JP2014202324A - マリンホースおよびマリンホース用エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホース本体部の大径化および柔軟性の低下を回避しつつ、経年的な浮力低下に起因するマリンホースラインの水底への沈降を防止できるマリンホースおよびマリンホース用エアバッグ装置を提供する。【解決手段】水圧センサ9と、折り畳み状態でマリンホース1の外表面に取り付けられた袋状浮体10と、袋状浮体10にエアを注入する注入機11とを有するエアバッグ装置8を用いて、水圧センサ9が予め設定された水圧を検知した際に、注入機11を作動させて折り畳み状態の袋状浮体10を膨張させて、この膨張した袋状浮体10の浮力によりマリンホース1のそれ以上の沈降を防止する。【選択図】図1
Description
本発明は、マリンホースおよびマリンホース用エアバッグ装置に関し、さらに詳しくは、ホース本体部の大径化を回避しつつ、経年的な浮力低下に起因するマリンホースラインの水底への沈降を防止できるマリンホースおよびマリンホース用エアバッグ装置に関するものである。
海上のタンカーと陸上施設との間を連結して原油等を輸送するマリンホースには、スポンジ等の浮力材からなる浮力層を備えたフローティングタイプのマリンホースがある(例えば、特許文献1参照)。この浮力材は、マリンホースが受ける水圧や曲げ等の外力によって経年的に潰れて浮力が低下する。浮力材による浮力が低下すると、マリンホースがさらに沈むので浮力材がさらに潰れて浮力が益々低下する。そして、マリンホースがある水深まで沈降すると、もはやマリンホースを浮上させる浮力がなくなる、いわゆる、オートサブマージが発生することになる。オートサブマージが発生すると複数のマリンホースが連結されて形成されているマリンホースラインが水底まで沈降してしまうことになる。
このようなマリンホースラインの沈降を防止するために、従来、経年的に低下する浮力を見込んで、浮力材を予め多めに装備していた。しかしながら、経年的な浮力の低下の程度は、マリンホースの使用環境によって異なるため、安全を考慮して浮力材が過多に装備されることになる。そのため、ホース本体部の外径が大きくなるのでマリンホースの取扱い性が低下する。また、ホース本体部の大径化に伴って柔軟性が低下するので、これによっても取扱い難くなるという問題が生じる。
本発明の目的は、ホース本体部の大径化および柔軟性の低下を回避しつつ、経年的な浮力低下に起因するマリンホースラインの水底への沈降を防止できるマリンホースおよびマリンホース用エアバッグ装置を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明のマリンホースは、エアバッグ装置を備えたマリンホースであって、前記エアバッグ装置は、水圧センサと、折り畳み状態でマリンホースの外表面に取り付けられる袋状浮体と、前記袋状浮体にエアを注入する注入機とを備え、前記水圧センサが予め設定された水圧を検知した際に、前記注入機を作動させて折り畳み状態の前記袋状浮体を膨張させて、この膨張した袋状浮体の浮力によりマリンホースの沈降を防止する構成にしたことを特徴とする。
本発明のマリンホース用エアバッグ装置は、マリンホースに後付けされるマリンホース用エアバッグ装置であって、水圧センサと、折り畳み状態でマリンホースの外表面に取り付けられる袋状浮体と、前記袋状浮体にエアを注入する注入機とを備え、前記水圧センサが予め設定された水圧を検知した際に、前記注入機を作動させて折り畳み状態の前記袋状浮体を膨張させて、この膨張した袋状浮体の浮力によりマリンホースの沈降を防止する構成にしたことを特徴とする。
本発明のマリンホースによれば、水圧センサと、折り畳み状態でマリンホースの外表面に取り付けられた袋状浮体と、前記袋状浮体にエアを注入する注入機とを有するエアバッグ装置を用いるので、ホース本体部の大径化および柔軟性の低下を回避することが可能になる。そして、前記水圧センサが予め設定された水圧を検知した際に、前記注入機を作動させて折り畳み状態の前記袋状浮体を膨張させて、この膨張した袋状浮体の浮力によりマリンホースの沈降を防止するので、マリンホースの使用環境によらず、確実に、経年的な浮力低下に起因するマリンホースラインの水底への沈降を防止できる。
本発明のマリンホース用エアバッグ装置によれば、既存のマリンホースに取り付けることができる。そのため、本発明のマリンホースにより得られる上述した効果を、既存のマリンホースにおいても得ることができる。
以下、本発明のマリンホースおよびマリンホース用エアバッグ装置を図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1、図2に例示する本発明のマリンホース1は、当初からマリンホース用エアバッグ装置8(以下、エアバッグ装置8という)が装備されて製造されたものである。一方、本発明のエアバッグ装置8は、既存のマリンホースに後付けされるものである。
このマリンホース1は、長手方向両端に別のマリンホース1を連結する連結金具2を備え、連結金具2は一端にフランジ2aを備えたニップル2bで構成されている。図2に例示するように、マリンホース1は互いの連結金具2どうしで連結され、連結された複数のマリンホース1によりマリンホースラインを形成する。
ニップル2bの外周には外周側に向かって順に、内面ゴム層3、主補強層4、本体ワイヤ層5が巻付けられて積層され、最外周はカバーゴム層7で覆われている。内面ゴム層3の内周側が流体流路1aとなる。図1の線分CLは、マリンホース1の軸方向に延びる中心線である。
本体ワイヤ層5とカバーゴム層7との層間には、スポンジ等の浮力材で形成された浮力層6が設けられている。即ち、本発明はフローティングタイプのマリンホース1に適用されるものである。
輸送する流体に接する内面ゴム層3は、耐油性に優れたアクリロニトリルゴム等で構成され、本体ワイヤ層5は、主補強層4の外周のゴム層に金属ワイヤを所定間隔をあけて螺旋状に巻付けて構成されている。主補強層4は補強コードをゴムで被覆した複数の補強コード層を積層して構成されている。
主補強層4、本体ワイヤ層5のそれぞれの一端部のニップルワイヤ4a、5aは、ニップル2bの外周面に突設された固定リング2c等により、ニップル2bに固定されている。カバーゴム層7は、ゴム等の非透水性材料で構成され、かつ表面には視認性に優れたライン模様等が付されている。尚、マリンホース1は、図1に例示した構造に限定されるものではない。
エアバッグ装置8は、例えば、連結金具2のニップル2bの外周側、フランジ2a、またはホース本体部(連結金具2以外の部分)に取り付けられる。マリンホース1に取り付けられるエアバッグ装置8の数は特に限定されず、単数または複数にすることができる。
図3に例示するように、エアバッグ装置8は、水圧センサ9と、折り畳み状態でマリンホース1の外表面に取り付けられる袋状浮体10と、袋状浮体10にエアを注入する注入機11とを備えている。水圧センサ9は予め設定された水圧になると注入機11を作動させる。袋状浮体10は例えばゴム製であり、小さく折り畳まれて折り畳み状態になっている。注入機11は圧縮エアを収容したボンベおよび圧縮エアを噴出するノズルを備えている。
この実施形態では、折り畳み状態の袋状浮体10が締付けベルト等の取付具12により、マリンホース1(連結金具2またはホース本体部)の外表面に取り付けられている。水圧センサ9および注入機11は、防水ケースに収容されて、締付けベルト、ボルト、接着剤等の取付具12により、マリンホース1の外表面に取り付けられている。
さらに、この袋状浮体10は、紐状体13によってマリンホース1に接続されている。紐状体13としては、スチールコード製ロープ、スチールチェーン、樹脂製ロープ等を用いることができる。
また、水圧センサ9が予め設定された水圧を検知した際に警告を発する警告器14が備わっている。警告器14としては、点灯ライト、ブザー等を用いることができる。或いは、マリンホース1から離れた位置に配置された受信機に警告信号を送信する警告器14を用いることができる。
浮力層6の浮力材は経年的に潰れて、浮力層6による浮力が徐々に低下する。これにより、マリンホース1が予め設定された水圧になる水深まで沈むと、図4に例示するように、水圧センサ9が予め設定された水圧を検知して、注入機11を作動させてボンベから圧縮エアを折り畳み状態の袋状浮体10に注入して膨張させる。折り畳み状態の袋状浮体10をマリンホース1に固定していた取付具12は、袋状浮体10が膨張した際に、例えば、その膨張力によって切断される。
この膨張した袋状浮体10の浮力により、マリンホース1には浮力が付加されるので、それ以上の沈降が防止される。即ち、オートサブマージが発生する前に、袋状浮体10が膨張してマリンホース1に追加的な浮力を付加するので、マリンホースラインが水底まで沈降することを防止できる。したがって、オートサブマージが発生しない水深の水圧が、注入機11を作動させる予め設定された水圧として設定される。
この実施形態では、膨張した袋状浮体10が紐状体13によってマリンホース1に接続された状態で、その浮体表面を水上に突出させる。そのため、水上に突出した袋状浮体10の浮体表面を目視することで、浮力層6による浮力が不足していることが把握できる。警告器14を設けた場合は、警告器14が発する警告によっても、浮力層6による浮力が不足していることが把握できる。
膨張した袋状浮体10により、マリンホース1に追加的な浮力が付加されるので、オートサブマージが発生するまでの時間を遅らせることができる。そこで、浮力層6による浮力が不足していることを把握した後は、そのマリンホース1を交換する等の処置をする。
エアバッグ装置8は、水圧センサ9と、折り畳み状態の袋状浮体10と、袋状浮体10にエアを注入する注入機11とで構成されるので、かさばらずにコンパクトな構成となる。警告器14を備えた場合でも、コンパクトさを確保できる。それ故、ホース本体部の大径化を回避することが可能になり、取扱い性の低下を防止できる。ホース本体部の大径化が回避されることに伴って、ホース本体部(マリンホース1)の柔軟性が損なわれることがなくなるので、これによっても取扱性の低下を防止できる。
また、水圧センサ9が予め設定された水圧を検知した際に、袋状浮体10を膨張させて、この膨張した袋状浮体10の浮力によりマリンホース1に追加的な浮力を付加するので、マリンホース1の使用環境によらず、確実に、経年的な浮力層6の浮力低下に起因するマリンホースラインの水底への沈降を防止できる。
本発明のエアバッグ装置8は、既存のマリンホースに後付けできるので、本発明のマリンホース1により得られる上述した効果を、既存のマリンホースにおいても得ることができる。
図5に例示するように紐状体13を用いることなく、例えば、ボルトや接着剤等の取付具によって、折り畳み状態の袋状浮体10をマリンホース1の外表面に取り付けることもできる。この実施形態では、膨張した際に環状になる袋状浮体10がマリンホース1に接続されている。
マリンホース1が予め設定された水圧になる水深まで沈むと、図6に例示するように、水圧センサ9が予め設定された水圧を検知して、注入機11を作動させてボンベから圧縮エアを折り畳み状態の袋状浮体10に注入して膨張させる。そして、マリンホース1に外嵌された状態で膨張した袋状浮体10の浮力により、マリンホース1には浮力が付加されて、それ以上の沈降が防止される。これにより、マリンホースラインが水底まで沈降することを防止できる。
1 マリンホース
1a 流体流路
2 連結金具
2a フランジ
2b ニップル
2c 固定リング
3 内面ゴム層
4 主補強層
4a ニップルワイヤ
5 本体ワイヤ層
5a ニップルワイヤ
6 浮力層
7 カバーゴム層
8 エアバッグ装置
9 水圧センサ
10 袋状浮体
11 注入機
12 取付具
13 紐状体
14 警告器
1a 流体流路
2 連結金具
2a フランジ
2b ニップル
2c 固定リング
3 内面ゴム層
4 主補強層
4a ニップルワイヤ
5 本体ワイヤ層
5a ニップルワイヤ
6 浮力層
7 カバーゴム層
8 エアバッグ装置
9 水圧センサ
10 袋状浮体
11 注入機
12 取付具
13 紐状体
14 警告器
Claims (6)
- エアバッグ装置を備えたマリンホースであって、前記エアバッグ装置は、水圧センサと、折り畳み状態でマリンホースの外表面に取り付けられる袋状浮体と、前記袋状浮体にエアを注入する注入機とを備え、前記水圧センサが予め設定された水圧を検知した際に、前記注入機を作動させて折り畳み状態の前記袋状浮体を膨張させて、この膨張した袋状浮体の浮力によりマリンホースの沈降を防止する構成にしたことを特徴とするマリンホース。
- 折り畳み状態の前記袋状浮体をマリンホースに接続する紐状体を設け、前記膨張した袋状浮体が前記紐状体によってマリンホースに接続された状態で、その浮体表面を水上に突出させる構成にした請求項1に記載のマリンホース。
- 前記水圧センサが予め設定された水圧を検知した際に警告を発する警告器を備えた請求項1または2に記載のマリンホース。
- マリンホースに後付けされるマリンホース用エアバッグ装置であって、水圧センサと、折り畳み状態でマリンホースの外表面に取り付けられる袋状浮体と、前記袋状浮体にエアを注入する注入機とを備え、前記水圧センサが予め設定された水圧を検知した際に、前記注入機を作動させて折り畳み状態の前記袋状浮体を膨張させて、この膨張した袋状浮体の浮力によりマリンホースの沈降を防止する構成にしたことを特徴とするマリンホース用エアバッグ装置。
- 折り畳み状態の前記袋状浮体をマリンホースに接続する紐状体を設け、前記膨張した袋状浮体が前記紐状体によってマリンホースに接続された状態で、その浮体表面を水上に突出させる構成にした請求項4に記載のマリンホース用エアバッグ装置。
- 前記水圧センサが予め設定された水圧を検知した際に警告を発する警告器を備えた請求項4または5に記載のマリンホース用エアバッグ装置。
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