1のマルチコリメータ又は第2のマルチコリメータを複数のシンチレータの前面に位置決めすることにより、1種類の厚みのマルチコリメータ単独で測定するよりもダイナミックレンジを拡大して、広範囲のダイナミックレンジで放射線量を測定することができる。
第6の発明の放射能可視化カメラ装置は、第1の発明ないし第3の発明において、マルチコリメータは、複数のコリメータの透孔の形成位置が共通し、かつ厚みと開口径が異なる遮蔽体が複数個準備される。
ダイナミックレンジ拡大手段は、複数のマルチコリメータのうち、測定地点における空間線量率と計測対象放射線源の強度の測定可能範囲に応じて適当な厚みでありかつ適当な開口径のコリメータを形成した1つのマルチコリメータを選択して前記筐体に装着することによって、空間線量率と計測対象放射線源の強度の測定可能範囲のダイナミックレンジを変化させることを特徴とする。
ダイナミックレンジ拡大手段は、複数のマルチコリメータのうち、測定地点における空間線量率と計測対象放射線源の強度の測定可能範囲に応じて適当な厚みでありかつ適当な開口径のコリメータを形成した1つのマルチコリメータを選択して前記筐体に装着することによって、空間線量率と計測対象放射線源の強度の測定可能範囲のダイナミックレンジを変化させることを特徴とする。
第6の発明によれば、複数のマルチコリメータのうち、適当な厚みでありかつ適当な開口径のコリメータを形成した1つのマルチコリメータを選択して使用することにより、第1の発明ないし第3の発明よりもさらにダイナミックレンジを拡大することができる。
第7の発明の放射能可視化カメラ装置は、第1の発明ないし第5の発明において、マルチコリメータに含まれる各コリメータは透孔の開口径が遮蔽体の平面上の中心点に近いコリメータよりも外側のコリメータを大きくなるように形成されることを特徴とする。
第7の発明によれば、各コリメータが中心点又は中心点に近い位置か外側の位置かによってホットスポットまでの距離が変化するが、距離補正をすることなく検出精度を高くすることができる。
この発明によれば、空間線量率やホットスポットの放射線量のダイナミックレンジを広範囲で変えることができる、放射能可視化カメラ装置が得られる。
(実施例1)
図1はこの発明の一実施例の放射能可視化カメラ装置10の外観図である。特に、図1(a)は放射能可視化カメラ装置10を正面から見た斜視図、図1(b)は背面から見た斜視図を示す。
図1において、放射能可視化カメラ装置10は、6面のうちの1面だけを開口部とした箱状の筐体(又はハウジング)11を含み、筐体11内に、後述の図2に示すガンマーカメラ20が開口部から外側の測定方向(図1(a)の正面)を向くように収納して構成される。開口部の前面には、蓋部材12が装着される。この蓋部材12の表面が放射線の飛来(又は到来)する測定面となる。また、筐体11の上面には、持ち運び用の把持部(取っ手)13が装着される。
図1はこの発明の一実施例の放射能可視化カメラ装置10の外観図である。特に、図1(a)は放射能可視化カメラ装置10を正面から見た斜視図、図1(b)は背面から見た斜視図を示す。
図1において、放射能可視化カメラ装置10は、6面のうちの1面だけを開口部とした箱状の筐体(又はハウジング)11を含み、筐体11内に、後述の図2に示すガンマーカメラ20が開口部から外側の測定方向(図1(a)の正面)を向くように収納して構成される。開口部の前面には、蓋部材12が装着される。この蓋部材12の表面が放射線の飛来(又は到来)する測定面となる。また、筐体11の上面には、持ち運び用の把持部(取っ手)13が装着される。
蓋部材12の略中央部には、放射能(又は放射線)を測定する周囲環境や景色を写真撮影する際に、周囲環境の画像を筐体11内部に取り込むためのカメラ透視用の開口部(又は孔)14が形成される。
また、筐体11の内部には、半導体光検出器(図2に示す24)によって検出された放射線の飛来する方向別のエネルギーと強度を測定処理するための回路基板(図示せず)がガンマーカメラ20の裏側に収納される。
また、筐体11の内部には、半導体光検出器(図2に示す24)によって検出された放射線の飛来する方向別のエネルギーと強度を測定処理するための回路基板(図示せず)がガンマーカメラ20の裏側に収納される。
さらに、放射能可視化カメラ装置10は、筐体11の側面に、測定結果を表示するための液晶表示器15を折畳み自在及び/又は回動自在に装着している。液晶表示器15は、後述の図9に示すブロック図による処理結果の画像を表示するものである。
必要に応じて、放射能可視化カメラ装置10は、筐体11内にGPS情報検出部(図9に示す71)および距離計(図9に示す72)を収納する。
必要に応じて、放射能可視化カメラ装置10は、筐体11内にGPS情報検出部(図9に示す71)および距離計(図9に示す72)を収納する。
図2はこの発明の一実施例の放射能可視化カメラ装置に含まれるガンマーカメラの原理を示す断面図である。特に、図2(a)は板厚の厚い厚みt3のマルチコリメータ21Aを用いた状態におけるガンマーカメラ20の断面を示し、図2(b)は中程度の厚みt2のマルチコリメータ21Bの断面を示し、図2(c)は薄い厚みt1のマルチコリメータ21Cの断面を示す。
放射能可視化カメラ装置10は、筐体11内に図2に示すガンマーカメラ20を収納して構成される。ガンマーカメラ20は、平板状の遮蔽体からなるマルチコリメータ21A(又は21B,21C)と、複数のシンチレータ23(23a〜23e)と、半導体光検出器(以下、「光検出器」と略称することもある)24と、ダイナミックレンジ拡大手段とから構成される。
放射能可視化カメラ装置10は、筐体11内に図2に示すガンマーカメラ20を収納して構成される。ガンマーカメラ20は、平板状の遮蔽体からなるマルチコリメータ21A(又は21B,21C)と、複数のシンチレータ23(23a〜23e)と、半導体光検出器(以下、「光検出器」と略称することもある)24と、ダイナミックレンジ拡大手段とから構成される。
マルチコリメータ21Aは、平板状の形状に選ばれた鉛板等の遮蔽体からなり、放射線源から到来する放射線の入射方向を制限し又は特定するために、遮蔽体に複数の筒状の透孔(又は開口部)を形成することによって、縦横に複数のコリメータ22をマトリクス状に配置して構成される。但し、図示では断面図(横一列に配列した図)で示しているので、複数のコリメータ22を位置によって区別する場合に、符号22a〜22e(数字22の後に英小文字a〜e)を付して示す。なお、各コリメータの位置を区別しないで複数のコリメータを総称する場合は符号22で表すものとする。
具体的には、マルチコリメータ21Aは、平板状部(図示の上面)の形状が平面から見て例えば略正方形の遮蔽体であって、厚みがt3に選ばれる。また、マルチコリメータ21Aは、放射線源(RS)から飛来する放射線の入射方向を制限するために、遮蔽体に複数のコリメータ22(22a〜22e)を放射状に形成し配置している。すなわち、複数のコリメータ22a〜22eは、遮蔽体の一方主面(背面又は表面)において所定間隔を空けて、かつ遮蔽体の背面(図2では下側の裏面)より離れた中心点Pから放射線の飛来する測定面(図2の上側の面であり、図1の蓋部材12の表面)に向けて放射する方向(図2(a)の一点鎖線で示す方向)に複数の筒状の透孔を形成することによって、所定間隔で配置される。ここで、所定間隔とは、所定の角度間隔と、所定の距離間隔の何れも含む意味である。
換言すると、マルチコリメータ21Aは、遮蔽体の一方主面(例えば背面)の縦横に所定の角度間隔及び/又は距離間隔を空けて、しかも中心点Pから測定面に向けて放射する方向に向けて、複数のコリメータ22(22a〜22e)を形成している。これらの複数のコリメータ22a〜22eの開口径は、この実施例では配置位置に係わらず、一定の開口径d(例えば1〜10mmφの何れか)に選ばれる。
換言すると、マルチコリメータ21Aは、遮蔽体の一方主面(例えば背面)の縦横に所定の角度間隔及び/又は距離間隔を空けて、しかも中心点Pから測定面に向けて放射する方向に向けて、複数のコリメータ22(22a〜22e)を形成している。これらの複数のコリメータ22a〜22eの開口径は、この実施例では配置位置に係わらず、一定の開口径d(例えば1〜10mmφの何れか)に選ばれる。
図2の例では、マルチコリメータ21Aの全体の開口角を60度とし、平板状の遮蔽体の一辺の方向に沿って5個の透孔を形成することによって、中央のコリメータ22cを中心として左右に一定角度φ(15度)ずつ傾斜させて、コリメータ22b,22dとコリメータ22a,22eの5個を形成した例を示す。
なお、図2では、断面図で示しているので、横方向に5個のコリメータ22a〜22eを形成した場合を示すが、実際には奥行(上面から見て縦)方向にも5個ずつ形成されるので、縦横に5×5個(合計25個)形成されることになる。
換言すれば、図2に示すように、縦横に5×5個ずつ配置する場合において、マルチコリメータ21Aの全体の開口角を60度とすれば、コリメータ22a〜22eのうちの隣接するコリメータ(22aと22b間,22bと22c間,22cと22d間,22dと22e間)の角度φが一定角度の15度に選ばれる。
なお、図2では、断面図で示しているので、横方向に5個のコリメータ22a〜22eを形成した場合を示すが、実際には奥行(上面から見て縦)方向にも5個ずつ形成されるので、縦横に5×5個(合計25個)形成されることになる。
換言すれば、図2に示すように、縦横に5×5個ずつ配置する場合において、マルチコリメータ21Aの全体の開口角を60度とすれば、コリメータ22a〜22eのうちの隣接するコリメータ(22aと22b間,22bと22c間,22cと22d間,22dと22e間)の角度φが一定角度の15度に選ばれる。
また、マルチコリメータ(21A,21B,21C)の遮蔽体の板厚は、周囲からのバックグラウンドとして飛来する放射線量(又は空間線量率)を一定レベルに低減させることのできる厚みとなるように、使用する地域又は環境に応じて、適度の厚みに選ばれる。
そして、図2の実施例では、本願発明の放射能可視化カメラ装置10の使用環境に応じて適当なダイナミックレンジを選択可能なように、図2(a)に示すマルチコリメータ21Aだけでなく、遮蔽体の板厚の厚みの異なる複数種類(例えばt1〜t3の3種類)のマルチコリメータ21B(図2(b)参照)と、マルチコリメータ21C(図2(c)参照)を準備する。ここで、3種類のマルチコリメータ21A,21B,21Cの厚みの関係は、マルチコリメータ21Aが一番厚いt3,マルチコリメータ21Bが中程度の厚みt2、マルチコリメータ21Cが一番薄い厚みt1であり、t1<t2<t3に選ばれる。
そして、図2の実施例では、本願発明の放射能可視化カメラ装置10の使用環境に応じて適当なダイナミックレンジを選択可能なように、図2(a)に示すマルチコリメータ21Aだけでなく、遮蔽体の板厚の厚みの異なる複数種類(例えばt1〜t3の3種類)のマルチコリメータ21B(図2(b)参照)と、マルチコリメータ21C(図2(c)参照)を準備する。ここで、3種類のマルチコリメータ21A,21B,21Cの厚みの関係は、マルチコリメータ21Aが一番厚いt3,マルチコリメータ21Bが中程度の厚みt2、マルチコリメータ21Cが一番薄い厚みt1であり、t1<t2<t3に選ばれる。
ここで、マルチコリメータを透過する放射線量は、遮蔽体である鉛板の厚さとエネルギーに関係することが知られている。例えば、出願人が関心を持つガンマーカメラでは、関心のあるエネルギーがCs137から放出される約600keVであり、遮蔽体として厚さ5cmの鉛板を用いると、透過率が約6%(6/100)である。厚さを2倍の10cmにすると、0.36%(36/1000)となり、殆どのγ線を遮蔽できる。
実際には、マルチコリメータ21A,21B,21Cの重量(及び/又は価格)と遮蔽効果とのバランスを考慮して、マルチコリメータ21A,21B,21Cの厚みt1〜t3は10mm〜25mmの何れか3段階(例えば、t1=15mm,t2=20mm,t3=25mm等)に選んでいる。
実際には、マルチコリメータ21A,21B,21Cの重量(及び/又は価格)と遮蔽効果とのバランスを考慮して、マルチコリメータ21A,21B,21Cの厚みt1〜t3は10mm〜25mmの何れか3段階(例えば、t1=15mm,t2=20mm,t3=25mm等)に選んでいる。
すなわち、図2(a)(b)(c)の実施例では、ダイナミックレンジ拡大手段が、遮蔽体の板厚の厚みの異なる複数種類(例えば3種類)のマルチコリメータ21A,21B,21Cを準備し、そのうちの使用環境に応じて適切な厚みの何れか1つのマルチコリメータを選択して装着することによって、放射能可視化カメラ装置10を構成するものである。
そして、一番厚い厚みt3のマルチコリメータ21Aはホットスポットの放射線量が比較的多い測定地域で使用され、一番薄い厚みt1のマルチコリメータ21Cはホットスポットの放射線量が比較的少ない測定地域で使用される。マルチコリメータ21Bはホットスポットの放射線量が中程度の測定地域で使用される。
そして、一番厚い厚みt3のマルチコリメータ21Aはホットスポットの放射線量が比較的多い測定地域で使用され、一番薄い厚みt1のマルチコリメータ21Cはホットスポットの放射線量が比較的少ない測定地域で使用される。マルチコリメータ21Bはホットスポットの放射線量が中程度の測定地域で使用される。
マルチコリメータ21A,21B,21Cは厚みが異なる(t3>t2>t1)だけで、複数のコリメータ22(22a〜22e)を形成する場合の所定間隔(所定の角度間隔φ又は距離間隔L)はマルチコリメータ21B,21Cのコリメータ22とマルチコリメータ21Aのコリメータ22とが同じ条件に選ばれる。その場合、複数のコリメータ22(22a〜22e)を形成する所定間隔は、所定の角度間隔φの場合であれば遮蔽体の厚みt1〜t3が異なっても同じ距離間隔で複数のコリメータ22を配置できる。
しかし、所定の距離間隔Lについては、遮蔽体の厚みt1〜t3が異なれば遮蔽体の測定面(表面)の距離間隔が相違するので、遮蔽体の背面側で所定間隔に選べば良い。換言すれば、マルチコリメータ21B,21Cは、マルチコリメータ21Aの背面からの厚みがt2,t1となるように、複数のコリメータ22(22a〜22c)を形成する必要がある。
しかし、所定の距離間隔Lについては、遮蔽体の厚みt1〜t3が異なれば遮蔽体の測定面(表面)の距離間隔が相違するので、遮蔽体の背面側で所定間隔に選べば良い。換言すれば、マルチコリメータ21B,21Cは、マルチコリメータ21Aの背面からの厚みがt2,t1となるように、複数のコリメータ22(22a〜22c)を形成する必要がある。
マルチコリメータ21A(又は21B,21C)の背面(図2(a)の下面)には、各コリメータ22(22a〜22eと、図示していない奥行方向のものも含む。以下同じ。)に対応して、シンチレータ23(23a〜23eと、図示していない奥行方向のものも含む。以下同じ。)が配置される。シンチレータ23は、対応するコリメータ22によって特定された方向から入射する放射線量に比例した光量の光を発生するものであってその種類を問わないが、例えばCslの結晶、すなわちタリウム活性化ヨウ化セシウム単結晶シンチレータ等が用いられる。
シンチレータ23の背面(下面)には、光検出器24が配置される。光検出器24は、基板240の上に、シンチレータ23に対応して光検出素子(又は半導体光検出素子)24a〜24eを実装したものである。図示を省略している、奥行き方向のシンチレータ23に対応する光検出素子も実装される。この光検出素子24a〜24eは、例えばMPPC(マルチ・ピクセル・フォトン・カウンタ)が用いられる。
なお、単一の光検出素子を基板上に格子状に配置して使用するのに代えて、1枚の大きな半導体ウエハに光検出素子を格子状に配置した半導体光検出器を用いてもよい。
なお、単一の光検出素子を基板上に格子状に配置して使用するのに代えて、1枚の大きな半導体ウエハに光検出素子を格子状に配置した半導体光検出器を用いてもよい。
上述のように、この実施例の放射能可視化カメラ装置10のガンマーカメラ20は、
マルチコリメータ21A(又は21B若しくは21C)の背面の中心点Pから遮蔽体の縦横(図示では奥行と横)に所定の角度間隔(例えば15度のような等間隔でも良いが、目的に応じて計算された個々の間隔でもよい)で放射する方向に、光検出器24に含まれる光検出素子(図2(a)の例では24a〜24e)とシンチレータ23(図2(a)の例では23a〜23e)とコリメータ22(図2(a)の例では22a〜22e)を直線状に配置して構成され、実際には奥行方向にもこれらの各部品又は部材が配置されて構成されることになる。
マルチコリメータ21A(又は21B若しくは21C)の背面の中心点Pから遮蔽体の縦横(図示では奥行と横)に所定の角度間隔(例えば15度のような等間隔でも良いが、目的に応じて計算された個々の間隔でもよい)で放射する方向に、光検出器24に含まれる光検出素子(図2(a)の例では24a〜24e)とシンチレータ23(図2(a)の例では23a〜23e)とコリメータ22(図2(a)の例では22a〜22e)を直線状に配置して構成され、実際には奥行方向にもこれらの各部品又は部材が配置されて構成されることになる。
図3はこの発明の一実施例の放射能可視化カメラ装置の断面図である。この実施例の放射能可視化カメラ装置10は、図1に示す筐体11の内部に、図2(a)〜図2(c)に示すガンマーカメラ20を収納して構成される。
次に、図2及び図3を参照して、放射能可視化カメラ装置10の具体的な構成と取付構造を説明する。
次に、図2及び図3を参照して、放射能可視化カメラ装置10の具体的な構成と取付構造を説明する。
筐体11内の底面の所定の取付位置に、取付具271,272,273,274が溶接等で固定的に装着される。取付具271,272には、例えば雌ネジ(又はネジ孔)等が形成さていて、光検出器24がネジ等で固定的に取り付けられる。取付具273,274には、複数のシンチレータ23を所定の配置関係で保持しているシンチレータ保持部材26がネジ等で固定的に取り付けられる。ここで、シンチレータ保持部材26は、厚い板状の樹脂材料からなり、複数のシンチレータ23を所定の位置及び角度で保持するように孔開けされていて、当該孔に対応するシンチレータ23を差し込んで接着剤を充填することにより、複数のシンチレータ23を固定的に保持している。
そして、シンチレータ保持具26は、角又は外側辺(図示の左右端)の近傍に貫通孔を形成しておき、上部からネジ等で取付具273,274にネジ止め等がされる。
なお、取付具271,272に対する光検出器24の取付や、取付具273,274に対するシンチレータ保持部材26の取付けは、ネジ止めに限らず、接着剤で接着する方法でもよい。
そして、シンチレータ保持具26は、角又は外側辺(図示の左右端)の近傍に貫通孔を形成しておき、上部からネジ等で取付具273,274にネジ止め等がされる。
なお、取付具271,272に対する光検出器24の取付や、取付具273,274に対するシンチレータ保持部材26の取付けは、ネジ止めに限らず、接着剤で接着する方法でもよい。
筐体11の内部側壁には、マルチコリメータ21A,21Bまたは21Cを支持するための支持部材281,282が溶接等によって装着される。支持部材281,282の上片には、雌ネジが形成される。マルチコリメータ21A,21Bまたは21Cには、支持部材281,282の上片の雌ネジの形成位置に対応して、ネジを挿入するための貫通孔が形成される。
そして、この放射能可視化カメラ装置10の使用に際しては、使用環境における空間線量率及び/又はホットスポットの放射線量等を考慮して、マルチコリメータ21A,21Bまたは21Cのうちの適当な厚さの1つを選択して、筐体11の上部から挿入した後、当該マルチコリメータがネジ止めされる。
そして、この放射能可視化カメラ装置10の使用に際しては、使用環境における空間線量率及び/又はホットスポットの放射線量等を考慮して、マルチコリメータ21A,21Bまたは21Cのうちの適当な厚さの1つを選択して、筐体11の上部から挿入した後、当該マルチコリメータがネジ止めされる。
その後、放射線を透過する材料(アルミニウムや鉄板等)からなる蓋部材12が筐体11の上部から被せられて、当該蓋部材12が筐体11の側面にネジ止め等がされる。この蓋部材12には、開口部14の内側に撮影カメラ(例えば、CCDセンサとレンズ等からなるカメラ)25が予め装着されている。ここで、検出対象となる放射線は、鉛等の材料からなる遮蔽体を通し難いが、CCDや蓋部材12のような鉛以外の物質を通す性質を有するため、ガンマーカメラ20(又はマルチコリメータ21A)の前面に撮影カメラ24を配置したり、蓋部材12で開口部14を蓋しても、飛来する放射線のエネルギー及び強度を検出する上で何ら支障がない。
上述のように、平板状の遮蔽体に複数のコリメータ22を形成することによってマルチコリメータ21A〜21Cを構成すれば、筒状の透孔の孔開け位置の計算や角度の決定が容易となり、設計や製造が容易となり、特許文献5の球殻状のマルチコリメータを用いてダイナミックレンジを拡大するために厚みの異なるマルチコリメータを同じ数だけ製造する場合に比べて1/5程度安価に製造できる利点がある。しかも、マルチコリメータの重量を球殻状のものに比べて大幅に軽減できる利点もある。マルチコリメータの軽量化は、放射能可視化カメラ装置10をドローン等に搭載して使用する場合に非常に有利となる。
表1は、実施例1の放射能可視化カメラ装置10において、マルチコリメータ21A,21B,21Cの厚さ別に、開口径を10mmφにした場合と3.3mmφにした場合の計測可能な範囲の計測値に基づく計算結果である。
次に、図1〜図3の実施例のように放射能可視化カメラ装置10を構成することによって、ダイナミックレンジを5〜6桁に拡大できる理由を説明する。
発明者らが用いているガンマーカメラ(開口径10mmφ,厚さ20mm)では、放射線源から1mの位置において1μSv/h相当の信号を受けるとき、得られるガンマー線の量は約4cpsである。このときのバックグランドの計測値は約1cpsである。4cpsの強度で1μSv/h相当の線源と認識する。数え落とし補正の要らない強度の最大値は、4×103cpsであることより、最大計数値は1000μ(すなわち1m)Sv/hとなる。最小計数は計測時間によるが、10秒の計測の場合に約1μSv/hとなることより、結果として測定可能範囲は1μSv/h〜1mSv/hとなる。
実計測のデータからマルチコリメータの厚さを変えた場合の測定可能範囲を表1に示す。マルチコリメータの厚さtを小さく(t1)すると、低線量領域の測定には有利であるが、信号量が少ないことより、精度は低下する。これに対してマルチコリメータの厚さを厚く(t3)すると、吸収成分が増大し、見かけ上の測定可能範囲は高線量側に移動する。
しかし、これでは6桁のダイナミックレンジを確保できない。そこで、後述の図6を参照して説明する開口径を異ならせたマルチコリメータと、図2及び図3の実施例を組み合わせた実施例3において詳述するように、コリメータの開口径を小さくすることにより、ダイナミックレンジを1桁拡大できる。ここではコリメータの開口径を10mmφから3.3mmφに変更(開口径の面積を1/10に変更)することにより、ダイナミックレンジを1桁拡大して、結果として6桁のダイナミックレンジを達成することができる。なお、コリメータの開口径を小さくすることは、大線量には有効であるが、低線量では無意味である。
発明者らが用いているガンマーカメラ(開口径10mmφ,厚さ20mm)では、放射線源から1mの位置において1μSv/h相当の信号を受けるとき、得られるガンマー線の量は約4cpsである。このときのバックグランドの計測値は約1cpsである。4cpsの強度で1μSv/h相当の線源と認識する。数え落とし補正の要らない強度の最大値は、4×103cpsであることより、最大計数値は1000μ(すなわち1m)Sv/hとなる。最小計数は計測時間によるが、10秒の計測の場合に約1μSv/hとなることより、結果として測定可能範囲は1μSv/h〜1mSv/hとなる。
実計測のデータからマルチコリメータの厚さを変えた場合の測定可能範囲を表1に示す。マルチコリメータの厚さtを小さく(t1)すると、低線量領域の測定には有利であるが、信号量が少ないことより、精度は低下する。これに対してマルチコリメータの厚さを厚く(t3)すると、吸収成分が増大し、見かけ上の測定可能範囲は高線量側に移動する。
しかし、これでは6桁のダイナミックレンジを確保できない。そこで、後述の図6を参照して説明する開口径を異ならせたマルチコリメータと、図2及び図3の実施例を組み合わせた実施例3において詳述するように、コリメータの開口径を小さくすることにより、ダイナミックレンジを1桁拡大できる。ここではコリメータの開口径を10mmφから3.3mmφに変更(開口径の面積を1/10に変更)することにより、ダイナミックレンジを1桁拡大して、結果として6桁のダイナミックレンジを達成することができる。なお、コリメータの開口径を小さくすることは、大線量には有効であるが、低線量では無意味である。
なお、図2の原理図では、平板状の遮蔽体に縦横に5×5個の合計25個のコリメータ22を形成した場合を示すが、これに限定されるものではなく、種々の変形例が考えられる。
例えば、コリメータ22の数は、1回に測定可能な角度範囲(結果的には面積)が狭くても良い場合であれば4×4個(=16個)形成してもよく、これより広い角度範囲を検出したい場合は6×6個(=36個)又は6×5個(=30個)若しくはそれ以上の数だけ形成してもよい。要するに、1回の測定範囲との関係で適当な数に選ばれ、縦横に配置するコリメータ22の数と開口径dによって、一定角度φが決まることになる。
但し、コリメータの形成に際しては、放射方向の中心点Pから測定面に向けて放射する方向に傾斜しているので、隣接するコリメータ同士(例えば22aと22b、22dと22e)が重ならないように配置し形成する必要がある
また、複数のコリメータ22となる透孔は、円筒状に形成する場合であれば、ドリルで孔開けすれば良いので、製造が容易となる。しかし、コリメータ22の透孔を四角柱や他の形状に形成する等、各種変形した形状でもよいことは勿論である。
例えば、コリメータ22の数は、1回に測定可能な角度範囲(結果的には面積)が狭くても良い場合であれば4×4個(=16個)形成してもよく、これより広い角度範囲を検出したい場合は6×6個(=36個)又は6×5個(=30個)若しくはそれ以上の数だけ形成してもよい。要するに、1回の測定範囲との関係で適当な数に選ばれ、縦横に配置するコリメータ22の数と開口径dによって、一定角度φが決まることになる。
但し、コリメータの形成に際しては、放射方向の中心点Pから測定面に向けて放射する方向に傾斜しているので、隣接するコリメータ同士(例えば22aと22b、22dと22e)が重ならないように配置し形成する必要がある
また、複数のコリメータ22となる透孔は、円筒状に形成する場合であれば、ドリルで孔開けすれば良いので、製造が容易となる。しかし、コリメータ22の透孔を四角柱や他の形状に形成する等、各種変形した形状でもよいことは勿論である。
(実施例2)
図4はこの発明の他の実施例の放射能可視化カメラ装置に含まれるガンマーカメラ30の原理を示す断面図である。
この実施例のガンマーカメラ30は、シンチレータ23及び光検出器24が図2(a)と同様に構成されるが、遮蔽体の厚みの厚い図2(a)のマルチコリメータ21Aに代えて、厚みの薄いマルチコリメータ31を用いるとともに、マルチコリメータ31とシンチレータ23の間に遮蔽板33を挿入可能な空間部17を形成し、空間部17に厚みの薄い(厚みt0の)遮蔽板33を着脱(又は挿脱)できるように構成したものである。すなわち、この実施例では、ダイナミックレンジ拡大手段が、厚みの薄い遮蔽板33と、空間部17とを含み、遮蔽板33が空間部17に着脱(又は挿脱)自在となるように構成したものである。
図4はこの発明の他の実施例の放射能可視化カメラ装置に含まれるガンマーカメラ30の原理を示す断面図である。
この実施例のガンマーカメラ30は、シンチレータ23及び光検出器24が図2(a)と同様に構成されるが、遮蔽体の厚みの厚い図2(a)のマルチコリメータ21Aに代えて、厚みの薄いマルチコリメータ31を用いるとともに、マルチコリメータ31とシンチレータ23の間に遮蔽板33を挿入可能な空間部17を形成し、空間部17に厚みの薄い(厚みt0の)遮蔽板33を着脱(又は挿脱)できるように構成したものである。すなわち、この実施例では、ダイナミックレンジ拡大手段が、厚みの薄い遮蔽板33と、空間部17とを含み、遮蔽板33が空間部17に着脱(又は挿脱)自在となるように構成したものである。
より具体的には、マルチコリメータ31は、板厚が中程度のt2又はそれよりも薄いt1の遮蔽体からなり、複数のコリメータ32(図示では断面図なので、32a〜32eのみを示す)が形成される。複数のコリメータ32(32a〜32e)は、遮蔽体の一方主面(例えば背面)において所定間隔(角度間隔又は距離間隔)を空けて、かつ遮蔽体の背面(図4では下側の裏面)より離れた中心点Pから放射線の飛来する測定面(図4の上側の面)に向けて放射する方向(図4の一点鎖線で示す方向)に複数の筒状の透孔を形成したものである。それによって、複数のコリメータ32(32a〜32e)が所定間隔で配置される。
但し、シンチレータ23と光検出器24が図2(a)と同様の形状および位置に配置されるが、マルチコリメータ31とシンチレータ23の間に遮蔽板33を着脱自在(又は挿入・取出し可能)なように空間部17を設ける必要がある。そのため、複数のコリメータ32の形成位置が図2(b)(c)のマルチコリメータ21B,21Cと比べて次のように異なる。すなわち、遮蔽体の厚みが同じで、図2(a)に示すマルチコリメータ21Aの測定面(表面)から厚みt2又は厚みt1の位置でその下方部分を切り取った、残りの上部部分と同様の形状及びコリメータ22の配置位置になる。
但し、シンチレータ23と光検出器24が図2(a)と同様の形状および位置に配置されるが、マルチコリメータ31とシンチレータ23の間に遮蔽板33を着脱自在(又は挿入・取出し可能)なように空間部17を設ける必要がある。そのため、複数のコリメータ32の形成位置が図2(b)(c)のマルチコリメータ21B,21Cと比べて次のように異なる。すなわち、遮蔽体の厚みが同じで、図2(a)に示すマルチコリメータ21Aの測定面(表面)から厚みt2又は厚みt1の位置でその下方部分を切り取った、残りの上部部分と同様の形状及びコリメータ22の配置位置になる。
図5はこの発明の他の実施例の放射能可視化カメラ装置の断面図である。この実施例の放射能可視化カメラ装置10Aは、図1に示す筐体11内に、図4のガンマーカメラ30を収納して構成される。
具体的には、筐体11の内側壁面には、シンチレータ23の上端部よりも若干上部位置に、遮蔽板33を収納して支持するための支持部材283,284が取付けられる。支持部材283,284よりも上部であって、遮蔽板33の厚みt0より若干上部の位置の筐体11の内側壁面には、ガンマーカメラ30を支持するための支持部材281,282が取付けられる。この支持部材281,282と支持部材283,284とによって囲まれる空間が空間部17となる。
また、空間部17の位置する筐体11の側壁には、遮蔽板33の側面形状よりも若干大きな形状の開口部16(図1(b)参照)が形成される(図5では手前側の面に形成される)。そして、遮蔽板33が開口部16を通して空間部17に挿入される。
その他の部分の構成は、図3の実施例と同様に構成されるので、同一部分は同一符号で示し、説明を省略する。
具体的には、筐体11の内側壁面には、シンチレータ23の上端部よりも若干上部位置に、遮蔽板33を収納して支持するための支持部材283,284が取付けられる。支持部材283,284よりも上部であって、遮蔽板33の厚みt0より若干上部の位置の筐体11の内側壁面には、ガンマーカメラ30を支持するための支持部材281,282が取付けられる。この支持部材281,282と支持部材283,284とによって囲まれる空間が空間部17となる。
また、空間部17の位置する筐体11の側壁には、遮蔽板33の側面形状よりも若干大きな形状の開口部16(図1(b)参照)が形成される(図5では手前側の面に形成される)。そして、遮蔽板33が開口部16を通して空間部17に挿入される。
その他の部分の構成は、図3の実施例と同様に構成されるので、同一部分は同一符号で示し、説明を省略する。
次に、図4及び図5を参照して、放射能可視化カメラ装置10Aを用いて放射能を検出し測定する場合を説明する。
空間放射線量やホットスポットの放射線量が比較的小さな測定地域の場合は、遮蔽板33を空間部17に挿入しない状態で使用する。この場合、空間部17には遮蔽板33を装着していないので、各コリメータ32の向いている方向から飛来する放射線がマルチコリメータ31の複数のコリメータ32によって収束されて、減衰されることなくそのまま通過してシンチレータ23へ導かれ、光検出器24の対応する光検出素子によって検出される。このようにしてホットスポットからの放射能が検出される。
また、各コリメータ32の向いている方向以外の方向から飛来する空間放射能は、マルチコリメータ31の遮蔽体部分によって減衰されて、シンチレータ23を介して光検出器24の各光検出素子によって検出される。この場合の空間放射能は、放射線強度が低く、バックグラウンドとして検出されることになる。
空間放射線量やホットスポットの放射線量が比較的小さな測定地域の場合は、遮蔽板33を空間部17に挿入しない状態で使用する。この場合、空間部17には遮蔽板33を装着していないので、各コリメータ32の向いている方向から飛来する放射線がマルチコリメータ31の複数のコリメータ32によって収束されて、減衰されることなくそのまま通過してシンチレータ23へ導かれ、光検出器24の対応する光検出素子によって検出される。このようにしてホットスポットからの放射能が検出される。
また、各コリメータ32の向いている方向以外の方向から飛来する空間放射能は、マルチコリメータ31の遮蔽体部分によって減衰されて、シンチレータ23を介して光検出器24の各光検出素子によって検出される。この場合の空間放射能は、放射線強度が低く、バックグラウンドとして検出されることになる。
一方、空間放射線量やホットスポットの放射線量が比較的大きな測定地域の場合は、遮蔽板33を空間部17に挿入して使用する。この場合、遮蔽板33が空間部17に装着された状態なので、蓋部材12の向いている測定面に飛来する放射線はマルチコリメータ31と遮蔽板33の両方で遮蔽されることになる。
すなわち、ガンマーカメラ30は、マルチコリメータ31と遮蔽板33の二層で放射線を遮蔽する構造となる。そのため、各コリメータ32の向いている方向から飛来する放射線は、遮蔽板33だけで遮蔽されて減衰される。また、各コリメータ32の向いている方向以外の方向から飛来する放射線は、マルチコリメータ31と遮蔽板33の両方で遮蔽されて減衰される。
すなわち、ガンマーカメラ30は、マルチコリメータ31と遮蔽板33の二層で放射線を遮蔽する構造となる。そのため、各コリメータ32の向いている方向から飛来する放射線は、遮蔽板33だけで遮蔽されて減衰される。また、各コリメータ32の向いている方向以外の方向から飛来する放射線は、マルチコリメータ31と遮蔽板33の両方で遮蔽されて減衰される。
従って、遮蔽板33を装着したとき、各コリメータ32(32a〜32e)の向いている方向(図4の一点鎖線で示す方向)から飛来する放射線は、コリメータ32によって減衰されることなくそのまま進むが、遮蔽板33の厚みt0に相関して減衰されるので、ダイナミックレンジを大きく拡大した状態で放射能を検出することになる。このときに検出される放射線量は、図2(a)のマルチコリメータ21Aを用いたガンマーカメラ20に比べて、コリメータ32の開口径が同じであっても、遮蔽板33によって減衰される放射線量が大きいので、光検出器24の光検出素子に与えるダメージを大幅に軽減できる。
図4及び図5の実施例によれば、図2及び図3の実施例に比べて次の利点がある。すなわち、1つのマルチコリメータ31と1枚の遮蔽板33だけで良いので、複数のマルチコリメータ21A,21B,21Cを作る必要がなく、マルチコリメータの数が少なくて済み、一層安価に製造できる。例えば、球殻状のマルチコリメータを複数個用いてダイナミックレンジを拡大する場合に比べて1/5以下で製造できる。
また、遮蔽板33を着脱するだけでダイナミックレンジを拡大できるので、複数のマルチコリメータを交換し装着する必要が無く、現場での交換作業が容易となり、放射能検査の作業効率を一層向上できる。
さらに、極めて強いホットスポットのある地点で測定する場合でも、コリメータを通過した強い放射線量が遮蔽板33によって遮蔽されて減衰されるので、光検出器24に含まれる半導体の光検出素子が強い放射線で破壊されることを防止できる。
また、遮蔽板33を着脱するだけでダイナミックレンジを拡大できるので、複数のマルチコリメータを交換し装着する必要が無く、現場での交換作業が容易となり、放射能検査の作業効率を一層向上できる。
さらに、極めて強いホットスポットのある地点で測定する場合でも、コリメータを通過した強い放射線量が遮蔽板33によって遮蔽されて減衰されるので、光検出器24に含まれる半導体の光検出素子が強い放射線で破壊されることを防止できる。
表2は、実施例2の放射能可視化カメラ装置において、マルチコリメータ31として遮蔽体の厚みt2=20mmのものを使用した場合であって、コリメータ32の開口径を10mmφと3.3mmφのそれぞれにつき、遮蔽板33の厚みt0を0mm(遮蔽板無し)のときと、10mm又は15mmにしたときの計測可能な範囲の計測値に基づく計算結果である。
コリメータ32の開口径が10mmφの場合において、遮蔽板33が無(0mm)のときは1μSv/h〜1mSv/hの3桁の範囲で検出できる。これに対して、遮蔽板33をt0=15mmとしたときは、4.5mSv/h〜4.5Sv/hの範囲で検出可能なので、同じ厚み(t2=20mm)のマルチコリメータ31であっても3桁広げることが可能であり、遮蔽板33の厚さを変えることにより、6桁以上にダイナミックレンジを拡大できることを確認できる。
なお、表2の下段に示す実測値は、コリメータ32の開口径を3.3mmφとした場合における、遮蔽板33の厚みt0を0mm(無)、10mm又は15mmにしたときの計算結果である。この場合も同様に、ダイナミックレンジを6桁以上拡大できることを確認できる。これは、3.3mmφの開口径を持つコリメータが大線量の計測に有用であることを示している。
コリメータ32の開口径が10mmφの場合において、遮蔽板33が無(0mm)のときは1μSv/h〜1mSv/hの3桁の範囲で検出できる。これに対して、遮蔽板33をt0=15mmとしたときは、4.5mSv/h〜4.5Sv/hの範囲で検出可能なので、同じ厚み(t2=20mm)のマルチコリメータ31であっても3桁広げることが可能であり、遮蔽板33の厚さを変えることにより、6桁以上にダイナミックレンジを拡大できることを確認できる。
なお、表2の下段に示す実測値は、コリメータ32の開口径を3.3mmφとした場合における、遮蔽板33の厚みt0を0mm(無)、10mm又は15mmにしたときの計算結果である。この場合も同様に、ダイナミックレンジを6桁以上拡大できることを確認できる。これは、3.3mmφの開口径を持つコリメータが大線量の計測に有用であることを示している。
図6はその他の例のマルチコリメータの断面図である。この例のガンマーカメラ40は、厚みtが同一の遮蔽体を用いて、当該遮蔽体に形成する各コリメータの開口径をd1又はd2と異ならせたマルチコリメータ41A(図6(a)参照)とマルチコリメータ41B(図6(b)参照)を準備し、測定地域の放射線量によって使用するマルチコリメータ41A又は41Bを選択して使用するものである。
この実施例のダイナミックレンジ拡大手段は、同じ厚みの遮蔽体に、開口径がd1,d2と異なるマルチコリメータ41A又は41Bを準備し、測定地域のホットスポットの放射線量に応じてマルチコリメータ41A又は41Bのうちの適切なものを選択して使用するようにしたものである。
この実施例のダイナミックレンジ拡大手段は、同じ厚みの遮蔽体に、開口径がd1,d2と異なるマルチコリメータ41A又は41Bを準備し、測定地域のホットスポットの放射線量に応じてマルチコリメータ41A又は41Bのうちの適切なものを選択して使用するようにしたものである。
具体的には、マルチコリメータ41Aは、厚みtの遮蔽体に、開口径d1からなる複数のコリメータ22(22a〜22d;図2の21Aと同様の位置・形状)が所定間隔で形成される。この場合の所定間隔は、開口角60度の範囲で横方向に4個のコリメータ22を形成するので、所定の角度間隔φが20度となる。マルチコリメータ41Bは、厚みtの遮蔽体に、開口径d2からなる複数のコリメータ42(42a〜42d)が所定間隔で形成される。なお、この実施例では、コリメータの数が横方向に4個、奥行方向に4個の合計16個の場合を示すが、その他の個数(5×5個又は6×6個等)でも良い。
ここで、コリメータ42の開口径d2を、コリメータ22の開口径d1の約3倍(面積を10倍)に選べば、ダイナミックレンジを1桁程度拡大することができる。
例えば、上述の図2及び図3に示す実施例1において、マルチコリメータ41A,41Bの厚みtを一定(同じ)にして、コリメータ22の開口径d1=3.3mmφとし、コリメータ42の開口径d2=10mmφと選定することにより、開口径d1をd2の1/3にすると、表1のt2=20mmの欄における開口径10mmφと3.3mmφを比較すれば、1桁拡大していることが分かる。
ここで、コリメータ42の開口径d2を、コリメータ22の開口径d1の約3倍(面積を10倍)に選べば、ダイナミックレンジを1桁程度拡大することができる。
例えば、上述の図2及び図3に示す実施例1において、マルチコリメータ41A,41Bの厚みtを一定(同じ)にして、コリメータ22の開口径d1=3.3mmφとし、コリメータ42の開口径d2=10mmφと選定することにより、開口径d1をd2の1/3にすると、表1のt2=20mmの欄における開口径10mmφと3.3mmφを比較すれば、1桁拡大していることが分かる。
(実施例3)
次に、図2・図3の実施例1に、図6(a)(b)のマルチコリメータの開口径をd1又はd2に切り替える技術を組み合わせて、薄いマルチコリメータ21Cのコリメータ22の開口径を図6(b)のように大きな開口径d2=10mmφに選び、最も厚いマルチコリメータ21Aのコリメータ22の開口径を図6(a)のように小さな開口径d1=3.3mmφに選んだ場合に、ダイナミックレンジを何桁に拡大できるか表1を参照して検討する。換言すれば、厚みの薄いマルチコリメータ21Cは放射線量率が小さな領域で使用するために、大きな開口径d2のコリメータ42を形成し、厚いマルチコリメータ21Aは放射線量率が大きな領域で使用するために、小さな開口径d1のコリメータ22を形成することにより、使用する領域の放射線量率の大小によって開口径を異ならせたものを用いることにする。
マルチコリメータ21Cが厚みt1=15mmでありかつ開口径d2=10mmφの場合は、0.41μSv/h〜100μSv/hの範囲で測定可能である。一方、マルチコリメータ21Aが厚みt3=25mmでありかつ開口径d2=3.3mmφの場合は、1mSv/h〜1Sv/hの範囲で測定可能である。そのため、ダイナミックレンジを6桁に拡大できることが明らかとなる。
次に、図2・図3の実施例1に、図6(a)(b)のマルチコリメータの開口径をd1又はd2に切り替える技術を組み合わせて、薄いマルチコリメータ21Cのコリメータ22の開口径を図6(b)のように大きな開口径d2=10mmφに選び、最も厚いマルチコリメータ21Aのコリメータ22の開口径を図6(a)のように小さな開口径d1=3.3mmφに選んだ場合に、ダイナミックレンジを何桁に拡大できるか表1を参照して検討する。換言すれば、厚みの薄いマルチコリメータ21Cは放射線量率が小さな領域で使用するために、大きな開口径d2のコリメータ42を形成し、厚いマルチコリメータ21Aは放射線量率が大きな領域で使用するために、小さな開口径d1のコリメータ22を形成することにより、使用する領域の放射線量率の大小によって開口径を異ならせたものを用いることにする。
マルチコリメータ21Cが厚みt1=15mmでありかつ開口径d2=10mmφの場合は、0.41μSv/h〜100μSv/hの範囲で測定可能である。一方、マルチコリメータ21Aが厚みt3=25mmでありかつ開口径d2=3.3mmφの場合は、1mSv/h〜1Sv/hの範囲で測定可能である。そのため、ダイナミックレンジを6桁に拡大できることが明らかとなる。
(実施例4)
次に、図4・図5の実施例2に、図6のマルチコリメータの開口径を異ならせる技術を組み合わせて、コリメータ32の開口径をd1=3.3mmφとd2=10mmφの2種類のマルチコリメータ31を準備し、それに遮蔽板33の厚みt0が0mm(無)と10mmと15mmの3段階に切り替えた場合に、ダイナミックレンジを何桁に拡大できるかについて、表2を参照して検討する。
図4及び図5のマルチコリメータ31に代えて、図6(b)に示す開口径がd2=10mmφの41Bを用いて、遮蔽板33の厚みt0=0mm(無)としたときは、実測値が最小値の1μSv/h〜1mSv/hの範囲で測定可能となる。一方、マルチコリメータ31に代えて、図6(a)に示す開口径がd1=3.3mmφの41Aを用いて、遮蔽板33の厚みt0=15mmとしたときは、実測値が最大値の45mSv/h〜45Sv/hの範囲で測定可能となる。そのため、この場合の測定可能な範囲は、最小値の1μSv/h〜最大値の45Sv/hとなるので、ダイナミックレンジが7桁となり、測定範囲を一層拡大できることが明らかとなる。
次に、図4・図5の実施例2に、図6のマルチコリメータの開口径を異ならせる技術を組み合わせて、コリメータ32の開口径をd1=3.3mmφとd2=10mmφの2種類のマルチコリメータ31を準備し、それに遮蔽板33の厚みt0が0mm(無)と10mmと15mmの3段階に切り替えた場合に、ダイナミックレンジを何桁に拡大できるかについて、表2を参照して検討する。
図4及び図5のマルチコリメータ31に代えて、図6(b)に示す開口径がd2=10mmφの41Bを用いて、遮蔽板33の厚みt0=0mm(無)としたときは、実測値が最小値の1μSv/h〜1mSv/hの範囲で測定可能となる。一方、マルチコリメータ31に代えて、図6(a)に示す開口径がd1=3.3mmφの41Aを用いて、遮蔽板33の厚みt0=15mmとしたときは、実測値が最大値の45mSv/h〜45Sv/hの範囲で測定可能となる。そのため、この場合の測定可能な範囲は、最小値の1μSv/h〜最大値の45Sv/hとなるので、ダイナミックレンジが7桁となり、測定範囲を一層拡大できることが明らかとなる。
ところで、上述の実施例1及び実施例2のように、コリメータの開口径を放射方向の角度に係わらず一定値とした場合(特許文献5も同様)は、検出感度の悪くなることが予想される。なぜならば、放射線量が距離の二乗に比例して減衰するため、マルチコリメータのうちの中心部分のコリメータと外側周辺のコリメータのそれぞれの測定地点までの距離が若干相違し、検出感度のばらつきが大きくなる。それを防止するためには、プログラム処理で補正する必要があった。プログラムによる補正は、プログラム開発の時間と費用を要し、検出後の処理に時間がかかる。
そこで、コリメータの開口径を放射方向の角度に係わらず一定値とした場合の検出感度のばらつきを解消するために、図7の実施例4のように開口径の選定に工夫することが考えられる。
そこで、コリメータの開口径を放射方向の角度に係わらず一定値とした場合の検出感度のばらつきを解消するために、図7の実施例4のように開口径の選定に工夫することが考えられる。
(実施例5)
図7はこの発明のその他の実施例の放射能可視化カメラ装置に含まれるマルチコリメータ51の断面図である。
この実施例の放射能可視化カメラ装置は、ガンマーカメラ50として、マルチコリメータ51を用いる。マルチコリメータ51は、中心部の(又は中心部に最も近い)コリメータ52cの透孔の開口径d1が最も小さく選ばれ、それに隣接するコリメータ52b,52dの開口径d2がやや大きく選ばれ(d2>d1)、外側のコリメータ52a,52eの開口径d3がさらに大きく(d3>d2)選ばれる。これによって、コリメータ52の開口径が、中心部から外側に向けて段階的に大きな開口径となるように、d1<d2<d3に選ばれる。
例えば、コリメータ52cの開口径d1を10mmφとしたとき、コリメータ52b,52dの開口径d2を1.1倍の11mmφ、コリメータ52a,52eの開口径d3を1.2倍の12mmφとする。
図7はこの発明のその他の実施例の放射能可視化カメラ装置に含まれるマルチコリメータ51の断面図である。
この実施例の放射能可視化カメラ装置は、ガンマーカメラ50として、マルチコリメータ51を用いる。マルチコリメータ51は、中心部の(又は中心部に最も近い)コリメータ52cの透孔の開口径d1が最も小さく選ばれ、それに隣接するコリメータ52b,52dの開口径d2がやや大きく選ばれ(d2>d1)、外側のコリメータ52a,52eの開口径d3がさらに大きく(d3>d2)選ばれる。これによって、コリメータ52の開口径が、中心部から外側に向けて段階的に大きな開口径となるように、d1<d2<d3に選ばれる。
例えば、コリメータ52cの開口径d1を10mmφとしたとき、コリメータ52b,52dの開口径d2を1.1倍の11mmφ、コリメータ52a,52eの開口径d3を1.2倍の12mmφとする。
この実施例のように、コリメータ52の開口径の大きさを、中心部のコリメータよりも外側のものを大きく選定した理由は、放射線量が距離の二乗に比例して減衰するため、外側のコリメータ52a,52eの検出できる放射線量の減衰を抑えて検出感度のばらつきを補正するためである。
この実施例のように、コリメータの開口径を、中心部から外側に向けて段階的に大きな開口径となるようにd1<d2<d3と変化させる技術は、図2及び図3の実施例1や、図4及び図5の実施例2のコリメータに適用してもよい。
(実施例6)
図8はこの発明のその他の実施例の放射能可視化カメラ装置に含まれるマルチコリメータ群60の断面図である。
この実施例の放射能可視化カメラ装置は、1枚の横長の平板状の遮蔽体に、厚みの異なる複数のマルチコリメータ61A,61B及び61Cを形成してなるマルチコリメータ群60を用いたものである。
換言すれば、図2(a)に示すマルチコリメータ21Aと21Bと21Cの厚みの異なる3枚の遮蔽体を隣接する1辺で横方向に繋ぎ合わせて1つのマルチコリメータ群60として、1枚の遮蔽体に3つのマルチコリメータ61A,61B及び61Cを連接して一体化したものである。
図8はこの発明のその他の実施例の放射能可視化カメラ装置に含まれるマルチコリメータ群60の断面図である。
この実施例の放射能可視化カメラ装置は、1枚の横長の平板状の遮蔽体に、厚みの異なる複数のマルチコリメータ61A,61B及び61Cを形成してなるマルチコリメータ群60を用いたものである。
換言すれば、図2(a)に示すマルチコリメータ21Aと21Bと21Cの厚みの異なる3枚の遮蔽体を隣接する1辺で横方向に繋ぎ合わせて1つのマルチコリメータ群60として、1枚の遮蔽体に3つのマルチコリメータ61A,61B及び61Cを連接して一体化したものである。
具体的には、この実施例のマルチコリメータ群60は、横幅が図2(a)のマルチコリメータ21Aの3倍で、厚みがt3の1枚の平板状の遮蔽体を準備し、当該遮蔽体を横方向で3等分することにより、平面から見て第1のマルチコリメータ61Aと第2のマルチコリメータ61Bと第3のマルチコリメータ61Cとする。右側の第1のマルチコリメータ61Aはそのままの厚みt3とし、中央の第2のマルチコリメータ61Bは上面を削って厚みt2とし、左側の第3のマルチコリメータ61Cは上面をさらに削って厚みt1とする。これによって、マルチコリメータ群60は、遮蔽体の平板状となる部分が3段の階段状に形成される。
その後、右側の第1のマルチコリメータ61Aには、図2(a)のマルチコリメータ21Aと同様の複数のコリメータ22が形成される。中央の第2のマルチコリメータ61Bには、図2(b)のマルチコリメータ21Bと同様の複数のコリメータ22が形成される。左側の第3のマルチコリメータ61Cには、図2(c)のマルチコリメータ21Cと同様の複数のコリメータ22が形成される。
また、各マルチコリメータ61A,61B,61Cのそれぞれの横方向の両側面の中央部には、シンチレータ23の真上で位置決めして固定するために、雌ネジが形成される。
その後、右側の第1のマルチコリメータ61Aには、図2(a)のマルチコリメータ21Aと同様の複数のコリメータ22が形成される。中央の第2のマルチコリメータ61Bには、図2(b)のマルチコリメータ21Bと同様の複数のコリメータ22が形成される。左側の第3のマルチコリメータ61Cには、図2(c)のマルチコリメータ21Cと同様の複数のコリメータ22が形成される。
また、各マルチコリメータ61A,61B,61Cのそれぞれの横方向の両側面の中央部には、シンチレータ23の真上で位置決めして固定するために、雌ネジが形成される。
この実施例に用いられる筐体には、図3の筐体11に、次のような改良が加えられる。すなわち、筐体11は、マルチコリメータ21Aの右側壁に厚みt3よりも若干大きな開口部を形成するとともに、左側壁に厚みt2よりも若干大きな開口部を形成する。また、支持部281と282が、マルチコリメータ群60を横方向に摺動(又はスライド)自在なレール状に構成される。さらに、筐体11の手前と背面の側壁には、マルチコリメータ群60をスライドさせてマルチコリメータ61A,61B,61Cの何れかをシンチレータ23の真上で位置決めしたときに、マルチコリメータ群60を固定的に保持するために、ネジを通す貫通孔が形成される。
放射能可視化カメラ装置がマルチコリメータ61Aを用いて放射能を測定する場合は、マルチコリメータ群60を左方向へスライドさせて、マルチコリメータ61Aがシンチレータ23の上部となる位置で位置決めして,ネジで筐体11に固定する。このとき、他のマルチコリメータ61Cと61Bは、筐体11の左側壁から外へはみ出した状態となる。マルチコリメータ61Aに含まれる各コリメータ22の向いている方向以外の方向から飛来する空間放射線が最も透過し難い状態となり、透過率を最も小さくできる。
一方、マルチコリメータ61Bを用いて放射能を測定する場合は、マルチコリメータ群60を右方向へスライドさせて、マルチコリメータ61Bがシンチレータ23の上部となる位置で位置決めして,ネジで筐体11に固定する。このとき、他のマルチコリメータ61Cと61Aは、筐体11の左側壁と右側壁からはみ出した状態となる。そして、マルチコリメータ61Bに含まれる各コリメータ22の向いている方向以外の方向から飛来する空間放射線が中程度に透過し難い状態となり、透過率を中程度に制限できる。
マルチコリメータ61Cを用いて放射能を測定するときは、マルチコリメータ群60を右方向へスライドさせて、マルチコリメータ61Cがシンチレータ23の上部となる位置で位置決めして,ネジで筐体11に固定する。このとき、他のマルチコリメータ61B,61Aは、筐体11の右側壁からはみ出た状態となる。そして、マルチコリメータ61Cに含まれる各コリメータ22の向いている方向以外の方向から飛来する空間放射線が最も透過し易い状態となり、透過率を大きくする。
この実施例によれば、マルチコリメータ群60(1枚の遮蔽体)をスライドすることによって、放射線量とコリメータによる浸み込みを調整でき、全体としてのダイナミックレンジを拡大できる利点がある。また、ダイナミックレンジの切換えが遮蔽体をスライドさせるだけで実現できるので、マルチコリメータを交換する方式に比べて、厚みの選択を容易に行うことができる。
この実施例によれば、マルチコリメータ群60(1枚の遮蔽体)をスライドすることによって、放射線量とコリメータによる浸み込みを調整でき、全体としてのダイナミックレンジを拡大できる利点がある。また、ダイナミックレンジの切換えが遮蔽体をスライドさせるだけで実現できるので、マルチコリメータを交換する方式に比べて、厚みの選択を容易に行うことができる。
上述の実施例5では、マルチコリメータ群60を人間の操作によって人為的にスライドさせて遮蔽体の厚み(又はマルチコリメータの種類)を切換えているが、これを自動的に摺動させて切換えるように、筐体の内部にダイナミックレンジ拡大機構(図示せず)を設けてもよい。
例えば、筐体11の内部には、マルチコリメータ群60を長手方向に摺動自在に支持する摺動部材(図示せず)が装着される。ダイナミックレンジ拡大機構は、摺動部材によって長手方向に摺動されることによって、適切な厚みの第1のマルチコリメータ61A,第2のマルチコリメータ61B又は第3のマルチコリメータ61Cのいずれか1つを、複数のシンチレータの上部の位置で位置決めする。ここで、摺動部材は、例えば、プーリーと、プーリーに連結されたベルト又はワイヤの両端をマルチコリメータ群60の遮蔽体に連結して構成したものが考えられる。
また、上述の実施例では、マルチコリメータは、1枚の遮蔽体に3つ形成した場合を説明したが、少なくとも2つ形成し、何れか一方を選択するように摺動自在に構成しても良い。
例えば、筐体11の内部には、マルチコリメータ群60を長手方向に摺動自在に支持する摺動部材(図示せず)が装着される。ダイナミックレンジ拡大機構は、摺動部材によって長手方向に摺動されることによって、適切な厚みの第1のマルチコリメータ61A,第2のマルチコリメータ61B又は第3のマルチコリメータ61Cのいずれか1つを、複数のシンチレータの上部の位置で位置決めする。ここで、摺動部材は、例えば、プーリーと、プーリーに連結されたベルト又はワイヤの両端をマルチコリメータ群60の遮蔽体に連結して構成したものが考えられる。
また、上述の実施例では、マルチコリメータは、1枚の遮蔽体に3つ形成した場合を説明したが、少なくとも2つ形成し、何れか一方を選択するように摺動自在に構成しても良い。
また、図8の実施例のマルチコリメータ61の変形例として、図6の開口径を異ならせる技術を組み合わせて、最も厚い第1の平板状部61Aの開口径を図6(a)のように小さな開口径d1(例えば3.3mmφ)とし、最も薄い第3の平板状部61Cの開口径を図6(b)のように大きな開口径d2(例えば10mmφ)としてもよい。その場合は、全ての平板状部のコリメータを同じ開口径にしたものに比べて、ダイナミックレンジを1桁拡大することができる。
以上のような構成の放射線可視化カメラ装置を用いて放射能汚染地域を測定する場合、特許文献5の図7に示す処理回路と図9に示す処理フローを用いて(又は本願発明に適するように適宜改良した処理回路等を用いて)放射能を測定し、特許文献5の図8に示すような画像を表示することもできる。
しかしながら、より好ましくは、次の図9に示す処理回路を用いてもよい。
しかしながら、より好ましくは、次の図9に示す処理回路を用いてもよい。
図9は放射能可視化カメラ装置10のブロック図である。
放射能可視化カメラ装置10は、複数の光検出素子24a〜24nと、A/D変換回路AD1〜ADnと、撮像カメラ(CCDセンサ)25と、計測処理のための中央処理ユニット(CPU;又はコンピュータ)73と、記憶装置74と、送受信回路75とを含む。必要に応じて、GPS情報検出部71および/または距離計72を装備すれば、さらに機能を向上できる。
放射能可視化カメラ装置10は、複数の光検出素子24a〜24nと、A/D変換回路AD1〜ADnと、撮像カメラ(CCDセンサ)25と、計測処理のための中央処理ユニット(CPU;又はコンピュータ)73と、記憶装置74と、送受信回路75とを含む。必要に応じて、GPS情報検出部71および/または距離計72を装備すれば、さらに機能を向上できる。
A/D変換回路AD1〜ADnは、対応する光検出素子24a〜24nの検出出力(アナログ信号)をディジタル信号に変換する。GPS情報検出部71は、放射能可視化カメラ装置10を用いて放射能汚染している懸念のある地域の放射能を測定する際に、当該地域の高精度の位置情報を取得するために、衛星からのGPS情報を検出する。
CPU73は、予め記憶しているプログラムを実行して、放射能汚染の状況を測定する。CPU73は、機能的には位置・エネルギー及び強度を測定し表示処理する位置・エネルギー・強度測定回路73aと、撮像カメラ25によって撮影された放射能汚染地域の環境に関連する写真を画像処理する画像処理回路73bとしての機能を有する。
CPU73は、予め記憶しているプログラムを実行して、放射能汚染の状況を測定する。CPU73は、機能的には位置・エネルギー及び強度を測定し表示処理する位置・エネルギー・強度測定回路73aと、撮像カメラ25によって撮影された放射能汚染地域の環境に関連する写真を画像処理する画像処理回路73bとしての機能を有する。
記憶装置74は、半導体メモリ(RAM)及び/又はハードディスクから構成され、メモリ空間としては処理プログラムを記憶するプログラム記憶用メモリ74a,測定処理用のデータを記憶する処理用メモリ(又はワーキングRAM)74b,換算データ登録メモリ74cおよび表示用メモリ74dを含む。
処理用メモリ74bは、測定対象となる地域のマップ上に、測定地点毎(別)でありかつ各光検出素子24a〜24nに対応して、所定範囲の複数種類のエネルギー(例えばエネルギー1〜930)別の強度を記憶する領域を含み、測定地点毎の名称(住所又は地域)とGPS情報に基づく位置情報(例えば、緯度情報と経度情報)を記憶する記憶領域を含む。
処理用メモリ74bは、測定対象となる地域のマップ上に、測定地点毎(別)でありかつ各光検出素子24a〜24nに対応して、所定範囲の複数種類のエネルギー(例えばエネルギー1〜930)別の強度を記憶する領域を含み、測定地点毎の名称(住所又は地域)とGPS情報に基づく位置情報(例えば、緯度情報と経度情報)を記憶する記憶領域を含む。
換算データ登録メモリ74cは、使用するマルチコリメータの種類によって、検量線又は換算データを予め記憶している。例えば、放射能可視化カメラ装置10に装着されるマルチコリメータが実施例1ないし実施例5の何れであるかに加えて、実施例1(図1〜図3)では選択されるマルチコリメータ21A,21B,21Cの何れであるか、実施例2(図4,図5)ではマルチコリメータ31の厚みtと遮蔽板33の使用の有無、実施例3ではコリメータの開口径のサイズ、実施例5(図7)では厚みt1〜t3の何れのマルチコリメータ61C,61B,61Aを使用するかによって、光検出器24に含まれる各検出素子24a〜24nの実測値(信号値)と実際の放射線量の値が異なる。そこで、換算データ登録メモリ74cは、実施例別と使用するマルチコリメータの種類別に、予め既知の放射線源を測定したときの実測値と、その実測値を換算して測定結果の放射線量を求めるための検量線を換算データとして記憶している。
表示用メモリ74dは、液晶表示器15に表示すべき画像データをビットマップ形式で記憶するメモリである。放射能可視化カメラ装置10が測定結果に基づいてホットスポットの位置又は範囲を表示するために、表示用メモリ74dはその表示を実現するための各種表示データを記憶する。
表示用メモリ74dは、液晶表示器15に表示すべき画像データをビットマップ形式で記憶するメモリである。放射能可視化カメラ装置10が測定結果に基づいてホットスポットの位置又は範囲を表示するために、表示用メモリ74dはその表示を実現するための各種表示データを記憶する。
送受信回路75は、遠隔場所又は遠隔地のパーソナルコンピュータ(PC;以下「パソコン」という)80にケーブル(又は無線回線)を介して測定データを送信し又はパソコン80からの制御データを受信するものである。
さらに、放射能可視化カメラ装置10の筐体11の何れかの面には、必要に応じて、USB端子76が設けられる。USB端子76には、各種データ入力のためのキーボード77が外付け接続される。
さらに、放射能可視化カメラ装置10の筐体11の何れかの面には、必要に応じて、USB端子76が設けられる。USB端子76には、各種データ入力のためのキーボード77が外付け接続される。
放射能可視化カメラ装置10(又は10A)による放射能汚染地域の測定に先立って、使用者は使用するマルチコリメータの種類(どの実施例のどのタイプか)を選択して、筐体11に装着するとともに、外付けのキーボード77を操作して当該マルチコリメータの種類を入力する。例えば、図2の実施例の放射能可視化カメラ装置10の場合は、マルチコリメータ21A,21B,21Cの何れかを選択して、使用するタイプ(又は厚み)を入力する。図4の放射能可視化カメラ装置10Aの場合は、何れかの厚みのマルチコリメータ31を使用しかつ遮蔽板33の挿入の有無を選択して、キーボード77を操作してその情報を入力する。
その後、放射能可視化カメラ装置10をクレーン(又は三脚)等に固定した状態で、放射能可視化カメラ装置10の測定面(蓋部材12の面)を測定対象地点に向けた後、「測定開始」ボタン(図示せず)を操作する。なお、三脚等による固定に代えて、放射能可視化カメラ装置10を無人飛行機(例えばドローン等)に搭載し、無人飛行機の位置(緯度と経度)を測定すべき地点となるように操縦することによって、測定地点の位置を選択するようにしてもよい。
このとき、放射能可視化カメラ装置10から測定対象地点までの距離Lは、1メートルオーダーの範囲(例えば1mから10mの範囲)の任意の距離に選ばれ、当該距離が距離計72によって計測されてCPU73へ出力される。
ここで、距離Lと測定範囲との関係は、放射能可視化カメラ装置10の蓋部材12の面を真下に向けて視野角度を60度とすれば、2L/√3となる。例えば、距離L=3mの場合は、1地点における1回の測定によって、2×3/√3m=3.4平方メートルの範囲を測定できる。この1地点測定範囲が表示領域の1つの枡目分となる。
なお、放射能可視化カメラ装置10を用いた放射能測定において、マルチコリメータ21A等を真下に向ける使用方法に代えて、斜め下向きとし、斜め下向きの角度情報に基づいて補正をかけて、1つの桝目の測定範囲(長さ)を決めてもよい。
ここで、距離Lと測定範囲との関係は、放射能可視化カメラ装置10の蓋部材12の面を真下に向けて視野角度を60度とすれば、2L/√3となる。例えば、距離L=3mの場合は、1地点における1回の測定によって、2×3/√3m=3.4平方メートルの範囲を測定できる。この1地点測定範囲が表示領域の1つの枡目分となる。
なお、放射能可視化カメラ装置10を用いた放射能測定において、マルチコリメータ21A等を真下に向ける使用方法に代えて、斜め下向きとし、斜め下向きの角度情報に基づいて補正をかけて、1つの桝目の測定範囲(長さ)を決めてもよい。
操作者の「測定開始」の操作に応じて、CPU73は放射線分布可視化の処理をスタートする。
すなわち、複数の光検出素子24a〜24nは、測定対象範囲の各位置から飛来する放射線量を検出する。光検出素子24a〜24nのそれぞれの検出値(アナログ値)は、対応するA/D変換回路AD1〜ADnによってアナログ−ディジタル変換されて、CPU73へ入力される。
CPU73は、検出位置に対応する光検出素子24a〜24n毎の検出値から使用しているマルチコリメータに対応する検量線を参照してエネルギーと強度データを求めて、メモリ74bの対応する記憶領域へ書き込む。この検出位置毎のエネルギーと強度データは、或る1つの桝目(例えば、始めは濃度分布表示領域の1段目右端)に対応するメモリ74bの記憶領域の各光検出素子24a〜24nの別に書き込まれ、刻々検出されるデータを累計しながら、結果として各光検出素子24a〜24nの積算値が検出位置に対応するエリアに記憶されることになる。
すなわち、複数の光検出素子24a〜24nは、測定対象範囲の各位置から飛来する放射線量を検出する。光検出素子24a〜24nのそれぞれの検出値(アナログ値)は、対応するA/D変換回路AD1〜ADnによってアナログ−ディジタル変換されて、CPU73へ入力される。
CPU73は、検出位置に対応する光検出素子24a〜24n毎の検出値から使用しているマルチコリメータに対応する検量線を参照してエネルギーと強度データを求めて、メモリ74bの対応する記憶領域へ書き込む。この検出位置毎のエネルギーと強度データは、或る1つの桝目(例えば、始めは濃度分布表示領域の1段目右端)に対応するメモリ74bの記憶領域の各光検出素子24a〜24nの別に書き込まれ、刻々検出されるデータを累計しながら、結果として各光検出素子24a〜24nの積算値が検出位置に対応するエリアに記憶されることになる。
一方、撮像カメラ25に含まれるCCDセンサは、測定地点周辺の風景を撮影して、写真画像をCPU73へ供給する。CPU73は写真画像をメモリ74bの写真画像記憶領域(図示せず)に記憶させる。そして、CPU73は当該写真画像を液晶表示器15の測定結果表示領域の濃度分布表示領域に対応する表示用メモリ74dの領域に記憶させる。その上に、濃度分布表示領域の桝目の罫線を上書きすることにより、写真画像が濃度分布表示情報の下層となるように記憶保持する。
また、CPU73は、光検出素子24a〜24nによって検出されたエネルギー及び強度データに基づいて、各光検出素子のスペクトル化を行う。そして、光検出素子24a〜24nを1個の放射能検出器と見立てたときの放射線強度のエネルギー分布図が作成される。
また、CPU73は、光検出素子24a〜24nによって検出されたエネルギー及び強度データに基づいて、各光検出素子のスペクトル化を行う。そして、光検出素子24a〜24nを1個の放射能検出器と見立てたときの放射線強度のエネルギー分布図が作成される。
以上の処理が終わると、放射能可視化カメラ装置10の位置が1枡分だけ縦(又は横)方向に移動されて、次の地点の放射能測定が行われる。
この測定動作を次々と繰り返して、当該方向の測定地域の境界に達したとき、放射能可視化カメラ装置10を横(又は縦)方向に1枡移動させて、次の列の縦方向の各地点の放射能測定を行う。この操作及び処理を測定すべき地域の全ての枡目分だけ実行する。
以上の処理を繰り返すことにより、広範囲における放射能汚染状況の測定結果がメモリ74bに累積的に記憶される。そして、適宜のタイミングにおいて、メモリ74bに累積的に記憶されている広範囲における放射能汚染状況の測定結果のデータが送受信回路75によってパソコン80へ送信され、パソコン80側でも累積的に記憶される。パソコン80側では、これらの測定データに基づいて、除染作業すべき地点又は範囲の割り出しが行われる。
この測定動作を次々と繰り返して、当該方向の測定地域の境界に達したとき、放射能可視化カメラ装置10を横(又は縦)方向に1枡移動させて、次の列の縦方向の各地点の放射能測定を行う。この操作及び処理を測定すべき地域の全ての枡目分だけ実行する。
以上の処理を繰り返すことにより、広範囲における放射能汚染状況の測定結果がメモリ74bに累積的に記憶される。そして、適宜のタイミングにおいて、メモリ74bに累積的に記憶されている広範囲における放射能汚染状況の測定結果のデータが送受信回路75によってパソコン80へ送信され、パソコン80側でも累積的に記憶される。パソコン80側では、これらの測定データに基づいて、除染作業すべき地点又は範囲の割り出しが行われる。
この発明の各実施例の放射能可視化カメラ装置によれば、平板状のマルチコリメータを含む放射能可視化カメラ装置を用いて放射線源から飛来する放射線をコリメータで広角的に検出しているので、検出効率が高く、1分程度の短時間でホットスポットを特定できるという、特有の効果が奏される。また、マルチコリメータが平板状の遮蔽体で構成しているので、球殻状のものに比べて、製造容易で、安価に製作できる効果が奏される。
また、エネルギー分別することによりガンマー線強度のエネルギー分布を取得しているので、放射能汚染された地点又は地域を迅速に作業効率よく特定でき、除染作業の効率を大幅に高めることができる。
また、エネルギー分別することによりガンマー線強度のエネルギー分布を取得しているので、放射能汚染された地点又は地域を迅速に作業効率よく特定でき、除染作業の効率を大幅に高めることができる。
この発明は、放射能汚染された地域の除染作業に際して、エネルギー分別することによりガンマー線強度のエネルギー分布を取得できるので、放射能可視化カメラ装置又は放射能検出装置としての産業上の利用性が高い。
10,10A 放射能可視化カメラ装置
11 筐体
12 蓋部材
15 液晶表示器
20,30,40,50 ガンマーカメラ
21A,21B,21C,31,41A,41B,51
平板状のマルチコリメータ
60 マルチコリメータ群
61A,61B,61C マルチコリメータ
22,32,42,52 コリメータ
23 シンチレータ
24 光検出器
24a〜24n 光検出素子(半導体光検出素子)
25 撮像カメラ
271〜274 取付具
281〜284 支持部材
73 中央処理ユニット(CPU)
74 記憶装置
74a プログラム記憶用メモリ
74b 処理用メモリ
74c 換算データ登録メモリ
74d 表示用メモリ
75 送受信回路
77 キーボード
80 パソコン(PC)
11 筐体
12 蓋部材
15 液晶表示器
20,30,40,50 ガンマーカメラ
21A,21B,21C,31,41A,41B,51
平板状のマルチコリメータ
60 マルチコリメータ群
61A,61B,61C マルチコリメータ
22,32,42,52 コリメータ
23 シンチレータ
24 光検出器
24a〜24n 光検出素子(半導体光検出素子)
25 撮像カメラ
271〜274 取付具
281〜284 支持部材
73 中央処理ユニット(CPU)
74 記憶装置
74a プログラム記憶用メモリ
74b 処理用メモリ
74c 換算データ登録メモリ
74d 表示用メモリ
75 送受信回路
77 キーボード
80 パソコン(PC)
Claims (7)
- 平板状の形状に選ばれた遮蔽体からなり、放射線の入射方向を制限するために、遮蔽体の一方主面において所定の間隔を空けて、かつ遮蔽体の背面より離れた中心点から放射線の飛来する測定面に向けて放射する方向に複数の透孔を形成することによって複数のコリメータを配置して構成されるマルチコリメータ、
前記平板状の遮蔽体の背面に、前記各コリメータに対応して配置され、かつそれぞれが対応するコリメータを通して入射する放射線の放射線量に比例して発光する複数のシンチレータ、
格子状に配置された複数の光検知素子を含み、各光検知素子が前記各シンチレータの背面における前記各コリメータに対応する位置に位置決めされて配置され、対応するコリメータによって制限された特定の視野の放射線量に比例した電気信号を個別に検出する半導体光検出器、
前記マルチコリメータに関連しかつマルチコリメータによって測定可能な空間線量率と計測対象放射線源の強度の測定可能範囲のダイナミックレンジを拡大するダイナミックレンジ拡大手段、および
前記測定面を含む6面を囲む筐体を備え、
前記筐体は、前記半導体光検出器と前記複数のシンチレータを固定的に収納するとともに、複数のシンチレータの前面に、前記マルチコリメータと前記ダイナミックレンジ拡大手段を位置決めして収納する、放射能可視化カメラ装置。
- 前記ダイナミックレンジ拡大手段は、放射能を透過し難い材質でありかつ厚みの厚い平板状の遮蔽板であって、
前記筐体は、前記マルチコリメータと前記複数のシンチレータの間に、前記平板状の遮蔽板を位置決めして収納する、請求項1に記載の放射能可視化カメラ装置。
- 前記筐体は、前記マルチコリメータと前記複数のシンチレータの間に前記平板状の遮蔽板を挿入可能な空間部を有し、当該遮蔽板を着脱自在に支持する支持部を含み、
前記平板状の遮蔽板は、空間線量率と計測対象放射線源の強度の測定可能範囲のダイナミックレンジを拡大する際に、前記筐体の側面から前記支持部に沿って前記空間部へ挿入されて、支持部によって固定的に支持される、請求項2に記載の放射能可視化カメラ装置。
- 前記マルチコリメータは、複数のコリメータの透孔の形成位置が共通しかつ厚みの異なる遮蔽体が複数個準備され、
前記ダイナミックレンジ拡大手段は、前記複数のマルチコリメータのうち、測定地点における空間線量率と計測対象放射線源の強度の測定可能範囲に応じて適当な厚みの1つのマルチコリメータを選択して前記筐体に装着することによって、空間線量率のダイナミックレンジを変化させることを特徴とする、請求項1に記載の放射能可視化カメラ装置。
- 前記マルチコリメータは、少なくとも、前記遮蔽体が第1の厚みからなる第1のマルチコリメータと、第2の厚みからなる第2のマルチコリメータとを含み、
前記第1のマルチコリメータおよび前記第2のマルチコリメータには、透孔の配置位置と開口径が共通するように前記複数のコリメータが形成され、
前記ダイナミックレンジ拡大手段は、前記第1のマルチコリメータの一辺に前記第2のマルチコリメータの一辺を隣接させて、第1のマルチコリメータと第2のマルチコリメータを一体化して構成し、
前記筐体は、前記半導体光検出器と複数のシンチレータとを固定的に収納し、複数のシンチレータの前面に前記ダイナミックレンジ拡大手段の遮蔽体を摺動自在に支持し、
それによって、測定地点における空間線量率と計測対象放射線源の強度の測定可能範囲に応じて適切な厚みのマルチコリメータを選択して、前記筐体内の前記複数のシンチレータの前面に位置決めして使用されることを特徴とする、請求項1に記載の放射能可視化カメラ装置。
- 前記マルチコリメータは、複数のコリメータの透孔の形成位置が共通し、かつ厚みと開口径が異なる遮蔽体が複数個準備され、
前記ダイナミックレンジ拡大手段は、前記複数のマルチコリメータのうち、測定地点における空間線量率と計測対象放射線源の強度の測定可能範囲に応じて適当な厚みでありかつ適当な開口径のコリメータを形成した1つのマルチコリメータを選択して前記筐体に装着することによって、空間線量率と計測対象放射線源の強度の測定可能範囲のダイナミックレンジを変化させることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の放射能可視化カメラ装置。
- 前記マルチコリメータに含まれる各コリメータは、透孔の開口径が前記遮蔽体の平面上の中心点に近いコリメータよりも外側のコリメータを大きくするように形成されることを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の放射能可視化カメラ装置。
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