JP2014200161A - 制御装置の電源回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気機器に搭載する電源回路において、待機電力を低減する構成をより一般的な電気機器で広く活用できるようにすることを目的とする。【解決手段】非安定高圧の1次電源から降圧安定化した2次電源を出力する2次電源手段4と、2次電源から更に降圧した3次電源を出力する最大電力を供給して停止が行え、停止時は電力消費が略零となる第1の3次電源手段5aと、最低電力を供給し消費電力が第1の3次電源手段5a未満の第2の3次電源手段5bとを並列に備え、また2次電源から最低電力を消費して動作し、機器を制御する制御手段6を備えて、機器の待機時には第2の3次電源手段5bの電力のみで制御手段6が動作する制御とすることで、コスト増要因となる高い耐圧性能が要求される構成は2次電源手段4のみで追加無く待機電力を更に低減できるため、より一般的な電気機器で広く活用できる制御装置の電源回路を得られる。【選択図】図1

Description

本発明は、電気機器に制御のために搭載される制御回路の構成に対して、安定した降下電圧を供給しながら機器の待機時においては電源の電力消費量を低減させる制御装置の電源回路に関するものである。
近年、電気機器に搭載される制御装置の電源回路においては省電力の観点から商用電源等の高圧の主電源が通電された状態にはあるが電気機器を停止させている、いわゆる待機状態において消費される、一般的に待機電力として知られる主電源から消費される電力をできる限り低減させることができる回路構成が必要とされている。
ところで、電気機器に搭載される機器の制御を担う制御装置の主体は、高圧交流の商用電源から降圧安定化の電源回路の構成により例えば3Vから5Vの低圧に安定化させた電圧を電源として動作するマイクロコンピューターを用いて構成することが、極一般化している。
この、マイクロコンピューターにおいては機器の動作の手順をプログラムとしてメモリー上に記憶し、この記憶させた手順を規定の周波数の時間間隔に基づき順次処理することにより、機器の制御動作を実行している。
また、マイクロコンピューターは手順を処理する規定の周波数が高周波であるほど単位時間あたりにより多くの手順を処理することが可能となるが消費電力は増加することとなる。
このような、マイクロコンピューターを主体とした制御装置においては機器を待機状態している時には制御動作に応じた演算や判断のプログラム動作にまつわる手順の処理数が機器を通常の動作状態に制御している時に対して、通常最低となり、且つ制御の対象となる機器に搭載する回路構成の動作も停止させていることから制御装置全体として消費する電力も機器の待機状態が最低となる。
なお、待機電力を低減させるためには従来の電源回路に対して回路の構成要素の追加が避けられないが、このことにより一般的に回路コストが上昇することとなり、このコスト面の上昇が実商品への応用における課題ともなっている。
また、機器によっては、降圧安定化の電源の回路として前記制御装置を動作させる低電圧を得るための構成に加えて、機器の主機能となる動作動力を得るための、例えば空調機器等において送風装置の駆動力源となるDCモーターの駆動ICや駆動動力用として要求される電力の供給源として制御装置に要求される以外の出力電圧(例えば15V程度)を得るための電源が必要とされるものも多い。
しかしながら、このような主電源に対して2段階以上の降圧安定化の電源回路の搭載が必要とされる機器においては待機電力を低減させる対象となる電源の回路要素も増えることから、要されるコストの上昇が更に問題となるために、特に一般的な電気機器において広く活用できるようにするためには、対応に要する回路要素の増加を可能な限り抑えることにより、できる限りコストの上昇を伴わない方策が求められている。
従来、この種の制御装置の電源回路は、高圧の主電源の電力を消費しながら低電圧の安定化した電源を負荷側となる制御装置と、及び周辺の制御動作に必要となる回路構成に供給する電源変換の手段として、待機状態において制御装置と、及び周辺の動作に要求される最低限度の電力の供給に特化した電力変換に要する消費電力を低減させた構成と、通常動作状態において機器の機能を成す動力装置等への大きな電力の供給に特化した電力変換にも相応の電力の消費を伴う構成を個別に備えることで、機器の待機状態においては制御装置において動力装置等への電力を供給するための電源構成を停止させ、制御装置への電力の供給に特化した電源回路の構成のみの最低限度の電力が主電源から消費されるようにすることで待機電力の低減に対応する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
以下、その制御装置の電源回路について図8を参照しながら説明する。
図8に示すように、商用電源100に接続される整流部101と、この整流部101に1次側を接続して負荷となる直流モーターや制御部に対して商用電源100の電力の一部を消費しながら降圧変換により低圧の安定電源を供給する高電力出力に適応させた第1トランス102と、及び制御部に対して商用電源100の電力の一部を消費しながら降圧変換により低圧の安定電源を供給する低電力出力に適応させた消費電力が第1トランス102に対して小となる第2トランス103の2種の電源構成と、商用電源100の第1トランス102と、及び第2トランス103への導通を交互に切替えるスイッチリレーから構成した切換手段104を備えることにより、切換手段104により、通常運転時は第1トランス102が通電され、待機状態時は、第2トランス103が通電されるように制御することにより、待機状態においては切換手段104にてより商用電源100の第1トランス102への通電を停止して消費電力が第1トランス102より小となる第2トランス103へ通電させることで待機電力を低減させるものであった。
また、この種の制御装置の電源回路には、高圧の主電源の電力を消費しながら低電圧の安定化した電源を負荷側となる制御装置と、及び周辺の制御動作に必要となる回路構成に供給する電源変換の手段として、負荷側に要求される最大電力の供給に特化した電力変換にも相応の電力の消費を伴う構成と、負荷側に要求される最低限度の電力の供給に特化した電力変換に要する消費電力を低減させた2種類の回路構成を備え、また主電源に対する前記2種類の電源変換の手段の接続と切断を交互に変更できる切替えの手段を備えることで、機器の待機状態においては負荷側に要求される最低限度の電力の供給に特化した電源変換の手段のみを切替えの手段により主電源に接続させるように制御することで待機電力の低減に対応しているものもある(例えば、特許文献2参照)。
以下、その制御装置の電源回路について図9を参照しながら説明する。
図9に示すように、高圧の直流電源200に対してその出力電圧よりも使用電圧の低い直流負荷との間に、電圧降下用の大容量DC−DCコンバータ201とこの大容量DC−DCコンバータ201よりも電力容量の小さい電圧降下用の小容量DC−DCコンバータ202とを並列状態で介在させるとともに、大容量DC−DCコンバータ201を前記直流電源200から遮断し小容量DC−DCコンバータ202のみを前記直流電源200に接続し、また小容量DC−DCコンバータ202を前記直流電源200から遮断して大容量DC−DCコンバータ201のみを直流電源に接続する切換スイッチ203とを備えて、切換スイッチ203によって後段の直流負荷の必要電力が小さい時には直流電源200に小容量DC−DCコンバータ202が接続される状態とし、必要電力が大きい時には直流電源200に大容量DC−DCコンバータ201が接続される状態にすることで直流電源200の電力消費を節減しようとするものであった。
特開2002−78341号公報 特開2001−204137号公報
このような従来の制御装置の電源回路においては、商用電源100の電力の一部を消費することで高電力出力に適応させた低圧の安定電源を供給する第1トランス102と、同様に商用電源100の電力の一部を消費することで制御部への低圧の安定電源を供給するための低電力出力に適応させた第1トランス102に対して消費電力が少ない第2トランス103の2種の電源構成を備えて、待機状態においては切換手段104にてより商用電源100の第1トランス102への通電を停止して第2トランス103へ通電させることで待機電力を低減させる構成となっていたので、電力供給の基本となる高圧の商用電源100から電圧の降圧変換により直接的に低圧の安定電源を供給する電源の構成となる第1トランス102と、及び第2トランス103の複数個と、及び商用電源100からの各トランスへの電力導通を切替える切換手段104が必要となるが、商用電源100を整流した高圧の電源から低圧の安定電源を降圧変換させる構成や、電力の導通切替える構成に用いる回路素子には高い耐圧性能が要求され、一般的にこのような高い耐圧性能が要求される回路素子は、より低い耐圧性能の回路素子に対してコスト的に高価であり、このような回路素子からなる構成要素が複数個必要となれば、電源の回路構成の全体としてのコスト増が避けられないことから、一般的な電気機器において広く活用することが難しい課題を有していた。
また、高圧の直流電源200に対してその出力電圧よりも使用電圧の低い直流負荷との間に、電圧降下用の大容量DC−DCコンバータ201とこの大容量DC−DCコンバータ201よりも電力容量の小さい電圧降下用の小容量DC−DCコンバータ202とを並列状態で配置し、直流負荷の必要電力が小さい時には切換スイッチ203により直流電源200に対する大容量DC−DCコンバータ201の接続を遮断するとともに小容量DC−DCコンバータ202を接続することで直流電源200の電力消費を節減させる構成であったために、電力供給の基本となる高圧の直流電源200の大容量DC−DCコンバータ201と、及び小容量DC−DCコンバータ202への電力導通を切替える切換スイッチ203が必要となって、この電力導通を切替えるための切換スイッチ203のような大容量の電力の導通を切替えるための回路素子は、より低電力の導通に特化した回路素子に対して、前記同様に一般的に高価であって、電源の回路構成の全体としてのコスト増が避けられないことから、同じく一般的な電気機器において広く活用することが難しい課題を有していた。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、制御装置を動作させる低電圧を得るために主電源に対して2段階以上の降圧安定化の電源構成が必要とされる機器において搭載する、機器を待機状態とした時の主電源から消費される待機電力を低減させる電源回路の構成を、コスト増の要因となる高い耐圧性能や大容量の電力導通性能が要求される回路素子をできる限り用いることなく構成できるようにすることにより、一般的な電気機器においてより広く活用することができる制御装置の電源回路を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明は、制御機能を備えた電気機器に搭載される、電力供給の主電源となる外部商用の交流電源を整流化した非安定高圧の1次電源の電力を一部消費し動作しながら電圧を規定値に降圧して安定化し、機器の機能を成す全ての負荷に要求される電力を2次電源として変換し出力する2次電源手段と、前記2次電源の電力を一部消費し動作することで電圧を2次電源より更に低圧に降圧して安定化し、負荷に要求される電力を3次電源として変換し出力する3次電源手段と、規定の基準となる周波数の時間間隔に同期して規定の手順に従い機器の機能を成す負荷の動作の制御処理を実行し、同期動作する周波数に応じた電力を消費する前記3次電源を電源として動作する制御手段とを備えたところの前記制御手段への電力供給の電源として1次電源から最低二段階の電圧降下が必要となる電源回路の構成において、
前記3次電源手段として3次電源を電力供給源とする全ての負荷に要求される最大電力の供給に対応し、且つ低電圧電力変換の動作を外部からの電圧信号による操作により停止可能であって、停止状態においては電力変換に要する電力消費が略零となる第1の3次電源手段と、
及び3次電源を電力供給源とする前記制御手段の動作に関連する最低限度の電力の供給のみに対応し、低電圧電力変換の動作に要する消費電力が前記第1の3次電源手段未満となる第2の3次電源手段との2つの構成を並列に接続して備え、合わせて、前記制御手段における制御処理の手順において、機器を通常の動作状態に制御する時には前記第1の3次電源手段を電圧信号で操作することにより低電圧電力変換を動作させた状態として、また、制御手段以外の負荷への電力供給を止めて機器の動作を停止させるところの待機状態にあっては、電圧信号による操作により第1の3次電源手段の低電圧電力変換の動作を停止させるようにしたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、制御機能を備えた電気機器に搭載される、電力供給の主電源となる外部商用の交流電源を整流化した非安定高圧の1次電源の電力を一部消費し動作しながら電圧を規定値に降圧して安定化し、機器の機能を成す全ての負荷に要求される電力を2次電源として変換し出力する2次電源手段と、前記2次電源の電力を一部消費し動作することで電圧を2次電源より更に低圧に降圧して安定化し、負荷に要求される電力を3次電源として変換し出力する3次電源手段と、規定の基準となる周波数の時間間隔に同期して規定の手順に従い機器の機能を成す負荷の動作の制御処理を実行し、同期動作する周波数に応じた電力を消費する前記3次電源を電源として動作する制御手段とを備えたところの前記制御手段への電力供給の電源として1次電源から最低2段階の電圧降下が必要となる電源回路の構成において、前記3次電源手段として3次電源を電力供給源とする全ての負荷に要求される最大電力の供給に対応し、且つ低電圧電力変換の動作を外部からの電圧信号による操作により停止可能であって、停止状態においては電力変換に要する電力消費が略零となる第1の3次電源手段と、及び3次電源を電力供給源とする前記制御手段の動作に関連する最低限度の電力の供給のみに対応し、低電圧電力変換の動作に要する消費電力が前記第1の3次電源手段未満となる第2の3次電源手段との2つの構成を並列に接続して備え、合わせて、前記制御手段における制御処理の手順において、機器を通常の動作状態に制御する時には前記第1の3次電源手段を電圧信号で操作することにより低電圧電力変換を動作させた状態として、また、制御手段以外の負荷への電力供給を止めて機器の動作を停止させるところの待機状態にあっては、電圧信号による操作により第1の3次電源手段の低電圧電力変換の動作を停止させるようにしたという構成にしたことにより、
制御手段により機器の動作を停止させるところの待機状態においては制御手段の動作電力を供給する3次電源は、2次電源手段により非安定高圧の1次電源から電圧を降圧安定化させた2次電源を電力の供給源として、更に電圧を降圧安定化させるための低電圧電力変換の動作に要する消費電力が第1の3次電源手段未満となる第2の3次電源手段のみから供給されるために、第1の3次電源手段を低電圧電力変換の動作状態として3次電源を電力源とする機器の機能を成す全ての負荷を通常動作させる状態に対して2次電源の電力消費が低減できることなり、
よってこの2次電源へ電力を供給する2次電源手段への電力供給源となる1次電源の電力消費も低減できることで、制御装置を動作させる低電圧を得るために主電源に対して2段階以上の降圧安定化の電源構成が必要とされる機器においても、コスト増の要因となる高い耐圧性能を要求される回路素子が必要となる構成は1次電源から2次電源を変換し出力する2次電源手段のみとして追加することがなくても機器待機時の主電源から消費される待機電力を更に低減できることとなるので、
より一般的な電気機器において広く用いることできるという効果を得ることができる。
本発明の実施の形態1の電源回路の概略構成を示すブロック図 同電源回路に備える第1の3次電源手段の回路構成例を示す回路図 同第1の3次電源手段と及び制御手段との接続構成を示す回路図 同電源回路における制御手段による機器の待機状態変更時の制御処理の手順を示したフローチャート 同電源回路における制御手段による機器の待機状態変更時の制御処理の他の手順を示したフローチャート 同第1の3次電源手段と第2の3次電源手段と、及び電圧降下手段を抜き出して概略の回路構成を示した回路図 同第1の3次電源手段と第2の3次電源手段と、及び分圧手段を抜き出して概略の回路構成を示した回路図 従来の制御装置の電源回路の構成を示す回路図 他の従来の制御装置の電源回路の構成を示す回路図
本発明の請求項1記載の電気機器の電源回路は、
制御機能を備えた電気機器に搭載される、電力供給の主電源となる外部商用の交流電源を整流化した非安定高圧の1次電源の電力を一部消費し動作しながら電圧を規定値に降圧して安定化し、機器の機能を成す全ての負荷に要求される電力を2次電源として変換し出力する2次電源手段と、
前記2次電源の電力を一部消費し動作することで電圧を2次電源より更に低圧に降圧して安定化し、負荷に要求される電力を3次電源として変換し出力する3次電源手段と、
規定の基準となる周波数の時間間隔に同期して規定の手順に従い機器の機能を成す負荷の動作の制御処理を実行し、同期動作する周波数に応じた電力を消費する前記3次電源を電源として動作する制御手段とを備えたところの前記制御手段への電力供給の電源として1次電源から最低2段階の電圧降下が必要となる電源回路の構成において、
前記3次電源手段として3次電源を電力供給源とする全ての負荷に要求される最大電力の供給に対応し、且つ低電圧電力変換の動作を外部からの電圧信号による操作により停止可能であって、停止状態においては電力変換に要する電力消費が略零となる第1の3次電源手段と、及び3次電源を電力供給源とする前記制御手段の動作に関連する最低限度の電力の供給のみに対応し、低電圧電力変換の動作に要する消費電力が前記第1の3次電源手段未満となる第2の3次電源手段との2つの構成を並列に接続して備え、合わせて、前記制御手段における制御処理の手順において、機器を通常の動作状態に制御する時には前記第1の3次電源手段を電圧信号で操作することにより低電圧電力変換を動作させた状態として、また、制御手段以外の負荷への電力供給を止めて機器の動作を停止させるところの待機状態にあっては、電圧信号による操作により第1の3次電源手段の低電圧電力変換の動作を停止させるようにしたという構成を有する。
これにより、制御手段により機器の動作を停止させるところの待機状態においては制御手段の動作電力を供給する3次電源は、2次電源手段により非安定高圧の1次電源から電圧を降圧安定化させた2次電源を電力の供給源として、更に電圧を降圧安定化させるための低電圧電力変換の動作に要する消費電力が第1の3次電源手段未満となる第2の3次電源手段のみから供給されるために、第1の3次電源手段を低電圧電力変換の動作状態として3次電源を電力源とする機器の機能を成す全ての負荷を通常動作させる状態に対して2次電源の電力消費が低減できることなり、よってこの2次電源へ電力を供給する2次電源手段への電力供給源となる1次電源の電力消費も低減できることとなるので、制御装置を動作させる低電圧を得るために主電源に対して2段階以上の降圧安定化の電源構成が必要とされる機器においても、コスト増の要因となる高い耐圧性能を要求される回路素子が必要となる構成は1次電源から2次電源を変換し出力する2次電源手段のみとして追加することなく機器待機時の主電源から消費される待機電力を低減させることができることから、より一般的な電気機器において広く活用できるようにすることができるという効果を奏する。
また、前記制御手段として制御処理のための基準となる周波数自体を制御処理の中で変更できて、且つ周波数を通常動作の高周波の状態から低周波に切替えた状態においては電力消費が低減するものを用いて、更にこの制御手段の制御処理の手順において機器の動作を停止させるところの待機状態に制御する時には制御処理の基準となる周波数を高周波の状態から低周波に切替えた後に前記第1の3次電源手段の低電圧電力変換の動作を停止して、また、機器を待機状態から動作状態に制御する時には第1の3次電源手段の低電圧変換出力を動作状態に変更操作した後に制御処理の基準となる周波数を高周波の状態に戻す手順を実施させる構成にしてもよい。これにより、制御手段により機器の動作を停止させるところの待機状態においては制御処理において処理動作の基準となる周波数を通常動作の高周波の状態から低周波に切替えて3次電源からの電力消費を低減させた後に第1の3次電源手段の低電圧電力変換の動作を停止させることで、電力消費が低減した制御手段のみが第2の3次電源手段のからの低電圧出力による3次電源の電力を消費して動作するようすることで主電源から消費される待機電力を更に低減できることなり、また機器を待機状態から通常の動作状態に制御する時には第1の3次電源手段の低電圧変換出力を動作状態に変更した後に制御処理の基準となる周波数を通常の高周波の状態に戻すことで、制御手段は第1の3次電源安定降圧手段からの低電圧出力による3次電源の電力を消費して動作させることができることから、コスト増の要因となる高い耐圧性能を要求される回路素子が必要となる構成は1次電源から2次電源を変換し出力する2次電源手段のみとして追加することなく機器待機時の主電源から消費される待機電力をより低減できることとなるので、更により一般的な電気機器において広く活用できるようにすることができるという効果を奏する。
また、前記第1の3次電源手段と第2の3次電源手段は3供給する次電源としての出力電圧値を3次電源の負荷に許容される範囲で第2の3次電源手段の方を低電圧としたという構成にしてもよい。これにより、第1の3次電源手段と第2の3次電源手段が低電圧出力を同時に変換し出力することとなる機器の通常動作においては第2の3次電源手段の出力電圧は高い電圧値となる第1の3次電源手段の出力電圧により電位的に抑制されて3次電源としては供給されずに、3次電源を電力供給源とする全ての負荷が消費する電力は制御手段が動作する最低限度の電力のみを供給できるように構成した第2の3次電源手段から供給されることなく、第1の3次電源手段による低電圧変換出力から供給されることで第2の3次電源手段の過電力出力による破壊等の不具合を自律的に防止できるために、コスト増の要因となる高い耐圧性能を要求される回路素子が必要となる構成は1次電源から2次電源を変換し出力する2次電源手段のみとして追加することなく機器待機時の主電源から消費される待機電力を低減させる機能を更に安定的に提供できることとなるので、更により一般的な電気機器において広く活用できるようにすることができるという効果を奏する。
また、2次電源から前記第2の3次電源への電力導通経路に電流を導通させながら電圧を2次電源と3次電源の間の電位に降下させる電圧降下手段を備えた構成にしてもよい。これにより、第2の3次電源への電力供給源の電圧を電圧降下手段によって2次電源と3次電源の間の電位の電圧に降圧できるために、第2の3次電源として、より耐圧性能の低い低コストとなるものを用いることができることとなるので、更に、一般的な電気機器において、より広く活用できるようにすることができるという効果を奏する。
また、2次電源と3次電源の間に電流を導通させることで2次電源と3次電源の間の電位の電圧を分圧電源して出力する分圧手段を更に備えて、この分圧手段から出力される分圧電源を前記第2の3次電源への電力供給源とした構成にしてもよい。これにより、第2の3次電源への電力供給源の電圧を分圧手段によって2次電源と3次電源の間の電位の分圧電源として降圧できるために、第2の3次電源として、より耐圧性能の低い低コストとなるものを用いることができることとなるので、更に、一般的な電気機器において、より広く活用できるようにすることができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は制御機能を備えた電気機器に搭載される制御回路の構成の概略を示している。
図上、破線の囲み枠は機器の本体となる外郭1を示している。
外郭1の外部には機器への電力供給源となる主電源であるところの商用交流電源2が有る。
この商用交流電源2の交流電圧は、先ずは整流手段3により整流し平滑化することにより図上、V1で示している直流高圧の1次電源に変換することで外郭1の内部に引き込まれる。
この整流手段3の次段には1次電源に備わる電力を消費しながら電圧を降圧して規定の電圧に安定化させる2次電源手段4を接続して配置することで、1次電源から、図上、V2で示している低圧直流の安定化させた2次電源を生成している。
この2次電源手段4の次段には2次電源に備わる電力を消費しながら電圧を更に降圧して規定の電圧に安定化し、電力供給を行う負荷側に要求される最大の出力電力を変換して出力するための第1の3次電源手段5aと、及び電力供給を行う負荷側に要求される最低限度の出力電力を変換して出力する第2の3次電源手段5bとを並列に接続して配置することで、2次電源から、図上、V3で示している低圧直流の安定化させた3次電源を生成している。
この、第1の3次電源手段5aと第2の3次電源手段5bの次段には3次電源を電力源として動作し、出力する電圧信号により機器の機能を成す各種の負荷装置の制御動作を行うための制御手段6を接続している。
また、2次電源には、2次電源の電力消費の負荷となり制御手段6から出力される電圧信号により2次電源からの電力の導通を切替えることで動作状態が制御される機器の主機能を成す機器負荷装置7を接続している。
なお、3次電源には図1において3次電源の配線の右端に示した矢印以降においても3次電源を電力供給源として動作するLED等の表示装置やブザー等の発音装置、あるいは電動機等の動力装置等の機器の制御要素となり、制御手段6による制御対象となる負荷装置が接続されることが一般的であるが、本考案の要旨には関係しないことから詳細の説明は省くものとする。
ここで、商用交流電源2は、例えば商用交流電源であり日本国内においてはAC100V(50/60Hz)である。
ここで、整流手段3は特定の構成を規定するものではなく、ダイオード等の整流素子を用いることで交流電圧を整流化するものでれば良い。
ここで、機器負荷装置7は2次電源の電力を消費することで機器の主機能を成すものであり、一例としては空調機器等における送風装置の駆動力源となるDCモーター等であり、駆動ICや駆動動力用として制御手段6に要求される以上の、例えば15V程度の電圧を電源電圧として必要とされるものとなるが、同構成も本考案の要旨には関係しないことから詳細の説明は省くものとする。
ここで、2次電源手段4は特定の構成を規定するものでは無いが、電力変換自体にも電力消費が伴い電力変換効率がより高い程、商用交流電源2の電力消費を低減できることから、例えばトランスの1次側に対して電源電圧の導通を断続的に切替えることでトランスの2次側に降圧させた断続電圧を発生させて、ダイオード等の整流素子を用いることで断続電圧を整流化しながら、この整流化した電圧の電圧値を帰還して、この帰還電圧が基準電圧と異なる時は断続電圧の周期や間隔を変化させることで規定の電圧値に出力する電圧を安定化させる、所謂スイッチングレギュレーターの構成を用いるものが電力消費の低減には望ましい。
なお、2次電源手段4は機器負荷装置7の仕様において規定される動作のために必要とされる最大電力を要求電圧で出力側に2次電源として供給できるように構成する必要がある。
なお、2次電源手段4においてスイッチングレギュレーターの構成を用いたものであっても、入力される電源の電力を消費することで電力変換の動作を行い降圧した出力を生成することから、入力電力に対する出力電力の変換効率は一般的には85%程度となり、15%前後の電力は損失となって熱となり消費されることとなる。
ここで、制御手段6は前述したマイクロコンピューターで構成しているものであり、例えば演算や判断処理を行う中央演算装置や、外部の電圧変化の信号を取り込み、且つ出力できる入出力端子や、アナログ電圧信号をデジタル値に変換して取り込めるA/D入力端子や、動作手順をソフトウェアーとして記憶するためのリードオンリーメモリーや、演算や判定状態を一時的に保存するランダムアクセスメモリー等を一体として内蔵することにより制御動作をリードオンリーメモリー上にソフトウェアー記述として記憶させた手順を一定の周波数の時間間隔に基づき順次処理することにより、機器の制御動作を単独で処理して実行できる、いわゆる1チップマイクロコンピューターを用いるものである。
なお、この1チップマイクロコンピューターに備わる入出力端子は、印加される電源が正常動作範囲以下の停止した状態にあれば高抵抗状態として電流の入出力が行われない状態であることが基本的仕様であり、印加される電源が正常動作範囲内へ変化した以降の正常動作において、リードオンリーメモリー上に記憶させたソフトウェアー記述に基づく内部処理により状態を規定(電源電位となるHi電位や基準電位(GND)となるLo電位、もしくは高抵抗状態の入力端子化等)できるものである。
また、1チップマイクロコンピューターは動作のための電源として通常、3Vから5Vの低圧に安定化させた電圧が要求され、その消費電流は多くの電気機器に搭載される標準的なものにあっては処理の基準となる周波数の設定にもよるが、低周波で周期の短い通常の動作モードの設定においては2mA前後で、通常の動作モードよりも周期の長い低速の動作モードの設定においては0.5mA前後であることが一般的である。
なお、前述のソフトウェアー処理の基準となる周波数は近年の1チップマイクロコンピューターにおいてはソフトウェアーの記述により制御処理の中で切替えが可能なものが一般的であることから、短時間当たりに要求される制御処理に遅れが生じない限りおいて、周波数を低周波方向に切替えることで制御手段6に要される消費電力も機器の動作に応じて、より低減させることができることとなる。
ここで、第2の3次電源手段5bは3次電源の負荷となる制御手段6の仕様において規定される動作のために必要な最低限度の電力を要求電圧で出力側に供給可能であることが要求条件なるが、この最低限度の電力供給のための電圧変換自体にも電力消費が伴うために、このことから消費電流が少ない程、2次電源の電力消費を低減できることから、例えば、変換動作に要する消費電流が10μA前後と非常に少ない一般的なCMOS型のシリーズ電圧安定化レギュレーター回路の構成や、同CMOSの構成を1素子化した3端子レギュレーターIC等を用いることが最適である。
同レギュレーターを用いる構成であれば、例えば2次電源の電圧に15Vが必要とされて、制御手段6の電圧電流の要求仕様が前述の5V2mAである時には、変換に要する消費電流が10μAであるとすれば2次電源の出力電力は約30.2mWとなり、また制御手段6の要求電流が前述の0.5mAであれば7.7mW程度までに2次電源の電力消費を抑制することができることとなる。
ここで、第1の3次電源手段5aは3次電源に接続される制御手段6等の負荷の仕様において規定される動作のために必要な最大電力を要求電圧で出力側に供給できるようにした電源回路の構成であり、外部から入力される電圧信号によって低電圧出力の変換の停止が可能であって、停止状態においては電力変換に要する電力消費が略零とできる構成である。
この第1の3次電源手段5aの構成においても電力供給のための電力変換そのものにも電力消費が伴うことから、この電力変換に要する消費電力が少ない程、2次電源の電力消費を低減できることとなる。
なお、この第1の3次電源手段5aの出力に要求される最大電力は電源を搭載する機器の機能等に左右されて規定できるものでは無いが、前記において一例としては示した空調機器等であれば100mA以上の電流出力が求められることが多く、このとき、2次電源が15Vで3次電源が5Vの電圧であるとすれば最低でも0.5W以上が出力できることが求められるものである。
よって、第1の3次電源手段5aには図2に示しているような、入力となる電源を断続的に導通させた時の電力エネルギーをコイルのインダクタンスとコンデンサーの静電容量に蓄えて平滑化しながら断続の比率を出力が目標とする電圧値に一定化する帰還制御を行うことで入力電力から規定する安定電圧を高効率で降圧変換できるスイッチングレギュレーターの回路構成が適している。
スイッチングレギュレーターは入力電力の出力側への断続導通の比率を変化させることで電圧値の降圧変換を行う原理であるために、抵抗成分の電力消費で電圧を降下させるシリーズレギュレーターと異なり比較的大きな電力変換の出力においても80%前後の高効率の電圧変換が行える特徴がある。
図2はこのようなスイッチングレギュレーターの概略の回路構成であり、説明の簡略化のために一例として最も単純な自励型発振方式の構成を示しているものである。
入力側となる2次電源と出力側の3次電源の間に外部からの信号により電流導通の開閉を切替えることができるスイッチ素子8とインダクタンス作用のためのコイル9を直列に配置し、更に3次電源には並列に3次電源の電圧を検知電圧の範囲に降圧させて帰還させるための分圧抵抗となる抵抗10aと抵抗10bを接続している。
また、スイッチ素子8とコイル9との間には3次電源に並列となるようにスイッチ素子8が開放状態においてもコイル9に蓄積された電力を3次電源の側に一方向に流す環流用と成るダイオード11のカソード側を接続している。
また、スイッチ素子8には抵抗10aと抵抗10bにより分圧された3次電源の電圧を帰還信号として3次電源が規定の電圧値に一定化するようにスイッチ素子8の断続導通の比率を変化させるための電圧帰還スイッチ駆動回路12を配置している。
ここで、スイッチ素子8は電圧信号で遮断と導通の状態が変化する、図上において示している電界効果トランジスター(FET)や、もしくは電圧信号に基づく微小な制御電流の変化により100倍程度以上の導通させる電流を変化させることができるトランジスターが用いられることが一般的である。
ここで、電圧帰還スイッチ駆動回路12は正負の2入力に印加される2つの電圧値を比較した時、電圧値が大きい入力端子の電圧の状態を出力する比較器13と帰還電圧との比較対象となる基準電圧を出力する定電圧電源器14で通常構成されている。
ここで、比較器13は一般的な演算増幅素子やコンパレーター素子で構成されるものであり、定電圧電源器14は電流の通電で両端電圧が一定化する定電圧ダイオードや、または2個同一のダイオードを用いて温度依存性を打ち消した順方向電圧を得るバンドギャップ電圧源の構成を使用することが一般的であり、その機能を果すためにはスイッチングレギュレーターに求められる電力変換により出力する電力に対しては僅かではあるが、やはり電力消費が伴うこととなる。
このように、電圧帰還スイッチ駆動回路12の動作に電力を要し、及び実際のスイッチ素子8とコイル9には抵抗成分が備わることから、スイッチ素子8には電力の導通と遮断の切替え動作における電力損失が伴うことでスイッチングレギュレーターによる電源の回路構成においては前述した通り比較的大きな電力の出力においては80%前後の高効率の電圧変換が行えるが数mA程度の低い出力電流においては10%前後の電力変換効率となることが一般的である。
このことから、例えば前述と同じく2次電源の電圧が15Vであって制御手段6の電圧と電流の要求仕様が5V2mAである時には100mWの電力消費が生じ、制御手段6の要求電流が0.5mAであっても25mWの2次電源の電力消費が生じることとなる。
ここで、2次電源から電圧帰還スイッチ駆動回路12への電力供給の経路中に図に示しているような変換動作切替手段15を設けて、この変換動作切替手段15を開いた非導通状態とすれば比較器13や定電圧電源器14への電力供給が遮断されて機能が停止することとなるために、合わせて電圧帰還スイッチ駆動回路12としてのスイッチ素子8の駆動機能が停止できることとなる。
スイッチ素子8の駆動機能が停止すると3次電源への電力供給も停止することとなるために、電圧帰還スイッチ駆動回路12への電力導通が遮断されていることと相まって2次電源に対する第1の3次電源手段5aの電力消費は概ね皆無とすることができることが分る。
よって、この変換動作切替手段15に相当する電圧帰還スイッチ駆動回路12への電源導通の遮断を外部からの電圧信号で切替えることができる構成を設ければ第1の3次電源手段5aの低電圧電力変換の動作を停止させ消費電力を略零化できることとなる。
なお、消費電力が略零とは、電圧帰還スイッチ駆動回路12への電力導通が遮断され、合わせてスイッチ素子8の駆動を停止して、後段への電流導通が生じないことから文字通り「0W」であることを示すが、1mW以下の微小な消費電力が生じるような構成であっても待機電力増加への影響は無視できる値であることから実用上構わない。
次に、このような変換動作切替手段15の一例を図3に基づいて説明する。
図3は第1の3次電源手段5aの構成と3次電源に接続される制御手段6のみを抜き出して示した回路図である。
変換動作切替手段15は図上、2点差線の囲み枠で示しているが、2次電源から電圧帰還スイッチ駆動回路12への電力供給の導通と遮断を切替える主体となるPNP型トランジスター16と、この2次電源の電位となるPNP型トランジスター16の駆動電流の導通と遮断を低電位となる3次電源側の制御手段6からの電圧信号により切替えるためのNPN型トランジスター17とから構成している。
この、変換動作切替手段15を構成するPNP型トランジスター16とNPN型トランジスター17は信号伝達の切替え程度の電力導通が切替えることができるものであって、またPNP型トランジスター16においては導通状態にあって電圧帰還スイッチ駆動回路12が消費する僅かな電力の供給が行えるものであれば良く、更には低電位となる2次電源が電力供給の主体であることからも低耐圧性で低導通電力の入手性に優れる一般的なトランジスター素子を用いることができる。
よって、同変換動作切替手段15においては制御手段6を構成する1チップマイクロコンピューターの出力端子6aからLo電位を出力している状態であればNPN型トランジスター17は停止状態となってPNP型トランジスター16への駆動電流を流せないことなり、この時、PNP型トランジスター16も2次電源から電圧帰還スイッチ駆動回路12への電力供給の遮断を維持することとなり、また出力端子6aをHi電位に変化させればNPN型トランジスター17は導通状態となってPNP型トランジスター16には駆動電流が流れることとなるために、2次電源から電圧帰還スイッチ駆動回路12への電力供給がPNP型トランジスター16によって維持された状態に切替えることができることとなる。
以上のことから、第1の3次電源手段5aにおいては変換動作切替手段15を制御手段6からの電圧信号によって2次電源から3次電源への電力変換による電力の供給と停止をほぼ電力消費を伴うことなく切替えることができることとなる。
ここで、第1の3次電源手段5aと、及び第2の3次電源手段5bは3次電源の負荷となる制御手段6の仕様において要求される電圧を出力側に供給しているが、前述のとおり第2の3次電源手段5bは制御手段6の動作に必要となる最低限度の電力を出力側に供給する構成である。
このことから、第1の3次電源手段5aを動作させている時で、3次電源に最小限度以上の電力供給が求められる状態にあっては第2の3次電源手段5bからの3次電源の供給は不要であって、且つ第2の3次電源手段5bの仕様を超える出力側への電力供給が生じた場合、構成する回路素子に仕様を超える過剰な電力が導通することにより破壊等の異常をきたす可能性があることから、第1の3次電源手段5aから3次電源を供給させている状態にあっては第2の3次電源手段5bからは3次電源として電力が供給されないようにすることが望ましい。
よって、例えば図1に示しているように第1の3次電源手段5aと、及び第2の3次電源手段5bのそれぞれの出力電圧V3aとV3bを個別の値として3次電源の負荷となる制御手段6の仕様に要求される電圧範囲においてV3aに対してV3bを低い電圧値に設定している。
このような関係に各出力電圧の値を設定すれば3次電源としてV3aとV3bが同時に供給されている状態にあってはV3aに対して低電圧のV3bの電圧を出力する第2の3次電源手段5bからは電圧差により3次電源には電力は供給されないこととなって、第1の3次電源手段5aから3次電源を供給させている状態においては自律的に第2の3次電源手段5bからは3次電源に対して電力が供給されないようにすることができることとなる。
なお、以上の説明においてはスイッチングレギュレーターの説明の簡略化のために自励型発振方式の回路構成を示したが、スイッチング周期の時間基準を得るために発振器を搭載することで、より高効率な電力変換が行えるパルス変調方式を用いた構成であっても、同様に外部からの電圧信号によって消費電力を略零化した状態で低電圧電力変換の動作を停止させることができる点に違いはない。
なお、以上説明したスイッチングレギュレーターの主要な構成となるスイッチ素子8や電圧帰還スイッチ駆動回路12、また変換動作切替手段15の構成は、各構成要素となる回路素子を組み合わせて構成しても、また各回路素子を集積回路として一体の1チップ化することも可能である。
なお、1チップの集積回路でスイッチングレギュレーターを構成したものにあっては、構成機能として外部からの電圧信号により電力変換機能の停止と起動を切替えることを可能とし、停止状態においては電力変換に要する電力消費を略零化できる入力端子を備えたものも、現在は入手可能であるが、このような入力端子機能を備えたスイッチングレギュレーターの回路構成を用いれば、以上説明した変換動作切替手段15を設ける必要がない。
次に、図4と図5に示したフローチャートにより制御手段6において機器を待機状態とする時の制御処理の手順について説明する。
ここで、同図は前記の通り、機器の制御処理の手順において通常動作の状態から待機状態への移行において実施する第1の3次電源手段5aの操作処理のルーチンのみを抜き出して示したものである。
よって、機器の通常動作における制御の主な処理や待機状態への移行判定に伴う処理は主ルーチンの中で実行させるものとして、図上、点線で示した繰り返しループの中で実施しているものとする。
本ルーチンは、先ず、図4に示しているようにステップS1において機器が待機状態にあることを判断して、結果、待機状態に無い時にはステップS2に移行して、出力端子6aをHi電位の状態に保ったまま主ルーチンに戻ることとなる。
ステップS1において機器の待機状態への移行が判断された時には、次にステップS3に移行することとなる。
ステップS3においは機器の機能を成すための全制御対象の装置負荷への電力導通を停止させた後にステップ4に移行して、出力端子6aをLo電位に変更した後に主ルーチンに戻ることとなる。
以上、よって、ステップS4へと移行する状態にあれば機器は待機状態にあって、且つ第1の3次電源手段5aによる3次電源への電力の供給を停止させた状態となる。
ここで、機器の待機状態においては制御手段6に求められる相応する短時間当たりに要求される制御処理の数が少なくなり、且つ制御手段6を構成する1チップマイクロコンピューターにおいては前述した通りソフトウェアー処理の基準となる周波数はソフトウェアーの記述により変更することが可能である。
このことから、図5に示しているように図4の手順に対して機器の待機状態への移行が判定されたステップS3の後に、基準の周波数を低下させる変更を行うステップS3aを追加することで機器の待機状態においては制御手段6に要される消費電力も合わせて、更に低減することができることとなる。
なお、機器を通常の運転状態に制御する時には出力端子6aをHi電位として第1の3次電源手段5aを動作状態とすることにより機器の動作状態に要求される3次電源の電力供給に備えた後、要求される制御処理に遅れが生じないように基準の周波数を高周波化させる制御処理の手順を制御手段6において実行させることとなる。
このような構成によれば、機器の外郭1に商用交流電源2の交流電圧が接続された状態において整流手段3は直流高圧の1次電源を生成し、2次電源手段4は、この1次電源に備わる電力を消費しながら低圧直流の安定化させた2次電源を生成して機器の主機能を成す機器負荷装置7の電力源として出力側に供給する。
また、2次電源の供給があれば、第1の3次電源手段5aと、及び第2の3次電源手段5bは2次電源に備わる電力を消費しながら2次電源に対して更に低圧の安定化させた3次電源を生成して出力側に供給する。
制御手段6はこの3次電源を電力源として動作することで規定された手順に従い機器の制御動作を実行することとなるが、出力端子6aから出力する電圧信号により第1の3次電源手段5aの低電圧電力変換の動作状態を切替えることで、機器を通常動作に制御する時にあれば第1の3次電源手段5aを動作状態に維持して機器の動作に必要となる3次電源の電力供給に備え、機器を待機状態とする時には第1の3次電源手段5aを停止させる。
また、機器を通常動作に制御している時には第1の3次電源手段5aと第2の3次電源手段5bが同時に低電圧変換出力を行うこととなるが、第2の3次電源手段5bの出力電圧は第1の3次電源手段5aの出力に対して低い電圧値に設定していることから電圧差により第2の3次電源手段5bは3次電源への電力の供給には要されることがない。
このことから、3次電源を電力供給源とする機器に搭載する全ての負荷が消費する電力は制御手段6が動作する最低限度の電力のみを供給できるように構成した第2の3次電源手段5bからは供給されずに第1の3次電源手段5aによる低電圧変換出力から供給されることとなる。
よって、第2の3次電源手段5bは機器に搭載する3次電源を電力供給源とする全ての負荷への電力供給による過負荷電力の出力によって破壊等の不具合に至ることが自律的に防止されるために、機器待機時の主電源から消費される待機電力を低減させる機能を長期に渡り安定的に提供できることとなる。
また、第1の3次電源手段5aを停止させる機器の待機状態にあっては3次電源に対しては第2の3次電源手段5bからのみ電力が供給されることとなって、2次電源の備える電力は3次電源の負荷となる制御手段6の動作に要する電力を供給するために第2の3次電源手段5bにおける低電圧電力変換の動作と3次電源への電力出力で消費される最低限度の電力を供給するためのみに消費されることとなる。
このことから、機器の待機状態にあっては1次電源の備える電力は、前記の2次電源手段4から2次電源に対する最低限度の電力の供給のみで消費されるようにできることから、1次電源の電力供給源であるところの主電源となる商用交流電源2の電力消費を機器の通常動作状態に対して最低化することができる。
よって1次電源から2次電源の低電圧を変換し得るために高い耐圧性能が要求される2次電源手段4は単一の回路構成であっても待機状態の制御処理時は1次電源の電力消費を最低化とすることができることとなるので、コスト増の要因となる高い耐圧性能を要求する回路構成や素子を追加することなく機器の待機状態における電力消費を通常動作状態に対して、より低減できることとなる。
更に、機器の待機状態にあっては制御手段6において制御動作処理の基準となる周波数を低周波方向に切替えることで制御手段6の制御動作に要される電力消費を低減させるようにしていることから、更に商用交流電源2の電力消費を低減させることができることとなる。
なお、第2の3次電源手段5bは制御手段6の動作に必要な最低限度の電力を出力側に供給できるように設定するものであるが、搭載の対象となる機器の仕様において待機状態にあっても停止できない機能構成(例えば、機器外部からの操作信号を受信して機器の遠隔操作を可能とする遠隔操作受信構成等)が制御手段6の制御動作の関連として必要となる場合もある。
このような機器の仕様にあっては、同構成機能の動作に要される電力も合わせて3次電源として供給できるように第2の3次電源手段5bを構成する必要があるが、このように第2の3次電源手段5bを構成した場合においても、この待機状態に必要とされる全電力を第1の3次電源手段5aから3次電源として供給した時に対して1次電源の電力消費が少ない機器の構成であれば応用の範疇であって、且つ、その作用効果に差異を生じない。
以上の説明においては2次電源から電圧を更に降圧し規定の電圧に安定化した3次電源を得るために3次電源から電力供給を行う負荷側に要求される最大の出力電力を変換して出力するための第1の3次電源手段5aと、及び制御手段6における待機状態の動作に関連する最低限度の出力電力を変換して出力する第2の3次電源手段5bとを並列に接続して配置することでコスト増の要因となる高い耐圧性能を要求する1次電源から2次電源を変換して得る回路構成や素子を追加することなく機器の待機状態における電力消費を通常動作状態に対して、より低減できることを示してきた。
このことから、3次電源手段として、より低電圧の電源を入力として3次電源を降圧して出力するものを用いることができれば、耐圧性能が更に低いことから、より安価となる電源回路の構成の活用が可能となり、電源回路の全体のコストを更に低減できることとなる。
よって、図6に示しているように2次電源から第2の3次電源手段5bへの電力導通経路に電流を導通させながら電圧を2次電源と3次電源の間の電位に降下(図上、V2aで指示)させる電圧降下手段18を更に配置した構成としても良い。
ここで、図6は全体の電源回路の構成から第1の3次電源手段5aと第2の3次電源手段5bの構成を部分的に抜き出して回路構成の概略を示した回路図である。
ここで、電圧降下手段18は付加されるコストを可能な限り抑制するため単素子で電圧降下作用を得られるものが望ましく、例えば逆電圧の印加において一般的に降伏電圧として知られる規定電圧以上の電圧印加があれば電流を導通させる定電圧ダイオードを用いるものである。
この、定電圧ダイオードとしては、前述したように2次電源が15Vで3次電源が5Vの電圧であるときには、例えば降伏電圧が7V程度のものを使用することが第2の3次電源手段5bによる3次電源の電圧の安定出力のためには望ましく、このとき前述した通り制御手段6の電圧電流の要求仕様が2mAであったとすれば16mW程度の消費電力に耐える素子を選定すれば良いこととなる。
また、図7に示しているように2次電源と3次電源の間に電流を導通させることで2次電源と3次電源の間の電位の電圧を分圧して出力する分圧手段19を備えて、この分圧手段19から出力される分圧電源を第2の3次電源手段5bへの電力供給源とした構成としても良い。
ここで、図7は全体の電源回路の構成から第1の3次電源手段5aと第2の3次電源手段5bの構成を部分的に抜き出して回路構成の概略を示した回路図である。
ここで、分圧手段19は付加されるコストを可能な限り抑制するため単純な構成で分圧電源を得られるものが望ましく、例えば2つの抵抗素子19a,19bを直列に接続して配置するものであり、抵抗素子19a,19bの接続点を分圧電源(図上、V2aで指示)の出力として構成するものである。
この、抵抗素子19a,19bとしては、前述したように2次電源が15Vで3次電源が5Vの電圧であるときには、例えば分圧電源が7V程度の電圧になるような分圧設定が第2の3次電源手段5bによる3次電源の電圧の安定出力のためには望ましい。
この時も前述同様に制御手段6の電源電流の要求仕様が2mAであったとすれば15Vの2次電源の電圧から分圧電源の7Vの電圧を生じさせるための8Vの電圧降下のために16mW程度の消費電力に耐える抵抗素子19aと、分圧電源の7Vの電圧から3次電源の5Vの電圧を最低限度にて電圧降下させる4mW程度の消費電力に耐える抵抗素子19bを選定すれば良いこととなる。
このように、選定対象となる定電圧ダイオードや抵抗素子が16mW程度以下の微小な耐電力性能で良い場合にあっては、汎用的に使用されるものであって非常に安価にて入手可能であるために、電源回路の全体のコスト増加への影響もほぼ考慮不要となる。
よって、第2の3次電源手段5bとして2次電源の15Vの供給電圧から7Vの供給電圧のより低圧となる耐電圧性能を備えた電源回路の構成を用いることができることとなり、結果、コスト増の要因となる高い耐圧性能を要求する1次電源から2次電源を変換して得る回路構成や素子を追加することなく、電源回路の全体のコストを更に低減できることとなる。
なお、2次電源から3次電源を変換する第1の3次電源手段5aは前述した通り負荷側に要求される最大の出力電力を変換して出力できる性能が求められることから、電圧降下させる全体の電力耐力も相応に高い電源回路の構成が要求されることとなる。
このとき、電源回路の構成として電力耐力が高いものは、高い耐圧性能を備える構成と同様に一般的に耐圧性能が低い構成に対して高価となり、電源回路の全体のコストの低減には貢献しないこととなる。
このことから、第1の3次電源手段5aの電力供給経路への電圧降下手段18や分圧手段19の適用は適さないが、電圧降下手段18や分圧手段19に求められる電力耐力を備えた電源の回路構成において電源回路の全体のコスト増加への影響が少ないものと判断される時には第1の3次電源手段5aの電力供給経路への適用でき、同様の作用効果を備えている。
なお、制御手段6における待機状態の動作に関連する消費電力が10%程度の変動幅に収まる場合にあっては第2の3次電源手段5bの以降は電力消費の主体が固定抵抗と同一と見なすことが可能となる。
このことから、電圧降下手段18として定電圧ダイオードに替えて抵抗素子を用いることが可能であり、見なした固定抵抗と、及び電圧降下手段18として用いる抵抗素子の直列接続における2次電源の導通により目標とする分圧電源の電圧を生じさせるように抵抗素子の抵抗値を選定すれば、電圧降下手段18に求める同様の効果を果たす。
以上のことから、制御装置を動作させる低電圧を得るために主電源に対して2段階以上の降圧安定化の電源構成が必要とされる機器においても、コスト増の要因となる高い耐圧性能を要求される回路素子が必要となる構成は1次電源から2次電源を変換し出力する2次電源手段4のみとして追加することがなくても機器待機時の主電源から消費される待機電力を更に低減できることとなるので、より一般的な電気機器において広く用いることができることとなる。
本発明にかかる制御装置の電源回路は、電気機器に制御のために搭載される制御回路の構成に対して非安定高圧の電源から安定した低電圧の電源を生成して供給し、要されるコスト増の要因を抑制しながら機器の待機時には電力消費を低減させることができる構成であるために、一般的な電気機器や電気装置の全般に広く搭載できる制御装置の電源回路等として有用である。
4 2次電源手段
5a 第1の3次電源手段
5b 第2の3次電源手段
6 制御手段
18 電圧降下手段
19 分圧手段

Claims (5)

  1. 制御機能を備えた電気機器に搭載される、電力供給の主電源となる外部商用の交流電源を整流化した非安定高圧の1次電源の電力を一部消費し動作しながら電圧を規定値に降圧して安定化し、機器の機能を成す全ての負荷に要求される電力を2次電源として変換し出力する2次電源手段と、前記2次電源の電力を一部消費し動作することで電圧を2次電源より更に低圧に降圧して安定化し、負荷に要求される電力を3次電源として変換し出力する3次電源手段と、規定の制御処理の基準となる周波数の時間間隔に同期して規定の手順に従い機器の機能を成す負荷の動作の制御処理を実行し、同期動作する周波数に応じた電力を消費する前記3次電源を電源として動作する制御手段とを備えたところの前記制御手段への電力供給の電源として1次電源から最低2段階の電圧降下が必要となる電源回路の構成において、前記3次電源手段として3次電源を電力供給源とする全ての負荷に要求される最大電力の供給に対応し、且つ低電圧電力変換の動作を外部からの電圧信号による操作により停止可能であって、停止状態においては電力変換に要する電力消費が略零となる第1の3次電源手段と、及び3次電源を電力供給源とする前記制御手段の動作に関連する最低限度の電力の供給のみに対応し、低電圧電力変換の動作に要する消費電力が前記第1の3次電源手段未満となる第2の3次電源手段との2つの構成を並列に接続して備え、合わせて、前記制御手段における制御処理の手順において、機器を通常の動作状態に制御する時には前記第1の3次電源手段を電圧信号で操作することにより低電圧電力変換を動作させた状態として、また、制御手段以外の負荷への電力供給を止めて機器の動作を停止させるところの待機状態にあっては、電圧信号による操作により第1の3次電源手段の低電圧電力変換の動作を停止させるようにした電気機器の電源回路。
  2. 前記制御手段として制御処理のための基準となる周波数自体を制御処理の中で変更できて、且つ周波数を通常動作の高周波の状態から低周波に切替えた状態においては電力消費が低減するものを用いて、更にこの制御手段の制御処理の手順において機器の動作を停止させるところの待機状態に制御する時には制御処理の基準となる周波数を高周波の状態から低周波に切替えた後に前記第1の3次電源手段の低電圧電力変換の動作を停止して、また、機器を待機状態から動作状態に制御する時には第1の3次電源手段の低電圧変換出力を動作状態に変更操作した後に制御処理の基準となる周波数を高周波の状態に戻す手順を実施させるようにした請求項1に記載の電気機器の電源回路。
  3. 前記第1の3次電源手段と第2の3次電源手段は3次電源としての出力電圧値を3次電源の負荷に許容される範囲で第2の3次電源手段の方を低電圧とした請求項1または2に記載の電気機器の電源回路。
  4. 2次電源から前記第2の3次電源への電力導通経路に電流を導通させながら電圧を2次電源と3次電源の間の電位に降下させる電圧降下手段を更に備えた請求項1から3に記載の電気機器の電源回路。
  5. 2次電源と3次電源の間に電流を導通させることで2次電源と3次電源の間の電位の電圧を分圧電源して出力する分圧手段を更に備えて、この分圧手段から出力される分圧電源を前記第2の3次電源への電力供給源とした請求項1から3に記載の電気機器の電源回路。
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