JP2014204515A - 電圧コントローラ、電圧変換装置、および電力系統制御システム - Google Patents

電圧コントローラ、電圧変換装置、および電力系統制御システム Download PDF

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正親 中谷
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憲一郎 山根
渡辺 雅浩
Masahiro Watanabe
雅浩 渡辺
大西 司
Tsukasa Onishi
司 大西
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Abstract

【課題】電力系統へ与える電圧を迅速に決定して有効電力を減少させることにより、不要な電圧変動を防ぐ。
【解決手段】電圧コントローラは、電源に接続された電圧変換装置から電力系統へ出力される出力電圧と、電圧変換装置を通過する有効電力とについて、出力電圧の変化に対する有効電力の変化を示す負荷静特性データを格納する記憶部と、負荷静特性データに基づいて、有効電力を減少させる出力電圧の目標値を決定する決定部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力系統の電圧を制御する技術に関する。
近年、電力需要のピークに対する電力供給の不足が懸念されている。そのため、需要家の消費電力や配電線の電力ロスによる電力系統の有効電力を低減する技術の必要性が増している。
省エネ対象の消費電力を常時モニタリングしつつ、消費電力が最小になるように電源電圧を制御する技術が知られている(特許文献1)。
特開2005−292948号公報 特開2002−51466号公報 特開2008−154418号公報 特開2010−220283号公報 特開2012−133553号公報
特許文献1のような技術では、消費電力が最小となる電圧を決定するために、電圧制御と有効電力計測を繰り返し、計測結果に基づいて電圧制御を行う必要がある。そのため、最適な電圧が決定されるまでの時間を要する。また、電圧制御の繰り返しによって不要な電圧変動が生じる。
上記課題を解決するために、本発明の一態様である電圧コントローラは、電源に接続された電圧変換装置から電力系統へ出力される出力電圧と、前記電圧変換装置を通過する有効電力とについて、前記出力電圧の変化に対する前記有効電力の変化を示す負荷静特性データを格納する記憶部と、前記負荷静特性データに基づいて、前記有効電力を減少させる前記出力電圧の目標値を決定する決定部と、を備える。
本発明の一態様によれば、電力系統へ与える電圧を迅速に決定して有効電力を減少させることにより、不要な電圧変動を防ぐことができる。
図1は、本発明の実施例1の電力系統制御システムの構成を示す。 図2は、電圧変換装置130の構成を示す。 図3は、電圧変換装置130における出力電圧及び通過有効電力を示す。 図4は、電圧変換装置130の出力電圧の時間変化を示す。 図5は、電圧変換装置130の通過有効電力の時間変化を示す。 図6は、系統電圧制御と有効電力の関係を示す。 図7は、実施例1の電圧コントローラ10の構成を示す。 図8は、負荷静特性データベース11に格納される負荷静特性パラメータセットの一例を示す。 図9は、出力電圧目標値パラメータセットデータベース12に格納される出力電圧目標値パラメータセットの一例を示す。 図10は、出力電圧目標値演算部13の処理を示す。 図11は、実施例2の電力系統制御システムの構成を示す。 図12は、センサ装置180の構成を示す。 図13は、実施例2の電圧コントローラ10qの構成を示す。 図14は、センサデータベース17に格納される計測データの一例を示す。 図15は、負荷静特性演算部18の処理を示す。 図16は、制御エリアの情報を示す。 図17は、各センサ装置の計測データを示す。 図18は、配電線120上の電圧分布を示す。 図19は、実施例3の電圧コントローラ10rの構成を示す。 図20は、設備データベース19に格納されるインピーダンスデータの一例を示す。 図21は、電圧分布データベース21に格納される電圧分布の一例を示す。 図22は、電圧コントローラ10rの処理を示す。 図23は、電圧分布を推定する処理を示す。 図24は、出力電圧目標値を決定する処理を示す。 図25は、設備データベース19に格納される許容電圧範囲の一例を示す。 図26は、電圧分布の第1状態を示す。 図27は、電圧分布の第2状態を示す。 図28は、実施例4のSVR400の構成を示す。 図29は、LDCパラメータ演算部440の処理を示す。 図30は、実施例5の電圧変換装置190の構成を示す。 図31は、実施例6のビル内の電気系統の構成を示す。 図32は、実施例7のビル内の第一の電気系統の構成を示す。 図33は、実施例7のビル内の第二の電気系統の構成を示す。 図34は、実施例8の電圧コントローラの構成を示す。 図35は、第一の表示画面を示す。 図36は、第二の表示画面を示す。 図37は、第三の表示画面を示す。 図38は、第四の表示画面を示す。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
本実施例では、電力系統の有効電力の負荷静特性に応じて電力系統の電圧を制御することによって、電力系統の有効電力を減少させる電力系統制御システムについて説明する。ここで、電力系統の有効電力は、需要家の消費電力や配電線の電力ロスを含む。
以下、本実施例の電力系統制御システムの構成について説明する。
図1は、本発明の実施例1の電力系統制御システムの構成を示す。この電力系統制御システム500は、配電系統100と、電圧コントローラ10とを有する。配電系統100は、送電系統に接続されている変電所110と、変電所110に接続されているノード140aと、ノード140aに接続されている配電線120aと、配電線120aに接続されている電圧変換装置130と、電圧変換装置130に接続されているノード140bと、ノード140bに接続されている配電線120bと、配電線120bに接続されているノード140cと、ノード140cに接続されている配電線120cと、配電線120cに接続されているノード140dと、ノード140dに接続されている配電線120dと、配電線120dに接続されているノード140eとを有する。配電系統100は更に、ノード140bに接続されている需要家等の負荷装置150bと、ノード140cに接続されている需要家等の負荷装置150cと、ノード140dに接続されている需要家等の負荷装置150dと、ノード140eに接続されている需要家等の負荷装置150eとを有する。電圧コントローラ10は、通信ネットワーク200を介して電圧変換装置130に接続されている。
以下の説明において、ノード140a、140b、140c、140d、140eのような符号の数字に続くアルファベットにより要素を区別する必要がない場合、そのアルファベットが省略されることがある。
電圧変換装置130は、LRT(Load Ratio Control Transformer)、SVR(Step Voltage Regulator)、SVC(Static Var Compensator)、柱上変圧器、電圧調整機能付き柱上変圧器など、電力系統の電圧を制御する機能を有する機器である。以下、電圧変換装置130がSVRである場合について説明する。
図2は、電圧変換装置130の構成を示す。電圧変換装置130は、変圧器131と、出力電圧制御部132と、出力電圧目標値受信部133とを有する。出力電圧目標値受信部133は、電圧コントローラ10から送られる出力電圧目標値を、通信ネットワーク200を介して受信する。出力電圧制御部132は、出力電圧目標値に従って制御指令を出力する。変圧器131は例えば、制御指令に従って巻数比を変更することにより、出力電圧を変更することができる。
以下、電圧コントローラ10による有効電力の制御について説明する。
電力系統の電圧を適切に制御することで需要家の自発的な節電に頼らなくても電力系統の有効電力を抑制することができる。例えば、需要家の負荷が定インピーダンス負荷に近い特性を持つ白熱灯の場合、運用上の問題がない範囲で印加電圧を低めに設定することで消費電力が抑制される。本実施例における電圧コントローラ10は、電力系統の有効電力を抑制することを目的として、電圧変換装置130の出力電圧目標値を決定する。電圧変換装置130の通過有効電力を減少させることは、電力系統の有効電力を抑制することに等しい。
このような電圧と有効電力の関係は、電力系統の負荷静特性係数の符号によって異なる。
図3は、電圧変換装置130における出力電圧及び通過有効電力を示し、図4は、電圧変換装置130の出力電圧の時間変化を示し、図5は、電圧変換装置130の通過有効電力の時間変化を示す。電圧変換装置130が出力電圧を時刻tでステップ変化させる場合において、電圧変化前の出力電圧をVとし、電圧変化前の通過有効電力をPとし、電圧変化後の出力電圧をVとし、電圧変化後の通過有効電力をPとする。このとき、負荷静特性係数であるαは、出力電圧の対数変化率に対する有効電力の対数変化率の比率であり、次式で表される。
Figure 2014204515
数式1を変形することにより、Pを求める次式が得られる。
Figure 2014204515
数式2において、αを1とし、系統電圧を6700Vから6600Vに電圧低め制御を行った場合、電圧変換装置130の通過有効電力は、次式のように1000kWから985kWに変化し、15kW減少する。
Figure 2014204515
図6は、系統電圧制御と有効電力の関係を示す。負荷静特性係数がマイナスの値である場合、電圧変換装置130の出力電圧を高くする電圧高め制御を行うことで、電圧変換装置130の通過有効電力は減少する。一方、負荷静特性係数がプラスの値である場合、電圧変換装置130の出力電圧を低くする電圧低め制御を行うことで、電圧変換装置130の通過有効電力は減少する。
本実施例において、配電系統100のうち、電圧変換装置130から負荷装置150b、150c、150d、150eまでの電力系統を、電圧変換装置130による有効電力の制御対象のエリアである制御エリアとする。本実施例における負荷静特性係数は、制御エリアの有効電力の負荷静特性を表す指標である。制御エリアの有効電力は、負荷装置150の消費電力や配電線120の電力ロスを含む。例えば、制御エリアにおいて、負荷装置150b、150c、150d、150eだけの負荷静特性係数が0であっても、配電線120b、120c、120dを含めた制御エリアの負荷静特性係数はマイナスの値になる場合がある。
以下、電圧コントローラ10について説明する。
図7は、実施例1の電圧コントローラ10の構成を示す。電圧コントローラ10は、負荷静特性データベース11と、出力電圧目標値パラメータセットデータベース12と、出力電圧目標値演算部13と、出力電圧目標値データベース14と、出力電圧目標値送信部15とを有する。
図8は、負荷静特性データベース11に格納される負荷静特性パラメータセットの一例を示す。
負荷静特性データベース11は、複数の地域区分の夫々に対応する負荷静特性係数を示す負荷静特性パラメータセットを格納する。地域区分は、制御エリアの地域の特徴を示し、例えば、繁華街地区、工場地区、住宅地区、農山村地区などを示す。負荷静特性係数の値は、制御エリアの地域区分によって異なる。負荷静特性パラメータセットの負荷静特性係数は手動によって設定され、数年毎、または制御エリアに負荷が増設されるなど系統構成が変更された場合に更新することが望ましい。負荷静特性データベース11は、負荷静特性係数の代わりに、負荷静特性係数の符号や、負荷静特性係数の範囲を格納しても良い。
負荷静特性データベース11は更に、複数の時刻区分の夫々に対応する負荷静特性パラメータセットを格納する。複数の負荷静特性パラメータセットの夫々には、負荷静特性パラメータセット番号が付されている。時刻区分は、季節、曜日、時間帯等を示す。負荷静特性係数の値は、制御エリアの地域区分が同じであっても、季節、曜日、時間帯によって異なる。そのため、負荷静特性データベース11は、時刻区分によって異なる負荷静特性係数を持つことが望ましい。ここでの負荷静特性データベース11の例は、1年間を3月〜5月(春季を含む)、6月〜8月(夏季を含む)、9月〜11月(秋季を含む)、12月〜2月(冬季を含む)の4つに区分すると共に、曜日を平日と休日に、1日を9時〜21時と21時〜9時にそれぞれ区分する場合を示している。なお、負荷静特性データベース11は、電圧変換装置130における潮流方向に対応する負荷静特性パラメータセットを格納しても良い。
図9は、出力電圧目標値パラメータセットデータベース12に格納される出力電圧目標値パラメータセットの一例を示す。
出力電圧目標値パラメータセットデータベース12は、負荷静特性係数の符号と出力電圧目標値とを対応づけた出力電圧目標値パラメータセットを格納する。ここでの出力電圧目標値パラメータセットデータベース12の例は、基準電圧を6600Vとし、負荷静特性係数がプラスの場合、出力電圧目標値を基準電圧より低い6400Vに設定し、負荷静特性係数がマイナスの場合、出力電圧目標値を基準電圧より高い6800Vに設定する。
以上の説明では、電圧変換装置130の通過電力のうち有効電力について述べたが、無効電力や皮相電力についても同様に制御することができる。
電圧変化前の無効電力をQとし、電圧変化後の無効電力をQとすると、無効電力負荷の負荷静特性係数であるαは、次式で与えられる。
Figure 2014204515
電圧変化前の皮相電力をSとし、電圧変化後の皮相電力をSとすると、皮相電力負荷の負荷静特性係数であるαは、次式で与えられる。
Figure 2014204515
出力電圧目標値パラメータセットデータベース12は更に、時刻区分と、出力電圧目標値パラメータセットを対応付けている。制御エリアの負荷の大きさや力率は、季節、曜日、時間帯によって変化し、それに伴って制御エリアの電圧降下は変化する。例えば、夏冬の重負荷の季節では、春秋の軽負荷の季節に比べて制御エリアの電圧降下が大きくなるため、電圧が下限値を逸脱しないように電圧変換装置130の出力電圧を高めに設定する必要がある。そのため、負荷静特性パラメータセットは、時刻区分毎に異なることが望ましい。
図10は、出力電圧目標値演算部13の処理を示す。出力電圧目標値演算部13は、予め設定された時間周期で定期的にこのフローを開始する、又は制御エリアの負荷が大きく変化したタイミングでこのフローを開始することが望ましい。
はじめに、出力電圧目標値演算部13は、カレンダー機能により、現在の時刻区分を認識する(S11)。
次に、出力電圧目標値演算部13は、負荷静特性データベース11の中から、認識された時刻区分に対応する負荷静特性パラメータセット番号を選択する(S12)。
次に、出力電圧目標値演算部13は、制御エリアの地域区分を認識する(S13)。ここで出力電圧目標値演算部13は、制御エリア内の工場や一般需要家などの需要家種別の割合や、農山村や繁華街などの制御エリアの立地の特徴などに基づいて、制御エリアの地域区分を決定する。電圧コントローラ10は、予め定められた地域区分を記憶していても良い。
次に、出力電圧目標値演算部13は、負荷静特性データベース11の中から、選択された負荷静特性パラメータセット番号と、認識された地域区分とに対応する負荷静特性係数を読み込む(S14)。
次に、出力電圧目標値演算部13は、出力電圧目標値パラメータセットデータベース12の中から、選択された負荷静特性パラメータセット番号と、読み出された負荷静特性係数の符号とに対応する出力電圧目標値を読み込み、その出力電圧目標値を出力電圧目標値データベース14へ書き込む(S15)。
以上が出力電圧目標値演算部13の処理である。
出力電圧目標値データベース14は、決定された出力電圧目標値を格納する。出力電圧目標値データベース14に格納されている出力電圧目標値は、出力電圧目標値演算部13により更新される。
出力電圧目標値送信部15は、出力電圧目標値データベース14に格納されている出力電圧目標値を、通信ネットワーク200を介して電圧変換装置130へ送る。出力電圧目標値送信部15による出力電圧目標値の送信タイミングは、1秒などの短い周期か、出力電圧目標値が更新された時であることが望ましい。出力電圧目標値送信部15は、出力電圧目標値演算部13の処理に応じて、出力電圧目標値を送信しても良い。
本実施例によれば、制御エリア内の需要家の消費電力や配電線の電力ロスの影響を含む負荷静特性に基づいて出力電圧目標値を決定することにより、制御エリアの有効電力を減少させる出力電圧目標値を決定することができる。
また、制御エリアの負荷静特性係数の符号に基づいて、出力電圧目標値を決定することにより、出力電圧の増減を適切に決定することができる。また、制御エリアの負荷静特性係数の符号の逆方向へ出力電圧を変更することにより、制御エリアの有効電力を減少させることができる。また、出力電圧目標値が予め定められた許容電圧範囲内に設定されることにより、制御エリアの許容電圧範囲を守ることができる。また、電圧コントローラ10が、制御エリアの負荷静特性係数の符号と出力電圧目標値との関係を格納することにより、負荷静特性係数の符号に応じて出力電圧目標値を決定することができる。
また、電圧コントローラ10が、制御エリアの地域の特徴と負荷静特性係数の符号との関係や、時刻範囲と負荷静特性係数の符号との関係や、電圧変換装置130における潮流方向と制御エリアの負荷静特性係数の符号との関係を格納することにより、制御エリアの負荷静特性が地域の特徴や時刻や潮流方向などの条件によって変化する場合であっても、適切な出力電圧目標値を決定することができる。
また、制御エリアの負荷静特性に基づいて電圧変換装置130の出力電圧を決定することにより、有効電力の計測値をフィードバックして電圧を制御する必要がないため、電圧の制御の時間を低減することができると共に、不要な電圧変動を防ぐことができる。
また、電圧コントローラ10及び電圧変換装置130が、制御エリアの有効電力を制御することにより、各需要家に、電圧コントローラ10や電圧変換装置130を設ける必要がない。これにより、省エネ装置を各需要家内の配電系統に設置する場合に比べて、コストを抑えることができる。
本実施例では、配電系統内のセンサ装置を活用して負荷静特性を推定する電力系統制御システムについて説明する。
以下、本実施例の電力系統制御システムの構成について説明する。
図11は、実施例2の電力系統制御システムの構成を示す。この電力系統制御システム500qにおいて、電力系統制御システム500の要素の同一物又は相当物には同一符号を付し、その説明を省略する。
実施例1の電力系統制御システムと比較すると、実施例2の電力系統制御システムは、配電系統100の代わりに配電系統100qを有し、電圧コントローラ10の代わりに電圧コントローラ10qを有する。配電系統100と比較すると、配電系統100qは、電圧変換装置130の代わりに電圧変換装置130bを有し、更に、センサ装置180a、180b、180dと、電圧変換装置130dとを有する。
変電所110とノード140aの間には、センサ装置180aが設けられている。電圧変換装置130bとノード140bの間には、センサ装置180bが設けられている。配電線120cとノード140dの間には、電圧変換装置130dとセンサ装置180dが設けられている。電圧コントローラ10qは、通信ネットワーク200bを介して電圧変換装置130bに接続され、通信ネットワーク200dを介して電圧変換装置130dに接続されている。電圧コントローラ10qは更に、通信ネットワーク300bを介してセンサ装置180bに接続され、通信ネットワーク300dを介してセンサ装置180dに接続されている。電圧変換装置130b、130dは、電圧変換装置130と同様である。
センサ装置180は、接続点の電力状態を計測する。この電力状態は、電圧、有効電力および無効電力を示しても良いし、それらに相当する電圧、電流および力率を示しても良い。
図12は、センサ装置180の構成を示す。センサ装置180は、電力状態を計測するセンサ181と、計測された電力状態を示す計測データを、通信ネットワーク300を介して電圧コントローラ10qへ送るセンサデータ送信部182とを有する。
図13は、実施例2の電圧コントローラ10qの構成を示す。電圧コントローラ10qにおいて、電圧コントローラ10の要素の同一物又は相当物には同一符号を付し、その説明を省略する。電圧コントローラ10と比較すると、電圧コントローラ10qは更に、センサデータ受信部16と、センサデータベース17と、負荷静特性演算部18とを有する。センサデータ受信部16は、センサ装置180から通信ネットワーク300を介して計測データを受信する。センサデータベース17は、受信された計測データを格納する。
図14は、センサデータベース17に格納される計測データの一例を示す。この計測データは、計測された時刻と、計測したセンサ装置と、計測された三相の電力状態とを示す。ここでの電力状態は、電圧、電流、及び力率である。三相の電力状態は、三相の平均値や代表相の値に変換されても良い。センサ装置180の接続点の通過電流をIとし、接続点の電圧をVとし、接続点の力率をcosθとすると、通過有効電力であるPは次式で表される。
Figure 2014204515
ここで、I、V、及びcosθは、代表相または三相の平均値である。
負荷静特性演算部18は、センサデータベース17に格納された計測データから負荷静特性を算出する。
以下、負荷静特性演算部18による負荷静特性の演算手法について説明する。
図15は、負荷静特性演算部18の処理を示す。
はじめに、負荷静特性演算部18は、配電系統100qの中から対象の電圧変換装置130を選定する(S21)。ここで負荷静特性演算部18は、一定の時間周期で順番に対象の電圧変換装置130を選択しても良いし、計測データに基づいて負荷が大きく変化した地点に接続されている電圧変換装置130を選択しても良い。以下、対象の電圧変換装置130として電圧変換装置130bが選定された場合について説明する。
次に、負荷静特性演算部18は、電圧変換装置130bの制御エリアを認識する(S22)。制御エリアは、配電系統100qのうち、電圧変換装置130bにより電圧を制御されるエリアを表す。電圧変換装置130bの制御エリアは、電圧変換装置130bが設置される電柱を表すノード140bから、電圧変換装置130dが設置される電柱を表すノード140dまでの区間である。ここで、電圧変換装置130bの制御エリアを電圧変換装置130dまでとする理由は、電圧変換装置130dの末端側の電圧は、電圧変換装置130dの出力電圧によって決定されるためである。負荷静特性演算部18は、予め定められた複数の電圧変換装置130の夫々の制御エリアを示す情報を格納する。
図16は、制御エリアの情報の一例を示す。制御エリアを示す情報は、電圧変換装置130と、その制御エリアの電源側の端部のノード140と、その制御エリアの末端側の端部のノード140とを示す。電圧変換装置130dの制御エリアは、電圧変換装置130dが設置される電柱を表すノード140dから、末端のノード140eまでの区間である。
次に、負荷静特性演算部18は、認識された制御エリアの負荷静特性係数を計算する(S23)。以上が負荷静特性演算部18の処理である。
以下、電圧変換装置130bの制御エリアの負荷静特性係数の計算方法について説明する。
図17は、各センサ装置の計測データを示す。ここで、電圧変化前のセンサ装置180bの電圧計測値をVb0とし、電圧変化前のセンサ装置180bの有効電力計測値をPb0とし、電圧変化前のセンサ装置180dの有効電力計測値をPd0とし、電圧変化後のセンサ装置180bの電圧計測値をVとし、電圧変化後のセンサ装置180bの有効電力計測値をPとし、電圧変化後のセンサ装置180dの有効電力計測値をPとする。このとき、電圧変換装置130bの制御エリアの負荷静特性係数であるαb−dは次式で表される。
Figure 2014204515
負荷静特性演算部18は、1分間隔などの一定周期で負荷静特性係数を計算しても良いし、計測データに基づいて有効電力負荷が大きく変化したと判断された時に負荷静特性係数を計算しても良い。
電圧変換装置130が、2つのセンサ装置180の計測データを用いることによって、その間の制御エリアの負荷静特性を推定することができる。また、制御エリアの負荷静特性が時間などによって変化する場合や、制御エリアの負荷の種別がわからず負荷静特性を予測できない場合であっても、制御エリアの実態に近い負荷静特性を推定することが可能となる。推定した制御エリアの負荷静特性を用いて電圧目標値を決定することによって、制御エリアの有効電力を迅速に低減できる。
以下、電圧コントローラ10qによる電圧変換装置130b、130dの制御について説明する。
図18は、配電線120上の電圧分布を示す。この図において、横軸は配電線120上の位置である配電線長を示し、縦軸は電圧を示す。また、電圧制御前の電圧分布を破線で示し、電圧制御後の電圧分布を実線で示す。ここでは、電圧変換装置130bの制御エリアの負荷静特性係数がマイナスであり、電圧変換装置130dの制御エリアの負荷静特性係数がプラスである場合を示す。電圧コントローラ10qは、複数の制御エリアの夫々の負荷静特性係数に基づいて、電圧変換装置130bに対して電圧高め制御を行い、例えば電圧変換装置130dに対して電圧低め制御を行う。このように、電圧コントローラ10qは、配電系統100q全体に対して一律に電力高め制御又は電力低め制御を行うのではなく、複数の制御エリアに対して異なる制御を行うことができる。これにより、複数の制御エリアの負荷静特性が異なる場合であっても、各制御エリアを適切な電圧に制御することができる。
本実施例によれば、電圧コントローラ10qが、電圧変換装置130b、130dを通過する電力状態の計測結果に基づいて負荷静特性係数を推定することにより、各制御エリアを適切な電圧に制御することができる。また、電圧コントローラ10qが、通信ネットワーク200を介して複数の電圧変換装置130へ出力電圧を出力電圧目標値へ変化させる指示を送信することにより、複数の電圧変換装置130を同時に且つ迅速に制御することができる。
本実施例では、計測データに基づいて出力電圧目標値を算出する電力系統制御システムについて説明する。
実施例2の電力系統制御システムと比較すると、実施例3の電力系統制御システムは、電圧コントローラ10qの代わりに電圧コントローラ10rを有する。
以下、本実施例の電圧コントローラ10rの構成について説明する。
図19は、実施例3の電圧コントローラ10rの構成を示す。この電圧コントローラ10rにおいて、電圧コントローラ10qの要素の同一物又は相当物には同一符号を付し、その説明を省略する。電圧コントローラ10qと比較すると、電圧コントローラ10rは、出力電圧目標値演算部13の代わりに出力電圧目標値演算部13rを有し、出力電圧目標値パラメータセットデータベース12の代わりに電圧分布データベース21を有し、更に、設備データベース19と、電圧分布演算部20とを有する。
図20は、設備データベース19に格納されるインピーダンスデータの一例を示す。設備データベース19は、各配電線120のインピーダンスデータを格納する。インピーダンスデータは、対応する配電線120が引かれるブランチを示す情報と、その配電線120のインピーダンスを示す情報とを格納する。各ブランチは、そのブランチの電源側の端部と末端側の端部に配置される電柱を表すノード140によって表される。
電圧分布演算部20は、センサデータベース17内の計測データと、設備データベース19内のインピーダンスデータに基づき、潮流計算を行うことによってセンサ装置180間を含む配電系統100q全体の電圧分布を推定する。
図21は、電圧分布データベース21に格納される電圧分布の一例を示す。電圧分布データベース21は、電圧分布演算部20によって推定された、配電系統100q内の各ノード140の電圧分布を格納する。
出力電圧目標値演算部13rは、電圧分布データベース21と負荷静特性データベース11に基づいて、出力電圧目標値を決定する。
以下、電圧コントローラ10rの処理について説明する。
図22は、電圧コントローラ10rの処理を示す。
はじめに、電圧分布演算部19は、電圧変換装置130の制御エリアの電圧分布を推定し、電圧分布データベース21へ書き込む(S31)。次に、負荷静特性演算部18は、電圧変換装置130の制御エリアの負荷静特性係数を推定し、負荷静特性データベース11へ書き込む(S32)。次に、出力電圧目標値演算部13rは、推定された電圧分布と負荷静特性係数を基に、電圧変換装置130の出力電圧目標値を決定し、出力電圧目標値データベース14へ書き込む(S33)。
ここでは、S31の詳細について説明する。
図23は、電圧分布を推定する処理を示す。
はじめに、電圧分布演算部19は、センサデータベース17から計測データを読み込む(S41)。計測データは、実施例2と同様である。
次に、電圧分布演算部19は、設備データベース19からインピーダンスデータを読み込む(S42)。
次に、電圧分布演算部19は、読み込まれた計測データと、読み込まれたインピーダンスデータを基に、配電系統100全体の電圧分布を推定し、各ノード140の電圧を求める(S43)。以上が電圧分布を推定する処理である。
ここでは、S43の詳細について説明する。
S43において電圧分布演算部19は、潮流計算を用いても良いし、状態推定を用いても良い。
潮流計算は、センサ装置180で計測された有効電力及び無効電力を各ノード140に接続される負荷の契約容量の比率で按分し、按分により得られた負荷データとセンサ装置180の送出電圧、またはFCB(Feeder Circuit Breaker)の送出電圧から、潮流計算によって各ノード140の電圧を求める。具体的には、特許文献2に示されるアルゴリズムを用いることができる。
状態推定は、潮流計算により計算された配電系統100qの状態の偏差を計算し、この計算した偏差を用いて定式化された目的関数を、最適化計算により解くことで、各センサ装置180における真値と計測データとの関係を表すセンサ誤差データの推定値を計算し、潮流計算により計算された配電系統100qの状態の修正量を計算し、この修正量を用いて、潮流計算により計算された配電系統100qの状態を修正する。具体的には、特許文献3に示されるアルゴリズムを用いることができる。
ここでは、S32の詳細について説明する。
負荷静特性演算部18は、実施例1のように負荷静特性データベース11から負荷静特性係数を取得してもよいし、実施例2のように計測データから負荷静特性係数を算出してもよい。
ここでは、S33の詳細について説明する。
図24は、出力電圧目標値を決定する処理を示す。
はじめに、出力電圧目標値演算部13rは、負荷静特性データベース11から負荷静特性係数を読み込み、α>0であるか否かを判定する(S41)。α>0と判定された場合(S41:Yes)、出力電圧目標値演算部13rは、電圧低め制御のための出力電圧目標値を決定する(S42)。一方、α>0でない場合(S41:No)、出力電圧目標値演算部13rは、電圧高め制御のための出力電圧目標値を決定する(S43)。以上が出力電圧目標値を決定する処理である。
ここでは、電圧低め制御及び電圧高め制御について説明する。ここでは、電圧変換装置130bの出力電圧目標値を決定する場合について説明する。
図25は、設備データベース19に格納される許容電圧範囲の一例を示す。各ブランチには、予め許容電圧範囲が定められている。配電系統毎に許容電圧範囲が定められていても良い。出力電圧目標値演算部13rは、電圧分布データベース21と許容電圧範囲に基づいて、制御エリア内の各ノード140の電圧であるノード電圧を決定する。
図26は、電圧分布の第1状態を示し、図27は、電圧分布の第2状態を示す。これらの図中において、横軸は配電線120上の位置である配電線長を示し、縦軸は電圧を示す。また、許容電圧範囲の上限値をVmaxとし、許容電圧範囲の下限値をVminとし、制御エリア内のノード電圧の最大値をVとし、ノード電圧の最小値をVとする。このとき、ノード電圧の最大値から許容電圧範囲の上限値までの余裕であるΔVUMは、次式で表される。
Figure 2014204515
また、ノード電圧の最小値から許容電圧範囲の下限値までの余裕であるΔVLMは、次式で表される。
Figure 2014204515
また、電圧変換装置130bの一次側電圧をVSVR1とし、電圧変換装置130bの電圧制御量をΔVSVRとすると、電圧変換装置130bの二次側電圧であるVSVR2は、次式で表される。
Figure 2014204515
α>0である場合、S42において出力電圧目標値演算部13rは、制御エリアの電圧を低めに制御することで有効電力を低減することができる。この場合、出力電圧目標値演算部13rは、ΔVLMを0に近づけることが望ましい。電圧制御前の制御エリアが第1状態であるとすると、出力電圧目標値演算部13rは、電圧低め制御により制御エリアを第2状態に遷移させる。ここで、出力電圧目標値演算部13rは、電圧制御後の第2状態におけるΔVLMを0に等しくすることにより、VをVminに等しくする。そのために、出力電圧目標値演算部13rは、電圧変換装置130bの出力電圧目標値であるVrefを次式のように決定する。
Figure 2014204515
なお、電圧分布演算部19は、決定されたVrefを用いて電圧分布を再度計算し、出力電圧目標値演算部13rは、ΔVLMが0になるように、Vrefを調整しても良い。
このような電圧低め制御によれば、制御エリア内の各ノード140の電圧を、許容電圧範囲内で最も低い値に制御することができる。
一方、α>0でない場合、S43において出力電圧目標値演算部13rは、制御エリアの電圧を高めに制御することで有効電力を低減することができる。この場合、出力電圧目標値演算部13rは、ΔVUMを0に近づけることが望ましい。電圧制御前の制御エリアが第2状態であるとすると、出力電圧目標値演算部13rは、電圧高め制御により、制御エリアを第1状態に遷移させる。ここで、出力電圧目標値演算部13rは、電圧制御後の第1状態におけるΔVUMを0に等しくすることにより、VをVmaxに等しくする。そのために、出力電圧目標値演算部13rは、電圧変換装置130bの出力電圧目標値であるVrefを次式のように決定する。
Figure 2014204515
なお、電圧分布演算部19は、決定されたVrefを用いて電圧分布を再度計算し、出力電圧目標値演算部13rは、ΔVUMが0になるように、Vrefを調整しても良い。
このような電圧高め制御によれば、制御エリア内の各ノード140の電圧を、許容電圧範囲内で最も高い値に制御することができる。
本実施例によれば、電圧コントローラ10rは、電圧変換装置を通過する電力状態の計測結果と、制御エリア内の配電線のインピーダンスデータとに基づいて、電圧分布を推定することができる。また、電圧コントローラ10rが、制御エリア内の電圧分布を用いることにより、出力電圧を出力電圧目標値へ変化させた場合の制御エリア内の電圧分布が許容電圧範囲内になるように出力電圧目標値を算出することができる。
本実施例では、出力電圧目標値と同様にして、電圧変換装置130のLDCパラメータを決定する例について説明する。
電圧変換装置130は、変圧器(LRT)のタップ切り替えや電圧自動調整器(SVR)のタップ切り替えによって、配電系統100qの電圧を制御する。この場合の電圧変換装置130は、配電系統100qの電圧低下を補償するようにLRTやSVRの二次側電圧(出力電圧)を決定するLDC(Line Drop Compensator)を有する。以下、電圧変換装置130が、SVR400である場合について説明する。
図28は、実施例4のSVR400の構成を示す。SVR400は、単巻変圧器401と、単巻変圧器401のタップを切り換えるタップチェンジャ402と、二次側の線路の電流であるIsvrを検出する電流センサ(CT:Current Transformer)411と、二次側の電圧であるVsvrを検出する電圧センサ(PT:Potential Transformer)412と、電流センサ411及び電圧センサ412の測定結果に基づいて、タップチェンジャ402へタップ切換指令を送る制御部410とを有する。
制御部410は、計測部420と、LDC430とを有する。計測部420には、電流センサ411及び電圧センサ412が接続され、SVR400の通過電力情報であるIsvr及びVsvrを測定する。LDC430は、計測部420で測定されたIsvr及びVsvrから、SVR400の有効電力であるPsvr、無効電力であるQsvr、及び力率であるcosθを計算する。LDCパラメータ演算部440は、計測部420で測定されたIsvr及びVsvrを保持し、Isvr及びVsvrに基づいてLDCパラメータであるR、X、Vref(またはAp、Aq、Vref)を決定する。これらのLDCパラメータを用いると、SVR400の出力電圧の理想値であるVは次式で表される。
Figure 2014204515
SVR400の外部には、パラメータ決定装置440が設けられている。パラメータ決定装置440は、計測部420により測定されたIsvr及びVsvrを取得し、Isvr及びVsvrに基づいてLDCパラメータを算出し、LDCパラメータをLDC430へ設定する。なお、ユーザは、パラメータ決定装置440により算出されたLDCパラメータをLDC430へ手動で設定しても良い。また、パラメータ決定装置440は、通信ネットワークを介してSVR400に接続され、通信ネットワークを介してLDCパラメータをLDC430へ設定しても良い。また、電圧コントローラ10rが、パラメータ決定装置440であっても良い。また、電流センサ411、電圧センサ412、計測部420の代わりに、センサ装置180が用いられても良い。
ここで、SVR400の通過電流であるIsvrの実部をIrとし虚部をIxとすると、RはIrに対する係数であり、XはIxに対する係数であり、Vrefは基準電圧である。また、ApはPsvrに対する係数であり、AqはQsvrに対する係数である。
なお、LDCパラメータは、Z、Vref(またはAs、Vref)であっても良い。この場合のLDCパラメータを用いると、Vは次式で表される。
Figure 2014204515
ここで、ZはSVR400の通過電流のIsvrに対する係数、Vrefは基準電圧である。LDC430は、計測部420で測定されたIsvr及びVsvrから、SVR400の皮相電力であるSsvrを計算しても良い。AsはSsvrに対する係数である。
以下、LDC430の処理について説明する。
LDC430は、Vを計算する。VsvrがVより一定値以上小さい状態が一定時間継続すると、LDC430は、タップチェンジャ402を上げ方向へ変更し、Vsvrを上昇させる。逆に、VsvrがVより一定値以上大きい状態が一定時間継続すると、LDC430は、タップチェンジャ402を下げ方向へ変更し、Vsvrを下降させる。このように、LDC430は、SVR400の通過電力情報とLDCパラメータを基に、SVR400の出力電圧を制御する。なお、SVR400は、特許文献4に示される構成を用いることができる。
以下、パラメータ決定装置440によるLDCパラメータの決定方法について説明する。
図29は、パラメータ決定装置440の処理を示す。
まず、パラメータ決定装置440は、LDCパラメータの決定に必要なデータを読み込む(S51)。ここでパラメータ決定装置440は例えば、予め定められた対象期間内の各時刻のVsvr、Isvr、及びcosθを読み込む。対象期間は、例えば過去1週間であり、ユーザにより指定されても良い。パラメータ決定装置440は、cosθに代えて、SVR400の通過有効電力及び無効電力に夫々相当するPsvr及びQsvrを読み込んでも良い。パラメータ決定装置440は、Isvr、cosθ(またはPsvr、Qsvr)から、Isvrの実部であるIr及び虚部であるIxを計算する。また、パラメータ決定装置440は、制御エリアの定格電圧(例えば6.6[kV])から、SVR400の通過有効電力であるP及び無効電力であるQに相当する値を計算しておく。
次に、パラメータ決定装置440は、制御エリアの有効電力を低減するように、対象期間内の各時刻のVsを求めることにより、V、Ir、Ix(またはV、Psvr、Qsvr)のデータセットを作る(S52)。ここで、パラメータ決定装置440は、例えば、負荷静特性データベース11や設備データベース19と同様の情報を保持し、実施例3のVrefの算出方法と同様、負荷静特性係数の符号と許容電圧範囲に基づいて対象期間内の各時刻のVを計算する。即ち、パラメータ決定装置440は、α>0である場合、S42におけるVrefの算出方法と同様にしてVを算出し、α>0でない場合、S43におけるVrefの算出方法と同様にしてVを算出する。
次に、パラメータ決定装置440は、算出されたデータセットから、重回帰分析によってV、Ir、Ix(またはV、Psvr、Qsvr)の関係を求める。ここでパラメータ決定装置440は例えば、V、Ir、Ixの関係を次式のように定義し、LDCパラメータであるR、X、Vrefを求める。
Figure 2014204515
パラメータ決定装置440は、重回帰分析により、VとIrの相関係数としてRを、VとIxの相関係数としてXを、オフセットとしてVrefを計算する。重回帰分析の具体的な計算方法として、例えば、特許文献4に記載されたアルゴリズムを用いることができる。
このように、負荷静特性に基づきLDCパラメータを算出することによって、制御エリアの有効電力を減少させるように電圧変換装置130の出力電圧を制御することができる。
なお、パラメータ決定装置440は、電圧変換装置130におけるLDCパラメータ以外の整定パラメータを決定しても良い。
パラメータ決定装置440が、電圧変換装置130の整定パラメータを決定することにより、電圧変換装置130は、出力電圧目標値を用いることなく、出力電圧を制御することができる。
本実施例では、電圧変換装置が電圧コントローラを有する例について説明する。
実施例5の電力系統制御システムは、実施例3の電力系統制御システムと比較すると、電圧変換装置130の代わりに電圧変換装置190を有し、電圧コントローラ10rを有しない。
図30は、実施例5の電圧変換装置190の構成を示す。電圧変換装置130と比較すると、電圧変換装置190は、出力電圧目標値受信部133の代わりに電圧コントローラ10tを有する。電圧コントローラ10tは、電圧コントローラ10、10q、10rの何れか一つである。
本実施例によれば、電圧変換装置190が内部に電圧コントローラ10tを有することによって、通信ネットワーク200のような通信設備を用いることなく、負荷静特性を考慮した電圧制御が可能となる。
本実施例では、電圧コントローラが、ビルなどの建物内部の電気系統、又は配電系統から電気的に独立した自動車、飛行機、船舶などの電気系統に設置された例について説明する。
図31は、実施例6のビル内の電気系統の構成を示す。この電気系統600uは、変電設備30と、電圧コントローラ10uと、負荷装置40とを有する。変電設備30は、ビルに供給される電力の電圧を調整する。負荷装置40は、変電設備30に接続されたエアコン等である。電圧コントローラ10uは、電圧コントローラ10、10q、10rの何れか一つである。ここでは、電圧コントローラ10uが、電圧コントローラ10rである場合について説明する。
変電設備30は、変圧器31と、センサ32と、送信部33と、受信部34と、制御部35とを有する。変圧器31は、変電設備30の出力電圧を調整する。センサ32は、変圧器31の出力電圧及び有効電力を計測する。送信部33は、センサ32の計測結果を電圧コントローラ10uへ送る。受信部34は、電圧コントローラ10uから出力された出力電圧目標値を受信する。制御部35は、受信部34により受信された出力電圧目標値に基づいて制御指令を変圧器31に与える。変圧器31の電源側は、配電系統100q内の一つのノード140に接続されても良いし、送電系統から電気的に独立した電源に接続されても良い。変圧器31の制御エリアは、変電設備30の末端側に接続された電気系統であり、複数の負荷装置40を含む。
本実施例によれば、電圧コントローラ10tと、変電設備30と、その制御エリアが、特定の設備内に設けられていることにより、通信ネットワーク200のような通信設備を用いることなく、負荷静特性を考慮した電圧制御が可能となる。
本実施例では、電圧コントローラが、省エネルギー支援装置を有するビルなどの建物内部の電気系統に設置された例について説明する。
図32は、実施例7のビル内の第一の電気系統の構成を示す。この電気系統600vにおいて、電気系統600uの要素の同一物又は相当物には同一符号を付し、その説明を省略する。電気系統600uと比較すると、電気系統600vは、変電設備30の代わりに変電設備30vを有し、更に、負荷装置40の運転を管理することにより省エネルギー化を行う省エネルギー支援装置50を有する。変電設備30と比較すると、変電設備30vは、センサ32と、送信部33とを有しない。
省エネルギー支援装置50は、例えば、ビル管理システムである。省エネルギー支援装置50は、電気系統600v内の複数の負荷装置40の消費電力及び受電端電圧の計測結果を取得する。また、省エネルギー支援装置50は、負荷装置40の消費電力及び受電端電圧の計測結果を電圧コントローラ10uへ送信する機能を有する。
図33は、実施例7のビル内の第二の電気系統の構成を示す。この電気系統600wにおいて、電気系統600vの要素の同一物又は相当物には同一符号を付し、その説明を省略する。電気系統600vと比較すると、電気系統600wは、変電設備30vの代わりに変電設備30を有する。省エネルギー支援装置50が負荷装置40の受電端電圧を計測せず、有効電力のみを計測する場合、この第二の電気系統のように、負荷装置40がセンサ32および送信部33を有する。この場合、センサ32は、電圧を計測すればよい。
省エネルギー支援装置50は、電圧コントローラ10uによって求められる負荷静特性係数を受信する機能を有する。省エネルギー支援装置50がこの負荷静特性係数を省エネルギー化のための演算に活用することによって、例えば電圧変化による有効電力を推定することができる。省エネルギー支援装置50の具体的な構成として、特許文献5の構成を用いることができる。
このように、電圧コントローラ10uが省エネルギー支援装置50による計測結果を用いることにより、センサ32を不要とする、またはセンサ32の計測項目が少ないセンサ32を用いることができ、有効電力を削減しつつ、コストの増加を抑えることができる。また、省エネルギー支援装置50が、電圧コントローラ10uによって求められた負荷静特性係数を活用することによって、電圧変化による有効電力変化を推定することができ、有効電力の管理を行うことができる。
本実施例では、電圧コントローラが、制御エリアの情報を可視化する例について説明する。
図34は、実施例8の電圧コントローラの構成を示す。この電圧コントローラ10xにおいて、電圧コントローラ10rの要素の同一物又は相当物には同一符号を付し、その説明を省略する。電圧コントローラ10rと比較すると、電圧コントローラ10xは、更に、表示制御部700と、表示装置710とを有する。表示制御部700は、制御エリアの電圧分布、負荷静特性、有効電力の抑制可能量を示す表示画面を生成し、表示装置710に表示させる。表示装置710は、電圧コントローラ10xの外部に設けられていても良いし、通信ネットワークを介して表示制御部700に接続されていても良い。
図35は、第一の表示画面を示す。第一の表示画面60aは、配電系統100qのうち、表示の対象となるエリアである表示エリアを選択するための情報表示部61aと、情報表示部61aに対するユーザの操作を受け付けるためのコントロール部62とを有する。表示エリアは例えば、配電系統100q全体や、電圧変換装置130単位などである。表示制御部700は、設備データベース19等に基づいて、情報表示部61aを生成する。
図36は、第二の表示画面を示す。第二の表示画面60bは、選択された表示エリアにおける電圧分布を表示する情報表示部61bと、情報表示部61bに対するユーザの操作を受け付けるためのコントロール部62とを有する。表示制御部700は、電圧分布データベース21等に基づいて、情報表示部61bを生成する。
図37は、第三の表示画面を示す。第三の表示画面60cは、選択された表示エリアにおける負荷静特性を表示するための情報表示部61cと、情報表示部61cに対するユーザの操作を受け付けるためのコントロール部62とを有する。表示制御部700は、負荷静特性データベース11等に基づいて、情報表示部61cを生成する。
図38は、第四の表示画面を示す。第四の表示画面60dは、選択された表示エリアにおける有効電力の抑制可能量を表示するための情報表示部61dと、情報表示部61dに対するユーザの操作を受け付けるためのコントロール部62とを有する。表示制御部700は、電圧分布データベース21や出力電圧目標値データベース14等に基づいて、情報表示部61dを生成する。
コントロール部62は例えば、「切替」ボタンを押すことによって情報表示部60a〜60dを互いに切り替えたり、「メニュー」ボタンを押すことによってメニュー画面を表示したり、方向ボタンを押すことによってカーソルを上下左右に動かしたり、「決定」ボタンを押すことによって図30(a)のエリアを決定したり、「戻る」ボタンによって画面を前の画面に戻したり、「TOP」ボタンを押すことによってトップメニュー画面を表示することができる。
また、情報表示部61cは、ユーザによる推定手法や計測期間の選択を受け付け、選択結果に基づいて推定された負荷静特性係数を表示する機能を有する。例えば、推定手法の選択肢は、実施例1のように負荷静特性データベース11を用いて推定する方法や、実施例2のように計測データから推定する方法である。
また、情報表示部61aは、ユーザによるLRTやSVRなどの電圧変換装置130の台数や設置箇所の変更を受け付ける。情報表示部61bは、情報表示部61aで入力された台数や設置個所に応じて、推定された電圧分布を表示する。情報表示部61dは、情報表示部61aで入力された台数や設置個所に応じて、推定された有効電力の抑制可能量を表示する。
このように、電圧コントローラ10xが、制御エリアの電圧分布や、負荷静特性係数や、有効電力の抑制可能量等を可視化することによって、ユーザは、制御エリアの電圧および負荷の調整の余裕や、負荷静特性の分布や、電圧制御の効果等を把握することができる。
なお、電圧コントローラ10、10q、10r、10t、10u、10xは、マイクロプロセッサ及びメモリを有するコンピュータであっても良い。この場合、メモリは出力電圧目標値演算部13、出力電圧目標値送信部15、負荷静特性演算部18、電圧分布演算部20等を実現するプログラムを格納する。メモリは更に、負荷静特性データベース11、出力電圧目標値パラメータセットデータベース12、出力電圧目標値データベース14、センサデータベース17、設備データベース19、電圧分布データベース21等のデータを格納する。マイクロプロセッサは、メモリに格納されたデータを用い、メモリに格納されたプログラムを実行する。
以上の実施例で説明された技術は、次のように表現することができる。
(表現1)
電源に接続された電圧変換装置から電力系統へ出力される出力電圧と、前記電圧変換装置を通過する有効電力とについて、前記出力電圧の変化に対する前記有効電力の変化を示す負荷静特性データを格納する記憶部と、
前記負荷静特性データに基づいて、前記有効電力を減少させる前記出力電圧の目標値を決定する決定部と、
を備える電圧コントローラ。
(表現2)
前記負荷静特性データは、前記出力電圧の対数変化率に対する前記有効電力の対数変化率の比率である負荷静特性係数の符号を含む、
表現1に記載の電圧コントローラ。
(表現3)
前記決定部は、前記出力電圧を前記符号の逆方向へ変化させるように前記目標値を決定する、
表現2に記載の電圧コントローラ。
(表現4)
前記目標値は、予め定められた電圧範囲内である、
表現3に記載の電圧コントローラ。
(表現5)
前記記憶部は、前記符号と前記目標値との関係を示す目標値データを格納し、
前記決定部は、前記目標値データ及び前記符号に基づいて、前記目標値を決定する、
表現4に記載の電圧コントローラ。
(表現6)
前記負荷静特性データは、地域の特徴と負荷静特性係数の符号との関係を含み、
前記決定部は、前記負荷静特性データ及び前記電力系統の地域の特徴に基づいて、前記符号を決定する、
表現5に記載の電圧コントローラ。
(表現7)
前記負荷静特性データは、時刻範囲と負荷静特性係数の符号との関係を含み、
前記決定部は、前記負荷静特性データと、前記電力系統の特徴と、時刻とに基づいて、前記符号を決定する、
表現6に記載の電圧コントローラ。
(表現8)
前記電圧変換装置を通過する電力状態の計測結果を示す計測データを取得する取得部を更に備え、
前記決定部は、前記計測データに基づいて、前記負荷静特性データを算出する、
表現4に記載の電圧コントローラ。
(表現9)
前記記憶部は、前記電力系統内の配電線のインピーダンスを示すインピーダンスデータを格納し、
前記決定部は、前記計測データ及び前記インピーダンスデータに基づいて、前記電力系統内の電圧分布を示す電圧分布データを推定し、前記電圧分布データ及び前記負荷静特性データに基づいて、前記出力電圧を前記目標値へ変化させた後の前記電力系統内の電圧分布が前記電圧範囲内になるように、前記目標値を決定する、
表現8に記載の電圧コントローラ。
(表現10)
前記出力電圧を前記目標値へ変化させる指示を、前記電圧変換装置へ送信する送信部を更に備える、
表現1乃至9の何れか一項に記載の電圧コントローラ。
(表現11)
前記負荷静特性データは更に、前記電力系統の末端側に接続された第2電圧変換装置から、前記第2電圧変換装置の末端側に接続された第2電力系統へ出力される第2出力電圧と、前記第2電圧変換装置を通過する第2有効電力とについて、前記第2出力電圧の変化に対する前記第2有効電力の変化を示し、
前記決定部は、前記負荷静特性データに基づいて、前記第2有効電力を減少させる前記第2出力電圧の第2目標値を決定し、
前記送信部は、前記第2出力電圧を前記第2目標値へ変化させる指示を、前記第2電圧変換装置へ送信する、
表現10に記載の電圧コントローラ。
(表現12)
前記出力電圧を前記目標値へ変化させることによる前記有効電力の可能抑制量を表示装置に表示させる表示制御部を更に備える、
表現1乃至9の何れか一項に記載の電圧コントローラ。
(表現13)
前記決定部は、前記目標値に基づいて、前記電圧変換装置の整定パラメータを算出する、
表現1乃至9の何れか一項に記載の電圧コントローラ。
(表現14)
電源と電力系統の間に接続される変圧器と、
前記変圧器から前記電力系統へ出力される出力電圧と、前記変圧器を通過する有効電力とについて、前記出力電圧の変化に対する前記有効電力の変化を示す負荷静特性データを格納する記憶部と、
前記負荷静特性データに基づいて、前記有効電力を減少させる前記出力電圧の目標値を決定する決定部と、
前記出力電圧を前記目標値へ変更するように前記変圧器を制御する制御部と、
を備える電圧変換装置。
(表現15)
電源と電力系統の間に接続される電圧変換装置と、
前記電圧変換装置から前記電力系統へ出力される出力電圧と、前記電圧変換装置を通過する有効電力とについて、前記出力電圧の変化に対する前記有効電力の変化を示す負荷静特性データを格納する記憶部と、
前記負荷静特性データに基づいて、前記有効電力を減少させる前記出力電圧の目標値を決定する決定部と、
を備える電力系統制御システム。
(表現16)
前記負荷静特性データは、潮流方向と負荷静特性係数の符号との関係を含み、
前記決定部は、前記負荷静特性データと、前記電圧変換装置における潮流方向とに基づいて、前記符号を決定する、
表現5に記載の電圧コントローラ。
(表現17)
前記電圧変換装置、前記電力系統、及び前記電圧コントローラは、特定の設備内に設けられている、
表現1乃至9の何れか一項に記載の電圧コントローラ。
(表現18)
前記電源及び前記電力系統は、送電系統から独立している、
表現1乃至9の何れか一項に記載の電圧コントローラ。
(表現19)
前記電圧変換装置は、LRT(Load Ratio Transformer)、SVR(Step Voltage Regulator)、SVC(Static Var Compensator)、柱上変圧器、及び電圧調整機能付き柱上変圧器の何れかである、
表現1乃至9の何れか一項に記載の電圧コントローラ。
以上の表現における用語について説明する。電源は、送電系統や、送電系統から電気的に独立した電源等に対応する。電力系統は、制御エリア等に対応する。電圧変換装置は、電圧変換装置130、変圧器131、変電設備30、電圧変換装置190等に対応する。記憶部は、負荷静特性データベース11、出力電圧目標値パラメータセットデータベース12、出力電圧目標値データベース14、センサデータベース17、設備データベース19、電圧分布データベース21等に対応する。決定部は、出力電圧目標値演算部13、出力電圧目標値送信部15、負荷静特性演算部18、電圧分布演算部20等に対応する。負荷静特性データは、負荷静特性データベース11等に対応する。目標値データは、出力電圧目標値パラメータセットデータベース12等に対応する。電圧分布データは、電圧分布データベース21等に対応する。送信部は、出力電圧目標値送信部15等に対応する。
10、10q、10r、10t、10u、10x:電圧コントローラ、 11:負荷静特性データベース、 12:出力電圧目標値パラメータセットデータベース、 13:出力電圧目標値演算部、 14:出力電圧目標値データベース、 15:出力電圧目標値送信部、 16:センサデータ受信部、 17:センサデータベース、 18:負荷静特性演算部、 19:設備データベース、 20:電圧分布演算部、 21:電圧分布データベース、 100:配電系統、 110:変電所、 120:配電線、 130:電圧変換装置、 131:変圧器、 132:出力電圧制御部、 133:出力電圧目標値受信部、 140:ノード、 150:負荷装置、 180:センサ装置、 181:センサ、 182:センサデータ送信部、190:電圧変換装置、 200、300:通信ネットワーク、 500、500q:電力系統制御システム、 700:表示制御部、 710:表示装置

Claims (15)

  1. 電源に接続された電圧変換装置から電力系統へ出力される出力電圧と、前記電圧変換装置を通過する有効電力とについて、前記出力電圧の変化に対する前記有効電力の変化を示す負荷静特性データを格納する記憶部と、
    前記負荷静特性データに基づいて、前記有効電力を減少させる前記出力電圧の目標値を決定する決定部と、
    を備える電圧コントローラ。
  2. 前記負荷静特性データは、前記出力電圧の対数変化率に対する前記有効電力の対数変化率の比率である負荷静特性係数の符号を含む、
    請求項1に記載の電圧コントローラ。
  3. 前記決定部は、前記出力電圧を前記符号の逆方向へ変化させるように前記目標値を決定する、
    請求項2に記載の電圧コントローラ。
  4. 前記目標値は、予め定められた電圧範囲内である、
    請求項3に記載の電圧コントローラ。
  5. 前記記憶部は、前記符号と前記目標値との関係を示す目標値データを格納し、
    前記決定部は、前記目標値データ及び前記符号に基づいて、前記目標値を決定する、
    請求項4に記載の電圧コントローラ。
  6. 前記負荷静特性データは、地域の特徴と負荷静特性係数の符号との関係を含み、
    前記決定部は、前記負荷静特性データ及び前記電力系統の地域の特徴に基づいて、前記符号を決定する、
    請求項5に記載の電圧コントローラ。
  7. 前記負荷静特性データは、時刻範囲と負荷静特性係数の符号との関係を含み、
    前記決定部は、前記負荷静特性データと、前記電力系統の特徴と、時刻とに基づいて、前記符号を決定する、
    請求項6に記載の電圧コントローラ。
  8. 前記電圧変換装置を通過する電力状態の計測結果を示す計測データを取得する取得部を更に備え、
    前記決定部は、前記計測データに基づいて、前記負荷静特性データを算出する、
    請求項4に記載の電圧コントローラ。
  9. 前記記憶部は、前記電力系統内の配電線のインピーダンスを示すインピーダンスデータを格納し、
    前記決定部は、前記計測データ及び前記インピーダンスデータに基づいて、前記電力系統内の電圧分布を示す電圧分布データを推定し、前記電圧分布データ及び前記負荷静特性データに基づいて、前記出力電圧を前記目標値へ変化させた後の前記電力系統内の電圧分布が前記電圧範囲内になるように、前記目標値を決定する、
    請求項8に記載の電圧コントローラ。
  10. 前記出力電圧を前記目標値へ変化させる指示を、前記電圧変換装置へ送信する送信部を更に備える、
    請求項1乃至9の何れか一項に記載の電圧コントローラ。
  11. 前記負荷静特性データは更に、前記電力系統の末端側に接続された第2電圧変換装置から、前記第2電圧変換装置の末端側に接続された第2電力系統へ出力される第2出力電圧と、前記第2電圧変換装置を通過する第2有効電力とについて、前記第2出力電圧の変化に対する前記第2有効電力の変化を示し、
    前記決定部は、前記負荷静特性データに基づいて、前記第2有効電力を減少させる前記第2出力電圧の第2目標値を決定し、
    前記送信部は、前記第2出力電圧を前記第2目標値へ変化させる指示を、前記第2電圧変換装置へ送信する、
    請求項10に記載の電圧コントローラ。
  12. 前記出力電圧を前記目標値へ変化させることによる前記有効電力の可能抑制量を表示装置に表示させる表示制御部を更に備える、
    請求項1乃至9の何れか一項に記載の電圧コントローラ。
  13. 前記決定部は、前記目標値に基づいて、前記電圧変換装置の整定パラメータを算出する、
    請求項1乃至9の何れか一項に記載の電圧コントローラ。
  14. 電源と電力系統の間に接続される変圧器と、
    前記変圧器から前記電力系統へ出力される出力電圧と、前記変圧器を通過する有効電力とについて、前記出力電圧の変化に対する前記有効電力の変化を示す負荷静特性データを格納する記憶部と、
    前記負荷静特性データに基づいて、前記有効電力を減少させる前記出力電圧の目標値を決定する決定部と、
    前記出力電圧を前記目標値へ変更するように前記変圧器を制御する制御部と、
    を備える電圧変換装置。
  15. 電源と電力系統の間に接続される電圧変換装置と、
    前記電圧変換装置から前記電力系統へ出力される出力電圧と、前記電圧変換装置を通過する有効電力とについて、前記出力電圧の変化に対する前記有効電力の変化を示す負荷静特性データを格納する記憶部と、
    前記負荷静特性データに基づいて、前記有効電力を減少させる前記出力電圧の目標値を決定する決定部と、
    を備える電力系統制御システム。
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