JP2014196240A - ポゾランを加工する方法 - Google Patents

Abstract

【課題】長い硬化時間、非常に遅い強度発現等の改善し、フラッシュアイ特性の変効を緩和等等が行えるモルタル及びコンクリートの調製に用いられるＣ級及び／又はＦ級フライアッシュなどのフライアッシュを含むポゾランを加工する方法の提供。
【解決手段】ポゾランを粉砕設備内で粉砕することによって高エネルギーの機械的加工にかけ、３０ミクロン篩上の保持率が５％未満である最終生成物の微細度とし、それによって、粗い鉱滓粒子の形態の非セノスフェアが解砕されるとき、該ポゾラン粒子は機械的な衝撃を受け、それによってセノスフェアの粉砕された粒子の表面を活性化するポゾロンを加工する方法。ポゾロンを４５μｍ節上の保持率が少なくとも９５％以上である部分を予備分級して分離し、大き過ぎる粒子を混合粉砕にかけ、３０μｍ節上の保持率５％未満である微細度に粉砕するポゾロンを加工する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、フライアッシュの形態のポゾランを加工する方法に関する。

フライアッシュは、コンクリート、モルタル及び他のセメントを含む混合物の製造に役立つ。フライアッシュは石炭燃焼発電所の副産物であり、毎年世界中で多量に製造されている。

本方法は、石炭化学組成及び石炭燃焼工程のパラメーターの変化によるフライアッシュ品質の変動を解消する。本方法によるポゾラン、すなわちフライアッシュの加工は、コンクリートの性能を著しく改善し、標準ポルトランドセメントのより高いレベルの代替品を提供し、著しい経済的及び環境上の恩恵をもたらす。

フライアッシュは、通常、セノスフェア粒子の形態で約８５％のガラス質非晶質成分を含んでいる。ＡＳＴＭ Ｃ６１８によると、フライアッシュは２つの種類、すなわち、Ｃ級及びＦ級に分類される。Ｆ級のフライアッシュは、通常、シリカ、アルミナ及び酸化鉄（ＩＩＩ）を７０重量％超含んでいるが、Ｃ級は、通常、７０重量％から５０重量％含んでいる。Ｆ級は瀝青炭の燃焼の副産物として製造される。Ｃ級のフライアッシュはより高いカルシウム含量を有しており、亜瀝青炭の燃焼の副産物として製造される。

Ａｍｅｒｉｃａｎ Ｃｏａｌ Ａｓｈ Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎによると、２００６年に米国で約７３００万トンの石炭灰がフライアッシュの形態で製造され、約４５％のみが種々の産業用途に用いられ、残りの部分はほとんどが廃棄物として埋め立て処分されている。米国のコンクリートにおいて、ポルトランドセメントの代替は現在わずか約１０パーセントである。

包括的な研究によって、フライアッシュを含まないポルトランドセメントコンクリートと比較して、ポルトランドセメントが５０％を超えるレベルまでフライアッシュと取り替えられた高配合フライアッシュコンクリートは、より高い長期強度発現、より低い水及び気体透過性、高い塩化物イオン耐性などを示したことが実証された。

同時に、高配合フライアッシュコンクリートには著しい欠点がある。１つの欠点は、特に水対セメント質の比が０．５０を超える場合、非常に長い硬化時間及び０から２８日の間の非常に遅い強度発現である。これらの負の影響のため、ポルトランドセメントの代替に用いられるフライアッシュのレベルは平均１５〜２０％まで低下する。

フライアッシュ品質の安定性も重大な問題と関係する。通常、使用される石炭の化学組成及び頻繁に変えられるボイラーの運転パラメーターの変化は、結晶及び疑似結晶相、いわゆる鉱滓、の形成を引き起こし、フライアッシュの反応性、いわゆるポゾラン活性の低下をもたらす。

例えば、Ｍａｌｈｏｔｒａ、Ｃｏｎｃｒｅｔｅ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｊ．，Ｖｏｌ．２１，Ｎｏ．５，Ｍａｙ １９９９，ｐｐ．６１〜６６のように、いくつかの努力が高配合フライアッシュコンクリートの性能の改善に向けてなされてきた。Ｍａｌｈｏｔｒａによると、結合材率（すなわち、セメント、微小充填材）を著しく増加させて水の量を大幅に減少させることにより、このようなコンクリートの強度発現を改善することができよう。しかし、このような方法は、コンクリート混合物の許容できる粘稠性（ｃｏｎｓｉｓｔｅｎｃｙ）を保つために減水剤の用量の増加を必要とし、それはコンクリートのコストを急激に増加させる。

粉砕によってそのポゾランの活性を改善するために、約１１ミクロンサイズのフライアッシュ粒子の量を増加させる粉砕と同時に酸化カルシウムを導入することによる、フライアッシュの粉砕と関係するいくつかの方法が開発されてきた。そのような方法は、米国特許第６，８１８，０５８号明細書、第６，０３８，９８７号明細書、第５，７１４，００２号明細書、第５，７１４，００３号明細書、第５，３８３，５２１号明細書及び第５，１２１，７９５号明細書に記載されている。前述のすべての公知の方法は、コンクリート成分としてのフライアッシュ性能の著しい改善を提供することができないか、又はフライアッシュ特性の変動を回避して最終生成物の一定の品質を保証することができない。

本発明は前記の問題を解決する。

したがって、本発明は、モルタル及びコンクリートの調製に用いられるＣ級及び／又はＦ級フライアッシュなどのフライアッシュを含むポゾランを加工する方法に関係し、該ポゾランを粉砕設備内で粉砕することによって高エネルギーの機械的加工にかけ、３０ミクロン篩上の保持率が５％未満である最終生成物の微細度とし、それによって、粗い鉱滓（ｓｃｏｒｉａ）粒子の形態の非セノスフェアが解砕されるとき、ポゾラン粒子は機械的な衝撃を受け、それによってセノスフェアの粉砕された粒子の表面が活性化されることを特徴とする。

本発明は、媒体ミル設備、例えば、撹拌、遠心、転動球式、又は非媒体ミル設備、例えば、ジェット、衝撃、ローラー式などの支配的な剪断の機械的衝撃が加工される粒子に適用される異なるタイプの粉砕設備を使用して、風力分級と組み合わせて実現することができる。

本発明の好ましい実施形態によると、前記ポゾランを予備分級にかけて、４５ミクロン篩上の保持率が少なくとも９０％である部分を分離し、その大き過ぎる粒子を３０ミクロン篩上の保持率が５％未満である微細度に粉砕し、２８ｄ日後のポゾラン指標（ｐｏｚｚｏｌａｎｉｃ ｉｎｄｅｆ）ＡＳＴＭ Ｃ６１８による強度７５％以上を達成する。

本発明の別の好ましい実施形態によると、前記ポゾランを予備分級にかけて、４５ミクロン篩上の保持率が少なくとも９５％である部分を分離し、その大き過ぎる粒子を、３０ミクロン篩上の保持率が５％未満である微細度に粉砕する。

本発明のなお別の好ましい実施形態によると、前記ポゾランを予備分級にかけて、４５ミクロン篩上の保持率が少なくとも９９％である部分を分離し、その大き過ぎる粒子を、３０ミクロン篩上の保持率が５％未満である微細度に粉砕する。

本発明のなお別の好ましい実施形態によると、前記予備分級後の前記ポゾランを混合粉砕（Ｉｎｔｅｒｇｒｉｎｄｉｎｇ）にかけて、３０ミクロン篩上の保持率が５％未満である微細度に粉砕する。

本発明のはるかに好ましい実施形態によると、最終生成物が５ミクロン以下１５〜２５％、１０ミクロン以下３０〜４０％、３０ミクロン以下９０〜９５％の粒度分布を有するように、ポゾランを粉砕にかける。

本発明に従って処理された前記ポゾランは、ポルトランドセメントを加えることによりさらに処理され得る。本発明の好ましい一実施形態によると、前記ポゾランの前記加工中又は後に、ポルトランドセメントを、最大１０重量％の量で前記ポゾランに加える。

また、前記ポゾランの前記加工中又は後に、粉末の形態の減水剤、硬化時間調整剤及び／又は凝結促進剤を前記ポゾランに加えるのが好ましい。

本発明の主な利点は、提案されたフライアッシュの加工がフライアッシュ特性に対する石炭の変化及びボイラー条件の影響を非常に小さくすることである。別の利点はコンクリートにおけるポルトランドセメントの代替が増加する可能性であり、それは、ポルトランドセメント製造に関連する温暖化ガス排出及びエネルギー消費を著しく削減する。

表１及び表２によって表される化学組成及び粒度分布（ＰＳＤ）を有する、ＡＳＴＭ ＣによるＦ級フライアッシュを、本発明に従って、試験した。

下記の表３は、未加工及び本発明に従って加工された、ポルトランドセメント（ＡＳＴＭ Ｃ１５０によるタイプ１）及び補助的セメント材（ＳＣＭ）の５０／５０（重量比）混合物の、ＡＳＴＭ Ｃ１０９による強度発現を表す。

得られた試験結果は、本発明が、ポゾラン活性ゼロのフライアッシュの完全に不活性な粗い部分を、反応性のある成分に変換し、強度に対して著しい寄与をすることを示す。ポルトランドセメント５０％及び本発明に従って加工されたフライアッシュ５０％を含有する混合セメントは、２８日の硬化時間で強度が、３５ＭＰａ〜４０ＭＰａであるＩ型セメント、及びその高品質高炉スラグとの５０／５０混合物で経験された平均強度と並ぶことを示した。

高耐用などの著しい性能上の利点に加え、本発明はまた、コンクリートの製造に、通常は埋め立てられる低活性のアッシュを利用可能にして、環境への大きい効果を有する。

本発明のいくつかの実施形態が上に記述された。しかし、本発明は上に記載された実施形態の例証に限定されず、請求項の範囲内で修正することができる。

Claims (8)

1. モルタル及びコンクリートの調製に用いられるＣ級及び／又はＦ級フライアッシュなどのフライアッシュを含むポゾランを加工する方法であって、粉砕設備内で粉砕することによって該ポゾランを高エネルギーの機械的加工にかけ、３０ミクロン篩上の保持率が５％未満である最終生成物の微細度とし、それによって、粗い鉱滓（ｓｃｏｒｉａ）粒子の形態の非セノスフェアが解砕されるとき、該ポゾラン粒子は機械的な衝撃を受け、それによってセノスフェアの粉砕された粒子の表面が活性化されることを特徴とする、上記方法。
2. 前記ポゾランを予備分級にかけて、４５ミクロン篩上の保持率が少なくとも９０％である部分を分離すること、及びその大き過ぎる粒子を３０ミクロン篩上の保持率が５％未満である微細度に粉砕し、２８ｄ日後のポゾラン指標（ｐｏｚｚｏｌａｎｉｃ ｉｎｄｅｘ）ＡＳＴＭ Ｃ６１８による強度７５％以上を達成することを特徴とする、請求項１に記載の方法。
3. 前記ポゾランを予備分級にかけて、４５ミクロン篩上の保持率が少なくとも９５％である部分を分離すること、及びその大き過ぎる粒子を、３０ミクロン篩上の保持率が５％未満である微細度に粉砕することを特徴とする、請求項１に記載の方法。
4. ポゾランを予備分級にかけて、４５ミクロン篩上の保持率が少なくとも９９％である部分を分離すること、及びその大き過ぎる粒子を、３０ミクロン篩上の保持率が５％未満である微細度に粉砕することを特徴とする、請求項１に記載の方法。
5. 前記予備分級後のポゾランを混合粉砕（Ｉｎｔｅｒｇｒｉｎｄｉｎｇ）にかけて、３０ミクロン篩上の保持率が５％未満である微細度に粉砕することを特徴とする、請求項２、３又は４に記載の方法。
6. 最終生成物が
   ５ミクロン以下１５〜２５％、
   １０ミクロン以下３０〜４０％、
   ３０ミクロン以下９０〜９５％
   の粒度分布を有するように、ポゾランを粉砕にかけることを特徴とする、請求項１に記載の方法。
7. 前記ポゾランの前記加工中又は後に、ポルトランドセメントを前記ポゾランに最大１０重量％の量で加えることを特徴とする、請求項１から６までのいずれか一項に記載の方法。
8. 前記ポゾランの前記加工中又は後に、粉末の形態の減水剤、硬化時間調整剤及び／又は凝結促進剤が前記ポゾランに加えられることを特徴とする、請求項１から７までのいずれか一項に記載の方法。