JP2014198670A - 樹状突起負制御剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた樹状突起負制御剤及びこれを用いる樹状突起正御抑剤のスクリーニング方法を提供すること。
【解決手段】 ツバキ(Theaceae)科チャ属チャノキ(Thea sinensis L.)、特に好ましくはツバキ(Theaceae)科チャ属チャノキ(Thea sinensis L.)の葉の抽出物を有効成分とする樹状突起負制御剤;前記樹状突起負制御は、樹状突起形成抑制、樹状突起退縮、又は樹状突起活性化抑制であるのが好適である。ツバキ(Theaceae)科チャ属チャノキ(Thea sinensis L.)の抽出物を用いる樹状突起制御剤のスクリーニング方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、樹状突起負制御剤及び樹状突起制御剤のスクリーニング方法に関する。
樹状突起は、神経細胞が、外部からの刺激や他の神経細胞の軸索から送り出される情報を受け取るために、細胞体から樹木の枝のように分岐した複数の突起のことをいう。
また、近年、神経細胞以外の細胞の樹状突起の役割も注目されている。例えば、成熟したメラニン顆粒を含むメラノソームは、細胞内を移動し、メラノサイトの樹状突起から隣接のケラチノサイトに受け渡されている。この際にメラノサイトの樹状突起の形成が重要と考えられているものの、樹状突起形成の仕組が十分に解明されていない。
このようなことから、樹状突起の制御に関する研究がさらに進められている。
例えば、特許文献1には、神経細胞の再生などに有用な、Rac活性促進剤をスクリーニングすべく、Racの活性を抑制し、樹状突起を同じレベルに収縮させる技術を提供することが提案されている。
また、例えば、特許文献2には、ミカン科オウバクのエッセンスからなる、メラノサイトのデンドライトの伸長抑制剤が提案されている。
また、例えば、特許文献3には、酵母抽出物を有効成分とするメラノサイト樹状突起形成抑制剤が提案されている。
しかしながら、樹状突起の形成がどのようなプロセスを経て形成されるかは、依然不明な点があり、樹状突起の形成を制御することが可能な物質のさらなる研究開発が求められている。
特開2006−067940号公報 特開2001−199866号公報 特開2003−252742号公報
よって、本発明は、かかる実情に鑑み、優れた樹状突起負制御剤及びこれを用いる樹状突起正制御剤のスクリーニング方法を提供しようとするものである。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、天然由来のため安全性が高いと考えられるツバキ科チャ属チャノキの抽出物が、樹状突起を負制御することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ツバキ科チャ属チャノキの抽出物を有効成分とする樹状突起負制御剤を提供するものである。
前記ツバキ科チャ属チャノキの抽出物が、葉の抽出物であってもよい。
前記植物抽出物が、水、アルコール類、含水アルコール類から選ばれるものであるのが好適である。前記アルコール類が、炭素数1〜4であるのが好適である。前記アルコール類が、メタノール、エタノール、1,3−ブチレングリコールから選ばれるものであってもよい。前記含水濃度が0〜50vol%であってもよい。
前記ツバキ科チャ属チャノキの抽出物がウーロン茶又は緑茶の抽出物であってもよい。
前記ウーロン茶の抽出物が、紅ウーロン茶であってもよい。
前記緑茶の抽出物が、玉露であってもよい。
前記樹状突起負制御が、樹状突起の形成を抑制すること、樹状突起を退縮させること、樹状突起の活性化を抑制することであってもよい。
前記樹状突起が、メラノサイトの樹状突起であってもよい。
また、本発明は、ツバキ科チャ属チャノキの抽出物を適用することを特徴とする樹状突起制御方法。当該樹状突起制御方法は、樹状突起制御試験に用いる方法又は体外に取り出した若しくは人工的に製造した細胞又は組織に用いる方法であるのが好適である。
また、本発明は、ツバキ科チャ属チャノキの抽出物を用いる樹状突起正制御剤のスクリーニング方法を提供するものである。
ここで、本開示の樹状突起抑制とは、樹状突起の正負抑制のことをいう。当該負制御とは、生命現象のうち活性を抑制する方向の制御のことをいい、当該正制御とは、生命現象のうち活性を促進する方向の制御のことをいう。
樹状突起負制御とは、例えば、樹状突起の形成を抑制すること、樹状突起を退縮させること、樹状突起の活性化を抑制すること等が挙げられる。また、樹状突起正制御とは、例えば、樹状突起の形成が促進されること、樹状突起が伸長すること、樹状突起が活性化すること等が挙げられる。
本発明によれば、優れた樹状突起負制御剤及びこれを用いる樹状突起正御抑剤のスクリーニング方法を提供することができる。
ウーロン茶抽出物を添加した30分後にα−メラノサイト刺激ホルモンを添加し、3日培養後のメラノサイトの樹状突起の形成状況を示す写真図である。なお、活性化状態の0(対照)、0.1、0.3、0.5vol%は、ウーロン茶抽出物の最終濃度である。バーの長さは100μmである。 ウーロン茶抽出物を添加した30分後にα−メラノサイト刺激ホルモンを添加し、3日培養後のメラノサイトの樹状突起の形成抑制効果を示す図である。なお、0vol%(αMSH無添加)、活性化状態の0(対照)、0.1、0.3、0.5vol%は、ウーロン茶抽出物の最終濃度である。また、縦軸には全細胞に占める樹状突起を有する細胞の割合(%)を示した。 緑茶抽出物を添加した30分後にα−メラノサイト刺激ホルモンを添加し、3日培養後のメラノサイトの樹状突起の形成状況を示す写真図である。なお、活性化状態の0(対照)、0.1、0.3、0.5vol%は、緑茶抽出物の最終濃度である。バーの長さは100μmである。 緑茶抽出物を添加した30分後にα−メラノサイト刺激ホルモンを添加し、3日培養後のメラノサイトの樹状突起の形成抑制効果を示す図である。縦軸は全細胞中の樹状突起細胞の割合を示すものである。なお、0vol%(αMSH無添加)、活性化状態の0(対照)、0.1、0.3、0.5vol%は、緑茶抽出物の最終濃度である。 左図は、カシス抽出物を添加した30分後にα−メラノサイト刺激ホルモンを添加し、3日培養後のメラノサイトの樹状突起の形成状況を示す写真図である。右図は、センプクカ抽出物を添加後にα−メラノサイト刺激ホルモンを添加し、3日培養後のメラノサイトの樹状突起の形成状況を示す図である。なお、0(αMSH無添加)、0(活性化状態の対照)、1.0vol%は、カシス抽出物、センプクカ抽出物のそれぞれの最終濃度である。バーの長さは100μmである。 左図は、カシス抽出物を添加した30分後にα−メラノサイト刺激ホルモンを添加し、3日培養後のメラノサイトの樹状突起の形成抑制効果を示す図である。右図は、センプクカ抽出物を添加した30分後にα−メラノサイト刺激ホルモンを添加し、3日培養後のメラノサイトの樹状突起の形成抑制効果を示す図である。なお、0(αMSH無添加)、0(活性化状態の対照)、1.0vol%は、カシス抽出物、センプクカ抽出物のそれぞれの最終濃度である。また、縦軸には全細胞に占める樹状突起を有する細胞の割合(%)を示した。 α−メラノサイト刺激ホルモンを添加した3日後にウーロン茶抽出物を添加し、3日培養後のメラノサイトの樹状突起の退縮状況を示す写真図である。なお、活性化状態の0(対照)、0.3、0.5vol%は、ウーロン茶抽出物の最終濃度である。また、α−メラノサイト刺激ホルモン添加3日後の写真は、代表的な1枚を示した。バーの長さは100μmである。 α−メラノサイト刺激ホルモンを添加した3日後にウーロン茶抽出物を添加し、3日培養後のメラノサイトの樹状突起の退縮効果を示す図である。なお、活性化状態の0(対照)、0.3、0.5vol%は、ウーロン茶抽出物の最終濃度である。バーの長さは100μmである。また、縦軸には全細胞に占める樹状突起を有する細胞の割合(%)を示した。 α−メラノサイト刺激ホルモンを添加した3日後に緑茶抽出物を添加し、3日培養後のメラノサイトの樹状突起の退縮状況を示す写真図である。なお、活性化状態の0(対照)、0.1、0.3、0.5vol%は、緑茶抽出物の最終濃度である。バーの長さは100μmである。 α−メラノサイト刺激ホルモンを添加した3日後に緑茶抽出物を添加し、3日培養後のメラノサイトの樹状突起の退縮効果を示す図である。縦軸は全細胞中の樹状突起細胞の割合を示すものである。なお、活性化状態の0(対照)、0.1、0.3、0.5vol%は、緑茶抽出物の最終濃度である。
本開示に用いられるツバキ科チャ属チャノキは、その種類や産地は特に限定されない。以下の例示から選ばれる1種又は2種以上のものを用いることが可能である。
本開示に用いられるツバキ(Theaceae)科チャ属チャノキ(Thea sinensis L.、Camellias sinensis)は、葉、茎、木部、根、実、花等のいずれの部位を抽出に供してもよく、2以上の部位を混合して抽出に供してもよい。抽出物の安定性及び、優れた樹状突起負制御作用の観点から、チャノキの部位としては茎又は葉が好ましく、葉が特に好ましい。
抽出に供するチャノキは、生あるいは乾燥物の別を問わず、また、既製の紅茶、プアール茶等の発酵茶、ウーロン茶、包種茶等の半発酵茶、緑茶、釜煎り緑茶、ほうじ茶等の不発酵茶等を抽出に供してもよい。抽出物の安定性及び、優れた樹状突起負制御作用の観点から、ウーロン茶又は緑茶を抽出に供するのが好ましい。
本開示に用いられるウーロン茶は、ツバキ(Camellia)科チャ属チャノキ(Thea sinensis L.)の葉の半発酵物である。ウーロン茶は種や産地によりそれぞれ発酵度が異なり、武夷岩茶、鉄観音、鳳凰単叢、紅ウーロン茶(香檳とも呼ばれる)、凍頂烏龍茶、文山包種、高山茶等が知られている。発酵度とは発酵が進むに連れ葉が赤くなる面積の程度であり、目視観測のため正確な数値ではないが概ね15〜80%とされている。その中でも発酵度が50%を超えた高発酵度のものを特に紅ウーロン茶と呼ぶ。抽出物の安定性及び、優れた樹状突起負制御作用の観点から、紅ウーロン茶が好ましい。
本開示に用いられる緑茶は、ツバキ(Camellia)科チャ属チャノキ(Thea sinensis L.)の葉を発酵させていない茶である。緑茶は種や産地、製法等により異なり、玉露、煎茶、新茶、かぶせ茶、粉茶、ほうじ茶、抹茶、狭山茶、宇治茶、龍井茶、碧螺春等が知られている。この中でも、収穫前の茶葉を被覆して日光を遮り、アミノ酸を増加させたものを玉露と呼ぶ。抽出物の安定性及び、優れた樹状突起負制御作用の観点から、玉露が好ましい。
本開示に用いられるツバキ(Theaceae)科チャ属チャノキ(Thea sinensis L.)抽出物は、上記チャノキをそのまま若しくは粉砕物とした後抽出操作に供するか、乾燥後必要に応じて粉砕して抽出操作に供して調製することができる。乾燥粉砕物は、チャノキの葉、茎、木部、根、実、花等をそのまま乾燥した後粉砕するか、又は生のまま細かく切断した後乾燥することによって調製することができる。
本発明はチャノキからの抽出物(以下、チャノキ抽出物と略す)を用いたものである。前記チャノキ抽出物の調製法は特に限定はされず、例えばチャノキの葉を、低温(例えば4℃未満)若しくは常温(例えば4〜40℃)〜加温(例えば40〜100℃)下で溶媒により抽出することにより得られる。
抽出に使用する溶媒としては、一般的には水、低級1価アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール(プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、低級エステル類(酢酸エチル等)、炭化水素(ベンゼン、ヘキサン、ペンタン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル)、アセトニトリル等が挙げられる。なお、「低級」における炭素の数は1〜4であるのが好ましい。
好ましい抽出方法の例としては、ツバキ(Theaceae)科チャ属チャノキ(Thea sinensis L.)の葉を日光にさらし、もみほぐしたのち釜煎りを行い乾燥し、これに含水濃度0〜100vol%(好適には含水濃度0〜50vol%)のエチルアルコール又は1,3−ブチレングリコールを加え、加温して抽出を行ったのち濾過し、得られたろ液を50℃にて減圧濃縮を行い、軟エキスを得る。この軟エキスに水及び1,3−ブチレングリコールを加えて50vol%1,3−ブチレングリコール溶液とし、1週間ほど放置して熟成させ、再びろ過を行う方法が挙げられる。ろ過の際に、活性炭等のろ過剤を用いて夾雑物や着色物等の不純物を除去してもよい。なお、含水濃度100vol%とは水のことである。
前記チャノキ抽出物は、そのまま有効成分として用いてもよいし、必要に応じて、抽出溶媒の除去、ろ過やイオン交換樹脂等の脱臭、脱色等の精製処理を施した後に使用してもよい。さらに液体クロマトグラフィー等の分離精製手段を用いて、活性の高い画分等を得ることも可能である。
前記チャノキ抽出物は、抽出液単独で又は異なる抽出方法にて得られた抽出液を混合して、そのまま用いるか、又は当該抽出物を希釈、濃縮又は乾燥させて、液状、粉末状又はペースト状に調製して用いることもできる。
ところで、樹状突起は細胞間の何らかの受け渡しに関与していると考えられるため、医薬分野及び化粧分野においても樹状突起形成の仕組が研究されている。樹状突起を有する細胞として、例えばプルキンエ細胞やメラノサイト等が知られているが、これらの樹状突起を制御することで、この樹状突起が形成されることによって発生する症状又は状態の予防、治療又は改善等に利用することができる。
例えば、プルキンエ細胞は神経系に関与する細胞であるが、プルキンエ細胞の樹状突起を制御することができる剤があれば、その剤を神経細胞の再生等に利用することも可能である。また、メラニン生成が増大した場合には、メラノサイトの樹状突起を負制御することで、ケラチノサイトへのメラニンの移行を抑制することができ、最終的にシミ、ソバカス等のような色素沈着を抑制する剤に使用することも可能である。
そして、後記実施例に示すように、樹状突起形成抑制試験及び樹状突起形成後の樹状突起退縮試験において、本開示のチャノキ抽出物が、樹状突起形成抑制作用、樹状突起退縮作用等といった樹状突起の負制御が可能であることが認められた。
従って、本開示のチャノキ抽出物は、樹状突起負制御(例えば、樹状突起形成抑制作用、樹状突起退縮作用等)を有するため、当該チャノキ抽出物を含有させて有効成分とする樹状突起負制御剤(例えば、樹状突起形成抑制剤、樹状突起退縮剤等)として使用することが可能である。
本開示のチャノキ抽出物は、樹状突起負制御(例えば、樹状突起形成抑制作用、樹状突起退縮作用等)のために使用してもよく、また樹状突起負制御剤(例えば、樹状突起形成抑制剤、樹状突起退縮剤等)等の上述のような使用を目的とした各種製剤に使用することができ、これら各種製剤を製造するために使用することも可能である。
本開示のチャノキ抽出物は、樹状突起負制御(樹状突起形成抑制作用、樹状突起退縮作用等)を有し、樹状突起形成による各種症状や状態を、予防、改善及び/又は治療を図るための方法に使用することができる。よって、本開示のチャノキ抽出物は、ヒトを含む動物に摂取又は投与して、樹状突起形成による各種症状や状態等の予防、改善及び/又は治療を図るための方法に使用することが可能である。
よって、本開示のチャノキ抽出物は、樹状突起負制御(樹状突起形成抑制作用、樹状突起退縮作用等)のために、皮膚外用剤、化粧料(好適には美白化粧料)、医薬品、医薬部外品、食品や機能性食品(例えば特定保健用食品等)等に配合することが可能であり、本開示の製剤は、これら皮膚外用剤、化粧料等として有用である。
本開示のチャノキ抽出物は、特に皮膚外用剤、化粧料(好適には美白化粧料)、医薬部外品、医薬品等に用いるのが好適であり、皮膚に塗布など接触させる製剤が好適である。皮膚外用剤、化粧料として、例えば化粧水、乳液(水中油型等)、クリーム(油中水型等)、パック化粧料、リキッドファンデーション、軟膏剤、養毛剤等が挙げられる。
本開示のチャノキ抽出物の含有量は、製剤中に、乾燥固形分として好ましくは0.00001〜5質量%であり、より好ましくは0.0001〜2質量%である。この範囲内であれば、該植物抽出物を安定に配合することができ、かつ優れた樹状突起負制御作用を発揮することができる。また、抽出液を使用する場合は、溶質である乾燥固形分の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度は何ら限定されるものではない。
本開示のチャノキ抽出物は、チロシナーゼ阻害剤、メラニン生成抑制剤、抗炎症剤、メラニン排出促進剤等の樹状突起制御以外の作用機序により美白効果を発揮する薬剤と併用するのが好ましい。これにより、相乗的な美白効果を発揮させることが可能となる。
チロシナーゼ阻害剤及びメラニン生成抑制剤の例としては、L−アスコルビン酸及びその誘導体、並びにそれらの塩(アスコルビン酸−2−グルコシド、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム、3−O−エチルアスコルビン酸等)、ハイドロキノン及びその誘導体(アルブチン等)、トラネキサム酸及びその誘導体(トラネキサム酸セチル、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルアミド等)、サリチル酸及びその誘導体(4−メトキシサリチル酸等)並びにそれらの塩、エラグ酸及びその誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アデノシン−1−リン酸、リノール酸、5,5’−ジプロピル−ビフェニル2,2’−ジオール、4−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノール又はその誘導体、レゾルシンおよびその誘導体(4−n−ブチルレゾルシノール等)、胎盤抽出物、カミツレエキス,ニコチン酸アミド等が挙げられるが、アスコルビン酸−2−グルコシド、3−O−エチルアスコルビン酸、又はアルブチンが好ましい。抗炎症剤としては、トラネキサム酸及びその誘導体、グリチルリチン酸ジカリウム等のグリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸ステアリル等のグリチルレチン酸誘導体、サリチル酸及びその誘導体、カミツレエキス等が挙げられるが、トラネキサム酸、グリチルレチン酸ジカリウム又はグリチルレチン酸ステアリルが好ましい。メラニン排出促進剤としてはニコチン酸アミド等のニコチン酸誘導体やアデノシン−1−リン酸及びその誘導体等があげられるが、ニコチン酸アミド又はアデノシン−1−リン酸が好ましい。
なお、前記製剤には、本開示のチャノキ抽出物の他、必要に応じて任意の成分を組み合わせて使用してもよい。他の成分としては、薬学的に許容される成分であればよく、例えば、細胞賦活剤、抗酸化剤、保湿剤、紫外線防止剤、溶剤(水、アルコール類等)、油剤、界面活性剤、増粘剤、粉体、キレート剤、pH調整剤、乳化剤、安定化剤、着色剤、光沢剤、矯味剤、矯臭剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、浸透圧調整剤、香料等が挙げられ、これらを目的とする製剤に応じて配合すればよい。
また、前記製剤の形態は、特に限定されず、液状、ペースト状、ゲル状、固形状、粉末状等の何れの形態でもよい。
また、本開示のチャノキ抽出物は樹状突起制御方法に使用することができ、当該樹状突起制御方法は、樹状突起制御試験に使用することも可能であり、また動物から採取した樹状突起を有する細胞を原材料として、医薬品(細胞医薬等);医療材料(人工的代用品又は代替物等);これらの中間段階の生産物を製造するための方法又はこれらを分析するための方法に使用することも可能である。
また、本開示のチャノキ抽出物は、樹状突起を負制御することから、前記チャノキ抽出物を、樹状突起を正制御することが可能な剤のスクリーニング方法に使用することができる。これにより、樹状突起制御剤又は樹状突起制御作用を有する物質をスクリーニング又は樹状突起制御の評価を行うことが可能である。また、被験物質及びチャノキ抽出物の添加タイミングを同時期又は別々にすることで異なる作用機序の物質を探索することも可能である。
本開示のチャノキ抽出物と被験物質を添加した状態と、樹状突起が形成されていない状態又は樹状突起が負制御されている状態と比較して、樹状突起が伸長した場合、又は樹状突起の形成が促進された場合等の樹状突起が正制御された場合には、被験物質を樹状突起正制御剤として判断することができる。なお、本開示のチャノキ抽出物と既知の樹状突起正制御剤を添加することで、樹状突起が負制御されている状態にすることも可能である。
また、本開示のチャノキ抽出物と既知の樹状突起正制御剤を添加した際の樹状突起形成状態と、当該樹状突起正制御剤と被験物質を添加した際の樹状突起の形成状態とを対比し、本開示のチャノキ抽出物を添加したときよりも樹状突起が負制御されていた場合には、被験物質を良好な樹状突起負抑制剤として判断することができる。
前記判断方法は、特に限定されないが、以下にその一例を挙げる。
例えば、位相差顕微鏡(オリンパス社製)で細胞形態の写真を撮影し、樹状突起保有細胞(双極性の細胞から新たに1箇所以上の樹状突起の形成が確認された細胞)の数を数えて、樹状突起保有細胞数/総細胞数×100%を算出する。対照との対比により被験物質の樹状突起制御の正負を判断する。
以下に、本開示のチャノキ抽出物を用いた樹状突起正制御剤の探索方法の好適な一例を挙げる。
本開示のチャノキ抽出物の存在下で、メラノサイトを培養し、これに被験物質を加え、メラノサイトの樹状突起の形態変化を観察することにより、樹状突起形成促進剤をスクリーニングすることができる。
このとき、メラノサイト活性化因子を添加してもよい。メラノサイト活性化因子として、例えばα−メラノサイト刺激ホルモン(α−MSH:melanocyte stimulating hormome)、幹細胞増殖因子(SCF:Stem cell factor)、エンドセリン−1(Endothelin-1)等が挙げられる。
メラノサイトの場合には、ケラチノサイトへのメラノソームへの移行が促進されるため、白髪改善等の物質探索に応用することができる。
上記樹状突起制御方法、樹状突起制御剤のスクリーニング方法及び樹状突起制御の評価方法における培養条件は、使用する樹状突起を有する細胞に応じた公知の培養条件、培地条件等で行えばよい。
例えば、正常メラノサイトを使用する場合には、正常メラノサイトを培養可能な公知の培養条件で行えばよい。培養増殖用培地として、市販のメラノサイト用培地等を使用してもよい。
培養温度は、使用するメラノサイトの由来に対応する培養可能な温度であればよく、例えばヒト由来の場合20℃〜40℃、好ましくは37℃程度であればよい。二酸化炭素濃度は、5vol%程度であればよい。
また、プルキンエ細胞を用いる場合には、本開示のチャノキ抽出物の存在下で、プルキンエ細胞を公知の培養方法にて培養し、樹状突起が正制御されるのを評価することで、神経再生促進等の物質探索に応用することができる。
なお、本技術は、以下の構成を採用することも可能である。
〔1〕ツバキ(Theaceae)科チャ属チャノキ(Thea sinensis L.)の抽出物を有効成分とする樹状突起負制御剤。
〔2〕前記ツバキ(Theaceae)科チャ属チャノキ(Thea sinensis L.)の抽出物が、葉の抽出物である〔1〕に記載の樹状突起負制御剤。
〔3〕前記ツバキ(Theaceae)科チャ属チャノキ(Thea sinensis L.)の抽出物が、水、アルコール類、含水アルコール類から選ばれるもので抽出されたものである〔1〕又は〔2〕に記載の樹状突起負制御剤。
〔4〕前記ツバキ(Theaceae)科チャ属チャノキ(Thea sinensis L.)の抽出物が、緑茶又はウーロン茶の抽出物であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕の何れかに記載の樹状突起負制御剤。
〔5〕 前記緑茶が、玉露である〔4〕に記載の樹状突起負制御剤。
〔6〕 前記ウーロン茶が、紅ウーロン茶である〔4〕に記載の樹状突起負制御剤。
〔7〕 前記樹状突起負制御が、メラノサイト樹状突起負制御である〔1〕〜〔6〕の何れかに記載の樹状突起負制御剤。
〔8〕 前記樹状突起の負制御は、樹状突起形成抑制、樹状突起退縮又は樹状突起活性化抑制である〔1〕〜〔7〕の何れかに記載の樹状突起負制御剤。
〔9〕 ツバキ(Theaceae)科チャ属チャノキ(Thea sinensis L.)の抽出物を用いる樹状突起制御剤のスクリーニング方法。
以下、実施例、参考例、比較例、試験例、製造例等を挙げ、本発明(本技術)をさらに具体的に説明するが、本発明(本技術)はこれら実施例等に何ら制約されるものではない。
<製造例1:紅ウーロン茶抽出物の製造>
紅ウーロン茶(東方美人 発酵度約70%:台湾製)100gを粉砕し、1Lの50%エタノール水溶液に入れ、30℃で25時間抽出した。不溶物を濾過後、濾液を減圧下で濃縮して固形のウーロン茶抽出物18gを得た。
<製造例2:凍頂ウーロン茶抽出物の製造>
ウーロン茶(凍頂烏龍茶 発酵度約20%:台湾製)100gを粉砕し、50%ジプロピレングリコール溶液1Lにて適宜攪拌しながら40℃で20時間抽出した。その後、24時間放置して沈殿物をろ過して除去し、抽出物を得た。本抽出物の固形分濃度は2.0%であった。
<製造例3:武夷ウーロン茶抽出物の製造>
ウーロン茶(武夷岩茶 発酵度約40%:中国製)100gを粉砕し、精製水1Lに適宜攪拌しながら冷暗所で72時間抽出、ろ過した。このろ液が半量になるまで減圧下で濃縮し1,3ブチレングリコール及び精製水を加え1,3ブチレングリコール濃度が30%になるように調整した。本抽出物の固形分濃度は5.0%であった
<製造例4:玉露抽出物の製造>
玉露(日本製)100gを粉砕し、1Lの80%エタノール水溶液に入れ、ゆるやかに加温抽出した。不溶物を濾過後、濾液を減圧下で濃縮して固形の玉露抽出物8.0gを得た。
<製造例5:かぶせ茶抽出物の製造>
かぶせ茶(日本製)100gを粉砕し、50%ジプロピレングリコール溶液1Lにて適宜攪拌しながら40℃で20時間抽出した。その後、3日間放置して沈殿物をろ過して除去し、抽出物を得た。本抽出物の固形分濃度は3.0%であった。
<製造例6:ほうじ茶抽出物の製造>
ほうじ茶(中国製)100gを粉砕し、精製水1Lに適宜攪拌しながら冷暗所で72時間抽出、ろ過した。このろ液が半量になるまで減圧下で濃縮し1,3−ブチレングリコール及び精製水を加え1,3ブチレングリコール濃度が30%になるように調整した。本抽出物の固形分濃度は4.0%であった
<試験例1:メラノサイト樹状突起形成抑制試験>
〔実施例1:ウーロン茶抽出物〕
上記製造例1で製造した紅ウーロン茶抽出物の固形分濃度が1.0%になるように50%の1,3−ブチレングリコール水溶液で調製した溶液を用いて、メラノサイト樹状突起形成抑制作用を調べた。
詳細には、6穴プレートにHMGS増殖添加剤入りの表皮メラノサイト(メラニン細胞)培地を適量添加し、正常ヒト表皮メラノサイト(メラニン細胞)を1×105個播種して、37℃、二酸化炭素濃度5vol%中に静置培養した。培養2日後、HMGS増殖添加剤からBPEを抜いた培地に交換して、製造例1で製造したウーロン茶抽出物を培地中の濃度が0(活性化状態の対照)、0.1、0.3、0.5vol%となるようにした30分後、α−MSHを最終濃度が10−8mol/Lになるように添加し、混和した。
3日後、位相差顕微鏡(オリンパス社製)で細胞形態の写真を撮影し、樹状突起保有細胞(双極性の細胞から新たに1箇所以上の樹状突起の形成が確認された細胞)と全細胞の数を数えて、樹状突起保有細胞数/総細胞数×100を算出し、結果を図1、表1及び図2に示した。
〔試薬類〕
表皮メラノサイト(メラニン細胞)基礎培地:Medium 254培地;ヒト表皮メラニン細胞培養用の無菌の液体培地M-254-500(Life Technologies社製)
HMGS増殖添加剤:HMGS増殖添加剤分注キットKM-6350 (倉敷紡績株式会社製)
正常ヒト表皮メラノサイト(メラニン細胞):Human Epidermal Melanocytes, neonatal(HEMn-LP);新生児由来 lightly pigmented donor C-002-5C(Life Technologies社製)
α−MSH:α−メラノサイト刺激ホルモンM4135(シグマ社製)
〔実施例2:緑茶抽出物〕
上記製造例4で製造した玉露抽出物の固形分濃度が1.6%になるように50%の1,3−ブチレングリコール水溶液で調製した溶液を用いて、メラノサイト樹状突起形成抑制作用を調べた。具体的には、試料の「ウーロン茶抽出物」を「玉露抽出物」に代えた以外は、上記〔実施例1〕と同様にしてメラノサイト樹状突起形成抑制試験を行った。その結果を表2、及び図3、4に示す。
〔比較例1、2:カシス抽出物、センプクカ抽出物〕
試料の「ウーロン茶抽出物」を「カシス抽出物」に代えた以外は、上記〔実施例1〕と同様にしてメラノサイト樹状突起形成抑制試験を行った(比較例1)。
カシス抽出物は、カシス(Ribes nigrum L.)の果実10gに精製水50gを加え、50℃にて3日間加温抽出したのち濾過して得た。この抽出物の乾燥固形分は3.1%であった。
試料の「ウーロン茶抽出物」を「センプクカ抽出物」に代えた以外は、上記〔実施例1〕と同様にしてメラノサイト樹状突起形成抑制試験を行った(比較例2)。
センプクカ抽出物は、センプクカ:オグルマ(Inula britannica Linne’ var chinensis)の花10gに、50体積エタノールを含むエタノール・水混合液500gを加え、室温で3日間抽出を行ったのち濾過して得た。この抽出物の乾燥固形分は0.3%であった。
比較例1及び2の結果を図5及び6に示す。
<試験例2:メラノサイト樹状突起退縮試験>
〔実施例3:ウーロン茶抽出物〕
α−MSH・ウーロン茶抽出物の添加・観察の順序・スケジュール・濃度を変更した以外は、前記試験例1と同様にして行った。活性化剤としてα−MSHを添加した3日後に、メラノサイトの樹状突起が十分に形成されているのを確認してからウーロン茶抽出物を添加し、さらに3日培養してから観察した。その結果を図7に示す。
細胞の樹状突起が既に活性化して伸長していても、ウーロン茶抽出物を添加することで、伸長していた樹状突起を退縮させることが認められた。樹状突起保有細胞数/総細胞数×100を算出した結果を表3及び図8に示した。
〔実施例4:緑茶抽出物〕
上記製造例4で製造した玉露抽出物の固形分濃度が1.6%になるように50%の1,3−ブチレングリコール水溶液で調製した溶液を用いて、メラノサイト樹状突起退縮作用を調べた。具体的には、試料の「ウーロン茶抽出物」を「玉露抽出物」に代えた以外は、上記〔実施例3〕と同様にしてメラノサイト樹状突起退縮試験を行った。その結果を表4、及び図9、10に示す。
カシス抽出物及びセンプクカ抽出物は、美白効果があることが知られているが、樹状突起の形成抑制作用がないことが認められた。これに対し、ウーロン茶抽出物は、樹状突起の負制御作用があることが認められた。具体的には、ウーロン茶抽出物と同時期に樹状突起活性化剤を添加した場合、樹状突起の形成又は伸長の抑制が認められた。緑茶抽出物にも、ウーロン茶抽出物と同様の効果が認められた。
また、先に樹状突起活性化剤を添加し、樹状突起を活性化させて伸長させた後に、ウーロン茶抽出物を添加した場合でも、伸長した樹状突起が退縮したことが認められた。また、緑茶抽出物にも、ウーロン茶抽出物と同様の効果が認められた。特に、伸長した樹状突起を退縮させたことは、メラニン生成量が多くとも美白作用効果を発現させること、また、既に形成された色素沈着を改善することを可能にする。このような樹状突起の負制御は、従来美白効果として探索されていたチロシナーゼ阻害作用、メラニン生成抑制作用、抗炎症作用、メラニン排出促進作用等とは異なる作用と考えられる。
このため、本開示のチャノキ抽出物と、樹状突起制御以外の作用機序により美白効果を発揮する薬剤(例えば、チロシナーゼ阻害剤、メラニン生成抑制剤、抗炎症剤、メラニン排出促進剤等)とを併用することで、相乗的な美白効果を発揮する可能性が高い。
また、樹状突起を介する細胞間の物質の授受を抑制する作用が、新たな化粧用途及び医薬用途等に繋がる可能性がある。従来のようなメラニンの合成量を抑制する方向性でないことも、新たな美白剤や白髪改善剤、神経再生促進剤等の探求方法として有望と考えられる。
〔処方例1:可溶化型化粧水〕
(成分) (質量%)
1.POE(40モル)硬化ヒマシ油 0.5
2.POE(12モル)ジオレエート 0.3
3.アスタキサンチン 0.05
4.1,3−ブチレングリコール 2.0
5.グリセリン 2.0
6.エタノール 15.0
7.トラネキサム酸 2.0
8.製造例1の紅ウーロン茶抽出物 0.1
9.乳酸ナトリウム 0.2
10.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
11.精製水 残 量
(製造方法)
A.成分1〜6を混合溶解する。
B.成分7〜11を混合溶解する。
C.BにAを加え、化粧水を得た。
本処方例1の可溶化型化粧水は、肌に潤いを与え、長時間にわたって皮膚の乾燥を防ぎ、保湿効果に優れたものであり、また連用することで肌の色が明るくなり肌の透明感がますものであった。
〔処方例2:乳化化粧水〕
(成分) (質量%)
1.大豆由来水素添加リン脂質 0.5
2.セトステアリルアルコール 0.1
3.ポリオキシエチレン(10モル)コレステロールエーテル 0.2
4.酢酸−dl−α−トコフェロール 0.1
5.スクワラン 0.1
6.ヒドロキシエチルセルロース 0.03
7.精製水 残量
8.グリチルレチン酸ステアリル 0.25
9.製造例2の凍頂ウーロン茶抽出物 0.02
10.リン酸一水素二ナトリウム 0.1
11.リン酸二水素一ナトリウム 0.1
12.グリセリン 3.0
13.ジプロピレングリコール 2.0
14.エタノール 7.0
15.香料 適量
(製造方法)
A.成分1〜5を75℃に加熱し、均一に混合溶解する。
B.成分6、7を75℃に加熱し、均一に混合溶解する
C.AにBを添加し、乳化する。
D.Cを冷却し、成分8〜15を添加し、乳化型化粧水を得た。
本処方例2の乳化化粧水は、肌に潤いを与え、長時間にわたって皮膚の乾燥を防ぎ、保湿効果に優れたものであり、また連用することで肌の色が明るくなり肌の透明感がますものであった。
〔処方例3:乳液〕
(成分) (質量%)
1.モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 1.0
2.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
3.トリオクタン酸グリセリル 0.5
4.ホホバ油 0.5
5.スクワラン 0.5
6.精製水 残量
7.エデト酸二ナトリウム 0.1
8.メチルパラベン 0.2
9.フェノキシエタノール 0.5
10.グリセリン 5.0
11.プロパンジオール 1.0
12.プロピレングリコール 2.0
13.乳酸ナトリウム 0.5
14.2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸(注1) 1.0
15.製造例3の武夷ウーロン茶抽出物 0.005
16.キサンタンガム 0.05
17.精製水 10.0
18.エタノール 3.0
19.香料 適量
(注1):株式会社林原社製
(製造方法)
A:成分16を70℃に加熱した成分17で膨潤する。
B:成分1〜5を70℃で加熱混合する。
C:成分6〜13を70℃で加熱溶解後、Bに添加し、乳化する。
D:Cを室温まで冷却後、成分14、15、18、19とAを添加し、美容液を得た。
本処方例3の乳液は、肌に潤いを与え、長時間にわたって皮膚の乾燥を防ぎ、保湿効果に優れたものであり、また連用することで肌の色が明るくなり肌の透明感がますものであった。
〔処方例4:日焼け止め〕
(成分) (質量%)
1.ステアリン酸 1.0
2.モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタン 0.5
3.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
4.ベヘニルアルコール 0.5
5.2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.0
6.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 10.0
7.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2.0
8.ジメチコジエチルベンザルマロネート 1.0
9.Tinosorb S (注2) 1.0
10.オクチルトリアゾン 0.5
11.ジプロピレングリコール 10.0
12.トリエタノールアミン 1.0
13.精製水 残量
14.グリセリン 5.0
15.1,3−ブチレングリコール 5.0
16.Tinosorb M (注2) 1.0
17.アクリル酸/メタクリル酸アルキルエステル共重合体(注3) 0.2
18.精製水 5.0
19.製造例4の玉露抽出物 0.1
20.クエン酸 0.1
21.コハク酸二ナトリウム 0.1
22.エタノール 10.0
23.防腐剤 適量
24.香料 適量
(注2) BASF社製
(注3) CARBOPOL 1382(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)
(製造方法)
A:成分1〜10を80℃にて均一に溶解する。
B:成分11〜19を80℃にて均一に溶解する。
C:BにAを添加し、乳化する。
D:Cを攪拌冷却し、成分20〜24を添加し、日焼け止めを得た。
本処方例4の日焼け止めは、肌に潤いを与え、長時間にわたって皮膚の乾燥を防ぎ、保湿効果に優れたものであり、また連用することで肌の色が明るくなり肌の透明感がますものであった。
〔処方例5:ファンデーション〕
(成分) (質量%)
1.ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキプロピレンオレイル
メチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体 (注4) 2.0
2.PEG−3ジメチコン (注5) 1.0
3.ジメチルポリシロキサン 5.0
4.ジメチルポリシロキサン処理赤酸化鉄 1.0
5.ジメチルポリシロキサン処理黄酸化鉄 1.5
6.ジメチルポリシロキサン処理黒酸化鉄 0.5
7.ジメチルポリシロキサン処理酸化チタン 10.0
8.ジメチルポリシロキサン処理タルク 5.0
9.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5.0
10.グリチルレチン酸ステアリル 0.5
11.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
12.精製水 残量
13.1,3−ブチレングリコール 15.0
14.製造例5のかぶせ茶抽出物 0.5
15.クエン酸ナトリウム 0.1
16.リン酸二水素一ナトリウム 0.1
17.フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 0.3
18.トリエタノールアミン 1.7
19.防腐剤 適量
20.香料 適量
(注4) KF−6026(信越化学工業社製)
(注5) KF−6015(信越化学工業社製)
(製造方法)
A:成分1〜3を均一に混合する。
B:成分4〜11をローラーにて均一に分散する。
C:AにBを添加し、均一混合する。
D:成分12〜20を混合溶解する。
E:CにDを添加して、乳化し、ファンデーションを得た。
本処方例5のファンデーションは、肌に潤いを与え、長時間にわたって皮膚の乾燥を防ぎ、保湿効果に優れたものであり、また連用することで肌の色が明るくなり肌の透明感がますものであった。
〔処方例6:不織布含浸タイプパック料〕
(成分) (%)
1.ポリオキシエチレン(25)フィトスタノール(HLB14.5) 1.0
2.ステアリルアルコール 0.2
3.セタノール 0.2
4.水添大豆リン脂質 0.3
5.プロピレングリコール 10.0
6.ジグリセリン 8.0
7.流動パラフィン 1.0
8.メドウフォーム油 0.5
9.マイクロクリスタリンワックス 5.0
10.精製水 1.0
11.エタノール 3.0
12.精製水 残量
13.アスコルビン酸グルコシド 2.0
14.製造例6のほうじ茶抽出物 0.3
15.加水分解ヒアルロン酸(分子量3000) 1.0
16.水酸化ナトリウム 適量
17.香料 0.01
(製造方法)
A:成分1〜6を80℃で溶解混合する。
B:成分7〜9を80℃に加熱し、Aに添加したのち、75℃に加熱した成分10を加えて乳化した。
C:これを冷却、脱泡し、水中油型液状組成物を調製し、成分11〜17を加えて混合した原液を、不織布に含浸させ、不織布含浸タイプパック料を得た。
本処方例6の不織布含浸タイプパック料は、肌に潤いを与え、長時間にわたって皮膚の乾燥を防ぎ、保湿効果に優れたものであり、また連用することで肌の色が明るくなり肌の透明感がますものであった。なお、不織布含浸タイプパック料に含浸させた原液の平均乳化滴径は190nmであった。
〔処方例7:養毛料〕
(成分) (質量%)
1.スエルチアニン 1.5
2.イチョウエキス 0.5
3.トラネキサム酸 1.0
4.製造例1の紅ウーロン茶抽出物 1.0
5.グリセリン 2.0
6.精製水 残量
7.D−パントテニルアルコール 0.3
8.ヒノキチオール 0.02
9.セファランチン 0.001
10.酢酸トコフェロール 0.01
11.L−メントール 0.2
12.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.2
13.エタノール 60
(製造方法)
A.成分1〜6を混合溶解する。
B.成分7〜13を混合溶解する。
C.AにBを加え、養毛料を得た。
本処方例7の養毛料は、頭皮に潤いを与え、長時間にわたって頭皮の乾燥を防ぎ、保湿効果に優れたものであった。
〔処方例8:軟膏〕
(配合成分) (質量%)
1.ステアリルアルコール 18.0
2.モクロウ 20.0
3.ポリオキシエチレン(20)モノオレイン酸エステル 0.25
4.グリセリンモノステアリン酸エステル 0.3
5.ワセリン 40.0
6.精製水 残量
7.グリセリン 10.0
8.アデノシン−1−リン酸 0.5
9.製造例4の玉露抽出物 1.0
(製造方法)
A.1〜5を70℃で均一に混合する。
B.6〜8を70℃に加温する。
C.AにBを加え、乳化する。
D.Cを冷却し、9を添加し、軟膏を得た。
本処方例8の軟膏は、肌に潤いを与え、長時間にわたって皮膚の乾燥を防ぎ、保湿効果に優れたものであり、また連用することで肌の色が明るくなり肌の透明感がますものであった。

Claims (9)

  1. ツバキ(Theaceae)科チャ属チャノキ(Thea sinensis L.)の抽出物を有効成分とする樹状突起負制御剤。
  2. 前記ツバキ(Theaceae)科チャ属チャノキ(Thea sinensis L.)の抽出物が、葉の抽出物である請求項1記載の樹状突起負制御剤。
  3. 前記ツバキ(Theaceae)科チャ属チャノキ(Thea sinensis L.)の抽出物が、水、アルコール類、含水アルコール類から選ばれるもので抽出されたものである請求項1又は2記載の樹状突起負制御剤。
  4. 前記ツバキ(Theaceae)科チャ属チャノキ(Thea sinensis L.)の抽出物が、緑茶又はウーロン茶の抽出物であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の樹状突起負制御剤。
  5. 前記緑茶が、玉露である請求項4記載の樹状突起負制御剤。
  6. 前記ウーロン茶が、紅ウーロン茶である請求項4記載の樹状突起負制御剤。
  7. 前記樹状突起負制御が、メラノサイト樹状突起負制御である請求項1〜6の何れか1項記載の樹状突起負制御剤。
  8. 前記樹状突起の負制御は、樹状突起形成抑制、樹状突起退縮又は樹状突起活性化抑制である請求項1〜7の何れか1項記載の樹状突起負制御剤。
  9. ツバキ(Theaceae)科チャ属チャノキ(Thea sinensis L.)の抽出物を用いる樹状突起制御剤のスクリーニング方法。
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