JP2014202077A - 排気ガス浄化装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、SCR触媒へのアンモニアの吸着を速やかにしつつ、NOxセンサ等の排気ガスセンサのヒーターの加熱による排気ガスセンサの活性化を行うことができる排気ガス浄化装置の制御装置を提供する。【解決手段】尿素水噴射量を一定量に制御する吸着制御中は、排気ガス流量が所定の下限値であるとの仮定のもと、一定量の尿素水噴射量に基づいて排気ガスに含まれる尿素水由来水蒸気濃度を算出する。この尿素水由来水蒸気濃度に基づいて、乾燥判定温度を算出し、排気通路温度が乾燥判定温度より高い場合、排気ガスセンサのヒーターに通電を行う。【選択図】図2

Description

この発明は、内燃機関に設けられる排気ガス浄化装置の制御装置に関し、より詳細には、SCR(Selective Catalytic Reduction)触媒と、尿素水噴射システムと、排気ガスセンサとを備えた排気ガス浄化装置の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1に開示されるように、SCR触媒及び尿素噴射システムを備えた排気ガス浄化装置が知られている。SCR触媒は、排気ガス中のNOxを選択的に浄化するために設けられている。SCR触媒において、上記の尿素噴射システムにより噴射された尿素水が加水分解されてアンモニアになる。排気ガス中のNOxは、アンモニアと化学反応を引き起こして水と窒素とに還元される。
上記の排気ガス浄化装置は、排気ガスのNOx濃度を検出するために、排気ガスセンサとしてNOxセンサを備えている。NOxセンサは、上記のSCR触媒の下流に設けられている。NOxセンサが検出したNOx濃度に基づいて、排気ガスのNOx濃度に応じた尿素水噴射量のフィードバック制御が行われている。NOxセンサは、センサの素子を加熱するために、ヒーターを備えている。このヒーターに通電することにより、NOxセンサを活性化させることができる。
上記のNOxセンサは、高温に加熱した素子に水が付着していると、熱衝撃による素子の破損(以下、素子割れという。)を引き起こすことが知られている。素子に付着する水として、上記のSCR触媒において噴射される尿素水が原因になることがある。特許文献1には、尿素水が原因の素子割れを防止するための技術が開示されている。特許文献1に記載の技術によれば、まず、空燃比に基づいて、排気ガスの水蒸気濃度が算出される。次に、算出された水蒸気濃度を尿素水噴射量に応じて補正する。そして、補正後の水蒸気濃度に基づいて、排気通路内に発生した水の量を推定し、この水がすべて気化したと判定してからNOxセンサのヒーターに通電を行う。
特開2010−174657号公報 特開2003−293736号公報 特開2007−113920号公報 特開2009−299631号公報
ところで、上記のSCR触媒が高温になるとアンモニアが脱離することが知られている。SCR触媒のアンモニアが脱離すると、NOxの浄化性能が低下してしまう。そこで、SCR触媒の温度が低下した後、尿素水を供給することにより再びアンモニアを吸着させることが望まれる。その場合、できるだけ速やかに所定量を吸着させるため、排気ガス流量によらず尿素水を一定量供給する制御(以下、吸着制御という。)を行うことが考えられる。しかしながら、上記の排気ガス浄化装置において吸着制御を行った場合、以下の様な問題が生じることがわかった。
まず、排気ガスのNOx濃度に応じた尿素水噴射量のフィードバック制御と吸着制御とのそれぞれが、排気ガスの水蒸気濃度に与える影響の違いについて説明する。図8は、尿素水噴射量と排気ガス流量との関係を表した図である。排気ガスのNOx濃度に応じた尿素水噴射量のフィードバック制御が行われる場合には、排気ガス流量が増えるほど尿素水噴射量が増加し、また、排気ガスのNOx濃度が高いほど尿素水噴射量が増加する。対して、吸着制御が行われる場合には、排気ガス流量及び排気ガスのNOx濃度によらず、一定量の尿素水が噴射される。
図9は、排気ガスの水蒸気濃度と排気ガス流量との関係を表した図である。排気ガスのNOx濃度に応じた尿素水噴射量のフィードバック制御が行われる場合には、水蒸気濃度はNOx濃度に応じた一定値になる。対して、吸着制御が行われる場合には、排気ガス流量が低いほど水蒸気濃度が高くなる。これは、排気ガス流量が低いほど排気通路内の排気ガスが流れにくくなり、吸着制御中における一定量の尿素水の噴射によって、排気通路内の排気ガスに含まれる尿素水由来の水蒸気濃度が高くなるからである。
このため、上記の排気ガス浄化装置では、水蒸気濃度に基づいてNOxセンサのヒーターへの通電を判断しているため、吸着制御中に吸気流量が低いときには、水蒸気濃度が高くなりヒーターに通電が行われなくなる。より詳しくは、水蒸気濃度が高くなるほど排気通路内に発生した水の量が高く推定されるため、この水が気化したと判定されるまでの時間が長くなり、ヒーターへの通電が遅れる。この結果、センサの素子の活性化が遅れることが懸念される。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、SCR触媒へのアンモニアの吸着を速やかにしつつ、NOxセンサ等の排気ガスセンサのヒーターの加熱による排気ガスセンサの活性化を行うことができる排気ガス浄化装置の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、排気ガス浄化装置の制御装置であって、
内燃機関の排気通路に設けられるSCR触媒と、
前記SCR触媒の上流に尿素水を噴射する尿素水噴射システムと、
前記SCR触媒の下流に設けられ、ヒーターを有する排気ガスセンサと、を備えた排気ガス浄化装置の制御装置において、
尿素水噴射量を一定量に制御する尿素水噴射量制御手段と、
排気ガス流量が所定の下限値であるとの仮定のもと、前記一定量の尿素水噴射量に基づいて、排気ガスに含まれる尿素水由来の水蒸気濃度である第1の尿素水由来水蒸気濃度を算出する第1の水蒸気濃度算出手段と、
前記第1の尿素水由来水蒸気濃度に基づいて、乾燥判定温度を算出する乾燥判定温度算出手段と、
前記排気ガスセンサを通過する排気ガスの温度を取得する温度取得手段と、
前記温度取得手段により検出される排気ガスの温度が前記乾燥判定温度より高い場合、前記排気ガスセンサのヒーターに通電を行う通電手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記SCR触媒に流入するNOxの推定流量に応じて、尿素水噴射量を補正する尿素水噴射量補正手段と、
実際の排気ガス流量と、実際の尿素水噴射量とから、第2の尿素水由来水蒸気濃度を算出する第2の水蒸気濃度算出手段と、を更に備え、
前記乾燥判定温度算出手段は、前記第2の尿素水由来水蒸気濃度が前記第1の尿素水由来水蒸気濃度よりも高い場合、前記第1の尿素水由来水蒸気濃度に代えて、前記第2の尿素水由来水蒸気濃度に基づいて、乾燥判定温度を算出することを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記乾燥判定温度算出手段は、
尿素水の噴射がない場合の排気ガスの露点を算出する手段と、
前記尿素水由来水蒸気濃度に応じた露点補正量を算出する手段と、
前記露点と前記露点補正量との合計値を乾燥判定温度として算出する手段と、
を含むことを特徴とする。
第1の発明によれば、排気通路内に結露水が発生しないことを判定してからヒーターに通電を行うことができる。このため、排気ガスセンサの素子割れを防止しつつ、センサの活性化を行うことができる。また、判定に用いる乾燥判定温度は、一定の値をとる第1の尿素水由来水蒸気濃度に基づいて算出される。このため、ヒーターのオンとオフが繰り返されてしまうことを防止できる。
第2の発明によれば、第1及び第2の尿素水由来水蒸気濃度のうち高い方を乾燥判定温度に反映できるため、素子割れのリスクをより低減することができる。
本発明の実施の形態1のシステムの構成を説明するための概略構成図である。 実施の形態1において、吸着制御が行われる際にECUで算出される各パラメータの時系列変化を表した図である。 実施の形態1において、ECUで実行される乾燥判定温度算出ルーチンのフローチャートである。 尿素水由来水蒸気濃度から露点補正量を算出するためのマップのイメージ図である。 実施の形態1において、ECUで実行されるヒーター通電判定ルーチンのフローチャートである。 実施の形態2において、吸着制御が行われる際のECUで算出される各値の時系列変化を表した図である。 実施の形態2において、ECUで実行される乾燥判定温度算出ルーチンのフローチャートである。 尿素水噴射量と排気ガス流量との関係を表した図である。 排気ガスの水蒸気濃度と排気ガス流量との関係を表した図である。
実施の形態1.
[実施の形態1のシステム構成]
図1は、本発明の実施の形態1のシステムの構成を説明するための概略構成図である。図1に示すシステムは、エンジン10を備える。エンジン10の気筒数や気筒配置は特に限定されるものではない。
エンジン10には、排気通路12が接続されている。排気通路12には、排気ガス浄化装置30が設けられている。排気ガス浄化装置30は、触媒、尿素噴射システム、そして各種センサによって構成されている。以下に、排気ガス浄化装置30の構成について詳述する。
排気ガス浄化装置30の触媒について説明する。エンジン10の排気通路12には、上流から順に、排気ガス中のHC、CO、そしてNOを酸化するCCO(catalytic converter oxidation)14と、排気ガス中の粒子状物質(particulate matter)を捕集して燃焼除去するDPR(Diesel Particulate Reduction)16と、排気ガス中のNOxを浄化するSCR触媒18とが直列に設けられている。
排気ガス浄化装置30の尿素噴射システムについて説明する。エンジン10の排気通路12において、DPR16とSCR触媒18の間に、NOx還元剤としての尿素を供給するための尿素噴射弁20が設けられている。尿素噴射弁20は、内部に尿素水を蓄える尿素タンク22と供給ポンプ(不図示)を介して接続されている。尿素タンク22内の尿素水は、供給ポンプを駆動することで、尿素噴射弁20からSCR触媒18に向かって噴射される。噴射された尿素水に含まれる尿素は、SCR触媒18内でアンモニアに加水分解される。このアンモニアが排気ガス中のNOxと反応し、水と窒素とが発生する。このようにして、SCR触媒18内でNOxを浄化することができる。
排気ガス浄化装置30の各種センサについて説明する。エンジン10の排気通路12において、SCR触媒18の下流に、温度センサ26とNOxセンサ24とが取り付けられている。温度センサ26は、NOxセンサ24を通過する排気ガスの温度である排気通路温度を検出するために設けられている。NOxセンサ24は、排気ガスのNOx濃度を検出するために設けられている。NOxセンサ24は、センサの素子を加熱するために、ヒーター28を内蔵している。
本実施形態のシステムの構成は、ECU(Engine Control Unit)50を備えている。ECU50の入力側には、NOxセンサ24と温度センサ26とが接続されている。加えて、ECU50の入力側には、エンジン10に設けられているセンサである、エアフローセンサ32とクランク角センサ34とが接続されている。エアフローセンサ32は、吸気流量に応じた信号を出力する。ECU50は、吸気流量に基づいて、排気ガス流量を算出する。クランク角センサ34は、エンジン回転数に応じた信号を出力する。ECU50の出力側には、尿素噴射弁20を含む各種アクチュエータが接続されている。ECU50は、尿素噴射弁20の開弁時期を調節して、尿素噴射量を制御している。加えて、ECU50の出力側には、エンジン10に設けられている燃料噴射弁(不図示)が接続されている。ECU50は、燃料噴射弁の開弁時期を調節して、燃料噴射量を制御している。
加えて、ECU50の出力側には、NOxセンサ24に内蔵されているヒーター28が電気的に接続されている。ECU50がヒーター28に通電することにより、ヒーター28が加熱される。加熱されたヒーター28は、NOxセンサ24の素子を温める。このようにして、ECU50は、NOxセンサ24を活性化させることができる。
上記のNOxセンサ24は、水が付着した状態でヒーター28を加熱すると、素子割れを引き起こすことがある。素子割れの原因となる水は、排気通路12内の排気ガスに含まれる水蒸気が結露することにより発生する。排気通路12内の排気ガスに含まれる水蒸気が結露する温度(以下、乾燥判定温度という。)は、排気通路12内の排気ガスの水蒸気濃度に応じて変化する。NOxセンサ24の加熱を行うには、素子割れを防止するために、排気通路温度が乾燥判定温度よりも高い温度になったこと、つまり、排気通路12内に結露水が生じないことを判定してからヒーター28に通電する必要がある。
また、尿素水噴射システムより噴射される尿素水は、排気通路12内の排気ガスの水蒸気濃度に影響を及ぼす。このため、乾燥判定温度を把握するために、尿素水噴射量を考慮しなければならない。特に、本実施形態の排気ガス浄化装置30では、尿素水を一定量噴射する吸着制御が行われる。吸着制御中は、排気ガス流量が排気通路12内の排気ガスの水蒸気濃度に大きな影響を与える。
そこで、本実施形態では、吸気流量と燃料噴射量とに基づいて空燃比を推定し、推定した空燃比に基づいて、尿素水の噴射がない場合の排気ガスに含まれる水蒸気が結露する温度である露点を算出する。また、露点とは別に、露点補正量を算出する。露点補正量とは、排気ガス中における尿素水由来水蒸気濃度に基づいて算出される値である。吸着制御が行われている場合は、排気ガス流量が一定のものであるとして、一定の尿素水由来水蒸気濃度を算出する。算出された一定の尿素水由来水蒸気濃度に基づいて、露点補正量を算出する。そして、露点補正量を用いて露点を補正する。これにより、吸着制御中に乾燥判定温度を安定させることができる。以下に、吸着制御中の露点補正量について、図2を用いて説明する。
図2は、実施の形態1において、吸着制御が行われる際にECU50で算出される各パラメータの時系列変化を表した図である。図2の(A)には、エンジン回転数と吸気流量とがそれぞれ変化する様子が示されている。吸気流量の変化は、排気ガス流量の変化とほぼ同じ時系列で考えることができる。
図2の(B)には、尿素水噴射量と、吸着制御要求フラグとがそれぞれ変化する様子が示されている。吸着制御要求フラグは、SCR触媒18が高温になりアンモニアが脱離した後、アンモニアが脱離しない温度になったときに吸着制御を行うためにオンになるフラグである。吸着制御要求フラグの変化をみると、200secの時点から吸着制御要求フラグがオンになっていることがわかる。これは、200secから吸着制御が始まることを意味している。尿素水噴射量は、吸着制御が始まるまで、排気ガス流量に応じて変化する。吸着制御が始まると、尿素水噴射量が一定に制御されている。
図2の(C)には、尿素水由来水蒸気濃度が変化する様子が示されている。尿素水由来水蒸気濃度は、ECU50が排気ガス流量及び尿素水噴射量などに基づいて算出する数値である。図2の(C)には、2種類の尿素水由来水蒸気濃度が示されている。このうち、Qで示される尿素水由来水蒸気濃度は、実際の排気ガス流量と実際の尿素水噴射量とから算出された数値である。このQの数値は、吸着制御が始まると、図2(A)のエンジン回転数及び吸気流量と反比例するように変動している。以下では、吸着制御中における尿素水由来水蒸気濃度の変動について詳述する。
吸着制御中に排気ガス流量が増加すれば、尿素水由来の水蒸気を含んだ排気ガスが流れやすくなり、尿素水由来水蒸気濃度は減少する。反対に、吸着制御中に排気ガス流量が低下すれば、尿素水由来の水蒸気を含んだ排気ガスが流れにくくなり、尿素水由来水蒸気濃度は増加する。このように、吸着制御中は尿素水噴射量が一定であるため、尿素水由来水蒸気濃度は、排気ガス流量に反比例する。このため、吸着制御中は、排気ガス流量に応じて、乾燥判定温度も大きく変動する。これは、尿素水由来水蒸気濃度に基づいて算出される露点補正量によって、乾燥判定温度が変動するからである。この結果、ヒーター28のオンとオフが短い周期で繰り返されてしまう恐れがある。
一方、図2の(C)にPで示される尿素水由来水蒸気濃度は、エンジン回転数及び吸気流量によらず、一定の数値である。これは、吸着制御中における一定量の尿素水噴射量と、排気ガス流量が所定の下限値であるとの仮定のもとで尿素水由来水蒸気濃度を算出したからである。このように、排気ガス流量が所定の下限値であると仮定することにより、尿素水由来水蒸気濃度が変動することを防止することができる。また、ここでいう所定の下限値とは、エンジン10において燃焼を行うことができる吸気流量の最小値に対応している。例えば、アイドリング時の吸気流量がこれにあたる。
図2の(D)には、露点補正量が変化する様子が示されている。図2の(D)に示すように、露点補正量は、吸着制御が始まってから、図2の(C)におけるPで示される尿素水由来水蒸気濃度に基づいて算出される。このため、吸着制御中は一定の露点補正量を算出することができる。
[実施の形態1における乾燥判定温度算出ルーチン]
図3は、実施の形態1において、ECU50で実行される乾燥判定温度算出ルーチンのフローチャートである。ECU50は、本ルーチンを記憶するためのメモリーを有している。ECU50は、記憶した本ルーチンを実行するためのプロセッサを有している。ECU50のこれらの構成は、図3以外で説明するルーチンにおいても同様である。
図3に示すルーチンでは、まず、露点Tbaseが算出される(S100)。
次に、吸着制御中か否かが判定される(S102)。吸着制御中ではないと判定された場合、実際の排気ガス流量Vが算出される(S106)。実際の排気ガス流量Vは、下記のようにGとTの2つのパラメータの関数で表すことができる。
V=f(G、T)・・・(1)
(1)式において、Gは、実際の排気ガス流量に対応する吸気流量のことである。Tは、温度センサ26が検出した排気ガスの温度である。
一方、S102において、吸着制御中であると判定された場合、下限排気ガス流量Vminが算出される(S104)。下限排気ガス流量Vminとは、排気ガス流量が所定の下限値であるとの仮定に基づいて算出されるものである。下限排気ガス流量Vminは、下記のようにGminとTの2つのパラメータの関数で表すことができる。
Vmin=f(Gmin、T)・・・(2)
(2)式において、Gminは、吸気流量の所定の下限値である。
S104またはS106が実行された後、尿素水由来水蒸気濃度Wが算出される(S108)。尿素水由来水蒸気濃度Wは、S104が実行された場合は、下記の(3)式のようにVmin、Qurea、α、β、γの5つのパラメータの関数で表すことができる。また、S106が実行された場合は、下記の(4)式のようにV、Qurea、α、β、γの5つのパラメータの関数で表すことができる。
W=f(Vmin、Qurea、α、β、γ)・・・(3)
W=f(V、Qurea、α、β、γ)・・・(4)
(3)及び(4)式において、Qureaは尿素水噴射量、αは尿素濃度、βは加水分解効率、γはNOx浄化率である。
次に、尿素水由来水蒸気濃度Wから露点補正量Tupが算出される(S110)。図4は、尿素水由来水蒸気濃度Wから露点補正量Tupを算出するためのマップのイメージ図である。露点補正量Tupは、あらかじめECU50のメモリーに記憶してあるこのマップにより算出される。
次に、乾燥判定温度Tdが算出される(S112)。乾燥判定温度Tdは、下記の式によって算出される。
Td=Tbase+Tup・・・(5)
その後、本ルーチンは終了する。
本ルーチンによれば、吸着制御中には、図2の(C)のQが示す実際の尿素水由来水蒸気濃度の変動にかかわらず、一定の露点補正量により露点が補正されるため、乾燥判定温度が安定する。このため、ヒーター28のオンとオフが短い周期で繰り返されてしまうことを予防できる。
なお、本明細書中において、下限排気ガス流量を用いて算出された尿素水由来水蒸気濃度は、第1の尿素水由来水蒸気濃度という。さらに、実際の排気ガス流量を用いて算出された尿素水由来水蒸気濃度は、第2の尿素水由来水蒸気濃度という。第1の尿素水由来水蒸気濃度は、図2の(C)におけるPが示す数値である。第2の尿素水由来水蒸気濃度は、図2の(C)におけるQが示す数値である。
[ヒーター通電判定ルーチン]
図5は、実施の形態1において、ECU50で実行されるヒーター通電判定ルーチンのフローチャートである。図5に示すルーチンでは、まず、排気通路温度Teが、図3のルーチンで算出された乾燥判定温度Tdよりも高いか否かが判定される(S200)。排気通路温度Teが乾燥判定温度Td以下であると判定された場合、本ルーチンは終了する。
一方、排気通路温度Teが乾燥判定温度Tdよりも高いと判定された場合、つまり、排気通路12内に結露水が生じないことを判定された場合、ECU50は、ヒーターに通電する(S202)。その後、本ルーチンは終了する。
本ルーチンによるヒーター28の通電に関する制御が行われることにより、排気通路12内に結露水が発生しないことを判定してからヒーター28に通電を行うことができる。このため、NOxセンサ24の素子割れを防止しつつ、センサの活性化を行うことができる。
なお、実施の形態1においては、NOxセンサ24が前記第1の発明による「排気ガスセンサ」に相当している。また、実施の形態1においては、ECU50が、S104及びS108を実行することにより前記第1の発明による「第1の水蒸気濃度算出手段」が、S112を実行することにより前記第1の発明による「乾燥判定温度算出手段」が、S200及びS202を実行することにより前記第1の発明による「通電手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
次に、図6及び図7を参照して、本発明の実施の形態2を説明する。図6及び図7では、実施の形態1と共通の構成に同一符号を付して説明を省略する。ここでは、実施の形態1との相違点を中心に説明を行う。
まず、実施の形態2は実施の形態1と比して、吸着制御の内容が相違している。実施の形態1の吸着制御では、一定の尿素水が噴射されていた。対して、実施の形態2の吸着制御では、一定の尿素水噴射量に加えて、NOxの推定流量に応じた尿素水噴射量が噴射される。以下、実施の形態2における吸着制御について図6を用いて詳述する。
図6は、実施の形態2において、吸着制御が行われる際のECU50で算出される各値の時系列変化を表した図である。図6の(B)のRが示すように、一定の尿素水噴射量に、図6の(A)のエンジン回転数及び吸気流量に応じた尿素水噴射量が加えられている。これは、SCR触媒18に流入する排気ガスに含まれるNOxの推定流量に応じた尿素水噴射量である。NOxの推定流量は、空燃比による推定NOx濃度と排気ガス流量とに基づいて算出される。このため、エンジン10が高負荷高回転になるにつれて、高いNOx推定流量が算出される。このように、実施の形態2では、一定の尿素水噴射量に、NOx推定流量に応じた尿素水噴射量が加えられる吸着制御が行われている。これにより、運転状態に応じた適切な尿素水噴射量を算出することができる。
次に、実施の形態2は実施の形態1と比して、吸着制御中の露点補正量の算出方法が相違している。実施の形態1の吸着制御中には、第1の尿素水由来水蒸気濃度に基づいて露点補正量が算出されていた。対して、実施の形態2の吸着制御中には、第1の尿素水由来水蒸気濃度と第2の尿素水由来水蒸気濃度との最大値に基づいて露点補正量が算出される。以下、実施の形態2における露点補正量について図6を用いて詳述する。
図6の(D)のSには、露点補正量が変動する様子が示されている。これは、図6の(C)のPで示される第1の尿素水由来水蒸気濃度よりも、Qで示される第2の尿素水由来水蒸気濃度の方が大きい数値を算出した場合には、第2の尿素水由来水蒸気濃度に基づいて露点補正量が算出されるからである。このように、実施の形態2では、第1の尿素水由来水蒸気濃度と第2の尿素水由来水蒸気濃度との最大値を用いて露点補正量を算出する。このため、第1の尿素水由来水蒸気濃度のみに基づいて露点補正量を算出する場合に比べて、素子割れのリスクをより低減することができる。
[実施の形態2における乾燥判定温度算出ルーチン]
図7は、実施の形態2において、ECU50で実行される乾燥判定温度算出ルーチンのフローチャートである。図7に示すルーチンでは、まず、露点Tbaseが算出される(S300)。
次に、実際の排気ガス流量Vが算出される(S302)。
次に、第2の尿素水由来水蒸気濃度Wが算出される(S304)。第2の尿素水由来水蒸気濃度Wは、下記のようにV、Qurea、α、β、γの5つのパラメータの関数で表すことができる。
=f(V、Qurea、α、β、γ)・・・(6)
(6)式において、Qureaは実際の尿素水噴射量、αは尿素濃度、βは加水分解効率、γはNOx浄化率である。
次に、吸着制御中であるか否かが判定される(S306)。吸着制御とは、図5の(B)の尿素水噴射量に示される尿素水の噴射制御のことである。吸着制御中ではないと判定された場合、後述するS314が実行される。
一方、S306において、吸着制御中であると判定された場合、下限排気ガス流量Vminが算出される(S308)。
次に、第1の尿素水由来水蒸気濃度Wが算出される(S310)。第1の尿素水由来水蒸気濃度Wは、下記のようにVmin、Qm、α、β、γの5つのパラメータの関数で表すことができる。
=f(Vmin、Qm、α、β、γ)・・・(7)
(7)式において、Qmは一定の尿素水噴射量、αは尿素濃度、βは加水分解効率、γはNOx浄化率である。ここでいうQmは、吸着制御における尿素水噴射量からNOx推定流量に応じた尿素水噴射量を除いた数値である。
次に、第1の尿素水由来水蒸気濃度Wまたは第2の尿素水由来水蒸気濃度Wから最大値が選択される(S312)。
次に、S312で選択された最大値から露点補正量Tupが算出される(S314)。露点補正量Tupは、あらかじめECU50のメモリーに記憶してある、図4に示すマップにより算出される。なお、S306からS314へ処理が進んだ場合には、第2の尿素水由来水蒸気濃度に基づいて露点補正量Tupが算出される。
次に、乾燥判定温度Tdが算出される(S316)。乾燥判定温度Tdは、下記の式により算出される。
Td=Tbase+Tup・・・(8)
その後、本ルーチンは終了する。
実施の形態2におけるヒーター通電判定ルーチンは、図5で説明したものと同様であるため、説明を省略する。
なお、実施の形態2においては、ECU50が、S304を実行することにより前記第2の発明による「第2の水蒸気濃度算出手段」が、S310を実行することにより前記第1の発明による「第1の水蒸気濃度算出手段」が、それぞれ実現されている。
また、本発明の実施の形態において、排気通路温度は温度センサ26によって検出されているが、これに限定されるものではない。例えば、空燃比、点火時期、またはエンジン水温などの運転条件から推定されるものでもよい。これにより、温度センサ26を取り付けなくてよくなるため、部品コストを低減することができる。
10 エンジン
12 排気通路
18 SCR触媒
20 尿素噴射弁
22 尿素タンク
24 NOxセンサ
26 温度センサ
28 ヒーター
30 排気ガス浄化装置
32 エアフローセンサ
34 クランク角センサ
50 ECU

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられるSCR触媒と、
    前記SCR触媒の上流に尿素水を噴射する尿素水噴射システムと、
    前記SCR触媒の下流に設けられ、ヒーターを有する排気ガスセンサと、を備えた排気ガス浄化装置の制御装置において、
    尿素水噴射量を一定量に制御する尿素水噴射量制御手段と、
    排気ガス流量が所定の下限値であるとの仮定のもと、前記一定量の尿素水噴射量に基づいて、排気ガスに含まれる尿素水由来の水蒸気濃度である第1の尿素水由来水蒸気濃度を算出する第1の水蒸気濃度算出手段と、
    前記第1の尿素水由来水蒸気濃度に基づいて、乾燥判定温度を算出する乾燥判定温度算出手段と、
    前記排気ガスセンサを通過する排気ガスの温度を取得する温度取得手段と、
    前記温度取得手段により検出される排気ガスの温度が前記乾燥判定温度より高い場合、前記排気ガスセンサのヒーターに通電を行う通電手段と、
    を備えることを特徴とする排気ガス浄化装置の制御装置。
  2. 前記SCR触媒に流入するNOxの推定流量に応じて、尿素水噴射量を補正する尿素水噴射量補正手段と、
    実際の排気ガス流量と、実際の尿素水噴射量とから、第2の尿素水由来水蒸気濃度を算出する第2の水蒸気濃度算出手段と、を更に備え、
    前記乾燥判定温度算出手段は、前記第2の尿素水由来水蒸気濃度が前記第1の尿素水由来水蒸気濃度よりも高い場合、前記第1の尿素水由来水蒸気濃度に代えて、前記第2の尿素水由来水蒸気濃度に基づいて、乾燥判定温度を算出することを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化装置の制御装置。
  3. 前記乾燥判定温度算出手段は、
    尿素水の噴射がない場合の排気ガスの露点を算出する手段と、
    前記尿素水由来水蒸気濃度に応じた露点補正量を算出する手段と、
    前記露点と前記露点補正量との合計値を乾燥判定温度として算出する手段と、
    を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の排気ガス浄化装置の制御装置。
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