JP2014203634A - カードエッジコネクタ - Google Patents

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聖典 守安
Kiyonori Moriyasu
聖典 守安
田端 正明
Masaaki Tabata
正明 田端
康雄 大森
Yasuo Omori
康雄 大森
元 松井
Hajime Matsui
元 松井
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Abstract

【課題】接触信頼性の向上を図る。
【解決手段】カードエッジコネクタは、ハーネス側ハウジング10(ハウジング)と、ハーネス側ハウジング10内に形成され、ハーネス側ハウジング10の前方から回路基板61を挿入させる基板収容空間31と、ハーネス側ハウジング10内に取り付けられた複数の端子金具50と、端子金具50に設けられ、基板収容空間31に挿入された回路基板61に対し、基板収容空間31から退避する方向へ弾性撓みした状態で接触可能な弾性接触片54と、基板収容空間31内において弾性接触片54を基板収容空間31から退避する方向へ弾性撓みさせる第1位置から、第1位置よりも後方であって弾性接触片54から解離する第2位置への変位が可能な可動部材40とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、カードエッジコネクタに関するものである。
特許文献1には、基板収容空間を有するハウジングと、ハウジング内に収容され基板収容空間を挟んで対向するように配置された複数の端子金具とを備えたカードエッジコネクタが開示されている。このカードエッジコネクタは、基板収容空間に挿入された回路基板に対し、複数の端子金具に設けた弾性接触片が弾性変形した状態で当接するようになっている。端子金具と回路基板との間では、弾性接触片の弾性的な当接作用によって所定の接触圧が確保される。また、弾性接触片が弾性変形することにより、ハウジング、端子金具、及び回路基板の寸法公差が吸収される。したがって、弾性接触片が弾性変形した状態で回路基板に当接する構造は、端子金具と回路基板との接触信頼性確保のために必要である。
特開2010−108620号公報
しかし、弾性接触片が弾性変形した状態で回路基板に当接する構造においては、回路基板を基板収容空間に挿入する接続作業の過程で、回路基板の挿入方向先端の角縁部が、弾性接触片に突き当たったり、弾性接触片と強く擦れ合うことは避けられない。このような突き当たりや擦れ合いは、弾性接触片が不正な変形を生じたり、弾性接触片の接点部のメッキが剥がれたり、回路基板の角縁部の一部が削れてその削り屑が弾性接触片と回路基板との間に噛み込んだりする原因となり、ひいては、接触不良を起こす原因となる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、接触信頼性の向上を図ることを目的とする。
本発明のカードエッジコネクタは、
ハウジングと、
前記ハウジング内に形成され、前記ハウジングの前方から回路基板を挿入させる基板収容空間と、
前記ハウジング内に取り付けられた複数の端子金具と、
前記端子金具に設けられ、前記基板収容空間に挿入された前記回路基板に対し、前記基板収容空間から退避する方向へ弾性撓みした状態で接触可能な弾性接触片と、
前記基板収容空間内において前記弾性接触片を前記基板収容空間から退避する方向へ弾性撓みさせる第1位置から、前記第1位置よりも後方であって前記弾性接触片から解離する第2位置への変位が可能な可動部材とを備えているところに特徴を有する。
回路基板を基板収容空間に挿入する前は、可動部材を第1位置に配置しておけば、弾性接触片は、可動部材への当接により、基板収容空間から退避する方向へ弾性撓みする。この状態で、基板収容空間に回路基板を挿入すると、可動部材が、回路基板により後方へ押し動かされて第2位置へ変位する。可動部材が回路基板に押し動かされる過程では、弾性接触片が、基板収容空間から退避する方向へ弾性撓みした状態のまま、可動部材から回路基板へ乗り移る。したがって、回路基板の挿入方向先端縁は、弾性接触片に突き当たったり、弾性接触片と強く擦れ合ったりする虞がない。これにより、弾性接触片の不正な変形や、端子金具の接点部のメッキ剥がれや、回路基板の削り屑の噛み込み等が防止されるので、端子金具と回路基板との間の接触信頼性が高い。また、回路基板を基板収容空間に挿入する際には、弾性接触片と回路基板との摺動摩擦を低減又は摺動摩擦の発生を回避できるので、作業性にも優れている。
実施例1のハーネス側ハウジングの側断面図 基板側ハウジングの側断面図 回路基板を基板収容空間に挿入する過程をあらわす側断面図 図3の部分拡大側断面図 基板収容空間に対する回路基板の挿入が完了した状態をあらわす側断面図 図5の部分拡大側断面図 可動部材が第1位置にある状態をあらわす平断面図 可動部材が第2位置にある状態をあらわす平断面図
本発明のカードエッジコネクタは、
前記弾性接触片が前記基板収容空間から退避する方向における前記可動部材の厚さ寸法が、前記回路基板の板厚寸法と同じ寸法か、それよりも大きい寸法に設定されていてもよい。
この構成によれば、弾性接触片が可動部材から回路基板に乗り移るときに、弾性接触片に対する回路基板の突き当たりを、確実に回避できる。
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図8を参照して説明する。本実施例のカードエッジコネクタは、図1に示すハーネス側コネクタHと、図2に示す基板側コネクタPとを備えて構成されている。基板側コネクタPは、ハーネス側コネクタHに対しその前方から嵌合される。以下の説明において、前方と後方の向きに関しては、ハーネス側コネクタHを基準とする。つまり、図1〜8における左方を、前方と定義する。また、前後方向と両コネクタH,Pの嵌合方向は、同義で用いる。
<ハーネス側コネクタH>
ハーネス側コネクタHは、ハーネス側ハウジング10(請求項に記載のハウジング)と、複数の端子金具50と、端子金具50と同数の電線53を備えて構成されている。ハーネス側ハウジング10内には、複数の端子金具50が、上下2段に分かれ、且つ各段において夫々左右方向(幅方向)に所定ピッチで並列配置された状態で収容されている。上段の端子金具50と下段の端子金具50は、上下対称な向きで対向している。各端子金具50の後端部には電線53が接続され、これらの電線53は、ハーネス側ハウジング10の後方へ導出されている。
<ハーネス側ハウジング10>
図1,7に示すように、ハーネス側ハウジング10は、ハウジング本体11と、一括ゴム栓18と、リヤホルダ20と、端子保持部材22と、シールリング27と、可動部材40とを備えており、これらの部品11,18,20,22,27,40を組み付けて構成されている。ハウジング本体11の外形は、全体として、高さ寸法(上下寸法)が幅寸法及び前後寸法に比べて小さく設定された扁平な形状をなす。ハウジング本体11は、本体部12と、本体部12の前端外周縁から前方へ片持ち状に突出した形態のフード部13とを一体に形成して構成されている。
本体部12の内部には、その前端面のほぼ全領域を凹ませた単一形態の前部空間14と、後端面のほぼ全領域を凹ませた単一形態の後部空間15が形成されている。本体部12の前部空間14は、フード部13の内部空間と連通している。本体部12のうち前部空間14と後部空間15との間には、両空間14,15を連通させた形態であって、上下2段に分かれた複数の後部キャビティ16が、幅方向に所定ピッチで並列配置された状態で形成されている。また、本体部12内には、前部空間14の後端から斜め前方へ片持ち状に延出した弾性撓み可能なランス17が形成されている。
後部空間15内には、一括ゴム栓18とリヤホルダ20が収容されている。一括ゴム栓18には、後部キャビティ16と対応するように上下2段に分かれた複数のシール孔19が、前後に貫通して形成されている。一括ゴム栓18は、後部空間15の内周面に液密状に密着してシールする。リヤホルダ20は、一括ゴム栓18の後方に配置された状態でハウジング本体11に組み付けられ、一括ゴム栓18の後方への離脱を規制する。リヤホルダ20には、各シール孔19と対応する複数の貫通孔21が形成されている。
<端子保持部材22>
端子保持部材22は、全体として、高さ寸法(上下寸法)が幅寸法に比べて小さく設定された扁平な形状をなす。端子保持部材22は、上下一対の支持壁部23(図1を参照)と、上下両支持壁部23の左右両端縁同士を連結する左右一対の側壁部24(図7を参照)と、上下両支持壁部23の前端縁同士を連結した形態であって側壁部24の前端に連なる前壁部25(図1を参照)とを有する単一部品である。これらの壁部23,24,25は、いずれも、端子保持部材22の外壁面を構成する。
端子保持部材22は、前部空間14内に収容されている。図1に示すように、端子保持部材22の前端部外周にはフランジ部26が形成され、このフランジ部26には、ゴム製のシールリング27の後端部が係止されている。この係止作用により、シールリング27は、その外周をフード部13の後端部内周に密着させ、端子保持部材22よりも前方に配置された状態でハウジング本体11に組み付けられる。
端子保持部材22の内部には、上下両支持壁部23の内面から、夫々、上下方向中央に向かってリブ状に突出する複数の仕切壁(図示省略)が形成されている。仕切壁は、前後方向に細長く、左右方向に並列配置されている。支持壁部23と仕切壁とで区画された空間は、前部キャビティ28となっている。上記支持壁部23の内面と仕切壁の側面は、前部キャビティ28に、直接臨んでいる。複数の前部キャビティ28と複数の後部キャビティ16は、夫々、1対1で前後に並ぶように対応配置されて端子収容室29を構成する。ハウジング本体11の本体部12と端子保持部材22は、複数の端子金具50を並列配置して収容するための端子収容部30を構成する。端子収容部30内には、上下2段に分かれた複数の端子収容室29が、幅方向に所定ピッチで並列配置されて形成されている。
図1に示すように、端子保持部材22の内部には、単一の基板収容空間31が形成されている。基板収容空間31は、上段の前部キャビティ28と下段の前部キャビティ28との間の空間のうち前端側の領域に配され、上下寸法が左右方向に比べて小さく設定された横長スリット状をなしている。基板収容空間31には、上段の前部キャビティ28と下段の前部キャビティ28が、直接、臨んでいる。前壁部25には、左右方向に細長くスリット状に開口する基板挿入口32が前後に貫通して形成されている。基板収容空間31の前端は基板挿入口32に連通している。
また、端子保持部材22には、前部キャビティ28に収容された端子金具50の箱部51の前端部を支えるための上下一対の受け板部33が、形成されている。この一対の受け板部33は、基板挿入口32の開口縁のうち左右方向(基板挿入口32の長さ方向)に沿った上下一対の長辺側開口縁43(つまり、前壁部25における基板収容空間31に臨む端縁部)から、後方へ片持ち状に延出した形態である。受け板部33の左右両端部は、左右両側壁部24に連なっている。前部キャビティ28内に端子金具50の箱部51が収容された状態では、箱部51の前端部が受け板部33により、基板収容空間31側へ変位することを規制される。これにより、端子金具50は、上下方向へ姿勢が傾かないように保持される。
端子保持部材22の内部には、単一の退避空間34が形成されている。退避空間34は、上段の前部キャビティ28と下段の前部キャビティ28との間の空間のうち後端側の領域に配され、上下寸法が左右方向に比べて小さく設定された形態となっている。退避空間34の前端は、基板収容空間31の後端と直接、連なっている。図7,8に示すように、退避空間34の左右両内側面における前端部には、一対の第1係止凹部35が形成されている。退避空間34の左右両内側面における後端部には、一対の第2係止凹部36が形成されている。この退避空間34と、基板収容空間31のうち後端側領域においては、可動部材40が前後方向に移動し得るようになっている。
<可動部材40>
可動部材40は、全体として上下寸法が左右方向に比べて小さく設定された平板状をなしている。可動部材40の幅寸法は、退避空間34の幅寸法と同じか、それよりも僅かに大きい寸法に設定されている。可動部材40の厚さ寸法(上下寸法)は、上下両弾性接触片54が弾性撓みしていない状態における両弾性接触片54間の最小上下間隔、つまり、上下両接点部55間の最小上下間隔よりも大きい寸法に設定されている。但し、上下の角筒部間の最小上下寸法よりは小さい寸法である。図4,6に示すように、可動部材40の前端面40F(回路基板61との対向面)は、基板収容空間31に対する回路基板61の挿入方向と直角な平坦面である。図7,8に示すように、可動部材40の左右両側面における後端部には、一対の係止突部41が形成されている。
回路基板61が基板収容空間31に挿入される前の状態では、可動部材40は、図1,3,4に示すように、前後方向(基板収容空間31に対する回路基板61の挿入方向と平行な方向)において端子金具50の弾性接触片54の接点部55と対応する第1位置で待機する。可動部材40が第1位置にある状態では、可動部材40の後端部が退避空間34の前端部に位置し、可動部材40の前端側の大部分が基板収容空間31内に位置する。
図7に示すように、第1位置の可動部材40は、係止突部41と第1係止凹部35との嵌合により、前後方向への自由な移動を規制された状態に保持されている。但し、この係止突部41と第1係止凹部35の嵌合は、セミロックロック構造であるから、係止突部41と第1係止凹部35の嵌合力を上回る前後方向の外力が可動部材40に付与されると、可動部材40は前後方向に移動することができる。
また、可動部材40は、第1位置から、それよりも後方(基板収容空間31に対する回路基板61の挿入方向においては、前方)に設定された第2位置(図5,6,8を参照)へスライドし得るようになっている。図8に示すように、第2位置の可動部材40は、係止突部41と第2係止凹部36との嵌合により、前後方向への自由な移動を規制された状態に保持されている。但し、この係止突部41と第2係止凹部36の嵌合は、セミロックロック構造であるから、係止突部41と第2係止凹部36の嵌合力を上回る前後方向の外力が可動部材40に付与されると、可動部材40は前方へ移動することができる。
<端子金具50>
端子金具50は、所定形状に打ち抜いた2枚の金属板材を曲げ加工して組み付けることにより、全体として前後方向(端子金具50の並列方向と直交する方向)に細長い形状に成形されたものである。図1に示すように、端子金具50の前端側領域は、周知形態の箱部51となっている。端子金具50の後端側領域は、周知形態の圧着部52となっており、圧着部52には、ワイヤーハーネスを構成する電線53の前端部が圧着により接続されている。
端子金具50は、リヤホルダ20の貫通孔21と一括ゴム栓18のシール孔19を順に通過して、端子収容室29内に挿入されている。挿入された端子金具50は、箱部51の後端をランス17に係止させることにより、抜止め状態に保持されている。端子金具50が端子収容室29に挿入された状態では、箱部51と弾性接触片54が前部キャビティ28内に配置され、圧着部52が後部キャビティ16内に配置される。
図4,6に示すように、箱部51内には、弾性接触片54が設けられている。弾性接触片54は、箱部51を構成する壁部から延出した部分に曲げ加工等を施して形成されたものである。弾性接触片54には、回路基板61に対して弾性接触するための接点部55が形成されている。弾性接触片54は、弾性撓みしていない自由状態では、少なくとも接点部55を含む領域を基板収容空間31内に進出させた状態となる。また、弾性接触片54は、基板収容空間31から上方又は下方(つまり、基板収容空間31に対する回路基板61の挿入方向と交差する方向)へ退避するように弾性撓み可能となっている。
<基板側コネクタP>
図2に示すように、基板側コネクタPは、合成樹脂製の基板側ハウジング60と、回路基板61とをモールド成形によって一体化させたものである。基板側ハウジング60は、全体として、高さ寸法(上下寸法)が幅寸法に比べて小さく設定された扁平な形状をなす。回路基板61の上下両面(表裏両面)には、電子部品等(図示省略)が実装されているともに、回路が印刷によって形成されている。
回路基板61のうち基板収容空間31に対する挿入方向前方の接続端縁部62は、その上下両面において、端子金具50の接点部55に接触するようになっている。回路基板61のうち接続端縁部62を除いた大部分の領域は、基板側ハウジング60内に埋設されている。したがって、接続端縁部62は、基板側ハウジング60の正面からハーネス側ハウジング10側へ突出した状態となっている。図4,6に示すように、回路基板61の挿入方向前側の端面61F(可動部材40との対向面)は、基板収容空間31に対する回路基板61の挿入方向と直角であり、且つ可動部材40の前端面と平行をなす平坦面である。回路基板61の接続端縁部62の厚さ寸法(上下寸法)は、可動部材40の厚さ寸法よりも僅かに小さい寸法に設定されている。
<作用及び効果>
ハーネス側コネクタHと基板側コネクタPを嵌合する際には、予め、可動部材40を第1位置に保持しておく。この状態では、図4に示すように、上下両端子金具50の弾性接触片54が、基板収容空間31から退避する方向(つまり、上段の弾性接触片54は上方へ、下段の弾性接触片54は下方へ)へ弾性撓みし、上段側の接点部55が可動部材40の上面に対して弾性的に当接するとともに、下段側の接点部55が可動部材40の下面に対して弾性的に当接する。この状態において、上側の接点部55と下側の接点部55の最小上下間隔は、回路基板61の接続端縁部62の厚さ寸法よりも僅かに大きい寸法である。
この状態で、回路基板61を基板収容空間31内に挿入するようにして両コネクタH,Pの嵌合を開始する。嵌合の途中では、図4に示すように、回路基板61の接続端縁部62の先端面61Fが、可動部材40の前端面40Fに対してほぼ面当たり状態で当接する。この状態から、係止突部41と係止凹部の係止力を上回る操作力を付与して、両コネクタH,Pの嵌合(基板収容空間31に対する回路基板61の挿入)を更に進めると、回路基板61の接続端縁部62が、可動部材40を後方へ押し動かす。つまり、回路基板61と可動部材40が、前後の隙間を空けずに一体となってスライドする。
可動部材40と回路基板61が一体にスライドする過程では、可動部材40が接点部55に対して後方へ遠ざかるように変位するので、可動部材40の上下両面に弾性的に当接していた接点部55が、接続端縁部62の上下両面に乗り移ることになる。ここで、接続端縁部62の上下寸法は、可動部材40の上下寸法よりも僅かに小さいので、接点部55は、可動部材40から接続端縁部62に乗り移る時に、接続端縁部62の先端面における上下の角縁部に接触することはない。接点部55が接続端縁部62に乗り移った後は、回路基板61の挿入動作に伴って、接点部55が回路基板61の上面又は下面に摺接する。そして、回路基板61が正規の挿入状態となり、可動部材40が第2位置に保持されると、両コネクタH,Pの嵌合が完了する。
本実施例1のカードエッジコネクタは、ハーネス側ハウジング10と、ハーネス側ハウジング10内に形成され、ハーネス側ハウジング10の前方から回路基板61を挿入させる基板収容空間31と、ハーネス側ハウジング10内に取り付けられた複数の端子金具50と、端子金具50に設けられ、基板収容空間31に挿入された回路基板61に対し、基板収容空間31から退避する方向へ弾性撓みした状態で接触可能な弾性接触片54と、可動部材40を設けた。可動部材40は、基板収容空間31内において弾性接触片54を基板収容空間31から退避する上下方向へ弾性撓みさせる第1位置から、第1位置よりも後方であって弾性接触片54から解離する第2位置への変位が可能となっている。
この構成によれば、可動部材40が回路基板61に押し動かされる過程では、弾性接触片54が、基板収容空間31から退避する方向へ弾性撓みした状態のまま、可動部材40から回路基板61へ乗り移る。したがって、回路基板61の挿入方向先端縁(接続端縁部62)は、弾性接触片54に突き当たったり、弾性接触片54と強く擦れ合ったりする虞がない。これにより、弾性接触片54の不正な変形や、端子金具50の接点部55のメッキ剥がれや、回路基板61の削り屑の噛み込み等が防止されるので、端子金具50と回路基板61との間の接触信頼性が高い。また、回路基板61を基板収容空間31に挿入する際には、弾性接触片54と回路基板61との摺動摩擦を低減又は摺動摩擦の発生を回避できるので、作業性にも優れている。
また、本実施例1のカードエッジコネクタは、弾性接触片54が基板収容空間31から退避する上下方向における可動部材40の厚さ寸法が、回路基板61の板厚寸法よりも大きい寸法に設定されている。したがって、弾性接触片54が可動部材40から回路基板61に乗り移るときに、弾性接触片54に対する回路基板61の突き当たりが、確実に回避されている。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、弾性接触片が基板収容空間から退避する方向における可動部材の厚さ寸法を、回路基板の板厚寸法より大きい寸法に設定したが、可動部材の厚さ寸法は、回路基板の板厚寸法と同じ寸法でもよく、回路基板の板厚寸法より少し小さい寸法でもよい。
(2)上記実施例では、端子金具が、回路基板の上下両面(表裏両面)に挟むように当接するようにしたが、本発明は、端子金具が回路基板の上下いずれか一方の面(表裏いずれか一方の面)のみに接触する場合にも適用できる。
(3)上記実施例では、可動部材の前端面(回路基板との対向面)と、回路基板の挿入方向前側の端面(可動部材との対向面)とを、互いに平行な平坦面としたが、これに限らず、可動部材側と回路基板側のうちいずれか一方の対向面を凸形状とし、他方の対向面を凸形状に嵌合可能な凹形状としてもよい。このようにすれば、弾性接触片が基板収容空間から退避する方向において、回路基板と可動部材を位置決めして相対変位を規制することができる。
10…ハーネス側ハーネス(ハウジング)
31…基板収容空間
40…可動部材
50…端子金具
54…弾性接触片
61…回路基板

Claims (2)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジング内に形成され、前記ハウジングの前方から回路基板を挿入させる基板収容空間と、
    前記ハウジング内に取り付けられた複数の端子金具と、
    前記端子金具に設けられ、前記基板収容空間に挿入された前記回路基板に対し、前記基板収容空間から退避する方向へ弾性撓みした状態で接触可能な弾性接触片と、
    前記基板収容空間内において前記弾性接触片を前記基板収容空間から退避する方向へ弾性撓みさせる第1位置から、前記第1位置よりも後方であって前記弾性接触片から解離する第2位置への変位が可能な可動部材とを備えていることを特徴とするカードエッジコネクタ。
  2. 前記弾性接触片が前記基板収容空間から退避する方向における前記可動部材の厚さ寸法が、前記回路基板の板厚寸法と同じ寸法か、それよりも大きい寸法に設定されていることを特徴とする請求項1記載のカードエッジコネクタ。
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Citations (4)

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