JP2014196974A - 表面増強ラマン散乱ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】物理的な干渉や異物の付着等に起因する光学機能部の劣化を抑制することができる表面増強ラマン散乱ユニットを提供する。
【解決手段】SERSユニット1Aは、一体的に形成されたハンドリング基板2と、ハンドリング基板2の厚さ方向における一方の側に開口するようにハンドリング基板2に設けられた収容空間S内に固定されたSERS素子3と、を備えている。SERS素子3は、収容空間Sの内面S1上に配置された基板5と、基板5上に形成され、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部10と、を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面増強ラマン散乱ユニットに関する。
従来の表面増強ラマン散乱ユニットとして、表面増強ラマン散乱(SERS:Surface Enhanced Raman Scattering)を生じさせる微小金属構造体を備えるものが知られている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。このような表面増強ラマン散乱ユニットにおいては、ラマン分光分析の対象となる試料が微小金属構造体に接触させられ、その状態で当該試料に励起光が照射されると、表面増強ラマン散乱が生じ、例えば10倍程度にまで増強されたラマン散乱光が放出される。
特開2011−33518号公報
"Q-SERSTM G1 Substrate"、[online]、株式会社オプトサイエンス、[平成25年3月21日検索]、インターネット<URL:http://www.optoscience.com/maker/nanova/pdf/Q-SERS_G1.pdf>
上述したような表面増強ラマン散乱ユニットには、光学機能部である微小金属構造体が、物理的な干渉や異物の付着等に起因して劣化し易いという問題がある。
そこで、本発明は、物理的な干渉や異物の付着等に起因する光学機能部の劣化を抑制することができる表面増強ラマン散乱ユニットを提供することを目的とする。
本発明の表面増強ラマン散乱ユニットは、一体的に形成されたハンドリング基板と、ハンドリング基板の厚さ方向における一方の側に開口するようにハンドリング基板に設けられた収容空間内に固定された表面増強ラマン散乱素子と、を備え、表面増強ラマン散乱素子は、収容空間の内面上に配置された基板と、基板上に形成され、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部と、を有する。
この表面増強ラマン散乱ユニットでは、表面増強ラマン散乱素子が収容空間内に固定されているため、物理的な干渉に起因する光学機能部の劣化が抑制される。更に、ハンドリング基板が一体的に形成されているため、例えば複数の部材が接着剤で接着されることにより収容空間が形成される場合に比べ、接着剤の成分や部材のチッピング片等の異物の付着に起因する光学機能部の劣化が抑制される。よって、この表面増強ラマン散乱ユニットによれば、物理的な干渉や異物の付着等に起因する光学機能部の劣化を抑制することができる。
本発明の表面増強ラマン散乱ユニットでは、収容空間は、ハンドリング基板の一方の側の主面に設けられた凹部内の空間であってもよい。この構成によれば、収容空間の安定化を図ることができる。
本発明の表面増強ラマン散乱ユニットでは、収容空間は、ハンドリング基板の一方の側の主面に一体的に形成された環状壁部の内側の空間であってもよい。この構成によれば、ハンドリング基板の薄型化を図ることができる。
本発明の表面増強ラマン散乱ユニットは、収容空間の開口部を覆うようにハンドリング基板に配置されたカバーを更に備えてもよい。この構成によれば、物理的な干渉に起因する光学機能部の劣化をより確実に抑制することができる。
本発明の表面増強ラマン散乱ユニットでは、カバーは、光透過性を有してもよい。この構成によれば、収容空間を溶液試料のセル(チャンバ)として利用する場合に、光透過性を有するカバーを、ラマン分光分析装置において励起光を透過させるカバーガラス(カバースリップ)として利用することができる。
本発明の表面増強ラマン散乱ユニットでは、カバーは、開口部に設けられた拡幅部内に配置され、厚さ方向に垂直な方向への移動が規制されていてもよい。或いは、カバーは、厚さ方向から見た場合に開口部を包囲するように開口部の周囲に一体的に形成された突出部の内側に配置され、厚さ方向に垂直な方向への移動が規制されていてもよい。これらの構成によれば、表面増強ラマン散乱ユニットの梱包時や使用時に、カバーが収容空間に対してずれるのを防止することができる。
本発明の表面増強ラマン散乱ユニットでは、ハンドリング基板は、樹脂により一体的に形成されていてもよい。この構成によれば、一体成型によってハンドリング基板に収容空間を容易に且つ確実に形成することができる。更に、チッピングが発生し難いので、チッピング片の付着に起因する光学機能部の劣化をより確実に抑制することができる。
本発明の表面増強ラマン散乱ユニットでは、表面増強ラマン散乱素子は、収容空間内に機械的に固定されていてもよい。この構成によれば、収容空間内での表面増強ラマン散乱素子の固定に接着剤を用いることが不要となるので、接着剤の成分の付着に起因する光学機能部の劣化をより確実に抑制することができる。
本発明によれば、物理的な干渉や異物の付着等に起因する光学機能部の劣化を抑制することができる表面増強ラマン散乱ユニットを提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態の表面増強ラマン散乱ユニットの断面図である。 図1の表面増強ラマン散乱ユニットの、パッケージ及びカバーを取り除いた状態での平面図である。 図1の表面増強ラマン散乱ユニットの表面増強ラマン散乱素子の断面図である。 図1の表面増強ラマン散乱ユニットの光学機能部のSEM写真である。 図1の表面増強ラマン散乱ユニットの使用工程を示す断面図である。 図1の表面増強ラマン散乱ユニットの使用工程を示す断面図である。 図1の表面増強ラマン散乱ユニットの変形例の断面図である。 図1の表面増強ラマン散乱ユニットの変形例の断面図である。 本発明の第2実施形態の表面増強ラマン散乱ユニットの断面図である。 本発明の第3実施形態の表面増強ラマン散乱ユニットの断面図である。 本発明の第4実施形態の表面増強ラマン散乱ユニットの断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1及び図2に示されるように、SERSユニット(表面増強ラマン散乱ユニット)1Aは、樹脂により一体的に形成されたハンドリング基板2と、ハンドリング基板2に支持されたSERS素子(表面増強ラマン散乱素子)3と、を備えている。ハンドリング基板2には、ハンドリング基板2の厚さ方向における一方の側に開口するように収容空間Sが設けられている。SERSユニット1Aでは、収容空間Sは、ハンドリング基板2の表面(一方の側の主面)2aに設けられた凹部4内の空間である。一例として、ハンドリング基板2は、長方形板状に形成されており、凹部4は、直方体状に形成されている。このようなハンドリング基板2は、例えば、ポリプロピレン等の樹脂による一体成型によって形成され、同一の材料からなる同一の部材によって収容空間Sを画定している。
SERS素子3は、ハンドリング基板2の収容空間S内に固定されている。SERS素子3は、収容空間Sの内面S1(SERSユニット1Aでは、凹部4の底面4a)上に配置された基板5と、基板5上に形成された成形層6と、成形層6上に形成された導電体層7と、を備えている。一例として、基板5は、シリコン又はガラス等によって矩形板状に形成されており、数百μm×数百μm〜数十mm×数十mm程度の外形及び100μm〜2mm程度の厚さを有している。基板5の裏面5bは、ダイレクトボンディング、半田等の金属を用いた接合、共晶接合、レーザ光の照射等による溶融接合、陽極接合、又は樹脂を用いた接合によって、収容空間Sの内面S1に固定されている。
図3に示されるように、成形層6は、微細構造部8と、支持部9と、枠部11と、を含んでいる。微細構造部8は、周期的パターンを有する領域であり、成形層6の中央部において基板5と反対側の表層に形成されている。微細構造部8には、周期的パターンとして、数nm〜数百nm程度の太さ及び高さを有する複数のピラーが数十nm〜数百nm程度のピッチで周期的に配列されている。一例として、微細構造部8は、ハンドリング基板2の厚さ方向における一方の側から見た場合に、数百μm×数百μm〜数十mm×数十mm程度の矩形状の外形を有している。支持部9は、微細構造部8を支持する領域であり、基板5の表面5aに形成されている。枠部11は、支持部9を環状に包囲する領域であり、基板5の表面5aに形成されている。一例として、支持部9及び枠部11は、数十nm〜数十μm程度の厚さを有している。このような成形層6は、例えば、基板5上に配置された樹脂(アクリル系、フッ素系、エポキシ系、シリコーン系、ウレタン系、PET、ポリカーボネート若しくは無機有機ハイブリット材料等)又は低融点ガラスをナノインプリント法によって成形することで、一体的に形成される。
導電体層7は、微細構造部8から枠部11に渡って形成されている。微細構造部8においては、導電体層7は、基板5と反対側に露出する支持部9の表面に達している。一例として、導電体層7は、数nm〜数μm程度の厚さを有している。このような導電体層7は、例えば、ナノインプリント法によって成形された成形層6に金属(Au、Ag、Al、Cu又はPt等)等の導電体を蒸着することで、形成される。SERS素子3では、微細構造部8の表面、及び基板5と反対側に露出する支持部9の表面に渡って形成された導電体層7によって、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部10が基板5上に形成されている。参考として、光学機能部10のSEM写真を示す。図4に示される光学機能部は、所定のピッチ(中心線間距離360nm)で周期的に配列された複数のピラー(直径120nm、高さ180nm)を有するナノインプリント樹脂製の微細構造部に、導電体層として、膜厚が50nmとなるようにAuを蒸着したものである。
図1及び図2に示されるように、SERSユニット1Aは、光透過性を有するカバー12を更に備えている。カバー12は、収容空間Sの開口部S2を覆うようにハンドリング基板2に配置されている。より具体的には、カバー12は、収容空間Sの開口部S2に設けられた拡幅部13内に配置されている。拡幅部13は、凹部4に対して、ハンドリング基板2の長手方向にも、ハンドリング基板2の長手方向及び厚さ方向に垂直な方向にも、拡幅されている。カバー12は、着脱自在な状態(すなわち、接着剤等で固定されていない状態)で、拡幅部13の底面13aに配置されており、拡幅部13の側面13bによってハンドリング基板2の厚さ方向に垂直な方向への移動が規制されている。一例として、カバー12は、ガラス等によって矩形板状に形成されており、18mm×18mm程度の外形及び0.15mm程度の厚さを有している。
以上のように構成されたSERSユニット1Aは、使用前には、袋状のパッケージ20に梱包されている。この状態で、SERSユニット1Aの収容空間Sは、真空度が高められたり、不活性ガスが充填されたり、或いは、異物や不純物の少ない雰囲気中においてパッケージ20の封止が行われたりすることで、不活性な空間とされている。これにより、使用前における表面増強ラマン散乱効果の劣化(例えば、光学機能部10への異物や不純物の付着等に起因する表面増強ラマン散乱効果の劣化)が防止されている。なお、SERSユニット1Aは、アルコール等の洗浄効果を有する薬液に光学機能部10が浸された状態でパッケージ20に梱包される場合もある。この場合には、使用時にパッケージ20が開封されて、光学機能部10から薬液が除去される。
次に、SERSユニット1Aの使用方法について説明する。まず、パッケージ20を開封することにより収容空間Sを不可逆的に開放させ、ハンドリング基板2からカバー12を取り外して、図5に示されるように、SERS素子3の光学機能部10を外部雰囲気に露出させる。続いて、図6に示されるように、ピペット等を用いて、収容空間S内に溶液試料14(或いは、水又はエタノール等の溶液に粉体の試料を分散させたもの)を滴下し、光学機能部10上に溶液試料14を配置する。続いて、レンズ効果を低減させるために、ハンドリング基板2の拡幅部13内にカバー12を配置して溶液試料14と密着させる。
続いて、SERSユニット1Aをラマン分光分析装置にセットし、光学機能部10上に配置された溶液試料14に、カバー12を介して励起光を照射する。これにより、光学機能部10と溶液試料14との界面で表面増強ラマン散乱が生じ、溶液試料14由来のラマン散乱光が例えば10倍程度にまで増強されて放出される。このようにして、ラマン分光分析装置では、高感度・高精度なラマン分光分析が可能となる。
なお、光学機能部10上への試料の配置の方法には、上述した方法の他に、次のような方法がある。例えば、ハンドリング基板2を把持して、溶液試料(或いは、水又はエタノール等の溶液に粉体の試料を分散させたもの)に対してSERS素子3を浸漬させて引き上げ、ブローして当該試料を乾燥させてもよい。また、溶液試料(或いは、水又はエタノール等の溶液に粉体の試料を分散させたもの)を光学機能部10上に微量滴下し、当該試料を自然乾燥させてもよい。また、粉体である試料をそのまま光学機能部10上に分散させてもよい。
次に、SERSユニット1Aによって奏される効果について説明する。まず、SERS素子3が収容空間S内に固定されているため、SERSユニット1Aの使用前及び使用時において、物理的な干渉に起因する光学機能部10の劣化が抑制される。更に、ハンドリング基板2が一体的に形成されているため、特にSERSユニット1Aの使用前において、例えば複数の部材が接着剤で接着されることにより収容空間Sが形成される場合に比べ、接着剤の成分や部材のチッピング片等の異物の付着に起因する光学機能部10の劣化が抑制される。よって、SERSユニット1Aによれば、物理的な干渉や異物の付着等に起因する光学機能部10の劣化を抑制することができる。
また、SERS素子3が収容空間S内に固定されているので、収容空間Sを溶液試料14のセル(チャンバ)として利用することができる。これにより、ハンドリング基板2上に溶液試料14の液溜め用スペーサをセッティングする手間を省くことができる。しかも、収容空間Sを画定するハンドリング基板2が一体的に形成されているため、溶液試料14の漏れ出しや染み出しを防止することができる。
また、収容空間Sが、ハンドリング基板2の表面2aに設けられた凹部4内の空間であるため、例えばハンドリング基板2の厚さを維持してハンドリング基板2の変形を抑制することで、収容空間Sの安定化を図ることができる。
また、収容空間Sの開口部S2を覆うようにハンドリング基板2にカバー12が配置されているので、例えばSERSユニット1Aをパッケージ20に収容して真空引きする場合に、パッケージ20が変形して光学機能部10に接触することが防止されるなど、物理的な干渉に起因する光学機能部10の劣化をより確実に抑制することができる。更に、SERSユニット1Aをパッケージ20に収容して真空引きする場合には、必要最小限の空間として収容空間Sのみを真空引きすればよいので、収容空間Sを効率良く高清浄な空間とすることができる。
また、カバー12が光透過性を有しているため、収容空間Sを溶液試料14のセル(チャンバ)として利用する場合に、ラマン分光分析装置において励起光を透過させるカバーガラス(カバースリップ)としてカバー12を利用することができる。
また、カバー12が、収容空間Sの開口部S2に設けられた拡幅部13内に配置されており、ハンドリング基板2の厚さ方向に垂直な方向への移動が規制されているので、SERSユニット1Aの梱包時や使用時に、カバー12が収容空間Sに対してずれるのを防止することができる。
また、ハンドリング基板2が樹脂により一体的に形成されているので、一体成型によってハンドリング基板2に収容空間Sを容易に且つ確実に形成することができる。しかも、チッピングが発生し難くなるので、チッピング片の付着に起因する光学機能部10の劣化をより確実に抑制することができる。更に、ハンドリング基板2の外表面にエンボス加工を施したり、ハンドリング基板2の材料に光吸収色の樹脂を用いたりすることで、ラマン分光分析時に迷光が生じるのを抑制することができる。
次に、上述したSERSユニット1Aの変形例について説明する。図7に示されるように、SERSユニット1Aでは、1つのハンドリング基板2に複数の収容空間Sが設けられており、それぞれの収容空間S内にSERS素子3が固定されていてもよい。この構成によれば、1つのハンドリング基板2によって複数種類の試料の計測を実施することができる。更に、計測時にSERSユニット1Aの差し替え等の手間を省くことができる。なお、複数の収容空間Sは、1つのハンドリング基板2に対して、一次元状に配列されていてもよいし、二次元状に配列されていてもよい。
また、図8に示されるように、SERSユニット1Aでは、ハンドリング基板2の厚さ方向に複数のハンドリング基板2が積層されており、ぞれぞれのハンドリング基板2に設けられた収容空間S内にSERS素子3が固定されていてもよい。この構成によれば、1つのパッケージ20によって複数のハンドリング基板2を外部雰囲気に対して密閉することができる。なお、SERSユニット1Aをパッケージ20に収容して真空引きする場合に、パッケージ20が変形して光学機能部10に接触するのを防止するという観点からは、別のハンドリング基板2によって収容空間Sの開口部S2が覆われるハンドリング基板2については、当該ハンドリング基板2にカバー12を配置する必要はない。
更に、この場合、ハンドリング基板2の厚さ方向において隣り合う一方及び他方のハンドリング基板2は、一方のハンドリング基板2に設けられた凹部15に、他方のハンドリング基板2に一体的に形成された凸部16が配置されることにより、ハンドリング基板2の厚さ方向に垂直な方向への移動が互いに規制されていてもよい。図8に示されるSERSユニット1Aでは、凹部15は、ハンドリング基板2の表面2aの4隅に設けられており、凸部16は、ハンドリング基板2の裏面2bの4隅に一体的に形成されている。この構成によれば、SERSユニット1Aの梱包時に、積層されたハンドリング基板2が互いにずれるのを防止し、梱包の確実化を図ることができる。
[第2実施形態]
図9に示されるように、SERSユニット1Bは、ハンドリング基板2の表面2aに一体的に形成された環状の突出部17の内側に配置されている点で、上述したSERSユニット1Aと主に相違している。SERSユニット1Bにおいては、突出部17は、ハンドリング基板2の厚さ方向から見た場合に収容空間Sの開口部S2を包囲するように開口部S2の周囲に一体的に形成されている。カバー12は、突出部17の内側における表面2a上に配置されており、突出部17によってハンドリング基板2の厚さ方向に垂直な方向への移動が規制されている。この構成によっても、上述したSERSユニット1Aと同様に、SERSユニット1Aの梱包時や使用時に、カバー12が収容空間Sに対してずれるのを防止することができる。また、上述したSERSユニット1Aに比べ、収容空間Sの開口部S2に拡幅部13が設けられていない分、ハンドリング基板2の強度の向上を図ることができる。なお、突出部17は、環状に形成されたものに限定されず、複数に分割された状態で、収容空間Sの開口部S2を包囲するように並設されたものであってもよい。
[第3実施形態]
図10に示されるように、SERSユニット1Cは、収容空間Sが、ハンドリング基板2の表面2aに一体的に形成された環状壁部18の内側の空間である点で、上述したSERSユニット1Aと主に相違している。SERSユニット1Cにおいては、SERS素子3は、環状壁部18の内側における表面2a上に固定されている。カバー12は、環状壁部18におけるハンドリング基板2と反対側の端部18aに設けられた拡幅部13内に配置されている。この構成によれば、ハンドリング基板2の薄型化を図ることができる。これは、ハンドリング基板2を形成するための材料コストの削減につながる。また、顕微鏡のクレンメルのような固定部材でハンドリング基板2を挟持する場合に、収容空間Sの大きさにかかわらず、固定部材に応じて、ハンドリング基板2の厚さを調整することができる。しかも、SERS素子3が環状壁部18に包囲されているので、顕微鏡のクレンメルのような固定部材がSERS素子3に接触するのを防止することができる。
[第4実施形態]
図11に示されるように、SERSユニット1Dは、SERS素子3が収容空間S内に機械的に固定されている点で、上述したSERSユニット1Aと主に相違している。SERSユニット1Dにおいては、接着剤ではなく、固定部材19によって、SERS素子3が収容空間S内に固定されている。より具体的には、固定部材19は、環状に形成されており、ハンドリング基板2の裏面2b側に延在する複数の爪19aを有している。このような固定部材19は、例えば、樹脂による一体成型によって形成される。固定部材19は、収容空間S内に配置され、ハンドリング基板2の厚さ方向から見た場合に光学機能部10を包囲するようにSERS素子3の導電体層7に接触している。この状態で、固定部材19の各爪19aは、ハンドリング基板2に設けられた貫通孔2cの段差部2dに掛け止められている。この構成によれば、収容空間S内でのSERS素子3の固定に接着剤を用いることが不要となるので、接着剤の成分の付着に起因する光学機能部10の劣化をより確実に抑制することができる。
以上、本発明の第1〜第4実施形態について説明したが、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、ハンドリング基板2の材料は、樹脂に限定されず、低融点ガラスやセラミック等であってもよい。ハンドリング基板2の材料が低融点ガラスである場合には、樹脂である場合と同様に、一体成型によってハンドリング基板を形成することができる。ハンドリング基板2の材料がセラミックである場合には、焼成によってハンドリング基板を形成することができる。その他、SERSユニット1A〜1Dの各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を適用することができる。なお、環状とは、円環状に限定されず、矩形環状等、その他の形状の環状を含む。
また、微細構造部8は、例えば支持部9を介して、基板5の表面5a上に間接的に形成されていてもよいし、基板5の表面5a上に直接的に形成されていてもよい。また、導電体層7は、微細構造部8上に直接的に形成されたものに限定されず、微細構造部8に対する金属の密着性を向上させるためのバッファ金属(Ti又はCr等)層等、何らかの層を介して、微細構造部8上に間接的に形成されたものであってもよい。
1A,1B,1C,1D…SERSユニット(表面増強ラマン散乱ユニット)、2…ハンドリング基板、2a…表面(一方の側の主面)、3…SERS素子(表面増強ラマン散乱素子)、4…凹部、5…基板、10…光学機能部、12…カバー、13…拡幅部、17…突出部、18…環状壁部、S…収容空間、S1…内面、S2…開口部。

Claims (9)

  1. 一体的に形成されたハンドリング基板と、
    前記ハンドリング基板の厚さ方向における一方の側に開口するように前記ハンドリング基板に設けられた収容空間内に固定された表面増強ラマン散乱素子と、を備え、
    前記表面増強ラマン散乱素子は、
    前記収容空間の内面上に配置された基板と、
    前記基板上に形成され、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部と、を有する、表面増強ラマン散乱ユニット。
  2. 前記収容空間は、前記ハンドリング基板の前記一方の側の主面に設けられた凹部内の空間である、請求項1記載の表面増強ラマン散乱ユニット。
  3. 前記収容空間は、前記ハンドリング基板の前記一方の側の主面に一体的に形成された環状壁部の内側の空間である、請求項1記載の表面増強ラマン散乱ユニット。
  4. 前記収容空間の開口部を覆うように前記ハンドリング基板に配置されたカバーを更に備える、請求項1〜3のいずれか一項記載の表面増強ラマン散乱ユニット。
  5. 前記カバーは、光透過性を有する、請求項4記載の表面増強ラマン散乱ユニット。
  6. 前記カバーは、前記開口部に設けられた拡幅部内に配置され、前記厚さ方向に垂直な方向への移動が規制されている、請求項4又は5記載の表面増強ラマン散乱ユニット。
  7. 前記カバーは、前記厚さ方向から見た場合に前記開口部を包囲するように前記開口部の周囲に一体的に形成された突出部の内側に配置され、前記厚さ方向に垂直な方向への移動が規制されている、請求項4又は5記載の表面増強ラマン散乱ユニット。
  8. 前記ハンドリング基板は、樹脂により一体的に形成されている、請求項1〜7のいずれか一項記載の表面増強ラマン散乱ユニット。
  9. 前記表面増強ラマン散乱素子は、前記収容空間内に機械的に固定されている、請求項1〜8のいずれか一項記載の表面増強ラマン散乱ユニット。
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