JP2014202032A - 給水制御システムおよび給水制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】貯水槽への給水量のピークシフトを実現する。
【解決手段】給水制御システムは、配水本管から給水バルブを介して貯水槽に給水し、貯水槽に貯留された水を需要家へ供給するために、給水バルブを制御する。この給水制御システムは、需要家の水使用量を予測する水使用量予測部、予測された水使用量の低位期に貯水槽を満水状態にし、予測された水使用量の高位期に貯水槽が枯渇状態にならないように、給水バルブの給水速度を設定する給水速度設定部、及び、設定された給水速度に給水バルブを制御する給水バルブ制御部を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、マンション、ビル、工場などの、上水または中水の大口需要家が有する貯水槽への給水を制御する給水制御システムおよび給水制御方法に関する。
マンション、ビル、工場などの、水需要が大きな需要家への水供給を可能とするため、水道事業者から給水管を経由して供給される水を給水バルブで制御して受水槽にいったん貯留し、それを給水ポンプで加圧して各需要家に給水する、または給水ポンプで屋上の高置水槽に送水し、重力を利用して各需要家に給水することが一般に行われている。給水バルブを制御する技術として、例えば特許文献1が知られている。特許文献1では、受水槽内の水の残留塩素濃度を維持するため、需要家の水使用量を予測し、例えば12時間先までに使用される予測水使用量のみを貯留するように給水バルブ制御を行っている。これにより、需要家の水使用に対して必要十分な量の水が常に貯留され、水の供給が止まることなく行われるようになる
特開平8−120712号公報
水道事業は、配水設備の投資コスト削減および電力需要ピークシフトに寄与する水需要ピークシフトが求められている。水道事業者からの直結給水が行われている一戸建て住宅やビル等では、需要家の水使用量がそのまま水需要量となるため、水需要ピークシフトを実現するには、需要家に水使用のタイミング・量などを変更してもらう必要があるが、貯水槽を備えたビル、マンション、工場等では、需要家が使用する水をいったん貯水槽に貯留するため、貯水槽を緩衝領域として活用することで、需要家の水使用に影響を与えることなく水需要量(この場合、貯水槽への給水量が水道事業者から見た水需要量となる)をピークシフトできる可能性がある。
特許文献1では、マンション、ビルなどの建物内の水使用量予測を行い、近い将来使用される予定の水量を事前に貯留するように受水槽への給水を行っているため、結果としてある程度の水需要ピークシフトが行われるようになる。しかしながら特許文献1では、需要家の予測水使用量をそのまま時間シフトして受水槽に事前給水しているわけではなく、需要家の水使用に合わせて減少した水量を補うように受水槽への給水を行っているため、例えば昼間は需要家の水使用量が多いためその補給量(給水量)も多くなり、夜間は需要家の水使用量が少ないためその補給量(給水量)も少なくなり、水需要(受水槽への給水量)のピークシフトが不十分であった。
開示する給水制御システムは、配水本管から給水バルブを介して貯水槽に給水し、貯水槽に貯留された水を需要家へ供給するために、給水バルブを制御する。この給水制御システムは、需要家の水使用量を予測する水使用量予測部、予測された水使用量の低位期に貯水槽を満水状態にし、予測された水使用量の高位期に貯水槽が枯渇状態にならないように、給水バルブの給水速度を設定する給水速度設定部、及び、設定された給水速度に給水バルブを制御する給水バルブ制御部を備える。
本発明によれば、マンション、ビル、工場などの貯水槽への給水量のピークシフトが可能となる。
実施例1の給水制御システムの概略図である。 実施例1の給水制御システムによる給水制御結果を示す図である。 実施例1の給水バルブの給水速度を設定する処理を示すフローチャートである。 実施例1の給水バルブの開閉を制御する処理を示すフローチャートである。 実施例2の給水制御システムの概略図である。 実施例2の給水制御システムによる給水制御結果を示す図である。 実施例2の給水バルブの給水速度パターンを設定する処理を示すフローチャートである。 実施例2の給水バルブの1日の給水速度パターンの一例である。 実施例2の給水バルブの開閉を制御する処理を示すフローチャートである。 実施例3の給水制御システムの概略図である。 実施例3の給水制御システムの非ピークシフト制御モードによる給水制御結果を示す図である。
本実施形態の給水制御システムは、配水本管から給水バルブを介して貯水槽に給水し、貯水槽に貯留された水を需要家へ供給するために、給水バルブを制御する。この給水制御システムは、需要家の水使用量を予測する水使用量予測部、予測された水使用量の低位期に貯水槽を満水状態にし、予測された水使用量の高位期に貯水槽が枯渇状態にならないように、給水バルブの給水速度を設定する給水速度設定部、及び、設定された給水速度に給水バルブを制御する給水バルブ制御部を備える。
実施例1は、予測された水使用量に基づいて設定された所定の給水速度の給水バルブを制御し、予測された水使用量の高位期(ピーク時間帯)から低位期(オフピーク時間帯)に貯水槽への給水量をシフトする給水制御システムである。実施例2は、予測された水使用量及び電力需要量に基づいて設定された給水速度パターン(実施例1の給水速度が時間的に変化するパターン)に対応して給水バルブの給水速度を設定し、設定された給水速度の給水バルブを制御し、電力需要量が多い時間帯から他の時間帯に貯水槽への給水量をシフトする給水制御システムである。実施例3は、指定された期間、実施例2の制御モードで給水バルブを制御する給水制御システムである。
図1に、本実施例の給水制御システム100の概略図を、給水されるビル130を含めて示す。ビル130付近には受水槽120が設置されており、水道事業者から供給される水は給水管124を経由して受水槽120にいったん貯留され、給水管125を介してビル130内の各需要家131に供給される。水道事業者の配水本管から受水槽120に至る給水管124には、給水速度が所定の給水速度に固定の給水バルブ121が設置されており、給水バルブ制御装置101からの制御信号により給水バルブ121が開閉され、受水槽120への給水を、所定の給水速度で、開始(ON)、停止(OFF)するようになっている。給水バルブ121の所定の給水速度は手動で設定され、給水バルブ制御装置101からは給水バルブ121の開閉が制御できる。
受水槽120から需要家131に至る給水管125には、給水ポンプ122が設置されており、受水槽120の水を加圧して需要家131に給水している。また給水ポンプ122から需要家131に至る給水管125には、流量計123が設置されており、ビル130内の需要家131の水使用量(全需要家131のトータル水使用量)を計測し、給水バルブ制御装置101に計測結果を出力している。
受水槽120には、受水槽水位が水位128以上であるかどうかを検出する水位計126と、受水槽水位が水位129以上であるかどうかを検出する水位計127が設置されている。水位128は受水槽120が満タン状態の水位レベルに設定され、水位129は水位128より少し低い近傍、例えば受水槽120の有効容量の90%(後述の例では90%とする。)の水位に設定されている。各水位計126、127は、所定周期ごとに受水槽120の水位を検出しているかどうかを、給水バルブ制御装置101に出力している。
給水バルブ制御装置101は、CPU、制御プログラムなどを格納するROM、各種計測情報や制御に必要な情報を格納するRAM、タイマ、バス、入力装置、表示装置など(図示せず)からなるコンピュータ装置であり、これらを利用して後述の処理を実行する。
給水バルブ制御装置101は、水使用量計測部102、水使用量予測部103、給水速度決定部104、給水バルブ制御部105、水使用量管理テーブル106、制御パラメータ管理テーブル107などを備えており、以下の(1)〜(4)の処理を実行することにより、受水槽120への給水量のピークシフトを実現する。
(1)需要家の水使用量の計測
(2)需要家の水使用量の予測
(3)給水バルブの給水速度の設定
(4)給水バルブの制御
以下、処理(1)〜(4)について、図2から図4を用いて説明する。
給水バルブ制御装置101が需要家の水使用量を計測する処理(1)について説明する。給水バルブ制御装置101の水使用量計測部102は、所定周期ごと(例えば1時間ごと)に流量計123から需要家131の水使用量計測値を収集し、収集した計測値をその計測時刻とともに水使用量管理テーブル106に格納する。このようにして、給水バルブ制御装置101の水使用量計測部102は、需要家の水使用量の計測処理を実行する。
給水バルブ制御装置101が需要家の水使用量を予測する処理(2)について説明する。給水バルブ制御装置101の水使用量予測部103は、水使用量管理テーブル106より、過去の1年間(季節に対応した3ヶ月間などでも良い)で需要家131の水使用量が最大であった日の毎時の水使用量データを取得し、これをそのまま水使用量予測値として設定することで、需要家131の水使用量を予測する。
図2(1)のグラフ201に、需要家131の毎時ごとの水使用量の一例を示す。一般に、マンションなど人が居住する建物では、夜間の水使用量は少なく、朝と夕方に水使用量がピークを迎える水使用量パターンとなる。そこで、夜間を水使用量の低位期、朝から夕方の昼間を水使用量の高位期と呼ぶ。一般に、高位期の間に水使用量のピークが複数存在する。ここで、各時刻t(t=1、2、…、24)における、時刻tから1時間あたりの水使用量予測値をQ(t)(m)で表す。このようにして、給水バルブ制御装置101の水使用量予測部103によって、需要家の水使用量の予測処理が実行される。以下では、説明を分り易くするために、各時刻を正時とし、時間刻み(Δt)を1時間として説明するが、各時刻は正時でなくてもよいし、時間刻みも1時間でなくてもよい。
給水バルブ制御装置101における給水制御部を、給水速度設定部104と給水バルブ制御部105に分けて説明する。
給水バルブ制御装置101が給水バルブの給水速度を設定する処理(3)について、図3を用いて説明する。図3は、給水速度設定部104が、給水バルブ121の給水速度を設定する処理を示すフローチャートである。給水バルブ制御装置101の給水速度設定部104は、受水槽120の貯水量が枯渇することのないように、かつ給水速度が最も小さくなるように給水バルブ121の給水速度を設定する。
給水速度設定部104は、水使用量予測値Q(t)の24時間分の総和をとり、これに安全係数k(kは1以上で1の近傍の定数、例えば1.1)を掛けて1日あたりの最大水使用量(日最大水使用量)Qmaxを算出する(S301)。
給水速度設定部104は、給水バルブ121の給水速度V(m/h)の初期値として、日最大水使用量Qmaxを24で割った値(最大水使用日の1時間あたり平均水使用量)を設定する(S302)。
給水速度設定部104は、設定した給水速度により給水し、予測値Q(t)の水が使用されたと仮定したときの受水槽120内の貯水量S(t)を予測する(S303)。後述するように、給水制御システム100は、受水槽水位が水位129以下になると給水バルブ121を開いて受水槽120へ給水するように制御するため、水使用量予測値Q(t)が少ない状態が続いて(水使用量の低位期)、朝のピークを迎える直前の時点(図2の例では朝6時、t=6)では、受水槽水位は少なくとも水位129以上の位置にある。すなわちt=6の時点で、受水槽120の貯水量S(6)は少なくとも有効容量90%以上の水を貯留している(この状態を満水状態と呼ぶ。)。このとき受水槽120における水収支式は次のとおりである。
S(t+1)=S(t)+V×Δt−Q(t)
ここで、Δt:時間刻み(1時間)、
Q(t):t〜t+1の時間Δtあたりの水使用量予測値
受水槽120における水収支式を、時刻毎に計算し、その最小値を求めることで、受水槽120が貯水していると予測される貯水量の最小値S(t)が得られる。
給水速度設定部104は、t=6を初期値とし、このときの貯水量S(6)は受水槽120の有効容量×90%とし、上記水収支式に基づき、24時間先(t=29)までの貯水量S(t)を予測計算する。ここでt>24のときのQ(t)は、t=6が初期値であるので、Q(t−24)で代用する。たとえば、t=28は、t=4とする。24時間先までの貯水量S(t)を予測計算は、少なくとも水使用量予測値Q(t)の24時間分の総和に相当する量を受水槽120に給水することを意味している。安全係数kを掛けた場合は、1日あたりの最大水使用量Qmaxに相当する給水量となる。
給水速度設定部104は、t=6、…、29の各時刻tにおいて、貯水量S(t)>0であるかを判定する(S304)。貯水量S(t)は、受水槽120が貯水していると予測される貯水量の最小値を示すので、各時刻tにおいて貯水量S(t)>0であれば、受水槽120の貯水量が枯渇する可能性はなく、貯水量S(t)≦0となる時刻tが存在すれば、受水槽120の貯水量が枯渇する可能性があることを意味する。前者の場合、S306に進み、後者の場合、S305に進む。受水槽120の貯水量が枯渇した状態を枯渇状態と呼ぶ。
受水槽120の貯水量が枯渇する可能性がある場合、給水速度設定部104は、設定した給水バルブ121の給水速度Vを所定量ΔV(例えばΔV=1m/h)増加させ、それを給水バルブ121の給水速度Vとして(S305)、ステップS303に戻る。
給水速度設定部104は、設定した給水速度Vを給水バルブ121の給水速度として決定し、決定した給水速度を給水バルブ制御装置101の表示装置(図示せず)に表示する(S306)。給水制御システム100の管理者は、表示装置に表示された給水バルブ121の給水速度Vを確認し、決定された給水速度となるように給水バルブ121の給水速度を調節する。この給水速度Vが、前述の手動で設定する給水バルブ121の所定の給水速度である。
以上のS301〜S306により、受水槽120の貯水量が枯渇することのないように、かつ所定の給水速度が最も小さくなるように給水バルブ121の給水速度を設定できる(後述するように、給水速度を小さくすることにより常に受水槽120に給水が行われている状態となり、受水槽への給水量のピークシフトが実現できる)。
ここで実施例1では、S301〜S306のように、毎時毎の貯水量予測計算とその評価に基づいて給水バルブ121の給水速度を設定するが、安全係数kを比較的大きな値(例えば1.5)に設定し、S301およびS302によって設定される給水速度Vの初期値を給水バルブ121の給水速度としてもよい。この場合、給水速度を最小化できない可能性はあるが、安全係数kを大きくとっているため現実的には受水槽120の貯水量が枯渇する可能性は低くなる。このようにすることで、需要家131の水使用量予測が不要となり、すなわち、本実施例の給水制御システム100において、流量計123、水使用量計測部102、及び水使用量予測部103が不要となり、安価に給水制御システムを実現できる。給水制御システム100において、1日の最大水使用量Qmaxの算出は必要であるが、これは、例えばビル130における過去の水道検針データ(水使用量データ)に基づいて算出すればよい。2ヶ月ごと検針であれば、過去1年間の検針データより6個の2ヶ月ごとの検針データが得られるので、その中で最大の水使用量を供給日数(例えば61日)で割って1日の最大水使用量Qmaxを算出すればよい。このようにして、給水バルブ制御装置101の給水速度設定部104によって、給水バルブの給水速度の設定処理が実行される。
前述の処理(2)および(3)はセットで実行するが、頻繁に実行する必要はなく、例えば年に1回程度、または需要家131の入退出が発生して、ビル130内の水使用量が大きく変化したときなどに実行すればよい。
給水バルブ制御装置101における、給水バルブ121を制御する処理(4)について、図4を用いて説明する。図4は、給水バルブ制御部105が、給水バルブ121の開閉を制御する処理を示すフローチャートであり、所定の周期、例えば5分ごとに実行される。ここで、制御パラメータ管理テーブル107には、給水バルブ121の制御パラメータとして、給水停止水位および給水開始水位が格納されており、給水停止水位には水位128が、給水開始水位には水位129が設定されている。
給水バルブ制御装置101の給水バルブ制御部105は、制御パラメータ管理テーブル107より給水停止水位および給水開始水位を取得し、受水槽120の水位が給水停止水位(水位128)以上であるか(水位計126が水位を検出しているか)を判定する(S401)。給水停止水位以上の場合はS402に進み、そうでない場合はS403に進む。
給水停止水位以上の場合、給水バルブ制御部105は、給水バルブ121に対して受水槽120への給水を停止するよう制御信号を出力して、処理を終了する(S402)。給水バルブ121は、給水停止の制御信号に応答して停止(OFF)状態となり、受水槽120への給水を停止する。
給水停止水位(水位128)未満の場合、給水バルブ制御部105は、受水槽120の水位が給水開始水位(水位129)以下であるか(水位計127が水位を検出していない)を判定する(S403)。給水開始水位以下の場合はS404に進み、そうでない場合は処理を終了する。
給水バルブ制御部105は、給水バルブ121に対して受水槽120への給水を開始するよう制御信号を出力して(S404)、処理を終了する。給水バルブ121は、給水開始の制御信号に応答して開始(ON)状態となり、受水槽120への給水を開始する。このようにして、給水バルブ制御装置101の給水バルブ制御部105によって、給水バルブの制御処理が実行される。
図2は、本実施例による給水制御結果を示す図である。(1)のグラフ201は需要家131の水使用量を示し、(2)のグラフ202は受水槽120の水位を示し、(3)のグラフ203は給水バルブ121の開閉状態を示し、(4)のグラフ204は受水槽120への給水量を示している。(2)の水位128が給水停止水位、水位129が給水開始水位である。夜間の水使用の少ない間に受水槽120へ給水され、朝の水使用量ピークの直前(6時)には受水槽120に十分な水量(水位129以上の水量)が貯留され、貯留された水は昼間の需要家131の水使用によって消費されている(受水槽120の水位が低下している)。給水バルブ121の所定の給水速度を1日の最大水使用量をまかなえるだけの最小に設定しているため、グラフ204で示すように、1日を通じてほぼ一定の給水が行われ、水使用ピーク時(昼間)からオフピーク時(夜間)への給水量のピークシフトが実現できている。また受水槽120の貯水量が枯渇しない程度に給水バルブ121の所定の給水速度を最小に設定しているため、需要家131の水使用に悪影響(給水が停止する等)を与えることなく需要家への水供給が可能となっている。
以上述べたように、本実施例によれば、1日を通じてほぼ一定の最小量の給水を行うように給水バルブの給水速度を設定しているため、水使用料が多いと予測される時間帯から他の時間帯への、受水槽への給水量のピークシフトが可能となる。なお、本実施例では、給水管125を介して受水槽120の水を需要家131に直接給水するようにしているが、ビル130の屋上に高置水槽を設置し、受水槽120の水をいったん高置水槽まで揚水して貯留し、高置水槽から重力を利用して需要家131に給水してもよい。このとき高置水槽の水位を一定に保つように給水ポンプ122を制御すれば、受水槽120から高置水槽に送られる給水流量と需要家131の水使用量とは等しくなり、高置水槽を介した場合であっても、流量計123によって需要家131の水使用量の計測が可能となり、前述の給水量ピークシフトが実現できる。
図5に、本実施例の給水制御システム500の概略図を、給水されるビル130を含めて示す。実施例1との構成の差違は、給水速度固定の給水バルブ121に代わって給水速度可変の給水バルブ510が用いられている点、給水バルブ制御装置101とは異なる処理を実行する給水バルブ制御装置501が用いられている点である。
給水バルブ制御装置501は、水使用量計測部502、水使用量予測部503、給水速度パターン設定部504、給水バルブ制御部505、水使用量管理テーブル506、制御パラメータ管理テーブル507などを備えており、以下の(1)〜(4)の処理を実行することにより、受水槽120への給水量のピークシフトを実現する。
(1)需要家の水使用量の計測
(2)需要家の水使用量の予測
(3)給水バルブの給水速度パターンの設定
(4)給水バルブの制御
以下、処理(1)〜(4)について、図6から図9を用いて説明する。
給水バルブ制御装置501が需要家の水使用量を計測する処理(1)について説明する。給水バルブ制御装置501の水使用量計測部502は、所定周期ごと(例えば1時間ごと)に流量計123から需要家131の水使用量計測値を収集し、収集した計測値をその計測時刻とともに水使用量管理テーブル506に格納する。水使用量計測部502は、過去数年間の月ごと、さらに曜日ごとの水使用量計測値の平均をとって月・曜日別の12×7の水使用量平均値を算出し、水使用量管理テーブル506に格納する。このようにして、給水バルブ制御装置501の水使用量計測部502は、需要家の水使用量の計測処理を実行する。
給水バルブ制御装置501における、需要家の水使用量の予測を行う処理(2)について説明する。給水バルブ制御装置501の水使用量予測部503は、所定周期ごと(例えば毎日0時)に、水使用量管理テーブル506より当日と同じ月・曜日の水使用量平均値データを取得し、これをそのまま水使用量予測値として設定することで、当日の需要家131の水使用量を予測する。図6のグラフ601に、需要家131の毎時ごとの水使用量の一例を示す。ここで、各時刻t(t=1、2、…、24)における、時刻tから1時間あたりの水使用量予測値をQ(t)(m)で表す。このようにして、給水バルブ制御装置501の水使用量予測部503によって、需要家の水使用量の予測処理が実行される。
実施例1と同様に、以下では、説明を分り易くするために、各時刻を正時とし、時間刻み(Δt)を1時間として説明するが、各時刻は正時でなくてもよいし、時間刻みも1時間でなくてもよい。
給水バルブ制御装置501における給水制御部を、給水速度パターン設定部504と給水バルブ制御部505に分けて説明する。
給水バルブ制御装置501が給水バルブの給水速度パターンの設定する処理(3)について、図7を用いて説明する。図7は、給水速度パターン設定部504が、給水バルブ510の給水速度パターンを設定する処理を示すフローチャートである。
給水バルブ制御装置501の給水速度パターン設定部504は、電力需要量の変動を反映した時間帯別電力料金プランの時間区分に対応させて、1日を3つの時間帯、例えば夜間(23時〜7時)、昼間(7時〜13時、16時〜23時)、電力ピーク時(13時〜16時)に区分し、受水槽120の貯水量が枯渇することのないように、かつ夜間の給水速度が最も大きくなり、昼間、電力ピーク時の給水速度が夜間より小さくなるように、給水バルブ510の当日の給水速度パターンを設定する。この処理(3)は前述の水使用量の予測処理(2)を実行した後に、処理(2)の実行に連動して実行する。
図8のグラフ801に、給水バルブ510の1日の給水速度パターンの一例を示す。ここで、給水バルブ510の最大給水速度Vmax、最小給水速度Vmin(=0)とし、夜間の給水速度Vnight、昼間の給水速度Vday、電力ピーク時の給水速度Vpeakで表す。
給水速度パターン設定部504は、夜間給水速度Vnightの初期値としてVmaxを設定し、電力ピーク時給水速度Vpeakの初期値としてVminを設定する(S701)。給水速度パターン設定部504は、昼間給水速度Vdayの初期値として現在のVpeakを設定する(S702)。
給水速度パターン設定部504は、設定した給水速度により給水し、予測値Q(t)の水が使用されたと仮定したときの受水槽120の貯水量S(t)を予測する(S703)。後述するように、給水制御システム500は、受水槽水位が水位129以下になると給水バルブ510を開き受水槽120へ給水するように制御するため、水使用量予測値Q(t)が少ない状態が続いて(水使用量の低位期)、朝の水使用のピークを迎える直前の時点(図6の例では朝6時、t=6)では、受水槽水位は少なくとも水位129以上の位置にある。すなわちt=6の時点で、受水槽120の貯水量S(6)は少なくとも有効容量90%以上の水を貯留している(この状態を満水状態と呼ぶ。)。このとき受水槽120における水収支式は次のとおりである。
S(t+1)=S(t)+Vk×Δt−Q(t)
ここで、Δt:時間刻み(1時間)、
Vk=Vnight(夜間)、Vk=Vday(昼間)、
Vk=Vpeak(電力ピーク時)
受水槽120における水収支式を時刻毎に計算し、その最小値を求めることで、受水槽120が貯水していると予測される貯水量の最小値S(t)が得られる。
給水速度パターン設定部504は、t=6を初期値とし、このときの貯水量S(6)は受水槽120の有効容量×90%とし、上記水収支式に基づき、24時間先(t=29)までの貯水量S(t)を予測計算する。ここでt>24のときのQ(t)は、t=6が初期値であるので、Q(t−24)で代用する。
給水速度パターン設定部504は、t=6、…、29の各時刻tにおいて、貯水量S(t)>0であるかを判定する(S704)。貯水量S(t)は、受水槽120が貯水していると予測される貯水量の最小値を示すので、各時刻tにおいて貯水量S(t)>0であれば、受水槽120の貯水量が枯渇する可能性はなく、貯水量S(t)≦0となる時刻tが存在すれば、受水槽120の貯水量が枯渇する可能性があることを意味する。前者の場合、S710に進み、後者の場合、S705に進む。
給水速度パターン設定部504は、昼間給水速度Vdayを所定量ΔV(例えばΔV=1m/h)増加させ(S705)、S706に進む。給水速度パターン設定部504は、昼間給水速度Vday≦最大給水速度Vmaxであるかを判定する(S706)。Vday≦VmaxのときS703に進み、そうでないとき、昼間給水速度Vdayを所定量ΔV(例えばΔV=1m/h)減少させて(S705で増加させる前の昼間給水速度Vdayにして)、S707に進む。
給水速度パターン設定部504は、電力ピーク時給水速度Vpeakを所定量ΔV(例えばΔV=1m/h)増加させ(S707)、ステップS708に進む。給水速度パターン設定部504は、電力ピーク時給水速度Vpeak≦最大速度Vmaxであるかを判定する(S708)。Vpeak≦VmaxのときS702に進み、そうでないときS709に進む。
S709に至る場合、全ての時間帯において、給水バルブ510の給水速度を最大速度Vmax又はその近傍に設定しても受水槽120の貯水量が枯渇する可能性があることを意味する。この状態は、給水バルブ制御装置501において例外事象であり、この場合は、給水バルブ510をより高い給水能力の給水バルブに交換し(S709)、改めてS701からの処理を実行し、新たな給水バルブ510の当日の給水速度パターンを設定する。
給水速度パターン設定部504は、算出された最新の各時間帯の給水速度Vnight、Vday、Vpeakを給水バルブ510の当日の給水速度パターンとして決定し、図8のグラフ801に示すように、決定された給水速度パターンを給水バルブ制御装置501の表示装置(図示せず)に表示する(S710)。決定された給水速度パターンは、電力需要量の変動及び水需要量の変動を反映したものになり、電力需要量の電力ピーク時または水使用量のピーク時に最小の給水速度になっている。給水制御システム500の管理者は、表示装置に表示された給水バルブ510の給水速度パターンを確認し、給水バルブ制御装置501の入力装置(図示せず)より、必要に応じて表示された給水速度パターンを修正し、給水速度パターンに対して確認入力する。給水速度パターン設定部504は、管理者からの確認入力に応答して、必要に応じて修正、さらに確認された給水速度パターンを制御パラメータ管理テーブル507に格納する。
以上のS701〜S710により、受水槽120の貯水量が枯渇することのないように、かつ夜間の給水速度が最も大きくなり、昼間、電力ピーク時の給水速度が夜間より小さくなるように給水バルブ510の給水速度パターンを設定できる(後述するように、夜間の給水速度を大きく、昼間および電力ピーク時の給水速度を小さくすることにより夜間の給水量増加が促進され、受水槽への給水量のピークシフトが実現できる)。このようにして、給水バルブ制御装置501の給水速度パターン設定部504によって、給水バルブの給水速度パターンの設定処理が実行される。
給水バルブ制御装置501における、給水バルブ510を制御する処理(4)について、図9を用いて説明する。図9は、給水バルブ制御部505が、給水バルブ510の開閉および給水速度を制御する処理を示すフローチャートであり、所定の周期、例えば5分ごとに実行される。ここで、制御パラメータ管理テーブル507には、給水バルブ510の制御パラメータとして、給水停止水位、給水開始水位、および給水速度パターンが格納されており、給水停止水位には水位128が、給水開始水位には水位129が、給水速度パターンには給水速度パターンの設定処理(3)で決定された給水速度パターンが設定されている。
給水バルブ制御装置101の給水バルブ制御部505は、制御パラメータ管理テーブル107より給水停止水位、給水開始水位および給水速度パターンを取得し、受水槽120の水位が給水停止水位(水位128)以上であるかを判定する(S901)。給水停止水位以上の場合はS902に進み、そうでない場合はステップS903に進む。
給水停止水位以上の場合、給水バルブ制御部505は、給水バルブ510に対して受水槽120への給水を停止するよう制御信号を出力して(S902)、処理を終了する。給水バルブ510は、給水停止の制御信号に応答して停止(OFF)状態となり、受水槽120への給水を停止する。
給水停止水位未満の場合、給水バルブ制御部505は、受水槽120の水位が給水開始水位(水位129)以下であるかを判定する(S903)。給水開始水位以下の場合はS904に進み、そうでない場合はS905に進む。
給水開始水位以下の場合は、給水バルブ制御部505は、設定された給水速度パターンに基づいて現時刻の給水速度(目標給水速度:Vnight、Vday、Vpeakのいずれか一つ)を求め、給水バルブ510に対して目標給水速度で受水槽120への給水を開始するよう制御信号を出力して(S904)、処理を終了する。給水バルブ510は、目標給水速度と給水開始の制御信号に応答して、目標給水速度となるようバルブ開度を調整して、受水槽120への給水を開始する。
給水開始水位を超えている場合は、給水バルブ制御部505は、取得した給水速度パターンから現時刻の給水速度(目標給水速度:Vnight、Vday、Vpeakのいずれか一つ)を求める。そして給水バルブ制御部505は、給水バルブ510から給水状況(給水の有(バルブ510開)又は無(バルブ510閉))および現在の給水速度を取得し、給水中であり、かつその給水速度は目標給水速度と異なるかを判定する(S905)。目標給水速度と異なる給水速度で給水中の場合はS906に進み、給水中でない、または目標給水速度で給水中の場合は、処理を終了する。
給水バルブ制御部505は、給水バルブ510に対して、S905で求めた目標給水速度で受水槽120への給水するように制御信号を出力して(S906)、処理を終了する。給水バルブ510は、目標給水速度の制御信号に応答して、目標給水速度となるようバルブ開度を調整し、受水槽120への給水を継続する。このようにして、給水バルブ制御装置501の給水バルブ制御部505によって、給水バルブの制御処理が実行される。
図6は、本実施例による給水制御結果を示す図である。(1)のグラフ601は需要家131の水使用量を示し、(2)のグラフ602は受水槽120の水位を示し、(3)のグラフ603は給水バルブ510の開閉状態を示し、(4)のグラフ604は受水槽120への給水量を示している。(2)の水位128が給水停止水位、水位129が給水開始水位である。夜間の水使用の少ない間に受水槽120へ給水され、朝の水使用量のピークの直前(6時)には受水槽120に十分な水量(水位129以上の水量)が貯留され、貯留された水は昼間の需要家131の水使用によって消費されている(受水槽120の水位が低下している)。夜間の給水速度を大きく、昼間、ピーク時の給水速度を小さくするように給水バルブ510の給水速度を設定しているため、図6(4)に示すように、水使用のピーク時(昼間)からオフピーク時(夜間)への給水量のピークシフトが実現できている。また受水槽120の貯水量が枯渇しない程度に給水バルブ510の給水速度を設定しているため、需要家131の水使用に悪影響(給水がストップする等)を与えることなく需要家への水供給が可能となっている。
以上述べたように、本実施例によれば、夜間の給水速度を大きく、昼間および電力ピーク時の給水速度を小さくするように給水バルブの給水速度を設定しているため、水使用量が多いと予測される時間帯(昼間および電力ピーク時)から他の時間帯(夜間)への、受水槽への給水量のピークシフトが可能となる。なお、本実施例では、時間帯別電力料金プランの時間区分に合わせて1日を夜間、昼間、電力ピーク時の3つの時間帯に区分し、各時間帯の給水速度パターンを設定するようにしているが、特に電力料金プランに関係なく1日を区分する時間帯を設定してもよい。例えば、1日を水使用量の多い時間帯(図6のグラフ601の例では、7時〜12時、16時〜20時)と水使用量の少ない時間帯(同12時〜16時、20時〜7時)の2つの時間帯に区分し、水使用量の多い時間帯の給水速度を大きく、水使用量の少ない時間帯の給水速度を小さく設定してもよい。
本実施例を実施例1と対比すると、次のようになる。実施例1は、本実施例における給
水速度パターンを、時間帯と無関係に一定とした例である。そして実施例1も実施例2も、給水バルブを制御して、水使用量の低位期に受水槽を満水状態にし、満水状態にある受水槽の水を水使用量の高位期に、需要家へ供給する。すなわち、満水状態にある受水槽の水を、需要家への供給のバッファとして利用している。
図10に、本実施例の給水制御システム10の概略図を、給水されるビル130を含めて示す。実施例2との構成の差違は、受水槽120に新たに水位計13が設置されている点、給水バルブ制御装置501とは異なる処理を実行する制御モード切換部12を含む給水バルブ制御装置11が用いられている点、給水バルブ制御装置11に給水量ピークシフトを要請する他システム21が存在する点である。
給水バルブ制御装置11は、受水槽120への給水量をピークシフトする給水バルブ制御モード(ピークシフト制御モード)とピークシフトしない給水バルブ制御モード(非ピークシフト制御モード)の2つの制御モードを有する。一般に給水量のピークシフトは、受水槽内の水の滞留時間の長時間化すなわち残留塩素濃度の低下につながる可能性があることから、給水バルブ制御装置11は、通常時はピークシフトを行わない非ピークシフト制御モードにより給水バルブ510を制御する。
他システム21は、例えば水道事業者や電力事業者のシステムであり、電力需給逼迫時に、水需要ピークシフトによる電力需要ピークシフトを実現するため、給水バルブ制御装置11に対して受水槽への給水量のピークシフトを要求する。給水バルブ制御装置11は、他システム21からの要求に応答して、給水バルブ510の制御モードを非ピークシフト制御モードからピークシフト制御モードに切り替える。
受水槽120内には、水位計126、水位計127のほかに、新たに受水槽水位が水位14以下であるかを検出する水位計13が設置されている。水位計13は、受水槽120が空に近い状態の水位レベル、例えば受水槽120の有効容量の20%の水位に設定されており、所定周期ごとに受水槽120の水位を検出し、給水バルブ制御装置11に出力する。
給水バルブ制御装置11は、水使用量計測部502、水使用量予測部503、給水速度設定パターン部504、給水バルブ制御部505、制御モード切替部12、水使用量管理テーブル506、制御パラメータ管理テーブル507などを備えている。水使用量計測部502、水使用量予測部503、給水速度設定パターン部504、給水バルブ制御部505の各処理部は、実施例2における各処理部と同じ処理を実行する。制御モード切替部12は、実施例2の構成にはない、新たな処理部である。水使用量管理テーブル506及び制御パラメータ管理テーブル507の各テーブルは、実施例2の各テーブルと同様である。
制御モード切替部12は、処理部502〜505の実行/停止を管理し、制御パラメータ管理テーブル507の制御パラメータを書き換えることにより、給水バルブ制御装置11の制御モード(ピークシフト制御モード/非ピークシフト制御モード)を切り替える。
通常時、前述の理由により、制御モード切替部12は、給水バルブ制御装置11を非ピークシフト制御モードで運用する。このとき制御モード切替部12は、非ピークシフト制御モードとして、水使用量予測部503及び給水速度設定パターン部504の実行を停止し、水使用量計測部502及び給水バルブ制御部505を実行するように制御する。また制御パラメータ管理テーブル507に格納された制御パラメータを次のように書き換える。
・給水停止水位:水位128(受水槽120が満タン状態の水位レベル)
・給水開始水位:水位14(受水槽120が空に近い状態の水位レベル)
・給水速度パターン:1日を通して、最大給水速度に固定されたパターン
これにより、給水バルブ制御装置11は、実施例2で説明した(1)水使用量の計測処理および(4)給水バルブ制御処理を実行するようになり((2)水使用量の予測処理および(3)給水速度パターンの設定処理を実行しない)、受水槽120の下限水位(水位14)付近で、給水速度パターンとして設定された最大給水速度で給水を開始し、上限水位(水位128)付近で給水を停止するように給水バルブ510を制御する。
図11は、非ピークシフト制御モードにおける給水制御結果を示す図である。(1)のグラフ1101は需要家131の水使用量を示し、(2)のグラフ1102は受水槽120の水位を示し、(3)のグラフ1103は給水バルブ121の開閉状態を示し、(4)のグラフ1104は受水槽120への給水量を示している。(2)に示す水位128が給水停止水位、水位14が給水開始水位である。需要家131の水使用量の多い時間帯に給水が集中して行われるようになり、給水がピークシフトされていないことがわかる。
電力需給の逼迫などが予想される場合、他システム21は、給水のピークシフト要求とピークシフト実施期間(時間帯)を給水バルブ制御装置11に通知する。制御モード切替部12は、給水のピークシフト要請とピークシフト実施期間の通知に応答して、通知されたピークシフト実施期間の間、給水バルブ制御装置11の制御モードをピークシフト制御モード(実施例2の状態)に切り替える。すなわち制御モード切替部12は、実施例2の処理が実現されるように、処理部502〜505を実行するように制御する。また制御パラメータ管理テーブル507内に格納された制御パラメータを次のように書き換える。
・給水停止水位:水位128(受水槽120が満タン状態の水位レベル)
・給水開始水位:水位129(水位128より少し低い近傍)
・給水速度パターン:当日の需要家の水使用量に基づいて設定された給水速度パターン
これにより、給水バルブ制御装置11は、実施例2で説明した処理を実行し、給水のピークシフトを実現する。通知されたピークシフト実施期間の終了に伴い、制御モード切替部12は、給水バルブ制御装置11の制御モードを非ピークシフト制御モードに切り替える。
以上述べたように、本実施例によれば、給水バルブの制御モードの切替により、必要な期間の間で、水使用量が多い時間帯から少ない時間帯への受水槽への給水量のピークシフトを実行することが可能となる。なお、本実施では、他システムからの要請に基づいて給水バルブ制御装置11の制御モード(ピークシフト制御モード/非ピークシフト制御モード)の切替を実行しているが、他の判定基準に基づいて制御モードを切り替えてもよい。例えば、通常時はピークシフト制御モードにより運用し、長期休暇(正月、盆休みなど)により需要家の水使用量が減少することが予想される場合に、受水槽内の水の残留塩素濃度が維持されるよう、非ピークシフト制御モードにより運用してもよい。
本実施形態によれば、マンション、ビル、工場などの貯水槽への給水量を、水使用量の高位期から低位期へピークシフトできる。
100…給水制御システム、101…給水バルブ制御装置、102…水使用量計測部、103…水使用量予測部、104…給水速度設定部、105…給水バルブ制御部、106…水使用量管理テーブル、107…制御パラメータ管理テーブル、120…受水槽、121…給水バルブ、122…給水ポンプ、123…流量計、124…給水管、125…給水管、126…水位計、127…水位計、128…水位、129…水位、130…ビル、131…需要家。

Claims (18)

  1. 配水本管から給水バルブを介して貯水槽に給水し、前記貯水槽に貯留された水を需要家へ供給するために、前記給水バルブを制御する給水制御システムであって、前記需要家の水使用量を予測する水使用量予測部、予測された前記水使用量の低位期に前記貯水槽を満水状態にし、予測された前記水使用量の高位期に前記貯水槽が枯渇状態にならないように、前記給水バルブの給水速度を設定する給水速度設定部、及び、設定された前記給水速度に前記給水バルブを制御する給水バルブ制御部を備えることを特徴とする給水制御システム。
  2. 前記給水速度設定部は、予測された前記水使用量から求めた1日あたりの最大水使用量に基づいて前記給水バルブの給水速度を前記所定の給水速度に設定し、前記給水バルブ制御部は、設定された前記所定の給水速度の前記給水バルブの開閉を制御することを特徴とする請求項1記載の給水制御システム。
  3. 前記給水速度設定部は、前記配水本管から前記貯水槽への1日あたりの給水量が、1日あたりの前記最大水使用量に相当するように前記給水バルブの前記所定の給水速度を設定することを特徴とする請求項2記載の給水制御システム。
  4. 前記給水速度設定部は、前記配水本管から前記貯水槽への1日あたりの給水量が1日あたりの前記最大水使用量以上とし、予測された前記水使用量の高位期に前記貯水槽が枯渇状態にならない範囲で、前記給水バルブの前記所定の給水速度を最小に設定することを特徴とする請求項2記載の給水制御システム。
  5. 前記給水速度設定部は、予測された前記水使用量に基づいて1日あたりの前記給水バルブの給水速度のパターンを設定し、前記給水バルブ制御部は、設定された前記給水速度パターンに基づいて前記給水バルブの給水速度を制御することを特徴とする請求項1記載の給水制御システム。
  6. 前記給水バルブの前記給水速度のパターンは、予測された前記水需要量の高位期または電力需要量のピーク時に1日の中で最小の給水速度を示すことを特徴とする請求項5記載の給水制御システム。
  7. 前記給水速度設定部は、前記配水本管から前記貯水槽への1日あたりの給水量が1日あたりの前記最大水使用量以上とし、予測された前記水使用量の高位期に前記貯水槽が枯渇状態にならない範囲で、前記水使用量の低位期より高位期に小さい給水速度を、前記給水バルブの前記給水速度のパターンとして設定することを特徴とする請求項5記載の給水制御システム。
  8. 設定された前記給水速度パターンに基づいて、前記給水バルブ制御部が前記給水バルブの給水速度を制御するピークシフト制御モードと、所定の固定給水速度に基づいて前記給水バルブの開閉を制御する非ピークシフト制御モードとを切り替える制御モード切替部を有することを特徴とする請求項5記載の給水制御システム。
  9. 前記貯水槽の第1の水位を検出する第1の水位計、及び、前記第1の水位より低位の、前記貯水槽の第2の水位を検出する第2の水位計と接続し、前記給水バルブ制御部は、前記第1の水位計による前記第1の水位以上の検出に応答して、前記給水バルブを閉じ、前記第2の水位計による前記第2の水位以下の検出に応答して、前記給水バルブを開くことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の給水制御システム。
  10. 配水本管から給水バルブを介して貯水槽に給水し、前記貯水槽に貯留された水を需要家へ供給するために、前記給水バルブを制御する給水制御システムの制御方法であって、前記給水制御システムは、前記需要家の水使用量を予測し、予測された前記水使用量の低位期に前記貯水槽を満水状態にし、予測された前記水使用量の高位期に前記貯水槽が枯渇状態にならないように、前記給水バルブの給水速度を設定し、設定された前記給水速度に前記給水バルブを制御することを特徴とする給水制御方法。
  11. 前記給水制御システムは、予測された前記水使用量から求めた1日あたりの最大水使用量に基づいて前記給水バルブの給水速度を前記所定の給水速度に設定し、設定された前記所定の給水速度の前記給水バルブの開閉を制御することを特徴とする請求項10記載の給水制御方法。
  12. 前記給水制御システムは、前記配水本管から前記貯水槽への1日あたりの給水量が、1日あたりの前記最大水使用量に相当するように前記給水バルブの前記所定の給水速度を設定することを特徴とする請求項11記載の給水制御方法。
  13. 前記給水制御システムは、前記配水本管から前記貯水槽への1日あたりの給水量が1日あたりの前記最大水使用量以上とし、予測された前記水使用量の高位期に前記貯水槽が枯渇状態にならない範囲で、前記給水バルブの前記所定の給水速度を最小に設定することを特徴とする請求項11記載の給水制御方法。
  14. 前記給水制御システムは、予測された前記水使用量に基づいて1日あたりの前記給水バルブの給水速度のパターンを設定し、設定された前記給水速度パターンに基づいて前記給水バルブの給水速度を制御することを特徴とする請求項10記載の給水制御方法。
  15. 前記給水バルブの前記給水速度のパターンは、予測された前記水需要量の高位期または電力需要量のピーク時に1日の中で最小の給水速度を示すことを特徴とする請求項14記載の給水制御方法。
  16. 前記給水制御システムは、前記配水本管から前記貯水槽への1日あたりの給水量が1日あたりの前記最大水使用量以上とし、予測された前記水使用量の高位期に前記貯水槽が枯渇状態にならない範囲で、前記水使用量の低位期より高位期に小さい給水速度を、前記給水バルブの前記給水速度のパターンとして設定することを特徴とする請求項14記載の給水制御方法。
  17. 前記給水制御システムは、設定された前記給水速度パターンに基づいて、前記給水バルブの給水速度を制御するピークシフト制御モードと、所定の固定給水速度に基づいて前記給水バルブの開閉を制御する非ピークシフト制御モードとを切り替えることを特徴とする請求項14記載の給水制御方法。
  18. 前記給水制御システムは、前記貯水槽の第1の水位を検出する第1の水位計、及び、前記第1の水位より低位の、前記貯水槽の第2の水位を検出する第2の水位計と接続し、前記第1の水位計による前記第1の水位以上の検出に応答して、前記給水バルブを閉じ、前記第2の水位計による前記第2の水位以下の検出に応答して、前記給水バルブを開くことを特徴とする請求項10〜17のいずれか1項に記載の給水制御方法。
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