JP2014205889A - 靭性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

靭性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】引張強さ980MPa以上の靭性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法を提供する。【解決手段】質量%で、C:0.05%以上0.18%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以上3.5%以下、P:0.04%以下、S:0.006%以下、Al:0.10%以下、N:0.008%以下、Ti:0.05%以上0.20%以下およびV:0.1%超0.3%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成と、面積率で85%超のベイナイト相を主相とし、フェライト相、マルテンサイト相および残留オーステナイト相のうちの1種または2種以上を第2相とし、該第2相を面積率で合計0%以上15%未満含み、前記ベイナイト相のラスの平均ラス間隔が400nm以下、且つ、前記ラスの平均長軸長さが5.0μm以下である組織とすることで、引張強さTSが980MPa以上であり且つ靭性に優れた高強度熱延鋼板とする。【選択図】なし

Description

本発明は、自動車の構造部品や骨格、トラックのフレーム、鋼管等の素材として好適な、引張強さが980MPa以上の高強度熱延鋼板に係り、特に靭性の向上に関する。
近年、地球環境の保全の観点から、自動車排ガス規制が強化されている。このような状況下、トラック等の自動車の燃費向上が重要な課題となっており、使用する材料の一層の高強度・薄肉化が要求されている。これに伴い、自動車部品の素材として、特に高強度熱延鋼板が積極的に適用されるようになっている。
また、パイプラインの施工コストの更なる低減という要望にしたがい、鋼管の材料コストの低減が求められている。このため、輸送管として、厚鋼板を素材とするUOE鋼管に代わり、生産性が高くより安価であるコイル形状の熱延鋼板を素材とした高強度溶接鋼管が注目されている。
以上のように、所定の強度を備えた高強度熱延鋼板は、自動車部品の素材や鋼管素材として年々需要が高まっている。特に、引張強さ:980MPa以上の高強度熱延鋼板は、自動車の燃費を飛躍的に向上し得る素材、或いはパイプラインの施工コストを大幅に低減し得る素材として大いに期待されている。
しかしながら、鋼板の高強度化に伴い、一般的には、靭性が低下する。そのため、自動車部品用や鋼管用として要求される靭性を高強度熱延鋼板に付与すべく、靭性向上に関し種々の検討がなされている。
例えば、特許文献1には、質量%でC:0.04〜0.12%、Si:0.5〜1.2%、Mn:1.0〜1.8%、P:0.03%以下、S:0.0030%以下、Al:0.005〜0.20%、N:0.005%以下およびTi:0.03〜0.13%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成とし、ベイナイト相の面積率が95%超で、該ベイナイト相の平均粒径が3μm以下である組織とし、表層から50μmの位置でのビッカース硬度と板厚1/4位置でのビッカース硬度の差を50以下、板厚1/4位置でのビッカース硬度と板厚1/2位置でのビッカース硬度の差を40以下とする板厚:4.0mm以上12mm以下の熱延鋼板が提案されている。そして、特許文献1に提案された技術によると、主相を微細ベイナイトにするとともに、板厚方向にわたる硬度分布を低減することによって、靭性に優れた引張強さ:780MPa以上の高強度熱延鋼板が得られるとしている。
また、特許文献2には、質量%でC:0.05〜0.18%、Si:0.10〜0.60%、Mn:0.90〜2.0%、P:0.025%以下(0%を含まない)、S:0.015%以下(0%を含まない)、Al:0.001〜0.1%、N:0.002〜0.01%を満たし、残部鉄および不可避的不純物からなる鋼材を、950℃以上1250℃以下に加熱後、圧延を開始し、820℃以上で圧延を終了後、20℃/s以上の冷却速度で600〜700℃まで冷却し、該温度域で10〜200秒間温度保持及び/又は緩冷却した後、5℃/s以上の冷却速度で300℃以下まで冷却することによって、金属組織を全組織に対する占積率で、フェライト:70〜90%、マルテンサイトまたはマルテンサイトとオーステナイトの混合相:3〜15%、残部:ベイナイト(0%の場合を含む)とすると共に、上記フェライトの平均結晶粒径を20μm以下とする鋼板の製造方法が提案されている。そして、特許文献2に提案された技術によると、金属組織を、結晶粒の微細なフェライトと、マルテンサイトまたはマルテンサイトとオーステナイトの混合相等を含む組織とすることで、引張強さが490N/mm2以上で、降伏比が70%以下と低降伏比を示す高靭性鋼材が得られるとしている。
また、特許文献3には、質量%でC:0.02〜0.25%、Si:1.0%以下、Mn:0.3〜2.3%、P:0.03%以下、S:0.03%以下、Al:0.1%以下、Nb:0.03〜0.25%、Ti:0.001〜0.10%を含み、かつ(Ti+Nb/2)/C<4を満足する鋼素材に、熱間圧延を施し、熱間圧延の仕上圧延終了後に、熱延板表面が20℃/s以上マルテンサイト生成臨界冷却速度未満の平均冷却速度で表面温度がAr3変態点以下Ms点以下となるまで加速冷却する第一の冷却と、板厚中心が350℃以上600℃未満の温度になるまで急冷する第二の冷却を施したのち、板厚中心の温度で350℃以上600℃未満の巻取温度でコイル状に巻取り、少なくともコイル厚み方向の1/4T〜3/4Tの位置が、350〜600℃の温度域で30min以上保持または滞留する第三の冷却を順次施す厚肉高張力熱延鋼板の製造方法が提案されている。そして、特許文献3に提案された技術によると、熱延鋼板の組織をベイナイト相またはベイニティックフェライト相とし、更に粒界セメンタイト量を特定値以下に調整することにより、低温靭性に優れたX65グレード以上の高強度電縫鋼管用素材が得られるとしている。
特開2012−062557号公報 特開2007−056294号公報 特開2010−174343号公報
しかしながら、特許文献1に提案された技術では、引張強さ:980MPa以上の高強度熱延鋼板が得られるものの、ベイナイト組織の制御が不十分であるため、優れた低温靭性が安定して確保できない問題があった。
また、特許文献2に提案された技術では、鋼材の金属組織をフェライト主相組織としているが、引張強さ:980MPa級となるとフェライト相の靭性が著しく低下する場合があった。
また、特許文献3に提案された技術では、粒界セメンタイト量を制御することで低温靭性の改善を図っているが、熱延鋼板強度が不十分であり、その実施例が示すように最大でも引張強さ:800MPa程度であった。また、特許文献3で提案された技術に基いて引張強さ:980MPa以上の高強度熱延鋼板を得ようとする場合には、C含有量を多くすることが必要となるが、C含有量の増加に伴い粒界セメンタイトの制御が困難となり、優れた靭性を安定して確保できない場合があった。
本発明は、上記従来技術が抱える問題を有利に解決し、引張強さ:980MPa以上という高強度を有し、更に良好な靭性を有する、特に板厚4mm以上15mm以下の高強度熱延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために、引張強さ:980MPa以上という高強度を維持した状態で、熱延鋼板の靭性を向上すべく鋭意研究した。具体的には、一般的に強度−靭性バランスが良好であることで知られているベイナイト相に着目し、ベイナイト主相組織とする熱延鋼板の強度および靭性に及ぼす各種要因について検討した。その結果、ベイナイト・ラスの微細化が、熱延鋼板の高強度化および靭性向上に極めて有効であることを突き止めた。そして、更に検討を進めた結果、所定量のTiおよびVを添加し、面積率で85%超のベイナイト相を主相とし、該ベイナイト相のラスのラス間隔を平均400nm以下、該ラスの長軸長さを平均5.0μm以下とすることで、引張強さTSが980MPa以上という高強度を維持したまま靭性が顕著に向上するという知見を得た。
本発明は、かかる知見に基づき、更に検討を重ねた末に完成されたものである。すなわち、本発明の要旨構成は次の通りである。
[1] 質量%で、C:0.05%以上0.18%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.0%以上3.5%以下、P:0.04%以下、S:0.006%以下、Al:0.10%以下、N:0.008%以下、Ti:0.05%以上0.20%以下、V:0.1%超0.3%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、面積率で85%超のベイナイト相を主相とし、フェライト相、マルテンサイト相および残留オーステナイト相のうちの1種または2種以上を第2相とし、該第2相を面積率で合計0%以上15%未満含み、前記ベイナイト相のラスの平均ラス間隔が400nm以下、且つ、前記ラスの平均長軸長さが5.0μm以下である組織を有し、引張強さTSが980MPa以上であることを特徴とする靭性に優れた高強度熱延鋼板。
[2] 前記[1]において、前記組成に加えて更に、質量%で、Nb:0.005%以上0.4%以下、B:0.0002%以上0.0020%以下、Cu:0.005%以上0.2%以下、Ni:0.005%以上0.2%以下、Cr:0.005%以上0.4%以下、Mo:0.005%以上0.4%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする靭性に優れた高強度熱延鋼板。
[3] 前記[1]または[2]において、前記組成に加えて更に、質量%でCa:0.0002%以上0.01%以下、REM:0.0002%以上0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする靭性に優れた高強度熱延鋼板。
[4] 前記[1]ないし[3]のいずれかに記載の組成からなる鋼素材を、1200℃以上に加熱し、粗圧延と、1000℃以下の温度域での累積圧下率を50%以上、仕上圧延終了温度を820℃以上930℃以下とする仕上圧延からなる熱間圧延を施した後、4.0s以内に冷却を開始し、平均冷却速度20℃/s以上で冷却し、巻取り温度300℃以上450℃以下で巻き取ることを特徴とする靭性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法。
本発明によれば、引張強さが980MPa以上であり且つ靭性に優れた高強度熱延鋼板が得られる。したがって、本発明を自動車の構造部品、骨格、あるいはトラックのフレーム等に適用すれば、自動車の安全性を確保しつつ車体重量を軽減でき、環境負荷を低減することが可能となる。また、輸送管として、厚鋼板を素材とするUOE鋼管に代わり本発明の熱延鋼板を素材とする溶接鋼管を適用することで、生産性が向上し、更なるコストダウンが可能となる。
また、本発明は、引張強さ:980MPa以上という高強度を維持したまま、靭性が向上した熱延鋼板を安定して製造することができ、産業上極めて有用なものである。
以下、本発明について具体的に説明する。
まず、本発明熱延鋼板の成分組成の限定理由について説明する。なお、以下の成分組成を表す%は、特に断らない限り質量%を意味するものとする。
C:0.05%以上0.18%以下
Cは、鋼の強度を向上させ、ベイナイトの生成を促進する。そのため、本発明では、C含有量を0.05%以上とする必要がある。一方、C含有量が0.18%を超えると、ベイナイトの生成制御が困難となり、硬質なマルテンサイトの生成が増え、熱延鋼板の靭性が低下する。したがって、C含有量は0.05%以上0.18%以下とする。好ましくは、0.08%以上0.17%以下であり、より好ましくは0.10%超0.16%以下である。
Si:1.0%以下
Siは、靭性を阻害する粗大な酸化物やセメンタイトを抑制し、固溶強化にも寄与する元素であるが、含有量が1.0%を超えると熱延鋼板の表面性状が著しく劣化し、化成処理性や耐食性の低下を招く。したがって、Si含有量は1.0%以下とする。好ましくは0.4%以上0.8%以下である。
Mn:1.0%以上3.5%以下
Mnは、固溶して鋼の強度増加に寄与するとともに、焼入れ性向上を介してベイナイトの生成を促進する元素である。このような効果を得るためには、Mn含有量を1.0%以上とする必要がある。一方、Mn含有量が3.5%を超えると、中央偏析が顕著になり、熱延鋼板の靭性が低下する。したがって、Mn含有量は1.0%以上3.5%以下とする。なお、好ましくは1.5%以上3.0%以下、より好ましくは1.8%以上2.5%以下である。
P:0.04%以下
Pは、固溶して鋼の強度増加に寄与する元素であるが、粒界、特に旧オーステナイト粒界に偏析し、低温靭性や加工性の低下を招く元素でもある。このため、P含有量は極力低減することが好ましいが、0.04%までの含有は許容できる。したがって、P含有量は0.04%以下とする。しかし、P含有量を過度に低減しても精錬コストの増大に見合う効果が得られないため、P含有量は0.003%以上0.03%以下とすることが好ましく、0.005%以上0.02%以下とすることがより好ましい。
S:0.006%以下
Sは、TiやMnと結合して粗大な硫化物を形成し、熱延鋼板の加工性を低下させる。そのため、S含有量は極力低減することが好ましいが、0.006%までの含有は許容できる。したがって、S含有量は0.006%以下とする。しかし、S含有量を過度に低減しても精錬コストの増大に見合う効果が得られないため、S含有量は0.0003%以上0.004%以下とすることが好ましく、0.0005%以上0.002%以下とすることがより好ましい。
Al:0.10%以下
Alは、脱酸剤として作用し、鋼の清浄度を向上させるのに有効な元素である。一方、Alの過剰な添加は酸化物系介在物の増加を招き、熱延鋼板の靭性を低下させるとともに、疵発生の原因となる。したがって、Al含有量は0.10%以下とする。好ましくは0.005%以上0.08%以下である。さらに好ましくは0.01%以上0.05%以下である。
N:0.008%以下
Nは、窒化物形成元素と結合することにより窒化物として析出し、結晶粒微細化に寄与する。しかし、Nは、高温でTiと結合して粗大な窒化物になり易く、熱延鋼板の靭性を低下させる。このため、N含有量を0.008%以下とする。好ましくは0.001%以上0.006%以下である。より好ましくは0.002%以上0.005%以下である。
Ti:0.05%以上0.20%以下
Tiは、本発明における最も重要な元素の一つである。Tiは、炭窒化物を形成して結晶粒を微細化することにより、また析出強化により、鋼の強度増加に寄与する。また、Tiは、300℃以上450℃以下の低温下では、微細な(Ti,V)Cのクラスターを多数形成し、鋼中のセメンタイト量を低減し、熱延鋼板の靭性を向上させる。この様な効果を発現させるためには、Ti含有量を0.05%以上とする必要がある。一方、Ti含有量が0.20%を超えて過剰になると、上記した効果が飽和するうえ、粗大な析出物の増加を招き、熱延鋼板の靭性低下を招く。したがって、Ti含有量は0.05%以上0.20%以下の範囲に限定する。好ましくは0.08%以上0.15%以下である。
V:0.1%超0.3%以下
Vは、本発明における最も重要な元素の一つである。Vは、炭窒化物を形成して結晶粒を微細化することにより、また析出強化により、鋼の強度増加に寄与する。また、Vは、焼入れ性を向上させ、ベイナイト相の形成および微細化に貢献する。更に、Vは、300℃以上450℃以下の低温下では微細な(Ti,V)Cのクラスターを多数形成し、鋼中のセメンタイト量を低減し、熱延鋼板の靭性を向上させる。この様な効果を発現させるためには、V含有量を0.1%超とする必要がある。一方、V含有量が0.3%を超えて過剰になると、上記した効果が飽和するためコスト高となる。したがって、V含有量は0.1%超0.3%以下の範囲に限定する。好ましくは0.15%以上0.25%以下である。
以上が本発明熱延鋼板の基本成分であるが、本発明の熱延鋼板は、例えば靭性向上や高強度化を目的として、必要に応じてNb:0.005%以上0.4%以下、B:0.0002%以上0.0020%以下、Cu:0.005%以上0.2%以下、Ni:0.005%以上0.2%以下、Cr:0.005%以上0.4%以下、Mo:0.005%以上0.4%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することができる。
Nb:0.005%以上0.4%以下
Nbは、炭窒化物の形成を介して鋼の強度増加に寄与する元素である。このような効果を発現させるためには、Nb含有量を0.005%以上とすることが好ましい。一方、Nb含有量が0.4%を超えると、変形抵抗が増加するため、熱延鋼板製造時、熱間圧延の圧延荷重が増加し圧延機への負担が大きくなり過ぎて圧延操業そのものが困難になるおそれがある。また、Nb含有量が0.4%を超えると、粗大な析出物を形成して熱延鋼板の靭性が低下する傾向にある。したがって、Nb含有量は0.005%以上0.4%以下とすることが好ましい。なお、より好ましくは0.01%以上0.3%以下であり、更に好ましくは0.02%以上0.2%以下である。
B:0.0002%以上0.0020%以下
Bは、オーステナイト粒界に偏析し、フェライトの生成・成長を抑制する元素である。また、Bは、焼入れ性を向上させベイナイト相の形成および微細化に寄与する元素でもある。これらの効果を発現させるためには、B含有量を0.0002%以上とすることが好ましい。但し、B含有量が0.0020%を超えると、マルテンサイト相の生成を促進させるため、熱延鋼板の靭性が大幅に低下するおそれがある。したがって、Bを含有する場合には、その含有量を0.0002%以上0.0020%以下とすることが好ましい。また、0.0004%以上0.0012%以下とすることがより好ましい。
Cu:0.005%以上0.2%以下
Cuは、固溶して鋼の強度増加に寄与する元素である。また、Cuは、焼入れ性を向上させる作用を有し、特にベイナイト変態温度を低下させ、ベイナイト相の微細化に寄与する元素でもある。これらの効果を得るためには、Cu含有量を0.005%以上とすることが好ましいが、その含有量が0.2%を超えると熱延鋼板の表面性状の低下を招く。したがって、Cu含有量は0.005%以上0.2%以下とすることが好ましい。なお、より好ましくは0.01%以上0.15%以下である。
Ni:0.005%以上0.2%以下
Niは、固溶して鋼の強度増加に寄与する元素である。また、Niは、焼入れ性を向上させる作用を有し、ベイナイト相を形成し易くする。これらの効果を得るためには、Ni含有量を0.005%以上とすることが好ましい。但し、Ni含有量が0.2%を超えると、マルテンサイト相が生成し易くなり、熱延鋼板の靭性が大幅に低下するおそれがある。したがって、Ni含有量は0.005%以上0.2%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.01%以上0.15%以下である。
Cr:0.005%以上0.4%以下
Crは、炭化物を形成して熱延鋼板の高強度化に寄与する。この効果を発現させるためには、Cr含有量を0.005%以上とすることが好ましい。一方、Cr含有量が0.4%を超えて過剰になると、熱延鋼板の耐食性低下が懸念される。したがって、Cr含有量は0.005%以上0.4%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.01%以上0.2%以下である。
Mo:0.005%以上0.4%以下
Moは、焼入れ性の向上を通じてベイナイト相の形成を促進し、熱延鋼板の靭性の向上と高強度化に寄与する。このような効果を得るためには、Mo含有量を0.005%以上とすることが好ましい。但し、Mo含有量が0.4%を超えると、マルテンサイト相が生成し易くなり、熱延鋼板の靭性が低下するおそれがある。したがって、Mo含有量は0.005%以上0.4%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.01%以上0.2%以下である。
また、本発明の熱延鋼板は、必要に応じてCa:0.0002%以上0.01%以下、REM:0.0002%以上0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種を含有することができる。
Ca:0.0002%以上0.01%以下
Caは、硫化物系の介在物の形状を制御し、熱延鋼板の曲げ加工性および靭性の向上に有効である。この効果を発現させるためには、Ca 含有量を0.0002%以上とすることが好ましい。但し、Ca含有量が0.01%を超えると、熱延鋼板の表面欠陥を引き起こすおそれがある。したがって、Ca含有量は0.0002%以上0.01%以下とすることが好ましい。また、0.0004%以上0.005%以下とすることがより好ましい。
REM:0.0002%以上0.01%以下
REMは、Caと同様、硫化物系の介在物の形状を制御し、熱延鋼板の曲げ加工性および靭性に対する硫化物系介在物の悪影響を改善する。この効果を発現させるためには、REM含有量を0.0002%以上とすることが好ましい。但し、REM含有量が0.01%を超えて過剰になると、鋼の清浄度が悪化し、熱延鋼板の靭性が低下する傾向にある。したがって、REMを含有する場合は、その含有量を0.0002%以上0.01%以下とすることが好ましい。また、0.0004%以上0.005%以下とすることがより好ましい。
本発明において、上記以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては、Sb、Sn、Zn等が挙げられ、これらの含有量はSb:0.01%以下、Sn:0.1%以下、Zn:0.01%以下であれば許容できる。
次に、本発明熱延鋼板の組織の限定理由について説明する。
本発明の熱延鋼板は、面積率で85%超のベイナイト相を主相とし、フェライト相、マルテンサイト相および残留オーステナイト相のうちの1種または2種以上を第2相とし、該第2相を面積率で合計0%以上15%未満含み、前記ベイナイト相のラスの平均ラス間隔が400nm以下、且つ、前記ラスの平均長軸長さが5.0μm以下である組織を有する。
ベイナイト相の分率:面積率で85%超
本発明の熱延鋼板は、強度−靭性バランスに優れたベイナイト相を主相とする。ベイナイト相の分率が面積率で85%以下であると、所望の強度と靭性を備えた熱延鋼板が得られない。したがって、ベイナイト相の分率は、面積率で85%超とする。好ましくは87%以上、より好ましくは90%以上である。また、ベイナイト相の分率を面積率で100%とし、ベイナイト単相組織とすることがより一層好ましい。
フェライト相、マルテンサイト相および残留オーステナイト相のうちの1種または2種以上(第2相)の分率:面積率で合計0%以上15%未満
本発明の熱延鋼板は、主相であるベイナイト相以外の組織として、フェライト相、マルテンサイト相および残留オーステナイト相のうちの1種または2種以上を第2相として含有し得る。熱延鋼板に所望の強度と靱性を付与するうえでは、その組織をベイナイト単相組織とすることが好ましい。しかし、第2相としてフェライト相、マルテンサイト相および残留オーステナイト相のうちの1種または2種以上を含有する場合であっても、これらの合計分率が面積率で15%未満であれば許容される。したがって、上記第2相の分率は、面積率で合計0%以上15%未満とする。好ましくは13%以下、より好ましくは11%以下である。
ベイナイト相のラスの平均ラス間隔:400nm以下
ベイナイト相のラスの平均長軸長さ:5.0μm以下
熱延鋼板の高強度化および高靭性化には、ベイナイト・ラスの微細化が極めて重要である。本発明者らは、ベイナイト・ラスの大きさ、具体的にはラスのラス間隔と長軸長さが、熱延鋼板の強度と靱性を大きく左右する要素であることを知見した。そこで、本発明では、ベイナイト・ラスのラス間隔と長軸長さを規定することで、熱延鋼板に所望の強度と靱性を付与することとする。
ベイナイト・ラスのラス間隔の平均が400nmを超える場合、或いはベイナイト・ラスの長軸長さの平均が5.0μmを超える場合、本発明所望の強度と靭性を兼ね備えた熱延鋼板は得られない。したがって、ベイナイト相のラスの平均ラス間隔を400nm以下とする。好ましくは350nm以下である。また、ベイナイト相のラスの平均長軸長さを5.0μm以下とする。好ましくは4.0μm以下である。なお、ベイナイト・ラスのラス間隔の平均およびベイナイト・ラスの長軸長さの平均には下限は特に定めないが、ラス間隔およびラスの長軸長さはベイナイト変態温度で決まるため、通常、ベイナイト・ラスのラス間隔の平均は100nm以上、ベイナイト相のラスの平均長軸長さは1.0μm以上である。
以上のように組成および組織を規定することで、引張強さTSが980MPa以上であり、しかも自動車部品用素材やラインパイプ等の鋼管用素材として要求される靭性を備えた高強度熱延鋼板が得られる。なお、本発明の熱延鋼板の板厚は特に限定されないが、4mm以上15mm以下程度の板厚とすることが好ましい。
次に、本発明熱延鋼板の好ましい製造方法について説明する。
本発明は、上記した組成の鋼素材を、1200℃以上に加熱し、粗圧延と、1000℃以下の温度域での累積圧下率を50%以上、仕上圧延終了温度を820℃以上930℃以下とする仕上圧延からなる熱間圧延を施した後、4.0s以内に冷却を開始し、平均冷却速度20℃/s以上で冷却し、巻取り温度300℃以上450℃以下で巻き取ることを特徴とする。
鋼素材の製造方法は、特に限定する必要はなく、上記した組成を有する溶鋼を、転炉等で溶製し、連続鋳造等の鋳造方法でスラブ等の鋼素材とする、常用の方法がいずれも適用できる。なお、造塊−分塊方法を用いてもよい。
鋼素材の加熱温度:1200℃以上
スラブ等の鋼素材中では、Tiなどの炭窒化物形成元素の殆どが、粗大な炭窒化物として存在している。この粗大で不均一な析出物の存在は、熱延鋼板の諸特性(例えば強度、靭性、穴拡げ加工性など)の劣化を招く。そのため、熱間圧延前の鋼素材を加熱して、粗大な析出物を固溶する。この粗大な析出物を熱間圧延前に十分に固溶させるためには、鋼素材の加熱温度を1200℃以上とする必要がある。但し、鋼素材の加熱温度が高くなりすぎると、スラブ疵の発生や、スケールオフによる歩留まり低下を招くため、鋼素材の加熱温度は1350℃以下とすることが好ましい。より好ましくは1220℃以上1300℃以下である。
なお、鋼素材を1200℃以上の加熱温度に加熱して所定時間保持するが、保持時間が4800秒を超えると、スケール発生量が増大する結果、続く熱間圧延工程においてスケール噛み込み等が発生し易くなり、熱延鋼板の表面品質が劣化する傾向にある。したがって、1200℃以上の温度域における鋼素材の保持時間は、4800秒以下とすることが好ましい。より好ましくは4000秒以下である。
鋼素材の加熱に続き、鋼素材に粗圧延と仕上圧延からなる熱間圧延を施す。粗圧延は、所望のシートバー寸法が確保できればよく、その条件は特に限定する必要はない。粗圧延に引き続いて、仕上圧延を施す。なお、仕上圧延の前、もしくはスタンド間の圧延途中で、デスケーリングを行うことが好ましい。仕上圧延は、1000℃以下の温度域での累積圧下率を50%以上とし、仕上圧延終了温度を820℃以上930℃以下とする。
1000℃以下の温度域での累積圧下率:50%以上
ベイナイト・ラスを微細化するためには、比較的低温域での圧下率を高め、圧延後の結晶粒を圧延方向に展伸した結晶粒(展伸度の高い結晶粒)とする必要がある。1000℃以下での累積圧下率が50%未満では、所望のラス構造(平均ラス間隔:400nm以下、平均長軸長さ:5.0μm以下)を有するベイナイトを確保することが困難となり、熱延鋼板の靭性が低下する。したがって、1000℃以下での累積圧下率を50%以上とする。好ましくは60%以上である。但し、1000℃以下の温度域での累積圧下率が過剰に高くなると、結晶粒が圧延方向に過剰に展伸してフェライトが生成し易くなるため、所望のラス構造を有するベイナイトを確保することがやはり困難となる場合がある。このため、1000℃以下の温度域での累積圧下率は80%以下とすることが好ましい。
仕上圧延終了温度:820℃以上930℃以下
仕上圧延終了温度が820℃未満では、圧延がフェライト+オーステナイトの二相域温度で行われるため、圧延後に加工組織が残存して熱延鋼板の靭性が低下する。一方、仕上圧延終了温度が930℃を超えて高くなると、オーステナイト粒が成長し、冷却後に得られる熱延鋼板のベイナイト相が粗大化する。その結果、所望の組織を確保することが困難となり、熱延鋼板の靭性が低下する。したがって、仕上圧延終了温度は820℃以上930℃以下とする。好ましくは840℃以上920℃以下である。ここで、仕上圧延終了温度は、板の表面温度を表すものとする。
強制冷却開始:仕上圧延終了後4.0s以内
仕上圧延を終了した後、4.0s以内に、好ましくは直ちに強制冷却を開始し、巻取り温度で冷却を停止し、コイル状に巻き取る。仕上圧延終了から強制冷却を開始するまでの時間が4.0sを超えて長くなると、オーステナイト粒が粗大となり、ベイナイト相が粗大化する。また、オーステナイト粒が粗大となることで、鋼板の焼入れ性が上昇し、マルテンサイト相が生成し易くなる。このように、ベイナイト相が粗大化したりマルテンサイト相が生成し易くなると、所望の優れた靭性を確保できなくなる。したがって、強制冷却開始時間は、仕上圧延終了後、4.0s以内に限定する。
平均冷却速度:20℃/s以上
仕上圧延終了温度から巻取り温度までの平均冷却速度が20℃/s未満であると、所望の面積率のベイナイト相が得られない。したがって、上記平均冷却速度は20℃/s以上とする。好ましくは30℃/s以上である。平均冷却速度の上限は特に規定しないが、平均冷却速度が大きくなりすぎると、表面温度が低下しすぎて、鋼板表面にマルテンサイトが生成し易くなるため、平均冷却速度は60℃/s以下とすることが好ましい。なお、上記平均冷却速度は、鋼板の表面における平均冷却速度とする。
巻取り温度:300℃以上450℃以下
巻取り温度が300℃未満では、鋼板内部の組織に、硬質なマルテンサイト相や残留オーステナイト相が形成される。その結果、熱延鋼板を所望の組織とすることができず、所望の靭性を確保できなくなる。一方、巻取り温度が450℃を超えると、鋼板内部の組織において、フェライトやパーライトが増加する。その結果、ベイナイト相のラス間隔が増大するため、熱延鋼板の靭性が著しく低下する。以上の理由により、巻取り温度は300℃以上450℃以下の範囲とする。好ましくは330℃以上430℃以下である。
なお、巻取り後、熱延鋼板には常法にしたがい、調質圧延を施してもよく、また、酸洗を施して表面に形成されたスケールを除去してもよい。或いは更に、溶融亜鉛めっき、電気亜鉛めっき等のめっき処理や、化成処理を施してもよい。
表1に示す組成の溶鋼を転炉で溶製し、連続鋳造法によりスラブ(鋼素材)とした。次いで、これらの鋼素材を、表2に示す条件で加熱し、粗圧延と表2に示す条件の仕上圧延とからなる熱間圧延を施し、仕上圧延終了後、表2に示す条件で冷却し、表2に示す巻取り温度で巻取り、表2に示す板厚の熱延鋼板とした。
得られた熱延鋼板から試験片を採取し、組織観察、引張試験、シャルピー衝撃試験を実施した。組織観察方法および各種試験方法は次のとおりとした。
(i)組織観察
組織分率
熱延鋼板から走査電子顕微鏡(SEM)用試験片を採取し、圧延方向に平行な板厚断面を研磨後、腐食液(3%ナイタール溶液)で組織を現出させ、板厚1/4位置および板厚1/2位置(板厚中央位置)にて走査電子顕微鏡(SEM)を用い、3000倍の倍率で各位置、3視野ずつ撮影して画像処理により各相の面積率を定量化した。
ベイナイト相のラスのラス間隔
熱延鋼板から大きさ:10mm×15mmの試験片を採取し、板厚1/4位置および板厚1/2位置(板厚中央位置)における透過型電子顕微鏡(TEM)観察用の薄膜試料を作製し、TEMを用い30000倍の倍率で各位置、10視野ずつ撮影した。120mm×80mmの大きさの各写真に写っている3個以上連続して並んでいるラスの長軸に直角に10mmの間隔で5本直線を引き、該直線がラス境界と交差する線分の長さをそれぞれ測定し、得られた線分の長さの平均値を平均ラス間隔とした。
ベイナイト相のラスの長軸長さ
熱延鋼板から走査電子顕微鏡(SEM)用試験片を採取し、圧延方向に平行な板厚断面を研磨後、腐食液(3%ナイタール溶液)で組織を現出させ、板厚1/4位置および板厚1/2位置(板厚中央位置)にて走査電子顕微鏡(SEM)を用い、10000倍の倍率で各位置、5視野ずつ撮影した。各写真に写っている3個以上連続して並んでいるラスの長軸長さを10本以上測定し、得られたラス長軸長さの平均値を平均ラス長軸長さとした。
(ii)引張試験
熱延鋼板から、引張方向が圧延方向と直角方向になるようにJIS5号試験片(GL:50mm)を採取し、JIS Z 2241(2011)の規定に準拠して引張試験を行い、降伏強度(降伏点)YP、引張強さTS、全伸びElを求めた。
(iii)シャルピー衝撃試験
熱延鋼板から、試験片の長手方向が圧延方向と直角になるように、厚さ5mmのサブサイズ試験片(Vノッチ)を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を行い、温度−50℃でのシャルピー衝撃値(vE-50)を測定し、靭性を評価した。ここで、板厚が5mmを超える熱延鋼板については両面研削にて板厚を5mmとして試験片を作製し、板厚が5mm以下の熱延鋼板については元厚にて試験片を作製し、シャルピー衝撃試験に供した。測定されたvE-50値が40J以上である場合を、靭性が良好であると評価した。
得られた結果を表3および表4に示す。
Figure 2014205889
Figure 2014205889
Figure 2014205889
Figure 2014205889
発明例の熱延鋼板は、所望の強度(TS:980MPa以上)と、優れた靱性(vE-50値:40J以上)を兼備した熱延鋼板となっている。また、発明例の熱延鋼板は、板厚1/4位置および板厚1/2位置(板厚中央位置)のいずれにおいても所望の強度と優れた靱性が得られており、板厚方向全域に亘り良好な特性を備えた熱延鋼板となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例の熱延鋼板は、所定の強度が確保できていないか、十分な靱性が確保できていない。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C :0.05%以上0.18%以下、 Si:1.0%以下、
    Mn:1.0%以上3.5%以下、 P :0.04%以下、
    S :0.006%以下、 Al:0.10%以下、
    N :0.008%以下、 Ti:0.05%以上0.20%以下、
    V :0.1%超0.3%以下
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、面積率で85%超のベイナイト相を主相とし、フェライト相、マルテンサイト相および残留オーステナイト相のうちの1種または2種以上を第2相とし、該第2相を面積率で合計0%以上15%未満含み、前記ベイナイト相のラスの平均ラス間隔が400nm以下、且つ、前記ラスの平均長軸長さが5.0μm以下である組織を有し、引張強さTSが980MPa以上であることを特徴とする靭性に優れた高強度熱延鋼板。
  2. 前記組成に加えて更に、質量%で、Nb:0.005%以上0.4%以下、B:0.0002%以上0.0020%以下、Cu:0.005%以上0.2%以下、Ni:0.005%以上0.2%以下、Cr:0.005%以上0.4%以下、Mo:0.005%以上0.4%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の靭性に優れた高強度熱延鋼板。
  3. 前記組成に加えて更に、質量%でCa:0.0002%以上0.01%以下、REM:0.0002%以上0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の靭性に優れた高強度熱延鋼板。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の組成からなる鋼素材を、1200℃以上に加熱し、粗圧延と、1000℃以下の温度域での累積圧下率を50%以上、仕上圧延終了温度を820℃以上930℃以下とする仕上圧延からなる熱間圧延を施した後、4.0s以内に冷却を開始し、平均冷却速度20℃/s以上で冷却し、巻取り温度300℃以上450℃以下で巻き取ることを特徴とする靭性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法。
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