JP2014203985A - 太陽電池保護膜、太陽電池及びそれらの製造方法 - Google Patents

太陽電池保護膜、太陽電池及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池の表面清浄度を維持し得る太陽電池保護膜を提供する。
【解決手段】自発電荷を有する活性化エネルギーレベル0.8−2.0eVを持つ結晶系ナノダイヤモンド半導体を太陽電池保護膜として使用する。
これにより、粒子サイズ3−8nmの半導体粒子の光散乱効果により光吸収能を増し、自発電荷により太陽電池表面の汚れ付着を防止して出力の経年劣化を防止するとともに、半導体ダイヤモンドの400nm以下の紫外線波長帯域を0.5−2.0μmの波長帯域に変換して光電気変換効率を増す。
【選択図】 図6

Description

本発明は、太陽電池保護膜、太陽電池及びそれらの製造方法に関する。
近年、Si系単結晶太陽電池、Si系多結晶太陽電池及び金属化合物を使用したCIS薄膜太陽電池が広く使用されるようになり、その光電気変換効率(以下、単に変換効率という場合がある。)の向上及び経年変化による特性劣化(以下、経年劣化という場合がある。)の防止の必要性が広く認識されるようになってきた。
変換効率については、太陽電池の表面からの光反射防止のための表面凹凸テクスチャー付与及び一部には太陽電池表面への光垂直入射のためのPC(コンピュータ)制御された自動トラッキング機構が使われている。経年劣化は、太陽電池の温度上昇によるpn接合の劣化と太陽電池の保護膜の表面に付く有機油成分を含むゴミ等による光透過能の劣化が主たる原因であるが、この問題の解決が要求されるようになった。
一般に、太陽電池の保護膜は、無機ガラス系の厚み0.1−0.5mmのSi酸化物又は窒化物系の保護膜が、テクスチャーが付与されたpn接合半導体の表面に付けられている。従来、保護膜の製法としては、アルコキシド系のSiを含む有機液体を太陽電池の表面にコートした後、焼成して安定ガラス化して保護膜を作成する方法又は保護膜を気相生長させる方法が使用されている。
保護膜自体には光波長変換による光電変換能の向上作用もなく、また膜には自発電荷励起電子による酸化還元力を利用した有機物分解作用もないので、経年変化による表面汚れで電気出力の低下が避けられなかった。
太陽電池の光電変換能に寄与しない波長400nm以下の光を波長変換することにより変換効率を上げる色素系の有機紫外線吸収化合物の提案もされてきている。しかし、安定性の問題で広く使用される状況にはなっていない。特に保護膜のガラス化の焼成工程に耐える化合物は少なく、この有機吸収材料の場合は、有機系太陽電池保護膜となる。有機紫外線吸収剤による太陽光線の紫外線の吸収は、紫外線吸収剤の分子吸光係数とその配合された濃度に依存するので、効果を発揮するには充分な配合量が必要とされる。上記化合物は、紫外線エネルギーを受けて励起された活性基が生じることにより紫外線を吸収し、安定状態に戻る時、長波長の光を放射するが、一部は分解される。活性化された分解生成物には発癌性又は皮膚アレルギー性のあるものがあるので、表面洗浄工程等において人体に接する場合は好ましくないため、その使用量が限定される。
このため、紫外線障害防止材料には、主としてチタン及び亜鉛等の酸化物光半導体が有機高分子繊維等に配合されて使用されてきた。しかし、これらの化合物には太陽光線の波長変換作用及び光照射での励起電子も少ないので、太陽電池保護膜として最適ではなかった。
有機太陽電池の問題点は、変換効率と寿命である。有機太陽電池は太陽光の紫外線により光電気変換用材料が分解され、特性が劣化するので、その対策が求められている。変換効率については、有機電気変換用材料のエネルギー構造から太陽光の紫外線部分は変換効率にはあまり寄与しないので、紫外線から赤外線への波長変換による効率の向上が求められ、その向上の方法が特許文献1,2で報告されている。特許文献1ではフタロシアニンとの共存効果での光吸収能の向上が、特許文献2では温度上昇による紫外線変換効果が、それぞれ述べられている。しかし、いずれの特許文献にも、紫外線透過率の具体的な実施例はない。また、後述される本発明に係る有機太陽電池の変換効率の向上、ナノダイヤモンド粒子による反射光減少効果及びナノダイヤモンド励起電子による表面有機物の分解による経年劣化防止効果についての記述はない。
有機太陽電池は、2000年以降、変換効率の向上とともに低コスト、軽量、フレキシブル、塗布可能性、資源的無制約性のため、Si系太陽電池の次の安価な次世代型太陽電池として研究開発が近年活発に進められている。しかし、まだ実用化には解決すべき課題が多く、現時点ではSi系結晶系及び多結晶太陽電池、金属化合物CIS系無機太陽電池が主流である。Si系太陽電池及びCIS系太陽電池は、太陽光線に含まれる2eV以上のエネルギーを有する400nm以下の短波長光線の変換効率が落ちるので、この波長領域での変換効率UPも要求されている。太陽光線の400nm以下の波長帯域の光エネルギーを充分に利用するため、変換効率向上の面からも、400nm以下の紫外線から1.1eV付近のエネルギーを持つ波長への安定した波長変換が可能な材料が求められてきた。
特開2011−54631 特開2011−106035
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、太陽電池の表面清浄度を維持し得る太陽電池保護膜を提供することを第一の課題とする。
また、本発明は、上記太陽電池保護膜を製造する方法を提供することを第二の課題とする。
さらに、本発明は、上記太陽電池保護膜を備えて変換効率が向上され、経年劣化防止効果が得られ、かつ耐候性に優れた太陽電池を提供することを第三の課題とする。
そして、本発明は、上記太陽電池を製造する方法を提供することを第四の課題とする。
本発明は、上記第一の課題を解決するため、活性化エネルギーレベル0.8−2.0eVを有する自発電荷を有する結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を含む有機膜又は無機膜により太陽電池保護膜を構成したことを特徴としている(請求項1)。
上記結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子の粒子サイズは、3.5−8.0nmであることが望ましい(請求項2)。
上記太陽電池保護膜は、結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を0.0005wt%以上含むことが望ましい(請求項3)。
本発明の上記太陽電池保護膜の製造方法は、活性化エネルギーレベル0.8−2.0eVを有する自発電荷を有し、粒子径が3.5−8.0nmの結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を0.0005wt%以上分散させた溶液を太陽電池の表面にスプレイもしくは塗布によりコートした後、乾燥焼成して保護膜を成膜するか又は前記結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を有機高分子及び無機ガラスの溶液に分散混合して成膜焼成することを特徴としている。(請求項4,5)。
本発明の上記太陽電池の製造方法は、活性化エネルギーレベル0.8−2.0eVを有する自発電荷を有する結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を分散させた溶液を太陽電池の表面にスプレイもしくは塗布によりコートした後、乾燥焼成して保護膜を成膜するか又は前記結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を有機高分子及び無機ガラスの溶液に分散混合し、成膜したのち太陽電池の表面に貼り付けることを特徴としている。(請求項6,7)。
本発明によれば、結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子は、その表面自発電荷による抗菌性及び有機物分解効果を有するため、本発明の太陽電池保護膜を太陽電池の表面に備えると、太陽電池の表面の清浄度が維持され、太陽電池の経年劣化が防止される。
結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子は、太陽光線の高エネルギー帯域を有する波長400nm以下の紫外線を吸収し、紫外線から変換効率のよい長波長光線に波長を変換する光エネルギー変換能をも有している。したがって、本発明の太陽電池保護膜を太陽電池の表面に備えると、太陽電池の変換効率が改善される。すなわち、有機又は無機保護膜材料中又は表面に付着されたナノダイヤモンド半導体粒子のキャリアーが短波長紫外線により励起され、その紫外線を吸収するとともに、吸収した紫外線エネルギーを長波長線エネルギーとして放射する性質を利用しているため、活性基の励起による有機紫外線吸収剤に比べて安定であり、変換効率及び耐候性が向上する。また、紫外線による分解生成物がなく、人体への有害性がないため、ナノダイヤモンド半導体粒子の配合量に制限なく、産業上使用範囲が広い。
請求項2の発明によれば、結晶系ダイヤモンド半導体の自発電荷による酸化還元作用で抗菌性がより強くなり、付着有機不純物の分解能も向上するので、この太陽電池保護膜を太陽電池の表面に備えると、太陽電池の経年劣化防止効果が増す。
請求項3の発明によれば、太陽電池保護膜は活性化エネルギーレベル0.8−2.0eVの結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を使用するため、太陽光線400nm以下の波長帯域のエネルギーによりダイヤモンドの禁制帯 4.6eVのバンド幅を超えて励起されたキャリアーがエネルギーを失って放射される波長1−3μmの光が太陽電池の変換効率を増す。
太陽電池保護膜は、粒子サイズ3.5−8.0nmの結晶系ダイヤモンド半導体を使用するため、光散乱による太陽電池表面での反射光の減少が電池表面で一様に起こり、光吸収係数が増すので、励起キャリアーが増し、電流値が増えるすなわち、光散乱吸収による太陽電池の変換効率の向上が期待できる。さらに、活性化エネルギーレベル0.8−2.0eVを有する結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子は、入射光の光散乱効果で効率よく紫外線を吸収し、吸収された短波長紫外線エネルギーは長波長に変換されるため、太陽電池の光電気変換効率も同時に増す。
請求項4の発明によれば、結晶系ナノダイヤモンドは混合液の状態で表面にスプレイされるか又は有機無機膜を構成する溶液に混合し塗布されて保護膜として使用されるので、太陽電池保護膜形成工程が太陽電池製造工程に組込まれ、経済的である。塗布後、必要に応じて加熱ガラス化してもよい。
請求項6の発明によれば、太陽電池製造工程に太陽電池保護膜形成工程が組込まれ、又は太陽電池設置後に表面にスプレイして太陽電池保護膜が形成され、使用されるので、太陽電池設置環境などに応じて、いずれかを選択することができる。すなわち、太陽電池保護膜の製造方法の選択が可能である。
Bドープ結晶系ナノダイヤモンドの活性化エネルギーを示す図である。 各測定箇所における紫外線透過率を比較して示すグラフである。 本発明の結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子をコートした太陽電池の表面のダイヤモンド分布を表すSEM像である。 本発明に使用されるナノダイヤモンド半導体粒子の粒度分布を表すグラフである。 本発明のナノダイヤモンド半導体粒子0.001%溶液を塗布して得られた保護膜の抗菌性をダイヤモンド保護膜の無いものと比較して示す表である。 本発明の一実施の形態における太陽電池保護膜の変換効率を示すグラフである。
[本発明の基本的技術思想]
本発明者らは、CB火薬を構成する分子中のC原子を直接ダイヤモンドに変換する爆発法で作られた自発電荷を有する結晶系ダイヤモンド半導体粒子が太陽電池の表面の清浄度維持による経年劣化防止のために有効であること及び太陽電池の光電気変換効率の向上のためにも有効であることを見出した。
また、本発明者らは、結晶化されたダイヤモンドは、その自発表面電荷による酸化還元力で抗菌性を有し、有機物及びオイルミスト等を分解して、太陽電池表面の清浄化度を維持することを見出した。すなわち、特定の活性化エネルギーレベル及び粒子サイズ分布をもつ半導体ダイヤモンドが紫外線を吸収する機能(紫外線吸収能)と、その吸収した紫外線を長波長の光に変換して光エネルギーを放射する機能(波長変換能)とを有すること、そして、自発電荷による抗菌・有機物分解効果及び光散乱による反射防止効果を有することを見出した。
上記製法で作られたダイヤモンドを基本粒子サイズに粉砕した場合は、通常のナノダイヤモンド粒子と比較して極めて粒度分布が小さく、光分散による光吸収能が大きく、太陽電池の斜め入射光線での変換効率が向上する。また、この製法による場合は、製造時の雰囲気により、0.3−3.0eVの特定の範囲の活性化エネルギーレベルを有するナノダイヤモンド半導体粒子が得られ、選択により太陽光線400nm以下の紫外線でダイヤモンドの禁制帯幅4.6eVを越して励起された荷電粒子が活性化エネルギーレベルに落ちる時に変換効率の良い波長帯域の光を放射する。
これらの機能を利用するための研究を重ねた結果、以下のような成果、すなわち基本的技術思想(発明)に到達した。その第一の成果は、特定の製法によるナノダイヤモンド半導体の表面自発電荷による抗菌性及び有機物分解効果を利用して太陽電池の表面清浄度を維持する太陽電池保護膜である。
第二の成果は、安定な紫外線吸収能及び波長変換能を有する結晶系ダイヤモンド半導体の波長変換特性を利用して太陽電池の光電気変換効率を向上させた太陽電池保護膜である。
この太陽電池保護膜は、太陽電池のpn接合された半導体の受光面側の保護膜であり、受光面側は通常、ガラス膜がコーティングされている。このガラス膜の中に太陽電池保護膜の構成材料である結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子が充填される。そして、その太陽電池保護膜は、太陽電池の受光面にコーティング又は固着される有機膜又は無機膜であり、太陽電池生産過程で太陽電池に成膜され、又は販売され、セットされた太陽電池の表面にスプレイもしくは固着されるものである。また、このような太陽電池保護膜の利用対象となる太陽電池の種類は、Si系太陽電池及び化合物太陽電池(SiS太陽電池)である。
第三の成果は、特定な製法により均一化された粒径の結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子による一様な光散乱効果による光吸収能の向上に基づき、太陽電池の光電気変換能を向上させ、かつ耐候性を備える太陽電池保護膜である。
本発明は、上記のように、特定の活性化エネルギーレベルを有する結晶系ダイヤモンド半導体の自発電荷による太陽電池表面の清浄度維持性能を太陽電池の経年劣化防止に、結晶系ダイヤモンド半導体のバンド構造に基づく電子又はホールの光励起及び基底状態への移動による紫外線から長波長光線への波長変換性能を太陽電池の変換効率の向上に、及び結晶系ダイヤモンドの粒度分布の一様性に基づく光散乱性能を光吸収能向上に、それぞれ利用したものである。
[実施の形態]
本発明において太陽電池保護膜を構成するために使用される結晶系ナノダイヤ半導体粒子は、5.5―4.6eVエネルギーギャップを有する絶縁体のダイヤモンドにB(ホウ素)又はN(窒素)等をドーピングして半導体にしたものである。ナノダイヤモンド半導体粒子は、通常火薬の爆発法によって作られる基本粒子サイズ3−5nmの微粉末であり、製造過程で機械的な歪を受けるため、0.2−4.0eVの広い範囲での活性化エネルギーレベルをもつ半導体粒子が製造される。
活性化エネルギーレベル0.8−2.0eVの結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を使用すると、太陽光線の400nm以下の短紫外線で励起されるキャリアー数が多く、基底状態への復帰に際して0.6−2.0μmの可視光線及び赤外線が放射され易い。活性化エネルギーレベルが0.8eV以下になると、放射光線の波長が2.0μm超、また活性化エネルギーレベルが2.0eV超になると、変換波長が0.6μm未満になり、何れも光変換効率が落ちる。
ナノダイヤモンド半導体粒子の粒子粉砕製造過程で10nm以上のサイズが残ると、ダイヤモンドの表面がSP2グラファイト構造の炭素に厚く覆われるようになるので、自発電荷の効果が減少し、太陽電池表面での清浄維持が難しくなり、また粒子サイズの広い分散により光散乱吸収能が下がるので、好ましくない。
バルク結晶ダイヤモンドは、5.5eVの広いバンドギャップを持つため、バンドギャップによる光吸収端が200−300nm付近にあり、太陽光線の放射エネルギーの400nm以下の全ての波長帯域で光吸収能が大きく、励起されたキャリアーが基底状態に戻るときに波長0.5−20.0μmの近赤外線から遠赤外線の波長帯域の光として励起エネルギーを再放射する材料が得られる。ナノダイヤモンド半導体粒子は、ドーピング材料及びドーピング不純物レベルの量を制御できるので、本発明の実施に必要な電気及び光学特性を有するナノダイヤモンド半導体粒子が製造できる。
本発明による太陽電池は、上記特性をもつ結晶系ダイヤモンド半導体粒子を、接着剤を含むスプレイ用液に混合し、太陽電池の表面に所定の厚み、好ましくは0.1−1.0μmにコートし、乾燥して保護膜を形成するか又は太陽電池製造時の保護膜形成過程で無機又は有機保護膜に所定量の結晶系ダイヤモンド半導体粒子を混合してコートし、乾燥し、あるいは焼成ガラス化して製造される。
保護膜中の結晶系ダイヤモンド半導体粒子は、光散乱による光学吸収能及び波長変換により変換効率を増す。表面のナノダイヤモンドは自発電荷及び太陽光線による励起キャリアーによって、太陽電池保護膜表面に付く自動車排ガス等からくるオイルミストによる表面汚れを分解し、電気出力の経年劣化を防止する。
太陽電池保護膜としてナノダイヤモンド半導体粉末は、有機又は無機膜に対して0.001wt%以上使用することが好ましい。これ以下では、紫外線変換効果及び光散乱による光学吸収能が落ちる。1.0wt%以上の使用は表面分布密度が多くなり過ぎ、Si太陽電池のpn接合部への光透過率を下げるので好ましくない。添加量は必要な性能を満たす経済的な観点から決定される。
本発明において使用される結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子は、基本構成元素が炭素(C)であって、紫外線、放射線、酸、アルカリに対して安定であり、人体に対するアレルギー性及び有毒性を有しない。しかがって、あらゆる用途において配合量に制限がなく、また、無機材料であるため、有機樹脂等使用される有機マトリクス材料と有害な反応を起こす懸念もないので、紫外線障害防止、光エネルギー波長変換による光変換効率の向上及び赤外線加温効果等を必要とする広い用途に使用できる。
太陽電池保護膜の実施例として、結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を含むスプレイ液をSi多結晶太陽電池の受光面にスプレイし、乾燥して太陽電池保護膜を作成した。
結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を含むスプレイ液には、0.1%PVDFを含む水を用いた。ダイヤモンドを含む無機ガラス膜(無機膜)は、ホウケイ酸鉛ガラスフリット(78wt%PbO,10wt%SiO2,12wt%B2O3低融点ガラス)に酢酸セルロ−ス、パインオイル、イソプロピルアルコールと混合してペーストを作り、これを太陽電池表面に塗布後、乾燥し、580℃で焼結して、ナノダイヤ混合無機ガラス皮膜、すなわち太陽電池保護膜を作成する。
図1は、実施の形態において用いられたBドープ結晶系ナノダイヤモンドの活性化エネルギーを示す図である。活性化エネルギーレベルは1.5eVで、400nm以下の紫外線を波長0.6−2μmの光に変換する。
図2は、作成された太陽電池保護膜の各測定箇所における紫外線透過率を比較して示すグラフである。0.01wt%ナノダイヤモンドを含む有機フィルム0.5μmを成膜した時(有機膜)のダイヤ有無の紫外線透過率を比較した。透過率が平均60%減少している。
図3は、本発明の結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子をコートした太陽電池の表面のダイヤモンド分布を表すSEM像である。結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子が略一様に分布している。
図4は、本実施の形態において使用された結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子の粒度分布を表すグラフである。粒度分布が小さいので、均一な光散乱効果が得られた。
図5は、本発明の結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子0.001%溶液を塗布して得られた保護膜の抗菌性を、ダイヤモンド保護膜の無いものと比較して示す表である。測定はJIS規格1902に則って行われた。用いた菌は黄色ブドウ菌である。図5は、その測定結果である。静菌活性値は2.7で、JISで規定される抗菌性を示しているが、結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子の無い膜では、菌が増えており、抗菌性は認められない。
結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を塗布した保護膜によるSi多結晶太陽電池の紫外線吸収及び波長変換効果並びに粒子散乱による光吸収効率UPによる太陽電池の電気出力の変化を図6に示す。活性化エネルギーレベル1.5eVのナノダイヤモンド半導体を0.01wt%、PVDFを1wt%配合したDMSO溶液をテクスチャー付Si系太陽電池に約0.5μmコートして保護膜を備えた場合と、その保護膜を備えない場合の電気出力の時間変化を比較した。
本発明の太陽電池保護膜を備えた太陽電池の電気出力は全ての時間において勝っているが、特に20−50度の太陽光線斜め入射時の効果が大きい。図6に示すように、斜め入射時において変換効率が約10%向上している。斜め入射時の電気出力に効果が見られるのは、均一な結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子の光散乱及び波長変換効果による光電気変換能の向上が大きいことを示している。つまり、本発明は、太陽電池パネルのトラッキングのための機械運動を不要にする新規な太陽電池保護膜を提供するものである。
本発明の太陽電池保護膜を有する太陽電池パネルと、保護膜を有しない太陽電池パネルを屋外にセットし、1月後の出力を比較した。保護膜を有しない太陽電池パネルの電気出力は1−2%劣化しているが、保護膜を備えた太陽電池パネルの電気出力は変化していない。さらに長期間の測定では、この差が顕著になると思われる。
以上の実施例は、表面温度約6000℃の太陽から放射される波長の短い光の紫外線放射エネルギーを活性化エネルギーレベル0.8−2.0eVのナノダイヤモンド半導体粒子が吸収し、基底状態に戻る時0.6−1.0μmの変換効率の大きい波長に変換し、粒子散乱効果での光吸収能の向上と相まって電気出力のUPに寄与していると思われる。さらに、暴露試験での出力劣化が小さいのは、自発電荷を有するナノダイヤ半導体粒子の有機物分解・抗菌効果による表面清浄度維持の有効性を示す。
[他の実施の形態]
結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を含むスプレイ液には、0.1%PVDFを含む水を用いる代わりに、DMSOヂメチルスルホオキサイド液を用いることもできる。無機ガラス膜の作成方法は段落0042に記述した例に限定されない。
[太陽電池の製造]
活性化エネルギーレベル0.8−2.0eVを有する自発電荷を有する、例えば単結晶ナノダイヤモンド半導体粒子を分散させたスプレイ液、例えば、上記0.1%PVDFを含む水またはDMSOヂメチルスルホオキサイド液を太陽電池の表面にスプレイ又は塗布によりコートした後、乾燥焼成して太陽電池保護膜を成膜することにより、本発明に係る太陽電池保護膜を有する太陽電池を製造することができる。
本発明に係る太陽電池保護膜を有する太陽電池の他の製造方法としては、活性化エネルギーレベル0.8−2.0eVを有する自発電荷を有する、例えば単結晶ナノダイヤモンド半導体粒子を有機高分子及び無機ガラスの溶液に分散混合して、上記ナノダイヤ混合無機ガラス皮膜からなる太陽電池保護膜を形成し、その太陽電池保護膜を太陽電池の表面に貼り付ける方法を実施することができる。

Claims (8)

  1. 活性化エネルギーレベル0.8−2.0eVを有する自発電荷を有する結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を含む有機膜又は無機膜よりなる太陽電池保護膜。
  2. 請求項1記載の太陽電池保護膜において、前記結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子の粒子サイズは3.5−8.0nmであることを特徴とする太陽電池保護膜。
  3. 請求項1又は2記載の太陽電池保護膜において、前記結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子が0.0005wt%以上含まれていることを特徴とする太陽電池保護膜。
  4. 活性化エネルギーレベル0.8−2.0eVを有する自発電荷を有する結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を分散させた溶液を太陽電池の表面にスプレイ又は塗布によりコートした後、乾燥焼成して保護膜を成膜することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の太陽電池保護膜の製造方法。
  5. 活性化エネルギーレベル0.8−2.0eVを有する自発電荷を有する結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を有機高分子及び無機ガラスの溶液に分散混合して成膜することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の太陽電池保護膜の製造方法。
  6. 請求項1、2又は3に記載の太陽電池保護膜を使用していることを特徴とする太陽電池。
  7. 活性化エネルギーレベル0.8−2.0eVを有する自発電荷を有する結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を分散させた溶液を太陽電池の表面にスプレイ又は塗布によりコートした後、乾燥焼成して請求項1、2又は3に記載の太陽電池保護膜を成膜することを特徴とする太陽電池の製造方法。
  8. 活性化エネルギーレベル0.8−2.0eVを有する自発電荷を有する結晶系ナノダイヤモンド半導体粒子を有機高分子及び無機ガラスの溶液に分散混合して、請求項1、2又は3に記載の太陽電池保護膜を形成した後、その太陽電池保護膜を太陽電池の表面に貼り付けることを特徴とする太陽電池の製造方法。
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