JP2014195506A - 歩行補助装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】歩行をアシストする歩行補助装置において床反力ベクトルの検出精度向上を図る。【解決手段】本発明に係る歩行補助装置は、歩行補助装置の状態を検出し、検出した状態に基づいて重心位置を推定する重心位置推定処理と、床反力検出部で検出した床反力に基づき、足裏に設定された床反力ベクトルの発生位置と重心位置推定処理で推定した重心位置を結ぶ線分を方向として有する床反力ベクトルを検出する床反力ベクトル検出処理と、床反力ベクトル検出処理で算出された床反力ベクトルに基づいて、脚パーツの関節に加えるアシスト力を算出し、脚パーツの関節に設けられたアクチュエータにアシスト力を加えるアシスト処理と、を実行することを特徴とする。【選択図】図6

Description

本発明は、ユーザが歩行などを行う際、アシスト力を付与することでユーザの負荷軽減を図る歩行補助装置に関するものである。
近年、ユーザの体に装着して、ユーザの脚部の可動部に対してアシスト力を付与する歩行補助装置が開発されている。このような歩行補助装置では、高齢者や身障者の歩行を補助する装置として利用されることが期待されている。また高齢者などに限らず、宅配業者など重い荷物を運ぶユーザに対する補助装置としても利用することで、作業における身体的負担を軽減することが期待されている。
このような歩行補助装置として特許文献1には、生態信号検出手段が検出した筋電位信号に基づいて、モータなどのアクチュエーターを駆動することで、装着者の意志によってアシスト力を付与する動作補助装置が開示されている。
また、特許文献2には、膝関節に加えるトルクの反転タイミングをユーザの歩行に歩行動作に適応させることで、歩行アシストに対する違和感を抑える歩行補助装置が開示されている。
特許文献1、特許文献2に開示される歩行補助装置は、ユーザの脚部外側に装着された部材に対してアシスト力を加えることで歩行を補助するものである。一方、特許文献3には、ユーザが跨ぐ形態で利用する歩行補助装置が開示されている。この歩行補助装置は、ユーザが跨いで着座する着座部材を押し上げることで、装着を容易にする装着アシスト制御が行われている。
特開2011−25053号公報 特開2010−148638号公報 特許第4872821号公報
このようにユーザの脚部に装着して歩行を補助する歩行補助装置では、適切なアシスト力を加えることが求められる。そのため、歩行補助装置に設けられた各種センサでは、歩行補助装置の状態を正確に検出することが必要となる。特に、足裏面にかかる床反力を正確に算出することは、ユーザ並びに歩行補助装置の関節にかかる関節モーメントの推定精度の向上を図る上で重要な一要素である。
本発明は、このような歩行補助装置の床反力を正確に算出することを目的とするものである。また、床反力の算出精度向上を図ることで、床反力に基づく関節モーメントの推定精度、並びに、推定された関節モーメントに基づいて算出されるアシスト力を適切な値とすることを目的としている。
そのため本発明に係る歩行補助装置は、
ユーザの脚部に装着されアシスト力を加えることでユーザの歩行を補助する歩行補助装
置において、
可動可能な関節で互いに接続された複数のリンクを有する左右の脚パーツと、
左右の前記脚パーツを接続する接続リンクと、
左右の足裏に作用する床反力を検出する床反力検出部と、
前記歩行補助装置の状態を検出し、検出した状態に基づいて重心位置を推定する重心位置推定処理と、
前記床反力検出部で検出した床反力に基づき、足裏に設定された床反力ベクトルの発生位置と前記重心位置推定処理で推定した重心位置を結ぶ線分を方向として有する床反力ベクトルを検出する床反力ベクトル検出処理と、
前記床反力ベクトル検出処理で算出された床反力ベクトルに基づいて、前記脚パーツの関節に加えるアシスト力を算出し、前記脚パーツの関節に設けられたアクチュエータにアシスト力を加えるアシスト処理と、を実行する制御部と、を備えたことを特徴とする。
さらに本発明に係る歩行補助装置において、
前記重心位置推定処理は、前記接続リンクの位置と角度の検出に基づいて重心位置を推定することを特徴とする。
さらに本発明に係る歩行補助装置において、
前記接続リンクの位置と角度は、前記脚パーツの関節角度に基づいて検出されることを特徴とする。
さらに本発明に係る歩行補助装置において、
前記床反力ベクトル検出処理で使用する床反力ベクトルの発生位置は、前記床反力検出部にて検出されることを特徴とする。
さらに本発明に係る歩行補助装置において、
前記接続リンクは、ユーザによる装着時、ユーザの股下に位置するサドルリンクであり、
左右の前記脚パーツは、ユーザによる装着時、ユーザの脚部内側に位置することを特徴とする。
本発明に係る歩行補助装置によれば、簡易な床反力検出部を使用し、床反力ベクトルの大きさ、並びに、その方向の検出精度の向上を図ることが可能となる。検出された床反力ベクトルは、各関節モーメントの算出、並びに、アシスト力の算出に使用されるため、これら床反力ベクトルに基づいて算出される各種項目の精度向上にも貢献し、歩行補助装置を更に適切に制御することが可能となる。
本発明の実施形態に係る歩行補助装置の側面図、正面図 本発明の実施形態に係る歩行補助装置の制御構成を示すブロック図 本発明の実施形態に係る歩行補助装置を装着する様子を示した図 本発明の実施形態に係る歩行補助装置を装着時の様子を示した図 関節モーメントの演算方法を説明するための図 本発明の実施形態に係る床反力ベクトルの算出方法を説明するための図 本発明の実施形態に係る床反力ベクトル算出処理を示すフロー図 本発明の実施形態に係る床反力検出部の構成を示す模式図 本発明の実施形態に係る脚パーツの関節角度に基づく重心位置の推定を説明するための図
図1は、本発明の実施形態に係る歩行補助装置1の構成を示す図である。図1(A)は歩行補助装置1の左側面図であり、図1(B)は歩行補助装置1の正面図であり、両図ともユーザが装着していない状態が示されている。
この実施形態の歩行補助装置1は、左右の脚パーツ19R、19L、左右脚パーツ19R、19Lを接続するサドルリンク11(本発明の「接続リンク」に相当)、制御部30を備えて構成される。サドルリンク11には、左右の脚パーツ19R、Lを摺動可能に接続する摺動レール111R、111L、ユーザが着座するためのサドルシート112が設けられている。ユーザは、この歩行補助装置1を跨ぐようにサドルシート112に着座して歩行補助装置1を装着する。以下、脚パーツ19R、Lなど各種構成について説明を行うが、左右の構成は略同じであるため、添え字のR、Lを省略して説明を行う。
なお、本発明に係る歩行補助装置1の形態は、このようにユーザが跨いだ状態で装着する形態の他、ユーザの両脚部外側に脚パーツ19が位置する形態とすることとしてもよい。その場合、両脚パーツ19は、ユーザの腰部に固定される腰リンク(本発明の「接続リンク」に相当)を介して接続されることとなる。
脚パーツ19は、図の上から順に、摺動部12、上腿リンク13、膝関節14、下腿リンク15、足関節16、足リンク17を備えて構成されている。なお、本明細書中、「足」は足首よりも先の部分を意味する用語として、また「脚」は上腿部、下腿部、足部などを含む用語として使い分けている。
サドルリンク11は、歩行補助装置1の装着時、ユーザの股下に位置する。アシスト時には、アクチュエータを利用し、少なくとも膝関節14を回動させることで、このサドルリンク11に対して、ユーザを持ち上げる方向にアシスト力を加え、ユーザの体重を軽減し、ユーザの歩行時あるいは立っている時の負担を軽減する。
摺動部12は、サドルリンク11と上腿リンク13を摺動可能に接続する。本実施形態の摺動部12は、サドルリンク11側に設けられている摺動レール111上を摺動することで、上腿リンク13をユーザの動きに追従させることが可能となっている。この摺動レール111は、下方に円弧を描くように形成されている。このような形状により、摺動中心位置をユーザの腰部付近、すなわち、歩行補助装置1を装着したユーザの上腿の回動中心に略一致させることとしている。これは、歩行補助装置1がユーザの股下で装着されるため、上腿リンク13の回動中心をユーザの腰部付近に位置させることが出来ないことを1つの理由としている。
また、本実施形態では、摺動部12を摺動レール111上で移動させるためのアクチュエータ(第2アクチュエータ)が設けられている。ユーザの歩行などをアシストするアシスト処理時、摺動部12は、摺動レール111上を自由に摺動可能となるが、この第2アクチュエータを使用して、上腿リンク13に対してアシスト力を付与することでユーザの歩行補助を行う。なお、摺動部12は、歩行を行う時の摺動(図1(A)の紙面上での回動)に加え、左右の回動(図2の紙面上での回動)を加えることとしてもよい。ユーザが股を開く動作に対応することが可能となる。
膝関節14は、上腿リンク13と下腿リンク15を回動可能に接続する。膝関節14は、歩行を行う時の前後方向に回動可能としている。本実施形態では、膝関節14にアクチュエータ(第1アクチュエータ)が設けられ、歩行時に第1アクチュエータにアシスト力を加えることで歩行補助が行われる。また、ユーザの装着時、第1アクチュエータを回動させることで、サドルシート112を昇降させることでユーザの負担を軽減させることも
可能である。足関節16は、下腿リンク15と足リンク17を回動可能に接続する。この足関節16も、歩行を行う時の前後方向に回動可能としている。足リンク17は、ユーザの足部を固定可能な部材であって、例えば、靴のような構造を有し、ユーザが履くことでユーザの足部と固定される。
図2には、本発明の実施形態に係る歩行補助装置の制御構成が示されている。本実施形態の歩行補助装置1は、ユーザが跨ぐとともに、ユーザの足部と足リンク17を固定することで装着される形態となっている。このような装着形態において、左右の膝関節14に設けられた第1アクチュエータ51に対し、上腿リンク13と下腿リンク15を伸張する方向にアシスト力を加えることで、ユーザの歩行時、あるいは、及びユーザが直立しているときの体重の一部を補助する。
また、本実施形態では、摺動部12に第2アクチュエータ52が設けられており、アシスト処理時には、この第2アクチュエータ52を使用してアシスト力を加えるユーザの負担軽減を行っている。また、本実施形態では、足関節16にはアクチュエータを設けることなく自由に回動可能としているが、足関節16に第3アクチュエータを設けることも可能である。足関節16に第3アクチュエータを設けることでアシスト処理時、足関節16に対してアシスト力を加えることが可能となる。
主な制御構成としては、歩行補助装置全体を統括制御する制御ECU101、左右の膝関節14に設けられた第1アクチュエータ51、第1角度検出センサ61、左右の摺動部12に設けられた第2アクチュエータ52、摺動位置検出センサ62、左右の足関節16に設けられた第3角度検出センサ63、歩行の際の外界の情報などを取得するための各種センサ、動作状態など指示可能とする入力手段を備えて構成されている。
脚パーツ19には、ユーザの脚部の状態を検出するための各種センサが設けられている。本実施形態では、膝関節14に設けられ、上腿リンク13と下腿リンク15が形成する角度を検出する第1角度検出センサ61と、摺動部12に設けられ、サドルリンク11に対する摺動部12の位置(股関節の角度に対応)を検出可能な摺動位置検出センサ62、そして、足関節16に設けられ、下腿リンク15と足リンク17が形成する角度を検出する第3角度検出センサ63が設けられている。
さらに、足リンク17には、装着時、ユーザの足裏に位置する床反力検出部64が設けられている。床反力検出部64は、ユーザの足裏と床面の間に位置する荷重センサなどが使用される。この床反力検出部64の出力に基づいて、床面から受ける床反力が検出される。また、この床反力検出部64の出力に基づいて、ユーザの足裏が地面についた立脚状態であるか地面から浮いた遊脚状態であるか、さらには、足リンク17の装着状態を検知することも可能である。床反力検出部64は、荷重分布を判別可能なように複数の荷重センサで構成することとしてもよい。例えば、2つの荷重センサを使用する場合、各荷重センサの荷重割合に基づいて、足裏における床反力ベクトルの発生位置(COP:Center Of Pressure)を算出することも可能となる。
これら各種センサ61〜64によって検出された情報は、制御ECU101に送信される。制御ECU101は、受信した検出情報に基づいて体躯の動きを予測し、少なくとも第1アクチュエータ51に対してアシスト力を加える。アシスト力の制御には、このような各種センサ61〜64以外に、ユーザの筋電位を計測するセンサを使用することとしてもよい。
また、サドルリンク11上に設置された制御部30には、歩行補助装置1自体、あるいは、周囲を検出する各種センサが設けられている。各種センサとしては、ユーザの前方、
後方の様子をそれぞれ撮影する前方カメラ65、後方カメラ66、衛星からのGPS信号を受信し、歩行位置を検出するとともに、地図情報を参照することでユーザを目的地に導くナビモジュール67、インターネットなどの通信網に接続し、各種情報を取得する無線通信モジュール68等である。この他、ユーザから障害物までの距離を計測する測距センサを設けることとしてもよい。このような測距センサは、2つのカメラを使用して外界を立体的に撮像することで実現することも可能であり、前方カメラ65、後方カメラ66と兼用することも可能である。
また、本実施形態では、サドルリンク11が重力に対して向く方向を検出する加速度センサ69とジャイロセンサ70が設けられている。本実施形態の歩行補助装置1は、この2つのセンサを利用して重力方向を判定し、歩行補助装置1に対して適切なアシスト力を付与することとしている。
また、本実施形態の制御部30には、歩行補助装置に対して各種指示や設定を行うための入力部81が設けられている。
以上、本実施形態では、歩行補助装置に対して、このような各種センサーを設けたことで、安全な歩行補助を行うことのみならず、目的地までのルート案内や、各種情報をユーザに提供することが可能となる。なお、各種情報の確認は、制御ECU101に接続されるスピーカ、ディスプレイなどの告知手段を用いて音声、画像出力することとしてもよい。
では、本実施形態の歩行補助装置の装着について図を用いて説明する。図3は、歩行補助装置の装着の一形態を示した図である。歩行補助装置1は、装着前、図に示されるように折り畳まれた状態となっている。本実施形態では、ユーザはサドルシート112の前方を掴み、入力部81に対して装着指示を出すことで、第1アクチュエータ51に駆動力を付加し、脚パーツ19を伸張させ、サドルシート112を適切な位置に調整することとしている。
図4には、本発明の実施形態に係る歩行補助装置1を装着した際の様子について、左側面図(図4(A))、正面図(図4(B))が示されている。ユーザが歩行する、あるいは、立ち上がっているときに、図4(A)に示されるように膝関節14の第1アクチュエータ51にて、脚パーツ19を伸張する方向にアシスト力を加えることで、サドルシート112にてユーザを持ち上げ、ユーザの脚部にかかる負担を軽減することが可能となっている。また、歩行の際は、この第1アクチュエータ51と、股関節部分の動きを補助する第2アクチュエータ52にアシスト力を加えることで歩行補助が行われる。
では、図5を用いて、本実施形態の歩行補助装置1のアシスト力を算出するための基礎となる関節モーメントの演算方法について説明しておく。各関節にかかる関節モーメントは(A)床反力項と(B)重力項の2つの項の差分、すなわち、(1)式にて求められる。
関節モーメント=床反力項 − 重力項 ・・・(1)
図5(A)は、床何力項を説明するための図である。ユーザの足が床面に接地している場合、足の裏面には床面から受ける床反力Fが作用する。脚部の各関節(股関節、膝関節、足関節)には、この床反力Fによるモーメントが作用することとなり、例えば、同じ関節状態を維持するためには、この床反力Fによるモーメントと拮抗するモーメントを付与する必要がある。図5では、膝関節14に作用する関節モーメントを例にとって説明する。股関節、足関節も同様の手法によって算出することが可能である。
図5(A)に示されるように床反力Fは、足リンク17の裏面に設定された床反力ベクトルの発生位置(以下、「COP」という)からユーザ全体(ユーザと歩行補助装置1を含む)の重心方向に向かう方向を有する。この床反力Fは、足リンク16に設けられた床反力検出部64によってその大きさが測定される。このような床反力ベクトルが特定できた場合、膝関節14に作用する床反力項は、床反力Fの大きさと、膝関節14の回動中心から、床反力Fの方向を示す線分に下ろした距離L1(第1モーメントアーム)の積、すなわち(2)式にて表される。
床反力項=床反力F*第1モーメントアームL1 ・・・(2)
この床反力項は、立脚時、すなわち、足リンク17が接地している状態では、関節を伸展させるのに必要なモーメントとなる。また、遊脚時、すなわち、足リンク17が床面から離れている場合には、床反力Fが0であるため、床反力項も0となる。
一方、重力項は、ユーザ、歩行補助装置1の重量にて作用するモーメントである。図5(B)に示されるように、膝関節14に作用する重力項は、膝関節14より下に位置する部分に関係した項である。重力項は、膝関節14より下に位置する部分について、その重心位置Hにおける重力Gに基づいて発生する。膝関節14に作用する重力項は、この膝関節14より下に位置する部分についての重力Gの大きさと、膝関節14の回動中心から、重力方向を示す線分に下ろした距離L2の距離L2(第2モーメントアーム)の積、すなわち(3)式にて表される。
重力項=重力G*第2モーメントアームL2 ・・・(3)
以上、(2)式で求めた床反力項と、(3)式で求めた重力項を(1)式に代入することで膝関節14に作用する関節モーメントが求められる。歩行補助装置1では、各種センサにて求めた関節モーメントを求め、関節モーメントにて適切なアシスト力が決定される。
このように関節モーメントを算出するには、床反力項、重力項の算出が必要となるが、特に、図5(A)で説明したように床反力項の算出においては、床反力Fは、方向を有するベクトル(以下、床反力ベクトルFという)であるため、その方向を正確に把握することが重要となる。床反力ベクトルFの方向は、足リンク17に配置される床反力検出部64に、多軸方向の床反力検出機能を備えたものを使用することで検出することも可能である。しかしながら、このような床反力検出部64は、単軸方向の形態と比較して大型であるとともに重量も重く、歩行補助装置1の軽量化に反したものとなってしまう。さらには、足リンク17とユーザの足の間には、通常の靴と同様、ある程度の遊び(位置ずれ)が生じる。このような遊びは、歩行時には顕著となり、足リンク17に配置された床反力検出部64で測定した床反力の方向は、実際に測定したいユーザ自身の床反力の方向とずれが生じてしまう。
本発明は、このような事情を鑑みたものであって、床反力ベクトルFの方向を正確に検出し、関節モーメントを算出するために必要な床反力項を正確に算出することを目的とするものである。さらには、床反力検出部64に簡易(軽量、小型)な構成のセンサを使用することで、歩行補助装置1全体の軽量、小型化を図ることを目的とするものである。
そのため、本実施形態に係る歩行補助装置1は、歩行補助装置1の各種状態に基づいてユーザ全体の重心位置Iを推定し、床反力ベクトルFの発生位置(COP)から、この重心位置Iに向かう方向を床反力ベクトルFの方向として採用するものである。
図6は、本発明の実施形態に係る床反力ベクトルの算出方法を説明するための図である。床反力ベクトルFの発生位置(COP)は、足リンク17の着地面の適宜位置となる。
この発生位置(COP)は、足リンク17裏の予め定めた位置としてもよいし、後で説明するように床反力検出部64によって測定された位置としてもよい。一方、床反力ベクトルFが向く方向となる重心位置Iは、例えば、以下のように推定することが可能である。
図7は、本発明の実施形態に係る脚パーツの関節角度に基づく重心位置の推定を説明するための図である。本実形態では、サドルリンク11の位置、角度に基づいてユーザ全体の重心位置Iを推定している。サドルリンク11の位置は、脚パーツ19の各関節角度によって割り出すことができる。足関節16の角度は床面となす角度θ3として第3角度検出センサ63で計測可能である。また、上腿リンク13と下腿リンク15がなす角度は、膝関節14に設けられた第1角度検出センサ61にて角度θ2として計測可能である。そして、サドルリンク11と上腿リンク13がなす角度θ1は、摺動部12に設けられた第2角度検出センサ62にて検出可能である。以上のことから、角度θ1〜θ3を計測することで、床面に対するサドルリンク11がなす姿勢角度θを算出することが可能である。また、足リンク17に対するサドルリンク11の位置も、このような関係で容易に特定することが可能である。
なお、この形態では、サドルリンク11が床面となす姿勢角度θは、図示されるように足リンク17の裏面全面が床面に接地した状態(アンクルロッカー状態)での計測であり、踵側が接地している状態(ヒールロッカー状態)、あるいは、つま先側が接地している状態では、正確な姿勢角度θとならないことが考えられる。その場合、ヒールロッカー状態で計測した姿勢角度θのみを採用することや、ヒールロッカー状態で計測した姿勢角度θに基づいて補間を行うことが考えられる。
サドルリンク11は、ユーザの股下位置付近に位置するため、ユーザの腰付近に位置する重心位置Iとその相対的位置関係が略一定である。したがって、サドルリンク11の位置、姿勢角度θが判定できれば、足リンク17の位置に対する重心位置Iも特定可能となる。
本実施形態では、脚パーツ19の関節角度を使用して、サドルリンク11の位置、姿勢角度θを特定しているが、重心位置Iの特定方法は、このような形態に限らず、歩行補助装置1の各種状態を使用した形態とすることが考えられる。例えば、サドルリンク11上に位置する加速度センサ69、ジャイロセンサ70を使用してサドルリンク11の位置、姿勢角度θを特定してもよい。あるいは、歩行補助装置1が備えるカメラ(前方カメラ65、後方カメラ66の一方あるいは両方)を使用して、撮影された外部の様子に基づいてユーザの姿勢を推定し、推定したユーザの姿勢に対応する重心位置Iを特定することとしてもよい。あるいは、以上説明した各種形態を組み合わせて、重心位置Iの特定精度を向上させることとしてもよい。
図6の床反力ベクトルFの算出方法に戻り、起点となる床反力ベクトルFの発生位置(COP)と終点となる重心位置Iが特定されることで、床反力ベクトルFの方向が決定される。一方、床反力ベクトルFの大きさは、足リンク17に設けられた床反力検出部64にて計測される。前述したように単軸の床反力検出部64を用いた場合、床反力ベクトルFの大きさは、床面に垂直な方向の大きさ(図中のFy)として計測される。床反力ベクトルFの方向は、起点をCOPとし終点を重心位置Iとすることが特定されているため、床反力ベクトルFの鉛直方向への投射成分がFyとなるように、床反力ベクトルFの大きさを決定することが可能である。
このように求められた床反力ベクトルFは、図5(A)で説明したように膝関節14など各関節における関節モーメントの算出に使用される。図8には、本発明の実施形態に係る床反力ベクトル算出処理を示すフロー図が示されている。この床反力ベクトル算出処理
は、歩行補助装置1が起動している間、繰り返し実行される処理である。
床反力ベクトル算出処理では、まず、重心位置Iを特定するため、歩行補助装置1の状態を取得する。本実施形態では、図7で説明したように、脚パーツ19の関節角度を使用するため、各角度検出センサ62〜64から関節角度を取得する(S101)。さらに、制御ECU101にて予め記憶している歩行補助装置1の各種情報を取得する(S102)。各種情報としては、各リンク13、15の長さ、歩行補助装置1の各パーツの重量、並びに、その重心位置などである。これら情報は、歩行補助装置1自体の重心位置を特定するために使用される。ユーザ自身の重心は、使用するユーザの体格によって変動することが考えられる。本実施形態では、入力部81による入力、あるいは、床反力検出部64で検出した静的状態での床反力(体重)など、ユーザの体格に関連する情報を予め、制御ECU101に登録しておき、使用するユーザに応じてこの体格に関連する情報を読み出し(S103)、全体の重心位置Iの特定に使用している。
ユーザ全体の重心位置Iは、歩行補助装置1自体の重心とユーザ自身の重心によって形成される位置である。S104では、図7で説明したように、S101で取得した各関節角度、S102で取得した歩行補助装置1に関する情報、S103で取得したユーザの体格に関する情報に基づいて、全体の重心位置Iが特定される。
S105では、床反力ベクトルFの起点となるCOPを取得する(S105)。このCOPは、前述したように足リンク17裏の予め定めた位置としてもよいが、床反力検出部64によって測定された位置としてもよい。
図9には、本発明の実施形態に係る床反力検出部64の構成を示す模式図が示されている。床反力検出部64は、足リンク17に設けられ、ユーザの足裏にかかる床反力の大きさを検出し、図5(A)で説明したように、その出力値は、関節モーメントの算出に必要となる床反力項の算出に使用される。本実施形態の床反力検出部64は、床反力前センサ641と床反力後センサ642の2つの荷重センサにて構成されている。
図9は模式的に示したものであるが、これら2つの床反力前センサ641と床反力後センサ642には、少なくともユーザによる荷重(ユーザのみの荷重、もしくは、ユーザと歩行補助装置1両方による荷重)が全てかかるように配置されている。ユーザのみの荷重を検出する場合、歩行補助装置1による荷重は、ユーザの荷重から推定して求め、両者の和を取ることで全体の荷重を求めることが可能である。床反力前センサ641と床反力後センサ642の合計値が床面垂直方向の床反力Fyとして計測される。
また、このように床反力前センサ641と床反力後センサ642、両者の荷重分配に基づいて、床反力ベクトルの発生位置(COP)を算出することが可能である。例えば、床反力前センサ641と床反力後センサ642の荷重比が1:1出会った場合、COPは、両者の中間位置として特定することが可能である。床反力検出部64に使用するセンサは、このように2つのみに限らず、さらにその数を増設することとしてもよい。
S106では、S105で取得したCOPを基準位置(原点)とする全体の重心位置Iの座標を算出する。S107では、床反力検出部64で取得した荷重の大きさ、すなわち、床反力の垂直成分Fyを取得する。S108では、図6で説明したように、床反力の垂直成分Fyと、COPと重心位置Iを結ぶ線分の方向に基づき、床反力ベクトルFを決定し、一連の処理が終了する。このような処理を繰り返し実行することで、各時点についての床反力ベクトルFが求められ、それに基づいて関節モーメントが導き出され、歩行補助装置1の制御に使用される。
以上、本実施形態の歩行補助装置では、単軸方向の荷重を検出する簡易な床反力検出部を使用し、床反力ベクトルFの大きさ、並びに、その方向を精度よく検出可能としている。検出された床反力ベクトルFは、各関節モーメントの算出、並びに、アシスト力の算出に使用されるため、これら床反力ベクトルFに基づいて算出される各種項目の精度向上にも貢献することとなる。
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
1…歩行補助装置
11…サドルリンク
111R、L…摺動レール
112…サドルシート
12R、L…摺動部
13R、L…上腿リンク
14R、L…膝関節
15R、L…下腿リンク
16R、L…足関節
17R、L…足リンク
19R、L…脚パーツ
51R、L…第1アクチュエータ
52R、L…第2アクチュエータ
61R、L…第1角度検出センサ
62R、L…摺動位置検出センサ
63R、L…第3角度検出センサ
64R、L…床反力検出部
65…前方カメラ
66…後方カメラ
67…ナビモジュール
68…無線通信モジュール
69…加速度センサ
70…ジャイロセンサ
81…入力部
101…制御ECU

Claims (5)

  1. ユーザの脚部に装着されアシスト力を加えることでユーザの歩行を補助する歩行補助装置において、
    可動可能な関節で互いに接続された複数のリンクを有する左右の脚パーツと、
    左右の前記脚パーツを接続する接続リンクと、
    左右の足裏に作用する床反力を検出する床反力検出部と、
    前記歩行補助装置の状態を検出し、検出した状態に基づいて重心位置を推定する重心位置推定処理と、
    前記床反力検出部で検出した床反力に基づき、足裏に設定された床反力ベクトルの発生位置と前記重心位置推定処理で推定した重心位置を結ぶ線分を方向として有する床反力ベクトルを検出する床反力ベクトル検出処理と、
    前記床反力ベクトル検出処理で算出された床反力ベクトルに基づいて、前記脚パーツの関節に加えるアシスト力を算出し、前記脚パーツの関節に設けられたアクチュエータにアシスト力を加えるアシスト処理と、を実行する制御部と、を備えたことを特徴とする
    歩行補助装置。
  2. 前記重心位置推定処理は、前記接続リンクの位置と角度の検出に基づいて重心位置を推定することを特徴とする
    請求項1に記載の歩行補助装置。
  3. 前記接続リンクの位置と角度は、前記脚パーツの関節角度に基づいて検出されることを特徴とする
    請求項2に記載の歩行補助装置。
  4. 前記床反力ベクトル検出処理で使用する床反力ベクトルの発生位置は、前記床反力検出部にて検出されることを特徴とする
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の歩行補助装置。
  5. 前記接続リンクは、ユーザによる装着時、ユーザの股下に位置するサドルリンクであり、
    左右の前記脚パーツは、ユーザによる装着時、ユーザの脚部内側に位置することを特徴とする
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の歩行補助装置。
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