JP2014205895A - 高炉操業方法 - Google Patents
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特許文献4には、コークス層を室炉コークスにより形成し、鉱石層をフェロコークスと室炉コークスと鉱石とにより形成することを特徴とする高炉操業方法が開示されている。
本発明は、フェロコークスを用いた高炉の高効率操業技術の中で、特に塊鉱石を高炉に使用することによる悪影響を抑制するためのフェロコークスを用いた高炉操業方法について提案するものである。
(1)軟化開始温度が焼結鉱よりも低い塊鉱石とフェロコークスとの混合物を高炉に装入することを特徴とするフェロコークスを用いた高炉操業方法。
(2)前記混合物の前記塊鉱石と前記フェロコークスとの混合比は、質量比で、90:10〜70:30の範囲であることを特徴とする(1)に記載のフェロコークスを用いた高炉操業方法。
ここに、軟化開始温度は、昇温還元に伴う鉄原料の軟化収縮に対し、該鉄原料の層に所定の圧力損失が発生する時の温度として定義する。
フェロコークスは、原料炭と鉄鉱石を混合し、ブリケットマシン等により成型したものを約1000℃で乾留したものである。フェロコークス中の鉄鉱石は乾留の過程で近接する炭材と反応して金属鉄まで還元される。石炭と鉄鉱石の混合比率は任意であり、高炉が求めるパフォーマンスによってその比率を決めればよい。
フェロコークスは、前記内在する金属鉄が触媒となり、通常の湿炉コークスよりも高反応性となる。ここで高反応性とは、炭素のCO2によるガス化(C+CO2=2CO)をいう。
高炉に装入する鉄原料には、焼結鉱、ペレット、塊鉱石がある。軟化開始温度とは、炉内での昇温還元にともなう軟化収縮によって鉄原料充填層の圧力損失が生じ始める温度を言う。焼結鉱と比較して対象原料を規定した理由は、焼結鉱が鉄原料の大部分を占め、鉄原料の平均にあたるためである。焼結鉱に比較して軟化開始温度の低い鉄原料は、一般的に、塊鉱石が相当する。
軟化開始温度は、加重軟化試験装置を用いて実測できる。たとえば、鉄と鋼, Vol.68 (No.11), page.S811 に発表された装置を使用する。鉄原料の圧力損失は通常1250℃付近から上昇し始める。軟化開始温度は、たとえばこの圧力損失値が200mmH2Oに達する温度、として確定できる。
軟化開始温度が焼結鉱と比較して低い鉄原料が塊鉱石である場合の、塊鉱石とフェロコークスとの混合方法の一例を図1で説明する。
高炉に原料を装入する際には、別々の貯鉱槽12に貯留された燒結鉱1、ペレット2及び塊鉱石3の各銘柄の鉄原料をベルト11上に切り出して、高炉の炉頂まで搬送する。各銘柄は切り出し制御しており、指定された装入量に調整することができる。また切り出しタイミングも制御できるため、ベルト11上の各原料の配置は自由に変更することができる。図1では、塊鉱石3とフェロコークス4を優先的に混合するために、ベルト上で両者が同じ位置に配置されるように切り出したものである。また、ヤードで貯留する際に、同一のパイルに塊鉱石とフェロコークスを交互に積層し、払い出し時に混合する方法でもよい。
以下、塊鉱石を軟化開始温度が焼結鉱と比較して低い鉄原料の代表として説明する。
塊鉱石は、鉄原料の大部分を占める焼結鉱に比較して、安価とされること、またスラグ量が少ない点から、高炉での積極的使用が望まれる。しかし、塊鉱石は緻密で還元性が悪い。このため、多量使用した場合、高炉に悪影響を及ぼす。すなわち、焼結鉱と比べ、低温で軟化開始した塊鉱石は、自身だけでなく、その周辺の空隙を閉塞して還元ガスの流れを阻害し、周辺の焼結鉱層の還元を阻害する。
上記作用によって塊鉱石周辺の充填層の緻密化が防止でき、その結果、原料層の通気性が確保されて、還元性が改善する。
種々の鉄原料に対して、単独の場合(比較例)とフェロコークス混合比率を10質量%に混合した場合(発明例)との軟化開始温度、最大圧力損失値、1200℃還元率を、溶融滴下試験で測定した。ここで、フェロコークス混合比率とは、鉄原料とフェロコークスの合計に対するフェロコークスの質量割合をいう。
溶融滴下試験では、内径85mmのカーボン坩堝内に装入された層厚70mmの鉄原料充填層を、常時1kgf/cm2(98kPa)の荷重下で、5℃/分で昇温しつつ、一酸化炭素ガスを8L/分、水素ガスを1L/分、窒素ガスを24.5L/分の流量で導入して、還元させた。
本試験で用いたフェロコークスは、鉄鉱石と石炭の比率を3.5:6.5の重量比率で混合し、軟ピッチをバインダーとして5%添加後、5分間混錬した後にブリケット成型機にて塊成化した後、乾留炉内に導入して製造した。なお、乾留は、乾留炉幅方向中央の成型炭内部温度が1000℃に到達するまで乾留し、その後、窒素冷却した。製造したフェロコークスのトータル鉄は27.58%、金属鉄は25.62%、炭素は58.06%であり、十分に金属化していた。
以上により、フェロコークスと塊鉱石との近接装入によって、最も大きな還元性改善効果が得られる事が期待された。
以上の結果から、焼結鉱を主体として銑鉄を製造する高炉操業において、焼結鉱に対し、軟化開始温度(圧力損失発生温度)が低位の鉄鉱石を使用する場合には、その鉄鉱石とフェロコークスを優先的に混合して高炉に装入することで、高炉内のソリューションロスカーボンの増大を抑制でき、高炉内熱低下を回避でき、低還元材比操業が可能となるため、高炉から排出されるCO2が削減できる。
続いて、ローブリバー鉱石に対して、フェロコークス混合比率を0〜40質量%混合した場合の軟化開始温度を、溶融滴下試験で測定した。ここで、フェロコークス混合比率とは、ローブリバー鉱石とフェロコークスの合計に対して、フェロコークスの質量割合をいう。
表2に試験結果を示す。フェロコークス混合比率を10%以上の範囲で増加させた場合、最大圧力損失は低下する傾向をしめしたが、5%の混合比率では最大圧力損失の低下効果は非常に小さかった。また、混合比率30%までは1200℃の還元率は上昇する傾向があるが、30%を超えるとその効果は見られなかった。これは、フェロコークス混合比率を増加させてガス化によってCOガスを大量に発生させても、塊鉱石側の還元がそれ以上は追従できないことによるものであり、発生COガスが無駄に利用され、高炉の効率はかえって悪くなることを示している。このことから、最大圧力損失の観点から、フェロコークス混合比率は10%以上が望ましく、還元率の観点からは30%以下が望ましいことが判った。
実施例1、2の結果を受けて、4000m3級高炉で、フェロコークスと塊鉱石との近接装入による還元材比低減効果を検証した。
また、フェロコークスを使用することにより、高炉の通気安定性は向上したが、フェロコークスと塊鉱石を優先的に混合することにより通気性は安定化した。
2:ペレット
3:塊鉱石
4:フェロコークス
11:ベルトコンベア
12:貯鉱槽
Claims (2)
- 軟化開始温度が焼結鉱よりも低い塊鉱石とフェロコークスとの混合物を高炉に装入することを特徴とするフェロコークスを用いた高炉操業方法。
- 前記混合物の前記塊鉱石と前記フェロコークスとの混合比は、質量比で、90:10〜70:30の範囲であることを特徴とする請求項1記載のフェロコークスを用いた高炉操業方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108411056A (zh) * | 2018-04-18 | 2018-08-17 | 武汉钢铁有限公司 | 一种高炉大配比使用块矿的方法 |
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JPS62214117A (ja) * | 1986-03-14 | 1987-09-19 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 銑鉄の製造方法 |
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JP2007231326A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Jfe Steel Kk | 高炉操業方法 |
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- 2013-04-15 JP JP2013085092A patent/JP6111810B2/ja active Active
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