JP2014204164A - 伝送線路、増幅回路装置、及び伝送線路の製造方法 - Google Patents

伝送線路、増幅回路装置、及び伝送線路の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 伝送特性の劣化を抑制することができる伝送線路、増幅回路装置、及び伝送線路の製造方法を提供する。【解決手段】 増幅回路パッケージ1は、増幅回路チップ4と出力側基板6とを接続している出力側伝送線路10とを備えている。出力側伝送線路10は、誘電体基板20と、誘電体基板20上に設けられた導体線路21とを備えている。誘電体基板20は、その厚み寸法が導体線路の線路方向に沿って変化している。【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、高周波回路等に用いられる伝送線路、増幅回路装置、及び伝送線路の製造方法に関するものである。
誘電体基板と当該誘電体基板上に設けられた導体線路とによって構成される伝送線路は、集積回路チップ等、電子デバイスを用いた回路に用いられる(例えば、特許文献1参照)。
このような伝送線路は、当該伝送線路が有する特性インピーダンスを利用してインピーダンス変換器として用いられる。伝送線路によってインピーダンス変換器を構成する場合、狭帯域であればλ/4インピーダンス変換器、広帯域であればKlopfensteinのテーパ線路によるインピーダンス変換器が挙げられる。
図8は、伝送線路をλ/4インピーダンス変換器として用いた一例を示す図であり、高出力のトランジスタを複数備えた増幅回路チップを含む増幅回路パッケージの内部構成を示す図である。
図8中、増幅回路パッケージ100内には、増幅回路チップ101と、パッケージの出力端を構成している出力側基板102と、増幅回路チップ101及び出力側基板102の間に介在している伝送線路103とを備えている。
伝送線路103は、厚み寸法が所定寸法で一定とされた誘電体基板上に矩形状の導体線路を設けることで構成されており、一端が増幅回路チップ101の出力端に複数のボンディングワイヤ104によって接続されており、他端が複数のボンディングワイヤ105によって出力側基板102に接続されている。
例えば、増幅回路チップ101の出力インピーダンスが約4Ωであり、パッケージ100の外部で50Ωで接続する必要がある場合、伝送線路103は、特性インピーダンスが約15Ωに設定されかつその長さがλ/4(λは伝送される信号波の波長)に設定され、両者の間のインピーダンス整合を行うように構成される。つまり、この伝送線路103は、上記λ/4インピーダンス変換器を構成している。
なお、伝送線路103は、所定の特性インピーダンスを得ることができる、誘電体基板の誘電率、基板の厚み寸法、及び導体線路の幅寸法に設定されている。
図9は、Klopfensteinのテーパ線路を用いた伝送線路基板の一例を示す図である。図9では、電子デバイス等の特性評価を行うために、当該電子デバイスの入出力端のそれぞれにベクトルネットワークアナライザ等の評価機器を接続するための一対の伝送線路基板203を示している。
一対の伝送線路基板203は、厚み寸法が所定寸法で一定とされた誘電体基板204と、誘電体基板204上に設けられた導体線路205と、コネクタ201とを備えている。
一対の伝送線路基板203は、評価対象である集積回路チップ200の入力端及び出力端に接続されている。伝送線路基板203は、コネクタ201に評価機器が接続されることで、集積回路チップ200と評価機器とを接続する。
導体線路205の一端と、増幅回路チップ200とは、複数のボンディングワイヤ206によって接続されている。
導体線路205は、図に示すように、集積回路チップ200側である一端からコネクタ201側である他端に向かって、幅寸法が漸次縮小する形状に形成されており、伝送線路基板203は、線路方向一端側と他端側との間で特性インピーダンスが変化するKlopfensteinのテーパ線路を構成している。
伝送線路基板203は、増幅回路チップ200の入出力インピーダンスと、コネクタ201のインピーダンスとに応じて、両端の幅寸法が決定され、両者の間のインピーダンス整合を行うように構成される。特性インピーダンスは、誘電体基板204の厚みや材質等を変更することなく導体線路205の幅寸法を相対的に大きくすれば小さくなる。図9の場合、一端側から他端側に向かって、幅寸法が漸次縮小する形状に形成されているので、一端側と他端側との間で線路方向に沿って特性インピーダンスが漸次大きくなるように変化しており、低インピーダンスの増幅回路チップ200と、これよりも高いインピーダンスで接続するコネクタ201との間のインピーダンス整合を広帯域で行うことができる。
特開2009−194501
図8に示したように、λ/4インピーダンス変換器を構成している伝送線路103をパッケージ内における集積回路チップ101の接続に用いた場合、伝送線路103は、必要な特性インピーダンスを得るために、その導体線路の幅寸法が制限されることがある。
このため、伝送線路103の幅寸法を、集積回路チップ101の出力端の幅寸法よりも小さくしなければならないことがある。
この場合、図8のように、集積回路チップ101及び伝送線路103の幅方向両端付近を接続するボンディングワイヤ104は、伝送線路103の線路方向に対して交差するように延ばさざるを得ない。すると、伝送線路103の線路方向に対して交差するように延ばされたボンディングワイヤ104は、伝送線路103の線路方向に平行に延ばされた他のボンディングワイヤ104よりも長さが長くなってしまい、回路として不要な成分を増加させることとなる。このため、増幅回路チップ101により増幅される信号特性を悪化させるおそれが生じる。
また、伝送線路103の幅寸法が制限されることによって、伝送線路103は、出力側基板102の幅寸法よりも大きい幅寸法にしなければならないことがある。
この場合、図8に示すように、伝送線路103の他端における幅方向両端部が、出力側基板102に対して幅方向両側に段差を生じさせる。
このとき、出力側基板102に対して段差を生じさせている伝送線路103の幅方向両端部は、出力側基板102の接続端に対して並列容量成分として機能してしまい、不要な反射波を生じさせる原因となることがあった。
さらに、図9に示したように、Klopfensteinのテーパ線路を構成している伝送線路基板203,204においても、一端側の幅方向寸法が集積回路チップ200の幅寸法に対して極端に大きい場合、ボンディングワイヤ206を線路方向に対して交差するように延ばさざるを得ず、また、伝送線路基板203,204の幅方向両端部が、集積回路チップ200に対して幅方向両側に段差を生じさせることとなる。このため、ボンディングワイヤ206を比較的長くしなければならないことによって回路として不要な成分を増加させ、伝送線路基板203,204の幅方向両端部が、集積回路チップ200の接続端に対して並列容量成分として機能してしまい、不要な反射波を生じさせる原因となる。
以上のように、伝送線路は、必要な特性インピーダンスを得るために、その導体線路の幅寸法が制限されることがあるので、伝送線路に、当該伝送線路に接続される電子デバイス等の接続部材を接続する場合、電子デバイスの幅寸法に対して伝送線路の幅寸法を常に最適に設定できるとは限らない。
このため、上述のように伝送線路の伝送特性を劣化させてしまうという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、伝送特性の劣化を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するための本発明は、高周波の伝送線路であって、誘電体基板と、前記誘電体基板上に設けられた導体線路と、を備え、前記誘電体基板は、その厚み寸法が前記導体線路の線路方向に沿って変化していることを特徴としている。
上記構成の伝送線路によれば、導体線路の幅寸法や、誘電体基板の誘電率に応じて、誘電体基板の厚みを線路方向に調整することで所定の特性インピーダンスを得ることができる。このため、所定の特性インピーダンスを得つつ、導体線路の幅寸法の自由度を高めることができる。この結果、導体線路を適切な幅寸法とすることができ、伝送特性の劣化を抑制することができる。
(2)上記伝送線路において、前記導体線路は、当該導体線路の端部に接続される接続部材の幅寸法に応じて、幅寸法が線路方向に沿って変化していることが好ましい。
この場合、伝送線路が接続される接続部材の幅寸法に応じて、導体線路の幅寸法をより適切に設定することができ、伝送特性の劣化を抑制することができる。
(3)
前記導体線路の端部の幅寸法は、当該端部が前記接続部材に対して並列容量成分として機能しうる値よりも小さい値とされていることが好ましい。
この場合、導体線路の端部の幅寸法が、接続部材の幅寸法よりも相対的に大きく設定されることで、端部の一部分が接続部材に対して並列容量成分として機能してしまうことを抑制することができる。これにより、不要な反射波が生じるのを抑制することができ、伝送特性の劣化を抑制することができる。
(4)また、前記導体線路の端部の幅寸法は、前記端部と前記接続部材とを接続する複数のワイヤそれぞれを線路方向にほぼ平行に延ばした状態で幅方向に並べて配置しうる値とされていることが好ましい。
例えば、導体線路の端部の幅寸法が小さく、複数のワイヤの内の一部を線路方向に対して交差するように延ばして接続せざるを得ない場合と比較して、当該ワイヤの長さをより短くすることができる。この結果、回路として不要な成分を増加させるのを抑制でき、伝送特性の劣化を抑制することができる。
(5)(6)上記伝送線路において、前記誘電体基板の厚み寸法は、特性インピーダンスを線路方向に沿って変化させうる寸法とされていることが好ましく、より具体的に、線路方向に沿う特性インピーダンスの変化が、Klopfensteinのテーパ線路による線路方向に沿う特性インピーダンスの変化と等価とされていてもよい。
(7)また、前記誘電体基板の厚み寸法は、特性インピーダンスを線路方向に沿って一定としうる寸法とされていてもよい。
(8)また、本発明の増幅回路装置は、上述の伝送線路を備えていることを特徴としている。
(9)また、本発明は、誘電体基板と、前記誘電体基板上に設けられた導体線路と、を備えた高周波の伝送線路の製造方法であって、厚み寸法が前記導体線路の線路方向に沿って変化している前記誘電体基板を得るための成形型に、前記誘電体基板の原料素材を充填する工程と、前記成形型内の前記原料素材を加圧成形して前記誘電体基板を得る工程と、を含むことを特徴としている。
上記構成の伝送線路の製造方法によれば、上記(1)に記載の誘電体基板を備えた伝送線路を得ることができる。
本発明によれば、伝送特性の劣化を抑制することができる。
第1の実施形態に係る、増幅回路パッケージの内部構成を示す図である。 (a)は、出力側伝送線路の拡大図であり、図2(b)は、出力側伝送線路の線路方向に沿う断面図である。 出力側伝送線路の製造工程を示す図である。 第2の実施形態に係る伝送線路基板を示す図である。 一方の伝送線路基板の線路方向に沿う断面図である。 (a)は、第3の実施形態に係るTRL校正用基板を示す図であり、図6(b)は、TRL校正用基板の線路方向に沿う断面図である。 厚み寸法が線路方向に沿って一定である誘電体基板を用いたTRL校正用基板を示す図である。 伝送線路をλ/4インピーダンス変換器として用いた一例を示す図であり、高出力のトランジスタを複数並列に配置した増幅回路チップを含む増幅回路パッケージの内部構成を示す図である。 Klopfensteinのテーパ線路を用いた伝送線路基板の一例を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態に係る、増幅回路パッケージの内部構成を示す図である。この増幅回路パッケージ1は、約2.5GHzの周波数帯域の高周波信号の増幅が可能に構成されており、入力側リード2が接続されている入力側基板3と、増幅回路チップ4と、出力側リード5が接続されている出力側基板6と、これらが上面に配置されているベースプレート7とを備えている。また、増幅回路パッケージ1は、入力側基板3と増幅回路チップ4とを接続している入力側伝送線路8と、増幅回路チップ4と出力側基板6とを接続している出力側伝送線路10とを備えている。
入力側基板3は、入力側リード2とパッケージ1内の回路とを接続するための基板である。入力側基板3と、入力側伝送線路8とは複数のボンディングワイヤ11を介して互いに接続されている。
入力側伝送線路8は、マイクロストリップラインにより構成されており、入力側基板3と増幅回路チップ4との間に配置されている。入力側伝送線路8は、一端が上述したようにボンディングワイヤ11を介して入力側基板3に接続され、他端が複数のボンディングワイヤ12を介して増幅回路チップ4に接続されており、これによって、増幅回路チップ4と入力側基板3とを接続している。
増幅回路チップ4は、例えば、GaN−HEMT(窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ)を複数含んで構成されている。増幅回路チップ4は、複数の入力端子4aと、複数の出力端子4bとを有している。これら複数の入力端子4a及び複数の出力端子4bは、幅方向に並べて配置されている。よって、増幅回路チップ4は、その上面が幅方向に長い矩形状とされている。
複数の入力端子4aそれぞれには、入力側伝送線路8との間を接続しているボンディングワイヤ12が接続されている。
幅方向に並べて配置された複数の入力端子4aに接続されている複数のボンディングワイヤ12は、複数の入力端子4aと同様、幅方向に並べられて入力側伝送線路8側に延びている。
入力側伝送線路8は、幅方向に並べて配置されている複数のボンディングワイヤ12を線路方向にほぼ平行に延ばした状態で接続することができるように、増幅回路チップ4の幅寸法に応じて、幅広に形成されている。このように、複数のボンディングワイヤ12を線路方向にほぼ平行に延ばした状態で接続することで、各ボンディングワイヤ12の長さを、例えば、線路方向に対して交差するように延ばした場合と比較してより短くすることができ、回路として不要な成分を増加させるのを抑制できる。
複数の出力端子4bそれぞれには、出力側伝送線路10との間を接続しているボンディングワイヤ13が接続されている。
出力側伝送線路10は、マイクロストリップラインとして構成されており、増幅回路チップ4と出力側基板6との間に配置されている。高周波の伝送線路である出力側伝送線路10は、一端がボンディングワイヤ13を介して増幅回路チップ4に接続され、他端が複数のボンディングワイヤ14を介して出力側基板6に接続されており、これによって、増幅回路チップ4と出力側基板6とを接続している。
出力側基板6は、パッケージ1内の回路と出力側リード5とを接続するための基板である。
出力側リード5には、パッケージ1外部の回路に接続されるが、例えば、出力側リード5に接続される回路に対して、インピーダンス50Ωで接続する必要がある場合、増幅回路チップ4の出力インピーダンスが約4Ωであるとすると、出力側伝送線路10は、両者間のインピーダンス整合を行うように構成される。
すなわち、本実施形態における出力側伝送線路10は、増幅回路チップ4の出力インピーダンスを、出力側リード5における所定のインピーダンスに変換するインピーダンス変換器を構成している。
図2(a)は、出力側伝送線路10の拡大図であり、図2(b)は、出力側伝送線路10の線路方向に沿う断面図である。
増幅回路パッケージ1は、上述のように約2.5GHzの周波数帯域の高周波信号が入力される。よって、出力側伝送線路10は、この周波数に応じて一端から他端沿う線路方向の長さLがλ/4(λは伝送される信号波の波長)に設定されている。
図2中、出力側伝送線路10は、導電性の金属により形成されているベースプレート7上に設けられたアルミナ等からなる誘電体基板20と、誘電体基板20上に設けられた導体線路21とを備えており、上述のようにマイクロストリップラインを構成している。
導体線路21は、厚みが数10μmの銅箔により形成されており、出力側伝送線路10の一端側である一端部21a側の幅寸法が、他端部21b側の幅寸法よりも広い寸法とされている。
増幅回路チップ4の出力端子4bは、入力端子4aと同様、幅方向に並べて配置されているため、これら出力端子4bに接続されているボンディングワイヤ13も、幅方向に並べられて出力側伝送線路10側に延びている。
ここで、複数のボンディングワイヤ13は、線路方向にほぼ平行に延ばした状態で幅方向に並べて配置されている。
導体線路21の一端部21a側の幅寸法W1は、一端部21aと接続部材としての増幅回路チップ4とを接続している複数のボンディングワイヤ13それぞれを線路方向にほぼ平行に延ばした状態で幅方向に並べて配置しうる値とされている。
例えば、一端部21a側の幅寸法W1が、複数のボンディングワイヤ13の全てを線路方向にほぼ平行に延ばした状態で接続することが可能な寸法よりも小さい場合、複数のボンディングワイヤ13の内の一部は、上記従来例にて示したように、線路方向に対して交差するように延ばさなければならなくなり、回路として不要な成分を増加させることとなる。
しかし、本実施形態のように、幅寸法W1を複数のボンディングワイヤ13の全てを線路方向にほぼ平行に延ばした状態で幅方向に並べて配置しうる値とすれば、複数のボンディングワイヤ13の全てを線路方向にほぼ平行に延ばした状態で接続することができ、ボンディングワイヤ13の長さを、線路方向に対して交差するように延ばした場合と比較してより短くすることができる。この結果、回路として不要な成分を増加させるのを抑制でき、当該出力側伝送線路10の伝送特性の劣化を抑制することができる。
さらに、導体線路21の一端部21a側の幅寸法W1は、複数の出力端子4bが増幅回路チップ4に配置されている幅方向範囲の寸法W0とほぼ同じ寸法とされている。
例えば、幅寸法W1が、複数の出力端子4bが増幅回路チップ4に配置されている幅方向範囲の寸法W0よりも極端に広い場合、上記従来例(図8、図9)にて説明したように、導体線路21の一端部21aにおける幅方向両端部が、増幅回路チップ4(の幅方向両端に位置する出力端子4b)に対して幅方向両側に段差を生じさせる。この段差を生じさせている一端部21aの幅方向両端部は、増幅回路チップ4に対して並列容量成分として機能してしまい、不要な反射波を生じさせる原因となる。
このため、一端部21a側の幅寸法W1は、当該一端部21aが増幅回路チップ4に対して並列容量成分として機能しうる値よりも小さい値とされている。これによって、不要な反射波が生じるのを抑制することができ、当該出力側伝送線路10の伝送特性の劣化を抑制することができる。
なお、本実施形態のように一端部21a側の幅寸法W1が、複数の出力端子4bが配置されている幅方向範囲の寸法W0とほぼ同じ寸法である場合、幅寸法W1は、一端部21aが増幅回路チップ4に対して並列容量成分として機能しうる値よりも小さい値である。
導体線路21の他端部21bが接続されている出力側基板6は、増幅回路チップ4の幅寸法よりも小さい幅寸法である。このため、導体線路21の他端部21b側の幅寸法W2は、他端部側部材である出力側基板6の幅寸法に応じて、一端部21a側の幅寸法よりも小さい寸法とされている。
導体線路21の他端部21bと、出力側基板6とを接続している複数のボンディングワイヤ14も、幅方向に並べて配置されている。
他端部21b側の幅寸法W2は、複数のボンディングワイヤ14それぞれを線路方向にほぼ平行に延ばした状態で幅方向に並べて配置することが可能な値とされている。
これにより、一端部21aと同様、回路として不要な成分を増加させるのを抑制でき、当該出力側伝送線路10の伝送特性の劣化を抑制することができる。
さらに、他端部21b側の幅寸法W2は、出力側基板6の幅寸法とほぼ同じ寸法とされている。
他端部21bにおいても、幅寸法W2が出力側基板6の幅寸法よりも極端に広い場合、導体線路21の他端部21bにおける幅方向両端部が、出力側基板6に対して幅方向両側に段差を生じさせる。この段差を生じさせている他端部21bの幅方向両端部は、増幅回路チップ4に対して並列容量成分として機能してしまい、不要な反射波を生じさせる原因となる。
このため、他端部21b側の幅寸法W2は、当該他端部21bが増幅回路チップ4に対して並列容量成分として機能しうる値よりも小さい値とされている。これにより、一端部21aと同様、不要な反射波が生じるのを抑制することができ、当該出力側伝送線路10の伝送特性の劣化を抑制することができる。
なお、本実施形態のように他端部21b側の幅寸法W2が、出力側基板6の幅寸法とほぼ同じ寸法である場合、幅寸法W2は、他端部21bが出力側基板6に対して並列容量成分として機能しうる値よりも小さい値である。
導体線路21の幅方向両側の側端部21cは、一端部21aの幅方向端部と他端部21bの幅方向端部との間をほぼ直線状に繋いだ形状とされており、一端部21aから他端部21bに向かって先細りとなるテーパ状に形成されている。このため、導体線路21は、一端側の増幅回路チップ4、及び他端側の出力側基板6の幅寸法に応じて、線路方向に沿って幅寸法が変化している。
また、図2(b)に示すように、出力側伝送線路10の誘電体基板20は、一端側の厚み寸法T1が他端側の厚み寸法T2よりも大きくされており、増幅回路チップ4側である一端から他端に向かって厚み寸法が漸次小さくなるように形成されている。
このように、本実施形態の誘電体基板20は、厚み寸法が導体線路21の線路方向に沿って変化している。
本実施形態の誘電体基板20の厚み寸法は、導体線路21の線路方向に沿う幅寸法の変化に応じて、出力側伝送線路10の特性インピーダンスを線路方向に沿って一定としうる寸法とされている。
出力側伝送線路10の特性インピーダンスは、導体線路21の幅寸法と、誘電体基板20の厚み寸法とによって定まる。よって、本実施形態では、導体線路21の線路方向における単位長さごとのインピーダンスが導体線路21の幅寸法に応じて所定のインピーダンスとなるように誘電体基板20の厚み寸法を設定している。これにより、出力側伝送線路10の特性インピーダンスは、線路方向に沿って一定とされている。
例えば、本実施形態において、上述したように、増幅回路チップ4の出力インピーダンスが約4Ωであり、出力側リード5におけるインピーダンスが50Ωである必要があるとき、インピーダンス変換を行う出力側伝送線路10の特性インピーダンスは約15Ωとする必要がある。
これに対して、本実施形態の出力側伝送線路10は、例えば、上述の各寸法を下記のようにして形成することができる。なお、誘電体基板20は、誘電率が10である素材を用いている。
出力側伝送線路10の線路方向の長さL = 10.05 mm
導体線路21の一端部21a側の幅寸法W1 = 4.65 mm
導体線路21の他端部21b側の幅寸法W2 = 1.14 mm
誘電体基板20の一端側の厚み寸法T1 = 0.82 mm
誘電体基板20の他端側の厚み寸法T2 = 0.2 mm
出力側伝送線路10は、各部を上記寸法とすることで、線路方向における単位領域ごとの特性インピーダンスの値が約15Ωとなるようにされており、線路方向に沿って変化している誘電体基板20の厚み寸法は、特性インピーダンスを線路方向に沿って一定としうる寸法とされている。
このように、本実施形態の出力側伝送線路10では、導体線路21の幅寸法が一定ではなく、一端部21aから他端部21bに向かって先細りとなるテーパ状に形成されていたとしても、誘電体基板20の厚み寸法を線路方向に沿って変化させることで、特性インピーダンスを線路方向に沿って一定とすることができる。
以上のように、本実施形態の出力側伝送線路10によれば、誘電体基板20の厚み寸法が導体線路21の線路方向に沿って変化しているので、導体線路21の幅寸法や、誘電体基板20の誘電率に応じて誘電体基板20の厚みを線路方向に調整することができ、所定の特性インピーダンスを得ることができる。このため、所定の特性インピーダンスを得つつ、導体線路21の幅寸法の自由度を高めることができる。この結果、導体線路21を適切な幅寸法とすることができ、伝送特性の劣化を抑制することができる。
また、本実施形態では、出力側伝送線路10の特性インピーダンスが、上述のように線路方向に沿って一定とされているが、誘電体基板20の厚み寸法を調整すれば、例えば、線路方向に沿って特性インピーダンスを必要に応じて変化させる等、導体線路21の線路方向に沿う幅寸法の変化に応じて、線路方向に沿う特性インピーダンスの変化を調整することができる。これにより、必要な伝送特性を得ることができる。
また、導体線路21は、一端側の増幅回路チップ4及び他端側の出力側基板6の幅寸法に応じて、幅寸法が線路方向に沿って変化しているので、増幅回路チップ4や出力側基板6の幅寸法に応じて、導体線路21の幅寸法をより適切に調整することができる。この結果、上述のように、不要な成分の増加が抑制されるように、ボンディングワイヤ13,14を適切に設けることができ、さらに、導体線路21が並列容量成分として機能するのを抑制することができる。この結果、伝送特性の劣化をより抑制することができる。
また、本実施形態では、導体線路21の幅寸法及び誘電体基板20の厚み寸法を調整することで、出力側伝送線路10の特性インピーダンスを設定する際の自由度が高められる。このため、従来では、比較的低いインピーダンスの電子デバイスとの間でインピーダンス整合を行う場合、一般的には、比較的高価な高誘電体基板が用いられるが、本実施形態の出力側伝送線路10によれば、低コストの誘電体材料を用いたとしても、所望の特性インピーダンスを得ることができ、低コスト化が可能である。
ここで、本実施形態の出力側伝送線路10は、以下のようにして製造することができる。図3は、出力側伝送線路10の製造工程を示す図である。
誘電体基板20を形成するには、まず、厚み寸法が導体線路21の線路方向に沿って変化している上述の形状とされた誘電体基板20が得られる成形型に、当該誘電体基板20の原料素材となる粉末状あるいはスラリー状のアルミナ等のセラミックスを充填する(工程S1)。そして、充填した原料素材を加圧成型する(工程S2)。
原料素材を加圧成型することによって得られた粗形品は、所定条件にて焼成される(工程S3)。前記粗形品を焼成することによって(工程S3)、セラミックスからなる板状の誘電体基板20が得られる。以上の工程は、誘電体基板20を形成するための工程である。
次いで、誘電体基板20の表面に導体線路21を形成又は固定し、さらに、誘電体基板20をベースプレート7の上面に固定することで出力側伝送線路10が得られる(工程S4)。
図4は、第2の実施形態に係る伝送線路基板を示す図である。図4中、一対の伝送線路基板30は、電子デバイス等の特性評価を行うために、当該電子デバイスの入出力端のそれぞれにベクトルネットワークアナライザ等の評価機器を接続するための基板である。
一対の伝送線路基板30は、それぞれ一端に集積回路チップ32が接続されており、他端には、コネクタ31が接続されている。
コネクタ31には、ベクトルネットワークアナライザ等の測定機器が接続され、評価対象となる電子デバイスである集積回路チップ32のSパラメータ等の測定評価が行われる。従って、一対の伝送線路基板30の内、一方の伝送線路基板30は集積回路チップ32の入力端に接続されており、他方の伝送線路基板30は出力端に接続されている。
本実施形態に示す伝送線路基板30においても、第1の実施形態に示した出力側伝送線路10と同様に、集積回路チップ32の入出力端のインピーダンスと、コネクタ31におけるインピーダンスとの整合を行うインピーダンス変換器を構成している。
図5は、一方の伝送線路基板30の線路方向に沿う断面図である。なお、他方の伝送線路基板30も、一方の伝送線路基板30と同じ構成であるので、ここでは、一方の伝送線路基板30のみを説明する。
図4及び図5を参照して、伝送線路基板30は、導電性の金属により形成されているベースプレート33と、ベースプレート33上に設けられた誘電体基板34と、誘電体基板34上に設けられた導体線路35とを備えており、マイクロストリップラインを構成している。
導体線路35の一端部には、複数のボンディングワイヤ36を介して集積回路チップ32が接続されている。導体線路35の他端部には、コネクタ31の中心導体31aが接続されている。
伝送線路基板30の導体線路35は、図4に示すように、一端部から他端部に亘って幅寸法がほぼ同じ寸法とされている。導体線路35の幅寸法W3は、集積回路チップ32の幅寸法とほぼ同じ値であるとともに、集積回路チップ32を接続する複数のボンディングワイヤ36それぞれができるだけ短い寸法で集積回路チップ32と導体線路35とを接続可能な値とされている。
伝送線路基板30の誘電体基板34は、集積回路チップ32側である一端から他端に向かって厚み寸法が漸次大きくなるように形成されている。
本実施形態において、誘電体基板20の一端側の厚み寸法T3は、他端側の厚み寸法T4よりも小さく、さらに、誘電体基板34の一端と他端との間における厚み寸法は、一端側の厚み寸法T3から他端側に厚み寸法T4の間で線路方向に沿って滑らかに変化するようにされている。
本実施形態の誘電体基板34の厚み寸法は、伝送線路基板30の特性インピーダンスを線路方向に沿って変化させうる寸法とされている。
伝送線路基板30は、導体線路35の幅寸法が線路方向に一定の寸法W3とされている一方、誘電体基板34の厚み寸法が線路方向に沿って一端から他端に向かって厚み寸法が漸次大きくなっている。
よって、伝送線路基板30の線路方向における単位長さごとの特性インピーダンスは、一端部から他端部に向かって漸次大きくなり、伝送線路基板30は、一端部から他端部に向かって特性インピーダンスが線路方向に沿って漸次大きくなるように変化している。
本実施形態の伝送線路基板30が、評価対象の集積回路チップ32の入出力インピーダンスが約4Ω、コネクタ31が50Ωの出力インピーダンスで接続されるものである場合、伝送線路基板30は、例えば、上述の各寸法を下記のようにして形成することができる。なお、誘電体基板20は、誘電率が10である素材を用いている。
導体線路21の幅寸法W3 = 2.5 mm
誘電体基板20の一端部の厚み寸法T3 = 0.15 mm
誘電体基板20の他端部の厚み寸法T4 = 2.8 mm
本実施形態の伝送線路基板30では、上記従来例(図9)にて示した、Klopfensteinのテーパ線路による線路方向に沿う特性インピーダンスの変化と等価な変化が得られるように、誘電体基板34の厚み寸法が設定されている。
伝送線路基板30は、各部を上記寸法とすることで、一端側の特性インピーダンスが約5Ω、他端側の特性インピーダンスが約50Ωとなるようにされており、線路方向に沿って変化している誘電体基板34の厚み寸法は、特性インピーダンスを線路方向に沿って変化させうる寸法とされている。

このように、本実施形態の伝送線路基板30では、導体線路35を一端部から他端部に亘って幅寸法がほぼ同じ寸法とした矩形状としつつも、誘電体基板54の厚み寸法を線路方向に沿って変化させることで、特性インピーダンスを線路方向に沿って変化させることができる。
Klopfensteinのテーパ線路を用いた場合、上記従来例にて示したように、低インピーダンスの電子デバイスに対してインピーダンス整合を行おうとすると、その電子デバイスに対して線路の端部が比較的幅広になり、電子デバイスを接続するボンディングワイヤを線路方向に対して交差するように延ばさざるを得ず、ボンディングワイヤが比較的長くなることで回路として不要な成分を増加させることとなる。また、比較的幅広とされた線路の端部が電子デバイスに対して並列容量成分として機能してしまい、不要な反射波を生じさせる原因にもなる。
この点、上記構成の伝送線路基板30では、特性インピーダンスを線路方向に沿って変化させているにもかかわらず、導体線路35は一端部から他端部に亘って幅寸法がほぼ同じ寸法とされている。さらに、導体線路35の幅寸法W3は、集積回路チップ32の幅寸法とほぼ同じ値とされている。これにより、導体線路35の一方側の幅方向両端部が集積回路チップ32に対して幅方向両側に段差を生じさせるのを抑制することができる。
この結果、集積回路チップ32を接続するための複数のボンディングワイヤ36それぞれをできるだけ短い寸法とすることができ、回路として不要な成分が増加するのを抑制し、伝送される信号特性が悪化するのを抑制することができる。
さらに、本実施形態の伝送線路基板30の線路方向一方側における幅方向端部が、集積回路チップ32に対して並列容量成分として機能するのを抑制でき、不要な反射波が生じるのを抑制することができる。
以上のように、本実施形態の伝送線路基板30によれば、Klopfensteinのテーパ線路を用いた場合と比較すると、Klopfensteinのテーパ線路と同様の線路方向に沿う特性インピーダンスの変化を得ることで広帯域特性としつつも、不要な反射波が抑制でき、伝送特性の劣化を抑制することができる。
図6(a)は、第3の実施形態に係るTRL校正用基板を示す図であり、図6(b)は、TRL校正用基板の線路方向に沿う断面図である。図6中、TRL校正用基板50は、TRL(Thru-Reflect-Line)校正を行うために用いられる基板である。TRL校正とは、ベクトルネットワークアナライザ等の評価機器を用いて電子デバイス単体の評価を行う際、その測定系の校正を実施するための一手法であり、「スルー」、「リフレクト」、及び「ライン」の標準基板を用いて測定し、その位相差を既知の値と比較することで校正する方法である。
図6中のTRL校正用基板50は、上述の「スルー」、又は「ライン」の標準基板として用いられるものであり、導電性の金属により形成されているベースプレート53と、ベースプレート53上に設けられた誘電体基板54と、誘電体基板54上に設けられた導体線路55とを備えており、マイクロストリップラインを構成している。
また、TRL校正用基板50は、線路方向両端のそれぞれに評価機器が接続されるコネクタ51が設けられている。
本実施形態の導体線路55は、線路方向の中央部55aの幅寸法W5が最も大きい値とされ、線路方向両端に位置する端部55bの幅寸法W6が最も小さい値とされている。
中央部55aと端部55bとを繋ぐ中間部55cは、中央部55aから端部55bに向かって先細りとなるテーパ状に形成されている。
線路方向両端の端部55bの上面には、コネクタ51の中心導体51aが接続されている。端部55bの幅方向W6は、中心導体51aの直径とほぼ同じ値とされている。
このように、導体線路55は、中心導体51aの直径に応じて、線路方向に沿って幅寸法が変化している。
本実施形態の誘電体基板54は、導体線路55の中央部55aに対応する中央部54aの厚み寸法T5が、導体線路55の端部55bに対応する端部54bの厚み寸法T6よりも大きい値とされている。
導体線路55の中間部55cに対応する中間部54cの厚み寸法は、線路方向に沿って中央部54aから端部54bに向かって漸次小さくなっている。
このように、本実施形態の誘電体基板54は、厚み寸法が導体線路55の線路方向に沿って変化している。
本実施形態の誘電体基板54の厚み寸法は、導体線路55の線路方向に沿う幅寸法の変化に応じて、出力側伝送線路10の特性インピーダンスを線路方向に沿って一定としうる寸法とされている。
例えば、本実施形態TRL校正用基板50の特性インピーダンスが50Ωである場合、上述の各寸法を下記のようにして形成することができる。なお、誘電体基板54は、誘電率が3.1である素材を用いている。
導体線路55の中央部55aの幅寸法W5 = 5 mm
導体線路55の端部55bの幅寸法W6 = 1.42 mm
誘電体基板54の中央部54aの厚み寸法T5= 2 mm
誘電体基板54の端部54bの厚み寸法T6 = 0.6 mm
TRL校正用基板50は、各部を上記寸法とすることで、線路方向における微小領域の特性インピーダンスの値が約50Ωの範囲の値となるようにされており、線路方向に沿って変化している誘電体基板20の厚み寸法は、特性インピーダンスを線路方向に沿って一定としうる寸法とされている。
このように、本実施形態TRL校正用基板50では、導体線路55の幅寸法が一定ではなく、矩形状ではない異形状に形成されていたとしても、誘電体基板54の厚み寸法を線路方向に沿って変化させることで、特性インピーダンスを線路方向に沿って一定とすることができる。
例えば、図7に示すように、TRL校正用基板として、厚み寸法が線路方向に沿って一定である誘電体基板304を用いた場合、導体線路305は、幅寸法が線路方向に沿ってほぼ一定な矩形状とされる。このため、導体線路305の線路方向端部は、コネクタ51の中心導体51aの直径と比べて幅広となり、中心導体301aに対して、幅方向両側に段差を生じさせる。この段差を生じさせている導体線路305の線路方向端部は、中心導体301aに対して並列容量成分として機能してしまい、不要な反射波を生じさせる原因となる。
さらに、導体線路305の線路方向端部は、幅広となることでコネクタ301のグランド部301bに接近し、グランドによる影響を生じさせてしまう。
これら不要な反射波や、グランドによる影響は、TRL校正用基板の伝送特性を劣化させ不安定にする。
この点、本実施形態のTRL校正用基板50によれば、誘電体基板54の厚み寸法を線路方向に沿って変化させることによって特性インピーダンスを線路方向に沿って一定としつつ、導体線路55の幅寸法を中心導体51aの直径に応じて線路方向に沿って変化させることができる。
このため、導体線路55の端部55bの幅寸法をコネクタ51の中心導体51aの直径とほぼ同じ値とすることができ、不要な反射波や、グランドによる影響を抑制することができ、TRL校正用基板50の伝送特性の劣化を抑制することができる。
また、本実施形態のTRL校正用基板50によれば、導体線路55の線路方向に沿う幅寸法の変化に応じて、誘電体基板54の厚み寸法を導体線路55の線路方向に沿って変化するように形成し、特性インピーダンスを線路方向に沿って一定とされている。これによって、本実施形態のTRL校正用基板50は、図7に示したTRL校正用基板と同様の特性インピーダンスとすることができる。
なお本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態では、本発明を、増幅回路パッケージ1内で用いられるインピーダンス整合を行うための伝送線路(出力側伝送線路10)や、電子デバイス単体の評価に用いるための伝送線路基板、評価測定の校正のための校正用基板に適用した場合を例示したが、本発明は、これら以外の回路基板に設けられる伝送線路に対して適用可能である。
また、上記各実施形態では、伝送線路としてのマイクロストリップラインに対して本発明を適用した場合を例示したが、コプレーナラインやスロットラインに対しても適用可能である。コプレーナラインやスロットラインの場合も、マイクロストリップラインの場合と同様、厚み寸法が線路方向に沿って変化している誘電体基板上に導体線路を設けることで上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 増幅回路パッケージ
4 増幅回路チップ(接続部材)
6 出力側基板(接続部材)
10 出力側伝送線路
13 ボンディングワイヤ
14 ボンディングワイヤ
20 誘電体基板
21 導体線路
21a 一端部
21b 他端部
30 伝送線路基板
31a 中心導体(接続部材)
32 集積回路チップ(接続部材)
34 誘電体基板
35 導体線路
36 ボンディングワイヤ
50 校正用基板
51a 中心導体(接続部材)
54 誘電体基板

Claims (9)

  1. 高周波の伝送線路であって、
    誘電体基板と、
    前記誘電体基板上に設けられた導体線路と、を備え、
    前記誘電体基板は、その厚み寸法が前記導体線路の線路方向に沿って変化していることを特徴とする伝送線路。
  2. 前記導体線路は、当該導体線路の端部に接続される接続部材の幅寸法に応じて、幅寸法が線路方向に沿って変化している請求項1に記載の伝送線路。
  3. 前記導体線路の端部の幅寸法は、当該端部が前記接続部材に対して並列容量成分として機能しうる値よりも小さい値とされている請求項2に記載の伝送線路。
  4. 前記導体線路の端部の幅寸法は、前記端部と前記接続部材とを接続する複数のワイヤそれぞれを線路方向にほぼ平行に延ばした状態で幅方向に並べて配置しうる値とされている請求項2又は3に記載の伝送線路。
  5. 前記誘電体基板の厚み寸法は、特性インピーダンスを線路方向に沿って変化させうる寸法とされている請求項1〜4のいずれか一項に記載の伝送線路。
  6. 線路方向に沿う特性インピーダンスの変化が、Klopfensteinのテーパ線路による線路方向に沿う特性インピーダンスの変化と等価とされている請求項5に記載の伝送線路。
  7. 前記誘電体基板の厚み寸法は、特性インピーダンスを線路方向に沿って一定としうる寸法とされている請求項1〜4のいずれか一項に記載の伝送線路。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の伝送線路を備えている増幅回路装置。
  9. 誘電体基板と、前記誘電体基板上に設けられた導体線路と、を備えた高周波の伝送線路の製造方法であって、
    厚み寸法が前記導体線路の線路方向に沿って変化している前記誘電体基板を得るための成形型に、前記誘電体基板の原料素材を充填する工程と、
    前記成形型内の前記原料素材を加圧成形して前記誘電体基板を得る工程と、
    を含むことを特徴とする伝送線路の製造方法。
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