JP2014206315A - 成分溶解省エネ運転システム - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送ポンプにおけるキャビテーションを防ぐことができ、安定的かつ省エネルギー運転が可能な成分溶解省エネ運転システムを提供する。【解決手段】成分溶解省エネ運転システム10Aにおける二酸化炭素の昇圧時では、第1排気ダクト26aから排熱空気が第1熱交換部31の入口側34に送気され、連結管路22aに流れる二酸化炭素の冷熱を利用して第1熱交換部31によって排熱空気から熱交換された第1除熱冷気が第1熱交換部31の出口側37から搬送ポンプ14の周辺に向かって送気され、屋外23の第1温度が第1除熱冷気の第2温度よりも高い場合、第1熱交換部31から搬送ポンプ14周辺への第1除熱冷気の送気を継続する第1運転を実施し、第1温度が第2温度よりも低い場合、第1熱交換部31から搬送ポンプ14周辺への第1除熱冷気の送気を停止する第2運転を実施する。【選択図】図1

Description

本発明は、超臨界または亜臨界のいずれかの流体を使用して成分溶解容器に収容された成分溶解対象物から所定の成分を溶解する成分溶解省エネ運転システムに関する。
二酸化炭素を液化する凝縮器と、液化された二酸化炭素を収容する貯留タンクと、貯留タンクから供給された液化二酸化炭素を所定圧力に加圧する搬送ポンプと、液化二酸化炭素を所定温度に加熱してその二酸化炭素を超臨界または亜臨界のいずれかの洗浄流体にする加熱器と、フィルタを収容しつつ洗浄流体が通流する洗浄容器と、洗浄流体を冷却する冷却器と、洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から分離可能な気液分離装置と、洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から除去可能な濾過装置と、ガスクロマトグラフおよびコントローラとから形成された洗浄システムがある(特許文献1参照)。洗浄システムでは、それら機器が連結管路を介して凝縮器→貯留タンク→搬送ポンプ→加熱器→洗浄容器→冷却器→気液分離装置→濾過装置の順番で連結されている。
特開2010−36079号公報
前記特許文献1に開示の洗浄システムは、配管系表面に断熱材が施工され、システム系内の二酸化炭素状態の安定化が図られている。しかし、システムの各構成部の役割に応じた除熱や加熱の補助までは配慮されておらず、システムの運転時における省エネルギー化を図ることができない。また、この洗浄システムは、二酸化炭素の昇圧時(システムの運転開始時)に、搬送ポンプの温度が運転発熱によって次第に上昇するが、その温度上昇によって搬送ポンプ内に流れる液化二酸化炭素から多数の気泡が発生し、その気泡によってポンプの吐き出し量や効率が低下するキャビテーションが生じる場合がある。キャビテーションが生じると、搬送ポンプにおいて二酸化炭素を所定の圧力に加圧することができず、二酸化炭素を超臨界または亜臨界のいずれかの洗浄流体にすることができない場合があり、システム運転の安定性を向上させることができない。
本発明の目的は、超臨界または亜臨界のいずれかの流体を利用して成分溶解対象物から成分を溶解することができるとともに、システム運転時における省エネルギー化を図ることができる成分溶解省エネ運転システムを提供することにある。本発明の他の目的は、搬送ポンプにおけるキャビテーションを防ぐことができ、成分溶解ガスを超臨界または亜臨界のいずれかの流体にすることができるとともに、システム運転の安定性を向上させることができる成分溶解省エネ運転システムを提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の前提は、所定の成分溶解ガスを所定温度に冷却しつつ成分溶解ガスを液化する凝縮器および冷凍機と、凝縮器および冷凍機によって液化された成分溶解ガスを収容する貯留タンクと、貯留タンクから供給された成分溶解ガスを所定圧力に加圧する搬送ポンプと、搬送ポンプから送出された成分溶解ガスを所定の温度に加熱して成分溶解ガスを超臨界または亜臨界のいずれかの流体にする加熱器と、成分溶解対象物を収容しつつ加熱器から送出された流体が通流する成分溶解容器と、成分溶解容器から流出した流体に含まれる成分を流体から分離する成分分離装置とから形成された成分溶解省エネ運転システムである。
前記前提における本発明の特徴として、成分溶解省エネ運転システムでは、搬送ポンプと加熱器とを連結する連結管路に第1熱交換部が設置され、空調対象建物の屋内の排熱空気を屋外に排気する排気ダクトの第1排気口が第1熱交換部の入口側に対向し、システムにおける成分溶解ガスの昇圧時では、排気ダクトの第1排気口から排熱空気が第1熱交換部の入口側に送気され、連結管路に流れる成分溶解ガスの冷熱を利用して第1熱交換部によって排熱空気から熱交換された第1除熱冷気が第1熱交換部の出口側から搬送ポンプに向かって送気され、屋外の第1温度が第1除熱冷気の第2温度よりも高い場合、第1熱交換部から搬送ポンプへの第1除熱冷気の送気を継続する第1運転を実施し、第1温度が第2温度よりも低い場合、第1熱交換部から搬送ポンプへの第1除熱冷気の送気を停止する第2運転を実施することにある。
本発明の一例として、成分溶解省エネ運転システムでは、搬送ポンプが第1熱交換部の出口側の近傍に配置され、第1運転では、第1除熱冷気を第1熱交換部の出口側から搬送ポンプの周辺に送気してポンプの温度を低下させる。
本発明の他の一例として、成分溶解省エネ運転システムでは、搬送ポンプと加熱器とを連結する連結管路に第2熱交換部が設置され、排気ダクトの第2排気口が第2熱交換部の入口側に対向し、システムにおける成分溶解対象物の成分溶解時または流体の減圧時では、冷凍機が稼働するとともに、排気ダクトの第2排気口から空調対象建物の屋内の排熱空気が第2熱交換部の入口側に送気され、連結管路に流れる成分溶解ガスの冷熱を利用して第2熱交換部によって排熱空気から熱交換された第2除熱冷気が第2熱交換部の出口側から冷凍機に向かって送気され、第1温度が第2除熱冷気の第3温度よりも高い場合、第2熱交換部から冷凍機への第2除熱冷気の送気を継続する第3運転を実施し、第1温度が第3温度よりも低い場合、第2熱交換部から冷凍機への第2除熱冷気の送気を停止する第4運転を実施する。
本発明の他の一例として、成分溶解省エネ運転システムでは、冷凍機が第2熱交換部の出口側の近傍に配置され、第3運転では、第2除熱冷気を第2熱交換部の出口側から冷凍機の周辺に送気して冷凍機の温度を低下させる。
本発明の他の一例として、成分溶解省エネ運転システムにおける成分溶解対象物の成分溶解時では、第3運転とともに第1運転を実施する。
本発明の他の一例として、成分溶解省エネ運転システムにおける成分溶解対象物の成分溶解時では、第3運転とともに第2運転を実施し、さらに、冷凍機の排熱空気が第1熱交換部に送気され、第1熱交換部を介して冷凍機の排熱空気と連結管路に流れる成分溶解ガスとの間で熱交換を行うことで成分溶解ガスの温度を上昇させる第1予熱運転を実施する。
本発明の他の一例として、成分溶解省エネ運転システムでは、搬送ポンプと加熱器とを連結する連結管路に第3熱交換部が設置され、排気ダクトの第3排気口が第3熱交換部の入口側に対向し、第1運転および第3運転では、排気ダクトの第3排気口から空調対象建物の屋内の排熱空気が第3熱交換部の入口側に送気され、第3熱交換部を介して連結管路に流れる成分溶解ガスと排熱空気との間で熱交換を行うことで成分溶解ガスの温度を上昇させる第2予熱運転を実施する。
本発明の他の一例として、第2運転では、加熱器の直近に延びる連結管路内の成分溶解ガスの第4温度が成分溶解容器の内部の第5温度よりも低い場合、第2予熱運転が実施され、第4運転では、第4温度が第5温度よりも低い場合、第1予熱運転と第2予熱運転とのうちの少なくとも一方が実施される。
本発明の他の一例として、成分溶解省エネ運転システムでは、搬送ポンプと加熱器とを連結する連結管路に第4熱交換部が設置され、屋外の外気を空調対象建物の屋内に給気する給気ダクトの吸込口が第4熱交換部の入口側に対向し、第1〜第4運転では、連結管路に流れる成分溶解ガスの冷熱を利用して第4熱交換部によって外気から熱交換された第3除熱冷気が給気ダクトから屋内に給気される冷熱供給運転を実施する。
本発明の他の一例として、成分溶解省エネ運転システムでは、加熱器の直近に延びる連結管路内の成分溶解ガスの第4温度が成分溶解容器の内部の第5温度よりも高い場合、第2運転または第4運転を実施しつつ、第1および第2予熱運転と冷熱供給運転とを中止する。
本発明の他の一例としては、搬送ポンプの下流側に延びる連結管路内の液化成分溶解ガスの温度が0℃以下である。
本発明にかかる成分溶解省エネ運転システムによれば、システムにおける成分溶解ガスの昇圧時において、屋外の第1温度が第1熱交換部によって空調対象建物の屋内からの排熱空気から熱交換された第1除熱冷気の第2温度よりも高い場合、第1熱交換部から搬送ポンプへの第1除熱冷気の送気を継続する第1運転を実施するから、第1除熱冷気によって搬送ポンプの周辺の空気を冷却することができ、搬送ポンプの運転発熱による温度上昇を抑制することができる。システムは、第1運転によって搬送ポンプの運転発熱による温度上昇が抑制されるから、成分溶解ガスの昇圧時における搬送ポンプの運転発熱により発生するキャビテーションを防ぐことができ、成分溶解ガスを確実に昇圧しつつその二酸化炭素を加熱器に送ることで、加熱器において成分溶解ガスをスムースに超臨界または亜臨界のいずれかの流体にすることができ、システム運転の安定性を向上させることができる。システムは、第1温度が第2温度よりも低い場合、第1熱交換部から搬送ポンプへの第1除熱冷気の送気を停止する第2運転を実施するから、第1除熱冷気を送気することによる搬送ポンプの周辺の空気の不要な温度上昇を防ぐことができ、第1温度が第2温度よりも低い場合における搬送ポンプのキャビテーションを防ぐことができる。
搬送ポンプが第1熱交換部の出口側の近傍に配置され、第1運転において第1除熱冷気を第1熱交換部の出口側から搬送ポンプの周辺に送気してポンプの温度を低下させる成分溶解省エネ運転システムは、搬送ポンプを第1熱交換部の出口側の近傍に配置することで、第1除熱冷気を第1熱交換部から搬送ポンプの周辺に確実に送気することができるから、第1除熱冷気によって搬送ポンプを冷却することができ、ポンプの運転発熱による温度上昇を確実に抑制することができる。システムは、第1運転において搬送ポンプの温度上昇を確実に抑制することができるから、成分溶解ガスの昇圧時における搬送ポンプの運転発熱により発生するキャビテーションを防ぐことができ、成分溶解ガスを確実に昇圧しつつその成分溶解ガスを加熱器に送ることで、加熱器において成分溶解ガスをスムースに超臨界または亜臨界のいずれかの流体にすることができ、システム運転の安定性を向上させることができる。
搬送ポンプと加熱器とを連結する連結管路に第2熱交換部が設置され、第1温度が第3温度よりも高い場合、第2熱交換部から冷凍機への第2除熱冷気の送気を継続する第3運転を実施し、第1温度が第3温度よりも低い場合、第2熱交換部から冷凍機への第2除熱冷気の送気を停止する第4運転を実施する成分溶解省エネ運転システムは、成分溶解対象物の成分溶解時または流体の減圧時において、第1温度が第3温度よりも高い場合に第3運転を実施するから、第2除熱冷気によって冷凍機周辺を冷却することができ、冷凍機周辺の空気の温度を下げることで、冷凍機の冷凍サイクルの熱交換効率を向上させることができ、システムの省エネルギー化を図ることができる。システムは、第3運転によって冷凍機周辺の温度上昇を防ぎ、成分溶解対象物の成分溶解時や流体の減圧時における冷凍機の冷凍サイクルの熱交換効率を向上させることができるから、冷凍機が製造する冷熱と背圧弁の開閉による昇圧および減圧とを利用して超臨界または亜臨界の流体から成分溶解ガスまたは成分溶解ガスから超臨界または亜臨界の流体への状態変化を繰り返しつつ成分溶解ガスおよび流体をシステムに循環させることができ、その流体を利用して成分溶解対象物から成分を確実に溶解することができる。システムは、流体の減圧時における冷凍機の熱交換効率を向上させることで、冷凍機の運転エネルギーを抑えることができ、冷凍機の冷熱を利用して超臨界または亜臨界の流体を速やかに成分溶解ガスに戻すことができる。システムは、第1温度が第3温度よりも低い場合に第4運転を実施するから、第2除熱冷気を送気することによる冷凍機の周辺の空気の不要な温度上昇を防ぐことができ、第1温度が第3温度よりも低い場合における冷凍機の熱交換効率の低下を防ぐことができる。
冷凍機が第2熱交換部の出口側の近傍に配置され、第3運転において第2除熱冷気を第2熱交換部の出口側から冷凍機の周辺に送気して冷凍機の温度を低下させる成分溶解省エネ運転システムは、冷凍機を第2熱交換部の出口側の近傍に配置することで、第2除熱冷気を第2熱交換部から冷凍機の周辺に確実に送気することができるから、第2除熱冷気によって冷凍機の周辺の空気を冷却することができ、冷凍機周辺の温度上昇を確実に抑制することができる。システムは、第3運転において冷凍機の温度上昇を確実に抑制することができるから、成分溶解対象物の成分溶解時や流体の減圧時における冷凍機の熱交換効率の低下を防ぐことができ、冷凍機が製造する冷熱と背圧弁の開閉による昇圧および減圧とを利用して超臨界または亜臨界の流体から成分溶解ガスまたは成分溶解ガスから超臨界または亜臨界の流体への状態変化を繰り返しつつ成分溶解ガスおよび流体をシステムに循環させることができ、その流体を利用して成分溶解対象物から成分を確実に溶解することができる。
成分溶解対象物の成分溶解時において第3運転とともに第1運転を実施する成分溶解省エネ運転システムは、第2熱交換部から冷凍機への第2除熱冷気の送気を継続しつつ、第1熱交換部から搬送ポンプの周辺への第1除熱冷気の送気を継続することで、第1除熱冷気や第2除熱冷気によって搬送ポンプや冷凍機の周辺の空気を冷却することができるから、搬送ポンプの安定運転を図ることができるとともに冷凍機の熱交換効率を向上させることができ、搬送ポンプが製造する冷熱と冷凍機による流体の冷却とを利用して超臨界または亜臨界の流体から成分溶解ガスまたは成分溶解ガスから超臨界または亜臨界の流体への状態変化を繰り返しつつ成分溶解ガスおよび流体をシステムに循環させることができ、その流体を利用して成分溶解対象物から成分を確実に溶解することができる。
成分溶解対象物の成分溶解時において、第3運転とともに第2運転を実施し、さらに、冷凍機の排熱空気が第1熱交換部に送気され、第1熱交換部を介して冷凍機の排熱空気と連結管路に流れる成分溶解ガスとの間で熱交換を行うことで成分溶解ガスの温度を上昇させる第1予熱運転を実施する成分溶解省エネ運転システムは、第2熱交換部から冷凍機への第2除熱冷気の送気を継続する第3運転中や第1熱交換部から搬送ポンプへの第1除熱冷気の送気を停止する第2運転中に、第1熱交換部から搬送ポンプへの第1除熱冷気の送気を停止しつつ、第1熱交換部を介して冷凍機の排熱空気と連結管路に流れる成分溶解ガスとの間で熱交換を行うから、冷凍機の排熱空気を利用して加熱器に流入する前に成分溶解ガスを加熱することができ、冷凍機の排熱空気の有効利用(再利用)を図ることができるとともに、加熱器の加熱エネルギー使用量を減少させることができる。システムは、冷凍機の排熱空気を利用して加熱器に流入する成分溶解ガスを事前に加熱するから、加熱器において成分溶解ガスを速やかに超臨界または亜臨界のいずれかの流体にすることができるとともに、その流体を利用して成分溶解対象物から成分を確実に溶解することができる。
搬送ポンプと加熱器とを連結する連結管路に第3熱交換部が設置され、排気ダクトの第3排気口が第3熱交換部の入口側に対向し、第1運転および第3運転において、排気ダクトの第3排気口から空調対象建物の屋内の排熱空気が第3熱交換部の入口側に送気され、第3熱交換部を介して連結管路に流れる成分溶解ガスと排熱空気との間で熱交換を行うことで成分溶解ガスの温度を上昇させる第2予熱運転を実施する成分溶解省エネ運転システムは、第1熱交換部から搬送ポンプへの第1除熱冷気の送気を継続する第1運転中や第2熱交換部から冷凍機への第2除熱冷気の送気を継続する第3運転中に、第3熱交換部を介して屋内の排熱空気と連結管路に流れる成分溶解ガスとの間で熱交換を行うから、屋内の排熱を利用して加熱器に流入する前に成分溶解ガスを加熱することができ、屋内の排熱の有効利用(再利用)を図ることができるとともに、加熱器の加熱エネルギー使用量を減少させることができる。成分溶解システムは、屋内の排熱空気を利用して加熱器に流入する成分溶解ガスを事前に加熱するから、加熱器において成分溶解ガスを速やかに超臨界または亜臨界のいずれかの流体にすることができるとともに、その流体を利用して成分溶解対象物から成分を確実に溶解することができる。
第2運転において、加熱器の直近に延びる連結管路内の成分溶解ガスの第4温度が成分溶解容器の内部の第5温度よりも低い場合、第2予熱運転が実施され、第4運転において、第4温度が第5温度よりも低い場合、第1予熱運転と第2予熱運転とのうちの少なくとも一方が実施される成分溶解省エネ運転システムは、第1熱交換部から搬送ポンプへの第1除熱冷気の送気を停止する第2運転中に、第3熱交換部を介して排熱空気と連結管路に流れる成分溶解ガスとの間で熱交換を行うから、排熱空気を利用して加熱器に流入する前に成分溶解ガスを加熱することができ、排熱空気の有効利用(再利用)を図ることができるとともに、加熱器の加熱エネルギー使用量を減少させることができる。また、第2熱交換部から冷凍機への第2除熱冷気の送気を停止する第4運転中に、第1熱交換部と第3熱交換部とのうちの少なくとも一方を介して排熱空気と連結管路に流れる成分溶解ガスとの間で熱交換を行うから、排熱空気を利用して加熱器に流入する前に成分溶解ガスを加熱することができ、排熱空気の有効利用(再利用)を図ることができるとともに、加熱器の加熱エネルギー使用量を減少させることができる。システムは、排熱空気を利用して加熱器に流入する成分溶解ガスを事前に加熱するから、加熱器において成分溶解ガスを速やかに超臨界または亜臨界のいずれかの流体にすることができるとともに、その流体を利用して成分溶解対象物から成分を確実に溶解することができる。
搬送ポンプと加熱器とを連結する連結管路に第4熱交換部が設置され、屋外の外気を空調対象建物の屋内に給気する給気ダクトの吸込口が第4熱交換部の出口側に対向し、第1〜第4運転において、連結管路に流れる成分溶解ガスの冷熱を利用して第4熱交換部によって外気から熱交換された第3除熱冷気が給気ダクトから屋内に給気される冷熱供給運転を実施する成分溶解省エネ運転システムは、外気から熱交換された第3除熱冷気を給気ダクトから屋内に給気することで、連結管路に流れる成分溶解ガスの冷熱を利用して屋内の冷房負荷を低減させることができ、成分溶解ガスの冷熱を有効に利用することができる。
加熱器の直近に延びる連結管路内の成分溶解ガスの第4温度が成分溶解容器の内部の第5温度よりも高い場合、第2運転または前記第4運転を実施しつつ、第1および第2予熱運転と冷熱供給運転とを中止する成分溶解省エネ運転システムは、連結管路内の二酸化炭素の第4温度が成分溶解容器の内部の第5温度よりも高い場合、第1熱交換部や第3熱交換部を介して成分溶解ガスを予熱する必要がないことはもちろん、第1熱交換部や第2熱交換部、第4熱交換部を介して空調対象建物の屋内の排熱空気と熱交換したとしても温度の低い除熱冷気を作ることができず、屋内の冷房負荷を増大させてしまう恐れがあるが、冷熱供給運転を中止することにより、屋内へ給気する空気が加熱されてしまうことを防ぐことができる。
搬送ポンプの下流側に延びる連結管路内の液化成分溶解ガスの温度が0℃以下である成分溶解省エネ運転システムは、連結管路に流れる成分溶解ガスの冷熱を利用し、第1熱交換部や第2熱交換部を介して空調対象建物の屋内の排熱空気を除熱冷気にすることができるとともに、第4熱交換部を介して屋外の外気を除熱冷気にすることができるから、除熱冷気を利用して搬送ポンプの周辺の空気の温度を低下させることができ、除熱冷気を利用して冷凍機の周辺の空気の温度を低下させることができるとともに、除熱冷気を利用して屋内への給気の温度を低下させることができる。
一例として示す成分溶解省エネ運転システム(洗浄システム)の構成図。 成分溶解省エネ運転システム(洗浄システム)における二酸化炭素の昇圧時において、第1温度が第2温度よりも高い場合のシステムの第1運転や第2予熱運転を説明する図。 成分溶解省エネ運転システム(洗浄システム)における二酸化炭素の昇圧時において、第1温度が第2温度よりも低い場合のシステムの第2運転を説明する図。 成分溶解省エネ運転システム(洗浄システム)におけるフィルタの洗浄時において、第1温度が第3温度よりも高い場合のシステムの第1運転や第3運転、第2予熱運転を説明する図。 成分溶解省エネ運転システム(洗浄システム)におけるフィルタの洗浄時において、第1温度が第3温度よりも高い場合のシステムの第1運転や第1予熱運転、第2予熱運転を説明する図。 フィルタの洗浄時における成分溶解省エネ運転システム(洗浄システム)におけるフィルタの洗浄時において、第1温度が第3温度よりも低い場合のシステムの第4運転や第1予熱運転、第2予熱運転を説明する図。 成分溶解省エネ運転システム(洗浄システム)における洗浄流体の減圧時において、第1温度が第3温度よりも高い場合のシステムの第3運転の運転を説明する図。 他の一例として示す成分溶解省エネ運転システム(洗浄システム)の構成図であり、成分溶解システムにおける二酸化炭素の昇圧時において、第1温度が第2温度よりも高い場合のシステムの第1運転や冷熱供給運転、第2予熱運転を説明する図。 他の一例として示す成分溶解省エネ運転システム(洗浄システム)におけるフィルタの洗浄時において、第1温度が第3温度よりも高い場合のシステムの第1運転や第3運転、第2予熱運転、冷熱供給運転を説明する図。 他の一例として示す成分溶解省エネ運転システム(洗浄システム)における洗浄流体の減圧時において、第1温度が第3温度よりも高い場合におけるシステム10Bの第3運転および冷熱供給運転を説明する図。
添付の図面を参照し、本発明に係る成分溶解省エネ運転システムの詳細をフィルタの洗浄を例として説明すると、以下のとおりである。なお、図1は、一例として示す成分溶解省エネ運転システム10Aの構成図である。この成分溶解省エネ運転システム10A(洗浄システム)は、気体を濾過した後の使用済のエアフィルタ(成分溶解対象物)(被洗浄物)の洗浄や液体を濾過した後の使用済のリキッドフィルタ(成分溶解対象物)(被洗浄物)の洗浄に好適に利用される。被洗浄物であるエアフィルタには、空調用フィルタや空気清浄用フィルタ、排気処理用フィルタ、車両用エアフィルタ等がある。被洗浄物であるリキッドフィルタには、浄水装置用フィルタや浸透圧を利用する膜装置用フィルタ等がある。
それらフィルタの洗浄には、超臨界または亜臨界のいずれかの洗浄ガス流体(特許請求の範囲の流体、以下、洗浄流体という)が使用される。なお、このシステム10Aで洗浄される被洗浄物は、フィルタのみならず、超臨界や亜臨界の洗浄流体によって洗浄可能なすべての被洗浄物が含まれる。また、システム10A(後記するシステム10Bを含む)は、被洗浄物の洗浄のみならず、所定の成分溶解対象物(成分抽出対象物)からの成分の溶解(成分の抽出、染色、含浸を含む)に使用される。
成分溶解省エネ運転システム10Aは、二酸化炭素(成分溶解(抽出)ガス)を所定温度に冷却しつつ二酸化炭素を液化する凝縮器11および冷凍機12と、凝縮器11および冷凍機12によって液化された二酸化炭素を収容する真空断熱の貯留タンク13と、貯留タンク13から供給された二酸化炭素を所定圧力に加圧する搬送ポンプ14と、搬送ポンプ14から送出された二酸化炭素を所定の温度に加熱する加熱器15と、フィルタ(図示せず)を収容かつ洗浄する洗浄容器16(成分溶解(抽出)容器)と、洗浄容器16から流出した洗浄流体を加熱する加熱器17と、洗浄流体を減圧する背圧弁18と、洗浄流体に含まれる不純物(成分)を洗浄流体から分離する気液分離装置19(成分分離装置)と、洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から除去する吸着塔20(濾過装置)と、コントローラ21(制御装置)とから形成されている。
成分溶解システム10Aでは、凝縮器11、貯留タンク13、搬送ポンプ14、加熱器15、洗浄容器16、加熱器17、背圧弁18、気液分離装置19、吸着塔20が連結管路22を介して互いに連結されている。それらの各機器は、図1に示すように、凝縮器11→貯留タンク13→搬送ポンプ14→加熱器15→洗浄容器16→加熱器17→背圧弁18→気液分離装置19→吸着塔20の順番で連結されている。
成分溶解省エネ運転システム10Aでは、凝縮器11や冷凍機12、貯留タンク13、搬送ポンプ14が屋外23に配置されているとともに、加熱器15や洗浄容器16、加熱器17、背圧弁18、気液分離装置19、吸着塔20が空調対象建物の屋内24に配置されている。屋内24には、そこで発生した排熱空気を屋外23に排気する排気ファン25(排気装置)が設置されている。排気ファン25には、屋内24に吸込口(図示せず)を有する排気ダクト26が接続されている。なお、凝縮器11、冷凍機12、貯留タンク13、搬送ポンプ14、加熱器15、洗浄容器16、加熱器17、背圧弁18、気液分離装置19、吸着塔20の全てが屋内24に配置されていてもよく、それら全てが屋外23に配置されていてもよい。
排気ダクト26は、屋内24から屋外23に延長され、屋外23において第1排気ダクト26aと第2排気ダクト26bと第3排気ダクト26cとに分岐している。第1排気ダクト26aには、第1モーターダンパ27が設置されている。第1モーターダンパ27は、その制御部(図示せず)がインターフェイス30(有線または無線)を介してコントローラ21に接続されている。
第2排気ダクト26bには、第2モーターダンパ28が設置されている。第2モーターダンパ28は、その制御部(図示せず)がインターフェイス30を介してコントローラ21に接続されている。第3排気ダクト26cには、第3モーターダンパ29が設置されている。第3モーターダンパ29は、その制御部(図示せず)がインターフェイス30を介してコントローラ21に接続されている。それらモーターダンパ27〜29は、図示はしていないが、モジュトロールモーターと、モーターの駆動力によって旋回する旋回羽根と、旋回羽根の旋回によって開閉される屋内排気空気の空気流路とから形成されている。
搬送ポンプ14と加熱器15とを連結して屋外に延びる連結管路22a(搬送ポンプ14と加熱器15との間に延びる連結管路22a)には、第1熱交換部31と第2熱交換部32と第3熱交換部33とが設置されている。連結管路22aでは、搬送ポンプ14から加熱器15に向かって第2熱交換部32→第1熱交換部31→第3熱交換部33の順番で並んでいる。なお、それら熱交換部31〜33の連結管路22aにおける設置の順番について特に限定はない。それら熱交換部31〜33(後記する第4熱交換部50を含む)は、図示はしていないが、フィンを備え、そのフィンによって屋内24の排熱空気と連結管路22aに流れる二酸化炭素との間で熱交換し、冷凍機12の排熱空気と連結管路22aに流れる二酸化炭素との間で熱交換するとともに、屋外23の外気と連結管路22aに流れる二酸化炭素との間で熱交換する。
第1熱交換部31の入口側34(第1熱交換部31の通風部分の入口側34)の近傍(直近)には、第1排気ダクト26aの第1排気口(図示せず)が対向している。第2熱交換部32の入口側35(第2熱交換部32の通風部分の入口側35)の近傍(直近)には、第2排気ダクト26bの第2排気口(図示せず)が対向している。第3熱交換部33の入口側36(第3熱交換部33の通風部分の入口側36)の近傍(直近)には、第3排気ダクト26cの第3排気口(図示せず)が対向している。凝縮器11や貯留タンク13、搬送ポンプ14は、屋外23に延びる連結管路22aに設置されている。凝縮器11は、その制御部(図示せず)がインターフェイス30を介してコントローラ21に接続されている。搬送ポンプ14は、第1熱交換部31の出口側37(第1熱交換部31の通風部分の出口側37)の近傍(直近)に配置され、その制御部(図示せず)がインターフェイス30を介してコントローラ21に接続されている。
冷凍機12は、第2熱交換部32の出口側38(第2熱交換部32の通風部分の出口側38)の近傍(直近)に配置され、その制御部(図示せず)がインターフェイス30を介してコントローラ21に接続されている。冷凍機12は、冷媒往管39および冷媒還管40を介して凝縮器11に連結されている。冷凍機12は、冷媒往管39と冷媒還管40とに冷媒を流動させ、凝集器11に流入した二酸化炭素をその冷媒によって冷却する。冷凍機12には、そこから排気される排熱空気を排気する冷凍機排熱送気ダクト41が設置されている。
冷凍機排熱送気ダクト41は、第1熱交換部31に向かって延びるとともに、その排気口(図示せず)が第1熱交換部31の入口側34の近傍(直近)に対向している。なお、第3熱交換部33の出口側42(第3熱交換部33の通風部分の出口側42)は、屋外23の大気に開放されている。それら熱交換部31〜33の入口側34〜36とは、熱交換前の空気(排熱空気)を熱交換部31〜33に供給する側であり、それら熱交換部31〜33の出口側37,38,42とは、熱交換後の除熱冷気を熱交換部31〜33から送出する側である。
屋外23には、第1温度センサ43が設置されている。第1温度センサ43は、インターフェイス30を介してコントローラ21に接続されている。第1温度センサ43は、屋外23の温度(外気温)を計測し、計測した屋外23の温度をコントローラ21に送信する。第1熱交換部31の出口側37の近傍(直近)には、第2温度センサ44が設置されている。第2温度センサ44は、インターフェイス30を介してコントローラ21に接続されている。第2温度センサ44は、第1熱交換部31の出口側37から送気される第1除熱冷気の温度を計測し、計測した第1除熱冷気の温度をコントローラ21に送信する。
第2熱交換部32の出口側38の近傍(直近)には、第3温度センサ45が設置されている。第3温度センサ45は、インターフェイス30を介してコントローラ21に接続されている。第3温度センサ45は、第2熱交換部32の出口側38から送気される第2除熱冷気の温度を計測し、計測した第2除熱冷気の温度をコントローラ21に送信する。第3熱交換部33と加熱器15とを連結して屋外23に延びる連結管路22aには、第4温度センサ46が設置されている。第4温度センサ46は、インターフェイス30を介してコントローラ12に接続されている。第4温度センサ46は、第3熱交換部33と加熱器15との間の連結管路22aに流れる二酸化炭素の温度を計測し、計測した二酸化炭素の温度をコントローラ21に送信する。
加熱器15は、その制御部(図示せず)がインターフェイス30を介してコントローラ21に接続されている。加熱器15と洗浄容器16とを連結して屋内24に延びる連結管路22には、流量センサ47が設置されている。流量センサ47は、インターフェイス30を介してコントローラ21に接続されている。流量センサ47は、連結管路22に流れる洗浄流体の流量を計測し、計測した洗浄流体の流量をコントローラ21に送信する。
洗浄容器16の内部には、第5温度センサ48が設置され、圧力センサ(図示せず)が設置されている。第5温度センサ48は、インターフェイス30を介してコントローラ21に接続されている。第5温度センサ48は、洗浄容器16の内部を通流する洗浄流体の温度を計測し、計測した洗浄流体の温度をコントローラ21に送信する。圧力センサは、インターフェイスを介してコントローラ21に接続され、洗浄容器16の内部を通流する洗浄流体の圧力を計測し、計測した洗浄流体の圧力をコントローラ21に送信する。
加熱器17と背圧弁18とは、それらの制御部(図示せず)がインターフェイス30を介してコントローラ21に接続されている。背圧弁18は、その弁機構の開度を変更することで、そこを通る洗浄流体の圧力を調節する。気液分離装置19(成分分離装置)は、不純物の蒸気圧の差を利用して洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から分離する。気液分離装置19には、回収器49が取り付けられている。回収器49には、気液分離装置19によって分離された不純物(液体成分)が回収される。
吸着塔20(濾過装置)は、気液分離装置19から流出した洗浄流体に微量の不純物が含まれている場合、その不純物を除去(濾過)し、洗浄流体を浄化する。吸着塔20には、図示はしていないが、フィルタカートリッジに装着されたフィルタが設置されている。吸着塔20で使用するフィルタは、ガラス繊維や吸着剤、合成樹脂繊維を濾材とする。吸着剤には、活性炭やゼオライト、セラミック多孔体等が使用される。合成樹脂繊維を形成する合成樹脂には、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ナイロン6、ポリフェニレンサルファイド等が使用される。濾材としては、それら繊維のみを重ね合わせたもの、それら繊維間に粒状活性炭や粒状ゼオライト、粒状セラミック多孔体等の吸着剤を担持させ、それら繊維を重ね合わせたもの、重なり合う繊維集合物の間に粒状活性炭や粒状ゼオライト、粒状セラミック多孔体等の吸着剤を介在させたものも含まれる。吸着塔では、洗浄流体が濾材を通過する過程において洗浄流体に含まれる微量の不純物が濾材に捕捉され、洗浄流体に含まれる不純物が除去される。
コントローラ21は、中央処理部と記憶部とを備えたコンピュータである。コントローラ21の中央処理部は、オペレーティングシステムによる制御に基づいて、記憶部に格納されたアプリケーションを起動し、起動したアプリケーションに従って、以下に説明する各運転を実施する。コントローラ21は、凝縮器11の温度や冷凍機12の出力、貯留タンク13からの二酸化炭素の供給量、搬送ポンプ14の出力、各加熱器15,17の出力、背圧弁18の弁開度、各モーターダンパ27〜29の開閉を監視しつつ、各温度センサ43〜46,48や流量センサ47、圧力センサから送信された計測結果に基づいて、それらの温度や出力、供給量、開度、開閉をコントロール(制御)する。
また、コントローラ21は、二酸化炭素の昇圧時やフィルタの洗浄時、二酸化炭素の減圧時において、それに接続された凝縮器11や冷凍機12、搬送ポンプ14、各加熱器15,17、洗浄容器16、背圧弁18を最適な状態(二酸化炭素を最も効率よく昇圧し得る状態、フィルタを最も効率よく洗浄し得る状態、二酸化炭素を最も効率よく減圧し得る状態)に保持し得るように、フィードバック制御を行う。
システム10Aでは、貯留タンク13から液化二酸化炭素が供給され、その液化二酸化炭素が搬送ポンプ14によって5.0〜30.0MPaの圧力に加圧された後、二酸化炭素が加熱器15によって30〜120℃の温度に加熱され、二酸化炭素が臨界点以上の温度および圧力になり、超臨界または亜臨界のいずれかの洗浄流体になる。洗浄流体は、搬送ポンプ14によって強制的に洗浄容器16に供給され、洗浄容器16の気密構造洗浄室に流入し、洗浄室に収容されたフィルタを洗浄する。フィルタの洗浄中や二酸化炭素の減圧中は、洗浄容器16から流出した洗浄流体が加熱器17によって加熱されるとともに背圧弁18によって減圧される。なお、超臨界や亜臨界のいずれかの洗浄流体は、気体と液体との性質を有し、エアフィルタやリキッドフィルタを形成する濾材の微細な間隙に容易に進入し、濾材表面に付着した不純物を落とすことができるのみならず、濾材内部に滲入した不純物を落とすことができる。
フィルタの洗浄中や二酸化炭素の減圧中は、洗浄流体が気液分離装置19に流入し、気液分離装置19によってそれに含まれる不純物(汚れ成分)が分離される。洗浄流体から分離された不純物は、回収器49に回収される。気液分離装置19から流出した洗浄流体は、吸着塔20に流入し、吸着塔20によってそれに微量に含まれる不純物(汚れ成分)が除去される。フィルタの洗浄中は、吸着塔20から流出した洗浄流体が凝縮器11に流入し、洗浄流体が凝縮器11および冷凍機12によって液体の二酸化炭素に戻り、凝縮器11から貯留タンク13に流入し、貯留タンク13から再び搬送ポンプ14に供給される。フィルタの洗浄中は、二酸化炭素が超臨界または亜臨界の洗浄流体へと状態を変化させるとともに、超臨界または亜臨界の洗浄流体が二酸化炭素へと状態を変化させながら連結管路22(システム10Aやシステム10B)を循環する。
なお、システム10A(システム10Bを含む)の起動時である二酸化炭素の昇圧時では、背圧弁18の弁機構が閉鎖され、洗浄流体が連結管路22(システム10Aやシステム10B)を循環しない。また、システム10A(システム10Bを含む)の停止時である二酸化炭素の減圧時では、凝縮器11や冷凍機12は稼働しているが、搬送ポンプ14が停止している。二酸化炭素の減圧中は、吸着塔20から流出した洗浄流体が凝縮器11に流入し、洗浄流体が凝縮器11および冷凍機12によって液体の二酸化炭素に戻り、液体二酸化炭素が貯留タンク13に収容される。
図2は、二酸化炭素の昇圧時における成分溶解省エネ運転システム10A(洗浄システム)の運転の一例を説明する図である。図2では、第1温度が第2温度よりも高い場合におけるシステム10Aの第1運転や第2予熱運転を示す。二酸化炭素の昇圧時においてシステム10Aを起動させると、搬送ポンプ14や加熱器15、洗浄容器16、各温度センサ43〜46,48、流量センサ47、圧力センサが稼働するとともに、排気ファン25が稼働する。コントローラ21は、搬送ポンプ14の出力や加熱器15の温度を調節しつつ、背圧弁18の弁機構を閉鎖した状態で、貯留タンク13に貯留された液化二酸化炭素の設定量を連結管路22aに供給する。なお、二酸化炭素の昇圧時では、冷凍機12や加熱器17は停止している。
貯留タンク13から供給された二酸化炭素は、図2に矢印で示すように、搬送ポンプ14から連結管路22aを通って第2熱交換部32に流入し、第2熱交換部32から第1熱交換部31に流入するとともに、第1熱交換部31から第3熱交換部33に流入する。第3熱交換部33から流出した二酸化炭素は、加熱器15に流入する。なお、連結管路22aに流れる液化二酸化炭素や気化した二酸化炭素の温度は−10〜−15℃の範囲にあるが、搬送ポンプ14の下流側(第2熱交換部32の上流側)に延びる連結管路22a内の液化二酸化炭素の温度が0℃以下であればよい。
コントローラ21は、搬送ポンプ14の出力を設定出力に保持しつつ、液体二酸化炭素を所定の圧力に加圧するとともに、加熱器15の温度を設定温度に保持し、加圧された二酸化炭素を所定の温度に加熱する。二酸化炭素は、搬送ポンプ14によって加圧されるとともに、加熱器15によって加熱され、臨界点を超えて超臨界または亜臨界のいずれかの洗浄流体になる。加熱器15から流出した洗浄流体は、洗浄容器16に流入し、洗浄容器16から加熱器17に流入する。なお、背圧弁18の弁機構が閉鎖されているから、洗浄流体の流動が背圧弁18で停止する。
二酸化炭素の昇圧時(システム10Aの起動時)においてコントローラ21は、第1モーターダンパ27の旋回羽根の開度(ダンパ開度)を全開にして空気流路を開放し、第2モーターダンパ28の旋回羽根の開度(ダンパ開度)を全閉にして空気流路を閉鎖するとともに、第3モーターダンパ29の旋回羽根の開度(ダンパ開度)を全開にして空気流路を開放する。二酸化炭素の昇圧時において排気ファン25が稼働すると、図2に矢印で示すように、屋内24の排熱空気が排気ダクト26を通り、その排熱空気が第1〜第3排気ダクト26a〜26cに流入する。
屋内24から排気される排熱空気は、第1排気ダクト26aの第1排気口から第1熱交換部31の入口側34に送気されるとともに、第3排気ダクト26cの第3排気口から第3熱交換部33の入口側36に送気される。なお、第2モーターダンパ28の空気流路が閉鎖されているから、第2熱交換部32への排熱空気の送気は行われない。第1熱交換部31では、そこを流れる二酸化炭素と第1排気ダクト26aから送気された排熱空気との間で熱交換が行われ、排熱空気の温度よりも低い温度の二酸化炭素によって排熱空気が冷却される。第1熱交換部31の出口側37からは、排熱空気から熱交換された第1除熱冷気が搬送ポンプ14の周辺に向かって送気される。第3熱交換部33では、そこを流れる二酸化炭素と第3排気ダクト26cから送気された排熱空気との間で熱交換が行われ、二酸化炭素の温度よりも高い温度の排熱空気によって二酸化炭素が加熱される。第3熱交換部33の出口側42からは、屋内排気空気から熱交換された空気が屋外(大気)に放出される。
コントローラ21は、第1温度センサ43から送信された第1温度(屋外温度)と第2温度センサ44から送信された第2温度(第1熱交換部31の出口側37の温度)とを比較する。コントローラ21は、第1温度と第2温度とを比較した結果、第1温度が第2温度よりも高いと判断した場合(屋外の第1温度が第1除熱冷気の第2温度よりも高い場合)(第2温度<第1温度、または、第2温度≦第1温度)、第1熱交換部31の第1排気口から搬送ポンプ14への第1除熱冷気の送気を継続する第1運転を実施する。第1運転では、第1除熱冷気を第1熱交換部31の出口側37から搬送ポンプ14の周辺に送気することで、ポンプ14の周辺の空気の温度を低下させる。二酸化炭素の昇圧中において第1温度が第2温度よりも高い場合、第1除熱冷気による搬送ポンプ14周辺の冷却が継続される。
第1運転においてコントローラ21は、第3モーターダンパ29の空気流路の開放状態を維持し、第2予熱運転を実施する。第2予熱運転では、第3排気ダクト26cの第3排気口から屋内24の排熱空気が第3熱交換部33の入口側36に送気され、第3熱交換部33を介して連結管路22aに流れる二酸化炭素と排熱空気との間で熱交換が行われ、連結管路22aに流れる二酸化炭素の温度を上昇させる。なお、第1運転において第2予熱運転を行わない場合もある。この場合、コントローラ21は、第3モーターダンパ29の旋回羽根の開度(ダンパ開度)を全閉にしてダンパ29の空気流路を閉鎖する。第3モーターダンパ29の空気流路が閉鎖されることで、第3熱交換部33への排熱空気の送気は行われない。
システム10Aでは、二酸化炭素の昇圧中に搬送ポンプ14の運転発熱によってポンプ14の温度が次第に上昇するが、第1除熱冷気をポンプ14の周辺に送気することによってポンプ14周辺を冷却することができ、ポンプ14の温度上昇を抑制することができる。なお、搬送ポンプ14周辺を冷却せず、ポンプ14の温度が上がると、ポンプ14内を流動する液化二酸化炭素に多数の気泡が発生し、ポンプ14にキャビテーションが発生する場合があるが、このシステム10Aでは、第1除熱冷気を搬送ポンプ14の周辺に送気する第1運転によってポンプ14の温度上昇が抑制されるから、二酸化炭素の昇圧時におけるポンプ14のキャビテーションを抑制することができ、二酸化炭素を確実に昇圧しつつその二酸化炭素を加熱器15に送ることができるとともに、加熱器15において二酸化炭素をスムースに超臨界または亜臨界のいずれかの流体にすることができる。
システム10Aは、第1熱交換部31から搬送ポンプ14への第1除熱冷気の送気を継続する第1運転中に第2予熱運転を実施し、第3熱交換部33を介して屋内24の排熱空気と連結管路22aに流れる二酸化炭素との間で熱交換を行うから、屋内24の排熱空気を利用して加熱器15に流入する前に二酸化炭素を加熱することができ、屋内24の排熱空気の有効利用(再利用)を図ることができるとともに、加熱器14の加熱エネルギー使用量を低減させることができる。システム10Aは、屋内24の排熱空気を利用して加熱器15に流入する二酸化炭素を事前に加熱するから、加熱器15において二酸化炭素を速やかに超臨界または亜臨界のいずれかの流体にすることができる。
図3は、二酸化炭素の昇圧時における成分溶解省エネ運転システム10A(洗浄システム)の運転の他の一例を説明する図である。図3では、第1温度が第2温度よりも低い場合におけるシステム10Aの第2運転を示す。コントローラ21は、第1温度と第2温度とを比較した結果、第1温度が第2温度よりも低いと判断した場合(屋外の第1温度が第1除熱冷気の第2温度よりも低い場合)(第1温度<第2温度、または、第1温度≦第2温度)、第1熱交換部31から搬送ポンプ14周辺への第1除熱冷気の送気を停止する第2運転を実施する。
第2運転においてコントローラ21は、空気流路を開放していた第1モーターダンパ27の旋回羽根の開度(ダンパ開度)を全閉にし、ダンパ27の空気流路を閉鎖する。第1モーターダンパ27の空気流路が閉鎖されることで、第1排気ダクト26aにおける排熱空気の流動が停止し、第1熱交換部31への排熱空気の送気が停止する。第2運転においてコントローラ21は、第3モーターダンパ29の空気流路の開放状態を維持し、連結管路22aに流れる二酸化炭素の温度を上昇させる第2予熱運転を実施する。なお、第2運転において第2予熱運転が行われない場合もある。この場合、コントローラ21は、第3モーターダンパ29の旋回羽根の開度(ダンパ開度)を全閉にして空気流路を閉鎖する。
第1温度が第2温度よりも低い場合において、第1除熱冷気を搬送ポンプ14へ送気すると、第1除熱冷気によってポンプ14の温度が上昇する場合があるが、このシステム10Aは、第1温度が第2温度よりも低い場合、第1熱交換部31から搬送ポンプ14周辺への第1除熱冷気の送気を停止する第2運転を実施するから、第1除熱冷気を送気することによるポンプ14の不要な温度上昇を防ぐことができ、第1温度が第2温度よりも低い場合のポンプ14のキャビテーションを抑制することができる。システム10Aは、第2運転中に第2予熱運転を行うから、屋内24の排熱空気を利用して加熱器15に流入する前に二酸化炭素を加熱することができ、屋内24の排熱空気の有効利用(再利用)を図ることができるとともに、加熱器15において二酸化炭素を速やかに超臨界または亜臨界のいずれかの洗浄流体にすることができる。
コントローラ21は、第4センサ46から送信された第4温度(加熱器15の入口側の連結管路22aに流れる二酸化炭素の温度)と第5温度センサ48から送信された第5温度(洗浄容器16の内部の温度)とを比較し、第4温度が第5温度よりも高い場合(加熱器15の上流側の直近に延びる連結管路22a内の二酸化炭素の第4温度が洗浄容器16の内部の第5温度よりも高い場合)(第5温度<第4温度、または、第5温度≦第4温度)、第1運転の実施中は第1運転から第2運転に切り替え、第2運転の実施中は第2運転を継続しつつ、第2予熱運転を中止する。
図4は、フィルタの洗浄時における成分溶解省エネ運転システム10A(洗浄システム)の運転の他の一例を説明する図である。図4では、第1温度が第3温度よりも高い場合におけるシステム10Aの第1運転や第3運転、第2予熱運転を示す。フィルタの洗浄時(システム10Aにおける成分溶解対象物の成分溶解時)において、洗浄流体は、背圧弁18によって減圧された後、凝縮器11に流入し、冷凍機12の冷媒往路39と冷媒復路40とを循環する冷媒によって温度が低下して液化二酸化炭素に戻る。液化二酸化炭素は、凝縮器11から再び搬送ポンプ14に送られる。フィルタの洗浄時では、液化二酸化炭素→洗浄ガス流体→液化二酸化炭素→洗浄ガス流体と状態が変化しながら二酸化炭素や洗浄流体が連結管路22(システム10A)を循環し、洗浄流体によって洗浄容器16の内部に収容されたフィルタの汚れ(汚れ成分)が溶解され、フィルタが洗浄される。
フィルタの洗浄時においてコントローラ21は、冷凍機12や加熱器17を稼働させるとともに、背圧弁18の弁機構を所定の開度に開放する。さらに、コントローラ21は、第1モーターダンパ27および第3モーターダンパ29の空気流路を開放した状態を維持しつつ、第2モーターダンパ28の旋回羽根の開度(ダンパ開度)を全開にして空気流路を開放する。背圧弁18の弁機構を開放することで、洗浄流体が背圧弁18を通過して気液分離装置19に流入するとともに、気液分離装置19から吸着塔20に流入する。
第2モーターダンパ28の空気流路を開放することで、第2熱交換部32では、そこに流れる二酸化炭素と第2排気ダクト26bから送気された屋内24の排熱空気との間で熱交換が行われ、屋内24の排熱空気の温度よりも低い温度の二酸化炭素によって排熱空気が冷却される。第2熱交換部32の出口側38からは、排熱空気から熱交換された第2除熱冷気が冷凍機12の周辺に向かって送気される。なお、第1熱交換部31の出口側37からは、第1除熱冷気が搬送ポンプ14の周辺に向かって送気され、第3熱交換部33の出口側42からは、屋内24の排熱空気から熱交換された空気が屋外(大気)に放出される。
コントローラ21は、第1温度センサ43から送信された第1温度(屋外温度)と第3温度センサ45から送信された第3温度(第2熱交換部32の出口側38の温度)とを比較する。コントローラ21は、第1温度と第3温度とを比較した結果、第1温度が第3温度よりも高いと判断した場合(屋外の第1温度が第2除熱冷気の第3温度よりも高い場合)(第3温度<第1温度、または、第3温度≦第1温度)、第2熱交換部32から冷凍機12周辺への第2除熱冷気の送気を継続する第3運転を実施する。第3運転では、第2除熱冷気を第2熱交換部32の出口側38から冷凍機12の周辺に送気することで、冷凍機12の周辺の空気の温度を低下させる。フィルタの洗浄中において第1温度が第3温度よりも高い場合、第2除熱冷気による冷凍機12周辺の冷却が継続される。
第3運転においてコントローラ21は、第1モーターダンパ31の空気流路の開放状態を維持し、第1運転を実施して搬送ポンプ14周辺の温度を低下させるとともに、第3モーターダンパ29の空気流路の開放状態を維持し、図3の第1運転において説明した場合と同様に、第2予熱運転を実施して連結管路22aに流れる二酸化炭素の温度を上昇させる。なお、第3運転において第1運転および第2予熱運転を実施しない場合もある。この場合、コントローラ21は、第1モーターダンパ27の旋回羽根の開度(ダンパ開度)を全閉にしてダンパ27の空気流路を閉鎖するとともに、第3モーターダンパ29の旋回羽根の開度(ダンパ開度)を全閉にしてダンパ29の空気流路を閉鎖する。第1モーターダンパ27や第3モーターダンパ29の空気流路が閉鎖されることで、第1および第2排気ダクト26a,26bにおける排熱空気の流動が停止し、第1熱交換部31や第3熱交換部33への排熱空気の送気が停止する。
システム10Aは、フィルタの洗浄中に第2除熱冷気によって冷凍機12周辺を冷却することで、冷凍機12の温度上昇を抑制することができ、フィルタの洗浄中における冷凍機12の冷凍サイクルの熱交換効率を向上させることができ、システム10Aの省エネルギー化を図ることができる。システム10Aは、冷凍機12が製造する冷熱と背圧弁17の開閉による昇圧および減圧とを利用して超臨界または亜臨界の流体から二酸化炭素または二酸化炭素から超臨界または亜臨界の流体への状態変化を繰り返しつつ二酸化炭素および洗浄流体をシステム10Aに循環させることができ、洗浄流体を利用してフィルタ(成分溶解対象物)から汚れ(成分)を確実に溶解することができる。
なお、フィルタの洗浄中に搬送ポンプ14の運転発熱によってポンプ14の温度が上がると、ポンプ14内を流動する液化二酸化炭素に多数の気泡が発生し、ポンプ14の内部においてキャビテーションが発生する場合があるが、第1除熱冷気をポンプ14の周辺に送気する第1運転によってポンプ14の運転中における温度上昇が抑制されるから、二酸化炭素の昇圧時におけるポンプ14のキャビテーションを防ぐことができ、二酸化炭素を確実に昇圧しつつその二酸化炭素を加熱器15に送ることができる。また、第3運転中に予熱運転を実施し、第3熱交換部33を介して屋内24の排熱空気と連結管路22aに流れる二酸化炭素との間で熱交換を行うから、屋内24の排熱空気を利用して加熱器15に流入する前に二酸化炭素を加熱することができ、屋内24の排熱空気の有効利用(再利用)を図ることができるとともに、加熱器14の加熱エネルギー使用量を低減させることができる。
図5は、フィルタの洗浄時における成分溶解省エネ運転システム10A(洗浄システム)の運転の他の一例を説明する図である。図5では、第1温度が第3温度よりも高い場合におけるシステム10Aの第1運転や第1予熱運転、第2予熱運転を示す。フィルタの洗浄時においてコントローラ21は、冷凍機12や加熱器17を稼働させるとともに、背圧弁18の弁機構を所定の開度に開放する。コントローラ21は、第3モーターダンパ29の空気流路を開放した状態を維持しつつ、第2モーターダンパ28の旋回羽根の開度(ダンパ開度)を全開にして空気流路を開放する。さらに、コントローラ21は、第1モーターダンパ27の旋回羽根の開度(ダンパ開度)を全閉にして空気流路を閉鎖するとともに、冷凍機排熱送気ダクト41を開放する。
第2熱交換部32の出口側38からは、排熱空気から熱交換された第2除熱冷気が冷凍機12の周辺に向かって送気される。第3熱交換部33の出口側42からは、排熱空気から熱交換された空気が屋外(大気)に放出される。第1熱交換部31では、そこに流れる二酸化炭素と冷凍機排気ダクト41の排気口から送気された排熱空気との間で熱交換が行われ、二酸化炭素の温度よりも高い温度の排熱空気によって二酸化炭素が加熱される。第1熱交換部31の出口側37からは、排熱空気から熱交換された空気が屋外(大気)に放出される。
コントローラ21は、第1温度センサ43から送信された第1温度と第3温度センサ45から送信された第3温度とを比較し、第1温度が第3温度よりも高い(第3温度<第1温度、または、第3温度≦第1温度)と判断した場合、第2熱交換部32から冷凍機12周辺への第2除熱冷気の送気を継続する第3運転を実施する。第3運転では、第2除熱冷気を第2熱交換部32の出口側38から冷凍機12周辺に送気することで、冷凍機12の周辺の空気の温度を低下させる。フィルタの洗浄中において第1温度が第3温度よりも高い場合、第2除熱冷気による冷凍機12周辺の冷却が継続される。
第3運転においてコントローラ21は、第3モーターダンパ29の空気流路の開放状態を維持するとともに、冷凍機排熱送気ダクト41の開放状態を維持し、第1予熱運転および第2予熱運転を実施して連結管路22aに流れる二酸化炭素の温度を加熱器15に到達する前に上昇させる。なお、第3運転において第1予熱運転や第2予熱運転を行わない場合もある。この場合、コントローラ21は、第3モーターダンパ29の旋回羽根の開度(ダンパ開度)を全閉にしてダンパ29の空気流路を閉鎖するとともに、冷凍機排気ダクト41を閉鎖する。第3モーターダンパ29の空気流路や冷凍機排気ダクト41が閉鎖されることで、第1熱交換部31や第3熱交換部33への排熱空気の送気は行われない。
図5の運転を実施するシステム10Aは、図4の運転を実施するシステム10Aが有する効果に加え、以下の効果を有する。システム10Aは、第2熱交換部32から冷凍機12周辺への第2除熱冷気の送気を継続する第3運転中や第1熱交換部31から搬送ポンプ14周辺への第1除熱冷気の送気を停止する第2運転中に、第1熱交換部31を介して冷凍機12の運転排熱空気と連結管路22aに流れる二酸化炭素との間で熱交換を行うから、冷凍機12の運転排熱空気を利用して加熱器15に流入する前に二酸化炭素を加熱することができ、冷凍機12の排熱空気の有効利用(再利用)を図ることができるとともに、加熱器15の加熱エネルギー使用量を低減させることができる。
図6は、フィルタの洗浄時における成分溶解省エネ運転システム10A(洗浄システム)の運転の他の一例を説明する図である。図6では、第1温度が第3温度よりも低い場合におけるシステム10Aの第4運転や第1予熱運転、第2予熱運転を示す。コントローラ21は、第1温度と第3温度とを比較した結果、第1温度が第3温度よりも低いと判断した場合(屋外の第1温度が第2除熱冷気の第3温度よりも高い場合)(第1温度<第3温度、または、第1温度≦第3温度)、第2熱交換部32から冷凍機12への第2除熱冷気の送気を停止する第4運転を実施する。なお、第1運転(第1熱交換部31から搬送ポンプ14周辺への第1除熱冷気の送気)が実施されている場合、第1熱交換部31から搬送ポンプ14周辺への第1除熱冷気の送気を停止する第2運転を実施する。
第4運転においてコントローラ21は、第2モーターダンパ28の旋回羽根の開度(ダンパ開度)を全閉にし、ダンパ28の空気流路を閉鎖するとともに、第1モーターダンパ27の旋回羽根の開度(ダンパ開度)を全閉にし、ダンパ27の空気流路を閉鎖する。ダンパ27,28の空気流路が閉鎖されることで、第1および第2熱交換部31,32への排熱空気の送気が停止する。第4運転においてコントローラ21は、第3モーターダンパ29の空気流路の開放状態を維持するとともに、第1予熱運転が行われている場合は冷凍機排熱送気ダクト41の開放状態を維持し、第1予熱運転および第2予熱運転を実施して連結管路22aに流れる二酸化炭素の温度を加熱器15に到達する前に上昇させる。なお、第4運転において第1予熱運転と第2予熱運転とのうちのいずれか一方を行う場合もあり、または、第4運転において第1予熱運転と第2予熱運転とを行わない場合もある。
第1温度が第3温度よりも低い場合において、第2除熱冷気を冷凍機12周辺へ送気すると、第2除熱冷気によって冷凍機12の周辺の空気の温度が上昇する場合があるが、このシステム10Aは、第1温度が第3温度よりも低い場合、第2熱交換部32から冷凍機12周辺への第2除熱冷気の送気を停止する第4運転(第2運転を実施する場合を含む)を実施するから、第2除熱冷気を送気することによる冷凍機12の不要な温度上昇を防ぐことができ、第1温度が第3温度よりも低い場合の冷凍機12の熱交換効率の低下を防ぐことができる。システム10Aは、第4運転中に第1および第2予熱運転のうちの少なくとも一方を実施するから、屋内24の排熱空気や冷凍機12の運転排熱空気を利用して加熱器15に流入する前に二酸化炭素を加熱することができ、排熱空気の有効利用(再利用)を図ることができるとともに、加熱器15において加熱のための加熱エネルギー使用量を低減させつつ二酸化炭素を確実に超臨界または亜臨界のいずれかの洗浄流体にすることができる。
コントローラ21は、第4センサ46から送信された第4温度と第5温度センサ48から送信された第5温度とを比較し、第4温度が第5温度よりも高いと判断した場合(加熱器15の上流側の直近に延びる連結管路22a内の二酸化炭素の第4温度が洗浄容器16の内部の第5温度よりも高い場合)(第5温度<第4温度、または、第5温度≦第4温度)、第3運転の実施中は第3運転から第4運転に切り替え、第4運転の実施中は第4運転を継続しつつ、第1予熱運転や第2予熱運転を中止する。
図7は、洗浄流体の減圧時における成分溶解省エネ運転システム10A(洗浄システム)の運転の他の一例を説明する図である。図7では、第1温度が第3温度よりも高い場合におけるシステム10Aの第3運転を示す。フィルタの洗浄が終了し、システム10A(システム10Bを含む)を停止する場合、洗浄流体の減圧が行われる。洗浄流体の減圧時においてコントローラ21は、搬送ポンプ14を停止させ、冷凍機12の稼働を継続させる。コントローラ21は、背圧弁18の弁機構を調節して連結管路22に流れる洗浄流体を次第に減圧する。管路22に流れる洗浄流体は、背圧弁18によって減圧されつつ冷凍機12によって温度が低下し、二酸化炭素に戻るとともに、凝縮器11によって液化された後、貯留タンク13に収容される。
洗浄流体の減圧時においてコントローラ21は、第1モーターダンパ27および第3モーターダンパ29の空気流路を閉鎖するとともに、第2モーターダンパ28の空気流路を開放した状態を維持する。第2モーターダンパ28の空気流路の開放状態が維持されることで、第2熱交換部32の出口側38からは、排熱空気から熱交換された第2除熱冷気が冷凍機12の周辺に向かって送気される。なお、第1運転や第1予熱運転、第2予熱運転は実施されない。洗浄流体の減圧を行い、洗浄容器16の内部の圧力が大気圧に戻るとともに温度が室温付近に戻った後、洗浄後のフィルタを洗浄容器16から取り出す。
コントローラ21は、第1温度と第3温度とを比較し、第1温度が第3温度よりも高いと判断した場合(屋外の第1温度が第2除熱冷気の第3温度よりも高い場合)(第3温度<第1温度、または、第3温度≦第1温度)、第2熱交換部32から冷凍機12周辺への第2除熱冷気の送気を継続する第3運転を実施し、第2除熱冷気を第2熱交換部32の出口側38から冷凍機12の周辺に送気することで、冷凍機12の周辺の空気の温度を低下させる。洗浄流体の減圧中において第1温度が第3温度よりも高い場合、第2除熱冷気による冷凍機12周辺の冷却が継続される。なお、第1温度が第3温度よりも低いと判断した場合、コントローラ21は、図7の状態から第2モーターダンパ28の空気流路を閉鎖し、第2熱交換部32から冷凍機12周辺への第2除熱冷気の送気を停止する第4運転を実施する。
システム10Aは、流体の減圧時において第2除熱冷気によって冷凍機12周辺の温度を低下させることができるから、流体の減圧時における冷凍機12の熱交換効率を向上させることができ、冷凍機12の運転エネルギー量を低減させることができるとともに、冷凍機12を利用して超臨界または亜臨界の流体を速やかに二酸化炭素に戻すことができる。なお、コントローラ21は、第4温度と第5温度とを比較し、第4温度が第5温度よりも高いと判断した場合、第3運転の実施中は第3運転から第4運転に切り替え、第4運転の実施中は第4運転を継続する。
図8は、他の一例として示す成分溶解省エネ運転システム10Bの構成図であり、二酸化炭素の昇圧時における成分溶解省エネ運転システム10B(洗浄システム)の運転の一例を説明する図である。図8では、第1温度が第2温度よりも高い場合におけるシステム10Bの第1運転や冷熱供給運転、第2予熱運転を示す。このシステム10Bが図1のそれと異なるところは、第1熱交換部31と第3熱交換部33との間に延びる連結管路22aに第4熱交換部50が設置されている点、屋内24に給気ファン54(給気装置)が設置されている点、給気ファン54に給気ダクト53が接続されている点、屋外23に位置する給気ダクト53の吸込口(図示せず)が第4熱交換部50の出口側52(第4熱交換部50の通風部分の出口側52)の近傍(直近)に対向している点にある。このシステム10Bのその他の構成は図1のそれらと同一であるから、このシステム10Bにおけるその他の構成の説明は省略する。給気ダクト53は、屋外23から屋内24に延長され、その給気口(図示せず)が屋内に配置されている。
二酸化炭素の昇圧時においてシステム10Bを起動させると、搬送ポンプ14や加熱器15、洗浄容器16、各温度センサ43〜46,48、流量センサ47、圧力センサが稼働するとともに、排気ファン25、給気ファン54が稼働する。二酸化炭素の昇圧時(システム10Bの起動時)においてコントローラ21は、第1モーターダンパ27の旋回羽根の開度(ダンパ開度)を全開にして空気流路を開放し、第2モーターダンパ28の旋回羽根の開度(ダンパ開度)を全閉にして空気流路を閉鎖するとともに、第3モーターダンパ29の旋回羽根の開度(ダンパ開度)を全開にして空気流路を開放する。二酸化炭素の昇圧時では、排気ファン25によって屋内24の排熱空気が第1〜第3排気ダクト26a〜26cに流入し、排熱空気が第1排気ダクト26aから第1熱交換部31の入口側34に送気されるとともに、排熱空気が第3排気ダクト26cから第3熱交換部33の入口側36に送気される。さらに、給気ファン54によって外気が屋内24へ取り込まれる。
第1熱交換部31において排熱空気が熱交換されて第1除熱冷気となり、第1除熱冷気が搬送ポンプ14の周辺に送気され、第3熱交換部33において排熱空気が熱交換され、排熱空気から熱交換された空気が屋外(大気)に放出される。第4熱交換部50では、その入口側51から進入した外気と交換器50に流れる二酸化炭素との間で熱交換が行われ、外気の温度よりも低い温度の二酸化炭素によって外気が冷却される。第4熱交換部50の出口側52からは、外気から熱交換された第3除熱冷気が送気される。第3除熱冷気は、給気ダクト53の外気取入口から給気ダクト53に進入し、給気ダクト53を通って屋内24に給気され、屋内24への給気空気として利用される。
コントローラ21は、第1温度と第2温度とを比較した結果、第1温度が第2温度よりも高いと判断した場合(屋外の第1温度が第1除熱冷気の第2温度よりも高い場合)、第1熱交換部31から搬送ポンプ14周辺への第1除熱冷気の送気を継続する第1運転を実施し、第3モーターダンパ29の空気流路の開放状態を維持して第2予熱運転を実施するとともに、給気ファン54(給気ダクト53)を介して第3除熱冷気を屋内24に給気する冷熱供給運転を実施する。第1運転において搬送ポンプ14の周辺の空気の温度を低下させ、第2予熱運転において連結管路22aに流れる二酸化炭素の温度を上昇させるとともに、冷熱供給運転において屋内24の温度を低下させ、さらに、室内冷房負荷を小さくして室内冷房空調に使用するエネルギーを低減させる。なお、第1運転や冷熱運転において第2予熱運転を行わない場合もある。
コントローラ21は、第1温度と第2温度とを比較し、第1温度が第2温度よりも低いと判断した場合(屋外の第1温度が第1除熱冷気の第2温度よりも低い場合)、第1熱交換部31から搬送ポンプ14周辺への第1除熱冷気の送気を停止する第2運転を実施するとともに、冷熱供給運転および第2予熱運転を実施する。なお、第2運転において第2予熱運転を実施しない場合もある。
図9は、フィルタの洗浄時における成分溶解省エネ運転システム10B(洗浄システム)の運転の他の一例を説明する図である。図9では、第1温度が第3温度よりも高い場合におけるシステム10Bの第1運転や第3運転、第2予熱運転、冷熱供給運転を示す。フィルタの洗浄時においてコントローラ21は、冷凍機12や加熱器17を稼働させるとともに、背圧弁18の弁機構を所定の開度に開放する。さらに、コントローラ21は、第1モーターダンパ27および第3モーターダンパ29の空気流路を開放した状態を維持しつつ、第2モーターダンパ28の旋回羽根の開度(ダンパ開度)を全開にして空気流路を開放する。フィルタの洗浄中では、第1除熱冷気が搬送ポンプ14の周辺に向かって送気され、第2除熱冷気が冷凍機12の周辺に向かって送気されるとともに、屋内24の排熱空気から熱交換された空気が屋外23に放出され、第3除熱冷気が給気ダクト53を通って屋内24に給気される。
コントローラ21は、第1温度と第3温度とを比較した結果、第1温度が第3温度よりも高いと判断した場合(屋外23の第1温度が第2除熱冷気の第3温度よりも高い場合)、第2熱交換部32から冷凍機12周辺への第2除熱冷気の送気を継続する第3運転を実施し、第2除熱冷気による冷凍機12周辺の冷却を継続する。第3運転においてコントローラ21は、第1運転を実施して搬送ポンプ14の周辺の空気の温度を低下させ、第2予熱運転を実施して連結管路22aに流れる二酸化炭素の温度を上昇させる。さらに、冷熱供給運転によって屋内24の冷房空調負荷を低減させる。なお、第3運転において第1運転や第2予熱運転を実施しない場合もある。また、図5に示すように、第3運転において第1運転を実施せず、第1予熱運転および第2予熱運転を実施する場合もある。
コントローラ21は、第1温度と第3温度とを比較した結果、第1温度が第3温度よりも低いと判断した場合(屋外の第1温度が第2除熱冷気の第3温度よりも高い場合)、図6に示すように、第2熱交換部32から冷凍機12周辺への第2除熱冷気の送気を停止する第4運転を実施する。なお、第1運転が実施されている場合、第1熱交換部31から搬送ポンプ14周辺への第1除熱冷気の送気を停止する第2運転を実施する。なお、第4運転においてコントローラ21は、第1予熱運転と第2予熱運転とのうちの少なくとも一方を行う場合、または、第1予熱運転および第2予熱運転を行わない場合がある。
なお、フィルタの洗浄時にコントローラ21は、第4温度と第5温度とを比較し、第4温度が第5温度よりも高いと判断した場合(加熱器15の上流側の直近に延びる連結管路22a内の二酸化炭素の第4温度が洗浄容器16の内部の第5温度よりも高い場合)、第3運転の実施中は第3運転から第4運転に切り替え、第4運転の実施中は第4運転を継続しつつ、第1予熱運転や第2予熱運転、冷熱供給運転を中止する。
図10は、洗浄流体の減圧時における成分溶解省エネ運転システム10B(洗浄システム)の運転の他の一例を説明する図である。図10では、第1温度が第3温度よりも高い場合におけるシステム10Bの第3運転および冷熱供給運転を示す。洗浄流体の減圧時においてコントローラ21は、搬送ポンプ14を停止させ、冷凍機12の稼働を継続させるとともに、第1モーターダンパ27および第3モーターダンパ29の空気流路を閉鎖し、第2モーターダンパ28の空気流路を開放した状態を維持する。第2除熱冷気が冷凍機12の周辺に向かって送気されて第2除熱冷気によって冷凍機12周辺が冷却され、冷熱供給運転によって屋内24の冷房空調負荷を低減させる。なお、第1運転や第1予熱運転、第2予熱運転は実施されない。また、洗浄流体の減圧時に冷熱供給運転を停止する場合もある。冷熱供給運転を停止するには、給気ファン54の運転を停止状態にする。
コントローラ21は、第1温度と第3温度とを比較し、第1温度が第3温度よりも高いと判断した場合(屋外の第1温度が第2除熱冷気の第3温度よりも高い場合)、第2熱交換部32から冷凍機12周辺への第2除熱冷気の送気を継続する第3運転を実施する。さらに、冷熱供給運転が継続される。なお、洗浄流体の減圧時に第1温度が第3温度よりも低いと判断した場合、コントローラ21は、図10の状態から第2モーターダンパ28の空気流路を閉鎖し、第2熱交換部32から冷凍機12周辺への第2除熱冷気の送気を停止する第4運転を実施する。また、洗浄流体の減圧時にコントローラ21は、第4温度と第5温度とを比較し、第4温度が第5温度よりも高いと判断した場合、第3運転の実施中は第3運転から第4運転に切り替え、第4運転の実施中は第4運転を継続しつつ、第2予熱運転や冷熱供給運転を中止する。
図8〜図10に示すシステム10Bは、図1〜図7に示すシステム10Aが有する効果に加え、以下の効果を有する。システム10Bは、外気から熱交換された第3除熱冷気を給気ダクト54から屋内24に給気することで、二酸化炭素配管系の冷熱を利用して屋内24の冷房空調負荷を低減させることができ、冷房空調に使用するエネルギーを低減させることができるとともに、二酸化炭素配管系の冷熱を冷却が望ましい冷凍機12や搬送ポンプ14に対して有効に利用することができる。
10A 洗浄システム(成分溶解省エネ運転システム)
10B 洗浄システム(成分溶解省エネ運転システム)
11 凝縮器
12 冷凍機
13 貯留タンク
14 搬送ポンプ
15 加熱器
16 洗浄容器(成分溶解容器)
17 加熱器
18 背圧弁
19 気液分離装置(成分分離装置)
20 吸着塔(濾過装置)
21 コントローラ(制御装置)
22 連結管路(成分溶解システムの成分溶解ガス配管)
22a 屋外に延びる連結管路
23 屋外
24 空調対象建物の屋内
25 排気ファン(排気装置)
26 排気ダクト
26a 第1排気ダクト
26b 第2排気ダクト
26c 第3排気ダクト
27 第1モーターダンパ
28 第2モーターダンパ
29 第3モーターダンパ
31 第1熱交換部
32 第2熱交換部
33 第3熱交換部
34 第1熱交換部の入口側
35 第2熱交換部の入口側
36 第3熱交換部の入口側
37 第1熱交換部の出口側
38 第2熱交換部の出口側
39 冷凍機の冷媒往管
40 冷凍機の冷媒還管
41 冷凍機排熱送気ダクト
42 第3熱交換部の出口側
43 第1温度センサ(屋外温度計測用)
44 第2温度センサ(第1熱交換部の出口温度計測用)
45 第3温度センサ(第2熱交換部の出口温度計測用)
46 第4温度センサ(加熱器の上流側の管内温度計測用)
47 流量計(管内流量計測用)
48 第5温度センサ(洗浄容器内の温度計測用)
50 第4熱交換部
51 第4熱交換部の入口側
52 第4熱交換部の出口側
53 給気ダクト
54 給気ファン(給気装置)

Claims (11)

  1. 所定の成分溶解ガスを所定温度に冷却しつつ該成分溶解ガスを液化する凝縮器および冷凍機と、前記凝縮器および前記冷凍機によって液化された成分溶解ガスを収容する貯留タンクと、前記貯留タンクから供給された成分溶解ガスを所定圧力に加圧する搬送ポンプと、前記搬送ポンプから送出された成分溶解ガスを所定の温度に加熱して該成分溶解ガスを超臨界または亜臨界のいずれかの流体にする加熱器と、成分溶解対象物を収容しつつ前記加熱器から送出された流体が通流する成分溶解容器と、前記成分溶解容器から流出した流体に含まれる成分を該流体から分離する成分分離装置とから形成された成分溶解省エネ運転システムにおいて、
    前記システムでは、前記搬送ポンプと前記加熱器とを連結する連結管路に第1熱交換部が設置され、空調対象建物の屋内の排熱空気を屋外に排気する排気ダクトの第1排気口が前記第1熱交換部の入口側に対向し、
    前記システムにおける成分溶解ガスの昇圧時では、前記排気ダクトの第1排気口から前記排熱空気が前記第1熱交換部の入口側に送気され、前記連結管路に流れる成分溶解ガスの冷熱を利用して前記第1熱交換部によって前記排熱空気から熱交換された第1除熱冷気が該第1熱交換部の出口側から前記搬送ポンプに向かって送気され、前記屋外の第1温度が前記第1除熱冷気の第2温度よりも高い場合、前記第1熱交換部から前記搬送ポンプへの前記第1除熱冷気の送気を継続する第1運転を実施し、前記第1温度が前記第2温度よりも低い場合、前記第1熱交換部から前記搬送ポンプへの前記第1除熱冷気の送気を停止する第2運転を実施することを特徴とする成分溶解省エネ運転システム。
  2. 前記システムでは、前記搬送ポンプが前記第1熱交換部の出口側の近傍に配置され、前記第1運転では、前記第1除熱冷気を前記第1熱交換部の出口側から前記搬送ポンプの周辺に送気して該ポンプの温度を低下させる請求項1に記載の成分溶解省エネ運転システム。
  3. 前記システムでは、前記搬送ポンプと前記加熱器とを連結する前記連結管路に第2熱交換部が設置され、前記排気ダクトの第2排気口が前記第2熱交換部の入口側に対向し、前記システムにおける成分溶解対象物の成分溶解時または流体の減圧時では、前記冷凍機が稼働するとともに、前記排気ダクトの第2排気口から前記屋内の排熱空気が前記第2熱交換部の入口側に送気され、前記連結管路に流れる成分溶解ガスの冷熱を利用して前記第2熱交換部によって前記排熱空気から熱交換された第2除熱冷気が該第2熱交換部の出口側から前記冷凍機に向かって送気され、前記第1温度が前記第2除熱冷気の第3温度よりも高い場合、前記第2熱交換部から前記冷凍機への前記第2除熱冷気の送気を継続する第3運転を実施し、前記第1温度が前記第3温度よりも低い場合、前記第2熱交換部から前記冷凍機への前記第2除熱冷気の送気を停止する第4運転を実施する請求項1または請求項2に記載の成分溶解省エネ運転システム。
  4. 前記システムでは、前記冷凍機が前記第2熱交換部の出口側の近傍に配置され、前記第3運転では、前記第2除熱冷気を前記第2熱交換部の出口側から前記冷凍機の周辺に送気して該冷凍機の温度を低下させる請求項3に記載の成分溶解省エネ運転システム。
  5. 前記システムにおける成分溶解対象物の成分溶解時では、前記第3運転とともに前記第1運転を実施する請求項3または請求項4に記載の成分溶解省エネ運転システム。
  6. 前記システムにおける成分溶解対象物の成分溶解時では、前記第3運転とともに前記第2運転を実施し、さらに、前記冷凍機の排熱空気が前記第1熱交換部に送気され、前記第1熱交換部を介して前記冷凍機の排熱空気と前記連結管路に流れる成分溶解ガスとの間で熱交換を行うことで該成分溶解ガスの温度を上昇させる第1予熱運転を実施する請求項3または請求項4に記載の成分溶解省エネ運転システム。
  7. 前記システムでは、前記搬送ポンプと前記加熱器とを連結する前記連結管路に第3熱交換部が設置され、前記排気ダクトの第3排気口が前記第3熱交換部の入口側に対向し、前記第1運転および前記第3運転では、前記排気ダクトの第3排気口から前記屋内の排熱空気が前記第3熱交換部の入口側に送気され、前記第3熱交換部を介して前記連結管路に流れる成分溶解ガスと前記排熱空気との間で熱交換を行うことで該成分溶解ガスの温度を上昇させる第2予熱運転を実施する請求項3ないし請求項6いずれかに記載の成分溶解省エネ運転システム。
  8. 前記第2運転では、前記加熱器の直近に延びる前記連結管路内の成分溶解ガスの第4温度が前記成分溶解容器の内部の第5温度よりも低い場合、前記第2予熱運転が実施され、前記第4運転では、前記第4温度が前記第5温度よりも低い場合、前記第1予熱運転と前記第2予熱運転とのうちの少なくとも一方が実施される請求項7に記載の成分溶解省エネ運転システム。
  9. 前記システムでは、前記搬送ポンプと前記加熱器とを連結する前記連結管路に第4熱交換部が設置され、前記屋外の外気を前記屋内に給気する給気ダクトの吸込口が前記第4熱交換部の入口側に対向し、前記第1〜第4運転では、前記連結管路に流れる成分溶解ガスの冷熱を利用して前記第4熱交換部によって前記外気から熱交換された第3除熱冷気が前記給気ダクトから前記屋内に給気される冷熱供給運転を実施する請求項3ないし請求項8いずれかに記載の成分溶解省エネ運転システム。
  10. 前記システムでは、前記加熱器の直近に延びる前記連結管路内の成分溶解ガスの第4温度が前記成分溶解容器の内部の第5温度よりも高い場合、前記第2運転または前記第4運転を実施しつつ、前記第1および第2予熱運転と前記冷熱供給運転とを中止する請求項9に記載の成分溶解省エネ運転システム。
  11. 前記搬送ポンプの下流側に延びる前記連結管路内の液化成分溶解ガスの温度が、0℃以下である請求項3ないし請求項10いずれかに記載の成分溶解省エネ運転システム。
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