JP2014195513A - 厨房用塗装鋼板および厨房用部材 - Google Patents
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[1]鋼板と、前記鋼板の表面に形成された塗膜と、を有し、前記塗膜は、樹脂と、酸化防止剤および光安定剤の一方または両方とを含有し、前記塗膜中における前記酸化防止剤および前記光安定剤の総含有量は、樹脂100質量部に対して0.5〜30質量部である、厨房用塗装鋼板。
[2]前記樹脂は、フッ素樹脂である、[1]に記載の厨房用塗装鋼板。
[3]前記酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤である、[1]または[2]に記載の厨房用塗装鋼板。
[4]前記光安定剤は、ヒンダードアミン系光安定剤である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の厨房用塗装鋼板。
[5]上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の厨房用塗装鋼板で構成された厨房用部材。
本発明者らは、システムキッチンのガスコンロを実際に使用し、システムキッチンを構成するクリヤー塗装ステンレス鋼板の耐久性を調べた。図1Aは、キッチンのガスコンロ周りの構造の要部を拡大して示す図である。図1Aに示されるように、流し台の天板11の上に、シリコーン製のゴムパッキン12を介して、ガスコンロ用の天板13が載せられている。天板11は、前述したクリヤー塗装ステンレス鋼板であり、例えば鋼板11a、化成処理皮膜11bおよびクリヤー塗膜11cによって構成されている。なお、後述する塗装原板は、鋼板11aおよび化成処理皮膜11bによって構成されている。
以下、本発明にかかる厨房用塗装鋼板の各構成要素について説明する。
上記鋼板の種類は、特に限定されない。上記鋼板の例には、亜鉛めっき鋼板(電気Znめっき、溶融Znめっき)、合金化亜鉛めっき鋼板(溶融Znめっき後に合金化処理した合金化溶融Znめっき)、亜鉛合金めっき鋼板(溶融Zn−Mgめっき、溶融Zn−Al−Mgめっき、溶融Zn−Alめっき)、溶融Alめっき鋼板、溶融Al−Siめっき鋼板およびステンレス鋼板が含まれる。ステンレス鋼板におけるステンレス鋼の例には、オーステナイト系のSUS304およびフェライト系のSUS430が含まれる。上記鋼板は、美観の向上や防汚性の向上などの観点から、BA仕上げやエンボス加工などのさらなる加工が施されていてもよい。鋼板の厚みは、厨房用塗装鋼板の用途に応じて適宜設定されうる。たとえば、厨房用塗装鋼板の用途が流し台の天板である場合では、鋼板の厚みは、概ね0.3〜1.6mmであることが好ましい。
上記塗膜は、樹脂と酸化防止剤および光安定剤の一方または両方とを含有する。樹脂は、塗膜中において、塗膜の主成分となる量(例えば塗膜中における樹脂の含有量が50質量%以上)で含有されていればよいが、少なすぎると、外観が良好で安定した塗膜が得られないことがあり、多すぎると、酸化防止剤または光安定剤を添加することによる効果が十分に得られないことがある。
サラダ油およびその加熱劣化油を用意し、油脂劣化度判定試験紙AV−CHECKに付け、当該試験紙の色調からサラダ油の酸価および上記加熱劣化油の酸価をそれぞれ測定した。その結果、サラダ油の酸価は0であり、加熱劣化油の酸価は2であった。
本発明に係る厨房用部材は、前述した本発明に係る厨房用塗装鋼板によって構成される。厨房用部材とは、厨房の一部品であり、その例には、流し台の天板、シンク、コンロの天板、引き出しの前板、中板、底板、開き戸、キッチンパネル、レンジフードおよびレンジフードの整流板が含まれる。上記厨房用部材は、前述した厨房用塗装鋼板が材料として用いられる以外は、塗装鋼板から厨房用部材を製造する通常の方法によって作製されうる。上記厨房用部材は、前述した厨房用塗装鋼板によってその表面が構成されることが好ましい。なお、「厨房」とは、食用油を用いた加熱調理が可能な設備を言い、その例には、一般家庭の台所、レストランを含む食料を販売する店舗の調理場、および、学校や公民館などの教育、文化施設の調理台、が含まれる。
(塗装鋼板の作製)
厚さ0.8mmのステンレス鋼板(SUS304BA)を圧延加工し、スムースドットエンボスステンレス鋼板とした。このエンボスのパターンは、直径0.9mmの大凸部と、直径0.5mmの小凸部とから構成されている。凸部同士のピッチ(中心間距離)は1.5mmである。大凸部の突出高さは34μmであり、小凸部の突出高さは21μmである。
酸化防止剤1の配合量をそれぞれ3質量部および25質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、塗料2および3をそれぞれ作製し、塗装鋼板2および3を得た。
酸化防止剤1を以下に示す酸化防止剤2〜4および光安定剤1〜4にそれぞれ変更し、その配合量を3質量部に変更した以外は実施例1と同様にして塗料4〜10を作製し、塗装鋼板4〜10を得た。
(酸化防止剤)
酸化防止剤2:フェノール系酸化防止剤(アデカスタブAO−60(株式会社ADEKA製))
酸化防止剤3:ホスファイト系酸化防止剤(アデカスタブ2112(株式会社ADEKA製))
酸化防止剤4:チオエーテル系酸化防止剤(アデカスタブAO−503(株式会社ADEKA製))
(光安定剤)
光安定剤1:ヒンダードアミン系光安定剤(アデカスタブLA−52(株式会社ADEKA製))
光安定剤2:ヒンダードアミン系光安定剤(アデカスタブLA−72(株式会社ADEKA製))
光安定剤3:ヒンダードアミン系光安定剤(アデカスタブLA−77Y(株式会社ADEKA製))
光安定剤4:ヒンダードアミン系光安定剤(アデカスタブLA−81(株式会社ADEKA製))
酸化防止剤1と光安定剤1をそれぞれ1.5質量部配合した以外は実施例1と同様にして塗料11を作製し、塗装鋼板11を得た。
酸化防止剤1を配合せず、上記アクリル系原塗料を塗装原板の化成処理皮膜に塗布した以外は実施例1と同様にして、塗装鋼板12を得た。
酸化防止剤1の配合量をそれぞれ0.3質量部および32質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、塗料13および14をそれぞれ作製し、塗装鋼板13および14を得た。
上記アクリル系原塗料に代えて三フッ化系フッ素樹脂を主成分とする組成物(ルミフロン(旭硝子株式会社の登録商標))に、酸化防止剤1を、当該塗料中の樹脂固形分100質量部に対して0.7質量部配合し、塗料15を作製した。そして、塗料1を塗料15に変更した以外は実施例1と同様にして塗装鋼板15を得た。
酸化防止剤1の配合量をそれぞれ3質量部および25質量部に変更した以外は実施例12と同様にして、塗料16および17をそれぞれ作製し、塗装鋼板16および17を得た。
酸化防止剤1を酸化防止剤2〜4および光安定剤1〜4にそれぞれ変更し、その配合量を3質量部に変更した以外は実施例12と同様にして塗料18〜24を作製し、塗装鋼板18〜24を得た。
酸化防止剤2と光安定剤2をそれぞれ1.5質量部配合した以外は実施例12と同様にして塗料25を作製し、塗装鋼板25を得た。
酸化防止剤1を配合せず、上記三フッ化フッ素樹脂を主成分とする組成物を塗装原板の化成処理皮膜に塗布した以外は実施例12と同様にして、塗装鋼板26を得た。
市販の食用サラダ油を用意した。さらにこのサラダ油を加熱により劣化させ、その酸価を2に調整した加熱劣化油を用意した。この加熱劣化油で塗装鋼板1〜26のクリヤー塗膜を被覆し、60℃の環境に静置し、塗膜が剥離する日数を測定し、以下の基準で判定した。結果を表2に示す。なお、以下の判定「A」は、住宅向けシステムキッチンの10年間の実使用に相当する。
A:28日でも剥離しない。
B:24日では剥離しなかったが28日までに剥離した。
C:20日では剥離しなかったが24日までに剥離した。
D:16日では剥離しなかったが20日までに剥離した。
E:12日では剥離しなかったが16日までに剥離した。
F:8日では剥離しなかったが12日までに剥離した。
G:4日では剥離しなかったが8日までに剥離した。
H:4日以内に剥離した。
ルミフロン(旭硝子株式会社の登録商標)に代えて、二フッ化系フッ素樹脂を主成分とする組成物(カイナー(アルケマ社の登録商標)、アクリル樹脂成分の含有量が30質量%)を用い、酸化防止剤1の配合量を3質量部に変更した以外は実施例12と同様にして、塗料27を作製した。そして、塗料1を塗料27に変更した以外は実施例1と同様にして塗装鋼板27を得た。
11a 鋼板
11b 化成処理皮膜
11c クリヤー塗膜
12 ゴムパッキン
14 異物
15 剥離部分
Claims (5)
- 鋼板と、前記鋼板の表面に形成された塗膜と、を有し、
前記塗膜は、樹脂と、酸化防止剤および光安定剤の一方または両方とを含有し、
前記塗膜中における前記酸化防止剤および前記光安定剤の総含有量は、樹脂100質量部に対して0.5〜30質量部である、
厨房用塗装鋼板。 - 前記樹脂は、フッ素樹脂である、請求項1に記載の厨房用塗装鋼板。
- 前記酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤である、請求項1または2に記載の厨房用塗装鋼板。
- 前記光安定剤は、ヒンダードアミン系光安定剤である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の厨房用塗装鋼板。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の厨房用塗装鋼板で構成された厨房用部材。
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JP2013071880A JP2014195513A (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | 厨房用塗装鋼板および厨房用部材 |
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JP2007261110A (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-11 | Nisshin Steel Co Ltd | 透明フッ素樹脂塗装ステンレス鋼板 |
JP2009255391A (ja) * | 2008-04-16 | 2009-11-05 | Mitsubishi Plastics Inc | 金属板被覆用積層シ−ト、および該積層シートで被覆した金属板 |
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