JP2014196214A - 無鉛ガラス組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼成後の形状保持性に優れ、更に粗大粒子を抑制することで焼成後の平滑性の向上を達成することができ、また低比重化を一層進めることができると共に、化学的耐久性にも優れ、よって誘電体、その中でも、例えばプラズマディスプレイパネルの背面誘電体層の形成にも適した無鉛ガラス組成物の提供を課題とする。
【解決手段】酸化物のモル%表示で、SiO:20.0〜28.5%、Al:10.5〜16.0%、B:26.0〜33.0%、ZnO:2.5〜12.0%、Bi:22.0〜28.0%、ZrO:0〜3.0%を含有する無鉛ガラス組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は鉛を含有しない無鉛ガラス組成物に関する。
例えば半導体素子、電子部品等のほか、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶等の各種表示装置では、小型化、薄型化等の要請に伴って高精度化が進んでいる。このため、その加工方法としては、一般的にフォトリソグラフィーによる微細加工が行われている。
特に、PDPは、前面板と背面板の2枚のガラス基板の間に形成された僅かな隙間を放電空間とし、アノード及びカソード電極間にプラズマ放電を生じさせ、放電空間内に封入されているガスから発生した紫外線により、放電空間内に設けた赤(R)、緑(G)、青(B)蛍光体を刺激させ発光させることにより画像表示を行うものである。
前面板は基板上に走査電極、維持電極、誘電体層、保護層を有し、背面板には基板上にアドレス電極、誘電体層、隔壁、蛍光体層を有している。また背面ガラス基板には、プラズマ放電の位置を定めるためのアドレス電極が形成され、その上にはアドレス電極を保護するために、10〜20μm程度の背面ガラス基板用の誘電体層(アドレス保護誘電体層)が形成されている。この背面誘電体層上に放電のセルを仕切るために隔壁が形成される。セル内には、赤(R)、緑(G)、青(B)の蛍光体が塗布されており、プラズマ放電を起こして紫外線を発生させることにより、蛍光体が刺激されて発光する仕組みになっている。PDPは、この隔壁で区切られた放電空間を画像表示素子の基本単位として構成されるため、高精細化のためには隔壁の形状や均一性などの高い寸法精度が必要である。従って隔壁形成材料であるガラス等の無機材料を、高精度且つ自在にパターン加工ができる方法が要求されており、これまでも様々な加工方法が提案されている。
そのような加工方法の中でも、感光性ペースト法(フォトリソグラフ法)は、パターン形成において高精細化を可能とし、更に工程の簡易化を図ることもできる方法である。
感光性ペースト法による場合は、次のようにして隔壁を形成することができる。まず、背面板上に形成された誘電体層上に、焼成後に所望の隔壁の高さになるような厚みになるよう、ガラス等の無機材料と感光性樹脂を混合した感光性ペーストを塗布し、乾燥後に露光を行う。続いてアルカリ溶液を用いた現像により未露光部を除去し、更に高温で焼成することにより有機成分を除去して、無機材料のみからなる隔壁を形成する。
しかしながら、フォトリソグラフ法により高精度な隔壁が形成される一方で、下地となる誘電体層が焼成後に形状を保持することができ、且つ平滑性に優れていなければ、設計通りのパターニングが得られなくなる。更に誘電体層には、電極の保護、放電に必要な表面電荷蓄積、隔壁の支持、反射の4つの役割から、焼成後における基板との密着性が必要となる。
一方、これまで誘電体形成用として、種々の無鉛ガラス組成物が開発されている。
特許文献1には、結晶化と着色を抑制し、生産性を高めることを主眼とした無鉛の誘電体形成用ガラス及びプラズマディスプレーパネル用誘電体形成材料が開示されている。
また特許文献2には耐酸性に優れた無鉛ガラス組成物が開示されており、特許文献3には化学的耐久性、低比重化等に優れた無鉛ガラス組成物が開示されている。
特開2005−41734号公報 特開2007−63105号公報 特開2011−225439号公報
しかしながら特許文献1の材料では、フォトリソグラフ法による隔壁形成の高精細化における背面誘電体層の形状保持性、平滑性については、なお改良の余地が残されている。
また特許文献2に記載のガラス組成物は、その用途が金属電極用の添加材であり、本発明のガラスとは具体的な用途が大きく異なる。また比重が5.2を超え、一層の低比重化が求められる。
更に特許文献3に記載のガラス組成物は、アルカリ金属が多く含まれているため、化学的耐久性に難点があり、改良の余地がある。
そこで本発明は、焼成後の形状保持性に優れ、更に粗大粒子を抑制することで焼成後の平滑性の向上を達成することができ、また低比重化を一層進めることができると共に、化学的耐久性にも優れ、よって誘電体、その中でも、例えばプラズマディスプレイパネルの背面誘電体層の形成にも適した無鉛ガラス組成物の提供を課題とする。
本発明者は従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、ガラス組成を特定の組成及び比率に規定することにより上記課題を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の無鉛ガラス組成物は、酸化物のモル%表示で、SiO:20.0〜28.5%、Al:10.5〜16.0%、B:26.0〜33.0%、ZnO:2.5〜12.0%、Bi:22.0〜28.0%、ZrO:0〜3.0%を含有することを第1の特徴としている。
また本発明の無鉛ガラス組成物は、上記第1の特徴に加えて、酸化物のモル%表示で、SiO:23.0〜27.5%、Al:10.5〜15.0%、B:28.0〜32.0%、ZnO:4.0〜8.0%、Bi:22.0〜25.0%、ZrO:0.5〜3.0%を含有することを第2の特徴としている。
また本発明の無鉛ガラス組成物は、上記第1又は第2の特徴に加えて、誘電体層の形成に用いられることを第3の特徴としている。
また本発明の無鉛ガラス組成物は、上記第1〜第3の何れかの特徴に加えて、最大粒径(Dmax)を10μm以下、且つ平均粒径(D50)を0.8μm以上1.1μm以下とすることを第4の特徴としている。
また本発明の無鉛ガラス組成物は、上記第1〜第4の何れかの特徴に加えて、バインダーの少なくとも一種と溶剤とを加えることでペーストとして用いられることを第5の特徴としている。
また本発明の無鉛ガラス組成物は、上記第1〜第5の何れかの特徴に加えて、セラミックス又はガラス質のフィラー、顔料と混合して使用することを第6の特徴としている。
本発明の無鉛ガラス組成物によれば、ガラスの成分の種類と含有量を所定の範囲としたので、ガラス転移温度、軟化温度を低くすることができ、よって600℃前後での焼成が可能となる。しかも焼成後におけるガラスの形状保持性の向上を達成できる。
また本発明の無鉛ガラス組成物によれば、所定の範囲に限定された成分とその含有量とにより、ガラスの平均粒径を所定の範囲内に制御すると共に、粗大粒子数を抑制することができ、よって焼結体の緻密性及び平滑性を向上させることができる。従ってフォトリソグラフ法により高精細な隔壁のパターンを形成することが可能になる。
更に比重が5.06〜5.19の範囲にあることから、5.20を超える従来のガラスに比較しても、プラズマディスプレイパネルの大画面化によるも重量増加を効果的に抑制することができる。
勿論、アルカリ金属元素やアルカリ土類金属元素を含まず、化学的耐久性もよい。
なお、ここで「粗大粒子」とは、10μm以上の大きさを持つ粒子であり、本来であれば、ふるいや分級でカットされるべきものが確率的に製品に飛び込んでしまう粒子を指す。粗大粒子は、微粉であれば溶けてフローできるものが溶けずに形状を保持したまま残り、平滑性を阻害するため問題である。
このような特徴を有する本発明のガラス組成物(又はこれを含むペースト)は、これまでの無鉛ガラス組成物の場合と同様の用途等に幅広く使用することができる。
とりわけ感光性プロセスに用いられるガラス材料として好適であり、誘電体、特にプラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶等の各種表示装置の製造、半導体素子、その他の電子回路の製造等における高精細なパターン形成のためのガラス組成物としても好適に用いることができる。
本発明の実施例及び比較例の粘性の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明ガラス組成物について各成分含有量の限定理由等について説明する。
SiOは20.0〜28.5モル%含有させる。
SiOはガラスのネットワークフォーマーとして必須であると共に、低誘電率化にも有効な成分である。SiOの含有量が20.0モル%未満では、ガラス転移点、軟化点等が下がり過ぎる上、熱膨張係数が大きくなり過ぎ、素材に焼き付けた時にクラックを生じる恐れがある。他方、SiOの含有量が28.5モル%を超える場合は、溶融性を悪化させる上、ガラス転移点、軟化点が上がり過ぎる。このため、例えばPDP製造の工程で採用されている600℃前後の温度では、ガラス基板に焼き付けるのが困難になる。
SiOの含有量は、ガラス転移点、軟化点、熱膨張係数、溶融性等を考慮すると、23.0〜27.5モル%が好ましい。
Alは10.5〜16.0モル%含有させる。
Alはガラスの化学的耐久性を向上させ、ガラス化範囲を広げてガラスを安定化させる効果がある。Alの含有量が10.5モル%未満では、化学的耐久性が悪くなり、ガラスの安定性が低下すると共に、ガラス転移点、軟化点等が下がり過ぎる上、溶融時の耐火物への侵食が著しくなる。また16.0モル%を超えると、溶融性を悪化させる上、失透傾向が大きくなると共に、ガラス転移点、軟化点が上がり過ぎる。このため、例えばPDP製造の工程で採用されている600℃前後の温度では、ガラス基板に焼き付けるのが困難になる。
Alの含有量は、溶融性、ガラス転移点、軟化点、結晶の析出等を考慮すると、10.5〜15.0モル%が好ましい。
は26.0〜33.0モル%含有させる。
は、ガラスの安定性を向上させる成分であることから必須である。Bの含有量が26.0モル%未満では、溶融性を悪化させると共に、熱膨張係数が大きくなり過ぎ、基板に焼き付けた時にクラックが生じる恐れがある。他方、33.0モル%を超えると、ガラスの化学的耐久性が悪くなり、更に溶融時の耐火物への侵食が著しくなる。
の含有量は、ガラスの安定化、ガラス転移点、軟化点、熱膨張係数、化学的耐久性等を考慮すると、28.0〜32.0モル%が好ましい。
ZnOは2.5〜12.0モル%含有させる。
ZnOはガラスの熱膨張係数を低下させると共に、ガラスの安定性を向上させる成分であることから必須である。ZnOの含有量が2.5モル%未満では、熱膨張係数が大きくなり過ぎる。またZnOの含有量が12.0モル%を超えると、化学的耐久性が悪くなる。
ZnOの含有量は、熱膨張係数、化学的耐久性等を考慮すると、4.0〜8.0モル%が好ましい。
Biは22.0〜28.0モル%含有させる。
Biは低融化のために必須の成分である。Biの含有量が22.0モル%未満では、溶融性を悪化させると共に、ガラス転移点、軟化点が上がり過ぎる。他方、28.0モル%を超えると、ガラス転移点、軟化点が低くなり過ぎる。また比重が大きくなり過ぎ、更に熱膨張係数が大きくなり過ぎることにより、基板に焼き付けた時にクラックが生じる恐れがある。
Biの含有量は、低融化、ガラス転移点、軟化点、比重、熱膨張係数等を考慮すると、22.0〜25.0モル%が好ましい。
ZrOは0〜3.0モル%含有させる。
ZrOは化学的耐久性を向上させると共に軟化点を上げるのに有効な成分である。ZrOを含有量が3モル%を超えると、失透傾向が大きくなると共に、溶融性が悪化する。
ZrOの含有量は、化学的耐性、軟化点、溶融性等を考慮すると、0.5〜3.0モル%が好ましい。
更に本実施形態においては、無鉛ガラス組成物における各成分の間に上記のような関係が満たされていれば、得られるガラス粉末の物性に対して大きな影響を与えない中性成分を、本発明の効果が著しく損なわれない範囲において加えることができ、このような中性成分を含有するような場合も本発明が意図する範囲のものである。
このような成分としては、MgO、CaO、BaO、SrO、TiO、Y、La、Gd等が挙げられる。
これらの成分は、ガラス転移点、軟化点等を考慮すると、その総合計量が3.0モル%以下であることが好ましい。
一方で、第5族から第11族にあたる遷移金属元素成分は、ガラスを着色させることや、人体への有害性や環境負荷が高いことから、酸化物換算で、その総合計量が0.5モル%以下であることが好ましく、0.2モル%以下であることがより好ましく、実質的に含有させないことがより好ましい。
また環境面から、PbOは実質的に含有させないことが好ましい。
ここで「実質的に含有させない」との表現については、本明細書においては不純物レベルで含有されるような場合までをも否定する意図ではなく、例えばガラス粉末を作成する原材料などに不純物として含まれているレベルであれば、その含有が許容され得ることを意図するものである。
より具体的には、上記のような成分は、その合計量が酸化物換算で1000ppm以下であれば含有されても問題になるおそれは低く、実質的に含有されていない場合に相当する。ただし、上記のような問題を発生させるおそれをより確実に防止する意味においては、100ppm以下であることがより好ましい。
本発明のガラス組成物のガラス転移点は、特に限定されないが、600℃前後での焼成が可能となる点で、通常は530℃以下、特に470〜520℃の範囲内とすることが好ましい。
また熱膨張係数は60×10−7〜90×10−7/℃(測定温度50〜400℃の範囲)とすることが好ましく、70×10−7〜80×10−7/℃とすることがより好ましい。熱膨張係数を上記範囲内とすることで、ソーダ石灰基板或いは高歪点ガラス基板とのマッチングに優れる。
更に本発明のガラス組成物のガラス軟化点は、540〜570℃とすることが好ましい。軟化点が540℃よりも低い場合、600℃前後での焼成時に粘性が低下しフローし過ぎてしまうため、適切な形状を保持することができない。一方、軟化点が570℃よりも高い場合、600℃前後での焼成では軟化が不十分となり、焼結体の緻密性及びガラス基板との密着性が損なわれる。焼成時の形状保持特性、焼結体と基板との密着性を考慮すると、本発明のガラス組成物のガラス軟化点は、550〜570℃とすることがより好ましい。
また本発明のガラス組成物の比重は、5.20未満とすることが好ましい。比重を5.20未満とすることで大画面化による製品重量の軽量化を実現することが可能となる。よってまた輸送コスト等の削減も見込める。
本発明のガラス組成物の製造方法は特に限定されない。まず材料としては、本発明のガラス組成物のガラス成分の供給源となる化合物を出発原料として使用すればよい。例えばBのためにHBO、B等を用いることができる。また例えばAlのためにAl(OH)、Al等を用いることができる。他の成分についても、SiO、ZnO、Bi、ZrO等のように、各種酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の通常に用いられる出発原料を採用することができる。そして、これらを所定の割合で含有する混合物を出発原料として用い、溶融することにより、本発明のガラス組成物を得ることができる。
ガラス組成物の製造方法としては、例えば原料化合物を混合することにより混合物を得る第1工程、及び得られた混合物を溶融することにより溶融物を得る第2工程、を含む製造方法によって、本発明の無鉛ガラス組成物を得ることができる。
第1工程では、本発明のガラス組成物の組成・比率となるように、前記出発原料を秤量して混合することにより、混合物を調製する。この場合、各成分の原料の混合順序等は特に制限されず、同時に配合してもよいし、所定の化合物から順番に配合してもよい。また原料は、通常は粉末の形態で供給される。このような原料粉末は、各成分を含む原料を公知の方法で粉砕、混合等を実施することにより得ることができる。
第2工程では、混合物を溶融することにより溶融物を得る。溶融に際しては、原料組成等に応じてガラス溶融温度を設定すればよいが、通常は1000〜1300℃程度で実施すればよい。得られた溶融物は、必要に応じて、溶融物からそのまま粉末を製造する工程に供してもよい。例えば溶融物を冷却ロールにて冷却しながらフレーク状粉末を得ることができる。また溶融物を冷却した後、必要に応じて粉砕、分級等の処理をすることにより粉末を得ることもできる。このように本発明の無鉛ガラス組成物は、粉末状として好適に提供することができる。
本発明のガラス組成物の粉末の粒径は、最大粒径(Dmax)を10μm以下、且つ平均粒径(D50)を0.8μm以上1.1μm以下とする。
最大粒径を10μm以下、且つ平均粒径を1.1μm以下に調整することで、焼成後の平滑性を損なう要因である粗大粒子の数を抑制することができ、フォトリソグラフ法での高精細な加工が可能となる。
平均粒径が0.8μm未満である場合には、ペーストを作製する際、樹脂分が多く必要となり、焼成前後での体積収縮が大きくなる。更に強固な凝集によりペースト中での分散性が悪化する結果、高精細、高アスペクト比等の加工が困難になる恐れがある。
一方、最大粒径(Dmax)が10μmを超える場合、或いは平均粒径が1.1μmを超える場合には、粗大粒子の混入が多くなるため、焼成時に粒子の溶け残りが生じ、平滑性が損なわれる。
(ペーストの調製)
本発明のガラス組成物の粉末を用いてペーストを調製することもできる。即ち、バインダーとして熱可塑性樹脂の少なくも一種と、溶剤と、その他、必要に応じて可塑剤等を加えることでペーストにして用いることができる。このようにして本発明のガラス組成物の粉末を用いることにより、誘電体、例えばフラットパネルのプラズマディスプレイ向け背面誘電体形成に適したガラスペーストを好適に調製することができる。この場合、本発明のガラス組成物の粉末と熱可塑性樹脂、溶剤、可塑剤等を所定の割合で混練すればよい。
前記ガラス粉末のペースト中での濃度は特に制限されないが、通常はペースト中60〜90重量%程度の範囲内で適宜設定することができる。
本発明では、特に前記のように本発明のガラス組成物の粉末を分散させたガラスペーストを用いて誘電体、例えばPDPの背面誘電体を形成することにより、フォトリソグラフ法における隔壁焼成後の形状保持性を向上させることができ、更に焼成後の平滑性を向上させることができる。このため、フォトリソグラフ法による高精細な加工をより良好に行うことが可能となり、ハイビジョン化に伴うPDPの高精細化、高発光効率化等を可能とする。
前記ガラスペースト用ガラス組成物においては、必要に応じて熱膨張係数、電気特性等の微調整、焼成前後での体積収縮の抑制、着色等を目的として、セラミックス又はガラス質フィラー、有機系又は無機系の各種顔料等の公知の添加剤を適宜配合することも可能である。
以下に本発明の実施例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。但し、本発明の範囲は実施例に限定されない。
<配合材料>
実施例1〜8及び比較例1〜7の無鉛ガラス組成物を作製すべく用いた配合材料は、以下の通りである。即ち、配合材料(出発原料)として、SiO、Al(OH)、HBO、ZnO、Bi、ZrOを用いた。
<無鉛ガラス組成物の調製>
表1、表2に示した実施例1〜8、比較例1〜7の組成となるように上記配合材料を調合し、混合した後、白金質のルツボを用いて約1000℃〜1300℃の温度で1〜2時間溶融した。溶融したガラスをステンレススチール製の冷却ロールにて急冷し、ガラスフレークを作製した。次いでガラスフレークを粉砕して気流分級により平均粒径0.5〜2μm、最大粒径を10μm以下に調整し、粉末ガラスを作製した。なお、粉末ガラスの粒径はレーザー散乱式粒度分布測定機を用いて測定し、気流分級条件を求めた。
Figure 2014196214
Figure 2014196214
<各評価試料の作製>
気流分級により得られた上記粉末ガラスを示差熱分析(DTA)用試料、粗大粒子数評価用試料とした。
また気流分級により得られた上記粉末ガラス約2.5gを、φ10mmの金型を用いてペレット化(プレス圧:約10MPa、プレス時間:約1分)して焼成し、フロー径評価用試料とした。なお、ペレットの焼成条件は下記の通りである。
(1)600℃で1時間焼成(昇温1時間)
(2)370℃まで3時間で冷却
(3)室温まで自然冷却
<物性の評価>
各実施例及び比較例で得られたサンプルを用いて下記に示す各物性をそれぞれ測定した。その結果を表1、表2及び図1に示す。
1.ガラス転移点(Tg)、軟化点(Ts)
各実施例及び比較例の粉末ガラス試料約30mgを白金セルに入れ、示差熱分析装置(型名「TG−8120」、(株)リガク製)を用いて、アルミナ粉末を標準試料として大気雰囲気下において室温から20K/minの昇温速度でDTA曲線を得、最初の吸熱ピークの開始点(外挿点)をガラス転移点とし、次の吸熱ピークの開始点(外挿点)を軟化点とした。
2.熱膨張係数
各実施例及び比較例のロッド状試料と石英ガラスにより形成された標準試料とを熱機械測定装置(型名「TMA8310」、(株)リガク製)を用いて、室温から10℃/minで昇温して熱膨張曲線の測定を行い、50℃〜400℃までに観測される熱膨張係数の値を平均して各実施例及び比較例の熱膨張係数とした。
3.フロー径
形状保持性の評価方法として、各実施例及び比較例の粉末ガラス試料約2.5gでφ10mmのペレットを作製し、焼成後のフロー径を測定した。フロー径が11mm以上となったものを「×」、10〜11mmとなったものを「○」、10mm以下となったものを「◎」と評価した。
表1から明らかなように、本実施例1〜8では、何れも「○」以上であった。これに対して表2に示すように、比較例1〜2はガラス転移点及び軟化点が低く、フロー径が11mm以上となって「×」であった。また比較例3、4は何れも失透し、測定から除外した。比較例5、6はガラス転移点及び軟化点が比較例1、2よりも更に低いことから、フロー径を測定しなかったが、「×」である。
4.粘性
形状保持性の評価方法として、実施例2、3、6及び比較例1の粉末ガラス試料を用いて500℃〜600℃における粘性を貫入式自動粘度測定装置(日本板硝子テクノリサーチ(株)製)にて測定した。測定結果を図1に示す。
図1によれば、実施例2、3、6は比較例1に比べて粘性が高く、形状保持性に優れることが明らかとなった。
5.比重
各実施例1〜8及び比較例1〜7のガラスを用いて、アルキメデス法により比重を測定した。
表1によれば、実施例1〜8のガラスは何れも比重が5.20未満となり、軽量性の要件を満たした。一方、表2によれば比較例7は比重が5.20を上回り、軽量性の要件を満たすことが出来なかった。
6.粒度
各実施例1〜8及び比較例1〜7の粉末ガラス試料20〜70mgを水中に均一に分散させ、レーザー散乱式粒度分布測定器(型名「マイクロトラックMT−3000II」、日機装(株)製)を用いて測定した。
表1によれば、平均粒径(D50)については、実施例1、4〜8が0.8〜1.1μmの範囲内にあった。
7.粗大粒子数
各実施例及び比較例の粉末ガラス試料約100gを400mlのIPAでスラリー化し、US発生器で10分間分散処理を行った後、500メッシュフィルター(φ25mm)にて粗大粒子を捕集した。得られたフィルターを光学顕微鏡で観察し、粗大粒子数をカウントした。粗大粒子数が50個以上となったものを「×」、30個〜50個となったものを「○」、30個以下となったものを「◎」と評価した。
表1によれば、実施例4〜7は「○」、実施例8は「◎」であった。
なお、表において「−」は未測定を示す。
実施例1ではZrO量が少ないので軟化点が低くなり、フロー径評価が○となる。
また実施例2では、Bi量が多いので比重が大きい。

Claims (6)

  1. 酸化物のモル%表示で、
    SiO :20.0〜28.5%
    Al :10.5〜16.0%
    :26.0〜33.0%
    ZnO :2.5〜12.0%
    Bi :22.0〜28.0%
    ZrO :0〜3.0%
    を含有することを特徴とする無鉛ガラス組成物。
  2. 酸化物のモル%表示で、
    SiO :23.0〜27.5%
    Al :10.5〜15.0%
    :28.0〜32.0%
    ZnO :4.0〜8.0%
    Bi :22.0〜25.0%
    ZrO :0.5〜3.0%
    を含有することを特徴とする請求項1に記載の無鉛ガラス組成物。
  3. 誘電体層の形成に用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の無鉛ガラス組成物。
  4. 最大粒径(Dmax)を10μm以下、且つ平均粒径(D50)を0.8μm以上1.1μm以下とすることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の無鉛ガラス組成物。
  5. バインダーの少なくも一種と溶剤とを加えることでペーストにして用いられることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の無鉛ガラス組成物。
  6. セラミックス又はガラス質のフィラー、顔料と混合して使用することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の無鉛ガラス組成物。
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