JP2014205298A - 複合構造体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高電圧を用いることなく、補強部材を溶着可能に加熱することができる複合構造体の製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】 被補強部材Mの一面に補強部材Pを備える複合構造体の製造装置1は、磁性体を含有する熱可塑性樹脂からなる補強部材Pを供給する供給手段3と、互いに並列に接続され、該磁性体を誘導加熱することにより補強部材Pを該熱可塑性樹脂の軟化温度Ts以上且つ劣化温度Td未満の温度範囲に加熱する複数の誘導加熱手段4a,4bと、該温度範囲に加熱された補強部材Pを被補強部材Mに溶着する溶着手段6とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複合構造体の製造方法及び製造装置に関する。
自動車のフェンダー、ルーフ等の自動車用外装部品は、一般に、鉄鋼等の金属板で形成されている。前記金属板は、燃費向上、生産コスト低減のために、肉薄に形成されて軽量化することが検討されている。
しかし、前記金属板を肉薄にすると所要の剛性を得られないことがあるので、補強部材としての樹脂製のリブ材を、被補強部材としての該金属板の一面に設けた複合構造体とすることにより、剛性を確保することが考えられる。
前記複合構造体の製造方法としては、従来、加熱装置で加熱した金属板を搬送ロボットでリブ成形押圧装置へ搬送し、該リブ成形押圧装置において、溶融樹脂を吐出してリブ材に成形し、該リブ材を該金属板の表面に押圧ローラで押圧して前記複合構造体を形成する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2011−16275号公報
しかしながら、従来の製造方法は、溶融樹脂から成形した前記リブ材を前記押圧ローラで前記金属板に押圧して前記複合構造体を形成するために、該リブ材の形状によっては該リブ材の成形機構が複雑になるとともに、該リブ材を冷却して固化する必要があり該複合体の形成速度が低くなるという不都合がある。また、従来の製造方法は、加熱された前記金属板の温度が前記搬送ロボットによる搬送中に低下し、前記リブ材の溶着不良が発生することがあるという問題がある。
そこで、予め成形された熱可塑性樹脂製成形体からなる補強部材を該熱可塑性樹脂の軟化温度以上の温度に加熱し、前記金属板に溶着することが考えられる。そして、前記補強部材を前記軟化温度以上の温度に加熱する方法として、該補強部材の熱可塑性樹脂に磁性体を含有させて該磁性体を誘導加熱コイルによって誘導加熱することにより、該磁性体から該熱可塑性樹脂に熱伝導させて該補強部材を昇温させることが考えられる。
しかしながら、前記誘導加熱により前記補強部材を前記熱可塑性樹脂の軟化温度以上の温度に加熱しようとすると、前記誘導加熱コイルが長大化することがあり、高電圧が必要になるという不都合がある。
そこで、本発明は、高電圧を用いることなく、補強部材を溶着可能に加熱することができる複合構造体の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、補強部材を被補強部材の一面に備える複合構造体の製造方法であって、磁性体を含有する熱可塑性樹脂からなる補強部材を供給する工程と、互いに並列に接続された複数の誘導加熱手段で該磁性体を誘導加熱することにより、該補強部材を該熱可塑性樹脂の軟化温度以上且つ劣化温度未満の温度範囲に加熱する工程と、該温度範囲に加熱された該補強部材を該被補強部材の一面に溶着する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の製造方法では、まず、補強部材として磁性体を含有する熱可塑性樹脂を供給した後、複数の誘導加熱手段で該磁性体を誘導加熱することにより、該磁性体から該熱可塑性樹脂に熱伝導させ、該補強部材を熱可塑性樹脂の軟化温度以上且つ劣化温度未満の温度範囲に加熱する。次に、前記温度範囲に加熱された前記補強部材を前記被補強部材の一面に溶着することにより、複合構造体を得ることができる。
本発明の製造方法によれば、前記複数の誘導加熱手段が互いに並列に接続されているので、該複数の誘導加熱手段のインダクタンスの合計値が大きくなることを防ぐことができる。これにより、前記複数の誘導加熱手段に印加する電圧を小さくすることができるため、高電圧を用いることなく、前記補強部材を前記熱可塑性樹脂の軟化温度以上且つ劣化温度未満の温度範囲に加熱して溶着可能にすることができる。
また、本発明の製造方法において、前記補強部材は、所定の長さを備えるものであってもよく、長尺体であってもよい。
また、本発明の製造方法において、前記複数の誘導加熱手段は、互いに昇温速度が異なることが好ましい。互いに昇温速度が異なる複数の誘導加熱手段を組み合わせることにより、前記補強部材を加熱する際に低温領域及び高温領域それぞれにおける昇温速度を制御することができる。
また、本発明の製造方法において、前記複数の誘導加熱手段は、前記補強部材の供給側ほど昇温速度が小さく排出側ほど昇温速度が大きいものとすることができる。この場合には、まず、供給側において前記補強部材を小さい昇温速度で前記熱可塑性樹脂の軟化温度未満で該軟化温度に近い温度領域まで加熱した後に、該補強部材を前記供給側から排出側に移動させ、次に、排出側において該補強部材を大きい昇温速度で前記熱可塑性樹脂の軟化温度以上且つ劣化温度未満の温度範囲に加熱する。供給側において前記補強部材を前記軟化温度に近い温度領域まで小さい昇温速度で予備加熱した後に、排出側において前記温度範囲に大きい昇温速度で加熱することができるので、高温領域での加熱時間を短縮することができる。また、排出側において大量の補強部材を一括して加熱することができるので、所定の長さを備える補強部材のバッチ処理に好適である。
ところで、本発明の製造方法においては、前記磁性体から前記熱可塑性樹脂に熱伝導することにより前記補強部材が加熱されるので、前記排出側の誘導加熱手段の昇温速度があまりにも大きいと、該補強部材が該排出側の誘導加熱手段から排出された後も前記熱可塑性樹脂が昇温して劣化温度に達し、該補強部材が劣化する虞がある。
そこで、本発明の製造方法において、前記複数の誘導加熱手段は、前記補強部材の供給側ほど昇温速度が大きく排出側ほど昇温速度が小さいものとすることができる。この場合には、まず、前記補強部材を大きい昇温速度で前記熱可塑性樹脂の軟化温度未満で該軟化温度に近い温度領域まで加熱した後に、該補強部材を前記供給側から排出側に移動させ、次に、該補強部材を小さい昇温速度で前記熱可塑性樹脂の軟化温度以上且つ劣化温度未満の温度範囲に加熱する。前記補強部材の排出側において小さい昇温速度で加熱するので、前記温度範囲により確実に制御して加熱することができる。
また、前記目的を達成するために、本発明は、磁性体を含有する熱可塑性樹脂からなる補強部材を被補強部材の一面に備える複合構造体の製造装置であって、該補強部材を供給する供給手段と、互いに並列に接続され、該補強部材を該熱可塑性樹脂の軟化温度以上且つ劣化温度未満の温度範囲に誘導加熱する複数の誘導加熱手段と、該温度範囲に加熱された該補強部材を該被補強部材の一面に溶着する溶着手段とを備えることを特徴とする。
本発明の製造装置では、まず、供給手段により補強部材として磁性体を含有する熱可塑性樹脂を供給した後に、複数の誘導加熱手段により該磁性体を誘導加熱する。これにより、前記磁性体から前記熱可塑性樹脂に熱伝導させ、前記補強部材を熱可塑性樹脂の軟化温度以上且つ劣化温度未満の温度範囲に加熱する。次に、溶着手段で前記温度範囲に加熱された前記補強部材を前記被補強部材の一面に溶着することにより、複合構造体を得ることができる。
本発明の製造装置によれば、前記複数の誘導加熱手段が互いに並列に接続されているので、該複数の誘導加熱手段のインダクタンスの合計値が大きくなることを防ぐことができる。これにより、前記複数の誘導加熱手段に印加する電圧を小さくすることができるため、高電圧を用いることなく、前記補強部材を前記熱可塑性樹脂の軟化温度以上且つ劣化温度未満の温度範囲に加熱して溶着可能にすることができる。
また、本発明の製造装置において、前記補強部材は、所定の長さを備えるものであってもよく、長尺体であってもよい。
また、本発明の製造装置において、前記複数の誘導加熱手段は、互いに磁束密度が異なることが好ましい。磁束密度が異なることにより互いに昇温速度が異なる誘導加熱手段を複数組み合わせることにより、前記補強部材を加熱する際に低温領域及び高温領域それぞれにおける昇温速度を制御することができる。
また、本発明の製造装置において、前記複数の誘導加熱手段は、前記補強部材の供給側ほど磁束密度が小さく排出側ほど磁束密度が大きくなるように設けられているものであってもよい。この場合には、まず、供給側に設けられた磁束密度の小さい誘導加熱手段により、前記補強部材を小さい昇温速度で前記熱可塑性樹脂の軟化温度未満で該軟化温度に近い温度領域まで加熱した後に、該補強部材を前記供給側から排出側に移動させる。次に、排出側に設けられ前記供給側の誘導加熱手段よりも磁束密度の大きい誘導加熱手段により、該供給側の誘導加熱手段で加熱された前記補強部材を大きい昇温速度で前記熱可塑性樹脂の軟化温度以上且つ劣化温度未満の温度範囲に加熱する。供給側において前記補強部材を前記軟化温度に近い温度領域まで小さい昇温速度で予備加熱した後に、排出側において前記温度範囲に大きい昇温速度で加熱することができるので、高温領域での加熱時間を短縮することができる。また、排出側において大量の補強部材を一括して加熱することができるので、所定の長さを備える補強部材のバッチ処理に好適である。
また、本発明の製造装置において、前記複数の誘導加熱手段は、前記補強部材の供給側ほど磁束密度が大きく排出側ほど磁束密度が小さくなるように設けられているものであってもよい。この場合には、まず、供給側に設けられた磁束密度の大きい誘導加熱手段により前記補強部材を大きい昇温速度で前記熱可塑性樹脂の軟化温度未満で該軟化温度に近い温度領域まで加熱した後に、該補強部材を前記供給側から排出側に移動させる。次に、排出側に設けられ前記供給側よりも磁束密度の小さい誘導加熱手段により、該供給側の誘導加熱手段で加熱された前記補強部材を小さい昇温速度で前記熱可塑性樹脂の軟化温度以上且つ劣化温度未満の温度範囲に加熱する。排出側において前記補強部材を磁束密度の小さい誘導加熱手段により小さい昇温速度で加熱するので、前記温度範囲により確実に制御して加熱することができる。
本発明の実施形態の複合構造体製造装置の構成を示す側面図。 本発明の実施形態の複合構造体製造装置における誘導加熱コイルの第1の配置例を示す模式図。 本発明の実施形態の複合構造体製造装置における誘導加熱コイルを第2の配置例を示す模式図。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。
図1に示す本実施形態の複合構造体製造装置1は、自動車用外装部品に用いられる例えば厚さ0.7mmの鉄鋼製の金属板Mの一面に熱可塑性樹脂からなる補強部材Pを溶着することにより補強した複合構造体を製造するための装置である。金属板Mは、本発明における被補強部材に相当する。前記被補強部材として金属板Mに代えて樹脂製の板材を用いることも可能である。
補強部材Pは、磁性体を含有する熱可塑性樹脂製の長尺状成形体からなる。前記磁性体としては、例えばフェライト系SUS、鉄鋼、軟鉄、鋼鉄、ニッケル等からなり、直径80〜150μm、長さ1〜3mmの繊維状体を用いることができる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系エラストマーを用いることができる。補強部材Pは、前記熱可塑性樹脂に対して前記磁性体を30〜60質量%の範囲で含有し、該磁性体が該熱可塑性樹脂に分散されている。
複合構造体製造装置1は、ボビンBに巻回された長尺状成形体の補強部材Pを中継ローラRを介して引き出し、補強部材Pを、その始端側から末端側に向かって順に、ジグJに載置された金属板Mの一面に溶着することにより金属板Mを補強する。複合構造体製造装置1は、筐体2内に収容されていて、図示しないロボットにより金属板Mの上方において任意の位置に移動可能である。筐体2には、補強部材Pを内部に供給する供給口2aと、補強部材Pが排出される排出口2bとが設けられている。
複合構造体製造装置1は、供給口2aに近い側から遠い側へ順に、ボビンBに巻回された補強部材Pを引き出して筐体2内に連続供給する1対の送りローラ3と、補強部材Pを誘導加熱によって溶着可能に加熱する誘導加熱機4と、補強部材Pを所定の位置で切断するカッタ5と、筐体2の底部に設けられ、排出口2bから排出された補強部材Pを金属板Mに押圧することにより溶着する押圧ローラ6とを備える。また、複合構造体製造装置1は、誘導加熱機4の下方の筐体2の底部に設けられ、金属板Mの表面を脱脂洗浄する大気プラズマ洗浄機7を備える。
誘導加熱機4は、補強部材Pに含まれる前記磁性体を誘導加熱することにより、該磁性体から前記熱可塑性樹脂に熱伝導させ、補強部材Pを溶着可能に加熱することができる。誘導加熱機4は、図示しない電源に互いに並列に接続された複数の誘導加熱コイルを備え、本実施形態では、補強部材Pの供給側に設けられた第1の誘導加熱コイル4aと、補強部材Pの排出側に設けられた第2の誘導加熱コイル4bとを備えている。第1の誘導加熱コイル4aは、第2の誘導加熱コイル4bよりも大きい磁束密度を備えることにより、第2の誘導加熱コイルよりも大きい昇温速度で補強部材Pを加熱することができる。第1の誘導加熱コイル4aは、例えば、コイル単位長さにおける巻数を大きくしたり、コイル長さを短くすることにより、第2のコイル4bよりも大きい磁束密度に設定することができる。尚、本実施形態では、2つの誘導加熱コイル4a,4bを用いる場合について説明するが、複数であればその数は限定されない。
次に、複合構造体製造装置1による複合構造体の製造方法を説明する。まず、ボビンBに巻回された長尺状成形体の補強部材Pを中継ローラRを介して送りローラ3で引き出し、誘導加熱機4の第1の誘導加熱コイル4a及び第2の誘導加熱コイル4bの内方へ連続供給する。
次に、誘導加熱機4により補強部材Pを溶着可能に加熱する。まず、第1の誘導加熱コイル4aで前記磁性体を誘導加熱することにより、補強部材Pを例えば350℃/秒の第1の昇温速度で前記熱可塑性樹脂の軟化温度未満で該軟化温度に近い温度領域まで加熱する。
次に、補強部材Pが供給側から排出側へ移動した後に、第2の誘導加熱コイル4bで前記磁性体を誘導加熱することにより、補強部材Pを例えば200℃/秒の第2の昇温速度で前記熱可塑性樹脂の軟化温度以上且つ劣化温度未満の温度範囲まで加熱し、溶着可能にさせる。ここで、第2の昇温速度は、第1の昇温速度よりも小さく設定されている。
次に、誘導加熱機4により溶着可能に加熱された補強部材Pを第2の誘導加熱コイル4aから排出した後に、大気プラズマ洗浄機7によって脱脂洗浄された金属板Mと押圧ローラ6,6との間に供給する。このとき、金属板Mと押圧ローラ6との間に送り込まれる角度を小さくすることにより、補強部材Pにおいて該角度の曲げによって生じる応力を低減することができる。
次に、溶着可能に加熱された補強部材Pを押圧ローラ6で金属板Mの表面に押圧する。このとき、補強部材Pは溶着可能な状態であるので、金属板Mを加熱しなくても補強部材Pを金属板Mに溶着することができる。
そして、金属板Mに溶着された補強部材Pの長さが金属板Mの補強すべき所定の長さに近づいたとき、カッタ5で補強部材Pを切断することにより補強部材Pの供給が停止する。また、切断された補強部材Pを押圧ローラ6,6で押圧して補強部材Pの末端まで金属板Mに溶着することにより、金属板Mが所定の長さの補強部材Pにより補強された複合構造体を得ることができる。
複合構造体製造装置1は、図示しないロボットを介して長尺状成形体の補強部材Pの始端側から末端側に向かって移動するとともに金属板Mの幅方向に移動しながら、上記の動作を繰り返し行う。
本実施形態の複合構造体製造装置1によれば、2つの誘導加熱コイル4a,4bが互いに並列に前記電源に接続されているので、該2つの誘導加熱コイル4a,4bが互いに直列に接続している場合と比較して、インダクタンスの合計値を小さくすることができる。これにより、2つの誘導加熱コイル4a,4bに印加する電圧を小さくすることができるため、前記電源として高電圧を用いることなく、補強部材Pを前記熱可塑性樹脂の軟化温度以上且つ劣化温度未満の温度範囲に加熱して溶着可能にすることができる。
また、本実施形態の複合構造体製造装置1では、長尺状成形体からなる補強部材Pを溶着可能に加熱した後に、金属板Mに溶着する工程で該補強部材Pを所定の長さに切断しているが、予め所定の長さに切断された成形体からなる補強部材Pを溶着可能に加熱し金属板Mに溶着するようにしてもよい。
また、本実施形態の複合構造体製造装置1では、磁束密度が異なることで昇温速度が異なる複数の誘導加熱コイル4a,4bを組み合わせることにより、補強部材Pを加熱する際に低温領域及び高温領域それぞれにおける昇温速度を制御することができる。以下、その具体的方法について説明する。
はじめに、図2を参照しながら、3つの誘導加熱コイル8a,8b,8cが、補強部材Pの供給側ほど磁束密度が大きく排出側ほど磁束密度が小さくなるように設けられている場合について説明する。
図2(a)に示すように、本実施形態の複合構造体製造装置1では、補強部材Pの供給側から排出側へ順に、第1の誘導加熱コイル8a、第2の誘導加熱コイル8b及び第3の誘導加熱コイル8cが設けられ、各誘導加熱コイル8a,8b,8cは電源9に互いに並列に接続している。各誘導加熱コイル8a,8b,8cは、導線の直径、コイルの半径及びコイル単位長さにおける巻数が互いに同一であり、コイル長さのみが異なっている。各誘導加熱コイル8a,8b,8cは、それぞれのコイル長さAa,Ab,AcがAa<Ab<Acであることにより、補強部材Pの供給側ほど大きく排出側ほど小さい磁束密度を備えている。
補強部材Pは、供給側から排出側へ移動しながら、各誘導加熱コイル8a,8b,8cによって順に加熱される。このときの補強部材Pを構成する熱可塑性樹脂及び磁性体の温度を図2(b)に示す。前記熱可塑性樹脂の温度は、補強部材Pの温度とみなすことができる。
補強部材Pを第1の誘導加熱コイル8aに供給する直前において、前記熱可塑性樹脂温度及び磁性体の温度はともに温度Toである。
次に、補強部材Pを第1の誘導加熱コイル8aに供給して排出する。この結果、第1の誘導加熱コイル8aにより前記磁性体が誘導加熱されて温度Tmaに昇温し、該磁性体から前記熱可塑性樹脂に熱が伝導して該熱可塑性樹脂が温度Traに昇温する。
次に、補強部材Pを第2の誘導加熱コイル8bに供給して排出する。この結果、第2の誘導加熱コイル8bにより前記磁性体が誘導加熱されて温度Tmbに昇温し、該磁性体から前記熱可塑性樹脂に熱が伝導して該熱可塑性樹脂が温度Trbに昇温する。このとき、第2の誘導加熱コイル8bは、第1の誘導加熱コイル8aよりも小さい磁束密度を備えることにより、第1の誘導加熱コイル8aよりも小さい昇温速度を備えるので、前記熱可塑性樹脂の温度Trbを軟化温度Ts未満で該軟化温度Tsに近い温度領域に制御することができる。
次に、補強部材Pを第3の誘導加熱コイル8cに供給して排出する。この結果、第3の誘導加熱コイル8cにより前記磁性体が誘導加熱されて温度Tmcに昇温し、該磁性体から前記熱可塑性樹脂に熱が伝導して該熱可塑性樹脂が温度Trcに昇温する。このとき、第3の誘導加熱コイル8cは、第2の誘導加熱コイル8bよりもさらに小さい磁束密度を備えることにより、第2の誘導加熱コイル8bよりもさらに小さい昇温速度を備えるので、前記熱可塑性樹脂の温度Trcを前記熱可塑性樹脂の軟化温度Ts以上且つ劣化温度Tdの温度範囲に確実に制御することができる。
次に、図3を参照しながら、3つの誘導加熱コイル8a,8b,8cが、補強部材Pの供給側ほど磁束密度が小さく排出側ほど磁束密度が大きくなるように設けられている場合について説明する。
図3(a)に示すように、本実施形態の複合構造体製造装置1では、第1の誘導加熱コイル8a、第2の誘導加熱コイル8b及び第3の誘導加熱コイル8cは、導線の直径、コイルの半径及びコイル単位長さにおける巻数が互いに同一であり、コイル長さのみが異なっている。各誘導加熱コイル8a,8b,8cは、それぞれのコイル長さAa,Ab,AcがAa>Ab>Acであることにより、補強部材Pの供給側ほど小さく排出側ほど大きい磁束密度を備えている。
補強部材Pは、供給側から排出側へ移動しながら、各誘導加熱コイル8a,8b,8cにより順に加熱される。このときの補強部材Pを構成する熱可塑性樹脂及び磁性体の温度を図3(b)に示す。
補強部材Pを第1の誘導加熱コイル8aに供給する直前において、前記熱可塑性樹脂温度及び磁性体の温度はともに温度Toである。
次に、補強部材Pを第1の誘導加熱コイル8aに供給して排出する。この結果、第1の誘導加熱コイル8aにより前記磁性体が誘導加熱されて温度Tmaに昇温し、該磁性体から前記熱可塑性樹脂に熱が伝導して該熱可塑性樹脂が温度Traに昇温する。
次に、補強部材Pを第2の誘導加熱コイル8bに供給して排出する。この結果、第2の誘導加熱コイル8bにより前記磁性体が誘導加熱されて温度Tmbに昇温し、該磁性体から前記熱可塑性樹脂に熱が伝導して該熱可塑性樹脂が温度Trbに昇温する。このとき、第2の誘導加熱コイル8bは、第1の誘導加熱コイル8aよりも大きい磁束密度を備えることにより、第1の誘導加熱コイル8aよりも大きい昇温速度を備えるので、前記熱可塑性樹脂の温度Trbを軟化温度Ts未満で該軟化温度Tsに近い温度領域に急速に昇温することができる。
次に、補強部材Pを第3の誘導加熱コイル8cに供給して排出する。この結果、第3の誘導加熱コイル8cにより前記磁性体が誘導加熱されて温度Tmcに昇温し、該磁性体から前記熱可塑性樹脂に熱が伝導して該熱可塑性樹脂が温度Trcに昇温する。このとき、第3の誘導加熱コイル8cは、第2の誘導加熱コイル8bよりもさらに大きい磁束密度を備えることにより、第2の誘導加熱コイル8bよりもさらに大きい昇温速度を備えるので、前記熱可塑性樹脂の温度Trcを前記熱可塑性樹脂の軟化温度Ts以上且つ劣化温度Tdの温度範囲にさらに急速に昇温することができる。これにより、前記熱可塑性樹脂の軟化温度Ts付近の高温領域において、第3の誘導加熱コイル8cによる補強部材Pの加熱時間を短縮することができる。
1…複合構造体の製造装置、 3…供給手段(送りローラ)、 4a,4b,8a,8b,8c…誘導加熱手段(誘導加熱コイル)、 6…溶着手段(押圧ローラ)、 M…金属板(被補強部材)、 P…補強部材、 Td…熱可塑性樹脂の劣化温度、 Ts…熱可塑性樹脂の軟化温度。

Claims (10)

  1. 被補強部材の一面に補強部材を備える複合構造体の製造方法であって、
    磁性体を含有する熱可塑性樹脂からなる補強部材を供給する工程と、
    互いに並列に接続された複数の誘導加熱手段で該磁性体を誘導加熱することにより、該補強部材を該熱可塑性樹脂の軟化温度以上且つ劣化温度未満の温度範囲に加熱する工程と、
    該温度範囲に加熱された該補強部材を該被補強部材の一面に溶着する工程とを備えることを特徴とする複合構造体の製造方法。
  2. 請求項1記載の複合構造体の製造方法において、
    前記補強部材は長尺体であることを特徴とする複合構造体の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載の複合構造体の製造方法において、
    前記複数の誘導加熱手段は、互いに昇温速度が異なることを特徴とする複合構造体の製造方法。
  4. 請求項3記載の複合構造体の製造方法において、
    前記複数の誘導加熱手段は、前記補強部材の供給側ほど昇温速度が小さく排出側ほど昇温速度が大きいことを特徴とする複合構造体の製造方法。
  5. 請求項3記載の複合構造体の製造方法において、
    前記複数の誘導加熱手段は、前記補強部材の供給側ほど昇温速度が大きく排出側ほど昇温速度が小さいことを特徴とする複合構造体の製造方法。
  6. 被補強部材の一面に補強部材を備える複合構造体の製造装置であって、
    磁性体を含有する熱可塑性樹脂からなる補強部材を供給する供給手段と、
    互いに並列に接続され、該磁性体を誘導加熱することにより該補強部材を該熱可塑性樹脂の軟化温度以上且つ劣化温度未満の温度範囲に加熱する複数の誘導加熱手段と、
    該温度範囲に加熱された該補強部材を該被補強部材の一面に溶着する溶着手段とを備えることを特徴とする複合構造体の製造装置。
  7. 請求項6記載の複合構造体の製造装置において、
    前記補強部材は、長尺体であることを特徴とする複合構造体の製造装置。
  8. 請求項6又は請求項7記載の複合構造体の製造装置において、
    前記複数の誘導加熱手段は、互いに磁束密度が異なることを特徴とする複合構造体の製造装置。
  9. 請求項8記載の複合構造体の製造装置において、
    前記複数の誘導加熱手段は、前記補強部材の供給側ほど磁束密度が小さく排出側ほど磁束密度が大きくなるように設けられていることを特徴とする複合構造体の製造装置。
  10. 請求項8記載の複合構造体の製造装置において、
    前記複数の誘導加熱手段は、前記補強部材の供給側ほど磁束密度が大きく排出側ほど磁束密度が小さくなるように設けられていることを特徴とする複合構造体の製造装置。
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