JP2014198175A - 使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】製品包装から取り出した裸の状態で高湿度環境下に保管しても使用前重量の増加を防止できる使い捨ておむつを提供する。
【解決手段】上記課題は、トップシート2と吸収体4との間に、吸収体4の表面全体を覆う水溶性の防湿層9を備えたことを特徴とする使い捨ておむつ1により解決される。
【選択図】図4

Description

発明は、低出生体重児への使用に適した使い捨ておむつに関するものである。
一般に、出生体重が2,500g以下の新生児は低出生体重児、1,500g以下の新生児は極低出生体重児、1,000g以下の新生児は超低出生体重児と呼ばれており、母体内にいる期間が短いことに起因して様々な面で抵抗力がなく、肌も弱いため、新生児集中治療室(NICU)において保育器内で保育される。このような低出生体重児用の使い捨ておむつは、基本構造は通常の使い捨ておむつと同様(例えば特許文献1、2参照)であるものの、使用前重量が定められており、使用後のおむつの重量から使用前のおむつの重量を差し引くことにより尿量を計算できるようになっている。
しかしながら、従来の使い捨ておむつでは、使用前のおむつの総重量(以下、単に使用前重量ともいう)が増加して尿量計算が不正確になることがあった。
特開2006−136702号公報 特開2005−287871号公報 特開2009−82484号公報 特開2008−73187号公報
従来、このような使用前重量の増加が問題視されたことは無く、これを解決するには原因の究明から開始する必要があった。そして、本発明者が鋭意研究した結果、手際よくおむつ交換を行うために、数枚の予備のおむつを製品包装から取り出した裸の状態で保育器内に保管しておくこと、及び保育器内が高湿度に維持されていることが原因で、保育器内で吸収体が吸湿することにより使用前重量が増加して尿量計算が不正確になることを発見した。つまり、従来の使い捨ておむつは製品包装から取り出した後に、裸の状態で高湿度環境下に保管することを全く想定していないものであった。
この問題は、製品包装から取り出した裸の使い捨ておむつを高湿度環境下に保管しない、または防湿材で包んで保管しておくことにより解決するものであるが、保育器内での保育という特殊な環境下で頻繁なおむつ交換を手際良く行うためには、これらの解決策は好ましいものとはいえない。
そこで、本発明の主たる課題は、製品包装から取り出した裸の状態で高湿度環境下に保管しても使用前重量の増加を防止できる使い捨ておむつを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
<請求項1記載の発明>
吸収体と、吸収体の表側を覆う液透過性トップシートと、吸収体の裏側を覆う液不透過性シートと、を備え、
前記トップシートと前記吸収体との間に、前記吸収体の表面全体を覆う水溶性の防湿層を備えた、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。
(作用効果)
このような防湿層を備えることにより、吸収体の吸湿を抑制することができ、製品包装から取り出した裸の状態で高湿度環境下に保管しても使用前重量の増加を抑制することができる。また、防湿層は水溶性であるため尿との接触により溶解し、尿の透過を阻害しないとともに、揮発するものではないため尿量計算への影響も無い。なお、防湿層とは、JIS Z 0208‐1976「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」に準じて測定される透湿度が12000g/m2・24hr以下の層を意味し、透湿を完全に遮断するものだけでなく、透湿を抑制するものも含む。また、用語「透湿度」は、JIS Z 0208‐1976「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」に準じて測定される値を意味する。
<請求項2記載の発明>
前記吸収体はパルプ繊維の集合体中に高吸収性ポリマー粒子を含有させてなるものであり、かつパルプ繊維を80〜150g/m2、及び高吸収性ポリマー粒子を90〜160g/m2それぞれ含有し、おむつ総重量が4.5〜70.0gのものである、請求項1記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
このようなおむつは特に吸湿による重量増加の影響を受けるため、本発明に特に好適なものである。
<請求項3記載の発明>
前記吸収体が包装シートにより包まれており、前記防湿層は前記包装シートと前記吸収体との間に設けられている、請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
防湿層がおむつ表面に近いとおむつ表面の触感を硬くするおそれがあるため、上述のように吸収体近くに設けることが望ましい。
<請求項4記載の発明>
前記吸収体が吸水紙からなる包装シートで包まれており、前記防湿層は前記包装シートの外側に設けられている、請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
吸収体を包む包装シートとしてはクレープ紙等の吸水紙が汎用されているが、このような吸水紙も吸湿効果がある。よって、このような場合には、包装シートの外側に防湿層を設け、吸収体だけでなく包装シートの吸湿による重量増加も防止するのも望ましい。
<請求項5記載の発明>
前記吸収体の裏面全体が防湿層により覆われており、この吸収体の裏面を覆う防湿層の透湿度が前記吸収体の表面を覆う防湿層の透湿度よりも高く、かつその吸収体の裏面を覆う防湿層の透湿度と前記液不透過性シートの透湿度との和が12000g/m2・24hr以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
防湿性を高める観点からは、このように吸収体の表面全体及び裏面全体を防湿層で覆うことが望ましい。
<請求項6記載の発明>
前記防湿層が前記吸収体の表側にのみ設けられており、かつ前記液不透過性シートの透湿度が12000g/m2・24hr以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
前述のように防湿性を高める観点からは、吸収体の裏側にも防湿層を設けることが望ましいが、吸収体の裏側は液不透過性シートにより透湿が遮断又は抑制されるため、コストの増加を抑制する観点から、吸収体の裏側には防湿層を設けなくても良い。
<請求項7記載の発明>
前記防湿層がスキンケア効果を有する水溶性物質により形成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
水溶性の防湿層は、いわゆる逆戻りによりおむつ表面に滲み出て肌に付着するおそれもあるため、このようにスキンケア効果を有する水溶性物質を用いるのも好ましい形態である。
<請求項8記載の発明>
吸収体と、吸収体の表側を覆う液透過性トップシートと、吸収体の裏側を覆う液不透過性シートと、を備え、
前記トップシートと前記吸収体との間に、前記吸収体の表面全体を覆う防湿層を備えており、
この防湿層は、1.5〜25.0g/m2の塗布量で、かつ尿の透過孔が多数形成される塗布パターンで形成されたホットメルト接着剤の層である、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように尿の透過が可能なホットメルト接着剤層によって防湿層を設けることも好ましい形態である。この防湿層は、透湿を遮断できないが抑制することは可能である。また、一般的な使い捨ておむつでは、吸収体の周囲を覆う部分にホットメルト接着剤を塗布することはあるが、このような多量の塗布は行われていない。これは尿の透過が阻害されるからである。ただし、低出生体重児のような尿量の少ない装着者においては、尿が透過する限りある程度の透過阻害は漏れ等の問題を引き起こすことはない。
<請求項9記載の発明>
低出生体重児用の使い捨ておむつである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
前述のとおり、吸湿による使用前重量の増加は一般的な使い捨ておむつでも発生するが、その影響は軽い低出生体重児用使い捨ておむつにおいて大きいものである。よって、本願発明は低出生体重児用のものに特に好適である。
以上のとおり本発明によれば、製品包装から取り出した裸の状態で高湿度環境下に保管しても使用前重量の増加を防止することができ、尿量計測を正確に行うことができる、等の利点がもたらされる。
使い捨ておむつの展開状態の内面側を示す要部破断平面図である。 使い捨ておむつの展開状態の外面側を示す平面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 装着状態を示す斜視図である。 他の形態における、図1のA−A断面図である。 他の形態における、図1のA−A断面図である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。
<低出生体重児用のテープタイプ使い捨ておむつの例>
図1〜図5は、背側部分B(前後方向中央より後側の部分)及び腹側部分F(前後方向中央より前側の部分)を有し、装着に際して図5に示されるように、背側部分Bの両側部を腹側部分Fに対して係止することにより装着する、いわゆるテープタイプ使い捨ておむつ1を示している。なお、図3、図4中の点模様部分はホットメルト接着剤を示しており、その塗布パターンとしては、ベタ塗りの他、サミット塗布、スパイラル塗布、ビード塗布など特に限定無く採用することができるが、間欠的なパターンが好ましい。
より詳細には、この使い捨ておむつ1は、幅方向中央に沿って下腹部から股間部を通り臀部までを覆うように延在するものであり、身体側表面を形成する透液性トップシート2と、外面側に位置する液不透過性シート3との間に吸収体4が介在された基本構造を有している。液不透過性シート3の外面は外装シート5により被覆されている。この外装シート5は液不透過性シート3よりも幅方向外側に延在しており、同じく液不透過性シート3よりも幅方向外側に延在するトップシート2の側部とホットメルト接着剤により貼り合わされ、吸収体4の存在しないサイドフラップ部SFを形成しており、このサイドフラップ部SFの側部は外装シート5のみからなり、その側縁がおむつの両側縁を形成している。背側部分Bの両側部には、外装シート5が幅方向外側に突出して形成された突出部を有しており、この突出部の裏面に、腹側外面に対して連結されるファスニングテープ7が取り付けられている。
これら部品の素材としては、公知のものを適宜用いることができる。例えば、トップシート2としては、繊度1.0〜4.0dtex程度かつ目付け15〜35g/m2程度の各種不織布の他、多数の孔を有する孔開きフィルム等を用いることができ、必要に応じて、ビタミンE等のように皮膚の酸化劣化を抑制する酸化防止剤、皮膚の角質層の水分を保持し皮膚を柔軟にする動植物性油脂やグリセリン脂肪酸エステルのようなエモリエント剤・保湿剤等のスキンケア成分を含有させることができる。不織布としてはエアスルー、ポイントボンド、スパンボンド等、特に限定されないが、トップシート2に原料段階(原綿)でスキンケア成分を塗工する場合は短繊維不織布が好ましく、製品の製造ラインでスキンケア成分を塗工するのであれば、表面の平滑性が高いスパンボンド不織布が好ましい。また、不織布としては疎水性のものであっても良いが、肌に優しいという点で、親水性を有する不織布、中でも親水性天然繊維を含む不織布が好適である。
液不透過性シート3としては、ポリエチレンフィルム等からなる非通気性フィルムまたは通気性多孔質フィルムを用いることができる。外装シート5としては、繊度1.0〜4.0dtex程度かつ目付け10〜40g/m2程度の各種不織布、特に強度および柔軟性の両立の観点から、SMS不織布やSMMS不織布等の積層不織布を好適に用いることができる。
外装シート5を形成する不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布12相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊度は1.0〜4.0dtex程度、かつ繊維目付けは10〜50g/m2、特に15〜30g/m2のものが望ましい。
吸収体4としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。吸収体4は、厚みを薄くするためエアレイド法により形成するのが好ましい。吸収体4における繊維目付けは80〜150g/m2程度であるのが好ましく、ポリマー目付けは90〜160g/m2程度であるのが好ましい。吸収体4に用いる高吸収性ポリマーとしては抗菌ポリマーが好ましい。吸収体4は、矩形や砂時計形などの適宜の平面形状とすることができる。
吸収体4は、必要に応じて透液性包装シート8で包装することができる。包装シート8の素材としては、安価で吸収性に富む点では薄葉紙、特にクレープ紙を用いることが好ましいが、不織布、例えば親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。包装シート8は適宜の包装形態で吸収体4を包むことができるが、図示例のように、吸収体4よりも前後方向に長い一枚の包装シート8を表側の幅方向中間部から一方の側部、裏側、他方の側部を経て吸収体4の表側に戻し、表側の幅方向中間部で両側部を重ね合わせ、包装シート8の前後端部を吸収体4の前後両側で吸収体4を介さずに重ね合わせた形態とする他、表裏逆の形態、つまり吸収体4の幅方向中間部で重なり合う部分を吸収体4の裏側に位置させた形態とすることもできる。また、図示しないが、吸収体4の上面及び側面を覆う部分と下面を覆う部分とを別々の包装シート4で構成したり、吸収体4の上面を覆う部分と側面及び下面を覆う部分とを別々の包装シートで構成したりすることができ、この場合において各部の包装シートを別々の素材で構成することもできる。
ファスニングテープ7は、不織布やプラスチックフィルム等からなるシート基材の端部がテープ取付部7Cとしておむつに取り付けられており、おむつ側縁から突出する先端側部分であるテープ本体部7Bには腹側に対する係止部7Aとして、メカニカルファスナーのフック材が設けられている。テープ取付部7Cは、外装シート5の突出部の裏面にホットメルト接着剤により接着されており、また、フック材はシート基材にホットメルト接着剤により接着されている。フック材は、その外面側に多数の係合突起を有する。係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。係止部7Aとしては、フック材に代えて、ファスニングテープ7の係止部7Aとして粘着材層を設けることもできる。
図示形態では、腹側部分Fの外面をなす外装シート5が不織布からなるため、フック材をこの不織布の繊維に直接に係止する形態とすることにより、おむつの柔軟性の低下を抑制しているが、腹側部分Fにおけるファスニングテープ7の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲットシートを設けることも可能である。ターゲットシートは、係止部7Aがフック材の場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また係止部7Aが粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。
また、図示形態においては、サイドフラップ部SFにおけるトップシート2と液不透過性シート3との間に、弾性伸縮部材6が前後方向(縦方向)に伸張した状態でそれぞれ固定されている。弾性伸縮部材6としては、図示例のように糸ゴム等の細長状のものが好ましいが、シート状や網状のものを用いることができる。糸ゴムとしては、合成ゴム、天然ゴムを問わず用いることができ、太さは470dtex以上(合成ゴムの場合、天然ゴムも同程度であるのが好ましい)のものが好ましく、前後方向に沿って120〜250%伸張した状態で固定されているのが好ましい。このような弾性伸縮部材6が設けられていると、おむつのサイドフラップ部SFが収縮して脚周りにフィットするようになる。なお、弾性伸縮部材6の収縮が肌の弱い低出生体重児にとって、過剰な刺激となり肌トラブルを誘発する場合もあるため、弾性伸縮部材6は省略しても良い。なお、この場合の伸張率は自然長を100%としたときの値を意味する。
特徴的には、トップシート2と吸収体4との間に、吸収体4の表面全体を覆う水溶性の防湿層9が設けられている。このような防湿層9を備えることにより、吸収体4の吸湿を抑制することができ、使用前重量の増加を抑制することができる。また、防湿層9は水溶性であるため尿との接触により溶解し、尿の透過を阻害しないとともに、揮発するものではないため尿量計算への影響も無い。
特に、吸収体4がパルプ繊維を80〜150g/m2、及び高吸収性ポリマー粒子を90〜160g/m2それぞれ含有し、総重量が4.5〜70.0gのおむつの場合、吸湿による重量増加の影響が大きいため、防湿層9を設けることが望まれる。
防湿層9は、JIS Z 0208‐1976「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」に準じて測定される透湿度が12000g/m2・24hr以下の層であれば透湿を完全に遮断するものだけでなく、透湿をある程度抑制するものであっても良く、特に限定されないが、透湿度が6000g/m2・24hr以下のものがより好ましく、4000g/m2・24hr以下であると特に好ましい。
水溶性の防湿層9の例としては、オブラートやポリビニルアルコールを原料とした水溶性フィルム等の他、水溶性塗料の塗膜等を用いることができる。この水溶性塗料の例からも分かるように、水溶性防湿層9は予め膜状に形成されたものを内部に介在させる他、内部の素材に膜形成液を塗布することにより形成しても良い。なお、水溶性の防湿層9は、いわゆる逆戻りによりおむつ表面に滲み出て肌に付着するおそれもあるため、スキンケア効果を有する水溶性物質、例えばゼラチン等により形成するのも好ましい。
防湿層9を設ける範囲は適宜定めることができる。例えば、防湿性を高める観点からは、図4及び図6(a)(c)に示すように、吸収体4の表面全体及び裏面全体が防湿層9により覆われている形態が好ましく、特に図6(a)(c)に示すように、吸収体4の外面全体が防湿層9により覆われている(取り囲まれて密封されている)形態が好ましい。この場合における防湿層9による被覆形態は包装シート8と同様とすることができる。すなわち、図6(a)に示すように、吸収体4よりも前後方向に長い一層の防湿層9が吸収体4の表側の幅方向中間部から一方の側部、裏側、他方の側部を経て吸収体4の表側に戻り、表側の幅方向中間部で両側部が重なり合い、防湿層9の前後端部は吸収体4の前後両側で吸収体4を介さずに重なり合う形態とする他、表裏逆の形態、つまり吸収体4の幅方向中間部で重なり合う部分が吸収体4の裏側に位置する形態とすることもできる。また、図6(a)に示すように、吸収体4の上面を覆う部分と下面を覆う部分とを別々の防湿層9で構成する等、複数の防湿層9でカバーすることもでき、この場合において各部の防湿層9を別々の素材で構成することもできる。この場合において、吸収体4の裏面を覆う防湿層9の透湿度は、吸収体4の表面を覆う防湿層9と同じとしても良いが、吸収体4の裏側は液不透過性シート3により透湿が遮断又は抑制されるため、吸収体4の裏面を覆う防湿層9の透湿度を吸収体4の表面を覆う防湿層9の透湿度よりも高くし、かつその吸収体4の裏面を覆う防湿層9の透湿度と液不透過性シート3の透湿度との和が12000g/m2・24hr以下となるようにしても良い。吸収体4の裏面を覆う防湿層9の透湿度と液不透過性シート3の透湿度との和は、9000g/m2・24hr以下が好ましく、6000g/m2・24hr以下がより好ましく、2500g/m2・24hr以上4000g/m2・24hr以下が特に好ましい。
また、吸収体4の裏側は液不透過性シート3により透湿が遮断又は抑制されるため、コストの増加を抑制する観点から、図6(b)に示すように、吸収体4の裏側には防湿層9を設けず、表側のみ(図示例は表面全体を覆うものである)に設けるのも一つの好ましい形態である。この場合において、液不透過性シート3の透湿度は12000g/m2・24hr以下であれば良いが、9000g/m2・24hr以下が好ましく、6000g/m2・24hr以下がより好ましく、2500g/m2・24hr以上4000g/m2・24hr以下が特に好ましい。
防湿層9を介在させる部位も適宜定めることができるが、防湿層9がおむつ表面に近いとおむつ表面の触感を硬くするおそれがあるため、吸収体4近く、具体的には図4及び図6(b)に示すように包装シート8と吸収体4との間に設けるのが好ましい。図4及び図6(b)に示す形態は、吸収体4の表面、裏面、あるいは包装シート8の内面に水溶性フィルムを張り付ける又は水溶性塗膜を形成することにより形成する他、包装シート8と吸収体4との間に水溶性フィルムを挟むことにより形成することができる。
また、吸収体4を包む包装シート8としてはクレープ紙等の吸水紙が汎用されているが、このような吸水紙も吸湿効果がある。よって、このような場合には、図6(a)(c)に示すように包装シート8の外側に防湿層9を設け、吸収体4だけでなく包装シート8の吸湿による重量増加も防止するのも望ましい。図6(a)(c)に示す形態は、包装シート8の外面、あるいはトップシート2の裏面や液不透過性シート3の表面に水溶性フィルムを張り付ける又は水溶性塗膜を形成することにより形成する他、包装シート8とトップシート2との間又は包装シート8と液不透過性シート3との間に水溶性フィルムを挟むことにより形成することができる。
他方、上記例は水溶性の防湿層9を設けるものであるが、図7に示すように、尿の透過が可能なホットメルト接着剤の層によって防湿層9を設けるのも好ましい形態である。このホットメルト接着剤からなる防湿層9は、1.5〜25.0g/m2、より好ましくは5〜10g/m2の塗布量で、かつ尿の透過孔が多数形成される塗布パターンで形成されるものであり、透湿を遮断するのではなく前述の透湿度の範囲まで抑制するものである。
ホットメルト接着剤の塗布量を多くしすぎると尿の透過性が低下し、また少なすぎると透湿を抑制することができないため、上記範囲内であることが重要である。また塗布パターンとしては尿の透過孔が形成される限り特に限定されず、接触式塗布装置によりホットメルト接着剤を膜状に塗布しても、また、エアーによりホットメルト接着剤を散布する非接触式塗布装置により塗布しても良い。ホットメルト接着剤の接触式塗布装置は、ホットメルト接着剤を塗工する際、噴出機を塗布対象に接触させるものであり、スロットコーターやロールコーター等を例示することができる。一方、非接触式塗布装置は、ホットメルト接着剤を塗工する際、噴出機を塗布対象に接触させずに、エアーによりホットメルト接着剤を散布するものであり、螺旋状に塗工できるスパイラル塗布装置、波状に塗工できるオメガ塗布装置やコントロールシーム塗布装置、面状に塗工できるカーテン塗布装置、点状に塗工できるドット塗布装置等を例示することができる。
前述のとおり、一般的な使い捨ておむつ1では、吸収体4の周囲を覆う部分にホットメルト接着剤を塗布することはあるが、このような多量の塗布は行われていない。これは尿の透過が阻害されるからである。ただし、低出生体重児のような尿量の少ない装着者においては、尿が透過する限りある程度の透過阻害は漏れ等の問題を引き起こすことはないため前述のような多量塗布が可能である。
その他、防湿層9のカバー範囲や介在部位等は、前述の水溶性層の場合と同様であるため説明を省略する。
実施形態と同様の基本構造(トップシート2、液不透過性シート3、吸収体4(パルプ及びポリマーの混合積繊体)、外装シート5、弾性伸縮部材6、ファスニングテープ7、係止部7A、テープ本体部7B、テープ取付部7C、包装シート8(クレープ紙20g/m2)及び防湿層9を有する)の低出生体重児用使い捨ておむつ1、及び比較例を各種製造し、前後方向中央位置で二つ折りし、NICU保育器と同じ温度:38℃、同じ湿度:90%RH下に保持し、製品重量の経時変化を測定した。
使用した使い捨ておむつの詳細を表1に示した。実施例1〜3では、防湿層9として日本合成化学社製のポリビニルアルコール水溶性フィルムである商品名ハイセロン(登録商標)のC−200(膜厚30μm)を用いた。また、実施例1では、図6(a)に示すように包装シートの外側に隙間なく防湿層を巻き付けることにより、防湿構造を形成した。実施例2では、防湿層を包装シートと吸収体との間において吸収体に隙間なく巻き付けることにより、防湿構造を形成した(図4に示す形態の防湿層を巻き付ける形態に変更したもの)。実施例3では、包装シートと吸収体との間における吸収体の表側に1枚、裏側に2枚の防湿層を介在させることにより、防湿構造を形成した(図4に示す形態の下側の防湿層を二枚とした形態)。
一方、実施例4では、吸収体の表裏両面の全体にわたり、ホットメルト接着剤を塗布幅5mm、間隔5mmでベタ塗工することにより、防湿構造を形成した。なお、実施例4における防湿層の透湿度の測定は、クレープ紙2枚(1枚あたり20g/m2)を実施例4のサンプルと同様のパターン及び塗布量のホットメルト接着剤で張り合わせたものと、クレープ紙2枚重ねただけ(ホットメルト接着剤なし)のブランクとについて透湿度を測定し、後者の透湿度(5100g/m2・24h)から前者の透湿度(2600g/m2・24h)を差し引いて求めた。
他方、比較例1は、防湿層を有しない点以外は実施例1と同様の構造とした。
測定結果を表1に示した。NICUでバイタル管理に問題の無い製品重量の増加量は1g以下であり、実施例1〜4はこの範囲内に収まったが、比較例1は3時間経過時点で1gを超えてしまった。また、実施例1〜4の中でも、クレープ紙まで防湿層で取り囲んだ実施例1は、防湿層の使用量が多くなるものの、最も製品重量の増加が少ないものとなった。
Figure 2014198175
本発明は、低出生体重児用に好適であるが、通常の使い捨ておむつに利用可能である。
1…使い捨ておむつ、2…トップシート、3…液不透過性シート、4…吸収体、5…外装シート、6…弾性伸縮部材、7…ファスニングテープ、7A…係止部、7B…テープ本体部、7C…テープ取付部、8…包装シート、9…防湿層、F…腹側部分、B…背側部分、SF…サイドフラップ部。

Claims (9)

  1. 吸収体と、吸収体の表側を覆う液透過性トップシートと、吸収体の裏側を覆う液不透過性シートと、を備え、
    前記トップシートと前記吸収体との間に、前記吸収体の表面全体を覆う水溶性の防湿層を備えた、
    ことを特徴とする使い捨ておむつ。
  2. 前記吸収体はパルプ繊維の集合体中に高吸収性ポリマー粒子を含有させてなるものであり、かつパルプ繊維を80〜150g/m2、及び高吸収性ポリマー粒子を90〜160g/m2それぞれ含有し、おむつ総重量が4.5〜70.0gのものである、請求項1記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記吸収体が包装シートにより包まれており、前記防湿層は前記包装シートと前記吸収体との間に設けられている、請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記吸収体が吸水紙からなる包装シートで包まれており、前記防湿層は前記包装シートの外側に設けられている、請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
  5. 前記吸収体の裏面全体が防湿層により覆われており、この吸収体の裏面を覆う防湿層の透湿度が前記吸収体の表面を覆う防湿層の透湿度よりも高く、かつその吸収体の裏面を覆う防湿層の透湿度と前記液不透過性シートの透湿度との和が12000g/m2・24hr以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  6. 前記防湿層が前記吸収体の表側にのみ設けられており、かつ前記液不透過性シートの透湿度が12000g/m2・24hr以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  7. 前記防湿層がスキンケア効果を有する水溶性物質により形成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  8. 吸収体と、吸収体の表側を覆う液透過性トップシートと、吸収体の裏側を覆う液不透過性シートと、を備え、
    前記トップシートと前記吸収体との間に、前記吸収体の表面全体を覆う防湿層を備えており、
    この防湿層は、1.5〜25.0g/m2の塗布量で、かつ尿の透過孔が多数形成される塗布パターンで形成されたホットメルト接着剤の層である、
    ことを特徴とする使い捨ておむつ。
  9. 低出生体重児用の使い捨ておむつである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
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