JP2014199762A - タッチパネル用透明電極付き基板及びその品質管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】皺の良否判定を定量的に行う評価方法を用いた透明電極付き基板の製造方法を提供する。
【解決手段】エッチング前の透明電極付き基板面に対し30〜75°の入射角で可視光線を入射させ、透明電極付き基板面からの反射光を光線光軸上に配置された受光部で検出した際の反射率をエッチング前反射率(1)とし、透明電極付き基板を透明導電膜層が除去されたエッチング部と透明導電膜層が残っている非エッチング部とにパターニングした後の非エッチング部に、エッチング前反射率(1)測定時と同じ波長の光線を、パターニング面に直交する方向且つエッチング前反射率(1)測定時と同じ入射角で入射させ、透明電極付き基板面からの反射光を光線光軸上に配置された受光部で検出した反射率をエッチング後反射率(2)とし、エッチング前反射率(1)に対する前記エッチング後反射率(2)の割合を、透明電極付き基板の品質レベルの指標に用いて製造する。
【選択図】図2
【解決手段】エッチング前の透明電極付き基板面に対し30〜75°の入射角で可視光線を入射させ、透明電極付き基板面からの反射光を光線光軸上に配置された受光部で検出した際の反射率をエッチング前反射率(1)とし、透明電極付き基板を透明導電膜層が除去されたエッチング部と透明導電膜層が残っている非エッチング部とにパターニングした後の非エッチング部に、エッチング前反射率(1)測定時と同じ波長の光線を、パターニング面に直交する方向且つエッチング前反射率(1)測定時と同じ入射角で入射させ、透明電極付き基板面からの反射光を光線光軸上に配置された受光部で検出した反射率をエッチング後反射率(2)とし、エッチング前反射率(1)に対する前記エッチング後反射率(2)の割合を、透明電極付き基板の品質レベルの指標に用いて製造する。
【選択図】図2
Description
本発明は透明フィルム基板に透明誘電体層と透明導電膜層がこの順に積層された透明電極付き基板に関し、特に、タッチパネル用透明電極付き基板及びその品質管理方法に関する。
透明フィルム基板に積層された透明電極付き基板は、一般にタッチパネルなどのディスプレイ材料などに使用される。タッチパネルとは、表示装置と位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、画面上の任意位置を押すことで機器を操作する入力装置である。導電膜の静電容量の変化を捉えて位置を検出する静電容量方式タッチパネルに使用する場合には、上記透明電極付き基板の透明導電膜層の一部を除去し、静電容量検出用のパターンを作成する。
パターニングにおいて、透明導電膜層の表面の一部を除去するエッチング処理としては、ウェットプロセスを用いたウェットエッチングやドライプロセスを用いたドライエッチングがある。例えば、ウェットエッチングでは、プロセス内にフォトリソグラフィに代表される露光された部分と露光されていない部分からなるパターンを形成する技術が使用される。ここで使用されるフォトレジスト・現像液・エッチング液・リンス液は透明電極が侵されることなく、所定のパターンを形成するために透明導電膜が除去されるものであれば任意に選択して用いることができる。
パターニングでは、パターニングした形跡が見えない、いわゆるパターンの非視認性が求められる。非視認性の要因には、エッチング部と非エッチング部の光学的な色目の差と、パターンに沿った物理的な皺がある。そして、エッチング部と非エッチング部の光学的な色目の差は、光学材料の選択や調整によりある程度は調整可能である。
一方、パターンに沿った物理的な皺は、非エッチング部とエッチング部が加熱などによる応力差によって表面が凸凹状態となり、皺状となって見えているものであり、光学調整によって調整することは困難である上に、非視認性を大きく低下させてしまっていた。
見栄えの良し悪しを左右するパターンに沿った皺の観察方法は、一般的には、上記透明電極付き基板を蛍光灯に照らして、上記透明電極付き基板からの反射光の見え方が上記透明電極付き基板表面の凸凹状態により異なることを利用して観察したり、光学顕微鏡を用いて観察したりするなど、いわゆる目視判定が用いられている。そのため、評価者による判定差が発生すると共に、定量的で正確な品質管理はできていなかった。
触針式段差計を用いて、パターンに沿った皺の表面形状を観察する方法もあるが、先の尖った針で薄膜の表面をなぞっていくため、透明電極付き基板の表面を傷つけてしまうことになり、品質管理に使用するのは困難である。
特許文献1は、透明電極のエッチング部と非エッチング部の両方に、赤外光を照射し、透過光と反射光を観察することで、上記透明電極の断線・短絡・抵抗値を検出する方法が記載されている。特許文献1では赤外光を用いているが、皺は目視で観察される状態を評価する必要があり、赤外光では目視と同じ状態で皺の観察を行うことができない。また、特許文献1の実施例では、ガラス基板上に透明電極が積層されているが、ガラス基板上は透明フィルム基板上と比べ、非エッチング部とエッチング部の加熱などによる応力差が発生し難いため、基板表面が凸凹状態とはならない。さらに特許文献1は、透明電極付き基板面の鉛直方向からの反射光を測定していると想定されるが、皺は鉛直方向より観察しても見え難いため、特許文献1から皺評価の最適化を図るのは困難である。
本発明は、皺の視認が極めて困難な透明電極付き基板を提供すると共に、皺の良否判定を定量的に行う評価方法を用いた透明電極付き基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、透明フィルム基板に透明誘電体層とエッチングされた透明導電膜層がこの順に積層された透明電極付き基板を製造する方法において、上記エッチング前の透明電極付き基板面に対し30〜75°の入射角で可視光線を入射させ、上記透明電極付き基板面からの反射光を光線光軸上に配置された受光部で検出した際の反射率をエッチング前反射率(1)とし、上記透明電極付き基板を透明導電膜層が除去されたエッチング部と透明導電膜層が残っている非エッチング部とにパターニングした後の非エッチング部に、エッチング前反射率(1)測定時と同じ波長の光線を、上記パターニング面に直交する方向且つエッチング前反射率(1)測定時と同じ入射角で入射させ、上記透明電極付き基板面からの反射光を光線光軸上に配置された受光部で検出した反射率をエッチング後反射率(2)とし、上記エッチング前反射率(1)に対する上記エッチング後反射率(2)の割合を、上記透明電極付き基板の品質レベルの指標に用いて製造する透明電極付き基板の製造方法である。
上記パターニングとして種々とりうるが、ストライプ状であることが好ましい。
上記パターニングとして種々とりうるが、ストライプ状であることが好ましい。
また、上記透明電極付き基材上における透明導電膜層の少なくとも幅方向に、上記ストライプ状パターンを複数形成し、それらの内の一つを上記エッチング後反射率(2)として使用し品質管理を行うことができるし、上記透明電極付き基材に、上記ストライプ状パターン以外の形状のパターンを形成することで、上記ストライプ状パターン以外のパターンをタッチパネル上の位置認識に用いることもできるし、上記反射率測定に用いる可視光線は、波長300〜800nmを用いることで、目視評価と同等の判定が可能になる。
上記透明電極付き基板を評価する際の測定方法として、パターニング面と直交する方向に上記透明電極付き基板を微小移動させる機能を備えた装置を用い、非エッチング部の任意の位置に上記可視光を入射させて反射率(1)を測定し、上記透明電極付き基板を微小移動させる機能を備えた装置を用いて微小移動させて同様の反射率(2)の測定を行い、その時の反射率(1)と反射率(2)を比較して最大値を得る。本測定方法を繰り返して行い、上記透明電極付き基板の非エッチング部の最大反射率を測定することもできる。
本発明の別の形態は、上記透明電極付き基板の製造方法で製造した透明電極付き基板であって、エッチング前反射率(1)に対する該エッチング後反射率(2)の割合が85%より大きいものであり、この場合、パターニングした形跡である皺が抑制されて見え難く、非視認性の高い高品質の透明電極付き基板と判定される。
本発明により、透明電極付き基板の定量的で正確な皺の品質の良否判定が可能になり、従来技術で問題となっていた評価者による皺の判定差が無くなり、さらに、透明電極付き基板の表面を傷つけずに測定できるため、繰り返し評価することも可能になるため、皺の良否判定を定量的に行う評価方法を用いた透明電極付き基板の製造方法を提供することができる。そして、皺の視認が極めて困難な透明電極付き基板も提供でき、皺の改善効果確認の際に従来品との比較として用いることもできる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、透明電極付き基板を製造する際の工程図を示しており、図1(A)は、透明フィルム基板1の片面に、透明誘電体層2と透明導電膜層3をこの順に積層した透明電極付き基板である。図1(B)は、図1(A)の透明電極付き基板をパターニングしたものである。また、図2は、透明電極付き基板の皺評価装置のブロック図である。
本発明に使用する透明電極付き基板としては、少なくとも可視光領域で無色透明であれば特に限定されず、この上に透明電極を形成可能なものであればよい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフテレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂やシクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース系樹脂などが挙げられるが、中でもポリエチレンテレフタレートやシクロオレフィン系樹脂などが好ましく用いられる。透明フィルム基板の厚みは特に限定されないが、0.01〜4mmの厚みが好ましい。上記範囲内であれば、透明フィルム基板の耐久性を十分に得ることができ、適度な柔軟性を有するため、生産性の良いロールトゥロール方式で成膜することができる。
透明誘電体層は、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、酸化ケイ素・酸化チタン・酸化ニオブ・酸化ジルコニウム・酸化アルミニウムなどの酸化物を主成分とする材料やフッ化カルシウム・フッ化マグネシウムを主成分とする材料を用いることができる。透明誘電体層を構成する酸化物としては、少なくとも可視光領域で無色透明であり、抵抗率が10Ω・cm以上であるものが好ましい。また、透明誘電体層の厚みは、上記抵抗率を満たせば、任意の厚みでよい。透明誘電体層は1層のみからなるものでもよく、2層以上からなるものでもよい。図1(A)では、透明フィルム基板上に透明誘電体層が1層形成された例が図示されている。
この際、例えば、透明フィルム基板の片面、あるいは両面には、タッチパネル用透明電極の耐久性を高めるなどの目的で透明誘電体層でもあるハードコート層が予め積層されていても良い。ハードコート層の材料としては、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などを用いることができる。ハードコートの膜厚は、適度な耐久性と柔軟性を有することから、3〜10μmが好ましい。
また、本発明に係る透明導電膜層としては、屈折率が1.75〜2.50の物を用いる。この様な材料としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫を主成分とした物などが挙げられる。中でも、透明性と低抵抗とを両立する観点から、酸化インジウムを主成分とした物が好ましく用いられる。
このような透明電極付き基板が、静電容量方式タッチパネルの位置検出のために用いられる場合、図1(B)に示すように、透明導電膜層の面内の一部がエッチング等により、透明導電膜層が除去されたエッチング部と透明導電膜層が残っている非エッチング部とにパターニングされる。
パターニング方法としては、ウェットプロセスやドライプロセスがある。どちらの方法も任意に選択することができるが、透明導電膜のみを除去しやすいという観点からウェットエッチングが適している。
パターン形状は、ダイヤモンド形状の並んだダイヤモンドパターンや、並進対称性である何本もの平行線で構成されたストライプ状などがある。中でも、並進操作に対して対称性があり均一であることや、ストライプ方向に対して垂直な方向のみ表面形状の凸凹が発生することから、皺の定量評価にはストライプ状が最も適している。
透明電極付きフィルム基材全体の皺の品質管理を行うために、パターニングは任意の箇所に複数個作成するのが好ましい。例えば、長尺の透明電極付きフィルム基材の短手方向に等間隔で複数個作成することで、短手方向の品質管理が可能になり、長手方向に等間隔で複数個作成することで、長手方向の品質管理が可能となる。ストライプ状のパターン形状は品質管理目的で使用し、ストライプ状のパターン形状が作成されていない箇所は、上記ストライプ状以外のパターン形状が作成され、タッチパネル用透明電極付き基板として使用される。また、ストライプ状のパターン形状を、品質管理目的のみならず、タッチパネル用透明電極付き基板として使用することもできる。
図2は、本発明の透明電極付き基板の皺評価装置のブロック図である。実線は制御の流れ、破線はデータの流れを示す。図2は、透明フィルム基板1、透明誘電体層2、ストライプ状にパターニングされた透明導電膜層3で構成された透明電極付き基板上に、可視光源4から表面に対して可視光線を照射するよう可視光源が設けており、上記可視光線の透明電極付き基板からの反射光を検出するように、反射後の光軸上に検知素子5が設けられている。温度、湿度等の測定環境は、皺評価装置が安定に動作する環境であれば、常温常湿でよい。
反射光を検出する検出素子には通常、光電効果を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換し増幅させる光電子倍増管が用いられる。
パターニングされた透明電極付き基板は、皺評価装置の移動機構上に設置される。移動機構は、微小移動後の反射強度を測定する目的で、駆動回路からの制御信号により移動させることができる。移動機構の移動方向は、透明電極付き基板上に形成されたストライプと直交し且つ透明電極付き基板面と平行となる方向である。移動機構の移動範囲は、透明電極付き基板の非エッチング部に照射されている可視光線が、非エッチング部内に照射される範囲内であり、移動機構は非エッチング内に照射される範囲内にて、少なくとも2点以上の反射強度を測定することが望ましい。また、皺評価装置は、微小移動前後の反射強度を記憶する機能を備え、演算装置を用いて比較することができる。上記移動機構、記憶機能と演算装置を用いることにより、測定時間を大幅に短縮することができる。
透明電極付き基材上における透明導電膜層にストライプ状パターン等のパターニングを複数形成し、エッチング後反射率(2)として測定することにより、上記透明電極付き基材全体の品質管理を行うことができる。
また、上記透明電極付き基材に、上記ストライプ状パターン以外の形状のパターンを形成することで、上記ストライプ状パターン以外のパターンをタッチパネル上の静電容量検出用として用いることができる。
皺評価装置で用いる光源は、目視で観察される皺の状態を評価する必要があることから、光源は赤外線や紫外線を用いることは適さず、300nm〜800nmの可視光線を用いる必要がある。
可視光源は、透明電極付き基板面に対し30〜75度の入射角となる光線光軸上に設置するのが好ましい。受光部は、上記基板面からの反射光方向であり、上記入射角度と同じ反射角度の光線光軸上に配置する。
皺評価装置で用いる可視光の透明電極付き基板面に対する入射角度は、検討の結果、皺のない透明電極付き基板からの反射率と、皺のある透明電極付き基板からの反射率の差が最も大きい45度が適しているが、反射率が確保できる入射角度及び反射角度であれば、本発明を実施することが可能である。例えば、45度より小さい入射角では、透明電極付き基板を透過する光が多くなることから反射光が少なくなっていき、検知素子に入射する光が少なくなっていく。また、45度より大きい入射角では、透明電極付き基板上に照射される可視光線の光のスポットサイズが大きくなることから、非エッチング面の微小範囲内にのみ照射することが困難になってくる。
皺評価装置を用いて、エッチング前とストライプ状にパターニングした後の非エッチング部の反射率を測定する。エッチング前の反射率測定結果をエッチング前反射率(1)とし、ストライプ状にパターニングした後の非エッチング部反射率をエッチング後反射率(2)とする。エッチング後の反射率測定では、上記移動機構を用いて、微小移動前後の反射強度を記憶し、演算装置を用いて最大となる反射率を検出する。
品質レベルの指標としては、目視にて皺のない透明電極付き基板の測定結果を基準とし良否判定を行い、例えば、入射角度が45度の場合、上記エッチング前反射率に対する上記エッチング後反射率の割合が、85%より大きいと、皺が抑制されて見え難く、非視認性の高い高品質の透明電極付き基板と判定される。また、割合が85%より大きければ、より高い品質の透明導電膜付き基板である。割合が100%となるのは、エッチング前の反射率とエッチング後の反射率が同じで、皺の無い最も品質の良い透明電極付き基板であるが、非エッチング部とエッチング部が加熱などによる応力差によって表面が凸凹状態となるため、100%を達成するのは困難である。応力差を少なくする目的で、透明フィルム基板を2層以上とする技術もあるが、コスト等を考慮すると透明フィルム基板は1層が好ましい。ストライプ状パターンを複数測定した場合、割合が最も低い値を透明電極付き基板の皺の品質状態として用いて良否判定を行う。
図3は、皺により反射率が変化することを説明するための概念図である。図3の1は透明電極付き基板、2は可視光源、3は検知素子である。図3(A)は皺が見え難い(品質の良い)透明電極付き基板からの反射、図3(B)は皺が良く見える(品質の悪い)透明電極付き基板からの反射を示している。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは無い。
[実施例1]
透明フィルム基板として、125μmのPETフィルムを用い、透明フィルム基板の片面に6.5μmのハードコート層、他面に5.4μmのハードコート層を形成したハードコート付き基板を使用した。なお、ハードコート層はいずれもウレタン系樹脂からなり、屈折率は1.53であった。上記ハードコート付き透明フィルム基材を装置内にセット後、連続して透明誘電体層としてSiOx層、Nb2O5層とSiO2層を成膜し、さらに連続して透明導電膜層としてITO層の成膜を行った。成膜前の加熱ヒーター温度は200℃にて実施した。
[実施例1]
透明フィルム基板として、125μmのPETフィルムを用い、透明フィルム基板の片面に6.5μmのハードコート層、他面に5.4μmのハードコート層を形成したハードコート付き基板を使用した。なお、ハードコート層はいずれもウレタン系樹脂からなり、屈折率は1.53であった。上記ハードコート付き透明フィルム基材を装置内にセット後、連続して透明誘電体層としてSiOx層、Nb2O5層とSiO2層を成膜し、さらに連続して透明導電膜層としてITO層の成膜を行った。成膜前の加熱ヒーター温度は200℃にて実施した。
透明導電膜層を結晶化させるために、加熱処理を行った。加熱処理は、150℃のオーブンを用いて30分間実施した。結晶化するならば、加熱処理は連続工程とバッチ工程のどちらを用いてもよい。
皺評価装置に透明フィルム基材をセットし、パターニング前の非エッチング部の反射率測定を行った。その際、透明フィルム基材に対し45°の入射角で300〜800nmの可視光線を入射させ、上記透明フィルム基材からの反射光を、光線光軸上に配置された受光部で検出することで、反射率測定を行った。
パターニングは、透明導電膜層を成膜後の透明電極付き基板に、フォトリソグラフィを用いて行った。まず、透明電極付き基板にフォトレジスト(製品名:TSMR−8900(東京応化工業製))をスピンコートにより2μm程度の膜厚に塗布した。これを90℃のオーブンでプリベークした後、5mm幅10mmピッチのストライプパターンが作成されたフォトマスクを当てて、40mJの紫外線を照射した。その後、110℃でポストベークした後、現像液(0.75%NaOHaq,25℃)を用いてフォトレジストをパターニングした。さらに、エッチング液(製品名:ITO−02(関東化学製))を用いて透明導電膜層をエッチングすることでパターニングした。最後に、剥離液(2%NaOHaq、40℃)を用いて、残ったフォトレジストを除去した。
目視にて、パターンに沿った皺を確認後、皺評価装置に上記透明電極付き基板をセットし、非エッチング部の反射率測定を行った。その際、上記透明電極付きフィルム基材の非エッチング部に、300〜800nmの可視光線を、ストライプパターンに直交する方向且つ上記透明電極付きフィルム基材に対し45°の入射角で入射させ、上記透明電極付きフィルム基材からの反射光を、光線光軸上に配置された受光部で検出することで、エッチング後の反射率測定を行った。
表1は、本実施例により測定された、皺の品質と反射率との関係、及び従来の目視判定との関係を示す表である。従来の目視判定では、指標としてエッチングマークレベル(以下、EMLと表記)を用いており、エッチングマークレベル1が最も皺の品質が悪く、エッチングマークレベル5が最も皺の品質が良いことを意味する。
[実施例2]
成膜前の加熱ヒーター温度を240℃に変更したこと以外は、上記実施例1と同様にして、透明電極付き基板を作成した。
[実験例1]
成膜前の加熱ヒーターがオフの状態で、成膜前の加熱を行わなかった。その他は上記実施例1と同様にして、透明電極付き基板を作成した。
[実験例2]
実験例1と同様にして、透明電極付き基板を作成した。
[実施例2]
成膜前の加熱ヒーター温度を240℃に変更したこと以外は、上記実施例1と同様にして、透明電極付き基板を作成した。
[実験例1]
成膜前の加熱ヒーターがオフの状態で、成膜前の加熱を行わなかった。その他は上記実施例1と同様にして、透明電極付き基板を作成した。
[実験例2]
実験例1と同様にして、透明電極付き基板を作成した。
[実施例3]
皺評価装置を用いず触針式段差計を用いて、パターニング後の透明電極付き基板の表面形状の確認を行った。
触針式段差計にパターニング後の透明電極付き基板をセットし、非エッチング部の形状測定を行った。測定は、ストライプパターンに直交する方向にて実施した。
皺評価装置を用いず触針式段差計を用いて、パターニング後の透明電極付き基板の表面形状の確認を行った。
触針式段差計にパターニング後の透明電極付き基板をセットし、非エッチング部の形状測定を行った。測定は、ストライプパターンに直交する方向にて実施した。
図4(A)(B)は、本実施例により測定された、皺品質と表面形状の関係を示す結果である。図4(A)は皺見える(品質悪い)サンプルで、図4(B)は皺見え難い(品質良い)サンプルの、表面形状の測定結果である。縦軸は垂直方向(厚み方向)で、横軸は水平方向(ストライプパターンに直交する方向)を示している。図4(A)の皺の見える(品質悪い)サンプルは、垂直方向の振幅が大きいのに対し、図4(B)の皺の見え難い(品質良い)サンプルは、垂直方向の振幅が小さいことがわかる。
よって、本サンプルは、エッチング部と非エッチング部の光学的な色目の差ではなく、パターンに沿った物理的な皺があることがわかる。皺の見え難い(品質良い)サンプルは、透明電極付き基板の非エッチング部に照射された可視光線の反射光の光束が広がらず、受光部に入射する。一方、皺の見える(品質悪い)サンプルは、透明電極付き基板の非エッチング部に照射された可視光線の反射光の光束が広がり、受光部に入射する光量が減少する。このことは、図3で示した皺により反射率が変化することを説明するための概念図と一致している。
1 透明フィルム基板
2 透明誘電体層
3 透明導電膜層
4 可視光線の光源
5 受光部
6 透明電極付き基材
2 透明誘電体層
3 透明導電膜層
4 可視光線の光源
5 受光部
6 透明電極付き基材
Claims (7)
- 透明フィルム基板に透明誘電体層とエッチングされた透明導電膜層がこの順に積層された透明電極付き基板を製造する方法において、
前記エッチング前の透明電極付き基板面に対し30〜75°の入射角で可視光線を入射させ、前記透明電極付き基板面からの反射光を光線光軸上に配置された受光部で検出した際の反射率をエッチング前反射率(1)とし、
前記透明電極付き基板を透明導電膜層が除去されたエッチング部と透明導電膜層が残っている非エッチング部とにパターニングした後の非エッチング部に、エッチング前反射率(1)測定時と同じ波長の光線を、前記パターニング面に直交する方向且つエッチング前反射率(1)測定時と同じ入射角で入射させ、前記透明電極付き基板面からの反射光を光線光軸上に配置された受光部で検出した反射率をエッチング後反射率(2)とし、
前記エッチング前反射率(1)に対する前記エッチング後反射率(2)の割合を、前記透明電極付き基板の品質レベルの指標に用いて製造することを特徴とする透明電極付き基板の製造方法。 - 前記パターニングはストライプ状である請求項1に記載の透明電極付き基板の製造方法。
- 前記透明電極付き基材上における透明導電膜層の少なくとも幅方向に、ストライプ状パターンを複数形成し、それらの内の一つを前記エッチング後反射率(2)として使用する請求項1又は2に記載の透明電極付き基板の製造方法。
- 前記透明電極付き基材に、ストライプ状パターン以外の形状のパターンを形成し、該ストライプ状パターン以外のパターンをタッチパネル上の位置認識に用いる請求項1〜3のいずれかに記載の透明電極付き基板の製造方法。
- 前記可視光線の波長が300〜800nmである請求項1〜4のいずれかに記載の透明電極付き基板の製造方法。
- 前記透明電極付き基板を前記パターニング面と直交する方向に移動させる移動機構を備え、前記非エッチング部の任意の位置での前記反射率を移動前反射率として記憶する工程と、
前記任意の位置から微小変位した位置で同様の反射率検出を行い、その時の反射率を移動後反射率として記憶する工程と、
前記移動前反射率と移動後反射率を比較した最大値を前記エッチング後反射率(2)として用いる請求項1〜5のいずれかに記載の透明電極付き基板の製造方法。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の透明電極付き基板の製造方法で製造した透明電極付き基板であって、前記エッチング前反射率(1)に対する該エッチング後反射率(2)の割合が85%より大きいことを特徴とする透明電極付き基板。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017126454A1 (ja) * | 2016-01-19 | 2017-07-27 | 富士フイルム株式会社 | 導電フィルム積層体 |
JP2018005853A (ja) * | 2016-07-08 | 2018-01-11 | 大日本印刷株式会社 | タッチパネルペン用筆記シート、タッチパネル、表示装置、及びタッチパネルペン用筆記シートの選別方法 |
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JP2007133839A (ja) * | 2005-11-07 | 2007-05-31 | Hs Planning:Kk | タッチパネル用導電性フィルム及びタッチパネル用導電性フィルム製造方法 |
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2013
- 2013-03-29 JP JP2013074888A patent/JP2014199762A/ja active Pending
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