JP2014198690A - 新規なジエポキシ化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化樹脂としたときは耐熱性、難燃性、低吸湿性に優れ、加工時においては低融点、溶剤溶解性に優れた新規なジエポキシ化合物の提供。【解決手段】下記式で表されるジエポキシ化合物。(式中、R1、R2、R3は各々独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、フェニルオキシ基またはハロゲン原子を表し、R4、R5、R6は各々独立して、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、a、bは各々独立して0又は1〜4の整数を示し、a、bが2以上の場合、R1、R2は各々同一でも異なっていてもよく、cは0または1〜7の整数を示し、R3は上記式においてオキシフェニルが結合している炭素原子には置換せず、cが2以上の場合、R3は同一でも異なっていてもよく、また、R2が置換してもよいオキシフェニルの置換位置はシクロヘキセン環の3位または5位である。)【選択図】なし

Description

本発明は新規なジエポキシ化合物に関する。
エポキシ樹脂は、接着剤、塗料、一般工業用構造材料、電子・電気機器部品材料等の各種分野で広範に用いられている。近年、これらのエポキシ樹脂の用途の拡大発展に伴って、原料エポキシ化合物としては低融点、溶剤溶解性に優れるなど取り扱いが容易であり、しかも硬化樹脂性能としては、耐熱性、耐湿性、耐薬品性、電気的特性、機械的特性等の一段の向上が強く求められており、そこで、そのような要請に応える新規なエポキシ化合物の開発が望まれている。
従来、耐熱性に優れた原料エポキシ化合物として、幾つかの多核ビスポリフェノールのジエポキシ化合物が知られている。例えば、4,4’−ビス(2,3,6−トリメチルヒドロキシフェニル)−1,1’−ビフェニルのジグリシジルエーテル(特許文献1)、P−ターフェニル骨格にアルキル基が置換した1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼンのジグリシジルエーテル、1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセンのジグリシジルエーテル(特許文献2)、あるいは、低融点のジエポキシ化合物として、1−(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン(特許文献3)などが知られている。
しかしながらこれら従来知られたジエポキシ化合物は、硬化樹脂としたときは耐熱性、難燃性、低吸湿性に優れ、加工時においては低融点、溶剤溶解性に優れた性能を有するなどの点において未だ満足できるものではなく改善が望まれている。
特開2005−314499号公報 特開2005−206814号公報 特開2011−231079号公報
本発明は、上述したような要望に応えるためになされたものであって、従来のエポキシ樹脂が用いられている接着剤、塗料、一般工業用構造材料等の性能向上のみならず、近年、特に高性能化、高機能化が要望されている電子・電気機器部品向けにも好適に用いることができる、硬化性樹脂組成物としたときは、その硬化物は耐熱性、吸湿性、基盤密着性に優れ、加工時においては低融点、溶剤溶解性に優れた新規なジエポキシ化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記したような特性を同時に付与するエポキシ化合物を鋭意検討した結果、シクロヘキセン骨格の1,3−位または1,5−位にフェニルグリシジルエーテル基が置換したジエポキシ化合物は低融点、溶剤溶解性に優れ、また硬化樹脂とした場合は耐熱性、低吸湿性、基盤密着性に優れ、上記目的を達成することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、一般式(1)
(式中、R、R、Rは各々独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、フェニルオキシ基またはハロゲン原子を表し、R、R、Rは各々独立して、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、a、bは各々独立して0又は1〜4の整数を示し、a、bが2以上の場合、R、Rは各々同一でも異なっていてもよく、cは0または1〜7の整数を示し、Rは上記一般式(1)においてオキシフェニルが結合している炭素原子には置換せず、cが2以上の場合、Rは同一でも異なっていてもよく、また、Rが置換してもよいオキシフェニルの置換位置はシクロヘキセン環の3位または5位である。)で表されるジエポキシ化合物を提供するものである。
また、一般式(2)
(式中、R、R、R、R、R、R、a、bおよびcは一般式(1)のそれと同じである。)
で表されるジエポキシ化合物は本発明の好ましい態様である。
また、一般式(3)

(式中、R、R、R、R、R、R、a、bおよびcは一般式(1)のそれと同じである。)
で表されるジエポキシ化合物は本発明の好ましい態様である。
さらに、一般式(2)で表されるジエポキシ化合物と一般式(3)で表されるジエポキシ化合物との混合物であるジエポキシ化合物は本発明の好ましい態様である。
本発明のジエポキシ化合物は、シクロヘキセン骨格の1,3−位または1,5−位にフェニルグリシジルエーテル基を有しており、このようなジエポキシ化合物は、例えば1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキセン等の従来公知のエポキシ化合物に比べて低融点で溶剤溶解性に優れていることを見出した。また、エポキシ樹脂原料として用いる際の硬化温度も下げることが出来る。
さらに、比較的低温でも液体であること、あるいは、硬化の際に硬化剤等の他の化合物との相溶性が高い等の理由で取り扱いが容易である。従って、本発明のジエポキシ化合物を樹脂原料として用いる場合、加工時において溶剤溶解性に優れ硬化温度も下げることが出来るので工業的に取り扱いが容易であり、また、硬化樹脂とした場合に耐熱性、低吸湿性、基盤密着性に優れていることが期待でき、このような本発明による新規なジエポキシ化合物は、従来のエポキシ樹脂が用いられている接着剤、塗料、一般工業用構造材料向け等のみならず、近年、小型化、高精密化、高精細化、高実装化等の要請が高まっている電子・電気機器部品向け等の用途に好適に用いられる。
本発明のジエポキシ化合物は
一般式(1)
(式中、R、R、Rは各々独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、フェニルオキシ基またはハロゲン原子を表し、R、R、Rは各々独立して、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、a、bは各々独立して0又は1〜4の整数を示し、a、bが2以上の場合、R、Rは各々同一でも異なっていてもよく、cは0または1〜7の整数を示し、Rは上記一般式(1)においてオキシフェニルが結合している炭素原子には置換せず、cが2以上の場合、Rは同一でも異なっていてもよく、また、Rが置換してもよいオキシフェニルの置換位置はシクロヘキセン環の3位または5位である。)で表される。
上記一般式(1)で表されるジエポキシ化合物において、式中、R、R、Rで表される炭素原子数1〜8のアルキル基としては、具体的には例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基が挙げられる。好ましくは、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、炭素原子数5〜6の環状アルキル基である。
また、R1、、Rで表される炭素原子数1〜8のアルコキシ基としては、具体的には例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、s−ブトキシ基等の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基等のシクロアルコキシ基が挙げられる。
好ましくは、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基、炭素原子数5〜6のシクロアルコキシ基である。
また、R1、2、がフェニル基、フェニルオキシ基である場合、本発明の効果を妨げない範囲において前記フェニル基、フェニルオキシ基にメチル基等のアルキル基、メトキシ基等のアルコキシ基、ハロゲン原子等が置換していてもよく、無置換でもよい。
また、R1、2、がハロゲン原子である場合、ハロゲン原子としては、具体的には例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
また、このような置換基のオキシフェニル基への置換数a又はbは0〜2が好ましく
0または1がより好ましい。
また、R1、のオキシフェニル基への置換位置はa又はbが1以上のとき、4−オキシフェニル基の2位、3位または/及び5位に置換することが好ましく、a又はbが1の場合は3位が、a又はbが2の場合は3位と5位又は2位と5位が、a又はbが3の場合は2位と3位と5位が好ましい。
置換基Rのシクロヘキセン環への置換数cは0〜2が好ましく0又は1がより好ましい。
また、Rのシクロヘキセン環への置換位置はcが2以上の場合、環を構成する同一の2級炭素原子に2つ以上置換しないことが好ましく、一般式(1)で表されるジエポキシ化合物が一般式(2)の異性体で表される場合においてcが1以上の場合、Rは1−シクロヘキセン−1,3−ジイル基の4−位の炭素原子及び/または5−位の炭素原子に結合していることが好ましく、一般式(1)で表されるジエポキシ化合物が一般式(3)の異性体で表される場合においてcが1以上の場合、Rは3−位の炭素原子及び/または4−位の炭素原子に結合していることが好ましい。
また、上記一般式(1)で表されるジエポキシ化合物において、式中、R、R、Rで表される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、直鎖状または分岐鎖状の飽和アルキル基が好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基などが挙げられる。好ましくは炭素原子数1〜3のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。R、R、Rとしては、Rは好ましくは水素原子またはメチル基でありより好ましくは水素原子であり、RおよびRは好ましくは水素原子である。
したがって、前記一般式(1)で表される本発明の好ましいジエポキシ化合物は下記一般式(4)又は一般式(5)で表される。
一般式(4)
(式中、R11〜R13およびR21〜R23は各々独立して水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、フェニルオキシ基またはハロゲン原子を表し、R〜Rおよびcは一般式(1)のそれと同じである。)
一般式(5)
(式中、R11〜R13およびR21〜R23は各々独立して水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、フェニルオキシ基またはハロゲン原子を表し、R〜Rおよびcは一般式(1)のそれと同じである。)
前記一般式(4)又は一般式(5)で表されるジエポキシ化合物において、R11、R12、R13、R21、R22、R23が炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、フェニルオキシ基またはハロゲン原子である場合の具体例、好ましい例及び好ましい範囲はR、Rのそれらと同じである。また、R11及びR12は共に3級アルキル基でないことが好ましく、一方が3級アルキル基の場合はもう一方は水素原子、1級アルキル基または2級アルキル基であることがより好ましい。
同様にR21及びR22は共に3級アルキル基でないことが好ましく、一方が3級アルキル基の場合はもう一方は水素原子、1級アルキル基または2級アルキル基であることがより好ましい。また、R13及びR23は水素原子、アルキル基、アルコキシル基であることが好ましく水素原子またはメチル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。
また、本発明の一般式(1)で表されるジエポキシ化合物を含有する組成物は、異性体である一般式(4)で表される1,3−ジイル体のジエポキシ化合物と一般式(5)で表される1,5−ジイル体のジエポキシ化合物のいずれか一方を含有してもよく、また、それらの任意割合の混合物を含有してもよい。
このような前記一般式(1)で表されるジエポキシ化合物としては、具体的には例えば、
1,3−ビス(4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセン
1,5−ビス(4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセン
1,3−ビス(3−メチル−4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセン
1,5−ビス(3−メチル−4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセン
1,3−ビス(2,6−ジメチル−4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセン
1,5−ビス(2,6−ジメチル−4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセン
1,3−ビス(3−フェニル−4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセン
1,5−ビス(3−フェニル−4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセン
1,3−ビス(2,5−ジメチル−4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセン
1,5−ビス(2,5−ジメチル−4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセン
1,3−ビス(2,3,5−トリメチル−4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセン
1,5−ビス(2,3,5−トリメチル−4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセン
1,3−ビス(3−メトキシ−4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセン
1,5−ビス(3−メトキシ−4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセン
などが挙げられる。
本発明による前記一般式(1)で表されるジエポキシ化合物の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、1)フェノール系化合物のエポキシ化反応は原料となるフェノール化合物をエピハロヒドリンに溶解し、テトラメチルアンモニウムクロライドやトリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩などを触媒として反応させた後、アルカリ金属水酸化物等塩基性化合物をそのままで、及び/又は水溶液として添加してさらに反応させることにより得る方法や、2)原料フェノール化合物をエピクロルヒドリン等のエピハロヒドリンに溶解しメタノールやエタノール等の極性溶媒を添加し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の固体を添加し、または添加しながら反応させる方法、また、3)アルカリ金属水酸化物の水溶液を使用し、アルカリ金属水酸化物を逐次的に添加すると共に反応系内から減圧下、または常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、これを分液し、水は除去しエピハロヒドリンは反応系内に連続的に戻す方法、4)原料フェノール化合物と、例えばアリルクロリド、アリルブロミド等のハロゲン化ビニル化合物とを溶媒中で塩基の存在下に反応させ、次いで、反応終了後、そのままm−クロロ過安息香酸等の炭素−炭素二重結合をエポキシ基に酸化可能な酸化剤を作用させるか、又は、例えば反応液と水を混合し、反応生成物を取り出した後、該反応生成物に前記酸化剤を作用させるかした後、例えば、必要に応じて残存する酸化剤を分解処理し、次いで濃縮処理することにより、ジエポキシ化合物を得る方法等が知られている。本発明のジエポキシ化合物を得るには、これら何れの方法でもよい。
より具体的には、本発明による前記一般式(1)で表されるジエポキシ化合物を得るには、例えば、そのジエポキシ化合物の構造に対応する下記一般式(6)で表されるフェノール化合物と下記一般式(7)で表されるエピハロヒドリンを原料として用いればよい(反応式1)。
反応式(1)
一般式(6) 一般式(7)

一般式(1)
一般式(6)において式中、R、R、R、a、b及びcは一般式(1)のそれと同じである。
また、一般式(7)において式中、R、R、Rは一般式(1)のそれと同じであり、
Xはハロゲン原子である。
例えば、1,3−ビス(4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセンを得るには、原料フェノールとして1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセンをエピクロルヒドリンと反応させればよい。
反応式(2)
上記一般式(6)で表される原料フェノール化合物は、具体的には前記一般式(2)、好ましくは前記一般式(4)で表されるジエポキシ化合物の原料に対応した1,3−ジイル体の下記一般式(8)ないし(9)および前記一般式(3)、好ましくは前記一般式(5)で表されるジエポキシ化合物の原料に対応した1,5−ジイル体の一般式(10)ないし(11)で表される。
一般式(8)
(式中、R、R、R、a、bおよびcは一般式(1)のそれと同じである。)
一般式(9)
(式中、R11〜R13、R21〜R23、Rおよびcは一般式(4)のそれと同じである。)
一般式(10)
(式中、R、R、R、a、bおよびcは一般式(1)のそれと同じである。)
一般式(11)
(式中、R11〜R13、R21〜R23、Rおよびcは一般式(5)のそれと同じである。)
従ってこのような原料フェノールとしては具体的には例えば、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン、1,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン、1,5−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン、1,3−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン、1,5−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン、1,3−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン、1,5−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン、1,3−ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン、1,5−ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン、1,3−ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン、1,5−ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン、1,3−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン、1,5−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン 等があげられる。
また、上記一般式(7)で表されるエピハロヒドリンにおいて式中、R、R、Rは一般式(1)のそれと同じであり、Xはハロゲン原子である。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
従って、エピハロヒドリンとしては具体的には例えばエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロロヒドリン、β−メチルエピブロモヒドリン等があげられる。
次に、本発明によるジエポキシ化合物を、上記1)の製造方法に従い、上記一般式(6)で表される原料フェノール化合物を上記一般式(7)で表されるエピハロヒドリンに溶解し、テトラメチルアンモニウムクロライドやトリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩などを触媒として反応させた後、アルカリ金属水酸化物等の塩基性化合物をそのままで、及び/又は水溶液として添加してさらに反応させる製造方法で得る場合について、更に詳細に述べる。
上記反応で使用される触媒としての第4級アンモニウム塩としては、具体的には、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。好ましくはテトラブチルアンモニウムブロミドである。
第4級アンモニウム塩の使用量は、原料フェノール化合物1モルに対し、通常、0.05〜1モルの範囲、好ましくは0.1〜0.5モルの範囲である。
また、塩基性化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウム等の炭酸塩又は炭酸水素塩のような無機塩、ピリジン、トリエチルアミン等の有機アミン等が挙げられる。これらのうちでは、アルカリ金属水酸化物が好ましい。
塩基性化合物の使用量は原料フェノール化合物1モルに対し、通常、0.1〜10モルの範囲、好ましくは1〜5モルの範囲である。これらの塩基性化合物は、そのまま用いてもよく、また、水溶液として用いることもできる。
反応に際し、フェノール化合物に対するエピハロヒドリンのモル比は、フェノール化合物の水酸基のすべてをエピハロヒドリンでエポキシ化するに要する理論量である2モル倍以上、通常、フェノール化合物1モルに対し、2〜100モルの範囲、好ましくは10〜50モルの範囲である。エピハロヒドリンを多く使用すると容積効率が下がるが、原料や触媒等が溶解せずに混合できない等の理由で反応溶媒が必要な場合には、エピハロヒドリン化合物を溶媒として多く用いてもよい。
また、4級アンモニウム塩は通常、原料仕込み時に全量添加するのが好ましいが、反応途中で追加添加してもよい。また、アルカリ金属水酸化物は原料フェノール化合物のヒドロキシ基が消失した段階で添加するのが好ましい。
反応に際し、溶媒は反応操作に支障がなければ用いなくてもよい。しかしながら用いる場合には、用いる溶媒は反応に不活性であれば特に制限がなく、単独でも、また2種以上を混合して用いても良い。また、過剰のエピハロヒドリン化合物を反応溶媒として用いてもよい。
溶媒としては例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、プソイドクメン等の芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、メチルペンチルケトン、2−オクタノン、2−トリデカノン等のケトン類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどの脂肪族ニトリル類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどの脂肪族エーテル類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどの脂環式エーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。用いる量としては容積効率の許容範囲であれば特に制限はないが原料ジフェノール1重量部に対して通常、0.1〜50重量部の範囲、好ましくは1〜20重量部の範囲である。
反応温度は、第4級アンモニウム塩の存在下において20℃〜100℃の範囲、好ましくは30℃〜70℃の範囲である。またアルカリ金属水酸化物を添加後の反応温度は0℃〜80℃の範囲、好ましくは10℃〜50℃の範囲である。反応圧力は常圧でも又減圧下でもよい。このような反応条件において、第4級アンモニウム塩存在下での反応が10〜30時間、塩基性化合物添加後の反応が1〜5時間程度で終了することが好ましい。
反応は、通常、原料フェノール化合物、エピハロヒドリン及び4級アンモニウム塩を仕込み、加温下に反応し、原料フェノール化合物のヒドロキシ基が消失した時点でアルカリ金属水酸化物を添加して、更に反応させる。反応終了後、濃縮して未反応のエピハロヒドリンを回収する。その後、残液に蒸留水及び必要に応じて上記した溶媒を加え、撹拌した後、ハロゲン化アルカリ塩、塩基性化合物及び触媒を水層とともに分離除去し、更に必要ならば水洗や中和を行い、得られた油層から析出している結晶を濾別して取り出す。また、析出している結晶を濾別せず、一旦溶解させてから晶析しても構わない。結晶の純度が低い等、必要ならば、晶析または沈殿を1回〜複数回行って更に精製しても良い。
上記ジエポキシ化合物の製造においては、エポキシ化反応時に、一般的に知られているエポキシ化反応と同様に、ジグリシジルエーテル化合物の二量体、三量体、四量体等のオリゴマーが少量副生するので、本発明によるジエポキシ化合物は、このようなオリゴマーを少量含んでいてもよい。また、エポキシ基の形成が未完了のままの所謂加水分解性塩素を有する末端基を有する化合物等が若干量含まれていてもよい。
また、本発明の一般式(1)で表されるジエポキシ化合物の原料である上記一般式(6)で表される原料フェノール化合物は、その製造方法については特に制限はないが、例えば、一般式(6)で表される原料フェノールに対応する下記一般式(12)
一般式(12)

(式中、R1、2、、a、b、およびc は式(6)のそれと同じでありR’4は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、フェニルオキシ基またはハロゲン原子を表し、lは0又は1〜4の整数を示し、lが2以上の場合、R’4は同一でも異なっていてもよく、結合位置が固定されていないヒドロキシフェニル基の結合位置は、水酸基のパラ位またはオルソ位である。)
で表されるトリスフェノール類をアルカリ触媒の存在下、不活性雰囲気中、熱分解し、生成するビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキセン類を分離回収することによって得ることができる。
下記に反応式で例示する。この反応では生成するビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキセン類は通常、前記一般式(8)および一般式(10)で表わされるフェノール化合物の異性体混合物として得られる。
このようなトリスフェノール類としては具体的には例えば、1,1,3‐トリス(4‐ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1,3‐トリス(4‐ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1,3‐トリス(3,5−ジメチル−4‐ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−(2−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1,3‐トリス(4‐ヒドロキシフェニル)−2−メチルシクロヘキサン、1,1,3‐トリス(4‐ヒドロキシフェニル)−2−メトキシメチルシクロヘキサン、1,1,3‐トリス(4‐ヒドロキシフェニル)−6−メチルシクロヘキサン、1,1,3‐トリス(4‐ヒドロキシフェニル)−6−クロロシクロヘキサン、1,1,3‐トリス(4‐ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−メチルシクロヘキサンなどが挙げられる。
また、このようなトリスフェノール類は、その製造方法については、特に制限はなく、別の好ましい方法としては、例えば、目的とするトリスフェノール類を生成するに相当する2−シクロヘキセン−1−オン類、3−ヒドロキシ−シクロヘキサン−1−オン類または3−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン−1−オン類とフェノール類とを酸触媒の存在下に反応させることにより得られる。
下記に反応式を例示する。
前記反応式(4)において、フェノール類は2種類以上の異なるフェノール類を同時に又は順次反応させてもよい。その場合には生成したトリスフェノールの3つのそれぞれのヒドロキシフェニル基において置換基、置換位置及び/又は置換数が同一でないトリスフェノール及び同一のトリスフェノールが混在して生成する。
また、収率の観点から、2−シクロヘキセン−1−オン類または3−ヒドロキシシクロヘキサン−1−オン類を反応させて得られたトリスフェノールを熱分解する製造方法は、前記一般式(9)又は/及び一般式(11)で表される原料フェノール化合物において、置換基R13、R23が水素原子である場合の原料フェノール化合物を製造するのに好ましく、3−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン−1−オンを反応させて得られたトリスフェノールを熱分解する製造方法は、前記一般式(9)又は/及び一般式(11)で表される原料フェノール化合物において、置換基R13が水素原子である場合の原料フェノール化合物を製造するのに好ましい。
前記一般式(12)で表されるトリスフェノール類の熱分解は、触媒の不存在下に行ってもよいが、好ましくは、アルカリ触媒の存在下に行われる。このアルカリ触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが好ましく用いられる。
このように、アルカリ触媒を用いる場合は、アルカリ触媒は、トリスフェノール類100モルに対して、通常、0.01〜50モルの範囲で用いられる。
上記トリスフェノール類の熱分解は、好ましくは、反応溶媒の存在下に行われる。
反応溶媒としては、熱分解温度において不活性であり、しかも、反応混合物から留出しない溶媒であれば、特に限定されるものではないが、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール等のポリエチレングリコール類、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール等のポリプロピレングリコール類、グリセリン等の多価アルコール類が用いられる。
このような溶媒は、用いるトリスフェノール類100重量部に対して、通常、10〜150重量部の範囲で用いられる。
トリスフェノール類の熱分解は、通常、150〜250℃の範囲、好ましくは、160〜200℃の範囲の温度で行われる。また、熱分解の反応圧力は、特に、限定されるものではないが、通常、常圧乃至減圧下の範囲である。また、熱分解反応は、好ましくは窒素気流下等の不活性雰囲気中において行われる。
このような反応条件において、熱分解反応は、例えば、分解反応によって生成するフェノール類の留出がなくなった時点をその終点とすることができる。
熱分解反応の反応終了後、得られた反応混合物に酢酸水溶液等の酸水溶液を加えてアルカリ触媒を中和することによって、含水油状の反応混合物を得ることができる。このよう
な含水油状の反応混合物から、常法に従い、分離、精製して、目的物のビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキセン類を高純度品として得ることができる。
このような上記製造方法に従う場合、前記一般式(12)で表されるトリスフェノール類の熱分解により得られる一般式(6)で表される原料フェノールは通常、前記一般式(8)で表される1,3−置換体及び一般式(10)で表される1,5−置換体の異性体混合物として得られる。
得られる異性体混合物のモル比としては、原料のトリスフェノールや反応条件などによりその比率は特定のものに限定されるものではないが、例えばシクロヘキセン−1−オンの2−位や6−位に置換基がなければ、通常、1,3−置換体と1,5−置換体の異性体モル比は1前後乃至0.6〜1.5程度の範囲である。
また、得られたビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキセン異性体混合物から、液体クロマトグラフィーや複数回の晶析等公知の方法により、容易に各々の異性体を前記一般式(8)で表される1,3−置換体及び一般式(10)で表される1,5−置換体として単離することができる。
また、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキセン類である前記一般式(8)で表される1,3−置換体や一般式(10)で表される1,5−置換体にはそれぞれに鏡像異性体が存在し、光学活性カラムでのクロマトグラフィー等の公知の分離方法により更にそれぞれの鏡像異性体を単離することができる。
したがって、本発明のジエポキシ化合物の製造に際し、原料フェノールとしては、上記フェノール異性体混合物をそのまま用いてもよく、また単離した異性体を原料フェノールとして用いても良い。
また、上記一般式(6)で表される原料フェノール化合物を得る他の製造方法として、フェノール類と2−シクロヘキセン−1−オン類又は3−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン類を酸触媒の存在下で前述のトリスフェノールを得る反応と同様な条件で反応させてビスフェノールシクロヘキセン類を得ることもできる。
収率の観点から2−シクロヘキセン−1−オン類を原料とする製造方法は、前記一般式(9)又は一般式(11)で表される原料フェノール化合物において、置換基R13、R23が水素原子でない場合の原料フェノールを製造するのに好ましい。この場合、R13、R23がアルキル基である場合がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
同様に収率の観点から3−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン類を原料とする製造方法は、前記一般式(9)又は一般式(11)で表される原料フェノール化合物において、置換基R13が水素原子でない場合の原料フェノールを製造するのに好ましい。この場合、R13がアルキル基である場合がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
さらに、原料フェノール化合物を得る他の製造方法としてJournal of the American Chemical Society, Vol.73,p.2377〜2379(1951年)に記載の方法により、対応する3−メトキシフェニルシクロヘキサノン類と4−メトキシベンゼンマグネシウムブロミド類とを反応させて1,3−ビス(4−メトキシフェニル)−1−シクロヘキセン類を合成し、その後、得られた1,3−ビス(4−メトキシフェニル)−1−シクロヘキセン類のメトキシ基のメチル基を公知の方法により、例えば、三臭化ホウ素で脱離させて水素原子に置換することによっても得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
参考例1(1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの合成)
フェノール1412g、35%塩酸78.2g、ドデシルメルカプタン15.2g、メタノール144gを3リットル容量4つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下に、液温を30〜35℃に保ちながら、2−シクロヘキセン−1−オン144gを10時間で滴下し、滴下終了後、30℃で46時間撹拌した。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液を加え中和した後、昇温してメタノールを留去した。その後、水層を分離除去して得られた油層にメチルイソブチルケトンと水を加え撹拌して水洗し、水層を分離した。得られた油層からメチルイソブチルケトンと未反応のフェノールを減圧下で留出させ除去した。残渣にトルエンを加えて析出した結晶を室温で濾別し、乾燥して1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの結晶332g(純度95%、高速液体クロマトグラフィー法)を得た。
参考例2(1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン及び1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセンの混合物の合成)
攪拌機、温度計を備えた500mlのフラスコに参考例1と同様にして得られた高速液体クロマトグラフィーによる純度が95.0%の1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン144.2g及びテトラエチレングリコール72.1g、48%水酸化ナトリウム水溶液3.3gを仕込み、窒素置換した。その後、圧力10kPa、温度179℃〜190℃において生成したフェノールを留出させながら6時間反応させた。反応終了後、100℃に冷却してメチルイソブチルケトンを添加し、酢酸を加えて中和した。この液に水を加えて撹拌して静置した後、水層を分離除去する水洗操作を6回行った。得られた油層を濃縮してトルエンを加え晶析した。さらに少量のメチルイソブチルケトンを加えて冷却し、濾過、乾燥して、高速液体クロマトグラフィー法による純度が97.0%の1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン及び1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセンの混合物を得た。
1,3−ビス(4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセン及び1,5−ビス(4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセンの混合物の合成
撹拌装置を備えた300mlの四つ口フラスコに参考例で得られた純度97.0%の1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン及び1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセンの混合物(高速液体クロマトグラフィ−分析法による検出ピーク面積比率:49/51)13.8gとテトラブチルアンモニウムブロミド3.2g、エピクロロヒドリン138.1gを仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、50℃で22時間撹拌した。その反応液に20℃で水酸化ナトリウム6.0gを加えて更に3時間撹拌した。次に過剰量存在するエピクロロヒドリンを減圧濃縮で回収した後、メチルイソブチルケトン110.4g加え、蒸留水による水洗を水層のpHが7付近になるまで繰り返し行った。この油層を蒸留により濃縮した結果析出した結晶をろ別し、得られた結晶を40℃で減圧乾燥して、純度94.6%(高速液体クロマトグラフィー分析法)、白色粉末状の1,3−ビス(4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセン及び1,5−ビス(4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセンの混合物(NMR分析における水素積分値による比率:52/48)8.0gを得た。原料の1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセン及び1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセンの混合物に対する収率は42.1モル%であった。
融点:75℃(示差走査熱量測定法による)
H−NMR測定結果
(400MHz、溶媒;CDCl3、内部標準:テトラメチルシラン)
比較例1
1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シクロヘキセンを原料として実施例1と同様に1,4−ビス(4−( オキシラニルメトキシ)フェニル)−1−シクロヘキセンを合成して融点を示差走査熱量測定法により測定した。
下記の表1に実施例1のジエポキシ化合物との比較値を示す。
中心骨格が1,4−シクロヘキセンジイル基から1,3−シクロヘキセンジイル基又は1,5−シクロヘキセンジイルに変わったのみで融点が大幅に低下することがわかる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表されるジエポキシ化合物。
    一般式(1)
    (式中、R、R、Rは各々独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、フェニルオキシ基またはハロゲン原子を表し、R、R、Rは各々独立して、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、a、bは各々独立して0又は1〜4の整数を示し、a、bが2以上の場合、R、Rは各々同一でも異なっていてもよく、cは0または1〜7の整数を示し、Rは上記一般式(1)においてオキシフェニルが結合している炭素原子には置換せず、cが2以上の場合、R3は同一でも異なっていてもよく、また、Rが置換してもよいオキシフェニルの置換位置はシクロヘキセン環の3位または5位である。)
  2. 下記一般式(2)で表される請求項1記載のジエポキシ化合物
    (式中、R、R、R、R、R、R、a、bおよびcは一般式(1)のそれと同じである。)
  3. 下記一般式(3)で表される請求項1記載のジエポキシ化合物。
    (式中、R、R、R、R、R、R、a、bおよびcは一般式(1)のそれと同じである。)
  4. 下記一般式(2)で表される請求項1記載のジエポキシ化合物
    (式中、R、R、R、R、R、R、a、bおよびcは一般式(1)のそれと同じである。)
    及び
    下記一般式(3)で表される請求項1記載のジエポキシ化合物
    (式中、R、R、R、R、R、R、a、bおよびcは一般式(1)のそれと同じである。)
    を含有するジエポキシ化合物含有硬化性樹脂組成物。
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