JP2014201953A - 構造物傾動及び地盤改良の工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】傾動した構造物を少ない労力で略水平姿勢に復元すると同時に、傾動原因となった基礎地盤の改良を実施可能な工法を提供する。【解決手段】傾動した構造物の軟弱な基礎地盤のほぼ中央部分の所定深度・所定領域の構造物下部に地盤注入による改良体を形成する工程と、平面視において、前記改良体の上部に伏せ椀型に拡がる次段階の改良体を形成する工程を繰り返しながら、軟弱地盤の沈下による構造物の傾動を修正・復元しつつ所定深度から地盤表層部分に向かって構造物下部の軟弱地盤を逐次地盤改良する工程とにより、構造物の傾動復元と軟弱な基礎地盤の改良を同時に行う。【選択図】図5

Description

本発明は、不等沈下などにより傾いた建物等の構造物を略水平姿勢状態へ修正するように傾動させつつ、構造物の下方の地盤を改良することができる工法に関する。
従来、埋め立てや盛土などからなる地盤である軟弱地盤は、地盤支持力が小さく、地震における液状化や圧密沈下を生じ易いことから、構造物を建築していなかった。
しかし、近年では、軟弱地盤の上方に構造物を建築する例もあり、経時的に不等沈下(不同沈下)などの問題が表面化するケースが比較的多く見られるようになってきた。ここで、不等沈下とは構造物が不揃いに沈下を起こすことをいう。すなわち、構造物全体が均等に沈下するのではなく、一方向に斜めに傾くような状態のことをいう。
この不等沈下が生じると、本来、水平・垂直を保っていなければならない、構造物の構造を支える部材が平行四辺形や台形などに歪み、一ヵ所に荷重が集中して、無理が集中するため構造物に大きなダメージを与えることとなる。また、不等沈下により構造物が傾くと、窓から雨が吹き込んだり、ドアやサッシの鍵が掛けられなくなったり、気密性が失われてエアコンの効きが悪くなったりしてしまうという不都合が発生する。
また、東日本大震災以降、0.5%以上の傾斜構造物内で生活をすることにより、健康被害の発生も数多く報告されている。
本来、軟弱地盤の上方に構造物を建築する場合には、十分な軟弱地盤対策が必要となる。例えば、ボーリング等によって形成された削孔内にモルタル等の固結材と共に鉄筋や鋼管を挿入し、その鉄筋を地盤中に固結材によって固定することにより補強する方法や、削孔内に注入管を挿入し、注入管を通じて地盤中に固結材を注入して地盤全体を固化することにより補強する方法、さらに、削孔内に袋体を装着した注入管を挿入し、注入管を通じて袋体に可塑状ゲルやセメントグラウト(グラウトとは、建設工事において空洞、空隙、隙間などを埋めるために注入する流動性の液体のことをいう。セメント系、ガラス系、合成樹脂などが用いられてよい。)等の固結材を注入することにより地盤中に塊状固結体を形成し、その塊状固結体の拡大による地盤の圧密効果を利用して補強する方法などが知られている。
ところで、軟弱地盤は、その土質や層厚の変化等によってその地盤性状が均一ではなく、構造物の建築後に圧密沈下が不均一に進行すると、構造物に不等沈下などを生じ易い。地盤調査を綿密に行って、十分な軟弱地盤対策を行っても、構造物を建築した後の軟弱地盤の挙動(例えば、地下水の浸透による地盤強度の低下、地下水位の上昇による地下水圧の増大、さらには地震時の間隙水圧の上昇による液状化など)を正確に把握することは困難な場合もある。また、不等沈下を予め完全に予測してその沈下量に応じた対策を前もって施すことは時間的・経済的にも困難であることもある。
なお、構造物の基礎が砂質地盤等に載る場合、砂質地盤等は圧密沈下が生じにくいために静的には高い支持力を有するが、過剰な水分である地下水が豊富であり、地震時には間隙水圧の上昇により地下水位が上昇し、地盤が急速に支持力を失う。地下水位の上昇により地盤への水圧が上昇することに伴い、砂(土)粒子に浮力が働くため、砂の強度が低下して地盤支持力が低下する結果、基礎が沈下を起こす。
したがって、軟弱地盤対策として、構造物の基礎部分の構造を不等沈下が生じ難い構造とするだけでなく、構造物が地震や風水害等の何らかの理由で沈下したり傾いたりして不等沈下などが生じた場合には、余程ひどい場合は構造物を取壊して新しく建築し直す必要があるが、そのような場合は別として、沈下や傾きが少し位の量であれば、その沈下による傾きを事後的に修正できようにする技術の開発が望まれていた。
構造物に不等沈下などが生じた際に、ジャッキを用いて構造物の傾きを修正する技術も開示されているが、単に構造物の沈下した部分をジャッキアップするだけでは、ジャッキによって構造物の大きな重量を支持しつつ構造物を持ち上げながら傾きを修正する必要があるため、作業が大掛りになるとともに、構造物全体のバランスをとりながら修正することが困難である。また、持ち上げた構造物の躯体部分を、基礎や土台と再び一体化する作業に多くの手間がかかり、一体化が不十分であると、安定性が損なわれ、多大な労力やコストがかかるだけでなく、ジャッキをセットするために構造物の一部を取り壊したりしなければならないので、さらに余計な労力やコストがかかる。そして、ジャッキを用いて構造物の高さや傾きが修正されたとしても、地盤の状況によっては再び構造物が沈下したり、傾いたりするおそれがあるという問題があった。
そこで、構造物の下方の地盤の基盤層と、その基盤層の中央部分を支持して地盤中に設けられる複数の支持杭と、基盤層の上方に重ねて配置されるベタ基礎とからなり、基盤層は、支持杭によって支持される中央部分が一段高くなっていて、ベタ基礎の中央部分が載置されると共に、中央部分の周囲の基盤層とベタ基礎との間の隙間に、調整砂を充填し、軟弱地盤の上方に建築される構造物に不同沈下が生じた際に、構造物の傾きを修正できるようにした構造物の基礎構造を提供する技術が提案されている(特許文献1参照)。
また、構造物が沈下したり傾いたりして、そのような構造物の高さや傾きを修正しようとする場合に、事前調査を行い、沈下していない箇所を除き、他の各箇所の地中真下に注入材(液状材料)注入パイプを埋め込んで地中で2種の注入材を混合して拡散することにより、地中の空隙を充填して、その2種の注入材を反応させて固体化する。このように注入材が地中の空隙を充填して固体化することにより、地中組織の体積や硬度を増加させていき、膨張して硬くなった地盤がより上方の地盤を下方から押し上げて上昇させていき、固体化した地盤が深い所から浅い方に向かって構造物の基礎を上昇させる技術が提案されている(特許文献2参照)。
特許第4773797号公報 特開平9−13416号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術は、構造物の新築時に予め建物が事後的に傾いた際の修正を容易ならしめるべく支持杭を余分なコスト・労力をかけて形成しておく必要があり、また、軟弱地盤の上方に建築される構造物に実際に不同沈下などが生じた場合には、構造物の傾きを修正するために調整砂を用いる必要がある。
そもそも、構造物の新築時にわざわざ支持杭などを形成するのであれば、構造物が傾かないように、本来的な軟弱地盤対策を行うことも十分可能であるのだから、本来的な対策を優先して十分に実施することが可能である。現実的にはコストの面からも特許文献1に開示されている技術を適用することは困難な場合が多い。
また、特許文献2に開示されている技術は、沈下していない箇所と他の沈下している各箇所の距離が遠い場合に、沈下していない箇所が持ち上がりの支点となるので、持ち上げるためには大きな力が必要となり、容易に持ち上がり難く、また構造物の基礎などの一辺が略1cm以上撓んで変形して弱くなりひびが入るおそれがある。したがって、構造物に不具合が生じて仕上がりが悪く(ひび割れの発生、建具へのひずみの発生、床の水平精度が悪いなど)なるおそれがある。
さらに、特許文献2に開示されている技術は、構造物の下方全体の地盤改良がなされるわけではなく、沈下していない箇所の下方の地盤は軟弱なままなので将来的に沈降などの不具合が発生するおそれがある。
本発明の目的は、ジャッキや調整砂を用いることなく、液状化や軟弱地盤などを起因として不等沈下などにより傾いてしまった構造物を少ない力で容易に傾動させて略水平姿勢状態へ修正するとともに、構造物の下方の全体的な地盤改良も同時に行うことができる構造物傾動及び地盤改良の工法を提供することにある。
本発明の第1の構造物傾動及び地盤改良の工法は、
軟弱地盤の上方に構築される構造物であって基礎が傾いてこれに伴い自身も傾いた前記構造物を略水平姿勢状態へ修正するとともに、前記軟弱地盤の地盤改良を行う構造物傾動及び地盤改良の工法であって、
前記傾いた基礎が形成されていた領域に対応する前記軟弱地盤の中央部近傍に対して、支持体を形成する工程と、
前記支持体の形成により、前記傾いた基礎の略中央部に当接する地盤の表層を略中央部が盛り上がった略伏せ椀型に盛り上げて、前記略伏せ椀型の頂部を支点として前記傾いた基礎の略中央部を持ち上げて天秤状態に支持して前記傾いた基礎の全体を傾動させ易い状態とする工程と、
前記傾いた基礎の持ち上げたい位置を持ち上げるように、平面視において前記支点を中心とした略同心円状に拡がる位置に、かつ、地中の深い位置から浅い位置に向かって、さらに前記支持体を形成することにより、前記傾いた基礎の持ち上げたい位置に対応する部分の周辺に当接する地盤の表層を盛り上げて、前記傾いた基礎を持ち上げて支持する工程とを備え、
前記略伏せ椀型の頂部を支点として前記天秤状態となっている前記傾いた基礎の全体を、任意の方向に傾動させながら傾きを調整して、これに伴い前記構造物も傾動させて略水平姿勢状態とするとともに、前記セメント改良体の築造により前記軟弱地盤の地盤改良を行うことを特徴とする。
このような工程を経ることにより、軟弱地盤に対してセメント系注入材(液状材料)を注入して支持体としてのセメント改良体を築造し、その体積の増加に伴う圧力伝達・圧密などにより、既存地盤の構造物(対応する基礎)中央部の土を盛り上げ、構造物(対応する基礎)自体を天秤状態(ヒンジ状態)にした後、構造物(対応する基礎)の傾きを修正するために持ち上げたい位置に対応する地盤にセメント改良をさらに行い、その体積の増加によって、自由に構造物の傾きを修正して略水平姿勢状態へ戻すことができる。
天秤状態(ヒンジ状態)にするため、従来の方法より、構造物に与える外的荷重が小さくて済み、その結果として回転モーメント(構造物荷重W×距離L)を小さくできるとともに、無理なく構造物の傾きの修正ができる。
また、中央をあらかじめ持ち上げて支点としているため、隙間量が小さく、発生ひずみ量を従来の建物沈下修正方法(i−LIFT工法など)よりも小さくできるため、構造物への影響(建具へのひずみの発生やコンクリート等の亀裂など)を抑える効果がある。さらにひずみ量が小さいと構造物の仕上がりが良くなる効果がある。
また、構造物の沈下修正をしながら構造物の直下やその周囲全体の地盤改良もできる利点も同時に持ち合わせている。そのため従来、別々に行いコストも嵩んでいたが、同時に行うことによりコストも低減できる。
地中の深い所から浅い方に向かって深さを変えて段階的に注入操作を行う工程を経ることにより、地中の深い所から浅い方に向かって深さを変えて段階的に注入操作を行うことにより、固化した地盤が次々と積み重なっていき、このことにより地盤を押し上げる大きな上昇力を発揮させることができ、構造物の沈下や傾きを確実に修正することができる。
また、本発明の第2の構造物傾動及び地盤改良の工法は、
軟弱地盤の上方に構築される構造物であって基礎が傾いてこれに伴い自身も傾いた前記構造物を略水平姿勢状態へ修正するとともに、前記軟弱地盤の地盤改良を行う構造物傾動及び地盤改良の工法であって、
前記傾いた基礎が形成されていた領域に対応する前記軟弱地盤の中央部近傍に対して、支持体を形成する工程と、
前記支持体の形成により、前記傾いた基礎の略中央部に当接する地盤の表層を略中央部が盛り上がった略伏せ椀型に盛り上げて、前記略伏せ椀型の頂部を支点として前記傾いた基礎の略中央部を持ち上げて天秤状態に支持して前記傾いた基礎の全体を傾動させ易い状態とする工程と、
前記傾いた基礎の持ち上げたい位置を持ち上げるように、さらに前記支持体を形成することにより、前記傾いた基礎の持ち上げたい位置に対応する部分の周辺に当接する地盤の表層を盛り上げて、前記傾いた基礎を持ち上げて支持する工程とを備え、
前記略伏せ椀型の頂部を支点として前記天秤状態となっている前記傾いた基礎の全体を、任意の方向に傾動させながら傾きを調整して、これに伴い前記構造物も傾動させて略水平姿勢状態とするとともに、前記セメント改良体の築造により前記軟弱地盤の地盤改良を行うことを特徴とする。
また、必ずしも地盤改良を目的・効果としなくともよい、本発明の構造物傾動工法は、
基礎が傾いてこれに伴い自身も傾いた構造物を略水平姿勢状態へ修正する構造物傾動工法であって、
前記傾いた基礎が形成されていた領域に対応する地盤の中央部近傍に対して、支持体を形成する工程と、
前記支持体の形成により、前記傾いた基礎の略中央部に当接する地盤の表層を略中央部が盛り上がった略伏せ椀型に盛り上げて、前記略伏せ椀型の頂部を支点として前記傾いた基礎の略中央部を持ち上げて天秤状態に支持して前記傾いた基礎の全体を傾動させ易い状態とする工程と、
前記傾いた基礎の持ち上げたい位置を持ち上げるように、さらに前記支持体を形成することにより、前記傾いた基礎の持ち上げたい位置に対応する部分の周辺に当接する地盤の表層を盛り上げて、前記傾いた基礎を持ち上げて支持する工程とを備え、
前記略伏せ椀型の頂部を支点として前記天秤状態となっている前記傾いた基礎の全体を、任意の方向に傾動させながら傾きを調整して、これに伴い前記構造物も傾動させて略水平姿勢状態とすることを特徴とする。
本発明によれば、ジャッキや調整砂を用いることなく、液状化や軟弱地盤などを起因として不等沈下などにより傾いてしまった構造物を少ない力で容易に傾動させて略水平姿勢状態へ修正するとともに、構造物の下方の全体的な地盤改良も同時に行うことができる構造物傾動及び地盤改良の工法を提供することができる。
本発明の実施の形態における建物が不等沈下により傾いた状態を説明する図である。 本発明の実施の形態における各工程の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における建物の基礎の沈下量の図である。 本発明の実施の形態における注入材の注入位置を示す図である。 本発明の実施の形態における地盤を盛り上げて建物の基礎を天秤(ひんじ)状態に支え徐々に傾きを調整して略水平姿勢状態とすることを説明する模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施の形態の構造物傾動及び地盤改良の工法は、構造物として家屋などの建物を前提として、軟弱地盤の上方に建築される建物であって不等沈下により基礎が傾いてこれに伴い自身も傾いた建物を略水平姿勢状態へ修正するとともに、その建物の下方の軟弱地盤の全体的な地盤改良をも行うことが可能な工法である。
まず、建物本体と、土台と、基礎と、地盤の概念・関係について整理しておく。
概略としては、建物本体の下方には土台があり、そして土台の下方には基礎があり、さらに基礎の下方には地盤がある。
土台は、建物本体の骨組みと建物本体を支える基礎をしっかりとつなぐためのものである。木造の建物であっても基礎は多くの場合コンクリート造のため、木材の土台を介した方が接合しやすくなる。建物本体の荷重は、柱を伝って柱の底面に集中的にかかるが、その重みにより、地盤が部分的に沈んだり、滑り出したりする不等沈下が起きないように、柱からの荷重を均等にし、基礎全体でバランス良く建物本体を支える。
基礎は、建物重量を有効に地盤に伝えるための構造体である。建物の一番下の部分である基礎には、建物の重さを地盤に伝えて支え、建物と地盤をしっかりと固定する役割がある。布基礎とは、設ける位置は、建築物の外周部や主要な間仕切壁の骨組(軸組)の下などであり、断面は逆T字形で、基礎底面を広くする。この幅は、上部からの荷重と地耐力の大小により決定される。例えば、地盤調査の結果、1平方メートル当たり5t以上まで耐えられる地耐力があると診断されれば標準の布基礎を使う。また、地盤調査の結果、地耐力が1平方メートル当たり3t以上5t未満のやや軟弱な地盤の場合は基礎形状を基礎と地盤面が接するベースの幅を広げるようにして、接地面を増やして荷重が分散されることにより、建物が軽くなるのと同じ効果を得て沈下をより小さくする。さらに、ベースの拡幅で対応できるのは地耐力が1平方メートル当たり3tが限度であるので、地耐力が2〜3tまでの軟弱地盤の場合は、床下全面にコンクリートを打つ、ベタ基礎にして不等沈下を均等化させる。
次に、図2を参照して本実施の形態の構造物傾動及び地盤改良の工法における各工程の流れを詳細に説明する。
なお、本実施の形態の構造物傾動及び地盤改良の工法における使用機械としては、以下のものが挙げられる。
ダンプトラック 2t 1台
ユニック車 4t 2台
エアーコンプレッサー 25HP 1台
削岩機 2台
モルタルミキサー 500リットル練 2台
注入ポンプ 3台
注入計測器(注入管理用モニター) 3台
電動ピック(ハンマー) 1台
コンクリート切断機 1台
注入機械 手元圧力計 3台
複数の二重管ロッド(長さ寸法:9.25m)
などが用いられてよい。
図2を参照すると、まず、ステップS01において、SWS試験(スウェーデン式サウンディング試験)により建物が建築されている下方の軟弱地盤の地質調査を実施する。この地質調査結果に基づいて軟弱地盤の確認と改良深さの決定を行う。
以下に、SWS試験の結果の値を示す。ここでは、SWS試験の結果を深さ(m)、換算N値、推定土質の3つの指標で示す。
深さ0.25mではN値は2.0である。推定土質は砂質盛土である。
深さ0.50mではN値は1.0である。推定土質は砂質盛土である。
深さ0.75mではN値は2.5である。推定土質は砂質盛土である。
深さ1.00mではN値は3.3である。推定土質は砂質盛土である。
深さ1.25mではN値は6.2である。推定土質は砂質盛土である。
深さ1.50mではN値は4.4である。推定土質は砂質盛土である。
深さ1.75mではN値は3.3である。推定土質は砂質盛土である。
深さ2.00mではN値は3.3である。推定土質は砂質盛土である。
深さ2.25mではN値は3.0である。推定土質は砂質盛土である。
深さ2.50mではN値は3.0である。推定土質は砂質盛土である。
深さ2.75mではN値は3.8である。推定土質は砂質盛土である。
深さ3.00mではN値は2.5である。推定土質は砂質盛土である。
深さ3.25mではN値は0.7である。推定土質はシルトである。
深さ3.50mではN値は0.7である。推定土質はシルトである。
深さ3.75mではN値は3.0である。推定土質はシルトである。
深さ4.00mではN値は3.6である。推定土質はシルトである。
深さ4.25mではN値は6.0である。推定土質はシルトである。
深さ4.50mではN値は4.4である。推定土質はシルトである。
深さ4.75mではN値は3.2である。推定土質はシルトである。
深さ5.00mではN値は1.5である。推定土質はシルトである。
深さ5.25mではN値は2.2である。推定土質はシルトである。
深さ5.50mではN値は3.0である。推定土質は砂質である。
深さ5.75mではN値は4.4である。推定土質は砂質である。
深さ6.00mではN値は6.8である。推定土質は砂質である。
深さ6.25mではN値は7.6である。推定土質は砂質である。
深さ6.50mではN値は5.2である。推定土質は砂質である。
深さ6.75mではN値は4.1である。推定土質は砂質である。
深さ7.00mではN値は12.9である。推定土質は砂質である。
深さ7.25mではN値は13.5である。推定土質は砂質である。
深さ7.50mではN値は4.9である。推定土質は砂質である。
深さ7.75mではN値は15.1である。推定土質は砂質である。
上記の結果より、改良を開始する深さ(GL)を、N値15となっている7.75mの上層の7.50mからと決定する。なお、N値15は、固い土程度で液状化しないと言われる値である。また、予め建物の建築時に盛土されたと推定される層があるので7.75m〜2.50mまでの改良とする。
次に、ステップS02において、施工に先立ち、建物の傾き(液状化等による沈下量解析)、埋設管の状況、その他の構造物等の調査を実施する。
ここでの建物は、1F床面積約81.1平方メートルの建物(基礎はベタ基礎)であることを前提とし、その建物の沈下量は図3(平面視の領域)に示すとおりとする。すなわち、図3に示すような各箇所の沈下程度を各々測量し、四隅のうち、左上の領域が150mmと最も沈降しており、左下の領域は沈降していないので相対的に最も高い位置であり、右上の領域が140mm、右下の領域が30mmそれぞれ沈降している。なお、建物の基礎も建物の各箇所に対応する箇所において同程度の沈降量であるとみなすことができる。
次に、ステップS03において、安全な施工のために、建物、駐車場、エントランス等の養生を実施する。
そしてステップS04において、削孔位置掘削として、削孔する際、埋設物に損傷を与えないように先掘りを実施する。
さらに、ステップS05において、埋設物位置掘削として、ガス、水道、下水等が施工時に破断等がないよう先掘りに追従させる。
次に、ステップS06において、コンプレッサー、削岩機を用いて建物(基礎)の周囲の地盤を垂直・斜めに削孔して、複数の注入管(二重管ロッド)をそれぞれ所定の位置、深さに設置する。この位置・深さの詳細は後述する。
各箇所の各々の地中に所定の角度で注入管を埋め込んでセットする。このような注入管をセットする工事にはボーリングマシンを用いる。すなわち沈下して傾いた建物の基礎の各箇所の各々の下方の地中に、所定の深さ位置に開口先端が来るように注入管をセットする。注入管を埋め込む箇所の数はその時の状況判断によって増減してよい。また、注入管の注入角度を分度計測器を用いて確認する。
このような注入管の後端部には、注入プラントがホースを介して接続されており、この注入プラントは発電機を原動力として、注入材を注入ポンプを介して注入管に送り込むことができるようになっている。
次に、ステップS07において、モルタルミキサーにて各材料を練り混ぜて注入材とした後、注入ポンプ(吐出量能力は6リットル/分)にて注入管への注入を行う。モニタで注入量・注入圧力を監視しながら注入材の注入を行う。圧力が初期圧(地下水圧に等しい)+1kgf/平方センチメートルあるとN値15になるといわれているが、ここでは余裕をみて圧力が初期圧+2kgf/平方センチメートルになるよう監視しながら注入材を注入しているので必ずN値15となる。
注入材は少なくとも3方向・3箇所における同時注入を行う。このことにより、注入管の開口先端から注入材が地中に供給(ショット)され、供給された注入材は地中の空隙内に浸透して拡散して行く。地盤の構造は、下方に比べて上方の方が概して柔らかく、地上からの圧力も下方に比べて上方の方が低いため、地中に供給された注入材は主として地中の上方に向かって拡散して行く。
また、注入材として使用される材料は、例えば、以下のものが挙げられる。ただし、これらに限定されなく広く公知の材料が用いられてよい。
サンコハードAQ2−5秒 合計注入量 36・0立方メートル
内訳
A液の比 普通ポルトランドセメント125kg 対 サンコハードAQ2−5秒の促進剤16kg 対 水153リットル
B液の比 サンコハードAQ2−5秒の硬化剤20.8kg 対 水197リットル
このことと関連して、注入管はA液とB液が別々に通る二重構造となっていて、A液とB液は注入管から放出された後、地中で互いに混合してその拡散後に固体化するようになっている。A液とB液の泥水状のもの(注入材)が混合すると5〜10秒でゲル化(固化)する。
ここで、サンコハードAQ2−5秒の合計注入量は36・0立方メートルであるが、通常、地盤の含水比25%程度であればいわゆる締まった土であり、30%以上であると液状化し易いといわれている。そこで水を約10%減らして含水比25%程度としたいので、1F床面積約81.1平方メートルで高さ5m(深さ7.50m〜2.50mまで)の約400立方メートルの10%をコロイド作って水と置き換えるために36・0立方メートルの注入量としている。すなわち、注入材は地中でA液とB液が混合して拡散することにより、地中の空隙を充填して、そのA液とB液が反応して固体化する。このように注入材が地中の空隙を充填して固体化することにより、あたかもつぶれていた海綿体が水を含んで膨張して硬くなっていくように、その後の地中組織の体積や硬度を増加させていく。このようにして、膨張して硬くなった地盤がより上方の地盤を下方から押し上げて上昇させていき、このような固体化した地盤が深い所から浅い方に向かって何層も積み重なっていくことにより、建物の基礎を持ち上げる(上昇させる)ことができる。
次に、ステップS08において、ステップアップ(注入深さ変更)を行ったり、注入位置を変更しながら、少なくとも3方向・3箇所からの注入深さ・位置の組合せを変更してバランスをとりながら過度に撓むことのないように(撓みは5mm以内程度)建物の傾きの修正を行いつつ地盤改良を行う。
次に、ステップS09において、室内及び室外で建物の高さの変化の計測を行う。
そして、ステップS10において、建物の変状、埋設管の変状、近接構造物及び建物への影響確認の計測などを行う。
施工時に傾いた建物が略水平姿勢状態へ修正されるまで上記のステップS06〜ステップS10を繰り返す。
以下、特に図4及び図5を参照して、上記のステップS06〜S08における具体的な実施スケジュールの一例を示す。なお、図5では理解の容易化のため注入管を左右に1本ずつ計2本のみとして表し、セメント改良体は5日目以降を省略して4日目までのものを示した。
概略としては、1〜2日目は3〜4箇所の中央付近に注入材を注入し、3日目からは、基本的には回るようにして同心円状に拡がる位置に、かつ、深い位置から浅い位置へと移行するように注入材を注入する。
前日までに、養生、掘削、埋設物確認等を完了しておく。
1日目の削孔、注入は、注入材4000リットルとする。各位置毎の注入深さは、(1)、(2)は7.5〜7.0mで、(3)は7.5〜5.5mとする。
2日目の削孔、注入は、注入材8000リットルとする。各位置毎の注入深さは、(1)、(2)は7.0〜6.0mで、(5)は7.5〜5.5mで、(3)は5.5〜4.0mとする。
注入材が注入された図3の領域における中央付近の体積はセメント改良体の築造により増加し、地盤の一部の押し上げが図られ、地盤の密度が上昇していき、さらに注入材が注入されると、図5(a)の模式図の最上部の破線に沿うような形状に、地盤の表層の中央付近がなだらかに隆起(1〜2cm程度でもよい。)する。すなわち、図5(a)の模式図の破線は圧密の伝播を示すが、このようにセメント改良体の築造による体積増加に伴い発生する土砂圧力の伝達により、既存土砂の圧密が生じ、地盤の表層が隆起する。そして、土砂圧力の上方における伝達は、図5(a)の模式図の矢印で示すように、真上の角度90度が一番大きく(圧密大)、真上(中央)から離れるにしたがって小さくなり(圧密中・圧密小)、土質により多少異なるが角度30〜45度(安息角)で圧力の伝達はほぼ影響しなくなる。したがって、注入材が注入された図3の領域における中央付近(建物の略中央直下)の注入箇所の直上は圧力が伝達されやすく地盤の隆起が大きく、一方、直上から離れるにしたがって圧力は伝達され難くなり隆起は小さくなり、全体としてなだらかな隆起となる。なお、図5(b)の模式図も図5(a)と同様の圧密の伝播原理であるが、実際は、図5(a)の隆起後の状態に図5(b)を重ねたような状態となる。
このように、傾いた基礎の略中央部に当接する地盤の表層を略中央部が盛り上がった略伏せ椀型に盛り上げ、略伏せ椀型の頂部を支点として傾いた基礎の略中央部を持ち上げて天秤状態(比喩的にはグラグラできるような状態)に支持して、傾いた基礎の全体を傾動させ易い状態とする。
そして、3日目以降で、傾いた基礎の持ち上げたい位置を持ち上げるべく、平面視において支点を中心とした略同心円状に広がる位置に、地中の深い所から浅い方に向かって深さを変えて段階的に繰り返し注入材の注入を行う。セメント改良体をさらに築造し、その体積の増加により、傾いた基礎のうち持ち上げたい位置に対応する部分の周辺に当接する地盤の表層を盛り上げ傾いた基礎を持ち上げて支持する(図5(c)及び図5(d)参照)。なお、図3の左下の領域のように相対的に高い位置にも領域の全体的な地盤改良等のために注入材を注入していくが、持ち上がり難いように、圧力のバランスを考慮しながら、トンネル工事におけるいわゆるもぐら工法の要領で実施する。
続いて、3日目の削孔、注入は、注入材8000リットルとする。各位置毎の注入深さは、(1)、(2)は6.0〜5.0mで、Kは7.5mで、(5)は5.5〜4.5mで、(4)は7.5〜5.5mとする。
4日目の削孔、注入は、注入材8000リットルとする。(1)、(2)は5.0〜4.0mで、ABCDEGILKは7.5mで、(5)は5.5〜4.0mで、(4)は5.5〜4.0mとする。
5日目の削孔、注入は、注入材6000リットルとする。(1)、(2)は5.0〜4.0mで、(3)〜(5)は4.0〜3.0mで、ABCDEFGHILKは7.5mとする。
6日目の削孔、注入は、注入材2000リットルとする。(1)〜(5)及びABCDEFGHILKは7.5m〜2.5mとする。
このように、注入材の合計注入量36000リットル(36立方メートル)を領域全体に注入することにより、傾いた基礎が形成されていた領域に対応する地盤の表層の所定の位置の周辺をセメント改良体を築造して盛り上げることが可能となり、傾いた基礎を持ち上げて支持して、略伏せ椀型の頂部を支点として天秤状態となっている傾いた基礎の全体を、任意の方向に傾動させながら徐々に傾きを調整して、これに伴い構造物も傾動させて略水平姿勢状態とするとともに、セメント改良体の築造によりN値15程度の地盤になるように軟弱地盤の地盤改良をすることができる。また短工期でコストの削減も図られる。
[変形例]
基礎の各箇所の各々における沈下量や地盤の構造は互いに異なっているため、各々の位置における注入材の注入量、注入速度、連続又は間欠注入、ゲル化するまでの時間、注入圧等の注入条件を変化させて調整しながら注入してもよい。材料を変えたり、A液とB液の混合比率を変えることによりゲル化するまでの時間が長くなるほど地中での注入材の拡散範囲は広がる。
地中で固体化する範囲内であればどのような配合の注入材を用いても構わない。またA液とB液の使用量も状況に応じて増減できることはもちろんである。
またベタ基礎のみでなく、布基礎のタイプにも適用可能である。本実施の形態の構造物傾動及び地盤改良の工法は、地盤自体の隆起による建物の傾き修正であり、また、従来工法よりもひずみが小さいので格子状基礎である布基礎にも適用できる。
さらに、家以外の建物、例えば体育館、劇場、ホテル、メリーゴーランド等、また橋梁など任意の構造物に適用可能である。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されてよい。
本発明の第1の構造物傾動及び地盤改良の工法は、
軟弱地盤の上方に構築される構造物であって基礎が傾いてこれに伴い自身も傾いた前記構造物を略水平姿勢状態へ修正するとともに、前記軟弱地盤の地盤改良を行う構造物傾動及び地盤改良の工法であって、
前記傾いた基礎が形成されていた領域に対応する前記軟弱地盤の中央部近傍に対して、支持体を形成する工程と、
前記支持体の形成により、前記傾いた基礎の略中央部に当接する地盤の表層を略中央部が盛り上がった略伏せ椀型に盛り上げて、前記略伏せ椀型の頂部を支点として前記傾いた基礎の略中央部を持ち上げて天秤状態に支持して前記傾いた基礎の全体を傾動させ易い状態とする工程と、
前記傾いた基礎の持ち上げたい位置を持ち上げるように、平面視において前記支点を中心とした略同心円状に拡がる位置に、かつ、地中の深い位置から浅い位置に向かって、さらに前記支持体を形成することにより、前記傾いた基礎の持ち上げたい位置に対応する部分の周辺に当接する地盤の表層を盛り上げて、前記傾いた基礎を持ち上げて支持する工程とを備え、
前記略伏せ椀型の頂部を支点として前記天秤状態となっている前記傾いた基礎の全体を、任意の方向に傾動させながら傾きを調整して、これに伴い前記構造物も傾動させて略水平姿勢状態とするとともに、前記支持体の築造により前記軟弱地盤の地盤改良を行うことを特徴とする。
このような工程を経ることにより、軟弱地盤に対してセメント系注入材(液状材料)を注入して支持体としてのセメント改良体を築造し、その体積の増加に伴う圧力伝達・圧密などにより、既存地盤の構造物(対応する基礎)中央部の土を盛り上げ、構造物(対応する基礎)自体を天秤状態(ヒンジ状態)にした後、構造物(対応する基礎)の傾きを修正するために持ち上げたい位置に対応する地盤にセメント改良をさらに行い、その体積の増加によって、自由に構造物の傾きを修正して略水平姿勢状態へ戻すことができる。
天秤状態(ヒンジ状態)にするため、従来の方法より、構造物に与える外的荷重が小さくて済み、その結果として回転モーメント(構造物荷重W×距離L)を小さくできるとともに、無理なく構造物の傾きの修正ができる。
また、中央をあらかじめ持ち上げて支点としているため、隙間量が小さく、発生ひずみ量を従来の建物沈下修正方法(i−LIFT工法など)よりも小さくできるため、構造物への影響(建具へのひずみの発生やコンクリート等の亀裂など)を抑える効果がある。さらにひずみ量が小さいと構造物の仕上がりが良くなる効果がある。
また、構造物の沈下修正をしながら構造物の直下やその周囲全体の地盤改良もできる利点も同時に持ち合わせている。そのため従来、別々に行いコストも嵩んでいたが、同時に行うことによりコストも低減できる。
地中の深い所から浅い方に向かって深さを変えて段階的に注入操作を行う工程を経ることにより、地中の深い所から浅い方に向かって深さを変えて段階的に注入操作を行うことにより、固化した地盤が次々と積み重なっていき、このことにより地盤を押し上げる大きな上昇力を発揮させることができ、構造物の沈下や傾きを確実に修正することができる。
また、本発明の第2の構造物傾動及び地盤改良の工法は、
軟弱地盤の上方に構築される構造物であって基礎が傾いてこれに伴い自身も傾いた前記構造物を略水平姿勢状態へ修正するとともに、前記軟弱地盤の地盤改良を行う構造物傾動及び地盤改良の工法であって、
前記傾いた基礎が形成されていた領域に対応する前記軟弱地盤の中央部近傍に対して、支持体を形成する工程と、
前記支持体の形成により、前記傾いた基礎の略中央部に当接する地盤の表層を略中央部が盛り上がった略伏せ椀型に盛り上げて、前記略伏せ椀型の頂部を支点として前記傾いた基礎の略中央部を持ち上げて天秤状態に支持して前記傾いた基礎の全体を傾動させ易い状態とする工程と、
前記傾いた基礎の持ち上げたい位置を持ち上げるように、さらに前記支持体を形成することにより、前記傾いた基礎の持ち上げたい位置に対応する部分の周辺に当接する地盤の表層を盛り上げて、前記傾いた基礎を持ち上げて支持する工程とを備え、
前記略伏せ椀型の頂部を支点として前記天秤状態となっている前記傾いた基礎の全体を、任意の方向に傾動させながら傾きを調整して、これに伴い前記構造物も傾動させて略水平姿勢状態とするとともに、前記支持体の築造により前記軟弱地盤の地盤改良を行うことを特徴とする。
また、必ずしも地盤改良を目的・効果としなくともよい、本発明の構造物傾動工法は、
基礎が傾いてこれに伴い自身も傾いた構造物を略水平姿勢状態へ修正する構造物傾動工法であって、
前記傾いた基礎が形成されていた領域に対応する地盤の中央部近傍に対して、支持体を形成する工程と、
前記支持体の形成により、前記傾いた基礎の略中央部に当接する地盤の表層を略中央部が盛り上がった略伏せ椀型に盛り上げて、前記略伏せ椀型の頂部を支点として前記傾いた基礎の略中央部を持ち上げて天秤状態に支持して前記傾いた基礎の全体を傾動させ易い状態とする工程と、
前記傾いた基礎の持ち上げたい位置を持ち上げるように、さらに前記支持体を形成することにより、前記傾いた基礎の持ち上げたい位置に対応する部分の周辺に当接する地盤の表層を盛り上げて、前記傾いた基礎を持ち上げて支持する工程とを備え、
前記略伏せ椀型の頂部を支点として前記天秤状態となっている前記傾いた基礎の全体を、任意の方向に傾動させながら傾きを調整して、これに伴い前記構造物も傾動させて略水平姿勢状態とすることを特徴とする。

Claims (3)

  1. 軟弱地盤の上方に構築される構造物であって基礎が傾いてこれに伴い自身も傾いた前記構造物を略水平姿勢状態へ修正するとともに、前記軟弱地盤の地盤改良を行う構造物傾動及び地盤改良の工法であって、
    前記傾いた基礎が形成されていた領域に対応する前記軟弱地盤の中央部近傍に対して、支持体を形成する工程と、
    前記支持体の形成により、前記傾いた基礎の略中央部に当接する地盤の表層を略中央部が盛り上がった略伏せ椀型に盛り上げて、前記略伏せ椀型の頂部を支点として前記傾いた基礎の略中央部を持ち上げて天秤状態に支持して前記傾いた基礎の全体を傾動させ易い状態とする工程と、
    前記傾いた基礎の持ち上げたい位置を持ち上げるように、平面視において前記支点を中心とした略同心円状に拡がる位置に、かつ、地中の深い位置から浅い位置に向かって、さらに前記支持体を形成することにより、前記傾いた基礎の持ち上げたい位置に対応する部分の周辺に当接する地盤の表層を盛り上げて、前記傾いた基礎を持ち上げて支持する工程とを備え、
    前記略伏せ椀型の頂部を支点として前記天秤状態となっている前記傾いた基礎の全体を、任意の方向に傾動させながら傾きを調整して、これに伴い前記構造物も傾動させて略水平姿勢状態とするとともに、前記セメント改良体の築造により前記軟弱地盤の地盤改良を行うことを特徴とする構造物傾動及び地盤改良の工法。
  2. 軟弱地盤の上方に構築される構造物であって基礎が傾いてこれに伴い自身も傾いた前記構造物を略水平姿勢状態へ修正するとともに、前記軟弱地盤の地盤改良を行う構造物傾動及び地盤改良の工法であって、
    前記傾いた基礎が形成されていた領域に対応する前記軟弱地盤の中央部近傍に対して、支持体を形成する工程と、
    前記支持体の形成により、前記傾いた基礎の略中央部に当接する地盤の表層を略中央部が盛り上がった略伏せ椀型に盛り上げて、前記略伏せ椀型の頂部を支点として前記傾いた基礎の略中央部を持ち上げて天秤状態に支持して前記傾いた基礎の全体を傾動させ易い状態とする工程と、
    前記傾いた基礎の持ち上げたい位置を持ち上げるように、さらに前記支持体を形成することにより、前記傾いた基礎の持ち上げたい位置に対応する部分の周辺に当接する地盤の表層を盛り上げて、前記傾いた基礎を持ち上げて支持する工程とを備え、
    前記略伏せ椀型の頂部を支点として前記天秤状態となっている前記傾いた基礎の全体を、任意の方向に傾動させながら傾きを調整して、これに伴い前記構造物も傾動させて略水平姿勢状態とするとともに、前記セメント改良体の築造により前記軟弱地盤の地盤改良を行うことを特徴とする構造物傾動及び地盤改良の工法。
  3. 基礎が傾いてこれに伴い自身も傾いた構造物を略水平姿勢状態へ修正する構造物傾動工法であって、
    前記傾いた基礎が形成されていた領域に対応する地盤の中央部近傍に対して、支持体を形成する工程と、
    前記支持体の形成により、前記傾いた基礎の略中央部に当接する地盤の表層を略中央部が盛り上がった略伏せ椀型に盛り上げて、前記略伏せ椀型の頂部を支点として前記傾いた基礎の略中央部を持ち上げて天秤状態に支持して前記傾いた基礎の全体を傾動させ易い状態とする工程と、
    前記傾いた基礎の持ち上げたい位置を持ち上げるように、さらに前記支持体を形成することにより、前記傾いた基礎の持ち上げたい位置に対応する部分の周辺に当接する地盤の表層を盛り上げて、前記傾いた基礎を持ち上げて支持する工程とを備え、
    前記略伏せ椀型の頂部を支点として前記天秤状態となっている前記傾いた基礎の全体を、任意の方向に傾動させながら傾きを調整して、これに伴い前記構造物も傾動させて略水平姿勢状態とすることを特徴とする構造物傾動工法。
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