JP2014195794A - 導電性パターンの形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基体上に形成された絶縁膜に対して、紫外線をパターン領域に照射した後、粒子表面が有機分子層で保護された金属ナノ粒子を溶媒中に分散したインクを、前記基体上に塗布することにより、前記パターン領域に前記インクを付着・凝集させ、導電性パターンを得る。塗布は、基体との間隙又は接触部に前記インクが保持される塗布部材によることが好ましく、ブレード塗布やロール塗布などが好ましい。
【選択図】図1
Description
(1)基体上に形成された絶縁膜に対して、紫外線をパターン領域のみに照射する紫外線照射工程。
(2)粒子表面がアルキルアミン、アルキルジアミン、若しくはその他の構造のアミンを含む有機分子層で保護された金属ナノ粒子を溶媒中に分散したインク(以下、金属ナノ粒子インクともいう。)を、前記基体上に塗布する工程。
本発明の紫外線照射工程において、反応性表面を形成するための光化学反応の紫外線波長範囲は、下限が10nmで、上限が250nmであることが好ましい。例えば、CとFの結合エネルギーが大体、490kJ/mol程度であることから波長244nm以下であれば十分に乖離すると考えられるためである。例えば、真空紫外線(VUV)であることが好ましい。真空紫外線は波長が10nmから200nm程度の範囲の紫外線を指す。また、波長の下限は100nmがより好ましい。また、照射のパワーは、10〜1000mJ/cm2程度が好ましい。
本実施の形態で用いる被覆金属ナノ粒子には、アルキルアミン、アルキルジアミン、若しくはその他の構造のアミンを、含む有機分子層を、保護層として備える金属微粒子を用いる。被覆金属ナノ粒子の被覆部分は、多数のアルキルアミン分子がアミノ基の配位結合により金属ナノ粒子に接合し、そのアルキル基部分が金属ナノ粒子表面で凝集することにより形成されているものと考えられる。このため、被覆部分の重量割合は、主に使用するアルキルアミンの分子量を調整することにより調整することができる。
本発明の第1の実施の形態の導電性回路パターンの形成方法について、図を参照して以下説明する。本実施の形態では、図1及び図2について説明したように、導電性回路パターンを形成する。本実施の形態は、(1)基板上に形成された絶縁膜に対して、紫外線をパターン領域のみに照射する紫外線照射工程と、(2)粒子表面がアルキルアミンもしくはアルキルジアミン、若しくはその他の構造のアミンを含む有機分子層で保護された金属ナノ粒子を溶媒中に分散したインクを、ブレードに付着させて前記基板上を掃引する塗布工程とからなる。以下、実施例を示して説明する。
基板(ガラス板)の上に、非晶質性パーフルオロ樹脂(CYTOP(登録商標))を、スピンコート法により、2000rpm、20secで塗布した後、ホットプレート80℃で10分加熱後、さらにオーブンで150℃60分加熱して製膜した。製膜された非晶質パーフルオロ樹脂膜は、絶縁性を有し、透明性を有し、膜厚は1ミクロンであった。絶縁膜の形成されている基板上に、所望のパターンを有するフォトマスクを基板に密着し、VUV光(波長172nm)をパワー11mW/cm-2で20秒照射した。紫外線照射された絶縁膜のパターン領域は、反応性表面となっている。パターンは、線幅5μm、200ppiとした。
パターン領域の線幅を、実施例1とは異なる線幅で設計した。その他は実施例1と同様の条件で、導電性回路パターンを形成した。表1に、各実施例をまとめて表す。
実施例1と同様に導電パターンを形成した。VUV光(波長172nm)を、強度11mW/cm-2で20秒照射した。紫外線照射された絶縁膜のパターン領域は、反応性表面となっている。使用したフォトマスクは、設計値が200ppiで、線幅5μmのパターンを用いた。ブレードによる掃引工程を、掃引速度2mm/secの低速度で行った。ここで、掃引工程における温度の条件を変えて、温度による影響を調べた。図3に形成した導電パターンの光学顕微鏡写真を示す。図3(1)は、温度30℃の場合、(2)は温度7℃の場合である。図3(1)では、フォトマスクのパターンに対応した導電性回路パターンからなる電極金属配線パターンが高精細に形成されていることが分かる。図3(2)では、配線が一部つながってしまったり、一部欠けている様子が分かる。このことから、導電性回路パターンを高精細で形成するには、温度15℃以上で、温度40℃以下であることが好ましい。なお、この条件は、掃引速度、湿度などが異なると最適温度が変わるので、掃引速度、湿度、温度、インクの濃度に応じて、適宜最適化することが好ましい。
実施例1と同様に導電パターンを形成した。図4(2)に、本実施例で形成した導電パターン、即ちブレードコート膜の走査型電子顕微鏡写真(SEM像)を示す。平均粒子径約10〜30nmの、粒子サイズの揃った銀粒子が均一に高密度で付着していることが分かる。
粒子表面が、アルキルアミン、アルキルジアミン、若しくはその他の構造のアミンを、含む有機分子層で保護された銀ナノ粒子を、溶媒中に分散したインクを、スピンコートすることにより、導電膜を形成した。図4(1)に、スピンコートによる導電膜の走査型電子顕微鏡写真(SEM像)を示す。得られたスピンコート膜は、銀粒子が不均一であり、一部に亀裂もあることが分かる。
本実施の形態は、第1の実施の形態で示した導電性パターンの形成方法を用いて、半導体装置を製造する方法である。シリコン基板に、上述の実施例と同様に、非晶質性パーフルオロ樹脂(CYTOP(登録商標))をスピンコート法により製膜する。半導体装置の電極(ドレイン、ソース)を形成するためのパターンを有するフォトマスクを、絶縁膜上に設けて、VUV光を照射する。粒子表面がアルキルアミン、アルキルジアミン、若しくはその他の構造のアミンを含む有機分子層で保護された銀ナノ粒子を溶媒中に分散したインクを、ブレードに付着させて前記基板上を掃引して、電極パターンを形成する。基板上の絶縁膜及び電極上に、有機半導体層(ペンタセンなど)を形成する。その他の工程は知られている有機トランジスタ装置の製造工程と同様に行う。
本発明の第3の実施の形態の導電性回路パターンの形成方法について、図1、図2、図5(1)及び図6(1)を参照して以下説明する。本実施の形態では、第1実施の形態と異なり、図1の塗布部材として、キャピラリーコータ21を用いて塗布したことが特徴である。図5(1)は、本実施の形態のキャピラリーコーティングを説明する模式図である。絶縁膜の一部に紫外線照射されたパターン領域を有する基板面17(塗布面ともいう。)に、キャピラリーコータ21をほぼ接触させ、その接触部にキャピラリーコータ21に設けられたキャピラリー(スリット部)から金属ナノ粒子インク12を供給し(図5(1))、インクが、キャピラリーコータ21と基板面17とが対向する間隙部に毛管現象により濡れ拡がった後、キャピラリーコータ21を基板表面上に沿って相対的に掃引する。図5中の太い矢印はコータ或いは基板面との相対的移動方向を示している。キャピラリーコータと同様、スロットコータ、スリットコータ、ダイコータ、スロットダイコータ等を用いてもよい。
以下、実施例を示して説明する。
実施例1と同様に、基板(ガラス板)の上に、非晶質性パーフルオロ樹脂(CYTOP(登録商標))をスピンコート法により塗布した後、加熱して製膜した。製膜された非晶質パーフルオロ樹脂膜は、絶縁性を有し、透明性を有し、膜厚は1ミクロンから1ミクロン以下であった。絶縁膜の形成されている基板上に、所望のパターンを有するフォトマスクを基板に密着し、VUV光(波長172nm)をパワー11mW/cm-2で20〜80秒照射した。紫外線照射された絶縁膜のパターン領域は、反応性表面となっている。パターンは、2つの正方形部分及びこれらを接続する直線部分からなり、設計値として線幅5μm、200ppiとした。
本発明の第4の実施の形態の導電性回路パターンの形成方法について、図1、図2、図5(2)及び図6(2)を参照して以下説明する。本実施の形態では、第1実施の形態と異なり、図1の塗布部材として、ロール31を用いて塗布したことが特徴である。図5(2)は本実施の形態のロール塗布を説明する模式図である。絶縁膜の一部に紫外線照射されたパターン領域を有する基板面17に、ロール31をほぼ接触させ、その接触部に金属ナノ粒子インク12を供給し(図5(2))、インクが、ロール31と基板面17とが対向する間隙部(もしくは接触部)に毛管現象により濡れ拡がった状態で、回転するロール31により基板表面上にインクを塗布する。ロールへのインクの供給は従来公知の方法を用いることができる。
以下、実施例を示して説明する。
実施例1と同様に、基板(ガラス板)の上に、非晶質性パーフルオロ樹脂(CYTOP(登録商標))をスピンコート法により塗布した後、加熱して製膜した。製膜された非晶質パーフルオロ樹脂膜は、絶縁性を有し、透明性を有し、膜厚は1ミクロンであった。絶縁膜の形成されている基板上に、所望のパターンを有するフォトマスクを基板に密着し、VUV光(波長172nm)をパワー11mW/cm-2で20〜80秒照射した。紫外線照射された絶縁膜のパターン領域は、反応性表面となっている。パターンは、2つの正方形部分及びこれらを接続する直線部分からなり、設計値として線幅5μm、200ppiとした。
2 金属ナノ粒子インク
3 絶縁膜
4 紫外線照射による反応性表面
5 基板
6 導電性パターン
12 金属ナノ粒子インク
15 基板
17 塗布面
21 キャピラリーコータ
31 ロール
Claims (7)
- 基体上に形成された絶縁膜に対して、紫外線をパターン領域に照射した後、粒子表面がアルキルアミン、アルキルジアミン、若しくはその他の構造のアミンを含む有機分子層で保護された金属ナノ粒子を溶媒中に分散したインクを、前記基体上に塗布することにより、前記パターン領域に前記インクを付着・凝集させることを特徴とする導電性パターンの形成方法。
- 前記塗布は、前記基体との間隙又は接触部に前記インクが保持される塗布部材によることを特徴とする請求項1記載の導電性パターンの形成方法。
- 前記塗布はブレードによる塗布であることを特徴とする請求項1記載の導電性パターンの形成方法。
- 前記インクは塗布部材のスリット状の排出口機構から前記基体に供給されることを特徴とする請求項1記載の導電性パターンの形成方法。
- 前記塗布はロールによる塗布であることを特徴とする請求項1記載の導電性パターンの形成方法。
- 前記絶縁膜は、フッ素系樹脂であることを特徴とする請求項1記載の導電性パターンの形成方法。
- 前記紫外線を照射した後のパターン領域は、前記絶縁膜の光化学反応によるラジカルが生成した反応性表面であることを特徴とする請求項1記載の導電性パターンの形成方法。
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